説明

凍結製品

電子レンジに使用可能な製品であって、その中で凍結された又は凍結を保持された容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、気体及び氷を含むその組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることができ、該組成物が安定化剤及び少なくとも1種類の乳製品含有物を含む、上記製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結製品、そしてより特別には、電子レンジにより凍結状態から泡立った熱い飲料に加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品のみでなく、その容器及び/又は他の容器中で、凍結組成物の状態から熱い飲料形態に電子レンジにより加熱されることのできる飲料製品、上記のような製品として有用な凍結して包装された製品、並びに関連する方法、手順及び製品の形態に関する。
【0002】
本発明は、製品に対する興味が、(好ましくは飲料がそれに入って供給された容器から何も取り除くことなく)単に電子レンジによる加熱によって、凍結された飲料製品を、おいしく、興味深い泡だった熱い製品とすることに関する限り、有益である。
【0003】
本発明はまた、過剰の空気を含ませる(オーバーラン)こと(又は他の気体を過剰に含ませること)によって、(最も好ましくはチョコレート又はコーヒーの種類であるが、そうである必要はない)任意の種類の好適な風味を有する実質的に均一な組成物を作り出す能力も認識し、該組成物は、タンパク質、乳製品及び/又は他の成分などとあわせて凍結製品中に閉じ込めた好ましい気体の性質により、おいしく、濃厚で及び/又は泡立った、そしてこれらの特徴を、おそらく1時間、そしてそれが熱い間は確実に保持する製品を提供する。
【0004】
本発明はまた、電子レンジに使用可能なパックされた製品の形態に由来する利益を予想し、ここで、任意の不正開封防止機構、蓋などを取り除くことにより何らかの通気孔手段を有する、まだ実質的に凍結している製品が、電子レンジにより加熱され、そして飲まれることができる。かかる製品は、35℃〜60℃以下の温度での消費のためには、40℃〜60℃などの所望の温度範囲まで加熱された、濃厚な泡だった熱い飲料であることが理想である。
【0005】
したがって、本発明の上記目的又は対象の1つ以上及び関連する方法が対象とされる。
【0006】
1つの側面において本発明は、その中で凍結されていた容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、(好ましくは一部が乳製品である)凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより安全に加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品である。
【0007】
他の側面において本発明は、その中で凍結されていた容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、気体及び氷を含むその組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより安全に加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品である。
【0008】
さらに他の側面において本発明は、開封可能な容器中の凍結組成物である電子レンジに使用可能な製品であって、(好ましくは、その中で凍結されていた)容器の全体又は一部に未だに入っている間に、その組成物の凍結状態から該容器又は容器の一部から飲用可能な泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品である。
【0009】
さらに他の側面において本発明は、その中で凍結されていた容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、気体及び氷を含むその組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品であって、該凍結組成物は、以下の:
(i)好ましくは5〜30μmである、5〜120μmの氷の結晶
(ii)0.2〜40μmの脂肪球、及び
(iii)好ましくは60μm以上である、5〜185μmの気泡
のうちの1つ以上が全体に広がった凍結組成物である。
【0010】
好ましくは、該組成物は(ペクチンなどの)安定化剤、及び少なくとも1種類の乳製品含有物を含む。
【0011】
好ましくは、(場合により、1つの乳製品含有物として)タンパク質が存在する。
【0012】
好ましくは、少なくとも1つの炭水化物の供給源が存在する。
【0013】
好ましくは、凍結前の組成物は、空気(又は他の気体)をオーバーランさせた(過剰にふくませた)、少なくとも以下の:
(i)乳濃縮物
(ii)乳タンパク質抽出物又は粉末
(iii)クリーム、及び
(iv)少なくとも1つの炭水化物
の混合物である。
【0014】
好ましくは、(ペクチン、アルギン酸ナトリウムなどの)安定化剤が存在する。
【0015】
好ましくは、オーバーランは、10%〜120%、しかし好ましくは20%〜40%である。
【0016】
好ましくは、少なくとも0.5%w/wのコロイド状タンパク質、5%w/wの炭水化物、及び/又は0.01%w/wの安定化剤が存在する。
【0017】
好ましくは、凍結前の組成物は、(空気をオーバーランさせたなどの)気体をオーバーランさせた、少なくとも以下の:
(乳ベース、植物ベースのタンパク質及び/又は混合物などから選ばれる)0〜30%w/wの1つ以上のコロイド状タンパク質、
(乳脂肪及び/又は植物性脂肪などから選ばれる)0〜20%w/wの1つ以上の脂肪、
(固形物及び甘みを供給するために使用される、シュークロース、グルコース、フルクトース、グリセリン及び/又は任意の他の炭水化物などから選ばれる)0〜40%w/wの1つ以上の炭水化物、
(ペクチン、CMC、ローカストビーンガム、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、及び/又はキサンタンなどから選ばれる)0〜5%w/wの1つ以上の安定化剤、
(コーヒー、ココア、チョコレート、カラメル、ナッツ及び/又は任意の他のフレーバー物質などから選ばれる)0〜10%w/wの1つ以上のフレーバー剤
0〜90%w/wの水
の組成物の実質的に均一な混合物である。
【0018】
好ましくは、少なくとも0.5%w/wの1つ以上のコロイド状タンパク質が存在する。
【0019】
好ましくは、少なくとも5%w/wの1つ以上の炭水化物が存在する。
【0020】
好ましくは、少なくとも0.01%w/wの1つ以上の安定化剤が存在する。
【0021】
他の側面において本発明は、その中で凍結されていた容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、(好ましくは気体及び氷を含む)その組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品であって、該組成物は、(アルギン酸ナトリウムなどの)安定化剤、及び少なくとも1種類の乳製品含有物を含む。
【0022】
好ましくは、(場合により1つの乳製品含有物として)タンパク質が存在する。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つの炭水化物供給源が存在する。
【0024】
さらに他の側面においては、本発明は、(好ましくはその中で凍結されていた容器の全体または一部に未だに入っている間に)その組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品であって、凍結前の該組成物は、空気をオーバーランさせた、少なくとも以下の:
(i)乳濃縮物
(ii)乳タンパク質抽出物(粉末)
(iii)クリーム、及び
(iv)炭水化物
の混合物である。
【0025】
好ましくは、(ペクチン、アルギン酸ナトリウムなどの)安定化剤が存在する。
【0026】
好ましくは、オーバーランは、10%〜120%であるが、好ましくは、20%〜40%である。
【0027】
好ましくは、少なくとも0.5%w/wのコロイド状タンパク質、5%w/wの炭水化物、及び/又は0.01%w/wの1つ以上の安定化剤が存在する。
【0028】
他の側面においては、本発明は、その中で凍結されていた容器中の全体又は一部にいまだに入っている間に、(凍結状態で氷の結晶、1つ以上の脂肪、1つ以上のタンパク質及び炭水化物(そして場合により塩)を含む)気体及び氷を含むその組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品である。
【0029】
他の側面において本発明は、その中で凍結されていた、少なくとも主に電子レンジに使用可能な密閉したボール紙製の容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、気体及び氷を含むその組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、電子レンジに使用可能な製品である。
【0030】
他の側面において本発明は、その容器及び/又は他の容器中で、凍結組成物の状態から熱い飲料形態に電子レンジにより加熱されることのできる飲料製品であって、該製品は以下の:
容器、及び
その容器中の凍結組成物、
を包含するか又は含み、ここで、凍結前の該組成物は、(空気を過剰に含ませるなどの)気体をオーバーランさせた、少なくとも以下の:
0〜30%w/wの(乳ベース、植物ベースのタンパク質及び/又は混合物などから選ばれる)1つ以上のコロイド状タンパク質、
0〜20%w/wの(乳ベース及び/又は植物ベースの脂肪などから選ばれる)1つ以上の脂肪、
0〜40%w/wの(シュークロース、グルコース、フルクトース、グリセリン、及び/又は固形物及び甘みを供給するために使用される任意の他の炭水化物などから選ばれる)1つ以上の炭水化物、
0〜5%w/wの(ペクチン、CMC、ローカストビーンガム、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、及び/又はキサンタンなどから選ばれる)1つ以上の安定化剤、
0〜10%w/wの(コーヒー、ココア、チョコレート、カラメル、ナッツ、及び/又は任意の他のフレーバー物質などから選ばれる)1つ以上のフレーバー剤、
0〜90%w/wの水
の実質的に均一な混合物である。
【0031】
好ましくは、少なくとも0.5%w/wの1つ以上のコロイド状タンパク質が存在する。
【0032】
好ましくは、少なくとも5%w/wの1つ以上の炭水化物が存在する。
【0033】
好ましくは、少なくとも0.01%w/wの1つ以上の安定化剤が存在する。
【0034】
場合により、フレーバーがコーヒーであるとき、(クエン酸ナトリウムなどの)クエン酸塩が存在することが好ましい。
【0035】
好ましくは、結果は、上記の種類の任意の1つ以上の製品である。
【0036】
さらなる側面においては、本発明は、上記の種類の任意の1つの製品の組成物を調製する方法からなり、該方法は、オーバーランを確実にするために、(場合により1つまたは複数の安定化剤を含む)懸濁した脂肪球、コロイド状乳タンパク、炭水化物及び塩並びに場合により1つ以上のフレーバー剤を含む、凍結のために安定な系を攪拌することを含む。
【0037】
さらなる側面において、本発明は、本発明の任意の側面の製品に好適な組成物から成るが、本発明の方法により形成される場合には必ずしもそうでなくてもよい。
【0038】
他の側面において、本発明は、少なくとも実質的に閉じた自立性の容器及び該容器中の空気(又は他の気体)が(例えば、上記のように)取り込まれた(凍結調合物などの)冷蔵又は冷凍組成物を包含するか又は含む飲料パックであり、ここで、該パックは、該組成物を泡立った飲料形態まで加熱するために電子レンジにかけられることができ、そしてここで、該パックは泡立った飲料を飲用することを可能とするために開封されるか又は貫通されることができ、さらにここで、該容器は、容器内の組成物のレベルよりも上方に通気機構を含む。
【0039】
かかる通気機構は、電子レンジによる加熱の間に容器から少なくとも1種の気体を排出し、及び/又は所望の温度まで気体を保持し、その結果、気体を排出させる前に圧力が生じ、及び/又は好ましくは電子レンジによる加熱の間は、液体及び/又は泡の実質的な出口のないように適合されることが好ましい。
【0040】
好ましくは、本発明のいくつかの形態においては、少なくとも実質的に閉じた自立性の容器は、取り外し可能な蓋を有するカップである。
【0041】
組成物のパックの形態に関係なく、どのようにパック又は組成物が電子レンジにより加熱されるかについての指示が備えられることが好ましい。
【0042】
本明細書中で使用される用語「及び/又は」は、「及び」又は「又は」又はその両方を含む。
【0043】
本明細書中で使用される、名詞の後に続く用語「(s)」は、その名詞の複数形及び単数形を含む。
【0044】
本明細書中で使用される、「飲料」は、少なくとも加熱したときには飲用可能な任意の液体を含む。
【0045】
本発明は、添付の図面を参照することにより記載される。
【0046】
凍結前の組成物は、(空気をオーバーランさせるなどの)気体をオーバーランさせた、少なくとも以下の:
30%w/w以下の(好ましくは、タンパク質供給源及び/又は泡安定化剤としての)(乳ベース、植物ベースのタンパク質及び/又は混合物などから選ばれる)1つ以上のコロイド状タンパク質、
20%w/w以下の(乳及び/又は植物ベースの脂肪などから選ばれる)1つ以上の脂肪、
40%w/w以下の(固形物及び甘みを供給するために使用される、シュークロース、グルコース、フルクトース、グリセリン、及び/又は任意の他の炭水化物などから選ばれる)1つ以上の炭水化物、
5%w/w以下の(ペクチン、CMC、ローカストビーンガム、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、及び/又はキサンタンなどから選ばれる)1つ以上の安定化剤、
10%w/w以下の(コーヒー、ココア、チョコレート、カラメル、ナッツ、及び/又は任意の他のフレーバー物質などから選ばれる)1つ以上のフレーバー剤、
90%w/w以下の水
の組成物の実質的に均一な混合物である。
【0047】
場合により、フレーバーがコーヒーであるとき、クエン酸塩が存在することが好ましい。
【0048】
少なくとも0.5%w/wの1つ以上のコロイド状タンパク質が存在することが好ましい。
【0049】
少なくとも5%w/wの1つ以上の炭水化物が存在することが好ましい。
【0050】
少なくとも0.01%w/wの1つ以上の安定化剤が存在することが好ましい。
【0051】
製品の概説及び消費者の利益
本発明は、卸売業者、小売業者、仕出し屋又は最終消費者により保存される凍結系として製造され、そして、エネルギーが与えられた場合に、熱い状態で飲まれるように設計された飲料となる、製品を可能とする。かかる製品の例は、ホットチョコレート及びコーヒーの形式で製造され、熱い場合に理想的な飲用パラメータを許容する処方を有する。該製品は、凍結状態で製造され、配送され、そして保存され、かつ延長した有効期間を有する。この製品を製造するために使用される方法は、系の中で小さな気泡を形成し、そして安定化させることを可能とする。加熱により、これは、消費の間に安定なままである泡立った層を製品中に生じさせる。
【0052】
この製品からの消費者利益は、準備がすぐにでき、そして延長された有効期間を有する、熱い、濃厚な、クリーム状の、甘くそして泡立った飲料である。それは、粉末化された形態の、持ち帰り用の熱い飲料の現在最も一般的な形態が常に提供することはできない、本物のチョコレート、コーヒー及び新鮮な乳成分の利益も有する。
【0053】
すべてのパーセンテージは、特に記載されるか又は明らかでない限り、w/wに基づく。
【0054】
好ましい処方及び成分
この製品を作るのに好ましく使用される基本の処方は、最終製品において望ましいパラメータを提供するために個々の成分に依存する。基本的には、凍結前の混合物は、懸濁した脂肪球、コロイド状タンパク質、炭水化物及び塩を含む液体である。混合物が攪拌されるときに混合物が受けるかき混ぜ(こすられた表面)は、空気が混合物中に取り込まれること(オーバーラン)を可能とし、氷の結晶の形成は、この空気を安定化させる。脂肪の小塊は結晶となり、構造体となるまで融合して、これが気泡を混合物中で支持する。この混合物中の氷の結晶は、約5〜120μm、脂肪球は、0.2〜40μm、そして気泡は、典型的には5〜60μmである。製品は、約−20℃まで凍結されるように設計され、そして、その温度では系中の水の85%〜90%が凍結されるはずである。この混合物の各成分は特定の目的を有する。
【0055】
図1は、乳化された脂肪2及び氷の結晶3に取り囲まれた気泡1を示す。
【0056】
クリーム及びMSNF
乳成分は、典型的には、処方の14〜15%を構成することが好ましい。クリーム及び乳濃縮物(すなわち、MSNF(非脂肪乳固形分))は、乳フレーバーを与え、そしてクリーミーな感触はしばしば大まかにホットチョコレートやコーヒーと結びつく。
【0057】
グルコース
この混合物中で使用される甘みのレベルは、ヒトの味覚が感知することのできる甘みの量が加熱により増加するため、アイスクリーム処方よりも低く、したがって、凍結したときに好適な味のするものは加熱すると甘すぎる。この混合物中で使用されるレベルは、熱い温度で理想的であるように設計される。
【0058】
グルコースは、(好ましくは唯一の炭水化物甘味料として)約19%で使用され、甘みを与えすぎずに固体を供給し、凝固点も下げる。
【0059】
シュークロース
(約5〜6%などの)少量のグルコースが(例えば、6〜20%(例えば、8〜9%)の)シュークロースとともに使用されることができる。好ましくは、シュークロースは使用されないか又は単独では使用されない。
【0060】
ココアパウダー
好ましくは、ココアパウダー(及びチョコレート成分)がこれらの製品中で使用されて、豊かなチョコレートのフレーバー及び香りを得る。ホットチョコレート処方中では、数種のココアパウダーが使用されることが好ましく、そして処方の1.5%を構成し、モカチーノ処方中では、それらは混合物全体の0.75%を供給し、そしてコーヒー変形中ではココアパウダーが使用されないことが好ましい。
【0061】
チョコレート
本物のチョコレートが、この処方中で約2%のレベル使用されることが好ましい。その主な目的は、豊かな、チョコレートフレーバー及び香りを与え、そして本物のチョコレート成分を供給することである。その存在は、脂肪及び炭水化物レベル並びに風味付けに寄与することができる。
【0062】
コーヒー
コーヒーは、この製品のコーヒー変形において使用されて、コーヒーフレーバー及び香りを与え、そしてコーヒー成分及びカフェインを供給する。それは、好ましくは0.75〜2.0%のレベルで使用される。
【0063】
タンパク質粉末/泡安定化剤
タンパク質粉末は、0.5〜2.0%のレベルで使用されることが好ましい。これは、混合物の攪拌によって、気泡がより容易に取り込まれることを可能とし、一旦混合物中に入った気泡の安定化を可能とする。これは、親水性及び疎水性部分を両方もつことにより、水相及び気泡の間の界面層を裏打ちするタンパク質によっておこなわれ、そしてしたがって、気泡を安定化させる。タンパク質は、混合物が加熱された場合、より濃厚かつクリーミーな口当たりももたらす。
【0064】
例えば、(カゼインナトリウムなどの)カゼイン塩は、2%w/w以下、より好ましくは0.5%w/w以下(最も好ましくは、約0.1%w/wのカゼインナトリウムなど)で泡安定化剤として使用されることができる。
【0065】
ペクチン
ペクチンは、この系において水結合安定化剤として使用可能であり、そして好ましくは0.1〜0.4%のレベルで使用される。それは、製品が加熱されそして消費されるときに、系中の気泡を安定化することを助ける。
【0066】
クエン酸ナトリウム/キレート剤
コーヒーが存在するとき、沈殿する傾向がある。この沈殿は、キレート剤の存在により減少させられることができる。好ましくは、(0.5%w/w以下などのレベルの)キレート剤はクエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩である。最も好ましくは、クエン酸ナトリウムのレベルは約0.1%w/wである。
【0067】
他のフレーバー
製品の性質との調和を保つのに必要とされる任意の他のフレーバー及び付加剤が添加されてよい。
【0068】
調製方法
この製品は、凍結され、保存され、そして消費の直前に調製されるように設計されている。調製の背後にある概念は、氷の結晶の安定な系が、氷の結晶を融解し、そしてそれらを加熱することによって熱い液体系に変わるということである。これは、電子レンジを使用することによっておこなわれる。電子レンジによる電磁波は、製品中の水、脂肪及び炭水化物によって吸収されて、それらがエネルギーを吸収するときに熱に変換され、そして凍結された熱い飲料混合物を温めて、それを液体状態に変える。しかしながら、これらの電磁波は(ボール紙及び/又はプラスチック製の包装材料などの)容器には吸収されず、加熱後に消費者が直接もつことのできるカップ中の熱い飲料を生じる。
【0069】
包装
バルクで供給される場合、組成物のためには任意の形態の包装が使用可能である。その後の提供の個別化のための組成物のバルク包装の場合、そこから分けられ又は個別化される分配前に融解条件に置かれることのできる形態で包装されることが好ましい。かかる個別化された分配は、最終的な飲料容器へ、またはそれが50〜95℃の範囲の温度で飲まれるのに十分に、(例えば、50℃超かつ好ましくは95℃未満の温度で)それが加熱される容器中へ、そしてそこから飲用容器中へ行なわれることができる。
【0070】
しかしながら、組成物が特定の顧客または小売業者または家庭での使用者のために使用される容器中で提供される場合、該容器は、危険性も汚れの可能性もわずかであるかまたはないことが好ましく、50〜95℃の好ましい温度まで電子レンジ加熱されることができるものであることが好ましい。
【0071】
組成物がその中で供給され、そしてその中で加熱されることのできる個別の飲用容器のために、多くの形態の材料が利用可能である。電子レンジに使用可能なプラスチックおよび他の材料はその一種であるが、このような製品のためには、好ましくは板紙製のコップが利用されることが理想的である。安全のためにも所望により、パチンととめるシッパーキャップが提供されてもよい。(飛行機上でしばしば安全の目的のために使用されるものが典型的である)かかるシッパーキャップは、容器の内容物のシールを覆うことができる。例えば、米国特許第3,868,043号、同第4,428,498号及び同第6,070,755号を参照のこと。好ましくは、容器を密閉するかまたは実質的に密閉するためのシールが提供される。フィルムまたはホイルなどのかかるシールは、好ましくは取り外し可能または穿孔可能である。シールは、通気孔とともに提供されることが好ましい。
【0072】
本発明の組成物の50〜95℃の温度までの加熱の特徴は、より密度の低い泡並びにより密度の高い気体を混入した固体の持続的な曝露、そしてその結果の液体の引き続きの電子レンジによる加熱の可能性である。これは、泡が液体本体より高温とされ、及び/またはその密度が要求するよりも過剰の電磁波エネルギーを受ける結果として、内容物を大気中へ排出する傾向を有する。
【0073】
電子レンジ内で選択的に加熱するための電磁波の遮蔽は、本分野で周知の特徴である。かかる遮蔽は、一般に、ホイルまたは金属化されたプラスチックフィルムなどの導電性材料によって提供される。
【0074】
我々の2005年5月11日のニュージーランド特許出願第539964号は、上部が開放した、板紙製のコップ容器のホイルシールであって、それによってある程度の電磁波遮蔽を固有に提供するものを開示する。
【0075】
本分野で知られたかかる遮蔽の例は、Mars, Incの(先に米国特許出願公開第US2004/0108313号として、2004年6月1日に公開された)米国特許第6,903,320号を含み、これは、容器の選ばれた部分またはそこに結合したホイルによって提供される遮蔽のみに依存して、その内容物の一部を電子レンジにより融解または加熱するための容器を開示する。それはまた、シロップが加熱されるが、アイスクリームは融解しないままである、米国特許第4,233,325号及び容器を形成する電磁波透過性の板紙材料のシートの一部に積層した電磁波遮蔽材料の層を有する、部分的に遮蔽された電子レンジ加熱用の容器を開示する米国特許第5,718,370号を含むいくつかの従来技術についても検討している。
【0076】
熱い飲料混合物が入れられる包装は、熱い飲料から包装への水蒸気の移動を防ぐために、電磁波耐性の被覆(低密度ポリエチレン)を内側に有する板紙製コップである。凍結保存中にカップ上に形成する氷の結晶からの水蒸気の移動を防止するために、カップの外側にも電磁波耐性の被覆(低密度ポリエチレン)がある。蓋は、不正開封防止のための穴のあいたプラスチックシール、及びその上にある、これも電子レンジ使用可能な熱形成プラスチック製の穴のあいたコーヒー用の蓋の2つの部分を有してよい。
【0077】
図1は、例として、その両側に押し出しコーティングされた(例えば、15gsm)LDPE(5と6)及びこすれに対して耐性のにおいの少ないインクをその外部7を有する、漂白されたクラフト板紙4を示す。
【0078】
好ましくは、容器は、取り外し可能な蓋により閉鎖される、カップ型である。しかしながら、自立性の袋またはホイルまたはその他により密封された上部が開いた容器を含む他の形態も利用可能である。
【0079】
図4は、その縁に通気孔の開いたフィルムまたはホイルの(実質的な)密封用シート9が接着可能であり、これは、吸い口11を有するプラスチック製(PEなど)の少しずつ飲むためのカップ10によりおおわれている板紙製のカップの分解図を示す。シート9は、飲料を消費可能にするための加熱の後に、はがして取り外し可能であるかまたは穴を開けられることが可能である。
【0080】
(例えば、ラッカーなどの適切な接着剤で固定されるなど)カップ形態の上部に単にあるか、またはカップ形態の上部及びその周囲に圧着されているかまたは他の方法で結合されているホイルを提供することは、カップの上部領域に何らかの遮蔽能力を固有にもたらし、そしてもちろん泡が生成されるのはこの領域であり、密閉される場合にかかるホイルに通気孔を設けることが好ましい。望ましいと考えられる場合には遮蔽は拡張されることができ、かつ容器シール以外のものを部分的に提供されるかまたは破かれることができる。
【0081】
しかしながら、本発明の他の形態においては、目的を果たす任意の破りやすさ又は壊れやすい脆弱性が利用可能である。
【0082】
或いは、適用される部品又は材料が、同様の目的を達成するために穿孔域にわたって提供されることができる。
【0083】
或いは、電子レンジによる加熱に適した任意の他の包装が使用可能である。
【0084】
組成物がその容器中にあり、所望により電子レンジによりその容器中で該組成物を熱い泡だった飲料形態に加熱することができる場合、加熱は、電子レンジによる加熱後に該飲料が開口されたカップから飲まれることを可能とするように、取り外し可能な蓋を除去しておこなわれることができる。しかしながら、実際は、組成物を含み空気を取り込んだ上記(または任意の)凍結調合物を開口した容器中で加熱することは、電子レンジ装置及び開口した容器の外側の両方を汚すこととなる。
【0085】
我々は、空気を取り込んだ組成物を含み、冷蔵または凍結された調合物を熱い泡立った飲料形態とするために、開封せずに(そして好ましくは、いかなるシールまたは外部被覆も除去せずに)、電子レンジにより加熱されることの可能な飲料パックに由来する利益を認識する。かかる形態は、(理論上または実際に)取り込まれた気体及び加熱中に容器から生じる任意の他の気体の排出を可能とするために、容器中の液体が電子レンジにより加熱されるときに、上記のパックの「閉じた」容器の通気機構であって組成物のレベルよりも上方にあるものを利用することを想定する。
【0086】
或いは、いかなる混入物も直接進入させずに通気機構の目的を達成する、曲がりくねった通路の出口が提供可能である。これは、組成物が、電子レンジにより熱い泡だった飲料形態とされる直前まで凍結状態を維持されるべき場合には特に有望である。
【実施例】
【0087】
【表1】

【0088】
【表2】

【0089】
【表3】

【0090】
【表4】

【0091】
実施例5
実施例1〜4の処方を製造するために好適な工程フロー。
−販売店からの原料。冷凍庫からのコーヒー抽出物。混合物を作製する前に2〜3日調節する。
−混合物を第一段階で2000psiで、第二段階で500psiでホモジェナイズし、そして84℃で殺菌する。
−殺菌後、混合物をMTF貯蔵サイロに入れる。
−混合物を熟成させる。そして検査し、標準物に照らして試験する。
−混合物を工場内のフレーバーホッパーに入れる。
−混合物に風味付けし、そしてオーバーランを開始するためにかき混ぜる。
−生成物を、規定の許容値まで板紙製のコップに満たす。
−独自のホイルシールを提供し、そして適切な圧着が達成されることを確認する。
−直立した状態でスパイラルフリーザーに移す。
−個々のユニットの重さをチェックする。
−外箱中に製品を詰め、外箱を配送/フリーザーに運ぶ。
【0092】
実施例1〜4に対するコメント
実施例1〜4のそれぞれは、約60%w/wの水分含量、約15%w/wの乳固形分(好ましくはクリームよりも無脂肪乳固形分が多い)、(グルコースなどの)甘味料、1つ以上のフレーバー剤、クエン酸ナトリウム、グリセリン、ペクチンおよびカゼイン酸ナトリウムを含む。ホットチョコレートはチョコレートチップを含んでよい。
【0093】
「常に(オン・ザ・ゴーの)」熱い飲料は、ずっとベルベットのような泡を有し、コクがあり甘く滑らかである。実施例では、コーヒー、カラメルコーヒー、モカおよびホットチョコレートの4つの古典的なフレーバーの飲料を作製した。コーヒーフレーバーは、100%アラビカエスプレッソから、ホットチョコレートは本物のココアビーンズから製造し、そしてすべてにおいて本物のミルクを用いる。1100Wの電子レンジは、2.5分で、(部分的に遮蔽されていることが好ましい)板紙製のカップ中で滑らかなベルベットの感触をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、気泡を取り囲む氷の結晶及び乳化された脂肪を示す図である。
【図2】図2は、電子レンジに使用可能な好適な容器壁の断面図である。
【図3】図3は、組成物のための通気孔を有する蓋つきのカップ型のパックの断面図を示す。
【図4】図4は、本願と同時出願のわれわれのニュージーランド特許出願第539964号に開示された好ましいパックを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を含み、乳組成物を少なくとも部分的に含む、電子レンジに使用可能な製品であって、その中で凍結されたまたは凍結を保持された容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより安全に加熱されることのできる、前記製品。
【請求項2】
気体を含み、少なくとも部分的に乳組成物である凍結組成物である、開封可能な容器中の電子レンジに使用可能な製品であって、該製品は、その容器の全体又は一部に未だに入っている間に、その組成物の凍結状態から、該容器又は容器の一部から飲用可能な泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、前記製品。
【請求項3】
氷の結晶を含む、請求項1または2に記載の製品。
【請求項4】
前記組成物の全体に、以下の:
(i)5〜120μmの氷の結晶、
(ii)0.2〜40μmの脂肪球、及び
(iii)5〜185μmの気泡
のうちの1つ以上が広がっている、請求項1、2又は3に記載の製品。
【請求項5】
凍結前の前記組成物が、空気又は他の気体をオーバーランさせた、すくなくとも以下の:
(i)乳濃縮物、
(ii)乳タンパク質抽出物又は粉末、
(iii)クリーム、及び
(iv)少なくとも1つの炭水化物
の混合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製品。
【請求項6】
安定化剤が存在する、請求項5又は6に記載の製品。
【請求項7】
前記オーバーランが、10%〜120%である、請求項6又は6に記載の製品。
【請求項8】
凍結前の前記組成物が、気体をオーバーランさせた、少なくとも以下の:
30%w/w以下の1つ以上のコロイド状タンパク質、
20%w/w以下の1つ以上の脂肪、
40%w/w以下の1つ以上の炭水化物、
5%w/w以下の1つ以上の安定化剤、
10%w/w以下の1つ以上のフレーバー剤、
90%w/以下の水
の組成物の実質的に均一な混合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製品。
【請求項9】
少なくとも0.5%w/wの1つ以上のコロイド状タンパク質を含む、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
少なくとも5%w/wの1つ以上の炭水化物を含む、請求項8又は9に記載の製品。
【請求項11】
少なくとも0.01%w/wの1つ以上の安定化剤を含む、請求項8、9又は10に記載の製品。
【請求項12】
電子レンジに使用可能な製品であって、その中で凍結された又は凍結を保持された容器の全体又は一部にいまだに入っている間に、気体及び氷を含むその組成物の凍結状態から泡立った熱い飲料に電子レンジにより加熱されることのできる、安定化剤および少なくとも1種類の乳製品含有物を含む、前記製品。
【請求項13】
電子レンジによりそれがどのように加熱されるかについての指示を備えている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製品。
【請求項14】
電子レンジに使用可能な製品であって、その組成物の凍結状態から、泡だった熱い飲料に、電子レンジにより加熱されることができ、該組成物は、凍結前に空気又は気体をオーバーランさせた、少なくとも以下の:
(i)乳濃縮物
(ii)乳タンパク質抽出物又は粉末
(iii)クリーム、及び
(iv)炭水化物
の混合物である、前記製品。
【請求項15】
安定化剤が存在する、請求項14に記載の製品。
【請求項16】
前記オーバーランが10%〜120%である、請求項14に記載の製品。
【請求項17】
少なくとも0.5%w/wのコロイド状タンパク質、5%w/wの炭水化物、及び/又は0.01%w/wの1つ以上の安定化剤が存在する、請求項14、15又は16に記載の製品。
【請求項18】
凍結組成物状態から熱い飲料形態に、電子レンジにより加熱されることのできる飲料製品であって、該製品は、以下の:
容器、及び
該容器中の凍結組成物
を含み、ここで、凍結前の該組成物が、気体をオーバーランさせた、少なくとも以下の:
30%w/w以下の1つ以上のコロイド状タンパク質、
20%w/w以下の1つ以上の脂肪、
40%w/w以下の1つ以上の炭水化物、
5%w/w以下の1つ以上の安定化剤、
10%w/w以下の1つ以上のフレーバー剤、及び
90%w/以下の水
の組成物の実質的に均一な混合物である、前記製品。
【請求項19】
以下の:
少なくとも実質的に閉じた自立性の容器、及び
該容器中の、空気又は他の気体が含まれた冷蔵又は冷凍組成物
を含む飲料パックであり、ここで、該パックは、前記組成物を泡立った飲料形態に加熱するために電子レンジにかけられることができ、そしてここで、該パックは泡立った飲料を飲用することを可能とするために開封されるか又は貫通されることができ、さらにここで、前記少なくとも実質的に閉じた自立性の容器は、該容器内の前記組成物のレベルよりも上方に通気機構を含む、前記パック。
【請求項20】
前記少なくとも実質的に閉じた自立性の容器が、取り外し可能な蓋を有するカップである、請求項19に記載のパック。
【請求項21】
前記パックを電子レンジにより加熱するための指示を、改変された又は改変されない形態で含む、請求項19又は20に記載のパックであって、加熱が実施された場合に、50〜90℃の温度範囲において、改変された又は改変されない形態で前記容器から飲まれることのできる泡立った飲料を生じる、前記パック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−521399(P2008−521399A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542957(P2007−542957)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【国際出願番号】PCT/NZ2005/000291
【国際公開番号】WO2006/057565
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(507175005)フォンテラ コ−オペレイティブ グループ リミティド (1)
【Fターム(参考)】