説明

半導体素子制御装置

【課題】駆動用半導体素子が意図せずに導通することを防止できる半導体素子制御装置を提供する。
【解決手段】駆動用トランジスタTr11は、一対の直流電源線13、14間に直流モータ12とともに直列に接続される。抵抗素子R13は、直流電源線13と駆動用トランジスタTr11のゲート端子との間に接続される。コンデンサC11および開路用トランジスタTr14の直列回路は、駆動用トランジスタTr11のゲート端子と直流電源線14との間に接続される。駆動制御回路15は、通常状態に設定されると、開路用トランジスタTr14をオンし、制御用トランジスタTr12、Tr13を通じて駆動用トランジスタTr11の導通状態を制御する。駆動制御回路15は、制御用トランジスタTr12、Tr13の双方がオフのとき、開路用トランジスタTr14をオフする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷に対して直列に接続される電圧駆動型の駆動用半導体素子を導通制御する半導体素子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷に対して直列に接続される電圧駆動型の駆動用半導体素子の導通状態を制御することにより、負荷の駆動を制御する負荷駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。図11は、そのような負荷駆動装置の一構成例を示している。図11に示す負荷駆動装置1は、例えば直流モータである負荷2を駆動する。負荷駆動装置1には、一対の直流電源線3、4を介して直流電圧+Bが供給される。直流電源線3、4間には、Pチャネル型パワーMOSFETである駆動用トランジスタTr1および負荷2の直列回路が接続されている(ハイサイド駆動)。ダイオードD1は、還流用であり、負荷2に対して並列に接続されている。
【0003】
直流電源線3、4間には、Pチャネル型MOSFETである制御用トランジスタTr2、抵抗素子R1、R2およびNチャネル型MOSFETである制御用トランジスタTr3の直列回路が接続されている。抵抗素子R1、R2の相互接続点は、駆動用トランジスタTr1のゲートに接続されている。駆動用トランジスタTr1のゲートと、各直流電源線3、4との間には、それぞれ抵抗素子R3、コンデンサC1が接続されている。
【0004】
駆動制御回路5は、図示しない上位制御装置から与えられる制御指令に従い、駆動信号を生成する。駆動制御回路5は、制御用トランジスタTr2、Tr3のゲートに駆動信号を出力し、それらのうちいずれか一方を導通させる。すなわち、制御用トランジスタTr2をオフするとともに制御用トランジスタTr3をオンすれば、駆動用トランジスタTr1がオンして負荷2は通電される。一方、制御用トランジスタTr2をオンするとともに制御用トランジスタTr3をオフすれば、駆動用トランジスタTr1がオフして負荷2に対する通電は停止される。
【0005】
上記したように負荷2の駆動を制御する際、そのスイッチングに伴うノイズが問題となる場合がある。コンデンサC1は、そのようなスイッチングノイズを低減するため、トランジスタTr1のゲートに接続されている。また、抵抗素子R3は、例えばスタンバイ状態など、駆動制御回路5による制御用トランジスタTr2、Tr3の駆動が停止されている間、駆動用トランジスタTr1が意図せずにオンする事態を防止するために設けられている。すなわち、抵抗素子R3は、制御用トランジスタTr2、Tr3がいずれもオフの状態(遮断状態)となった場合に、駆動用トランジスタTr1のゲート電位を直流電源線3の電位に固定する。それにより、駆動用トランジスタTr1のゲート・ソース間電圧VGSがゼロになり、駆動用トランジスタTr1がオフ状態に維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−324794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したような構成の負荷駆動装置1においては、制御用トランジスタTr2、Tr3がいずれもオフのときに直流電源線3、4間の電圧+Bが変動すると、次のような問題が生じるおそれがある。図12は、上記構成の負荷駆動装置1の各部の電圧波形を示している。なお、図12では、制御用トランジスタTr2、Tr3はいずれもオフされている。例えば、図12の時刻t1の時点から電圧+Bが所定の変化率で急峻に上昇すると、駆動用トランジスタTr1のソース電位は、同じ変化率で急峻に上昇する。これに対し、駆動用トランジスタTr1のゲート電位は、抵抗素子R3およびコンデンサC1により構成されるCR回路の時定数に応じた上昇率で緩やかに上昇する。すなわち、トランジスタTr1のゲート電位の上昇が、そのソース電位の上昇に対して遅れる。
【0008】
それら各電位は、やがては同電位になる(時刻t2の時点)ものの、電圧+Bが上昇を開始した直後から一定の期間(時刻t1〜t2の期間)においては、各電位に差が生じる。つまり、駆動用トランジスタTr1のゲート・ソース間電圧VGSが上昇する(この場合、電圧VGSは負方向に変化する)。その際、電圧VGSがゲートしきい値電圧Vthを超える期間には、駆動用トランジスタTr1がオン(導通)してしまう。このように、意図せずに駆動用トランジスタTr1がオンすると、駆動用トランジスタTr1が発熱などにより故障するおそれがある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動用半導体素子が意図せずに導通することを防止できる半導体素子制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の手段によれば、電圧駆動型の駆動用半導体素子、2つの制御用半導体素子、第1抵抗素子、コンデンサ、第1開路用半導体素子および駆動制御回路を備えた半導体素子制御装置である。駆動用半導体素子は、一対の直流電源線間に負荷とともに直列接続される。2つの制御用半導体素子は、一対の直流電源線間に互いに直列に接続される。制御用半導体素子の共通接続点は、駆動用半導体素子の導通制御端子に接続される。第1抵抗素子は、駆動用半導体素子の導通制御端子と、一対の直流電源線のうち駆動用半導体素子側である一方の直流電源線との間に接続される。コンデンサおよび開路用半導体素子は、駆動用半導体素子の導通制御端子と、一対の直流電源線のうち負荷側である他方の直流電源線との間に互いに直列接続される。駆動制御回路は、2つの制御用半導体素子のいずれか一方を択一的に導通状態にすることにより、駆動用半導体素子の導通制御端子の電位を変化させて導通制御する。
【0011】
また、駆動制御回路は、駆動用半導体素子を導通制御する際には第1開路用半導体素子を導通状態にする。これにより、駆動用半導体素子の導通制御端子および他方の直流電源線の間に、コンデンサが接続された状態となる。そのため、駆動用半導体素子を導通制御する際に生じるスイッチングノイズが緩和される。さて、例えば装置に対する電源供給開始直後などにおいては、2つの制御用半導体素子の双方が遮断されていることがあり得る。このようなとき、一対の直流電源線間の電圧が安定していれば、第1抵抗素子により、駆動用半導体素子の導通制御端子の電位は、一方の直流電源線の電位に固定される。これにより、一方の直流電源線の電位を基準とした導通制御端子の電圧はゼロになり、駆動用半導体素子が遮断状態に維持される。しかし、一対の直流電源線間の電圧が変動すると、従来技術において述べたように、導通制御端子の電圧がゼロでない期間が生じてしまい、駆動用半導体素子が意図せずに導通状態になる問題が生じるおそれがある。
【0012】
しかし、本手段では、駆動制御回路は、2つの制御用半導体素子の双方が遮断されている際には、第1開路用半導体素子を遮断状態にする。これにより、駆動用半導体素子の導通制御端子および他方の直流電源線の間から、コンデンサが電気的に切り離された状態になる。従って、一対の直流電源線間の電圧が変動した場合であっても、一方の直流電源線の電位と駆動用半導体素子の導通制御端子の電位とは同様の変化を示す。そのため、本手段によれば、2つの制御用半導体素子の双方が遮断状態のときに一対の直流電源線間の電圧が変動したとしても、導通制御端子の電圧がゼロに維持されるので、駆動用半導体素子が意図せずに導通することを防止できる。
【0013】
請求項2に記載の手段によれば、駆動制御回路は、外部から与えられる指令に応じて、通常状態およびスタンバイ状態のいずれかに設定可能に構成されている。駆動制御回路は、通常状態に設定されると、駆動用半導体素子を前述したように導通制御する。そのため、このような通常状態にあっては、請求項1に記載の手段と同様の作用および効果が得られる。一方、駆動制御回路は、スタンバイ状態に設定されると、2つの制御用半導体素子の双方を遮断状態にするとともに、第1開路用半導体素子を遮断状態にする。そのため、本手段によれば、スタンバイ状態に設定された際、一対の直流電源線間の電圧が変動したとしても、一方の直流電源線の電位と駆動用半導体素子の導通制御端子の電位とは同様の変化を示す。従って、本手段によれば、スタンバイ状態に設定された際において、駆動用半導体素子が意図せず導通することを防止できる。
【0014】
請求項2に記載の手段において、2つの制御用半導体素子の双方が遮断されたまま、スタンバイ状態から通常状態に切り替えられると、駆動用半導体素子の導通制御端子の電位は第1抵抗素子およびコンデンサからなるCR回路の時定数に応じて徐々に上昇する。そのため、上記動作状態の切り替え直後から所定の期間において、導通制御端子と一方の直流電源線との間に電位差が生じ、駆動用半導体素子が導通するおそれがある。このような問題の対策として、請求項3に記載の手段を採用するとよい。
【0015】
すなわち、請求項3に記載の手段によれば、駆動制御回路は、スタンバイ状態から通常状態に切り替えられる際、2つの制御用半導体素子のうち、一方の直流電源線側の素子を導通状態にした後、第1開路用半導体素子を導通状態にする。これにより、導通制御端子と一方の直流電源線との間の電位差がゼロになっている状態で、上記動作状態の切り替えが行われる。従って、本手段によれば、駆動用半導体素子を確実に遮断状態に維持したまま、スタンバイ状態から通常状態に切り替えることができる。
【0016】
請求項4に記載の手段によれば、2つの制御用半導体素子の共通接続点から駆動用半導体素子の導通制御端子への給電経路に設けられた第2抵抗素子を備えている。このような構成によれば、スイッチングノイズを一層低減することができる。
【0017】
さて、第1開路用半導体素子が遮断状態にされると、コンデンサの第1開路用半導体素子側である一方の端子は、どこにも接続されていない状態となる。そのような状態で、第1開路用半導体素子が導通状態に転じると、コンデンサの他方の端子が接続される導通制御端子の電位が変動する。そして、その電位変動により、駆動用半導体素子が意図せずに導通状態になる問題が生じる可能性がある。
【0018】
請求項5に記載の手段によれば、第1開路用半導体素子およびコンデンサの共通接続点と他方の直流電源線との間に接続された第3抵抗素子を備えている。第3抵抗素子の抵抗値は、第1抵抗素子の抵抗値よりも高く設定されている。このような構成によれば、第1開路用半導体素子が遮断状態にされた場合であっても、コンデンサの一方の端子は高い抵抗値を持つ第3抵抗素子を介して他方の直流電源線に接続された状態となる。そのため、その状態で第1開路用半導体素子が導通状態に転じたとしても、コンデンサの他方の端子が接続される導通制御端子の電位変動が抑制される。従って、本手段によれば、第1開路用半導体素子の状態を切り替える際において、駆動用半導体素子が意図せずに導通状態になる問題の発生が防止される。
【0019】
さて、上記各構成において、駆動用半導体素子のリーク電流の測定が行われる場合がある。その場合、例えば、駆動用半導体素子の一方の直流電源線側の端子と導通制御端子との間に所定の電圧を印加することにより、上記各端子間に流れるリーク電流が測定される。その際、上記各構成では、第1抵抗素子を介して駆動用半導体素子の導通制御端子に電流が流れ込む、あるいは、導通制御端子から第1抵抗素子を介して電流が流れ出すため、その電流よりも値が小さいリーク電流の測定を行うことが困難である。このような問題の対策として、請求項6に記載の手段を採用するとよい。
【0020】
すなわち、請求項6に記載の手段によれば、駆動用半導体素子の導通制御端子と一方の直流電源線との間に、第1抵抗素子とともに直列接続された第2開路用半導体素子を備えている。すなわち、駆動用半導体素子の導通制御端子および一方の直流電源線の間に第1抵抗素子が電気的に接続された状態と、それらの間から第1抵抗素子が電気的に切り離された状態とを切り替え可能に構成されている。このような構成によれば、リーク電流を測定する際、導通制御端子および一方の直流電源線の間から第1抵抗素子を電気的に切り離すことができる。従って、リーク電流を測定する際、第1抵抗素子を介して電流が流れることがないので、リーク電流を容易に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、負荷駆動装置の概略構成を示す図
【図2】負荷駆動装置の各部電圧波形および各トランジスタの駆動状態を示す図
【図3】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図4】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図5】本発明の第4の実施形態を示す図1相当図
【図6】本発明の第5の実施形態を示す図1相当図
【図7】本発明の第6の実施形態を示す図1相当図
【図8】図2相当図
【図9】本発明の第7の実施形態を示す図1相当図
【図10】本発明の第8の実施形態を示す図1相当図
【図11】従来技術を示す図1相当図
【図12】負荷駆動装置の各部電圧波形を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、負荷駆動装置の構成を概略的に示している。図1に示す負荷駆動装置11(半導体素子制御装置に相当)は、例えば、車両に搭載されるエアコンディショナに用いられる送風用のブロワモータやクーリングファンモータなどの直流モータ12(負荷に相当)を駆動する。負荷駆動装置11には、車載バッテリ(図示せず)から一対の直流電源線13、14を介して直流電圧+Bが供給される。直流電圧+Bは、定常値としては例えば12V程度であるが、車両の状態に応じて例えば8V〜16V程度の範囲で変動する。
【0023】
直流電源線13、14間には、駆動用トランジスタTr11および直流モータ12が、この順番に直列接続されている。すなわち、負荷駆動装置11は、直流モータ12をハイサイド駆動する構成である。駆動用トランジスタTr11(駆動用半導体素子に相当)は、Pチャネル型のパワーMOSFETである。直流モータ12の各端子間には、ダイオードD11が直流電源線14側をアノードとして接続されている。ダイオードD11は、直流モータ12が断電された際に生じる逆起電力によるサージ電流を還流するために設けられている。
【0024】
直流電源線13、14間には、制御用トランジスタTr12、抵抗素子R11、R12および制御用トランジスタTr13の直列回路が接続されている。制御用トランジスタTr12(制御用半導体素子に相当)は、Pチャネル型のMOSFETである。制御用トランジスタTr13(制御用半導体素子に相当)は、Nチャネル型のMOSFETである。抵抗素子R11、R12は、直流電源線13、14間における貫通電流の低減およびスイッチングノイズの低減などを目的として設けられている。抵抗素子R11、R12の抵抗値は、比較的小さい値(例えば、30Ω)に設定されている。抵抗素子R11、R12の相互接続点は、駆動用トランジスタTr11のゲート端子(導通制御端子に相当)に接続されている。言い換えると、制御用トランジスタTr12、Tr13の各ドレイン端子は、抵抗素子R11、R12をそれぞれ介して、駆動用トランジスタTr11のゲート端子に接続されている。
【0025】
正側の直流電源線13と駆動用トランジスタTr11のゲート端子との間には、抵抗素子R13(第1抵抗素子に相当)が接続されている。駆動用トランジスタTr11のゲート端子と負側の直流電源線14との間には、コンデンサC11および開路用トランジスタTr14(第1開路用半導体素子に相当)が、この順番に直列接続されている。
【0026】
駆動制御回路15は、外部の上位制御装置(図示せず)から与えられる制御指令に従い、制御用トランジスタTr12、Tr13および開路用トランジスタTr14の各ゲート端子に対して駆動信号を与え、それらの駆動を制御する。また、駆動制御回路15は、上位制御装置から与えられる動作状態設定指令に応じて、通常状態およびスタンバイ状態のいずれかの動作状態に設定される。
【0027】
駆動制御回路15は、通常状態に設定されると、開路用トランジスタTr14をオンする(導通状態にする)。これにより、コンデンサC11は、駆動用トランジスタTr11のゲート端子と直流電源線14との間に電気的に接続された状態となる。そして、駆動制御回路15は、制御用トランジスタTr12、Tr13のうち、いずれか一方を択一的に導通状態にすることにより、駆動用トランジスタTr11のゲート端子の電位を変化させて導通制御する。
【0028】
すなわち、制御用トランジスタTr12をオフするとともに制御用トランジスタTr13をオンすれば、駆動用トランジスタTr11のゲート電位はロウレベル(負側の直流電源線14の電位=0V)になる。これにより、ゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthを超えるため、駆動用トランジスタTr11がオンして直流モータ12は通電される。一方、制御用トランジスタTr12をオンするとともに制御用トランジスタTr13をオフすれば、駆動用トランジスタTr11のゲート電位はハイレベル(正側の直流電源線13の電位=+B)になる。これにより、ゲート・ソース間電圧VGSが略ゼロになるため、駆動用トランジスタTr11がオフして直流モータ12に対する通電は停止される。
【0029】
駆動制御回路15は、スタンバイ状態に設定されると、開路用トランジスタTr14をオフする(遮断状態にする)。これにより、コンデンサC11は、駆動用トランジスタTr11のゲート端子と直流電源線14との間から電気的に切り離された状態となる。そして、駆動制御回路15は、制御用トランジスタTr12、Tr13に対する駆動信号の出力を停止する。これにより、制御用トランジスタTr12、Tr13の双方がオフされる。このとき、駆動用トランジスタTr11のゲート電位は、ゲート・ソース間に接続された抵抗素子R13により、ハイレベル(正側の直流電源線13の電位)に固定される。なお、抵抗素子R13の抵抗値は、抵抗素子R11、R12の抵抗値に対し、非常に高い値(例えば、10k〜100kΩ程度)に設定されている(R11≒R12≪R13)。スタンバイ状態においては、このようにして駆動用トランジスタTr11がオフ状態に維持されることにより、負荷駆動装置11における電力消費が低減される。
【0030】
次に、本実施形態の作用および効果について図2も参照して説明する。
図2は、上記構成の負荷駆動装置11における各部の電圧波形および各トランジスタの駆動状態を示している。図2に示すように、負荷駆動装置11に対する電源供給開始以前(図2の時刻t1以前)には、駆動用トランジスタTr11、制御用トランジスタTr12、Tr13および開路用トランジスタTr14はいずれもオフである。この状態において、負荷駆動装置11に対する電源供給が開始されると(図2の時刻t1)、直流電源線13の電位(=電圧+B)、つまり駆動用トランジスタTr11のソース電位は急峻な傾きでもって上昇する。また、駆動用トランジスタTr11のゲート電位も、上記ソース電位と同様の傾きでもって上昇する。そのため、駆動用トランジスタTr11のゲート・ソース間電圧VGSは略ゼロVに維持される。従って、負荷駆動装置11は、装置に対する電源供給が開始される際(電源起動時)において、駆動用トランジスタTr11が意図せずにオンすることはない。
【0031】
駆動制御回路15は、電源起動後、所定期間はスタンバイ状態に設定される(図2の時刻t1〜t2)。すなわち、各トランジスタTr11、Tr12、Tr13、Tr14はいずれもオフ状態に維持される。そして、図2の時刻t2の時点において、スタンバイ状態が解除される。スタンバイ状態から通常状態への移行期間(図2の時刻t2〜t4)では、最初に制御用トランジスタTr12がオンされ(図2の時刻t2〜t3)、その後、開路用トランジスタTr14がオンされる(図2の時刻t3〜t4)。これにより、コンデンサC11は、抵抗素子R13に比べて低い抵抗値を持つ抵抗素子R11を通じて直流電源線13、14から充電される。従って、コンデンサC11の端子電圧、つまり駆動用トランジスタTr11のゲート電圧は比較的急峻に直流電圧+Bまで上昇する。このようにして、駆動制御回路15が通常状態に設定される(図2の時刻t4)。駆動制御回路15は、通常状態に設定されると、制御用トランジスタTr12、Tr13を通じて駆動用トランジスタTr11をPWM駆動する(図2の時刻t4〜t5)。
【0032】
そして、図2の時刻t5の時点において、通常状態が解除される。通常状態からスタンバイ状態への移行期間(図2の時刻t5〜t7)では、最初に制御用トランジスタTr12がオンされた状態のまま開路用トランジスタTr14がオフされ(図2の時刻t5〜t6)、その後、制御用トランジスタTr12がオフされる(図2の時刻t6〜t7)。これにより、駆動制御回路15は、スタンバイ状態に設定される(図2の時刻t7)。
【0033】
続いて、駆動制御回路15がスタンバイ状態に設定されている際、電圧+Bが変動した場合を想定する。例えば、図2の時刻t8の時点において電圧+Bが変動すると、直流電源線13の電位(=電圧+B)、つまり駆動用トランジスタTr11のソース電位は急峻な傾きでもって上昇する。また、駆動用トランジスタTr11のゲート電位も、上記ソース電位と同様の傾きでもって上昇する。そのため、駆動用トランジスタTr11のゲート・ソース間電圧VGSは略ゼロVに維持される。従って、負荷駆動装置11は、駆動制御回路15がスタンバイ状態に設定されている際に電圧+Bが変動したとしても、駆動用トランジスタTr11が意図せずにオンすることはない。
【0034】
このように、上記構成の負荷駆動装置11は、電源起動時や、スタンバイ状態で電圧+Bが変動したときなどにおいて、駆動用トランジスタTr11が意図せずオンする不具合は生じない。なお、上記した駆動トランジスタTr11が意図せずオンする状態としては、比較的高いオン抵抗を有したオン状態である、いわゆるハーフオン状態も含む。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の駆動制御回路15は、通常状態に設定されると、開路用トランジスタTr14をオンする。これにより、駆動用トランジスタTr11のゲート端子と直流電源線14との間に、コンデンサC11が電気的に接続された状態になる。そのため、駆動用トランジスタTr11を導通制御(スイッチング制御)する際、ゲート電位の変化が緩やかになる。すなわち、直流モータ12に流れる電流(駆動用トランジスタTr11のドレイン電流)の変化が緩やかになる。従って、駆動用トランジスタTr11を導通制御する際に生じるスイッチングノイズが緩和される。
【0036】
また、駆動制御回路15は、電源起動時やスタンバイ状態に設定されているときなど、制御用トランジスタTr12、Tr13の双方がオフされる際には、開路用トランジスタTr14をオフする。これにより、駆動用トランジスタTr11のゲート端子と直流電源線14との間から、コンデンサC11が電気的に切り離された状態になる。このような状態において直流電圧+Bが変動すると、駆動用トランジスタTr11のソース電位およびゲート電位が互いに同様の変化を示す。そのため、本実施形態によれば、制御用トランジスタTr12、Tr13の双方がオフしているときに直流電圧+Bが変動したとしても、駆動用トランジスタTr11のゲート・ソース間電圧VGSが略ゼロVに維持されるので、駆動用トランジスタTr11が意図せずにオンすることを防止できる。
【0037】
駆動制御回路15は、スタンバイ状態から通常状態への移行期間にあっては、正側の直流電源線13側の制御用トランジスタTr12をオンにした後、開路用トランジスタTr14をオンする。これにより、駆動用トランジスタTr11のゲート・ソース間電圧VGSが略ゼロVになっている状態で、スタンバイ状態から通常状態への切り替えが行われる。従って、本実施形態によれば、スタンバイ状態から通常状態への切り替え時、駆動用トランジスタTr11が確実にオフ状態に維持されるため、駆動用トランジスタTr11が意図せずにオンすることを防止できる。
【0038】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図3を参照しながら上記実施形態と異なる点を主体に説明する。
図3は、本実施形態の負荷駆動装置の構成を概略的に示すものであり、第1の実施形態における図1に相当する。図3に示す負荷駆動装置21は、図1に示した負荷駆動装置11に対し、開路用トランジスタTr21を備えている点が異なる。開路用トランジスタTr21(第2開路用半導体素子に相当)は、Pチャネル型のMOSFETである。直流電源線13と駆動用トランジスタTr11のゲート端子との間には、開路用トランジスタTr21および抵抗素子R13が、この順番に直列接続されている。なお、開路用トランジスタTr21および抵抗素子R13の接続位置は入れ替え可能である。開路用トランジスタTr21の導通状態は、駆動制御回路15により制御される。
【0039】
さて、上記した構成の負荷駆動装置11、21において、駆動用トランジスタTr11のリーク電流の測定が行われることがある。その場合、例えば、駆動用トランジスタTr11のソース端子とゲート端子との間に所定の電圧を印加することにより、それら端子間に流れるリーク電流が測定される。その際、例えば、第1の実施形態の負荷駆動装置11においては、抵抗素子R13を介して電流が流れてしまうため、その電流よりも値が小さいリーク電流の測定を行うことが困難である。
【0040】
これに対し、本実施形態の負荷駆動装置21は、開路用トランジスタTr21のオンオフ状態に応じて、直流電源線13と駆動用トランジスタTr11のゲート端子との間に抵抗素子R13が電気的に接続された状態と、それらの間から抵抗素子R13が電気的に切り離された状態とを切り替え可能な構成となっている。このような構成によれば、リーク電流を測定する際、直流電源線13と駆動用トランジスタTr11のゲート端子との間から抵抗素子R13を電気的に切り離せば、抵抗素子R13を通じて電流が流れることがなくなるため、リーク電流を容易に精度よく測定することが可能となる。
【0041】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図4を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図4は、本実施形態の負荷駆動装置の構成を概略的に示すものであり、第1の実施形態における図1に相当する。図4に示す負荷駆動装置31において、駆動用トランジスタTr11のゲート端子と負側の直流電源線14との間には、開路用トランジスタTr14およびコンデンサC11が、この順番に直列接続されている。すなわち、図4に示す負荷駆動装置31は、図1に示した負荷駆動装置11に対し、コンデンサC11および開路用トランジスタTr14の接続位置が変更されている点が異なる。
【0042】
このように、コンデンサC11および開路用トランジスタTr14の接続位置を入れ替えた本実施形態の負荷駆動装置31によっても、駆動制御回路15が通常状態のときに開路用トランジスタTr14をオンするとともに、制御用トランジスタTr12、Tr13の双方がオフのときに開路用トランジスタTr14をオフすることにより、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0043】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図5を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図5は、本実施形態の負荷駆動装置の構成を概略的に示すものであり、第1の実施形態における図1に相当する。図5に示す負荷駆動装置41は、図1に示した負荷駆動装置11に対し、抵抗素子R41、R42を備えている点が異なる。
【0044】
抵抗素子R41は、抵抗素子R11、R12の相互接続点と、抵抗素子R13およびコンデンサC11の相互接続点との間に直列に介在するように設けられている。抵抗素子R42は、抵抗素子R13およびコンデンサC11の相互接続点と、駆動用トランジスタTr11のゲート端子との間に直列に介在するように設けられている。すなわち、抵抗素子R41、R42(第2の抵抗素子に相当)は、制御用トランジスタTr12、Tr13の各ドレイン端子から駆動用トランジスタTr11のゲート端子への給電経路に設けられている。
【0045】
上記した本実施形態の負荷駆動装置41によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、本実施形態の負荷駆動装置41は、制御用トランジスタTr12、Tr13の各ドレイン端子から駆動用トランジスタTr11のゲート端子への給電経路に設けられた抵抗素子R41、R42を備えている。そのため、本実施形態の構成によれば、第1の実施形態の構成に比べ、駆動用トランジスタTr11を導通制御する際におけるゲート電位の変化がさらに緩やかになるため、一層スイッチングノイズを低減することができる。
【0046】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図6を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図6は、本実施形態の負荷駆動装置の構成を概略的に示すものであり、第1の実施形態における図1に相当する。図6に示す負荷駆動装置51は、図1に示した負荷駆動装置11に対し、開路用トランジスタTr51を備えている点が異なる。開路用トランジスタTr51(第1開路用半導体素子に相当)は、Nチャネル型のMOSFETである。開路用トランジスタTr51は、駆動用トランジスタTr11のゲート端子とコンデンサC11との間に介在するように設けられている。
【0047】
開路用トランジスタTr51の導通状態は、駆動制御回路15により制御される。駆動制御回路15は、開路用トランジスタTr14をオフする際には開路用トランジスタTr51もオフする。また、駆動制御回路15は、開路用トランジスタTr14をオンする際には開路用トランジスタTr51もオンする。すなわち、開路用トランジスタTr14、Tr51は、同時にオンまたはオフされる。
【0048】
このように、2つの開路用トランジスタTr14、Tr51を備えた本実施形態の負荷駆動装置51によっても、駆動制御回路15が通常状態のときに開路用トランジスタTr14、Tr51の双方をオンするとともに、制御用トランジスタTr12、Tr13の双方がオフのときに開路用トランジスタTr14、Tr51の双方をオフすることにより、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0049】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について図7および図8を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図7は、本実施形態の負荷駆動装置の構成を概略的に示すものであり、第1の実施形態における図1に相当する。また、図8は、各部の電圧波形および各トランジスタの動作状態を示すものであり、第1の実施形態の図2に相当する。図7に示す負荷駆動装置61は、図1に示した負荷駆動装置11に対し、抵抗素子R61を備えている点が異なる。抵抗素子R61(第3抵抗素子に相当)は、開路用トランジスタTr14のドレイン・ソース間に接続されている。すなわち、抵抗素子R61は、コンデンサC11および開路用トランジスタTr14の共通接続点と直流電源線14との間に接続されている。抵抗素子R61の抵抗値は、抵抗素子R13の抵抗値に対し、非常に高い値(例えば、1MΩ)に設定されている(R13≪R61)。
【0050】
さて、第1の実施形態の負荷駆動装置11において、開路用トランジスタTr14がオフされると、コンデンサC11の一方の端子(開路用トランジスタTr14との共通接続点側の端子)は、オープン状態(どこにも接続されていない状態)になる(図2の時刻t2〜t3)。そのような状態で、開路用トランジスタTr14がオンに転じると、コンデンサC11の他方の端子が接続される駆動用トランジスタTr11のゲート電位が変動する(図2の時刻t3)。そのようなゲート電位の変動により、仮に、ゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthを超えた場合、駆動用トランジスタTr11が意図せずにオンする問題が生じてしまう。
【0051】
これに対し、本実施形態の負荷駆動装置61は、開路用トランジスタTr14のドレイン・ソース間に接続され、抵抗素子R13に比べて非常に高い抵抗値を有する抵抗素子R61を備えている。このような構成によれば、開路用トランジスタTr14がオフされたとき、コンデンサC11の一方の端子は、非常に高い抵抗値を持つ抵抗素子R61を通じて直流電源線14に接続された状態となる。そのため、そのような状態で、開路用トランジスタTr14がオンに転じたとしても、コンデンサC11の他方の端子が接続される駆動用トランジスタTr11のゲート電位は変動しない(図8の時刻t3)。従って、本実施形態によれば、開路用トランジスタTr14の導通状態が切り替えられる際、駆動用トランジスタTr11が意図せずにオンする問題の発生が未然に防止される。
【0052】
なお、上記構成では、電源起動時(図8の時刻t1)、駆動用トランジスタTr11のゲート電位は、抵抗素子R13、R61およびコンデンサC11からなるCR回路の時定数に応じた変化を示す。ただし、抵抗素子R61の抵抗値を非常に高い値(例えば1MΩ)としているため、そのゲート電位の変化は、急峻なソース電位の変化とほとんど差がない。従って、ゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthを超えることはなく、駆動用トランジスタTr11がオンすることはない。また、スタンバイ状態において直流電圧+Bが変動した場合(図8の時刻t8)についても、上記電源起動時と同様に、駆動用トランジスタTr11がオンすることはない。
【0053】
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態について図9を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図9は、本実施形態の負荷駆動装置の構成を概略的に示すものであり、第1の実施形態における図1に相当する。図9に示す負荷駆動装置71は、図1に示した負荷駆動装置11に対し、制御用トランジスタTr12、Tr13に代えて制御用トランジスタTr71、Tr72を備えている点と、開路用トランジスタTr14に代えて開路用トランジスタTr73を備えている点が異なる。制御用トランジスタTr71(制御用半導体素子に相当)は、PNP形のバイポーラトランジスタである。制御用トランジスタTr72(制御用半導体素子に相当)は、NPN形のバイポーラトランジスタである。開路用トランジスタTr73(第1開路用半導体素子に相当)は、NPN形のバイポーラトランジスタである。
【0054】
このように、いずれもバイポーラ形トランジスタである制御用トランジスタTr71、Tr72および開路用トランジスタTr73を備えた本実施形態の負荷駆動装置71によっても、駆動制御回路15が通常状態のときに開路用トランジスタTr73をオンするとともに、制御用トランジスタTr71、Tr72の双方がオフのときに開路用トランジスタTr73をオフすることにより、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0055】
(第8の実施形態)
以下、本発明の第8の実施形態について図10を参照しながら上記各実施形態と異なる点を主体に説明する。
図10は、本実施形態の負荷駆動装置の構成を概略的に示すものであり、第1の実施形態における図1に相当する。図10に示す負荷駆動装置81において、直流電源線13、14間には、直流モータ12および駆動用トランジスタTr81が、この順番に直列接続されている。すなわち、負荷駆動装置81は、直流モータ12をロウサイド駆動する構成である。駆動用トランジスタTr81(駆動用半導体素子に相当)は、Nチャネル型のパワーMOSFETである。すなわち、図10に示す負荷駆動装置81は、図1に示した負荷駆動装置11に対し、負荷である直流モータ12の駆動方式が異なる。
【0056】
上記変更に伴い、直流電源線13と駆動用トランジスタTr81のゲート端子との間には、開路用トランジスタTr82およびコンデンサC11が、この順番に直列接続されている。なお、開路用トランジスタTr82およびコンデンサC11の接続位置は入れ替え可能である。開路用トランジスタTr82(第1開路用半導体素子に相当)は、Pチャネル型のMOSFETである。また、駆動用トランジスタTr81のゲート端子と負側の直流電源線14との間には、抵抗素子R13が接続されている。
【0057】
このように、負荷である直流モータ12をロウサイド駆動する本実施形態の負荷駆動装置81によっても、駆動制御回路15が通常状態のときに開路用トランジスタTr82をオンするとともに、制御用トランジスタTr12、Tr13の双方がオフのときに開路用トランジスタTr82をオフすることにより、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0058】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
本発明の半導体素子制御装置は、車両に搭載される負荷を駆動する負荷駆動装置に限らず、負荷に対して直列に接続される電圧駆動型の駆動用半導体素子を導通制御する構成全般に適用することができる。
【0059】
駆動用トランジスタTr11、Tr81として、例えばIGBTなど、他の電圧駆動型の半導体素子を用いてもよい。
制御用トランジスタTr12(または、制御用トランジスタTr71)および抵抗素子R11の接続位置は入れ替え可能である。また、制御用トランジスタTr13(または、制御用トランジスタTr72)および抵抗素子R12の接続位置は入れ替え可能である。さらに、抵抗素子R11、R12は、省略することも可能である。その場合、制御用トランジスタTr12、Tr13の各ドレイン端子(または、制御用トランジスタTr71、Tr72の各コレクタ端子)の共通接続点が、駆動用トランジスタTr11のゲート端子に直接接続されることになる。
【0060】
第2〜第8の実施形態の特徴的な構成を互いに組み合わせてもよい。例えば、第2〜第7の実施形態のいずれの構成についても、負荷をロウサイド駆動する構成に変更可能である。また、第2〜第6の実施形態および第8の実施形態のいずれの構成についても、制御用トランジスタ(制御用半導体素子)および開路用トランジスタ(第1、第2開路用半導体素子)をバイポーラトランジスタに変更可能である。また、第2〜第5の実施形態、第7の実施形態および第8の実施形態のいずれの構成についても、抵抗素子R61に相当する構成(第3抵抗素子)をさらに備えてもよい。また、第2〜第4の実施形態および第6〜第7の実施形態のいずれの構成についても、開路用トランジスタTr51に相当する構成(第1開路用半導体素子)をさらに備えてもよい。また、第2の実施形態、第3の実施形態および第5〜第8の実施形態のいずれの構成についても、抵抗素子R41、R42に相当する構成(第2抵抗素子)をさらに備えてもよい。また、第2の実施形態および第4〜第8の実施形態のいずれの構成についても、コンデンサC11および開路用トランジスタ(第1開路用半導体素子)の接続位置を入れ替えてもよい。また、第3〜第8の実施形態のいずれの構成についても、開路用トランジスタTr21に相当する構成(第2開路用半導体素子)をさらに備えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
図面中、11、21、31、41、51、61、71、81は負荷駆動装置(半導体素子制御装置)、12は直流モータ(負荷)、13、14は直流電源線、15は駆動制御回路、C11はコンデンサ、R13は抵抗素子(第1抵抗素子)、R41、R42は抵抗素子(第2抵抗素子)、R61は抵抗素子(第3抵抗素子)、Tr11、Tr81は駆動用トランジスタ(駆動用半導体素子)、Tr12、Tr13、Tr71、Tr72は制御用トランジスタ(制御用半導体素子)、Tr14、Tr51、Tr73、Tr82は開路用トランジスタ(第1開路用半導体素子)、Tr21は開路用トランジスタ(第2開路用半導体素子)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の直流電源線間に負荷とともに直列に接続される電圧駆動型の駆動用半導体素子と、
前記一対の直流電源線間に互いに直列接続され、双方の共通接続点が前記駆動用半導体素子の導通制御端子に接続される2つの制御用半導体素子と、
前記駆動用半導体素子の導通制御端子と前記一対の直流電源線のうち前記駆動用半導体素子側である一方の直流電源船との間に接続される第1抵抗素子と、
前記駆動用半導体素子の導通制御端子と前記直流電源線のうち前記負荷側である他方の直流電源線との間に、互いに直列接続されるコンデンサおよび第1開路用半導体素子と、
前記2つの制御用半導体素子のいずれか一方を択一的に導通状態にすることにより、前記駆動用半導体素子の導通制御端子の電位を変化させて導通制御する駆動制御回路と、
を備え、
前記駆動制御回路は、前記駆動用半導体素子を導通制御する際には前記第1開路用半導体素子を導通状態にし、前記2つの制御用半導体素子の双方が遮断されている際には、前記第1開路用半導体素子を遮断状態にすることを特徴とする半導体素子制御装置。
【請求項2】
前記駆動制御回路は、
外部から与えられる指令に応じて、前記駆動用半導体素子を導通制御する通常状態および前記駆動用半導体素子を遮断状態に維持して電力消費を低減するスタンバイ状態のいずれかに設定可能に構成され、
前記スタンバイ状態に設定されると、前記2つの制御用半導体素子の双方を遮断状態にするとともに、前記第1開路用半導体素子を遮断状態にすることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子制御装置。
【請求項3】
前記駆動制御回路は、
前記スタンバイ状態から前記通常状態に切り替えられる際、
前記2つの制御用半導体素子のうち、前記一方の直流電源線側の素子を導通状態にした後、前記第1開路用半導体素子を導通状態にすることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子制御装置。
【請求項4】
前記2つの制御用半導体素子の共通接続点から前記駆動用半導体素子の導通制御端子への給電経路に設けられた第2抵抗素子を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体素子制御装置。
【請求項5】
前記第1開路用半導体素子および前記コンデンサの共通接続点と前記他方の直流電源線との間に接続され、前記第1抵抗素子よりも高い抵抗値を持つ第3抵抗素子を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体素子制御装置。
【請求項6】
前記駆動用半導体素子の導通制御端子と前記一方の直流電源線との間に、前記第1抵抗素子とともに直列接続された第2開路用半導体素子を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体素子制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−9244(P2013−9244A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141746(P2011−141746)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】