入退室管理システム
【課題】各個人に対する通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方の設定変更を間違いなく容易に行うことができる作業性の優れた入退室管理システムを提供する。
【解決手段】入退室管理システムは、複数の人それぞれに対して通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方が予め設定されている通行可否設定テーブルを上記人に割り当てられている個人識別情報により検索することにより通行を管理する入退室管理システムにおいて、上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に図形として表示されている上記区域または上記時間帯を選択することにより上記通行可否設定テーブルに上記通行可能な区域または時間帯を設定する。
【解決手段】入退室管理システムは、複数の人それぞれに対して通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方が予め設定されている通行可否設定テーブルを上記人に割り当てられている個人識別情報により検索することにより通行を管理する入退室管理システムにおいて、上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に図形として表示されている上記区域または上記時間帯を選択することにより上記通行可否設定テーブルに上記通行可能な区域または時間帯を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人の入退室を管理する入退室管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の入退室管理システムは、各個人に対する通行可能な区域を組み合わせた区域グループの設定された通行可否設定テーブルおよび該通行可否設定テーブルに関連して通行の履歴や警報の履歴を収集するための設定画面を有する設定端末と、この設定端末にネットワークを介して接続され、通行可否設定テーブルの内容を記憶して、記憶内容に基づいて個人認証を行う個人識別コントローラと、個人識別コントローラに接続され、個人を特定するための個人特定手段と、個人識別コントローラに接続された電気錠とを備え、設定端末は、通行可否設定テーブルに設定される区域グループを各個人毎に通行可能な区域を任意に組み合わせて設定し、個人識別コントローラは、記憶されている通行可否設定テーブルの内容と個人特定手段からの特定情報の照合の結果に基づいて電気錠を制御して通行を管理する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−13484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、設定者が設定端末の画面よりカード番号と通行可能な区域を識別するための区域番号を入力することにより通行可否設定テーブルの登録を行っているが、広域な区域の入退室管理システムを構築するとなると、通行可能な区域や時間帯が複雑にからみあうので、登録が非常に大変なだけではなく、登録ミスが多発するという問題がある。
また、セキュリティレベルを考慮して登録しようとすると、さらに複雑な作業内容になるという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、各個人に対する通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方の設定変更を間違いなく容易に行うことができる作業性の優れた入退室管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる入退室管理システムは、複数の人それぞれに対して通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方が予め設定されている通行可否設定テーブルを上記人に割り当てられている個人識別情報により検索することにより通行を管理する入退室管理システムにおいて、上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に図形として表示されている上記区域または上記時間帯を選択することにより上記通行可否設定テーブルに上記通行可能な区域または時間帯を設定する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係わる入退室管理システムの効果は、通行可否設定テーブルに通行可能な区域または時間帯を登録するとき、対象の区域または時間帯が図形として表示されている画面を見ながら行えるので、間違いなく短時間で登録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる入退室管理システムが備えられたビルの構成図である。図2は、実施の形態1に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。図3は、実施の形態1に係わる個人識別制御装置の機能ブロック図である。図4は、実施の形態1に係わる個人識別制御装置の斜視図である。図5は、実施の形態1に係わる区域テーブルのデータ構造を示す図である。図6は、実施の形態1に係わる通行グループテーブルのデータ構造を示す図である。図7は、実施の形態1に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。図8は、実施の形態1に係わる初期設定画面である。図9は、実施の形態1に係わる通行グループ設定画面である。図10は、実施の形態1に係わる通行可否設定画面である。
【0009】
この発明の実施の形態1に係わる入退室管理システム1は、階床数がNであるビル2に備えられ、ビル2内を通行する人を管理する。そして、各階床は業務内容などに基づき区域3に区画されている。なお、以下の説明では、区域3への入室について説明するが、退室についても同様であるので、説明は省略する。
区域3への入室は、入口に備えられた扉4だけから可能になっている。各扉4には、電気錠5が設けられ、電気錠5が解錠されないと扉4は開けられないようになっている。各区域3には、区域3の記号(1A〜NB)とセキュリティレベルが決められている。この実施の形態1においては3つのセキュリティレベルに分けられており、入口階が含まれるフリー区域、通常の執務が行われる区域が含まれる通常区域、特別の人しか通行できない重要区域の3つである。
【0010】
通行する人には、予め個人識別情報としてのID番号が割り当てられ、そのID番号が記憶されているIDカードを通行する人が所持している。なお、個人識別情報としてID番号を例に挙げて以下説明するが、指紋、虹彩、静脈パターン、音声などバイオメトリックス情報を用いてもよい。
【0011】
実施の形態1に係わる入退室管理システム1は、図1に示すように、通行可否設定テーブル16に記憶されている内容に基づいて個人認証を行うとともに通行グループおよび通行可否の設定を行うための設定画面を備え、例えばパソコンやワークステーションで実現可能な入退室管理装置6、入退室管理装置6が接続された通信回線7、通信回線7に接続され、個人識別情報を収集して入退室管理装置6に送るとともに入退室管理装置6からの指令に基づき電気錠5を制御する個人識別制御装置8、扉4を旋解錠する電気錠5を備える。
【0012】
入退室管理装置6は、図2に示すように、個人識別制御装置8から収集されて送られてきた個人識別情報とその個人識別情報を送ってきた個人識別制御装置8の装置識別情報とから通行グループテーブル15および通行可否設定テーブル16に記憶されている内容を検索してその個人識別制御装置8が制御している扉4に設けられている電気錠5の解錠の可否を判断し、その個人識別制御装置8に指令を発する通行可否判断手段11、通行グループおよび通行可否の設定を行うための設定画面を生成するとともに入力された内容を通行グループテーブル15や通行可否設定テーブル16に記憶する設定制御手段12、管理対象のビル2のフロアレイアウト図13、区域3のセキュリティレベルが記憶されている区域テーブル14、通行グループテーブル15および通行可否設定テーブル16が格納されているデータベース17を有している。
入退室管理装置6には、画面を有する図示しないディスプレイ、文字、数字を入力するための図示しないキーボードおよびポインティングデバイスとしてのマウスが備えられている。
【0013】
個人識別制御装置8は、それに接続されている電気錠5を旋解錠することができる。そして、各個人識別制御装置8には、装置識別情報としての装置識別番号が割り当てられている。
個人識別制御装置8は、図3に示すように、各個人に割り当てられているID番号が記録されている図示しないIDカードからID番号を読み取るカードリーダ21、読み取ったID番号と装置識別番号とを一緒にして入退室管理装置6に送信する送信部22、入退室管理装置6から送られてくる指令を受信する受信部23、解錠可・不可指令に基づいて接続されている電気錠5を旋解錠する電気錠制御部24、装置識別番号が記憶されている記憶部25、電気錠5の旋解錠の可否を表示する表示灯26を有している。個人識別制御装置8の正面パネルには、図4に示すように、カードリーダ21のリーダヘッド27と解錠が許可されたとき点灯するOKランプ28と解錠が不許可になったときに点灯するNGランプ29からなる表示灯26が配置されている。
【0014】
次に、通行グループおよび通行可否の設定に関して説明する。
データベース17には、管理対象のビル2に係わる情報としてのビル2内の区域3のフロアレイアウト図13およびその区域3のセキュリティレベルが記憶されている図5に示すような区域テーブル14が格納されている。また、データベース17には、各通行グループとしてまとめられた通行可能区域が記憶されている図6に示すような通行グループテーブル15が格納されている。また、登録される人の氏名、ID番号および通行グループが記憶される図7に示すような通行可否設定テーブル16が格納されている。
【0015】
設定制御手段12は、初期選択画面、通行グループ設定画面および通行可否設定画面からなる3つの設定用画面を創成する画像データを有している。
初期選択画面には、図8に示すように、通行グループ設定アイコン31と通行可否設定アイコン32が表示されている。
通行グループ設定アイコン31にマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に通行グループ設定画面が表示される。また、通行可否設定アイコン32にカーソルをマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に通行可否設定画面が表示される。
【0016】
通行グループ設定画面には、区域3のフロアレイアウト図13およびセキュリティレベルから創成されたビル2の透視図が図9に示すように表示されている。区域3は、実際の形状に類似する形状を囲む外形線で表されている。その外形線の内側には区域3の記号33が表示されている。
また、通行グループ設定画面には、通行グループの記号を入力するコンボボックス34および設定が完了したときに選択する完了釦アイコン35が表示されている。
コンボボックス34の右端の釦アイコン36にカーソルを合わせると、現在設定されている通行グループの記号がグループ選択リストとして表示される。
【0017】
このグループ選択リストの1つを選択すると、通行可能区域の外形線が点線から実線に変わる。また、コンボボックス34に新たな通行グループの記号を入力したときは、点線のままとなっている。
そして、マウスによりカーソルを選択する区域3の外形線または記号33に合わせてクリックすると、その区域3の外形線が点線であった場合実線に、実線であった場合点線に変わる。例えば、通行グループG01を選択すると、図9に示すように、記号1A、2A、2Bの区域の外形線が実線に変わる。この操作を対象とする区域3すべてに亘って行い、完了したら完了釦アイコン35にカーソルを合わせてクリックして通行グループの設定を完了し、通行グループ設定画面から初期選択画面に戻る。このとき、設定したデータは通行グループテーブル15に記憶される。
【0018】
初期選択画面の通行可否設定アイコン32にマウスを用いてカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックすると、画面は切り替わって通行可否設定画面が表示される。
通行可否設定画面には、区域3のフロアレイアウト図13およびセキュリティレベルから創成されたビルの透視図が図10に示すように表示されている。区域3は、実際の形状に類似する形状を囲む外形線で表されている。その外形線の内側には区域3の記号33が表示されている。また、外形線の表示色は、区域3のセキュリティレベルにより異なっており、フリー区域は緑色、通常区域は黄色、重要区域は赤色に色分けされている。
また、通行可否設定画面には、登録する人の氏名、割り当てられているID番号を入力するコンボボックス37と設定が完了したとき選択する完了釦アイコン38が表示されている。
また、通行可否設定画面には、選択された区域3を含む通行グループの記号が表示されるテキストボックス39とその横に確認釦アイコン40が表示されている。コンボボックス39の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると、現在設定されている人のID番号が人選択リストとして表示される。
【0019】
新たに登録する氏名とID番号とをそれぞれのコンボボックス37に入力するとすべての区域3の外形線は点線となる。そして、設定者がある区域3の外形線または記号33にカーソルを合わせてクリックすると、外形線が点線から実線に変えられるとともにその区域3を含む通行グループが通行グループテーブル15を検索することにより求められ、それが通行可否設定画面上のテキストボックス39に表示される。設定者は、その通行グループの中から必要なものを選んで確認釦アイコン40をクリックすると、その通行グループに含まれる通行可能区域の外形線が実線に変わる。
【0020】
また、現時点で既に登録されている人の通行可能区域を見直すときに、コンボボックス37の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると現時点で登録されている人の人選択リストが表示され、人選択リストの1人が選択されるとその人が通行可能な通行可能区域の外形線が点線から実線に変わる。また同時に、登録されている通行グループが表示される。
ここで、追加する区域3または取り消す区域3の外形線または記号33にカーソルを合わせてクリックすると、その区域3の外形線が点線であった場合実線に、実線であった場合点線に変えられる。
そして、選択された区域3で通行グループテーブル15を検索して通行グループを見つけて、通行可否設定画面に表示する。
【0021】
それから、設定者は、通行可否設定画面に表示されている通行可能区域を確認して、完了アイコン38にカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックする。
このとき、設定制御手段12は、通行可否設定テーブル16に氏名、ID記号、選択された通行グループの記号を記憶する。
【0022】
個人の区域3への入室の手順は一般的であるので、簡単に説明する。
個人がある区域3に入室しようとするとき、その区域3の入口付近に設置されている個人識別制御装置8のカードリーダ21のリーダヘッド27にIDカードを通過させて当人のID番号を読み込ませる。
個人識別制御装置8は、そのID番号と装置識別番号とを一緒にして入退室管理装置6に送る。
入退室管理装置6は、受信した装置識別番号から区域3を特定し、その区域3を用いて通行グループテーブル15を検索して該当する通行グループを求める。そして、通行グループとID番号とを用いて通行可否設定テーブル16を検索する。そのID番号が通行可否設定テーブル16に記憶されていないときは解錠不可指令を発する。また、そのID番号が記憶されているがその通行グループが記憶されていないときも解錠不可指令を発する。逆に、そのID番号とその通行グループとが記憶されているときには解錠可指令を発する。
個人識別制御装置8は、解錠可指令を受信したとき接続されている電気錠5を解錠するとともに表示灯26のOKランプ28を点灯する。このようにして入室しようとする区域3の入口に設けられた扉4の電気錠5が解錠され、入室することができる。
また、個人識別制御装置8は、解錠不可指令を受信したとき表示灯26のNGランプ29を点灯する。このときは扉4が旋錠されたままであるので、入室することはできない。
【0023】
このような入退室管理システム1は、通行可否設定テーブル16に通行可能な区域を設定するとき、対象の区域3が実際の形状に類似した図形として表示されている画面を見ながら行えるので、間違いなく短時間で登録することができる。
また、1つの区域3を通行可否設定画面上で選択すると、それに関連するすべての通行グループの記号が表示されるので、同様な業務を行う人には同様なグループを簡単に設定することができる。
また、同時に複数の人の登録も行えるため、効率よく登録することができる。
【0024】
実施の形態2.
図11は、この発明の実施の形態2に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。図12は、実施の形態2に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。図13は、実施の形態2に係わる通行時間帯グループテーブルのデータ構造を示す図である。図14は、実施の形態2に係わる初期設定画面である。図15は、実施の形態2に係わる通行グループ設定画面である。図16は、実施の形態2に係わる通行可否設定画面である。
【0025】
この発明の実施の形態2に係わる入退室管理システムは、実施の形態1に係わる入退室管理システム1に区域3だけではなく時間帯にも通行可否を設定されていることが異なっており、その他は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態2に係わる入退室管理装置6Bは、図11に示すように、実施の形態1に係わる入退室管理装置6に時間帯に関する内容が追加され、通行可否判断手段11B、設定制御手段12B、通行可否設定テーブル16Bおよびデータベース17Bが異なっており、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
【0026】
実施の形態2に係わるデータベース17Bに格納されている通行可否設定テーブル16Bには、図12に示すように、入退室が管理されている人の氏名、その人に割り当てられたID番号、その人が通行可能な通行グループ、通行可能な通行時間帯グループが設定されている。そして、個人識別制御装置8からID番号が入力されたとき、その個人識別制御装置8が管理している区域3を含む通行グループ、ID番号および入退室管理装置6Bの図示しない内部時計で計時された時刻を用いて通行可否設定テーブル16Bを検索して、個人識別制御装置8に接続されている電気錠5の解錠の可否を判断する。
また、実施の形態2に係わるデータベース17Bには、図13に示すように、各通行時間帯グループとしてまとめられた時間帯が記憶されている通行時間帯グループテーブル50が格納されている。
【0027】
次に、通行時間帯グループの設定および通行可否の設定について説明する。なお、通行グループの設定は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
実施の形態2に係わる設定制御手段12Bは、初期選択画面、通行グループ設定画面、通行時間帯グループ設定画面および通行可否設定画面からなる4つの設定用画面を創成するための画像データを有している。
初期選択画面には、図14に示すように、通行グループ設定アイコン31、通行時間帯グループ設定アイコン51および通行可否設定アイコン32が表示されている。
通行時間帯グループ設定アイコン51にカーソルをマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に時間帯グループ設定画面が表示される。また、通行可否設定アイコン32にカーソルをマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に通行可否設定画面が表示される。
【0028】
通行時間帯グループ設定画面には、図15に示すように、1週間に亘る1時間毎の時間帯が表示されている。
また、通行時間帯グループ設定画面には、通行時間帯グループの記号を入力するコンボボックス53および設定が完了したときに選択する完了釦アイコン54が表示されている。
コンボボックス53の右端の釦アイコン55にカーソルを合わせると、現在設定されている通行時間帯グループの記号が時間帯グループ選択リストとして表示される。
【0029】
この時間帯グループ選択リストの1つを選択すると、通行可能の時間帯の枠内の色が白から黒に変わる。また、コンボボックス53に新たな通行時間帯グループの記号を入力したときは、時間帯の枠内の色は白のままとなっている。
そして、マウスによりカーソルを選択する時間帯の枠内に合わせてクリックすると、その枠内の色が白であった場合黒に、黒であった場合白に変わる。例えば、通行時間帯グループH01を選択すると、図15に示すように、月曜日から金曜日までの8時から18時までの時間帯の枠内の色が黒に変わる。この操作を対象とする時間帯すべてに亘って行い、完了したら完了釦アイコン54にカーソルを合わせてクリックして通行時間帯グループの設定を完了し、通行時間帯グループ設定画面から初期選択画面に戻る。このとき、設定したデータは、通行時間帯グループテーブル50に記憶される。
【0030】
初期選択画面の通行可否設定アイコン32にマウスによりカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックすると、画面は切り替わって通行可否設定画面が表示される。
通行可否設定画面には、区域3のフロアレイアウト図13およびセキュリティレベルから創成されたビルの透視図と1週間に亘る1時間毎の時間帯とが図16に示すように表示されている。以下の説明では区域3に関する内容は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
また、通行可否設定画面には、登録する人の氏名およびその人に割り当てられているID番号を入力するコンボボックス37と設定が完了したときに選択する完了釦アイコン38が表示されている。コンボボックス37の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると、現在設定されている人のID番号が人選択リストとして表示される。
また、通行可否設定画面には、選択された区域を含む通行グループの記号が表示されるテキストボックス39とその横に確認釦アイコン40が表示されている。
また、通行可否設定画面には、選択された時間帯を含む通行時間帯グループの記号が表示される時間帯テキストボックス56とその横に確認釦アイコン57が表示されている。
【0031】
新たに登録する人の氏名とID番号とをそれぞれのコンボボックス37に入力するとすべての区域3の外形線は点線となり、時間帯の枠内の色は白となる。そして、設定者がある時間帯の枠内にカーソルを合わせてクリックすると、枠内の色が黒に変わるとともにその時間帯を含む通行時間帯グループが時間帯グループテーブル50を検索することにより求められ、それが通行可否設定画面上の時間帯テキストボックス56に表示される。設定者は、その通行時間帯グループの中から必要なものを選んで確認釦アイコン57をクリックすると、その通行時間帯グループに含まれる通行可能時間帯の枠内の色が黒に変わる。
【0032】
また、現時点で既に登録されている人の通行可能な時間帯を見直すときは、コンボボックス37の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると現時点で設定されている人の人選択リストが表示され、人選択リストの1人が選択されるとその人が通行可能な時間帯の枠内の色が黒に変わる。また、同時に、登録されている通行時間帯グループが表示される。
ここで、設定者が追加する時間帯または取り消す時間帯の枠内にカーソルを合わせてクリックすると、その時間帯の枠内の色が白であった場合黒に、黒であった場合白に変わる。
そして、設定制御手段12Bは、選択された時間帯で通行時間帯グループテーブル50を検索して通行時間帯グループを見つけて、通行可否設定画面に表示する。
【0033】
それから、設定者は、通行可否設定画面に表示されている通行可能時間帯を確認して、完了アイコン38にカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックする。
このとき、設定制御手段12Bは、通行可否設定テーブル16Bに氏名、ID記号、選択された通行グループの記号および選択された通行時間帯グループの記号を記憶する。
【0034】
このような入退室管理システムは、通行可否設定テーブル16Bに通行可能な時間帯を設定するとき、対象の時間帯が線表として表示されている画面を見ながら時間帯の設定が行えるので、間違いを起こさずに短時間で登録することができる。
また、1つの時間帯を通行可否設定画面上で選択すると、それに関連するすべての通行時間帯グループの記号が表示されるので、同様な業務を行う人には同様なグループを簡単に設定することができる。
【0035】
なお、実施の形態2では区域と時間帯との両方が満足するとき、解錠を許しているが、時間帯だけを条件として解錠の判断を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる入退室管理システムが備えられているビルの構成図である。
【図2】実施の形態1に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1に係わる個人識別制御装置の機能ブロック図である。
【図4】実施の形態1に係わる個人識別制御装置の斜視図である。
【図5】実施の形態1に係わる区域テーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】実施の形態1に係わる通行グループテーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】実施の形態1に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。
【図8】実施の形態1に係わる初期設定画面である。
【図9】実施の形態1に係わる通行グループ設定画面である。
【図10】実施の形態1に係わる通行可否設定画面である。
【図11】この発明の実施の形態2に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。
【図12】実施の形態2に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。
【図13】実施の形態2に係わる通行時間帯グループテーブルのデータ構造を示す図である。
【図14】実施の形態2に係わる初期設定画面である。
【図15】実施の形態2に係わる通行グループ設定画面である。
【図16】実施の形態2に係わる通行可否設定画面である。
【符号の説明】
【0037】
1 入退室管理システム、2 ビル、3 区域、4 扉、5 電気錠、6 入退室管理装置、7 通信回線、8 個人識別制御装置、11 通行可否判断手段、12 設定制御手段、13 フロアレイアウト図、14 区域テーブル、15 通行グループテーブル、16 通行可否設定テーブル、17 データベース、21 カードリーダ、22 送信部、23 受信部、24 電気錠制御部、25 記憶部、26 表示灯、27 リーダヘッド、28 OKランプ、29 NGランプ、31 通行グループ設定アイコン、32 通行可否設定アイコン、33 (区域の)記号、34、37、53 コンボボックス、35、38、54 完了釦アイコン、36、41、55 釦アイコン、39 テキストボックス、40、57 確認釦アイコン、50 通行時間帯グループテーブル、51 通行時間帯グループ設定アイコン、56 時間帯テキストボックス。
【技術分野】
【0001】
この発明は、人の入退室を管理する入退室管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の入退室管理システムは、各個人に対する通行可能な区域を組み合わせた区域グループの設定された通行可否設定テーブルおよび該通行可否設定テーブルに関連して通行の履歴や警報の履歴を収集するための設定画面を有する設定端末と、この設定端末にネットワークを介して接続され、通行可否設定テーブルの内容を記憶して、記憶内容に基づいて個人認証を行う個人識別コントローラと、個人識別コントローラに接続され、個人を特定するための個人特定手段と、個人識別コントローラに接続された電気錠とを備え、設定端末は、通行可否設定テーブルに設定される区域グループを各個人毎に通行可能な区域を任意に組み合わせて設定し、個人識別コントローラは、記憶されている通行可否設定テーブルの内容と個人特定手段からの特定情報の照合の結果に基づいて電気錠を制御して通行を管理する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−13484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、設定者が設定端末の画面よりカード番号と通行可能な区域を識別するための区域番号を入力することにより通行可否設定テーブルの登録を行っているが、広域な区域の入退室管理システムを構築するとなると、通行可能な区域や時間帯が複雑にからみあうので、登録が非常に大変なだけではなく、登録ミスが多発するという問題がある。
また、セキュリティレベルを考慮して登録しようとすると、さらに複雑な作業内容になるという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、各個人に対する通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方の設定変更を間違いなく容易に行うことができる作業性の優れた入退室管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる入退室管理システムは、複数の人それぞれに対して通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方が予め設定されている通行可否設定テーブルを上記人に割り当てられている個人識別情報により検索することにより通行を管理する入退室管理システムにおいて、上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に図形として表示されている上記区域または上記時間帯を選択することにより上記通行可否設定テーブルに上記通行可能な区域または時間帯を設定する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係わる入退室管理システムの効果は、通行可否設定テーブルに通行可能な区域または時間帯を登録するとき、対象の区域または時間帯が図形として表示されている画面を見ながら行えるので、間違いなく短時間で登録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる入退室管理システムが備えられたビルの構成図である。図2は、実施の形態1に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。図3は、実施の形態1に係わる個人識別制御装置の機能ブロック図である。図4は、実施の形態1に係わる個人識別制御装置の斜視図である。図5は、実施の形態1に係わる区域テーブルのデータ構造を示す図である。図6は、実施の形態1に係わる通行グループテーブルのデータ構造を示す図である。図7は、実施の形態1に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。図8は、実施の形態1に係わる初期設定画面である。図9は、実施の形態1に係わる通行グループ設定画面である。図10は、実施の形態1に係わる通行可否設定画面である。
【0009】
この発明の実施の形態1に係わる入退室管理システム1は、階床数がNであるビル2に備えられ、ビル2内を通行する人を管理する。そして、各階床は業務内容などに基づき区域3に区画されている。なお、以下の説明では、区域3への入室について説明するが、退室についても同様であるので、説明は省略する。
区域3への入室は、入口に備えられた扉4だけから可能になっている。各扉4には、電気錠5が設けられ、電気錠5が解錠されないと扉4は開けられないようになっている。各区域3には、区域3の記号(1A〜NB)とセキュリティレベルが決められている。この実施の形態1においては3つのセキュリティレベルに分けられており、入口階が含まれるフリー区域、通常の執務が行われる区域が含まれる通常区域、特別の人しか通行できない重要区域の3つである。
【0010】
通行する人には、予め個人識別情報としてのID番号が割り当てられ、そのID番号が記憶されているIDカードを通行する人が所持している。なお、個人識別情報としてID番号を例に挙げて以下説明するが、指紋、虹彩、静脈パターン、音声などバイオメトリックス情報を用いてもよい。
【0011】
実施の形態1に係わる入退室管理システム1は、図1に示すように、通行可否設定テーブル16に記憶されている内容に基づいて個人認証を行うとともに通行グループおよび通行可否の設定を行うための設定画面を備え、例えばパソコンやワークステーションで実現可能な入退室管理装置6、入退室管理装置6が接続された通信回線7、通信回線7に接続され、個人識別情報を収集して入退室管理装置6に送るとともに入退室管理装置6からの指令に基づき電気錠5を制御する個人識別制御装置8、扉4を旋解錠する電気錠5を備える。
【0012】
入退室管理装置6は、図2に示すように、個人識別制御装置8から収集されて送られてきた個人識別情報とその個人識別情報を送ってきた個人識別制御装置8の装置識別情報とから通行グループテーブル15および通行可否設定テーブル16に記憶されている内容を検索してその個人識別制御装置8が制御している扉4に設けられている電気錠5の解錠の可否を判断し、その個人識別制御装置8に指令を発する通行可否判断手段11、通行グループおよび通行可否の設定を行うための設定画面を生成するとともに入力された内容を通行グループテーブル15や通行可否設定テーブル16に記憶する設定制御手段12、管理対象のビル2のフロアレイアウト図13、区域3のセキュリティレベルが記憶されている区域テーブル14、通行グループテーブル15および通行可否設定テーブル16が格納されているデータベース17を有している。
入退室管理装置6には、画面を有する図示しないディスプレイ、文字、数字を入力するための図示しないキーボードおよびポインティングデバイスとしてのマウスが備えられている。
【0013】
個人識別制御装置8は、それに接続されている電気錠5を旋解錠することができる。そして、各個人識別制御装置8には、装置識別情報としての装置識別番号が割り当てられている。
個人識別制御装置8は、図3に示すように、各個人に割り当てられているID番号が記録されている図示しないIDカードからID番号を読み取るカードリーダ21、読み取ったID番号と装置識別番号とを一緒にして入退室管理装置6に送信する送信部22、入退室管理装置6から送られてくる指令を受信する受信部23、解錠可・不可指令に基づいて接続されている電気錠5を旋解錠する電気錠制御部24、装置識別番号が記憶されている記憶部25、電気錠5の旋解錠の可否を表示する表示灯26を有している。個人識別制御装置8の正面パネルには、図4に示すように、カードリーダ21のリーダヘッド27と解錠が許可されたとき点灯するOKランプ28と解錠が不許可になったときに点灯するNGランプ29からなる表示灯26が配置されている。
【0014】
次に、通行グループおよび通行可否の設定に関して説明する。
データベース17には、管理対象のビル2に係わる情報としてのビル2内の区域3のフロアレイアウト図13およびその区域3のセキュリティレベルが記憶されている図5に示すような区域テーブル14が格納されている。また、データベース17には、各通行グループとしてまとめられた通行可能区域が記憶されている図6に示すような通行グループテーブル15が格納されている。また、登録される人の氏名、ID番号および通行グループが記憶される図7に示すような通行可否設定テーブル16が格納されている。
【0015】
設定制御手段12は、初期選択画面、通行グループ設定画面および通行可否設定画面からなる3つの設定用画面を創成する画像データを有している。
初期選択画面には、図8に示すように、通行グループ設定アイコン31と通行可否設定アイコン32が表示されている。
通行グループ設定アイコン31にマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に通行グループ設定画面が表示される。また、通行可否設定アイコン32にカーソルをマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に通行可否設定画面が表示される。
【0016】
通行グループ設定画面には、区域3のフロアレイアウト図13およびセキュリティレベルから創成されたビル2の透視図が図9に示すように表示されている。区域3は、実際の形状に類似する形状を囲む外形線で表されている。その外形線の内側には区域3の記号33が表示されている。
また、通行グループ設定画面には、通行グループの記号を入力するコンボボックス34および設定が完了したときに選択する完了釦アイコン35が表示されている。
コンボボックス34の右端の釦アイコン36にカーソルを合わせると、現在設定されている通行グループの記号がグループ選択リストとして表示される。
【0017】
このグループ選択リストの1つを選択すると、通行可能区域の外形線が点線から実線に変わる。また、コンボボックス34に新たな通行グループの記号を入力したときは、点線のままとなっている。
そして、マウスによりカーソルを選択する区域3の外形線または記号33に合わせてクリックすると、その区域3の外形線が点線であった場合実線に、実線であった場合点線に変わる。例えば、通行グループG01を選択すると、図9に示すように、記号1A、2A、2Bの区域の外形線が実線に変わる。この操作を対象とする区域3すべてに亘って行い、完了したら完了釦アイコン35にカーソルを合わせてクリックして通行グループの設定を完了し、通行グループ設定画面から初期選択画面に戻る。このとき、設定したデータは通行グループテーブル15に記憶される。
【0018】
初期選択画面の通行可否設定アイコン32にマウスを用いてカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックすると、画面は切り替わって通行可否設定画面が表示される。
通行可否設定画面には、区域3のフロアレイアウト図13およびセキュリティレベルから創成されたビルの透視図が図10に示すように表示されている。区域3は、実際の形状に類似する形状を囲む外形線で表されている。その外形線の内側には区域3の記号33が表示されている。また、外形線の表示色は、区域3のセキュリティレベルにより異なっており、フリー区域は緑色、通常区域は黄色、重要区域は赤色に色分けされている。
また、通行可否設定画面には、登録する人の氏名、割り当てられているID番号を入力するコンボボックス37と設定が完了したとき選択する完了釦アイコン38が表示されている。
また、通行可否設定画面には、選択された区域3を含む通行グループの記号が表示されるテキストボックス39とその横に確認釦アイコン40が表示されている。コンボボックス39の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると、現在設定されている人のID番号が人選択リストとして表示される。
【0019】
新たに登録する氏名とID番号とをそれぞれのコンボボックス37に入力するとすべての区域3の外形線は点線となる。そして、設定者がある区域3の外形線または記号33にカーソルを合わせてクリックすると、外形線が点線から実線に変えられるとともにその区域3を含む通行グループが通行グループテーブル15を検索することにより求められ、それが通行可否設定画面上のテキストボックス39に表示される。設定者は、その通行グループの中から必要なものを選んで確認釦アイコン40をクリックすると、その通行グループに含まれる通行可能区域の外形線が実線に変わる。
【0020】
また、現時点で既に登録されている人の通行可能区域を見直すときに、コンボボックス37の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると現時点で登録されている人の人選択リストが表示され、人選択リストの1人が選択されるとその人が通行可能な通行可能区域の外形線が点線から実線に変わる。また同時に、登録されている通行グループが表示される。
ここで、追加する区域3または取り消す区域3の外形線または記号33にカーソルを合わせてクリックすると、その区域3の外形線が点線であった場合実線に、実線であった場合点線に変えられる。
そして、選択された区域3で通行グループテーブル15を検索して通行グループを見つけて、通行可否設定画面に表示する。
【0021】
それから、設定者は、通行可否設定画面に表示されている通行可能区域を確認して、完了アイコン38にカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックする。
このとき、設定制御手段12は、通行可否設定テーブル16に氏名、ID記号、選択された通行グループの記号を記憶する。
【0022】
個人の区域3への入室の手順は一般的であるので、簡単に説明する。
個人がある区域3に入室しようとするとき、その区域3の入口付近に設置されている個人識別制御装置8のカードリーダ21のリーダヘッド27にIDカードを通過させて当人のID番号を読み込ませる。
個人識別制御装置8は、そのID番号と装置識別番号とを一緒にして入退室管理装置6に送る。
入退室管理装置6は、受信した装置識別番号から区域3を特定し、その区域3を用いて通行グループテーブル15を検索して該当する通行グループを求める。そして、通行グループとID番号とを用いて通行可否設定テーブル16を検索する。そのID番号が通行可否設定テーブル16に記憶されていないときは解錠不可指令を発する。また、そのID番号が記憶されているがその通行グループが記憶されていないときも解錠不可指令を発する。逆に、そのID番号とその通行グループとが記憶されているときには解錠可指令を発する。
個人識別制御装置8は、解錠可指令を受信したとき接続されている電気錠5を解錠するとともに表示灯26のOKランプ28を点灯する。このようにして入室しようとする区域3の入口に設けられた扉4の電気錠5が解錠され、入室することができる。
また、個人識別制御装置8は、解錠不可指令を受信したとき表示灯26のNGランプ29を点灯する。このときは扉4が旋錠されたままであるので、入室することはできない。
【0023】
このような入退室管理システム1は、通行可否設定テーブル16に通行可能な区域を設定するとき、対象の区域3が実際の形状に類似した図形として表示されている画面を見ながら行えるので、間違いなく短時間で登録することができる。
また、1つの区域3を通行可否設定画面上で選択すると、それに関連するすべての通行グループの記号が表示されるので、同様な業務を行う人には同様なグループを簡単に設定することができる。
また、同時に複数の人の登録も行えるため、効率よく登録することができる。
【0024】
実施の形態2.
図11は、この発明の実施の形態2に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。図12は、実施の形態2に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。図13は、実施の形態2に係わる通行時間帯グループテーブルのデータ構造を示す図である。図14は、実施の形態2に係わる初期設定画面である。図15は、実施の形態2に係わる通行グループ設定画面である。図16は、実施の形態2に係わる通行可否設定画面である。
【0025】
この発明の実施の形態2に係わる入退室管理システムは、実施の形態1に係わる入退室管理システム1に区域3だけではなく時間帯にも通行可否を設定されていることが異なっており、その他は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態2に係わる入退室管理装置6Bは、図11に示すように、実施の形態1に係わる入退室管理装置6に時間帯に関する内容が追加され、通行可否判断手段11B、設定制御手段12B、通行可否設定テーブル16Bおよびデータベース17Bが異なっており、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
【0026】
実施の形態2に係わるデータベース17Bに格納されている通行可否設定テーブル16Bには、図12に示すように、入退室が管理されている人の氏名、その人に割り当てられたID番号、その人が通行可能な通行グループ、通行可能な通行時間帯グループが設定されている。そして、個人識別制御装置8からID番号が入力されたとき、その個人識別制御装置8が管理している区域3を含む通行グループ、ID番号および入退室管理装置6Bの図示しない内部時計で計時された時刻を用いて通行可否設定テーブル16Bを検索して、個人識別制御装置8に接続されている電気錠5の解錠の可否を判断する。
また、実施の形態2に係わるデータベース17Bには、図13に示すように、各通行時間帯グループとしてまとめられた時間帯が記憶されている通行時間帯グループテーブル50が格納されている。
【0027】
次に、通行時間帯グループの設定および通行可否の設定について説明する。なお、通行グループの設定は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
実施の形態2に係わる設定制御手段12Bは、初期選択画面、通行グループ設定画面、通行時間帯グループ設定画面および通行可否設定画面からなる4つの設定用画面を創成するための画像データを有している。
初期選択画面には、図14に示すように、通行グループ設定アイコン31、通行時間帯グループ設定アイコン51および通行可否設定アイコン32が表示されている。
通行時間帯グループ設定アイコン51にカーソルをマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に時間帯グループ設定画面が表示される。また、通行可否設定アイコン32にカーソルをマウスにより重ね合わせてからマウスの左釦をクリックすると、画面に通行可否設定画面が表示される。
【0028】
通行時間帯グループ設定画面には、図15に示すように、1週間に亘る1時間毎の時間帯が表示されている。
また、通行時間帯グループ設定画面には、通行時間帯グループの記号を入力するコンボボックス53および設定が完了したときに選択する完了釦アイコン54が表示されている。
コンボボックス53の右端の釦アイコン55にカーソルを合わせると、現在設定されている通行時間帯グループの記号が時間帯グループ選択リストとして表示される。
【0029】
この時間帯グループ選択リストの1つを選択すると、通行可能の時間帯の枠内の色が白から黒に変わる。また、コンボボックス53に新たな通行時間帯グループの記号を入力したときは、時間帯の枠内の色は白のままとなっている。
そして、マウスによりカーソルを選択する時間帯の枠内に合わせてクリックすると、その枠内の色が白であった場合黒に、黒であった場合白に変わる。例えば、通行時間帯グループH01を選択すると、図15に示すように、月曜日から金曜日までの8時から18時までの時間帯の枠内の色が黒に変わる。この操作を対象とする時間帯すべてに亘って行い、完了したら完了釦アイコン54にカーソルを合わせてクリックして通行時間帯グループの設定を完了し、通行時間帯グループ設定画面から初期選択画面に戻る。このとき、設定したデータは、通行時間帯グループテーブル50に記憶される。
【0030】
初期選択画面の通行可否設定アイコン32にマウスによりカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックすると、画面は切り替わって通行可否設定画面が表示される。
通行可否設定画面には、区域3のフロアレイアウト図13およびセキュリティレベルから創成されたビルの透視図と1週間に亘る1時間毎の時間帯とが図16に示すように表示されている。以下の説明では区域3に関する内容は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
また、通行可否設定画面には、登録する人の氏名およびその人に割り当てられているID番号を入力するコンボボックス37と設定が完了したときに選択する完了釦アイコン38が表示されている。コンボボックス37の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると、現在設定されている人のID番号が人選択リストとして表示される。
また、通行可否設定画面には、選択された区域を含む通行グループの記号が表示されるテキストボックス39とその横に確認釦アイコン40が表示されている。
また、通行可否設定画面には、選択された時間帯を含む通行時間帯グループの記号が表示される時間帯テキストボックス56とその横に確認釦アイコン57が表示されている。
【0031】
新たに登録する人の氏名とID番号とをそれぞれのコンボボックス37に入力するとすべての区域3の外形線は点線となり、時間帯の枠内の色は白となる。そして、設定者がある時間帯の枠内にカーソルを合わせてクリックすると、枠内の色が黒に変わるとともにその時間帯を含む通行時間帯グループが時間帯グループテーブル50を検索することにより求められ、それが通行可否設定画面上の時間帯テキストボックス56に表示される。設定者は、その通行時間帯グループの中から必要なものを選んで確認釦アイコン57をクリックすると、その通行時間帯グループに含まれる通行可能時間帯の枠内の色が黒に変わる。
【0032】
また、現時点で既に登録されている人の通行可能な時間帯を見直すときは、コンボボックス37の右端の釦アイコン41にカーソルを合わせると現時点で設定されている人の人選択リストが表示され、人選択リストの1人が選択されるとその人が通行可能な時間帯の枠内の色が黒に変わる。また、同時に、登録されている通行時間帯グループが表示される。
ここで、設定者が追加する時間帯または取り消す時間帯の枠内にカーソルを合わせてクリックすると、その時間帯の枠内の色が白であった場合黒に、黒であった場合白に変わる。
そして、設定制御手段12Bは、選択された時間帯で通行時間帯グループテーブル50を検索して通行時間帯グループを見つけて、通行可否設定画面に表示する。
【0033】
それから、設定者は、通行可否設定画面に表示されている通行可能時間帯を確認して、完了アイコン38にカーソルを合わせてマウスの左釦をクリックする。
このとき、設定制御手段12Bは、通行可否設定テーブル16Bに氏名、ID記号、選択された通行グループの記号および選択された通行時間帯グループの記号を記憶する。
【0034】
このような入退室管理システムは、通行可否設定テーブル16Bに通行可能な時間帯を設定するとき、対象の時間帯が線表として表示されている画面を見ながら時間帯の設定が行えるので、間違いを起こさずに短時間で登録することができる。
また、1つの時間帯を通行可否設定画面上で選択すると、それに関連するすべての通行時間帯グループの記号が表示されるので、同様な業務を行う人には同様なグループを簡単に設定することができる。
【0035】
なお、実施の形態2では区域と時間帯との両方が満足するとき、解錠を許しているが、時間帯だけを条件として解錠の判断を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる入退室管理システムが備えられているビルの構成図である。
【図2】実施の形態1に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1に係わる個人識別制御装置の機能ブロック図である。
【図4】実施の形態1に係わる個人識別制御装置の斜視図である。
【図5】実施の形態1に係わる区域テーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】実施の形態1に係わる通行グループテーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】実施の形態1に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。
【図8】実施の形態1に係わる初期設定画面である。
【図9】実施の形態1に係わる通行グループ設定画面である。
【図10】実施の形態1に係わる通行可否設定画面である。
【図11】この発明の実施の形態2に係わる入退室管理装置の機能ブロック図である。
【図12】実施の形態2に係わる通行可否設定テーブルのデータ構造を示す図である。
【図13】実施の形態2に係わる通行時間帯グループテーブルのデータ構造を示す図である。
【図14】実施の形態2に係わる初期設定画面である。
【図15】実施の形態2に係わる通行グループ設定画面である。
【図16】実施の形態2に係わる通行可否設定画面である。
【符号の説明】
【0037】
1 入退室管理システム、2 ビル、3 区域、4 扉、5 電気錠、6 入退室管理装置、7 通信回線、8 個人識別制御装置、11 通行可否判断手段、12 設定制御手段、13 フロアレイアウト図、14 区域テーブル、15 通行グループテーブル、16 通行可否設定テーブル、17 データベース、21 カードリーダ、22 送信部、23 受信部、24 電気錠制御部、25 記憶部、26 表示灯、27 リーダヘッド、28 OKランプ、29 NGランプ、31 通行グループ設定アイコン、32 通行可否設定アイコン、33 (区域の)記号、34、37、53 コンボボックス、35、38、54 完了釦アイコン、36、41、55 釦アイコン、39 テキストボックス、40、57 確認釦アイコン、50 通行時間帯グループテーブル、51 通行時間帯グループ設定アイコン、56 時間帯テキストボックス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人それぞれに対して通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方が予め設定されている通行可否設定テーブルを上記人に割り当てられている個人識別情報により検索することにより通行を管理する入退室管理システムにおいて、
上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に図形として表示されている上記区域または上記時間帯を選択することにより上記通行可否設定テーブルに上記通行可能な区域または時間帯を設定することを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
上記通行可否設定テーブルでは、
上記画面上に表示されている図形を選択することにより選択された少なくとも1つの上記通行可能な区域を含み、通行グループ番号が付けられた通行グループ単位で上記通行可能な区域が設定されていることを特徴とする請求項1に記載する入退室管理システム。
【請求項3】
上記通行可否設定テーブルでは、
上記画面上に表示されている図形を選択することにより選択された少なくとも1つの上記通行可能な時間帯を含み、通行時間帯グループ番号が付けられた通行時間帯グループ単位で上記通行可能な時間帯が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載する入退室管理システム。
【請求項4】
上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に、個人識別情報が入力されるボックスが表示され、
上記画面上に表示されている図形を選択することにより設定された上記区域または時間帯の少なくとも一方が上記ボックスに入力された個人識別情報が割り当てられている人に対応して上記通行可否設定テーブルに設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載する入退室管理システム。
【請求項5】
上記区域を表す図形は、セキュリティレベルの違いにより色分けされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載する入退室管理システム。
【請求項6】
上記区域または上記時間帯を表す図形は、上記ボックスに個人識別情報が入力されているとき、上記通行可否設定テーブルに設定されている当該個人識別情報に係わる上記通行可能な区域または時間帯に係わる部分の色彩、線種または模様が残りの部分と異なっていることを特徴とする請求項4または5に記載する入退室管理システム。
【請求項1】
複数の人それぞれに対して通行可能な区域または時間帯の少なくとも一方が予め設定されている通行可否設定テーブルを上記人に割り当てられている個人識別情報により検索することにより通行を管理する入退室管理システムにおいて、
上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に図形として表示されている上記区域または上記時間帯を選択することにより上記通行可否設定テーブルに上記通行可能な区域または時間帯を設定することを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
上記通行可否設定テーブルでは、
上記画面上に表示されている図形を選択することにより選択された少なくとも1つの上記通行可能な区域を含み、通行グループ番号が付けられた通行グループ単位で上記通行可能な区域が設定されていることを特徴とする請求項1に記載する入退室管理システム。
【請求項3】
上記通行可否設定テーブルでは、
上記画面上に表示されている図形を選択することにより選択された少なくとも1つの上記通行可能な時間帯を含み、通行時間帯グループ番号が付けられた通行時間帯グループ単位で上記通行可能な時間帯が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載する入退室管理システム。
【請求項4】
上記通行可能な区域または時間帯の設定に用いる設定端末に備えられた画面上に、個人識別情報が入力されるボックスが表示され、
上記画面上に表示されている図形を選択することにより設定された上記区域または時間帯の少なくとも一方が上記ボックスに入力された個人識別情報が割り当てられている人に対応して上記通行可否設定テーブルに設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載する入退室管理システム。
【請求項5】
上記区域を表す図形は、セキュリティレベルの違いにより色分けされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載する入退室管理システム。
【請求項6】
上記区域または上記時間帯を表す図形は、上記ボックスに個人識別情報が入力されているとき、上記通行可否設定テーブルに設定されている当該個人識別情報に係わる上記通行可能な区域または時間帯に係わる部分の色彩、線種または模様が残りの部分と異なっていることを特徴とする請求項4または5に記載する入退室管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−11718(P2007−11718A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192204(P2005−192204)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
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