説明

化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスク

【課題】高感度、高解像性(例えば、高い解像力、優れたパターン形状、小さいラインエッジラフネス(LER))、及び、良好なドライエッチング耐性を同時に満足したパターンを形成できる化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、及び、レジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基とを有し、かつ、下記(a)〜(c)を同時に満たす高分子化合物(A)を含有する、化学増幅型レジスト組成物。
(a)分散度が1.2以下
(b)重量平均分子量が2000以上6500以下
(c)ガラス転移温度(Tg)が140℃以上

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のファブリケーションプロセスに好適に用いられる、電子線や極紫外線を使用して高精細化したパターンを形成しうる化学増幅型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものであり、特に特定の下地膜を有する基板を使用するプロセスに用いられる化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
レジスト組成物を用いた微細加工では、集積回路の高集積化に伴って、超微細パターンの形成が要求されている。それゆえ、露光波長にもg線からi線に、更にエキシマレーザー光にというように短波長化の傾向が見られ、現在では例えば、電子線を用いたリソグラフィー技術の開発が進んでいる。
エキシマレーザー光や電子線の露光に供される高分子化合物や低分子化合物としては、狭分散ヒドロキシスチレン系ポリマー(特許文献1参照)、インデンに対応する繰り返し単位を有するヒドロキシスチレン系ポリマー(特許文献2参照)、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する低分子化合物(特許文献3参照)、及び、120〜170℃の範囲内のガラス転移温度を有する(メタ)アクリル系ポリマー(特許文献4参照)等、種々の高分子化合物や低分子化合物が知られている。
【0003】
超微細パターンを形成するためにはレジストの薄膜化が必要であるが、薄膜化するとドライエッチング耐性が低下する。また、電子線リソグラフィーでは、近年、電子線(EB)の加速電圧を増大させてレジスト膜中での電子散乱(前方散乱)の影響を小さくさせている。しかし、そうするとレジスト膜の電子エネルギー捕捉率が低下し、感度が低下するし、レジスト基板において反射した電子の散乱(後方散乱)の影響が増大する。
【0004】
特に、半導体露光に使用されるフォトマスクブランクスへのパターニングの場合、レジスト下層には重原子を含む遮光膜が存在するので、それに起因する後方散乱の影響がより顕著である。
【0005】
これらの問題を解決する方法の1つとして、ナフタレン等の多環芳香族骨格を有する高分子化合物の使用が検討されている(例えば、特許文献5及び6)。
【0006】
しかしながら、感度、解像性等の性能について、更なる改良が求められている。 レジスト組成物による微細加工は、直接に集積回路の製造に用いられるだけでなく、近年ではいわゆるインプリント用モールド構造体の作製等にも適用されている(例えば、特許文献7及び非特許文献1)。そのため、高感度、高解像性(例えば、高い解像力、優れたパターン形状、小さいラインエッジラフネス(LER))、及び、良好なドライエッチング耐性を同時に満足させることが重要な課題となっており、これらの解決が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2962145号公報
【特許文献2】特開2006−201532号公報
【特許文献3】特開2010−107963号公報
【特許文献4】特開2005−31233号公報
【特許文献5】特開2008−95009号公報
【特許文献6】特開2009−86354号公報
【特許文献7】特開2008−162101号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開−ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦 フロンティア出版(2006年6月発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高感度、高解像性(例えば、高い解像力、優れたパターン形状、小さいラインエッジラフネス(LER))、及び、良好なドライエッチング耐性を同時に満足したパターンを形成できる化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は以下の通りである。
【0011】
〔1〕 フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基とを有し、かつ、下記(a)〜(c)を同時に満たす高分子化合物(A)を含有する、化学増幅型レジスト組成物。
(a)分散度が1.2以下
(b)重量平均分子量が2000以上6500以下
(c)ガラス転移温度(Tg)が140℃以上
〔2〕 前記高分子化合物(A)が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を、前記高分子化合物(A)の全繰り返し単位に対して10モル%〜90モル%で有する、上記〔1〕に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【化1】


(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。Arは芳香環基を表す。mは1以上の整数を表す。)
〔3〕
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)酸の作用により前記高分子化合物(A)を架橋する化合物とを含有する、上記〔1〕又は〔2〕に記載の化学増幅型レジスト組成物。
〔4〕
前記化合物(C)が、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
〔5〕
上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
〔6〕
10〜150nmの膜厚を有する、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のレジスト膜。
〔7〕
上記〔5〕又は〔6〕のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
〔8〕
上記〔5〕又は〔6〕に記載のレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を現像することを含む、レジストパターン形成方法。
〔9〕
上記〔7〕に記載のレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法。
〔10〕
前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる、上記〔8〕又は〔9〕に記載のレジストパターン形成方法。
〔11〕
上記〔7〕に記載のレジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスク。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、高感度、高解像性(例えば、高い解像力、優れたパターン形状、小さいラインエッジラフネス(LER))、及び、良好なドライエッチング耐性を同時に満足したパターンを形成できる化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
【0014】
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物は、フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基とを有し、かつ、下記(a)〜(c)を同時に満たす高分子化合物(A)を含有する。高分子化合物(A)の重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。高分子化合物(A)のガラス転移温度は、示差走査型熱量計を用いた熱分析(昇温速度:2℃/分)による測定値として定義される。
(a)分散度が1.2以下
(b)重量平均分子量が2000以上6500以下
(c)ガラス転移温度(Tg)が140℃以上
【0015】
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物は、典型的には、化学増幅型ネガ型レジスト組成物である。
以下、本発明の化学増幅型レジスト組成物について詳細に説明する。
【0016】
〔1〕(A)高分子化合物
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物は、フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基とを有し、かつ、上記(a)〜(c)を同時に満たす高分子化合物(A)を含有する。
高分子化合物(A)が、フェノール性水酸基のみならず、フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基を有することにより、高感度及び高解像性の両立を達成できる。その理由は、完全には明らかではないが、これらの基を有する高分子化合物(A)を用いた本発明のレジスト膜によれば、フェノール性水酸基を有するものの、フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基を有さない高分子化合物を用いた従来のレジスト膜と比較して、露光部のアルカリ現像液に対する溶解速度を低減できる(即ち、高分子化合物(A)を用いたレジスト膜の溶解速度を、最適なものに制御できる)。これにより、本発明のレジスト膜に対して照射する必要な露光量を、上記した従来のレジスト膜を使用する場合と比較して少なくでき、これが、感度の向上に寄与しているものと考えられる。また、上記のように、本発明のレジスト膜は、従来のレジスト膜と比較して、意図せずにアルカリ現像液に溶解しすぎてします虞れが少なく、これが、解像性の向上に寄与しているものと考えられる。上記した本発明の効果は、特に、レジスト膜が薄膜である場合(例えば、レジスト膜の厚みが、10〜150nmである場合)においては、顕著である。
高分子化合物(A)が上記(a)を満たすことにより、パターン形成において高感度を達成できる。これは、分散度が低いことにより、高分子化合物(A)中において、アルカリ現像液に対する溶解速度が高い低分子量成分の量を少なくでき、結果、露光部のアルカリ現像液に対する溶解速度を低減できるためと考えられる。
また、高分子化合物(A)が上記(b)を満たすことにより、すなわち、重量平均分子量が2000以上であることにより、充分なドライエッチング耐性を付与されるとともに、重量平均分子量が6500以下であることにより、未露光部において、現像液に溶解する高分子化合物(A)の溶解単位が小さくなり、これは、解像性の向上に寄与するものと考えられる。
更に、高分子化合物(A)が上記(c)を満たすことにより、解像性を向上できる。これは、上記(c)のように、高分子化合物のガラス転移温度(Tg)が高くなると、露光部において発生した酸が、未露光部に拡散し難くなるためと考えられる。また、高分子化合物(A)が上記(c)を満たすことにより、得られるレジスト膜は非常に硬いものとなる。これにより、ドライエッチング耐性が向上するとともに、得られるパターンが倒れにくくなるため、解像性の向上にも寄与するものと考えられる。
【0017】
上記(a)に関し、高分子化合物(A)の分散度は、1.05〜1.18であることが好ましく、1.10〜1.16であることがより好ましい。
上記(b)に関し、高分子化合物(A)の重量平均分子量は、2500〜5000であることが好ましく、2800〜4500であることがより好ましい。
上記(c)に関し、高分子化合物(A)のガラス転移温度(Tg)は、145℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度の上限値は特に限定されるものではないが、通常、250℃以下とされ、170℃以下であることが好ましい。
【0018】
本願におけるフェノール性水酸基とは、芳香環基の水素原子を水酸基で置換してなる基である。該芳香環は単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環が解像性の観点で好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
【0019】
高分子化合物(A)は、上記(a)〜(c)を満たせば、その構造等は特に限定されないが、上記(c)を満たすために、高分子化合物(A)が有する「フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基」における該置換基は、環状炭化水素構造を有する基であることが好ましい。
【0020】
環状炭化水素構造を有する基は、総炭素数が5〜40であることが好ましく、7〜30であることがより好ましい。
環状炭化水素構造を有する基における環状炭化水素構造は、単環型であっても多環型であってもよく、単環型の炭化水素構造としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜8のアリール基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基、フェニル基等を挙げることができる。多環型の炭化水素構造としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を挙げることができ、炭素数6〜30の多環シクロ構造や多環芳香族構造が好ましく、例えば、インデン基、フルオレン基、アセタフタレン基、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、あるいはアンドロスタニル基、ナフチル基、アンタラセニル基、ビフェニル基、に対応する構造を挙げることができる。尚、単環又は多環型の炭化水素構造の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
【0021】
上記の多環型の炭化水素構造の好ましいものとしては、インデン基、フルオレン基、アセタフタレン基、ナフチル基、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、に対応する構造があげられ、アダマンチル基に対応する構造がドライエッチング耐性の観点で最も好ましい。
【0022】
更に、上記環状炭化水素構造は、更に置換基を有してもよく、このような更なる置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0023】
環状炭化水素構造を有する基は、多環炭化水素構造を有する基であることがより好ましく、多環炭化水素構造を有する基における多環炭化水素構造は、単環型の炭化水素基を複数有する構造、若しくは、多環型の炭化水素構造を意味し、有橋式であってもよい。単環型の炭化水素基を複数有する構造における単環型の炭化水素基としては、前記した単環型の炭化水素構造と同様のものを挙げることができる。
単環型の炭化水素基を複数有する構造は、単環型の炭化水素基を2〜4個有することが好ましく、2個有することが特に好ましい。多環型の炭化水素構造は、前記したものと同様である。
【0024】
以下、上記多環炭化水素構造の好ましい例を記載するが、これに限定されるものではない。
【0025】
【化2】

【0026】
上記した多環炭化水素構造の具体例の内、以下のものがより好ましい。
【0027】
【化3】

【0028】
上記した多環炭化水素構造の具体例の内、以下のものが更に好ましい。
【0029】
【化4】

【0030】
環状炭化水素構造を有する基は、下記一般式(a)で表される基であることが好ましい。
【0031】
【化5】

【0032】
一般式(a)中、Xは環状炭化水素構造を表し、多環炭化水素構造がより好ましい。
Xの環状炭化水素構造(好ましい形態としての多環炭化水素構造)としては、前記したものと同様である。
*は、「フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基」における水酸基の酸素原子に接続する結合手である。
【0033】
高分子化合物(A)は、「フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基」を有する繰り返し単位を有することが好ましく、このような繰り返し単位としては、下記一般式(I)で表される繰り返し単位が好ましい。
【0034】
【化6】

【0035】
一般式(I)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Arは芳香環基を表す。Yは環状炭化水素構造を有する基を表す。
【0036】
は水素原子であることが好ましい。
Arの芳香環基における芳香環の具体例及び好ましい例としては、フェノール性水酸基に関する上記説明において記載したものと同様である。
Yの環状炭化水素構造を有する基の具体例及び好ましい例は、上記した環状炭化水素構造を有する基の具体例及び好ましい例と同様である。
【0037】
一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)の全繰り返し単位に対して、1〜50モル%であることが好ましく、5〜30モル%であることがより好ましく、10〜20モル%であることが更に好ましい。
【0038】
また、高分子化合物(A)は、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有することが好ましく、このような繰り返し単位は、下記一般式(II)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
【0039】
【化7】

【0040】
(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。Arは芳香環基を表す。mは1以上の整数を表す。)
【0041】
における置換基を有していてもよいメチル基としては、トリフルオロメチル基や、ヒドロキシメチル基等を挙げることができる。
は水素原子であることが好ましい。
Arの芳香環基における芳香環の具体例及び好ましい例としては、フェノール性水酸基に関する上記説明において記載したものと同様である。
mは1〜5の整数であることが好ましく、1が最も好ましい。mが1でArがベンゼン環の時、―OHの置換位置はベンゼン環のポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、上記(c)の要件を満たしやすいことから、パラ位が好ましい。
【0042】
Arの芳香環基における芳香環は、上記−OHで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールカルボニル基が挙げられる。
【0043】
一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)の全繰り返し単位に対して、10〜90モル%であることが好ましく、30〜90モル%であることがより好ましく、40〜90モル%であることが更に好ましい。これにより、特に、レジスト膜が薄膜である場合(例えば、レジスト膜の厚みが、10〜150nmである場合)、高分子化合物(A)を用いて形成された本発明のレジスト膜における露光部のアルカリ現像液に対する溶解速度をより確実に低減できる(即ち、高分子化合物(A)を用いたレジスト膜の溶解速度を、より確実に最適なものに制御できる)。その結果、感度をより確実に向上させることができる。
【0044】
以下、一般式(II)で表される繰り返し単位の例を記載するが、これに限定されるものではない。
【0045】
【化8】

【0046】
高分子化合物(A)は、上記繰り返し単位以外の繰り返し単位として、下記のような繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」ともいう)を更に有することも好ましい。
【0047】
これら他の繰り返し単位を形成するための重合性モノマーの例としてはスチレン、アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、O-アルキル化スチレン、O-アシル化スチレン、水素化ヒドロキシスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体(アクリル酸、アクリル酸エステル等)、メタクリル酸誘導体(メタクリル酸、メタクリル酸エステル等)、N−置換マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、置換基を有しても良いインデン、等を挙げることができる。
高分子化合物(A)は、これら他の繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、これら他の繰り返し単位の高分子化合物(A)中の含有量は、高分子化合物(A)を構成する全繰り返し単位に対して、一般的に1〜20モル%、好ましくは2〜10モル%である。
【0048】
また、上記繰り返し単位以外の繰り返し単位として、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位や、光酸発生基を有する繰り返し単位を更に有することも好ましい。
アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位としては、例えば、ラクトン構造、フェニルエステル構造を有する繰り返し単位などがあげられ、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を有する繰り返し単位であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環した構造を有する繰り返し単位がより好ましい。以下に、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位の具体例を示す。式中、Rxは、H,CH,CHOH,又はCFを表す。
【0049】
【化9】

【0050】
【化10】

【0051】
高分子化合物(A)は、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜50モル%が好ましく、より好ましくは10〜40モル%、更に好ましくは15〜30モル%である。
【0052】
本発明においては、上記以外の繰り返し単位として、更に光酸発生基を有する繰り返し単位を含むことが好ましく、そのような単位として例えば、特開平9-325497号公報〔0028〕に記載された繰り返し単位や、特開2009-93137号公報〔0038〕〜〔0041〕に記載された繰り返し単位があげられる。そして、この場合、この光酸発生基を有する繰り返し単位が本発明の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)にあたると考えることができる。
以下に、光酸発生基を有する繰り返し単位に対応するモノマーの具体例(EB又はEUV露光により発生した酸の構造として示す)を示す。
【0053】
【化11】

【0054】
高分子化合物(A)が光酸発生基を有する繰り返し単位を含有する場合、光酸発生基を有する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
【0055】
高分子化合物(A)は、リビングラジカル重合法(イニファーター法等)やリビングアニオン重合法等のリビング重合を用いて得ることが好ましく、これにより、分散度を容易に1.2以下とすることができる。例えば、リビングアニオン重合法では、ビニルモノマーを適当な有機溶媒に溶解し、金属化合物(ブチルリチウム等)を開始剤として、通常、冷却条件化で反応させて重合体を得ることができる。
高分子化合物(A)としては、芳香族ケトン又は芳香族アルデヒド、及び1〜3個のフェノール性水酸基を含有する化合物の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物(例えば、特開2008−145539)、カリックスアレーン誘導体(例えば特開2004−18421)、Noria誘導体(例えば特開2009−222920)、ポリフェノール誘導体(例えば特開2008−94782)も適用でき、高分子反応で修飾して合成しても良い。
また、高分子化合物(A)は、リビングラジカル重合法やリビングアニオン重合法で合成したポリマーや、分散度が1.2以下の市販のポリマーに高分子反応で修飾して合成することも好ましい。
本発明の化学増幅型レジスト組成物に対する高分子化合物(A)の添加量は組成物の全固形分に対して、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜85質量%で用いられる。
【0056】
以下に本発明で使用される高分子化合物(A)の具体例を示すが、これに限定されるものではない。
【0057】
【化12】

【0058】
【化13】

【0059】
【化14】

【0060】
【化15】

【0061】
【化16】

【0062】
【化17】

【0063】
【化18】

【0064】
【化19】

【0065】
【化20】

【0066】
〔2〕(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)(以下、適宜、これらの化合物を「酸発生剤」と略称する)を含有することが好ましい。
酸発生剤の好ましい形態として、オニウム化合物を挙げることができる。そのようなオニウム化合物としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩などを挙げることができる。
また、酸発生剤の別の好ましい形態として、活性光線又は放射線の照射により、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生する化合物を挙げることができる。その形態における酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、オキシムスルホネート、イミドスルホネートなどを挙げることができる。
【0067】
本発明に用いる酸発生剤としては、低分子化合物に限らず、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した化合物も用いることができる。更に前述したように、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基が、本発明に用いる高分子化合物(A)の共重合成分となっている繰り返し単位中に存在する場合は、本発明の高分子化合物とは別分子の酸発生剤(B)はなくてもかまわない。
【0068】
酸発生剤は、電子線又は極紫外線の照射により酸を発生する化合物であることが好ましい。
【0069】
本発明において、好ましいオニウム化合物として、下記一般式(1)で表されるスルホニウム化合物、若しくは一般式(2)で表されるヨードニウム化合物を挙げることができる。
【0070】
【化21】

【0071】
一般式(1)及び(2)において、
a1、Ra2、Ra3、Ra4及びRa5は、各々独立に、有機基を表す。
は、有機アニオンを表す。
以下、一般式(1)で表されるスルホニウム化合物及び一般式(2)で表されるヨードニウム化合物を更に詳述する。
【0072】
上記一般式(1)のRa1〜Ra3、並びに、上記一般式(2)のRa4及びRa5は、各々独立に有機基を表すが、好ましくはRa1〜Ra3の少なくとも1つ、並びに、Ra4及びRa5の少なくとも1つがそれぞれアリール基である。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
上記一般式(1)及び(2)におけるXの有機アニオンは、例えばスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、好ましくは、下記一般式(3)、(4)又は(5)で表される有機アニオンであり、より好ましくは下記一般式(3)で表される有機アニオンである。
【0073】
【化22】

【0074】
上記一般式(3)、(4)及び(5)に於いて、Rc、Rc、Rc及びRcは、それぞれ、有機基を表す。
【0075】
上記Xの有機アニオンが、電子線や極紫外線などの活性光線又は放射線の照射により発生する酸であるスルホン酸、イミド酸、メチド酸などに対応する。
上記Rc1〜Rc4の有機基としては、例えばアルキル基、アリール基、又はこれらの複数が連結された基を挙げることができる。これら有機基のうちより好ましくは1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子又はフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。ただし、末端基は置換基としてフッ素原子を含有しないことが好ましい。
【0076】
そして、本発明においては、前記酸を発生する化合物(B)は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性やパターン形状を良好にする観点から、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積230Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更により好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがとりわけ好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。
以下に本発明において、特に好ましい酸発生剤を以下に例示する。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
【0077】
【化23】

【0078】
【化24】

【0079】
【化25】

【0080】
【化26】

【0081】
また、本発明に用いる酸発生剤(好ましくはオニウム化合物)としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(光酸発生基)を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した高分子型酸発生剤も用いることができ、前述の高分子化合物(A)の記載中に、光酸発生基を有する繰り返し単位として記載した。
【0082】
酸発生剤の組成物中の含有量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜25質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、更に好ましくは1〜18質量%である。
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0083】
〔3〕(C)酸の作用により高分子化合物(A)を架橋する化合物
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、酸の作用により高分子化合物(A)を架橋する化合物(以下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)を含有することが好ましい。
架橋剤は、架橋性基としてヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。
【0084】
好ましい架橋剤としては、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化系フェノール化合物、アルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類及びアルコキシメチル化ウレア系化合物が挙げられる。特に好ましい架橋剤としての化合物(C)としては、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、更にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、分子量が1200以下のフェノール誘導体や、少なくとも2個の遊離N−アルコキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体やアルコキシメチルグリコールウリル誘導体が挙げられる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
【0085】
上記架橋剤のうち、ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。また、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。
このようにして合成されたフェノール誘導体のうち、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体が感度、保存安定性の点から特に好ましい。
【0086】
別の好ましい架橋剤の例として、更にアルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類及びアルコキシメチル化ウレア系化合物のようなN−ヒドロキシメチル基又はN−アルコキシメチル基を有する化合物を挙げることができる。
【0087】
このような化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレア等が挙げられ、EP0,133,216A、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号、EP0,212,482A号に開示されている。
これら架橋剤の中で特に好ましいものを以下に挙げる。
【0088】
【化27】

【0089】
式中、L〜Lは、各々独立に、水素原子、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【0090】
本発明において架橋剤は、レジスト組成物の固形分中、好ましくは3〜65質量%、より好ましくは5〜50質量%の添加量で用いられる。架橋剤の添加量を3〜65質量%とすることにより、残膜率及び解像力が低下することを防止するとともに、レジスト液の保存時の安定性を良好に保つことができる。
【0091】
本発明において、架橋剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、パターン形状の観点から2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
例えば、上記のフェノール誘導体に加え、他の架橋剤、例えば上述のN−アルコキシメチル基を有する化合物等を併用する場合、上記のフェノール誘導体と他の架橋剤の比率は、モル比で100/0〜20/80、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましくは80/20〜50/50である。
【0092】
〔4〕塩基性化合物
本発明の化学増幅型レジスト組成物には、前記成分の他に、塩基性化合物を酸補足剤として含有することが好ましい。塩基性化合物を用いることにより、露光から後加熱までの経時による性能変化を小さくすることできる。このような塩基性化合物としては、有機塩基性化合物であることが好ましく、より具体的には、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。アミンオキサイド化合物(特開2008−102383に記載)、アンモニウム塩(好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドがLERの観点で好ましい。)も適宜用いられる。
更に、酸の作用により塩基性が増大する化合物も、塩基性化合物の1種として用いることができる。
アミン類の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリン、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。含窒素複素環構造を有する化合物としては、2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ジメチルアミノピリジン、アンチピリン、ヒドロキシアンチピリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
また、光分解性塩基性化合物(当初は塩基性窒素原子が塩基として作用して塩基性を示すが、活性光線あるいは放射線の照射により分解されて、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、これらが分子内で中和することによって、塩基性が減少又は消失する化合物。例えば、特登3577743、特開2001−215689号、特開2001−166476、特開2008−102383に記載のオニウム塩)、光塩基発生剤(例えば、特開2010−243773に記載の化合物)も適宜用いられる。
これら塩基性化合物の中でも良好な断面形状が得られるという観点でアンモニウム塩又は光分解性塩基性化合物が好ましい。
本発明で使用される塩基性化合物の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.03〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。
【0093】
〔5〕界面活性剤
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、更に、塗布性を向上させるため界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、メガファックF171(大日本インキ化学工業製)やフロラードFC430(住友スリーエム製)やサーフィノールE1004(旭硝子製)、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーが挙げられる。
レジスト組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、レジスト組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
【0094】
〔6〕有機カルボン酸
本発明の化学増幅型レジスト組成物には、前記成分の他に、有機カルボン酸を含有することが好ましい。このような有機カルボン酸化合物として、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸などを挙げることができるが、電子線露光を真空化で行なう際にはレジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい化合物としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
有機カルボン酸の配合量としては、高分子化合物(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更により好ましくは0.01〜3質量部である。
【0095】
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、必要に応じて、更に、染料、可塑剤、酸増殖剤(国際公開第95/29968号公報、国際公開第98/24000号公報、特開平8−305262号公報、特開平9−34106号公報、特開平8−248561号公報、特表平8−503082号公報、米国特許第5,445,917号明細書、特表平8−503081号公報、米国特許第5,534,393号明細書、米国特許第5,395,736号明細書、米国特許第5,741,630号明細書、米国特許第5,334,489号明細書、米国特許第5,582,956号明細書、米国特許第5,578,424号明細書、米国特許第5,453,345号明細書、米国特許第5,445,917号明細書、欧州特許第665,960号明細書、欧州特許第757,628号明細書、欧州特許第665,961号明細書、米国特許第5,667,943号明細書、特開平10−1508号公報、特開平10−282642号公報、特開平9−512498号公報、特開2000−62337号公報、特開2005−17730号公報、特開2008−209889号公報等に記載)等を含有してもよい。これらの化合物については、いずれも特開2008−268935号に記載のそれぞれの化合物を挙げることができる。
〔カルボン酸オニウム塩〕
本発明のレジスト組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸スルホニウム塩が好ましい。更に、本発明においては、カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環若しくは多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。更に好ましくはこれらのアルキル基の一部又は全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。またアルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
【0096】
本発明のレジスト組成物に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが好ましい。これらの溶剤は単独若しくは組合せて用いられる。
レジスト組成物の固形分は、上記溶剤に溶解し、固形分濃度として、1〜40質量%で溶解することが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。
【0097】
本発明は、本発明の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜にも関し、このようなレジスト膜は、例えば、該レジスト組成物が基板等の支持体上に塗布されることにより形成される。このレジスト膜の厚みは、10〜150nmであることが好ましく、10〜120nmであることがより好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布されるが、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。塗布膜は60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークして薄膜を形成する。
【0098】
被加工基板及びその最表層を構成する材料は、例えば半導体用ウエハの場合、シリコンウエハを用いることができ、最表層となる材料の例としては、Si,SiO,SiN,SiON,TiN,WSi,BPSG,SOG,有機反射防止膜等が挙げられる。
【0099】
また、本発明は、上記のようにして得られるレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクスにも関する。このようなレジスト塗布マスクブランクスを得るために、フォトマスク作製用のフォトマスクブランクス上にレジストパターンを形成する場合、使用される透明基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、該基板上に、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が積層される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は更にそれらに酸素、窒素、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でも良いが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に限定されないが、5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。
【0100】
これらの材料のうち、一般にクロムに酸素や窒素を含有する材料を最表層に持つフォトマスクブランク上で化学増幅型レジスト組成物を用いてパターン形成を行った場合、基板付近でくびれ形状が形成される、いわゆるアンダーカット形状となりやすいが、本発明を用いた場合、従来のものに比べてアンダーカット問題を改善することができる。
次いで、このレジスト膜には活性光線又は放射線(電子線等)を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃)を行った後、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。そして、このパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体等を作成する。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」に記載されている。
【0101】
本発明の化学増幅型レジスト組成物の使用形態及びレジストパターン形成方法を次に説明する。
本発明は、上記レジスト膜又はレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、該露光されたレジスト膜又はレジスト塗布マスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法にも関する。本発明において、前記露光が電子線又は極紫外線を用いて行われることが好ましい。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上への露光(パターン形成工程)は、まず本発明のレジスト膜にパターン状に電子線又は極紫外線(EUV)照射を行うことが好ましい。露光量は電子線の場合0.1〜20μC/cm程度、好ましくは3〜10μC/cm程度、極紫外線の場合0.1〜20mJ/cm程度、好ましくは3〜15mJ/cm程度となるように露光する。次いで、ホットプレート上で60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間、露光後加熱(ポストエクスポージャベーク)を行い、ついで現像、リンス、乾燥することによりレジストパターンを形成する。
【0102】
現像液は、アルカリ現像液であっても、有機溶剤を含有する現像液であってもよい。によって、
【0103】
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%質量の水溶液が望ましい。
【0104】
有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液とも言う)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、有機系現像液の含水率は、10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
【0105】
現像液には、必要に応じてアルコール類及び/又は界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
【0106】
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
【0107】
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
【0108】
また、現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
【0109】
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0110】
有機系現像液を用いた現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。前記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤から選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、特に好ましくは、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、最も好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。
ここで、リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチルー2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチルー2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
【0111】
前記各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
【0112】
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
【0113】
リンス工程においては、現像を行ったウェハを前記のリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
【0114】
こうして、本発明の化学増幅型レジスト組成物を用いるネガ型パターン形成方法によれば、未露光部分のレジスト膜は溶解し、露光された部分は高分子化合物が架橋しているので現像液に溶解され難く、基板上に目的のパターンが形成される。
【0115】
また本発明は、レジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスクにも関する。露光及び現像としては、上記に記載の工程が適用される。該フォトマスクは半導体製造用として好適に使用される。
【実施例】
【0116】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0117】
(I)ネガ型化学増幅型レジストとしての例(電子線、アルカリ現像)
1.高分子化合物(A)((A)成分)の合成例
<合成例1:高分子化合物(A1)の合成>
日本曹達株式会社製、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP2500)20gをテトラヒドロフラン(THF)120mLに溶解し、4.96gの1−アダマンタンカルボニルクロリド、3.37gのトリエチルアミンを加え、50℃で4時間撹拌した。反応液を室温に戻した後、酢酸エチル100mLと蒸留水100mLを加え、反応液を氷水中で撹拌しながら、1NのHCl水溶液を少しずつ反応液に添加し中和した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル100mLと蒸留水100mLを更に加えて撹拌後、水層を除去した。その後有機層を200mLの蒸留水で5回洗浄後、有機層を濃縮し、ヘキサン2L中に滴下した。粉体をろ過後、分取し、真空乾燥することで高分子化合物(A1)20.6gが得られた。
【0118】
また、高分子化合物(A1)と同様にして、他の高分子化合物を合成した。
得られた高分子化合物につき、H−NMR測定により、高分子化合物の組成比(モル比)を算出した。また、GPC(溶媒:THF、カラム:東ソー社製TSK gel Multipore HXL−M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:RI)測定により、高分子化合物の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算)及び分散度(Mw/Mn)を算出した。
ガラス転移温度(Tg)は、TA Instruments社製の示差走査型熱量計(DSC)Q2000を用いて、真空乾燥したポリマーサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、10℃〜300℃まで2℃/minで昇温したときの変曲点から求めた。
重量平均分子量、分散度及びTgについて、以下の表中に、高分子化合物の化学式及び組成比とともに示す。
【0119】
【表1】

【0120】
【表2】

【0121】
【表3】

【0122】
2.実施例
〔実施例1E〕
(1)支持体の準備
酸化Cr蒸着した6インチウェハー(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)を準備した。
(2)レジスト塗布液の準備
(ネガ型レジスト組成物N1の塗布液組成)
化合物(A1) 0.60g
光酸発生剤(z42)(構造式は上記) 0.12g
架橋剤CL−1(構造式は下記) 0.08g
架橋剤CL−4(構造式は下記) 0.04g
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(塩基性化合物) 0.002g
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(有機カルボン酸) 0.012g
界面活性剤PF6320(OMNOVA(株)製) 0.001g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) 4.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテル(溶剤) 5.0g
【0123】
【化28】

【0124】
上記組成物溶液を0.04μmの孔径を有するメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト塗布溶液を得た。
【0125】
(3)レジスト膜の作成
上記6インチウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚100nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
【0126】
(4)ネガ型レジストパターンの作製
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)エリオニクス社製;ELS−7500、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。
(5)レジストパタ−ンの評価
得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
【0127】
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。線幅100nm(ライン:スペース=1:1)のレジストパターンを解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
【0128】
〔解像力〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)が分離解像する最小の線幅)を解像力(nm)とした。
【0129】
〔パタ−ン形状〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「逆テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや逆テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
【0130】
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で、線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)を形成した。そして、その長さ方向50μmに含まれる任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
【0131】
〔ドライエッチング耐性〕
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で線幅100nm(ライン:スペース=1:1)のレジストパターンを形成したレジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C/Oガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて30秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
【0132】
〔実施例2E〕〜〔実施例18E〕、〔比較例1E〕〜〔比較例9E〕
レジスト液処方で、下表2に記載の成分以外は実施例1Eと同様にしてレジスト溶液(ネガ型レジスト組成物N2〜N18、ネガ型レジスト比較組成物N1〜N9)の調製、ネガ型パターン形成及びその評価を行った。
【0133】
【表4】

【0134】
【表5】

【0135】
上記及び下記実施例/比較例で用いた前掲以外の素材の略称を以下に記載する。
【0136】
〔酸発生剤(化合物(B))〕
【0137】
【化29】

【0138】
〔架橋剤(化合物(C))〕
【0139】
【化30】

【0140】
〔塩基性化合物〕
B1:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
B2:トリ(n−オクチル)アミン
【0141】
【化31】

【0142】
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)
S3:2−ヘプタノン
S4:乳酸エチル
S5:シクロヘキサノン
S6:γ−ブチロラクトン
S7:プロピレンカーボネート
【0143】
評価結果を表3に示す。
【0144】
【表6】

【0145】
表3に示す結果から、本発明に係る組成物は、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性に優れることが分かる。
【0146】
(II)ネガ型化学増幅型レジストとしての例(EUV、アルカリ現像)
〔実施例1F〜6F並びに比較例1F及び2F〕
(レジスト溶液の調製)
下記表4に示したネガ型レジスト組成物をポアサイズ0.04μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して、ネガ型レジスト溶液を調製した。
【0147】
(レジスト評価)
調製したネガ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行って、0.05μmの膜厚を有したレジスト膜を形成させた。
得られたレジスト膜に関し、下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
【0148】
〔感度〕
得られたレジスト膜に、EUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜20.0mJ/cmの範囲で0.1mJ/cmずつ変えながら、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの反射型マスクを介して、露光を行った後、110℃で90秒間ベークした。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像した。
線幅100nmのラインアンドスペース(L/S=1/1)のマスクパターンを再現する露光量を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
【0149】
〔解像力(LS)〕
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)とが分離解像する最小の線幅)をLS解像力(nm)とした。
【0150】
〔パターン形状〕
上記の感度を示す露光量における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「逆テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや逆テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
【0151】
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
上記の感度を示す露光量で、線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)を形成した。そして、その長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
【0152】
〔ドライエッチング耐性〕
上記の感度を示す露光量で全面照射を行うことにより形成したレジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C/Oガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて15秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
【0153】
以上の評価結果を表4に示す。
【0154】
【表7】

【0155】
表4に示す結果から、本発明に係る組成物は、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性に優れることが分かる。
【0156】
(III)ネガ型の化学増幅型レジストとしての例(電子線露光、有機系現像液を用いた現像)
〔実施例1G〜6G並びに比較例1G及び2G〕
(レジスト溶液の調製)
下記表5に示したネガ型レジスト組成物を0.04μmの孔径を有するメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト塗布溶液を得た。
【0157】
(レジスト膜の作成)
酸化Cr蒸着した6インチウェハー(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)上に東京エレクトロン製Mark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、130℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚100nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)エリオニクス社製;ELS−7500、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒間ホットプレート上で加熱し、良溶媒としての酢酸ブチル(沸点=126℃)と、貧溶媒としてのデカン(沸点=174℃)を85/15質量比で混合した溶剤を用いて、30秒間スプレー現像した後、スピンコーターにて30秒間3000回転で回転して十分に乾燥させた。
【0158】
(レジストパタ−ンの評価)
得られたパターンを上記(I)ネガ型の化学増幅型レジストとしての例(電子線露光、アルカリ現像)における評価と同様の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
評価結果を表5に示す。
【0159】
【表8】

【0160】
表5に示す結果から、本発明に係る組成物は、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性に優れることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基における水酸基の水素原子が置換基で置換されてなる基とを有し、かつ、下記(a)〜(c)を同時に満たす高分子化合物(A)を含有する、化学増幅型レジスト組成物。
(a)分散度が1.2以下
(b)重量平均分子量が2000以上6500以下
(c)ガラス転移温度(Tg)が140℃以上
【請求項2】
前記高分子化合物(A)が、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を、前記高分子化合物(A)の全繰り返し単位に対して10モル%〜90モル%で有する、請求項1に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【化1】


(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。Arは芳香環基を表す。mは1以上の整数を表す。)
【請求項3】
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)酸の作用により前記高分子化合物(A)を架橋する化合物とを含有する、請求項1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【請求項4】
前記化合物(C)が、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
【請求項6】
10〜150nmの膜厚を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレジスト膜。
【請求項7】
請求項5又は6のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
【請求項8】
請求項5又は6に記載のレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を現像することを含む、レジストパターン形成方法。
【請求項9】
請求項7に記載のレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法。
【請求項10】
前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる、請求項8又は9に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項11】
請求項7に記載のレジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスク。

【公開番号】特開2013−29554(P2013−29554A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163680(P2011−163680)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】