説明

内張り損傷検出方法および腐食性流体収容装置

【課題】腐食性流体を内部に収容する内張り付き容器の内張りの損傷を長期間にわたって簡便に検出する。
【解決手段】金属製母材の外表面に螺旋状の光ファイバセンサ6を固定し、光ファイバセンサ6により内張りの損傷に伴う金属製母材のひずみ変化を測定し、ひずみ変化に基づいて内張りの損傷を検知する。ひずみ変化測定は、光ファイバセンサ中を透過した光がドップラ効果による湾曲部での波長のずれを計測する方法、光ファイバセンサの屈折率の変化を計測する方法、光ファイバセンサの透過光後方散乱光分布を計測する方法、のいずれでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腐食性流体を収容する容器の内張りの損傷を検出する方法およびかかる検出が可能な流体収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学プラント等においては高温・高圧の塩酸、硫酸、硝酸等の腐食性液体を収容(貯蔵や輸送を含む)することが多い。多くの構造用金属材料はこのような腐食性液体に対する耐食性が劣るため用いることができず、一方、ガラス、セラミックス材料等は一般に良好な耐食性を示すと言われているが強度的に脆いため、大きな熱応力が作用する高温・高圧の配管には信頼性の観点から採用することが困難である。
【0003】
このような状況において、強度は外側の金属母材で分担し、その内面にガラスやセラミックス等の耐食性に優れた材料をコ−ティングまたはライニングなどの内張りを施す方法が知られている(特許文献1および2参照)。しかし、構造用金属材料に比べてガラスやセラミックスの熱膨張率が著しく小さいため、高温加熱時に両者の熱膨張率差で発生する熱応力により、コ−ティング層やライニング層に亀裂等の破損や剥離を生じる可能性が高い。
【0004】
一旦、コ−ティング層やライニング層に亀裂や剥離を生じると、腐食性液体が耐食性に劣る金属製母材と直接接することになり、短時間で腐食性液体が漏洩し、プラントが停止する等のリスクがある。したがって、機械的、または熱的応力によるコ−ティング層やライニング層の損傷を迅速かつ高精度で検知する技術が重要である。
【0005】
さらに、このようなガラスやセラミックスを金属部材の内面にライニング、コ−ティングしたものは、装置からの金属元素の混入を嫌う医薬、食品産業にも幅広く使用されている。このような装置においてもライニング層やコ−ティング層の損傷による製品中への金属元素の混入は避ける必要があり、ライニング層やコ−ティング層の損傷を外部から瞬時に検知することが不可欠である。
【0006】
このようなコ−ティング層やライニング層の損傷を検知する代表的な方法としては、超音波探傷法やアコ−スティックエミッション(AE)法が知られている。超音波探傷法は金属表面から超音波を入射し、コ−ティング層やライニング層中の亀裂での反射波を検出して亀裂の位置や大きさを検知する。しかし、探知できる領域が狭いので、損傷する位置を予め特定し、その位置に超音波を入射しないと検出することができない。また、金属製母材とコ−ティング層やライニング層との間に剥離等の間隙が発生している場合は、金属製母材側の剥離表面で入射した超音波が反射してしまい、コ−ティング層やライニング層の割れを検知することができない。
【0007】
AE法は、コ−ティング層やライニング層の損傷に伴う音を感知し、その損傷を検知する方法であり、前記の超音波探傷法に比べて広範囲な領域をカバ−することができ、かつ、コ−ティング層やライニング層が損傷した瞬間に感知できる可能性が高い。しかし、センサの耐熱温度がせいぜい300℃程度であり、機器の運転に伴う様々なノイズの影響を受けるため信頼性に関しては必ずしも十分とは言えない。
【特許文献1】特開2000−177042号公報
【特許文献2】特開平7−294370号公報
【特許文献3】特開2005−300337号公報
【特許文献4】特開2006−38794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況において、特許文献1では、金属製母材内面のライニング層を2層構造とし、表面層は耐食性と絶縁性を兼ね備えた材料、下地層は導電性材料で構成し、内部の液体と金属製母材との間の電気的変化によりライニング層の損傷を検知する方法を提案している。しかし、濃硫酸のような絶縁性の液体には適用することができない。また、腐食性液体中に長期間にわたり電極を設置しておくことも困難であり、その適用先が限定されるという課題がある。さらに、損傷位置を特定することも困難であり、損傷が検知された場合でも損傷部を局部的に補修・交換することも難しく、そのメンテナンス性にも問題がある。
【0009】
また、特許文献2では導電性液媒体を配管内に充満させる必要があり、高周波電圧印加装置が必要である。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、腐食性流体を内部に収容する内張り付き容器の内張りの損傷を長期間にわたって簡便に検出する方法、および、かかる検出が可能な腐食性流体収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る内張り損傷検出方法は、腐食性流体を内部に収容し、金属製母材と、前記腐食性流体に対して前記母材よりも耐食性の高い材料の内張りとを有する容器の内張りの損傷を検出する内張り損傷検出方法において、前記金属製母材の外表面に光ファイバセンサを固定するセンサ固定工程と、前記光ファイバセンサにより前記内張りの損傷に伴う前記金属製母材のひずみ変化を測定するひずみ変化測定工程と、前記ひずみ変化に基づいて前記内張りの損傷を検知する損傷検知工程と、を有すること特徴とする。
【0012】
本発明に係る腐食性流体収容装置は、腐食性流体を内部に収容する腐食性流体収容装置であって、金属製母材と、前記腐食性流体に対して前記母材よりも耐食性の高い材料の内張りと、前記金属製母材の外表面に固定された光ファイバセンサと、前記光ファイバセンサにより前記内張りの損傷に伴う前記金属製母材のひずみ変化を測定するひずみ変化測定手段と、を有すること特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、腐食性流体を内部に収容する内張り付き容器の内張りの損傷を長期間にわたって簡便に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明者らは、従来のガラスやセラミックスがライニング(内張り)された部材を調査した結果、これらの製品は高温で施工・焼成されているものが多く、かつ、ライニング材と金属製母材とでは熱膨張率が大幅に異なるので、製造過程の冷却時にライニング層、金属製母材共に大きな残留ひずみが内在していることを見出した。
【0015】
また、このライニング層に生じている残留ひずみと金属製母材に生じている残留ひずみとは釣り合っており、ライニング層の損傷によりライニング層の残留ひずみが開放・消滅すると、金属製母材の残留ひずみも開放・消滅する。その結果、金属製母材に微小な変形が生じることが明かとなった。したがって、金属製母材の外表面におけるひずみの変化をモニタリングし、そのひずみの変化を検出することによりコ−ティング層またはライニング層の損傷を検知することが可能である。
【0016】
また、耐熱処理を施した光ファイバセンサは500℃以上の高温でも安定であり、かつ、光ファイバが変形することにより、その内部を透過する光の波長や散乱が変化する特性を有している。したがって、コ−ティングまたはライニングを施した金属部材の表面に光ファイバを固定し、コ−ティング層またはライニング層の損傷により生じる金属製母材表面の微小なひずみ変化を検出することにより、コ−ティング層やライニング層の損傷を瞬時に感知することが可能である。さらに、この光ファイバセンサを、たとえば、配管、反応容器等の機器を構成する部材ごとに独立して設置することにより、コ−ティング層やライニング層が損傷した位置や部材を容易に特定することが可能となり、メンテナンス性も著しく改善できる。
【0017】
以下、本発明に係るガラスやセラミックスを内張りした金属部材における内張りの損傷検知方法と、腐食性流体収容装置についての具体的な実施形態を、図面を参照して説明する。ここで、同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0018】
[実施例1〜3]
本発明の実施例1〜3を図1、図2を参照して説明する。図1はガラスライニング配管1を模式的に示す縦断面図である。金属配管母材4の内面にガラスライニング層(内張り)5が設けられている。金属配管母材4はたとえば炭素鋼製であり、内面の耐食性を向上させるためにガラスがライニングされている。このガラスライニング配管1の直管部2の両端にフランジ部3が溶接されている。
【0019】
ガラスライニング層5は、たとえば、金属配管母材4を高温に加熱し、その中にガラス管を挿入し、ガラス管の内部を加圧することによりガラス管を膨張させ、金属配管母材4の内面に密着させて形成する。このような状態で室温まで冷却すると、熱膨張率の大きい金属配管母材4の方が収縮量が大きいので、脆いガラスライニング層5に圧縮の残留ひずみが発生し割れ難い構造になっている。一方、金属配管母材4にはガラスライニング層5の圧縮残留ひずみとバランスして引張の残留ひずみが発生している。
【0020】
図2は、本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例1〜3を模式的に示したものである。ガラスライニング配管1の直管部2の外周面に、耐熱処理を施した光ファイバセンサ6を螺旋状に固定してある。光ファイバセンサ6はひずみ変化測定手段20に接続されて、ガラスライニング配管1のひずみ変化が測定される。また、ひずみ変化測定手段20は内張りの損傷を検知する損傷検知手段21に接続され、ひずみ変化測定手段20の出力に基づいて、ガラスライニング層5(図1)の損傷が検知される。
【0021】
光ファイバセンサ6はその計測する物理量により幾つかの種類がある。実施例1としては、光ファイバ中を透過した光がドップラ効果による湾曲部での波長のずれを計測する方法とした。実施例2としては、光ファイバ内にグレ−ティング部を設け、このグレ−ティングでの回折波長のずれを計測する方法とした(特許文献3等参照)。実施例3としては、光ファイバ中を透過する光の後方散乱光の分布を計測する方法とした(特許文献4等参照)。
【0022】
一方、図3に示すように、比較例として、図1に示すガラスライニング配管1の表面に、高温処理を施したひずみゲ−ジ7を焼き付けたもの(比較例1)、自動露光(AE)素子8を密着させて固定したもの(比較例2)を製作した。
【0023】
次に上記の検知方法の特性を調べるため、熱サイクル試験を実施した。熱サイクル試験は実施例1〜3、および、比較例1、2に示したガラスライニング配管を電気炉の中に入れ、室温から所定の温度まで昇温後、その所定の温度で30分間保持し、その後室温まで降温した。その際、保持する所定の温度を300℃から50℃ずつ上げて、ガラスライニング層5が損傷する温度まで試験を行なった。
【0024】
上記熱サイクル試験で得られた結果を図4の表に示す。図4で、センサに損傷がない場合(健全)を「○」で示し、センサが損傷した場合(以後の計測不可)を「×」で示し、ライニング層損傷を検知した場合を「◎」で示している。
【0025】
図4の結果から、本発明に係る実施例1〜3においては、450℃でガラスライニング層の損傷を示すひずみの変化が検知でき、本方法でガラスライニング層の損傷による金属製母材のひずみ変化が測定可能なことが明らかとなった。一方、ひずみゲ−ジを用いた比較例1では、300℃の最初の熱サイクルでひずみゲ−ジが損傷し、450℃でのガラスライニング層の損傷を検知することはできなかった。また、AEセンサ−を用いた比較例2においても、400℃でAEセンサ−が損傷し、450℃でのガラスライニング層の損傷を検知することはできなかった。
【0026】
以上のように、上記実施例1〜3の光ファイバセンサを用いることにより、高温でガラスライニング配管のガラスライニング層の損傷に伴う金属製母材表面のひずみ変化を精度良く検知することが可能であり、配管内部に高温の腐食性液体が流れる場合でも、ガラスライニング層の損傷を瞬時に検知し、外部への漏洩を未然に防止することが可能である。また、上記実施例のように光ファィバセンサを配管の外周部全体にわたって螺旋状に設置することにより、ライニング層がいずれの位置で損傷しても検知することが可能となる。
【0027】
[実施例4〜7]
本発明の実施例4〜7を図5〜図8を参照して説明する。上記実施例1〜3(図2、図3)で示したように、光ファイバセンサ6をガラスライニング配管1の外周部に螺旋状に設置することにより、ガラスライニング層の損傷を精度良く検知できることを確認した。しかしガラスファイバセンサの取り付け方法により測定される信号の精度が異なる。たとえば、実施例1〜3に示した光ファイバセンサ6を螺旋状に取り付けた場合は、配管全体にわたっての情報を得ることができるが、その精度と感度は若干低下する。
【0028】
すなわち、図2に示した光ファイバセンサの配置では、配管の周方向のひずみ変化には比較的良好な感度を有するが、配管の長手方向のひずみ変化の検出感度は必ずしも十分ではない。また、光ファイバセンサが金属製配管から浮きあがっていると、その周囲のひずみ変化を測定できず、検知感度が低下する可能性がある。そこで、本実施例ではこのような課題を改善するため、以下の構成とした。
【0029】
図5に示すようにガラスライニングを施したエルボ配管9の場合は、曲部が応力集中になり、同位置でガラスライニング層が損傷する可能性が極めて高い。これに対応するために次のような構成とした。
【0030】
実施例4では、図5に示すように、曲部に光ファイバセンサ6を集中的に巻き付けた。
【0031】
実施例5では、図6に示すように、光ファイバセンサを渦巻き状にし、応力集中部となりやすい曲部の外側と内側に設置した。これは、実施例4では配管の長手方向のひずみ検出感度が低いからである。
【0032】
実施例6では、図7に示すように、光ファイバセンサを楕円形の渦巻き状光ファイバセンサ6bとし、楕円形状の長軸方向を好感度が必要な周方向に合わせて設置した。これは、ガラスライニングを施した直管部2ではガラスライニング層の損傷により周方向のひずみ変化が大きいが、その破壊形態では長手方向のひずみ変化が大きくなる場合もあるからである。
【0033】
実施例7では、図8に示すように、実施例6の楕円形の渦巻き状光ファイバセンサ6bに加えて、楕円形状の長軸方向を配管の長手方向に合わせた楕円形の渦巻き状光ファイバセンサ6cも設置した。
【0034】
上記実施例4〜7に加えて、エルボ配管9と直管部2の全体にわたって光ファイバセンサを螺旋状に配置したものを、それぞれ比較例3、比較例4として、熱サイクル試験を実施した。
【0035】
熱サイクル試験はエルボ配管と直管について、その中央部近傍に圧縮荷重を負荷し、周方向に強制的にひずみを与えた場合と、両端部のフランジ部に圧縮荷重を負荷し、配管全体に長手方向のひずみを強制的に与えた場合について実施した。熱サイクル試験はエルボ配管、直管、それぞれ3本について実施し、いずれかの光ファイバセンサがガラスライニング層の損傷を感知した時点で終了した。
【0036】
エルボ配管を用いた、実施例4、5および比較例3の実験結果を図9の表に示す。図9でガラスライニング層の損傷を検知できた場合は「○」、検知できなかった場合は「×」で表している。
【0037】
図9に示す実験結果より、エルボ配管全体にわたって光ファイバセンサを設置した比較例3では、周方向の検出感度は比較的良好であるが、応力集中部に集中して光ファイバセンサを設置した実施例4では、比較例3では検知できなかった微小なひずみ変化も捕らえることが可能であり、周方向の検知感度が改善されていることが確認された。一方、渦巻き状に光ファイバセンサを配置した実施例5は、実施例4および比較例3では検出できなかった長手方向のひずみ変化を良好に捕らえられることがわかる。
【0038】
次に直管を用いた、実施例6、7および比較例4の実験結果を図10の表に示す。図9と同様にガラスライニング層の損傷を検知できた場合は「○」、検知できなかった場合は「×」で表している。
【0039】
図10に示す実験結果より、直管全体にわたって光ファイバセンサを設置した比較例4では、周方向の検出感度は良好であるが、光ファイバセンサを楕円形状の渦巻き状に設置することにより、周方向に加えて長手方向の検出感度も著しく改善されることがわかる。さらに、このような楕円形状の渦巻き状センサを、それぞれの長軸が直交する方向に設置した実施例7では、周方向、長手方向ともに優れた検出感度を示すことが明らかである。
【0040】
以上のように光ファイバセンサの設置位置や設置形状を最適化することにより、各々の製品に合った検出感度を得ることができる。
【0041】
このような金属製母材とライニング層との残留ひずみは、配管に限らず、どのような部材にも生じており、光ファイバセンサを用いてライニング層の損傷による金属製母材のひずみ変化を検知することにより、ライニング層の損傷を瞬時に精度良く検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るガラスライニング配管の一例を示す縦断面図。
【図2】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例1〜3を示す模式的外観図。
【図3】本発明に係る腐食性流体収容装置の比較例1、2を示す模式的外観図。
【図4】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例1〜3と比較例1、2の実験結果を示す表。
【図5】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例4を示す模式的外観図。
【図6】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例5を示す模式的外観図。
【図7】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例6を示す模式的外観図。
【図8】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例7を示す模式的外観図。
【図9】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例4、5と比較例3の実験結果を示す表。
【図10】本発明に係る腐食性流体収容装置の実施例6、7と比較例4の実験結果を示す表。
【符号の説明】
【0043】
1…ガラスライニング配管
2…直管部
3…フランジ部
4…金属配管母材(金属製母材)
5…ライニング層(内張り)
6,6a,6b,6c…光ファイバセンサ
7…ひずみゲージ
8…AEセンサ
20…ひずみ変化測定手段
21…損傷検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐食性流体を内部に収容し、金属製母材と、前記腐食性流体に対して前記母材よりも耐食性の高い材料の内張りとを有する容器の内張りの損傷を検出する内張り損傷検出方法において、
前記金属製母材の外表面に光ファイバセンサを固定するセンサ固定工程と、
前記光ファイバセンサにより前記内張りの損傷に伴う前記金属製母材のひずみ変化を測定するひずみ変化測定工程と、
前記ひずみ変化に基づいて前記内張りの損傷を検知する損傷検知工程と、
を有すること特徴とする内張り損傷検出方法。
【請求項2】
前記ひずみ変化測定工程は、前記光ファイバセンサ中を透過した光がドップラ効果による湾曲部での波長のずれを計測する工程を含むこと、を特徴とする請求項1に記載の内張り損傷検出方法。
【請求項3】
前記ひずみ変化測定工程は、前記光ファイバセンサの屈折率の変化を計測する工程を含むこと、を特徴とする請求項1に記載の内張り損傷検出方法。
【請求項4】
前記ひずみ変化測定工程は、前記光ファイバセンサの透過光後方散乱光分布を計測する工程を含むこと、を特徴とする請求項1に記載の内張り損傷検出方法。
【請求項5】
前記容器は管状であって、前記センサ固定工程は、前記容器の長手方向ほぼ全体にわたって前記光ファイバセンサを螺旋状に設置することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内張り損傷検出方法。
【請求項6】
前記センサ固定工程は、前記容器の応力集中部に前記光ファイバセンサを設置することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内張り損傷検出方法。
【請求項7】
前記センサ固定工程は、前記光ファイバセンサを渦巻き状に設置することを特徴とする請求項1ないし請求項4または請求項6のいずれか一項に記載の内張り損傷検出方法。
【請求項8】
前記光ファイバセンサは、アスペクト比を有する楕円形状であることを特徴とする請求項7記載の内張り損傷検出方法。
【請求項9】
前記センサ固定工程は、前記容器の外表面に、互いに長手軸方向が直交する向きに複数の楕円形状の渦巻き状光ファイバセンサを設置するものであることを特徴とする請求項8記載の内張り損傷検出方法。
【請求項10】
腐食性流体を内部に収容する腐食性流体収容装置であって、
金属製母材と、
前記腐食性流体に対して前記母材よりも耐食性の高い材料の内張りと、
前記金属製母材の外表面に固定された光ファイバセンサと、
前記光ファイバセンサにより前記内張りの損傷に伴う前記金属製母材のひずみ変化を測定するひずみ変化測定手段と、
を有すること特徴とする腐食性流体収容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−248332(P2007−248332A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−73914(P2006−73914)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】