加圧燃料電池カートリッジ
圧縮ガス室部および液体燃料室部を有する燃料サプライが開示される。圧力調整器が圧縮ガス室部を液体燃料室部に連結する。圧力調整器は圧縮ガス室部から高圧力入力を受け取ることができ、液体燃料室部に実質的に一定の低出力圧力を供給して液体燃料室部から液体燃料を取り出すことができる。圧縮ガス室部の圧力は時間の経過とともに減少するけれども、燃料を液体燃料室部から駆動する圧力は実質的に同一のレベルを維持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的には、燃料電池用の燃料カートリッジに関し、より具体的には、この発明は、加圧燃料電池カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、反応物、すなわち燃料および酸素の化学エネルギを直流(DC)の電気に直接的に変換する装置である。多くの用途において、燃料電池は、化石燃料の燃焼のような従来の発電やリチウムイオン電池のような携帯用蓄電池より効率が良い。
【0003】
一般に、燃料電池技術は、アルカリ燃料電池、高分子電解質燃料電池、リン酸燃料電池、溶融炭酸燃料電池、固体酸化物燃料電池、および酵素燃料電池のような様々な異なった燃料電池を含む。今日、より重要な燃料電池は、いくつかのカテゴリ、すなわち、(i)燃料として圧縮水素(H2)を利用している燃料電池、(ii)アルコール、例えばメタノール(CH3OH)、金属水化物、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、炭化水素、または水素燃料に改質される他の燃料を用いるプロトン交換膜(PEM)燃料電池、(iii)非水素燃料を直接に消費できるPEM燃料電池、すなわち直接酸化燃料電池、および、(iv)高温で炭化水素燃料を直接電気に変換する固体酸化物燃料電池(SOFC)を含む。
【0004】
電気を発生させる化学反応は燃料電池のそれぞれのタイプごとに異なる。DMFCでは、各電極での化学電気反応と直接メタノール燃料電池に関する総合的な反応は以下のとおり記述される:
アノードでの半反応:
CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e−
カソードでの半反応:
1.5O2 + 6H+ + 6e− → 3H2O
全体の燃料電池反応:
CH3OH + 1.5O2 → CO2 + 2H2O
【0005】
PEMを通る水素イオン(H+)がアノードからカソードを通り抜けてマイグレーションするために、また、自由電子(e−)がPEMを通り抜けられないため、電子は外部回路を通って流れなければならず、外部回路を通して電流を生じさせる。この外部回路は、モバイルすなわちセル電話、計算機、パーソナルデジタツアシスタンツ、ラップトップコンピュータ、電力ツールなどの有益な消費者向けの電子製品であってよい。
【0006】
DMFCは、特許文献1(米国特許第4,390,603号)および特許文献2(米国特許第4,828,941号)に開示されており、詳細は参照してここに組み入れる。一般に、PEMはNafion(商標)などのポリマーから作られており、これはDuPontから入手可能であり、厚さが約0.05mm〜約0.50mmの範囲のペルフルオポリマー、その他の膜である。アノードは、典型的には、白金ルテニウムなどの触媒の薄層によってサポートされたテフロン(Teflonized)のカーボン紙から製造される。カソードは、典型的には、白金粒子が膜の一面に接着されるガス拡散電極である。
【0007】
化学金属水素化物燃料電池において、水素化ホウ素ナトリウムは以下のように改質され反応する。
NaBH4+2H2O→(加熱または触媒)→4(H2)+(NaBO2)
アノードでの半反応:
H2→2H++2e−
カソードでの半反応:
2(2H++2e−)+O2→2H2O
【0008】
この反応に適切な触媒は、白金およびルテニウム、その他の金属である。水素化ホウ素ナトリウムを改質して生成された水素燃料は燃料電池中で、酸化剤例えばO2と反応させられ、電気(すなわち電子の流れ)および水の副産物を生成する。ホウ酸ナトリウム(NaBO2)の副産物もこの改質プロセスで生成される。水素化ホウ素ナトリウム燃料電池は特許文献3(米国特許第4,261,956号)に検討されており、参照してここに組み入れる。
【0009】
燃料電池を利用する際により重要な特徴の1つは、液体燃料の燃料電池への搬送、例えば、メタノールをDMFCへ搬送すること、あるいは、液体燃料反応物の反応室部への搬送、例えば、水および添加物を搬送して金属水素化物と反応させることである。液体燃料/反応物を搬送する既知の手法は、ウィッキングまたは毛管現象作用、液体燃料/反応物の加圧を含む。これら手法を採用する際に遭遇する問題は、燃料をウィッキングする際の流速の制御や、加圧源で燃料を加圧する際の安定した圧力を維持することである。
【0010】
従って、液体燃料・反応物を搬送する手法が背景技術において必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,390,603号
【特許文献2】米国特許第4,828,941号
【特許文献3】米国特許第4,261,956号
【発明の概要】
【0012】
この発明は、液体燃料または液体燃料反応物(以下では集合的に「液体燃料」と呼ぶ)を、強制的に、燃料電池、または、液体燃料反応物を加水分解して水素を生成する反応室部へおくる加圧源を伴う、燃料サプライを実現する。この加圧源は、当初、高圧であり、燃料サプライの予期された寿命の間にその圧力を減少させて良い。他方、液体燃料を駆動する圧力は実質的に一定のレベルに維持可能である。
【0013】
1実施例において、この発明の燃料サプライは、圧縮ガス室部および液体燃料室部を有する。圧力調整器が圧縮ガス室部を液体燃料室部に連結する。圧力調整器は、圧縮ガス室部から高圧入力を取り出し、実質的に一体のより低い圧力を液体燃料室部に供給する。圧縮ガス室部の圧力は時間の経過に従って減少して良いが、液体燃料室部から液体燃料を強制的に送る圧力は同一のレベルに実質的に維持される。したがって、燃料電池または反応室部は予期可能な、または受容可能な圧力で液体燃料を受け取る。
【0014】
添付図面は明細書の一部を形成し、それとの関連で把握されるべきであり、種々の図において類似の参照番号は類似の部分を指し示すものとして用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明に従う燃料サプライの正面側斜視図であり、燃料電池またはその燃料電池が給電する装置から部品を示すものである。
【図2】図1の燃料サプライの正面側斜視図であり、燃料サプライのバルブを開にするように働く連結チューブの他の、装置側の部品を省いたものである。
【図3】図2の燃料サプライの分解斜視図である。
【図4】図2の燃料サプライの一部分解して示す断面図である。
【図5】図4の燃料サプライの拡大部分図であり、燃料サプライの加圧室部を圧力調整器に連結するバルブを示すものである。
【図6】図4の燃料サプライの拡大部分図であり、燃料サプライを、燃料電池に、またはこの燃料電池に給電される装置に連結するバルブを示すものである。
【図7】図5のバルブの代替例を示すものである。
【図8】図6のバルブの代替例を示すものである。
【図9A】適切な圧力調整器の断面図である。
【図9B】適切な圧力調整器の分解図である。
【図10A】他の適切な圧力調整器の断面図である。
【図10B】他の適切な圧力調整器の分解図である。
【図11A】他の適切な圧力調整器の断面図である。
【図11B】他の適切な圧力調整器の分解図である。
【図12A】他の適切な圧力調整器の断面図である。
【図12B】他の適切な圧力調整器の分解図である。
【図12C】図12A、図12Bの圧力調整器の他の例の断面図である。
【図13】この発明に従う他の加圧燃料サプライの分解斜視図である。
【図14】図4の燃料サプライに燃料ゲージを付した例の断面図である。
【図14A】燃料ゲージの正面図である。
【図15a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図15b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図15c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図15d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図16a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図16b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図16c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図16d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図17a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図17b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図17c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図17d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図18a】この発明に従う事例のバルブ要素の断面図である。
【図18b】この発明に従う事例のバルブ要素の分解斜視図である。
【図19a】この発明に従う他の事例のバルブ要素の断面図である。
【図19b】この発明に従う他の事例のバルブ要素の分解斜視図である。
【図20a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図20b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図20c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図20d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図21a】この発明に従う他の事例のバルブ要素の断面図である。
【図21b】この発明に従う他の事例のバルブ要素の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
10 燃料サプライ
16 第1バルブ
18 第2バルブ
20 圧力調整器
22 装置バルブ
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面に示され以下に詳細に検討するように、この発明は燃料サプライに向けられており、この燃料サプライは燃料電池燃料、例えば、メタノールおよび水、メタノール/水の混合物、メタノール/水の種々の濃度の混合物、純粋なメタノールおよび/または、メチレンクラスレートを貯蔵し、これは、米国特許第5,364,977号および同第6,512,005号B2に記載されており、その内容は参照してここに組み入れる。メタノール、および他のアルコールは、多くの種類の燃料電池、例えば、DMFC、酵素燃料電池、および改質燃料電池、その他において使用可能である。燃料サプライは他の種類の燃料電池燃料、例えば、エタノールまたは他のアルコール;金属水素化物、例えば水素化ホウ素ナトリウム;水素に改質可能な他の化学物質;または燃料電池の性能や効率を改善させる化学物質を内包してよい。燃料は、水酸化カリウム(KOH)電解質含み、これが金属燃料電池またはアルカリ燃料電池とともに使用でき、燃料サプライ中に貯蔵できる。金属燃料電池に対しては、燃料はKOH電解質反応溶液に浸漬された液体担持亜鉛粒子の形態をしており、電池空洞中の陽極は亜鉛粒子からなる粒状陽極である。KOH電解質溶液は、「1または複数の負荷に電力供給するように構成された燃料電池システムの使用方法」という題名で2003年4月24日に公開された米国公開特許出願第2003/0077493号に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、メタノール、過酸化水素、および硫酸の混合物を含み、これはシリコンチップ状に形成された触媒を通過して流れ燃料電池反応を生成する。燃料は、また、メタノール、水素化ホウ素ナトリウム、電解質、および他の化合物、例えば、米国特許第6,554,877号、同第6,562,497号、および同第6,758,871号に説明されているもののブレンドまたは混合物を含み、これらは参照してその内容をここに組みこむ。燃料は、また、米国特許第6,773,470号に説明されている、溶媒中に部分的に溶解し、部分的に懸濁するもの、ならびに、米国特許出願公開第2002/076602号に説明されている、液体燃料および固体燃料の双方を含むものを含む。適切な燃料は、また、2005年6月13日出願の、「水素発生カートリッジ用の燃料」という題名の、本願の出願人の出願に係る米国特許出願第60/689,572号に開示されているものでもある。これらは参照してその内容をここに組みこむ。
【0018】
燃料は、また、上述のように、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)のような金属素化物および水のような活性剤を含んで良い。燃料は、さらに、炭化水素燃料を含み、炭化水素燃料は、これに限定されないが、ブタン、灯油、アルコール、および天然ガスを含み、これは、「液体ヘテロインタフェース燃料電池デバイス」という題名で、2003年5月22日に公開された米国特許出願公開第2003/0096150号に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、燃料と反応する液体酸化剤を含む。したがって、この発明は、サプライ中に含有され、また、その他、燃料電池システムにより使用される、任意のタイプの燃料、活性剤、電解質溶液、酸化剤溶液または液体または固体に制約されない。ここで使用される用語「燃料」は、燃料電池または燃料サプライ中で反応することができるすべての燃料を含み、また、上述の適切な燃料、電解質溶液、酸化剤溶液、気体、液体、固体および/または化学物質ならびにこれらの混合物のすべてを含むが、これに限定されない。
【0019】
ここで使用される用語「燃料サプライ」は、これに限定されないが、使い捨てカートリッジ、再充填可能/再使用可能カートリッジ、電子製品内に配置されるカートリッジ、取り外し可能なカートリッジ、電子製品の外部に配置されるカートリッジ、燃料タンク、燃料再充填タンク、燃料を貯蔵する他のコンテナ、および、燃料タンクおよびコンテナに結合された管材を含む。1のカートリッジがこの発明の例示的な実施例との関連で以下に説明されるが、これら実施例は他の燃料サプライにも適用可能であり、この発明は燃料サプライのいかなる特定のタイプにも限定されないことに留意されたい。
【0020】
この発明の燃料サプライは、燃料電池で使用されない燃料を貯蔵するのに使用しても良い。これらの用途は、これに限定されないが、シリコンチップ上に構築されたマイクロガスタービン用の炭化水素および水素燃料を貯蔵することであり、”Here Come the Microengines”、The Industrial Physicist(2001年12月/2002年1月)、pp.20−25に検討されている。この出願の目的に関し、「燃料電池」はこれらマイクロエンジンも含む。他の用途は、内燃機関エンジン用の伝統的な燃料や、ポケットおよび実用ライター用の炭化水素例えばブタンおよび液体プロパンを貯蔵することである。
【0021】
図1〜図4を参照して、燃料サプライ10が示される。燃料サプライ10は任意の形状を伴って良く、この形状には、これに限定されないが図示の形状が含まれる。燃料サプライ10は、外側ケーシング12、蓋14、第1バルブ16、および第2バルブ18を具備する。蓋14は外側ケーシング12にぴったりと合い、O−リング13を用いてシールされる。シールは接着剤や超音波溶着によって実現しても良い。第1バルブ16は、圧力調整器20に係合するような寸法および形状を有し、第2バルブ18は装置バルブ22に係合するような寸法および形状を有する。1実施例では、燃料サプライ10は使い捨て可能であり、より好ましくはリサイクル可能である。より具体的には、外側ケーシング12がリサイクル可能、または再利用可能であり、内側ライナー28および/または蓋14が使い捨て可能である。圧力調整器20および装置バルブ22は好ましくは再利用可能であり、燃料電池、またはこの燃料電池が給電する装置に接続され、またはその一部をなし、コストを抑えるようになっている。
【0022】
図3〜図5を参照して内部部品が詳細に示され、これらの図において、燃料サプライ10は、圧縮ガス室部24および液体燃料室部26を具備し、ここで、液体燃料がライナー28内に維持される。先に検討したように、液体燃料は、燃料電池によって触接に使用される燃料、例えば、メタノールおよびエタノールであってよい。液体燃料は、反応室部内で加水分解して、燃料電池を給電する水素を生成する液体反応物、例えば、固体金属水素化物と反応して水素燃料を生成する、水、または他の活性剤であってもよい。
【0023】
第1バルブ16は、圧縮ガスが、燃料サプライ10の加圧または圧縮ガス室部24を出て圧力調整器20に入るようになし、つぎに減圧ガスが燃料サプライ10に引き入れられた減圧ガスと混ざり、液体燃料室部26に送られライナー28に圧力を加える。第1バルブ16は、バルブ本体30を具備し、加圧ガス室部24の側壁とぴったりと合い、O−リング32によってシールされる。内側の中央ポスト34はバルブ本体30に固定して、例えば締まりばめにより、取り付けられ、内側の中央ポスト34とバルブ本体30との間の相対的な移動が実質的にないようになされる。流れチャネル36は内側の中央ポスト34の幹部分とバルブ本体30との間に形成される。1例においては、幹部分の形状は円筒であり、幹部分の一部が削り落とされて平坦面を形成するようになっている。内側の流れチャネル36は、この平坦面とバルブ本体30との間に形成され、これは図3および図5に最も良く示される。内側の弾性シール38が、図示のとおり、内側の中央ポスト34の頭部およびバルブ本体30の頂部の間に配置され、内側の流れチャネル36のシールを実現するようになっている。第1バルブ16は外側の中央ポスト40も具備し、これが、内側の中央ポスト34の回りに環状に配置され、図示のとおりその間に空間を残す。外側の中央ポスト40も、バルブ本体30に固定して、例えば締まりばめにより、取り付けられ、内側の中央ポスト34とバルブ本体30との間の相対的な移動が実質的にないようになされる。外側の流れチャネル42は外側の中央ポスト40の外側回りに形成され、減圧ガスが圧力調整器20から燃料サプライ10に再び入るようになす。燃料サプライ10内において、外側チャネル42は液体燃料室部26へと再方向付けられ、これは図5に最も良く示される。外側の弾性シール44は外側の流れチャネル42に対するシールを実現し、外側の中央ポスト40の頭部およびオプションのキャップ46の下方に配置される。キャップ46は省略可能であり、バルブ本体30が外側の弾性シール44に合致するように上方に伸びても良く、または弾性シール44がバルブ本体30に合致するように下方に伸びても良い。
【0024】
内側の流れチャネル36は外側の流れチャネル42の内側にあるように示されているけれども、これら2つのチャネルは逆の順番で、あるいは、隣り合って配列されて良い。
【0025】
図3および図5に示すように、第1バルブ16は閉止され、またはシールされる。バルブ16を開にするには、チューブ48を第1バルブ16中へ押し込む。チューブ48は内側チューブ50および外側チューブ52を有する。これらチューブは相対的な位置を維持するために、例えば、スポークまたはウェブ(図示しない)によって連結されてよい。内側チューブ50は、内側の中央ポスト34および外側の中央ポスト40の間に空間54にちょうど入るような寸法および形状を伴い、外側チューブ52は、外側の中央ポスト40および蓋140の間に空間56にちょうど入るような寸法および形状を伴う。内側チューブ50は内側の弾性シール38を押圧して流れ経路36を開にし、外側チューブ52は外側の弾性シール44を押圧して流れ経路42を開にする。圧縮ガスが流れ経路36を通じて燃料サプライ10を出て、減圧ガスが流れ経路42を通じて再び入り、液体燃料を加圧する。
【0026】
この発明の創造的な側面においては、第1バルブ16は中央ポスト34、40を有するので、これは交換可能ではない。具体的には、バルブ16は、正確な直径のチューブ48が中央ポスト34、40の回りの環状空間に挿入されて、弾性シール38、44が押圧された後のみに、開になる。中央ポスト34、40は、より大きな、またはより小さな径の外来物体(例えば、ペン、鉛筆、紙クリップ、指、その他)がバルブを開にするのを阻止するように構成されている。中央ポスト34および40は、ポストおよびバルブ本体の間の相対的な移動が限定される限り、種々の手法、例えばスナップフィット、接着、超音波溶着等によりバルブ本体30に結合されて良い。好ましくは、中央ポスト34、40は充填処理の後またはその最中に組み立てられて良い。この結果、燃料のカートリッジへの流れが、他の設計手法に比べて、より速くなり、また制約がより少なくなる。
【0027】
第2バルブ18は、液体燃料を燃料サプライ10から出すように構成されているだけである点を除いて、第1バルブ16と類似している。第2バルブ18はバルブ本体58および中央ポスト60を有し、これらは、実質的に、上述の第1バルブ18の内側の中央ポスト34と類似である。弾性シール62が第2バルブ18をシールし、流れチャネル64が内側ポスト60およびバルブ本体58の間に形成されている。ライナー28はシール状態でバルブ本体58に結合される。チューブ66の形状および寸法は、第2バルブ18中に空間68を入れ込み、弾性シール62を押圧し、第2バルブ18を開にして、流れチャネル42からの圧縮ガスにより強制的に燃料サプライ10から離れるようになすようなものになっている。
【0028】
オプションとして、チューブ48または66が非標準サイズである。換言すれば、それらの寸法は、家庭やオフィスに通常散見される物品の寸法と異なり、これにより、シール部材38、44、または62が不用意に押圧されるのがより困難になるようになっている。代替的には、チューブ48または66は非円形または多角形(正規または非正規)の断面を伴うべきである。もちろん、中央ポスト34、40または60はこれらチューブを収容するために適合する形状を有しなければならない。
【0029】
図7〜8に示される代替的な実施例において、弾性シール38、44および62はO−リング38’、44’、および62’よって置き換えられる。中央ポスト34’および40’は、O−リングとともにシールを実現する環状のシール表面を実現するように変更される。この実施例の中央ポスト60’は外側リング61’を具備して、チューブ66が入り込んで第2バルブ18を開にする空間68’を実現する。
【0030】
図5〜8や他の図面に説明されるように、バルブ16および18の、チューブ48および66に対面する、頂部表面は、係合面として終端してもよい。
【0031】
燃料サプライ10の予定寿命の間、液体燃料を押し出すのに必要な、圧縮ガス室部24の高圧力は、以下に示される、理想気体の法則により決定できる。
((P・V/T)24+(P・V/T)26)initial = ((P・V/T)24+(P・V/T)26)final
ここで、液体燃料室部26について
P=液体燃料をライナー28/燃料室部26から第2バルブ18を通じて駆動するのに必要な圧力であり、1実施例では、これは「x」ゲージ圧(psig)または(14.7+x」psi絶対圧(psia)であり、xは所望駆動圧力;燃料室部26の職圧力は14.7psia、すなわち0psigであるべきであり;燃料室部26の最終圧力は(14.7+x)psia、すなわちxpsigであるべきである。
V=液体燃料室部26の体積;
T=液体燃料室部26の温度(絶対)であり、これは典型的には雰囲気温度である。
ここで、圧縮ガス室部24について
P=初期圧力−決定されるべきもの;室部24の最終圧力はxpsig、すなわち(14.7+x)psiaであるべきである。
V=圧縮ガス室部24の体積;
T=典型的には雰囲気温度。
2つの温度は同一であるべきだから、等式から除去できる。
(P・V)24,initial+(P・V)26,initial = (P・V)24,final+(P・V)26,final
P24,initial = {(P・V)24,final+(P・V)26,final − (P・V)26,initial}/V24
1実施例にいて、50ccの体積の液体燃料室部26が、液体燃料を第2バルブ18から押し出すのに2psig、すなわち16.7psiaの圧力が必要であり、圧縮ガス室部24の体積が24であると、圧縮ガス室部24の初期圧力は以下のように計算される。
P24,initial={(16.7*5)+(16.7*50)−(14.7*50)}/5
P24,initial=36.7psia(または22psig)
同様に、圧縮ガス室部24の体積が10ccの体積であると、初期圧力は26.7psiaすなわち12psigとなるであろう。
【0032】
高い初期内部圧力が直接に液体燃料室部26に連通されるならば、ライナー28は圧力スパイクを受け、液体燃料は比較的高速度で燃料サプライ10から離れ、これは好ましくないであろう。さらに、より多くの液体燃料が燃料サプライ10から搬送されるにつれて、液体燃料室部26内の圧力は時間の経過とともに連続して減少し、液体燃料は連続して減少し続ける速度で燃料サプライ10から出て行くことになる。そして、液体燃料を受け取る燃料電池または反応室部は可変する液体燃料速度を調整しなければならない。
【0033】
変化する液体燃料速度は、図1において参照番号20で模式的に示される圧力調整器を、圧縮ガス室部24および液体燃料室部26の間に挟み込むことにより解決される。圧力調整器は広範囲の入口圧力、例えば2psigから200psigを受け取ることができ、出口圧力を一定のレベル例えば2psigに制御できる。図3〜4を参照すると、圧縮ガス室部24は燃料サプライ10内に位置決めされるが、圧縮ガス室部24は燃料電池の内部または燃料電池で給電される装置の内部に位置決めされて良く、またそれ自体別のカートリッジであってもよい。
【0034】
以下の表1は、図1〜8に示される燃料サプライの実験的なシミュレーション結果を示し、ここでは、圧力調整器20は圧縮ガス室部24および液体燃料室部26の間に挟み込まれる。実験的なシミュレーションは以下のように実行された。3.3cm3の容量修正注射器の形態の圧縮ガス室部24が、ボールバルブにより流れが制御されている管を介して外部サプライから供給される約80psiの空気により圧縮された。管はガス室部24から圧力調整器20への流れのためにも用いられた。ガス室部20および圧力調整器20の間に配置された0〜100psiの圧力センサーを用いてこの高圧入力が測定された。
【0035】
圧力調整器20を使用して、液体燃料、すなわち脱イオン水を液体燃料室部26から駆動する、実質的に一定の低出力圧力を生成し、液体燃料室部26は35cm3の容積の修正注射器の形態であった。修正されたT字器具が圧力調整器20および液体燃料室部26を連結した。圧力調整器20および液体燃料室部は流体的に転結され、Mettler Toledo XS204化学天秤上に配置され、この天秤が液体燃料、すなわち脱イオン水の重量を測定した。液体燃料を液体収集ブレーカーへ供給する管を介して、液体燃料が液体燃料室部26を出ていった。ここで、この管はその端部で0.45μmのフィルタ(Millex−HPS HV Filter、パーツ番号SLHVM25NSであり、マサチューセッツ州、ビレリカのMillipore社から商業的に入手できる)および0.0025インチの直径のオリフィス(パーツIBLP−2E−SS、コネチカット州トランブルのO’Keffe Controls社から商業的に入手できる)を有していた。0〜30psiの圧力センサが液体燃料室部26および流体収集ブレーカーの間に配置され、流体圧力を測定し、これは、当業者であれば、出力圧力と等価であることを容易に理解できるであろう。
【0036】
当初、実験的なシミュレーションにおいて、調整された出力圧力は空気を管線の外の追い出し、1.6psiあたりに安定化した。その後、ボールバルブが閉じて外部の80psiの空気サプライを圧縮ガス室部24から隔離した。実験的なシミュレーションの間、入力圧力、出力圧力、および燃料重量(すなわち修正された注射器液体燃料室部26の中の水の重量)が測定された。測定は215分(12902.5秒)にわたって0.5秒ごと行われた。ただし、正確にいうと、表1の結果は選択した時間、すなわち、0秒、0.5秒(液体燃料室部26が脱イオン水で満たされたとき)、55秒(圧縮ガス室部24が約80psiの空気で加圧されたとき)、300秒ごとの時間間隔、そして12902.5秒の測定値を示すだけである。燃料重量は、化学天秤を校正するときとシミュレーションを開始するときの間、+1.2256だけ調整され、この間、負荷を支持する管がシフトしていた。シミュレーションの最後近くのわずかな負の重量値は化学天秤に固有なエラーを反映するものである。
【0037】
この結果は、圧力調整器20が約80psiの高圧力の入力を圧縮ガス室部24から受け入れ、約1.6psiから約0.3psiの実質的に一定の低い出力圧力を供給し、当初約30グラムの脱イオン水で満たされていた液体燃料室部26から、液体を駆動できることを示す。圧縮ガス室部24の圧力は時間の経過とともに約80psiから約12psiへと減少して良いが、液体燃料を液体燃料室部26から駆動する圧力は実質的に同一のレベルの約1.6psiから約0.3psiに維持される。当業者には容易に理解できるように、出力圧力の比較的ささいな変化は、燃料電池または反応室部の反応に受容できる予測可能な圧力で当該液体燃料または反応室部が液体燃料を受け取ることができる受容可能な範囲のものである。液体燃料が比較的いっていな流速で液体燃料室部26を出る際に、その重量は約30グラムから約0グラムに減少する。
【0038】
ここで用いられるように用語「実質的に一定」は、圧力変動があったとしても、それが約+−2.0psiより小さく、好ましくは、+−1.5psiより小さく、より好ましくは約+−1.0psiより小さいことを意味する。ここで使用されるように用語「低い圧力」(low pressure)または「より低い圧力」(lower pressure)は約5psi以下の圧力、好ましくは約3psi以下の圧力、より好ましくは約2psi以下の圧力を意味する。
【表1】
【0039】
入力圧力、出力圧力、および燃料サプライの圧力の、経過時間の関数としてのチャートを以下に示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【0040】
圧力調整器20を伴わないで、燃料サプライ10の他のシミュレーションが行われ,2psigの圧縮ガスの既知の外部源を用いて燃料をライナー28からバルブ18を介して駆動した。燃料サプライ10からの出力圧力が実質的に一定かどうか、ライナーを圧縮し、燃料をバルブ18を横切って押し出すのに必要な圧力降下は、受容可能かどうか、また流速は実質的に一体化どうかを確かめるように、シミュレーションは設計された。出力圧力はバルブ18からの流れの下方で測定される。その結果は以下の表2に示される。
【表5】
【0041】
経過時間の関数としての、流速、出力圧力および残留燃料が以下に示される。
【表6】
【0042】
経過時間の関数としての、出力圧力および流速のみを示す他のチャートが、この発明の燃料サプライが燃料サプライの寿命の実質的な機関を通じて実質的に一定の流速および出力圧力を実現することを示すために、以下に示される。ライナー28を圧縮し燃料をバルブ18を通じて押し出すのに必要な圧力降下は受容可能な範囲であることに留意されたい。
【表7】
【0043】
これに限定されないが、空気、窒素、二酸化炭素、不活性ガス等を含む任意のタイプのガスを圧縮ガス室部24内に貯蔵できる。この発明はいずれのタイプの圧縮ガスにも限定されない。圧縮ガス室部24は、液化炭化水素、例えばシガレットライター内に用いられるものを含んでも良い。液化炭化水素を用いる利点は、小さな体積の液化炭化水素が著しく大きな体積の圧縮ガスに変化し、このため、圧縮ガス室部24の体積を著しく小さくできる点である。適切な液化炭化水素は、これに限定されないが、ブタン、イソープロパン、ディーゼル、ガソリンを含む。液体またはゲル形態のメタノールおよび他のアルコールも利用可能である。圧縮ガス室部24内で利用可能な適切なガスおよび他の物質は、米国特許出願番号第11/243,767号として本出願人より2005年10月5日に出願された米国公開特許出願第US2007/0077470A1号、および、米国特許出願番号第11/244,218号として本出願人より2005年10月5日に出願された米国公開特許出願第US2007/0077463A1号に開示されている。これらは参照してここに組み入れる。
【0044】
多数の適切な圧力調整器20が、米国特許出願番号第11/327,580号として本出願人より2006年1月6日に出願された米国公開特許出願第US2006/0174952A1号に説明されている。’952参考文献の内容は参照してここに組み入れる。
【0045】
図9Aおよび9Bは、第1の圧力調整器126を示し、これは’952参考文献の図4Aおよび4Bとして説明されている。参照を容易にするために’952参考文献で使用した参照番号をここでも使用する。圧力調整器バルブ126は圧力反応膜140を含む。ただし、この実施例において、膜140は2つのハウジング要素、すなわちバルブハウジング146およびバルブカバー148に間に挟まれ、その中央を通って形成された穴149を具備し、これは図9Bに最も良く示される。さらに、空洞129がバルブハウジング146およびバルブカバー148の間に形成されて膜がチャネル143の入り口圧力、チャネル145の出口圧力、および基準圧力Prefに従って移動、すなわち曲がることができる。バルブハウジング146は、調整器バルブ126の流路を形成する内部構造を具備する。具体的には、バルブハウジング146の内部にチャネル143および145が形成され、チャネル143が入り口圧力に露呈して第1バルブ16が開のときに圧縮ガス室部24に流体的に連通し、チャネル145が出口圧力に露呈して第1バルブ16が開のときに液体燃料室部26と流体的に連通する。さらに、排出チャネル141がバルブカバー148に形成され膜140が基準圧力Prefに露呈され、これは雰囲気圧力であってよい。代替的には、膜は参照圧力に対してバネバイアスされていてよい。
【0046】
バルブハウジングチャネル143はスライド可能にバルブステム142を収容するように構成される。バルブハウジングチャネル143は、バルブハウジング146およびバルブカバー148の中間位置、またはその近くで狭くなるように構成され肩部137を形成するようになっている。バルブステム142は好ましくは細いステム部分138およびキャップ131を具備する一体の要素である。この構成により細いステム部分138がバルブハウジングチャネル143の狭い部分を通って延び、他方、キャップ131は肩部137に引っかかる。そして、キャップ131および肩部137の双方はシール面を含み、キャップ131が肩部137に当たるときにバルブ126を通る流路を肩部137で閉止する。さらに、グロメット147が膜140内の穴149にバルブステム142を固着し、これによって、膜140およびバルブステム142の間にシールおよび強固な結合が形成される。したがって、膜140が移動するとき、バルブステム142も移動してキャップ131が肩部137に当たり、または底から外れてバルブ126を開成、または閉成させる。
【0047】
圧力調整器126が第1バルブ16に連結されると、上述のとおり、圧縮ガス室部24からの比較的高い圧力が入口143に連通される。圧力調整器からの出口145における出口圧力は、第1バルブ16を通じて流れチャネル42へと連通して液体燃料室部26を加圧する。液体燃料室部26内の圧力が、燃料サプライ10から液体燃料を押し出すのに必要な圧力より小さいときには、圧力調整器126は図9Aに示すように開構成であり、この場合、膜は屈曲されず、バルブステム142のキャップ131は肩部137から外れている。そして、圧縮ガスは圧力調整器126を通って流れ、液体燃料室部26へと入る。液体燃料室部26中の圧力が上述のとおり「x」psiに達すると、膜140は、バルブステム142のキャップ131が肩部137に着座して圧力調整器126を閉止する程度に、バルブカバー148方向に屈曲する。液体燃料室部26からさらに多くの液体燃料が搬送されると、ライナー28の体積が減少して、この結果、液体燃料室部26内部の圧力を減少させる。このように圧力が減少すると、膜140がバルブカバー140から離れるように移動し、バルブステム142を開位置に移動させ、さらなる圧縮ガスが液体燃料室部26へと入り、サイクルを再開させる。
【0048】
そのポイントで圧力調整器126が開または閉成する出口圧力Poutletは、バルブステムの長さ、キャップ131が開位置および閉位置の間で移動するギャップ、膜140の柔軟性すなわちバネ定数を調整し、および/または、Prefを調整して制御可能である。ステム138は、グロメット147に対して移動可能なような寸法および形状とされステム138の長さを調整できるようになっている。ステム138のグロメット147およびキャップ131の間の長さが大きくなればなるほどバルブ126を閉止するための圧力が大きくなる。好ましくは、出口圧力は実質的に一定、または許容範囲に維持され、基準圧力Prefはそのような出口圧力を実現するように選択ないし調整される。換言すれば、Prefは、入り口圧力が予め定められた量を上回ったときに膜140が閉止してチャネル145における出口圧力が大きくなったり変動したりするのを最小化するように、設定される。
【0049】
他の圧力調整器226が図10Aおよび10Bに示され、これは、’952参考文献において図4C−4Dとして開示されるものである。バルブハウジング248がバルブキャップ247に固着されているので、圧力調整器226は先に検討した圧力調整器126に類似している。バルブキャップ247中に入り口部243が形成され、これが圧縮ガス室部24に連結され、他方、圧力調整出口部245はバルブハウジング248中に形成され、これが液体燃料室部26に結合される。穴251がバルブキャップ247の下方部分に形成される。好ましくは、穴251は圧力調整器226の長さ方向軸から若干芯ずれしている。
【0050】
変形可能でキャップ状のシリンダ250がバルブキャップ247およびバルブハウジング248の間に挟まれ保持される。キャップ状のシリンダ250は上方端259、下方端287、およびそこに形成された穴またはチャネル201を含む。キャップ状のシリンダ250は当業界で知られている任意の変形可能な、弾性材料、例えばゴム、ウレタン、またはシリコーンから製造される。キャップ状のシリンダ250は圧力反応膜と同様に機能する。
【0051】
上方端259はバルブキャップ247に隣接して配置されて、圧力調整器226を通って流体が流れないときに上端259がバルブキャップ247の下方の面と面一になるようになっている。上方端259の端部は位置固定されて上方キャップ259の残部が屈曲しても端部は固定してシールされたままであるようになす。
【0052】
下方端287はバルブハウジング248に隣接して配置される。空洞202がバルブハウジング248に形成され、これが下方端287の直下に配置されて下方端287が自由に屈曲できるようになっている。好ましくは、下方端287は上方端259と異なる直径を有し、これについては以下に説明する。
【0053】
リテーナ253は実質的に堅固な材料から製造され、キャップ状のシリンダ250を包囲する。リテーナ253は穴241を形成してキャップ状のシリンダ250およびリテーナ253の間に周回して形成される第2の空洞203を基準圧力Prefに連結する。第2の空洞203の部分205は下方キャップ287の頂部に沿い、またその表面で部分的に伸びるように構成される。
【0054】
圧力を調整するために、入り口ガス(または液体)が圧力調整器226に入り口243を通って入り穴251へと至る。穴251はキャップ247の上に形成された円形の溝またはリングであってよい。入り口243から入る入り口ガスまたは液体により付与される圧力が閾値に到達して上方端259を変形させるまで、上方端259が穴251をシールする。ガスが上方端259を変形させるとき、この変形がシリンダ250の本体を通じて伝達されて下方端287も変形させる。上方端259が変形すると、ガスが穴251を通り抜け、さらにキャップ状のシリンダ250を通じて出口245から調整された状態で排出される。
【0055】
キャップ状のシリンダ250に加えられた力は、加えられた圧力と圧力が露呈された面積との積であるからキャップ状のシリンダ250に働く力はつぎのようにまとめることができる。
入り口の力+基準の力←→出口の力
(入り口243のP・上方端259の面積)+(Pref・部分205の面積)←→(出口245のP・下方端287の面積)
出口の力が、入り口の力に基準の力を加えたものより大きいときに、圧力調整器226は閉止され、出口の力が、入り口の力に基準の力を加えたものより小さいときにバルブ226は開成される。この実施例では、出口の力が入り口の力および基準の力とバランスしなければならないので、下方端287の面積が、有利なことに、図示のとおり、上方端259の面積より大きくなっており、出口の圧力を大きくすることなしに、出口の力がより大きくできるようになっている。端259および287ならびに部分205の面積を可変することにより、キャップ状のシリンダ250の表面の力のバランスを制御でき、バルブ226を開成または閉止するのに必要な圧力差を決定できる。
【0056】
基準圧力Prefは下方端287を下方に押圧しがちであるので、この付加的な圧力が流れを開始させる閾値圧力を下げることができる。すなわち、基準圧力Prefは比較的大きく、ガスがキャップ状のシリンダ250を変形するのを支援する。基準圧力Prefは出口245を出るガスの圧力をさらに調整するために大きく、または小さくしてよい。
【0057】
他の実施例の圧力調整器426が図11Aおよび11Bに示され、これは、’952参考文献において図6A−6Bとして開示されるものである。圧力調整器426は、バルブ426が可撓性のキャップ状のシリンダ250の代わりにスライド可能なピストン450を具備する点を除けば、先に検討した圧力調整器バルブ226と類似である。バルブ426はバルブキャップ447に結合されたハウジング448を具備する。バルブキャップ447中に入り口443が形成され、これが圧縮ガス室部24に結合される。ただし、圧力統制された出口445は、液体燃料室部に連結され、これが、バルブハウジング448に形成される。穴451がバルブキャップ447の下方端に形成される。好ましくは、穴451は圧力調整器バルブ426の長さ方向軸から若干芯ずれしている。穴451はリングとして形成された複数の穴を含んで、入り口圧力がスライド可能なピストン450に均一に加わるようにしてよい。
【0058】
ピストン450はバルブキャップ447およびバルブハウジング448の間にスライド可能に配される。スライド可能なピストン450は第1の直径の上方部分459、第2の直径の下方部分487、およびこれを通るように形成された穴401を含み、好ましくは第2の直径は上方部分459の直径より大きい。スライド可能なピストン450は当業界で知られている任意の堅固な材料、例えば、プラスチック、エラストマ、アルミニウム、エラストマおよび堅固な材料の組み合わせ、その他から製造する。
【0059】
スペース402がバルブハウジング448中に形成されピストン450がキャップ447およびハウジング448の間をスライドできるようにしている。第2の空洞403がスライド可能なピストン450およびバルブハウジング448の間に形成される、空洞403は基準圧力Prefに結合される。空洞403の部分405は下方端487に対抗するように配置され、基準の力がピストン450に加わることが可能なようになっている。
【0060】
上方部分459はバルブキャップ447に隣接して配置されて、上述のとおり、出口の力が入り口圧力に基準圧力を加えたものを上回ると、上方部分459がバルブキャップ447の下方の面と面一になるようになりバルブ426を閉止し、これは図11Aに示すとおりである。出口の力が入り口圧力に基準圧力を加えたものより小さくなるとピストン450がハウジング448の方向に押されて流体、例えば水素ガスが入り口443から穴(複数でもよい)451および穴401を通って出口445へと流れだすことが可能になる。バルブ226に関連して先に説明したように、端部459および487ならびにスペース405の表面面積を可変にしてバルブ426の開成および閉止を制御できる。
【0061】
他の適切な圧力調整器が図12A−12Bに示されている。図12A−12Cは本出願人より2007年2月2日に出願された米国仮出願番号第60/887,918号に先に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。参照を容易にするために、仮出願’918に使用された参照番号の最初の数字をここで使用する際に変更して、先に使用された参照番号との重複を回避した。
【0062】
事例的な圧力調整器564は図12A〜図12Bに示される。調整器564は入口ハウジング566、出口ハウジング568、その間に配された保持部570を有する。ピストン572が保持部570内で移動可能に配される。第1のダイヤフラム574が入口ハウジング566および保持部570の間にクランプされ、第2のダイヤフラム576が出口ハウジング568および保持部570の間にクランプされる。入口ハウジング566は入口チャネル578を形成してこれが圧縮ガス室部24に結合され、出口ハウジング568は出口チャネル580を形成しこれが液体燃料室部26に連結される。保持部570の内部はピストン572を収容し、基準圧力に露呈可能であり、これは雰囲気圧力であってよい。ボール582は、入口チャネル578の直下の第1のダイヤフラム574の下に設けて入口チャネルのシールを確実にできる。図示のとおり、第1のダイヤフラム574は入口圧力に露呈され、第2のダイヤフラム576は出口圧力に露呈される。
【0063】
ピストン572に印可される力は、印可圧力と圧力の露呈面積の積であるので、ピストン572に作用する力は以下のようにまとめることができる。
入口ダイヤフラムの力は:
入口圧力×入口面積=基準圧力×入口面積+ピストンの力(上面)
出口ダイヤフラムの力は:
出口圧力×出口面積=基準圧力×出口面積+ピストンの力(下面)
上面の力は下面の力と等しいので、ピストンの力は双方の式において等しい。ピストンの力について双方の式を解き、等価にすると:
(入口P−基準P)×入口面積=(出口P−基準P)×出口面積
この式はつぎのように書き換えることができる:
(出口P−基準P)=(出口P−基準P)×入口面積/出口面積
基準圧力が0psi相対値または1気圧である場合には:
出口P=入口P×入口面積/出口面積
【0064】
基準圧力が0psi相対値でない場合には、ピストンの双方のサイドがそれぞれの面積に応じて基準圧力により影響を受ける。調整器の動作中に入口面積は変化する。出口圧力が入口を遮断するのに十分なほど大きくなる前に、入口面積はピストンの上面と等しい。出口圧力が入口を遮断するのに十分なほど大きくなった後は、入口面積は小さな入口開口へと縮みこむ。この特徴によって、若干の出口圧力減少を伴うピストンの発振を減少させる。
【0065】
出口の力が入口の力より小さいときには、入口の水素圧力が隔膜に働いて下方に移動させ、入口チャネル578から内側の円形のチャネル584への流路を開き、これが頂部の横方向チャネル586に連結され、これが外側の円形チャネル588および連結チャネル590に連結され、これが下側の横方向チャネル592および出口チャネル580に接続される。有利なことに、出口チャネル580は594の点で膨大化され、ガスを膨張させて排出前にいくらかさらに圧力を減少させる。出口チャネル580も膨大化され調整器564が燃料電池システムの他の部品と適合するようになっている。横方向のチャネル586および592は図12Aに示すようにボールによってシールされる。
【0066】
圧力調整器564の他の実施例が図12Cに示され、これは図12A〜図12Bの実施例と同様の態様で動作する。図12Cに図示されるように、調整器564は、出口ハウジング568の底部に取り付けられた、出口ダイヤフラム/ガスケット577および端部キャップ596をも具備する。端部キャップ596は、基準圧力をピストン572に連通させるチャネル、および、排出前に排出水素の圧力を大幅に降下させるため、より膨大化された出口チャネル580を具備してよい。ダイヤフラム/ガスケット577はO−リングにより置き換えて良い。
【0067】
この発明の他の側面によれば、燃料サプライ610は、図13に示すように、圧力調整器なしで実現できる。この燃料サプライも蓋14および内側ライナー28を具備する外側ケーシング12を有する。バルブ18を設けて、液体燃料を内側ライナー28から反応室部へ連通させるようにして水素を発生させ、または、液体燃料を内側ライナー28から燃料電池、あるいは燃料電池が給電する装置へ連通させる。圧力はバネクリップ612を介して内側ライナー28に加えられる。内側ライナー28に均等に圧力が分散されるように堅固な板614が内側ライナー28の各側部に設けられる。
【0068】
燃料サプライ中に残っている燃料の量を測定するために、燃料ゲージ700が図14および14Aに示すように設けられる。燃料ゲージ700はスレッド702および読み出し部704を有する。スレッド702は内側ライナー28の底または側部に一端を取り付けられている。燃料がライナー28から搬出される際に、ライナーは図14中で28’で示すように縮む。縮んだライナーはスレッド702を内側に引く。スレッドが引っ張られるときに、他の端部は読み出し部704に沿って移動して残留燃料の量を示す。読み出し部704を正確にマークするために較正を行う必要があり、読み出し部704上の区切りマーク(例えばE、1/4、1/2、3/4)を均等に間隔を置いて配置しなくても良い。
【0069】
ライナー28が、内側ライナー28に含まれる燃料の蒸発によって引き起こされるガスにより再膨張すると、スレッド702が柔軟であるので、再膨張した内側ライナーはスレッドを外側に押すことはなく、このため、燃料ゲージ700上の読み出し値は内側ライナーの再膨張によっては変化することがない。したがって、燃料ゲージ700の利点は単純さ、正確性、および再現性である。
【0070】
図15(a)〜15(c)および図16(a)〜16(c)に示すような、利用可能なタイプのバルブ16、18に戻って説明すると、第1バルブ16または第2バルブ18は、いずれかのバルブの入口の近傍に配置されるシール部材870(例えばO−リング、シール面、ワッシャー、オーバーモールド弾性部分、弾性部分、またはその他)を具備してよい。例えば、図15(a)〜15(c)、および図16(a)〜16(c)に示されるように、シール部材870は第2バルブ18のバルブ本体858の内部に形成された溝中に配されたO−リングであってよい。シールはバルブ本体858、シール部材870、および中央ポスト860の間に実現される。空間868がバルブ本体858および中央ポスト860の間に形成される。この実施例において、チューブ866は中央ポスト860より大きな寸法、形状とされ、チューブ866が空間868中に入れ込まれると、これがO−リング870を外側に押して、図15(b)および15(c)に示されるように、チューブ866および中央ポスト860の間に流れチャネル864が許容されるようになる。図15(c)に示すようにチューブ866をさらに挿入すると、チューブ866がバルブ本体858の内部に確実に配される。チューブ866が、図15(b)に示すように、最初に空間868に挿入されると、要素間シールが、オプションとして、チューブ866およびバルブ本体858の間に形成される。図15(d)はバルブ18およびチューブ866の分解図を示す。
【0071】
図16(a)〜(d)の実施例は図15(a)〜(d)の実施例と類似である。ただし、O−リング870により実現されるシールに加えて第2のシールが弾性シール862および中央ポスト870によって実現される。ここで、チューブ866がO−リング870を脇に押すときに、バルブ18が図16(b)に示すように、シールされたままであり、この後、図16(c)に示すように、チューブ866が弾性シール862を押圧して流れ経路864を形成する。図16(d)は係合するチューブ866およびバルブ18の分解図を示す。
【0072】
図15(a)〜15(c)および図16(a)〜16(c)の手順はバルブ18について示されるけれども、同様の手順がチューブ48およびバルブ16の間の要素間シールを形成し、この後、バルブ16内で内部シールを開にするために適用できる。
【0073】
バルブ16またはバルブ18のいずれかを閉止するための手順は上述の開手順と逆のプロセスに類似している。カートリッジ10は、まず、手作業で、あるいは、公知の排出機構を用いて自動的に、装置と係合解除され、いずれかの圧縮シール(例えば、弾性シール38、44、62、862O−リング38’、44’、および62’、またはシール部材870)が貯蔵エネルギーを開放し、その当初の位置に復帰する。有利なことに、1つの具体的な実施例では、圧縮シール自体はそれ自体で排出機構として働く。この結果、カートリッジ10を排出するために外部のバネ力が不要であり、カートリッジ10内の空間を節約する。カートリッジが排出され、弾性シールが元の位置に復帰したのちに、中央ポストは、再度、弾性シールと係合して燃料カートリッジへの流れパスを閉じる。
【0074】
図17(a)〜(d)はこの発明の他の実施例を示す。図示のとおり、連結バルブ872は2つのバルブ要素874および876を有する。1つのバルブ要素は燃料サプライまたは装置(例えば、燃料電池、再充填装置、または、燃料電池システムに使用して好適な任意の他の装置)のいずれかと係合され、他のバルブ要素が燃料サプライまたは装置の他方と係合される。好ましくは、第1のバルブ要素874が装置と係合され、第2のバルブ要素876が好ましくは燃料サプライと係合される。図17(a)〜17(c)は第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の連結と、その内部シールの開動作を示し、図17(d)は連結バルブ872の分解図を示す。
【0075】
第1のバルブ要素874は頂部部分877aおよび底部部分877bを伴う這う寝具を有する。頂部部分877aは、O−リング880と流体的に連結されたホースチューブ878を収容する。O−リング880は中央ポスト881との間で内部シールを形成し、これが、頂部ハウジング877aと一体に形成される。内側チューブ882は選択的にO−リング880を押圧するために設けられ、これが、直径方向に対抗する一対の開口884を具備する。内側チューブ882は外側チューブ886内にちょうど入るような寸法および形状を伴う。チューブ882および886はその間に流路の一部をなす空間を形成する寸法および形状を伴う。内側チューブ882および外側チューブ886の双方は底部876b内に配置され、スポークまたはウェブ(図示しない)によって連結されて相対的な位置を維持するようになっていてもよい。O−リング880が圧縮されていないとき、これが中央ポスト881に当接し、バルブ要素874をシールする。これが圧縮されるときには、バルブ要素874を通る流路が形成され、この流路がホースチューブ878から、圧縮されたO−リング880を通じて、チューブ882の空洞端部に至り、また開口884を通じ、また、内側チューブ882および外側チューブ886の間の空間を通じるようになっている。
【0076】
第2のバルブ要素876もいくつかの部品を有し、これには頂部部分888aおよび底部部分888bを具備するハウジング888が含まれる。有利なことに、中央ポスト890は底部部分888bに固定的に結合され、O−リング892との間で内部シールを形成する環状の座面を具備する。底部部分888bはホースチューブ894も具備し、これが、O−リング892と流体的に結合する。バルブ要素874の外側チューブ886も中央ポスト890より大きく、これにより、その間を流体が流れる。
【0077】
第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の双方はチャネル898中のボルト896によって一体に結合される。さらに、O−リング(図示しない)が第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の間に設けられ、2つのバルブ要素の間の要素間シールを容易に行えるようになっている。
【0078】
図17(a)は、第1のバルブ要素874を、第2のバルブ要素876と非結合の状態で示す。燃料サプライを燃料電池に結合して燃料を燃料サプライから燃料電池に搬送させるために、第1のバルブ要素874からの外側チューブ886が第2のバルブ要素876の中の中央ポスト890の回りの空間900に、O−リング892に至るまで、挿入され、これを図17(b)に示す。図17(c)において、第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876における内部シールが開にされて流路901が形成される。第1のバルブ要素874内の内部シールは、中央ポスト890が内側チューブを押すときに、開となり、この中央ポスト890はつぎにO−リング880を押圧する。第2のバルブ要素876内の内部シールは、第1のバルブ要素874の外側チューブ886がO−リング892を押圧するときに、開となる。流路は、第2のバルブ要素において、ホースチューブ894から、圧縮されたO−リング892の回りを経て、中央ポスト890および第1のバルブ要素874の外側チューブ886の間の空間を通じて形成される。図17(c)に示すように、流路901は、第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の内部の流路の組み合わせである。燃料は流路901を通じてホースチューブ878からホースチューブ894の方向または逆の方向のいずれにも流れて良い。
【0079】
流路901を形成する際に、第1のバルブ要素874は第2のバルブ要素876と同時に開となってよく、あるいは、2つのバルブ要素が、それらの間の結合が完了した後に、時間を定めて逐次的な態様で開となってもよい。当業者に容易に理解できるように、いくつかの状況下で、カートリッジ10への流路を開にする前に、装置への流路を開とすると、有利であり、例えば、装置は、カートリッジ10に貯蔵されている燃料へのアクセスに先立って、流体または気体を受容する準備を確実にすることができる。このような順次的な開成は、単に、内側チューブ882、外側チューブ886、または中央ポスト890の長さを調整することで実現できる。例えば、第1のバルブ要素874が装置側にあるならば、外側チューブ886を短くし、内側チューブ882または中央ポスト890を長くしてよい。この場合、中央ポスト890が、外側チューブ886のO−リング892との係合に先立って、内側チューブ882を移動させる。代替的には、第2のバルブ要素が装置側にあるとすると、外側チューブ886が長くされて、内側チューブ882の中央ポスト890との係合に先立って、O−リング892を押圧するようになしてもよい。このような構成のいずれも、あるいは、組み合わせによって、一方のバルブ要素がその流路を開とするストロークが、他方のバルブ要素より長くなり、これにより、一方のバルブ要素が他方のバルブ要素より長い開手順を伴うようになる。
【0080】
他の例の第1のバルブ要素874’が図18(a)および18(b)に示される。ここでは、中央ポスト881がハウジング877aに締まりばめにより結合され、下方のハウジング部分877bが外側チューブ886に組みあわされる。内側チューブ882は下方ハウジング877b/外側チューブ886に対して若干の上下動が可能であり、O−リング880を押圧または押圧解除する。このバルブ要素874’の動作は図18(a)〜11(d)において説明された第1のバルブ要素874と類似である。
【0081】
他の例の第1のバルブ要素874’’が図19(a)および(b)に示される。ここでは、中央ポスト881が、下方または外側に伸び、第1ハウジング部分877aに締まりばめにより結合されている。単一のチューブ882/886が内側チューブ882および外側チューブ886に置き換わり、O−リング880を押圧するように移動可能であり、これが上述のように、中央ポスト880とのシールを実現する。保持リング905は、チューブ882/886の外側リング903との干渉によって、バルブ要素874’’内にチューブ882/886を保持するようになっている。O−リング880が押圧されるとき、チューブ878から、中央ポスト881の小さな幹部の回りを経て、さらに、押圧されたO−リング880の回りを経て、チューブ882/886および中央ポスト881の間の空間に入る流路が形成される。図17(a)〜(d)に示されるように、チューブ882/886は、第2のバルブ要素876と結合されるときに、第2のバルブ要素876のO−リング892を、第1のバルブ要素874のO−リング880に加えて、押圧し、この押圧は先に検討したように、同時でも、逐次でもよい。
【0082】
図20(a)〜(d)を参照すると、他の例のバルブ18が示される。この実施例では、中央ポスト860がバルブ本体858と一体に製造されているけれども、別々に製造され、先に検討され、また以下に図21(a)〜(b)に関連して説明されるようにバルブ本体858に固着されて良い。この例では、シール部材862は非平坦なワッシャーすなわちリップワッシャーであり、これが中央ポスト860との間のシールを実現する。図20(a)に最もよく示されるように、リップワッシャー862はバルブ本体858および保持部材907の間に保持される。ワッシャー862のシール部分は、図示のとおり、内側に配向されて中央ポスト860を押圧してシールを実現する。この実施例では、保持部材907および中央ポスト860の間に空間868が設けられ、これがチューブ866を収容する寸法および形状を伴う。また、チューブ866および中央ポスト860の間に隙間が設けられ、これを通じて燃料が流れることが可能になっている。図20(b)に示すように、チューブ866は、それがリップワッシャー862に到達しさらに図20(c)に示すようにこれを超えるまで、空間868を通じてバルブ要素18中に挿入される。チューブ866が、一度、リップワッシャー862を超えて押し込まれると、図示のとおり流路864が形成される。
【0083】
図21(a)〜(b)は図20(a)〜(b)のバルブ要素の変形例を示す。これら2つのバルブ要素は相互に類似する。ただし、ワッシャー862は平坦なワッシャーであり、中央ポスト860がバルブ本体858と別個に製造されている。さらに、バルブ本体858にはその内部に切り出しチャネル909が形成され、流路864の一部をなす。
【0084】
この発明の他の実施例が、ここで開示された、この発明の当該明細書およびその実施を考慮して、当業者には明らかであろう。例えば、液体燃料室部26は内側ライナー28に代えて液体燃料区画およびガス区画を有してよく、これらが圧力調整器の出口に流体的に連通せれ、可動でシール状態のピストンにより分離される。もちろん、内側ライナーを可動ピストンとともに使用しても良い。代替的には、液体燃料室部26は、内側ライナーおよび可動ピストンに代えて、一端にウエイトを備え他端にバルブを連結させた柔軟性のあるチューブを具備して良い。柔軟性のあるチューブのウエイト付けされた端部は燃料サプライ10がどの配位でも液体燃料に接触することになり、液体/気体の界面で液体燃料に接触している圧縮ガスは圧力を供給して液体燃料を柔軟性のあるチューブを介してバルブ18の方へ駆動する。ウエイト付けされた柔軟性燃料チューブは米国特許公開第2006/0191199号に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0085】
さらに、圧縮ガス室部24は燃料サプライ10の外部に配置されて良い。例えば、装置/燃料電池の内部に区画が設けられ圧縮ガスカートリッジを収容できるようになっていてよく、この区画は、そこにガスカートリッジを挿入する際にガスカートリッジを破く。さらに、圧縮ガス室部24または圧縮ガスカートリッジはフォイルまたは他のガス非透過性の膜によりシールされてよく、これは最初の使用に先立って取り外されることができ、また燃料サプライ10/圧縮ガス室部24の保管寿命を長くする。
【0086】
第1および第2バルブ16および18は、カモノハシバルブ、またはボールバネバルブ、または、本出願人による出願に係る米国公開特許出願第US2005/0022883号、同第US2006/0196562号、国際公開特許出願第WO2006/050261号、および同第WO2006/088450号、並びに、米国特許第7,059,582号に開示されている、バルブに置き換えて良い。燃料サプライ10または装置/燃料電池は、燃料の速度、圧力または温度が高くなりすぎたときに燃料の流れを遮断するバルブ、例えば本出願人の出願に係る米国公開特許出願第US2006/0071088号に開示されているようなものを具備しても良い。これら参考文献の内容は参すべて照してここに組み入れる。
【0087】
また、外側ケーシング12もチェックバルブまたは排気バルブを有してよく、これは、外側ケーシング12の内部の圧力が予め定められたレベルに達したときに、外側ケーシング12内のガスを雰囲気中、または他の場所に排出することができるものである。
【0088】
この明細書および例は例示としてのみ意図されており、この発明の本来の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲およびその均等物により示される。この発明の他の実施例が、ここで開示された、この発明の当該明細書およびその実施を考慮して、当業者には明らかであろう。さらに、1つの実施例の要素または特徴を他の実施例に採用できる。
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的には、燃料電池用の燃料カートリッジに関し、より具体的には、この発明は、加圧燃料電池カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、反応物、すなわち燃料および酸素の化学エネルギを直流(DC)の電気に直接的に変換する装置である。多くの用途において、燃料電池は、化石燃料の燃焼のような従来の発電やリチウムイオン電池のような携帯用蓄電池より効率が良い。
【0003】
一般に、燃料電池技術は、アルカリ燃料電池、高分子電解質燃料電池、リン酸燃料電池、溶融炭酸燃料電池、固体酸化物燃料電池、および酵素燃料電池のような様々な異なった燃料電池を含む。今日、より重要な燃料電池は、いくつかのカテゴリ、すなわち、(i)燃料として圧縮水素(H2)を利用している燃料電池、(ii)アルコール、例えばメタノール(CH3OH)、金属水化物、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、炭化水素、または水素燃料に改質される他の燃料を用いるプロトン交換膜(PEM)燃料電池、(iii)非水素燃料を直接に消費できるPEM燃料電池、すなわち直接酸化燃料電池、および、(iv)高温で炭化水素燃料を直接電気に変換する固体酸化物燃料電池(SOFC)を含む。
【0004】
電気を発生させる化学反応は燃料電池のそれぞれのタイプごとに異なる。DMFCでは、各電極での化学電気反応と直接メタノール燃料電池に関する総合的な反応は以下のとおり記述される:
アノードでの半反応:
CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e−
カソードでの半反応:
1.5O2 + 6H+ + 6e− → 3H2O
全体の燃料電池反応:
CH3OH + 1.5O2 → CO2 + 2H2O
【0005】
PEMを通る水素イオン(H+)がアノードからカソードを通り抜けてマイグレーションするために、また、自由電子(e−)がPEMを通り抜けられないため、電子は外部回路を通って流れなければならず、外部回路を通して電流を生じさせる。この外部回路は、モバイルすなわちセル電話、計算機、パーソナルデジタツアシスタンツ、ラップトップコンピュータ、電力ツールなどの有益な消費者向けの電子製品であってよい。
【0006】
DMFCは、特許文献1(米国特許第4,390,603号)および特許文献2(米国特許第4,828,941号)に開示されており、詳細は参照してここに組み入れる。一般に、PEMはNafion(商標)などのポリマーから作られており、これはDuPontから入手可能であり、厚さが約0.05mm〜約0.50mmの範囲のペルフルオポリマー、その他の膜である。アノードは、典型的には、白金ルテニウムなどの触媒の薄層によってサポートされたテフロン(Teflonized)のカーボン紙から製造される。カソードは、典型的には、白金粒子が膜の一面に接着されるガス拡散電極である。
【0007】
化学金属水素化物燃料電池において、水素化ホウ素ナトリウムは以下のように改質され反応する。
NaBH4+2H2O→(加熱または触媒)→4(H2)+(NaBO2)
アノードでの半反応:
H2→2H++2e−
カソードでの半反応:
2(2H++2e−)+O2→2H2O
【0008】
この反応に適切な触媒は、白金およびルテニウム、その他の金属である。水素化ホウ素ナトリウムを改質して生成された水素燃料は燃料電池中で、酸化剤例えばO2と反応させられ、電気(すなわち電子の流れ)および水の副産物を生成する。ホウ酸ナトリウム(NaBO2)の副産物もこの改質プロセスで生成される。水素化ホウ素ナトリウム燃料電池は特許文献3(米国特許第4,261,956号)に検討されており、参照してここに組み入れる。
【0009】
燃料電池を利用する際により重要な特徴の1つは、液体燃料の燃料電池への搬送、例えば、メタノールをDMFCへ搬送すること、あるいは、液体燃料反応物の反応室部への搬送、例えば、水および添加物を搬送して金属水素化物と反応させることである。液体燃料/反応物を搬送する既知の手法は、ウィッキングまたは毛管現象作用、液体燃料/反応物の加圧を含む。これら手法を採用する際に遭遇する問題は、燃料をウィッキングする際の流速の制御や、加圧源で燃料を加圧する際の安定した圧力を維持することである。
【0010】
従って、液体燃料・反応物を搬送する手法が背景技術において必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,390,603号
【特許文献2】米国特許第4,828,941号
【特許文献3】米国特許第4,261,956号
【発明の概要】
【0012】
この発明は、液体燃料または液体燃料反応物(以下では集合的に「液体燃料」と呼ぶ)を、強制的に、燃料電池、または、液体燃料反応物を加水分解して水素を生成する反応室部へおくる加圧源を伴う、燃料サプライを実現する。この加圧源は、当初、高圧であり、燃料サプライの予期された寿命の間にその圧力を減少させて良い。他方、液体燃料を駆動する圧力は実質的に一定のレベルに維持可能である。
【0013】
1実施例において、この発明の燃料サプライは、圧縮ガス室部および液体燃料室部を有する。圧力調整器が圧縮ガス室部を液体燃料室部に連結する。圧力調整器は、圧縮ガス室部から高圧入力を取り出し、実質的に一体のより低い圧力を液体燃料室部に供給する。圧縮ガス室部の圧力は時間の経過に従って減少して良いが、液体燃料室部から液体燃料を強制的に送る圧力は同一のレベルに実質的に維持される。したがって、燃料電池または反応室部は予期可能な、または受容可能な圧力で液体燃料を受け取る。
【0014】
添付図面は明細書の一部を形成し、それとの関連で把握されるべきであり、種々の図において類似の参照番号は類似の部分を指し示すものとして用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明に従う燃料サプライの正面側斜視図であり、燃料電池またはその燃料電池が給電する装置から部品を示すものである。
【図2】図1の燃料サプライの正面側斜視図であり、燃料サプライのバルブを開にするように働く連結チューブの他の、装置側の部品を省いたものである。
【図3】図2の燃料サプライの分解斜視図である。
【図4】図2の燃料サプライの一部分解して示す断面図である。
【図5】図4の燃料サプライの拡大部分図であり、燃料サプライの加圧室部を圧力調整器に連結するバルブを示すものである。
【図6】図4の燃料サプライの拡大部分図であり、燃料サプライを、燃料電池に、またはこの燃料電池に給電される装置に連結するバルブを示すものである。
【図7】図5のバルブの代替例を示すものである。
【図8】図6のバルブの代替例を示すものである。
【図9A】適切な圧力調整器の断面図である。
【図9B】適切な圧力調整器の分解図である。
【図10A】他の適切な圧力調整器の断面図である。
【図10B】他の適切な圧力調整器の分解図である。
【図11A】他の適切な圧力調整器の断面図である。
【図11B】他の適切な圧力調整器の分解図である。
【図12A】他の適切な圧力調整器の断面図である。
【図12B】他の適切な圧力調整器の分解図である。
【図12C】図12A、図12Bの圧力調整器の他の例の断面図である。
【図13】この発明に従う他の加圧燃料サプライの分解斜視図である。
【図14】図4の燃料サプライに燃料ゲージを付した例の断面図である。
【図14A】燃料ゲージの正面図である。
【図15a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図15b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図15c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図15d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図16a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図16b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図16c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図16d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図17a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図17b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図17c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図17d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図18a】この発明に従う事例のバルブ要素の断面図である。
【図18b】この発明に従う事例のバルブ要素の分解斜視図である。
【図19a】この発明に従う他の事例のバルブ要素の断面図である。
【図19b】この発明に従う他の事例のバルブ要素の分解斜視図である。
【図20a】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の閉状態を示す断面図である。
【図20b】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の係合状態を示す断面図である。
【図20c】この発明に従う他の事例のバルブの開手順の開状態を示す断面図である。
【図20d】この発明に従う他の事例のバルブの分解斜視図である。
【図21a】この発明に従う他の事例のバルブ要素の断面図である。
【図21b】この発明に従う他の事例のバルブ要素の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
10 燃料サプライ
16 第1バルブ
18 第2バルブ
20 圧力調整器
22 装置バルブ
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面に示され以下に詳細に検討するように、この発明は燃料サプライに向けられており、この燃料サプライは燃料電池燃料、例えば、メタノールおよび水、メタノール/水の混合物、メタノール/水の種々の濃度の混合物、純粋なメタノールおよび/または、メチレンクラスレートを貯蔵し、これは、米国特許第5,364,977号および同第6,512,005号B2に記載されており、その内容は参照してここに組み入れる。メタノール、および他のアルコールは、多くの種類の燃料電池、例えば、DMFC、酵素燃料電池、および改質燃料電池、その他において使用可能である。燃料サプライは他の種類の燃料電池燃料、例えば、エタノールまたは他のアルコール;金属水素化物、例えば水素化ホウ素ナトリウム;水素に改質可能な他の化学物質;または燃料電池の性能や効率を改善させる化学物質を内包してよい。燃料は、水酸化カリウム(KOH)電解質含み、これが金属燃料電池またはアルカリ燃料電池とともに使用でき、燃料サプライ中に貯蔵できる。金属燃料電池に対しては、燃料はKOH電解質反応溶液に浸漬された液体担持亜鉛粒子の形態をしており、電池空洞中の陽極は亜鉛粒子からなる粒状陽極である。KOH電解質溶液は、「1または複数の負荷に電力供給するように構成された燃料電池システムの使用方法」という題名で2003年4月24日に公開された米国公開特許出願第2003/0077493号に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、メタノール、過酸化水素、および硫酸の混合物を含み、これはシリコンチップ状に形成された触媒を通過して流れ燃料電池反応を生成する。燃料は、また、メタノール、水素化ホウ素ナトリウム、電解質、および他の化合物、例えば、米国特許第6,554,877号、同第6,562,497号、および同第6,758,871号に説明されているもののブレンドまたは混合物を含み、これらは参照してその内容をここに組みこむ。燃料は、また、米国特許第6,773,470号に説明されている、溶媒中に部分的に溶解し、部分的に懸濁するもの、ならびに、米国特許出願公開第2002/076602号に説明されている、液体燃料および固体燃料の双方を含むものを含む。適切な燃料は、また、2005年6月13日出願の、「水素発生カートリッジ用の燃料」という題名の、本願の出願人の出願に係る米国特許出願第60/689,572号に開示されているものでもある。これらは参照してその内容をここに組みこむ。
【0018】
燃料は、また、上述のように、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)のような金属素化物および水のような活性剤を含んで良い。燃料は、さらに、炭化水素燃料を含み、炭化水素燃料は、これに限定されないが、ブタン、灯油、アルコール、および天然ガスを含み、これは、「液体ヘテロインタフェース燃料電池デバイス」という題名で、2003年5月22日に公開された米国特許出願公開第2003/0096150号に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、燃料と反応する液体酸化剤を含む。したがって、この発明は、サプライ中に含有され、また、その他、燃料電池システムにより使用される、任意のタイプの燃料、活性剤、電解質溶液、酸化剤溶液または液体または固体に制約されない。ここで使用される用語「燃料」は、燃料電池または燃料サプライ中で反応することができるすべての燃料を含み、また、上述の適切な燃料、電解質溶液、酸化剤溶液、気体、液体、固体および/または化学物質ならびにこれらの混合物のすべてを含むが、これに限定されない。
【0019】
ここで使用される用語「燃料サプライ」は、これに限定されないが、使い捨てカートリッジ、再充填可能/再使用可能カートリッジ、電子製品内に配置されるカートリッジ、取り外し可能なカートリッジ、電子製品の外部に配置されるカートリッジ、燃料タンク、燃料再充填タンク、燃料を貯蔵する他のコンテナ、および、燃料タンクおよびコンテナに結合された管材を含む。1のカートリッジがこの発明の例示的な実施例との関連で以下に説明されるが、これら実施例は他の燃料サプライにも適用可能であり、この発明は燃料サプライのいかなる特定のタイプにも限定されないことに留意されたい。
【0020】
この発明の燃料サプライは、燃料電池で使用されない燃料を貯蔵するのに使用しても良い。これらの用途は、これに限定されないが、シリコンチップ上に構築されたマイクロガスタービン用の炭化水素および水素燃料を貯蔵することであり、”Here Come the Microengines”、The Industrial Physicist(2001年12月/2002年1月)、pp.20−25に検討されている。この出願の目的に関し、「燃料電池」はこれらマイクロエンジンも含む。他の用途は、内燃機関エンジン用の伝統的な燃料や、ポケットおよび実用ライター用の炭化水素例えばブタンおよび液体プロパンを貯蔵することである。
【0021】
図1〜図4を参照して、燃料サプライ10が示される。燃料サプライ10は任意の形状を伴って良く、この形状には、これに限定されないが図示の形状が含まれる。燃料サプライ10は、外側ケーシング12、蓋14、第1バルブ16、および第2バルブ18を具備する。蓋14は外側ケーシング12にぴったりと合い、O−リング13を用いてシールされる。シールは接着剤や超音波溶着によって実現しても良い。第1バルブ16は、圧力調整器20に係合するような寸法および形状を有し、第2バルブ18は装置バルブ22に係合するような寸法および形状を有する。1実施例では、燃料サプライ10は使い捨て可能であり、より好ましくはリサイクル可能である。より具体的には、外側ケーシング12がリサイクル可能、または再利用可能であり、内側ライナー28および/または蓋14が使い捨て可能である。圧力調整器20および装置バルブ22は好ましくは再利用可能であり、燃料電池、またはこの燃料電池が給電する装置に接続され、またはその一部をなし、コストを抑えるようになっている。
【0022】
図3〜図5を参照して内部部品が詳細に示され、これらの図において、燃料サプライ10は、圧縮ガス室部24および液体燃料室部26を具備し、ここで、液体燃料がライナー28内に維持される。先に検討したように、液体燃料は、燃料電池によって触接に使用される燃料、例えば、メタノールおよびエタノールであってよい。液体燃料は、反応室部内で加水分解して、燃料電池を給電する水素を生成する液体反応物、例えば、固体金属水素化物と反応して水素燃料を生成する、水、または他の活性剤であってもよい。
【0023】
第1バルブ16は、圧縮ガスが、燃料サプライ10の加圧または圧縮ガス室部24を出て圧力調整器20に入るようになし、つぎに減圧ガスが燃料サプライ10に引き入れられた減圧ガスと混ざり、液体燃料室部26に送られライナー28に圧力を加える。第1バルブ16は、バルブ本体30を具備し、加圧ガス室部24の側壁とぴったりと合い、O−リング32によってシールされる。内側の中央ポスト34はバルブ本体30に固定して、例えば締まりばめにより、取り付けられ、内側の中央ポスト34とバルブ本体30との間の相対的な移動が実質的にないようになされる。流れチャネル36は内側の中央ポスト34の幹部分とバルブ本体30との間に形成される。1例においては、幹部分の形状は円筒であり、幹部分の一部が削り落とされて平坦面を形成するようになっている。内側の流れチャネル36は、この平坦面とバルブ本体30との間に形成され、これは図3および図5に最も良く示される。内側の弾性シール38が、図示のとおり、内側の中央ポスト34の頭部およびバルブ本体30の頂部の間に配置され、内側の流れチャネル36のシールを実現するようになっている。第1バルブ16は外側の中央ポスト40も具備し、これが、内側の中央ポスト34の回りに環状に配置され、図示のとおりその間に空間を残す。外側の中央ポスト40も、バルブ本体30に固定して、例えば締まりばめにより、取り付けられ、内側の中央ポスト34とバルブ本体30との間の相対的な移動が実質的にないようになされる。外側の流れチャネル42は外側の中央ポスト40の外側回りに形成され、減圧ガスが圧力調整器20から燃料サプライ10に再び入るようになす。燃料サプライ10内において、外側チャネル42は液体燃料室部26へと再方向付けられ、これは図5に最も良く示される。外側の弾性シール44は外側の流れチャネル42に対するシールを実現し、外側の中央ポスト40の頭部およびオプションのキャップ46の下方に配置される。キャップ46は省略可能であり、バルブ本体30が外側の弾性シール44に合致するように上方に伸びても良く、または弾性シール44がバルブ本体30に合致するように下方に伸びても良い。
【0024】
内側の流れチャネル36は外側の流れチャネル42の内側にあるように示されているけれども、これら2つのチャネルは逆の順番で、あるいは、隣り合って配列されて良い。
【0025】
図3および図5に示すように、第1バルブ16は閉止され、またはシールされる。バルブ16を開にするには、チューブ48を第1バルブ16中へ押し込む。チューブ48は内側チューブ50および外側チューブ52を有する。これらチューブは相対的な位置を維持するために、例えば、スポークまたはウェブ(図示しない)によって連結されてよい。内側チューブ50は、内側の中央ポスト34および外側の中央ポスト40の間に空間54にちょうど入るような寸法および形状を伴い、外側チューブ52は、外側の中央ポスト40および蓋140の間に空間56にちょうど入るような寸法および形状を伴う。内側チューブ50は内側の弾性シール38を押圧して流れ経路36を開にし、外側チューブ52は外側の弾性シール44を押圧して流れ経路42を開にする。圧縮ガスが流れ経路36を通じて燃料サプライ10を出て、減圧ガスが流れ経路42を通じて再び入り、液体燃料を加圧する。
【0026】
この発明の創造的な側面においては、第1バルブ16は中央ポスト34、40を有するので、これは交換可能ではない。具体的には、バルブ16は、正確な直径のチューブ48が中央ポスト34、40の回りの環状空間に挿入されて、弾性シール38、44が押圧された後のみに、開になる。中央ポスト34、40は、より大きな、またはより小さな径の外来物体(例えば、ペン、鉛筆、紙クリップ、指、その他)がバルブを開にするのを阻止するように構成されている。中央ポスト34および40は、ポストおよびバルブ本体の間の相対的な移動が限定される限り、種々の手法、例えばスナップフィット、接着、超音波溶着等によりバルブ本体30に結合されて良い。好ましくは、中央ポスト34、40は充填処理の後またはその最中に組み立てられて良い。この結果、燃料のカートリッジへの流れが、他の設計手法に比べて、より速くなり、また制約がより少なくなる。
【0027】
第2バルブ18は、液体燃料を燃料サプライ10から出すように構成されているだけである点を除いて、第1バルブ16と類似している。第2バルブ18はバルブ本体58および中央ポスト60を有し、これらは、実質的に、上述の第1バルブ18の内側の中央ポスト34と類似である。弾性シール62が第2バルブ18をシールし、流れチャネル64が内側ポスト60およびバルブ本体58の間に形成されている。ライナー28はシール状態でバルブ本体58に結合される。チューブ66の形状および寸法は、第2バルブ18中に空間68を入れ込み、弾性シール62を押圧し、第2バルブ18を開にして、流れチャネル42からの圧縮ガスにより強制的に燃料サプライ10から離れるようになすようなものになっている。
【0028】
オプションとして、チューブ48または66が非標準サイズである。換言すれば、それらの寸法は、家庭やオフィスに通常散見される物品の寸法と異なり、これにより、シール部材38、44、または62が不用意に押圧されるのがより困難になるようになっている。代替的には、チューブ48または66は非円形または多角形(正規または非正規)の断面を伴うべきである。もちろん、中央ポスト34、40または60はこれらチューブを収容するために適合する形状を有しなければならない。
【0029】
図7〜8に示される代替的な実施例において、弾性シール38、44および62はO−リング38’、44’、および62’よって置き換えられる。中央ポスト34’および40’は、O−リングとともにシールを実現する環状のシール表面を実現するように変更される。この実施例の中央ポスト60’は外側リング61’を具備して、チューブ66が入り込んで第2バルブ18を開にする空間68’を実現する。
【0030】
図5〜8や他の図面に説明されるように、バルブ16および18の、チューブ48および66に対面する、頂部表面は、係合面として終端してもよい。
【0031】
燃料サプライ10の予定寿命の間、液体燃料を押し出すのに必要な、圧縮ガス室部24の高圧力は、以下に示される、理想気体の法則により決定できる。
((P・V/T)24+(P・V/T)26)initial = ((P・V/T)24+(P・V/T)26)final
ここで、液体燃料室部26について
P=液体燃料をライナー28/燃料室部26から第2バルブ18を通じて駆動するのに必要な圧力であり、1実施例では、これは「x」ゲージ圧(psig)または(14.7+x」psi絶対圧(psia)であり、xは所望駆動圧力;燃料室部26の職圧力は14.7psia、すなわち0psigであるべきであり;燃料室部26の最終圧力は(14.7+x)psia、すなわちxpsigであるべきである。
V=液体燃料室部26の体積;
T=液体燃料室部26の温度(絶対)であり、これは典型的には雰囲気温度である。
ここで、圧縮ガス室部24について
P=初期圧力−決定されるべきもの;室部24の最終圧力はxpsig、すなわち(14.7+x)psiaであるべきである。
V=圧縮ガス室部24の体積;
T=典型的には雰囲気温度。
2つの温度は同一であるべきだから、等式から除去できる。
(P・V)24,initial+(P・V)26,initial = (P・V)24,final+(P・V)26,final
P24,initial = {(P・V)24,final+(P・V)26,final − (P・V)26,initial}/V24
1実施例にいて、50ccの体積の液体燃料室部26が、液体燃料を第2バルブ18から押し出すのに2psig、すなわち16.7psiaの圧力が必要であり、圧縮ガス室部24の体積が24であると、圧縮ガス室部24の初期圧力は以下のように計算される。
P24,initial={(16.7*5)+(16.7*50)−(14.7*50)}/5
P24,initial=36.7psia(または22psig)
同様に、圧縮ガス室部24の体積が10ccの体積であると、初期圧力は26.7psiaすなわち12psigとなるであろう。
【0032】
高い初期内部圧力が直接に液体燃料室部26に連通されるならば、ライナー28は圧力スパイクを受け、液体燃料は比較的高速度で燃料サプライ10から離れ、これは好ましくないであろう。さらに、より多くの液体燃料が燃料サプライ10から搬送されるにつれて、液体燃料室部26内の圧力は時間の経過とともに連続して減少し、液体燃料は連続して減少し続ける速度で燃料サプライ10から出て行くことになる。そして、液体燃料を受け取る燃料電池または反応室部は可変する液体燃料速度を調整しなければならない。
【0033】
変化する液体燃料速度は、図1において参照番号20で模式的に示される圧力調整器を、圧縮ガス室部24および液体燃料室部26の間に挟み込むことにより解決される。圧力調整器は広範囲の入口圧力、例えば2psigから200psigを受け取ることができ、出口圧力を一定のレベル例えば2psigに制御できる。図3〜4を参照すると、圧縮ガス室部24は燃料サプライ10内に位置決めされるが、圧縮ガス室部24は燃料電池の内部または燃料電池で給電される装置の内部に位置決めされて良く、またそれ自体別のカートリッジであってもよい。
【0034】
以下の表1は、図1〜8に示される燃料サプライの実験的なシミュレーション結果を示し、ここでは、圧力調整器20は圧縮ガス室部24および液体燃料室部26の間に挟み込まれる。実験的なシミュレーションは以下のように実行された。3.3cm3の容量修正注射器の形態の圧縮ガス室部24が、ボールバルブにより流れが制御されている管を介して外部サプライから供給される約80psiの空気により圧縮された。管はガス室部24から圧力調整器20への流れのためにも用いられた。ガス室部20および圧力調整器20の間に配置された0〜100psiの圧力センサーを用いてこの高圧入力が測定された。
【0035】
圧力調整器20を使用して、液体燃料、すなわち脱イオン水を液体燃料室部26から駆動する、実質的に一定の低出力圧力を生成し、液体燃料室部26は35cm3の容積の修正注射器の形態であった。修正されたT字器具が圧力調整器20および液体燃料室部26を連結した。圧力調整器20および液体燃料室部は流体的に転結され、Mettler Toledo XS204化学天秤上に配置され、この天秤が液体燃料、すなわち脱イオン水の重量を測定した。液体燃料を液体収集ブレーカーへ供給する管を介して、液体燃料が液体燃料室部26を出ていった。ここで、この管はその端部で0.45μmのフィルタ(Millex−HPS HV Filter、パーツ番号SLHVM25NSであり、マサチューセッツ州、ビレリカのMillipore社から商業的に入手できる)および0.0025インチの直径のオリフィス(パーツIBLP−2E−SS、コネチカット州トランブルのO’Keffe Controls社から商業的に入手できる)を有していた。0〜30psiの圧力センサが液体燃料室部26および流体収集ブレーカーの間に配置され、流体圧力を測定し、これは、当業者であれば、出力圧力と等価であることを容易に理解できるであろう。
【0036】
当初、実験的なシミュレーションにおいて、調整された出力圧力は空気を管線の外の追い出し、1.6psiあたりに安定化した。その後、ボールバルブが閉じて外部の80psiの空気サプライを圧縮ガス室部24から隔離した。実験的なシミュレーションの間、入力圧力、出力圧力、および燃料重量(すなわち修正された注射器液体燃料室部26の中の水の重量)が測定された。測定は215分(12902.5秒)にわたって0.5秒ごと行われた。ただし、正確にいうと、表1の結果は選択した時間、すなわち、0秒、0.5秒(液体燃料室部26が脱イオン水で満たされたとき)、55秒(圧縮ガス室部24が約80psiの空気で加圧されたとき)、300秒ごとの時間間隔、そして12902.5秒の測定値を示すだけである。燃料重量は、化学天秤を校正するときとシミュレーションを開始するときの間、+1.2256だけ調整され、この間、負荷を支持する管がシフトしていた。シミュレーションの最後近くのわずかな負の重量値は化学天秤に固有なエラーを反映するものである。
【0037】
この結果は、圧力調整器20が約80psiの高圧力の入力を圧縮ガス室部24から受け入れ、約1.6psiから約0.3psiの実質的に一定の低い出力圧力を供給し、当初約30グラムの脱イオン水で満たされていた液体燃料室部26から、液体を駆動できることを示す。圧縮ガス室部24の圧力は時間の経過とともに約80psiから約12psiへと減少して良いが、液体燃料を液体燃料室部26から駆動する圧力は実質的に同一のレベルの約1.6psiから約0.3psiに維持される。当業者には容易に理解できるように、出力圧力の比較的ささいな変化は、燃料電池または反応室部の反応に受容できる予測可能な圧力で当該液体燃料または反応室部が液体燃料を受け取ることができる受容可能な範囲のものである。液体燃料が比較的いっていな流速で液体燃料室部26を出る際に、その重量は約30グラムから約0グラムに減少する。
【0038】
ここで用いられるように用語「実質的に一定」は、圧力変動があったとしても、それが約+−2.0psiより小さく、好ましくは、+−1.5psiより小さく、より好ましくは約+−1.0psiより小さいことを意味する。ここで使用されるように用語「低い圧力」(low pressure)または「より低い圧力」(lower pressure)は約5psi以下の圧力、好ましくは約3psi以下の圧力、より好ましくは約2psi以下の圧力を意味する。
【表1】
【0039】
入力圧力、出力圧力、および燃料サプライの圧力の、経過時間の関数としてのチャートを以下に示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【0040】
圧力調整器20を伴わないで、燃料サプライ10の他のシミュレーションが行われ,2psigの圧縮ガスの既知の外部源を用いて燃料をライナー28からバルブ18を介して駆動した。燃料サプライ10からの出力圧力が実質的に一定かどうか、ライナーを圧縮し、燃料をバルブ18を横切って押し出すのに必要な圧力降下は、受容可能かどうか、また流速は実質的に一体化どうかを確かめるように、シミュレーションは設計された。出力圧力はバルブ18からの流れの下方で測定される。その結果は以下の表2に示される。
【表5】
【0041】
経過時間の関数としての、流速、出力圧力および残留燃料が以下に示される。
【表6】
【0042】
経過時間の関数としての、出力圧力および流速のみを示す他のチャートが、この発明の燃料サプライが燃料サプライの寿命の実質的な機関を通じて実質的に一定の流速および出力圧力を実現することを示すために、以下に示される。ライナー28を圧縮し燃料をバルブ18を通じて押し出すのに必要な圧力降下は受容可能な範囲であることに留意されたい。
【表7】
【0043】
これに限定されないが、空気、窒素、二酸化炭素、不活性ガス等を含む任意のタイプのガスを圧縮ガス室部24内に貯蔵できる。この発明はいずれのタイプの圧縮ガスにも限定されない。圧縮ガス室部24は、液化炭化水素、例えばシガレットライター内に用いられるものを含んでも良い。液化炭化水素を用いる利点は、小さな体積の液化炭化水素が著しく大きな体積の圧縮ガスに変化し、このため、圧縮ガス室部24の体積を著しく小さくできる点である。適切な液化炭化水素は、これに限定されないが、ブタン、イソープロパン、ディーゼル、ガソリンを含む。液体またはゲル形態のメタノールおよび他のアルコールも利用可能である。圧縮ガス室部24内で利用可能な適切なガスおよび他の物質は、米国特許出願番号第11/243,767号として本出願人より2005年10月5日に出願された米国公開特許出願第US2007/0077470A1号、および、米国特許出願番号第11/244,218号として本出願人より2005年10月5日に出願された米国公開特許出願第US2007/0077463A1号に開示されている。これらは参照してここに組み入れる。
【0044】
多数の適切な圧力調整器20が、米国特許出願番号第11/327,580号として本出願人より2006年1月6日に出願された米国公開特許出願第US2006/0174952A1号に説明されている。’952参考文献の内容は参照してここに組み入れる。
【0045】
図9Aおよび9Bは、第1の圧力調整器126を示し、これは’952参考文献の図4Aおよび4Bとして説明されている。参照を容易にするために’952参考文献で使用した参照番号をここでも使用する。圧力調整器バルブ126は圧力反応膜140を含む。ただし、この実施例において、膜140は2つのハウジング要素、すなわちバルブハウジング146およびバルブカバー148に間に挟まれ、その中央を通って形成された穴149を具備し、これは図9Bに最も良く示される。さらに、空洞129がバルブハウジング146およびバルブカバー148の間に形成されて膜がチャネル143の入り口圧力、チャネル145の出口圧力、および基準圧力Prefに従って移動、すなわち曲がることができる。バルブハウジング146は、調整器バルブ126の流路を形成する内部構造を具備する。具体的には、バルブハウジング146の内部にチャネル143および145が形成され、チャネル143が入り口圧力に露呈して第1バルブ16が開のときに圧縮ガス室部24に流体的に連通し、チャネル145が出口圧力に露呈して第1バルブ16が開のときに液体燃料室部26と流体的に連通する。さらに、排出チャネル141がバルブカバー148に形成され膜140が基準圧力Prefに露呈され、これは雰囲気圧力であってよい。代替的には、膜は参照圧力に対してバネバイアスされていてよい。
【0046】
バルブハウジングチャネル143はスライド可能にバルブステム142を収容するように構成される。バルブハウジングチャネル143は、バルブハウジング146およびバルブカバー148の中間位置、またはその近くで狭くなるように構成され肩部137を形成するようになっている。バルブステム142は好ましくは細いステム部分138およびキャップ131を具備する一体の要素である。この構成により細いステム部分138がバルブハウジングチャネル143の狭い部分を通って延び、他方、キャップ131は肩部137に引っかかる。そして、キャップ131および肩部137の双方はシール面を含み、キャップ131が肩部137に当たるときにバルブ126を通る流路を肩部137で閉止する。さらに、グロメット147が膜140内の穴149にバルブステム142を固着し、これによって、膜140およびバルブステム142の間にシールおよび強固な結合が形成される。したがって、膜140が移動するとき、バルブステム142も移動してキャップ131が肩部137に当たり、または底から外れてバルブ126を開成、または閉成させる。
【0047】
圧力調整器126が第1バルブ16に連結されると、上述のとおり、圧縮ガス室部24からの比較的高い圧力が入口143に連通される。圧力調整器からの出口145における出口圧力は、第1バルブ16を通じて流れチャネル42へと連通して液体燃料室部26を加圧する。液体燃料室部26内の圧力が、燃料サプライ10から液体燃料を押し出すのに必要な圧力より小さいときには、圧力調整器126は図9Aに示すように開構成であり、この場合、膜は屈曲されず、バルブステム142のキャップ131は肩部137から外れている。そして、圧縮ガスは圧力調整器126を通って流れ、液体燃料室部26へと入る。液体燃料室部26中の圧力が上述のとおり「x」psiに達すると、膜140は、バルブステム142のキャップ131が肩部137に着座して圧力調整器126を閉止する程度に、バルブカバー148方向に屈曲する。液体燃料室部26からさらに多くの液体燃料が搬送されると、ライナー28の体積が減少して、この結果、液体燃料室部26内部の圧力を減少させる。このように圧力が減少すると、膜140がバルブカバー140から離れるように移動し、バルブステム142を開位置に移動させ、さらなる圧縮ガスが液体燃料室部26へと入り、サイクルを再開させる。
【0048】
そのポイントで圧力調整器126が開または閉成する出口圧力Poutletは、バルブステムの長さ、キャップ131が開位置および閉位置の間で移動するギャップ、膜140の柔軟性すなわちバネ定数を調整し、および/または、Prefを調整して制御可能である。ステム138は、グロメット147に対して移動可能なような寸法および形状とされステム138の長さを調整できるようになっている。ステム138のグロメット147およびキャップ131の間の長さが大きくなればなるほどバルブ126を閉止するための圧力が大きくなる。好ましくは、出口圧力は実質的に一定、または許容範囲に維持され、基準圧力Prefはそのような出口圧力を実現するように選択ないし調整される。換言すれば、Prefは、入り口圧力が予め定められた量を上回ったときに膜140が閉止してチャネル145における出口圧力が大きくなったり変動したりするのを最小化するように、設定される。
【0049】
他の圧力調整器226が図10Aおよび10Bに示され、これは、’952参考文献において図4C−4Dとして開示されるものである。バルブハウジング248がバルブキャップ247に固着されているので、圧力調整器226は先に検討した圧力調整器126に類似している。バルブキャップ247中に入り口部243が形成され、これが圧縮ガス室部24に連結され、他方、圧力調整出口部245はバルブハウジング248中に形成され、これが液体燃料室部26に結合される。穴251がバルブキャップ247の下方部分に形成される。好ましくは、穴251は圧力調整器226の長さ方向軸から若干芯ずれしている。
【0050】
変形可能でキャップ状のシリンダ250がバルブキャップ247およびバルブハウジング248の間に挟まれ保持される。キャップ状のシリンダ250は上方端259、下方端287、およびそこに形成された穴またはチャネル201を含む。キャップ状のシリンダ250は当業界で知られている任意の変形可能な、弾性材料、例えばゴム、ウレタン、またはシリコーンから製造される。キャップ状のシリンダ250は圧力反応膜と同様に機能する。
【0051】
上方端259はバルブキャップ247に隣接して配置されて、圧力調整器226を通って流体が流れないときに上端259がバルブキャップ247の下方の面と面一になるようになっている。上方端259の端部は位置固定されて上方キャップ259の残部が屈曲しても端部は固定してシールされたままであるようになす。
【0052】
下方端287はバルブハウジング248に隣接して配置される。空洞202がバルブハウジング248に形成され、これが下方端287の直下に配置されて下方端287が自由に屈曲できるようになっている。好ましくは、下方端287は上方端259と異なる直径を有し、これについては以下に説明する。
【0053】
リテーナ253は実質的に堅固な材料から製造され、キャップ状のシリンダ250を包囲する。リテーナ253は穴241を形成してキャップ状のシリンダ250およびリテーナ253の間に周回して形成される第2の空洞203を基準圧力Prefに連結する。第2の空洞203の部分205は下方キャップ287の頂部に沿い、またその表面で部分的に伸びるように構成される。
【0054】
圧力を調整するために、入り口ガス(または液体)が圧力調整器226に入り口243を通って入り穴251へと至る。穴251はキャップ247の上に形成された円形の溝またはリングであってよい。入り口243から入る入り口ガスまたは液体により付与される圧力が閾値に到達して上方端259を変形させるまで、上方端259が穴251をシールする。ガスが上方端259を変形させるとき、この変形がシリンダ250の本体を通じて伝達されて下方端287も変形させる。上方端259が変形すると、ガスが穴251を通り抜け、さらにキャップ状のシリンダ250を通じて出口245から調整された状態で排出される。
【0055】
キャップ状のシリンダ250に加えられた力は、加えられた圧力と圧力が露呈された面積との積であるからキャップ状のシリンダ250に働く力はつぎのようにまとめることができる。
入り口の力+基準の力←→出口の力
(入り口243のP・上方端259の面積)+(Pref・部分205の面積)←→(出口245のP・下方端287の面積)
出口の力が、入り口の力に基準の力を加えたものより大きいときに、圧力調整器226は閉止され、出口の力が、入り口の力に基準の力を加えたものより小さいときにバルブ226は開成される。この実施例では、出口の力が入り口の力および基準の力とバランスしなければならないので、下方端287の面積が、有利なことに、図示のとおり、上方端259の面積より大きくなっており、出口の圧力を大きくすることなしに、出口の力がより大きくできるようになっている。端259および287ならびに部分205の面積を可変することにより、キャップ状のシリンダ250の表面の力のバランスを制御でき、バルブ226を開成または閉止するのに必要な圧力差を決定できる。
【0056】
基準圧力Prefは下方端287を下方に押圧しがちであるので、この付加的な圧力が流れを開始させる閾値圧力を下げることができる。すなわち、基準圧力Prefは比較的大きく、ガスがキャップ状のシリンダ250を変形するのを支援する。基準圧力Prefは出口245を出るガスの圧力をさらに調整するために大きく、または小さくしてよい。
【0057】
他の実施例の圧力調整器426が図11Aおよび11Bに示され、これは、’952参考文献において図6A−6Bとして開示されるものである。圧力調整器426は、バルブ426が可撓性のキャップ状のシリンダ250の代わりにスライド可能なピストン450を具備する点を除けば、先に検討した圧力調整器バルブ226と類似である。バルブ426はバルブキャップ447に結合されたハウジング448を具備する。バルブキャップ447中に入り口443が形成され、これが圧縮ガス室部24に結合される。ただし、圧力統制された出口445は、液体燃料室部に連結され、これが、バルブハウジング448に形成される。穴451がバルブキャップ447の下方端に形成される。好ましくは、穴451は圧力調整器バルブ426の長さ方向軸から若干芯ずれしている。穴451はリングとして形成された複数の穴を含んで、入り口圧力がスライド可能なピストン450に均一に加わるようにしてよい。
【0058】
ピストン450はバルブキャップ447およびバルブハウジング448の間にスライド可能に配される。スライド可能なピストン450は第1の直径の上方部分459、第2の直径の下方部分487、およびこれを通るように形成された穴401を含み、好ましくは第2の直径は上方部分459の直径より大きい。スライド可能なピストン450は当業界で知られている任意の堅固な材料、例えば、プラスチック、エラストマ、アルミニウム、エラストマおよび堅固な材料の組み合わせ、その他から製造する。
【0059】
スペース402がバルブハウジング448中に形成されピストン450がキャップ447およびハウジング448の間をスライドできるようにしている。第2の空洞403がスライド可能なピストン450およびバルブハウジング448の間に形成される、空洞403は基準圧力Prefに結合される。空洞403の部分405は下方端487に対抗するように配置され、基準の力がピストン450に加わることが可能なようになっている。
【0060】
上方部分459はバルブキャップ447に隣接して配置されて、上述のとおり、出口の力が入り口圧力に基準圧力を加えたものを上回ると、上方部分459がバルブキャップ447の下方の面と面一になるようになりバルブ426を閉止し、これは図11Aに示すとおりである。出口の力が入り口圧力に基準圧力を加えたものより小さくなるとピストン450がハウジング448の方向に押されて流体、例えば水素ガスが入り口443から穴(複数でもよい)451および穴401を通って出口445へと流れだすことが可能になる。バルブ226に関連して先に説明したように、端部459および487ならびにスペース405の表面面積を可変にしてバルブ426の開成および閉止を制御できる。
【0061】
他の適切な圧力調整器が図12A−12Bに示されている。図12A−12Cは本出願人より2007年2月2日に出願された米国仮出願番号第60/887,918号に先に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。参照を容易にするために、仮出願’918に使用された参照番号の最初の数字をここで使用する際に変更して、先に使用された参照番号との重複を回避した。
【0062】
事例的な圧力調整器564は図12A〜図12Bに示される。調整器564は入口ハウジング566、出口ハウジング568、その間に配された保持部570を有する。ピストン572が保持部570内で移動可能に配される。第1のダイヤフラム574が入口ハウジング566および保持部570の間にクランプされ、第2のダイヤフラム576が出口ハウジング568および保持部570の間にクランプされる。入口ハウジング566は入口チャネル578を形成してこれが圧縮ガス室部24に結合され、出口ハウジング568は出口チャネル580を形成しこれが液体燃料室部26に連結される。保持部570の内部はピストン572を収容し、基準圧力に露呈可能であり、これは雰囲気圧力であってよい。ボール582は、入口チャネル578の直下の第1のダイヤフラム574の下に設けて入口チャネルのシールを確実にできる。図示のとおり、第1のダイヤフラム574は入口圧力に露呈され、第2のダイヤフラム576は出口圧力に露呈される。
【0063】
ピストン572に印可される力は、印可圧力と圧力の露呈面積の積であるので、ピストン572に作用する力は以下のようにまとめることができる。
入口ダイヤフラムの力は:
入口圧力×入口面積=基準圧力×入口面積+ピストンの力(上面)
出口ダイヤフラムの力は:
出口圧力×出口面積=基準圧力×出口面積+ピストンの力(下面)
上面の力は下面の力と等しいので、ピストンの力は双方の式において等しい。ピストンの力について双方の式を解き、等価にすると:
(入口P−基準P)×入口面積=(出口P−基準P)×出口面積
この式はつぎのように書き換えることができる:
(出口P−基準P)=(出口P−基準P)×入口面積/出口面積
基準圧力が0psi相対値または1気圧である場合には:
出口P=入口P×入口面積/出口面積
【0064】
基準圧力が0psi相対値でない場合には、ピストンの双方のサイドがそれぞれの面積に応じて基準圧力により影響を受ける。調整器の動作中に入口面積は変化する。出口圧力が入口を遮断するのに十分なほど大きくなる前に、入口面積はピストンの上面と等しい。出口圧力が入口を遮断するのに十分なほど大きくなった後は、入口面積は小さな入口開口へと縮みこむ。この特徴によって、若干の出口圧力減少を伴うピストンの発振を減少させる。
【0065】
出口の力が入口の力より小さいときには、入口の水素圧力が隔膜に働いて下方に移動させ、入口チャネル578から内側の円形のチャネル584への流路を開き、これが頂部の横方向チャネル586に連結され、これが外側の円形チャネル588および連結チャネル590に連結され、これが下側の横方向チャネル592および出口チャネル580に接続される。有利なことに、出口チャネル580は594の点で膨大化され、ガスを膨張させて排出前にいくらかさらに圧力を減少させる。出口チャネル580も膨大化され調整器564が燃料電池システムの他の部品と適合するようになっている。横方向のチャネル586および592は図12Aに示すようにボールによってシールされる。
【0066】
圧力調整器564の他の実施例が図12Cに示され、これは図12A〜図12Bの実施例と同様の態様で動作する。図12Cに図示されるように、調整器564は、出口ハウジング568の底部に取り付けられた、出口ダイヤフラム/ガスケット577および端部キャップ596をも具備する。端部キャップ596は、基準圧力をピストン572に連通させるチャネル、および、排出前に排出水素の圧力を大幅に降下させるため、より膨大化された出口チャネル580を具備してよい。ダイヤフラム/ガスケット577はO−リングにより置き換えて良い。
【0067】
この発明の他の側面によれば、燃料サプライ610は、図13に示すように、圧力調整器なしで実現できる。この燃料サプライも蓋14および内側ライナー28を具備する外側ケーシング12を有する。バルブ18を設けて、液体燃料を内側ライナー28から反応室部へ連通させるようにして水素を発生させ、または、液体燃料を内側ライナー28から燃料電池、あるいは燃料電池が給電する装置へ連通させる。圧力はバネクリップ612を介して内側ライナー28に加えられる。内側ライナー28に均等に圧力が分散されるように堅固な板614が内側ライナー28の各側部に設けられる。
【0068】
燃料サプライ中に残っている燃料の量を測定するために、燃料ゲージ700が図14および14Aに示すように設けられる。燃料ゲージ700はスレッド702および読み出し部704を有する。スレッド702は内側ライナー28の底または側部に一端を取り付けられている。燃料がライナー28から搬出される際に、ライナーは図14中で28’で示すように縮む。縮んだライナーはスレッド702を内側に引く。スレッドが引っ張られるときに、他の端部は読み出し部704に沿って移動して残留燃料の量を示す。読み出し部704を正確にマークするために較正を行う必要があり、読み出し部704上の区切りマーク(例えばE、1/4、1/2、3/4)を均等に間隔を置いて配置しなくても良い。
【0069】
ライナー28が、内側ライナー28に含まれる燃料の蒸発によって引き起こされるガスにより再膨張すると、スレッド702が柔軟であるので、再膨張した内側ライナーはスレッドを外側に押すことはなく、このため、燃料ゲージ700上の読み出し値は内側ライナーの再膨張によっては変化することがない。したがって、燃料ゲージ700の利点は単純さ、正確性、および再現性である。
【0070】
図15(a)〜15(c)および図16(a)〜16(c)に示すような、利用可能なタイプのバルブ16、18に戻って説明すると、第1バルブ16または第2バルブ18は、いずれかのバルブの入口の近傍に配置されるシール部材870(例えばO−リング、シール面、ワッシャー、オーバーモールド弾性部分、弾性部分、またはその他)を具備してよい。例えば、図15(a)〜15(c)、および図16(a)〜16(c)に示されるように、シール部材870は第2バルブ18のバルブ本体858の内部に形成された溝中に配されたO−リングであってよい。シールはバルブ本体858、シール部材870、および中央ポスト860の間に実現される。空間868がバルブ本体858および中央ポスト860の間に形成される。この実施例において、チューブ866は中央ポスト860より大きな寸法、形状とされ、チューブ866が空間868中に入れ込まれると、これがO−リング870を外側に押して、図15(b)および15(c)に示されるように、チューブ866および中央ポスト860の間に流れチャネル864が許容されるようになる。図15(c)に示すようにチューブ866をさらに挿入すると、チューブ866がバルブ本体858の内部に確実に配される。チューブ866が、図15(b)に示すように、最初に空間868に挿入されると、要素間シールが、オプションとして、チューブ866およびバルブ本体858の間に形成される。図15(d)はバルブ18およびチューブ866の分解図を示す。
【0071】
図16(a)〜(d)の実施例は図15(a)〜(d)の実施例と類似である。ただし、O−リング870により実現されるシールに加えて第2のシールが弾性シール862および中央ポスト870によって実現される。ここで、チューブ866がO−リング870を脇に押すときに、バルブ18が図16(b)に示すように、シールされたままであり、この後、図16(c)に示すように、チューブ866が弾性シール862を押圧して流れ経路864を形成する。図16(d)は係合するチューブ866およびバルブ18の分解図を示す。
【0072】
図15(a)〜15(c)および図16(a)〜16(c)の手順はバルブ18について示されるけれども、同様の手順がチューブ48およびバルブ16の間の要素間シールを形成し、この後、バルブ16内で内部シールを開にするために適用できる。
【0073】
バルブ16またはバルブ18のいずれかを閉止するための手順は上述の開手順と逆のプロセスに類似している。カートリッジ10は、まず、手作業で、あるいは、公知の排出機構を用いて自動的に、装置と係合解除され、いずれかの圧縮シール(例えば、弾性シール38、44、62、862O−リング38’、44’、および62’、またはシール部材870)が貯蔵エネルギーを開放し、その当初の位置に復帰する。有利なことに、1つの具体的な実施例では、圧縮シール自体はそれ自体で排出機構として働く。この結果、カートリッジ10を排出するために外部のバネ力が不要であり、カートリッジ10内の空間を節約する。カートリッジが排出され、弾性シールが元の位置に復帰したのちに、中央ポストは、再度、弾性シールと係合して燃料カートリッジへの流れパスを閉じる。
【0074】
図17(a)〜(d)はこの発明の他の実施例を示す。図示のとおり、連結バルブ872は2つのバルブ要素874および876を有する。1つのバルブ要素は燃料サプライまたは装置(例えば、燃料電池、再充填装置、または、燃料電池システムに使用して好適な任意の他の装置)のいずれかと係合され、他のバルブ要素が燃料サプライまたは装置の他方と係合される。好ましくは、第1のバルブ要素874が装置と係合され、第2のバルブ要素876が好ましくは燃料サプライと係合される。図17(a)〜17(c)は第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の連結と、その内部シールの開動作を示し、図17(d)は連結バルブ872の分解図を示す。
【0075】
第1のバルブ要素874は頂部部分877aおよび底部部分877bを伴う這う寝具を有する。頂部部分877aは、O−リング880と流体的に連結されたホースチューブ878を収容する。O−リング880は中央ポスト881との間で内部シールを形成し、これが、頂部ハウジング877aと一体に形成される。内側チューブ882は選択的にO−リング880を押圧するために設けられ、これが、直径方向に対抗する一対の開口884を具備する。内側チューブ882は外側チューブ886内にちょうど入るような寸法および形状を伴う。チューブ882および886はその間に流路の一部をなす空間を形成する寸法および形状を伴う。内側チューブ882および外側チューブ886の双方は底部876b内に配置され、スポークまたはウェブ(図示しない)によって連結されて相対的な位置を維持するようになっていてもよい。O−リング880が圧縮されていないとき、これが中央ポスト881に当接し、バルブ要素874をシールする。これが圧縮されるときには、バルブ要素874を通る流路が形成され、この流路がホースチューブ878から、圧縮されたO−リング880を通じて、チューブ882の空洞端部に至り、また開口884を通じ、また、内側チューブ882および外側チューブ886の間の空間を通じるようになっている。
【0076】
第2のバルブ要素876もいくつかの部品を有し、これには頂部部分888aおよび底部部分888bを具備するハウジング888が含まれる。有利なことに、中央ポスト890は底部部分888bに固定的に結合され、O−リング892との間で内部シールを形成する環状の座面を具備する。底部部分888bはホースチューブ894も具備し、これが、O−リング892と流体的に結合する。バルブ要素874の外側チューブ886も中央ポスト890より大きく、これにより、その間を流体が流れる。
【0077】
第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の双方はチャネル898中のボルト896によって一体に結合される。さらに、O−リング(図示しない)が第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の間に設けられ、2つのバルブ要素の間の要素間シールを容易に行えるようになっている。
【0078】
図17(a)は、第1のバルブ要素874を、第2のバルブ要素876と非結合の状態で示す。燃料サプライを燃料電池に結合して燃料を燃料サプライから燃料電池に搬送させるために、第1のバルブ要素874からの外側チューブ886が第2のバルブ要素876の中の中央ポスト890の回りの空間900に、O−リング892に至るまで、挿入され、これを図17(b)に示す。図17(c)において、第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876における内部シールが開にされて流路901が形成される。第1のバルブ要素874内の内部シールは、中央ポスト890が内側チューブを押すときに、開となり、この中央ポスト890はつぎにO−リング880を押圧する。第2のバルブ要素876内の内部シールは、第1のバルブ要素874の外側チューブ886がO−リング892を押圧するときに、開となる。流路は、第2のバルブ要素において、ホースチューブ894から、圧縮されたO−リング892の回りを経て、中央ポスト890および第1のバルブ要素874の外側チューブ886の間の空間を通じて形成される。図17(c)に示すように、流路901は、第1のバルブ要素874および第2のバルブ要素876の内部の流路の組み合わせである。燃料は流路901を通じてホースチューブ878からホースチューブ894の方向または逆の方向のいずれにも流れて良い。
【0079】
流路901を形成する際に、第1のバルブ要素874は第2のバルブ要素876と同時に開となってよく、あるいは、2つのバルブ要素が、それらの間の結合が完了した後に、時間を定めて逐次的な態様で開となってもよい。当業者に容易に理解できるように、いくつかの状況下で、カートリッジ10への流路を開にする前に、装置への流路を開とすると、有利であり、例えば、装置は、カートリッジ10に貯蔵されている燃料へのアクセスに先立って、流体または気体を受容する準備を確実にすることができる。このような順次的な開成は、単に、内側チューブ882、外側チューブ886、または中央ポスト890の長さを調整することで実現できる。例えば、第1のバルブ要素874が装置側にあるならば、外側チューブ886を短くし、内側チューブ882または中央ポスト890を長くしてよい。この場合、中央ポスト890が、外側チューブ886のO−リング892との係合に先立って、内側チューブ882を移動させる。代替的には、第2のバルブ要素が装置側にあるとすると、外側チューブ886が長くされて、内側チューブ882の中央ポスト890との係合に先立って、O−リング892を押圧するようになしてもよい。このような構成のいずれも、あるいは、組み合わせによって、一方のバルブ要素がその流路を開とするストロークが、他方のバルブ要素より長くなり、これにより、一方のバルブ要素が他方のバルブ要素より長い開手順を伴うようになる。
【0080】
他の例の第1のバルブ要素874’が図18(a)および18(b)に示される。ここでは、中央ポスト881がハウジング877aに締まりばめにより結合され、下方のハウジング部分877bが外側チューブ886に組みあわされる。内側チューブ882は下方ハウジング877b/外側チューブ886に対して若干の上下動が可能であり、O−リング880を押圧または押圧解除する。このバルブ要素874’の動作は図18(a)〜11(d)において説明された第1のバルブ要素874と類似である。
【0081】
他の例の第1のバルブ要素874’’が図19(a)および(b)に示される。ここでは、中央ポスト881が、下方または外側に伸び、第1ハウジング部分877aに締まりばめにより結合されている。単一のチューブ882/886が内側チューブ882および外側チューブ886に置き換わり、O−リング880を押圧するように移動可能であり、これが上述のように、中央ポスト880とのシールを実現する。保持リング905は、チューブ882/886の外側リング903との干渉によって、バルブ要素874’’内にチューブ882/886を保持するようになっている。O−リング880が押圧されるとき、チューブ878から、中央ポスト881の小さな幹部の回りを経て、さらに、押圧されたO−リング880の回りを経て、チューブ882/886および中央ポスト881の間の空間に入る流路が形成される。図17(a)〜(d)に示されるように、チューブ882/886は、第2のバルブ要素876と結合されるときに、第2のバルブ要素876のO−リング892を、第1のバルブ要素874のO−リング880に加えて、押圧し、この押圧は先に検討したように、同時でも、逐次でもよい。
【0082】
図20(a)〜(d)を参照すると、他の例のバルブ18が示される。この実施例では、中央ポスト860がバルブ本体858と一体に製造されているけれども、別々に製造され、先に検討され、また以下に図21(a)〜(b)に関連して説明されるようにバルブ本体858に固着されて良い。この例では、シール部材862は非平坦なワッシャーすなわちリップワッシャーであり、これが中央ポスト860との間のシールを実現する。図20(a)に最もよく示されるように、リップワッシャー862はバルブ本体858および保持部材907の間に保持される。ワッシャー862のシール部分は、図示のとおり、内側に配向されて中央ポスト860を押圧してシールを実現する。この実施例では、保持部材907および中央ポスト860の間に空間868が設けられ、これがチューブ866を収容する寸法および形状を伴う。また、チューブ866および中央ポスト860の間に隙間が設けられ、これを通じて燃料が流れることが可能になっている。図20(b)に示すように、チューブ866は、それがリップワッシャー862に到達しさらに図20(c)に示すようにこれを超えるまで、空間868を通じてバルブ要素18中に挿入される。チューブ866が、一度、リップワッシャー862を超えて押し込まれると、図示のとおり流路864が形成される。
【0083】
図21(a)〜(b)は図20(a)〜(b)のバルブ要素の変形例を示す。これら2つのバルブ要素は相互に類似する。ただし、ワッシャー862は平坦なワッシャーであり、中央ポスト860がバルブ本体858と別個に製造されている。さらに、バルブ本体858にはその内部に切り出しチャネル909が形成され、流路864の一部をなす。
【0084】
この発明の他の実施例が、ここで開示された、この発明の当該明細書およびその実施を考慮して、当業者には明らかであろう。例えば、液体燃料室部26は内側ライナー28に代えて液体燃料区画およびガス区画を有してよく、これらが圧力調整器の出口に流体的に連通せれ、可動でシール状態のピストンにより分離される。もちろん、内側ライナーを可動ピストンとともに使用しても良い。代替的には、液体燃料室部26は、内側ライナーおよび可動ピストンに代えて、一端にウエイトを備え他端にバルブを連結させた柔軟性のあるチューブを具備して良い。柔軟性のあるチューブのウエイト付けされた端部は燃料サプライ10がどの配位でも液体燃料に接触することになり、液体/気体の界面で液体燃料に接触している圧縮ガスは圧力を供給して液体燃料を柔軟性のあるチューブを介してバルブ18の方へ駆動する。ウエイト付けされた柔軟性燃料チューブは米国特許公開第2006/0191199号に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0085】
さらに、圧縮ガス室部24は燃料サプライ10の外部に配置されて良い。例えば、装置/燃料電池の内部に区画が設けられ圧縮ガスカートリッジを収容できるようになっていてよく、この区画は、そこにガスカートリッジを挿入する際にガスカートリッジを破く。さらに、圧縮ガス室部24または圧縮ガスカートリッジはフォイルまたは他のガス非透過性の膜によりシールされてよく、これは最初の使用に先立って取り外されることができ、また燃料サプライ10/圧縮ガス室部24の保管寿命を長くする。
【0086】
第1および第2バルブ16および18は、カモノハシバルブ、またはボールバネバルブ、または、本出願人による出願に係る米国公開特許出願第US2005/0022883号、同第US2006/0196562号、国際公開特許出願第WO2006/050261号、および同第WO2006/088450号、並びに、米国特許第7,059,582号に開示されている、バルブに置き換えて良い。燃料サプライ10または装置/燃料電池は、燃料の速度、圧力または温度が高くなりすぎたときに燃料の流れを遮断するバルブ、例えば本出願人の出願に係る米国公開特許出願第US2006/0071088号に開示されているようなものを具備しても良い。これら参考文献の内容は参すべて照してここに組み入れる。
【0087】
また、外側ケーシング12もチェックバルブまたは排気バルブを有してよく、これは、外側ケーシング12の内部の圧力が予め定められたレベルに達したときに、外側ケーシング12内のガスを雰囲気中、または他の場所に排出することができるものである。
【0088】
この明細書および例は例示としてのみ意図されており、この発明の本来の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲およびその均等物により示される。この発明の他の実施例が、ここで開示された、この発明の当該明細書およびその実施を考慮して、当業者には明らかであろう。さらに、1つの実施例の要素または特徴を他の実施例に採用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガス室部および液体燃料室部を有する燃料サプライシステムであって、圧力調整器が上記圧縮ガス室部を上記液体燃料室部に連結し、上記圧力調整器は上記圧縮ガス室部から高圧力入力を受け取ることができ、上記液体燃料室部に実質的に一定の低出力圧力を供給して上記液体燃料室部から液体燃料を取り出すことができることを特徴とする燃料サプライシステム。
【請求項2】
上記圧縮ガス室部の圧力が時間の経過とともに減少する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項3】
上記燃料サプライは、燃料電池で直接消費できる燃料、および、金属水素化物を加水分解して水素を生成する液体燃料反応物を有する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項4】
上記圧縮ガス室部および上記液体燃料室部は相互に結合され、あるいは相互に一体に製造される請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項5】
上記圧縮ガス室部は上記液体燃料室部から分離されたカートリッジ内に包含される請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項6】
第1のバルブが上記圧縮ガス室部を上記圧力調整器に結合する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項7】
上記バルブは内側の中央ポストおよび同芯的に配された外側の中央ポストを有する請求項6記載の燃料サプライシステム。
【請求項8】
第2のバルブが上記液体燃料室部を燃料電池または上記液体燃料を加水分解する反応室部に結合する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項9】
燃料ゲージをされに有する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項10】
上記燃料ゲージは上記燃料室部内に配置された燃料ライナーに結合されたストリングを有する請求項9記載の燃料サプライシステム。
【請求項11】
上記バルブは第1および第2のバルブ要素を有し、
上記第1のバルブ陽子はバルブ本体、少なくとも1つのシール部材、および上記バルブ本体に当該バルブ本体に対して実質的に移動できないように取り付けられた中央ポストを有し、
上記シール部材は上記第1のバルブ要素の係合面から離れて位置決めされ、上記係合面の上記中央ポストの回りで空間が形成され、
上記空間は第2のバルブ要素からの空洞のチューブを収容する大きさおよび形状を伴い、
上記空洞のチューブが上記第1のバルブ要素に押し込まれるときに、当該空洞のチューブが上記シール部材をシール位置から遠ざけて上記バルブ要素の双方を通じた流路を形成させる請求項6記載の燃料電池システム。
【請求項12】
上記低出力圧力は約5psiと等しいかそれより小さい圧力である請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項13】
上記低出力圧力は約3psiと等しいかそれより小さい圧力である請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項14】
上記低出力圧力は約2psiと等しいかそれより小さい圧力である請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項15】
上記低出力圧力は約+−2.0psiより小さな揺らぎしか有しない請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項16】
上記低出力圧力は約+−1.5psiより小さな揺らぎしか有しない請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項17】
上記低出力圧力は約+−1.0psiより小さな揺らぎしか有しない請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項1】
圧縮ガス室部および液体燃料室部を有する燃料サプライシステムであって、圧力調整器が上記圧縮ガス室部を上記液体燃料室部に連結し、上記圧力調整器は上記圧縮ガス室部から高圧力入力を受け取ることができ、上記液体燃料室部に実質的に一定の低出力圧力を供給して上記液体燃料室部から液体燃料を取り出すことができることを特徴とする燃料サプライシステム。
【請求項2】
上記圧縮ガス室部の圧力が時間の経過とともに減少する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項3】
上記燃料サプライは、燃料電池で直接消費できる燃料、および、金属水素化物を加水分解して水素を生成する液体燃料反応物を有する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項4】
上記圧縮ガス室部および上記液体燃料室部は相互に結合され、あるいは相互に一体に製造される請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項5】
上記圧縮ガス室部は上記液体燃料室部から分離されたカートリッジ内に包含される請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項6】
第1のバルブが上記圧縮ガス室部を上記圧力調整器に結合する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項7】
上記バルブは内側の中央ポストおよび同芯的に配された外側の中央ポストを有する請求項6記載の燃料サプライシステム。
【請求項8】
第2のバルブが上記液体燃料室部を燃料電池または上記液体燃料を加水分解する反応室部に結合する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項9】
燃料ゲージをされに有する請求項1記載の燃料サプライシステム。
【請求項10】
上記燃料ゲージは上記燃料室部内に配置された燃料ライナーに結合されたストリングを有する請求項9記載の燃料サプライシステム。
【請求項11】
上記バルブは第1および第2のバルブ要素を有し、
上記第1のバルブ陽子はバルブ本体、少なくとも1つのシール部材、および上記バルブ本体に当該バルブ本体に対して実質的に移動できないように取り付けられた中央ポストを有し、
上記シール部材は上記第1のバルブ要素の係合面から離れて位置決めされ、上記係合面の上記中央ポストの回りで空間が形成され、
上記空間は第2のバルブ要素からの空洞のチューブを収容する大きさおよび形状を伴い、
上記空洞のチューブが上記第1のバルブ要素に押し込まれるときに、当該空洞のチューブが上記シール部材をシール位置から遠ざけて上記バルブ要素の双方を通じた流路を形成させる請求項6記載の燃料電池システム。
【請求項12】
上記低出力圧力は約5psiと等しいかそれより小さい圧力である請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項13】
上記低出力圧力は約3psiと等しいかそれより小さい圧力である請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項14】
上記低出力圧力は約2psiと等しいかそれより小さい圧力である請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項15】
上記低出力圧力は約+−2.0psiより小さな揺らぎしか有しない請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項16】
上記低出力圧力は約+−1.5psiより小さな揺らぎしか有しない請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項17】
上記低出力圧力は約+−1.0psiより小さな揺らぎしか有しない請求項1記載の燃料電池システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21A】
【図21B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図14A】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21A】
【図21B】
【公表番号】特表2010−536678(P2010−536678A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522025(P2010−522025)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/073865
【国際公開番号】WO2009/026439
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(501436665)ソシエテ ビック (73)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE BIC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/073865
【国際公開番号】WO2009/026439
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(501436665)ソシエテ ビック (73)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE BIC
【Fターム(参考)】
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