説明

動物飼料のためのバイオソリッドに基づく食品添加物及び製造方法

【課題】
排水処理施設の土壌還元は、病原性生物体の処理に関する懸念のため、地域社会の強い反対及び厳格な規制管理を生じ得る。
【解決手段】
本発明は、水系残留物を、食品加工工場によって生じる排水から動物飼料への使用に適切な成分に変換するための方法及びビジネス方法並びに排水処理ユニットに関する。本発明の方法によって生成した成分は、高いタンパク質含有量を有し、そして、魚粉のような動物飼料タンパク質の従来の供給源の代用物として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年11月1日に出願された米国仮特許出願第60/984,653号(すべての目的のために参考としてその全体が本明細書に援用される)に対し優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、有機性物質を含有する排水流において増殖した微生物からタンパク質性動物飼料又は動物飼料添加物を調製するための方法、本発明の方法を行うための排水処理ユニット、及びそのビジネス方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
動物(例えば、トリ、魚、ウシなど)用商業的食品供給物は、栄養素(例えば、タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂肪、及び炭水化物)、例えば、丸ごとの非加工食品材料(例えば、肉もしくは植物)、副産物加工食品(例えば、魚粉、大豆ミール、ナッツミールなど)、及び他の食品の製造において生じる廃棄副産物(例えば、粗引き小麦粉、骨粉、血粉、羽毛粉など)を含み得る生の成分又は食品添加物からなる。飼料処方において別の食品添加物を用いるための主な動機付けの1つは、タンパク質成分のコストを抑えることである。魚粉は、特に、水産養殖、ブタ、家禽、及びペットフード産業において、動物用食品のタンパク質の一般的供給源を提供する。しかし、食品添加物として魚粉を使用するには、多くの欠点がある。世界の水産養殖業の魚粉の需要が連続的に増加したため、世界の漁業に過度の歪みが生じ、そして過剰漁獲により、野生の漁業資源が枯渇する可能性がある。いくらかの最近の科学雑誌及び大衆記事は、野生魚の漁獲量の減少が共通認識として顕在化しつつあること、及び経済的及び生態学的に重要な漁業資源の破綻が差し迫っている可能性があることを指摘している(例えば、Watson and Pauley, Nature, vol. 414 (2001), pp. 534-536;Myers and Worm, Nature, vol. 423 (2003), pp. 280-283;及びSpecial Report: The Global Fish Crisis, National Geographic, vol. 211. no. 4 (2007), pp. 32-99を参照のこと)。加えて、季節変動及び気象事象(例えば、エルニーニョ、ラニーニャ)が、魚粉の市場価格に影響を及ぼす。
【0004】
タンパク質供給源としての魚粉への依存を低減する試みとして、動物用食品産業では、別の副産物タンパク質供給源(例えば、骨、血液、及び肉副産物)が使用されている。しかし、そのようなタンパク質供給源は、例えば、ウシ海綿状脳症(別名狂牛病)及びスクレイピーのような「消耗性」疾患の蔓延を引き起こすことによって、動物及びヒトの健康を損ない得ることが懸念されている。
【0005】
野菜生成物(例えば、大豆及び小麦)並びに単一細胞(即ち、微生物の)タンパク質供給源の単一培養物(又は良好に特徴付けされた混合型群集)が、食品添加物として評価されている。例えば、微生物が、天然ガスを含む基質(例えば、米国特許出願公開第2005/0124053号及び同第2005/0271771号に記載のNorfermで現在取り扱っていないBioprotein(登録商標)製品)上で増殖されている。動物用食品に組み入れられ得るさらなる生物体として、藻類、酵母、及び動物プランクトンが挙げられる。別の動物用食品供給源の極端な例が、いくつかの発展途上国の水産養殖業において見出され、ここで、ブタ、アヒル、ウシ、ヒト、及び他の動物の糞便が、これらの廃棄生成物に残留する栄養価を回収するために、飼料として利用されている。しかし、そのような生成物を飼料として使用すると、動物(若しくはヒト)の健康を損なうか又はこのような様式で給餌した動物の肉に不快な味が付与され得る。
【0006】
それ故、従来の動物用食品を製造するための原材料投入は、天然の供給源から直接的か又は他の食品の製造由来の副産物から誘導されるかのいずれかである様々な供給源から取り出される。十分なタンパク質を最終的な動物用食品に組み入れることは、主な製造目的であり、そして動物供給原料の全製造コストに顕著に影響を及ぼす。特に、水産養殖及び家畜用食品産業では、様々な自然漁業から回収される魚粉を利用する食品生産者が増加している。しかし、このような依存により、天然資源が枯渇することが懸念されている。
【0007】
上記で考察したように、動物用食品には、ヒト若しくは動物用食品の製造又は動物又はヒト用食品の成分から誘導される廃棄副産物を補充することができる。用語「ヒト又は動物用食品」は、ヒト又は動物食用の任意の食品又は飲料、さらに、ヒト又は動物用食品の成分(例えば、コーンシロップ、廃糖蜜など)を含む。食品製造プロセスは、「固体残留物」(即ち、固体廃棄流)又は「水系残留物」(即ち、溶解した及び水中に混入される粒状廃棄物質)を含有する廃棄流を生成し得る。副産物をもう1つの販売可能な製品(例えば、動物飼料)の製造に使用する場合、プロセスを、一般的に同時生成と称する。例えば、魚粉は、加工された丸ごとの食品(ニシン、カタクチイワシ、イワシなどのような群れを形成する魚)又は食品加工残留物(魚の頭、骨、内臓)の生成物である一方、粗引き小麦粉(固体残留物)は、動物用食品中の成分として使用することができる同時生成物の食品添加物である。動物用食品において使用される固体残留物のさらなる例として、醸造所から廃棄されるホップ、大麦、及び酵母が挙げられる(例えば、ウシ、ウマ、及びニワトリのため)。
【0008】
水系残留物は、一般的に、排水処理施設において処理され、ここで、受け入れ水域又はもう1つの排水処理施設(例えば、河川若しくはより大きな排水処理施設)において、処理された排水の最終処分の前に、水性廃棄流(即ち、排水)由来の混入物が取り出される。水系残留物はまた、排水をもう1つの排水処理施設(例えば、自治体排水処理施設)に送る前に、排水生産者が排水を部分的に処理して、水系残留物の少なくとも一部を取り出す前処理に供することもできる。排水は、(下水の投入が必ずしも存在しない食品加工施設のような)産業的プロセス及び(下水の投入が全体的流動の主な誘因である自治体のような)家庭排水源に由来し得る。排水に存在する最も一般的な混入物として、生化学的酸素要求量(BOD)に寄与する可溶性の炭素含有(即ち、有機)化合物が挙げられる。BODは、水又は排水中の混入物の生物学的分解に必要な酸素の基準であり、そして一般的に、その排水に含有される水系有機物質の量に相関する。言い換えれば、排水の有機性物質含有量が大きいほど、その排水に要求されるBODレベルは大きくなる。米国におけるほとんどの規制基準を満たすために、受け入れ水域に排出される前に、BODレベルは、一般的に、約30mg/L未満に低下するべきである。排水処理施設への流入排水は、それらのBOD濃度及び生化学的特徴に関して、顕著に変動し得る。例えば、食品加工施設は、30,000mg/Lを超えるBODレベルを含有する排水を生じ得る一方、都市下水を有する排水処理施設は、一般的に、平均で約200mg/L〜400mg/Lの間の排水を受容する。さらに加えて、排水は、広範な化学構造及び分子量を有するBODに寄与する化合物を含有し得る。
【0009】
多くの排水処理プロセスは、BOD基質の細胞塊への生物学的変換に依存する。いくつかの場合、特に、食品産業では、栄養素に限界がある結果として(例えば、微生物細胞の均衡の取れた増殖を促進するのに不十分な濃度で窒素、リン酸、又は他のいくつかの必須栄養成分が存在するため)、生物学的処理プロセスを実行するのが困難になり得る。細菌の均衡の取れた増殖とは、有機其質中の生物体が接触する時に、十分な量の栄養素が存在し、かつ生物学的に利用可能であることを意味する。基質及び栄養素が同時に存在すると、細菌は、細胞増殖に最も関連する分子成分、具体的には、タンパク質、核酸、及び脂質を産生することが可能である。(窒素及びリンのようないわゆる「主要栄養素」、並びに金属及びビタミンのようないわゆる「微量栄養素」を両方とも含む)十分な量の栄養素が存在しない場合、細菌は、不均衡な増殖をする。均衡の取れた増殖とは対照的に、不均衡な増殖は、細胞について多糖材料の産生の増加(炭素原子が細胞増殖に関与する分子(例えば、タンパク質、核酸、及び脂質)から隔離されるプロセス)によって特徴付けられる。
【0010】
図1は、生物学的処理プロセスを使用する典型的なタイプの排水処理施設の略図を提供する。食品副産物1を含有する流入排水は、処理プロセスに導入される(図1)。施設の設計は多様であり得るが、本質的な生物学的排水処理プロセスは、排水中で微生物(特に、細菌)と、水系有機物質(即ち、BOD)と、を接触させることに関与する。一般的に、この接触は、酸素を導入して好気条件を維持する曝気槽(又は連続の槽)4において行われる。微生物は、排水に含有される水系残留物を代謝し、それによって、それらに含有されるエネルギーを(還元型炭素化合物の形で)利用する。維持及び増殖(即ち、細胞の繁殖)を含む細胞代謝の必要条件を満たすプロセスでは、排水中の残留性物質(即ち、BODに寄与する化合物)が代謝され、そして微生物塊に変換される。この固体微生物塊(別名固体)から処理された水を分離するために、曝気槽4の内容物を清澄槽5に沈殿させることができる(他のタイプの分離装置も清澄槽の代わりになり得ることが理解されよう)。次いで、分離された固体(即ち、細菌を含有する)7の一部を、曝気槽4に戻して、本明細書に記載の高濃度の生物体を維持する。準定常状態の条件を維持するために、曝気槽に戻さなかったそれらの固体は、処理プロセスから「廃棄」(即ち、取り出し)8されなければならない。これらの廃棄された固体は、一般に、廃棄活性スラッジ(WAS)と称される。従って、生物学的排水処理プロセスの結果として、流入排水流中の水性残留物(即ち、BODに寄与する化合物)は、主に、最終的に処理プロセスから退出しなければならない細胞固体に組み入れられる一方、(BODレベルの顕著な減少を伴う)処理された水6が受け入れ水域に排出される。取り出された細胞固体(即ち、WAS)は、最も一般的には、脱水プロセスで細胞内の水を部分的に取り出した(即ち、脱水した)後、多様な方法で回収及び処理される。
【0011】
図2は、この細胞材料を脱水及び処分するための1つの従来の方法を概説する。廃棄固体15は、そこに含有される細胞内の水を部分的に取り出すベルトフィルタープレス16に適用される。この脱水方法は、いくらかの従来の方法のうちの1つであり、遠心分離、乾燥、様々なタイプのフィルタープレスなどを挙げることができる。ベルトプレスに導入するとき、WAS中の固体含有量は、しばしば、重量パーセントに基づいて、約3%未満の固体である。しかし、ベルトプレス脱水の完了時、得られるフィルターケーキ(部分的に脱水された生物学的固体、別名バイオソリッドからなる)17中の固体含有量は、しばしば、約15%〜約20%の間の固体である。脱水(即ち、ろ過)中に取り出された細胞内の水は、通常、排水処理プロセス18に戻される。次いで、部分的に脱水された固体に、固体処分プロセス19を行わなければならない。これらの処分オプションは、主に、輸送及び処理委託のコストが高いため、一般的に、バイオソリッド材料の生産者に費用がかかる。結果として、バイオソリッド生産者は、しばしば、脱水の前及び後にバイオソリッドを処理して、処分のための材料の容積を減少させる。そのようなプロセスとして、粒状の炭素物質(即ち、そうでなければ処分が必要な固体)を、二酸化炭素及びメタンのような気体の形態に変換するための好気的及び嫌気的消化が挙げられる。これらの揮発性成分は、雰囲気中に直接放出されるか又は燃焼されるかのいずれかであり得、それによって、処分を必要とする固体材料の量が減少する。脱水を必要とするバイオソリッドの量を減少させるための他のプロセスとして、エネルギー含有BODから生成する細胞材料が減少する嫌気的生物学的処理プロセスが挙げられる。
【0012】
排水処理施設(即ち、WAS)由来のバイオソリッドを処理するための他の別法として、海洋投棄、焼却、埋め立て、及び土壌還元が挙げられる。しかし、海洋投棄は、環境汚染が懸念されるため、ますます規制され、そして費用がかかるようになった。規制を配慮すること及び高エネルギーの投入が要求されることの両方により、同様の懸念から、多くの排水処理施設がWAS焼却から撤退している。WASの埋め立てもまた、ほとんどの施設が湿潤性の物質を受け入れないため、問題である。同様に、WASの土壌還元は、病原性生物体の処理に関する懸念のため、地域社会の強い反対及び厳格な規制管理を生じ得る(例えば、コンポスト処理の規制要件には、不活化(即ち、バイオソリッドを含む微生物の死滅)を確実にするための注意深い温度モニタリングが必要である)。
【0013】
これらの懸念のため、バイオソリッドのコンポスト化は、排水処理プロセス由来の廃棄微生物を処理するためのより魅力的な方法になっている。コンポスト手順を適切に実行した結果、排水処理施設は、コンポスト材料(一般的に、「クラスAバイオソリッド」と称される、40 C.F.R.§503を参照のこと)を販売することによって、ある程度の収益を得ることが可能であり得る。或いは、熱的脱水されたバイオソリッドもまた、肥料及び土壌改良剤(例えば、Milorganite(登録商標)肥料及び土壌改良剤、Milwaukee Metropolitan Sewerage Districtにより製造された製品)として販売されている。
【0014】
米国特許第4,119,495号には、加水分解されたWASからタンパク質を抽出して、酵母、又は動物に給餌するためのタンパク質添加物のような他の微生物を培養するための栄養源を提供することが記載されている。しかし、この方法は、微生物タンパク質を回収するために、費用のかかるpH及び温度調整を要する。他の研究者らは、活性スラッジを使用して、食料品としての家庭排水処理プロセス由来の成分を評価しているが、未だ、それを行うための大規模の商業用プロセスは実行されていない(Anwar et al., Aquaculture, vol. 28 (1982) pp. 321-325;Tacon and Ferns, Agriculture and Environment, vol. 4 (1978/1979) pp. 257-269;Tacon and Ferns, Nutrition Reports International, vol. 13 (1976) pp. 549-562;Tacon, Proc. World Symp. On Finfish Nutrition and Fishfeed Technology, Hamburg 20-23 June, 1978, Vol. II. Berlin 1979;Edwards, 1992, Reuse of Human Wastes in Aquaculture: A Technical Review, UNDP-World Bank Water and Sanitation Program)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の簡単な概要
一実施形態では、本発明は:代謝可能な成分を含む水性廃棄流を、少なくとも1つの細菌培養物を含有する増殖容器に第1の流速で加える工程と;前記水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝することによって、前記少なくとも1つの細菌培養物の細菌を前記増殖容器において増殖させ、それによって、水性バルク液体において細菌懸濁液を形成させる工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、前記水性廃棄流と比較して代謝可能な成分が枯渇する、工程と;前記水性バルク液体から前記細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成する工程と;細菌塊を第2の流速で取り出す工程と;第3の流速で前記細菌塊の一部を増殖容器に戻す工程と;第4の流速で前記水性バルク液体の一部を取り出す工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、浮遊物質を実質的に全く含まない、工程と;第2の流速を調整して、約8日間以下の前記細菌のMCRTを提供する工程と;前記取り出された細菌塊を、MWRT−MCRT≦約2日間である期間内に乾燥する工程とを含む、方法に関する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は:増殖容器;代謝可能な成分を含む水性廃棄流を前記増殖容器に加えるための手段と;前記水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝し、それによって、水性バルク液体において細菌懸濁液を形成する、前記増殖容器中の少なくとも1つの細菌培養物であって、ここで、前記水性バルク液体は、前記水性廃棄流と比較して代謝可能な成分が枯渇する、少なくとも1つの細菌培養物と;前記増殖容器において、前記細菌懸濁液及び水性バルク液体を曝気するための手段と;前記水性バルク液体から前記細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成するための手段と;前記排水処理ユニットから前記細菌塊を取り出すための手段と;前記排水処理ユニットにおける約8日間以下の前記細菌のMCRTを提供するために、前記細菌塊が取り出される前記速度を調整するための手段と;前記排水処理ユニットから前記水性バルク液体の一部を取り出すための手段であって、ここで、前記水性バルク液体は、浮遊物質を実質的に全く含まない、手段と;前記取り出された細菌塊を乾燥するための手段と;前記取り出された細菌塊を乾燥する期間を調整し、それによって、MWRT−MCRT≦約2日間である手段とを含む、排水処理ユニットに関する。
【0017】
約100mg/L以上のBODレベルを伴う溶解若しくは懸濁した代謝可能な食品及び/又は飲料副産物を含む食品及び/又は飲料加工工場由来の水性廃棄流を信号が受信する工程と;代謝可能な成分を含む前記水性廃棄流を、少なくとも1つの細菌培養物を含有する増殖容器に第1の流速で加える工程と;前記水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝することによって、前記少なくとも1つの細菌培養物の細菌を増殖容器において増殖させ、それによって、水性バルク液体において細菌懸濁液を形成させる工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、前記水性廃棄流と比較して代謝可能な成分が枯渇する、工程と;前記水性バルク液体から前記細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成する工程と;細菌塊を第2の流速で取り出す工程と;第3の流速で前記水性バルク液体の一部を取り出す工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、浮遊物質を実質的に全く含まず、そして許容レベル内のBODを有する、工程と;第2の流速を調整して、約8日間以下の前記細菌のMCRTを提供する工程と;前記取り出された細菌塊を、MWRT−MCRT≦約2日間である期間内に乾燥する工程と;動物飼料のためのタンパク質供給源として前記乾燥した細菌塊を提供する工程とを含む、方法。
【0018】
細菌の混合物を含む細菌塊を含む組成物であって、ここで、前記細菌は、遺伝子改変された細菌、ミクロコッカス(Micrococci)、バチルス(Bacilli)、フラボバクテリア(Flavobacteria)、メタン生成菌、シュードモナ(Pseudomona)、ニトロソモナ(Nitrosomona)、ニトロバクテリ(Nitrobacteri)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、硝化細菌、好気性従属栄養細菌、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;ここで、前記細菌塊は、45%以上のタンパク質含有量を有する、組成物。
【0019】
本明細書では、水性廃棄流を処理するための装置及び方法について説明する。いくつかの実施形態では、方法は、排水処理システム内の細菌塊の第1の部分の量に関連する第1の信号を受信する工程を含む。いくつかの実施形態では、第1の信号は、排水処理システムに進入する廃棄流の流速に比例し得る。細菌塊の第1の部分は、排水処理システム内の水性バルク液体の第1の部分内に含有される。排水処理システム内の細菌塊の全細胞質量は、少なくとも第1の信号に基づいて計算される。細菌塊の第2の部分の量に関連する第2の信号が受信される。細菌塊の第2の部分は、ある流速で排水処理システムから退出する水性バルク液体の第2の部分内に含有される。次いで、方法は、排水処理システム内の細菌塊の全細胞質量及び第2の信号に基づいて、排水処理システム内の細胞塊の平均細胞保持時間を計算する工程を含む。排水処理システム内の細菌塊の平均細胞保持時間が、予め決定された範囲内にあるように、水性バルク液体の第2の部分の流速が調整される。予め決定された範囲は、例えば、約2日間〜約8日間の間の期間であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、生物学的プロセスを使用する従来の排水処理施設の略図である。
【図2】図2は、WASの脱水及び処理のための従来の方法の略図である。
【図3】図3は、本発明の方法の略図である。
【図4】図4は、実施形態に従う排水処理の模式図である。
【図5】図5は、実施形態に従う排水処理システム内の水性バルク液体の流速を調整する方法のフローチャートである。
【図6】図6は、実施形態に従う排水処理プロセスに関連する契約価格を調整する方法のフローチャートである。
【図7】図7は、実施形態に従う排水処理プロセスの一部を調整する方法のフローチャートである。
【図8】図8は、実施形態に従う水性廃棄流の処理コスト及び時間の関数としての回収された生成物の値のグラフ図である。
【図9】図9は、単一細胞のタンパク質を含有する食品を給餌した魚の実際の増殖データを例示する。
【図10】図10は、単一細胞タンパク質を補充した食品を給餌したティラピアの全身分析を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
すべての引用文献は、あらゆる目的のために本明細書においてそれらの全体が参考として援用され;任意の文献の引用は、それが本発明の先行技術であることを認めたものと解釈されるべきではない。
【0022】
用語「廃棄活性スラッジ」(WAS)、「細胞塊」、「細菌塊」、及び「細菌細胞塊」は、同義的に使用されて、微生物の比較的濃縮された塊を指す。
【0023】
用語「栄養素」、「代謝可能な成分」、「炭素含有化合物」は、同義的に使用されて、生物体が生存し、そして増殖するのに必要な有機化合物を指す。
【0024】
一実施形態では、本発明は、例えば、動物飼料、特に、水産養殖におけるようなヒト食用のために飼育される動物の飼料中のタンパク質供給源としての使用に適切な乾燥した細菌塊を調製するための方法に関する。
【0025】
より具体的には、本発明は、食品又は飲料加工工場の廃棄流由来の排水が単細胞生物体(例えば、細菌)の増殖培地として使用され、次いで、単細胞生物体が、動物飼料に使用するために適切な安価な費用効果の高いタンパク質供給源として回収される方法に関する。加工工場における食品又は飲料由来の排水は、そのBODレベルによって特徴付けることができ、これは、一般的に、排水中の水系有機物質の量に相関する。上記で考察したように、排水の排出規制を満たすために、食品及び飲料加工工場は、しばしば、排水中の有機物質の生物学的変換に依存して、BODを規制されたレベル内に減少する。しかし、生物学的変換プロセス中に形成及び取り出される細菌塊(即ち、WAS)は、典型的に、上記で考察した多様な方法のいずれかによって廃棄される。それ故、食品加工業者は、排水処理プロセスを操作する、並びにWASを廃棄するコストを負う。WAS処分コスト(典型的に、WASの重量又は容積に基づく)を最小限にするために、WASは、典型的に、(即ち、細菌塊を揮発性化合物に分解するための内因性分解を使用して)「消化される」。これは、固体の廃棄流の容積を減少させる一方、消化されたWASのタンパク質内容物もまた、分解される。
【0026】
従来の排水処理プロセスにおけるのと同様に、本発明の方法もまた、食品又は飲料加工工場由来の排水に存在する有機物質の生物学的処理を提供し、従って、排水のBODを排出規制を満たすレベルにまで減少させる。しかし、本発明の処理プロセスは、従来の廃物処理プロセスのそれとは、本明細書に記載のように、処理プロセスにおいて生成される、及びそれから取り出される細菌塊のタンパク質レベルを最大限にするよう制御される点で異なる。
【0027】
さらに加えて、本発明の方法は、細菌塊を消化するのではなく、保存のため、及びタンパク質含有量及びその質を最大にするために、取り出したすぐ後に細菌塊を乾燥することを提供する。従来の廃物処理プロセスから取り出した乾燥したバイオソリッドは、35%を超える灰分百分率を有し得る。灰分は、動物が十分に代謝することができない無反応性材料(一般的に、無機物)を含むため、排水処理施設での操作条件を改変することによって、灰分の生成を減少させることが所望される。従来の排水処理プロセスでは、バイオソリッドは廃棄物として処理されなければならないため、バイオソリッドの生成は、若干不利である。それをさらに処理して、商業製品(例えば、コンポスト材料)を生成する場合であっても、そのような生成物は比較的価値が低い。従って、固体塊のいくつかの画分を様々な気体及び可溶性代謝物に変換するために、WASは、典型的に消化され(即ち、好気的又は嫌気条件下のいずれかで数日間又は数週間貯蔵される)、これにより、WASの有機塊が減少する。これによって、従来の処理施設は、処分を必要とするバイオソリッドの容積を減少でき、それによって処分コストが減少する。しかし、比較的容易に消化される化合物(例えば、タンパク質及び脂質)は、最初に、消化中に代謝される一方、より無反応性の分子及び無機物は、消化されたWAS中に残留する。消化を増大すると、WASは、灰分(即ち、無反応性又は無機性物質)の百分率はより高く増加するが、より価値のある栄養成分が失われる。
【0028】
上記で考察したように、本発明の方法は、WASのタンパク質及び脂質含有量を増加し、そしてその栄養価を増強するために、WASの消化を回避する。消化を回避すると、分解が最小化することによって、回収されたバイオソリッド中の粗タンパク質のレベルが増加する。例えば、消化工程を含む従来の排水処理プロセス由来の乾燥したフィルターケーキバイオソリッドサンプルは、約33%のタンパク質含有量を有するが、消化前に取り出された(及び約5日間の「若い(young)」スラッジ齢を有する)同様のサンプルは、50%を超える(細菌中のタンパク質レベルの実際的な上限と一般に考えられている60%〜70%のタンパク質レベル付近の値の)タンパク質含有量を生じる(Niedhardt et al, Physiology of the Bacterial Cell: A Molecular Approach, 1990 Sunderland, MA;Gottschalk, Bacterial Metabolism, 2nd edition, 1986, Springer- Verlag;これらの両方とも、すべての目的のために、それらの全体が、参考として本明細書に援用される)。
【0029】
本発明の方法では、生成した細菌塊の量、及び細菌塊中のタンパク質レベルは、プロセス中の細菌細胞の平均細胞保持時間(MCRT)を調整することによって、制御される。以下にさらに詳細に説明するように、MCRT値自体は、細菌塊がプロセスから取り出される(「廃棄される」ともいう)速度を調整することによって、制御することができる。
【0030】
MCRTは、排水処理プロセス中の瞬間全細胞(例えば、細菌)塊を、単位時間あたりに取り出した細菌塊で除することによって計算することができる。プロセス中の全細菌塊は、従来の様々な方法、例えば、プロセス由来の既知の容積の排水サンプルを取り出し、それらのサンプル中の細菌塊を測定し、及びそれらのサンプル中の細菌塊を、排水処理プロセスの全容積中の全細菌塊のそれに外挿することによって、測定することができる。全細菌塊を推定する他の方法も当業者に明らかである。それ故、全細菌塊が100ポンドであり、そして1日あたり20ポンドの細菌塊が取り出される場合、MCRT値は5日間である。
【0031】
一実施形態では、本発明の方法のMCRTは、約8日間以下に調整されるべきである。他の実施形態では、MCRTは、約7日間以下、約6日間以下、約5日間以下、約4日間以下、若しくは約3日間以下、又は約2日間以下(上記の値のいずれかの間のすべての範囲及び部分範囲を含む)で維持される。別の言い方をすれば、細菌塊の約1/8、1/7、1/6、1/5、1/4、1/3、又は1/2以下が、1日あたりの処理プロセスから取り出されるべきである(これらの値のいずれかの間のすべての範囲及び部分範囲を含む)。なお他の実施形態では、MCRTは、約1〜6日間、約1〜4日間、又は約1〜3日間である。MCRTが約6日間を超える場合、細菌細胞の平均齢が非常に高くなり、そして比較的古い細菌細胞が内因性分解に供されることにより、全タンパク質含有量が低下し、そして場合によって、タンパク質の質が低下するため、得られるタンパク質の収率が低下する。MCRT値が非常に低い(例えば、約1日間より低い)場合、バルク液体に懸濁した細菌細胞は、重力沈降槽に沈降することができず、従って、溶存空気浮上及び膜バイオリアクターのような別の分離方法を使用して、バルク液体から「若い」細胞を分離しなければならない。一般に、2.5日間以上の細胞が良好に沈降する。(例えば、排水処理認可によって指令されるように)アンモニアを排水から取り出さなければならない場合、約4日間より有意に若い細胞であってはならない。
【0032】
加えて、MCRTと共同して「平均廃棄物滞留時間」(MWRT)を制御すると、回収した細菌塊由来のタンパク質レベルが改善されることを見出した。MWRTは、炭素含有化合物(例えば、廃棄流のBODに寄与する有機化合物)が排水流中のプロセス(例えば、曝気容器)に進入した時から、乾燥した細菌塊として(即ち、乾燥工程の完了後に)炭素が回収されるまでの時間により測定される、プロセス中のこれらの化合物の平均滞留時間である。MWRTは、プロセス中の炭素の全質量(例えば、プロセスに進入する排水中の炭素+排水中に懸濁された細菌細胞の炭素含有量−(マイナス)様々な代謝プロセスによって失われる任意の炭素、例えば、CO、又は沈殿によって失われた炭素など)を1日あたりに回収された乾燥した細菌塊中の炭素の全質量で除することによって、計算される。用語「乾燥した細菌塊」は、細菌塊が貯蔵及び輸送に十分に安定である水分含有量まで乾燥した細菌塊を指す(例えば、約30%水分未満、約20%水分未満、約10%水分未満、約5%水分未満、約4%水分未満、約3%水分未満、約2%水分未満、又は約1%水分未満)。それ故、プロセス中の炭素の全質量が100ポンドであり、そして細菌塊を乾燥した後に1日あたり15ポンドの炭素が回収される場合、MWRTは約6.7日間である。MWRTは、プロセスから細菌塊を取り出す工程と、その後の細菌塊を乾燥する工程との間の期間に相関する。それ故、MWRT値は、プロセスからの取り出し時に細菌塊を如何に迅速に乾燥するかによって制御することできる(低いMWRT値は、分離及び取り出しのすぐ後に細菌塊を乾燥することによって、達成することができる)。MWRTは、本来、MCRTによって制限されるため、MWRT値もまた、MCRTを調整することによって制御することができる。例えば、分離及び乾燥に1日間必要であり、そしてMCRTが4日間である場合、(例えば、廃棄速度を増加する一方、1日間以内に分離された細胞の乾燥を継続することによって)MCRTを1日少なくすることにより、MWRTから1日間差し引くことができる。
【0033】
一実施形態では、本発明の方法のMWRT値は、約10日間を超える。他の実施形態では、MWRTは、約9日間以下、約8日間以下、約7日間以下、約6日間以下、約5日間以下、約4日間以下、約3日間以下、又は約2日間以下(これらの値のいずれかの間のすべての範囲及び部分範囲を含む)である。特定の実施形態では、MWRT値は、6.5〜7日間以下である。他の実施形態では、MWRT値は、2〜5日間以下、又は約2〜3日間である。MWRTが>約7日間である場合、細菌塊の回収及び乾燥の前に細菌細胞がいくらかの分解を生じ得るため、プロセスからのタンパク質の収率が減少する。本発明の方法では、MWRT及びMCRT値は、両方とも、回収工程と乾燥工程との間の期間、細菌塊内のタンパク質含有量の減少が50%以下になるように、制御することができる。いくつかの実施形態では、相対的MWRT及びMCRT値は、MWRT−MCRTが≦約2日間というように、「MWRT−MCRT」と数学的に表現することができる。他の実施形態では、MWRT−MCRTの値は、≦約1日間、≦約0.5日間、≦約0.25日間、≦0.2日間、≦0.15日間、≦約0.1日間、又は≦0.05日間であり、それらの間のすべての値、及び範囲が含まれる。なお他の実施形態では、MWRT−MCRTの値は、約0.05〜約0.5日間、約0.1〜約0.5日間、約0.25〜約2日間、約0.25〜約1日間、約0.25〜約0.5日間、約0.5〜約2日間、又は約0.5〜約1日間である。
【0034】
本発明の方法の他の実施形態では、全プロセスが、本質的に好気条件下で行われる。用語「本質的に好気条件」は、流量調整タンク(即ち、食品加工工場により生じる排水の瞬間容積にかかわらず、定常流条件下で本発明の方法を作動させる流入貯蔵タンク又はサージタンク)を用いる本発明の方法の実施形態を含む。流量調整タンク中の排水を処理することは意図されていないが、いくつかの条件下で、少量の嫌気的消化が流量調整タンクにおいて生じ得る;しかし、そのような条件下での嫌気的消化の程度は、嫌気的消化プロセスを支持するように設計された当該分野において既知の単位操作によって提供される程度より実質的に低い。嫌気的プロセス工程、操作条件、又は単位操作によっては、経済的細菌SCPを産生するのに十分な量の廃棄物基質(例えば、食品由来の増殖培地)を細菌細胞におけるタンパク質産生を支持しない還元型に変換することによって、以後の好気的プロセスにおいて産生されるバイオマスの質(即ち、タンパク質含有量など)を低下させることを見出した。加えて、嫌気的プロセス工程は、有意な量の(嫌気性)細菌タンパク質を提供しない。言い換えれば、流入部での嫌気的前処置が用いられる場合、得られる粗タンパク質含有量は、<60%に制限されるようである。このようにタンパク質が比較的欠如しているため、ごく僅かに有益化又は有益でない材料が生じる。
【0035】
図3は、本発明の方法の一実施形態を模式的に例示する。食品製造プロセス20及び含有水系残留物21由来の排水は、増殖容器22に流動する。増殖容器22は、残留物(即ち、水系、BOD含有材料)が、懸濁した微生物(例えば、一般に、約1%未満の固体で存在する細菌)と接触する1つ以上の従来の低酸素容器又は1つ以上の従来の曝気槽を含む排水処理分野において公知の微生物の増殖及び繁殖に適切な任意の構造を有することができる。好適ではないが、いくつかの実施形態において、増殖容器22はまた、従来の嫌気的容器も含むことができる。生物学的な排水処理中、これらの微生物は、排水流に存在する水系残留物を代謝し、それによって、繁殖する一方、排水中のBODレベルを減少させる。
【0036】
微生物は、例えば、(米国特許出願公開第2003/0232107号(すべての目的のために、その全体が参考として本明細書に援用される)に記載の)重力沈降、溶存空気浮上、膜バイオリアクター、又は当該分野において公知の他のプロセスを含む多様な単位プロセスによって、処理排水から分離することができる。一実施形態では、微生物は、重力沈降によって分離され(図3)、ここで、曝気槽22由来の活性汚泥浮遊物質が清澄部23に流動する。微生物を清澄部の底部に沈降させる一方、上層流(即ち、浮遊物質をほとんど含まない処理された水)を、清澄部の頂部から受け入れ水域24に排出させる。(一般的に、概ね約0.1%〜約3%の間の固体に脱水される活性汚泥浮遊物質において本来見出される微生物のバルクを含有する)下層流を2つの流れに分ける。プロセス中の微生物の適切な濃度を維持するために、これらの流れの第1のものは、排水処理プロセスに戻される。この第1の流れは、一般に、返送活性スラッジ(RAS)と称される。これらの流れの第2のもの(一般に、廃棄活性スラッジ又はWASと称される)は、場合により、脱水し、次いで、WASのタンパク質含有量のさらなる減少を防止するのに十分低い水分まで、短期間内に乾燥する。次いで、乾燥した細菌塊を、場合により、動物飼料として直接使用するか、又は他の成分と共に動物用食品に処方するのに簡便である形態(例えば、粒子、顆粒、ペレットなど)にさらに処理することができる。
【0037】
上記のように、ほとんどの実施形態では、排水処理プロセス(例えば、22、図3)が、増殖容器において行われる。例えば、清澄プロセス(例えば、23、図3)を使用して、個別の清澄容器において排水から微生物を取り出すことができるか、或いは両方のプロセスを、操作条件を変更することによって、例えば、増殖容器における撹拌を定期的に停止し、それによって、微生物の重力沈降及び取り出しを可能にすることによって、同じ容器(例えば、連続バッチ反応器)中で行うことができる。
【0038】
(例えば、上記で考察したような)細菌細胞をバルク液体から分離及び回収するための他の単位プロセスを、清澄部の代わりに使用することができる。例えば、清澄部を溶存空気浮上単位で置き換える場合、溶存空気浮上単位の上層流を、返送活性スラッジ(増殖容器に戻す)及び廃棄活性スラッジ流に分け、そして処理排水(即ち、主として浮遊物質を全く含まない処理された水)を下流層から排出させる。もう1つの例として、しばしば、増殖容器内で、バルク液体から細菌細胞を分離するために膜フィルターを用いる膜バイオリアクター、即ちMBRの使用が挙げられる。次いで、これらの細胞の一部は、部分的若しくはその全体を増殖容器に戻し得るか、又はそれは、部分的若しくはその全体を廃棄し得る。同様に、細菌細胞をバルク液体から分離及び回収するために使用し得る他の単位プロセスを、適切な様式で増殖容器と統合させて、排水流に含有された水系残留物を使用して、細菌塊を増殖及び繁殖させ、次いで、WASを分離及び乾燥する工程を提供する。使用する特定の分離プロセス、WASが全体的プロセスから取り出される速度、又は乾燥した細菌塊が得られる速度にかかわらず、廃棄及び乾燥プロセスは、両方とも、上記のようなMCRT、MWRT、及びMWRT−MCRT値を提供するように調整される。従って、排水流のBODレベルが、受け入れ水域(例えば、湖、河川、海)への排出のために許容レベルに従うように十分なレベルにまで減少する一方、動物飼料に使用するために適切な高タンパク質レベルを伴う乾燥した細菌塊が、経済的に作製される。
【0039】
増殖容器に加えられる前に、本発明の方法において使用される本明細書に記載の排水及び水系残留物は、本発明の方法から得られる最終的に乾燥した細胞塊がヒト食用のために飼育される動物の動物飼料に使用するのに適切であるように、従来の食品を含む食品品質材料の条件と同様の衛生条件下で維持される。例えば、廃棄流の適切な衛生レベルを維持するために、本発明の方法を利用する個々の食品加工業者は、重質有機物(即ち、ディグリーザー及びクリーナー)、毒性の化学薬品(金属を含む)、又は下水の同じ排水流への排出を回避し、そして動物食用とされている他の副産物流と少なくとも同じレベルの配慮で廃棄流を処理する。一実施形態では、排水及び水系残留物は、American Association of Feed Control Officials Official Publication (2007)(すべての目的のためにその全体が参考として本明細書に援用される)に概略された要件に従う。
【0040】
プロセスから(例えば、清澄、空気浮上ユニット、又は膜バイオリアクターから)の分離及び取り出しの直後、但し、乾燥工程の前、WASの固体含有量は、典型的に、約0.1%〜約3%である。WASは、直接乾燥することができるが、乾燥工程前にWASを脱水する方が、しばしば、効率的であり、そして費用がかからない。一実施形態では、ベルトフィルタープレスを使用して、WASの効率的部分的脱水を行うことができる。或いは、(減圧支援プレス、フィルターカラム、スクリュープレス、ロータリープレス、ドラム濃縮機、重力式ベルト型濃縮機、電気仲介脱水、押し出し脱水、プレート及びフレームプレスなどのような)遠心分離又は他の手段もまた、使用することができる。脱水工程はまた、凝集剤、例えば、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、アクリルアミド−アクリレートコポリマーなどのようなGRAS(一般に安全と認められる)凝集剤の添加によっても、容易にすることができる。例えば、ベルトプレスによる脱水工程のあと、WASの固体含有量は、一般的に、約4%〜約40%の間まで増加する。実際には、細菌塊に存在するすべて(即ち、100%)の水を取り出すことは困難であるため、「湿潤」及び「乾燥」のような用語は、相対的な用語である。上記で考察したように、用語「乾燥」は、貯蔵及び輸送のために細菌塊が十分に安定であるのに十分に低いレベルの水を指す。用語「十分に安定な」とは、通常の条件(例えば、約25℃以下の温度、約60%未満の相対湿度)下で貯蔵する場合、30日間の期間を超えて、タンパク質含有量の約5%未満の減少が観察されることを意味する。「乾燥」したWASの固体含有量は、約80%〜約100%、例えば、約80%、約82%、約85%、約87%、約90%、約92%、約95%、約97%、約99%、又は約100%の範囲である(それらの間のすべての値、範囲、及び部分範囲を含む)。
【0041】
いくつかの実施形態では、一般的に無傷な(intact)微生物細胞の形態でバイオマスを回収するのではなく、例えば、タンパク質の消化率を改善するために、微生物細胞の少なくとも一部を従来の任意の方法によって溶解してもよい。
【0042】
次に、脱水したWASを、実際の動物飼料に適切な形(例えば、ペレット)に変換することができる。この単位プロセスは、細菌塊の乾燥工程及びそれに存在する微生物の失活の両方を含む。例えば、ベルトプレス工程後、脱水したWASを、押し出しプロセスに供することができる。押し出しプロセスでは、それぞれ(一様な乾燥及び熱分布を提供する)均質な断面を有する複数の長形片を生成するために、脱水したWAS(約15%固体を含有する)に加圧し、そしてオリフィスを介して通過させる。次いで、典型的に、105℃の温度を約1日間以下の期間、維持することによって、片をさらに乾燥する。他の実施形態(使用した変換方法とは独立して)では、脱水したWASを、約10%の範囲に水分含有量を減少させるのに十分な時間、55〜105℃、65〜95℃、又は約80℃の温度範囲内で乾燥させることができる。例えば、脱水したWASは、約1日間未満の期間、約70〜105℃の温度で乾燥することができるか、約1日間未満の期間、約70〜95℃の温度で乾燥することができるか、又は約1日間未満の期間、約80℃の温度で乾燥することができる。特定の実施形態では、乾燥したWASは、約68℃±10℃で乾燥される。他の特定の実施形態では、脱水したWASは、少なくとも約95%の固体含有量が達成されるまで、約68℃±10℃で乾燥される。
【0043】
いくつかの実施形態では、バイオマスのいくつかの部分は、プロセスからWASを単離した後、(例えば、清澄部、空気浮上ユニット、又は膜バイオリアクターから)排出された比較的「澄明な」水において保持され得、そして適切な方法を使用して、それらから回収され得る。そのようなさらなる回収工程は、プロセスからの細胞収率を増加し、そして処理施設が流出要件を満たすことを可能にすることによって、本発明の方法の全体的な効率及び費用効果を増加する。この様式で回収したさらなるバイオマスは、例えば、清澄部から単離されたWASと組み合わせてもよく、又は個別に脱水、乾燥し、そしてプロセスにおいて他で得られた乾燥したバイオマスと組み合わせてもよい。
【0044】
任意の適切な乾燥方法を使用することもできるが、但し、脱水したWASが、そのタンパク質含有量を分解することなく、十分に細菌塊を乾燥するために、十分な時間及び温度で加熱されることを条件とする。乾燥方法として、例えば、単一パス及び二重パスオーブン、噴霧乾燥機、回転ドラム式乾燥機、棚段乾燥機、天日乾燥などが挙げられる。
【0045】
乾燥プロセスの結果として、乾燥した材料に存在する微生物は、「失活」又は「不活化」される。微生物の「失活」は、さらなる繁殖に関して、(例えば、微生物を死滅させることによって)生存微生物を非生存にするプロセスである。一般的に、微生物細胞塊に存在するすべての微生物のうち100%を不活化させることは、実用的ではないことが理解されよう。従って、「不活化された」微生物細胞塊とは、不活化のレベルが、食品として食品材料を利用することが意図された動物のための安全なこの食品材料を生成するのに十分な細胞塊である。乾燥工程後、乾燥した細菌塊は、約2.5/1〜6.5/1(又は約45%タンパク質/17%灰分〜約65%タンパク質/10%灰分)のタンパク質/灰分の比を有する。他の実施形態では、タンパク質/灰分比は、約3.2/1〜8.1/1(又は約55%タンパク質/17%灰分〜約65%タンパク質/8%灰分)である。なお他の実施形態では、タンパク質/灰分比は、約10/1〜12.5/1又は約10/1〜約12.5対1である。さらなる実施形態では、タンパク質対灰分の比は、約2.7/1、約2.9/1、約3.0/1、約3.4/1、約3.6/1、約3.8/1、約4.0/1、約4.2/1、約4.4/1、約4.6/1、約4.8/1、約5.0/1、約5.2/1、約5.4/1、約5.6/1、約5.8/1、約6.0/1、約6.2/1、約6.4/1、約6.6/1、約6.8/1、約7.0/1、約7.2/1、約7.4/1、約7.6/1、約7.8/1、約8.0/1、約8.2/1、約8.4/1、約8.6/1、約8.8/1、約9.0/1、約9.2/1、約9.4/1、約9.6/1、約9.8/1、約10.0/1、約10.2/1、約10.4/1、約10.6/1、約10.8/1、約11.0/1、約11.2/1、約11.4/1、約11.6/1、約11.8/1、約12.0/1、約12.2/1、約12.4/1、又は約12.5/1である(それらの間のタンパク質/灰分のすべての比、タンパク質/灰分の範囲、及びタンパク質/灰分の部分範囲を含む)。
【0046】
次いで、必要であれば、乾燥及び失活させた細菌塊を、さらに処理して、動物に給餌するのにより適切な形態にすることができる。例えば、細菌塊の乾燥したストランド(或いは乾燥したシート若しくは顆粒)を、細断、粉砕、又は破砕して、食品が意図される動物に対応する所望のペレットサイズを提供することができる。例えば、魚及びウシには、一般的に、約1/4インチ直径のペレットが好適である一方、ニワトリには、一般的に、粗く削り取った材料が好適である。細粒を取り出すための以後のスクリーニング工程もまた、そのような細粒が問題であると考えられる場合、含めることができる(例えば、水産養殖において、細粒は、水質を有害に損ない得る)。この段階で、乾燥及び処理された細菌塊は、動物飼料として直接使用するのに適切であるか、又は動物飼料の処方中の他の成分と組み合わせることができる。
【0047】
上記で説明したように、本発明の方法のいずれかによって生成される細菌バイオマスは、様々な方法で、従来の排水処理プロセスから生成されるバイオマスWASとは異なる。例えば、排水自体は、衛生条件下で維持されるため、得られるバイオマスは、ヒトのための食品供給源として以後使用される動物(例えば、魚)の食用に不適切又は不適合にする毒性又はそうでなければ有害な成分(例えば、重金属、界面活性剤残渣など)を含有しない。
【0048】
また、プロセスを制御して、本明細書に記載のようなMCRT、MWRT、及びMWRT−MCRT値を提供することによって、本発明の方法のいずれかによって生成される細菌バイオマスは、一般的に、従来の方法によって排水流から生成されるバイオマスのタンパク質と比較して、より高品質である。例えば、バイオマスに存在する遊離の核酸のレベルは、細胞の分解の程度を反映する(遊離の核酸レベルが高いほど、細胞の分解のレベルが高く、そしてタンパク質の質が低いことを示す)。特許請求の範囲に記載のプロセスによって生成されるバイオマス中の遊離の核酸のレベルは、一般的に、約10%以下である(いくつかの実施形態では、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下(それらの間の値及び範囲を含む))。対照的に、排水流の生物学的処理のための従来の方法は、一般的に、より高い遊離の核酸レベル、例えば、約11〜12%以上を有するバイオマスを生成する。加えて、本発明の方法によって提供されるバイオマスの粗タンパク質含有量(即ち、分析された窒素含有量に基づいて推定されるタンパク質レベル)は、典型的に、約56%(例えば、約58%、約60%、約62%、約64%、約66%、約68%、約70%、約72%、約74%、約76%、約78%、約80%、約82%、又は約84%(それらの間のすべての値及び範囲を含む))より高いが、一方、従来の排水処理プロセスから生成されるバイオマスは、かなり低い粗タンパク質含有量、一般的に、約30〜56%を有する。一実施形態では、本発明の方法によって生成されるバイオマスの粗タンパク質値は、約60〜82%の範囲である。別の実施形態では、粗タンパク質含有量は、約66〜80%の範囲である。
【0049】
上記のように、「粗タンパク質」は、バイオマスの分析された窒素含有量に基づいて、全タンパク質含有量を推定する。しかし、分析された窒素含有量は、非タンパク質性供給源(核酸など)由来の窒素を含むため、粗タンパク質値では、一般的に、バイオマス中のタンパク質の量が実際より過大に評価される。「真のタンパク質」含有量は、バイオマス中に存在するアミノ酸の量に基づく、タンパク質含有量の別の測定値である。本発明の方法は、50%より高い(例えば、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、又は約62%(それらの間のすべての値及び範囲を含む))真のタンパク質含有量を有する乾燥したバイオマスを生成する。対照的に、従来の方法から生成されるバイオマスは、一般的に、<40%の真のタンパク質値を有する。
【0050】
本発明の方法によって生成されるバイオマスはまた、相対的に高いレベルのビタミンB−12、例えば、約5mg/kgを超える、約7mg/kgを超える、約10mg/kgを超える、又は約12mg/kgを超えるレベル(それらの間のすべての値、範囲、及び部分範囲を含む)を有する。
【0051】
さらに加えて、及び本明細書に記載のように、本発明の様々なプロセスによって生成されるバイオマスは、典型的に、異なるタイプの微生物(典型的に、好気的生物体(又は通性好気性菌、微好気性菌など)であるが、嫌気性微生物を含むこともできる)の混合物を使用して、行われる。異なるタイプの微生物の混合物を使用することは、微生物の集団がプロセス条件の変化に順応することができる点で有利であり得るが、一方、単一のタイプの微生物(例えば、嫌気性微生物)を使用するプロセスは、生成されるバイオマスの量を減少させ得るプロセスの「不調」に対してより脆弱である。
【0052】
加えて、本発明の方法は、微生物由来のバイオマスを含む動物飼料を生成するための他の公知のプロセス(例えば、Bioprotein(登録商標)製品を生成するための、Norfermで現在取り扱っていないプロセス)とは異なり、本発明の方法の栄養源は、再生可能及びかなり安価である(即ち、食品及び飲料加工工場の排水流から得られた典型的に廃棄される本質的に「無料の」栄養素を使用する)が、一方、例えば、Norfermのプロセスは、メタン資化性微生物の栄養源として、燃料源として典型的に使用される相対的に価値の高い「化石」炭化水素(例えば、天然ガス)を使用する。結果として、本発明の方法は、実質的に安価であり、そして本質的に「カーボンニュートラル」であり、即ち、「化石」炭素(環境中の正味のCOレベルを増加する)を含む栄養素ではなく、生物学的に誘導される炭素を含む栄養源を利用する。
【0053】
本発明の方法の経済的利点は、排水処理及び処分が、一般的に、食品又は飲料加工工場を操作する費用の一部であるとみなす事実から生じる。本発明の方法は、動物飼料としての使用に適切なバイオマス、及び水の受け入れ域における処分に適切な低いBODレベルを有する「処理された」排水を生じるため、本発明の方法は、さらなる排水処理コストを事実上追加することなく、商業的に価値のある製品(即ち、動物飼料)もまた生成する。それ故、細菌細胞を増殖させるための栄養源(即ち、排水)は、事実上「無料」である。結果として、本発明の方法は、動物飼料に使用するのに適切なバイオマス、並びに実質的に従来の方法より低いコストで得られる動物飼料を提供することができる。
【0054】
さらに加えて、本発明の方法において使用される微生物の栄養源は再生可能であり、プロセスから生成されるバイオマスは、再生できない(即ち、「化石」炭化水素又は石油化学)供給源由来のバイオマスと化学的に異なり、区別することができる。上記で考察したように、本発明の様々なプロセスにおいて使用される再生可能な栄養素は、食品及び/又は飲料を加工する際の廃棄物から誘導される。それ故、これらの廃棄物は、植物又は動物源から誘導される。植物は、雰囲気中のCOを「固定」して、植物が成長及び再生するのに必要な炭水化物(即ち、糖、セルロースなど)を生成し、そして動物は、これらの植物を摂取(又は植物を摂取する動物を摂取)する。それ故、すべての動物及び植物の炭素原子は、最終的に雰囲気中のCOから誘導される。
【0055】
雰囲気中のCOは、少量の放射性同位元素14Cを含む。雰囲気中の窒素原子に、宇宙線によって雰囲気中に生じた中性子が衝突し、これらの窒素原子は陽子を失って14Cを形成し、次いで、直ちに、14COに酸化される場合、この14Cが雰囲気中で連続的に生成される。それ故、雰囲気中COの小さいが測定可能な画分が、14COの形態で存在する。それ故、14COを含む雰囲気中COを「固定」する植物、及びこれらの植物を消費する動物は、14Cを組み入れる。14Cは、緩徐に14N(5730年の半減期)に崩壊し、それ故、「化石」炭素源(例えば、石油、天然ガス)は、最も最近の生物活性から誘導される再生可能な炭素源と比較して、14Cのレベルが低い。結果として、再生可能な栄養源(即ち、本発明の様々なプロセスによって生成するバイオマス)から生成されるバイオマスは、「化石」炭素を含む栄養素から生成されるバイオマスと比較して、より高いレベルの14Cを有する。
【0056】
生成物の14C含有量は、様々な方法、例えば、ASTM試験方法D6866−05(「Determining the Biobased Content of Natural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass Spectrometry Analysis」(本明細書においてその全体が参考として援用される))によって定量することができる。この試験方法は、サンプル中の14C/12C同位体比を測定し、そしてそれを、標準100%バイオベースマテリアルの14C/12C同位体比と比較して、サンプルのバイオベース含有量のパーセントを求める。「バイオベース材料」は、炭素が雰囲気中に存在する最近(ヒトの時間尺度で)固定されたCOから生じる有機物質である。例えば、バイオベース材料は、典型的に、約1ppt(一兆分率)か、それより僅かに低い(即ち、少量の放射性崩壊による)のほぼ定常状態の環境レベルの14C/12C同位体比を有する。これに反して、初期の14Cレベルは放射性崩壊によって実質的に減少するため、化石ベース材料は、バイオベース材料と比較して、有意に低い14C/12C同位体比を有する。この比はまた、単位「pMC」(現代炭素濃度)で百分率として報告することもできる。分析する材料が現在の放射性炭素及び化石炭素(極めて低いレベルの14Cを含有する)の混合物である場合、得られるpMC値は、サンプル中に存在するバイオマス材料の量に直接相関する。本発明の組成物は、少なくとも約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100(それらの間のすべての値及び部分範囲を含む)のpMC値を有する。一実施形態では、本発明の組成物は、約100のpMC値を有する。他の実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも約90のpMCを有する。
【0057】
排水処理プロセスから細菌塊を取り出した後、短い時間枠内で(即ち、上記の範囲内のMWRT値を提供するために)、脱水、乾燥、及び失活プロセスを行わなければならない。この短い時間枠は、得られる乾燥した細菌塊が、動物飼料、又は動物飼料添加物としての使用に適切な十分に高いタンパク質含有量及び品質を有することを確実にする。これは、一般的に、脱水、乾燥、及び失活プロセスを、細菌塊が生成される排水処理プロセスの近接で行わなければならないことを必要とする。
【0058】
本発明の方法は、連続様式で操作することができる。例えば、排水は、増殖容器(例えば、曝気槽)に連続的に導入することができ、そしてWAS及び浮遊物質を全く含まない処理排水を連続的に取り出すことができる。加えて、プロセスから取り出したWASも同様に、場合により、脱水し、次いで、連続的に乾燥することができる。或いは、本発明の方法は、バッチ態様で操作することができ、ここで、排水の流動を中断することができ、そしてプロセスから取り出したWASを、乾燥する前に、ある期間貯蔵するか、又はもう1つの場所に、例えば、プロセスタンク内、若しくは貯蔵容器中、若しくは運搬車、油送管などを介して、輸送することができる。他の実施形態では、主として浮遊物質をほとんど含まない排水及び処理排水を、それぞれ連続的に導入し、そして取り出すことができる一方、プロセスにおいて回収されるWASのバッチは、乾燥する前に短期間、貯蔵される。
【0059】
例えば、約±5〜10%を超えるタンパク質含有量のばらつきは、本発明の組成物からの動物飼料の処方において困難を生じ得るため、特定の実施形態では、本発明の方法は、タンパク質含有量を最大にし、そして変動性を最小限にするために、通年で一貫した条件下で、連続様式で作動される。
【0060】
本発明の方法に使用するのに適切な微生物として、遺伝子改変された細菌、シュードモナス(Pseudomonas)、フラボバクテリア(Flavobacteria)、アクロモバクテリア(Achromobacteria)、ミクロコッカス(Micrococci)、バチルス(Bacilli)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、メタン生成菌、ニトロソモナス(Nitrosomonas)、ニトロバクテリア(Nitrobacteria)、硝化細菌(例えば、NHをNOに変換する細菌)、好気性従属栄養細菌(例えば、増殖及び発達のために有機基質を使用する偏性又は通性好気性菌)、米国特許第4,317,843号(すべての目的のためにその全体が参考として本明細書に援用される)に記載の微生物のいずれか及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
増殖容器は、細菌の単一の株(例えば、本明細書に記載の細菌のいずれかの単一の株)、又は細菌の2つ以上の株(例えば、本明細書に記載の細菌のいずれかの組み合わせ)を含有することができる。一実施形態では、細菌又は細菌の混合物が、約45%以上の粗タンパク質含有量を有する乾燥した細菌塊を提供するために選択される。他の実施形態では、乾燥した細菌塊の粗タンパク質含有量は、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上(それらの間のすべての値若しくは部分範囲を含む)である。所定の実施形態では、乾燥した細菌塊の粗タンパク質含有量は、約45%未満、例えば、約30〜45%であり得る。
【0062】
他の実施形態では、アミノ酸レベル、全アミノ酸レベル、及び粗タンパク質レベルは、少なくとも、以下の表に記載のレベルである:
【0063】
【表1】

【0064】
なお他の実施形態では、アミノ酸レベル、及び全アミノ酸レベルは、少なくとも、以下の表に記載のレベルである:
【0065】
【表2】

【0066】
特定の実施形態では、遺伝子改変された細菌が用いられる。適切な遺伝子改変された細菌として、65%タンパク質を超える、又はより高いレベルのリジン(例えば、全材料の約5.5%)、メチオニン(例えば、全材料の約2.3%)、システイン(例えば、全材料の約0.6%)、ヒスチジン(例えば、全材料の約2%)、及びアルギニン(例えば、全材料の約4.4%)を発現するように改変された細菌が挙げられる。
【0067】
本発明の方法では、細菌は、(即ち、廃棄物処理プロセスの始動の前の)種菌、又は既に存在している細菌集団への補充のいずれかとして、増殖容器に加えられることができる。排水処理施設始動のための常法は、現存する処理施設から固体を輸送することを要する。これらの固体は、都市下水と接触し得る。しかし、本発明の方法では、動物飼料用とされている微生物と都市下水とを接触させることを回避するのが望ましい。しかし、下水処理場に存在する細菌集団由来の微生物(即ち、「子孫」)を使用することができるが、但し、プロセス自体には、生成した最終的バイオマスを動物飼料に使用するのに不適切にするような下水の成分が混入していないことが条件である。従って、本発明の方法の一実施形態では、United States Food and Drug Administration(Association of American Feed Control Officials, 2001 Official Publication(あらゆる目的のためにその全体が参考として本明細書に援用される))に収集されたヒトに直接供給することが承認されている食品添加物のリスト上に認められる様々な細菌のいずれも、1つ以上のタイプの細菌を含有する適切な細菌培養物を生成するために、使用することができる。例えば、上記の「承認された」細菌の1つ以上の株を、発酵槽(例えば、恒成分培養槽、連続バッチ反応器など)に充填する。発酵槽の活性汚泥浮遊物質中の細菌の最終濃度は、約1000mg/L〜10,000mg/Lの間にあるか、或いは細菌フロックの敏速な沈降を提供するか、又はそうでなければ(例えば、空気浮上によって、膜バイオリアクターを使用して、など)細菌塊の回収を容易にするもう1つの濃度(例えば、約1500mg/L、約2000mg/L、約2500mg/L、約3000mg/L、約3500mg/L、約4000mg/L、約4500mg/L、約5000mg/L、約5500mg/L、約6000mg/L、約6500mg/L、約7000mg/L、約7500mg/L、約8000mg/L、約8500mg/L、約9000mg/L、若しくは約9500mg/L(それらの間のすべての値、範囲、及び部分範囲を含む))であるべきである。発酵槽は、微生物の培養物を混合し、基質含有水を導入し、適切な酸化還元条件を維持し、そして微生物フロックの沈降後に水をデカントする手段を含む従来の設計であり得る。発酵槽への基質含有流入部は、実際のプロセス水であり、食品加工操作由来の水系のBODに寄与する残留物を含有する。発酵槽からデカントした水は、細菌培養物の増殖及び維持要件を満たすエネルギー及び基質を提供して、このBODをほとんど枯渇させる。細菌培養物の増殖中、全浮遊物質、揮発性浮遊物質、固定された浮遊物質、及びスラッジ容積指数のようなパラメータは、細菌培養物の増殖及び沈降特性をモニターする手段として、決定される。細菌培養物の発達における様々な段階において、細菌増殖は、微生物数の増加に順応するために、細菌を、所定のサイズの発酵槽から段階的により大きな装置に移す必要がある。この仕事は、一般的に、約100L/kg〜約300L/kgの間で十分に装填された反応器の活性汚泥浮遊物質において、適切なスラッジ容積指数を維持する工程を常に提供しなければならない。この培養手順の最終的な目的は、産業規模のプロセス水処理施設の活性スラッジ成分に寄与する無害な微生物の制御された群集を作製することである。液体又はフィルターケーキのいずれかの形態のこの施設由来の廃棄活性スラッジを利用して、微生物のこの群衆を使用して、将来の処理施設に播種することができる。或いは、特定の細菌又は酵素は、連続的に、タンパク質及び他の栄養成分の産生を増強する様式で、プロセスに導入され得る。
【0068】
本発明の方法における細菌培養物は、異なる細菌株の混合物を含むことができるか、又は細菌単一培養物を含むことができる。例えば、本発明の方法中の細菌培養物は、(発酵プロセスを使用する)医薬品製造プロセス由来の単一培養物であり得る。医薬品の製造において用いられる厳格な制御の結果、そのような操作によって提供されるフィルターケーキは、単細胞生物体の均質な細菌集団(一般的に単一培養物)を含む。そのような良好に特徴付けられた細菌培養物を、本発明の方法において使用して、混合した細菌の自発的又は修正された集団ではなく、微生物の制御された群集(又はなお単一の種)からなる微生物食品を製造することができる。
【0069】
増殖容器における微生物による処理後、プロセスから取り出された処理排水(例えば、清澄部からの上層流)は、より低いレベルの水系残留物(即ち、溶解及び/又は懸濁した廃棄物)を有する。処理排水のBODレベルは、≦約600mg/Lであり得、そして他の実施形態では、≦約500mg/L、≦約400mg/L、≦約300mg/L、≦約200mg/L、≦約100mg/L、≦約50mg/L、又は≦約30mg/Lであり得る。
【0070】
本発明の方法において細菌の増殖を最大にするために、栄養素を、増殖容器における排水に添加することができる。適切な栄養素として、例えば、主要栄養素、微量栄養素、ビタミン、アミノ酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの栄養素は、上記の細菌培養物の均衡の取れた細菌増殖を提供するのに十分な量で添加すべきである。
【0071】
適切な主要栄養素の非制限的リストには、C、H、O、N、及びPの任意の生物学的集成供給源、例えば、糖、リン酸、及びアンモニアが含まれる。
【0072】
適切な微量栄養素の非制限的リストには、K、Mg、Ca、Na、Fe、S、B、Zn、I、Cu、Co、Mo、Mn、Se、Ni、Al、Ag、Cr、F、Si、Sn、V、Ba、及びそれらの組み合わせの生物学的に許容可能な供給源が含まれる。「生物学的に許容可能な」とは、微生物による吸収及び資化に適切な形態の上記の元素の供給源を指すことが理解されよう。いくつかの場合では、「適切な」形態は元素の形態であるが、他の場合では、微量栄養素は、元素を含有する塩又は化合物の形態である。それ故、例えば、K及びNaの生物学的に許容可能な供給源として、KCl、酢酸K、NaCl、酢酸NaなどのようなK及びNaの塩が挙げられる;Mg及びCaの生物学的に許容可能な供給源として、MgSO、CaSOなどのようなMg2+及びCa2+の塩が挙げられる;Feの生物学的に許容可能な供給源として、Fe(SOのようなFeの塩が挙げられる;S及びSeの生物学的に許容可能な供給源として、システイン及びセレノシステインのようなS又はSe含有アミノ酸が挙げられる;Znの生物学的に許容可能な供給源として、酢酸Zn2+、硫酸Zn2+、及びグルコン酸Zn2+のようなZn2+塩が挙げられる;Iの生物学的に許容可能な供給源として、NaIのようなI塩が挙げられる;Cuの生物学的に許容可能な供給源として、CuSOのようなCu2+塩が挙げられる;Niの生物学的に許容可能な供給源として、NiCl及びその水和物のようなNi2+塩が挙げられる;Coの生物学的に許容可能な供給源として、ビタミンB12が挙げられる;Moの生物学的に許容可能な供給源として、NaMoOのようなモリブデン酸塩が挙げられる;Mnの生物学的に許容可能な供給源として、MnO、MnO、又はMnSoが挙げられる;Fの生物学的に許容可能な供給源として、NaF及びSnFのようなF塩が挙げられる;Vの生物学的に許容可能な供給源として、VSOのようなV2+塩が挙げられる;Bの生物学的に許容可能な供給源として、ホウ酸を含むB3+塩が挙げられる;並びにBaの生物学的に許容可能な供給源として、BaCOのようなBa2+塩が挙げられる。
【0073】
適切なビタミンの非制限的リストには、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKが含まれる。
【0074】
他の栄養素として、例えば、プリン、ピリミジン、及び(ヘムを含む)ポルフィリン含有金属タンパク質が挙げられる。
【0075】
適切なアミノ酸の非制限的リストには、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンが挙げられる。
【0076】
最終的に、本発明の方法によって提供される乾燥した細菌塊は、従来の方法(例えば、スプレッダー、トラフなど)によって動物に給餌される。用語「給餌する」又は動物に「給餌した」は、動物による食品材料の経口摂取及び以後の内部代謝を意味する。本発明の方法によって乾燥した細菌塊を含む動物用食品は、成長及び維持を含む動物の日々の代謝要件を満たし、それによって、ヒト又は動物食用に適した動物が提供される。本発明の方法によって提供される乾燥した細菌塊を含む食品は、哺乳動物、トリ、及び魚を含む様々な動物に給餌することができる。一実施形態では、魚として、制限されないが、次のもの:ティラピア、サバヒー、バス、チョウザメ、ナマズ、サケ、マグロ、パーチ、ブルーギル、ブリーム、ウォールアイ、マス、スギ、及びコイのいずれかのような硬骨魚(Osteichthyes)綱の魚が挙げられる。別の実施形態では、哺乳動物として、ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、ミンク及び他の毛皮動物、並びにヤギが挙げられる。なおもう1つの実施形態では、トリとして、シチメンチョウ、ニワトリ、アヒル、及びガチョウのような家禽が挙げられる。
【0077】
乾燥した細菌塊が特定の栄養素(例えば、ビタミン、ミネラル、炭水化物、脂質、又は繊維)を欠乏している場合、動物用食品の処方中に、又はバイオソリッドへの混合を伴わずに、動物に個別に供給される代替物として、それらを、乾燥した細菌塊に添加してもよい。同様に、標的動物に合わせて最終的食品の組成を変更するために、他の「増量」材料(例えば、粗引き小麦粉、ポテトの削りくずなど)を、バイオソリッドに添加して、動物用食品の構造特性又は消化率を改善することができる。動物から得られる商業的量の肉を改善する手段として、着色剤又は風味付け剤(例えば、染料、魚油、又は植物抽出物)のような他の添加物を、本発明の方法において生成される乾燥した細菌塊を含む動物用食品に添加することができる。加えて、本発明の方法によって生成されるバイオソリッドを、他の動物飼料と混合して、最終的な動物飼料を生成することができる。言い換えれば、本発明の方法によって生成されるバイオソリッドは、例えば、現在、魚粉が使用されているのとほぼ同じ様式で、他の成分で修正することができる。本発明の方法によって生成される乾燥した細菌塊を含む動物飼料処方物は、従来の方法を使用して、例えば、Brill Formulation Softwareを使用して、処方して、良好に特徴付けられた処方された動物飼料を提供することができる。
【0078】
本発明はまた、食品及び/又は飲料加工工場由来の排水を処理するための排水処理ユニットに関する。本発明の排水処理施設は、増殖容器と;代謝可能な成分を含む水性廃棄流を前記増殖容器に加えるための手段と;前記水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝し、それによって、水性バルク液体において細菌懸濁液を形成する、前記増殖容器中の少なくとも1つの細菌培養物であって、ここで、前記水性バルク液体は、前記水性廃棄流と比較して代謝可能な成分が枯渇する、少なくとも1つの細菌培養物と;前記増殖容器において、前記細菌懸濁液及び水性バルク液体を曝気するための手段と;前記水性バルク液体から前記細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成するための手段と;前記排水処理ユニットから前記細菌塊を取り出すための手段と;前記排水処理ユニットにおける約8日間以下の前記細菌のMCRTを提供するために、前記細菌塊が取り出される前記速度を調整するための手段と;前記排水処理ユニットから前記水性バルク液体の一部を取り出すための手段であって、ここで、前記水性バルク液体は、懸濁物質を実質的に全く含まない、手段と;前記取り出された細菌塊を乾燥するための手段と;前記取り出された細菌塊を乾燥する期間を調整し、それによって、MWRT−MCRT≦約2日間である手段を含む。
【0079】
上記で考察したように、増殖容器は、例えば、膜バイオリアクター、発酵容器、又は1つ以上の曝気タンクを含むことができる。
【0080】
水性廃棄流を加えるための手段は、食品及び/又は飲料加工工場廃棄流を増殖容器に接続する例えば、ポンプ、パイプなどを含むことができる。
【0081】
図4は、実施形態に従う排水処理システム100の模式図である。排水処理システム100は、容器120、第1の(例えば、可変速)ポンプ130、第2の(例えば、可変速)ポンプ132、第3の(例えば、可変速)ポンプ134及びコントローラー110を含む。本明細書において示した及び記載のタイプの任意の容器であり得る容器120は、増殖部122及び清澄化部123を含む。増殖部122は、本明細書に記載のように、細菌を含有する及び/又は細菌増殖を促進するように構成される。清澄化部123は、本明細書に記載のように、水性バルク液体からの細菌塊の分離を促進するように構成される。増殖部122及び清澄化部123は、単一構造に含まれるように模式的に示されている(即ち、容器120)が、他の実施形態では、増殖部122及び清澄化部123は、個別及び/又は異なる構造に含まれ得る。同様に述べると、他の実施形態では、排水処理システム100は、本明細書に記載の様々な操作のいずれかを行うことができる任意の数の容器を含むことができる。さらに、増殖部122及び清澄化部123は、容器120の空間的に異なる部分であるように模式的に示されているが、他の実施形態では、増殖部122及び清澄化部123は、容器120の同じ領域を占有することができる。いくつかの実施形態では、例えば、容器120は、連続バッチ反応器であり得る。
【0082】
上記のように、水性廃棄流は、図4の矢印AAで示すように、第1のフロー装置140を介して、容器120に搬送することができる。水性廃棄流は、本明細書に示した及び記載のタイプのいずれかの廃棄流であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、水性廃棄流は、食品加工工場によって作製することができ、そして例えば、スペントグレインのような代謝可能な成分を含むことができる。第1のポンプ130は、第1のフロー装置140内に配置され、そして水性廃棄流の容器120への流速Q1を制御することができる。同様に述べると、第1のポンプ130は、水性廃棄流の容器120への流速Q1を調整することができる。
【0083】
水性廃棄流が容器120に進入した後、水性廃棄流内の代謝可能な成分の少なくとも一部は、代謝されて、容器120内の水性バルク液体に懸濁された細菌塊を形成する。懸濁した細菌塊の第1の部分は、図4のBM1として同定される。本明細書に記載のように、細菌塊は、容器120の清澄化部123において、水性バルク液体から分離することができる。同様に述べると、容器120の清澄化部123内では、水性バルク液体は、実質的に浮遊物質を含まない排出部分DIS及び容器120内に生成される細菌塊を含有する細菌塊の第2の部分BM2に分離することができる。
【0084】
水性バルク液体の細菌塊の第2の部分BM2は、図4の矢印BBで示すように、第2のフロー装置142を介して、容器120から外に搬送することができる。本明細書に記載のように、細菌塊の第2の部分BM2が容器120から退出した後、その細菌塊の第2の部分BM2をさらに処理して、動物飼料としての使用に簡便な形態にすることができる。そのようなさらなる加工として、例えば、脱水、乾燥などを挙げることができる。第2のポンプ132は、第2のフロー装置142内に配置され、そして第2のフロー装置142内の水性バルク液体の細菌塊の第2の部分BM2の流速Q2を制御することができる。本明細書においてより詳細に記載するように、第2のポンプ132は、容器120から外への細菌塊の第2の部分BM2の流速Q2を調整することができる。
【0085】
水性バルク液体の排出部分DISは、図4の矢印CCで示すように、第3のフロー装置144を介して、容器120から外に搬送することができる。本明細書に記載のように、排出部分DISは、水の受け入れ域に搬送することができる。第3のポンプ134は、第3のフロー装置144内に配置され、そして第3のフロー装置144内の水性バルク液体の排出部分DISの流速Q3を制御することができる。本明細書においてより詳細に記載するように、第3のポンプ134は、容器120から外への排出部分DISの流速Q3を調整することができる。
【0086】
コントローラー110は、容器120への水性廃棄流の流速Q1、容器120から外への水性バルク液体の細菌塊部分BM2の流速Q2及び/又は容器120から外への水性バルク液体の排出部分DISの流速Q3を自動的に調整するように構成される。この様式で、コントローラー110は、細菌塊の第2の部分BM2及び/又は排出部分DISの特性を維持することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラー110は、排水処理システム100内の細菌塊のMCRTが予め決定された範囲内にあるように、容器120から外への水性バルク液体の細菌塊の第2の部分BM2の流速Q2を調整することができる。MCRTの予め決定された範囲は、例えば、約2日間〜約8日間の間の範囲のような本明細書において開示した範囲のいずれかであり得る。
【0087】
コントローラー110は、第1のセンサ114、第2のセンサ116及び第3のセンサ118に作動的に結合されたプロセッサ112を含む。プロセッサ112はまた、第1のポンプ130、第2のポンプ132及び第3のポンプ134に作動的に結合される。第1のセンサ114は、排水処理システム100内の細菌塊の第1の部分BM1の量に関連する信号S1を発生するように構成される。第1のセンサ114は、排水処理システム100における水性バルク液体のサンプル採取された部分内の細菌塊の第1の部分BM1の量を測定するための任意の適切なセンサであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のセンサ114は、水性バルク液体のサンプル採取された部分内の細菌塊の第1の部分BM1の濃度を測定することができる。いくつかの実施形態では、第1のセンサ114は、例えば、水性バルク液体のサンプル採取された部分の伝導率、水性バルク液体のサンプル採取された部分の酸性度及び/又は水性バルク液体のサンプル採取された部分の光学特性(例えば、光透過特性)の関数として第1の信号S1を発生することができる。また、細菌塊の第1の部分BM1の量(例えば、重量測定など)に基づく信号を得る他の方法を使用することもできる。
【0088】
プロセッサ112は、信号S1を受信し、そして排水処理システム100内の細菌塊の全細胞質量を計算するように構成される。上記のように、いくつかの実施形態では、プロセッサ112は、細菌塊の第1の部分BM1の量に基づいて、外挿することによって、全細胞質量を計算するように構成され得る。他の実施形態では、プロセッサ112は、全細胞質量の計算から、容器120に進入する水性廃棄流内容物の時間的変動性が求められるように、細菌塊の第1の部分BM1の量の時間的対数を維持することができる。
【0089】
第1のセンサ114は、容器120内に含まれているように示されているが、他の実施形態では、第1のセンサ114は、排水処理システム100内の任意の適切な位置に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1のセンサ114は、第1の通路140内に配置することができ、それ故、容器120に進入する水性廃棄流内の細菌塊の濃度を測定することができる。そのような実施形態では、第1のセンサ114もまた、容器120に進入する水性廃棄流の流速Q1に関連する信号を発生することができる。この様式では、第1のセンサ114は、容器120に進入する細菌塊に関連する信号S1を発生することができる。
【0090】
コントローラー110は、単一の第1のセンサ114を含むように示されているが、他の実施形態では、コントローラー110は、排水処理システム100内の細菌塊の様々な部分の量に関連する信号を発生するように構成された任意の数のセンサを含むことができる。同様に述べると、いくつかの実施形態では、コントローラー110は、それぞれが、排水処理システム100の特定の位置内の細菌塊の量に関連する信号を発生するように構成される複数のセンサを含むことができる。この様式では、プロセッサ112は、様々なセンサから受信した入力に基づいて、排水処理システム100内の細菌塊の全細胞質量を計算することができる。それ故、そのような実施形態では、全細胞質量の計算から、排水処理システム100の内容物の空間的変動性を求めることができる。
【0091】
第2のセンサ116は、排水処理システム100から退出する細菌塊の第2の部分BM2の量に関連する信号S2を生じるように構成される。同様に述べると、第2の部分BM2が第2の通路142内に流動する場合、第2のセンサ116は、細菌塊の第2の部分BM2の量に関連する信号S2が発生するように構成される。第2のセンサ116は、第1のセンサ114に関する上記のセンサタイプのような、排水処理システム100における水性バルク液体のサンプル採取された部分内の細菌塊の第2の部分BM2の量を測定するための任意の適切なセンサであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2のセンサ116は、容器120から退出する水性バルク液体の流速Q2に関連する信号を発生することができる。
【0092】
プロセッサ112は、信号S2を受信し、そして排水処理システム100内の細菌塊の平均細胞保持時間(MCRT)を計算するように構成される。上記のように、MCRTは、排水処理システム100内の細菌塊の全細胞質量及び排水処理システム100から退出する細菌塊の第2の部分BM2の量の関数として計算することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ112は、予め決定された期間(例えば、1時間の期間)のMCRTを計算することができる。この様式では、プロセッサ112は、MCRTの時間的変動を追跡することができる。他の実施形態では、プロセッサ112は、実質的に実時間でMCRTを計算することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、プロセッサ112は、信号S2を受信し、そして排水処理システム100内の細菌塊の平均廃棄物滞留時間(MWRT)を計算するように構成される。上記のように、MWRTは、MCRT、及び細菌塊の第2の部分BM2のさらなる加工が完了する期間の関数として計算することができる。そのようなさらなる加工として、例えば、脱水、乾燥などを挙げることができる。
【0094】
第3のセンサ118は、水性バルク液体の排出部分DIS内にある、排水処理システム100から退出する細菌塊の量に関連する信号S3を発生するように構成される。同様に述べると、第3のセンサ118は、水性バルク液体の排出部分DISのBODに関連する信号S3を発生するように構成される。第3のセンサ118は、第1のセンサ114に関する上記のセンサタイプのような、排水処理システム100における水性バルク液体のサンプル採取された部分内の細菌塊の量を測定するための任意の適切なセンサであり得る。
【0095】
プロセッサ112は、第1の弁130によって受信される第1の制御信号Sl’、第2の弁132によって受信される第2の制御信号S2’及び第3の弁134によって受信される第3の制御信号S3’を発生するように構成される。この様式では、コントローラー110は、容器120への水性廃棄流の流動を制御することによって、容器120から外への細菌塊の第2の部分BM2の流動を制御することによって、及び/又は容器120から外への水性バルク液体の排出部分DISの流動を制御することによって、細菌塊の第2の部分BM2及び/又は排出部分DISの特性を維持することができる。いくつかの実施形態では、例えば、プロセッサ112は、容器120への水性廃棄流の流速を自動的に調整する(即ち、実質的なヒトの介入を伴わずに調整する)ことができる。いくつかの実施形態では、例えば、排水処理システム100内の細菌塊のMCRTが減少し始める場合、第1の制御信号S1’は、第1のポンプ130が容器120への水性廃棄流の流速をより速くすることを可能にし、それによって排水処理システム100内の細菌塊の全細胞質量を増加するように、調整することができる。他の実施形態では、排水処理システム100内の細菌塊のMCRTが増加し始める場合、第1の制御信号S1’を調整して、容器120への水性廃棄流の流速を低下させることができる。この様式では、細菌塊のMCRT及び/又はMWRTを、予め決定された範囲内に自動的に維持することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、プロセッサ112は、容器120から外への細菌塊の第2の部分BM2の流速を自動的に調整する(即ち、実質的なヒトの介入を伴わずに調整する)ことができる。いくつかの実施形態では、例えば、排水処理システム100内の細菌塊のMCRTが減少し始める場合、第2のポンプ132が容器120から外への細菌塊の第2の部分BM2の流速を低下させ、それによってMCRTが増加するように、第2の制御信号S2’を調整することができる。他の実施形態では、細菌塊のMCRTが、予め決定された制御点を超えて増加し始める場合、第2の制御信号S2’を調整して、容器120から外への細菌塊の第2の部分BM2の流速の増加を可能にすることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、プロセッサ112は、容器120から外への水性バルク液体の排出部分DISの流速を自動的に調整する(即ち、実質的なヒトの介入を伴わずに調整する)ことができる。いくつかの実施形態では、例えば、排出部分DISのBODが予め決定された閾値を超える場合、第3のポンプ134が容器120から外への水性バルク液体の排出部分DISの流速を低下させるように、第3の制御シグナルS3’を調整することができる。この様式では、コントローラー110は、排出部分DISのBODを予め決定された限界値内に維持することができる。
【0098】
プロセッサ5950は、一連の命令、プロセッサ読み取り可能なコード、デジタル化された信号などのような情報を受信及び保存するように構成されたメモリデバイス(示さず)を含むことができる。メモリデバイスは、1つ以上のタイプのメモリを含むことができる。例えば、メモリデバイスは、リードオンリーメモリ(ROM)コンポーネント及びランダムアクセスメモリ(RAM)コンポーネントを含むことができる。メモリデバイスはまた、プロセッサ5950により回復可能な形態、例えば、電子的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROM)、消去型の電子的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EEPROM)、又はフラッシュメモリデータを保存するのに適切な他のタイプのメモリを含むことができる。
【0099】
ポンプ130、132、134は、上記で示される流速Q1、Q2及びQ3を生成及び/又は制御するのに適切な任意のポンプであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポンプ130、132、134のいずれかは、可変速容積式ポンプ(例えば、ギアポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプなど)であり得る。他の実施形態では、ポンプ130、132、134のいずれかは、一定速度又は可変速のいずれかで作動するように構成された非容積移送式ポンプ(例えば、羽根車ポンプ)であり得る。なお他のデバイスでは、排水システム100は、ポンプを含む必要はないが、むしろ上記の流速Q1、Q2及び/又はQ3を生成及び/又は制御するように構成された任意の適切なデバイスを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、排水処理システム100は、上記の流速Q1、Q2及び/又はQ3を制御するように構成された1つ以上の弁を含むことができる。
【0100】
排水処理100は、容器120から外への水性バルク液体の排出部分DISの流速Q3を生成及び/又は制御するように構成されたポンプ134を含むように示され、そして記載されているが、他の実施形態では、排出部分DISの流速Q3は、重力によって生成及び/又は制御することができる。そのような実施形態では、例えば、第3のフロー装置144は、任意のポンプ及び/又は弁を欠如し得る。そのような実施形態では、本明細書に記載のように、流速Q1及び/又は流速Q2を制御することによって、間接的に排出部分DISの流速Q3を制御することができる。
【0101】
第2のフロー装置142は、実質的にすべての細菌塊の第2の部分BM2を容器120から外に配送するように構成されているように示されているが、他の実施形態では、返送通路(図4において示さず)によって、細菌塊の第2の部分BM2の一部を、容器120に戻すことができる。この様式では、所望される濃度の生物学的に活性な生物体を、容器120に維持することができる。そのような実施形態では、返送通路は、上記のセンサ及びポンプに類似のセンサ及びポンプを含むことができる。
【0102】
プロセッサ112は、本明細書に記載のように、一連の命令、プロセッサ読み取り可能なコード、デジタル化された信号などのような情報を受信、保存及び処理するように構成された任意の処理デバイスであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ112は、本明細書に記載のように、信号を受信し、そして計算を実施するように構成された商業的に利用可能な処理デバイス(又はデバイスの組)であり得る。プロセッサ112は、目標設定値と実際の値との間の誤差の関数として制御信号S1’、S2’及び/又はS3’を調整するためのプログラム可能な制御設定を含むことができる。そのような制御設定は、例えば、比例ゲイン、積分ゲイン及び/又は微分ゲイン設定を含むことができる。この様式では、例えば、プロセッサ112は、MCRTの有意な時間的変動を生じることなく、細菌塊のMCRTの制御を維持する様式で、制御信号S1’、S2’及び/又はS3’を調整することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、プロセッサ112は、情報を受信及び保存するように構成されたメモリデバイス(示さず)を含むことができる。メモリデバイスは、1つ以上のタイプのメモリを含むことができる。例えば、メモリデバイスは、リードオンリーメモリ(ROM)コンポーネント及びランダムアクセスメモリ(RAM)コンポーネントを含むことができる。メモリデバイスはまた、プロセッサ112により回復可能な形態、例えば、電子的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROM)、消去型の電子的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EEPROM)、又はフラッシュメモリにおいてデータを保存するのに適切な他のタイプのメモリを含むことができる。
【0104】
センサ114、116及び118は、容器120及び/又はフロー装置の一部内に配置されているように上記で示され、そして記載されているが、他の実施形態では、センサは、廃棄物処理プロセスをモニターするのに適切な任意の位置に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、排水処理システム100は、水性バルク液体から離れて配置された1つ以上のセンサを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、排水処理システム100は、それが、さらなる加工(例えば、脱水、乾燥など)を経験する場合、細菌塊の第2の部分BM2の特徴に関連する信号を発生するように構成されたセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサは、それが、乾燥プロセスを経験した後、細菌塊の第2の部分BM2の水含有量に関連する信号を発生するように構成することができる。他の実施形態では、センサは、細菌塊の第2の部分BM2のタンパク質含有量に関連する信号を発生するように構成することができる。そのようなセンサは、例えば、細菌塊の第2の部分のサンプルを燃焼することによって生じる排気ガスの様々な構成分(例えば、窒素)を分析するように構成されたセンサであり得る。この様式では、コントローラー110は、任意の適切な信号を受信することができ、そして排水処理システム100によって生成される生物学的塊(例えば、BM2)が、所望の特性(例えば、水含有量、タンパク質レベルなど)を有するように、受信した信号に基づいて、流速Q1、Q2及び/又はQ3及び/又は他の任意のプロセスパラメータを調整することができる。それ故、排水処理システム100は、例えば、季節の変化、入来する廃棄流の含有量の変化、容器120内における生物体の分解、水処理システムの成分の性能の変化などのような外部の要因に関連し得る変動性を減少させることができる。
【0105】
さらに、センサ114、116及び118は、特性を測定し、そして測定値に応答して信号を出力するように構成されたデバイスを組み込まれているように模式的に示されているが、いくつかの実施形態では、センサは、細菌塊の特徴に関連する信号を共同で発生する複数の異なるデバイスを含むことができる。例えば、センサは、サンプル容積、乾燥機及び得られた塊を測定するように構成された尺度を含むことができる。信号は、尺度によって生じる測定値に関連し得る。さらに、信号は、例えば、電子的(ワイヤレス又はワイヤ接続を介して)、手動(例えば、キーボードからの入力を介して)などのような任意の適切な方法で、プロセッサ112に搬送することができる。
【0106】
図5は、実施形態に従う排水処理システム内の液体の流速を調整する方法200のフローチャートである。排水処理システムは、例えば、図4に関して示し、そして記載した排水処理システム100のような本明細書に示し、そして記載したシステムのいずれかであり得る。方法は、202において、排水処理システム内の細菌塊の第1の部分の量に関連する第1の信号を受信する工程を含む。例えば、図4に示される第1の部分BM1であり得る細菌塊の第1の部分は、排水処理システム内の水性バルク液体の第1の部分に含有される。第1の信号は、上記で示し、そして記載したタイプの任意の信号であり得、そして例えば、排水処理システムへの水性廃棄流の流速に関連する情報を含むことができる。
【0107】
排水処理システム内の細菌塊の全細胞質量は、204において、少なくとも第1の信号に基づいて計算される。上記のように、全細胞質量は、第1の信号内に含有される情報から外挿することができる。他の実施形態では、全細胞質量は、予め決定された期間にわたって、第1の信号内に含有される情報に基づいて計算することができる。
【0108】
細菌塊の第2の部分の量に関連する第2の信号が、206において受信される。例えば、図4に示される第2の部分BM2であり得る細菌塊の第2の部分は、ある流速で、排水処理システムから退出する水性バルク液体の第2の部分に含有される。次いで、方法は、208において、細菌塊の全細胞質量及び第2の信号に基づいて、排水処理システム内の細菌塊のMCRTを計算する工程を含む。
【0109】
排水処理システム内の細菌塊のMCRTが、210において、予め決定された範囲内にあるように、水性バルク液体の第2の部分の流速が調整される。いくつかの実施形態では、システムから退出する水性バルク液体の第2の部分の流速は、例えば、上記で示し、そして記載したコントローラー110のようなコントローラーを介して、自動的に調整することができる。いくつかの実施形態では、例えば、システムから退出する水性バルク液体の第2の部分の流速を、実質的に実時間で制御して、予め決定された範囲内(例えば、約2日間〜約8日間の間)でMCRTを維持することができる。いくつかの実施形態では、方法は、場合により、排水処理システム内の細菌塊のMWRTが、212において、予め決定された範囲内にあるように、水性バルク液体の第2の部分の流速を調整する工程を含むことができる。
【0110】
増殖容器における1つ以上の細菌培養物は、本明細書に記載の細菌培養物のいずれか、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0111】
増殖容器において細菌懸濁液及び水性バルク液体を曝気するための手段は、空気を排水に移すために使用されるディスク、チューブ、又はプレートの形状の空気散気装置又は膜散気装置を含むことができる。散気装置は、典型的に、ゴム膜又はセラミックエレメントのいずれかを使用し、そして微細又は粗大いずれかの気泡を生じることができる。これらは、微細気泡散気装置又は粗大気泡散気装置と称される。それらは、典型的に、送風機によって加圧された空気が供給される配管システムに接続される。曝気するための手段の他の例として、機械式曝気装置(低又は高速度混合機、水中及び表面曝気装置)、ジェット曝気装置(Venturi)、及びパドル式曝気装置が挙げられる。
【0112】
細菌懸濁液を水性バルク液体から分離するための手段は、本明細書において開示した手段のいずれかを含むことができる。
【0113】
細菌塊を排水処理ユニットから取り出すための手段は、分離機ユニットに接続されたポンプ及び関連の配管又は開口チャンネル又は堰を含む。
【0114】
細菌塊が取り出される速度を調整するための手段は、分離機ユニットに装着された可変速ポンプ(あるいは、弁の開口及び閉塞)を制御し、それによってWASが分離機ユニットから取り出される流速を調整するフローコントローラーを含む。フローコントローラーは、排水の導入の速度を制御する弁、WASの取り出しの速度を制御する弁、及び浮遊物質を全く含まない処理排水の取り出しの速度を制御する弁に接続されたコンピュータ制御されたコントローラーであり得る。コンピュータ制御されたコントローラーは、本明細書に記載のMCRT値を提供するために、相対流速及び固体濃度をモニターし、それによって、排水が導入される速度と比べて、WASが取り出される速度を調整することができる。
【0115】
排水処理ユニットから水性バルク液体の一部を取り出すための手段は、分離ユニットに接続されたポンプ及び関連の配管、開口チャンネル、堰などを含む。
【0116】
取り出された細菌塊を乾燥するための手段は、本明細書に記載のいずれかのタイプのオーブン、又は天日乾燥を含む。
【0117】
取り出した細菌塊を乾燥する期間を調整するための手段は、細菌塊が乾燥ユニット(例えば、オーブン)へ生成される速度を調整するコントローラーを含む。乾燥工程の前に細菌塊(例えば、WAS)を脱水する場合、脱水するための手段は、ベルトフィルタープレス、遠心分離、減圧支援プレス、プレートフィルタープレス、スクリュープレス、ロータリープレス、ドラム濃縮機、重力式ベルト型濃縮機、及び電気仲介給水ユニット(electrically mediated the watering unit)、及び押し出し給水ユニット(extrusion the watering unit)、並びにプレート及びフレームプレスを含む本明細書に記載の手段のいずれかを含む。
【0118】
栄養素を増殖容器に加えるための手段は、流入流及び/又は排水処理容器に接続された貯蔵タンク、フローモニタリング装置、ドーシングポンプ、及び関連の配管、開口チャンネル、堰などを含む。
【0119】
上記で考察したように、食品加工工場由来の排水を、本発明の方法を使用して処理して、許容レベルに従うBODレベルを伴う流出排水流を提供し、受け入れ水域又は受け入れ水域への排出が許容された処理施設に接続された下水道への排出を可能にすることができる。加えて、例えば、水産養殖で動物飼料中の成分としての使用に適切なタンパク質含有量及び質を有する(従来の排水処理プロセスと比較して)相対的に高量のバイオソリッドが取り出される。それ故、排水を処理し、そして得られるバイオソリッドを処分する費用を、成分の経済的価値によって相殺することができる。
【0120】
従って、本発明の排水処理プロセスは、次の工程を含むビジネス方法の一部として使用することができる:約100mg/L以上のBODレベル(例えば、約200,000mg/L〜約200mg/Lの範囲、例えば、約100,000mg/L、約50,000mg/L、約30,000mg/L、約20,000mg/L、約10,000mg/L、約1,000mg/L、約800mg/L、約400mg/L、又は約200mg/LのBODレベル)を伴う溶解又は懸濁した代謝可能な食品及び/又は飲料副産物を含む水性廃棄流を生じる食品加工会社を同定する工程であって、ここで、食品加工会社は、水性廃棄流のBODレベルを許容レベル内に減少させるための処理コストを負う、工程;次の工程を含む方法によって水性廃棄流のBODを減少させる食品加工会社に対する処理コストを減少させる工程:代謝可能な成分を含む水性廃棄流を、少なくとも1つの細菌培養物を含有する増殖容器に第1の流速で加える工程;水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝することによって、増殖容器中で少なくとも1つの細菌培養物の細菌を増殖させ、それによって、水性バルク液体中に細菌懸濁液を形成させる工程であって、ここで、水性廃棄流と比べて、水性バルク液体は、代謝可能な成分が枯渇している、工程;水性バルク液体から細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成する工程;第2の流速で細菌塊を取り出す工程;第3の流速で水性バルク液体の一部を取り出す工程であって、ここで、水性バルク液体は、実質的に浮遊物質を全く含まず、そして許容レベル内のBODを有する、工程;第2の流速を調整して、約8日間以下の細菌のMCRTを提供する工程;並びにMWRT−MCRT≦約2日間である期間内に、取り出された細菌塊を乾燥する工程;乾燥した細菌塊をタンパク質供給源として販売する工程。
【0121】
一実施形態では、食品加工会社と契約して、食品加工会社に対して(従来の排水処理プロセスの廃棄物処理及び処分コストと比べて)低いコストで本発明に従う排水処理プロセスを設定及び操作することによって、再生可能な流れを作製することができる。即ち、食品加工会社は、排水処理プロセスの扱い者に対し、従来の排水処理プロセスの操作コストより低い処理量を支払う。この様式では、食品加工会社は、排水処理コストを低減し、そして本発明の排水処理プロセスの扱い者は、2つの収益源(処理料金及び動物飼料又は動物飼料サプリメントに関して高タンパク質含有量バイオソリッドの販売による利潤)を得る。あるいは、別の実施形態では、食品加工会社は、排水処理施設の扱い者に無料の排水を提供し、次いで、扱い者は、処理プロセスにおいて生成したバイオソリッドの販売の収益源を得ることになる。いくつかの実施形態では、「食品加工会社」及び「扱い者」は、同じ実体であり得、即ち、食品加工会社は、本発明の方法を操作することができる。
【0122】
他の実施形態では、排水流又はその使用権は、プロセス由来のバイオソリッドの価値が、排水処理プロセスの購入コスト+操作コストなどを超えるようなコストで購入され得る。
【0123】
図6は、実施形態に従う排水処理プロセスに関連する契約価格を調整する方法300のフローチャートである。例示した方法は、302において水性廃棄流のBODレベルを、入力側のBODレベルから出力側のBODレベルまで減少させることに関連する処理コストを計算する工程を含む。例えば、本明細書に記載のとおり、処理コストは、食品加工工場(例えば、醸造所)からの水性廃棄流のBODレベルを、100mg/Lを超える値から100mg/L未満の値へ減少させることに関連するコストを含むことができる。処理コストは、入来する排水流を処理するコストに寄与する任意の要因に基づいて、計算することができる。そのような要因として、例えば、処理した排水の流速に関連する容積コスト、水処理システムにおける材料の圧送及び/又は伝達に関連するエネルギーコスト、排水の部分が水処理システム内に存在する期間に関連する滞留時間コスト、処理中に生成する細菌塊のさらなる加工(例えば、脱水、乾燥など)に関連するエネルギーコスト、システムの操作に関連する諸経費、及び/又はシステムの設備投資に関連する資本コストを挙げることができる。いくつかの実施形態では、例えば、処理コストは、処理システム内の細菌塊のMCRTに基づいて計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理コストは、MCRTに比例して増加し得る。他の実施形態では、処理コストは、細菌塊のMWRTに基づいて(それによって、処理コストに乾燥時間のような要因が含められる)、計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理コストは、MWRTに比例して増加し得る。
【0124】
処理コストは、任意の適切な様式で計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理コストは、実質的に、実時間で計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理コストは、例えば、上記で示し、そして記載したセンサ114、116及び118のような処理操作を測定するセンサから1つ以上の信号を受信することに基づいて、計算することができる。この様式では、処理コストは、時間の関数として及び/又は予め決定された期間について、自動的に計算することができる。それ故、いくつかの実施形態では、処理コストは、それぞれが予め決定された期間に関連する複数の処理コストの平均として計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、毎日、毎週及び/又は毎月の処理コストを計算する工程を含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、処理コストは、排水処理プロセスを制御及び/又はモニターするように構成されたシステムによって、計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理コストは、上記で示し、そして記載したコントローラー110に類似のコントローラーによって、計算することができる。この様式では、処理コストの計算及び排水処理プロセスの制御は、共通のシステム(例えば、コントローラー110)によって、実施することができる。それ故、いくつかの実施形態では、以下に記載のように、共通のシステムは、少なくとも計算された処理コストに基づいて、排水処理プロセスの一部を調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラー(例えば、コントローラー110)は、処理コストを計算し、そして排水処理プロセスの一部を調整して、予め決定された限界値内に処理コストを維持することができる。
【0126】
水性廃棄流のBODレベルが入力側のBODレベルから出力側のBODレベルへ減少する場合の水性廃棄流から取り出される細菌塊に関連する回収率が、304において計算される。例えば、本明細書に記載のように、例えば、動物飼料のための細菌塊の販売のような水性廃棄流の処理から生じる細菌塊に関連して具体化される任意の値であり得る回収率がある。回収率は、細菌塊のタンパク質含有量(例えば、粗タンパク質含有量又は真のタンパク質含有量)、細菌塊の灰分含有量、細菌塊の輸送コスト及び/又は市場の条件のような任意の要因に基づいて、計算することができる。市場の条件として、例えば、所定の動物及び/又は家畜の毎日の市場価格、動物飼料成分(例えば、トウモロコシ、ダイズなど)の市場価格などを挙げることができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、回収率は、実質的に実時間で計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理コストは、例えば、上記で示し、そして記載したセンサ114、116及び118のような処理操作を測定するセンサから1つ以上の信号を受信することに基づいて、計算することができる。この様式では、回収率は、時間の関数として及び/又は予め決定された期間について、自動的に計算することができる。それ故、いくつかの実施形態では、回収率は、それぞれが予め決定された期間に関連する複数の回収率の平均として計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、毎日、毎週及び/又は毎月の回収率を計算する工程を含むことができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、回収率を計算する工程は、細菌塊のタンパク質含有量に関連する信号を受信する工程を含むことができる。信号は、細菌塊のタンパク質含有量を測定及び/又は推定するように構成されたセンサによって、発生させることができる。いくつかの実施形態では、例えば、細菌塊の単位重量あたりの回収コストは、細菌塊のタンパク質含有量に比例して増加する。他の実施形態では、回収率は、MCRT及び/又は上記のように、細菌塊のタンパク質含有量の指標であり得るMWRTに基づいて、計算することができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、回収率は、排水処理プロセスを制御及び/又はモニターするように構成されたシステムによって、計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、回収率は、上記で示し、そして記載したコントローラー110に類似のコントローラーによって、計算することができる。この様式では、回収率の計算及び排水処理プロセスの制御は、共通のシステム(例えば、コントローラー110)によって、実施することができる。それ故、いくつかの実施形態では、以下に記載のように、共通のシステムは、少なくとも計算された回収率に基づいて、排水処理プロセスの一部を調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラー(例えば、コントローラー110)は、回収率を計算し、そして排水処理プロセスの一部を調整して、予め決定された限界値内に回収率を維持することができる。
【0130】
例示した方法は、306において、少なくとも前記処理コスト及び前記回収率に基づいて、前記水性廃棄流のBODレベルを減少させる工程に関する契約価格を自動的に計算する工程を含む。契約価格は、水性廃棄流の生産者が、入力側のBODレベルから出力側のBODレベルへの減少した水性廃棄流のBODレベルを有するために支払う価格である。いくつかの実施形態では、契約価格は、回収率と処理コストの間の差異に比例し得る。上記のように、いくつかの実施形態では、契約価格は、時間の関数として及び/又は予め決定された期間、計算及び/又は更新することができる。それ故、いくつかの実施形態では、契約価格は、それぞれが予め決定された期間に関連する複数の契約価格の平均として計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、毎日、毎週及び/又は毎月の契約価格を計算する工程を含むことができる。この様式では、変更条件に基づいて、定期的に、契約価格を自動的に調整することができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、契約価格は、排水処理プロセスを制御及び/又はモニターするように構成されたシステムによって、調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、契約価格は、上記で示し、そして記載したコントローラー110に類似のコントローラーによって、調整することができる。この様式では、契約価格の調整及び排水処理プロセスの制御は、共通のシステム(例えば、コントローラー110)によって、実施することができる。それ故、いくつかの実施形態では、以下に記載のように、共通のシステムは、少なくとも契約価格に基づいて、排水処理プロセスの一部を調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラー(例えば、コントローラー110)は、契約価格を調整及び/又は計算し、そして排水処理プロセスの一部を調整して、予め決定された限界値内に契約価格を維持することができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、本方法は、場合により、308において、調整した契約価格を織り込んだインボイスを作成する工程を含む。インボイスは、ハードコピーのインボイス(例えば、廃棄流の生産者に郵送される)又はペーパーレスのインボイス(例えば、廃棄流の生産者に電子的に転送される)のいずれかであり得る。
【0133】
上記で示し、そして記載した方法300は、変更条件に基づいて、契約価格を調整することに関与するが、他の実施形態では、方法は、処理コスト及び/又は回収率に基づいて、廃棄物処理プロセスを調整する工程を含むことができる。この様式では、廃棄物処理プロセスを調整して、廃棄流が費用効果のある様式で処理されることを確実にすることができる。もう1つの方法を述べれば、この様式で、排水処理プロセスから生じる細菌塊の特徴(例えば、タンパク質レベル、水含有量など)を、処理コスト及び/又は回収率に基づいて、変更することができる。例えば、図7は、実施形態に従う排水処理プロセスを調整する方法400のフローチャートである。方法400は、廃棄物処理プロセスの所定のパラメータの関数として変動する処理コスト及び回収率を有する実施形態のグラフ図450を例示する図8を参考にして、説明される。特に、「コスト/値」として標識された縦軸は、廃棄物処理プロセスの一部に関連するコスト及び/又は値に相関する。「時間」として標識された横軸は、廃棄物処理プロセスの一部に関連する期間に相関する。期間は、例えば、MCRT及び/又はMWRTであり得る。横軸は、廃棄物処理プロセスの一部に関連する期間に相関するが、他の実施形態では、横軸は、任意のパラメータに相関し得、その分散は、廃棄物処理プロセスの一部に関連するコスト及び/又は値の変化を生じ得る。
【0134】
実線は、MWRTの関数として排水処理プロセス中に取り出した細菌塊の回収率である回収率曲線452を表す。第1の破線は、MWRTの関数としての廃棄流の処理コストである第1の処理コスト曲線454を表す。第2の破線は、MWRTの関数としての廃棄流の処理コストである第2の処理コスト曲線456を表す。
【0135】
図7に関して、例示した方法は、402において水性廃棄流のBODレベルを、入力側のBODレベルから出力側のBODレベルまで減少させるプロセスに関連する処理コストを計算する工程を含む。処理コストは、方法300に関して上記のような任意の適切な様式及び任の適切なデバイスによって、計算することができる。さらに、図8に示されるように、処理コストは、MWRTの関数として計算することができる。示したように、処理コスト曲線454、456は、MWRTの増加に伴って増加する。そのような増加は、廃棄物処理プロセスから生じる細菌塊の乾燥に関連するエネルギーコストを含むが、これに限定されない多くの要因が原因であり得る。他の実施形態では、処理コストは、MCRT及び/又は廃棄物処理プロセスに関連する他の任意のパラメータの関数として計算することができる。
【0136】
図7に関して、例示された方法は、404において、廃棄物処理プロセス中に取り出された細菌塊に関連する回収率を計算する工程を含む。回収率は、方法300に関して上記のような任意の適切な様式及び任の適切なデバイスによって、計算することができる。さらに、図8に示されるように、回収率は、MWRTの関数として計算することができる。示されるように、回収率曲線452は、はじめに、MWRTの増加に伴って増加するが、次いで、MWRTの閾値を超えて減少する。いくつかの実施形態では、回収率曲線452の分散は、MWRTの関数として回収される細菌塊のタンパク質含有量の変化が原因であり得る。他の実施形態では、回収率は、MCRT及び/又は廃棄物処理プロセスに関連する他の任意のパラメータの関数として計算することができる。
【0137】
図8に関して、回収率曲線452と第1の処理コスト曲線454との間のクロスハッチングした領域460は、回収率が処理コストより大きいMWRTの範囲をグラフ上で示している。同様に述べると、回収率曲線452と第1の処理コスト曲線454との間のクロスハッチングした領域460は、廃棄物処理プロセスが有益であるMWRTの範囲をグラフ上で示している。さらに、クロスハッチングした領域460は、回収率と処理コストとの間の差異が最大になるMWRTの目標値T1を含む。同様に述べると、MWRTの目標値T1は、廃棄物処理プロセスの利益率が最大になるMWRTである。いくつかの実施形態では、目標値T1は、例えば、6.5日間であり得る。
【0138】
所定の条件下で、MWRTの関数としての処理コスト及び/又は回収率は、変化することができる。そのような変化は、エネルギーコストの変化、材料輸送コストの変化などにより得る。それ故、所定の条件下で、廃棄物処理プロセスの最大の有益性が生じるMWRTの値は、変化することができる。図8に例示する実施例では、処理コストの変動性は、第1の処理コスト曲線454より高い処理コストを反映する第2の処理コスト曲線456によって表される。回収率曲線452と第2の処理コスト曲線456との間のクロスハッチングした領域462は、回収率が処理コストより大きいMWRTの範囲をグラフ上で示している。さらに、クロスハッチングした領域462は、回収率と処理コストとの間の差異が最大になるMWRTの目標値T2を含む。同様に述べると、MWRTの目標値T2は、廃棄物処理プロセスの利益率が最大になるMWRTである。図7に関して、方法は、406において少なくとも処理コスト及び回収率に基づいて、プロセスの一部を自動的に調整する工程を含む。この様式では、プロセスの部分(例えば、目標MWRT)を自動的に調整して、廃棄物処理プロセスの利益率を最大にすることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、MWRTは、例えば、上記で示し、そして記載したコントローラー110のようなコントローラーによって、調整することができる。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラーは、目標MWRTを計算及び更新することができ、そしてポンプ制御信号を、廃棄物処理システム内に配置された弁に送信して、方法200に関して上記のような廃棄物処理システム内の流速を変更することができる。図8は、変化している処理コスト曲線のみを示しているが、他の実施形態では、回収率曲線は、変更条件によって変化することができる。なお別の実施形態では、処理コスト曲線及び回収率曲線の両方とも、変化することができる。
【0140】
本発明の様々な実施形態について、上記で説明してきたが、それらは、例示のみの方法で提示されており、制限が加えられるものではないことを理解すべきである。上記の方法は、所定の順序で生じる所定の事象を示しているが、所定の事象の順序は、変更してもよい。さらに、所定の事象は、可能であれば、平行なプロセスで同時に実施してもよく、並びに、上記のように連続的に実施してもよい。
【0141】
例えば、方法200は、第2の信号が受信される前に、全細胞質量を計算する工程を含むように示され、そして記載されているが、他の実施形態では、全細胞質量は、第2の信号が受信された後、計算することができる。なお他の実施形態では、全細胞質量を、第2の信号の関数として計算することができる。
【実施例】
【0142】
実施例1
ポテト加工及び醸造副産物を、バイオソリッドを生成するための食品加工排水流のモデルとして評価した。科学的に厳格な給餌試験中、40%タンパク質を含有する細菌を、粉砕した飼料処方物に、0%(コントロール食餌番号1)、21.5%(食餌2)、及び43%(食餌番号3)に、質量に基づいて添加し、そしてペレットに押し出し形成した。(結果として、細菌細胞は、最終食餌中0%、8.4%及び16.8%の全タンパク質に寄与した。)次いで、ティアピアの幼魚(300匹の幼期ナイルティラピア(Oreochromis niloticus fry))を、小、中、及び大の魚からなる「ブロック」に分け、そして3種類のうちの1つの食餌を給餌した。成長の結果は、細菌タンパク質を摂取した魚が、従来の成分のみを摂取した魚よりも速く成長したことを示す(図9)。実験の完了時、魚を安楽死させ、そしてケルダール窒素(タンパク質測定として)、灰分、及び全脂肪分について、全身分析を実施した。これらの分析結果の平均及び95%信頼区間を表1及び図10に示すが、これらは、43%の細菌細胞由来のタンパク質(別名単一細胞タンパク質、即ちSCP)を摂取した魚が、ケルダール−Nの最も高い平均量を有し、そしてコントロールの魚と統計的に同一であったことを示す。21.5%のSCPを摂取した魚は、僅かに低いケルダール−N濃度を示した。43%のSCP食餌を給仕した魚もまた、最も高い量の灰分を含有したが、21.5%の食餌を摂取した魚は、最も低い灰含有量を有し、そしてすべての食餌群において、魚は同一の脂肪含有量を示した。これらの有望な結果から、世界中の大量の食品加工副産物を利用すると、水産養殖業に優位な有益性がもたらされ得ることが示される。
【0143】
【表3】

【0144】
実施例2
5000mg/LのBODレベルを有する排水流(嫌気的前処置を行わない)を、1分間あたり3ガロンの速度で、1回分の醸造を供する排水処理の曝気槽から得られる同定されていない細菌の混合型集落を含有する8800ガロンの連続撹拌タンク反応器(CSTR)に導入した。活性スラッジは、曝気槽に戻さなかったため、約2日間の水理学的滞留時間(HRT)は、MCRTに等しかった。微生物に、それぞれ、尿素及びリン酸の形で過剰の窒素及びリン、並びに上記のような微量栄養金属の水性混合物を供給した。微量栄養素は、最終混合物の<1重量%の濃度での可溶性アルミニウム化合物、最終混合物の<1重量%の濃度でのホウ酸、最終混合物の<1重量%の濃度でのクエン酸、最終混合物の1〜5重量%の濃度での硫酸コバルト、最終混合物の1〜5重量%の濃度での硫酸銅、最終混合物の1〜5重量%の濃度での塩化鉄、最終混合物の1〜5重量%の濃度での硫酸マンガン、最終混合物の1〜5重量%の濃度での塩化ニッケル、最終混合物の1〜5重量%の濃度でのモリブデンナトリウム、最終混合物の<1重量%の濃度での酵母抽出物、及び最終混合物の1〜5重量%の濃度での硫酸亜鉛からなった。この微量栄養素混合物を、曝気タンクに送達される250mLの排水あたり1μLに等価な用量で添加した。従って、プロセス操作条件は、約2.5日間のMWRT値、及び約0.5日間のMWRT−MCRTを提供した。バイオマスを、CSTRから取り出し、そして高速連続遠心分離において、6000重力で、約6%の固体含有量まで脱水した。次いで、脱水したバイオマスを、68℃で約12時間、乾燥し、そしてバッグに充填して、水分の再吸着を防止した。上記のプロセスによって調製される単一細胞タンパク質は、以下の特性を有した:
【0145】
【表4】

【0146】
【表5】

【0147】
【表6】

【0148】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
代謝可能な成分を含む水性廃棄流を、少なくとも1つの細菌培養物を含有する増殖容器に第1の流速で加える工程と;
前記水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝することによって、前記少なくとも1つの細菌培養物の細菌を前記増殖容器において増殖させ、それによって、水性バルク液体において細菌懸濁液を形成する工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、前記水性廃棄流と比較して代謝可能な成分が枯渇する、工程と;
前記水性バルク液体から前記細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成する工程と;
前記細菌塊を第2の流速で取り出す工程と;
第3の流速で前記水性バルク液体の一部を取り出す工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、浮遊物質を実質的に全く含まない、工程と;
前記第2の流速を調整して、約8日間以下の前記細菌のMCRTを提供する工程と;
前記取り出された細菌塊を、MWRT−MCRT≦約2日間である期間内に乾燥する工程と
を含む、方法。
【請求項2】
MCRTは約6日間以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
MCRTは、約6日間以下であり、そしてMWRT−MCRT≦1日間である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分離工程は、比重分離、溶存空気浮上、又は膜バイオリアクターによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記増殖容器に加えられた前記水性廃棄流は、ヒト又は動物用食品を製造する食品加工工場由来の溶解及び/又は懸濁した代謝可能な食品又は飲料副産物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記乾燥工程は、約1日間以下の期間、約65℃〜95℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記乾燥工程は、約80℃の温度で1日間以下の期間、行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥工程は、MWRT−MCRT≦1日間である期間内に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの細菌培養物は、遺伝子改変された細菌、ミクロコッカス(Micrococci)、バチルス(Bacilli)、フラボバクテリア(Flavobacteria)、メタン生成菌、シュードモナ(Pseudomona)、ニトロソモナ(Nitrosomona)、ニトロバクテリ(Nitrobacteri)、硝化細菌、好気性従属栄養細菌、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される細菌を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記乾燥工程の前に、前記取り出された細菌塊を脱水する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
主要栄養素、微量栄養素、ビタミン、アミノ酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される栄養素が、前記細菌増殖容器に加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記主要栄養素は、C、H、O、N、及びPの生物学的に同化可能な供給源である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ビタミンは、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記水性バルク液体は、約200〜約200,000mg/Lの範囲のBODを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記乾燥した細菌塊は、約6.0/1〜8.0/1のタンパク質/灰分の比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記乾燥した細菌塊は、ヒト食用に使用される動物の飼料としての使用に適切であり、そしてAmerican Association of Feed Control Officials Official Publication (2007)の要件に従う、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は連続プロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記方法はバッチプロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記MCRTは約1〜6日間である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
第1の信号を受信する工程であって、前記第1の信号は、排水処理システム内の細菌塊の第1の部分の量に関連し、前記細菌塊の第1の部分は、前記排水処理システム内の水性バルク液体の第1の部分内に含有される、工程と;
少なくとも前記第1の信号に基づいて、前記排水処理システム内の前記細菌塊の全細胞質量を計算する工程と;
第2の信号を受信する工程であって、前記第2の信号は、前記細菌塊の第2の部分の量に関連し、前記細菌塊の第2の部分は、前記水性バルク液体の第2の部分内に含有され、前記水性バルク液体の第2の部分は、ある流速で前記排水処理システムから退出する、工程と;
前記排水処理システム内の前記細菌塊の全細胞質量及び前記第2の信号に基づいて、前記排水処理システム内の前記細胞塊の平均細胞保持時間を計算する工程と;
前記排水処理システム内の前記細菌塊の平均細胞保持時間が、予め決定された範囲内にあるように、前記水性バルク液体の第2の部分の流速を調整する工程と
を含む、方法。
【請求項21】
前記第1の信号は、前記水性バルク液体の第1の部分内の前記細菌塊の第1の部分の濃度と関連する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記水性バルク液体内の前記第1の部分は、前記排水処理システムに進入する廃棄流内にあり;そして
前記第1の信号は、前記排水処理容器に進入する前記廃棄流の流速に関連する、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の信号は、前記水性バルク液体の第2の部分内の前記細菌塊の第2の部分の濃度及び前記水性バルク液体の第2の部分の流速のうちの少なくとも1つに関連する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記決定された範囲は、約2日間〜約8日間の間である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記調整工程は:
前記排水処理システム内の前記細菌塊の計算された平均細胞保持時間及び前記予め決定された範囲内の標的平均細胞保持時間に基づいて、ポンプ制御信号を計算する工程と;
前記排水処理システムから退出する前記水性バルク液体の第2の部分の流路内に配置された可変速ポンプに前記ポンプ制御信号を送信する工程と
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記細菌塊の平均廃棄物滞留時間が、予め決定された範囲内にあるように、前記水性バルク液体の第2の部分の流速を調整する工程
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
入力側の生化学的酸素要求量レベルから出力側の生化学的酸素要求量レベルまで、水性廃棄流の生化学的酸素要求量レベルを減少させる工程に関する処理コストを計算する工程と;
前記水性廃棄流の生化学的酸素要求量レベルが、前記入力側の生化学的酸素要求量レベルから前記出力側の生化学的酸素要求量レベルに減少する場合、前記水性廃棄流から取り出された細菌塊に関連する回収率を計算する工程と;
少なくとも前記処理コスト及び前記回収率に基づいて、前記水性廃棄流の生化学的酸素要求量レベルを減少させる工程に関する契約価格を自動的に計算する工程と
を含む、方法。
【請求項28】
前記契約価格を織り込んだインボイスを作成する工程をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記水性廃棄流の前記生化学的酸素要求量レベルが減少している場合、前記処理コストを計算する工程及び前記回収率を計算する工程の少なくとも1つが実質的に連続的に実施される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記処理コストを計算する工程は:
排水処理システムへの前記水性廃棄流の流速に関連する第1の信号を受信する工程と;
前記水性廃棄流の入力側の生化学的酸素要求量レベルに関連する第2の信号を受信する工程と;
時間の関数として複数の処理コストを計算する工程であって、複数の処理コスト由来の各処理コストは、前記第1の信号及び前記第2の信号に基づいて計算される、工程と;
予め決定された期間の複数の処理コストの算術平均を計算する工程と
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記回収コストを計算する工程は:
前記水性廃棄流から取り出された前記細菌塊の流速に関連する信号を受信する工程と;
前記水性廃棄流から取り出された前記細菌塊のタンパク質含有量に関連する信号を受信する工程と;
動物飼料の市場価格に関連する入力を受信する工程と
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記処理コストを計算する工程及び前記回収率を計算する工程のうちの少なくとも1つは、排水処理システム内の前記細菌塊の平均細胞保持時間を計算する工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記処理コストを計算する工程及び前記回収率を計算する工程のうちの少なくとも1つは、前記細菌塊平均の平均廃棄物滞留時間を計算する工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
入力側の生化学的酸素要求量レベルから出力側の生化学的酸素要求量レベルまで、水性廃棄流の生化学的酸素要求量レベルを減少させるプロセスに関する処理コストを計算する工程と;
前記プロセス中の前記水性廃棄流から取り出された細菌塊に関連する回収率を計算する工程と;
少なくとも前記処理コスト及び前記回収率に基づいて、前記プロセスの一部を自動的に調整する工程と
を含む、方法。
【請求項35】
前記調整工程は:
排水処理システム内の前記細菌塊の標的平均細胞保持時間を調整する工程と;
前記排水処理システム内に配置された可変速ポンプにポンプ制御信号を送信する工程と
を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記調整工程は:
排水処理システム内の前記細菌塊の標的平均廃棄物保持時間を調整する工程と;
前記排水処理システム内に配置された可変速ポンプにポンプ制御信号を送信する工程と
を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
増殖容器と;
代謝可能な成分を含む水性廃棄流を前記増殖容器に加えるための手段と;
前記水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝し、それによって、水性バルク液体において細菌懸濁液を形成する、前記増殖容器中の少なくとも1つの細菌培養物であって、ここで、前記水性バルク液体は、前記水性廃棄流と比較して代謝可能な成分が枯渇する、少なくとも1つの細菌培養物と;
前記増殖容器において、前記細菌懸濁液及び水性バルク液体を曝気するための手段と;
前記水性バルク液体から前記細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成するための手段と;
前記排水処理ユニットから前記細菌塊を取り出すための手段と;
前記排水処理ユニットにおける約8日間以下の前記細菌のMCRTを提供するために、前記細菌塊が取り出される前記速度を調整するための手段と;
前記排水処理ユニットから前記水性バルク液体の一部を取り出すための手段であって、ここで、前記水性バルク液体は、浮遊物質を実質的に全く含まない、手段と;
前記取り出された細菌塊を乾燥するための手段と;
前記取り出された細菌塊を乾燥する期間を調整し、それによって、MWRT−MCRT≦約2日間である手段と
を含む、排水処理ユニット。
【請求項38】
前記分離手段は、清澄容器、溶解空気浮上容器、又は膜バイオリアクターからなる群から選択され、ここで、前記清澄容器、溶存空気浮上容器、及び膜バイオリアクターは、前記増殖容器と前記清澄容器、溶解空気浮上容器、又は膜バイオリアクターとの間に、前記水性バルク液体中の前記細菌懸濁液を再利用するための手段を伴う前記増殖容器に接続されている、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記細菌塊を取り出すための前記手段と前記取り出した細菌塊を乾燥するための前記手段との間に配置された脱水手段をさらに含む、請求項37に記載の排水処理ユニット。
【請求項40】
前記少なくとも1つの細菌培養物は、遺伝子改変された細菌、ミクロコッカス(Micrococci)、バチルス(Bacilli)、フラボバクテリア(Flavobacteria)、メタン生成菌、シュードモナス(Pseudomonas)、ニトロソモナス(Nitrosomonas)、ニトロバクテリア(Nitrobacteria)、硝化細菌、好気性従属栄養細菌、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される細菌を含む、請求項37に記載の排水処理ユニット。
【請求項41】
約100mg/L以上のBODレベルを伴う溶解若しくは懸濁した代謝可能な食品及び/又は飲料副産物を含む食品及び/又は飲料加工工場由来の水性廃棄流を受容する工程と;
代謝可能な成分を含む前記水性廃棄流を、少なくとも1つの細菌培養物を含有する増殖容器に第1の流速で加える工程と;
前記水性廃棄流の代謝可能な成分の少なくとも一部を代謝することによって、前記少なくとも1つの細菌培養物の細菌を増殖容器において増殖させ、それによって、水性バルク液体において細菌懸濁液を形成させる工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、前記水性廃棄流と比較して代謝可能な成分が枯渇する、工程と;
前記水性バルク液体から前記細菌懸濁液の一部を分離し、それによって、細菌塊を形成する工程と;
細菌塊を第2の流速で取り出す工程と;
第3の流速で前記水性バルク液体の一部を取り出す工程であって、ここで、前記水性バルク液体は、浮遊物質を実質的に全く含まず、そして許容レベル内のBODを有する、工程と;
第2の流速を調整して、約8日間以下の前記細菌のMCRTを提供する工程と;
前記取り出された細菌塊を、MWRT−MCRT≦約2日間である期間内に乾燥する工程と;
動物飼料のためのタンパク質供給源として前記乾燥した細菌塊を提供する工程と
を含む、方法。
【請求項42】
前記乾燥した細菌塊は、動物飼料中の魚粉の代用物として動物飼料生産者に提供される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記細菌塊は、80%以上の固体含有量にまで乾燥され、そして動物飼料成分として提供される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記乾燥した細菌塊のタンパク質含有量を決定する工程と、
タンパク質含有量≧40%を有する細菌塊を貯蔵容器に方向転換させる工程と:
タンパク質含有量<40%を有する細菌塊を廃棄物容器に方向転換させる工程と;
動物飼料のためのタンパク質供給源として、タンパク質含有量≧40%を伴う前記細菌塊を提供すること
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
細菌の混合物を含む乾燥及び不活化された細菌塊であって、ここで、前記真のタンパク質含有量は少なくとも約50%であり、ここで、前記乾燥した細菌塊は、ヒト食用に使用される動物の飼料に適切であり、そしてAmerican Association of Feed Control Officials Official Publication (2007)の要件に従う、細菌の混合物を含む乾燥及び不活化された細菌塊
を含む、組成物。
【請求項46】
前記細菌は、遺伝子改変された細菌、ミクロコッカス(Micrococci)、バチルス(Bacilli)、フラボバクテリア(Flavobacteria)、メタン生成菌、シュードモナ(Pseudomona)、ニトロソモナ(Nitrosomona)、ニトロバクテリ(Nitrobacteri)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、硝化細菌、好気性従属栄養細菌、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記乾燥及び不活化された細菌塊の粗タンパク質含有量は約60%以上である、請求項45に記載の組成物。
【請求項48】
前記乾燥及び不活化された細菌塊は、約5.0mg/kgを超えるビタミンB12含有量を有する、請求項45に記載の組成物。
【請求項49】
前記乾燥及び不活化された細菌塊は、約55%を超える真のタンパク質含有量を有する、請求項45に記載の組成物。
【請求項50】
前記乾燥及び不活化された細菌塊は、約90%以上のpMC値を有する、請求項45に記載の組成物。
【請求項51】
前記乾燥及び不活化された細菌塊のタンパク質/灰分比は、約6.0/1〜8.0/1である、請求項45に記載の組成物。
【請求項52】
前記アミノ酸レベル、全アミノ酸レベル、及び粗タンパク質レベルは、少なくとも、以下の表:
【表1】

に記載のレベルである、請求項45に記載の組成物。
【請求項53】
前記アミノ酸レベルは、少なくとも、以下の表:
【表2】

に記載のレベルである、請求項45に記載の組成物。
【請求項54】
野菜、果物、及び糖からなる群から選択される供給源由来の炭素化合物をさらに含む、請求項45に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−502485(P2011−502485A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532290(P2010−532290)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/082029
【国際公開番号】WO2009/059163
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510121581)オベロン エフエムアール,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】