説明

制御装置、及び制御方法

【課題】位置フィードバック機構を用いたモータの制御において、整定時間を短縮することができる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、外部より一定間隔ごとに入力される位置指令値から位置指令値の変化量を算出し、算出した変化量に基づいて、モータにおいて生じる位置指令値に対する動作の遅れを補正する補正値を算出する位置指令補正部と、補正値により位置指令値を補正した補正位置指令値に応じた電力をモータに供給する駆動部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
位置フィードバック機構を有するサーボモータ(以下、モータという)の制御では、外部より入力される位置指令値と、モータの現在位置とに生じる位置偏差に基づいて、モータの駆動量を算出し、算出した駆動量を用いてモータを駆動させている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−325305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、位置フィードバック機構を用いてモータを駆動すると、モータの現在位置は、常に、位置指令値に対して遅れが生じるため、位置指令値の変化に対してモータの駆動が遅れて、整定時間が長くなってしまう問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、位置フィードバック機構を用いたモータの制御において、整定時間を短縮することができる制御装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、モータを駆動する制御装置であって、外部より一定間隔ごとに入力される位置指令値から位置指令値の変化量を算出し、算出した変化量に基づいて、前記モータにおいて生じる前記位置指令値に対する動作の遅れを補正する補正値を算出する位置指令補正部と、前記補正値により前記位置指令値を補正した補正位置指令値に応じた電力を前記モータに供給する駆動部とを具備することを特徴とする制御装置である。
【0007】
また、本発明は、モータを駆動する制御装置における制御方法であって、外部より一定間隔ごとに入力される位置指令値から位置指令値の変化量を算出し、算出した変化量に基づいて、前記モータにおいて生じる前記位置指令値に対する動作の遅れを補正する補正値を算出する位置指令補正ステップと、前記補正値により前記位置指令値を補正した位置補正指令値に応じた電力を前記モータに供給する駆動ステップとを有することを特徴とする制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、位置指令値の変化量に基づいて、モータにおいて生じる位置指令値に対する動作の遅れを補正する補正値を算出し、算出した補正値により位置指令値を補正した補正位置指令値に応じてモータを駆動することにより、位置指令値に対するモータの現在位置の遅れを低減させることができ、モータの現在位置を位置指令値に追従させることができる。これにより、モータを駆動する際の整定時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態におけるリニアモータ装置1を示す概略図である。
【図2】同実施形態におけるMRセンサ27の原理を示す斜視図である。
【図3】同施形態におけるリニアモータ20の斜視図(テーブル53の断面を含む)である。
【図4】同実施形態におけるリニアモータ20の正面図である。
【図5】同実施形態における可動子25の移動方向に沿った断面図を示す図である。
【図6】同実施形態におけるMRセンサ27及びコイル28u、28v、28wと、駆動用磁石24との相対的な位置との相対的な位置を示す模式図である。
【図7】同実施形態における制御装置10の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】同実施形態におけるリニアモータ装置1の動作例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるモータの制御装置、及び制御方法を説明する。本実施形態では、リニアモータを制御対象にした場合について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるリニアモータ装置1を示す概略図である。同図に示すように、リニアモータ装置1は、制御装置10と、リニアモータ20とを具備している。制御装置10は、リニアモータ20を駆動させる制御をする装置である。リニアモータ20は、長尺の固定子21と、固定子21上を移動する可動子25と、固定子21及び可動子25を組み付ける一対の案内装置22、22を備えている。
【0012】
案内装置22は、例えば、ボールを介して組みつけられた軌道レール23及びスライドブロック26から構成されている。案内装置22の軌道レール23は、固定子21が有するベース54に固定され、案内装置22のスライドブロック26は、可動子25に固定されている。これにより、可動子25は、固定子21上を軌道レール23に沿って自在に案内されるようになっている。
【0013】
また、固定子21は、一対の軌道レール23、23の間に並べられた複数の駆動用磁石24を備えている。複数の駆動用磁石24は、可動子25が移動する方向(以下、移動方向という)において、N極及びS極の磁極が交互になるように並べられている。また、各駆動用磁石24は、移動方向において、同じ長さを有しており、可動子25の位置に関わらず一定の推力が得られるようになっている。
【0014】
可動子25は、複数のコイルを有する電機子60と、移動対象を取り付けるテーブル53と、MR(Magnetoresitive Elements;磁気抵抗素子)センサ27とを備えている。
MRセンサ27は、磁気センサの一種であり、固定子21に配列されている駆動用磁石24が生じさせる磁界の磁束線の方向に応じた信号を制御装置10に出力する。
【0015】
図2は、本実施形態におけるMRセンサ27の原理を示す斜視図である。同図に示すように、シリコン(Si)又はガラス基板271と、その上に形成されたニッケル(Ni)、鉄(Fe)などの強磁性金属を主成分とする合金の強磁性薄膜金属で形成される磁気抵抗素子272とを有する。磁気抵抗素子272は、電流の流れる方向(Y軸方向)に対して、磁気抵抗素子272を通過する磁束の方向がなす角度に応じて、抵抗値が変化する。
【0016】
MRセンサ27は、複数の磁気抵抗素子272を組み合わせて構成された2つのフルブリッジ回路を有し、当該2つのフルブリッジ回路が90°の位相差を有する2つの信号(余弦波信号、正弦波信号)を出力するように配置されている。このように、特定の磁界方向で抵抗値が変化する素子を、AMR(Anisotropic Magneto-Resistance;異方性磁気抵抗素子)センサという(参考文献:「垂直タイプMRセンサ技術資料」、[online]、2005年10月1日、浜松光電株式会社、「2010年9月30日検索」、インターネット<URL;http://www.hkd.co.jp/technique/img/amr-note1.pdf>)。
【0017】
図1に戻って、制御装置10は、MRセンサ27が出力する信号に基づいて、固定子21上における可動子25の位置及び移動する速度を算出する。また、制御装置10は、算出した可動子25の位置及び速度と、上位の制御装置より一定間隔ごとに入力される位置指令値とに応じて、電機子60が有している複数のコイル28u、28v、28wに電流を流す。
これにより、複数のコイルに生じる磁界と、固定子21に配置されている駆動用磁石24により生じる磁界との作用により、可動子25を軌道レール23に沿って駆動させる。このとき、上位の制御装置は、リニアモータ20の可動子25の移動先である目標位置までの距離に対応する動作パターンに応じて、位置指令値を変化させる。
【0018】
図3、図4を用いて、本実施形態におけるリニアモータ20の構成を説明する。
図3は、本実施形態におけるリニアモータ20の斜視図(テーブル53の断面を含む)である。図4は、本実施形態におけるリニアモータ20の正面図である。
【0019】
リニアモータ20は、上述のように、固定子21が、N極又はS極が着磁されている面を可動子25に向けて配列されている複数の板状の駆動用磁石24を備え、可動子25が、固定子21に対して相対的に直線運動をするフラットタイプのリニアモータである。可動子25に備えられている電機子60は、駆動用磁石24とすきまgを介して対向している。
【0020】
固定子21が有する細長く伸びているベース54上には、上述の複数の駆動用磁石24が、移動方向に一列に配列されている。ベース54は、底壁部54aと、底壁部54aの幅方向の両側に設けられている一対の側壁部54bとから構成されている。底壁部54aには、上述の複数の駆動用磁石24が取り付けられている。
【0021】
各駆動用磁石24には、移動方向と直交する方向(図4において上下方向)の両端面にN極及びS極が形成されている。複数の駆動用磁石24は、それぞれが隣接する一対の駆動用磁石24に対して磁極を反転させた状態で並べられている。
これにより、可動子25に取り付けられているMRセンサ27に対し、可動子25が移動した際に、駆動用磁石24のN極とS極との磁極が交互に対向するようになっている。
【0022】
ベース54の側壁部54bの上面には、案内装置22の軌道レール23が取り付けられている。軌道レール23には、上述したように、スライドブロック26がスライド可能に組み付けられている。軌道レール23と、スライドブロック26との間には、転がり運動可能に複数のボールが介在されている(図示せず)。
【0023】
スライドブロック26には、複数のボールを循環させるためのトラック状のボール循環経路が設けられている。軌道レール23に対して、スライドブロック26がスライドすると、複数のボールがこれらの間を転がり運動し、また複数のボールがボール循環経路を循環する。これにより、スライドブロック26の円滑な直線運動が可能になる。
【0024】
案内装置22のスライドブロック26の上面には、可動子25のテーブル53が取り付けられている。テーブル53は、例えば、アルミニウムなどの非磁性素材からなり、移動対象が取り付けられる。テーブル53の下面には、電機子60が吊り下げられている。図4の正面図に示されるように、駆動用磁石24と電機子60との間には、すきまgが設けられている。案内装置22は、電機子60が駆動用磁石24に対して相対的に移動するときも、このすきまgを一定に維持する。
【0025】
図5は、本実施形態における可動子25の移動方向に沿った断面図を示す図である。
テーブル53の下面には、断熱材63を介して電機子60が取り付けられている。電機子60は、珪素鋼などの磁性素材からなるコア64と、上述した複数のコイルであり、コア64の突極64u、64v、64wに巻かれるコイル28u、28v、28wとを有している。
【0026】
コイル28u、28v、28wそれぞれには、位相差を有する三相交流が制御装置10から供給される。突極64u、64v、64wに3つのコイル28u、28v、28wを巻いた後、3つのコイル28u、28v、28wは、樹脂封止される。
また、テーブル53の下面には、電機子60を挟んで一対の補助コア67が取り付けられている。補助コア67は、リニアモータ20に発生するコギングを低減するために設けられている。
【0027】
図6は、本実施形態におけるMRセンサ27及びコイル28u、28v、28wと、駆動用磁石24との相対的な位置との相対的な位置を示す模式図である。
固定子21には、上述したように、ベース54の底壁部54a上に、駆動用磁石24が等間隔に、かつ一列に配列されている。より詳細には、MRセンサ27に対しN極を向けて配置されている駆動用磁石24Nと、MRセンサ27に対しS極を向けて配置されている駆動用磁石24Sとが、交互に配列されている。
【0028】
可動子25において、コイル28u、28v、28wは、固定子21に配置された駆動用磁石24の中心を通過し、移動方向に対し平行な直線上を通過する位置に配列されている。また、MRセンサ27は、コイル28u、28v、28wと同様に、各駆動用磁石24の中心を通過し、可動子25の移動方向に対し平行な直線上を通過する位置に取り付けられている。これにより、MRセンサ27を駆動用磁石24が生じさせる磁界の最も強い位置を通過させることができる。
【0029】
図7は、本実施形態における制御装置10の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、制御装置10は、位置指令補正部12、速度検出部14、位置検出部16、駆動部18を備えている。
【0030】
位置指令補正部12は、微分器121と、補正係数乗算器122と、加算器123とを有している。微分器121は、一定間隔ごとに入力される位置指令値から、位置指令値の変化量を算出する。補正係数乗算器122は、微分器121が算出する位置指令値の変化量に対して、駆動部18において位置制御に用いられている位置ゲインKpの逆数を乗じて補正値(=変化量×(1/Kp))を算出する。この補正値は、リニアモータ20を駆動する際に生じる位置指令値に対する動作の遅れを補正するために用いられる。
加算器123は、補正係数乗算器122が算出する補正値と、位置指令値とを加算し、加算結果を補正位置指令値にして駆動部18に出力する。このように、位置指令補正部12は、単位時間ごとに、外部から入力される位置指令値の変化量に応じた補正値を算出し、算出した補正値と位置指令値を加算した補正位置指令値を出力する。
【0031】
速度検出部14は、MRセンサ27が可動子25の移動に応じて出力する2つの信号(正弦波信号、及び余弦波信号)から可動子25の移動速度を検出する。位置検出部16は、MRセンサ27が出力する2つの信号(正弦波信号、及び余弦波信号)から可動子25の位置を検出する。ここで、位置検出部16が検出する可動子25の位置は、予め定められた位置を原点にし、原点に対する相対位置により表される。例えば、可動子25の可動区間の一端を原点にしてもよい。
【0032】
駆動部18は、位置偏差算出器181、位置制御器182、速度偏差算出器183、速度制御器185、電流偏差算出器186、電流制御器187、電力変換器188、変流器189を有している。
位置偏差算出器181は、位置指令補正部12が算出した補正位置指令値から、位置検出部16が検出した位置(現在位置)を示す値を減算して位置偏差を算出する。
位置制御器182は、位置偏差算出器181が算出する位置偏差に予め定められた位置ゲインKpを乗じて速度指令値を算出する。
【0033】
速度偏差算出器183は、位置制御器182が算出する速度指令値から、速度検出部14が検出する移動速度を減算して速度偏差を算出する。
速度制御器185は、速度偏差算出器183が算出する速度偏差からリニアモータ20に流す電流値を示す電流指令値を算出する。例えば、速度制御器185は、PI制御や、PID制御などの公知の技術を用いて、速度偏差から電流指令値を算出する。
【0034】
電流偏差算出器186は、速度制御器185が算出する電流指令値から、変流器189が検出するリニアモータ20に流れる電流値を減算して電流偏差を算出する。
電流制御器187は、リニアモータ20に流れる電流の電流値が電流指令値と同じになるように、電流偏差算出器186が算出する電流偏差に応じた電圧値を算出し、算出した電圧値を電圧指令値にして出力する。
【0035】
電力変換器188は、電流制御器187が出力する電圧指令値に基づいて、外部より供給される電圧に対してパルス幅変調をして、電圧指令値が示す電圧をリニアモータ20に印加する公知の構成を有している。
変流器189は、リニアモータ20に流れる電流の電流値を検出する。
【0036】
本実施形態の制御装置10は、位置指令補正部12が位置指令値を補正した補正位置指令値を算出し、当該補正位置指令値に基づいてモータを制御することにより、位置指令値に対してモータの駆動が遅れることを防いでいる。この補正位置指令値は、モータを制御する際に速度指令値の算出する次式(1)及び(2)に基づいて算出する。
【0037】
(速度指令値)=(位置偏差)×(位置ゲイン) … (1)
(速度指令値)=(位置指令値の偏差) … (2)
ただし、(位置偏差)=(位置指令値)−(現在位置)、(位置指令値の偏差)=(位置指令値の変化量)である。
【0038】
ここで、式(1)及び(2)から式(3)が導かれる。
【0039】
(位置偏差)=(位置指令値の偏差)/(位置ゲイン) … (3)
【0040】
すなわち、位置指令値の偏差(位置指令値の変化量)に、位置ゲインの逆数を乗じることにより、位置指令値を用いてモータを駆動する際において生じる遅れである位置偏差を算出することができる。
【0041】
本実施形態の制御装置10は、位置指令補正部12が、式(3)に示されるように、位置指令値の変化量である速度指令値を算出し、算出した速度指令値に位置ゲインKpの逆数を乗じて、モータを駆動する際において生じる遅れ(位置偏差)を算出する。また、位置指令補正部12は、算出した位置偏差を補正値にし、補正値と位置指令値とを加算して補正位置指令値を算出する。すなわち、制御装置10は、位置指令値に対してモータを駆動する際において生じる遅れを推定し、推定した遅れが生じないように補正した補正位置指令値を算出する。
そして、駆動部18は、位置指令値に対する遅れが補正された補正位置指令値に基づいて、リニアモータ20を駆動することにより、可動子25の位置を位置指令値に対して遅れが生じないように移動させて位置指令値に追従させることができ、整定時間を短縮することができる。
【0042】
ここで、位置指令値を補正しない場合と、補正した場合との動作を比較して、位置指令値を補正することの効果を説明する。
図8は、本実施形態におけるリニアモータ装置1の動作例を示す概略図である。図8(a)は、位置指令補正部12により位置指令値を補正しない場合を比較例として示したものであり、位置指令値と、リニアモータ20の可動子25の位置とを示している。図8(b)は、本実施形態における補正位置指令値を用いたリニアモータ20の可動子25の位置と、位置指令値と、補正位置指令値とを示している。図8(a)、(b)において、横軸は時間を示し、縦軸は可動子25の位置を示している。
【0043】
図8(a)において、可動子25の位置(現在位置、G2)は、位置指令値(G1)に対して遅れが生じ、時刻t1において位置指令値が目標位置に達した後に、時刻t2において位置指令値に対して遅れて目標位置に達している。
【0044】
これに対して、図8(b)では、位置指令値(G4)を補正した補正位置指令値(G3)に基づいてリニアモータ20を駆動しているので、可動子25の位置(現在位置、G5)は、位置指令値に追従するようになり、時刻t1において位置指令値と同時に目標位置に達している。すなわち、位置指令値に対する可動子25の移動の遅れを低減して、位置指令値に対する追従性を高くすることができている。この結果、位置指令値を補正しない場合(図8(a))に比べ、整定時間を時刻t2から時刻t1に短縮することができている。
【0045】
なお、本実施形態では、サーボモータにフラットタイプのリニアモータ20を用いた構成を示した、これに限ることなく、ロッドタイプのリニアモータをサーボモータに用いてもよいし、回転運動をするモータをサーボモータに用いてもよい。
【0046】
上述の制御装置10は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。その場合、上述した位置指令補正部12、速度検出部14、位置検出部16、駆動部18の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われることになる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【符号の説明】
【0047】
1…リニアモータ装置、10…制御装置、12…位置指令補正部、14…速度検出部、16…位置検出部、18…駆動部、20…リニアモータ、25…可動子、27…MRセンサ、121…微分器、122…補正係数乗算器、123…加算器、181…位置偏差算出器、182…位置制御器、183…速度偏差算出器、185…速度制御器、186…電流偏差算出器、187…電流制御器、188…電力変換器、189…変流器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを駆動する制御装置であって、
外部より一定間隔ごとに入力される位置指令値から位置指令値の変化量を算出し、算出した変化量に基づいて、前記モータにおいて生じる前記位置指令値に対する動作の遅れを補正する補正値を算出する位置指令補正部と、
前記補正値により前記位置指令値を補正した補正位置指令値に応じた電力を前記モータに供給する駆動部と
を具備することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記モータが有する可動子の位置を示す値と前記補正位置指令値との差分である位置偏差に対して位置ゲインを乗じて速度指令値を算出し、算出した速度指令に基づいて前記モータに電力を供給し、
前記位置指令補正部は、
前記位置指令値の変化量に前記位置ゲインの逆数を乗じて前記補正値を算出し、算出した補正値と、前記位置指令値とを加算して前記補正位置指令値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記位置指令補正部は、
前記位置指令値から前記位置指令値の変化量を算出する微分器と、
前記微分器が算出した変化量に前記位置ゲインの逆数を乗じて前記補正値を算出する補正係数乗算器と
前記補正係数乗算器が算出した前記補正値と、前記位置指令値とを加算して前記補正位置指令値を算出する加算器と
を備え、
前記駆動部は、
前記加算器が算出した前記補正位置指令値から前記可動子の位置を示す値を減算して前記位置偏差を算出する位置偏差算出器と、
前記位置偏差算出器が算出した前記位置偏差に前記位置ゲインを乗じて前記速度指令値を算出する位置制御器と、
前記位置制御器が算出した前記速度指令値に基づいて前記モータを制御する速度制御器と
を備えていることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
モータを駆動する制御装置における制御方法であって、
外部より一定間隔ごとに入力される位置指令値から位置指令値の変化量を算出し、算出した変化量に基づいて、前記モータにおいて生じる前記位置指令値に対する動作の遅れを補正する補正値を算出する位置指令補正ステップと、
前記補正値により前記位置指令値を補正した位置補正指令値に応じた電力を前記モータに供給する駆動ステップと
を有することを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−89093(P2012−89093A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237819(P2010−237819)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】