説明

半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれをアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置

【課題】フリップチップ実装の半導体装置の封止に際し、基板、素子等の間の隙間侵入性と硬化後のチップクラック防止性に優れた半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれをアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)液状エポキシ樹脂、(B)特定のシリコーン変性フェノール硬化剤:(A)成分中のエポキシ基に対するフェノール性水酸基の比が0.8〜1.1となる量、(C)平均粒子径が0.1〜1.0μmである無機充填材:(A)、(B)及び(C)成分の合計質量に対して10〜40質量%となる量を含有することを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリップチップ実装の半導体装置の封止に際し、基板、素子等の間の隙間侵入性と硬化後のチップクラック防止性に優れた半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれをアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電気機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、プリント配線板上への電子部品の実装密度向上が要求されてきており、半導体の実装形態はピン挿入タイプからQFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)のような表面実装(パッケージIC)、そしてベアチップ実装へと変遷してきている。更に、ベアチップ実装の中でも一番実装密度の向上が見込まれるフリップチップ(Flip Chip:FC)実装が注目されている。
FC実装とは、ICチップの電極に高さ10〜100μm程度のバンプといわれる半田等で形成される突起を数個から数千個形成し、このバンプを介してICチップの電極と基板の電極を一括接続(ギャングボンディング)させる実装方法で、実装後にアンダーフィル材をICチップと基板の間に流し込んで硬化させることによって完成となる(図2)。
特に、FC実装技術を使用しながらチップをスタックするCoC(Chip on Chip)構造を有するMCP(Multi−Chip Package)では、一般的に下のチップ周辺上より、信号を伝達するためのリード線が基板に向けて張り出されており、このリード線を固定するパッドがチップ上の周辺に設置されると共に、当該チップは軽薄短小が要求される部位に設置されるため、バンプの高さを10μm程度もの狭間隙に設定する必要があり、この狭間隙にアンダーフィル材を流し込んで硬化させなければならない。
従来、このようなアンダーフィル材としては、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材からなる液状エポキシ樹脂組成物が使用されている。また、FC実装の信頼性を高めるために、このようなアンダーフィル材に、多量(例えば40質量%以上)の無機充填材配合し、半導体チップ、基板及びバンプ等とこのアンダーフィル材の硬化物の線膨張係数を一致させる試みがなされている。
しかし、従来の無機充填材は、上記CoC構造を有する狭間隙に対して、粒子径が大きすぎたり、また、その配合量とアンダーフィル材の流動性やその硬化後の線膨張係数とのバランスが取れていないという問題があった。
即ち、フリップチップ実装の半導体装置の封止に際し、基板、素子等の間の隙間侵入性と硬化後のチップクラック防止性の両方をバランス良く併せ持つ半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物が存在していなかった。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、下記のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−249200号公報
【特許文献2】特開2007−224124号公報
【特許文献3】特開2007−224125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、フリップチップ実装の半導体装置の封止に際し、基板、素子等の間の隙間侵入性と硬化後のチップクラック防止性に優れた半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれをアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を行なった結果、(A)液状エポキシ樹脂、(B)特定のシリコーン変性フェノール硬化剤:(A)成分中のエポキシ基に対するフェノール性水酸基の比が0.8〜1.1となる量、(C)平均粒子径が0.1〜1.0μmである無機充填材:(A)、(B)及び(C)成分の合計質量に対して10〜40質量%となる量を含有することを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置が有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
つまり、この組成物は、(C)成分の無機充填材の平均粒子径を適切な範囲にすると共に、その配合量を適切な範囲に抑えることによって、該組成物の流動性を確保し、さらにその硬化後の線膨張係数を低下させるために、(B)成分の特定のシリコーン変性フェノール硬化剤を用いて低弾性化することによって、フリップチップ実装の半導体装置の封止に際し、基板、素子等の間の隙間侵入性と硬化後のチップクラック防止性の両方をバランス良く併せ持つようにしたものである。
【0006】
即ち、本発明は、下記半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれをアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置を提供する。
請求項1:
(A)液状エポキシ樹脂、
(B)下記式(1)で示されるシリコーン変性フェノール硬化剤:(A)成分中のエポキシ基に対するフェノール性水酸基の比が0.8〜1.1となる量、
(C)平均粒子径が0.1〜1.0μmである無機充填材:(A)、(B)及び(C)成分の合計質量に対して10〜40質量%となる量
を含有することを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【化1】

請求項2:
請求項1記載のエポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フリップチップ実装の半導体装置の封止に際し、基板、素子等の間の隙間侵入性と硬化後のチップクラック防止性に優れた半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれをアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る簡易デバイスの概略斜視図である。
【図2】一般的なフィリップチップ実装の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材を必須成分として含有している。
(A)液状エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、一分子あたり2個以上のエポキシ基を持ち、常温で液状のものであればよく、従来から公知のものを全て使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0010】
特に、耐熱性や耐湿性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。この中でも室温(20〜30℃)で液状のエポキシ樹脂が好ましい。
【0011】
また、下記構造のエポキシ樹脂も使用することができる。
【化2】

【0012】
また、エポキシ樹脂には、その合成過程で使用するエピクロルヒドリン由来の塩素が少量含まれるが、エポキシ樹脂における全塩素含有量は、1500ppm以下、好ましくは1000ppm以下である必要がある。特に、100℃で50%エポキシ樹脂濃度における20時間での抽出水塩素が10ppm以下であることが好ましい。全塩素含有量が1500ppm以上、抽出塩素が10ppm以上では半導体素子の信頼性、特に耐湿性に悪影響を与える。
以上述べたエポキシ樹脂は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0013】
(B)シリコーン変性フェノール硬化剤
シリコーン変性フェノール硬化剤は、下記式(1)で示されるもので、両末端にSi−H結合を有する下記式(5)のシリコーンに下記式(4)のジアリル化ビスフェノールを付加反応させて生成される。
【化3】

【0014】
このようなシリコーン変性フェノール硬化剤は、上記式(1)のmの値によって粘度が異なるが、そのようなものを1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
エポキシ樹脂組成物は、室温における適度な流動性が必要であり、このシリコーン変性フェノール硬化剤は、常温(20〜30℃)において液状であるものを使用することが好ましく、常温において固形のものを使用する場合は、常温において液状のものに溶解し、当該硬化剤全体で液状のものとするのが好ましい。
よって、シリコーン鎖長もmの値が10を超えると、高粘度化するため、1〜10の整数と限定される。
【0015】
このような上記式(1)で示される(B)成分の配合は、(A)成分中のエポキシ基に対する(B)成分のフェノール性水酸基の比が0.8〜1.1となる量が好ましく、より好ましくは0.85〜0.95となる量である。0.8未満であると、弾性率が大きくなり内部応力を吸収できずSiのクラック等が発生することがあり、1.1を超えると、未反応OH基が残存し、樹脂骨格が脆くなるため好ましくない。
【0016】
(C)無機充填材
無機充填材は、球状シリカを用いる。
この球状シリカの平均粒子径は、遠心沈降法やレーザー回折法等で測定可能であり、0.1〜1.0μm、より好ましくは0.3〜0.8μmにコントロールすることが必要である。平均粒子径が0.1μm未満であると無機充填材の表面積が増大し、組成物の流動性が低下し、平均粒子径が1.0μmを超えると10μm程度の狭間隙のフリップチップ対する侵入性が低下するため好ましくない。
つまり、アンダーフィル材は毛細管現象を利用して半導体装置の狭間隙に注入されるが、狭間隙中の流動性及び無機充填材の沈降を防止するため、無機充填材は、最大粒子径が該狭間隙寸法に対し1/2以下で、且つ平均粒子径は1/10以下に設計される。この寸法を超えると上述の通り、組成物の流動性を低下させることによるボイドが発生したり、無機充填材沈降により半導体チップ界面付近で充填材の少ない層が形成され、その部分の熱膨張率が大きいことによる信頼性の低下といった問題を生じる。従って、球状シリカの平均粒子径は上記の通り0.1〜1.0μm、好ましくは0.3〜0.8μmであることが好適である。
【0017】
また、無機充填材の含有量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計質量に対して10〜40質量%が好ましく、より好ましくは15〜30質量部である。10質量%未満では、膨張係数が大きくなり、冷熱テストにおいてクラックの発生を誘発させ、40質量%超過では、粘度が高くなり過ぎ、アンダーフィル材としての流動性が低下するため薄膜侵入性の低下をもたらすため好ましくない。
【0018】
無機充填材と上記(A)及び(B)成分等の樹脂との結合強度を強くするため、無機充填材は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。
このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランを用いることが好ましい。
ここで、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
【0019】
(D)その他の添加剤
液状エポキシ樹脂組成物には、(A)及び(B)成分の硬化反応を促進する硬化促進剤を配合することができる。
硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体やトリフェニルフォスフィン等のリン系促進剤をそのまま配合することができるが、組成物の高流動性を維持し、所定の温度で上記硬化反応を促進させることができるよう潜在性を付与させることが好ましく、そのため上記硬化促進剤を(メタ)アクリル系単量体等を用いて重合させたポリマーでマイクロカプセル化したマイクロカプセル型硬化促進剤を配合するのが好ましい。
硬化促進剤の配合量は、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して、1〜10質量部、特に2〜5質量部の範囲で添加することが好適である。添加量が1質量部に満たないと反応性が促進されないことがあり、10質量部を超えると硬化性に優れるが保存性が低下することがあるため好ましくない。
【0020】
また、液状エポキシ樹脂組成物には、その硬化物の応力を低下させる目的で、シリコーンゴム、シリコーンオイル、液状のポリブタジエンゴム等を配合することができる。
【0021】
更に、液状エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、表面処理剤、接着性向上用のシランカップリング剤、カーボンブラック等の顔料、染料、酸化防止剤等を配合することができる。
例えば、表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、テトラエトキシシラン等が挙げられ、その配合によって、無機充填材の表面を疎水化処理し樹脂成分との濡れ性向上に効果を発揮させることができる。
【0022】
液状エポキシ樹脂組成物の調製
液状エポキシ樹脂組成物の調製は、特に限定されるものではなく、従来から公知の方法を用いることできる。
即ち、上記液状エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材及びその他添加剤を、同時に又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、攪拌、溶解、混合又は分散させればよい。
上記攪拌等に用いる装置は、特に限定されないが、攪拌及び加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。これらの装置を適宜組み合わせてもよい。
【0023】
このようにして得られる液状エポキシ樹脂組成物は、該組成物の流動性が高く、その硬化後の引張弾性率が低くなる(従来:3000〜5000MPa、本発明:300〜500MPa)ので、フリップチップ実装の半導体装置の封止に際し、基板、素子等の間の隙間侵入性と硬化後のチップクラック防止性の両方をバランス良く併せ持つものである。
【実施例】
【0024】
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例及び比較例中の粘度は25℃における粘度を示す。
【0025】
[実施例1〜2、比較例1〜4]
液状エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材及びその他添加剤を、表1に基づき配合し均一に混練することにより、各種エポキシ樹脂組成物を得た。このようにして得られた各種エポキシ樹脂組成物を用いて各種評価を行った。得られた結果は表1に併記する。
使用した材料及び評価方法を以下に示す。
【0026】
[使用した材料]
(A)液状エポキシ樹脂
エポキシ樹脂a:ビスフェノール型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、ZX−1059)
エポキシ樹脂b:ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ工業(株)製、HP−4032D)
エポキシ樹脂c:前述式(2)で示される3官能型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート630LSD)
(B)硬化剤
硬化剤a:シリコーン変性フェノール硬化剤 上記式(1)で、m=9
硬化剤b:ジアリルビスフェノール(小西化学製:DAL−BPA)
硬化剤c:メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(新日本理化(株)製、MH−700)
硬化剤d:ジエチルジアミノジフェニルメタン(日本化薬(株)製、カヤハードA−A)
硬化剤c:ジエチルトルエンジアミン(アルベール・コーポレーション(株)製、ETHACURE100)
(C)無機充填材
無機充填材a:平均粒子径0.6μmの球状シリカ((株)アドマテックス製、SE2030−SEE)
無機充填材b:平均粒子径7μmの球状シリカ((株)龍森製、TSS−AH)
(D)その他の添加剤
カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM403)
リン系マイクロカプセル硬化促進剤:日本化薬製、EPCAT−PS5
イミダゾール系マイクロカプセル硬化促進剤:旭化成ケミカルズ、ノバキュアHX−3741)
【0027】
[評価方法]
粘度
粘度は、ブルックフィールド社製コーンプレート測定器にてNo.51のコーンを用い測定した。
侵入時間
侵入時間は、15μmギャップ(幅10mm)を形成した二枚重ねのガラス板をホットプレートの上に載せ、120℃に加熱し、ガラス端部の隙間から侵入させ、その端部から10mmに到達するまでの時間を測定した。なお、ガラス板は、予め600℃で1時間焼成し、アセトンで拭き取ったものを使用した。
引張弾性率
引張弾性率は、各種エポキシ樹脂組成物を表1の硬化条件で硬化させたものをJIS K 7161に基づき測定した。
チップクラックの有無
下記のように簡易デバイスを作製し、その熱衝撃試験によるチップクラックの有無を評価した。
(i)簡易デバイス1の作製
図1に示すように、寸法20mm(l)×20mm(w)×0.2mm(t)のSi板2をその鏡面を上にして、その上に一対の寸法30mm(l)×5mm(w)×70μm(t)の両面テープ(日東製)4を10mmの間隔で設置し、更にその上に寸法10mm(l)×10mm(w)×0.2mm(t)のSi板3をその鏡面を上にして重ね合わせて、70μm(h)×10mm(w)の隙間を有する構造体を作製し、これにその隙間端部から上記エポキシ樹脂組成物を120℃の条件下で侵入させ、表1の硬化条件下で硬化させることにより簡易デバイス1を作製した。
(ii)チップクラックの評価
上記(ii)の簡易デバイス1を、JIS C0025に基づく、−55〜125℃、500サイクルの熱衝撃試験を行い、チップに見立てたSi板2,3のクラックについて評価した。
【0028】
【表1】

【符号の説明】
【0029】
1 簡易デバイス
2、3 Si板
4 両面テープ
5 ICベアチップ
6 アンダーフィル材
7 バンプ
8 プリント基板(FPC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)液状エポキシ樹脂、
(B)下記式(1)で示されるシリコーン変性フェノール硬化剤:(A)成分中のエポキシ基に対するフェノール性水酸基の比が0.8〜1.1となる量、
(C)平均粒子径が0.1〜1.0μmである無機充填材:(A)、(B)及び(C)成分の合計質量に対して10〜40質量%となる量
を含有することを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【化1】

【請求項2】
請求項1記載のエポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いて封止したフリップチップ型半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−209266(P2010−209266A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58995(P2009−58995)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】