説明

制御装置

【課題】タッチパネルの状態に左右されずに正しい抵抗値による補正を行える、タッチパネルの位置補正手段を提供する。
【解決手段】ミシンに搭載され、ミシンへの制御を行うミシン制御装置10であって、アナログタッチパネルと、表示装置と、EPROM13上の抵抗値データ記憶部13fと、CPU11と、EPROM13の初期リセットキー表示部及び下糸交換完了キー表示部と、EPROM13上の基準抵抗値記憶部13eと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログタッチパネルの押圧位置を決定する抵抗値データを補正する機能を有する制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アナログタッチパネルの押下位置を検出する精度を維持するための補正手段として、一定の時間毎にアナログタッチパネルの所定位置を押圧させその抵抗値を検出し、抵抗値(基準値)として用いる方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−272514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術による補正を行う場合には、前記所定位置の抵抗値を検出する際にアナログタッチパネルの所定位置以外の部分が開放状態である(押されていない)必要があるので、上記補正手段の働く時間に所定位置以外の他の部分が押下された状態で前記抵抗値を検出した場合には、誤った抵抗値による補正を行ってしまい、以後のアナログタッチパネルによる操作を正しく行えなくなるといった問題があった。
【0004】
また、上記のような誤った補正が行われた場合の対策として、所望の時に上述の補正機能を作動させる呼び出しキーをアナログタッチパネル上に設け、この呼び出しキーの操作によりアナログタッチパネルの補正を手動で行うことも可能だが、位置に対する抵抗値の誤差が大きくなると呼び出しキーの検出位置もずれてしまい、ユーザは、アナログタッチパネルをあちこち押圧して試行錯誤を繰り返して呼び出しキーを探さなければならなかった。そして、試行錯誤を繰り返すうちに誤って他のキーを押圧して装置が予期せぬ動作をしてしまう可能性もあった。このような状態になると、容易にアナログタッチパネルの補正機能を呼び出すことができなくなり、アナログタッチパネルの機能を回復するために非常に手間がかかり、また多大な時間を浪費するといった問題があった。
また、アナログタッチパネルの外部に専用のスイッチを設け、このスイッチを操作することにより補正機能をいつでも呼び出せるようにすることも可能だが、専用のスイッチを設ける分だけコストが上昇するという問題が発生する。
さらに、ユーザにとっては、アナログタッチパネルの補正のために呼び出しキーや専用のスイッチを操作すること自体、煩わしいものであった。
【0005】
本発明は、アナログタッチパネル(以下、単にタッチパネルともいう)の状態に左右されずに正しい前記抵抗値による補正を行える、タッチパネルの位置補正手段を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、制御対象機器に搭載又は接続され、当該制御対象機器への制御を行う制御装置であって、押圧平面上の押圧位置に対応する抵抗値を生じるアナログタッチパネルと、前記アナログタッチパネルの押圧平面に重合して描画表示を行う表示平面を備える表示手段と、前記押圧位置に対応する抵抗値データを記憶する記憶手段と、
前記アナログタッチパネルの押圧操作に応じて前記制御対象機器を次の制御ステップまたは処理ステップに移行させる際に、前記表示平面に唯一表示されるキーであるとともに、前記制御対象機器を次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるために必ず入力操作を必要とするキーである移行キーを前記表示平面の既知の押圧位置に表示させる表示制御手段と、
前記移行キーに対する押圧操作により前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値から前記抵抗値データを補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の制御装置において、前記表示制御手段は、前記移行キーが操作された際に、前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値が、前記抵抗値データから得られる前記移行キーの補正前の抵抗値に対して所定以上の差異を生じた場合には、再度前記移行キーを表示して再入力を要求することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の制御装置において、主電源の投入後に、前記移行キーとしての初期リセットキーの入力を受けて制御対象機器の立ち上げ動作又は初期動作を実行する制御手段を備え、前記表示制御手段は、主電源の投入後に前記移行キーとしての初期リセットキーを表示すると共に、前記補正手段は、前記初期リセットキーが操作された際に、前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値に基づいて、前記抵抗値データを補正することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置において、前記制御対象機器は、下糸の残量がない状態を検出する下糸検出手段を備えたミシンであって、前記下糸検出手段により下糸の残量がない状態が検出されると、ミシンの縫製を中止するミシン制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記移行キーとして、下糸交換終了時に、ミシンの縫製中止を解除する下糸交換完了キーを表示すると共に、前記補正手段は、前記下糸交換完了キーが操作された際に、前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値に基づいて、前記抵抗値データを補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、制御対象機器を次の制御ステップ又は処理ステップに移行させる際に、アナログタッチパネルの表示平面に唯一表示されるキーであり、制御対象機器を次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるために必ず入力操作を必要とするキーである移行キーに対する押圧操作により、既知の押圧位置又は当該押圧位置で予定される抵抗値とアナログタッチパネルに生じる抵抗値との間に不整合がある場合には、抵抗値データが補正される。
このため、オペレータは、移行キーが表示されているタイミングで、次のステップに進めるために必ず表示された移行キーを目指して押下を行うことから、以降の処理の実行前に必然的に抵抗値データの補正が実行され、従来技術のように、不慮の操作により誤った押下位置が押下された状態で前記抵抗値を検出して誤った抵抗値による補正を行い、以後のアナログタッチパネルによる操作を正しく行えなくなるといった問題を解消することができる。
前記移行キーは、制御対象機器を次の制御ステップ又は処理ステップに移行させる際に、唯一表示されるキーであり、かつ、制御対象機器を次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるための必ず入力操作を必要とするキーであるから、制御対象機器を次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるために、必ずこの移行キーに対する押圧操作が行われる。この結果、補正前の前記抵抗値データと、前記制御移行キーを押下した際に検出された抵抗値との差異が極めて大きい場合においても、前記所定のアナログタッチパネルの押圧位置を基準として、前記所定のアナログタッチパネルの押圧位置の抵抗値と、前記記憶手段に記憶された前記所定のアナログタッチパネルの押圧位置の抵抗値データとの比較を正確に行うことができ、従来技術において、補正前の前記抵抗値データと、アナログタッチパネル押下時に検出された抵抗値の差異が極めて大きいために、アナログタッチパネルの手動補正機能呼び出しボタンが正しく機能しなくなり、アナログタッチパネルによるいかなる操作を行っても、正しい抵抗値による補正を行うことができなくなるような状態になる問題を解消することができる。
また、前記移行キーが表示されているときは、他のキーは表示されていないから、従来のように、抵抗値の誤差が大きくなって押圧位置が大きくずれてしまった呼び出しキーを探すためにアナログタッチパネルをあちこち操作しているうちに他のキーが押圧され、装置が予期せぬ動作をしてしまうという問題も解消される。
さらに、周囲温度又はその機器の発熱による温度上昇(以後、温度ドリフトと記載)や部品の劣化又は交換、あるいは何らかの理由によりアナログタッチパネルが継続的に押下された状態にあった(例えば、輸送中にアナログタッチパネルと障害物が接触していた)といった場合に、前記記憶手段に記憶されていた前記抵抗値データが、補正によって精度を回復できないほど、実際のアナログタッチパネル操作によって得られる押圧位置の抵抗値と大幅にずれてしまうことがあるが、この場合においても、上記の理由により、正しい抵抗値によって補正を行うことができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、前記制御移行キーが押下された際に検出された抵抗値が、前記抵抗値データから得られる、所定以上の差異を生じた場合には、前記表示制御手段は、前記制御移行キーによって押下されるべき押圧位置ではない、誤った押圧位置を操作した可能性があると判断し、再度前記制御移行キーの操作を必要とする。この結果、前記制御移行キーの操作時に、誤った押圧位置を押下してしまった場合においても、誤った抵抗値によって前記抵抗値データの補正を行うことなく、正しい押圧位置を押下し直すことができ、正しい抵抗値によって前記抵抗値データの補正を行うことができる。
また、前記制御移行キーの押下時に、正しい押圧位置を押下したにも関わらず、検出された抵抗値が、前記記憶手段に記憶された前記抵抗値データに対して、所定以上の差異を生じた場合には、再度前記制御移行キーの押下を行うことで、再確認前に押下した前記制御移行キーの操作時に検出した抵抗値が、正しい押圧位置を押下した結果として得られたものであることを確認することができる。これによって、上記の作用と併せて、検出された抵抗値が、前記記憶手段に記憶された前記抵抗値データに対して、所定以上の差異を生じた場合においても、正しい抵抗値によって前記抵抗値データの補正を行うことができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、主電源の投入後に、制御対象機器の立ち上げ動作又は初期動作を実行する際に初期リセットキーの入力によってアナログタッチパネルの抵抗値データを補正することによって、タッチパネルの抵抗値データ補正とは別の必要不可欠な操作によりタッチパネルの抵抗値データ補正が実行されるので、タッチパネルの抵抗値データ補正の実行を制御装置に要求するための煩わしい入力作業を不要とし、操作負担の軽減を図ることが可能となる。
また、当該制御装置及び制御対象機器の不使用期間が長かった等の理由により、アナログタッチパネルの補正前の抵抗値データと、主電源の投入後に得られる抵抗値の誤差が大きかったとしても、主電源投入後の立ち上げ動作又は初期動作前に抵抗値データの補正が行われることから、常に最適な抵抗値データに基づき、アナログタッチパネルを使用することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、ミシンによる縫製において、縫製作業の一時的な停止を伴う下糸交換作業にあわせて、前記下糸交換完了キーによる前記抵抗値データの補正を行うことによって、タッチパネルの抵抗値データ補正とは別の必要不可欠な操作によりタッチパネルの抵抗値データ補正が実行されるので、タッチパネルの抵抗値データ補正の実行を制御装置に要求するための煩わしい入力作業を不要とし、操作負担の軽減を図ることが可能となる。
また、前記下糸交換作業は、定期的に発生する作業であることから、前記下糸交換完了キーによる前記抵抗値データの補正を行うことによって、前記抵抗値データの補正を定期的に行うことになり、長期間補正を行わないために、アナログタッチパネルの押圧位置によって得られる抵抗値と、前記記憶手段に記憶された前記抵抗値データが大幅にずれてしまうことを未然に防ぐことができ、前記抵抗値データによる押圧位置の検出精度を大幅に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(タッチパネルディスプレイを備えたミシン)
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施の形態において、ミシンは、図1に示すように、周知の針上下動機構(図示略)を介して縫い針を上下動させるミシンモータ32と、水平面上で互いに直交するX軸方向とY軸方向に被縫製物である布地を移動位置決め可能な布移動機構20と、上糸下糸とを絡める周知の釜機構(図示略)と、釜機構の釜内部に格納されるボビン内の下糸残量を検出する下糸残量検出装置60と、タッチパネルディスプレイ50と、上記各構成の動作制御を行うミシン制御装置10とを備えている。
【0015】
この布移動機構20は、ミシンフレームに対して互いに直交する水平な二方向(X軸方向とY軸方向)に移動可能に支持された布保持枠に縫製物をセットした状態で、Xモータ22、Yモータ23により布保持枠を縦横(XY)方向へ移動させながら、針と協働して所定形状の刺繍縫いを行うことができるようになっている。
【0016】
この下糸残量検出装置60は、図2に示すように、ボビン64に巻回される下糸の最大糸巻き径を検出する最大糸巻き径検知手段(リミットセンサ)61と、ボビン64の下糸が消費されて少なくなったときに、ボビン64に残存した下糸量を検出する下糸残量検知手段(下糸残量センサ)62とを有している。
【0017】
リミットセンサ61は、外釜7の上端近傍に対向配置された発光素子61aと受光素子61bとを有する光センサからなり、発光素子61aから発射した光が、ボビン64の中心軸66の回りに設定最大糸巻き径に巻回された巻回層表面67を、ボビン64の上フランジ65と下フランジとの間の位置で検出し得るように配置されている。
【0018】
リミットセンサ61は、ボビン64に巻かれた下糸が最大巻き径に達するまでは、光路61cが遮られず、受光素子61bがONし続けて最大電流を出力する。最大巻き径に達すると光路61cが遮られて、受光素子がOFFして出力電流が減少し、検知レベルの最小電流を出力する。したがって、最大出力電流と最小出力電流との間に閾値を設けて、受光素子がOFFしたことを検知すれば、ボビン64に巻回されている下糸が最大糸巻き径に達したことを検出でき、下糸の巻き取り終了の時点に至ったことを知ることができる。最大糸巻き径の検出は、受光素子61bの出力信号を下糸糸巻き装置1およびミシン各部を制御するミシン制御装置10に送って信号処理し、ミシン制御装置10にあるCPU11によって最終的に実現される。
【0019】
同様に、下糸残量センサ62は、外釜7の上端近傍に対向配置された発光素子62aと受光素子62bとを備えた光センサからなり、その光路を除けば、基本構成はリミットセンサ61の場合と同様である。下糸残量センサ62の発光素子62aから発射された光の受光素子62bへ至る光路62cは、ボビン64の中心軸66の表面近くに位置されている。
【0020】
下糸残量センサ62は、ボビン64に残った下糸がなくなるまでは、光路62cが遮られていて受光素子62bがOFFし続け、下糸がなくなると光路62cの遮りがなくなって、受光素子62bがONする。したがって、OFF時の最小出力電流とON時の最大出力電流との間に閾値を設けて、受光素子がONしたことを検知すれば、ボビンに残った下糸の残存量が0となった糸無し状態を検出することができる。下糸残量センサ62の受光素子62bからの出力信号は、リミットセンサ61の場合と同様、ミシンのミシン制御装置10に送られ、そこで信号処理を受けることにより、ボビンの下糸無しおよびそのときの残存下糸量が検出される。
このように、下糸残量センサ62は「下糸検出手段」として機能する。
【0021】
(ミシン制御装置)
ミシン制御装置10は、図1に示すように、CPU11、EPROM13、RAM12を有し、ミシンの操作部に配設された、縫製スタート/ストップスイッチ34、タッチパネルディスプレイ50が電気的に接続されている。
【0022】
ミシン制御装置10には、さらに、下糸リミットセンサ61、下糸残量センサ62、ミシンモータ32、Xモータ22、Yモータ23、ミシンモータ32の角度位置を検出するエンコーダ33、Xモータ22及びYモータ23の原点センサ24,25が電気的に接続されている。
【0023】
上記の下糸リミットセンサ61および下糸残量センサ62等は、A/D変換器14を介してCPU11に接続される。ミシンモータ32、布移動機構20のモータ22、23、原点センサ24,25などは、それぞれを駆動するための駆動回路(コントローラ)31、21を介して接続される。
上記のタッチパネルディスプレイ50は、タッチパネルコントローラ40を介してミシン制御装置10と接続される。
【0024】
前記EPROM13は、少なくとも立ち上げ制御部13hと、縫製データ生成部13iと、縫製動作制御部13jと、縫製中断動作制御部13gと、初期リセットキー表示部13aと、初期リセットキー再確認画面表示部13bと、下糸交換完了キー表示部13cと、下糸交換確認キー再確認画面表示部13dと、基準抵抗値記憶部13eと、抵抗値データ記憶部13fと、その他の動作制御を行うプログラムやデータを格納した格納部13kとを有している。
【0025】
前記RAM12は、少なくとも第1抵抗値記憶部12aと、第2抵抗値記憶部12bを備える。
【0026】
立ち上げ制御部13hは、主電源投入時にタッチパネルディスプレイ50に最初に表示される初期リセットキーに対して入力が行われると実行される立ち上げ制御プログラムが格納されている。この立ち上げ制御プログラムは、ミシンの主電源投入後、ミシンを縫製可能な状態とするための各種の初期動作を実行させるものである。具体的には、CPU11が立ち上げ制御プログラムを実行するにより、エンコーダ33の出力から縫い針が上位置となる所定の角度位置となるようにミシンモータ32の動作制御が行われると共に、布移動装置240のXモータ22及びYモータ23の原点位置を原点センサ24,25の出力から求める動作制御が実行される。
つまり、立ち上げ制御プログラムを実行することにより、ミシン制御装置10は、制御手段として機能する。
【0027】
縫製データ生成部13iは、タッチパネルディスプレイ50からの入力作業に応じて一針ごとのX軸方向及びY軸方向における針落ち位置が定められた縫製データを作成するための縫製データ生成プログラムが格納されている。
具体的には、CPU11が縫製データ生成プログラムを実行するにより、タッチパネルディスプレイ50に縫製データの入力画面を表示し、当該入力画面中の針落ち位置指定キーから入力を受けると、一針ごとの針落ち位置を確定し、縫製データを生成すると共にEPROM13の格納部13kに記録する処理を行う。
【0028】
縫製動作制御部13jは、縫製スタート/ストップスイッチ34の入力を受けると、上述した縫製データに従い縫製を行うための縫製動作制御プログラムが格納されている。
具体的には、CPU11が、縫製スタート/ストップスイッチ34の入力を受けると、ミシンモータ32の駆動を介して縫い針の上下動を行うと共に、一針ごとに縫製データが示す針落ち位置を読み込むと共に、Xモータ22とYモータ23の動作量を制御して所定の針落ち位置となるように布保持枠を移動位置決めする動作制御を実行する。
【0029】
初期リセットキー表示部13a、初期リセットキー再確認画面表示部13b、下糸交換完了キー表示部13c、下糸交換完了キー再確認画面表示部13d、基準抵抗値記憶部13e、抵抗値データ記憶部13f、縫製中断動作制御部13gについては、タッチパネルディスプレイ50と重要な関連があるので、当該タッチパネルディスプレイ50の説明後に説明することとする。
【0030】
(タッチパネルディスプレイ)
タッチパネルディスプレイ50は、表示平面に描画表示を行う表示手段としての液晶表示装置51と、オペレータに押下されることで押圧位置を検出し、タッチパネルディスプレイ50に対する操作を検出するアナログタッチパネル52とを備える。
【0031】
アナログタッチパネル52は、抵抗膜フィルム53、54を備える。抵抗膜フィルム53は、オペレータから見て横方向軸(以後、X軸と表記する)の両端部に電極55、56を備える。抵抗膜フィルム54は、オペレータから見て縦方向軸(以後、Y軸と表記する)の両端部に電極57、58を備える。抵抗膜フィルム53、54は、表示装置51の表示面に重ねて設置される透過性の導電膜であり、オペレータによる操作を受けていない状態(以後、開放時と表記する)には、互いが接触しないよう、抵抗膜フィルム54上に設けられた図示しないドットスペーサによって支えられている。すなわち、本実施例は、4線式抵抗膜方式タッチパネルに相当する。
【0032】
なお、本願発明は、抵抗膜方式のタッチパネルならば、実施の形態は上述の構成に限定されない。例えば、5線式抵抗膜方式タッチパネルでもよい。
【0033】
(タッチパネルコントローラ)
タッチパネルコントローラ40は、タッチパネルディスプレイ50に表示する、各種情報の表示内容を出力するとともに、タッチパネルディスプレイ50に対して行われた、オペレータの操作を検出する。
タッチパネルコントローラ40は、電極56、58を通して抵抗膜フィルム53、54のいずれか一方に電流を流す選択経路となるスイッチ43と、電極55、57のいずれか一方から流れてきた電流が、電源に戻る経路となるスイッチ41と、スイッチ41、43を通して抵抗膜フィルム53、54のいずれか一方に電流を流す電源となる定電流電源42と、電極56、58のいずれか一方と接続する選択経路となるスイッチ44と、スイッチ44を通して抵抗膜フィルム53,54と接続され、抵抗膜フィルム53、54に発生する電圧をデジタル値に置き換えて出力するA/Dコンバータ45と、スイッチ41,43,44のオンオフを制御するスイッチ制御回路46と、表示装置51へ表示する内容を、表示装置51へ出力する表示回路47と、を備える。
【0034】
(タッチパネルディスプレイによる表示及び入力)
次に、タッチパネルディスプレイ50によるオペレータへの情報表示、及び入力の検出について説明する。タッチパネルディスプレイ50は、操作入力画面や入力ボタン、入力キーを表示すると共に、それらに対する押圧接触を検知し、押圧位置と入力キー等の表示位置とを照合した上で、ミシン制御装置10が、入力内容を認識するようになっている。ここでは、初期リセットキーが表示された場合を例に説明する。
ミシンの電源が投入されると、ミシンは、表示回路47を通して、タッチパネルディスプレイ50の表示装置51に初期リセットキーを表示する。オペレータは、タッチパネルディスプレイ50の表示内容に従い、初期リセットキーを押下する。このとき、タッチパネルディスプレイ50に備えられた、抵抗膜フィルム53の押圧位置が押圧によって凹み、抵抗膜フィルム54に接触する。抵抗膜フィルム53、54が接触すると、A/Dコンバータ45を通して、両抵抗膜フィルム53,54の接触点の電圧が制御装置10に入力され、抵抗値が検出される。
前記抵抗値が検出されると、ミシンはタッチパネルディスプレイ50に表示された初期リセットキーが押下されたとみなし、ミシンの各部を縫製準備状態の位置に制動する、初期動作を行う。
【0035】
(アナログタッチパネル52の抵抗値検出)
次に、アナログタッチパネル52が押下されたとき、抵抗値及び押圧位置を検出する仕組みについて、より詳細に説明する。
アナログタッチパネル52は、開放時、図4に示すように、スイッチ制御回路46から各スイッチ41,43,44に出力される制御信号により各スイッチの接続が行われ、抵抗膜フィルム53には、スイッチ41、43によって、定電流電源42から供給された電流iが、抵抗膜フィルム53に流れている。なお、定電流電源42の一方の端点Gは基準点として接地され0Vの電圧となっているものとする。
【0036】
オペレータによって、図5に示すタッチパネルディスプレイ50上の座標(a,b)点が押下されると、図6のように、抵抗膜フィルム53はa点において抵抗膜フィルム54と接触し、抵抗膜フィルム53には、押圧位置に対する抵抗値(Rx1及びRx2)が生じる。すなわち、オペレータによって、タッチパネルディスプレイ50の座標(a,b)点が押圧されると、抵抗膜フィルム53の抵抗値(Rx)は、a点を鋏んでRx1とRx2とに分割され、a点には、定電流電源42からの電流iにより電圧Va(i・Rx2)が発生する。このとき、a点は、抵抗膜フィルム54のb点及びスイッチ44を介してADコンバータ45に接続されているので、a点の電圧Vaは、A/Dコンバータ45によってデジタル値に変換され、制御装置10のCPU11によってX軸の抵抗値として検出される。
なお、上述の電圧Vaは、a点のX軸方向の位置によって変化するから、この電圧Vaの変化によって、タッチパネルディスプレイ50の押圧位置のうち、X軸における座標aを検出することができる。
【0037】
上述のように、CPU11がX軸の抵抗値を検出すると、スイッチ制御回路46は、図7のように、スイッチ44の接続先を抵抗膜フィルム54から抵抗膜フィルム53へと変更するとともに、スイッチ41、43の接続先を抵抗膜フィルム53から54へと変更する。これによって、抵抗膜フィルム54に電流iが流れ、抵抗膜フィルム53はA/Dコンバータに接続される。このとき、b点において抵抗膜フィルム53と54は接触しており、抵抗膜フィルム54には、押圧位置に対応する抵抗値(Ry1及びRy2)が生じる。すなわち、オペレータによって、タッチパネルディスプレイ50の座標(a,b)点が押圧されると、抵抗膜フィルム54の抵抗値(Ry)は、b点を挟んでRy1とRy2とに分割され、b点には、定電流電源42からの電流iにより電圧Vb(i・Ry2)が発生する。このとき、b点は、抵抗膜フィルム53のa点及びスイッチ44を介してADコンバータ45に接続されているので、b点の電圧Vbは、A/Dコンバータ45によってデジタル値に変換され、制御回路10のCPU11によってY軸の抵抗値として検出される。
なお、上述の電圧Vbは、b点のY軸方向の位置によって変化するから、この電圧Vbの変化によって、タッチパネルディスプレイ50の押圧位置のうち、Y軸における座標bを検出することができる。
以上のように、X軸の抵抗値と、Y軸の抵抗値を検出することによって、ミシンはタッチパネルディスプレイ50上の押圧位置を検出することができる。
【0038】
(基準抵抗値及び抵抗値データ)
アナログタッチパネル52の押圧位置を求めるためにはX軸、Y軸方向の抵抗値とX軸、Y軸方向における押圧位置との対応関係を示す関係式又は対応テーブルを用意する必要がある。このミシンでは、抵抗値と押圧位置との対応関係を示す対応テーブルである「抵抗値データ」を予めEPROM13の抵抗値データ記憶部13fに用意し、抵抗値を検出すると抵抗値データから押圧位置の特定を行っている。
【0039】
また、抵抗値と押圧位置との対応関係は、温度変化などの外的要因から変化する場合があり、その場合、抵抗値データの補正を行う必要がある。このミシンでは、後述する初期リセットキーに対する入力操作時において、初期リセットキーの本来の機能(前述した立ち上げ制御プログラムによる初期動作を実行させる機能)とは別に、定位置に表示される初期リセットキーを押下した場合に、補正前の抵抗値データが示す特性で得られるであろう抵抗値を「基準抵抗値」として予めEPROM13の基準抵抗値記憶部13eに用意し、初期リセットキーを押下した時に実際に検出された抵抗値と比較してその誤差から「抵抗値データ」の補正を行っている。
【0040】
ここで、抵抗値データと、抵抗値データを算出する際の基準となる基準抵抗値について説明する。
基準抵抗値は、上述の初期リセットキーが表示される場合において、表示装置51に表示された初期リセットキーの中央に相当する、アナログタッチパネル52上の座標(以後、リセット座標と表記する)を押下したときに得られるX軸、Y軸それぞれの抵抗値によって構成され、EPROM13の基準抵抗値記憶部13eに(V,W)の形式で記憶されている。
抵抗値データは、アナログタッチパネル52の各座標を押下した場合に得られる各抵抗値が、X軸、Y軸それぞれにテーブル形式でEPROM13の抵抗値データ記憶部13fに記憶されている。つまり、抵抗値データを参照することにより、X軸、Y軸ごとに、押下したときに得られる抵抗値からアナログタッチパネル52の押圧平面上のいずれの位置が押下されたかを特定することが可能となっている。
【0041】
抵抗値データは、X軸方向とY軸方向のそれぞれについて個別に用意されている。図8及び図9に示すように、アナログタッチパネル52の押圧平面は、X軸方向について位置座標X1〜X9で区画され(ここでは説明の便宜上八つの区間に分けて説明するが、実際はより細分化されている)、各区間の抵抗値がV1〜V9として抵抗値データに記録されている。また、アナログタッチパネル52の押圧平面は、Y軸方向について位置座標Y1〜Y9で区画され(X軸方向と同様に、実際はより細分化されている)、各区間での抵抗値がW1〜W9として抵抗値データに記録されている。そして、アナログタッチパネル52を押下したときに得られるX軸の抵抗値が、X軸方向の抵抗値データにおけるいずれの抵抗値に対して所定誤差の範囲で一致するかに否かより押圧位置が位置座標X1〜X9のいずれであるかを、即座に検出することが可能となっている。Y軸方向についても同様である。
また、ここでは、図4に示すように、X軸方向の押圧位置を検出する抵抗膜フィルム53の対応位置は、座標X1側が電極55側に、座標X9側が電極56側にそれぞれ設定されているとともに、Y軸方向の押圧位置を検出する抵抗膜フィルム54の対応位置は、座標Y1側が電極57側に、座標Y2側が電極58側にそれぞれ設定されている。
【0042】
なお、図8において、座標Xm(m=1〜9)はX軸方向における位置座標を示し、Yn(n=1〜9)はY軸方向における位置座標を示す。
また、Vm(m=1〜9)は、タッチパネルのX座標であるXm(m=1〜9)におけるX軸の抵抗値であり、Wn(n=1〜9)は、タッチパネルのY座標である座標Yn(n=1〜9)におけるY軸の抵抗値である。
【0043】
さらに、座標Xm,抵抗値Vmに記載されるmは、ある特定の座標におけるタッチパネルの原点からのX軸における距離、およびその特定の座標で得られるX軸の抵抗値を記載するうえで、共通の数字として扱われる。例えば、座標X1において得られるX軸抵抗値はV1である。
同様に、座標Yn,抵抗値Wnに記載されるnは、ある特定の座標におけるタッチパネルの原点からのY軸における距離、およびその特定の座標で得られるY軸の抵抗値を記載するうえで、共通の数字として扱われる。例えば、座標Y1において得られる抵抗値はW1である。
【0044】
また、抵抗値データの(V5,W5)の抵抗値は、基準抵抗値の(V,W)の抵抗値と同一の抵抗値であり、(X5,Y5)の座標は初期リセットキーが表示される表示位置を示すリセット座標である。
このように、抵抗値データ記憶部13fを備えたEPROM13は「記憶手段」として機能する。
【0045】
(CPU11による抵抗値と座標の照合)
ミシン制御装置のCPU11は、タッチパネルコントローラ40のA/Dコンバータ45から電圧Va又は電圧Vbが送られると、送られてきた電圧Va又は電圧Vbを電流地iで除して抵抗値に変換すると共に、EPROM13から抵抗値データを呼び出し、変換された抵抗値と所定の数値範囲内で一致する抵抗値データ上の抵抗値を検出し、抵抗値データ上において、当該抵抗値が得られるX座標及びY座標を、アナログタッチパネル52における押圧位置として処理する。
このとき、CPU11は、当該押圧位置の座標において、タッチパネルディスプレイ50の表示装置51が表示している内容を確認し、当該押圧位置を押下したことによるタッチパネル上の操作内容を決定する。例えば、当該押圧位置において、表示装置51が初期リセットキーを表示していた場合は、初期リセットキーが押下されたものとして処理する。
このように、CPU11は、A/Dコンバータ45から送られた電圧値に基づいて求められた抵抗値と、抵抗値データ記憶部13fから呼び出した抵抗値データとから押圧位置を求める「押圧位置取得手段」として機能する。
【0046】
なお、一つ以上の既知の位置座標での抵抗値が分かっている場合には、X軸方向における各抵抗値データのV1〜V9の値は、以下の計算式によって求めることができる。例えば、初期リセットキーのX座標のX5における抵抗値が基準抵抗値Vであることが確定している場合には、X軸の位置座標Xqと抵抗値Vqとの間には次式(1)の関係が成立するので、XqにX1〜X9の値を代入すれば、V1〜V9の値を算出することができる。
【数1】

【0047】
また、同様にして、一つ以上の既知の位置座標での抵抗値が分かっている場合には、Y軸方向における各抵抗値データのW1〜W9の値は、以下の計算式によって求めることができる。例えば、初期リセットキーのY座標のY5における抵抗値が基準抵抗値Wであることが確定している場合には、Y軸の位置座標Yqと抵抗値Wqとの間には次式(2)の関係が成立するので、YqにY1〜Y9の値を代入すれば、W1〜W9の値を算出することができる。
【数2】

【0048】
(初期リセットキーによる基準抵抗値の補正)
次に、初期リセットキーによる基準抵抗値の補正について図14に示すフローチャートと照らし合わせながら説明する。
ミシンの電源が投入されると、ミシン制御装置のCPU11は、初期リセットキー表示部13aから初期リセットキー表示プログラムと初動画面表示データを呼び出し、タッチパネルコントローラ40の表示回路47を通して表示装置51に初動画面G1(図10)を表示する(ステップS1)。この初動画面G1の中央部にはアナログタッチパネル52の押圧操作に応じてミシンを次の制御ステップ又は処理ステップに移行させる際に、表示装置51に唯一表示されるキーであり、かつ、ミシンを次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるために必ず入力操作を必要とするキーである初期リセットキーK1が表示される。このとき、初期リセットキーK1は、初期リセットキーK1の中央が、アナログタッチパネル52のリセット座標(X5,Y5)となるよう表示されている。
このように、CPU11は、初期リセットキー表示プログラムを呼び出し、表示装置51に初期リセットキーK1を表示することで「表示制御手段」として機能する。
【0049】
オペレータによって初期リセットキーK1が押下されると(ステップS2)、前述の記載による手順に従い、CPU11が初期リセットキーに対する押圧操作によりアナログタッチパネルに生じた抵抗値を検出する。このとき得られた検出値を(t1、t2)とする。(t1,t2)の抵抗値は、RAM12の第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納される(ステップS3)。
CPU11は、RAM12の第1抵抗値記憶部12aに格納された抵抗値(t1,t2)と、EPROM13の基準抵抗値記憶部13eより基準抵抗値とを呼び出し(ステップS4)、t1をVと、t2をWと比較する。このとき、t1がVを基準として−5〜+5%以内であり(ステップS5:YES)、かつ、t2がWを基準として−5〜+5%以内である(ステップS6:YES)場合には、EPROM13に記憶された基準抵抗値記憶部13eの基準抵抗値を(V,W)から(t1,t2)に置き換え、記憶する(ステップS7)とともに、CPU11は、ミシンの各部に初期動作を行わせる。
【0050】
t1がVを基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS5:NO)、またはt2がWを基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS6:NO)は、CPU11はEPROM13の初期リセットキー再確認画面表示部13bから、再確認画面表示プログラムと初期リセットキー再確認画面表示データを呼び出し、オペレータに再度初期リセットキーK1を操作するよう促す再確認画面G2(図11)を、タッチパネルコントローラ40の表示回路47を通して表示装置51に表示する(ステップS8)。
【0051】
オペレータによって初期リセットキーK1が押下されると(ステップS9)、前述の記載による手順に従い、CPU11が初期リセットキーK1に対する押圧操作によりアナログタッチパネルに生じた抵抗値を検出する。このとき得られた検出抵抗値を(t3,t4)とする。(t3,t4)の抵抗値は、RAM12の第2抵抗値記憶部12bに一時的に格納される(ステップS10)。
CPU11は、RAM12の第2抵抗値記憶部12bに格納された抵抗値(t3,t4)と、RAM12の第1抵抗値記憶部12aに格納された抵抗値(t1,t2)とを呼び出し(ステップS11)、t3をt1と、t4をt2と比較する。このとき、t3がt1を基準として−5〜+5%以内であり(ステップS12:YES)、かつ、t4がt2を基準として−5〜+5%以内である(ステップS13:YES)場合には、EPROM13に記憶された基準抵抗値記憶部13eの基準抵抗値を(V,W)から(t3,t4)に置き換え、記憶する(ステップS14)とともに、CPU11は、ミシンの各部に初期動作を行わせる。
【0052】
t3がt1を基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS12:NO)、またはt4がt2を基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS13:NO)は、CPU11は、それまでRAM12の第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納されていた抵抗値(t1,t2)を、第2抵抗値記憶部12bに一時的に格納されていた抵抗値(t3,t4)に置き換えて、新たな(t1,t2)として第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納する(ステップS15)。
その後、CPU11は、EPROM13の初期リセットキー再確認画面表示部13bから、初期リセットキー再確認画面表示プログラムと初期リセットキー再確認画面表示データを呼び出し、オペレータに再度初期リセットキーK1を操作するよう促す画面G2(図11)を、タッチパネルコントローラ40の表示回路47を通して表示装置51に表示する(ステップS8)。
上述の再度の初期リセットキー再確認画面、及び初期リセットキーの表示は、第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納された(t1,t2)と、第2抵抗値記憶部12bに一時的に格納された(t3,t4)とを比較し、t3がt1を基準として±5%以内であり、かつ、t4がt2を基準として±5%以内である場合となるまで繰り返し行われる。
【0053】
(補正された基準抵抗値による抵抗値データの更新)
基準抵抗値が置き換わると、CPU11は、置き換わった基準抵抗値に基づいて、抵抗値データに記憶された、各座標の抵抗値を算出し、対応した抵抗値データの各座標の抵抗値を置き換え、記憶する(ステップS17)。
ここでは、置き換わった基準抵抗値を(V’,W’)、置き換わった基準抵抗値に基づいて算出される抵抗値データのX軸の抵抗値を、V’m(m=1〜9)、Y軸の抵抗値をW’n(n=1〜9)とする。
【0054】
なお、座標Xm,抵抗値V’mに記載されるmは、X軸座標で得られるX軸の抵抗値を記載するうえで、共通の数字として扱われる。たとえば、座標X1において得られるX軸抵抗値はV’1である。
同様に、座標Yn,抵抗値W’nに記載されるnは、座標で得られるY軸の抵抗値を記載するうえで、共通の数字として扱われる。たとえば、座標Y1において得られる抵抗値はW’1である。
【0055】
置き換えられる抵抗値データの各抵抗値は、CPU11によって、前述した数式(1)、(2)から求まる以下の数式(3)、(4)によって算出される。
【数3】

これによって、置き換わった基準抵抗値に基づいた、新たな抵抗値データの抵抗値に基づいて、アナログタッチパネル52の押圧位置の座標を検出することが可能となる。
このように、CPU11は、検出された抵抗値と、基準抵抗値記憶部13eに記憶された抵抗値とを比較し、置き換えた後に、基準抵抗値に基づいて抵抗値データを補正することで、「補正手段」として機能する。
【0056】
(下糸交換完了キーによる基準抵抗値の補正)
次に、下糸交換完了キーによる基準抵抗値の補正について説明する。
下糸残量センサ62が、下糸がなくなったことを検出して下糸無し信号を出力すると、CPU11は、縫製中断動作制御部13gから縫製中断プログラムを呼び出し、縫い模様の途中で実行中の縫製動作を中断する。
このように、CPU11は、縫製中断プログラムを呼び出すことで「ミシン制御手段」として機能する。
【0057】
ボビンの下糸がなくなると、ミシン制御装置10のCPU11は、下糸交換完了キー表示部13cから下糸交換完了キー表示プログラムを呼び出し、タッチパネルコントローラ40の表示回路47を通して表示装置51に下糸交換完了キー表示画面G3(図12)を表示する(図15のステップS21)。この下糸交換完了キー表示画面G3の中央部にはアナログタッチパネル52の押圧操作に応じてミシンを次の制御ステップ又は処理ステップに移行させる際に、表示装置51に唯一表示されるキーであり、かつ、ミシンを次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるために必ず入力操作を必要とするキーである下糸交換完了キーK2が表示される。このとき、下糸交換完了キーK2は、下糸交換完了キーK2の中央が、アナログタッチパネル52のリセット座標となるよう表示されている。つまり、ミシンでは、下糸交換完了キーK2が前述した初期リセットキーK1と同じ位置に表示が行われるが、この表示位置は共通化を図る必要はなく、別の位置に表示しても良い。但し、その場合には、下糸交換完了キーK2の表示位置についても基準抵抗値データを作成し、記録する必要がある。
なお、この下糸交換完了キーK2は、その主たる機能は、オペレータの手作業によるボビン交換が行われたことをミシン制御装置10に認識させるためのものであり、下糸交換キーの入力が確定すると、縫製動作を禁止した状態が解除され、縫製動作を再開することが可能となる。
そして、このミシンでは、初期リセットキーの場合と同様に、下糸交換完了キーK2の場合も、その主たる機能に付随して、押下時に抵抗値データの補正を行うようになっている。
以下、下糸交換完了キーK2の押下による抵抗値データの補正処理について図15のフローチャートに照らし合わせながら説明を行うこととする。
【0058】
オペレータによって下糸交換完了キーK2が押下されると(ステップS22)、初期リセットキーの場合と同様に、前述の記載による手順に従い、CPU11が下糸交換完了キーK2に対する押圧操作によりアナログタッチパネルに生じた抵抗値を検出する。このとき得られた検出値を(t5、t6)とする。(t5,t6)の抵抗値は、RAM12の第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納される(ステップS23)。
CPU11は、RAM12の第1抵抗値記憶部12aに格納された抵抗値(t5,t6)と、EPROM13の基準抵抗値記憶部13eより基準抵抗値とを呼び出し(ステップS24)、51をVと、t6をWと比較する。このとき、t5がX5を基準として−5〜+5%以内であり(ステップS25:YES)、かつ、t6がY5を基準として−5〜+5%以内である(ステップS26:YES)場合には、EPROM13に記憶された基準抵抗値記憶部13eの基準抵抗値を(V,W)から(t5,t6)に置き換え、記憶する(ステップS27)とともに、CPU11は、ミシンを縫製作業が可能な準備状態へと移行させる。
【0059】
t5がVを基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS25:NO)、またはt6がWを基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS26:NO)は、CPU11はEPROM13の下糸交換完了キー再確認画面表示部13bから、下糸交換完了キー再確認画面表示プログラムと下糸交換完了キー再確認画面表示データを呼び出し、オペレータに再度下糸交換完了キーK2を操作するよう促す下糸交換完了キー再確認画面G4(図13)を、タッチパネルコントローラ40の表示回路47を通して表示装置51に表示する(ステップS28)。
【0060】
オペレータによって下糸交換完了キーK2が押下されると(ステップS29)、初期リセットキーの場合と同様に、前述の記載による手順に従い、CPU11が下糸交換完了キーK2に対する押圧操作によりアナログタッチパネルに生じた抵抗値を検出する。このとき得られた検出値を(t7,t8)とする。(t7,t8)の抵抗値は、RAM12の第2抵抗値記憶部12bに一時的に格納される(ステップS30)。
CPU11は、RAM12の第2抵抗値記憶部12bに格納された抵抗値(t7,t8)と、RAM12の第1抵抗値記憶部12aに格納された抵抗値(t5,t6)とを呼び出し(ステップS31)、t7をt5と、t8をt6と比較する。このとき、t7がt5を基準として−5〜+5%以内であり(ステップS32:YES)、かつ、t8がt6を基準として−5〜+5%以内である(ステップS33:YES)場合には、EPROM13に記憶された基準抵抗値記憶部13eの基準抵抗値を(V,W)から(t7,t8)に置き換え、記憶する(ステップS34)ともに、CPU11は、ミシンを縫製作業が可能な準備状態へと移行させる。
【0061】
t7がt5を基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS32:NO)、またはt8がt6を基準として−5〜+5%を超える誤差があった場合(ステップS33:NO)、CPU11は、それまでRAM12の第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納されていた抵抗値(t5,t6)を、第2抵抗値記憶部12bに一時的に格納されていた抵抗値(t7,t8)に置き換えて、新たな(t5,t6)として第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納する(ステップS35)。
その後、CPU11は再度、CPU11はEPROM13の下糸交換完了キー再確認画面表示部13bから、下糸交換完了キー再確認画面表示プログラムと下糸交換完了キー再確認画面表示データを呼び出し、オペレータに再度下糸交換完了キーK2を操作するよう促す再確認画面G4(図13)を、タッチパネルコントローラ40の表示回路47を通して表示装置51に表示する(ステップS28)。
上述の再度の下糸交換完了キー再確認画面、及び下糸交換完了キーK2の表示は、第1抵抗値記憶部12aに一時的に格納された(t5,t6)と、第2抵抗値記憶部12bに一時的に格納された(t7,t8)とを比較し、t7がt5を基準として−5〜+5%以内であり、かつ、t8がt6を基準として−5〜+5%以内である場合となるまで繰り返し行われる。
【0062】
(補正された基準抵抗値による抵抗値データの更新)
基準抵抗値が置き換わると、CPU11は、置き換わった基準抵抗値に基づいて、抵抗値データに記憶された、各座標の抵抗値を算出し、対応した抵抗値データの各座標の抵抗値を置き換え、記憶する(ステップS37)。
ここでは、置き換わった基準抵抗値を(v’,w’)、置き換わった基準抵抗値に基づいて算出される抵抗値データのX軸の抵抗値を、v’m(m=1〜9)、Y軸の抵抗値をw’n(n=1〜9)とする。
【0063】
なお、座標Xm,抵抗値v’mに記載されるmは、X軸座標で得られるX軸の抵抗値を記載するうえで、共通の数字として扱われる。たとえば、座標X1において得られるX軸抵抗値はv’1である。
同様に、座標Yn,抵抗値w’nに記載されるnは、座標で得られるY軸の抵抗値を記載するうえで、共通の数字として扱われる。たとえば、座標Y1において得られる抵抗値はw’1である。
【0064】
置き換えられる抵抗値データの各抵抗値は、CPU11によって、前述した数式(1)、(2)から求まる以下の数式(5)、(6)によって算出される。
【数4】

これによって、置き換わった基準抵抗値に基づいた、新たな抵抗値データの抵抗値に基づいて、アナログタッチパネル52の押圧位置の座標を検出することが可能となる。
このように、CPU11は、検出された抵抗値と、基準抵抗値記憶部13eに記憶された抵抗値とを比較し、置き換えた後に、基準抵抗値に基づいて抵抗値データを補正することで、「補正手段」として機能する。
【0065】
(作用及び効果)
実施例によれば、ミシンを次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるために必ず入力操作を必要とする初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2の入力により、基準抵抗値記憶部13eの基準抵抗値とアナログタッチパネル52に生じる抵抗値との間に不整合がある場合には、抵抗値データ記憶部13fの抵抗値データが補正される。
このため、オペレータは、初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2が表示されているタイミングで、次のステップに進めるために必ず表示された初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2を目指して押下を行うことから、従来技術のように、アナログタッチパネル52が不慮の操作により押下された状態で前記抵抗値を検出して誤った抵抗値による補正を行い、以後のアナログタッチパネル52による操作を正しく行えなくなるといった問題を解消することができる。
また、初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2によって、アナログタッチパネルのリセット座標が押下される。この結果、補正前の前記抵抗値データと、初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2を押下した際に検出された抵抗値との差異が極めて大きい場合においても、リセット座標を基準として、初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2を押下したときに得られた抵抗値と、抵抗値データとの比較を正確に行うことができ、従来技術において、補正前の抵抗値データと、アナログタッチパネル52押下時に検出された抵抗値の差異が極めて大きいために、アナログタッチパネル52に表示された手動補正機能呼び出しボタンが正しく機能しなくなり、アナログタッチパネル52によるいかなる操作を行っても、正しい抵抗値による補正を行うことができなくなるような状態になる問題を解消することができる。
さらに、温度ドリフトや部品の劣化又は交換、あるいは何らかの理由によりアナログタッチパネル52が継続的に押下された状態にあった場合に、前記記憶手段に記憶されていた抵抗値データが、補正によって精度を回復できないほど、実際のアナログタッチパネル52操作によって得られる押圧位置の抵抗値と大幅にずれてしまうことがあるが、この場合においても、上記の理由により、正しい抵抗値によって補正を行うことができる。
【0066】
また、初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2が押下された際に検出された抵抗値が、抵抗値データ記憶部13fに記憶された抵抗値データに対して、X軸又はY軸、あるいはその両方について5%以上の差異を生じた場合には、CPU11は、初期リセットキー再確認画面G2、又は下糸交換完了キー再確認画面G4を表示することで、再度初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2を表示する。この結果、初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2の押下時に、誤った押圧位置を押下してしまった場合においても、誤った抵抗値によって抵抗値データの補正を行うことなく、正しい押圧位置を押下し直すことができ、正しい抵抗値によって抵抗値データの補正を行うことができる。
また、初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2の操作時に、正しい押圧位置を押下したにも関わらず、検出された抵抗値が、抵抗値データ記憶部13fに記憶された抵抗値データに対して、X軸又はY軸、あるいはその両方について5%を超える差異を生じた場合には、再度初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2の押下を行うことで、再確認前に押下した初期リセットキーK1及び下糸交換完了キーK2の操作時に検出した抵抗値が、正しい押圧位置を押下した結果として得られたものであることを確認することができる。これによって、上記の作用と併せて、検出された抵抗値が、抵抗値データ記憶部13fに記憶された抵抗値データに対して、X軸又はY軸、あるいはその両方について5%を超える差異を生じた場合においても、正しい抵抗値によって抵抗値データの補正を行うことができる。
【0067】
さらに、主電源の投入後に、ミシンの初期動作を実行する際に初期リセットキーK1の入力によってアナログタッチパネル52の抵抗値データを補正することによって、タッチパネルの抵抗値データ補正とは別の必要不可欠な操作によりタッチパネルの抵抗値データ補正が実行されるので、タッチパネルの抵抗値データ補正の実行をタッチパネルディスプレイ50に要求するための入力作業を不要とし、操作負担の軽減を図ることが可能となる。
また、タッチパネルディスプレイ50及びミシンの不使用期間が長かった等の理由により、アナログタッチパネル52の補正前の抵抗値データと、主電源の投入後に得られる抵抗値の誤差が大きかったとしても、主電源投入後のミシンの初期動作前に抵抗値データの補正が行われることから、常に最適な抵抗値データに基づき、アナログタッチパネル52を使用することができる。
【0068】
さらに、ミシンによる縫製において、縫製作業の一時的な停止を伴う下糸交換作業にあわせて、前記下糸交換完了キーK2による抵抗値データの補正を行うことによって、タッチパネルの抵抗値データ補正とは別の必要不可欠な操作によりタッチパネルの抵抗値データ補正が実行されるので、タッチパネルの抵抗値データ補正の実行をタッチパネルディスプレイ50に要求するための入力作業を不要とし、操作負担の軽減を図ることが可能となる。
また、下糸交換作業は、定期的に発生する作業であることから、下糸交換完了キーK2による抵抗値データの補正を行うことによって、抵抗値データの補正を定期的に行うことになり、長期間補正を行わないために、アナログタッチパネル52の押圧位置によって得られる抵抗値と、抵抗値データ記憶部13fに記憶された抵抗値データが大幅にずれてしまうことを未然に防ぐことができ、抵抗値データによる押圧位置の検出精度を大幅に高めることができる。
【0069】
(その他)
上記ミシンでは、初期リセットキーK1又は下糸交換完了キーK2の押下時に、その検出抵抗と事前に用意された基準抵抗値とを比較して抵抗値データの補正を行っているが、初期リセットキーK1又は下糸交換完了キーK2の押下時に検出された抵抗値と補正前の抵抗値データとから押圧位置を求め、当該押圧位置と初期リセットキーK1又は下糸交換完了キーK2の表示位置とを比較し、その差異から抵抗値データの補正を行ってもよいことは言うまでもない。
また、抵抗値の検出は、直接抵抗値を求めるのではなく、抵抗値に影響を受ける値(例えば、電圧値)を検出することで、間接的に抵抗値を求める構成としても良い。その場合、検出電圧値と押下位置との対応関係を示す抵抗値データを用意し、基準抵抗値を記憶することに替えて、初期リセットキーK1又は下糸交換完了キーK2の押下で得られるであろう電圧値を基準電圧値としてEPROM13に記憶させておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態である、タッチパネルディスプレイを備えたミシンのミシン制御装置を示すブロック図である。
【図2】ミシンの下糸リミットセンサ及び下糸残量センサが設置されている箇所を示す平面図である。
【図3】図1のミシンのタッチパネルコントローラ及びタッチパネルディスプレイを示すブロック図である。
【図4】図3のタッチパネルコントローラ及びタッチパネルディスプレイの、アナログタッチパネルとA/Dコンバータの通常時の接続を示す配線図である。
【図5】図1のミシンのタッチパネルディスプレイにおける所定の座標を示す説明図である。
【図6】図5の所定の座標が押下されたとき、X座標を検出する際のアナログタッチパネルとA/Dコンバータの接続を示す配線図である。
【図7】図5の所定の座標が押下されたとき、Y座標を検出する際のアナログタッチパネルとA/Dコンバータの接続を示す配線図である。
【図8】図1のミシン制御装置のタッチパネルディスプレイの座標を示す平面図である。
【図9】図1のミシン制御装置の抵抗値データのテーブル形式を示すブロック図である。
【図10】初動画面を表示したタッチパネルディスプレイを示す平面図である。
【図11】初期リセットキー再確認画面を表示したタッチパネルディスプレイを示す平面図である。
【図12】下糸交換完了キー表示画面を表示したタッチパネルディスプレイを示す平面図である。
【図13】下糸交換完了キー再確認画面を表示したタッチパネルディスプレイを示す平面図である。
【図14】初期リセットキーによるタッチパネルの抵抗値データ補正処理を示すフローチャートである。
【図15】下糸交換完了キーによるタッチパネルの抵抗値データ補正処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
10 ミシン制御装置
11 CPU
12 RAM
13 EPROM
13f 抵抗値データ記憶部
40 タッチパネルコントローラ
50 タッチパネルディスプレイ
K1 初期リセットキー
K2 下糸交換完了キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象機器に搭載又は接続され、当該制御対象機器への制御を行う制御装置であって、
押圧平面上の押圧位置に対応する抵抗値を生じるアナログタッチパネルと、
前記アナログタッチパネルの押圧平面に重合して描画表示を行う表示平面を備える表示手段と、
前記押圧位置に対応する抵抗値データを記憶する記憶手段と、
前記アナログタッチパネルが押圧操作された際に生じた前記抵抗値と前記抵抗値データとから押圧位置を求める押圧位置取得手段と、
前記アナログタッチパネルの押圧操作に応じて前記制御対象機器を次の制御ステップまたは処理ステップに移行させる際に、前記表示平面に唯一表示されるキーであるとともに、前記制御対象機器を次の制御ステップ又は処理ステップに移行させるために必ず入力操作を必要とするキーである移行キーを前記表示平面の既知の押圧位置に表示させる表示制御手段と、
前記移行キーに対する押圧操作により前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値から前記抵抗値データを補正する補正手段とを備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記移行キーが操作された際に、前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値が、前記抵抗値データから得られる前記移行キーの補正前の抵抗値に対して所定以上の差異を生じた場合には、再度前記移行キーを表示して再入力を要求することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
主電源の投入後に、前記移行キーとしての初期リセットキーの入力を受けて制御対象機器の立ち上げ動作又は初期動作を実行する制御手段を備え、
前記表示制御手段は、主電源の投入後に前記移行キーとしての初期リセットキーを表示すると共に、
前記補正手段は、前記初期リセットキーが操作された際に、前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値に基づいて、前記抵抗値データを補正することを特徴とする請求項1又は2記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御対象機器は、下糸の残量がない状態を検出する下糸検出手段を備えたミシンであって、
前記下糸検出手段により下糸の残量がない状態が検出されると、ミシンの縫製を中止するミシン制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記移行キーとして、下糸交換終了時に、ミシンの縫製中止を解除する下糸交換完了キーを表示すると共に、
前記補正手段は、前記下糸交換完了キーが操作された際に、前記アナログタッチパネルに生じる抵抗値に基づいて、前記抵抗値データを補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−15693(P2009−15693A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178462(P2007−178462)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】