説明

冷却装置、電子機器

【課題】非常に小型でありながら発熱量の大きな発熱体を効率的に冷却できると共に、実装体積を削減できる冷却装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の冷却装置1は、第1面3に凹部6を有する基体2と、第1面3と逆側の第2面4に立設された複数の放熱フィン5と、凹部6に収納される平板形状の熱拡散部7と、を備え、熱拡散部7の上面8は凹部6の上面10と熱的に接触し、熱拡散部7の側面9は、凹部6の側面11と熱的に接触し、熱拡散部7は、内部に封入された冷媒の気化と凝縮によって、熱拡散部7の下面に設置される発熱体19からの熱を平面方向および垂直方向に拡散する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品などの発熱体からの熱を奪って拡散し、拡散した熱を外界に放散する冷却装置であって、小型で熱設計に優れた冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、産業機器および自動車などには、半導体集積回路、LED素子、パワーデバイスなどの発熱性の高い素子や電子部品が使用されている。
【0003】
素子や電子部品は、その発熱が一定温度以上となると、動作保証ができなくなる問題もあり、他の部品や筐体へ悪影響を及ぼし、結果として電子機器や産業機器そのものの性能劣化を引き起こす可能性がある。発熱を引き起こすこれらの発熱体を冷却するために、ヒートシンクやヒートパイプが用いられる。
【0004】
一方、近年の電子機器や産業機器などには、小型化や薄型化が求められており、半導体集積回路の集積度の増加と相まって、電子部品は小型化している。この小型化にも関わらず、電子部品の性能増加や処理増加に伴って、発熱体の発熱量は非常に大きくなっている。特に、発熱体が半導体集積回路、発光素子、パワーデバイスなどの場合、発熱体は小型であって発熱量が大きい状況が生じている。
【0005】
ヒートシンクがこれらの発熱体を冷却するには、冷却能力が不足する。このため封入された冷媒の気化と凝縮によって発熱体を冷却するヒートパイプがヒートシンクの代わりに用いられることも多い。ここで、発熱体の発熱量が非常に大きいと、熱拡散のために非常に大きなサイズのヒートパイプが必要となる。加えて、ヒートパイプは熱を拡散することを主たる役割としており、サイズは小さいが発熱体の発熱量が大きいと、発熱体のサイズと非常に乖離したサイズのヒートパイプでは、熱放散が不十分となる問題もある。
【0006】
ヒートパイプが拡散した熱を放散するために、ヒートシンクを一緒に用いると、発熱体のサイズに比べて非常に大きなサイズのヒートパイプと更に大きなサイズのヒートシンクを積層する必要が生じる。この結果、ヒートパイプとヒートシンクを備える冷却装置は、発熱体のサイズに比べて、高さ方向および平面方向のいずれにも大きくなってしまう問題がある。
【0007】
また、ヒートシンク、ヒートパイプを組み合わせて使う場合には、それぞれの部品が独立して提供されてからアセンブリされるので、出来上がった冷却装置の性能がばらつく問題もある。
【0008】
このような問題を解決するために、ヒートシンクの底面に凹部を形成し、この凹部にヒートパイプを格納する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−64170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、ヒートシンクの底面に凹部を形成し、この凹部にヒートパイプを格納する構成について開示するが、これは高さ方向の実装体積を削減することを目的としている。このため、発熱体に対しての全体的な排熱設計が考慮されていない。
【0011】
特許文献1では、高さ方向の実装体積が削減できるように見えるが、(1)発熱体、ヒートパイプ、ヒートシンクの順序で伝導する熱の放散が不十分となる、(2)ヒートパイプとヒートシンクとの役割分担が不明瞭であるので、熱の放散が不十分となる、(3)熱の放散が不十分であることで、平面方向の実装体積の削減が不十分となる、(4)排熱設計が不十分である事で、高さ方向の実装体積削減も、実際には不十分となる、といった問題がある。
【0012】
平面方向の実装体積の削減が不十分であると、非常に小型化している発熱体のサイズとの乖離が大きくなり、電子機器全体での実装設計に悪影響が生じる。
【0013】
また、ヒートパイプの特性とヒートシンクの特性と最適化することを考慮していないので、全体としての排熱能力に欠ける場合がある。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑み、非常に小型でありながら発熱量の大きな発熱体を効率的に冷却できると共に、実装体積を削減できる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の冷却装置は、第1面に凹部を有する基体と、第1面と逆側の第2面に立設された複数の放熱フィンと、凹部に収納される平板形状の熱拡散部と、を備え、熱拡散部の上面は凹部の上面と熱的に接触し、熱拡散部の側面は、凹部の側面と熱的に接触し、熱拡散部は、内部に封入された冷媒の気化と凝縮によって、熱拡散部の下面に設置される発熱体からの熱を平面方向および垂直方向に拡散する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の冷却装置は、ヒートシンクの基体にヒートパイプを埋め込むことで、高さ方向の実装体積を削減している。
【0017】
加えて、ヒートパイプが平面および垂直方向に熱を拡散し、この拡散された熱をヒートシンク部分が放散する構造を、冷却装置が有することで、最適な排熱構造を有している。この結果冷却装置は、平面方向の実装体積も削減できる。このため、非常に小型でありながら発熱量の高い発熱体との大きさの乖離を減らしつつ、効率的な冷却をも実現できる。
【0018】
また、ヒートパイプやヒートシンク(基体や放熱フィン)の大きさを発熱体に比較して最小化できることで、材料コスト、実装コストを低減でき、電子機器の小型化・薄型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】、本発明の実施の形態1における冷却装置の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1における冷却装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1における冷却装置の底面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における冷却装置の放熱フィンの他の態様を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1における熱拡散部の側面分解断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における熱拡散部の内部正面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における熱拡散部の内部写真である。
【図8】本発明の実施の形態2における冷却装置の底面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における冷却装置の底面図である。
【図10】本発明の実施の形態2における冷却装置の側面図である。
【図11】本発明の実施の形態2における冷却装置の側面図である。
【図12】本発明の実施の形態2における熱拡散部の側面分解図である。
【図13】本発明の実施の形態3における冷却装置の側面図である。
【図14】本発明の実施の形態4における冷却装置の側面図である。
【図15】本発明の実施の形態4における冷却装置の斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態5における電子機器の内面図である。
【図17】本発明の実施の形態5における電子機器の斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態5におけるサーバ機器の内部ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1の発明に係る冷却装置は、第1面に凹部を有する基体と、第1面と逆側の第2面に立設された複数の放熱フィンと、凹部に収納される平板形状の熱拡散部と、を備え、熱拡散部の上面は凹部の上面と熱的に接触し、熱拡散部の側面は、凹部の側面と熱的に接触し、熱拡散部は、内部に封入された冷媒の気化と凝縮によって、熱拡散部の下面に設置される発熱体からの熱を平面方向および垂直方向に拡散する。
【0021】
この構成により、冷却装置は、高さ方向の実装体積を削減しつつ最適な放熱設計によって平面方向の実装体積も削減できる。
【0022】
本発明の第2の発明に係る冷却装置では、第1の発明に加えて、凹部が有する側面は、熱拡散部の側面の全てと熱的に接触する。
【0023】
この構成により、熱拡散部は、発熱体から奪った熱を効率的に基体へ伝導できる。特に、基体の全体へ伝導できるので、冷却装置は、全体を活用して発熱体の熱を放熱できる。
【0024】
本発明の第3の発明に係る冷却装置では、第1又は第2の発明に加えて、発熱体は、小型の発熱体であって、基体の平面方向の断面積の10%以上30%以下の断面積を有する。
【0025】
この構成により、冷却装置は、小型の発熱体とのサイズにおける乖離を生じさせずに、効率的に冷却できる。
【0026】
本発明の第4の発明に係る冷却装置では、第1から第3の発明に加えて、熱拡散部の断面積は、基体の平面方向の断面積の50%以上80%以下である。
【0027】
この構成により、冷却装置は、小型の発熱体とのサイズにおける乖離を生じさせずに、効率的に冷却できる。
【0028】
本発明の第5の発明に係る冷却装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、熱拡散部は、熱拡散部の下面の一部で熱的に接触する発熱体から奪った熱を、平面方向および垂直方向に拡散し、熱拡散部の上面から凹部の上面に熱を伝導し、熱拡散部の側面から凹部の側面に熱を伝導する。
【0029】
この構成により、熱拡散部は、発熱体から奪った熱を、基体の全面に伝導できる。このため、基体の中央部のみあるいは周辺部のみといった箇所のみでの熱伝導にはならないので、基体および放熱フィンは、全体を効率よく用いて熱を放散できる。
【0030】
本発明の第6の発明に係る冷却装置では、第1から第5のいずれか記載の発明に加えて、凹部の上面および側面の少なくとも一部に伝導した熱は、基体および放熱フィンを介して外部に放散される。
【0031】
この構成により、冷却装置は、基体および放熱フィンを用いて、熱拡散部から伝導した熱を外部に放散できる。
【0032】
本発明の第7の発明に係る冷却装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、熱拡散部は、上部板と、上部板と対向する下部板と、上部板と下部板との間に積層される単数または複数の中間板を備え、上部板、下部板および中間板によって形成される内部空間に冷媒を封止し、中間板は、蒸気拡散路と毛細管流路との少なくとも一部を形成する。
【0033】
この構成により、熱拡散部は、発熱体から奪った熱を、平面方向および垂直方向に拡散できる。この結果、熱拡散部は、非常に小型の発熱体であっても、奪った熱を基体全体に伝導できる。
【0034】
本発明の第8の発明に係る冷却装置では、第7の発明に加えて、中間板は、切り欠き部と内部貫通孔を有し、切り欠き部は、蒸気拡散路を形成し、内部貫通孔は、毛細管流路を形成し、蒸気拡散路は、気化した冷媒を平面方向および垂直方向に拡散し、毛細管流路は、凝縮した冷媒を平面方向および垂直方向に還流させる。
【0035】
この構成により、発熱体から奪った熱を、平面方向および垂直方向に拡散できる。
【0036】
本発明の第9の発明に係る冷却装置では、第8の発明に加えて、中間板は複数であって、複数の中間板のそれぞれに設けられた内部貫通孔同士は、それぞれの一部のみが重なって、内部貫通孔の平面方向の断面積よりも小さい断面積を有する毛細管流路が形成される。
【0037】
この構成により、熱拡散部は、その毛細管力を高めて、凝縮した冷媒を高速に還流させる。
【0038】
本発明の第10の発明に係る冷却装置では、第7から第9のいずれかの発明に加えて、上部板および下部板のそれぞれは、毛細管流路および蒸気拡散路の少なくとも一方と連通する凹部を更に備える。
【0039】
この構成により、熱拡散部は、平面方向および垂直方向に熱を拡散できる。
【0040】
本発明の第11の発明に係る冷却装置では、第7から第10のいずれかの発明に加えて、熱拡散部は、上部板、下部板および中間板の少なくとも一つが、他よりもその面積が大きいことで形成される延長板を更に備え、延長板は、熱拡散部の側面から突出し、延長板は、凹部の上面および側面の少なくとも一部と熱的に接触する。
【0041】
この構成により、熱拡散部は、内部から側面に伝わる熱を、基体の側面にも伝導できる。すなわち、熱拡散部は、発熱体から奪った熱を、その表面および内部から、基体全体に伝導できる。
【0042】
本発明の第12の発明に係る冷却装置では、第11の発明に加えて、延長板は、凹部の側面のみと熱的に接触する。
【0043】
この構成により、熱拡散部は、垂直方向に拡散された熱を、熱拡散部の上面から基体に伝導し、平面方向に拡散された熱を、延長板から基体に伝導する。結果として、熱拡散部は、基体全体に熱を伝導できる。
【0044】
本発明の第13の発明に係る冷却装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、凹部の上面および側面と、熱拡散部の上面および側面とは、熱的接合材を介して熱的に接触する。
【0045】
この構成により、熱拡散部は、より効率的に熱を基体に伝導できる。
【0046】
本発明の第14の発明に係る冷却装置では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、凹部は、熱拡散部の下面と熱的に接触する発熱体をも収納し、凹部の開口部は、熱拡散部および発熱体を収納した上で封止される。
【0047】
この構成により、冷却装置は、より小型化できる。
【0048】
本発明の第15の発明に係る冷却装置では、第1から第14のいずれかの発明に加えて、凹部を含む領域における基体の厚みと放熱フィンの高さとの和は、凹部以外の領域における基体の厚みと放熱フィンの高さとの和と略同一である。
【0049】
この構成により、ヒートシンクを構成する基体および放熱フィンは、その全体に渡って均一に熱を放散できる。
【0050】
本発明の第16の発明に係る冷却装置では、第1から第15のいずれかの発明に加えて、凹部の対向領域における放熱フィンの体積の和は、凹部以外の対向領域における放熱フィンの体積の和よりも小さい。
【0051】
この構成により、基体は、熱拡散部と対向する中央部のみならず、周辺部からも熱を放熱フィンに伝導できる。
【0052】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0053】
なお、本明細書におけるヒートパイプとは、内部空間に封入された冷媒が、発熱体からの熱を受けて気化し、気化した冷媒が冷却されて凝縮することを繰り返すことで、発熱体を冷却する機能を実現する部材、部品、装置、デバイスを意味する。ヒートパイプには「パイプ」なる単語が含まれているが、いわゆる部材としてのパイプを必須要件とするのではなく、冷媒の気化・凝縮で発熱体を冷却できるデバイス全般の呼称である。
【0054】
また、本明細書においてヒートシンクとは、発熱体やヒートパイプと熱的に接触して、伝導する熱を外界に放散する部材である。
【0055】
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
【0056】
(全体概要)
まず、図1〜図3を用いて、実施の形態1における冷却装置の全体概要について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における冷却装置の側面図であり、図2は、本発明の実施の形態1における冷却装置の斜視図である。
【0057】
図1は、冷却装置を側面から見た状態を示しており、基体に収納された熱拡散部を透視できるように示している。図2は、冷却装置を斜めから見た状態を示しており、図1と同様に基体に収納された熱拡散部を透視できるように示している。
【0058】
冷却装置1は、基体2、基体2の第2面4に立設された複数の放熱フィン5、基体2の第1面3に設けられた凹部6および凹部6に収納される熱拡散部7を備える。ここで、基体2と放熱フィン5とは、いわゆるヒートシンクを形成する。
【0059】
基体2は、平板形状を有しており、第1面3と第2面4とを有する。第1面3と第2面4とは、基体2が備える面の内、他の面よりも面積の広い面であって対向する面を示す。すなわち、基体2の表面と裏面において表面が第2面4であり、裏面が第1面3である。
【0060】
第1面3は、凹部6を備える。凹部6は、第1面3から基体2の内部に穿たれて凹んだ部位であり、熱拡散部7の形状に対応した形状を有している。凹部6が設けられる第1面3と逆側の面である第2面4には、複数の放熱フィン5が立設されている。放熱フィン5は、棒状や板状の部材であり、放熱フィン5同士によって形成される空間に生じる空気対流によって、外界に熱を放散する。放散する熱は、基体2より伝導される。
【0061】
凹部6は、その内部に平板形状を有する熱拡散部7を収納する。熱拡散部7は、凹部6に収まって、熱拡散部7の上面8は、凹部6の上面10と熱的に接触し、熱拡散部7の側面9は、凹部6の側面11と熱的に接触する。すなわち、熱拡散部7は、凹部6を介して、基体2に熱を伝導させる。なお、図1および図2では、熱拡散部7の一部もしくは全部は、破線で示されている。
【0062】
熱拡散部7は、発熱体19と熱的に接触し、発熱体19から熱を奪う。熱拡散部7は、内部空間を有しており、内部空間に封入された冷媒の気化と凝縮によって、発熱体19から奪った熱を平面方向および垂直方向に拡散する。図1は、矢印によって、熱拡散部7が熱を拡散する方向を示している。熱拡散部7は、内部に冷媒を封入し、冷媒の気化と凝縮による熱拡散を行なうヒートパイプ構造を有する。このように、熱拡散部7は、凹部6と広い面で接触できるので、発熱体19から奪った熱を、凹部6全体を介して基体2に伝導させる。特に熱拡散部7は、内部に封入している冷媒の気化と凝縮によって熱を平面方向および垂直方向に拡散するので、熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱を、効率的に基体2に伝導できる。
【0063】
冷却装置1は、以上のような構成を有する。冷却装置1を斜めから見た状態を、図2は示している。
【0064】
冷却装置1は、第2面4に複数の放熱フィン5を立設している。図2では放熱フィン5は、平板形状を有しており、第2面4上に所定間隔をもって並んで設置されている。
【0065】
なお、第1面3および第2面4は、面を区別するための便宜上の呼称であり、特段の区別をするものではない。凹部6が形成されている面が第1面3であればよい。
【0066】
このような構成を有することで、従来技術に比較して冷却装置1は、高さ方向(基体2の高さ方向において設けられた凹部6に熱拡散部7が収納されているので)における実装体積を削減できる。
【0067】
次に、冷却装置1の機能概要を説明する。
【0068】
冷却装置1は、ヒートシンクを形成する基体2の内部に、ヒートパイプ構造を有する熱拡散部7を収納する構成を有し、熱拡散部7が、発熱体19から奪った熱を拡散しつつ基体2に伝導し、ヒートシンク構造を有する基体2と放熱フィン5が、伝導された熱を外界に放散する。すなわち、冷却装置1は、発熱体19の熱の拡散と放散とを、一体的に実現できる。
【0069】
ヒートパイプである熱拡散部7は、熱的に接触する発熱体19から熱を奪う。発熱体19は、半導体集積回路、発光素子、パワーデバイスなどの電子部品であったり、機械部品であったりする。熱拡散部7は、内部空間に冷媒を封入しており、発熱体19から奪った熱によってこの冷媒が気化する。気化した冷媒は、熱拡散部7内部を平面方向および垂直方向に拡散する。この気化した冷媒の拡散によって、熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱を平面方向および垂直方向に拡散できる。この熱拡散は、図1の熱拡散部7内部の矢印に示される。
【0070】
気化した冷媒の拡散によって、熱拡散部7は、その上面および側面から熱を基体2に伝導する。また、気化した冷媒は、基体2に熱を伝導した後で冷却され凝縮して液体の冷媒に戻る。凝縮した冷媒は、熱拡散部7の上面や側面から還流して底面に戻り、底面において再び発熱体19から熱を奪って気化する。
【0071】
基体2に伝導された熱は、基体2内部を移動して放熱フィン5に到達する。この熱移動は、図1に示される基体2内部の矢印に示される。基体2内部を移動した熱は、放熱フィン5に到達し、放熱フィン5から外界に放散される。放熱フィン5は、その大きな表面積を外界と接触させることで、熱を放散すると共に、放熱フィン5同士が形成する空間で熱対流を引き起こして、熱対流によって熱を外界に放散する。この放熱フィン5から外界への熱の放散は、図1の放熱フィン5に沿って表される矢印によって示される。
【0072】
熱拡散部7は、その上面および側面から基体2に熱を伝導できるので、効率的に熱を基体2に伝導できる。これは、基体の上面もしくは側面だけに熱拡散部が接触するだけの従来技術に比較して、熱拡散部7から基体2への熱伝導の効率が高い。すなわち、熱拡散部7は、凹部6の上面および側面の全体に対して熱を伝導できる。このように熱拡散部7が、凹部6の全面に対して熱を効率よく伝導することで、基体2は、その全体を用いて熱を放熱フィン5に伝導できる。結果として、基体2および放熱フィン5は、効率よく熱を放散できる。
【0073】
発熱体19からの熱を、熱拡散部7が基体2に対して効率的に伝導することによって、冷却装置1は、その全体を用いて発熱体19を効率的に冷却できる。この結果、サイズが小さいが発熱量の非常に大きな発熱体19に対して、熱拡散部7、基体2および放熱フィン5のサイズを乖離させる必要がなくなる。小型の発熱体からの熱の拡散と放散とが、小さい面積によって実現されるからである。
【0074】
このように、冷却装置1は、高さ方向だけでなく平面方向においても、発熱体19に対しての面積を最小化できる。結果として、冷却装置1は、高さ方向および平面方向の実装体積を最小化しつつ、発熱体19からの熱を効率的に冷却できる。
【0075】
図3は、発熱体19、熱拡散部7および基体2のサイズ関係を見やすく示したものである。図3は、本発明の実施の形態1における冷却装置の底面図である。
【0076】
発熱体19は、そのサイズが小さいが、大きな発熱量を有する。従来技術のように熱拡散部が単純に基体の凹部に収納されているだけでは、高さ方向の実装体積は削減されるが、熱拡散部は、発熱体が発する非常に大きな発熱を効率的に基体に伝導できない。このため、熱拡散部が基体に熱を確実に伝導させるためには、熱拡散部のサイズを(平面方向にも高さ方向にも)大きくする必要がある。また、熱拡散部の熱拡散方向が均等でなければ、熱拡散部は、凹部の上面からだけ熱を伝導したり、凹部の側面からだけ熱を伝導したりするように偏った熱伝導となる。このような偏った熱伝導により、大きな熱量(熱流束)が基体の一部に偏向して伝わってしまい、基体から放熱フィンへの熱伝導も偏ってしまう。
【0077】
このように基体や放熱フィン(これらがヒートシンクを形成する)における熱伝導が偏ることで、大きさに比較した放熱効率が低くなる。結果として、従来技術の冷却装置(基体の底面に設けた凹部に熱拡散部材やヒートパイプを単純収納させただけの冷却装置)は、発熱体のサイズに比較して非常に大きなサイズとなってしまっていた。これは、発熱体が小型になっているにもかかわらず、高い発熱量を有する現状に適していない。
【0078】
図3より明らかな通り、冷却装置1では、発熱体19に比較して熱拡散部7のサイズは乖離していない。加えて、熱拡散部7に比較して基体2のサイズも乖離していない。これらは、冷却装置1は、最適な熱設計を有しているからである。
【0079】
例えば、発熱体19の平面方向の断面積(熱拡散部7と接する面積)は、基体2の平面方向の断面積(基体2の第1面3の面積)の10%以上30%以下である。
【0080】
また、熱拡散部7の平面方向の断面積(熱拡散部7が基体2と接する面の面積)は、基体2の平面方向の断面積(基体2の第1面の面積)の50%以上80%以下である。
【0081】
すなわち、発熱体が発光素子やLED(Light Emitting Device)のような、非常に高い発熱量を有する小型の電子部品であっても、冷却装置1の平面方向の実装体積が大きくなりすぎない。
【0082】
以上のように、実施の形態1における冷却装置は、小型でかつ発熱量の大きな発熱体に対してそのサイズが大きくなりすぎることなく、効率よく発熱体を冷却できる。
【0083】
次に、各部の詳細について説明する。
【0084】
(基体)
基体2は、放熱フィン5と共にヒートシンクを構成する。
【0085】
基体2は、ヒートシンクの基材となり、熱拡散部7から伝導された熱を、放熱フィン5に伝導する。基体2は、平板形状を有している。平板形状を有していることで、凹部6を形成しやすく、放熱フィン5の立設も容易となるからである。もちろん、角部が面取りされていたり、表面に湾曲が存在していたりしてもよい。
【0086】
基体2は、ヒートシンクの基材となればよいので、平板形状以外に立体形状を有していたり、筒形状を有していたりしても良い。また、実施の形態1では、基体2は、方形を有しているが、方形以外でも、多角形、円形、楕円形など様々な形状を有していても良い。
【0087】
基体2は、銅、アルミニウム、タングステン、チタンなどの熱伝導性の高い金属や耐熱性に優れた樹脂が用いられることが好適である。
【0088】
基体2は、平板形状によって形成されるので表面と裏面が形成され、第1面3と第2面4とを備える。第1面3は、基体2の裏面であって凹部6を備える。第2面4は、第1面3と逆側の面であって、第2面4は、放熱フィン5を備える。基体2がその形状を活かして、一方の面に熱拡散部7を収納する凹部6を形成し、他方の面に放熱フィン5を立設することで、実装体積を削減した冷却装置1を実現できる。
【0089】
基体2に設けられる凹部6は、基体2を形成する際に一体に形成されても良いし、平板形状を有する基体2の第1面3の所定部位が切削されることで形成されても良い。一体に形成される場合には、予め凹部6を備える金型に金属や樹脂材料が流し込まれることで、凹部6を備える基体2が成型される。
【0090】
熱拡散部7が予め凹部6に収納された状態で冷却装置1が提供されても良いし、熱拡散部7は、別に提供されて、ユーザーにおいて熱拡散部7が凹部6に収納されて使用されても良い。
【0091】
また、凹部6は、基体2の一組の向き合う端面まで到達してもよいし、基体2のいずれの端面にも到達しなくても良い。
【0092】
前者の場合は、収納された熱拡散部7が、基体2の側面から見ることができ、収納が容易であるメリットがある。
【0093】
後者の場合には、収納された熱拡散部7は、基体2に完全に収納されるので、熱拡散部7の側面の全てが、凹部6の有する側面と熱的に接触できる。この結果、熱拡散部7が拡散する熱は、熱拡散部7の上面、側面の全てから、基体2に伝導しやすくなる。すなわち、熱拡散部7は、基体2に熱を伝導しやすくなる。
【0094】
図1は、熱拡散部7から基体2へ熱が伝導する状態を示している。図1に示される冷却装置1では、基体2に設けられた凹部6が基体2のいずれの端面にも到達しておらず、基体2の部材によって、凹部6の外周が完全に囲まれている。熱拡散部7は、この凹部6に収納されるので、熱拡散部7の側面の全ては、凹部6の側面と熱的に接触する。
【0095】
熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱を、平面方向および垂直方向に拡散する。これは、図1における熱拡散部7内部の矢印に示されるとおりである。この熱拡散によって、熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱を上面8および側面9の全てに伝導させる。熱拡散部7の上面8は、凹部6の上面10に熱的に接触しており、矢印のように熱拡散部7の上面8から凹部6の上面10に熱が伝導する。同様に、熱拡散部7の側面9の全ては、凹部6の側面11の全てと熱的に接触している。この結果、熱拡散部7の側面9から凹部6の側面11に熱が伝導する。
【0096】
熱拡散部7は、平面方向および垂直方向に熱を拡散できるので、熱拡散部7の側面9の全てが凹部6の側面11に熱的に接触していることは、熱拡散部7から基体2への熱伝導を効率化させる。
【0097】
このように、凹部6の上面10と側面11から熱を受け取った基体2は、基体2の全体を通じて熱を放熱フィン5に伝導できる。この結果、基体2の平面方向のサイズおよび厚みを低減できるので、冷却装置1の実装体積は削減できる。もちろん、放熱フィン5の全てが放熱に使えるようになるメリットからも、冷却装置1の実装体積が削減できる。
【0098】
(放熱フィン)
放熱フィン5は、基体2の第2面4に立設される。
【0099】
放熱フィン5は、基体2から伝導される熱を外界に放散する。放熱フィン5は、複数の板状部材であったり、複数の棒状部材であったりする。このような複数の部材が第2面4に立設される。
【0100】
複数の放熱フィン5のそれぞれは、基体2に溶接や接着により立設されてもよく、基体2と放熱フィン5とが金型で一体形成されてもよい。一体で形成される場合には、凹部6も含めて一体形成されることで、コストを低減できる。また、複数の放熱フィン5は、一定間隔で並んでいてもよいし、異なる間隔で並んでいても良い。放熱フィン5は、基体2から伝導される熱を外界に放散できればよく、放散に適した配置になっていればよい。
【0101】
放熱フィン5は、銅、アルミニウム、タングステン、チタンなどの熱伝導性の高い金属や耐熱性に優れた樹脂、それらの複合材料が用いられることが好適である。フィン12は、基体11と同じ素材や材料で形成されてもよいが、異なる素材や材料で形成されてもよい。同じ素材で形成されることで、製造の手間を省くことができる。また、異なる素材で形成されることで、熱の伝導を主たる役割とする基体2と熱の放散を主たる役割とする放熱フィン5とのそれぞれに適した素材が選択される。
【0102】
放熱フィン5は、図2に示されるように、板状部材で形成されている。放熱フィン5が板状部材で形成されることで、板状部材同士が作る熱対流空間を対流する熱量が大きくなって、放熱フィン5は、効率的に熱を放散できる。また、製造工程も容易化できる。
【0103】
一方、放熱フィン5は、図4に示されるように、棒状部材で形成されても良い。
【0104】
図4は、本発明の実施の形態1における冷却装置の放熱フィンの他の態様を示す斜視図である。図4は、棒状部材である放熱フィン5が、基体2の第2面4上に立設されている状態を示している。
【0105】
放熱フィン5が棒状部材で形成されることで、放熱フィン5全体での表面積が大きくなり、放熱フィン5が外界と接触する面積が拡大する。この結果、放熱フィン5は、外界に熱を伝導させやすくなり、効率的に熱を放散できる。
【0106】
また、図2、図4では、放熱フィン5は、角柱形状を有しているが、角部が面取りされていたり、円柱形状であったりしても良い。
【0107】
以上のように、放熱フィン5は、製造の容易性、冷却対象の発熱体19の特性、実装する電子機器の特性などに応じて、その形状が種々に定まればよい。
【0108】
なお、放熱フィン5のみならず、基体2も、熱を外界に放散する。
【0109】
(熱拡散部)
次に、熱拡散部7について説明する。
【0110】
熱拡散部7は、発熱体19と熱的に接触しており、発熱体19から熱を奪って、凹部6を介して基体2に熱を伝導する。熱拡散部7は、発熱体19や凹部6と熱的接合材(Thermal Interface Material)を介して熱的に接触しても良い。なお、熱的接合材は、一般に放熱部材と称される接合材であって、シート材やグリス、エラストマー、ゲル等の材料であるが、適宜選択されればよい。
【0111】
また、熱拡散部7は、凹部6に収納されて用いられる。このため、熱拡散部7が、冷却装置1において外部に出っ張ることがなくなり、すっきりした形状および削減された実装体積を実現できる。
【0112】
熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱を、平面方向および垂直方向に拡散できれば良いので、金属や合金などの熱伝導性の高い板部材で形成されても良いが、内部に封入した冷媒の気化と凝縮とによって熱を拡散するヒートパイプ構造を有することも好適である。
【0113】
(ヒートパイプの概念)
まず、ヒートパイプの概念について説明する。
【0114】
ヒートパイプは、内部に冷媒を封入しており、受熱面となる面を、電子部品をはじめとする発熱体に接している。内部の冷媒は、発熱体からの熱を受けて気化し、気化する際に発熱体の熱を奪う。気化した冷媒は、ヒートパイプの中を移動する。この移動によって発熱体の熱が運搬されることになる。移動した気化した冷媒は、放熱面などにおいて(あるいはヒートシンクや冷却ファンなどの二次冷却部材によって)冷却されて凝縮する。凝縮して液体となった冷媒は、ヒートパイプの内部を還流して再び受熱面に移動する。受熱面に移動した冷媒は、再び気化して発熱体の熱を奪う。
【0115】
このような冷媒の気化と凝縮の繰り返しによって、ヒートパイプは発熱体を冷却する。このため、ヒートパイプは、その内部に気化した冷媒を拡散する蒸気拡散路と、凝縮し液化した冷媒を還流させる毛細管流路を有する必要がある。
【0116】
(ヒートパイプ構造を有する熱拡散部)
ヒートパイプ構造を有する熱拡散部7について図5、図6を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態1における熱拡散部の側面分解断面図であり、図6は、本発明の実施の形態1における熱拡散部の内部正面図である。
【0117】
熱拡散部7は、平板状の上部板20と、上部板20と対向する平板状の下部板21と、上部板20と下部板21との間に積層される単数又は複数の中間板22を備える。上部板20、下部板21および中間板22が接合されることで内部空間が形成され、この内部空間に封止された冷媒の気化と凝縮によって、発熱体から受熱した熱を拡散する。
【0118】
また、中間板22は、切り欠き部29と内部貫通孔23を備えている。切り欠き部29は、気化した冷媒が拡散する蒸気拡散路25を形成し、内部貫通孔23は、凝縮した冷媒が還流する毛細管流路26を形成する。
【0119】
(上部板)
上部板について図5を用いて説明する。
【0120】
上部板20は、平板状であり、所定の形状、面積を有している。
【0121】
上部板20は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高い金属や防錆性の高い素材で形成されることが好ましい。また、上部板20は、方形、菱形、円形、楕円形、多角形など種々の形を有していてよいが、製造上の容易性や実装上の容易性から方形が採用されやすい。
【0122】
上部板20は、その一方の面であって中間板22と対向する面に、蒸気拡散路25および毛細管流路26の少なくとも一方と連通する凹部24を有していることも好ましい。凹部24が毛細管流路26と連通することで、凝縮した冷媒が、上部板20から毛細管流路26へと伝わりやすくなる。あるいは、凹部24が蒸気拡散路25と連通することで、気化した冷媒が、放熱面に広い面積で接しやすくなり、気化した冷媒の放熱が促進される。更には、凹部24が蒸気拡散路25と連通することで、蒸気拡散路25を拡散する気化した冷媒が凹部24も伝わるので、気化した冷媒は厚み方向にも拡散することになる。結果として、熱拡散部7は、受熱した熱を平面方向および垂直方向に拡散する。
【0123】
なお、熱拡散部7が地表面に対して水平に設置される場合には、平面方向は地表面に対して水平方向であって、垂直方向は地表面に対して垂直方向である。熱拡散部7が地表面に対して斜めや垂直に設置された場合には、平面方向は平板形状の熱拡散部7の平板方向であって、垂直方向は平板形状の熱拡散部7の厚み方向である。
【0124】
上部板20は、中間板22と接合される突起部や接着部を備えていることも好適である。上部板20は、便宜上「上部」との呼称となっているが、物理的に上部の位置に存在しなければならないわけではなく、下部板21と特段に区別されるものでもない。また、上部板20が放熱面側となっても、受熱面側となっても特に問題はない。
【0125】
また、上部板20は、冷媒の注入口27を備えている。上部板20、中間板22、下部板21が積層されて接合されると内部空間が形成される。この内部空間は、冷媒を封入する必要があるので、上部板20などの接合後に注入口27から冷媒が封入される。注入口27は、冷媒が封入されると封止されて内部空間は密封される。
【0126】
なお、冷媒は、積層後に注入口27から封入されても良く、上部板20、下部板21、中間板22が積層される際に冷媒が封入されてもよい。
【0127】
(下部板)
下部板21は、上部板20と対向して単数又は複数の中間板22を挟む。
【0128】
下部板21は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高い金属で形成されることが好ましい。また、方形、菱形、円形、楕円形、多角形など種々の形を有していてよいが、上部板20と対向して熱拡散部7を形成するので、上部板20と同一の形状、面積であることが好ましい。また、製造上の容易性や実装上の容易性から方形が採用されやすい。
【0129】
下部板21は、その一方の面であって中間板22と対向する面に、蒸気拡散路25と毛細管流路26に連通する凹部24を有していることも好適である。下部板21に凹部24が設けられることは、上部板20に凹部24が設けられることと同様の意味を有する。
【0130】
下部板21は、便宜上「下部」との呼称となっているが、物理的に下部の位置に存在しなければならないわけではなく、上部板20と特段に区別されるものでもない。
【0131】
下部板21は、中間板22と接合される突起部や接着部を備えていることも好適である。
【0132】
また、下部板21が放熱面側となっても、受熱面側となっても特に問題はない。
【0133】
(中間板)
単数又は複数の中間板22は、上部板20と下部板21の間に積層される。
【0134】
中間板22は、金属、樹脂などで形成されるが、銅、アルミニウム、銀、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレスなどの熱伝導率の高い金属や防錆性で形成されることが好ましい。また、方形、菱形、円形、楕円形、多角形など種々の形を有していてよいが、上部板20および下部板21に挟まれて熱拡散部7を形成するので、上部板20および下部板21と同一の形状であることが好ましい。また、製造上の容易性や実装上の容易性から方形が採用されやすい。なお、上部板20および下部板21に挟まれるので、中間板22の面積は、上部板20および下部板21と同一でも良く、若干小さくてもよい。
【0135】
中間板22は、上部板20および下部板21と接続される際に用いられる突起や接着部を有していても良い。加えて、中間板22は、微小な断面積を有する内部貫通孔23を有している。この内部貫通孔23は、毛細管流路26を形成する。
【0136】
最終的には、上部板20と下部板21の間に中間板22が積層されて接合されることで、ヒートパイプ構造を有する熱拡散部7が形成される。中間板22は、単数でも複数でもよい。但し、後述するように、より微小な断面積を有する毛細管流路26を形成するためには、中間板22は、複数であることが好ましい。
【0137】
(中間板と蒸気拡散路および毛細管流路)
次に、中間板22、蒸気拡散路25および毛細管流路26について、図5、図6を参照しながら説明する。
【0138】
まず、蒸気拡散路25について説明する。
【0139】
中間板22は、切り欠き部29と内部貫通孔23を有している。
【0140】
切り欠き部29は、熱拡散部7における蒸気拡散路25を形成する。上部板20と下部板21の間に中間板22が積層された場合に、切り欠き部29は空隙を形成することになる。この空隙が蒸気拡散路25を形成する。
【0141】
ここで、切り欠き部29が、熱拡散部7の平面方向に向けて形成されることで、蒸気拡散路25も、熱拡散部7の平面方向に向けて形成される。このため、気化した冷媒は平面方向に拡散するようになる。加えて、切り欠き部29は、上部板20と下部板21とにつながっているので、蒸気拡散路25は、上部板20から下部板21にまでつながる。更には、上部板20および下部板21に設けられた凹部24と蒸気拡散路25とは連通する。この結果、蒸気拡散路25は、平面方向および垂直方向に気化した冷媒を拡散させる。
【0142】
特に、図6に示されるように、切り欠き部29が中間板22の中央部から放射状に形成されている場合には、蒸気拡散路25も熱拡散部7の中央部から放射状に形成されることになる。発熱体19は、熱拡散部7の略中央部に設置されることが多いので、冷媒は熱拡散部7の略中央部でもっとも熱を受熱する。このため、熱拡散部7の中央部付近の冷媒が最初に気化する。このとき、蒸気拡散路25が熱拡散部7の略中央部から放射状に形成されていることで、中央付近で生じた気化冷媒は、放射状に拡散しやすくなる。
【0143】
このように、中間板22が切り欠き部29を有し、平面方向および垂直方向に広がる蒸気拡散路25が形成されることで、熱拡散部7の内部においては、気化した冷媒が平面方向および垂直方向に拡散するようになる。結果として、発熱体19からの熱は、熱拡散部7内部を平面方向および垂直方向に拡散する。
【0144】
なお、蒸気拡散路25は、図6に示される放射形状でなくとも別の形状であってもよい。
【0145】
次に毛細管流路26について説明する。
【0146】
中間板22は、内部貫通孔23を有している。内部貫通孔23は、微小な貫通孔であり、凝縮した冷媒が還流する毛細管流路26を形成する。中間板22が図6に示されるように切り欠き部29を有する場合には、切り欠き部29以外の部分に内部貫通孔23が形成される。
【0147】
ここで、中間板22が単数の場合には、中間板22に設けられている内部貫通孔23がそのまま毛細管流路になる。
【0148】
一方、中間板22が複数である場合には、複数の中間板22のそれぞれに設けられた内部貫通孔23の一部のみが重なって、内部貫通孔23の平面方向の断面積よりも小さい断面積を有する毛細管流路26が形成される。このように、中間板22が複数である場合には、内部貫通孔23そのものの断面積よりも小さい断面積を有する毛細管流路26が形成されるので、毛細管流路26における凝縮した冷媒の還流をより効果的にできる。毛細管流路26は、毛細管現象によって凝縮した冷媒を還流させるので、毛細管流路26の断面積が小さいことが冷媒の還流を促進させるからである。
【0149】
なお、中間板22には、複数の内部貫通孔23が設けられる。毛細管流路26として機能するためには、内部貫通孔23が複数であることが好ましいからである。
【0150】
内部貫通孔23は、中間板22の表面から裏面にかけて貫通しており、その形状は円形でも楕円形でも方形でもよい。内部貫通孔23の一部同士が重なって毛細管流路26を形成することから、内部貫通孔23は方形であることが適当である。これは製造上の容易性からも適当である。
【0151】
内部貫通孔23は、掘削、プレス、ウェットエッチング、ドライエッチングなどで形成されれば良いが、微小加工および加工精度の面から、ウェットエッチング、ドライエッチングなどのエッチング加工で形成されるのが適当である。
【0152】
中間板22が複数の場合には、内部貫通孔23は、複数の中間板22のそれぞれに設けられる。ここで、複数の中間板22は、その内部貫通孔23の一部同士のみがそれぞれ重なるように積層されるので、内部貫通孔23の位置は、隣接する中間板22毎にずれていることが適当である。例えば、ある中間板22における内部貫通孔23の位置と、この中間板22と隣接する別の中間板22における内部貫通孔23の位置は、内部貫通孔23の面積の一部ずつが重なるようにずれている。このように、隣接する中間板22毎に内部貫通孔23の位置がずれていることで、複数の中間板22が積層された場合に、内部貫通孔23の平面方向の断面積よりも小さい断面積を有する毛細管流路26が形成される。
【0153】
内部貫通孔23の断面積よりも小さな断面積を持つ孔が、ヒートパイプ18の垂直方向に積層され、垂直方向の孔同士が接続することで、垂直方向の流路が形成される。また、垂直方向において階段状の孔となるので、垂直方向であると同時に平面方向にも流れうる流路が形成される。この垂直・平面方向に形成される流路は、その断面積が非常に小さく、凝縮した冷媒を、垂直方向もしくは垂直・平面方向に還流させる。
【0154】
なお、内部貫通孔23の一部のみが重なるようにして、内部貫通孔23よりも小さな断面積を有する毛細管流路26が形成される場合には、毛細管流路26を直接加工するよりも、容易に製造できるメリットもある。
【0155】
なお、毛細管流路26は、凝縮した冷媒が還流するが、気化した冷媒が通ることもありえる。
【0156】
また、毛細管流路26、凹部24の角部や切り欠き部29の角部は、面取りされていることも好適である。毛細管流路26の断面は、六角形、円形、楕円形、方形、多角形など様々な断面形状を有していて良い。毛細管流路26の断面形状は、内部貫通孔23の形状と、内部貫通孔23同士の重ね合わせ方により定まる。また、断面積も同様に定まる。
【0157】
(製造工程)
上部板20、下部板21、中間板22が積層されて接合されることで熱拡散部7が製造される。
【0158】
上部板20、下部板21および複数の中間板22(図5では中間板22は4枚である)のそれぞれが同一位置で重なるような位置関係に合わせられる。加えて、複数の中間板22は、複数の中間板22のそれぞれに設けられた内部貫通孔23のそれぞれの一部のみが重なるような位置関係にあわせられる。
【0159】
上部板20、下部板21および複数の中間板22の少なくとも一つは、接合突起を有している。
【0160】
上部板20、下部板21、複数の中間板22は、位置あわせされた上で積層され、ヒートプレスによって直接接合されて一体化される。このとき、各部材は、接合突起によって直接接合される。
【0161】
ここで、直接接合とは、接合しようとする2つの部材の面を密着させた状態で加圧しつつ熱処理を加えることであって、面部の間に働く原子間力によって原子同士を強固に接合させることであり、接着剤を用いることなく、2つの部材の面同士を一体化しうる。このとき、接合突起が強固な接合を実現する。
【0162】
ヒートプレスにおける直接接合の条件として、プレス圧力は、40kg/cm〜150kg/cmの範囲内であり、温度は250〜400℃の範囲内であることが好ましい。
【0163】
次に、上部板20や下部板21の一部に空けられた注入口27を通じて、冷媒が注入される。その後、注入口27が封止されて熱拡散部7が完成する。なお、冷媒の封入は真空または減圧下で行われる。真空または減圧下で行われることで、熱拡散部7の内部空間が真空または減圧された状態となって冷媒が封入される。減圧下であると、冷媒の気化・凝縮温度が低くなり、冷媒の気化・凝縮の繰り返しが活発になるメリットがある。
【0164】
以上の工程で、熱拡散部2の一例である、平板状のヒートパイプ構造を有する熱拡散部7が製造される。
【0165】
図7は、本発明の実施の形態1における熱拡散部の内部写真である。図7は、熱拡散部7の内部を示している。図7より明らかな通り、熱拡散部7は、蒸気拡散路25と毛細管流路26とを備えている。
【0166】
熱拡散部7が、以上のような構造を有することで、熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱を、平面方向及び垂直方向に拡散でき、拡散した熱を、凹部6を介して基体2に伝導できる。凹部6全体から基体2に熱が伝導するので、基体2は、その全体を使って熱を放熱フィン5に伝導できる。
【0167】
基体2および放熱フィン5は、伝導された熱を外界に放散する。このとき、基体2全体および放熱フィン5全体を用いた放熱により、基体2および放熱フィン5全体(これらがヒートシンクを構成する)は、効率的に熱を放散できる。結果として、冷却装置1の実装体積が削減できる。
【0168】
以上のように、実施の形態1における冷却装置1は、基体2の凹部6に熱拡散部7を収納することで、高さ方向の実装体積を削減できるだけでなく、熱拡散部7での熱拡散と、熱拡散部7と凹部6との熱伝導を最適化することで、平面方向においても実装体積を削減できる。
【0169】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
【0170】
実施の形態2における冷却装置は、熱拡散部7と凹部6との熱的な接触の別バリエーションを有する。
【0171】
(凹部形状によるバリエーション)
【0172】
凹部6は、実施の形態1で説明した通り、第1面3において、基体2のいずれの端面にも到達しないように、基体2の内部に完全に納まる形状と、第1面3において、基体2の一組の向き合う端面の少なくとも一方に到達するように基体2と嵌合する形状とのいずれかの形状を有する。
【0173】
図8は、本発明の実施の形態2における冷却装置の底面図である。図8は、冷却装置1を底面から見た状態を示している。
【0174】
図8では、凹部6は、基体2の内部に完全に納まる形状を有している。すなわち、凹部6は、基体2のいずれの端面にも接していない。このようにいずれの端面にも接しない状態で凹部6が形成されることで、凹部6に収納される熱拡散部7は、その側面の全てを凹部6の側面と熱的に接触させることができる。この結果、熱拡散部7は、凹部6への(ひいては基体2への)熱伝導を効率化できる。
【0175】
また、図9に示されるように、凹部6は、基体2の一組の端面に到達するように形成されても良い。図9は、本発明の実施の形態2における冷却装置の底面図である。図9は、冷却装置1を底面から見た状態を示している。
【0176】
図9では、凹部6は、基体2の一組の端面30、31に到達する形状を有している。このような形状を有することで、基体2における凹部6の形成が容易になる。また、凹部6への熱拡散部7の装着も容易になる。結果として、冷却装置1は、そのコストを低減できる。
【0177】
(延長板による熱的な接触)
【0178】
また、熱拡散部7は、熱拡散部7が備える延長板を介して、凹部6との側面と熱的に接触しても良い。
【0179】
熱拡散部3は、上部板20、下部板21、中間板22のそれぞれが対向して積層されることで形成される。ここで、上部板20、下部板21および中間板22の少なくとも一つが、他よりもその面積が大きいことで形成される延長板40を備える。この延長板40は、熱拡散部7の側面9から突出して、延長板40が凹部6の上面10および側面11の少なくとも一部と熱的に接触する。このような延長板40による凹部6との熱的な接触により、熱拡散部7は、凹部6(すなわち基体2)へ、より効率的に熱を伝導できる。
【0180】
図10は、本発明の実施の形態2における冷却装置の側面図である。図10は、冷却装置1の内部を透視した状態を示している。
【0181】
冷却装置1は、基体2と放熱フィン5を備え、基体2の第1面3に設けられた凹部6に熱拡散部7を収納する。これは、実施の形態1で説明した構成と同様である。
【0182】
熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱を平面方向および垂直方向に拡散する。この拡散によって、熱拡散部7は、熱を基体2に伝導する。ここで、熱拡散部7は、ヒートパイプ構造を有しており、内部に封入された冷媒の気化と凝縮によって熱を拡散する。また熱拡散部7は、上部板20、下部板21および中間板22の積層により形成されるので、上部板20、下部板21および中間板22は、この気化した冷媒と接触しやすい状態にある。
【0183】
このため、上部板20、下部板21および中間板22には、熱拡散部7の内部において、気化した冷媒との接触による熱が伝わる。延長板40は、これら上部板20、下部板21および中間板22の少なくとも一つが、他よりもその面積が大きいことによって形成されるのであるから、延長板40には、熱拡散部7の内部の熱が伝わる。
【0184】
延長板40は、熱拡散部7における気化した冷媒との接触より伝導する熱を、熱拡散部7の外部に導くことができる。
【0185】
図10に示される冷却装置1では、延長板40は、凹部6の側面11と熱的に接触する。このとき、延長板40は、熱的接合材を介して凹部6の側面11と熱的に接触しても良い。延長板40は、熱拡散部7の内部で気化した冷媒などから伝導される熱を熱拡散部7の外部に伝導し、熱的に接触する凹部6の側面11に伝導する。
【0186】
特に、延長板40は、熱拡散部7を構成する板部材の一つと一体に形成されているので、熱拡散部7の内部から延長板40にいたる熱抵抗は小さくて済む。このように熱抵抗が小さいことで、熱伝導も効率的である。すなわち、延長板40には、熱拡散部7の内部の熱が効率よく伝導している。延長板40が熱拡散部7の側面から延長板40が突出することで、熱拡散部7は、熱拡散部7の本体(上面8や側面9)から伝える熱に加えて、熱拡散部7の内部からの熱も、凹部6に伝導されるようになる。
【0187】
このように、延長板40が熱拡散部7から突出し、凹部6と熱的に接触することで、熱拡散部7は、凹部6へより効率的に熱を伝導できる。
【0188】
凹部6の側面11は、この熱伝導を受けて、熱拡散部7が拡散した発熱体19からの熱を基体2に伝導する。このとき、凹部6の側面11から基体2に熱が伝導することで、基体2の外縁に熱が伝導することになる。また、熱拡散部7の上面8からは凹部6の上面10に熱が伝導する。このように、熱拡散部7は、その上面8と延長板40とから、凹部6の上面10および側面11の全体に熱を伝導できる。結果として、基体2全体に熱が伝導する。
【0189】
基体2は、凹部6を介して、その全体に熱が伝導するので、基体2は、その全体を用いて放熱フィン5に熱を伝導できる。結果として、放熱フィン5における放熱効率が上がり、冷却装置1全体の冷却効率が、実装体積に対して高まる。
【0190】
以上のように、熱拡散部7を構成する板部材で形成される延長板40が、熱拡散部7本体と相まって熱を凹部6に伝導することで、熱拡散部7は、発熱体19から奪った熱をより効率的に凹部6に伝導できる。更には、基体2は、その全体を使って放熱フィン5に熱を伝導できる。
【0191】
また、図11に示されるように、延長板40は、屈曲部において折り曲げられ、凹部6の側面11および上面10に熱的に接触することも好適である。
【0192】
図11は、本発明の実施の形態2における冷却装置の側面図である。図10に示される冷却装置1と異なり、延長板40は、凹部6の上面10にまで延伸して、凹部6の上面10と熱的に接触する。
【0193】
延長板40が、凹部6の上面10とも熱的に接触することで、熱拡散部7の内部から伝導する熱が、凹部6の側面11に加えて凹部6の上面10にも伝導される。熱拡散部7が平面方向に熱を拡散する効率に優れる場合には、熱拡散部7の上面8から凹部10に熱を伝導させるよりも、延長板40を介して凹部6の上面10に熱を伝導させるほうが、効率が良いこともある。このような場合には、図11のように、延長板40が凹部6の上面10にも熱的に接触することが好適である。
【0194】
なお、延長板40は、凹部6の側面11のみに熱的に接触し、熱拡散部7の上面8が凹部10の上面と熱的に接触する構成(図10に示される構成)であることで、熱拡散部7は、熱の拡散方向の特性に最適な凹部6への熱伝導を実現できる。すなわち、上部板20、下部板21および中間板22が積層されるヒートパイプ構造を有する熱拡散部7では、内部空間を拡散する気化した冷媒が平面方向および垂直方向に拡散する。垂直方向に拡散した冷媒によって熱拡散部7の上面8に熱が拡散しやすい。このため、熱拡散部7の上面8が凹部10の上面と熱的に接触していることが熱拡散部7から基体2への熱伝導の面で好ましい。一方、平面方向に拡散する冷媒は、熱拡散部7の側面9に拡散するが、熱拡散部7の側面9の面積は狭いので延長板40が凹部6の側面11に熱的に接触することが好ましい。これにより、凹部6の側面への熱伝導効率が高まり、熱拡散部7から基体2への熱伝導効率が高まるからである。
【0195】
このように、延長板40は、熱拡散部7の内部の熱を取り出して凹部6に伝導させる。このため、延長板40は、図12に示されるように中間板22が他の部材よりもその面積が大きいことで形成されるのが好ましい。
【0196】
図12は、本発明の実施の形態2における熱拡散部の側面分解図である。図12は、熱拡散部7を構成する各部材を分解した状態を示している。
【0197】
図12は、上部板20および下部板21の間に、3枚の中間板22が積層されている状態を示している。3枚の中間板22の内の1枚の中間板22bは、他の中間板22よりもその面積が大きく、熱拡散部7の側面から突出する。突出した部分が折り曲げられて、凹部6の側面11に接触可能な延長板40が形成される。
【0198】
このように、中間板22bが延長板40を形成することで、熱拡散部7の内部空間を拡散する気化した冷媒が、中間板22bと接触しやすくなる。この接触によって、中間板22bを通じて延長板40に、熱拡散部7内部の熱が伝導する。延長板40は、この内部からの熱を凹部6の側面11や上面10に伝導する。この結果、熱拡散部7は、基体2の全体に効率的に熱を伝導できる。
【0199】
なお、延長板40は、様々に折り曲げられて、凹部6の面と熱的に接触されればよい。
【0200】
もちろん、上部板20、下部板21が他の部材よりも面積が大きいことで延長板40が形成されても良い。また、複数の中間板22の一枚が延長板40を形成する場合には、上部板20に近い位置にある中間板22が延長板40として用いられることが、好適である。気化した冷媒との接触量が多くなるからである。
【0201】
以上のように実施の形態2における冷却装置1は、熱拡散部7の側面から突出する延長板40が凹部6の上面10および側面11の少なくとも一部と熱的に接触することで、発熱体19の熱を基体2全体に伝導させることができる。結果として、冷却装置1の冷却効率が高まり、熱拡散部7が基体2に収納されることとも相まって、冷却装置1の実装体積が削減できる。
【0202】
なお、延長板40が、熱拡散部7の側面から突出する形態は、側面の途中から突出する形態だけでなく、側面から延長板40が伸びだす形態も含む。
【0203】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
【0204】
実施の形態3では、凹部6に熱拡散部7と発熱体19とを収納した冷却装置について説明する。
【0205】
図13は、本発明の実施の形態3における冷却装置の側面図である。図13は、冷却装置1の内部を可視化した状態を示している。実施の形態3における冷却装置1は、凹部6に熱拡散部7と発熱体19との両方を収納する。凹部6は、基体2の第1面3に形成される。この凹部6の体積は、基体2の大きさや冷却装置1の性能に基づいて、自由に定められる。このため、凹部6の深さが大きければ、熱拡散部7と発熱体19との両方を収納できる。
【0206】
凹部6が、熱拡散部7に加えて、発熱体19をも収納することで、冷却装置1の実装体積が更に削減される。
【0207】
基体2の第1面3には、熱拡散部7と発熱体19との両方とが収納可能な深さを有する凹部6が形成される。このとき凹部6は、発熱体19までを完全に収納できる深さを有していても良いし、発熱体19が凹部6からはみ出る程度の深さを有していてもよい。
【0208】
また、熱拡散部7と発熱体19とは、熱的接合材を介して熱的に接触しても良い。例えば、凹部6において熱拡散部7や発熱体19以外であまる余剰空間50は、熱的接合材で充填されても良い。熱的接合材で充填されることで、凹部6は、その空間全体を用いて、発熱体19の熱を基体2に伝導できる。
【0209】
凹部6が、熱拡散部7と発熱体19とを合わせて収納する構造以外は、冷却装置1は、実施の形態1、2で説明したのと同様の構成を備える。
【0210】
このため、熱拡散部7は延長板40を備え、延長板40が、凹部6の側面や上面と熱的に接触してもよい。延長板40が凹部6の側面や上面と熱的に接触することで、熱拡散部7は、効率的に、基体2へ熱を伝導できる。延長板40は、実施の形態2で説明したのと同様である。
【0211】
以上のように、凹部6が、熱拡散部7と発熱体19との両方を収納することで、冷却装置1の実装体積が削減されると共に外観もすっきりする。
【0212】
また、凹部6は、第1面3において開口部を有する。実施の形態1のように、凹部6が熱拡散部7だけを収納する場合には、熱拡散部7によって開口部がふさがれる。これに対して、発熱体19は、熱拡散部7よりも小型であることが多く、凹部6の開口部よりも小さい。このため、実施の形態3のように、凹部6が熱拡散部7に加えて発熱体19を収納する場合には、凹部6は開口部を露出することになる。
【0213】
ここで、図13に示されるように、凹部6の開口部は封止される。
【0214】
封止材51は、凹部6の開口部を封止する。封止材51が、開口部を封止することで、発熱体19からの熱が、開口部を経由して外界に漏れにくくなる。結果として発熱体19の熱のほぼ全てが熱拡散部7に伝導しやすくなり、熱拡散部7から放熱フィン5に伝導して熱が放散される。このため、冷却装置1は、熱拡散部7、基体2および放熱フィン5を効率的に活用して、発熱体19の熱を放散できる。すなわち、発熱体19のほぼ全ての熱は、熱拡散部7を基点として冷却装置1によって放散される。
【0215】
加えて、封止材51で開口部が封止されていることで、発熱体19からの熱が発熱体19と接触する基板に伝わりにくくなる。この結果、発熱体19が基板に悪影響を及ぼしにくくなる。
【0216】
以上のように、凹部6が熱拡散部7と発熱体19とを収納しつつ、封止材51によって凹部6を封止することで、実装体積を削減しつつ放熱効率を高める。
【0217】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
【0218】
実施の形態4では、基体2と放熱フィン5との高さの和を調整した冷却装置を説明する。
【0219】
図14は、本発明の実施の形態4における冷却装置の側面図である。
【0220】
冷却装置1は、熱拡散部7からの熱を、基体2および放熱フィン5によって外界に放散する。このとき、放熱フィン5は、その表面から外界に熱を放散する。
【0221】
基体2は、第1面3において凹部6を有するので、基体2の底面を基準とした場合に、冷却装置1の部位によっては、高さが異なることが生じる。すなわち、凹部6が存在する領域では、凹部6の上面10から放熱フィン5までの高さが、基体2と放熱フィン5との高さの和となり、凹部6が存在しない領域では、基体2の底面から放熱フィン5までの高さが、基体2と放熱フィン5との高さの和となる。
【0222】
例えば、図1に示される冷却装置1では、凹部6が存在する領域における基体2と放熱フィン5との高さの和と、凹部6が存在しない領域における基体2と放熱フィン5との高さの和とは、異なる。
【0223】
実施の形態4の冷却装置1は、図14に示されるように、凹部6が存在する領域における基体2と放熱フィン5との高さの和と、凹部6が存在しない領域における基体2と放熱フィン5との高さの和とが略同一である。図14では、矢印60は、凹部6が存在しない領域における基体2と放熱フィン5との高さの和を示している。同様に、矢印61は、凹部6が存在する領域における基体2と放熱フィン5との高さの和を示している。矢印60および矢印61とから明らかな通り、凹部6が存在する領域における基体2と放熱フィン5との高さの和と、凹部6が存在しない領域における基体2と放熱フィン5との高さの和とが略同一である。
【0224】
冷却装置1は、基体2および放熱フィン5とによって、熱を外界に放散する。
【0225】
図14に示される冷却装置1のように、凹部6の有無にかかわらず、基体2と放熱フィン5の高さの和が、略同一であることで、冷却装置1は、全体に渡って均一的な放熱能力を有することになる。すなわち、冷却装置1の部位や領域によって方熱効率がばらつくことがなくなる。この結果、冷却装置1の実装体積と放熱能力とのバランスが最適化され、冷却装置1は、高い冷却能力を有しつつ実装体積を削減できる。
【0226】
次に、図15を用いて放熱フィン5の総和を制御した冷却装置を説明する。
【0227】
図15は、本発明の実施の形態4における冷却装置の斜視図である。図15に示される冷却装置1は、棒状の放熱フィン5を備えている。
【0228】
基体2は、第1面3に凹部6を備えており、第2面4に放熱フィン5を備えている。図15では、凹部6の対向領域に立設される放熱フィン5の体積の総和は、凹部6以外の対向領域に立設される放熱フィン5の総和よりも小さい。
【0229】
放熱フィン5の体積は、基体2における熱抵抗を制御できる。具体的には、放熱フィン5の体積が小さい領域での基体2における熱抵抗は、放熱フィン5の体積が大きい領域での基体2における熱抵抗よりも大きい。このため、図15に示される冷却装置1では、凹部6の対向領域での基体2の熱抵抗は、凹部6以外の対向領域での基体2の熱抵抗よりも大きい。
【0230】
凹部6に対向する領域での基体2の熱抵抗が基体2の周囲の熱抵抗より大きいことで、熱拡散部7が伝導させる熱は、基体2の周辺部に伝導しやすくなる。熱が基体2の周辺部に伝導しやすくなることで、熱拡散部7からの熱は、基体2全体を活用して放熱フィン5に伝わるようになる。結果として、基体2や放熱フィン5の全体を活用して、冷却装置1は、熱を放散できるようになる。すなわち、冷却装置1の冷却能力が高まる。
【0231】
ここで、体積の総和をアンバランスにすることと合わせて、図14のように、高さもアンバランスにしてもよい。例えば、棒状の放熱フィン5の幅や個数を調整して、凹部6の対向領域での放熱フィン5の体積の総和を減じさせつつも、凹部6の対向領域での放熱フィン5の高さを高くする。これにより、凹部6が存在する領域における基体2と放熱フィン5との高さの和と、凹部6が存在しない領域における基体2と放熱フィン5との高さの和とが略同一でありながら、凹部6の対向領域における放熱フィン5の体積の総和が、凹部6以外の対向領域における放熱フィン5の体積の総和よりも小さくなる。
【0232】
体積の総和をアンバランスにすることは、例えば、凹部6の対向領域に放熱フィン5を設けないことも含む。
【0233】
以上のように、実施の形態3における冷却装置1は、放熱フィン5の高さや体積を制御することで、冷却装置1の冷却能力を高めつつ実装体積を削減できる。
【0234】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。
実施の形態5では、実施の形態1〜4で説明された冷却装置を実装した電子機器を説明する。
【0235】
図16は、本発明の実施の形態5における電子機器の内面図である。図16は、電子機器の内部を示している。
【0236】
電子機器100は、筐体103と、筐体103に格納された電子基板101、102と、電子基板101に実装された発熱体19と、発熱体19を冷却する冷却装置1を格納する。冷却装置1は、実施の形態1〜4で説明された冷却装置のいずれかの構成を有する。
【0237】
発熱体19は、電子基板101に実装された電子部品であり、動作によって熱を発する。この発熱体19に冷却装置1が実装されている。発熱体19は、冷却される必要を有するが、筐体103には薄型・小型が要求されるので、冷却装置を実装する空間には制限が生じる。
【0238】
ここで、冷却装置1は、実施の形態1〜4で説明した通り、凹部6に熱拡散部7を収納しつつ最適な放熱設計を有しているので、実装体積を削減できる。
【0239】
このため、冷却装置1は、電子機器100の小型化や薄型化を阻害することなく、発熱体19を効率的に冷却できる。
【0240】
このように、冷却装置1を装着する電子基板101が実装された電子機器100は、電子部品や電子基板の過度な発熱や過度な発熱による不具合を防止できる。このような電子機器100は、多種多様な用途の機器に適用される。
【0241】
例えば、電子機器100の例としては、ノートブックパソコン、デスクトップパソコン、サーバ機器、携帯端末、携帯電話機、車載電子端末、サーバ機器などがある。
【0242】
電子機器100の一例を図17に示す。図17は、本発明の実施の形態5における電子機器の斜視図である。
【0243】
電子機器200は、カーテレビやパーソナルモニターなどの薄型、小型が要求される電子機器である。
【0244】
電子機器200は、ディスプレイ201、発光素子202、スピーカ203を備えている。この電子機器200の内部に冷却装置1を実装した電子基板が格納されている。電子基板は、発熱体を実装しており、冷却装置1は、この発熱体と熱的に接触するように配置されている。
【0245】
冷却装置1は、実装体積を削減することで電子機器の小型化や薄型化を阻害せずに、発熱体を効率的に冷却できる。結果として、電子機器200の動作不良や性能劣化が防止できる。
【0246】
このように考えると、冷却装置1は、ノートブックパソコン、携帯端末、コンピュータ端末などに実装されている大型の液冷装置、既存のヒートシンクあるいは既存のヒートパイプなどに置き換えられたり、自動車や産業機器のライト、エンジン、制御コンピュータ部に実装されている放熱フレームや冷却装置などに置き換えられたりすることが可能である。結果として、冷却装置1や、冷却装置1を実装する電子基板は、広い範囲(電子機器、産業機器、自動車、航空機、輸送機器など)に適用できる。
【0247】
また、冷却装置1は、サーバ機器の内部に格納されるスロット型の電子基板のそれぞれに設置されても良い。
【0248】
図18は、本発明の実施の形態5におけるサーバ機器の内部ブロック図である。電子機器の一例としてのサーバ機器300が、図18において示されている。
【0249】
サーバ機器300は、筐体301内部に電子基板を装着できるスロットを有しており、複数の電子基板302、303、304がこのスロットに装着される。電子基板302、303、304のそれぞれは、発熱体である電子部品を実装している。この電子基板302に実装される電子部品には、冷却装置1aが設置され、電子基板303に実装される電子部品には、冷却装置1bが設置され、電子基板304に実装される電子部品には、冷却装置1cが設置される。これらの冷却装置1a〜1cは、複数の電子基板302〜304のそれぞれを冷却できる。
【0250】
また、冷却装置1a〜1cは、実装体積を削減できるので、スロットに装着される電子基板のそれぞれとの間隔の狭さに対応できる。
【0251】
サーバ機器300は、図18に示されるように、狭い間隔において多数の電子基板が装着されるので、それぞれの電子基板の冷却が困難であるが、冷却装置1a〜1cは、これら複数の電子基板を効率的に冷却できる。
【0252】
以上のように、本発明の冷却装置は、サーバ機器300などの高密度実装で構成される電子機器にも適している。また、本発明の冷却装置を備える電子機器は、小型化や薄型化を阻害されること無く、発熱による性能劣化をも防止できる。
【0253】
以上、実施の形態1〜5で説明された冷却装置、電子機器は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【符号の説明】
【0254】
1、1a、1b、1c 冷却装置
2 基体
3 第1面
4 第2面
5 放熱フィン
6 凹部
7 熱拡散部
8、10 上面
9、11 側面
19 発熱体
20 上部板
21 下部板
22 中間板
23 内部貫通孔
24 凹部
25 蒸気拡散路
26 毛細管流路
27 注入口
29 切り欠き部
30、31 端面
40 延長部材
50 余剰空間
51 封止材
60、61 矢印
100、200 電子機器
101、102 電子基板
103 筐体
201 ディスプレイ
202 発光素子
203 スピーカ
300 サーバ機器
301 筐体
302、303、304 電子基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に凹部を有する基体と、
前記第1面と逆側の面である第2面に立設された複数の放熱フィンと、
前記凹部に収納される平板形状の熱拡散部と、を備え、
前記熱拡散部の上面は前記凹部の上面と熱的に接触し、前記熱拡散部の側面は、前記凹部の側面と熱的に接触し、
前記熱拡散部は、内部に封入された冷媒の気化と凝縮によって、前記熱拡散部の下面に設置される発熱体からの熱を平面方向および垂直方向に拡散する冷却装置。
【請求項2】
前記凹部が有する側面は、前記熱拡散部の側面の全てと熱的に接触する請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
前記発熱体は、小型の発熱体であって、前記基体の平面方向の断面積の10%以上30%以下の断面積を有する請求項1又は2記載の冷却装置。
【請求項4】
前記熱拡散部の断面積は、前記基体の平面方向の断面積の50%以上80%以下である、請求項1から3のいずれか記載の冷却装置。
【請求項5】
前記熱拡散部は、該熱拡散部の下面の一部で熱的に接触する前記発熱体から奪った熱を、平面方向および垂直方向に拡散し、
前記熱拡散部の上面から前記凹部の上面に熱を伝導し、前記熱拡散部の側面から前記凹部の側面に熱を伝導する請求項1から4のいずれか記載の冷却装置。
【請求項6】
前記凹部の上面および側面の少なくとも一部に伝導した熱は、前記基体および前記放熱フィンを介して外部に放散される請求項1から5のいずれか記載の冷却装置。
【請求項7】
前記熱拡散部は、
上部板と、
前記上部板と対向する下部板と、
前記上部板と前記下部板との間に積層される単数または複数の中間板を備え、
前記上部板、前記下部板および前記中間板によって形成される内部空間に冷媒を封止し、
前記中間板は、蒸気拡散路と毛細管流路との少なくとも一部を形成する、請求項1から6のいずれか記載の冷却装置。
【請求項8】
前記中間板は、切り欠き部と内部貫通孔を有し、
前記切り欠き部は、前記蒸気拡散路を形成し、前記内部貫通孔は、前記毛細管流路を形成し、
前記蒸気拡散路は、気化した冷媒を平面方向および垂直方向に拡散し、
前記毛細管流路は、凝縮した冷媒を平面方向および垂直方向に還流させる請求項7記載の冷却装置。
【請求項9】
前記中間板は複数であって、前記複数の中間板のそれぞれに設けられた前記内部貫通孔同士は、それぞれの一部のみが重なって、前記内部貫通孔の平面方向の断面積よりも小さい断面積を有する毛細管流路が形成される請求項8記載の冷却装置。
【請求項10】
前記上部板および前記下部板のそれぞれは、前記毛細管流路および前記蒸気拡散路の少なくとも一方と連通する凹部を更に備える請求項7から9のいずれか記載の冷却装置。
【請求項11】
前記熱拡散部は、前記上部板、前記下部板および前記中間板の少なくとも一つが、他よりもその面積が大きいことで形成される延長板を更に備え、
前記延長板は、前記熱拡散部の側面から突出し、
前記延長板は、前記凹部の上面および側面の少なくとも一部と熱的に接触する請求項7から10のいずれか記載の冷却装置。
【請求項12】
前記延長板は、前記凹部の側面のみと熱的に接触する請求項11記載の冷却装置。
【請求項13】
前記凹部の上面および側面と、前記熱拡散部の上面および側面とは、熱的接合材を介して熱的に接触する請求項1から12のいずれか記載の冷却装置。
【請求項14】
前記凹部は、前記熱拡散部の下面と熱的に接触する発熱体をも収納し、前記凹部の開口部は、前記熱拡散部および前記発熱体を収納した上で封止される請求項1から13のいずれか記載の冷却装置。
【請求項15】
前記凹部を含む領域における前記基体の厚みと前記放熱フィンの高さとの和は、前記凹部以外の領域における前記基体の厚みと前記放熱フィンの高さとの和と略同一である請求項1から14のいずれか記載の冷却装置。
【請求項16】
前記凹部の対向領域における放熱フィンの体積の和は、前記凹部以外の対向領域における放熱フィンの体積の和よりも小さい、請求項1から15のいずれか記載の冷却装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか記載の冷却装置と、
前記発熱体を実装する電子基板と、
前記電子基板を格納する筐体と、を備える電子機器。
【請求項18】
前記電子機器は、ノートブックパソコン、デスクトップパソコン、サーバ機器、携帯端末、携帯電話機および車載電子端末のいずれかである請求項17記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−124456(P2011−124456A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282318(P2009−282318)
【出願日】平成21年12月12日(2009.12.12)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレイテド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】