説明

分光イメージング装置及び分光イメージング方法

【課題】前分光方式の分光イメージングにおいて、所定の波長毎に得られる分光画像に含まれるノイズを除去する。
【解決手段】照射領域P内に基準白色部5及び基準黒色部6が配置されており、撮像部3が、照射領域Pの被写体W、基準白色部5及び基準黒色部6を同一画像に撮像するものであり、画像処理部4が、所定の波長域毎に得られた分光画像iを取得し、各分光画像iに含まれる基準白色部5の白色成分又は基準黒色部6の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像iを補正して、補正後の分光画像iを合成してカラー画像又は疑似カラー画像Iを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光された波長域の異なる各光を被写体に照射し、それによって得られる分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成する分光イメージング装置及び分光イメージング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の分光イメージング装置として、白色光を照射する光源と、当該光源からの白色光を各波長域の光(例えばR成分、G成分、B成分、紫外成分、赤外成分、又は例えば波長10nm毎に分離された光)に分光する分光光学系と、当該分光光学系により得られた各色光が順次照射された被写体を順次撮像する撮像部とを備えたいわゆる前分光方式のものがある。そして、この分光イメージング装置は、撮像部から得られた各色光の分光画像を、画像処理部によって画像合成してカラー画像又は疑似カラー画像を得るように構成されている。この前分光方式の分光イメージング装置は、被写体と撮像部との間に分散光学系等の分光光学系が配置されない構成であり、画像情報を劣化させる要因が少なく、綺麗な画像取得が可能である。
【0003】
しかしながら、各分光画像を経時的に取得することから、各分光画像を取得する際の動作環境(例えば外乱光や周辺温度等)等に起因する撮像精度の誤差によって、各分光画像に含まれるノイズが異なる。異なるノイズを含む各分光画像を合成することになり、合成されたカラー画像又は疑似カラー画像が、実際の被写体とカラーバランス又は疑似カラーバランスが異なるものとなってしまうという問題、並びに合成画像が実際のものよりも薄くなってしまうという問題がある。
【0004】
このようなことから、特許文献1及び特許文献2に示すように、撮像精度の誤差に起因するノイズを低減すべく、分光画像を撮像する前に基準白色板及び基準黒色板を撮像することによって、撮像部を校正するものが考えられている。
【0005】
しかしながら、各分光画像の撮像前に撮像部を校正したとしても、撮像時の動作環境(例えば外乱光や周辺温度等)に起因するノイズ分を低減することは難しい。また、各分光画像の取得毎に校正したとしても、その校正誤差によって各分光画像には異なるノイズが含まれることになる。
【0006】
また、前分光方式の分光イメージング装置においては、各波長域の分光画像が暗くなってしまうことから、各分光画像の合成において、分光画像に含まれるノイズ、特に各分光画像の明度(明暗の度合い)の差が合成画像に悪影響を及ぼしてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−98023号公報
【特許文献2】特開2006−170669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決すべく、撮像部を基準白色板及び基準黒色板を用いて校正するという発想を脱却してなされたものであり、前分光方式の分光イメージングにおいて、所定の波長域毎に得られる分光画像を補正することによりその画像に含まれるノイズの誤差をキャンセルすることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る分光イメージング装置は、光源からの光を所定の波長域毎に分光する分光光源部と、二次元配列された撮像素子を有し、前記分光光源部からの光が照射される照射領域を撮像する撮像部と、前記撮像部から得られた二次元画像を処理する画像処理部とを備え、前記照射領域内に基準白色部及び基準黒色部が配置されており、前記撮像部が、前記照射領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像するものであり、前記画像処理部が、前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得し、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものであることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、各分光画像の基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分が同一となるように分光画像を補正することによって、撮像前に撮像部を専用の基準板を用いて校正することなく、各分光画像に含まれる動作環境や校正誤差に起因するノイズの誤差を無くすことができる。これにより、前分光方式の分光イメージング装置において合成画像に与える各分光画像の明度差等を低減することができる。そして、補正後の分光画像を合成することによって、実際の被写体と同じカラーバランスのカラー画像又は疑似カラー画像を生成することができる。
【0011】
また、本発明に係る分光イメージング装置は、二次元配列された撮像素子を有し、所定領域を撮像する撮像部と、前記所定領域と前記撮像部との間に設けられ所定の波長毎に分光する分光光学系と、前記撮像部から得られた二次元画像を処理する画像処理部とを備え、前記所定領域内に基準白色部及び基準黒色部が配置されており、前記撮像部が、前記所定領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像するものであり、前記画像処理部が、前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得し、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものであることを特徴とする。
【0012】
このようなものであれば、各分光画像の基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分が同一となるように分光画像を補正することによって、撮像前に撮像部を専用の基準板を用いて校正することなく、各分光画像に含まれる動作環境や校正誤差に起因するノイズの誤差を無くすことができる。そして、補正後の分光画像を合成することによって、実際の被写体と同じカラーバランスのカラー画像又は疑似カラー画像を生成することができる。
【0013】
また、合成画像が明度0%を基準として生成されるようにするためには、前記画像処理部が、前記各分光画像において、その基準黒色部の黒色成分の明度が0%となるように補正するものであることが望ましい。
【0014】
上記のように画像処理部により各分光画像において、基準黒色部の黒色成分の明度を0%に補正することなく、当該黒色成分の明度を可及的に0%とするためには、前記基準黒色部が、前記分光光源部からの光を内部に導入する開口が形成された筐体と、前記筐体の内部において開口方向に対して略45度となるように配置され、内部に入射した光を吸収するとともに筐体内面に反射するNDフィルタや鏡面反射を含め反射率が例えば6%以下の黒ガラス等の光吸収板とを有し、前記光吸収板からの反射光が到達する筐体内面に黒色処理が施されていることが望ましい。
【0015】
また本発明に係る分光イメージング方法は、光源からの光を所定の波長域毎に分光して射出する分光光源部と、二次元配列された撮像素子を有し、前記分光光源部からの光が照射される照射領域を撮像する撮像部とを用いた分光イメージング方法であって、前記照射領域内に基準白色部及び基準黒色部を配置して、前記撮像部により前記照射領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像し、前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得して、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものであることを特徴とする。
【0016】
更に本発明に係る分光イメージング方法は、二次元配列された撮像素子を有し、所定領域を撮像する撮像部と、前記所定領域と前記撮像部との間に設けられ所定の波長毎に分光する分光光学系とを用いた分光イメージング方法であって、前記所定領域内に基準白色部及び基準黒色部を配置して、前記撮像部により前記所定領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像し、前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得して、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このように構成した本発明によれば、前分光方式の分光イメージングにおいて、所定の波長域毎に得られる分光画像に含まれるノイズの誤差をキャンセルすることができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態における分光イメージング装置の模式的全体構成図である。
【図2】同実施形態の基準黒色部の構成を示す模式的断面図である。
【図3】同実施形態における画像処理部の機器構成図である。
【図4】同実施形態における画像処理部の機能構成図である。
【図5】同実施形態における画像の補正・合成の態様を示す模式図である。
【図6】本発明に係る分光イメージング装置を用いた航空測量システムの模式図である。
【図7】分光画像の補正範囲の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明に係る分光イメージング装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態にかかる分光イメージング装置100は、光源21からの光を前もって所定の波長域毎に分光し、各波長域の光を被写体Wに照射して得られる各波長域の分光画像を取得し、それら各分光画像を合成することによりカラー画像を生成するものであり、いわゆる前分光方式と呼ばれる方式を用いた分光イメージング装置である。
【0021】
具体的にこのものは、図1に示すように、分光光源部2と、分光光源部2からの光が照射される照射領域Pを撮像する撮像部3と、撮像部3から得られた二次元画像を処理する画像処理部4とを備えている。
【0022】
分光光源部2は、白色光源21と、当該白色光源21からの白色光を所定の波長域(例えばR成分の波長域、G成分の波長域、B成分の波長域等)に分光する分光光学系22とを備えている。この分光光学系22は、回折格子やプリズムを用いた分散型分光方式の他、所定の波長域のみを通過させるカラーフィルタ又はバンドパスフィルタを用いたカラーフィルタ分光方式等を用いて構成することができる。
【0023】
そして、本実施形態の分光イメージング装置100においては、前記分光光源部2からの光が照射される照射領域P内に基準白色部5及び基準黒色部6が配置されている。なお、この照射領域P内に撮像すべき被写体Wが配置されている。
【0024】
基準黒色部6は、図2に示すように、分光光源部2からの光を内部に導入する開口61Hを有する筐体61と、筐体61の内部において、当該筐体61の開口方向Xに対して略45度となるように配置されて内部に入射した光を吸収するとともに筐体61の内面に反射する光吸収板62とを備えている。光吸収板62としては、NDフィルタや鏡面反射を含め反射率が例えば6%以下の黒ガラス等を用いることができる。そして、光吸収板62からの反射光が到達する筐体61の内面に黒色処理が施されている。本実施形態では、筐体61の内面略全体に黒色処理が施されており、黒色布611を筐体61の内面に貼りつけて黒色処理としているが、黒色塗料を内面に塗布することにより処理しても良い。このように基準黒色部6を構成することによって、分光画像における基準黒色部6の黒色成分の明度を可及的に0%にすることができる。
【0025】
撮像部3は、二次元配列(XY方向にマトリックス状に配置)された固体撮像素子31を有するものであり(図1参照)、この実施形態では、固体撮像素子31の一例としてCCDイメージセンサを用いている。撮像部3は、分光光源部2により照射された各波長域の光を選択的に撮像できるように構成されており、例えば固体撮像素子31の前にカラーフィルタを設けることにより構成されている。
【0026】
この撮像部3は、前記分光光源部2により光が照射される照射領域Pの被写体Wとともに基準白色部5及び基準黒色部6を二次元画像として同一画像に撮像する。そしてこの撮像部3によって得られた画像データは、画像処理部4に出力される。なお、撮像した分光画像内における基準白色部5及び基準黒色部6の位置は特に限定されないが、各分光画像において同一位置であることが望ましい。これにより、基準白色部5及び基準黒色部6が受ける位置影響を同一にすることができる。
【0027】
画像処理部4は、例えばパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであり、構造的には図3に示すように、CPU401、メモリ402、通信ネットワークや前記本体側コンピュータに接続するためのUSBポート、モデム等の通信インタフェース403、ディスプレイ404、マウスやキーボードといった入力手段405等を備える。
【0028】
そして、前記メモリ402に所定のプログラムをインストールし、そのプログラムに基づいてCPU401や周辺機器が協働することにより、図3に示すように、画像データ受付部41、画像データ補正部42、画像合成部43、画像データ格納部44等としての機能を発揮する。以下、図5を参照して各部41〜44について説明する。
【0029】
画像データ受付部41は、所定の波長域毎に得られた分光画像iを示す画像データをその都度取得して、その画像データを画像データ補正部42に出力する。なお、分光光源部2は、所定の波長域の光を順次照射することから、画像データ受付部41は、各波長域毎の画像データを順次取得する。
【0030】
画像データ補正部42は、画像データ受付部41から取得した各波長域の分光画像iに含まれる基準黒色部6の黒色成分を比較して、それら各画像iにおける黒色成分が同一となるように分光画像iを補正するものである(図5参照)。具体的には、画像データ補正部42は、各分光画像iに含まれる基準黒色部6の黒色成分の明度が0%となるように各分光画像iを明度補正することによって、各分光画像iの黒色成分が同一となるように補正するものである。また、画像データ補正部42は、各分光画像iに含まれる基準白色部5の白色成分及び基準黒色部6の黒色成分を用いてシェーディング補正も行う。
【0031】
画像合成部43は、前記画像データ補正部42により少なくとも明度補正及びシェーディング補正された補正後の各分光画像i’を取得してそれら分光画像i’を重ね合わせることによって合成してカラー画像I、疑似カラー画像I、補正後の各分光画像i’を用いて定量計算等の数値処理をしたカラー画像I又は疑似カラー画像Iを生成するものである(図5参照)。このように生成されたカラー画像I等は、ディスプレイ404上に表示される。また、前記画像データ受付部41が取得した各分光画像iの画像データ及び前記画像合成部43により得られたカラー画像I等の画像データは、画像データ格納部44に格納され、以後適宜ディスプレイ404上に表示できるようにしている。
【0032】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る分光イメージング装置100によれば、各分光画像iの基準黒色部6の黒色成分が同一となるように分光画像iを補正することによって、撮像前に撮像部3を専用の基準板を用いて校正することなく、各分光画像iに含まれる動作環境や校正誤差に起因するノイズの誤差を無くすことができる。これにより、前分光方式の分光イメージング装置100において合成画像Iに与える各分光画像iの明度差等を低減することができる。そして、補正後の分光画像i’を合成することによって、実際の被写体Wと同じカラーバランスのカラー画像I等を生成することができる。
【0033】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0034】
例えば、前記実施形態では、被写体を走査することなく、各波長域毎に分光画像を取得可能に構成されているが、その他、二次元配置された固体撮像素子において行又は列の一方に異なる波長域を割り当て、各波長域において1軸分の画像を取得するように構成しても良い。この場合、各波長域毎の分光画像を取得するためには、被写体、基準白色部及び基準黒色部を走査する必要がある。
【0035】
また、前記実施形態では、各分光画像の基準黒色部の黒色成分を明度0%となるように補正した後にカラー画像を合成するように構成されているが、各分光画像の基準黒色部の黒色成分が所定値(例えば明度1%等)となるように補正した後にカラー画像を合成し、その後にカラー画像の基準黒色部の黒色成分が明度0%となるように補正するように構成しても良い。
【0036】
さらに前記実施形態の分光イメージング装置は前分光方式のものであったが、後分光方式のものであっても良い。この場合において分光イメージング装置は、二次元配列された撮像素子を有し、所定の照射領域を撮像する撮像部と、前記照射領域と前記撮像部との間に設けられ所定の波長毎に分光する分光光学系と、前記撮像部から得られた二次元画像を処理する画像処理部とを備える。撮像部及び画像処理部の構成としては前記実施形態と同様である。また、分光光学系は、回折格子やプリズムを用いた分散型分光方式の他、所定の波長域のみを通過させるカラーフィルタを用いたカラーフィルタ分光方式等を用いて構成することができる。
【0037】
この分光イメージング装置は、例えば図6(a)に示すように、航空測量システム又は人工衛星測量システムに用いることができる。この航空測量システムは、航空機200に前記分光イメージング装置を搭載して、地表面を撮像するように構成される。この航空測量システムにおいては、航空機200の飛行に伴い受光領域Pが移動する(図6(b)参照)。また、このように大きな範囲を撮像するものにおいては、同一画像内において基準白色部及び基準黒色部の組が複数組撮像されるようにすることが好ましい。これにより分光画像の補正精度を向上させることができる。なお、分光画像iを補正する場合、1組の基準白色部5及び基準黒色部6を中心として、所定面積の範囲を補正する(図7(a)参照)。また、その所定面積の範囲内に複数組の基準白色部5及び基準黒色部6が存在する場合には、その複数組を用いて所定面積の範囲内を補正する(図7(b)参照)。
【0038】
その上、基準白色部及び基準黒色部は、四角形状、円形状の他、ライン状をなすものであっても良い。
【0039】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
100・・・分光イメージング装置
W ・・・被写体
2 ・・・分光光源部
21 ・・・光源
P ・・・照射領域
3 ・・・撮像部
31 ・・・撮像素子
i ・・・分光画像(二次元画像)
i’ ・・・補正後の分光画像
4 ・・・画像処理部
I ・・・カラー画像、疑似カラー画像(合成画像)
5 ・・・基準白色部
6 ・・・基準黒色部
61 ・・・筐体
61H・・・開口
X ・・・開口方向
62 ・・・NDフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を所定の波長域毎に分光する分光光源部と、二次元配列された撮像素子を有し、前記分光光源部からの光が照射される照射領域を撮像する撮像部と、前記撮像部から得られた二次元画像を処理する画像処理部とを備え、
前記照射領域内に基準白色部及び基準黒色部が配置されており、
前記撮像部が、前記照射領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像するものであり、
前記画像処理部が、前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得し、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものである分光イメージング装置。
【請求項2】
二次元配列された撮像素子を有し、所定領域を撮像する撮像部と、前記所定領域と前記撮像部との間に設けられ所定の波長毎に分光する分光光学系と、前記撮像部から得られた二次元画像を処理する画像処理部とを備え、
前記所定領域内に基準白色部及び基準黒色部が配置されており、
前記撮像部が、前記所定領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像するものであり、
前記画像処理部が、前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得し、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものである分光イメージング装置。
【請求項3】
前記画像処理部が、前記各分光画像において、その基準黒色部の黒色成分の明度が0%となるように補正するものである請求項1又は2記載の分光イメージング装置。
【請求項4】
前記基準黒色部が、前記分光光源部からの光を内部に導入する開口が形成された筐体と、当該筐体内部において開口方向に対して略45度となるように配置され、内部に入射した光を吸収するとともに筐体内面に反射する光吸収板とを有し、
前記光吸収板からの反射光が到達する筐体内面に黒色処理が施されている請求項1、2又は3記載の分光イメージング装置。
【請求項5】
光源からの光を所定の波長域毎に分光して射出する分光光源部と、二次元配列された撮像素子を有し、前記分光光源部からの光が照射される照射領域を撮像する撮像部とを用いた分光イメージング方法であって、
前記照射領域内に基準白色部及び基準黒色部を配置して、前記撮像部により前記照射領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像し、
前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得して、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものである分光イメージング方法。
【請求項6】
二次元配列された撮像素子を有し、所定領域を撮像する撮像部と、前記所定領域と前記撮像部との間に設けられ所定の波長毎に分光する分光光学系とを用いた分光イメージング方法であって、
前記所定領域内に基準白色部及び基準黒色部を配置して、前記撮像部により前記所定領域の被写体とともに前記基準白色部及び前記基準黒色部を同一画像に撮像し、
前記所定の波長域毎に得られた分光画像を取得して、各分光画像に含まれる基準白色部の白色成分又は基準黒色部の黒色成分を比較して、それらの白色成分又は黒色成分が同一となるように分光画像を補正して、補正後の分光画像を合成してカラー画像又は疑似カラー画像を生成するものである分光イメージング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−226947(P2011−226947A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97717(P2010−97717)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年4月1日 日本比較生理生化学会発行の「比較生理生化学 Vol.27 No.1(2010)」に発表
【出願人】(505125945)学校法人光産業創成大学院大学 (49)
【Fターム(参考)】