説明

割れ検出装置、処理装置及び割れ検出方法

【課題】製品の生産性を低下させることなく熱拡散板の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出することができる割れ検出装置を提供する。
【解決手段】
処理すべき被処理体Wを載置するための熱拡散板61を有する載置台58を処理容器22の底部から支柱60により起立させて設けてなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、処理容器の外部に設けられる振動検出手段202と、振動検出手段で得られる信号中から熱拡散板の割れ態様に応じて発生する振動数の信号である割れ振動信号を検出する割れ検出手段204とを備える。これにより、製品の生産性を低下させることなく熱拡散板の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の被処理体の処理装置、これに用いる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置及び割れ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体集積回路を製造するには、半導体ウエハ等の被処理体に、成膜処理、エッチング処理、熱処理、改質処理、結晶化処理等の各種の枚葉処理を繰り返し行なって、所望する集積回路を形成するようになっている。上記したような各種の処理を行なう場合には、その処理の種類に対応して必要な処理ガス、例えば成膜処理の場合には成膜ガスやハロゲンガスを、処理容器内へ導入して熱CVD(Chemical Vapor Deposition)やプラズマCVD等により成膜を行う。
【0003】
半導体ウエハに対して1枚毎に熱処理を施す枚葉式の処理装置を例にとれば、真空引き可能になされた処理容器内に、例えば抵抗加熱ヒータを内蔵した載置台を設置し、この上面に半導体ウエハを載置し、所定の温度(例えば100℃から1000℃)で加熱した状態で所定の処理ガスを流し、所定のプロセス条件下にてウエハに各種の熱処理を施すようになっている(特許文献1〜3)。
【0004】
ところで、半導体ウエハを載置する載置台構造に関しては、一般的には耐熱性耐腐食性を持たせると共に、金属コンタミネーション等の金属汚染を防止する必要から例えば石英等よりなる誘電体材料中に発熱体として抵抗加熱ヒータを埋め込んで高温で一体焼成して載置台を形成し、また別工程で同じく石英等を焼成して支柱を形成し、この一体焼成した載置台側と上記支柱とを、例えば熱拡散接合で溶着して一体化して載置台構造を製造している。そして、このように一体成形した載置台構造を処理容器内の底部に起立させて設けるようにしている。
【0005】
この載置台の上面側は、例えばAlN等のセラミック材より円板状の薄い熱拡散板が設けられており、この熱拡散板上に半導体ウエハを直接的に載置して成膜処理等を行うようになっている。ここでプラズマ処理を行う場合には、上記熱拡散板に下部電極を形成する電極が埋め込まれており、処理態様に応じてこの下部電極は、接地されたり、或いは高周波電圧が印加されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平07−078766号公報
【特許文献2】特開平03−220718号公報
【特許文献3】特開2004−356624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記熱拡散板は、例えば5mm程度の厚さで非常に薄く硬いセラミック材で形成しているとはいえ、繰り返し使用による熱伸縮により亀裂などのひび割れが生じる場合があった。このひび割れが生ずると載置した半導体ウエハの面内温度の均一性に悪影響を与えたり、パーティクル等を発生したり、更にはひび割れに侵入する腐食性ガスによってヒータが悪影響を受けたりする。従って、定期的に品質確認用のウエハを処理して成膜品質を確認したり、或いは目視による検査等を行ってひび割れの存否の確認している。
【0008】
しかしながら、上述したような検査において、品質確認用のウエハを用いる場合には、定期的な確認検査を行う期間が長過ぎる場合には、その間に品質の低下した欠陥品ウエハを大量に製造してしまうおそれがある。そこで、この検査を行う期間を短くすることも考えられるが、この場合には製品ウエハの生産性が低下するのみならず、この場合でも少なからず欠陥品が発生してしまうのは避けがたい。
【0009】
また目視による検査の場合には、例えば処理容器の側壁に設けた覗き窓から検査するが、この時にひび割れを見落とす場合も生ずる、といった問題があった。この場合、特開2000−323260号公報に開示されているように、セラミックヒータの割れ検知構造が提案されているが、これは導電パターンの断線を検知するものであり、セラミック部自体の割れを検出するものではなく、上記問題点を解決するものではない。
【0010】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明は、製品の生産性を低下させることなく熱拡散板の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出することができる割れ検出装置、処理装置及び割れ検出方法である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、処理すべき被処理体を載置するための熱拡散板を有する載置台を処理容器の底部から支柱により起立させて設けてなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、前記処理容器の外部に設けられる振動検出手段と、前記振動検出手段で得られる信号中から前記熱拡散板の割れ態様に応じて発生する振動数の信号である割れ振動信号を検出する割れ検出手段と、を備えたことを特徴とする割れ検出装置である。
【0012】
このように、処理すべき被処理体を載置するための熱拡散板を有する載置台を処理容器の底部から支柱により起立させて設けてなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、処理容器の外部に振動検出手段を設け、振動検出手段で得られる信号中から熱拡散板の割れ態様に応じて発生する振動数の信号である割れ振動信号を検出する割れ検出手段を設けるようにしたので、製品の生産性を低下させることなく熱拡散板の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出することが可能となる。
【0013】
請求項13に係る発明は、電極が埋め込まれてその上に処理すべき被処理体を載置する熱拡散板と、前記熱拡散板を支持すると共に加熱手段として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体とを有する載置台を前記処理容器の底部から支柱により起立してなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、前記電極と前記加熱ヒータとの間に形成される浮遊容量に信号電圧を印加する信号電圧源と、前記浮遊容量に起因する電気的特性を検出する特性検出部と、前記特性検出部の検出結果と予め定められている基準値とを比較して割れの有無を判断する割れ判断部と、を備えたことを特徴とする割れ検出装置である。
【0014】
このように、電極が埋め込まれてその上に処理すべき被処理体を載置する熱拡散板と、熱拡散板を支持すると共に加熱手段として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体とを有する載置台を前記処理容器の底部から支柱により起立してなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、電極と加熱ヒータとの間に形成される浮遊容量に信号電圧を印加する信号電圧源を設け、浮遊容量に起因する電気的特性を検出する特性検出部を設け、特性検出部の検出結果と予め定められている基準値とを比較して割れの有無を判断する割れ判断部を設けるようにしたので、製品の生産性を低下させることなく熱拡散板の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出することが可能となる。
【0015】
請求項19に係る発明は、排気が可能になされた処理容器と、前記処理容器内へ必要なガスを供給するガス供給手段と、前記処理容器内で処理すべき被処理体を載置する載置台構造と、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の割れ検出装置と、を備えたことを特徴とする処理装置である。
【0016】
請求項21に係る発明は、処理すべき被処理体を載置するための熱拡散板を有する載置台を処理容器の底部から支柱により起立させて設けてなる載置台構造の割れを検出する検出方法において、前記載置台構造に発生する振動を検出する振動検出工程と、前記振動検出工程で得られた振動から前記熱拡散板の割れ態様に応じて予め定められている情報に基づいて前記熱拡散板が割れた時に生じる振動を割れ振動信号として検出する割れ検出工程と、を有することを特徴とする割れ検出方法である。
【0017】
請求項23に係る発明は、電極が埋め込まれてその上に処理すべき被処理体を載置する熱拡散板と、前記熱拡散板を支持すると共に加熱手段として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体とを有する載置台を前記処理容器の底部から支柱により起立してなる載置台構造の割れを検出する割れ検出方法において、前記電極と前記加熱ヒータ間に形成される浮遊容量に信号電圧を印加して遮断する信号電圧付与工程と、前記信号電圧を印加した時又は遮断した時に前記浮遊容量に起因する電気的特性を検出する特性検出工程と、前記特性検出工程で得られた電気的特性と予め定められている基準値とを比較して前記熱拡散板の割れの有無を判断する割れ判断工程と、を有していることを特徴とする割れ検出方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の割れ検出装置、処理装置及び割れ検出方法によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
本発明によれば、製品の生産性を低下させることなく熱拡散板の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る割れ検出装置を有する処理装置を示す断面構成図である。
【図2】載置台構造の載置台に設けた加熱手段の一例を示す平面図である。
【図3】図1中のA−A線に沿った矢視断面図である。
【図4】図1中の載置台構造に取り付けた割れ検出装置を示す部分拡大断面図である。
【図5】割れ検出装置を示す拡大ブロック図である。
【図6】熱拡散板の割れの態様の一例を示す図である。
【図7】本発明方法の第1実施例の各工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の割れ検出装置の第2実施例を示すブロック構成図である。
【図9】熱拡散板に入った割れの隙間内に薄膜が形成された時のインピーダンス変化を説明するための図である。
【図10】電極と加熱ヒータ間に信号電圧を印加する時の浮遊容量の電位の一例を示す図である。
【図11】本発明方法の第2実施例の各工程を示すフローチャートである。
【図12】インピーダンスの周波数特性の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る割れ検出装置、処理装置及び割れ検出方法の好適な一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る割れ検出装置を有する処理装置を示す断面構成図、図2は載置台構造の載置台に設けた加熱手段の一例を示す平面図、図3は図1中のA−A線に沿った矢視断面図、図4は図1中の載置台構造に取り付けた割れ検出装置を示す部分拡大断面図、図5は割れ検出装置を示す拡大ブロック図、図6は熱拡散板の割れの態様の一例を示す図である。ここではプラズマを用いて成膜処理を行う場合を例にとって説明する。尚、以下に説明する「機能棒体」とは、1本の金属棒のみならず可撓性のある配線、複数の配線を絶縁材で被覆して1本に結合して棒状に形成された部材等も含むものとする。
【0021】
図示するようにこの処理装置20は、例えば断面の内部が略円形状になされたアルミニウム製の処理容器22を有している。この処理容器22内の天井部には必要な処理ガス、例えば成膜ガスを導入するためにガス供給手段であるシャワーヘッド部24が絶縁層26を介して設けられており、この下面のガス噴射面28に設けた多数のガス噴射孔32A、32Bから処理空間Sに向けて処理ガスを噴射するようになっている。このシャワーヘッド部24はプラズマ処理時に上部電極を兼ねるものである。
【0022】
このシャワーヘッド部24内には、中空状の2つに区画されたガス拡散室30A、30Bが形成されており、ここに導入された処理ガスを平面方向へ拡散した後、各ガス拡散室30A、30Bにそれぞれ連通された各ガス噴射孔32A、32Bより噴射するようになっている。このシャワーヘッド部24の全体は、例えばニッケルやハステロイ(登録商標)等のニッケル合金、アルミニウム、或いはアルミニウム合金により形成されている。尚、シャワーヘッド部24としてガス拡散室が1つの場合でもよい。
【0023】
そして、このシャワーヘッド部24と処理容器22の上端開口部の絶縁層26との接合部には、例えばOリング等よりなるシール部材34が介在されており、処理容器22内の気密性を維持するようになっている。そして、このシャワーヘッド部24には、マッチング回路36を介して例えば13.56MHzのプラズマ用の高周波電源38が接続されており、必要時にプラズマを生成可能になっている。この周波数は上記13.56MHzに限定されない。この上部電極であるシャワーヘッド部24、マッチング回路36、高周波電源38及び後述する下部電極によりプラズマ生成手段39を形成している。
【0024】
また、処理容器22の側壁には、この処理容器22内に対して被処理体としての半導体ウエハWを搬入搬出するための搬出入口40が設けられると共に、この搬出入口40には気密に開閉可能になされたゲートバルブ42が設けられている。
【0025】
そして、この処理容器22の底部44には、排気口46が設けられる。この排気口46には、処理容器22内を排気、例えば真空引きするための排気系48が接続されている。この排気系48は、上記排気口46に接続される排気通路49を有しており、この排気通路49には、圧力調整弁50及び真空ポンプ52が順次介設されており、処理容器22を所望する圧力に維持できるようになっている。尚、処理態様によっては、処理容器22内を大気圧に近い圧力に設定する場合もある。
【0026】
そして、この処理容器22内の底部44には、これより起立させて載置台構造54が設けられる。具体的には、この載置台構造54は、上面に上記被処理体を載置するための載置台58と、上記載置台58に接続されると共に、上記載置台58を上記処理容器22の底部から起立させて支持するための複数の細い管状の支柱60と、これらの支柱60内へ挿通される機能棒体62とにより主に構成される。
【0027】
図1においては、発明の理解を容易にするために、各支柱60を横方向に配列して記載している。上記載置台58は、全体が誘電体よりなり、ここではこの載置台58は肉厚で透明な石英よりなる載置台本体59と、この載置台本体59の上面側に設けられて上記載置台本体59とは異なる不透明な誘電体、例えば耐熱性材料である窒化アルミニウム(AlN)等のセラミック材よりなる熱拡散板61とにより構成されている。
【0028】
そして、上記載置台本体59内には、加熱手段64が例えば埋め込むようにして設けられており、また上記熱拡散板61内には下部電極を形成する電極66が埋め込むようにして設けられる。そして、この熱拡散板61の上面に上記ウエハWを載置して、このウエハWを上記加熱手段64からの輻射熱により熱拡散板61を介して加熱するようになっている。
【0029】
図2にも示すように、上記加熱手段64は例えばカーボンワイヤヒータやモリブデンワイヤヒータ等よりなる加熱ヒータ68よりなり、この加熱ヒータ68は載置台58の略全面に亘って所定のパターン形状にして設けられている。そして、ここではこの加熱ヒータ68は、載置台58の中心側の内周ゾーン発熱体68Aと、この外側の外周ゾーン発熱体68Bの2つのゾーンに電気的に分離されており、各ゾーン発熱体68A、68Bの接続端子は、載置台58の中心部側に集合されている。尚、ゾーン数は1つ、或いは3以上に設定してもよい。
【0030】
また上記電極66は、上述のように不透明な熱拡散板61内に設けられている。この電極66は例えばメッシュ状に形成された導体線よりなり、この電極66の接続端子は載置台58の中心部に位置されている。ここでは、この電極66は、後述するように接地されている。尚、この電極に静電チャック用の直流電圧やバイアス用の高周波電力を印加する場合もある。
【0031】
そして、上記加熱ヒータ68に対して給電を行う給電棒や電極66の導電棒や温度を測定する熱電対としての前記機能棒体62が設けられることになり、これらの各機能棒体62が細い上記支柱60内に挿通されることになる。
【0032】
まず、図1及び図3にも示すように、ここでは6本の支柱60が載置台58の中心部に集合させて設けられている。各支柱60は、誘電体よりなり、具体的には上記載置台本体59と同じ誘電体の材料である例えば石英よりなり、各支柱60は、上記載置台本体59の下面に例えば熱溶着により気密に一体的になるように接合されている。そして、各支柱60内に上記機能棒体62が挿通されている。図4では前述したように、一部の支柱60を代表して示しており、この内の1本の支柱60内には後述するように2本の機能棒体62が収容されている。
【0033】
すなわち、内周ゾーン発熱体68Aに対しては、電力インと電力アウト用の2本の機能棒体62としてヒータ用の給電棒70、72がそれぞれ支柱60内を個別に挿通されており、各ヒータ用の給電棒70、72の上端は上記内周ゾーン発熱体68Aに電気的に接続されている。
【0034】
また、外周ゾーン発熱体68Bに対しては、電力インと電力アウト用の2本の機能棒体62としてヒータ用の給電棒74、76がそれぞれ支柱60内を個別に挿通されており、各ヒータ用の給電棒74、76の上端は上記外周ゾーン発熱体68Bに電気的に接続されている(図1参照)。上記各ヒータ用の給電棒70〜76は例えばニッケル合金等よりなる。
【0035】
また電極66に対しては機能棒体62として導電棒78が支柱60内を挿通されており、この導電棒78の上端は接続端子78A(図4参照)を介して電極66に電気的に接続されている。上記導電棒78は例えばニッケル合金、タングステン合金、モリブデン合金等よりなる。
【0036】
また残りの1本の支柱60内へは、載置台58の温度を測定するために、機能棒体62として2つの熱電対80、81が挿通されており、そして、熱電対80、81の各測温接点80A、81Aが、それぞれ熱拡散板61の内周ゾーン及び外周ゾーンの下面に位置されており、各ゾーンの温度を検出するようになっている。上記熱電対80、81としては、例えばシース型の熱電対を用いることができる。このシース型の熱電対は、金属保護管(シース)の内部に熱電対素線を挿入して高純度の酸化マグネシウム等の無機絶縁物の粉末によって密封充填されており、絶縁性、気密性、応答性に優れ、高温環境やさまざまな悪性雰囲気の中での長時間の連続使用にも抜群の耐久性を発揮する。尚、図4には機能棒体62として、ヒータ用の給電棒70、導電棒78及び2本の熱電対80、81が代表的に記載されている。
【0037】
また、処理容器22の底部44は例えばステンレススチールよりなり、図4にも示すように、この中央部には導体引出口90が形成されており、この導体引出口90の内側には、例えばステンレススチール等よりなる支柱固定台92がOリング等のシール部材94を介して気密に取り付け固定されている。
【0038】
そして、この支柱固定台92上に、上記各支柱60を固定する管固定台96が設けられる。上記管固定台96は、上記各支柱60と同じ材料、すなわちここでは石英により形成されており、各支柱60に対応させて貫通孔が形成されている。そして、上記各支柱60の下端部側は、上記管固定台96の上面側に熱溶着等によって接続固定されている。
【0039】
この場合、各ヒータ用の給電棒70、72、74、76を挿通する各支柱60は、上記管固定台96に形成した貫通孔を下方向へ挿通されており、その下端部は封止されて内部にN やAr等の不活性ガスが減圧雰囲気で封入されている。尚、図4では1本のヒータ用の給電棒70のみを示すが、他のヒータ用の給電棒72〜76も同様に構成されている。
【0040】
このように、各支柱60の下端部を固定する管固定台96の周辺部には、これを囲むようにして例えばステンレススチール等よりなる固定部材100が設けられており、この固定部材100はボルト102によって支柱固定台92側へ固定されている。これにより、各支柱60の下端部は支柱固定台92側に強固に固定されることになる。
【0041】
また、上記支柱固定台92には、上記管固定台96の各貫通孔に対応させて同様な貫通孔が形成されており、それぞれ機能棒体62を下方向へ挿通するようになっている。そして、上記管固定台96の下面と、支柱固定台92の上面との接合面には、上記各貫通孔の周囲を囲むようにしてOリング等のシール部材106が設けられており、この部分のシール性を高めるようにしている。
【0042】
また、上記導電棒78と2本の熱電対80、81が挿通されている各貫通孔の下端部には、それぞれOリング等よりなるシール部材108を介して封止板112がボルト116により取り付け固定されている。そして、上記各導電棒78及び熱電対80、81は、上記封止板112を気密に貫通させるようにして設けられている。これらの封止板112は、例えばステンレススチール等よりなり、この封止板112に対する上記導電棒78の貫通部に対応させて、導電棒78の周囲には絶縁部材120が設けられている。
【0043】
また、上記支柱固定台92及びこれに接する処理容器22の底部44には、上記導電棒78を挿通する貫通孔に連通させて不活性ガス路122が形成されており、この導電棒78を通す支柱60内に向けて、N 等の不活性ガスを供給できるようになっている。
【0044】
ここで各部分について寸法の一例を説明すると、載置台58の直径は、300mm(12インチ)ウエハ対応の場合には340mm程度、200mm(8インチ)ウエハ対応の場合には230mm程度、400mm(16インチ)ウエハ対応の場合には460mm程度である。また各支柱60の直径は8〜16mm程度、各機能棒体62の直径は4〜6mm程度である。
【0045】
ここで図1へ戻って、上記熱電対80、81は、例えばコンピュータ等を有するヒータ電源制御部134に接続される。また、加熱手段64の各ヒータ用の給電棒70、72、74、76に接続される各配線136、138、140、142も、上記ヒータ電源制御部134に接続されており、上記熱電対80、81により測定された温度に基づいて上記内周ゾーン発熱体68A及び外周ゾーン発熱体68Bをそれぞれ個別に制御して所望する温度を維持するようになっている。上記導電棒78に接続される配線144は、接地されており、従って、下部電極を構成する電極66はグランド電極となっている。
【0046】
また、上記載置台58には、この上下方向に貫通して複数、例えば3本のピン挿通孔150が形成されており(図1においては2つのみ示す)、上記各ピン挿通孔150に上下移動可能に遊嵌状態で挿通させた押し上げピン152を配置している。この押し上げピン152の下端には、円弧状の例えばアルミナのようなセラミック製の押し上げリング154が配置されており、この押し上げリング154には、処理容器22の底部44を貫通して設けられる出没ロッド158に連結されており、この出没ロッド158はアクチュエータ160により昇降可能になされている。
【0047】
これにより、上記各押し上げピン152をウエハWの受け渡し時に各ピン挿通孔150の上端から上方へ出没させるようになっている。また、上記出没ロッド158の処理容器22の底部44の貫通部には、伸縮可能なベローズ162が介設されており、上記出没ロッド158が処理容器22内の気密性を維持しつつ昇降できるようになっている。
【0048】
ここで上記ピン挿通孔150は、図4にも示すように、上記載置台本体59と上記熱拡散板61とを連結する締結具であるボルト170に、その長さ方向に沿って形成された貫通孔172によって形成されている。具体的には、上記載置台本体59及び熱拡散板61には、上記ボルト170を通すボルト孔174、176が形成されており、このボルト孔174、176に上記ピン挿通孔150の形成されたボルト170を挿通し、これをナット178で締め付けることにより、上記載置台本体59と熱拡散板61とを結合するようにしている。これらのボルト170及びナット178は、例えば窒化アルミニウムやアルミナ等のセラミック材により形成する。
【0049】
そして、この処理装置20の全体の動作、例えばプロセス圧力の制御、載置台58の温度制御、処理ガスの供給や供給停止等は、例えばコンピュータ等よりなる装置制御部180により行われることになる。そして、この装置制御部180は、上記動作に必要なコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体182を有している。この記憶媒体182は、フレキシブルディスクやCD(Compact Disc)やハードディスクやフラッシュメモリ等よりなる。
【0050】
そして、このように構成された処理装置に本発明に係る割れ検出装置200が設けられており、載置台構造54の一部である熱拡散板61の割れを検出するようになっている。図4及び図5では割れ検出装置200の第1実施例が示されている。
【0051】
上記熱拡散板61にひびやクラック等の割れが入るときには僅かな振動が発生し、ここではこの振動を検出することによって割れの発生を検出するようになっている。具体的には、割れ検出装置200の第1実施例では、上記処理容器22の外側に設けられる振動検出手段202と、この振動検出手段202から得られた信号中から割れ振動信号を検出する割れ検出手段204とにより主に構成されており、またこの装置全体を制御する例えばコンピュータ等よりなる割れ検出装置制御部206も有している。
【0052】
具体的には、上記振動検出手段202としては、例えば圧電素子のような機械電気変換や加速度センサを用いることができ、この振動検出手段202は、上述のように処理容器22の外側に設けられる。ここでは上記振動検出手段202は、熱拡散板61が割れた時の振動が最も伝わり易い支柱60の下部側であって、この支柱60の下端部が固定されている部分に設けられる。具体的には、振動検出手段202は、電極66に連結された導電棒78の下端部であって処理容器22の外側に位置する部分に直接的に取り付けられており、上記熱拡散板61に割れが生じた時の振動を高精度に捉えるようになっている。この導電棒78の上端は、接続端子78Aを介して上記熱拡散板61に直接的に接続されているので、この導電棒78は、熱拡散板61に割れが入った時には、この時に発生する微細な振動が最も効果的に伝わることになる。従って、このような導電棒78に上記振動検出手段202を取り付けておくことにより、効果的に振動を捕捉することができる。
【0053】
また上記割れ検出手段204は、振動検出手段202で検出した振動をフーリエ変換(FFT)により周波数分解するフーリエ変換周波数分解部207と、続いて周波数分解した波形を選別するデジタルフィルタ部208とを有している。このデジタルフィルタ部208は、熱拡散板61の形状や割れ態様に応じて決まる複数の固有の周波数帯域の振動のみを通すようになっている。ここでは上記固有の周波数に対応させた2個のフィルタ208A、208Bを有している。このフィルタの数は2個に限定されず、更に多くの数のフィルタを設けるようにしてもよい。なお、フーリエ変換周波数分解部207の前段には、図示しないが増幅器やA/D変換器が設定されている。上記フィルタ208A、208Bの各周波数帯域は、フィルタ制御部210により制御されている。
【0054】
上記熱拡散板61は複数の固有振動数を持つことが知られている。これが割れたときは発する振動数も同様に複数の振動数となることが予想される。また、上記熱拡散板61に割れが入る場合には、経験的な種々存在し、図6には割れの代表的な例を示している。図6に示すように、熱拡散板61の割れは、この周縁部に形成されているボルト孔176を起点として生ずる場合が多く、図6(A)の熱拡散板61は、2つのボルト孔176を通って亀裂212Aが入って全体が2分割になった場合を示している。
【0055】
また図6(B)の熱拡散板61は、2つのボルト孔176間を結んで亀裂212Bが入った場合を示している。図6(A)及び図6(B)の割れのケースを比較すると、前者は後者に比べて、発生する振動数が低く、振幅が大きい。尚、実際には上記ボルト孔176を通らない亀裂の生ずる場合もあり、ここではその記載は省略している。
【0056】
そして、上記図6(A)〜図6(B)の各割れ態様に応じて発生する振動情報である振動周波数に対応させて、上記フィルタ208A〜208Bの周波数帯域を設定している。例えば第1のフィルタ208Aは図6(A)の割れ態様に対応し、周波数帯域を例えば400〜600Hzの範囲内に設定している。また第2のフィルタ208Bは図6(B)の割れ態様に対応し、周波数帯域を例えば1300〜1400Hzの範囲内に設定している。
【0057】
上記熱拡散板61の上記したような割れ態様が発生した時の各振動周波数は、予め経験的に求められており、この情報は予め定められて上記割れ検出装置制御部206に記憶されている。そして、この情報に基づいて上記フィルタ制御部210を介して各デジタルフィルタ部208A〜208Bが制御されることになる。
【0058】
尚、ここでは発明の理解を容易にするために、前述したように2種類の代表的な割れ態様を一例として示しているが、実際には更に多くの割れ態様が存在し、これに対応した数のフィルタ等が設けられることになる。
【0059】
そして、この割れ検出手段204の後段には上記フィルタ208A〜208Bに対応させて複数個、すなわち2つの比較器214A〜214Bが設けられており、ここで予め定められた閾値と比較して閾地以上の信号を受けた時に割れ振動信号として割れ検出装置制御部に向けられ出力するようになっている。上記各比較器214A〜214Bの閾値は、比較器制御部211により制御されている。図5では上記各構成部分における波形の一例も併せて示しており、各構成部分の機能を大略的に示している。
【0060】
そして、この割れ検出装置制御部206には、オペレータに警報を発するための警報発生部216が接続されている。この警報発生部216は、例えば割れが発生したことを点灯して示す警報ランプ216Aや割れの発生をメッセージで示すディスプレイ216Bを有している。また、これと同時に、割れが発生したことを示す信号は、装置制御部180へも伝えられ、現在処理中のウエハの処理を行った後に、次のウエハの処理を中止するようになっている。
【0061】
次に、以上のように構成されたプラズマを用いた処理装置20の動作について、図7も参照して説明する。図7は本発明方法の第1実施例の各工程を示すフローチャートである。まず、未処理の半導体ウエハWは、図示しない搬送アームに保持されて開状態となったゲートバルブ42、搬出入口40を介して処理容器22内へ搬入され、このウエハWは、上昇された押し上げピン152に受け渡された後に、この押し上げピン152を降下させることにより、ウエハWを載置台構造54の各支柱60に支持された載置台58の熱拡散板61の上面に載置してこれを支持する。
【0062】
次に、シャワーヘッド部24へ各種の処理ガスを、それぞれ流量制御しつつ供給して、このガスをガス噴射孔32A、32Bより噴射して処理空間Sへ導入する。そして、排気系48の真空ポンプ52の駆動を継続することにより、処理容器22内の雰囲気を真空引きし、そして、圧力調整弁50の弁開度を調整して処理空間Sの雰囲気を所定のプロセス圧力に維持する。この時、ウエハWの温度は所定のプロセス温度に維持されている。すなわち、載置台58の加熱手段64を構成する内周ゾーン発熱体68A及び外周ゾーン発熱体68Bにヒータ電源制御部134よりそれぞれ電圧を印加することにより発熱させている。
【0063】
この結果、各ゾーン発熱体68A、68Bからの熱でウエハWが昇温加熱される。この時、熱拡散板61の下面中央部と周辺部とに設けた熱電対80、81では、内周ゾーンと外周ゾーンのウエハ(載置台)温度がそれぞれ測定され、この測定値に基づいてヒータ電源制御部134は、各ゾーン毎にフィードバックで温度制御することになる。このため、ウエハWの温度を常に面内均一性が高い状態で温度制御することができる。この場合、プロセスの種類にもよるが、載置台58の温度は例えば700℃程度に達する。
【0064】
またプラズマ処理を行う時には、高周波電源38を駆動することにより、上部電極であるシャワーヘッド部24と下部電極(グランド電極)である載置台58との間に高周波を印加し、処理空間Sにプラズマを生成して所定のプラズマ処理を行う。これにより、例えばTi膜等の金属膜やTiN膜の金属窒化膜等が形成される。
【0065】
ここで上記載置台構造54における機能について説明する。まず、加熱手段の内周ゾーン発熱体68Aへは機能棒体62であるヒータ用の給電棒70、72を介して電力が供給され、外周ゾーン発熱体68Bへはヒータ用の給電棒74、76を介して電力が供給される。また載置台58の中央部の温度は、その測温接点80Aが載置台58の下面中央部に接するようにして配置された熱電対80を介して上記ヒータ電源制御部134に伝えられる。
【0066】
この場合、上記測温接点80Aは内周ゾーンの温度を測定している。また、外周に配置された熱電対81は外周ゾーンの温度を測定しており、測定値は上記ヒータ電源制御部134へ伝えられる。このように、上記内周ゾーン発熱体68Aと上記外周ゾーン発熱体68Bへの供給電力はそれぞれフィードバック制御に基づいて電力が供給される。
【0067】
そして、機能棒体62である上記各ヒータ用の給電棒70、72、74、76、熱電対80、81及び導電棒78は、上端が載置台58の載置台本体59の下面に気密に熱溶着された細い支柱60内にそれぞれ個別(熱電対80、81は1本の支柱)に挿通されている。そして、同時に、これらの支柱60は載置台58自体を起立させて支持している。
【0068】
また、各ヒータ用の給電棒70〜76を挿通する各支柱60内は、不活性ガス、例えばN ガスにより減圧状態で封止されており、ヒータ用の給電棒70〜76の酸化が防止されている。また、導電棒78を挿通する支柱60内へは、不活性ガス路122を介して不活性ガスとして例えばN ガスが供給されており、このN ガスは、この載置台本体59の上面に形成した溝部88(図4参照)を介して熱電対80、81を挿通する支柱60内にも供給され、更には、この載置台本体59と熱拡散板61との接合面にも供給されるので、この接合面の僅かな隙間を介して載置台58の周辺部から放射状に不活性ガスが放出されるので、この内部に処理空間Sの成膜ガス等が侵入するのを防止することができる。
【0069】
さて、このような状況において、ウエハWに対する処理が繰り返し行われると、載置台58の昇温及び降温が繰り返されることになる。すると、例えば窒化アルミニウムよりなる薄い熱拡散板61の熱伸縮の繰り返しに起因して、熱拡散板61にひび割れや亀裂等の割れが生ずることがある。そして、この割れの発生の有無は本発明に係る割れ検出装置200によって検出するようになっている。すなわち、この熱拡散板61に割れが発生すると、割れが発生した時に前述した図6に示すような割れ態様に応じて異なる周波数の微小な振動が発生する。
【0070】
この割れに伴って発生した振動は、この載置台構造54全体に伝わることになるが、特にこの熱拡散板61に直接的に接続されている導電棒78に対して強く伝わることになる。この導電棒78に伝った特有の振動は、導電棒78の下端部に取り付けてある割れ検出装置200の振動検出手段202により検出される(図7のS1)。実際には、処理装置20にはウエハWの搬送に伴う振動や、各種バルブの制御に伴う振動やポンプの駆動に伴う振動などの各種の振動もノイズとして上記割れに伴って発生する振動と共に、上記振動検出手段202により検出されることになる。この振動検出手段202によって得られた振動は電気信号に変換されて割れ振動信号として割れ検出手段204へ伝えられる。
【0071】
この割れ検出手段204のフーリエ変換周波数分解部207では、上記割れ振動信号をフーリエ変換によって周波数分解し、後段のデジタルフィルタ部208へ向けて出力する。デジタルフィルタ部208では、前述したように割れ態様に応じて発生する固有の振動数に対応させた複数のフィルタ208A〜208Bが設けられている。従って、各フィルタ208A〜208Bに設定した周波数帯域に適合した振動信号のみが、このデジタルフィルタ部208を通過して後段に伝わって行くことになる。この結果、熱拡散板61の割れ態様に応じた振動信号のみが後段の比較部214側へ伝わることになる(図7のS2)。
【0072】
この比較部214に伝わる振動信号には、前段のデジタルフィルタ部208を通過した周波数帯域の振動成分でも非常に弱い信号がノイズ成分として入っている場合もあるので、ここに設けた比較器214A〜214Bによって予め設定されている閾値以下の弱い信号成分を遮断している。従って、この比較部214からは、熱拡散板61の割れ態様に応じた固有の振動数の信号が割れ振動信号として割れ検出装置制御部206に向けて出力されることになる。例えば図6(A)に示すような亀裂212Aが発生した場合には、この時に発生する振動数の信号が割れ振動信号として上記割れ検出装置制御部206に向けて出力される。
【0073】
この割れ振動信号を受けた割れ検出装置制御部206は、警報発生部216の警報ランプ216Aを点灯させるなどしてオペレータにその旨を伝えると共に、ディスプレイ216B上に特定の割れ態様の割れが発生したことを表示し、その旨をオペレータに伝える。また、割れが発生した旨は、この処理装置20の全体の動作を行う装置制御部180へも伝えられ、予め定められた制御動作を行う。例えば現在処理中のウエハWの処理が完了した後は、次にウエハWの処理は中止するように制御することになる。
【0074】
このように、処理中に熱拡散板61に割れが発生した場合には、リアルタイムで割れの発生を迅速に且つ簡単に検出することができる。従って、熱拡散板61に割れが発生していても、これを認識しないまま成膜処理を行うことを抑制して欠陥製品ウエハの発生を未然に阻止できるので、製品の歩留まりの低下を防止することができる。また、従来行われていた品質確認用のウエハを処理する回数を抑制することができるのみならず、この品質確認用のウエハの処理自体をなくすことができる。
【0075】
尚、上記実施例では、割れ検出手段204のデジタルフィルタ部208に複数のフィルタ208A〜208Bを設けたが、これに限定されず、このデジタルフィルタ部208に1つだけフィルタを設けて各割れ態様応じた特定の複数の周波数帯域に対してフィルタ制御部210により高速でスキャンさせるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施例では、振動検出手段202を導電棒78の下端部に取り付けたが、これに限定されない。例えば熱拡散板61の割れ振動が伝わる部位として、図4に示すポイントP1に示す支柱固定台92やポイントP2に示す給電棒70(72〜76)の下端部やポイントP3に示す熱電対80(81)の下端部やポイントP4に示す処理容器22の底部44に振動検出手段202を取り付けるようにしてもよい。更には、上記振動検出手段202を支柱60の内部に設ける用にしても良い。また、ここでは熱拡散板61内に電極66を埋め込んだ載置台58を例にとって説明したが、電極66を設けない熱拡散板を有する載置台58についても本発明を適用することができる。
【0077】
このように、本発明によれば、処理すべき被処理体Wを載置するための熱拡散板61を有する載置台58を処理容器22の底部から支柱により起立させて設けてなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、処理容器22の外側に振動検出手段202を設け、振動検出手段202で得られる信号中から熱拡散板61の割れ態様に応じて発生する振動数の信号である割れ振動信号を検出する割れ検出手段204を設けるようにしたので、製品の生産性を低下させることなく熱拡散板61の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出することができる。
【0078】
<第2実施例>
次に本発明の割れ検出装置200の第2実施例について説明する。先の第1実施例では熱拡散板61が割れた時に発生する固有の振動を検出するようにしていたが、これに限定されず、熱拡散板61が割れた時に生ずる隙間内に薄膜が堆積することによって引き起こされる浮遊容量やインピーダンスの変化を検出することによって熱拡散板61の割れを検出するようにしてもよい。
【0079】
図8はこのような本発明の割れ検出装置200の第2実施例を示すブロック構成図、図9は熱拡散板に入った割れの隙間内に薄膜が形成された時のインピーダンス変化を説明するための図、図10は電極と加熱ヒータ間に信号電圧を印加する時の浮遊容量の電位の一例を示す図、図11は本発明方法の第2実施例の各工程を示すフローチャート、図12はインピーダンスの周波数特性の変化の一例を示す図である。ここで用いる処理装置に関しては図1乃至図4を参照して説明した場合と同様に構成されており、図8では載置台58の説明に必要な部分のみを模式化して示している。そして、図8では先に説明した構成部分と同一構成部分については同一参照符号を付している。
【0080】
図8に示すように、この割れ検出装置200の第2実施例では、載置台58の熱拡散板61に設けた電極66と載置台本体59に設けた加熱手段64である加熱ヒータ68との間に形成された浮遊容量に信号電圧を印加する信号電圧源218と、この浮遊容量に起因する電気的特性を検出する特性検出部220と、この特性検出部220における検出結果と予め定められている基準値とを比較して割れの有無を判断する割れ判断部222とにより主に構成されている。そして、この装置全体の動作を制御するために例えばコンピュータ等よりなる割れ検出装置制御部224が設けられている。また、この割れ検出装置制御部224には、先の第1実施例で説明したものと同じ警報発生部216が接続されている。
【0081】
具体的には、上記熱拡散板61に設けた電極66の導電棒78に接続される配線144からは引出線226を引き出している。また、ヒータ用の給電棒の内、外周ゾーン用のヒータ用の給電棒74に接続される配線140からは引出線228を引き出している。尚、この引出線228を他方のヒータ用の給電棒76に接続される配線142から引き出してもよい。このように、外周ゾーン用のヒータ用の給電棒74、76を用いる理由は、ボルト孔176(図4参照)が形成されている熱拡散板61の周縁部に前述したように割れが入り易いからである。
【0082】
そして、一方の引出線、例えば引出線228に上記信号電圧源218が接続されている。この信号電圧としては、例えば一定の周期を有するパルス波を用いることができる。ここで上記電極66と加熱ヒータ68との間は熱拡散板61や載置台本体59を構成する誘電体を挟んで配置されているので、両者間に浮遊容量が発生しており、上記信号電圧によってこの浮遊容量を充電して電荷を蓄積するようになっている。
【0083】
上記特性検出部220は容量測定用抵抗220Aを有しており、上記引出線226、228は、この容量測定用抵抗220Aに接続されている。これにより、上記信号電圧を上記浮遊容量に印加した時に容量測定用抵抗220Aに加わる電圧及びこれに流れる電流に基づいて電気的特性を検出する。この電気的特性とは、浮遊容量の容量の大きさや信号電圧の印加時の到達電位や信号電圧の印加や遮断に伴う充放電時の時定数が対応することになる。
【0084】
上記割れ判断部222は、上記特性検出部220で得られた検出結果と、ここで予め定められている基準値とを比較する。この基準値としては、熱拡散板61に割れが生じていない状態で成膜処理を行った時の上記したような電気的特性を用いる。この電気的特性は予め求められており、この割れ判断部222や割れ検出装置制御部224に記憶されている。
【0085】
また、上記電極66と加熱ヒータ68との間に信号電圧を印加する際には、これらの電極66と加熱ヒータ68とを一時的に電気的な浮遊状態にする必要があり、このためのスイッチングを行うスイッチ手段230を有している。具体的には、このスイッチ手段230は、導電棒78の配線144の途中に介設した開閉スイッチ230Aと、ヒータ用の給電棒74、76の各配線140、142の途中に介設した開閉スイッチ230B、230Cと、両引出線226、228の途中に介設した開閉スイッチ230D、230Eとを有しており、上記割れ検出装置制御部224により開閉が制御される。
【0086】
上記3つのスイッチ230A〜230Cと2つのスイッチ230D、230Eは互いに反対になるように開閉され、例えば割れの検査を行うためにスイッチ230D、230Eが閉じられる時には、他方の3つのスイッチ230A〜230Cは逆に開かれ、割れの検査を行わない時はスイッチ230D、230Eが開かれて、他方の3つのスイッチ230A〜230Cは逆に閉じられる。
【0087】
次に、この割れ検出装置の第2実施例の動作について図11も参照して説明する。図11は本発明方法の第2実施例の各工程を示すフローチャートである。ここでは電気的特性としては、浮遊容量の大きさを用いて割れの有無を判断する場合を例にとって説明する。
【0088】
まず、半導体ウエハWに対する成膜処理は、先に第1実施例を参照して説明した場合と同様に行われる。熱拡散板61に亀裂等の割れが無い状態で成膜処理が繰り返し行われると、図9(A)に示すように載置台58の上面や側面に少しずつ不要な薄膜232が堆積するだけである。しかし、図9(B)に示すように熱拡散板61に亀裂212等の割れが入った状態で成膜処理を繰り返し行うと、この亀裂212の僅かな隙間から成膜ガスが内部に侵入し、熱拡散板61と載置台本体59との界面部分や上記亀裂212の隙間に沿って不要な薄膜234が堆積することになる。この不要な薄膜234は、この部分における浮遊容量やインピーダンスを変化させるように作用する。このため、この変化を信号電圧源218からの信号電圧により測定することになる。
【0089】
図9において右側の図は左側の図の等価回路を示している。図9(A)では、既存分の浮遊容量C1及び抵抗R1が示されている。これに対して、熱拡散板61に割れが入って不要な薄膜234として例えばTi膜やTiN膜などの金属の膜、或いは金属含有膜が堆積すると、等価回路では上記浮遊容量C1と並列に変化分の浮遊容量C2と抵抗R2とインダクタンスL1が接続された状態となる。尚、上記”C1”や”R1”の値は、予め割れ検出装置制御部224に記憶されて基準値として用いられることになる。
【0090】
そして、図10(A)に示すような周期が”T”、パルス幅が”T/2”、パルス高さが”E”となるようなパルス状の信号電圧を上記電極66と加熱ヒータ68との間に印加すると、上記浮遊容量C1、C2に起因して両者間に図10(B)に示すような電位が容量測定用抵抗220Aに発生する。
【0091】
この場合、熱拡散板61に割れが入っていない正常な熱拡散板61の場合(図9(A)参照)には、充電時のピーク電圧は”Ea”となり、時間”ta”を要してゼロ電位になる。これに対して、熱拡散板61に割れが入って亀裂212や界面に不要な薄膜234が堆積して異常な熱拡散板61になっている場合(図9(B)参照)には、充電時のピーク電圧は上記”Ea”よりも低い”Eb”となり、上記時間”ta”よりも短い時間”tb”を要してゼロ電位になる。また放電時には電位の方向は逆になって上述した内容と同様な状態となる。この時に得られる静電容量(Q=CV)が予め求めたレベルまで至った時に、割れが生じている、と判断することになる。
【0092】
次に、この検出動作を具体的に説明する。まず、割れ検出装置200は、割れ検出装置制御部224により検出動作の開始に先立って、スイッチ手段230を制御し、各配線140、142の開閉スイッチ230B、230C及び配線144の開閉スイッチ230Aを共に開状態として、外周ゾーン用の加熱ヒータ68B及び熱拡散板61中の電極66を共に電気的に浮遊状態にする。そして、引出線226、228に設けた各開閉スイッチ230D、230Eを共に閉状態にする。そして、信号電圧源218を駆動して、上記電極66と加熱ヒータ68との間に形成される浮遊容量にパルス状の信号電圧(図10(A)参照)を印加して遮断する信号電圧付与工程を行う(S11)。
【0093】
この時の電流や電圧の変化は特性検出部220における容量測定用抵抗220Aの電圧及びこれに流れる電流を検出することによりモニタされており(図10参照)、上記浮遊容量に起因する電気的特性を検出する(S12)。ここでは前述したように、図10(B)に示すようなグラフの特性が得られ、この時に測定された電圧や電流から浮遊容量の大きさ、信号電圧の印加時の到達電圧、信号電圧の印加時又は遮断時の時定数が求められる。ここでは例えば浮遊容量の大きさを求める。
【0094】
そして、割れ判断部222では、上記特性検出部220で求めた電気的特性である浮遊容量の大きさと基準値(図9(A)に示す時の値)とを比較し、この差が予め定めた閾値を超えたか否かを判断する(S13)。この基準値や閾値は、割れ検出装置制御部224の指示により適宜変更することができるようになっている。
【0095】
そして、上記比較判断の結果は、割れ検出装置制御部224へ伝えられ、割れが発生して亀裂部分等にある程度の薄膜が堆積した場合には、それに対応する処理が行われることになる。すなわち、割れ振動信号を受けた割れ検出装置制御部224は、警報発生部216の警報ランプ216Aを点灯させるなどしてオペレータにその旨を伝えると共に、ディスプレイ216B上に特定の割れ態様の割れが発生したことを表示し、その旨をオペレータに伝える。また、割れが発生した旨は、この処理装置20の全体の動作を行う装置制御部180へも伝えられ、予め定められた制御動作を行う。例えば現在処理中のウエハWの処理が完了した後は、次にウエハWの処理は中止するように制御することになる。
【0096】
このように、処理中に熱拡散板61に割れが発生した場合には、リアルタイムで割れの発生を迅速に且つ簡単に検出することができる。従って、熱拡散板61に割れが発生していても、これを認識しないまま成膜処理を行うことを抑制して欠陥製品ウエハの発生を未然に阻止できるので、製品の歩留まりの低下を防止することができる。また、従来行われていた品質確認用のウエハを処理する回数を抑制することができるのみならず、この品質確認用のウエハの処理自体をなくすことができる。
【0097】
ここでは、信号電圧を1パルス印加する毎に電気的特性の検出動作を行うようにしたが、これに限定されず、複数パルス毎に電気的特性の検出動作を行うようにしてもよい。また、割れ判断部222で用いる電気的特性は、複数回測定した時の平均値を用いるようにしてもよい。また、正常な範囲内での経時的な変化を割れと誤判断しないように、電気的特性を定期的に測定してその測定結果を記憶しておき、前回の測定結果と今回の測定結果の比や差分の値と閾値を比較するようにしても良い。また、ここでは電気的特性として浮遊容量の大きさを求めた場合を例にとって説明したが、これに替えて信号電圧の印加時の到達電圧や時定数を用いてもよいのは勿論であり、更にはこれらの電気的特性を複数個組み合わせて用いるようにしてもよい。また、上記信号電圧源218からのパルス波の周波数を可変させ、各々の周波数のときの経路のインピーダンスを測定すると、C2、R2、L1などの変化に応じ、図12に示すようにインピーダンスZはZ0からZ1のように変化が生じる。この変化分が予め求めたレベルまで至った時に、割れが生じている、と判断することになる、
【0098】
尚、上記処理装置で成膜処理を行う場合には、スイッチ手段230において、引出線226、228の開閉スイッチ230D、230Eは開状態とし、配線140、142の各開閉スイッチ230A、230B、230Cを共に閉状態とするのは勿論である。
【0099】
このように、本発明によれば、電極が埋め込まれてその上に処理すべき被処理体を載置する熱拡散板61と、熱拡散板61を支持すると共に加熱手段64として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体59とを有する載置台58を処理容器の底部から支柱により起立してなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、電極と加熱ヒータとの間に形成される浮遊容量に信号電圧を印加する信号電圧源218を設け、浮遊容量に起因する電気的特性を検出する特性検出部220を設け、特性検出部の検出結果と予め定められている基準値とを比較して割れの有無を判断する割れ判断部222を設けるようにしたので、製品の生産性を低下させることなく熱拡散板の亀裂やひび割れ等の割れを迅速に且つ容易に検出することが可能となる。
【0100】
尚、上記第1及び第2実施例では、細い複数の管状の支柱60を用いた処理装置の場合を例にとって説明したが、これに限定されず、直径の大きな管状の支柱を用いた処理装置にも本発明を適用できるのは勿論である。また、本実施例では、プラズマを用いた処理装置を例にとって説明したが、これに限定されず、電極として静電チャック用の電極を設けた処理装置でもよいし、熱拡散板61内に電極66を設けていない例えば熱CVD等の熱処理用の処理装置にも、本発明を適用できるのは勿論である。
【0101】
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、ガラス基板、LCD基板、セラミック基板等にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
20 処理装置
22 処理容器
24 シャワーヘッド部(ガス供給手段)
38 高周波電源
48 排気系
54 載置台構造
58 載置台
59 載置台本体
60 支柱
61 熱拡散板
62 機能棒体
64 加熱手段
66 電極
68 発熱体
68A 内周ゾーン発熱体
68B 外周ゾーン発熱体
70,72,74,76 ヒータ用の給電棒
78 導電棒
80,81 熱電対
92 支柱固定台
200 割れ検出装置
202 振動検出手段
204 割れ検出手段
206 割れ検出装置制御部
207 フーリエ変換周波数分解部
208 デジタルフィルタ部
208A〜208B フィルタ
210 フィルタ制御部
214 比較部
214A〜214C 比較器
216 警報発生部
218 信号電圧源
220 特性検出部
220A 容量測定用抵抗
222 割れ判断部
224 割れ検出装置制御部
230 スイッチ手段
W 半導体ウエハ(被処理体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理すべき被処理体を載置するための熱拡散板を有する載置台を処理容器の底部から支柱により起立させて設けてなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、
前記処理容器の外部に設けられる振動検出手段と、
前記振動検出手段で得られる信号中から前記熱拡散板の割れ態様に応じて発生する振動数の信号である割れ振動信号を検出する割れ検出手段と、
を備えたことを特徴とする割れ検出装置。
【請求項2】
前記振動検出手段は、機械電気変換素子よりなることを特徴とする請求項1記載の割れ検出装置。
【請求項3】
前記割れ検出手段は、前記割れ振動信号をフーリエ変換して周波数の分解を行なうフーリエ周波数変換部と、前記周波数変換した信号から特定の周波数帯域の信号を選別するデジタルフィルタ部と、前記選択すべき周波数帯域を制御するフィルタ制御部と、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の割れ検出装置。
【請求項4】
前記デジタルフィルタ部は、前記割れ態様の数に応じたフィルタを有していることを特徴とする請求項3記載の割れ検出装置。
【請求項5】
前記割れ検出手段の出力を予め定められた閾値と比較する比較部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項6】
前記熱拡散板には、電極が埋め込まれており、前記載置台は、前記熱拡散板を支持すると共に加熱手段として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項7】
前記載置台は、前記熱拡散板を支持すると共に加熱手段として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項8】
前記振動検出手段は、前記支柱内に挿通されて前記電極に接続された導電棒に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項9】
前記振動検出手段は、前記支柱の下端部側を前記処理容器の底部に固定する支柱固定台に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項10】
前記振動検出手段は、前記支柱内に挿通されて、その上端部が前記加熱ヒータに接続された給電棒に設けられることを特徴とする請求項6又は7記載の割れ検出装置。
【請求項11】
前記振動検出手段は、前記支柱内に挿通されて前記載置台の温度を測定する熱電対に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項12】
前記振動検出手段は、前記処理容器の底部に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項13】
電極が埋め込まれてその上に処理すべき被処理体を載置する熱拡散板と、前記熱拡散板を支持すると共に加熱手段として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体とを有する載置台を前記処理容器の底部から支柱により起立してなる載置台構造の割れを検出する割れ検出装置において、
前記電極と前記加熱ヒータとの間に形成される浮遊容量に信号電圧を印加する信号電圧源と、
前記浮遊容量に起因する電気的特性を検出する特性検出部と、
前記特性検出部の検出結果と予め定められている基準値とを比較して割れの有無を判断する割れ判断部と、
を備えたことを特徴とする割れ検出装置。
【請求項14】
前記電極は前記支柱内を挿通される導電棒に接続され、前記加熱ヒータは前記支柱内を挿通される給電棒に接続され、前記信号電圧は前記導電棒と前記給電棒との間に印加されることを特徴とする請求項13記載の割れ検出装置。
【請求項15】
前記割れ検出装置が検出動作を行う時には前記加熱ヒータと前記電極とを電気的に浮遊状態にするスイッチ手段を有することを特徴とする請求項13又は14記載の割れ検出装置。
【請求項16】
前記電気的特性は、前記信号電圧の印加時の到達電圧と、前記信号電圧の印加時又は遮断時の時定数と、前記浮遊容量の大きさと、インピーダンスの周波数特性の内のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項17】
前記信号電圧は、パルス状に加えられており、1パルス毎又は複数パルス毎に前記検出動作を行うことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の割れ検出装置。
【請求項18】
前記信号電圧のパルス周波数は可変になされていることを特徴とする請求項17に記載の割れ検出装置。
【請求項19】
排気が可能になされた処理容器と、
前記処理容器内へ必要なガスを供給するガス供給手段と、
前記処理容器内で処理すべき被処理体を載置する載置台構造と、
請求項1乃至18のいずれか一項に記載の割れ検出装置と、
を備えたことを特徴とする処理装置。
【請求項20】
前記処理容器内にプラズマを生成するプラズマ生成手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の処理装置。
【請求項21】
処理すべき被処理体を載置するための熱拡散板を有する載置台を処理容器の底部から支柱により起立させて設けてなる載置台構造の割れを検出する検出方法において、
前記載置台構造に発生する振動を検出する振動検出工程と、
前記振動検出工程で得られた振動から前記熱拡散板の割れ態様に応じて予め定められている情報に基づいて前記熱拡散板が割れた時に生じる振動を割れ振動信号として検出する割れ検出工程と、
を有することを特徴とする割れ検出方法。
【請求項22】
前記予め定められている情報は、前記熱拡散板が割れた時に生ずる振動情報であることを特徴とする請求項21記載の割れ検出方法。
【請求項23】
電極が埋め込まれてその上に処理すべき被処理体を載置する熱拡散板と、前記熱拡散板を支持すると共に加熱手段として加熱ヒータが埋め込まれた載置台本体とを有する載置台を前記処理容器の底部から支柱により起立してなる載置台構造の割れを検出する割れ検出方法において、
前記電極と前記加熱ヒータ間に形成される浮遊容量に信号電圧を印加して遮断する信号電圧付与工程と、
前記信号電圧を印加した時又は遮断した時に前記浮遊容量に起因する電気的特性を検出する特性検出工程と、
前記特性検出工程で得られた電気的特性と予め定められている基準値とを比較して前記熱拡散板の割れの有無を判断する割れ判断工程と、
を有していることを特徴とする割れ検出方法。
【請求項24】
前記電気的特性は、前記信号電圧の印加時の到達電圧と、前記信号電圧の印加時又は遮断時の時定数と、前記浮遊容量の大きさと、インピーダンスの周波数特性の内のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項23記載の割れ検出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−187576(P2011−187576A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49711(P2010−49711)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】