説明

包装要素及びその製造方法

水蒸気及び気体に対する良好な透過遮断硬化を有する無機の遮断層を備え、プラスチック成形された包装要素であって、この包装要素には、所望の透過遮断硬化を有する材料を使用して真空中で生成されたコーティングが付与される。この真空コーティングには、磨耗及び腐蝕に対する保護及び機械的安定性の改良のために、オーバーラッカーを施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気及び気体の浸透乃至透過に対して良好な遮断効果を有する無機の遮断層を備え、成型されたプラスチックで構成された、包装要素に関し、この包装要素は、前述の浸透乃至透過に対する遮断効果を有する材料を用いて、真空中で生成されたコーティングを有する。本発明は、又、この包装要素の製造に適した方法も包含する。
【背景技術】
【0002】
かねてから、食料品はガラス又はアルミニウムの包装中に梱包されている。これらの材料は、共に、気体及び水蒸気の透過に対して、100パーセントの防護を提供する。これは、気体が包装壁を介して外側から内側に透過できないことを意味し、食料品の腐敗が防止されることを意味する。これと同時に、気体は前述の内側から外側に透過できないので、製品から芳香が失われたり、乾燥したりすることが防止される。
【0003】
これらの包装材料は、環境保護の観点からは決して最適とは言えず、かつ、包装形態のデザインの自由度を殆ど提供しない。アルミニウムは透明な包装材の製造に使用できないという不都合を有し、ガラスの包装材料は、大きな自重を有することに加えて、常に、破砕、すなわち、ガラスが破損することを覚悟しておかなければならないという不都合を有する。ここで、プラスチックの包装材料は明らかな長所を示す。しかしながら、プラスチックは、通常、十分な気体遮断効果を有さないので、その包装材料には遮断層を付加する必要がある。この点に関して、種々の可能性が知られている。
【0004】
一例は、例えば、EVOHで構成された酸素遮断層を内部に有する、多層フラットフィルムの熱成形である。この技術によって、透明な遮断包装を製造することができる。しかしながら、この包装は、熱成形工程のために、デザインの自由度がかなり制約されるという欠点がある。また、(充填された包装の)減菌工程では、EVOHによって作り出された気体の遮断が、一時的に破壊され、この遮断の破壊は、特定の時間、酸素が包装壁を介して食料品の内部に流入することを可能にする。同様の制約は、射出成形と吹込み成形の組み合わせ又は押出し成形と吹込み成形の組み合わせによって作ることができる、EVOHの遮断層を備えた瓶状の容器に適用される。
【0005】
更に他の可能性は、所望の遮断性を有するフィルムが射出成形金型に挿入され、次いで、プラスチックでバック−スプレーされて製造される、一体化された「イン−モールド・ラベル」を有する容器である。しかしながら、ここでも、又、結果物としての容器のデザインの自由度は、製造工程によって大幅に制限される。
【0006】
EP−B−1 048 746には、又、真空コーティングによる遮断効果を備えた容器の製造方法が記載されている。この遮断包装は、(射出成形、熱成形、吹込み成形で)容器を形成し、次いで、適当な材料で構成された遮断層を真空コーティングすることにより生産される。この包装は、カバーフィルムとしての可撓性遮断フィルムで密封される。
【0007】
この結果物としてのプラスチック遮断包装は、次の点で未だ最適とは言えない。
− 顧客から求められる食料品の保存に必要な所望の遮断効果は、純然たる真空コーティングのみによっては、しばしば達成されないことがある。
― 極端に薄い真空コーティングは、機械的磨耗及び腐蝕の影響を受けやすいので、例えば、自動充填に必要な操作の間に、遮断効果が喪失する可能性がある。
− 包装を滅菌処理するときには、殆どの純然たる真空コーティングは、要求される安定性を有さない。
− カバー密封フィルムとして、可撓性の遮断フィルムを使用することにより、その包装は、一度開封されると、再密封することができないか、或いは、不完全に再密封することができるのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP−B−1 048 746
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、冒頭に記載したタイプの包装要素を更に発展させ、容器とカバー蓋のような包装要素が、先行技術に付随する不都合を具備しないようにするという目的に基礎を置く。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、真空コーティングを上塗りすることによって、磨耗及び腐蝕に対する保護を施し、かつ、機械的安定性を改良することにある。
【0011】
この包装要素は、フラットフィルム材料の熱成形によって、射出成形によって、射出成形と吹込み成形の組み合わせによって、又は、押出し成形と吹込み成形の組み合わせによって、成形することができる。
【0012】
真空コーティングは、以下に記載した方法のうちの一つを用いて、適用することができる。
− プラズマCVD法によって、好ましくは、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)又はTEOS(テトラエトキシシラン)を用いたPECVD(プラズマ−エンハンスド化学蒸着)法によって、そして、特に好ましくは、HMDSOと酸素、HMDSOと窒素、TEOSと酸素、又は、TEOSと窒素を用いたプラズマ前処理により、表面をセラミック層でコーティングする。
− DC、AC、又は、RFスパッタリング法によって、好ましくは、次のDCスパッタリング法によって、表面を酸化物層、窒化物層、又は、硫化物層でコーティングする。
ノン−リアクティブモードにおいて、酸化物、硫化物又は窒化物ターゲットから出発する。ドープされた酸化亜鉛のような電気伝導性のセラミックターゲットのDCスパッタリングが好ましい。もう一つの方法として、このコーティングは、非伝導性セラミックターゲットのRFスパッタリングを用いて行なうこともできる。
リアクティブモード(例えば、酸化錫、酸化チタン)において、金属ターゲットから出発し、AC又はDCスパッタリングによって、酸素又は窒素を付加して行なう。
― スパッタリング法によって、表面をアルミニウム、鋼、銅、錫、亜鉛、銀又はこれらの混合物で構成された金属層でコーティングする。このとき、滅菌処理しない場合には、アルミニウムで構成された金属層が好ましく、滅菌処理する場合には、銀、鋼、錫又は亜鉛で構成された金属層が好ましい。
【0013】
真空コーティングされた包装要素の上塗りは、例えば、浸漬被覆、フラッドコーティング、キャストラッカリング、スプレーラッカリング、パッドプリンティングによって、又は、インクジェットによって、行なわれる。塗付される層厚を減少させるため、又は、ラッカーを包装要素上により良好に分散させるため、ラッカリング処理の後に、遠心処理を施すことができる。
【0014】
適当なラッカーは、天然バインダー、重縮合樹脂、重付加樹脂、重合樹脂、又は、例えば、ゾルーゲルラッカー、シリケート及びシリコーン等の他のバインダーを基礎とする、汎用ラッカーシステムである。これらのバインダーは、例えば、イソシアネート、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シラン、又は、金属アルコキシド等の異なる架橋性樹脂に架橋することもできる。
【0015】
特に、酸素遮断特性を改良するためには、EVOH、PVDCを基礎とするラッカー、カチオン又はラジカルUV硬化性ラッカー、又は、アルコキシシラン及び/又は金属アルコキシド及び/又は無機粒子を基礎とするゾル-ゲルラッカーが好ましい。これらのラッカーは、例えばイソシアネート、メラミン樹脂又はユリア樹脂、シラン、又は金属アルコキド等の別の架橋性樹脂に架橋することもできる。
【0016】
また、酸素遮断性に加えて、滅菌耐久性も兼ね備えたラッカーは、特に、EVOH、PVDCを基礎とするラッカー、カチオン又はラジカルUV硬化性ラッカー、又は、アルコキシシラン及び/又は金属アルコキシド及び/又は無機粒子を基礎とするゾル-ゲルラッカーである。これらのラッカーも、例えば、イソシアネート、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シラン、又は、金属アルコキド等の別の架橋性樹脂に架橋することができる。
【0017】
特に好ましいのは、ゾル-ゲルラッカー系、及び、アクリレート又はカチオン架橋性エポキシドを基礎とするUV硬化性ラッカーである。硬化は、熱又は放射線硬化法によって行なわれる。UV光線又は電子ビームによる硬化が、特に好ましい。
【0018】
包装要素は、例えば、充填物を収容する容器及び/又は容器の蓋の形をとることができる。
【0019】
容器のコーティング及びオーバーラッカリングは、場合によっては、容器及び容器の蓋のコーティング及びオーバーラッカリングは、内側又は外側に施すことができる。例えば、外側のコーティングは、既に充填され、蓋をされた包装の上に、遮断層及びオーバーラッカー層を適用することを可能にする。
【0020】
本発明によって製造され、充填物を収容するための容器を有する遮断包装は、例えば、次のように閉鎖される。
― 容器に密封された遮断効果を有する可撓性フィルムによって、又は、
― 金属又はプラスチックで構成することができる、押込み式、スナップ式、又は、折り畳み式の蓋、又は、ねじ込み式のキャップを用いて閉鎖される。ねじ込み式のキャップがプラスチックで構成され、これにより遮断効果が不十分なときには、前述のように、真空コーティングとオーバーラッカリングの組み合わせによって、相応のガス遮断性を付与することができる。
【0021】
本発明による包装要素は、例えば、ガラス瓶の蓋、飲料カートンのねじ込み式の蓋等のように、ガラス、厚紙、又は、その他の材料で構成された包装用の蓋であることができる。
【0022】
本発明による方法は、多数の原材料から包装要素を製造することを可能とする。何よりも、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、及び、これらの材料から製造されたラミネートのような、良好な変形特性を有する透明なプラスチックが適する。
【0023】
包装要素を製造するための出発材料として、堆肥化可能で生物学的に分解可能なポリマー及び/又は再生可能な原料を基礎とするポリマーを使用することもできる。
【0024】
堆肥化可能な適当なポリマーは、特に、欧州規格EN13432として証明された、再生可能な又は再生不可能な原料を基礎とするポリマーであり、スターチを基礎とするポリマー(スターチブレンド)、PLA(ポリラクチド)、例えば、PHB(ポリヒドロキシブチレート)やPHV(ポリヒドロキシバレレート)のようなPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)型のポリエステル、化学的に改質されたセルロースで構成されたセルロース材料、更に、化学的に改質されたセルロースから製造された材料、並びに、原油又は天然ガスから製造された特定の合成ポリエステルのようポリマーである。
【0025】
再生可能な原料を基礎とするポリマーは、例えば、糖、スターチ、植物油、又は、セルロースから製造される。穀類、馬鈴薯、トウモロコシ、サトウキビ及び木材が、最も頻繁に使用される出発材料である。
【0026】
再生可能な材料を基礎とする適当なポリマーは、特に、例えば、PDO(バイオプロパンジオール)を基礎とする特定のポリエステル、例えば、ひまし油から作られた特定のポリアミド、並びに、例えば、サトウキビから作られたバイオエタノールを基礎とするPE(ポリエチレン)、ポリプロピレン(PP)及びPVC(ポリ塩化ビニル)である。
【0027】
本発明によるオーバーラッカリングを有する真空コーティングによれば、高い遮断効果を有し、欧州規格EN13432の基準に従って保証された堆肥化可能性を有する、再生可能な原料から、包装要素を製造することを可能にする。
【0028】
滅菌条件に対する抵抗力が要求されるときには、PHAのようなバイオポリマー又は再生可能な原料を基礎とするポリプロピレンを使用することが好ましい。
【0029】
本発明による方法の特に好ましい実施例では、包装要素の製造、コーティング及びオーバーラッカリングが、連続的に実施される。
【0030】
以下の表は、滅菌処理の前後における遮断層と種々のオーバーラッカリングシステムの包装要素の酸素遮断に対する影響を示す。
【0031】
表1は、銀(Ag)、鋼(V2A)及び錫(Sn)をコーティングしたポリプロピレン(PP)で構成され、オーバーラッカリング層を有さない、包装要素、及び、前記コーティングがされず、オーバーラッカリング層も有さない、ポリプロピレン(PP)で構成された、包装要素の遮断効果を示す。
表1は、25℃で、かつ、50% rH(相対湿度)(cm/(m-24h-bar))における無機遮断層の効果である酸素遮断性を示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表2は、別のラッカーシステムで構成されたオーバーラッカー層を有し、銀(Ag)及び鋼(V2A)をコーティングされたポリプロピレン(PP)で構成された包装要素の遮断効果を示す。
表2は、25℃で、かつ、50%rH(相対湿度)(cm/(m-24h-bar))における、追加されたオーバーラッカリングの効果である酸素遮断性を示す。
【0034】
【表2】

【0035】
表3は、銀(Ag)及び鋼(V2A)をコーティングされ、オーバーラッカー層を有さない、ポリラクチド(PLA)で構成された包装要素の遮断効果を示す。
表3は、25℃で、かつ、50%rH(相対湿度)(cm/(m-24h-bar))における、無機遮断層の効果である酸素遮断性を示す。
【0036】
【表3】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気及び気体に対する良好な透過遮断効果を有する無機遮断層を備え、成型プラスチックで構成された、包装要素であって、所望の透過遮断作用を有する材料を用いて真空中で生成された層を付与された、前記包装要素において、前記真空コーティングは、磨耗及び腐蝕に対する保護と機械的安定性の改良のために、オーバーラッカーを施されていることを特徴とする、包装要素。
【請求項2】
請求項1に記載の包装要素において、前記オーバーラッカー層の厚さは、1乃至30μm、好ましくは、1乃至5μmであることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装要素において、前記包装要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、又は、これらの原材料から製造されたラミネートで形成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の包装要素において、前記包装要素は、堆肥化可能なポリマー、特に、再生可能な原料を基礎とするポリマー、例えば、スターチを基礎とするポリマー(スターチブレンド)、PLA(ポリラクチド)、例えば、PHB(ポリヒドロキシブチレート)やPHV(ポリヒドロキシバレレート)のようなPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)型のポリエステル、化学的に改質されたセルロースで構成されたセルロース材料、更に、化学的に改質されたセルロースで製造された材料のような、再生可能な原料を基礎とするポリマーで構成され、、前記再生可能原料を基礎とするポリマーは、特に、例えば、PDO(バイオプロパンジオール)を基礎とする特定のポリエステル、例えば、ひまし油から作られた特定のポリアミド、並びに、例えば、サトウキビから作られたバイオエタノールを基礎とするPE(ポリエチレン)、ポリプロピレン(PP)及びPVC(ポリ塩化ビニル)であり、並びに、原油又は天然ガスから製造された特定の合成ポリエステル、又は、上記に列挙した材料から製造されたラミネートで形成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、前記装要素は、フラットフィルム材の熱成形によって、射出成形によって、又は、射出成形と吹込み成形の組み合わせ(射出吹込み成形)によって、又は、押出し成形と吹込み成形の組み合わせ(押出し吹込み成形)によって、形成されることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、前記遮断層は、プラズマCVD法を用いて、好ましくは、PECVD(プラズマ増強化学蒸着)法を用いて、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)又はTEOS(テトラエトキシシラン)により、特に好ましくは、プラズマ前処理を用いて、HMDSOと酸素、HMDSOと窒素、TEOSと酸素、又はTEOSと窒素により生成されたセラミック層で構成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、前記遮断層は、スパッタリング法を用いて生成された、酸化物又は窒化物又は硫化物層で構成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、前記遮断層は、スパッタリング法を用いて、アルミニウム、鋼、銅、錫、亜鉛、銀、又は、これらの材料の混合物から生成され、非滅菌処理用には好ましくはアルミニウムから生成され、滅菌処理用には好ましくは銀、鋼、錫、又は、亜鉛から生成された、金属性層で構成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、前記オーバーラッカーは天然接着成分に基づくラッカーシステムを含み、架橋性樹脂と架橋されて、特に、イソシアネート、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シラン、又は、金属アルコキシドと架橋されて、重縮合樹脂、重付加樹脂、重合樹脂、特にゾル-ゲルラッカー、シリケート及びシリコーンを基礎とするラッカーシステムで構成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項10】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、前記オーバーラッカーは、酸素遮断特性及び/又は滅菌耐久性を改良するために、EVOH、PVDCを基礎とするラッカー、カチオン又はラジカルUV硬化性ラッカー、又は、アルコキシシラン及び/又は金属アルコキシド及び/又は無機粒子を基礎とするゾル-ゲルラッカー、架橋性樹脂、特に、イソシアネート、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シラン、又は、金属アルコキドのような架橋性樹脂に架橋された前記ラッカーから構成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項11】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、前記オーバーラッカーは、熱又は放射線硬化法、特に、UV光線又は電子ビームにより硬化されるゾル-ゲルラッカーシステム、又は、アクリレートラッカーで構成されていることを特徴とする、前記包装要素。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の包装要素において、充填物を収容するための容器及び/又は容器の蓋の形態を有することを特徴とする、前記包装要素。
【請求項13】
水蒸気及び気体に対する良好な透過遮断効果を有する包装要素の製造方法であって、前記包装要素がプラスチックから成形され、該包装要素成形後に、望ましい透過遮断効果を有する材料によって真空中でコーティングされることにより、水蒸気及び気体に対する透過遮断効果を生じる前記製造方法において、前記真空コーティングは、磨耗及び腐蝕に対する保護及び機械的安定性の改良のために、オーバーラッカーを施されることを特徴とする、前記包装要素の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の製造方法において、容器は、又は、容器と容器の蓋は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、又は、これらの原材料から作られたラミネートで形成されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項15】
請求項13に記載の製造方法において、容器は、又は、容器と容器の蓋は、堆肥化可能なポリマー、特に、再生可能な原料を基礎とするポリマー、スターチを基礎とするポリマー(スターチブレンド)、PLA(ポリラクチド)、例えば、PHB(ポリヒドロキシブチレート)やPHV(ポリヒドロキシバレレート)のようなPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)型のポリエステル、化学的に改質されたセルロースで構成されたセルロース材料、更に、化学的に改質されたセルロースから作られた材料のような、再生可能な原料を基礎とするポリマーで形成され、前記再生可能原料を基礎とするポリマーは、特に、例えば、PDO(バイオプロパンジオール)を基礎とする特定のポリエステル、例えば、ひまし油から作られた特定のポリアミド、並びに、例えば、サトウキビから作られたバイオエタノールを基礎とするPE(ポリエチレン)、ポリプロピレン(PP)、及び、PVC(ポリ塩化ビニル)であり、並びに、原油又は天然ガスから作られた特定の合成ポリエステル、又は、上記に列挙した材料から作られたラミネートで形成されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の製造方法において、容器は、又は、容器と容器の蓋は、フラットフィルム材の熱成形によって形成され、射出成形によって形成され、射出成形と吹込み成形の組み合わせ(射出吹込み成形)によって形成され、又は、押出し成形と吹込み成形の組み合わせ(押出し吹込み成形)によって形成されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項17】
請求項14乃至16のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、前記コーティングは、プラズマCVD法を用いて、好ましくは、PECVD(プラズマ増強化学蒸着)法を用いて、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)又はTEOS(テトラエトキシシラン)により、特に好ましくは、プラズマ前処理を用いて、HMDSOと酸素、HMDSOと窒素、TEOSと酸素、又はTEOSと窒素により実施されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項18】
請求項14乃至16のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、前記コーティングは、スパッタリング法を用いて、表面を酸化物層又は窒化物層又は硫化物層で覆うことにより実施されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項19】
請求項14乃至16のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、前記コーティングは、スパッタリング法を用いて、アルミニウム、鋼、銅、錫、亜鉛、銀、又は、それらの混合物から生成された金属層で、非滅菌処理用には、好ましくはアルミニウムから生成された金属層で、滅菌処理用には、好ましくは銀、鋼、錫、又は、亜鉛から生成された金属性層で、表面を覆うことにより実施されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項20】
請求項14乃至19のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、オーバーラッカー用に、天然結合剤に基礎をおくラッカーシステムが使用され、場合によっては、架橋性樹脂、特にイソシアネート、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シラン、又は、金属アルコキシドと架橋されて、重縮合樹脂、重付加樹脂、重合樹脂、特にゾル-ゲルラッカー、シリケート及びシリコーンを基礎とするラッカーシステムが使用されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項21】
請求項14乃至19のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、酸素遮断特性及び/又は滅菌耐久性を改良するため、オーバーラッカー用に、EVOH、PVDCを基礎とするラッカー、カチオン又はラジカルUV硬化性ラッカー、又は、アルコキシシラン及び/又は金属アルコキシド及び/又は無機粒子を基礎とするゾル-ゲルラッカー、場合によっては、架橋性樹脂、特に、イソシアネート、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シラン、又は、金属アルコキドのような架橋性樹脂と架橋された前記ラッカーが使用されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項22】
請求項14乃至19のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、オーバーラッカー用に、ゾル-ゲルラッカーシステム及びアクリレートラッカーが使用され、熱又は放射線硬化法、特に、UV光線又は電子ビームによって硬化が行なわれることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項23】
請求項14乃至22のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、前記包装要素は、充填物を収容するための容器及び/又は容器の蓋であることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項24】
請求項14乃至23のうちのいずれか一項に記載の製造方法において、前記包装要素の製造、コーティング及びオーバーラッカリングが、連続的に行なわれることを特徴とする、前記製造方法。


【公表番号】特表2010−537897(P2010−537897A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522250(P2010−522250)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007048
【国際公開番号】WO2009/030425
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(504313044)3A テヒノロギー ウント メーニッジメント リミテッド (24)
【住所又は居所原語表記】Badische Bahnhofstrasse 16, CH−8212 Neuhausen am Rheinfall, Switzerland
【Fターム(参考)】