説明

光輝性及び不連続構造の金属皮膜を有する樹脂製品

【課題】下地塗装を行うことなく耐食性を有する光輝性金属皮膜を含む樹脂製品を提供する。
【解決手段】樹脂基材11と、樹脂基材11上にインジウムからなる光輝性でかつ不連続構造の金属皮膜12とを含む樹脂製品であって、金属皮膜12の下にのみ、物理的蒸着法により形成された、酸窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム又は酸化クロムからなる金属皮膜12の耐食性を向上させる下耐食保護膜13を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属皮膜を有する樹脂製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、微細不連続膜構造を持つことでミリ波等の電波透過性を有しつつ、光輝性をも有する金属皮膜を基材上に得るためには、外観品質及び付着性の点からめっきの下地塗装が必要であった(特許文献1)。しかし、この方法では、下地塗装において大気中の塵埃等が下地の塗膜に混入すると、金属皮膜の膜厚が数十nmと薄膜であることから、金属皮膜表面の不良が生じ易かった。
【0003】
一方、下地塗装を行わないで微細不連続膜構造を持つ金属皮膜を基材上に得るために、下地乾式処理等が試みられている。しかし、下地基材からの腐食成分による金属皮膜の劣化、下地基材と金属皮膜との密着性不良、及び、下地層の耐久性不足から、耐久品質の点で不十分であり実用化には至っていなかった。
【特許文献1】特開平7−316782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、下地塗装を行うことなく耐食性を有する光輝性金属皮膜を含む樹脂製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、以下の手段[1]、[2]をとった。
[1]本発明の樹脂製品は、樹脂基材と、前記樹脂基材上にインジウムからなる光輝性でかつ不連続構造の金属皮膜とを含む樹脂製品であって、前記金属皮膜の下にのみケイ素化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物、亜鉛化合物又はクロム化合物からなる前記金属皮膜の耐食性を向上させる耐食保護膜を有することを特徴とする。本明細書において、金属皮膜の耐食性とは、金属皮膜の金属が酸化されるのに耐える性能である。
【0006】
[2]別の本発明の樹脂製品は、樹脂基材と、前記樹脂基材上にスズからなる光輝性でかつ不連続構造の金属皮膜とを含む樹脂製品であって、前記金属皮膜の上、下又は上下に無機化合物からなる前記金属皮膜の耐食性を向上させる耐食保護膜を有することを特徴とする。
【0007】
本発明における各要素の態様を以下に例示する。
【0008】
1.樹脂基材
手段[1]、[2]の樹脂基材の形態としては、特に限定されないが、板材、シート材、フィルム材等を例示できる。また、樹脂基材の樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂が好ましく、PC(ポリカーボネート)、アクリル樹脂、ポリスチレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリウレタン等を例示できる。
【0009】
2.金属皮膜
金属皮膜としては、光輝性を有する不連続構造になりやすいインジウム(In)又はスズ(Sn)からなる。
金属皮膜の膜厚は、特に限定されないが、10〜100nmが好ましい。10nm未満では光輝性が低下する傾向となり、100nmを越えると不連続構造になりにくいからである。
金属皮膜の製膜方法は、特に限定されないが、真空蒸着、分子線蒸着、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着、スパッタリング等の物理的蒸着を例示できる。
【0010】
3.耐食保護膜
3−1.化合物
手段[2]の耐食保護膜の無機化合物としては、密度3.0g/cm以上のものが緻密性が高い膜になることから好ましい。無機化合物としては、ケイ素又は金属元素で分類した(1)〜(7)及びその相手元素で分類した(A)〜(D)のものが例示できる。なお、以下に例示するものは、手段[1]のケイ素化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物、亜鉛化合物、クロム化合物の例示でもある。
(1)ケイ素(Si)化合物としては、酸化ケイ素(SiO等)、窒化ケイ素(Si)、酸窒化ケイ素(SiO)等が例示できる。
(2)アルミニウム(Al)化合物としては、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸窒化アルミニウム(AlO)等が例示できる。
(3)チタン(Ti)化合物としては、酸化チタン(TiO等)、窒化チタン(TiN)等が例示できる。
(4)セリウム(Ce)化合物としては、酸化セリウム(CeO等)等が例示できる。
(5)ジルコニウム(Zr)化合物としては、酸化ジルコニウム(ZrO)等が例示できる。
(6)亜鉛(Zn)化合物としては、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)等が例示できる。
(7)クロム(Cr)化合物としては、酸化クロム(Cr等)、窒化クロム(CrN)等が例示できる。
(A)酸化物(MO)としては、酸化ケイ素(SiO等)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO等)、酸化セリウム(CeO等)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化クロム(Cr等)等が例示できる。
(B)窒化物(MN)としては、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)等が例示できる。
(C)酸窒化物(MO)としては、酸窒化ケイ素(SiO)、酸窒化アルミニウム(AlO)等が例示できる。
(D)硫化物(MS)としては、硫化亜鉛(ZnS)等が例示できる。
また、酸窒化ケイ素又は酸窒化アルミニウムにおいては、各酸窒化物における窒素含有率(窒素の物質量を窒素と酸素の物質量の和で除したもの:N/(N+O))が、3〜80mol%であることが好ましい。それは、この範囲において、耐食性が向上するからである。
【0011】
3−2.製膜方法
耐食保護膜の製膜方法は、特に限定されないが、表面不良を防止する観点から蒸着法が好ましい。蒸着法のうち物理的蒸着としては、真空蒸着、分子線蒸着、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着、スパッタリング等が、化学的蒸着としては、熱化学的蒸着、プラズマ化学的蒸着、光化学的蒸着等が例示できる。
【0012】
3−3.位置
手段[1]の耐食保護膜は、金属皮膜の下に設ける。手段[2]の耐食保護膜は、金属皮膜の上、下又は上下に設ける。なお、耐食保護膜は、金属皮膜に接するように設けるのがよいが、金属皮膜との間に他の膜層が介在するように設けてもよい。ただし、耐食保護膜を金属皮膜の下に設ける場合には、金属皮膜と樹脂基材の間、すなわち樹脂基材の上に耐食保護膜を設ける。
【0013】
3−4.膜厚
耐食保護膜の膜厚は、2〜100nmが好ましく、より好ましくは、3〜50nmである。2nm未満では、十分な耐食性が得られず、100nmを超えると膜内ひずみの拡大によるクラック発生等の原因となるからである。
【0014】
4.その他の膜
手段[1]、[2]には、金属皮膜を保護するため、金属皮膜の上に保護膜(押え膜)を設けてもよい。保護膜としては、特に限定されないが、樹脂系の塗膜等が例示できる。
【0015】
5.樹脂製品の用途
金属皮膜が不連続であることから、電気抵抗が高いためミリ波透過性があり、腐食の伝搬を抑制するため耐食性がある等の性質がある。これらの性質から、樹脂製品の用途として、特に限定されないが、次のものを例示できる。
(a)ミリ波透過性による用途として、ミリ波レーダー装置カバーを例示できる。該カバーの適用部位は、特に限定されないが、自動車の外装塗装製品への適用が好ましく、特にラジエータグリル、グリルカバー、サイドモール、バックパネル、バンパー、エンブレム等に適する。
(b)耐食性による用途として、エンブレム、ラジエータグリル、光輝モール等の自動車外装部品を例示できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、下地塗装を行うことなく耐食性を有する光輝性金属皮膜を含む樹脂製品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
樹脂基材と、前記樹脂基材上にインジウムからなる光輝性でかつ不連続構造の金属皮膜とを含む樹脂製品であって、
前記金属皮膜の下にのみ、酸窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム若しくは酸化クロムからなる前記金属皮膜の耐食性を向上させる耐食保護膜を有することを特徴とする樹脂製品。
または、樹脂基材と、前記樹脂基材上にスズからなる光輝性でかつ不連続構造の金属皮膜とを含む樹脂製品であって、
前記金属皮膜の上、下若しくは上下に、酸窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム若しくは酸化クロムからなる前記金属皮膜の耐食性を向上させる耐食保護膜を有することを特徴とする樹脂製品。
【実施例】
【0018】
以下、ポリカーボネートよりなる樹脂基材(基板)上に、次の表1に示すように、金属皮膜の種類若しくは製膜方法又は上下の耐食保護膜の有無、種類若しくは製膜方法を変えた実施例及び比較例について説明する。なお、本発明の実施例及び比較例は、検討項目によって、9個のグループに分けられている。
【0019】
【表1】

【0020】
図1、2に示すように、各試験片には、厚さ5mmのポリカーボネートからなる樹脂基材11上に、以下に示す、金属皮膜12と、上耐食保護膜14、下耐食保護膜13又は上下の耐食保護膜13、14とを形成したものを用いた。また、押え塗膜15をも有する場合には、黒色のアクリル系二液性の熱乾型塗料を用いて押え塗膜を形成し、その膜厚を15μmとした。
【0021】
[酸窒化物の膜]
本実施例において、酸窒化物の製膜及び窒素含有率の測定は以下のようにした。
(a)製膜方法
酸窒化物ケイ素又は酸窒化物アルミニウムの膜は、次に示すようにして製膜した。
・スパッタリングによる酸窒化ケイ素(SiO)は、ターゲットにケイ素(Si)を用い、雰囲気中の窒素(N)及び酸素(O)の分圧により組成を制御して製膜した。
・イオンプレーティングによる酸窒化ケイ素(SiO)は、蒸発材料に窒化ケイ素(Si)を用い、窒素(N)(酸素(O))雰囲気下でRFプラズマの出力により組成を制御して製膜した。
・真空蒸着による酸窒化ケイ素(SiO)は、蒸発材料に窒化ケイ素(Si)を用いて製膜した。
・スパッタリングによる酸窒化アルミニウム(AlO)は、ターゲットにアルミニウム(Al)を用い、雰囲気中の窒素(N)及び酸素(O)の分圧により組成を制御して製膜した。
・イオンプレーティングによる酸窒化アルミニウム(AlO)は、蒸発材料に窒化アルミニウム(AlN)を用い、窒素(N)雰囲気下でRFプラズマの出力により組成を制御して製膜した。
(b)窒素含有率
膜中の窒素含有率(N/(O+N))は、XPS(X線光電子分光分析)により測定した。
【0022】
[グループ1a]
この実施例は、真空蒸着によるインジウムの金属皮膜12の下耐食保護膜13として、イオンプレーティングによる酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム又は硫化亜鉛からなる膜を設け、インジウムの金属皮膜12の上に、押え塗膜15を設けているものである。比較例として、下耐食保護膜13を設けていないものである。
【0023】
[グループ1b]
この実施例は、グループ1aに対して、金属皮膜12を真空蒸着によるスズに変更し、下耐食保護膜13をスパッタリングによる酸窒化ケイ素又は真空蒸着による酸化アルミニウムからなる膜に変更しているものである。比較例として、下耐食保護膜13を設けていないものである。
【0024】
[グループ2a]
この実施例は、真空蒸着によるスズの金属皮膜12の下耐食保護膜13として、真空蒸着又はイオンプレーティングによる酸窒化ケイ素(酸化ケイ素及び窒化ケイを含む)の窒素含有率を変えたものからなる膜を設けているものである。比較例として、下耐食保護膜13を設けていないものである。
【0025】
[グループ2b]
この実施例は、グループ2aに対して、金属皮膜12をスパッタリングによるインジウムに変更し、インジウムの金属皮膜12の上に、押え塗膜15を設けるように変更しているものである。比較例として、下耐食保護膜13を設けていないものである。
【0026】
[グループ3a]
この実施例は、真空蒸着によるインジウムの金属皮膜12の下耐食保護膜13として、イオンプレーティングによる酸窒化アルミニウム(酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムを含む)の窒素含有率を変えたものからなる膜を設け、インジウムの金属皮膜12の上に、押え塗膜15を設けているものである。比較例として、下耐食保護膜13を設けていないものである。
【0027】
[グループ3b]
この実施例は、グループ3aに対して、インジウムの金属皮膜12の膜厚を厚く変更しているもの、及び、下耐食保護膜13として、イオンプレーティングによる酸化ケイ素からなる膜に変更しているものである。比較例として、下耐食保護膜13を設けていないものである。
【0028】
[グループ4a]
この実施例は、真空蒸着によるインジウムの金属皮膜12の下耐食保護膜13として、イオンプレーティングによる酸化クロムからなる膜を設けているものである。比較例として、下耐食保護膜13を設けていないものである。
【0029】
[グループ4b]
この実施例は、グループ4aに対して、金属皮膜12を真空蒸着によるスズに変更し、スズの金属皮膜12の上下に酸化クロムからなる下耐食保護膜13及び上耐食保護膜14を設けるように変更し、上下の耐食保護膜13、14の膜厚を変えたものである。比較例として、下耐食保護膜13と上耐食保護膜14を設けていないものである。
【0030】
[グループ5]
この実施例は、下耐食保護膜13を設けず、真空蒸着によるスズの金属皮膜12の上にのみ、スパッタリングによる酸窒化ケイ素からなる上耐食保護膜14を設けているものである。比較例として、下耐食保護膜13と上耐食保護膜14を設けていないもの、及び、下耐食保護膜13及び上耐食保護膜14を真空蒸着による酸窒化アルミニウムからなる膜にしているものである。
【0031】
[耐食性(耐環境試験)]
耐食性(耐環境試験)を評価するため耐湿性の試験を行った。
(a)試験条件
以下の条件により耐湿性試験を行った。
湿度:98〜100%
気温:40℃
時間:480時間
(b)評価方法
・透過率変化量
押え塗膜を有しない場合には、図1(a)、図2(a)に示すように、樹脂基材11側から光を入射し、樹脂基材11及び各膜12、13、14を通過した透過光より透過率を測定する。耐湿性試験によりインジウム又はスズが酸化することで、金属皮膜12(光輝膜層)は透明化し、光の透過率が大きくなる。そこで、耐湿性試験前後の透過率を測定し、試験前後の変化量を求め、それをもとに評価を行った。
・色差:ΔE(色調変化)
押え塗膜を有する場合には、図1(b)、図2(b)に示すように、樹脂基材11側から試験片の色調を測定する。耐湿性試験によりインジウム又はスズが酸化することで、金属皮膜12(光輝膜層)が透明化し、金属皮膜の背後にある黒色の押え塗装(保護膜)が透けて見えるようになる。そこで、耐湿性試験前後の色調を測定し、試験前後の色差(ΔE)は、JIS K5600−4−6に準じ下記の式で求め、それをもとに評価を行った。
【0032】
【数1】

ΔL:明度差
Δa:色度差(赤−緑方向)
Δb:色度差(黄−青方向)
【0033】
評価は、以下の通りである。
(a)グループ1a及びグループ1bの結果より、下耐食保護膜13として、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム又は硫化亜鉛からなる膜を設けているものは、耐食性が少し向上する。これは、膜の緻密性が低いことと、製膜時の酸素又は酸素プラズマによる膜のダメージが影響しているものと思われる。
(b)グループ2a、グループ2b、グループ3a及びグループ3bの結果より、下耐食保護膜13として、酸窒化ケイ素又は酸窒化アルミニウムからなる膜を設けているものは、耐食性が向上する。また、窒化ケイ素又は窒化アルミニウムからなる膜を設けているものは、耐食性が少し向上する。これは、製膜時に高出力プラズマが必要であり、それによる膜のダメージが影響しているものと思われる。
(c)グループ4a及びグループ4bの結果より、金属皮膜12の下又は上下の耐食保護膜13、14に、酸化クロムからなる膜を設けているものは、耐食性が向上する。
(d)グループ5の結果より、酸窒化ケイ素において、窒素含有率が60mol%で効果がある。
【0034】
[密着性(耐磨耗性)]
金属皮膜12と基材11との密着性(耐磨耗性)評価を、グループ2bの試料を用い、ガーゼ磨耗試験で行った。
(a)試験条件
以下の条件によりガーゼ磨耗試験を行った。
幅12mmのガーゼ(綿100%)を磨耗材に用い、前記ガーゼに6.9Nの荷重をかけて振幅30mmで100回の往復運動を行う。
(b)評価方法
・透過率変化量
前記のように透過率を測定する。ガーゼ磨耗試験により、金属皮膜12(光輝膜層)の膜厚が薄くなることで、光の透過率が大きくなる。そこで、ガーゼ磨耗試験前後の透過率を測定し、試験前後の変化量を求め、それを密着性の評価とした。
【0035】
酸窒化ケイ素の窒素含有率が高いほど、密着性が高いことがわかる。
【0036】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で各部の構成を適宜変更して実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】金属皮膜がインジウムの場合の実施例の断面模式図である。
【図2】金属皮膜がスズの場合の実施例の断面模式図である。
【符号の説明】
【0038】
11 樹脂基材
12 金属皮膜
13 下耐食保護膜
14 上耐食保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材と、前記樹脂基材上にインジウムからなる光輝性でかつ不連続構造の金属皮膜とを含む樹脂製品であって、
前記金属皮膜の下にのみケイ素化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物、亜鉛化合物又はクロム化合物からなる前記金属皮膜の耐食性を向上させる耐食保護膜を有することを特徴とする樹脂製品。
【請求項2】
前記ケイ素化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物、亜鉛化合物又はクロム化合物が、酸化物、窒化物、酸窒化物又は硫化物である請求項1記載の樹脂製品。
【請求項3】
前記ケイ素化合物が、酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素である請求項1記載の樹脂製品。
【請求項4】
樹脂基材と、前記樹脂基材上にスズからなる光輝性でかつ不連続構造の金属皮膜とを含む樹脂製品であって、
前記金属皮膜の上、下又は上下に無機化合物からなる前記金属皮膜の耐食性を向上させる耐食保護膜を有することを特徴とする樹脂製品。
【請求項5】
前記無機化合物が、ケイ素化合物、酸化クロム又は酸化アルミニウムである請求項4記載の樹脂製品。
【請求項6】
前記ケイ素化合物が、酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素である請求項5記載の樹脂製品。
【請求項7】
前記耐食保護膜が、蒸着法により形成されたものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−80712(P2008−80712A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264910(P2006−264910)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】