分断装置
【課題】 3点曲げ方式によって脆性材料基板を分断する際に欠けや破損が生じにくくきれいな分断面を得ることができるとともに、微細なカレットが発生しても分断と同時に除去することのできる分断装置を提供する。
【解決手段】 表面にスクライブラインSが形成された脆性材料基板1を載置するテーブル10と、スクライブラインSの上方でその左右近傍に跨がるように配置され、脆性材料基板1の表面を押さえる左右一対の上部ブレイクバー4と、スクライブラインSの直下に配置され、基板1をスクライブラインSの直下から突き上げて分断するための下部ブレイクバー5と、スクライブラインSの直上に配置され、基板1が分断された際に分断端縁部分を弾力的に押圧して上方への跳ね上がりを阻止する弾性押さえ部材6と、弾性押さえ部材6の近傍に配置され、基板1が分断された際に発生するカレットを吸引する吸引口20を備えたカレット吸引手段とを備える。
【解決手段】 表面にスクライブラインSが形成された脆性材料基板1を載置するテーブル10と、スクライブラインSの上方でその左右近傍に跨がるように配置され、脆性材料基板1の表面を押さえる左右一対の上部ブレイクバー4と、スクライブラインSの直下に配置され、基板1をスクライブラインSの直下から突き上げて分断するための下部ブレイクバー5と、スクライブラインSの直上に配置され、基板1が分断された際に分断端縁部分を弾力的に押圧して上方への跳ね上がりを阻止する弾性押さえ部材6と、弾性押さえ部材6の近傍に配置され、基板1が分断された際に発生するカレットを吸引する吸引口20を備えたカレット吸引手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス、シリコン、セラミック、化合物半導体等の脆性材料からなる基板の分断方法に関する。特に本発明は、基板上に短冊状あるいは格子状に形成した複数条のスクライブラインに沿って基板を分断してチップ等の単位製品に分断する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、脆性材料基板に対して、ダイシングソー、カッターホイール、レーザビームを用いて、複数条のスクライブラインを形成し、その後に、外力を印加して基板を撓ませてスクライブラインに沿ってブレイクすることにより、チップ等の製品を取り出す方法が知られている(例えば特許文献1等)。
【0003】
図11はレーザビームを用いてテーブル30上の基板31にスクライブラインを形成する場合の一例を示す斜視図である。スクライブ予定ラインLに沿って走査機構32によりレーザ光学系33のビームスポットを走査し、続いて直後を追従するように冷却機構34のノズル34aから冷媒を噴射することにより、基板内の熱応力分布を利用してスクライブラインSを形成する。このスクライブ形成工程の後に、スクライブラインを形成した面とは反対側の面からスクライブラインに相対する部分をブレイクバーやローラ等で押圧することにより脆性材料基板を撓ませ、曲げモーメントによりスクライブラインに沿ってブレイクする。
【0004】
脆性材料基板に対し、スクライブラインに沿って曲げモーメントを加えてブレイクする際、曲げモーメントを効果的に生じさせるために、3点曲げ方式にて行うのが好ましい。
図12は板状のブレイクバーを用いた一般的な3点曲げ方式によるブレイク方式を示すものである。基板31の分断すべきスクライブラインSを跨いでその左右位置に一対の上部ブレイクバー35,35を配置し、スクライブラインSを設けた面とは反対側の面でスクライブラインSの直下に下部ブレイクバー36を配置し、上下ブレイクバーの何れか一方を基板31に押圧することによって、曲げモーメントを生じさせて分断している。
このブレイクバーによる3点曲げ方式で分断する方法は、例えば特許文献2でも開示されている。なお、ブレイクバーに代えて、ローラを用いた押圧による3点曲げ方式で分断する手段も特許文献1の図3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−175837号公報
【特許文献2】実開平05−45032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような3点曲げ方式でブレイクする手段においては、次のような問題点があった。図12に示すように、一対の上部ブレイクバー35,35を基板31の表面に接触させ、下部ブレイクバー36を突き上げて曲げモーメントを生じさせて分断した際、基板31の分断端縁部分が曲げによる弾性反力により上方に弾かれて、端縁の角の部分に欠けや破損が生じることがあり、歩留まりが悪くなるといった欠点があった。
また、上記の欠けによる破片や、分断時に生じる微細なカレット(破片屑)が基板31の表面に付着、残存して不良品の大きな要因となる。そのため、後処理でカレットを除去する工程が必要となって作業が煩雑となるといった問題点があった。
そこで本発明は、3点曲げ方式によって脆性材料基板を分断するものでありながら、分断の際に欠けや破損が生じにくくきれいな分断面を得ることができるとともに、微細なカレットが発生しても分断と同時に除去することのできる分断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明の分断装置は、表面にスクライブラインが形成された脆性材料基板を載置するテーブルと、スクライブラインの上方でその左右近傍に跨がるように配置され、脆性材料基板の表面を押さえる左右一対の上部ブレイクバーと、スクライブラインの直下に配置され、脆性材料基板をスクライブラインの直下から突き上げて脆性材料基板を分断するための下部ブレイクバーと、スクライブラインの直上に配置され、脆性材料基板が分断された際に分断端縁部分を弾力的に押圧して上方への跳ね上がりを阻止する弾性押さえ部材と、弾性押さえ部材の近傍に配置され、脆性材料基板が分断された際に発生するカレットを吸引する吸引口を備えたカレット吸引手段とからなる構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明の分断装置によれば、下部ブレイクバーを押し上げて上部ブレイクバーとの3点曲げモーメントによりスクライブラインから脆性材料基板を分断する際、弾性押さえ部材によってスクライブラインの上方部分が弾力的に押さえられているので、基板が分断されたときに分断端縁が曲げの反力により上方に弾かれて大きな衝撃を生じることがなくなり、分断端縁角部に欠けや破損が生じることを防止してきれいな分断面を得ることができる。また、基板分断時に、微細なカレットが発生してもカレット吸引手段によって分断と同時に吸引除去することができるので、カレット飛散による弊害を防止することができて歩留まりのよい良品を得ることができるといった効果がある。
【0009】
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
本発明において、カレット吸引手段の吸引口が、弾性押さえ部材と上部ブレイクバーとの間に形成されている構成とするのがよい。
これにより、上部ブレイクバーの左右間の限られた狭い間隔で、スクライブラインに近接した箇所に吸引口を設けることが可能となり、これにより、カレットを効果的に吸引除去することができる。
【0010】
また本発明において、左右の上部ブレイクバーの間隔が広い場合は、カレット吸引手段の吸引口を形成する覆い体を弾性押さえ部材に取り付け、覆い体の内部空間を吸引機構の吸引ポンプに連通した構成とするのがよい。
これにより、分断すべきスクライブラインの直上部分を覆い体で確実に覆うことができて、カレットの吸引除去を効果的に行うことができる。
【0011】
本発明において、弾性押さえ部材の先端を少し幅をもたせた平面に形成して、スクライブラインの上面近傍を面接触で接するようにするのがよい。
これにより、分断の際に分断端縁を余裕をもって弾接し、上方への跳ね上がりを確実になくすことができる。
【0012】
また、本発明において、前記弾性押さえ部材は金属などの硬質材料で形成してスプリングにより脆性材料基板に向かって付勢するように構成するのが好ましいが、スプリングを省略して弾性押さえ部材全体若しくは少なくともその一部を弾力性を有する材料で形成するようにしてもよい。
これにより、構成の簡略化とコストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる分断装置の一実施態様を示す斜視図。
【図2】図1に示した装置の側面図。
【図3】図1における上部ブレイクバー部分の一部の斜視図。
【図4】図3の長さ方向に沿った縦断面図。
【図5】加工対象のLTCC基板をテーブル上に載置した状態を示す、図1における分断機構部分の断面図。
【図6】基板の分断工程を示す拡大断面図。
【図7】図6の状態から下部ブレイクバーを突き上げて基板を分断した状態を示す拡大断面図。
【図8】本発明におけるカレット吸引手段の吸引口部分の別実施例を示す断面図。
【図9】本発明における弾性押さえ部材の別の実施例を示す断面図。
【図10】本発明における弾性押さえ部材のさらに別の実施例を示す断面図。
【図11】スクライブ工程の一例を示す斜視図。
【図12】従来の3点曲げモーメントにより基板を分断する状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明にかかる分断装置の詳細を、一実施形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、多数の電子部品(製品)が格子状に振り分けて一体成形されたLTCC基板(低温焼成セラミックス基板)を、スクライブラインに沿って単位要素の電子部品に分断する例を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0015】
本発明によって分断されるLTCC基板1は、弾性のある薄い粘着フイルム2に貼り付けられており、粘着フイルム2はリング状のダイシングフレーム3(図1参照)にその周囲へ引っ張られた状態で取り付けられている。粘着フイルム2に貼り付けられたLTCC基板1には複数の電子部品Pが一体成形されており、先行するスクライブ工程によって、電子部品Pを区分けする縦横の複数のスクライブラインSが形成されている。ダイシングフレーム3は後述する分断装置Aのテーブル10上に載置され、搬送機構11によりY方向に移動することができるようになっている。
【0016】
分断装置Aは、表面に多数の吸引孔10aを備えたテーブル10を備えており、吸引孔10aに吸引エアを生じさせることによりテーブル10上に載置したLTCC基板1を粘着フイルム2とともに吸着固定する。
【0017】
テーブル10を挟んで配置された左右の支持体12,12と、X方向に延びる水平な横枠13とで構成されるブリッジ14は、テーブル10を跨ぐように設けられている。横枠13には、ブレイク機構Bの一部を構成する上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6とを保持するホルダー部材7が駆動機構(図示外)を介して昇降可能に取り付けられている。
【0018】
また、分断装置Aの上部にはカメラ15,15が配置されている。このカメラ15,15は、台板16上に設けられたガイド17,18を介してX方向及びY方向に移動できるようになっている。カメラ15,15は、手動操作で上下動することができ、撮像の焦点を調整することができる。カメラで撮影された画像はモニタ(図示外)に表示される。LTCC基板1には位置合わせ用マーク(アライメントマーク)が形成してあり、カメラでLTCC基板1の表面を撮像することで、撮像された位置合わせ用マークを参照してブレイク位置の位置決めをすることができる。なお、位置合わせ用マークに代えて、スクライブライン自体を参照してブレイク位置の位置決めをすることもできる。
【0019】
次に、LTCC基板1を分断するブレイク機構Bの部分について図3〜図7に基づいて説明する。
ブレイク機構Bは、分断すべきLTCC基板1の上方に配置された左右一対の上部ブレイクバー4と、LTCC基板1の下方に配置された下部ブレイクバー5と、LTCC基板1の上方で上部ブレイクバー4の間の中心に配置された弾性押さえ部材6とから構成される。
上部ブレイクバー4、下部ブレイクバー5並びに弾性押さえ部材6は何れもX方向に延びる帯状の板材で形成され、先端部を細くしてある。また、その材質は金属で作られている。
【0020】
左右一対の上部ブレイクバー4は昇降可能なホルダー部材7に固着保持されており、その細くした先端部は、所定の間隔、好ましくは2.5mm〜6.0mmの間隔をあけて配置されている。また、弾性押さえ部材6は、その先端部6aが上部ブレイクバー4の先端より少し突き出た姿勢までスプリング8により付勢された状態でホルダー部材7に弾力的に保持されている。
【0021】
さらに、上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との間は、カレット吸引手段の吸引口20として形成されている。吸引口20は、上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との隙間21を抜けて上部空間22に通じる。隙間21並びに上部空間22は、図3並びに図4に示すように、上部ブレイクバー4の端部で蓋板23により密閉されており、この蓋板23に吸引ポンプ24に連なるダクト25が連通されている。従って、吸引ポンプ24を作動させることにより、吸引口20にカレットを吸引する吸引エアを発生させることができる。
【0022】
また、前記テーブル10に、基板載置面に向かって開口する開口部9が設けられ、この開口部9に前記下部ブレイクバー5が昇降可能に配置されている。下部ブレイクバー5は、その先端がテーブル10の表面から出ないように開口部9内に引き込まれており、LTCC基板1をブレイクするときだけ突き出るようになっている。ブレイク時以外は、下部ブレイクバー5がテーブル10の開口部9内に収められているので、テーブル10上にLTCC基板1を載置する際の邪魔にならず、かつ、LTCC基板1を載置する際にダイシングフレーム3などが当接してLTCC基板1や下部ブレイクバー5を傷つけてしまうことを未然に防止している。
なお、上記下部ブレイクバー5の昇降、並びに上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6を保持するホルダー部材7の昇降は、駆動機構(図示外)により行われる。
【0023】
LTCC基板1を分断するにあたって、図5に示すように、粘着フイルム2に貼り付けたLTCC基板1をテーブル10上に載置する。LTCC基板1には先行するスクライブライン形成工程でスクライブラインSが形成されており、このスクライブラインSが下部ブレイクバー5の直上となるように位置合わせをしてテーブル10により吸着保持する。さらに、上部ブレイクバー4,4の中心に配置された弾性押さえ部材6がスクライブラインSの直上となるように位置合わせを行う。位置合わせの操作は、先に説明した位置合わせ用のカメラ15を用いて行われる。
【0024】
次いで、図6に示すように、左右の上部ブレイクバー4の先端がLTCC基板1上に接触する位置までホルダー部材7を降下させる。この際、上部ブレイクバー4より突き出た弾性押さえ部材6の先端部6aは、上部ブレイクバー4より先にスクライブラインSの直上に接触するが、自身の弾性力によって後退して常時スクライブラインSの上面部分を弾力的に押しつけた状態となる。
【0025】
このあと、図7に示すように、下部ブレイクバー5を上昇させてこの下部ブレイクバー5と左右の上部ブレイクバー4,4との3点曲げモーメントによりLTCC基板1をスクライブラインSから分断する。
この分断の際、スクライブラインSの上面部分は弾性押さえ部材6によって弾力的に押さえられているので、LTCC基板1の分断端縁が上方に弾かれることがなく、分断端縁角部に欠けや破損が生じることを未然に防止することができる。
【0026】
また、分断の際に、微細なカレットが発生しても、上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との間に形成された吸引口20が、分断されるスクライブラインSの近傍に開口されているので、速やかに吸引除去されてカレットがLTCC基板1の表面に付着するようなことがない。
なお、上記実施例で示したカレット吸引手段の吸引口20が、弾性押さえ部材6と上部ブレイクバー4との間に形成されているので、上部ブレイクバー4,4間の限られた狭い間隔内で、スクライブラインに近接した箇所に吸引口20を設けることが可能となり、これによりカレットを効果的に吸引除去することができる。
【0027】
また、LTCC基板1は、分断時にテーブル10の吸引孔10aによって強く吸着固定されるので、下部ブレイクバー5がLTCC基板1を突き上げた際に基板1がずれることがなく、正確にスクライブラインに沿って分断することができる。
【0028】
なお、弾性押さえ部材6の先端を少し幅をもたせた平面6bとしてスクライブラインSの上面近傍を面接触で接するようにするのがよい。これにより、分断の際に分断端縁を、余裕をもって弾接し、上方への跳ね上がりを確実になくすことができる。なお、前記平面6bの幅は0.5mm程度が好ましい。
【0029】
スクライブラインSのブレイクが終わると、上部ブレイクバー4、弾性押さえ部材6並びに下部ブレイクバー5を後退させ、LTCC基板1を移動させて次に分断するスクライブラインの真下に下部ブレイクバー5がくるようにし、以下、同様の手順により、次々とブレイクを実行する。
【0030】
上記実施例で示したカレット吸引手段では、その吸引口20を上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との間に形成したが、図8に示すように上部ブレイクバー4,4の間隔が広い場合には、この間隔内で硬質材料製の弾性押さえ部材6に覆い体26を取り付けてカレット吸引手段の吸引口20を形成するようにしてもよい。この場合、覆い体26の内部空間27は長さ方向に沿った両端部でシール板(図示外)により密閉され、この何れか一方のシール板を貫通してダクトにより吸引ポンプ(図示外)に連通されており、吸引ポンプを作動させることにより吸引口20にカレット吸引用のエアを生じさせるように構成する。
この実施例では、分断すべきスクライブラインの直上部分を覆い体26で確実に覆うことができるので、カレットの吸引除去を効果的に行うことができる。
【0031】
上記実施例において、弾性押さえ部材6は金属などの硬質材で形成してスプリング8によりLTCC基板1に向かって付勢する構成としたが、図9に示すように、スプリング8を省略して弾性押さえ部材6全体を適度な弾力性のある硬質ゴムなどの材質で形成するようにしてもよい。また、図10に示すように、弾性押さえ部材6の下方部分6’のみを硬質ゴムなどの適度な弾力性のある材質で形成することも可能である。
【0032】
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではない。例えば、上記実施例では加工対象の基板として、LTCC基板を例にしたが、ガラス基板やシリコン基板であってもよい。またテーブル上に基板を固定する手段としてテーブル10に多数の吸引孔10aを設けたが、この吸引孔10aをなくして別の手段で基板を保持するようにしてもよい。
その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の分断方法は、ガラス基板、シリコン、セラミック、化合物半導体等の脆性材料からなる基板の分断に利用される。
【符号の説明】
【0034】
A 分断装置
B ブレイク機構
S スクライブライン
1 LTCC基板(脆性材料基板)
2 粘着フイルム
3 ダイシングフレーム
4 上部ブレイクバー
5 下部ブレイクバー
6 弾性押さえ部材
6a 弾性押さえ部材の先端部
6b 弾性押さえ部材の先端面
7 ホルダー部材
8 スプリング
9 開口部
10 テーブル
20 カレット吸引手段の吸引口
26 覆い体
27 覆い体の内部空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス、シリコン、セラミック、化合物半導体等の脆性材料からなる基板の分断方法に関する。特に本発明は、基板上に短冊状あるいは格子状に形成した複数条のスクライブラインに沿って基板を分断してチップ等の単位製品に分断する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、脆性材料基板に対して、ダイシングソー、カッターホイール、レーザビームを用いて、複数条のスクライブラインを形成し、その後に、外力を印加して基板を撓ませてスクライブラインに沿ってブレイクすることにより、チップ等の製品を取り出す方法が知られている(例えば特許文献1等)。
【0003】
図11はレーザビームを用いてテーブル30上の基板31にスクライブラインを形成する場合の一例を示す斜視図である。スクライブ予定ラインLに沿って走査機構32によりレーザ光学系33のビームスポットを走査し、続いて直後を追従するように冷却機構34のノズル34aから冷媒を噴射することにより、基板内の熱応力分布を利用してスクライブラインSを形成する。このスクライブ形成工程の後に、スクライブラインを形成した面とは反対側の面からスクライブラインに相対する部分をブレイクバーやローラ等で押圧することにより脆性材料基板を撓ませ、曲げモーメントによりスクライブラインに沿ってブレイクする。
【0004】
脆性材料基板に対し、スクライブラインに沿って曲げモーメントを加えてブレイクする際、曲げモーメントを効果的に生じさせるために、3点曲げ方式にて行うのが好ましい。
図12は板状のブレイクバーを用いた一般的な3点曲げ方式によるブレイク方式を示すものである。基板31の分断すべきスクライブラインSを跨いでその左右位置に一対の上部ブレイクバー35,35を配置し、スクライブラインSを設けた面とは反対側の面でスクライブラインSの直下に下部ブレイクバー36を配置し、上下ブレイクバーの何れか一方を基板31に押圧することによって、曲げモーメントを生じさせて分断している。
このブレイクバーによる3点曲げ方式で分断する方法は、例えば特許文献2でも開示されている。なお、ブレイクバーに代えて、ローラを用いた押圧による3点曲げ方式で分断する手段も特許文献1の図3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−175837号公報
【特許文献2】実開平05−45032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような3点曲げ方式でブレイクする手段においては、次のような問題点があった。図12に示すように、一対の上部ブレイクバー35,35を基板31の表面に接触させ、下部ブレイクバー36を突き上げて曲げモーメントを生じさせて分断した際、基板31の分断端縁部分が曲げによる弾性反力により上方に弾かれて、端縁の角の部分に欠けや破損が生じることがあり、歩留まりが悪くなるといった欠点があった。
また、上記の欠けによる破片や、分断時に生じる微細なカレット(破片屑)が基板31の表面に付着、残存して不良品の大きな要因となる。そのため、後処理でカレットを除去する工程が必要となって作業が煩雑となるといった問題点があった。
そこで本発明は、3点曲げ方式によって脆性材料基板を分断するものでありながら、分断の際に欠けや破損が生じにくくきれいな分断面を得ることができるとともに、微細なカレットが発生しても分断と同時に除去することのできる分断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明の分断装置は、表面にスクライブラインが形成された脆性材料基板を載置するテーブルと、スクライブラインの上方でその左右近傍に跨がるように配置され、脆性材料基板の表面を押さえる左右一対の上部ブレイクバーと、スクライブラインの直下に配置され、脆性材料基板をスクライブラインの直下から突き上げて脆性材料基板を分断するための下部ブレイクバーと、スクライブラインの直上に配置され、脆性材料基板が分断された際に分断端縁部分を弾力的に押圧して上方への跳ね上がりを阻止する弾性押さえ部材と、弾性押さえ部材の近傍に配置され、脆性材料基板が分断された際に発生するカレットを吸引する吸引口を備えたカレット吸引手段とからなる構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明の分断装置によれば、下部ブレイクバーを押し上げて上部ブレイクバーとの3点曲げモーメントによりスクライブラインから脆性材料基板を分断する際、弾性押さえ部材によってスクライブラインの上方部分が弾力的に押さえられているので、基板が分断されたときに分断端縁が曲げの反力により上方に弾かれて大きな衝撃を生じることがなくなり、分断端縁角部に欠けや破損が生じることを防止してきれいな分断面を得ることができる。また、基板分断時に、微細なカレットが発生してもカレット吸引手段によって分断と同時に吸引除去することができるので、カレット飛散による弊害を防止することができて歩留まりのよい良品を得ることができるといった効果がある。
【0009】
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
本発明において、カレット吸引手段の吸引口が、弾性押さえ部材と上部ブレイクバーとの間に形成されている構成とするのがよい。
これにより、上部ブレイクバーの左右間の限られた狭い間隔で、スクライブラインに近接した箇所に吸引口を設けることが可能となり、これにより、カレットを効果的に吸引除去することができる。
【0010】
また本発明において、左右の上部ブレイクバーの間隔が広い場合は、カレット吸引手段の吸引口を形成する覆い体を弾性押さえ部材に取り付け、覆い体の内部空間を吸引機構の吸引ポンプに連通した構成とするのがよい。
これにより、分断すべきスクライブラインの直上部分を覆い体で確実に覆うことができて、カレットの吸引除去を効果的に行うことができる。
【0011】
本発明において、弾性押さえ部材の先端を少し幅をもたせた平面に形成して、スクライブラインの上面近傍を面接触で接するようにするのがよい。
これにより、分断の際に分断端縁を余裕をもって弾接し、上方への跳ね上がりを確実になくすことができる。
【0012】
また、本発明において、前記弾性押さえ部材は金属などの硬質材料で形成してスプリングにより脆性材料基板に向かって付勢するように構成するのが好ましいが、スプリングを省略して弾性押さえ部材全体若しくは少なくともその一部を弾力性を有する材料で形成するようにしてもよい。
これにより、構成の簡略化とコストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる分断装置の一実施態様を示す斜視図。
【図2】図1に示した装置の側面図。
【図3】図1における上部ブレイクバー部分の一部の斜視図。
【図4】図3の長さ方向に沿った縦断面図。
【図5】加工対象のLTCC基板をテーブル上に載置した状態を示す、図1における分断機構部分の断面図。
【図6】基板の分断工程を示す拡大断面図。
【図7】図6の状態から下部ブレイクバーを突き上げて基板を分断した状態を示す拡大断面図。
【図8】本発明におけるカレット吸引手段の吸引口部分の別実施例を示す断面図。
【図9】本発明における弾性押さえ部材の別の実施例を示す断面図。
【図10】本発明における弾性押さえ部材のさらに別の実施例を示す断面図。
【図11】スクライブ工程の一例を示す斜視図。
【図12】従来の3点曲げモーメントにより基板を分断する状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明にかかる分断装置の詳細を、一実施形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、多数の電子部品(製品)が格子状に振り分けて一体成形されたLTCC基板(低温焼成セラミックス基板)を、スクライブラインに沿って単位要素の電子部品に分断する例を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0015】
本発明によって分断されるLTCC基板1は、弾性のある薄い粘着フイルム2に貼り付けられており、粘着フイルム2はリング状のダイシングフレーム3(図1参照)にその周囲へ引っ張られた状態で取り付けられている。粘着フイルム2に貼り付けられたLTCC基板1には複数の電子部品Pが一体成形されており、先行するスクライブ工程によって、電子部品Pを区分けする縦横の複数のスクライブラインSが形成されている。ダイシングフレーム3は後述する分断装置Aのテーブル10上に載置され、搬送機構11によりY方向に移動することができるようになっている。
【0016】
分断装置Aは、表面に多数の吸引孔10aを備えたテーブル10を備えており、吸引孔10aに吸引エアを生じさせることによりテーブル10上に載置したLTCC基板1を粘着フイルム2とともに吸着固定する。
【0017】
テーブル10を挟んで配置された左右の支持体12,12と、X方向に延びる水平な横枠13とで構成されるブリッジ14は、テーブル10を跨ぐように設けられている。横枠13には、ブレイク機構Bの一部を構成する上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6とを保持するホルダー部材7が駆動機構(図示外)を介して昇降可能に取り付けられている。
【0018】
また、分断装置Aの上部にはカメラ15,15が配置されている。このカメラ15,15は、台板16上に設けられたガイド17,18を介してX方向及びY方向に移動できるようになっている。カメラ15,15は、手動操作で上下動することができ、撮像の焦点を調整することができる。カメラで撮影された画像はモニタ(図示外)に表示される。LTCC基板1には位置合わせ用マーク(アライメントマーク)が形成してあり、カメラでLTCC基板1の表面を撮像することで、撮像された位置合わせ用マークを参照してブレイク位置の位置決めをすることができる。なお、位置合わせ用マークに代えて、スクライブライン自体を参照してブレイク位置の位置決めをすることもできる。
【0019】
次に、LTCC基板1を分断するブレイク機構Bの部分について図3〜図7に基づいて説明する。
ブレイク機構Bは、分断すべきLTCC基板1の上方に配置された左右一対の上部ブレイクバー4と、LTCC基板1の下方に配置された下部ブレイクバー5と、LTCC基板1の上方で上部ブレイクバー4の間の中心に配置された弾性押さえ部材6とから構成される。
上部ブレイクバー4、下部ブレイクバー5並びに弾性押さえ部材6は何れもX方向に延びる帯状の板材で形成され、先端部を細くしてある。また、その材質は金属で作られている。
【0020】
左右一対の上部ブレイクバー4は昇降可能なホルダー部材7に固着保持されており、その細くした先端部は、所定の間隔、好ましくは2.5mm〜6.0mmの間隔をあけて配置されている。また、弾性押さえ部材6は、その先端部6aが上部ブレイクバー4の先端より少し突き出た姿勢までスプリング8により付勢された状態でホルダー部材7に弾力的に保持されている。
【0021】
さらに、上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との間は、カレット吸引手段の吸引口20として形成されている。吸引口20は、上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との隙間21を抜けて上部空間22に通じる。隙間21並びに上部空間22は、図3並びに図4に示すように、上部ブレイクバー4の端部で蓋板23により密閉されており、この蓋板23に吸引ポンプ24に連なるダクト25が連通されている。従って、吸引ポンプ24を作動させることにより、吸引口20にカレットを吸引する吸引エアを発生させることができる。
【0022】
また、前記テーブル10に、基板載置面に向かって開口する開口部9が設けられ、この開口部9に前記下部ブレイクバー5が昇降可能に配置されている。下部ブレイクバー5は、その先端がテーブル10の表面から出ないように開口部9内に引き込まれており、LTCC基板1をブレイクするときだけ突き出るようになっている。ブレイク時以外は、下部ブレイクバー5がテーブル10の開口部9内に収められているので、テーブル10上にLTCC基板1を載置する際の邪魔にならず、かつ、LTCC基板1を載置する際にダイシングフレーム3などが当接してLTCC基板1や下部ブレイクバー5を傷つけてしまうことを未然に防止している。
なお、上記下部ブレイクバー5の昇降、並びに上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6を保持するホルダー部材7の昇降は、駆動機構(図示外)により行われる。
【0023】
LTCC基板1を分断するにあたって、図5に示すように、粘着フイルム2に貼り付けたLTCC基板1をテーブル10上に載置する。LTCC基板1には先行するスクライブライン形成工程でスクライブラインSが形成されており、このスクライブラインSが下部ブレイクバー5の直上となるように位置合わせをしてテーブル10により吸着保持する。さらに、上部ブレイクバー4,4の中心に配置された弾性押さえ部材6がスクライブラインSの直上となるように位置合わせを行う。位置合わせの操作は、先に説明した位置合わせ用のカメラ15を用いて行われる。
【0024】
次いで、図6に示すように、左右の上部ブレイクバー4の先端がLTCC基板1上に接触する位置までホルダー部材7を降下させる。この際、上部ブレイクバー4より突き出た弾性押さえ部材6の先端部6aは、上部ブレイクバー4より先にスクライブラインSの直上に接触するが、自身の弾性力によって後退して常時スクライブラインSの上面部分を弾力的に押しつけた状態となる。
【0025】
このあと、図7に示すように、下部ブレイクバー5を上昇させてこの下部ブレイクバー5と左右の上部ブレイクバー4,4との3点曲げモーメントによりLTCC基板1をスクライブラインSから分断する。
この分断の際、スクライブラインSの上面部分は弾性押さえ部材6によって弾力的に押さえられているので、LTCC基板1の分断端縁が上方に弾かれることがなく、分断端縁角部に欠けや破損が生じることを未然に防止することができる。
【0026】
また、分断の際に、微細なカレットが発生しても、上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との間に形成された吸引口20が、分断されるスクライブラインSの近傍に開口されているので、速やかに吸引除去されてカレットがLTCC基板1の表面に付着するようなことがない。
なお、上記実施例で示したカレット吸引手段の吸引口20が、弾性押さえ部材6と上部ブレイクバー4との間に形成されているので、上部ブレイクバー4,4間の限られた狭い間隔内で、スクライブラインに近接した箇所に吸引口20を設けることが可能となり、これによりカレットを効果的に吸引除去することができる。
【0027】
また、LTCC基板1は、分断時にテーブル10の吸引孔10aによって強く吸着固定されるので、下部ブレイクバー5がLTCC基板1を突き上げた際に基板1がずれることがなく、正確にスクライブラインに沿って分断することができる。
【0028】
なお、弾性押さえ部材6の先端を少し幅をもたせた平面6bとしてスクライブラインSの上面近傍を面接触で接するようにするのがよい。これにより、分断の際に分断端縁を、余裕をもって弾接し、上方への跳ね上がりを確実になくすことができる。なお、前記平面6bの幅は0.5mm程度が好ましい。
【0029】
スクライブラインSのブレイクが終わると、上部ブレイクバー4、弾性押さえ部材6並びに下部ブレイクバー5を後退させ、LTCC基板1を移動させて次に分断するスクライブラインの真下に下部ブレイクバー5がくるようにし、以下、同様の手順により、次々とブレイクを実行する。
【0030】
上記実施例で示したカレット吸引手段では、その吸引口20を上部ブレイクバー4と弾性押さえ部材6との間に形成したが、図8に示すように上部ブレイクバー4,4の間隔が広い場合には、この間隔内で硬質材料製の弾性押さえ部材6に覆い体26を取り付けてカレット吸引手段の吸引口20を形成するようにしてもよい。この場合、覆い体26の内部空間27は長さ方向に沿った両端部でシール板(図示外)により密閉され、この何れか一方のシール板を貫通してダクトにより吸引ポンプ(図示外)に連通されており、吸引ポンプを作動させることにより吸引口20にカレット吸引用のエアを生じさせるように構成する。
この実施例では、分断すべきスクライブラインの直上部分を覆い体26で確実に覆うことができるので、カレットの吸引除去を効果的に行うことができる。
【0031】
上記実施例において、弾性押さえ部材6は金属などの硬質材で形成してスプリング8によりLTCC基板1に向かって付勢する構成としたが、図9に示すように、スプリング8を省略して弾性押さえ部材6全体を適度な弾力性のある硬質ゴムなどの材質で形成するようにしてもよい。また、図10に示すように、弾性押さえ部材6の下方部分6’のみを硬質ゴムなどの適度な弾力性のある材質で形成することも可能である。
【0032】
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではない。例えば、上記実施例では加工対象の基板として、LTCC基板を例にしたが、ガラス基板やシリコン基板であってもよい。またテーブル上に基板を固定する手段としてテーブル10に多数の吸引孔10aを設けたが、この吸引孔10aをなくして別の手段で基板を保持するようにしてもよい。
その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の分断方法は、ガラス基板、シリコン、セラミック、化合物半導体等の脆性材料からなる基板の分断に利用される。
【符号の説明】
【0034】
A 分断装置
B ブレイク機構
S スクライブライン
1 LTCC基板(脆性材料基板)
2 粘着フイルム
3 ダイシングフレーム
4 上部ブレイクバー
5 下部ブレイクバー
6 弾性押さえ部材
6a 弾性押さえ部材の先端部
6b 弾性押さえ部材の先端面
7 ホルダー部材
8 スプリング
9 開口部
10 テーブル
20 カレット吸引手段の吸引口
26 覆い体
27 覆い体の内部空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にスクライブラインが形成された脆性材料基板を載置するテーブルと、
スクライブラインの上方でその左右近傍に跨がるように配置され、脆性材料基板の表面を押さえる左右一対の上部ブレイクバーと、
スクライブラインの直下に配置され、脆性材料基板をスクライブラインの直下から突き上げて脆性材料基板を分断するための下部ブレイクバーと、
スクライブラインの直上に配置され、脆性材料基板が分断された際に分断端縁部分を弾力的に押圧して上方への跳ね上がりを阻止する弾性押さえ部材と、
弾性押さえ部材の近傍に配置され、脆性材料基板が分断された際に発生するカレットを吸引する吸引口を備えたカレット吸引手段とからなる分断装置。
【請求項2】
カレット吸引手段の吸引口が弾性押さえ部材と上部ブレイクバーとの間に形成されている請求項1に記載の分断装置。
【請求項3】
カレット吸引手段の吸引口を形成する覆い体が弾性押さえ部材に取り付けられ、覆い体の内部空間が吸引手段の吸引ポンプに連通されている請求項1に記載の分断装置。
【請求項4】
弾性押さえ部材の先端を幅をもたせた平面に形成して、スクライブラインの上面近傍を面接触で接するようにした請求項1〜3に記載の分断装置。
【請求項5】
前記弾性押さえ部材は硬質材で形成され、スプリングにより脆性材料基板に向かって付勢されている構成とした請求項1〜4に記載の分断装置。
【請求項6】
前記弾性押さえ部材は、少なくともその一部が弾力性を有する材料で形成されている請求項1〜4に記載の分断装置。
【請求項1】
表面にスクライブラインが形成された脆性材料基板を載置するテーブルと、
スクライブラインの上方でその左右近傍に跨がるように配置され、脆性材料基板の表面を押さえる左右一対の上部ブレイクバーと、
スクライブラインの直下に配置され、脆性材料基板をスクライブラインの直下から突き上げて脆性材料基板を分断するための下部ブレイクバーと、
スクライブラインの直上に配置され、脆性材料基板が分断された際に分断端縁部分を弾力的に押圧して上方への跳ね上がりを阻止する弾性押さえ部材と、
弾性押さえ部材の近傍に配置され、脆性材料基板が分断された際に発生するカレットを吸引する吸引口を備えたカレット吸引手段とからなる分断装置。
【請求項2】
カレット吸引手段の吸引口が弾性押さえ部材と上部ブレイクバーとの間に形成されている請求項1に記載の分断装置。
【請求項3】
カレット吸引手段の吸引口を形成する覆い体が弾性押さえ部材に取り付けられ、覆い体の内部空間が吸引手段の吸引ポンプに連通されている請求項1に記載の分断装置。
【請求項4】
弾性押さえ部材の先端を幅をもたせた平面に形成して、スクライブラインの上面近傍を面接触で接するようにした請求項1〜3に記載の分断装置。
【請求項5】
前記弾性押さえ部材は硬質材で形成され、スプリングにより脆性材料基板に向かって付勢されている構成とした請求項1〜4に記載の分断装置。
【請求項6】
前記弾性押さえ部材は、少なくともその一部が弾力性を有する材料で形成されている請求項1〜4に記載の分断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−11756(P2012−11756A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153351(P2010−153351)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(390000608)三星ダイヤモンド工業株式会社 (383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(390000608)三星ダイヤモンド工業株式会社 (383)
【Fターム(参考)】
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