説明

再生成形材およびその製造方法

【課題】
廃棄物量の削減と石油資源の使用量削減による環境保護をはかることができると同時に、強度に優れた再生成形材を効率的、かつ安価に提供すること。特に、遊技機の廃棄物量の削減に大きく貢献できる再生成形材および製造方法を提供すること。
【解決手段】
本発明は、天然繊維および/または木質系材料を含む回収材と、未使用のポリ乳酸樹脂とを含み、全重量に対する前記回収材の配合率が15〜85重量%の範囲内にあることを特徴とする再生成形材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物量の削減と石油資源の使用量削減による環境保護をはかることができると同時に、強度に優れた再生成形材を効率的、かつ安価に提供でき、特に、遊技機の廃棄物量の削減に大きく貢献できる再生成形材およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、廃棄物の増加や資源・エネルギーの枯渇などの環境問題に伴い、家電リサイクル法、容器リサイクル法が法定化されるなど、リサイクルの重要性が高まっている。中でも、金属やガラス類、紙などのマテリアルリサイクル技術については鋭意検討がなされ、これらの技術は実用化レベルでほぼ確立されたといえる。
【0003】
しかしながら、木質系材料や、異なる材料か混在した繊維材料については、分別作業の困難さや長期の使用による材料自体の劣化により、強度に優れた再生材を得ることが困難であった。このような問題点に対し、木粉とプラスチック粉末とを混合し、この混合物を加熱し、プラスチックを溶融させた状態で押し出し成形することで、高強度、高耐久性の合成板が得られ、使用後は一旦成形された後であっても、該合成板を細かく切断した後に溶融することによって、再成形することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、上述のように木粉とプラスチックを混合、加熱成形したとしても、一般的なプラスチック粉末を結合材として用いた場合、優れた剛性を得ることは難しく、また、従来より用いられてきた石油系のプラスチック材料を用いることから、石油資源の枯渇という環境問題が残る。さらに再成形材については、成形→使用→溶融→再成形というリサイクルの繰り返しに伴う溶融の繰り返しにより、材料自体の劣化が進行する問題があった。
【0005】
一方、上述のリサイクルの課題を解決するために、自動車部品や家電部品などに乳酸系樹脂組成物を主成分として含ませることにより、物性、リサイクル性に優れた自動車部品や家電部品、および、そのシュレッダーダストが得られるとされている(例えば、特許文献2参照)。また、本文献では前述のシュレッダーダストを加熱し発生する蒸気を回収し、得られた乳酸モノマーを重合することでリサイクルすることが可能とされている。
【0006】
しかしながら、上述の方法ではリサイクル時の回収効率が低く生産性に劣り、かつ、乳酸系樹脂を分解させるための加熱工程や、再度重合する工程において工業的に多くの熱エネルギーを必要とするため、リサイクルにかかる化石エネルギーの使用量が増加する他、多額の再生コストを必要とするなどの問題があった。また、再生後に得られる部材が、乳酸系樹脂のみでは優れた強度を得ることはできない。
【0007】
また、ポリ乳酸樹脂に、ポリアセタール樹脂、結晶化促進剤、耐衝撃改良剤、難燃剤を添加することにより、優れた成形性、耐熱性、耐衝撃性、難燃性などの性能が得られるとされている(例えば、特許文献3、4、5参照)。
【0008】
しかしながら、上述の方法ではポリ乳酸樹脂の性能向上は可能であるものの、木質系材料や繊維材料のリサイクルという課題を解決できるものではない。
【特許文献1】特開平11−114159号公報(段落0006)
【特許文献2】特開2003−128900号公報(請求項12、請求項13、段落0047および段落0069)
【特許文献3】特開2003−301097号公報(請求項1、段落0070)
【特許文献4】特開2003−286400号公報(請求項1、段落0069)
【特許文献5】特開2004−190026号公報(請求項1、段落0010)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点に鑑み、廃棄物量の削減と石油資源の使用量削減による環境保護をはかることができると同時に、強度に優れた再生成形材が効率的、かつ安価得られ、特に、遊技機の廃棄物量の削減に大きく貢献できる再生成形材およびその製造方法を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、
(1)天然繊維および/または木質系材料を含む回収材と、ポリ乳酸樹脂とを含み、全重量に対する前記回収材の配合率が15〜85重量%の範囲内にあることを特徴とする再生成形材。
【0011】
(2)回収材が、さらに熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする前記(1)に記載の再生成形材。
【0012】
(3)回収材が、さらにポリ乳酸樹脂を含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の再生成形材。
【0013】
(4)天然繊維が、セルロース系繊維であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の再生成形材。
【0014】
(5)全重量に対して1〜50重量%のポリ乳酸以外の生分解性熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の再生成形材。
【0015】
(6)全重量に対して0.1〜20重量%の範囲内の結晶化促進剤を含むことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の再生成形材。
【0016】
(7)前記結晶化促進剤が、結晶核剤および/または可塑剤であることを特徴とする請求項6に記載の再生成形材。
【0017】
(8)前記結晶核剤が、タルク、有機カルボン酸金属塩、有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも1種であることを特徴とする前記(7)に記載の再生成形材。
【0018】
(9)前記可塑剤が、ポリエステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤から選択された少なくとも1種であることを特徴とする前記(7)または(8)に記載の再生成形材。
【0019】
(10)全重量に対して0.1〜10重量%のカルボキシル基反応性末端封鎖剤を含むことを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の再生成形材。
【0020】
(11)全重量に対して1〜40重量%の範囲内のポリアセタール樹脂を含むことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の再生成形材。
【0021】
(12)全重量に対して0.5〜25重量%の範囲内の耐衝撃改良剤を含むことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の再生成形材。
【0022】
(13)全重量に対して0.5〜20重量%の範囲内の難燃剤を含むことを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の再生成形材。
【0023】
(14)再生成形材を製造する方法であって、少なくとも以下のa〜cの工程を順次経てなることを特徴とする再生成形材の製造方法。
a.天然繊維および/または木質系材料を含む部材を回収し素材別に分離するか、または加工時に排出された天然繊維および/または木質系材料を含む加工屑を回収する工程。
b.回収された部材を破砕し、回収材を得る工程。
c.回収材とポリ乳酸樹脂とを200〜250℃の温度で溶融混練し、射出成形法、押し出し成形法、またはブロー成形法のいずれかの手法を用いて成形する工程。
【0024】
(15)回収材が、遊技機として使用された部材からなることを特徴とする請求項14に記載の再生成形材の製造方法。
【0025】
(16)回収材が、パチンコ機用ゲージ板、パチンコ機用枠体またはパチスロ機用筐体板として使用された部材からなることを特徴とする前記(14)または(15)に記載の再生成形材の製造方法。
【0026】
(17)回収材が、遊技機を製造する工程で排出された加工屑からなることを特徴とする前記(14)〜(16)のいずれかに記載の再生成形材の製造方法。
【0027】
(18)再生成形材が遊技機部材として使用されることを特徴とする前記(14)〜(17)のいずれかに記載の再生成形材の製造方法。
【0028】
(19)前記(1)〜(13)のいずれかに記載の再生成形材、または前記(14)〜(18)のいずれかに記載の再生成形材の製造方法によって得られる再生成形材を用いて製品となし、該製品を回収、再生し、再度製品として用いることを特徴とする再生成形材の製造方法。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、廃棄物量の削減と石油資源の使用量削減による環境保護をはかることができると同時に、強度に優れた再生成形材を効率的、かつ安価に提供することができる。特に、遊技機の廃棄物量の削減に大きく貢献できる再生成形材およびその製造方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0031】
まず、本発明の再生成形材は、天然繊維および/または木質系材料を少なくとも含む回収材と、未使用のポリ乳酸樹脂とを含むものであり、さらに、特に、天然繊維および/または木質系材料を含む回収材を再生成形材の全重量に対して15〜85重量%の範囲内で含ませることに特徴を有し、これにより、廃棄物量の削減による環境保護がはかれると同時に、剛性や引張強度などの強度に優れた再生成形材を効率的、かつ安価に提供できることを見出した。回収材の混率を15重量%以上とすることにより、リサイクル比率を高め、廃棄物量の削減に寄与でき、同時に再生成形材の強度を高めることができる。回収材の混率が15重量%を下回ると、リサイクル比率が低下するとともに、強度の向上効果が少ない。一方、回収材の混率が85重量%を超えると、後述する結合材である未使用のポリ乳酸樹脂の混率が低くなり、成形が困難になるとともに、再生成形材の強度が低下する。
【0032】
ここで本発明の再生成形材の原料となる「天然繊維および/または木質系材料を含む回収材」としては、製品として使用された天然繊維および/または木質系材料を含む部材を破砕機などを用いて破砕し得られる粒状物や粉体、あるいは、製品への加工工程において排出された天然繊維および/または木質系材料を含む加工屑を上記の通り破砕して得られる粒状物や粉体、または、製品への加工工程において天然繊維材料や木質系材料を切削する際に排出された粒状や粉体状の加工屑などを対象とするものであり、例えば遊技機として使用された木材や繊維系材料を破砕機などで破砕し得られる粒状物や粉体、あるいは、木材などを家具や遊技機に加工する際に排出される切り屑等が挙げられる。上述の天然繊維および/または木質系材料を含む回収材を補強材として用いることにより、再生成形材の強度を向上させることができる。
【0033】
本発明で用いる回収材は、特に、熱可塑性樹脂と天然繊維および/または木質系材料の複合物であることが好ましい。天然繊維、あるいは木質系材料が熱可塑性樹脂よって結合、成形された成形品は、天然繊維、あるいは木質系材料が既に熱可塑性樹脂に分散しているため、これらの加工屑や廃材を微細化し回収材として用いることで、天然繊維や木質系材料の分散性の良好な再生成形材を得ることができる。天然繊維あるいは木質系材料のみからなる回収材を用いた場合、再生成形材中に均一に回収材を分散させることが困難となり、補強材としての効果が少なくなるため好ましくない。
【0034】
回収材に含まれる熱可塑性樹脂については特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、ナイロンに代表されるポリアミド系樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリエチレンサクシネート、及びポリブチレンサクシーネート・カーボネート等のポリアルキレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシ吉草酸共重合体等が挙げられるが、特に、生分解性を有し、かつ植物由来のポリ乳酸樹脂を含むことが好ましい。
【0035】
本発明で用いる回収材は、例えば製品寿命が短く、近年廃棄物量の増大が問題視され始めている遊技機部材、特にその再生が困難とされているパチンコ機用ゲージ板、パチンコ機用枠体、またはパチスロ機用筐体板より得られたものを使用することができる。このように遊技機部材として一度使用された部材、あるいは加工工程において排出された加工屑を再生することで、廃棄物量の抑制に大きく寄与できる。
【0036】
本発明で用いる回収材に含まれる天然繊維としては、各種のセルロース系繊維、例えば、木質系や草本系のセルロース系繊維であることが好ましい。できるだけ繊維長の長いセルロース系繊維を含む回収材を用いることにより、補強材としての効果を高めることができる。具体的には、木材パルプ、バガス、ムギワラ、アシ、パピルス、タケ類等のイネ科植物パルプ、木綿、ケナフ、ローゼル、アサ、アマ、ラミー、ジュート、ヘンプ等の靭皮繊維、サイザルアサ、マニラアサ等の葉脈繊維等から選ばれる1種以上からなる繊維が含まれていること好ましい。これらのうちでも、比較的繊維長が長く、一年草であって熱帯地方および温帯地方での成長が極めて早く容易に栽培できる草本類に属するケナフあるいはジュートから採取される繊維を採用することにより、優れた強度を得ることができる。特に、ケナフの靭皮にはセルロース分が60%以上と高い含有率で存在しており、かつ高い強度を有していることから、ケナフ靭皮から採取されるケナフ繊維を含んだ回収材を用いることが好ましい。一方、木質系材料を含んだ回収材としては、例えば、ブナやラワン材、檜材、杉材などの各種木材を含んだ回収材を用いることができる。
【0037】
次に、本発明の再生成形材の結合材となる「ポリ乳酸樹脂」について説明する。ポリ乳酸樹脂は非石油系原料、すなわちトウモロコシなどの植物を原料とするものであり、製造工程においても石油系の溶剤をほとんど使用しないために、再生成形材の製造、使用、廃棄の段階を全体で考えたとき、環境への負荷を少なくすることができるものである。またポリ乳酸樹脂は生分解性プラスチックの中でも融点が170℃程度と適度な耐熱性を有するとともに成形性に優れ、他の天然繊維や木質系材料との接着性も優れている。本発明に用いるポリ乳酸樹脂は、未使用のポリ乳酸樹脂であり、ポリ乳酸ホモポリマーの他、乳酸コポリマー、ブレンドポリマーを含むものである。乳酸系ポリマーの重量平均分子量は、一般に5〜50万である。また、ポリ乳酸樹脂におけるL−乳酸単位、D−乳酸単位の構成モル比L/Dは、100/0〜0/100のいずれであっても良いが、高い融点を得るにはL乳酸あるいはD乳酸いずれかの単位を75モル%以上、さらに高い融点を得るにはL乳酸あるいはD乳酸のいずれかの単位を90モル%以上含むことが好ましい。
【0038】
また、本発明の再生成形材は、全重量に対して1〜50重量%のポリ乳酸以外の生分解性熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。生分解性熱可塑性樹脂を含むことにより、生分解性を損なわない再生成形材を得ることができる。生分解性熱可塑性樹脂としては例えば、ポリブチレンサクシネート 、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリエチレンサクシネート、及びポリブチレンサクシーネート・カーボネート等のポリアルキレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシ吉草酸共重合体等が挙げられる。これらの内、ポリブチレンサクシネート 、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、およびポリエチレンサクシネートが好ましい。
【0039】
本発明の再生成形材は、各種の添加剤を配合することにより、さらに優れた性能を付与することが可能である。以後、これら添加剤について説明する。
【0040】
本発明の再生成形材に、全重量に対して0.1〜20重量%の結晶化促進剤を含有させることにより、結合材であるポリ乳酸の結晶核の形成を促進、または可塑剤を含有させることによりポリ乳酸を柔軟化し動きやすくし、結晶の成長を促進させ、再生成形材の強度、成形性、耐熱性を向上することができる。本発明においては、結晶化促進剤として結晶核剤と可塑剤のいずれかを用いることも可能であるし、双方を併用することもできる。
【0041】
本発明において、結晶化促進剤として使用する結晶核剤としては、一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを用いることができ、無機系結晶核剤および有機系結晶核剤のいずれをも使用することができる。無機系結晶核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていることが好ましい。無機系結晶核剤の平均粒径は10μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましく、3μm以下が特に好ましい。
【0042】
また、有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カ
ルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)、テレフタル酸ジアニリドなどの有機カルボン酸アミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸などのポリマー、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどのリン化合物金属塩、および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどを挙げることができる。
【0043】
本発明で使用する結晶核剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にタルク、有機カルボン酸金属塩および有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも1種が好ましい。好ましいタルクとしては、平均粒径0.5〜7μmであり、かつ燃焼時の損失分を除いた成分中のSiOとMgOの割合が93重量%以上であるタルクを挙げることができる。本発明で使用する結晶核剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
【0044】
本発明で使用する結晶化促進のための可塑剤としては、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などを挙げることができる。
【0045】
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3 −ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
【0046】
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。
【0047】
多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのセバシン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
【0048】
リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレシルなどのリン酸エステルや脂肪族や芳香族の縮合リン酸エステルを挙げることができる。
【0049】
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)ブロックおよび/またはランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
【0050】
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
【0051】
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、ポリカルボン酸ビニルエステル、シリコーンオイル、およびパラフィン類などを挙げることができる。
【0052】
本発明で使用する可塑剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択した少なくとも1種が好ましい。また、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステル系可塑剤の共重合体またはポリ乳酸とポリアルキレングリコール系可塑剤の共重合体から選択された少なくとも1種も好ましく使用できる。本発明に使用する可塑剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
【0053】
本発明においては、結晶核剤と可塑剤を各々単独で用いてもよいが、両者を併用して用いることが好ましい。中でも、タルク、有機カルボン酸金属塩、有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも1種とポリエステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステル系可塑剤の共重合体、ポリ乳酸とポリアルキレングリコール系可塑剤の共重合体から選択された少なくとも1種を併用することが好ましい。
【0054】
本発明の再生成形材は成形時や使用時におけるポリ乳酸の加水分解を抑制するために、カルボキシル基反応性末端封鎖剤を再生成形材の全重量に対して0.1〜10重量%含有させることが好ましい。用いられるカルボキシル基反応性末端封鎖剤は、カルボキシル末端基を封鎖することのできる化合物であれば特に制限はなく、ポリマーのカルボキシル末端の封鎖剤として用いられているものを用いることができる。本発明においてかかるカルボキシル基反応性末端封鎖剤は、ポリ乳酸樹脂の末端を封鎖するのみではなく、ポリ乳酸樹脂や後述するポリアセタール樹脂の熱分解や加水分解などで生成する乳酸やギ酸などの酸性低分子化合物のカルボキシル基も封鎖することができる。また、上記末端封鎖剤は、熱分解により酸性低分子化合物が生成する水酸基末端も封鎖できる化合物であることがさらに好ましい。
【0055】
このようなカルボキシル基反応性末端封鎖剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用することが好ましい。
【0056】
本発明にカルボキシル基反応性末端封鎖剤として用いることのできるエポキシ化合物としては、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、脂環式エポキシ化合物を好ましく使用することができる。
【0057】
グリシジルエーテル化合物の例としては、ブチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの縮合反応から得られるビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などを挙げることができる。なかでも、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
【0058】
グリシジルエステル化合物の例としては、安息香酸グリシジルエステル、p−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、バーサティック酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレン酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどを挙げることができる。なかでも、安息香酸グリシジルエステルやバーサティック酸グリシジルエステルが好ましい。
【0059】
グリシジルアミン化合物の例としては、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、ジグリシジルトリブロモアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
【0060】
グリシジルイミド化合物の例としては、N−グリシジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グリシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4−クロルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジクロルフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−テトラブロムフタルイミド、N−グリシジル−4−n−ブチル−5−ブロムフタルイミド、N−グリシジルサクシンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリシジル−α,β−ジメチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−エチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−プロピルサクシンイミド、N−グリシジルベンズアミド、N−グリシジル−p−メチルベンズアミド、N−グリシジルナフトアミド、N−グリシジルステラミドなどを挙げることができる。なかでも、N−グリシジルフタルイミドが好ましい。
【0061】
脂環式エポキシ化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、N−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリル−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミドなどを挙げることができる。
【0062】
また、その他のエポキシ化合物として、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化鯨油などのエポキシ変性脂肪酸グリセリド、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノゾラック型エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0063】
本発明で用いるカルボキシル基反応性末端封鎖剤として用いることのできるオキサゾリン化合物の例としては、2−メトキシ−2−オキサゾリン、2−エトキシ−2−オキサゾリン、2−プロポキシ−2−オキサゾリン、2−ブトキシ−2−オキサゾリン、2−ペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘプチルオキシ−2−オキサゾリン、2−オクチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ノニルオキシ−2−オキサゾリン、2−デシルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−アリルオキシ−2−オキサゾリン、2−メタアリルオキシ−2−オキサゾリン、2−クロチルオキシ−2−オキサゾリン、2−フェノキシ−2−オキサゾリン、2−クレジル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘキシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキサゾリン、2−デシル−2−−オキサゾリン、2−シクロペンチル−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−アリル−2−オキサゾリン、2−メタアリル−2−オキサゾリン、2−クロチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−9,9′−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキシレンビス(2−−オキサゾリン)、2,2′−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン化合物なども挙げることができる。
【0064】
本発明で用いることのできるカルボキシル基反応性末端封鎖剤としてのオキサジン化合物の例としては、2−メトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−プロポキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ブトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘプチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−オクチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ノニルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−デシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−アリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−メタアリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−クロチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンなどが挙げられ、さらには、2,2′−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−メチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−P,P′−ジフェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサジン化合物などが挙げられる。
【0065】
上記オキサゾリン合物やオキサジン化合物の中では、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
【0066】
本発明でカルボキシル基反応性末端封鎖剤として使用することのできるカルボジイミド化合物とは、分子内に少なくともひとつの(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を有する化合物であり、例えば適当な触媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反応で製造できる。
【0067】
カルボジイミド化合物の例としては、ジフェニルカルボジイミド、ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド、ジ−o−トルイルカルボジイミド、ジ−p−トルイルカルボジイミド、ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−o−トルイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、2,6,2′,6′−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−シクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジフェニルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ −ブチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−トルイルカルボジイミド、N,N′−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミドなどのモノ又はジカルボジイミド化合物、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)などのポリカルボジイミドなどが挙げられる。なかでもN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2′,6′−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドが好ましく、また、ポリカルボジイミドが好ましい。
【0068】
上記カルボキシル基反応性末端封鎖剤は1種または2種以上の化合物を任意に選択して使用することができる。
【0069】
本発明においては、さらにカルボキシル基反応性末端封鎖剤の反応触媒を添加することが好ましい。ここで言う反応触媒とは、カルボキシル基反応性末端封鎖剤と、ポリマー末端や酸性低分子化合物のカルボキシル基との反応を促進する効果のある化合物であり、少量の添加で反応を促進する効果のある化合物が好ましい。このような化合物の例としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、第4級アンモニウム塩、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、リン酸エステル、有機酸、ルイス酸などが挙げられ、その具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ほう素ナトリウム、水素化ほう素リチウム、フェニル化ほう素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、りん酸水素二ナトリウム、りん酸水素二カリウム、りん酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、同二カリウム塩、同二リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、同カリウム塩、同リチウム塩、同セシウム塩などのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエチレンジアミン、ジメチルフェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルアニリン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−フェニル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリプロピルベンジルアンモニウムクロライド、N−メチルピリジニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(p−ヒドロキシ)フェニルホスフェート、トリ(p−メトキシ)フェニルホスフェートなどのリン酸エステル、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ素、四塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズなどのルイス酸などが挙げられ、これらは1種または2種以上使用することができる。なかでも、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、ホスフィン化合物、リン酸エステルを使用するのが好ましく、特にアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の有機塩を好ましく使用することができる。特に好ましい化合物は、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムである。さらにアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭素数6以上の有機塩が好ましく、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウムをいずれか一種以上用いることが好ましい。
【0070】
反応触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸樹脂の合計を100重量部としたときに、0.001〜1重量部が好ましく、また0.01〜0.1重量部がより好ましく、さらには0.02〜0.1重量部が最も好ましい。
【0071】
本発明の再生成形材は、その衝撃性を向上するために、再生成形材の全重量に対して、0.5〜25重量%の耐衝撃改良材を含有させることが好ましい。使用する耐衝撃改良剤とは、熱可塑性樹脂の耐衝撃性改良に用いることのできるものであれば特に制限されない。例えば下記の各種耐衝撃改良剤などから選ばれる少なくとも1種のものを用いることができる。
【0072】
すなわち、耐衝撃改良剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、各種アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体およびそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体(たとえば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体)、酸変性エチレン−プロピレン共重合体、ジエンゴム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン)、ジエンとビニル単量体との共重合体(たとえばスチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエンにスチレンをグラフト共重合せしめたもの、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)、ポリイソブチレン、イソブチレンとブタジエンまたはイソプレンとの共重合体、天然ゴム、チオコールゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリエステル系エラストマー、およびポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。
【0073】
さらに、各種の架橋度を有するものや、各種のミクロ構造、例えばシス構造、トランス構造等を有するもの、ビニル基などを有するもの、あるいは各種の平均粒径(樹脂組成物中における)を有するものや、コア層とそれを覆う1以上のシェル層から構成され、また隣接し合った層が異種の重合体から構成されるいわゆるコアシェル型と呼ばれる多層構造重合体なども使用することができる。
【0074】
また、上記具体例に挙げた各種の(共)重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体などのいづれであっても、本発明の耐衝撃改良剤として用いることができる。
【0075】
更には、これらの(共)重合体を作るに際し、他のオレフィン類、ジエン類、芳香族ビニル化合物、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどの単量体を共重合することも可能である。
【0076】
これらの耐衝撃改良剤の中でも、アクリル単位を含む重合体や、酸無水物基および/またはグリシジル基を持つ単位を含む重合体が好ましい。ここでいうアクリル単位の好適例としては、メタクリル酸メチル単位、アクリル酸メチル単位、アクリル酸エチル単位およびアクリル酸ブチル単位を挙げることができ、酸無水物基やグリシジル基を持つ単位の好適例としては、無水マレイン酸単位およびメタクリル酸グリシジル単位を挙げることができる。
【0077】
また、耐衝撃改良剤は、コア層とそれを覆う1以上のシェル層から構成され、また隣接し合った層が異種の重合体から構成される、いわゆるコアシェル型と呼ばれる多層構造重合体であることが好ましく、メタクリル酸メチル単位またはアクリル酸メチル単位をシェル層に含む多層構造重合体であることがさらに好ましい。このような多層構造重合体としては、アクリル単位を含むことや、酸無水物基および/またはグリシジル基を持つ単位を含むことが好ましく、アクリル単位の好適例としては、メタクリル酸メチル単位、アクリル酸メチル単位、アクリル酸エチル単位およびアクリル酸ブチル単位を挙げることができ、酸無水物基やグリシジル基を持つ単位の好適例としては、無水マレイン酸単位やメタクリル酸グリシジル単位を挙げることができる。特に、メタクリル酸メチル単位、アクリル酸メチル単位、無水物マレイン酸単位およびメタクリル酸グリシジル単位から選ばれた少なくとも一つをシェル層に含み、アクリル酸ブチル単位、アクリル酸エチルヘキシル単位、スチレン単位およびブタジエン単位から選ばれた少なくとも一つをコア層に含む多層構造体が好ましく使用される。
【0078】
また、別の好ましい耐衝撃性改良剤はポリウレタンゴムである。ここでポリウレタンゴムとはウレタン結合を有する弾性体全般を総称するものであり、熱可塑性ポリウレタンエラストマーや、それを架橋した架橋ポリウレタンゴムを含む。なかでも熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましい。熱可塑性ポリウレタンエラストマーはジイソシアネートと短鎖ポリオールからなるハードセグメントと、ジイソシアネートと長鎖ポリオールからなるソフトセグメントを少なくとも有する。熱可塑性ポリウレタンエラストマーを構成するジイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが好ましく使われる。短鎖ポリオール成分としては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ブテンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカメチレンジオール等が好ましく使われる。ソフトセグメントとしての長鎖ポリオールとしては、ポリアルキレンアジペート、ポリアルキレンエーテルなどが好ましく、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリノナンジオールアジペート、ポリテトラメチレングリコールなどがより好ましい。それぞれの成分は1種又は2種以上の混和物でも好適に用いることができる。
【0079】
また、上記耐衝撃改良剤は、実質的にアニオンが検出されないものであることが、ポリアセタール樹脂の安定性の観点から好ましい。
【0080】
そして、上記耐衝撃改良剤のガラス転移温度は、−20℃以下であることが好ましく、−30℃以下であることがさらに好ましい。
【0081】
上述の添加剤を再生成形材に配合させることにより、衝撃強度、成形性、機械特性および耐熱性に優れた再生成形材を得ることができるが、上述の添加剤に加え、ポリアセタール樹脂を再生形成材の全重量に対して1〜40重量%含有させることにより特にその効果を高めることができる。
【0082】
本発明に用いられるポリアセタール樹脂は、オキシメチレン単位を主たる繰り返し単位とするポリマーであり、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンを主原料として、重合反応によって得られる、いわゆるポリアセタールホモポリマー、および主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を15重量%以下含有するいわゆるポリアセタールコポリマーのいずれであってもよく、また他の構成単位を含有するコポリマー、つまりブロックコポリマー、ターポリマーおよび架橋ポリマーのいずれであってもよく、これらは1種または2種以上で用いることができるが、熱安定性の観点からはポリアセタールコポリマーであることが好ましい。
【0083】
本発明におけるポリアセタール樹脂の製造方法については特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。ポリアセタールホモポリマーの代表的な製造方法の例としては、高純度のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別した後、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱してポリマー末端をアセチル化することにより製造する方法などが挙げられる。
【0084】
また、代表的なポリアセタールコポリマーの製造方法の例としては、高純度のトリオキサンおよびエチレンオキシドや1,3−ジオキソランなどの共重合成分をシクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸触媒を用いてカチオン重合した後、触媒の失活と末端基の安定化を行うことによる製造する方法、あるいは溶媒を全く使用せずに、セルフクリーニング型撹拌機の中へトリオキサン、共重合成分および触媒を導入して塊状重合した後、さらに不安定末端を分解除去することにより製造する方法などが挙げられる。
【0085】
これらポリアセタール樹脂の粘度は、成形材料として使用できる程度のものであれば特に制限はないが、ASTM D1238法によるメルトインデックス(MI)が測定可能であり、温度190℃、荷重2.16Kgで測定したMIが1.0〜50g/10分の範囲のものであることが好ましく、1.5〜35g/10分のものであることが特に好ましい。
【0086】
また、ポリアセタール樹脂としては、あらかじめ熱安定剤や発生ガス捕捉剤を含有しているものを用いることが好ましく、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、カルシウムリシノレート、シアノグアナジン、ヘキサメチレンビス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシアナメート)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン6/66、ナイロン66/610/6、ナイロン612/6、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシアナメート)]メタン、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の少なくとも1種が含有されていることが好ましい。
【0087】
本発明の再生成形材は、全重量に対して0.5〜20重量%の難燃剤を添加することにより、難燃性を付与することができる。本発明で使用する難燃剤とは、樹脂に難燃性を付与する目的で添加される物質であれば特に限定されるものではなく、具体的には、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤、その他の無機系難燃剤などが挙げられ、これら少なくとも一種を選択して用いることができる。
【0088】
本発明で用いられる臭素系難燃剤の具体例としては、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノール−S、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール、ブロム化ポリスチレン、ブロム化ポリエチレン、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシなどのブロム化エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ジブロモネオペンチルグリコール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、N,N′−エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドなどが挙げられる。なかでも、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマー、ブロム化エポキシ樹脂が好ましい。
【0089】
本発明で用いられる塩素系難燃剤の具体例としては、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロシクロペンタデカン、テトラクロロ無水フタル酸などが挙げられる。
【0090】
本発明で用いられるリン系難燃剤は特に限定されることはなく、通常一般に用いられるリン系難燃剤を用いることができ、代表的にはリン酸エステル、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物や、赤リンが挙げられる。
【0091】
上述の各種添加剤は用途に応じ、それぞれ単一で用いることも可能であるし、複数種の添加剤を併用し、種々の性能を向上することも可能である。
【0092】
次に、本発明の再生成形材の製造を実施するための最良の形態について、工程順に説明する。
「a.回収・分離工程」
まず、天然繊維および/または木質系材料を含む部材を回収し、素材別に分離する。なお、この際、加工時に排出された加工屑において、単一の素材から構成される場合はこの分離工程を省略することもできる。
「b.破砕工程」
次いで、回収された部材を破砕機を用いて破砕し、平均粒径0.001〜2mmの回収材を得る。この工程において、破砕機は周知の破砕機を用いることができるが、好ましくは、1mm径程度の穴が多数空いた円筒状のスクリーンを有し、前記スクリーン中で回転刃が回転し、ここに回収部材を投入することで、カッターにより破砕された部材が前記スクリーンを通過して出口側に排出される機構のものが好ましい。この機構により、前記のスクリーンの穴径を適宜調整することで、得られる回収材の粒子径を調節することが可能となり、上記平均粒径0.001〜2mmの範囲において補強材として好適な回収材を得ることができる。なお、加工時に排出された加工屑の内、切り屑等は、実質的に粒状や粉体状であるので、本破砕工程を省略することもできる。
「c.溶融混練工程」
得られた回収材と未使用のポリ乳酸樹脂、および必要に応じて各種の添加剤を予めブレンドした後、200〜250℃の温度において、1軸または2軸押出機を用いて均一に溶融混練し、周知の射出成形法、押出成形法、ブロー成形法のいずれかの手法を用いて各用途に応じた形状に成形する。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の再生成形材は各種遊技機、例えばパチンコ機、パチスロ機、アレンジボール機、雀球遊技機などの部材や、柱や床材、天井材、壁材、屋根材、表札などの建築資材、または、コンクリート型枠などの土木資材、さらには椅子、机、棚、ラックなどの家具、自動車用の天井材、ドアトリム、スペアタイヤカバー、バックボードなどの自動車資材、電気・電子部品、各種の機械部品、光学機器、日用品などの製品として好適に使用される。特に、マテリアルリサイクルが必要とされるパチンコ機の枠体、パチンコ機のゲージ板、パチスロ機の筐体板として用いた際にその機能を十分に発揮する。
【0094】
本発明の再生成形材、または本発明の再生成形材の製造方法によって得られる再生成形材を用いて製品となし、該製品を回収、再生し、再度製品として用いることができる。
【0095】
特に、本発明の再生成形材またはその製造方法を用いて得られる再生成形材を用いて遊技機部材となし、該使用済みの遊技機部材または遊技機部材を製造する際に排出された加工屑を回収、再生し、再度遊技機部材として用いることで、製品寿命が短く、近年廃棄物量の増大が問題視され始めている遊技機部材の廃棄物量の抑制に大きく寄与できる。
【実施例】
【0096】
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
引張試験:ASTM法D638
曲げ試験:ASTM法D790
平均粒径:レーザー回折式粒度分布測定器(島津製作所製SALD−2100)により粒度分布を測定し、積算重量百分率が50%の粒度を平均粒径とした。
【0097】
実施例1
ケナフ靭皮繊維とポリ乳酸樹脂からなる使用済みのパチンコ盤面ボードから真鍮釘を分離し、得られたボードを1mm径のスクリーンを有する破砕機に投入し、平均粒径0.6mmの回収材を得た。得られた回収材と未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)とをそれぞれ43:57の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を30mm径の2軸押出機により、シリンダー温度210℃、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。さらに、得られた樹脂組成物について、シリンダー温度210℃、金型温度80℃で射出成形を行い再生成形材を得た。
【0098】
このようにして得られた再生成形材の特性を後掲の表1に示した。この再生成形材は比較例の成形材に比べて、引張強度、曲げ弾性率に優れるものであった。
【0099】
実施例2
実施例1にて使用した回収材(平均粒径0.6mm)と未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)と結晶核剤であるタルク(富士タルク製LMS100)とをそれぞれ45:53:2の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を実施例1と同一の方法にて溶融混練、射出成形を行い再生成形材を得た。
【0100】
このようにして得られた再生成形材の特性を後掲の表1に示した。この再生成形材は比較例の成形材に比べて、引張強度、曲げ弾性率に優れるものであった。
【0101】
実施例3
実施例1にて使用した回収材(平均粒径0.6mm)と未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)と結晶核剤であるタルク(富士タルク製LMS100)とをそれぞれ25:73:2の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を実施例1と同一の方法にて溶融混練、射出成形を行い再生成形材を得た。
【0102】
このようにして得られた再生成形材の特性を後掲の表1に示した。この再生成形材は比較例の成形材に比べて、引張強度、曲げ弾性率に優れるものであった。
【0103】
実施例4
実施例1にて使用した回収材(平均粒径0.6mm)と未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)と結晶核剤であるタルク(富士タルク製LMS100)とをそれぞれ73:25:2の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を実施例1と同一の方法にて溶融混練、射出成形を行い再生成形材を得た。
【0104】
このようにして得られた再生成形材の特性を後掲の表1に示した。この再生成形材は比較例の成形材に比べて、引張強度、曲げ弾性率に優れるものであった。
【0105】
比較例1
未使用のケナフ靭皮繊維(繊維長0.5mm)と、未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)と、結晶核剤であるタルク(富士タルク製LMS100)とをそれぞれ35:63:2の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を実施例1と同一の方法にて溶融混練、射出成形を行い再生成形材を得た。
【0106】
このようにして得られた再生成形材の特性を後掲の表1に示した。この再生成形材は実施例の成形材に比べて、引張強度、曲げ弾性率に劣るものであった。
【0107】
比較例2
未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)と結晶核剤であるタルク(富士タルク製LMS100)とをそれぞれ98:2の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を実施例1と同一の方法にて溶融混練、射出成形を行い再生成形材を得た。
【0108】
このようにして得られた再生成形材の特性を後掲の表1に示した。この再生成形材は実施例の成形材に比べて、引張強度、曲げ弾性率に劣るものであった。
【0109】
比較例3
実施例1にて使用した回収材(平均粒径0.6mm)と未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)と結晶核剤であるタルク(富士タルク製LMS100)とをそれぞれ90:8:2の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を実施例1と同一の方法にて溶融混練、射出成形を行い再生成形材を得た。
【0110】
このようにして得られた再生成形材は射出成形時に変形し、引張強度、曲げ弾性率を測定することが不可能であった。
【0111】
比較例4
実施例1にて使用した回収材(平均粒径0.6mm)と未使用のポリL乳酸樹脂(D体の含有量1.2%、PMMA換算の重量平均分子量16万)と結晶核剤であるタルク(富士タルク製LMS100)とをそれぞれ12:86:2の重量比で混合し、前記原料の混合物を得た。得られた混合物を実施例1と同一の方法にて溶融混練、射出成形を行い再生成形材を得た。
【0112】
このようにして得られた再生成形材の特性を後掲の表1に示した。この再生成形材は実施例の成形材に比べて、引張強度、曲げ弾性率に劣るものであった。
【0113】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然繊維および/または木質系材料を含む回収材と、ポリ乳酸樹脂とを含み、全重量に対する前記回収材の配合率が15〜85重量%の範囲内にあることを特徴とする再生成形材。
【請求項2】
回収材が、さらに熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の再生成形材。
【請求項3】
回収材が、さらにポリ乳酸樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の再生成形材。
【請求項4】
天然繊維が、セルロース系繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の再生成形材。
【請求項5】
全重量に対して1〜50重量%のポリ乳酸以外の生分解性熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の再生成形材。
【請求項6】
全重量に対して0.1〜20重量%の範囲内の結晶化促進剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の再生成形材。
【請求項7】
前記結晶化促進剤が、結晶核剤および/または可塑剤であることを特徴とする請求項6に記載の再生成形材。
【請求項8】
前記結晶核剤が、タルク、有機カルボン酸金属塩、有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の再生成形材。
【請求項9】
前記可塑剤が、ポリエステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載の再生成形材。
【請求項10】
全重量に対して0.1〜10重量%のカルボキシル基反応性末端封鎖剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の再生成形材。
【請求項11】
全重量に対して1〜40重量%の範囲内のポリアセタール樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の再生成形材。
【請求項12】
全重量に対して0.5〜25重量%の範囲内の耐衝撃改良剤を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の再生成形材。
【請求項13】
全重量に対して0.5〜20重量%の範囲内の難燃剤を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の再生成形材。
【請求項14】
再生成形材を製造する方法であって、少なくとも以下のa〜cの工程を順次経てなることを特徴とする再生成形材の製造方法。
a.天然繊維および/または木質系材料を含む部材を回収し素材別に分離するか、または加工時に排出された天然繊維および/または木質系材料を含む加工屑を回収する工程。
b.回収された部材を破砕し、回収材を得る工程。
c.回収材とポリ乳酸樹脂とを200〜250℃の温度で溶融混練し、射出成形法、押し出し成形法、またはブロー成形法のいずれかの手法を用いて成形する工程。
【請求項15】
回収材が、遊技機として使用された部材からなることを特徴とする請求項14に記載の再生成形材の製造方法。
【請求項16】
回収材が、パチンコ機用ゲージ板、パチンコ機用枠体またはパチスロ機用筐体板として使用された部材からなることを特徴とする請求項14または15に記載の再生成形材の製造方法。
【請求項17】
回収材が、遊技機を製造する工程で排出された加工屑からなることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の再生成形材の製造方法。
【請求項18】
再生成形材が、遊技機部材として使用されることを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の再生成形材の製造方法。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれかに記載の再生成形材、または請求項14〜18のいずれかに記載の再生成形材の製造方法によって得られる再生成形材を用いて製品となし、該製品を回収、再生し、再度製品として用いることを特徴とする再生成形材の製造方法。

【公開番号】特開2006−152048(P2006−152048A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341847(P2004−341847)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】