説明

医薬有効成分の遅延性かつ調節性放出のための微粒子経口ガレヌス製剤

本発明は、in vivoにおける吸収部位が本質的に消化管上部に限定される有効成分(AP)の、遅延性かつ調節性放出のための微粒子システムに関するものであって、該システムは経口投与が意図される微粒子システムに関する。本発明の目的は、「時間依存的」かつ「pH依存的」な放出という二重の機構によって有効成分が確実に放出されることを保証するシステムを提供することである。前記目的の達成のため、本発明は、治療上の効果を保証するよう設計され、有効成分の放出が「時間誘因」かつ「pH誘因」という二重の放出誘因機構により決定される、多微小カプセル経口ガレヌス製剤を提案することである。当該システムは、親水性重合体A(Eudragit(登録商標) L)と疎水性化合物B(植物油、融点が40-90℃)をB/A比が0.2から1.5の間の値にて含むフィルム(重量に対して最大40%)によってコーティングされた、有効成分のコアを含む、微小カプセル(200から600μm)を含む。当該微小カプセルは、in vitroにおいて、1.4の一定pHにて1から5時間の間の潜伏期間を示した後に有効成分を放出するという溶解の挙動を示し、ならびにin vitroにてpH1.4からpH6.8の変化によって潜伏期間なく有効成分を放出するという溶解の挙動を示す。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本出願は、2001年10月9日に提出された第FR01/12999号の利益を主張して、2002年10月9日に提出された国際出願第PCT/FR02/03443号の国内段階に係る、出願番号10/492,129号の一部継続出願であり、これらの基礎出願の各々の内容を本明細書の一部として援用する。
【0002】
本発明は、経口投与を意図した、1以上の有効成分(active principles, AP)の遅延性かつ調節性放出を行う微粒子システムの分野に関する。
【0003】
本発明にて想定される有効成分は、大腸より上部(回盲結合部より上部)に位置する消化管上部に本質的に限定されて吸収されるような有効成分であり、大部分の医薬有効成分に相当する。
【0004】
より正確には、本発明は、遅延性かつ調節性放出のための微粒子経口ガレヌス製剤に関するものであり、その調節性放出とは、胃に入って一定の滞留時間が過ぎたのちに引き起こされる「時間依存的」放出と、潜伏期間がなく開始し、粒子が小腸に入りpHの変化が起こることにより引き起こされる「pH依存的」放出という、2つの機構により確実に制御された放出である。本発明の微粒子とは、ペリンドプリル(perindopril)を除く少なくとも一つの有効成分(AP)を含み、100から200μmの間の粒子サイズであり、有効成分の遅延性かつ調節性放出を可能とするようなフィルムで個々にコーティングされた微小カプセルである。
【0005】
有効成分の遅延性かつ調節性放出のシステムは、概日周期にあわせて一日の決まった時間に有効成分が「生物学的に吸収(bioabsorbed)」されるような、時間生物学の理由で必要とされる場合に特に有効である。本研究は、癌もしくは高血圧の治療、抗炎症剤の投与、または糖尿病治療における血糖症の調節に適している。例えば、患者に早く起きることを強制することなく、患者が起きた時の治療上の処置を保証するために、早朝に有効成分を生物学的に吸収する必要がある場合などに、これは有効である。このためには、例えば夕食後に患者に経口摂取させたガレヌスシステムにて、有効成分の遅延性放出が可能でなければならない。
【0006】
しかしながら、薬剤師が課される第一の規制は、処方した薬剤が患者に吸収されることを保証することである。それゆえ遅延性放出剤の場合、治療効果を得るために所定の瞬間に有効成分の放出が完全に保証されることが重大なことである。現在、遅延性放出剤は、定められた時間の後に有効成分が放出されることを確実に保証することができないと言わざるをえない。この問題は、例えば循環器病または糖尿病の治療のように、この放出が実際に行われることが患者にとって不可欠である場合において、特に深刻なものとなっている。
【0007】
実際、遅延性放出剤は従来、例えばメタクリル酸/メタクリル酸メチルの共重合体EUDRAGIT(登録商標) Lといった腸溶性の重合体の層で有効成分をコーティングして作られている。この種の腸溶性コートは、胃の酸性pH条件下では浸透性が減少し、pHが小腸で支配的なpH値付近まで高くなったときに溶解し、それにより有効成分が放出されることが知られている。しかしながら、胃のpH条件や胃排出時間の個人内、個人間の違いにより、有効成分が所定時間後に放出されることを確実に保証することができない。
【0008】
消化管の所定の滞留時間の後に引き起こされる有効成分の放出といった、純粋な「時間依存的」遅延性放出システムは、いずれも満足いくものではない。実際、胃の滞留時間の個人間や個人内での違いのために、有効成分は消化管上部に位置する大部分の有効成分の吸収部位を通過した後に放出される。このため、生物学的吸収は非常に低いかほとんど起こっていない。
【0009】
このような関係において、pHの変化がなく胃における調節された時間後に引き起こされる「時間依存的」放出と、ガレヌス製剤が腸に入った時のpHの増加により引き起こされる「pH依存的」放出という二重の有効成分の放出誘因機構により、有効成分の放出を確実に保証することが可能な、有効成分の遅延性かつ調節性放出を行うガレヌス製剤が特に有利である。これら二つの有効成分放出誘因機構が、連続的に、ガレヌスシステムに対して使用の際の高い信頼性をもたらす。これにより、ガレヌス製剤が胃から腸へ移動しない場合のように、たとえpHの違いが誘因因子として介在しない場合でも、有効成分の放出が事前に決められた潜伏期間を過ぎたあとに起こることが保証される。
【0010】
有効成分の吸収における個人間の違いを最小化するため、個人の消化管の生理的条件を考慮して、胃への有効成分の放出に先立つ潜伏期間を調整する必要がある。Davisらによる有名な結果(Davis et al., J. of Controlled Release, 2, 27-38 (1985))によると、製剤の胃における滞留時間は非常に差異があり、0.5時間から10時間の間である。それゆえ、この0.5時間から10時間という期間内の所定の潜伏期間後に胃へ有効成分が放出され、個人間で、または同一人の異なる日においてでも薬剤の作用時間が一定となるようなガレヌス製剤を用いることは、特に有利である。
【0011】
そのうえ、主に吸収が消化管上部に限られた有効成分の生物学的利用能を最適化するためには、腸への「pH依存的」放出が潜伏期間なく行われれば有利である。というのは、そうでなければ有効成分はその吸収部位で放出されず、その結果、患者は治療を受けないことになるからである。
【0012】
そのようなシステムのその他の独特の利点は、即時に有効成分を放出するガレヌス製剤と混合したり、また遅延性かつ調節性の有効成分の放出をする別のガレヌス製剤と混合することにより、いくつかの有効成分放出(一つの有効成分または複数の同一もしくはことなる有効成分)の波を示す放出プロファイルが可能となったり、ことなる部位に対する適切な調節により血漿中の有効成分濃度を一定に保つことを保証できる放出プロファイルが可能となることである。
【0013】
また、直径2000μm以下の多数の微小カプセルで構成されるということも、遅延性かつ調節性放出における利点である。実際、そのような製剤では、有効成分の投与量が莫大な数の微小カプセル(典型的に500mgの投与に対し10,000)に亘って投与され、そのため以下の本質的な利点がある。
【0014】
・消化管上部における微小カプセルの滞留時間を延長させることができ、それにより有効成分の吸収部位の通過時間が増加し、これにより有効成分の生物学的利用能を最大化できる。
【0015】
・異なる遅延性かつ調節性放出プロファイルの微小カプセルとの混合物の使用により、いくつかの放出の波を示す放出プロファイルや、ことなる部位に対する適切な調節により血漿中の有効成分濃度を一定に保つことを保証できる放出プロファイルをつくるが可能となる。
【0016】
・胃排出のばらつきに対する敏感性を下げることができる。というのは、排出は、この場合では莫大な数の粒子にて行われるので、統計的な再現性がよくなるためである。
【0017】
・組織を高濃度の有効成分にさらすこと(過量放出(dose dumping))を避けられる。個々の微小カプセルは実際に非常に少ない量の有効成分しか含んでいない。このことは、攻撃的な有効成分が局所的に過剰な濃度となって組織を傷めるリスクをなくす。
【0018】
・このような「多微小カプセル」システムにおいて、1以上の有効成分を含む複数のガレヌス製剤を組み合わせる(即時性、および/または遅延性、および/または長期性の放出)ことが可能である。
【0019】
・これらの微小カプセルを、個包装(sachet)、ゼラチンカプセル、錠剤の形にすることが可能である。有効成分の量が多い場合(500mg以上)、モノリシックな製剤は大きすぎて容易に飲み込むことができない。そのため、当業者が崩壊錠や個包装(sachet)の形に処方できるような、有効成分の遅延性かつ調節性放出のための微小カプセル製剤は特別な価値を持つ。
【0020】
最後に、微小カプセルをコーティングするフィルムは薄い方が好ましい。実際、厚いコーティングは以下のようないくつかの不利な結果をもたらす:
(a)ガレヌス製剤内の賦形剤(excipient)の質量比が非常に高くなり、薬剤の質量が大きすぎて容易に服用できなくなり、そのため、結局、治療の成功を危うくするという服薬遵守(compliance)の問題を生じることになり;
(b)微小カプセルの製造に非常に長い時間を要する。
【0021】
要約すると、同時に以下の特徴を持つ、有効成分の遅延性かつ調節性放出のための微小カプセルの経口ガレヌス製剤を用いることは、特に価値がある:
・有効成分の放出を二つの方法で誘因でき;
・その一つとして、「時間依存的」放出とも称される、胃の中の粒子の滞留時間が5時間を超えた時に放出される時間に依存した放出と;
・二つ目として、「pH依存的」放出とも称される、システムが腸に入りpH増大が起こったときに潜伏期間なく開始される、pHの違いに依存した放出であり、これら二つの有効成分放出誘因因子は、連続して、pHの違いが誘因因子として介入しなかったとしても、所定の潜伏期間後に有効成分が放出されるということを保証し;
・コーティングされた有効成分の多数の小さな微小カプセルからなり、そして;
・コーティングする賦形剤の質量比は制限される。
【0022】
有効成分の遅延性かつ調節性放出は多くの研究の主題を形成してきた。
【0023】
従って、PCT特許出願第WO-A-96/11675号は、1000μm以下のサイズの医薬的および/または栄養学的有効成分の経口投与のための微小カプセルについて記述している。これらの微小カプセルは、フィルムを形成する重合体誘導体(エチルセルロース)、疎水性可塑剤(ヒマシ油)、界面活性剤および/または潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム)、そして含窒素重合体(ポリビニルピロリドン、PVP)の混合物から成るコーティング材料でコートされた粒子から成る。これらの微量カプセルは、小腸に長い間(少なくとも5時間)保持されうる性能によっても特徴付けられ、この滞留時間の間に、小腸内の自然な移行時間より長い期間有効成分の吸収を持続させることができる。
【0024】
前記特許出願による微小カプセルは、有効成分の「時間依存的」、「pH依存的」な誘因を伴う有効成分の遅延性かつ調節性放出の特別な問題を解決することができない。
【0025】
特許出願第FR-A-00 14876号には、数千の抗高血糖微小カプセル(メトホルミン(metformin))を含むII型糖尿病の治療のための薬剤について記述されており、その微小カプセルはそれぞれ、少なくとも一つの抗高血糖因子を含むコアと、そのコアを包むコーティングフィルム(例えば、ステアリン酸とエチルセルロース)から成り、in vivoで抗高血糖因子を長時間放出することを可能としている。これらの微小カプセルは50から1000μmの間の粒子サイズである。
【0026】
前記特許出願第FR-A-00 14876号では、有効成分の「時間依存的」、「pH依存的」誘因ができる有効成分の遅延性かつ調節性放出の方法については示されていない。
【0027】
ヨーロッパ特許出願第EP-A-0 609 961号では、pHの増大によって有効成分の調節性放出が加速される経口モルヒネ顆粒剤について開示している。
【0028】
これらの顆粒剤は:
- 糖のコア(直径100から1700μm)で;
- 結合剤(PVPまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(;HPMC))を伴った活性成分の層でコーティングされ;
- 以下のものを基礎とした外被:
・pHに依存せずに不溶性の重合体(エチルセルロースまたはメタクリル酸エステル/メタクリル酸アンモニウムの共重合体;EUDRAGIT(登録商標) RSもしくはRL)と;
・酸性pHにおいて不溶性の腸溶性重合体(メタクリル酸/メタクリル酸メチルの共重合体; EUDRAGIT(登録商標) L)と;
・酸性pHにおいて部分的に可溶性である構成成分(ポリエチレングリコール、PVP、HPMC、ポリビニルアルコール:PVA)と;
・任意の可塑剤(フタル酸ジエチル)と;
・任意の賦形剤(タルカム)
から成っている。
【0029】
有効成分の質量比は、例えば41%、38%、29%であり、外被の質量比は、例えば14.1%、21.5%、12.3%である(重量で計算)。
【0030】
有効成分の放出はいかなるpHにおいても起こり、pHが1.2から7.5へ変化するに伴って増加する。それゆえ、これは長期の非遅延性放出の形態である。
【0031】
H. YOSHINO氏の論文「GI管へ送達される部位特異的経口薬剤のための時間調節性放出システムの構築と評価」(”Design and evaluation of time-controlled relase systems for site-specific oral drug delivery to the GI tract” (Current status on targeted drug delivery to the GI tract, Capsugel library, Symp. Ser., Short Hills 22/04, London 6/05, Tokyo 14/05, pp 185-190, (1993)))には、有機酸によって、および消化管(GIT)内での滞留時間によって誘導される、遅延性かつ調節性放出のための微粒子経口ガレヌスシステムについて記述されている。これらのシステムは、有機酸(コハク酸)が混合された活性成分の層でコーティングされた中性の糖のコアと、メタクリル酸エステル/メタクリル酸アンモニウムの共重合体(EUDRAGIT(登録商標) RS)の外層とから成る1000μmの微小カプセルで構成されている。有機酸が潜伏段階の後の有効成分の急速な放出を可能としていると記述されている。この有機酸は、水によって運ばれ、腸溶性の外層を透過して微小カプセル内に入る。そして、コーティングの透過性を改変するよう機能し、微小カプセルから有効成分を急速に拡散させる。有効成分と密接に関係するこの酸の存在は後に有害となりうる。
【0032】
特許第US-B-6,033,687号では、ジルチアゼムに基づく2種類の顆粒剤(直径1.4mm)、すなわち潜伏期間の短い顆粒剤と長い顆粒剤の混合物から成る製剤について記述されている。放出プロファイルはpH1において評価されている。これらの顆粒剤は:
・中性の糖のコア(直径0.5-1.5mm)と;
・結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、EUDRAAGIT)と結合されたジルチアゼムの層と;
・潤滑剤(タルカム)、2つのメタクリル酸エステル/メタクリル酸アンモニウムの共重合体(EUDRAGIT(登録商標) RSとEUDRAGIT(登録商標) RL)、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)および可塑剤(クエン酸トリエチル)に基づいた単一の外膜を含む。
【0033】
潜伏期間の短い顆粒剤では、コーティングの質量比は12.3%であり、これに対して潜伏期間の長い顆粒剤では30.3%である。しかしながら、この技術では、フィルムコーティングの比率が30%未満の場合は長い潜伏期間を実現することはできない。そのうえ、胃内の滞留時間の個人内と個人間での違いという観点から考えると、この「時間依存的」遅延性放出システムは、吸収部位を過ぎてから有効成分を放出することになってしまう。これにより、実質的に生物学的利用能の消失という結果となってしまう。
【0034】
特許第EP-B-0 263 083号は、0オーダーの再現性のある有効成分放出プロファイルを持つ微小カプセルコーティング組成物に関するものである。このコーティング組成物は:
・コーティングの機械的強度を保証する硬化重合体であり、可能な例はエチルセルロースもしくはメタクリル酸の共重合体(EUDRAGIT(登録商標) E,L,SまたはRS)であるものと;
・ステアリン酸もしくはパラフィンといった、親油性化合物と;
・タルカム次第;
の混合物から構成される。
【0035】
このコーティング組成物は微小カプセル中において、例えば15から35重量%となっている。硬化重合体/親油性化合物の割合は、例えば実施例4と実施例5ではそれぞれ44%と42%である。
【0036】
測定したプロファイルは、可変持続時間の潜伏期間を含まないものである。前記特許からは、潜伏期間が終わることで引き起こされる、および/または、pHの変化で引き起こされる遅延性かつ調節性放出に関するプロファイルの測定方法に関して知ることもできないし、また述べられてもいない。
【0037】
特許出願第WO-A-01/58424 A1号では、例えばEUDRAGIT(登録商標)L、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、およびセバシン酸ジブチルといった可塑剤に基づいた腸溶性コーティングされた「浮遊性」微小カプセルについて開示されている。このコーティングはキトサンに基づく「生物接着性」フィルムに包まれうる。すべての腸溶性コーティングと同じように、特許文献第WO-A-01/58424号による腸溶性コーティングの狙いは、「pH依存的」放出であり、「時間依存的」放出と「pH依存的」放出の組み合わせではない。それゆえ、前記特許出願の図1から図3では、二時間で20%以下の有効成分が一定の酸性pH条件でのみ放出されたことから「pH依存的」放出という単純な目標が非常に不完全な形で達成されていることが示されている。前記特許出願に記される粒子は胃の中で浮遊するため、その胃の滞留時間は増大すると記載されており、いかなる「pH誘因性」放出も起こらない心配さえでてくる。結局、放出は、有効成分が胃へいたずらに漏出するため制御できない状態で行われてしまう。
【0038】
ヨーロッパ特許出願第EP-A-1 101 490号は、大腸、特に結腸に有効成分を放出することができる医薬製剤に関する。この製剤は、コアとコーティングを含む錠剤または顆粒剤から構成できる。
【0039】
前記発明の根底にある技術的問題は、小腸上部、上行結腸、横行結腸、または大腸下部の標的部位に医学的物質を放出することができる医薬製剤を提供することである。胃の滞留時間が5時間であり、小腸下部に到達するのにさらに2時間を要すことを考慮して、第EP-A-1 101 490号による薬剤は、胃の中を模した酸性条件下にて医学的物質を5時間放出せず、腸のpH条件を模した液体中にて少なくとも2時間の潜伏期間の後に放出される(第EP-A-1 101 490号の特に請求項7参照)よう作られている。
【0040】
それゆえ、小腸下部(結腸)にて医学的物質が吸収されるよう意図されたこのシステムは、主に消化管上部で吸収される医学的物質に対しては適していないことが明白である。そのうえ、ヨーロッパ特許出願第EP-A-1 101 490号によるシステムは、以下の二重の放出誘因機構による有効成分放出を行うことができない:
- 0.5から10時間の間の一定な所定の潜伏期間の後の胃への放出(「時間依存的」機構)と;
- 腸に入った後の潜伏期間のない放出(「pH依存的」機構)。
【0041】
結局、個人内もしくは個人間における胃での滞留時間の違いの問題は、第EP-A-1 101 490号による製剤によって解決されない。
【0042】
このように、先行する技術は、以下の二重の放出機構により、遅延性を可能とし消化管上部にて優先的に吸収される有効成分の放出を確実に保証するような、ガレヌスシステムを含んでいない:
- 0.5から10時間の間の一定な所定の潜伏期間という特徴をもつ、胃の潜伏期間の後に放出される「時間依存的」放出と;
- 潜伏期間がない「pH依存的」放出である。
【0043】
技術水準の観点から、本発明の重要な目的の一つは、消化管上部にて本質的に吸収される有効成分の経口投与のための新たな多微粒子ガレヌスシステムをもたらすことである。遅延性および調節性放出であるこのシステムは、「時間依存的」および「pH依存的」な二重の機構により、有効成分の放出を確実に保証し、前記システムの治療上の有効性が保証される。これらの二つの有効成分放出誘因因子は、連続的に、たとえpHの変化が誘因因子として介在しない場合にでも、予め定められた潜伏期間を過ぎた後の有効成分の放出を保証する。
【0044】
本発明の重要な目的の一つは、多数の微小カプセルから成るガレヌス製剤であって、個人内および個人間における胃排出時間の差異という問題を、pH1.4にて0.5から10時間の間の調節可能な所定の潜伏期間の遅延性放出プロファイルによって有効成分を放出し、続いて潜伏期間のない放出段階を開始することによって、回避することができるガレヌス製剤を提案することである。
【0045】
本発明の重要な目的の一つは、多数の微小カプセルから成るガレヌス製剤であって、一方では、pH1.4にて0.5から10時間の間の一定な所定の潜伏期間の遅延性放出プロファイルに従って、また0.25から35時間の間の放出半減期t1/2に従って有効成分を放出可能にし、他方では、pHが1.4から6.8に変化したときに潜伏期間のない0.25から35時間の間のt1/2にて有効成分を放出可能にするようなガレヌス製剤を提案することである。
【0046】
本発明の重要な目的の一つは、pHが1.4から6.8に変化するときに制御される。
【0047】
本発明の重要な目的の一つは、例えば約数千の莫大な数の微小カプセルから成るガレヌス製剤であり、このように数が多いことにより消化管内の有効成分の移行動態に統計的によい再現性が保証され、生物学的利用能をより制御でき、従ってより良好な有効性を得る結果となるような、ガレヌス製剤を提案することである。
【0048】
本発明の重要な目的の一つは、多数のコーティング微小カプセルから成るガレヌス製剤であって、コーティング剤の質量比がモノリシックな製剤に匹敵するように、莫大な量のコーティング剤の使用を回避できるガレヌス製剤を提案することである。
【0049】
本発明の重要な目的の一つは、多数のコーティング微小カプセルから成る医薬品であって、容易に飲み込める形体、つまり個包装(sachet)や崩壊錠の形体で有効成分を提供できるような医薬品を提案することである。
【0050】
本発明の重要な目的の一つは、いくつかの異なる有効成分を混合することができる、多数のコーティングされた微小カプセルから成る医薬品を提案することである。
【0051】
本発明のまた別の目的は、それぞれが中性のコアを含む多数のコーティングされた微小カプセルから成る医薬品である。
【0052】
上記目的を設定した上で、主に消化管上部で吸収される有効成分の確実な放出と医薬有効成分のよい生物学的吸収を保証するために、中でも、以下のような多微小カプセルガレヌスシステムを開発したことは、発明者らの功績である:
・主に消化管上部に限定される吸収部位における有効成分の吸収を保証し;
・それにより、このシステムまたはこのガレヌス製剤の確実な治療上の有効性を保証し;
・有効成分放出の二重誘因という重要な特徴を有す。
【0053】
これは、一部のシステムにおける消化管内の滞留時間や別のシステムにおけるpHの違いといった単一の因子によって誘因される有効成分放出を行うような、今までに知られる有効成分の調節性放出システムに比べて、大きな進歩を意味する。
【0054】
このように、上記で設定した目的を満たす本発明は、中でも、ペリンドプリルを除く少なくとも1つの有効成分の遅延性かつ調節性放出のための微小カプセルの経口ガレヌス製剤であって、この有効成分は消化管上部に基本的に限定されるin vivoにおける吸収部位を持ち、
当該製剤は、in vivoにおける吸収を保証することにより治療上の有効性を保証するよう設計される製剤において、
・前記有効成分の放出は二つの異なる誘因機構により決定され、一つはpHの違いをもとにするもの、そしてもう一つは胃の中の前もって決められた滞留時間の後に有効成分が放出されるものであり、
・in vitroにおけるその溶解の挙動(European Pharmacopeia第3版「固体経口剤の溶解試験(Dissolution test for solid oral forms)」に記述されている、37℃に保ち100rpmで攪拌するSINK条件にて行うII型溶解にて測定)は、
- 1.4の一定pHにて、その溶解プロファイルは持続時間5時間以下の潜伏段階を含み、
- この潜伏段階において、pH1.4からpH6.8への変化により潜伏期間なしに放出段階に入り、
当該製剤において、前記溶解プロファイルは持続時間が1から5時間の潜伏段階を含み、
当該製剤は、ペリンドプリルを除く少なくとも一つの有効成分を含む「貯蔵性」微小カプセルを具備し、その微小カプセルは、
・少なくとも一つのフィルムにそれぞれ覆われた有効成分の粒子から成り、そのコーティングフィルムは複合材料からなり、
- 該複合材料は
・中性pHでイオン化される基を持つ、少なくとも一つの親水性重合体Aと
・少なくとも一つの疎水性化合物Bを含んでおり、
- 質量比(微小カプセルの全体の質量を基準とした重量%)が40以下であるような材料であり、
・前記微小カプセルは直径2000μm以下であり、
これらの微小カプセルのコーティングフィルムはAとBの複合体から成り、
B/Aの重量比は0.45から1の間であり、
疎水性化合物Bは、固体状態において結晶性で融点TfBが40℃以上、好ましくは50℃以上であるような産物から選ばれることを特徴とする経口ガレヌス製剤に関する。
【0055】
有利には、微小カプセルが200から800μmの間の直径であり、B/A比が0.5から1.0であり、疎水性化合物Bが、固体状態において結晶性で融点TFBが40℃≦TfB≦90℃である産物から選択されている。
【0056】
本発明の一つの好ましい特徴によると、親水性重合体Aは:
- アクリル(メタクリル)酸/アクリル(メタクリル)酸アルキル(例:メチル)の共重合体(EUDRAGIT(登録商標) SまたはL)、およびその混合物;
- セルロース誘導体、好ましくは、セルロースのアセテートおよび/またはフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースのアセテートおよび/またはスクシネート;および
- それらの混合物;
から選択したものであり、
より好ましくは、化合物Bが:
- 単独の植物ろう、または複数の植物ろうの混合物;
- 単独の硬化植物油、または複数の硬化植物油の混合物;
-少なくとも一つの脂肪酸とグリセロールによる、少なくとも一つのモノエステル、そして少なくとも一つのジエステル、および/または少なくとも一つのトリエステルの混合物;および
- それらの混合物;
の産物の群から選択されるものである。
【0057】
本発明のもっとも好ましい実施態様によると、微小カプセルのコーティングフィルムの化合物Bは以下のものから成る群から選ばれる:
以下の商品名(商標)の製品: ダイナサン(Dynasan)(硬化パーム油)、キューティナ(Cutina)(硬化ヒマシ油)、ハイドロベース(Hydrobase)(硬化ダイズ油)、ダブ(Dub)(硬化ダイズ油)、キャスターワックス(Castorwax)(硬化ヒマシ油)、クロデュレット(Croduret)(硬化ヒマシ油)、カルボワックス(Carbowax)、コンプリトール(Compritol)(ベヘン酸グリセリル)、ステロテックス(Sterotex)(硬化綿実油)、ラブリタブ(Lubritab)(硬化綿実油)、アピフィル(Apifil)(ワックス・イエロー(Wax Yellow))、アコフィン(Akofine)(硬化綿実油)、ソフトティサン(Softtisan)(硬化パーム油)、ハイドロコート(Hydrocote)(硬化ダイズ油)、リボポル(Livopol)(硬化ダイズ油)、スーパーハルトラン(Super Hartolan)(ラノリン)、MGLA(無水乳脂)、コロナ(Corona)(ラノリン)、プロタラン(Protalan)(ラノリン)、アコソフト(Akosoft)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、アコソル(Akosol)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、クレマオ(Cremao)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、マスポール(Massupol)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、ノバタ(Novata)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、サポシーレ(Suppocire)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、ウェコビー(Wecobee)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、ワイテプソル(Witepsol)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、コロネット(Coronet)、ラノール(Lanol)、ラノリン(Lanolin)、インクロメガ(Incromega)(オメガ-3脂肪酸)、エスタラン(Estaram)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、エストール(Estol)、サポワイス(Suppoweiss)(座薬主成分(suppository bases)、ハードファット(Hard fat))、ゲルシーレ(Gelucire)(マクロゴールグリセリド・ラウリック(Macrogolglycerides Lauriques))、プレシロール(Precirol)(グリセリル・パルミトステアレート(Glyceryl Palmitostearate)、エマルシーレ(Emulcire)(セチルアルコール)、プルロール・ジイソステアリーク(Plurol diisostearique)(ポリグリセリル・ジイソステアレート(Polyglyceryl Diisostearate))、ゲレオール(Geleol)(ステアリン酸グリセリル)、ハイドリン(Hydrine)およびモンタイル(Monthyle);
ならびに、次のコードの添加物(additives):E 901、E 907、E 903およびそれらの混合物;および
以上の混合物。
【0058】
実際問題として、当該化合物は以下の商品名(商標)の製品から成る群から選択されうる:ダイナサンP60(Dynasan P60)、ダイナサン116(Dynasan 116)、ダイナサン118(Dynasan 118)、キューティナHR(Cutina HR)、ハイドロベース66-68(Hydrobase 66-68)、ダブ(Dub)、コンプリトール888(Compritol 888)、ステロテックスNF(Sterotex NF)、ラブリタブ(Lubritab)およびそれらの混合物。
【0059】
本発明の興味深い実施態様によると、微小カプセルのコーティングフィルムは、タルクを含まない。
【0060】
好ましい重合体Aは、アクリル(メタクリル)酸/アクリル(メタクリル)酸アルキル(例:メチル)の共重合体である。これらの共重合体は、例えば登録商標EUDRAGIT(登録商標) LおよびSシリーズ(例えばEUDRAGIT(登録商標) L100、S100、L30D-55、そしてL100-55)という名でROHM PHARMA POLYMERSから市販されており、胃内部でさらされるpHより高いpHの水性培地に可溶性の、陰イオン性で腸溶性の(共)重合体である。
【0061】
本発明のその他の好ましい特徴によると、化合物Bは以下の産物の群から選択される:
- 特にダイナサン(DYNASAN)(商標登録) P60およびダイナサンDYNASAN(商標登録) 116の名で市販されるような、単独の植物ろう、または複数の植物ろうの混合物;
- 好ましくは、硬化綿実油、硬化ダイズ油、硬化パーム油、およびそれらの混合物から成る群から選択される、単独の硬化植物油、または複数の硬化植物油の混合物;
- 少なくとも一つの脂肪酸、好ましくはベヘン酸とグリセロールによる、モノエステル、および/またはジエステル、および/またはトリエステルの単独、または複数のこれらエステルの混合物;および
- 以上の混合物。
【0062】
あらかじめ決められた胃での滞留時間後に起こる、pHの違いによらない有効成分放出誘因機構は、特に、微小カプセルの水和率の調整、および/または微小カプセルの1以上の組成物の溶解率に起因する。例えば、限定を意味するものではないが、微小カプセルの水和は以下により調整される:
・微小カプセル内における、浸透圧の調節を可能とし、または微小カプセルの膨潤を引き起こすことができるような親水性産物の存在;
・コーティングフィルムの、水の浸透性の調節;
・コーティングフィルムにおける微小空隙の作成;
・または、さらにコーティングフィルムにおける化合物の水和もしくは溶解。
【0063】
本発明による、有効成分の遅延性かつ調節性放出のための多微小カプセルガレヌスシステムの重大な利点の一つは、in vivoにおいて、消化管への有効成分の放出を誘因する二つの因子が関与するということであり、その二つの因子とはつまり、
- 胃の滞留時間による、「時間依存的」放出と、
- pHの違いによる、「pH依存的」放出である。
【0064】
これら2つの有効成分放出誘因因子は連続的であり、そのためガレヌスシステムの使用において高い信頼性がもたらされる。従って、たとえpHの違いが誘因因子として介在しなくても、有効成分の放出が決まった潜伏期間の後に起こることが保証される。個人間の差の問題はこのように克服できる。そのようなガレヌスシステムを含む薬剤の治療上の有効性は、意図した治療上の作用に合わせて、前もって決めた時間生物学的観察により、保証される。
【0065】
加えて、吸収部位が消化管上部に限定される本発明を考慮した有効成分の場合、もし遅延性でそして調節性の放出のための製剤が大多数の微小カプセルからなるならば、それは特に有利なことである。実際、そのような製剤にとって投与する有効成分の量は、莫大な数の微小カプセルにおよび(典型的に500mgの投与量に対し10,000)、従って以下の本質的な利点を持つ。:
・消化管上部における微小カプセルの滞留時間を延長することができ、それゆえ有効成分が吸収部位を通過する持続時間を増大でき、これにより有効成分の生物学的利用能を最大化することができる。
【0066】
・異なる遅延性かつ調節性放出プロファイルをもつ微小カプセル同士の混合物を用いることにより、いくつかの放出の波をもつ放出プロファイルや、または異なる画分に適切に調整することにより一定な血漿中の有効成分濃度のレベルを保証する放出プロファイルをつくることが可能となる。
【0067】
・胃排出のばらつきを下げることができる。というのは、排出は、この場合では莫大な数の粒子にて行われるので、統計的な再現性がよくなるためである。
【0068】
・組織を高濃度の有効成分にさらすこと(過量放出(dose dumping))が避けられる。個々の微小カプセルは実際に非常に少ない量の有効成分しか含んでいない。このことは、攻撃的な有効成分が局所的に過剰な濃度となって組織を傷めるリスクをなくす。
【0069】
・これらの微小カプセルを、個包装(sachet)、ゼラチンカプセル、または錠剤の形で提供することができる。有効成分の量が多い場合(500mg以上)、モノリシックな形状は大きすぎて容易に飲み込むことができない。そのため、遅延性かつ調節性有効成分の放出のための微小カプセルの形態は、当業者が崩壊錠や個包装(sachet)の形に処方でき、特別な価値を持つ。
【0070】
本発明による多微小カプセルのガレヌスシステムにより、二つの誘因因子により消化管への遅延性かつ調節性有効成分の放出を確実に保証することができ、それにより個人間かつ個人内での胃排出の条件の違いを回避することができる。同時に経済的に実行可能で経口摂取も行いやすい(服薬遵守(compliance)に最適化されている)。
【0071】
好ましい実施態様の特に有利な特徴の一つによると、1.4の一定のpHにおいて、潜伏段階に続く調節性放出段階で、50%重量の有効成分が放出される時間(t1/2)が以下のように定義される。(単位は時間):
0.25≦t1/2≦35
好ましくは 0.5≦t1/2≦20
実際問題として、1.4の一定pHにおけるin vitroでの有効成分放出プロファイルの放出段階は、放出半減期が調節可能である。
【0072】
好ましい実施態様の別の価値ある特徴によると、潜伏期間なく起こる、pH1.4からpH6.8への変化に続く放出段階では、50%重量の有効成分が放出される時間(t1/2)が以下のように定義される。(単位は時間):
0.25≦t1/2≦20
好ましくは 0.5≦t1/2≦15
好ましくは、本発明による微小カプセルは、単一の複合体コーティングフィルムABを含む。これは、調剤を単純化し、コーティング率を抑える。
【0073】
好ましくは、有効成分は直径200から800μm、好ましくは200から600μmの中性コアに収められる。
【0074】
限定を意味するものではないが、親水性の中性コアはスクロース、および/またはデキストロース、および/またはラクトースを含むことができ、またはセルロースの微粒子から成ることができる。
【0075】
有利には、微小カプセルのコーティングは、本質的な組成物AとBに加えて、当業者にとって既知のその他の通常の成分を含むことができ、そのような成分とは:
・着色剤;
・例えばセバシン酸ジブチルといった可塑剤;
・例えばセルロースやその誘導体、またはポリビニルピロリドンやその誘導体といった親水性化合物;
・そして以上の混合物である。
【0076】
有利には、有効成分は当業者に既知の技術により収めることができ、その技術とは例えば、直径200から800μm、好ましくは200から600μmの中性コアに流動空気床において噴霧コーティングすることが挙げられる。
【0077】
量的な観点からすると、一層のコーティング剤は微小カプセルの重量に対して最大40%であり、好ましくは最大30%である。そのように限定されたコーティング率により、飲み込みを妨げるサイズを超えることなく、高い量の有効成分を個々に含むガレヌスユニットの生産を可能とする。これは、治療の際の服薬遵守、従ってその成功を改善することができる。
【0078】
量的な見地から、本発明の微小カプセルの有効成分は、本質的に消化管上部から吸収可能であり、以下の活性物質のファミリーのひとつから有利に選択される。:抗潰瘍剤、抗糖尿病薬、抗凝血剤、抗スロンビン剤、抗高脂血症薬、抗不整脈薬、血管拡張剤、抗狭心症薬、血圧降下薬、血管保護剤(vasoprotector)、稔性誘導剤(fertility promoter)、分娩導入剤と分娩抑制剤、避妊薬、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗癌剤、抗炎症剤、鎮痛薬、抗てんかん剤、抗パーキンソン病薬、神経遮断薬、睡眠薬、抗不安薬、覚醒剤、抗偏頭痛剤、抗うつ剤、鎮咳薬、抗ヒスタミン剤、そして抗アレルギー薬。
【0079】
また、特許出願第EP-A-0 609 961号の4から8ページに記された有効成分の表から参照することができる。
【0080】
好ましくは、有効成分は以下の化合物から選択される:メトホルミン、アセチルサリチル酸、アモキシシリン、ペントキシフィリン、プラゾシン、アシクロビル、ニフェジピン、ジルチアゼム、ナプロキセン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、フェンチアザク、吉草酸エストラジオール、メトプロロール、スルピリド、カプトプリル、シメチジン、ジドブジン、ニカルジピン、テルフェナジン、アテノロール、サルブタモール、カルバマゼピン、ラニチジン、エナラプリル、シンバスタチン、フルオキセチン、アルプラゾラム、ファモチジン、ガンシクロビル、ファムシクロビル、スピロノラクトン、ペンタサ、キニジン、モルヒネ、ペンタゾシン、パラセタモール、オメプラゾール、メトクロプラミド、およびそれらの混合物。
【0081】
本発明による微小粒子の経口ガレヌス製剤は、錠剤(有利には、口内で分散する錠剤)、散剤、またはゼラチンカプセルから成る群から選ばれる形状を取りうる。
【0082】
上に記述した微小カプセルは、新たな医薬的、または栄養学的な様々な有効成分の製剤の生産に用いることができ、その製剤は治療的、または栄養学的に最適化された機能特性を有し、好ましくは錠剤、有利には崩壊性錠剤として、そしてより好ましくは口内で分散する錠剤、散剤、またはゼラチンカプセルといった形態で提示される。
【0083】
これらの微小カプセルは、臓器にとって、特に胃にとって完全な耐容性があり、そのうえ容易かつ経済的に得ることができるため、ますます価値がある。
【0084】
本発明はさらに、構造上独創的なこれらの新規な医薬的または栄養学的の製剤自体に関するものであり、かつそれらの提示とそれらの組成物に関するものである。そのような医薬的または栄養学的の製剤は、経口で、好ましくは一日に一度の投与量で投与される。
【0085】
一つの同じゼラチンカプセル、錠剤、または散剤の中に、放出動態は異なるが本発明の特性枠の範囲内にある少なくとも二種類の微小カプセルを混合することが有用であり得ることが指摘される。
【0086】
生物が即座に利用できる一定量の有効成分に、本発明による微小カプセルを混合することもまた可能である。
【0087】
異なる有効成分を含む微小カプセルを一緒にすることも想定される。
【0088】
加えて、本発明のさらなる目的は、好ましくは錠剤、好都合なのは崩壊性錠剤、そしてより好ましくは口内で分散する錠剤、散剤、またはゼラチンカプセルの形状によるガレヌス(医薬または栄養学の)システムであり、上述したような微小カプセルを含むことが特徴である。
【0089】
更に本発明は、好ましくは錠剤、好都合には口内で分散する錠剤、散剤、またはゼラチンカプセルとしての、微粒子経口ガレヌス(医薬、または栄養学)剤を調製するための、上記で定義した微粒子の使用に関する。
【0090】
最後に、本発明はさらに、所定の投与量に従って、上記で定義した微粒子を含む薬剤を経口摂取することを特徴とする治療方法に関する。
【0091】
本発明は、もっぱら例証として提示する以下の実施例によりさらに明確に説明するが、これら実施例は、本発明のより良い理解を与え、またその変形例および/または実施の様式と、その異なる利点を示すものである。
【実施例】
【0092】
[実施例1]
メトホルミンHClの二重機構の遅延性かつ延長性放出が可能な微小カプセルの調剤
75gのメトホルミンHCl(Chemosource)と、75gのPVPを1350gのイソプロパノールに溶解する。溶液を、Glatt(登録商標) GPCG3噴霧塗布機にて、850gの中性微粒子(NP Pharm)に噴霧する。
【0093】
93.3gの硬化パーム油(Huls)(B)と140gのEudragit(登録商標) L100(Rohm)(A)を、加熱したイソプロパノールに溶解する。B/A比は0.66とする。溶液を、前記調整した微粒子700gに噴霧する。フィルムコーティング条件は、注入(inlet)温度が45℃、噴霧率が8-12g/ml、噴霧圧力が1.5barである。
【0094】
微小カプセルを、PharmacopeiaによるII型溶解試験にて試験した。つまり以下の培地において37℃で100rpmにて攪拌した。
【0095】
a)pH1.4のHCl
b)pH1.4のHClで3時間、そしてpH6.8のKH2PO4/NaOH緩衝培地
放出プロファイルを図1に示した。
【0096】
これらのプロファイルは、二重の機構による遅延性でそして延長性の放出という特徴がある。つまり、2時間放出がなく、続いてpHの変化によらず延長した放出があり、最後にpHの変化により放出が加速される。
【0097】
[実施例2]
アシクロビルの二重機構の遅延性かつ延長性放出が可能な微小カプセルの調剤
75gのアシクロビルと、75gのポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)PLASDONE(登録商標) K29/32を833gのイソプロパノールに溶解する。溶液を、Glatt(登録商標) GPCG3噴霧塗布機にて、850gの中性微粒子(NP Pharm)に噴霧する。
【0098】
93.3gの硬化パーム油(Huls)(B)と140gのEUDRAGIT(登録商標) L100(Rohm)(A)を、加熱したイソプロパノールに溶解する。B/A比は0.66とする。溶液を、前記調整した微粒子700gに噴霧する。フィルムコーティング条件は、注入(inlet)温度が45℃、噴霧率が8-12g/ml、噴霧圧力が1.5barである。
【0099】
微小カプセルを、PharmacopeiaによるII型溶解試験にて試験した。つまり以下の培地において37℃で100rpmにて攪拌した。
【0100】
a)pH1.4のHCl
b)pH1.4のHClで3時間、そしてpH6.8のKH2PO4/NaOH緩衝培地
放出プロファイルを図2に示した。
【0101】
pH1.4にて得られたアシクロビルの放出プロファイルは、二重の放出誘因機構による遅延性で延長性の放出という特徴がみられた。
【0102】
[実施例3]
メトホルミンHClの二重機構の遅延性かつ延長性放出が可能な微小カプセルの調剤
105gの硬化パーム油(Huls)(B)、30gのセバシン酸ジブチルと165gのEUDRAGIT(登録商標) L100(Rohm)(A)を、加熱したイソプロパノールに溶解する。B/A比は0.64とする。溶液を、メトホルミン顆粒剤(95.5%メトホルミン/4.5% PVP)700gに噴霧する。フィルムコーティング条件は、注入(inlet)温度が45℃、噴霧率が8-12g/ml、噴霧圧力が1.5barである。
【0103】
微小カプセルを、PharmacopeiaによるII型溶解試験にて試験した。つまり以下の培地において37℃で100rpmにて攪拌した。
【0104】
a)pH1.4のHCl
b)pH6.8のKH2PO4/NaOH緩衝培地
放出プロファイルを図3に示した。
【0105】
これらのプロファイルは、二重の機構による遅延性でそして延長性の放出という特徴がある。つまり、酸性pHにて2時間放出がなく、中性pHにて急速な放出がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】実施例1の微小カプセルのin vitroでの放出プロファイル。黒丸のドットがpH1.4における放出、白四角のドットがpH1.4にて3時間、3時間目以降はpH6.8に移した場合の放出。溶解したメトホルミンの重量%(%D)を、時間Tの関数としてあらわす。
【図2】実施例2の微小カプセルのin vitroでの放出プロファイル。黒丸のドットがpH1.4における放出、白四角のドットがpH1.4にて2時間、2時間目以降pH6.8に移した場合の放出。アシクロビルの重量%(%D)を、時間Tの関数としてあらわす。
【図3】実施例3の微小カプセルのin vitroでの放出プロファイル。黒四角のドットがpH1.4における放出、白四角のドットがpH6.8における放出。メトホルミンの重量%(%D)を、時間Tの関数としてあらわす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリンドプリルを除く少なくとも1つの有効成分の遅延性かつ調節性放出のための微小カプセルの経口ガレヌス製剤であって、この有効成分は消化管上部に基本的に限定されるin vivoにおける吸収部位を持ち、
当該製剤は、in vivoにおける吸収を保証することにより治療上の有効性を保証するよう設計される製剤において、
・前記有効成分の放出は二つの異なる誘因機構により決定され、一つはpHの違いをもとにするもの、そしてもう一つは胃の中の前もって決められた滞留時間の後に有効成分が放出されるものであり、
・in vitroにおけるその溶解の挙動(European Pharmacopeia第3版「固体経口剤の溶解試験(Dissolution test for solid oral forms)」に記述されている、37℃に保ち100rpmで攪拌するSINK条件にて行うII型溶解にて測定)は、
- 1.4の一定pHにて、その溶解プロファイルは持続時間5時間以下の潜伏段階を含み、
- この潜伏段階において、pH1.4からpH6.8への変化により潜伏期間なしに放出段階に入り、
当該製剤において、前記溶解プロファイルは持続時間が1から5時間の潜伏段階を含み、
当該製剤は、ペリンドプリルを除く少なくとも一つの有効成分を含む「貯蔵性」微小カプセルを具備し、その微小カプセルは、
・少なくとも一つのフィルムにそれぞれ覆われた有効成分の粒子から成り、そのコーティングフィルムは複合材料からなり、
- 該複合材料は
・中性pHでイオン化される基を持つ、少なくとも一つの親水性重合体Aと
・少なくとも一つの疎水性化合物Bを含んでおり、
- 質量比(微小カプセルの全体の質量を基準とした重量%)が40以下であるような材料であり、
・前記微小カプセルは直径2000μm以下であり、
これらの微小カプセルのコーティングフィルムはAとBの複合体から成り、
B/Aの重量比は0.45から1の間であり、
疎水性複合体Bは、固体状態において結晶性で融点TfBが40℃以上であるような産物から選ばれることを特徴とする経口ガレヌス製剤。
【請求項2】
請求項1に記載のガレヌス製剤であって、微小カプセルが200から800μmの間の直径をもち、B/Aの重量比が0.5から1.0の間であり、疎水性化合物Bが固体状態で結晶性であり且つ40℃≦TfB≦90℃の融点TfBをもつ産物から選ばれる、ガレヌス製剤。
【請求項3】
親水性重合体Aが以下から選択される、請求項1に記載のガレヌス製剤:
- アクリル(メタクリル)酸/アクリル(メタクリル)酸アルキル(例:メチル)の共重合体、およびその混合物;
- セルロース誘導体、好ましくは、セルロースのアセテートおよび/またはフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースのアセテートおよび/またはスクシネート;および
- それらの混合物。
【請求項4】
親水性重合体Aが以下から選択される、請求項1に記載のガレヌス製剤:
- アクリル(メタクリル)酸/アクリル(メタクリル)酸アルキルの共重合体、およびその混合物;
- セルロースのアセテートおよび/またはフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースのアセテートおよび/またはスクシネート;および
- それらの混合物。
【請求項5】
疎水性化合物Bが以下の産物の群から選択される、請求項1に記載のガレヌス製剤:
-単独の植物ろう、または複数の植物ろうの混合物;
-単独の硬化植物油、または複数の硬化植物油の混合物;
- グリセロールと少なくとも一つの脂肪酸の、モノエステルおよび/またはジエステルおよび/またはトリエステルの単独、または複数のこれらエステルの混合物;および
- それらの混合物。
【請求項6】
疎水性化合物Bが以下の産物の群から選択される、請求項1に記載のガレヌス製剤:
-単独の植物ろう、または複数の植物ろうの混合物;
-単独の硬化植物油、または複数の硬化植物油の混合物;
- グリセロールと少なくとも一つの脂肪酸の、少なくとも一つのモノエステルの混合物、および少なくとも一つのジエステルの混合物、および/または少なくとも一つのトリエステルの混合物;および
- それらの混合物。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のガレヌス製剤であって、前記化合物Bが、硬化綿実油、硬化ダイズ油、硬化パーム油、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン(trimyristin)、ワックス・イエロー(Wax Yellow)、座薬主成分(suppository bases)またはハードファット(Hard fat)、無水乳脂、ラノリン、グリセリル・パルミトステアレート(Glyceryl Palmitostearate)、グリセリルステアレート(glycerylstearate)、ラウリル・マクロゴールグリセリド(lauryl macrogolglycerides)、セチルアルコール、ポリグリセリル・ジイソステアレート(polyglycryl diisostearate)、ジエチレングリコール・モノステアレート(diethylene glycol monostearate)、エチレングリコール・モノステアレート(ethylene glycol monostearate)、オメガ-3脂肪酸(Omega 3)、およびそれらの何れかの混合物から成る群から選択される、ガレヌス製剤。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載のガレヌス製剤であって、化合物Bが、硬化綿実油、硬化ダイズ油、硬化パーム油、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン(trimyristin)、およびこれらの何れかの混合物から成る群から選択される、ガレヌス製剤。
【請求項9】
請求項1に記載のガレヌス製剤であって、化合物Bが以下から成る群から選択される、ガレヌス製剤。
以下の商品名(商標)の製品:ダイナサン(Dynasan)、キューティナ(Cutina)、ハイドロベース(Hydrobase)、ダブ(Dub)、キャスターワックス(Castorwax)、クロデュレット(Croduret)、コンプリトール(Compritol)、ステロテックス(Sterotex)、ラブリタブ(Lubritab)、アピフィル(Apifil)、アコフィン(Akofine)、ソフトティサン(Softtisan)、ハイドロコート(Hydrocote)、リボポル(Livopol)、スーパーハルトラン(Super Hartolan)、MGLA、コロナ(Corona)、プロタラン(Protalan)、アコソフト(Akosoft)、アコソル(Akosol)、クレマオ(Cremao)、マスポール(Massupol)、ノバタ(Novata)、サポシーレ(Suppocire)、ウェコビー(Wecobee)、ワイテプソル(Witepsol)、ラノリン(Lanolin)、インクロメガ(Incromega)、エスタラン(Estaram)、サポワイス(Suppoweiss)、ゲルシーレ(Gelucire)、プレシロール(Precirol)、エマルシーレ(Emulcire)、プルロール・ジイソステアリーク(Plurol diisostearique)、ゲレオール(Geleol)、ハイドリン(Hydrine)そしてモンタイル(Monthyle);
ならびに、以下のコードの添加物(additives):E 901、E 907、E 903そしてそれらの混合物;
および以上の混合物。
【請求項10】
請求項1に記載のガレヌス製剤であって、化合物Bが、以下の商品名(商標)の製品からなる群から選択される、ガレヌス製剤:ダイナサンP60(Dynasan P60)、ダイナサン114(Dynasan 114)、ダイナサン116(Dynasan 116)、ダイナサン118(Dynasan 118)、キューティナHR(Cutina HR)、ハイドロベース66-68(Hydrobase 66-68)、ダブHPH(Dub HPH)、コンプリトール888(Compritol 888)、ステロテックスNF(Sterotex NF)、ステロテックスK(Sterotex K)、ラブリタブ(Lubritab)、およびそれらの混合物。
【請求項11】
微小カプセルのコーティングフィルムにタルクが含まれていない、請求項1に記載のガレヌス製剤。
【請求項12】
請求項1に記載のガレヌス製剤であって、1.4の一定pHにおいて、潜伏段階に続く調節性放出段階にて、有効成分の50%が放出される時間(t1/2)が0.25≦t1/2≦35(単位は時間)である、ガレヌス製剤。
【請求項13】
請求項1に記載のガレヌス製剤であって、潜伏期間がなく起こる、pH 1.4からpH 6.8への変化による放出段階にて、有効成分の50%が放出される時間(t1/2)が0.25≦t1/2≦20(単位は時間)として定義されることを特徴とする、ガレヌス製剤。
【請求項14】
微小カプセルが単一の複合性コーティングフィルムABを含む、請求項1に記載のガレヌス製剤。
【請求項15】
有効成分が直径200μmから800μmの間の中性コアに収められる、請求項1に記載のガレヌス製剤。
【請求項16】
中性コアがスクロースおよび/またはデキストロースおよび/またはラクトースを含む、請求項1に記載のガレヌス製剤。
【請求項17】
中性コアがセルロース微粒子である、請求項16に記載のガレヌス製剤。
【請求項18】
使用される有効成分が以下の作用物質のファミリーの少なくとも一つに属す、請求項1に記載のガレヌス製剤。:抗潰瘍剤、抗糖尿病薬、抗凝血剤、抗スロンビン剤、抗高脂血症薬、抗不整脈薬、血管拡張剤、抗狭心症薬、血圧降下薬、血管保護剤(vasoprotector)、稔性誘導剤(fertility promoter)、分娩導入剤と分娩抑制剤、避妊薬、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗癌剤、抗炎症剤、鎮痛薬、抗てんかん剤、抗パーキンソン病薬、神経遮断薬、睡眠薬、抗不安薬、覚醒剤、抗偏頭痛剤、抗うつ剤、鎮咳薬、抗ヒスタミン剤、および抗アレルギー薬。
【請求項19】
有効成分が以下の化合物から選択される、請求項18に記載のガレヌス製剤。:アモキシシリン、メトホルミン、アセチルサリチル酸、ペントキシフィリン、プラゾシン、アシクロビル、ニフェジピン、ジルチアゼム、ナプロキセン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、フェンチアザク、吉草酸エストラジオール、メトプロロール、スルピリド、カプトプリル、シメチジン、ジドブジン、ニカルジピン、テルフェナジン、アテノロール、サルブタモール、カルバマゼピン、ラニチジン、エナラプリル、シンバスタチン、フルオキセチン、アルプラゾラム、ファモチジン、ガンシクロビル、ファムシクロビル、スピロノラクトン、ペンタサ、キニジン、モルヒネ、ペンタゾシン、パラセタモール、オメプラゾール、メトクロプラミド、およびそれらの混合物。
【請求項20】
錠剤、散剤、ゼラチンカプセルから成る群から選択される形状をとる、請求項1に記載のガレヌス製剤。
【請求項21】
請求項1に記載のガレヌス製剤の、微粒子経口ガレヌス製剤を錠剤として調合するための使用。
【請求項22】
口内で分散する錠剤である、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のガレヌス製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−532689(P2007−532689A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508876(P2007−508876)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005551
【国際公開番号】WO2005/099671
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(593125160)フラメル・テクノロジー (22)
【氏名又は名称原語表記】FLAMEL TECHNOLOGIES
【Fターム(参考)】