説明

半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム

【課題】放射線硬化前では高粘着力及び回路パターン面の凹凸に対する高追従性を有し、放射線硬化後では著しく粘着力が低下する軽剥離性を有するとともに、剥離時に糊汚れが少ない低汚染性を有する半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含む中間層と、(メタ)アクリル系ポリマー(B)及び放射線反応性炭素−炭素二重結合を有する放射線反応性化合物とを反応させることによって得られる放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤層とを有し、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータの差が、0.4(cal/cm1/2以下であり、(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)の分子量分布がいずれも、14以下である半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムに関する。特に、本発明は、回路が形成された半導体ウェハを裏面研削処理する際に用いられる半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
大径の状態で製造された半導体ウェハは、フォトレジストにより半導体ウエハの表面に所定の回路パターンが形成された後、所定の厚さになるように裏面研削処理(バックグラインド処理)が施され、更に、必要に応じて裏面処理(エッチング、ポリッシング等)、切断加工処理等が施される。
【0003】
上記裏面研削処理では、半導体ウエハ表面に形成された回路パターン面を外傷から保護する他、表面回路の破損防止や研削処理時に半導体ウエハを支持・固定するために回路パターン面にバックグラインドフィルムと称される半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを貼着し、研削処理後に半導体ウェハから該フィルムを剥離、回収する方法が使用されている。そのため、この種の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムには、研削処理時には半導体ウェハを保持できる高粘着力を有すること、研削処理後には半導体ウェハから容易にフィルムを剥離できる軽剥離性を有すること、及び剥離後には半導体ウェハ表面に粘着剤成分による糊汚れが生じない低汚染性を有することが要求されている。
【0004】
上記のような特性を有する半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムとしては、放射線透過性の基材上に、粘着性を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、放射線反応性炭素−炭素二重結合を有する放射線反応性化合物とを反応させることにより得られる放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを主成分として含有する粘着剤層を形成した半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムが汎用されている。この放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層を形成した半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムによれば、放射線の照射前は、放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーが一定の粘着力を有するため、研削処理時の半導体ウェハの振動を抑えることができる。また、放射線を粘着剤層に照射すると、放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーに導入された放射線反応性炭素−炭素二重結合により放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーが硬化して粘着力が低下するため、半導体ウェハからフィルムを容易に剥離することができる。
【0005】
ところで、近年、チップの小型化に伴い半導体ウェハの薄型化(例えば、100μm以下)が要求されているとともに、回路パターン面の凹凸の高低差が大きくなってきている。そのため、従来の放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層では、凹凸に対する追従性が不足し、それによって研削処理時に半導体ウェハが変動し、均一な研削を行なうことが困難となってきている。また、放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを主成分として含有する粘着剤層が凹凸を十分に吸収できないため、粘着剤層と半導体ウェハとの接着が不十分となって、研削処理時にフィルムの剥離が生じたり、回路パターン面への切削水や切削屑などの浸入による汚染が生じることや、粘着剤層と凹凸との間に隙間が生じて、酸素による硬化不良が発生し、回路パターン面の糊汚れが増加することが問題となっている。
【0006】
上記のような粘着剤層の凹凸に対する追従性を改善するため、特許文献1では、基材と粘着剤層との間に、30〜1000kPaの弾性率を有し、20%以下のゲル分率を有する中間層を設けた半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムが提案されている。この半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムによれば、中間層が一定の弾性を有するため、回路パターン面の凹凸を中間層で吸収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−203255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、回路パターン面の凹凸と接触するのは粘着剤層であるため、中間層が凹凸を吸収する弾性を有していても、粘着剤層と中間層の全体が凹凸による変形を吸収できなければ、両層全体としての凹凸に対する追従性が不足し、均一な研削処理が行えないという問題がある。また、特許文献1のような中間層を設けた半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムでは、放射線による硬化前の粘着力が低下しやすい一方、放射線による硬化後に粘着力が低下し難いという問題がある。さらに、剥離時に中間層と粘着剤層との界面で剥離が生じやすく、そのため粘着剤成分が回路パターン面に残る糊汚れが発生しやすいという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、基材と粘着剤層との間に中間層を有する半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムにおいて、放射線による硬化前では高粘着力及び回路パターン面の凹凸に対して高い追従性を有し、放射線による硬化後では著しく粘着力が低下する軽剥離性を有するとともに、剥離時には粘着剤成分の糊汚れが少ない低汚染性を有する半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材と、前記基材上に、中間層及び粘着剤層とがこの順で形成された半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムであって、
前記中間層は、モノマー成分としてアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含有し、
前記粘着剤層は、モノマー成分としてアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)及び官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(B)と、放射線反応性炭素−炭素二重結合を分子内に有する放射線反応性化合物とを反応させることによって得られる放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含有しており、
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと、前記(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が、0.4(cal/cm1/2以下であり、
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の分子量分布Mw/Mn及び前記(メタ)アクリル系ポリマー(B)の分子量分布Mw/Mnがいずれも、14以下である半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムである。
【0011】
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
【0012】
上記半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムにおいて、前記中間層及び粘着剤層は、同時重層塗布方式により形成することが好ましい。
【0013】
上記半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムにおいて、前記中間層及び粘着剤層はいずれも、実質的に粘着付与剤を含有しないことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、放射線による硬化前では高粘着力及び半導体ウェハの回路パターン面の凹凸に対して優れた追従性を有し、放射線による硬化後では著しく粘着力が低下する軽剥離性を有するとともに、剥離時に糊汚れの少ない低汚染性を有する半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムの一例を示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施の形態の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムは、モノマー成分としてアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含有する中間層と、モノマー成分としてアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)及び官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(B)と、放射線反応性炭素−炭素二重結合を分子内に有する放射線反応性化合物とを反応させることによって得られる放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層とがこの順で基材上に形成されており、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと、(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が、0.4(cal/cm1/2以下であり、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の分子量分布Mw/Mn及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)の分子量分布Mw/Mnがいずれも、14以下であることを特徴とする。
【0017】
中間層が、粘着剤層に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(B)と同種の(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含有するとともに、中間層の(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと粘着剤層の(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が0.4(cal/cm1/2以下、好ましくは0.2以下であれば、両層の粘着剤成分が相溶しやすく、中間層と粘着剤層の密着性を向上することができる。そのため、回路パターン面に粘着剤層が貼着された際に、粘着剤層の変形が中間層に伝達されやすくなり、層全体として凹凸に対して優れた追従性を発揮させることができる。また、溶解度パラメータの近接した(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)を使用することにより、中間層と粘着剤層との密着性が向上するため、剥離時に中間層と粘着剤層の界面での剥離が抑えられ、糊汚れを低減することができる。さらに、研削処理後にフィルムを剥離するにあたっては基材側から中間層を介して粘着剤層に放射線が照射されるが、放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーは粘着剤層のみに含有されており、中間層に含有されていないため、中間層の(メタ)アクリル系ポリマー(A)によって粘着剤層の放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーの硬化性が阻害されることもない。そのため、放射線による硬化後に著しく粘着力を低下させることができる。中間層の(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと粘着剤層の(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が0.4(cal/cm1/2より大きいと、中間層と粘着剤層との密着性が低下し、回路パターン面の凹凸に対する追従性が低下して、研削処理時に半導体ウェハが不均一に研削されやすく、また凹凸と粘着剤層との間に隙間が生じて、酸素による硬化不良が発生し、回路パターン面の糊汚れが増加する。
【0018】
本実施の形態において(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSP、SPは、各ポリマーを構成するモノマー成分の溶解度パラメータとモル比との積から求めることができる。例えば、(メタ)アクリル系ポリマーがX、Yの2種類の(メタ)アクリル系モノマーから構成されている場合、(メタ)アクリル系ポリマーを合成するために用いられる各(メタ)アクリル系モノマーのモノマー成分全量に対する含有量をx質量%、y質量%、分子量をMx、Myとすると、各(メタ)アクリル系モノマーのモル比Cx、Cyは、x/Mx、y/Myで表され、(メタ)アクリル系ポリマーのモル比Cは、x/Mx+y/Myで表される。従って、各(メタ)アクリル系モノマーの溶解度パラメータをSPx(cal/cm1/2、SPy(cal/cm1/2とすると、(メタ)アクリル系ポリマーの溶解度パラメータSP(cal/cm1/2は、下記式(1)で求めることができる。
SP=[(x×SPx/Mx)+(y×SPy/My)]×(1/C) (1)
【0019】
なお、各(メタ)アクリル系モノマーの溶解度パラメータは分子構造から計算により求められることが知られており、本明細書における各(メタ)アクリル系モノマーの溶解度パラメータはFedorsの方法(原崎勇次著,「コーティングの基礎科学」,第3章,35頁,1977年,槙書店発行)により得られる25℃での値を意味する。
【0020】
また、上記の(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)はモノマー成分を重合することにより調製されるため、未反応のモノマーやオリゴマーなどの低分子量成分がこれらのポリマー中に含まれており、両ポリマーは一定の分子量分布を有しているが、本実施の形態の中間層及び粘着剤層は、上記したように回路パターン面の凹凸に対する追従性を考慮して、モノマー成分としていずれもアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマーを含有するとともに、溶解度パラメータの近接した(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)が使用されるため、中間層と粘着剤層の粘着剤成分が相溶しやすい反面、中間層と粘着剤層との間でこれらの低分子量成分が移動(ブルーミング)しやすくなる。本発明者等の検討によれば、上記の近接した溶解度パラメータを有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)をそれぞれ用いた中間層及び粘着剤層を形成した場合、狭い分子量分布を有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)を使用すれば、両層に含まれる低分子量成分による特性の劣化を抑えられることが見出された。すなわち、中間層に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)の分子量分布Mw/Mn及び粘着剤層に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(B)の分子量分布Mw/Mnがいずれも14以下であれば、放射線による硬化前に高粘着力が得られるとともに、中間層と粘着剤層との密着性を向上させて回路パターン面の凹凸に対して優れた追従性を得ることができる。また、放射線による硬化が低分子量成分によって阻害されず、軽剥離性を確保できるとともに、剥離時に回路パターン面の糊汚れを低減できる。これに対して、中間層に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)あるいは粘着剤層に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(B)のいずれか一方が14より大きな分子量分布を有すると、低分子量成分によって中間層と粘着剤層との密着性が低下して、回路パターン面の凹凸に対する追従性が劣化する。また、放射線による硬化が低分子量成分によって阻害され、放射線を照射しても粘着力が低下し難くなるだけでなく、糊汚れが発生しやすくなる。
【0021】
次に、本実施の形態の中間層、粘着剤層、及び基材の各構成材料、並びに半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムの製造方法ついて具体的に説明する。
【0022】
中間層は、モノマー成分として、アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含有する。
【0023】
アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらは単独でまたは複数使用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、複数のアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)を使用する場合、1種を主モノマーとして使用し、他をコモノマーとして使用してもよい。なお、アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)のアルキル基数は、特に限定されるものではないが、生産コストを考慮すれば、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下である。また、アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)は、単独重合体のガラス転移温度で0℃以下のものが好ましい。
【0024】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)中のアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)の総含有量は、モノマー成分全量に対して、好ましくは50〜100質量%である。
【0025】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、上記アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)の1種を主モノマーとして有していれば、コモノマーとして官能基含有(メタ)アクリル系モノマーを有する共重合体であってもよい。官能基含有(メタ)アクリル系モノマーを使用することにより、凝集力などの他の特性を向上することができる。
【0026】
官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルなどの水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有(メタ)アクリル系モノマーなどが挙げられる。これらは、単独でまたは複数使用してもよい。このような官能基含有(メタ)アクリル系モノマーは、単独重合体のガラス転移温度で0℃より高いものが好ましい。
【0027】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)中の官能基含有(メタ)アクリル系モノマーの総含有量は、モノマー成分全量に対して、好ましくは0〜30質量%である。
【0028】
また、(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、凝集力などの他の特性の向上を目的として、コモノマーとしてさらに他のモノマーを含有してもよい。このような他のモノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどの窒素原子含有環を有するモノマーが挙げられる。これらは、単独でまたは複数使用してもよい。これらの他のモノマーの総含有量は、モノマー成分全量に対して、好ましくは0〜10質量%である。
【0029】
上記モノマー成分を含有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPは、凹凸に対する追従性を確保するとともに、上記した(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差を確保するため、好ましくは9.8〜10.2である。
【0030】
(メタ)アクリル系ポリマー(A)を合成するための重合方法としては、従来公知の溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられ、これらの中でも重合が均一に進行する溶液重合法が好ましい。溶液重合を行う場合の有機溶剤としては、具体的には、例えば、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系の有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは複数使用してもよい。これらの中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般に(メタ)アクリル系ポリマー(A)に対して良溶剤で、60〜120℃の沸点を有する有機溶剤が好ましい。また、重合開始剤としては、α,α'−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾビス系;ベンゾペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤が挙げられる。なお、中間層に用いられる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、粘着剤層の硬化性を確保するため、粘着剤層と異なり、放射線反応性炭素−炭素二重結合を導入した放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含有しないことが好ましい。
【0031】
上記のようにして得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量Mwは、好ましくは10万〜100万であり、より好ましくは60万〜90万である。重量平均分子量Mwが10万未満であると、高温下で粘着剤成分が流れ、保持性が低下する場合がある。一方、重量平均分子量Mwが200万より大きいと、合成時及び塗工時に粘着剤成分がゲル化したり、回路パターン面の凹凸に対する追従性が低下する場合がある。なお、本明細書において、重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によるポリスチレン換算の測定値である(溶媒:テトラヒドロフラン)。
【0032】
中間層は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)がコモノマーとして官能基含有(メタ)アクリル系モノマーを有する場合、該官能基含有(メタ)アクリル系モノマーによって分子内に導入された官能基と架橋する架橋剤を含有してもよい。このような架橋剤を使用することにより、三次元架橋構造を形成することができ、凝集力を向上させることができる。
【0033】
架橋剤としては、具体的には、例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、酸無水化合物系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、カルボキシル基含有ポリマー系架橋剤などが挙げられる。これらの架橋剤は、単独でまたは複数使用してもよい。これらの中でも、反応性に優れるイソシアネート基を有するポリイソシアネート系架橋剤が好ましい。
【0034】
架橋剤の含有量は、官能基含有(メタ)アクリル系モノマーの含有量にもよるが、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部である。架橋温度は、好ましくは、20〜70℃であり、架橋時間は、好ましくは1日〜7日である。
【0035】
中間層の厚さは、回路パターン面の凹凸の高低差や、半導体ウエハの保持性、保護性を損なわない範囲で適宜選択できるが、好ましくは20〜500μmであり、より好ましくは30〜200μmである。中間層の厚さが20μm未満では、回路パターン面の凹凸への追従性が発揮され難くなり、研削処理時に割れやディンプルが発生する場合がある。一方、中間層の厚さが500μmを超えると、中間層のはみ出しや、フィルムの貼り付けに時間がかかり、作業効率が低下する場合がある。
【0036】
粘着剤層は、モノマー成分としてアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)及び官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(B)と、放射線反応性炭素−炭素二重結合を分子内に有する放射線反応性化合物とを反応させることによって得られる放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含有する。
【0037】
アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)としては、既述した(メタ)アクリル系ポリマー(A)に用いられるアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)と同種のモノマーを単独でまたは複数使用することができる。また、複数のアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)を使用する場合、1種を主モノマーとして使用し、他をコモノマーとして使用してもよい。これらの中でも、中間層と粘着剤層の粘着剤成分の相溶性を高めるため、アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)と同様に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0038】
(メタ)アクリル系ポリマー(B)中のアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)の総含有量は、モノマー成分全量に対して、好ましくは60〜99質量%である。
【0039】
(メタ)アクリル系ポリマー(B)は、上記アルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)の1種を主モノマーとして含有するとともに、コモノマーとして官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)を含有する。このような官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)を使用することにより、得られる(メタ)アクリル系ポリマー(B)と、放射線反応性炭素−炭素二重結合を有する放射線反応性化合物とを反応させて、分子内に放射線反応性炭素−炭素二重結合が導入された放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを得ることができる。このような官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)としては、既述した(メタ)アクリル系ポリマー(A)に用いられる官能基含有(メタ)アクリル系モノマーを単独でまたは複数使用することができる。これらの中でも、放射線反応性炭素−炭素二重結合を導入するために用いられる放射線反応性化合物との反応性に優れる(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルなどの水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0040】
(メタ)アクリル系ポリマー(B)中の官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)の総含有量は、モノマー成分全量に対して、好ましくは1〜40質量%である。
【0041】
(メタ)アクリル系ポリマー(B)は、上記したアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)及び官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)を含有していれば、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と同様に、コモノマーとして、必要に応じて他のモノマーやさらに多官能モノマーを含有してもよい。このような多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ただし、多官能モノマーの含有量が多すぎると、放射線による硬化前の粘着力が低下しやすくなり、また軽剥離性や低汚染性が劣化しやすいため、多官能モノマーの総含有量は、モノマー成分全量に対して、好ましくは0〜10質量%である。
【0042】
上記モノマー成分を含有する(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPは、半導体ウェハに対する粘着性を確保するとともに、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差を確保するため、好ましくは9.8〜10.4である。
【0043】
(メタ)アクリル系ポリマー(B)を合成するための重合方法としては、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と同様の重合方法を使用することができる。また、重合にあたっては、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の合成に用いられる有機溶剤、重合開始剤、及び触媒と同様のものを使用することができる。
【0044】
上記のようにして得られる(メタ)アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量Mwは、好ましくは30万〜200万であり、より好ましくは60万〜90万である。重量平均分子量Mwが30万未満であると、剥離時に糊汚れが発生する場合がある。一方、重量平均分子量Mwが200万より大きいと、合成時及び塗工時に粘着剤成分がゲル化する場合がある。
【0045】
本実施の形態の放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーは、上記のようにして得られる(メタ)アクリル系ポリマー(B)と、官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)によって(メタ)アクリル系ポリマー(B)に導入された官能基と反応する官能基及び放射線反応性炭素−炭素二重結合を分子内に有する放射線反応性化合物とを反応させ、側鎖及び/または末端に放射線反応性炭素−炭素二重結合を導入することにより合成することができる。
【0046】
放射線反応性化合物としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸などのカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸イソシアネートエチルなどのイソシアネート基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチルなどのアミノ基含有モノマーなどが挙げられる。これらの放射線反応性化合物は、単独でまたは複数使用してもよい。これらの中でも、反応性に優れるイソシアネート基を有するイソシアネート基含有モノマーが好ましい。
【0047】
放射線反応性化合物の含有量は、官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)の含有量にもよるが、(メタ)アクリル系ポリマー(B)100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部である。放射線反応性化合物の含有量が少なすぎると、放射線反応性炭素−炭素二重結合濃度が減少し、硬化性が低下する。一方、放射線反応性化合物の含有量が多すぎると、未反応の低分子量成分が増加し、放射線による硬化前の粘着力が低下したりあるいは剥離時に糊汚れが増加する。
【0048】
放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを合成する方法としては、炭素−炭素二重結合の放射線反応性を維持した状態で、(メタ)アクリル系ポリマー(B)と放射線反応性化合物とを縮合反応または付加反応させる方法が挙げられる。これらの反応においては、炭素−炭素二重結合の放射線反応性が維持されるよう、重合禁止剤を使用することが好ましい。このような重合禁止剤としては、ヒドロキノン・モノメチルエーテルなどのキノン系の重合禁止剤が好ましい。反応温度は、好ましくは10〜60℃であり、反応時間は、好ましくは1〜10時間である。
【0049】
粘着剤層は、官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)によって導入された官能基と架橋する架橋剤を含有することが好ましい。このような架橋剤を使用することにより、三次元架橋構造を形成することができ、凝集力を向上させることができる。
【0050】
架橋剤としては、中間層に用いられる架橋剤と同様のものを使用することができる。架橋剤の含有量は、官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)及び放射線反応性化合物の配合量にもよるが、放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部である。
【0051】
粘着剤層は、放射線として紫外線を用いる場合、光重合開始剤をさらに含有してもよい。このような光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル系開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系開始剤;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などの芳香族ケトン系開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド系開始剤;ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール系開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系開始剤;ベンジルなどのベンジル系開始剤;ベンゾインなどのベンゾイン系開始剤;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;カンファーキノン系化合物;ハロゲン化ケトン系化合物:アシルホスフィノキシド系化合物;アシルホスフォナート系化合物などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは複数使用してもよい。光重合開始剤の配合量は、放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部である。
【0052】
粘着剤層の厚さは、半導体ウエハの保持性や保護性を損なわない範囲で適宜設定できるが、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは2〜40μmである。粘着剤層の厚さが1μm未満では粘着剤層の破壊により中間層が露出する場合がある。一方、粘着剤層の厚さが100μmを超えると、回路パターン面の凹凸に対する追従性が低下する場合がある。
【0053】
粘着剤層の放射線による硬化前の粘着力(試験板:JIS G 4305に規定するSUS304(BA)板,剥離角度:180°,剥離速度:300mm/分,温度:23±3℃)は、JIS Z 0237に基づいて測定したときの粘着力で、好ましくは1.0(N/10mm幅)以上であり、より好ましくは2.4(N/10mm幅)以上である。また、粘着剤層の放射線による硬化後の粘着力は、上記と同様の測定条件における粘着力で、好ましくは0.5(N/10mm幅)以下であり、より好ましくは0.1(N/10mm幅)以下である。
【0054】
本実施の形態において、中間層及び粘着剤層は、他の特性の向上を目的として、必要に応じて、充填剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤などの公知の添加剤をさらに含有してもよい。ただし、中間層及び粘着剤層いずれも粘着付与剤を実質的に含有しないことが好ましい。本実施の形態の粘着剤成分を有する中間層及び粘着剤層に粘着付与剤を含有させると、寧ろ放射線による硬化前の粘着力が低下するだけでなく、粘着付与剤によって放射線による硬化性が阻害され、放射線を照射しても粘着力が低下し難く、また糊汚れが増加する傾向がある。このような特性を劣化させる粘着付与剤としては、ロジン系誘導体樹脂、ポリテルペン系樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂が挙げられる。
【0055】
基材としては、放射線(X線、紫外線、電子線など)を少なくとも部分的に透過する特性を有している基材であれば特に制限されることなく使用できる。このような基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィンフィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム;ポリエチレンまたはポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート積層フィルム;エチレンプロピレン共重合体/ポリプロピレン積層フィルム;ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン3層積層フィルムなどが挙げられる。これらの基材の表面は、公知の表面処理方法が施されていてもよい。このような表面処理としては、具体的には、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、易接着アンカーコート処理などが挙げられる。基材の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜300μmである。
【0056】
図1は、本実施の形態の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムの一例を示す断面概略図である。図1に示すように、本実施の形態の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム1は、基材2の一面上に上記の中間層3、及び粘着剤層4が積層された構成を有している。また、図1に示すように、粘着剤層4上には、粘着剤層4の表面保護のために、必要に応じてセパレータ(離型シート)5が設けられてもよい。セパレータ5としては、特に制限されず、公知のセパレータを用いることができる。このようなセパレータ5としては、具体的には、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック製フィルムが挙げられる。また、セパレータ5の表面には、粘着剤層3の剥離性を高めるために、必要に応じて、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの処理が施されていてもよい。セパレータ5の厚さは、特に制限されないが、通常、10〜200μmである。また、図示しないが、使用形態に応じて、基材2と中間層3との間に基材2と中間層3との密着性を向上するために、1層以上の下塗層を設けてもよい。半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム1は、ロール状に巻回された形態または幅広のシートが積層された形態を有していてもよい。また、所定サイズに切断加工されたシート状またはテープ状の形態であってもよい。
【0057】
中間層用塗布液、及び粘着剤層塗布液の調製方法は、特に限定されず、従来公知の塗料製造方法を使用することができる。具体的には、各粘着剤成分と有機溶剤とを混合撹拌することにより、中間層用塗布液、及び粘着剤層塗布液を調製することができる。なお、中間層及び粘着剤層が粘着剤成分として架橋剤や光重合開始剤を含有する場合、これらを含有する塗布液を貯蔵すると、保存時に塗布液がゲル化するため、架橋剤及び光重合開始剤以外の粘着剤成分と有機溶剤とを混合した塗布液を調製しておき、塗工工程直前にこれらを塗布液に添加することが好ましい。
【0058】
中間層用塗布液、及び粘着剤層塗布液の塗工方法は、特に限定されず、コンマ塗布、スクリーン塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ダイ塗布などの従来公知の塗工方法を使用することができる。塗工にあたっては、一方の塗布液を塗工・乾燥した後、他方の塗布液を塗工・乾燥して形成する逐次重層塗布方式を採用してもよいし、一方の塗布液を塗工し、塗工された塗膜が湿潤状態にあるうちに、他方の塗布液を塗工する同時重層塗布方式を採用してもよい。特に、後者の同時重層塗布方式を採用すれば、両層が未乾燥の状態で積層されるため、中間層と粘着剤層との間で粘着剤成分の混合が生じ、それによって逐次重層塗布方式を使用した場合よりも、中間層と粘着剤層との間でより高い密着性を得ることができる。なお、塗工にあたっては、基材上に中間層及び粘着剤層を順次形成してもよいし、セパレータを使用する場合、セパレータ上に中間層及び粘着剤層を順次形成した後、基材と中間層とをラミネートしてもよい。
【0059】
本実施の形態の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを研削処理工程において使用する場合、まず粘着剤層と半導体ウエハの回路パターン面とを貼着する。貼着にあたっては、圧着ロールなどの押圧手段を用いてもよいし、オートクレーブなどの加圧可能な容器内で、粘着剤層と半導体ウエハの回路パターン面とが対向するように半導体ウェハとフィルムとを重ね合わせ、容器内を加圧してもよい。また、貼着時に、30〜150℃の加熱を行ってもよい。次いで、研削機のチャックテーブルなどに基材を介して半導体ウエハを固定し、半導体ウエハの裏面を研削する。研削処理の方式は特に限定されず、従来公知のスルーフィード方式、インフィード方式等の公知の研削方式を使用することができる。また、研削処理は、半導体ウエハと砥石に水をかけて冷却しながら行うことが好ましい。研削処理後、基材側から放射線を照射することにより、粘着剤層の粘着剤成分を硬化させ、粘着力を低下させる。放射線としては、例えば、X線、電子線、紫外線などが挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましい。放射線を照射する際の照射強度や照射時間などの各種条件は、特に限定されず、適宜設定することができる。次いで、半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを人力または機械により半導体ウェハから剥離する。なお、研削処理後、剥離前にケミカルエッチング処理、ポリッシング処理などを行ってもよい。また、必要に応じて、剥離後に、半導体ウエハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の洗浄処理を行なってもよい。
【0060】
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」とあるのは、「質量部」を意味する。
【実施例】
【0061】
<(メタ)アクリル系ポリマーの合成>
(メタ)アクリル系ポリマーを合成するためのモノマー成分として、表1に示すモノマーを準備した。表2中のモノマー成分の表示は、表1中の種類欄の括弧書内の表示に準じている。
【0062】
【表1】

【0063】
表2に示す組成の各モノマーと、重合開始剤として0.4部のアゾビスイソブチロニトリルと、有機溶剤として40部の酢酸エチル及び60部のトルエンとを混合した溶液を調製し、窒素雰囲気下、65℃で10時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(1)〜(4)を合成した。また、表2に示す組成の各モノマーと、重合開始剤として2部のアゾビスイソブチロニトリルと、有機溶剤として40部の酢酸エチル及び60部のトルエンとを混合した溶液を調製し、窒素雰囲気下、65℃で10時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(5)を合成した。
【0064】
得られた各(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布を、GPC(Wators社製,Alliance,カラム:Shodex GPC−KF804及びGPC−KF805,溶媒:THF)を用いて測定した。
【0065】
表2に各(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー組成、溶解度パラメータ、重量平均分子量、及び分子量分布を併せて示す。
【0066】
【表2】

【0067】
<放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーの合成>
上記で得られた(メタ)アクリル系ポリマー(1)〜(3)、及び(5)を用い、表3に示す組成の各(メタ)アクリル系ポリマーと、放射線反応性化合物としてイソシアネート基と放射線反応性炭素−炭素二重結合とを有するメタクリル酸2−イソシアネートエチル(MOI)とを混合した溶液を調製し、窒素雰囲気下、65℃で4時間反応させて、放射線反応性炭素−炭素二重結合を導入した放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマー(α)〜(δ)を合成した。なお、上記の反応にあたっては、いずれも重合禁止剤として0.05部のヒドロキノン・モノメチルエーテルを用いた。
【0068】
【表3】

【0069】
<中間層用塗布液の調製>
上記で得られた(メタ)アクリル系ポリマー(1)、(4)、及び(5)を用い、表4に示す組成の各(メタ)アクリル系ポリマーと、架橋剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製,コロネートL)とを混合して、中間層用塗布液(I)〜(III)を調製した。
【0070】
【表4】

【0071】
<粘着剤層用塗布液の調製>
上記で得られた放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマー(α)〜(δ)を用い、表5に示す組成の各放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーと、架橋剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製,コロネートL)と、光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティー・ケミカルズ社製,IRGACURE 819)と、任意成分である粘着付与剤としてテルペンフェノール系粘着付与剤(ヤスハラケミカルズ社製,マイティエースG125)とを混合して、粘着剤層用塗布液(i)〜(v)を調製した。
【0072】
【表5】

【0073】
<半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムの作製>
上記のようにして調製した中間層用塗布液(I)〜(III)及び粘着剤層用塗布液(i)〜(v)を用い、表6に示す組み合わせで基材上に中間層、及び粘着剤層を積層した実施例、及び比較例の各半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを以下のようにして作製した。
【0074】
実施例1〜3、及び比較例1〜4の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムの作製にあたっては、まず粘着剤層用塗布液をセパレータであるシリコーンで離形処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)上にダイコータでシリコーン離形処理面側に塗工し、粘着剤層塗膜が湿潤状態にあるうちに、中間層用塗布液を粘着剤層塗膜上にダイコータで塗工し、乾燥させて、セパレータ上に厚さ40μmの粘着剤層と、厚さ110μmの中間層とが積層された原反ロールを作製した。次いで、得られた原反ロールの粘着剤層上に、基材としてポリプロピレンフィルム(JSR社製,SP80)のコロナ放電されている面をラミネートし(温度:25℃,ニップ圧:0.5MPa)、ラミネートしたロールを光遮蔽した恒温槽(温度:40℃)に72時間保存して架橋処理を行って、各半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを作製した。
【0075】
また、実施例4の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムの作製にあたっては、粘着剤層用塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム上にダイコータで塗工し、乾燥させた後、中間層用塗布液を粘着剤層塗膜上にダイコータで塗工し、乾燥させて、原反ロールを作製した以外は、上記と同様にして、半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを作製した。
【0076】
上記のようにして作製した各半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムを用いて、以下の評価を行った。表6に、各半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムの中間層及び粘着剤層に用いられた(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(B)の種類、それらの溶解度パラメータ及び分子量分布、中間層の(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと粘着剤層の(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)、塗布方式、並びに評価結果を併せて示す。
【0077】
〔放射線による硬化前の粘着力〕
所定サイズに切り出した半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムからセパレータを剥離し、粘着剤層にSUS304(BA)板を張り合わせ、温度23℃、湿度50%RHの環境下で30分間静置した測定試料を作製した。この測定試料を用い、JIS Z 0237に基づいて、粘着力を測定した。粘着力の測定条件は、剥離角度180°、剥離速度300mm/分、温度23±3℃とした。
【0078】
〔放射線による硬化後の粘着力〕
放射線による硬化前の粘着力の測定で用いた測定試料と同様の測定試料を作製した。この測定試料の基材側から紫外線(照度:220mW/cm,光量:440mJ/cm)を照射し、照射後の粘着力を上記の放射線による硬化前の粘着力と同様にして測定した。
【0079】
〔凹凸に対する追従性〕
所定サイズに切り出した半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムからセパレータを剥離し、粘着剤層に評価用の回路パターン(凹凸径:50μm)を形成した半導体ウェハを、温度23℃、湿度50%RHの環境下で貼着し、30分間静置した測定試料を作製した。この測定試料から粘着剤層を剥離し、剥離後に粘着剤層の表面に回路パターン面の凹凸によって転写された反転凹凸10箇所の径を測定顕微鏡(ニコン社製,MM−60)により測定し、以下の基準から追従性を評価した。
○:粘着剤層に転写された反転凹凸の径が回路パターン面の凹凸径の1.0倍以上〜1.1倍以下
△:粘着剤層に転写された反転凹凸の径が回路パターン面の凹凸径の1.1倍より大きく、1.3倍以下
×:粘着剤層に転写された反転凹凸の径が回路パターン面の凹凸径の1.3倍より大
【0080】
〔糊汚れ〕
所定サイズに切り出した半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムからセパレータを剥離し、粘着剤層に評価用の回路パターン(凹凸径:50μm)を形成した半導体ウェハを、温度23℃、湿度50%RHの環境下で貼着し、30分間静置した測定試料を作製した。この測定試料の基材側から紫外線(照度:220mW/cm,光量:440mJ/cm)を照射した後、手でフィルムを剥離し、回路パターン面に粘着剤成分が残っているかどうかを目視により観察して、以下の基準から糊汚れを評価した。
○:回路パターン面に粘着剤成分の残存なし
△:回路パターン面に粘着剤成分が若干あり
×:回路パターン面に粘着剤成分が多量に付着
【0081】
【表6】

【0082】
上記表に示すように、中間層の(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと粘着剤層の(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が0.4以下で、狭い分子量分布を有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び(メタ)アクリル系ポリマー(B)を使用した中間層と粘着剤層を基材上に積層した実施例の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムは、放射線による硬化前に高粘着力を有するとともに、回路パターン面の凹凸に対して高い追従性を有することが分かる。また、これらの中間層及び粘着剤層が形成された半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムは、放射線による硬化後に粘着力が著しく低下しており、硬化性が阻害されておらず、軽剥離性を有することが分かる。さらに、実施例の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムは、糊汚れも少ないことが分かる。また、中間層と粘着剤層とを同時重層塗布方式で形成した半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムは、逐次重層塗布方式で形成した半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムよりも追従性により優れていることが分かる。
【0083】
これに対して、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が0.4より大きな中間層と粘着剤層を基材上に積層した比較例の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムは、回路パターン面の凹凸に対する追従性に劣り、また糊汚れが多くなることが分かる。
【0084】
また、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が0.4以下であっても、(メタ)アクリル系ポリマー(A)あるいは粘着剤層の(メタ)アクリル系ポリマー(B)のいずれか一方が広い分子量分布を有する場合、回路パターン面の凹凸に対する追従性が低下するだけでなく、放射線による硬化後に粘着力が低下し難く、糊汚れが発生することが分かる。
【0085】
さらに、粘着剤層に粘着付与剤を添加しても、放射線による硬化前の粘着力が寧ろ低下し、また放射線による硬化後の粘着力も低下し難くなり、糊汚れが発生することが分かる。
【符号の説明】
【0086】
1 半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム
2 基材
3 中間層
4 粘着剤層
5 セパレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に、中間層及び粘着剤層とがこの順で形成された半導体ウェハ保持保護用粘着フィルムであって、
前記中間層は、モノマー成分としてアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(a1)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含有し、
前記粘着剤層は、モノマー成分としてアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマー(b1)及び官能基含有(メタ)アクリル系モノマー(b2)を少なくとも有する(メタ)アクリル系ポリマー(B)と、放射線反応性炭素−炭素二重結合を分子内に有する放射線反応性化合物とを反応させることによって得られる放射線硬化型(メタ)アクリル系ポリマーを含有しており、
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の溶解度パラメータSPと、前記(メタ)アクリル系ポリマー(B)の溶解度パラメータSPとの差(|SP−SP|)が、0.4(cal/cm1/2以下であり、
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の分子量分布Mw/Mn及び前記(メタ)アクリル系ポリマー(B)の分子量分布Mw/Mnがいずれも、14以下である半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム。
【請求項2】
前記中間層及び粘着剤層は、同時重層塗布方式により形成される請求項1に記載の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム。
【請求項3】
前記中間層及び粘着剤層はいずれも、実質的に粘着付与剤を含有しない請求項1または2に記載の半導体ウェハ保持保護用粘着フィルム。

【図1】
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【公開番号】特開2012−38827(P2012−38827A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175856(P2010−175856)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000194332)マクセルスリオンテック株式会社 (46)
【Fターム(参考)】