説明

半導体装置、電気ヒューズの切断方法、および電気ヒューズの判定方法

【課題】電気ヒューズの判定精度を高める。
【解決手段】半導体装置100は、半導体基板(不図示)上に形成され、第1の導電体102および第1の導電体102と電気的に分離された第2の導電体108を含む電気ヒューズ101とを含む。電気ヒューズ101の切断処理後状態において、第1の導電体102は、第2の導電体108と電気的に分離される第1部分105aと、第1の導電体102を構成する材料が外方に流出して第2の導電体108と電気的に接続される流出部114を含む第2部分105bとに切断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置、電気ヒューズの切断方法、および電気ヒューズの判定方法に関し、とくに電気ヒューズを含む半導体装置、電気ヒューズの切断方法、および電気ヒューズの判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置にヒューズを搭載しておき、ヒューズを切断することにより半導体装置で使用する抵抗の値を調整したり、不良素子を切り離して正常素子に置き換える等の処理を行う技術が知られている。
【0003】
ヒューズの切断方法としては、ヒューズの一部にレーザを照射することによりヒューズを切断する方式や、ヒューズを電流により切断する方式が知られている。
【0004】
特許文献1(特開2005−57186号公報)には、ヒューズを構成する材料がエレクトロマイグレーションにより移動する現象を用いて切断される電気ヒューズが記載されている。ここで、電気ヒューズの被切断部分をプレートで囲むことにより、電気ヒューズに電流を流したときに被切断部分で発生する熱を閉じこめたり蓄積したりするようにして切断を促進する構成が記載されている。
【0005】
特許文献2(特開2004−103610号公報)には、半導体集積回路にあらかじめ用意された調整用回路の接続をオン/オフ選択しながら調整を行うトリミングパターン(電気ヒューズ)が記載されている。図10は、特許文献2に記載されたトリミングパターンの概略平面図である。トリミングパターンは、電圧を印加するための2つのパッド部11、12と2つのパッド部11、12をつなぐ細線部10と、細線部10と接触してない両側にあって、調整用回路と半導体集積回路とにつながる2つの接続部13、14を含む。このようなトリミングパターンを用いて、パッド部11、12間に電圧を印加して電流を流して、細線部10を溶融切断させてパッドにつながる調整用回路をオフさせるのではなく、溶融した細線部10のメタルが接続部13、14に接続することにより、接続部13、14につながる調整用回路をオンする方法でトリミングを行っている。細線部10を溶融切断させるよりも、近傍の接続部13、14に溶融メタルを接触させる方が簡単に起こりえるので、トリミングを容易に、また短時間に行うことができる、とされている。
【特許文献1】特開2005−57186号公報
【特許文献2】特開2004−103610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の従来技術には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載されたような構成の電気ヒューズが切断されると、被切断部分が高抵抗になり、電気ヒューズに流れる電流の電流値が低くなる。従来、電気ヒューズが切断されたか否かは、電気ヒューズの一端に所定の電位を付与した後、電位が保たれるかまたは保たれないかで判定を行っていた。図11に従来の電気ヒューズおよび判定回路の構成を示す。
【0007】
電気ヒューズ1001aは、導電体1002aおよびその両端に設けられた端子1004aおよび端子1006aを含む。電気ヒューズ1001aの端子1006aは、判定回路1010aに接続されている。また、電気ヒューズ1001aの端子1004aは、他の電気ヒューズ1001bの端子1004bと共通に共通配線1020に接続されている。電気ヒューズ1001bも電気ヒューズ1001aと同様の構成を有する。
【0008】
次に、電気ヒューズが切断されたか否かの判定方法を説明する。ここで、電気ヒューズ1001aは充分に切断された状態、電気ヒューズ1001bは切断が不充分な状態とする。電気ヒューズ1001aが切断されたか否かを判定する際には、共通配線1020を接地するとともに、判定回路1010aから端子1006aに所定の電位を付与して、電気ヒューズ1001aの端子1006aの電位を検知する。電気ヒューズ1001aが切断されていなければ、共通配線1020が接地されているので、端子1006aおよび端子1004a間に電流が流れ、端子1006aの電位は保たれない。一方、電気ヒューズ1001aが切断されていると、端子1006aおよび端子1004a間に電流が流れないので、端子1006aの電位は保たれ、判定回路1010aがチャージを検出する。これにより、電気ヒューズ1001aが切断されたと正しく判定される。
【0009】
しかし、たとえば電気ヒューズ1001bのように、切断処理を施したにもかかわらず切断が不完全だと、端子1006bおよび端子1004b間に電流が流れてしまい、端子1006bの電位は保たれずに、切断されていないと判定されるような誤判定が生じるという問題があった。
【0010】
このような誤判定を防ぐために、判定回路から端子に付与する電位を高くすることが考えられる。しかし、このようにすると、新たな問題が生じる。通常、面積省略のため、半導体装置に含まれる複数の電気ヒューズは共通配線に接続された構成となっている。図12は、3つの電気ヒューズ(電気ヒューズ1001a、電気ヒューズ1001b、および電気ヒューズ1001c)が共通配線1020で接続された構成を示す。いずれかの電気ヒューズを切断する際には、共通配線1020に電源電圧を付与するとともに、切断する電気ヒューズを選択して電源電圧が付与された側とは逆側を接地してその電気ヒューズに電流を流す。また、電気ヒューズが切断されたか否かを判定する際には、共通配線1020を接地するとともに、各判定回路から端子に所定の電位を付与して、電気ヒューズに流れる電流を検出して判定する。このとき、切断されていない電気ヒューズから共通配線1020に電流が流れ込むが、各判定回路が各端子に付与する電位が高くなると、多数の電気ヒューズから流れ込む電流量が多くなり、共通配線1020の電位が浮いてしまう。そのため、電気ヒューズが切断されていないにも関わらず切断されたと判定されるような誤判定が生じてしまう。
【0011】
また、特許文献2に記載の技術では、トリミングパターンの細線部10を溶融切断させるかわりに、細線部10近傍の接続部13、14に溶融メタルを接触させることにより、電気ヒューズの切断の有無を判定している。しかし、トリミングパターンに電流を流した際に、細線部10が切断されていないと、以下のような問題が生じる。
【0012】
図13は、特許文献2に記載されたのと同様の電気ヒューズ(トリミングパターン)を複数(A、B、C)配置した構成を示す。通常、半導体基板上には複数の電気ヒューズが並置される。また、電気ヒューズ設置のための面積増加を抑えるために、各電気ヒューズは共通配線に接続される。ここでは、パッド部11が共通配線で接続された例を示す。電気ヒューズに電圧を印加して細線部10を溶融させる際、共通配線に電圧を印加するとともに溶融対象の電気ヒューズのパッド部12を選択的に接地する等して細線部10に電流を流す。これにより、細線部10が溶融される。
【0013】
ここで、たとえば電気ヒューズAおよび電気ヒューズCにおいて、細線部10の溶融メタル20が接続部13、14に接触している(図13(a))。このような構成において、電気ヒューズAの判定を行うために接続部13を接地するとともに接続部14に電位を付与する。このとき、細線部10とパッド部11との間が切断されていないと、電気ヒューズAのパッド部11から共通配線を介して電流が流れ、電気ヒューズCのパッド部11を介して電気ヒューズCのパッド部14に電圧が伝わってしまう(図13(b))。このような意図しない 伝達経路が生じると、 判定回路から付与した電位が共通配線の電位を浮かせてしまい、正しい判定ができなくなる。
【0014】
さらに、特許文献2に記載の構成では、2つの接続部13、14を設ける必要があり、トリミングパターン形成のために必要な面積が増大するという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズと、
を含み、
前記電気ヒューズの切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される半導体装置が提供される。ここで、第1の導電体に所定の電流を流すことにより電気ヒューズへの切断処理を行うことができる。
【0016】
本発明によれば、
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズの切断方法であって、
前記第1の導電体に所定の電流を流し、当該第1の導電体を構成する材料を外方に流出させて前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を形成し、当該第1の導電体を前記第2の導電体と電気的に分離された第1部分と前記流出部を含む第2部分とに切断する工程を含む電気ヒューズの切断方法が提供される。
【0017】
このような構成により、電気ヒューズを、切断処理の前後において、第1の導電体の第2部分が、第1の導電体の第1部分および第2の導電体のいずれか一方と電気的に接続されるとともに、いずれか他方と電気的に切断されるスイッチ素子のように機能させることができる。これにより、種々の形態で電気ヒューズの切断状態を判定することができる。たとえば、第1の導電体の第1の部分と第2の部分との電気的接続状態を検出することにより電気ヒューズに切断処理が施されたか否かを検出することもでき、また、第1の導電体の第2部分と第2の導電体との電気的接続状態を検出することにより電気ヒューズに切断処理が施されたか否かを検出することもできる。
【0018】
本発明の電気ヒューズは、切断処理が施されると、「流出部」が形成される。ここで、「外方」とは、切断処理前状態において第1の導電体が形成されていた領域の外方とすることができる。たとえば、第1の導電体は、絶縁膜中に形成された配線溝内に埋め込まれた配線とすることができる。この場合、「外方」は、当該配線が形成されていた配線溝外とすることができる。第1の導電体にこのような流出部が形成されることにより、第1の導電体を第1部分と第2部分とに確実に切断することができ、また切断箇所を大きく形成することができる。また、流出部とは異なる箇所に切断箇所が設けられるため、切断された電気ヒューズが再接続される可能性を大幅に低減することもできる。
【0019】
本発明の半導体装置は、前記第1の導電体の前記第1部分を接地した状態で前記第2部分に所定の第1電位を与えて前記第2部分における電位の高低を検出し、前記第2部分における電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する判定部と、前記第2の導電体に所定の第2電位を与える電位付与部と、をさらに含むことができる。
【0020】
本発明によれば、
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、前記第2の導電体に所定の電位を与えた状態で、前記第1の導電体の前記第1部分を接地するとともに、前記第2部分に所定の電位を与えて当該第2部分における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法が提供される。
【0021】
このような構成の判定部または判定方法を用いると、電気ヒューズに切断処理が施されていない場合、第2部分は第1部分と電気的に接続されているため、第1部分を接地した状態で第2部分に所定の電位を与えると、第2部分から第1部分に電流が流れ、第2部分の電位は接地電位となる。一方、電気ヒューズに切断処理が施されている場合、第2部分は第1部分と電気的に接続されていないため、第2部分に所定の電位を与えるとその電位が第2部分に保持される。そのため、第2部分の電位を検出することにより、電気ヒューズの切断状態を判定することができる。
【0022】
ところが、上述したように、第1部分と第2部分との切断が不充分だと、電気ヒューズの切断処理が施されている場合でも、第2部分から第1部分に電流が流れ、第2部分の電位が低くなり、電気ヒューズの切断処理が施されていないと誤判定されるおそれがある。
【0023】
本発明の構成によれば、電気ヒューズに切断処理が施されている場合、第2の導電体は第1の導電体の第2部分と電気的に接続されることになる。このような状態で、第2の導電体にも所定の電位を付与すると、その分の電位が第2部分に保持されることになり、第2部分に保持される電位をかさ上げすることができる。これにより、電気ヒューズの切断処理が施されている場合の誤判定を低減することができる。
【0024】
一方、電気ヒューズに切断処理が施されていない場合、第2の導電体は第1の導電体と電気的に接続されない。そのため、このような構成としても、電気ヒューズに切断処理が施されていないことを検出する際には何の影響も与えない。以上から、本発明の構成によれば、電気ヒューズの判定精度を高めることができる。
【0025】
本発明において、たとえば接地電位を検出した場合、電位が低いと判定することができ、第2部分に与えたのと同程度の電位を検出した場合、電位が高いと判定することができる。また、所定の基準電位を設定しておき、検出電位が所定の基準電位よりも低い場合に電位が低いと判定し、検出電位が所定の基準電位よりも高い場合に電位が低いと判定することもできる。以下の形態についても同様である。
【0026】
本発明の半導体装置は、前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で前記第2の導電体に所定の第3電位を与えて前記第2の導電体における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する判定部をさらに含むことができる。
【0027】
本発明によれば、
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で前記第2の導電体に所定の電位を与えて前記第2の導電体における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法が提供される。
【0028】
このような構成の判定部または判定方法は、従来のアンチヒューズの接続状態を検出するのと同様に行うことができる。上述したように、本発明においては、第1の導電体にこのような流出部が形成されることにより、第1の導電体を第1部分と第2部分とに確実に切断することができ、また切断箇所を大きく形成することができる。そのため、複数の電気ヒューズを共通配線で接続したような場合でも、図13を参照して説明したような意図しない電流経路が生じるおそれを防ぐことができ、判定精度を高めることができる。
【0029】
本発明の半導体装置は、複数の前記電気ヒューズと、前記複数の電気ヒューズにそれぞれ対応して設けられ、前記第1の導電体の前記第1部分を接地した状態で前記第2部分に所定の第1電位を与えて前記第2部分における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する複数の判定部と、前記複数の電気ヒューズの前記第2の導電体を共通に接続する第2の共通配線と、をさらに含むことができる。
【0030】
本発明によれば、
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、複数の前記電気ヒューズの前記2の導電体を共通に電気的に接続するとともに、前記第1の導電体の前記第1部分を接地した状態で前記第2部分に所定の第1電位を与えて前記第2部分における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法が提供される。
【0031】
本発明の構成によれば、電気ヒューズに切断処理が施されている場合、第2の導電体は第1の導電体の第2部分と電気的に接続されることになる。このような状態で、複数の電気ヒューズの第2の導電体を共通配線で接続すると、いずれかの電気ヒューズにおいて切断が不充分で、その電気ヒューズの第2部分の電位が低くなる場合でも、他の電気ヒューズの第2部分に保持された電位によりかさ上げすることができ、電気ヒューズの切断処理が施されたすべての電気ヒューズの第2部分の電位を安定的に高く保つことができる。これにより、電気ヒューズの切断処理が施されている場合の誤判定を低減することができる。
【0032】
一方、電気ヒューズに切断処理が施されていない場合、第2の導電体は第1の導電体と電気的に接続されない。そのため、このような構成としても、電気ヒューズに切断処理が施されていないことを検出する際には何の影響も与えない。以上から、本発明の構成によれば、電気ヒューズの判定精度を高めることができる。
【0033】
本発明の半導体装置は、複数の前記電気ヒューズを含む電気ヒューズ群と、前記複数の電気ヒューズの前記第2の導電体を共通に接続する第2の共通配線と、前記複数の電気ヒューズに共通に設けられ、各前記電気ヒューズの前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で、前記第2の共通配線を介して各前記第2の導電体に所定の第4電位を与えて前記第2の共通配線における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が施されていないと判定する判定部と、をさらに含むことができる。
【0034】
本発明によれば、
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、複数の前記電気ヒューズを一つの電気ヒューズ群として選択してこれらの前記第2の導電体を共通に電気的に接続するとともに、各前記電気ヒューズの前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で、共通に電気的に接続された前記第2の導電体に所定の電位を与えて前記第2の導電体における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法が提供される。
【0035】
このような構成の判定部または判定方法は、アンチヒューズの接続状態を検出するのと同様に行うことができる。このような構成の判定部または判定方法を用いると、複数の電気ヒューズにより構成される電気ヒューズ群の切断状態を1つの判定回路で行うことができ、面積を省略して判定精度を高めることができる。なお、複数のヒューズを直列に接続し判定回路を1つとすることでも 面積を低減して判定精度を高めることができるが、ヒューズが電気ヒューズで構成される場合は、直列に接続された電気ヒューズを個別に切断するために、電流経路を限定するための特別なトランジスタ面積が発生する。それに対して、本発明の構成では複数の電気ヒューズが並列配置された状態で電気ヒューズへの切断処理を行うことができるため、電気ヒューズの切断処理時には、それぞれの電気ヒューズに個別に電圧を印加することができ、特別なトランジスタ等を設けることなく、これらを個別に切断することができる。
【0036】
また、本発明によれば、切断対象の電気ヒューズを選択する工程と、選択対象の電気ヒューズを上記電気ヒューズの切断方法により切断する工程と、を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、電気ヒューズの判定精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1は、本発明の実施の形態における半導体装置の構成を示す模式図である。
半導体装置100は、半導体基板(不図示)上に形成された電気ヒューズ101を含む。電気ヒューズ101は、第1の端子104、第2の端子106、および第3の端子110と、導電体材料により構成されたヒューズリンク120とを含む。ヒューズリンク120は、切断処理前状態において、第1の端子104および第2の端子106に電気的に接続されて第3の端子110と電気的に切断され、切断処理後状態において、第2の端子106および第3の端子110に電気的に接続され、第1の端子104と電気的に切断される。
【0039】
本実施の形態において、ヒューズリンク120は、電気ヒューズ101の切断前状態および切断後状態のいずれにおいても第2の端子106に電気的に接続されるとともに、切断前状態においては第2の端子106と第1の端子104とを電気的に接続し、切断後状態においては第2の端子106と第3の端子110とを電気的に接続するスイッチのように機能する。
【0040】
本発明者は、電気ヒューズの構成や電気ヒューズへの電圧印加方法等を制御することにより、電気ヒューズの切断処理時に、電気ヒューズの一部で電気ヒューズを構成する材料を強制的に外方に流出させ、材料の移動・供給のバランスを崩すことにより、他の部分に大きな切断箇所を形成するという手法を見出した。すなわち、切断処理を行う電気ヒューズに過剰なパワーを印加することにより、電気ヒューズに電流が流れ、導電体材料が加熱されて膨張する。導電体材料が膨張すると、それを取り囲む周囲の被覆膜にクラック等が生じる。さらに導電体材料が膨張することにより、導電体材料が周囲の被覆膜のクラック内に強制的に流出される。その結果、導電体材料の移動・供給のバランスが崩れ、導電体材料が流出した領域とは異なる部分に大きな切断箇所が形成される。以下、この手法による電気ヒューズの切断を、「クラックアシスト型切断」という。
【0041】
このようなクラックアシスト型切断により、電気ヒューズの切断を容易にすることができるとともに、切断状態を良好に保つことができる。また、電気ヒューズの構成を工夫することにより、導電体材料が流出する箇所と導電体材料が切断する箇所とを選択的に設けることができる。本実施の形態において、クラックアシスト型切断を用いて電気ヒューズ101の切断処理を行う。
【0042】
図2は、図1に示した電気ヒューズ101を具体的に示す図である。
図2(a)は、電気ヒューズ101の切断処理前状態を示す。ヒューズリンク120は、第1の端子104と第2の端子106とを電気的に接続する第1の導電体102と、第1の導電体102近傍に設けられ、第1の導電体102と電気的に分離されるとともに第3の端子110と電気的に接続された第2の導電体108とを含む。
【0043】
図2(b)は、電気ヒューズ101の切断処理後状態を示す。切断処理後状態において、第1の導電体102は、第2の導電体108と電気的に分離される第1部分105aと、第1の導電体102を構成する材料が外方に流出して第2の導電体108と電気的に接続される流出部114を含む第2部分105bとに切断される。第1部分105aと第2部分105bとの間には切断部112が形成される。
【0044】
本実施の形態において、第1の導電体102は、第2の端子106に近い箇所で導電体材料の流出が生じて流出部114が形成され、第1の端子104との間に切断部112が形成されるような構成を有する。
【0045】
図3は、第1の導電体102の具体的な構成の一例を示す上面模式図である。図3(a)は、電気ヒューズ101の切断処理前状態、図3(b)は、電気ヒューズ101の切断処理後状態を示す。
【0046】
半導体装置100は、半導体基板(不図示)と、その上に形成された電気ヒューズ101を有する。この例において、第1の導電体102、第1の端子104、および第2の端子106は、同層に形成される。ここで、第1の導電体102は、配線である。以下で説明する配線およびビアは、銅を主成分として含む銅含有金属膜により構成することができる。さらに、配線およびビアは、少なくとも側壁がバリアメタル膜で覆われた構成とすることができる。
【0047】
第1の導電体102は、第1の端子104と接続される部分に、第2の端子106と接続される部分よりも幅が細い細幅配線103aを有する。また、第1の導電体102は、第2の端子106と接続される部分に、配線の折り返し構造103bを有する。折り返し構造103bは、第2の端子106に接続された第1直線部、第1直線部に略平行に配置された第2直線部、第2直線部に略平行に配置された第3直線部、第3直線部に略平行に配置された第4直線部、第1直線部と第2直線部とを接続する第1接続部、第2直線部と第3直線部とを接続する第2接続部、第3直線部と第4直線部とを接続する第3接続部、および第4直線部と細幅配線103aとを接続する第4接続部とを有する。
【0048】
このような構成の第1の導電体102において、第1の端子104と第2の端子106との間に電流を流すと、第1の導電体102を構成する材料が加熱される。このとき、配線幅が広く、配線が折り返された部分で第1の導電体102を構成する材料が加熱されやすくなる。そのため、折り返し構造103b部分で導電体材料が熱膨張しやすくなり、クラックが生じやすくなる。つまり、折り返し構造103b部分が電気ヒューズ101への切断処理を行った場合に流出部114が形成される流出予定領域115aとなる。一方、流出予定領域115aから導電体材料が流出すると、細幅配線103aで導電体材料の供給が追いつかず、切断されやすくなる。そのため、細幅配線103a部分が電気ヒューズ101への切断処理を行った場合に切断部112が形成される切断予定領域113aとなる。
【0049】
また、第1の導電体102の折り返し構造103b近傍には、第2の導電体108が配置される。第2の導電体108は、第1の導電体102と同層に形成された配線109aと、他の層に形成された配線109cと、配線109aを配線109cに接続するビア109bとを含む。配線109cと第3の端子110とは同層に形成される。配線109aは、切断処理前状態において、第1の導電体102と電気的に切断されるとともに、切断処理後状態において、第1の導電体102の流出部114と接する位置に配置される。
【0050】
また、半導体装置100は、電気ヒューズ101の上方、下方および側方を、カバー部材404により覆った構成を有する。カバー部材404は、ビア402、電極400、および図示しないプレートにより構成される。電極400は、電気ヒューズ101の第1の導電体102と同層に形成されたパッド電極とすることができる。また、ビア402は、電極400の上層および下層に形成され、さらにその上層および下層に形成されたプレート(不図示)と電極400を互いに接続する。ビア402は、スリットビアとすることができ、ビア402と電極400とで、電気ヒューズ101の周囲を壁状に覆う構成とすることができる。これにより、第1の端子104と第2の端子106との間に電流を流したときに、第1の導電体102に発生する熱をカバー部材404により反射させてカバー部材404内部に閉じ込めることができ、電気ヒューズ101において、流出部114および切断部112が形成されやすいようにすることができる。また、第1の導電体102が切断されるときに、第1の導電体102の構成材料が周囲に飛散するのをカバー部材404によりブロックすることができる。これにより、第1の導電体102の構成材料の飛散物が他の素子に達しないようにすることができる。
【0051】
以上の構成において、細幅配線103aは第1部分105aに対応し、折り返し構造103bは第2部分105bに対応する。このような構成の電気ヒューズ101を用いることにより、第1の導電体102が切断されたときに、第2の導電体108と電気的に接続される第2部分105bと第2の導電体108と電気的に分離される第1部分105aとを選択的に配置することができる。これにより、第1の端子104、第2の端子106、および第3の端子110の3つの端子を用いて、種々の形態で電気ヒューズの切断状態を判定することができる。以下の各実施の形態において、電気ヒューズ101は、図3を参照して説明したような構成とすることができる。
【0052】
(第1の実施の形態)
図4は、本実施の形態における半導体装置100の構成を示す模式図である。ここでは、切断処理後状態を示す。
【0053】
本実施の形態において、半導体装置100は、半導体基板(不図示)上に複数の電気ヒューズ101が形成された構成を有する。ここで、説明のために、複数の電気ヒューズ101を電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101bと区別して示す。電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bは、電気ヒューズ101と同様の構成を有する。図示していないが、第1の導電体102aにおいて、第1の端子104aに接続された部分が図2の第1部分105a、第2の端子106aに接続された部分が図2の第2部分105bに対応する。第1の導電体102bも同様である。
【0054】
電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bの第1の端子104aおよび第1の端子104bは、第1の共通配線140で共通に接続されている。また、電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bの第3の端子110aおよび第3の端子110bは、第2の共通配線150で共通に接続されている。つまり、第3の端子110aおよび第3の端子110bの電位は等しくなる。
【0055】
また、半導体装置100は、電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bにそれぞれ対応して設けられた複数の判定回路、判定回路130aおよび判定回路130bをさらに含む。判定回路130aは、第1の端子104aを接地した状態で第2の端子106aに所定の電位を与えて第2の端子106aにおける電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に電気ヒューズ101aに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が基準電位より低い場合に電気ヒューズ101aに切断処理が施されていないと判定する。第1の端子104aは、第1の共通配線140を接地することにより接地される。判定回路130bも同様に、電気ヒューズ101bに切断処理が行われたか否かを判定する。
【0056】
このように構成された半導体装置100において、電気ヒューズ101bに切断処理が行われたか否かを判定する手順を説明する。
判定時、第1の共通配線140は接地しておく。電気ヒューズ101aにおいて、判定回路130aにより第2の端子106aに所定の電位を与える。また、電気ヒューズ101bにおいて、判定回路130bにより第2の端子106bに所定の電位を与える。従来、切断部112bが充分に切断されておらず低抵抗の場合、第2の端子106bの電位が低くなり、電気ヒューズ101bに切断処理が施されていたにもかかわらず、切断処理が施されていないという誤判定が生じる可能性があった。
【0057】
一方、電気ヒューズ101aにおいて、切断部112aが充分に切断されていれば、電気ヒューズ101aの第2の端子106aの電位は正しい判定ができる程度に高くなる。また、第2の端子106aと電気的に接続された第3の端子110aの電位も第2の端子106aと等しくなる。本実施の形態における構成によれば、第3の端子110aと第3の端子110bとが第2の共通配線150により接続されている。そのため、第3の端子110bの電位が第3の端子110aの電位によりかさ上げされる。第3の端子110bと第2の端子106bとは電気的に接続されているため、第2の端子106bの電位も正しい判定ができる程度に高くすることができる。ここでは、2つの電気ヒューズしか図示していないが、半導体装置100はさらに多数の電気ヒューズを含むことができる。通常、電気ヒューズの切断が充分となる条件で切断処理が行われるため、電気ヒューズ101bのように切断部112bが不充分となる電気ヒューズの存在割合は非常に低くなる。そのため、多数の電気ヒューズの第3の端子110を第2の共通配線150で接続しておくことにより、切断処理が行われたすべての電気ヒューズにおいて、第2の端子106の電位を安定的に高く保つことができる。
【0058】
一方、電気ヒューズに切断処理が施されていない場合、第2の導電体108a(または第2の導電体108b)は第1の導電体102a(または第1の導電体102b)と電気的に接続されない。そのため、すべての電気ヒューズの第3の端子(110aおよび110b)を第2の共通配線150で接続していても、電気ヒューズに切断処理が施されていない電気ヒューズの第2の端子(106aまたは106b)には何の影響も与えない。以上から、本実施の形態における構成によれば、電気ヒューズに切断処理が施されている場合には、他の電気ヒューズからのかさ上げを利用して判定精度を高めることができるとともに、電気ヒューズに切断処理が施されていない場合には、従来通りの判定が行えるため、全体として判定精度を高めることができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
図5は、本実施の形態における半導体装置100の構成を示す模式図である。ここでは、切断処理後状態を示す。
【0060】
本実施の形態において、半導体装置100は、半導体基板(不図示)上に複数の電気ヒューズ101が形成された構成を有する。ここで、説明のために、複数の電気ヒューズ101を電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、電気ヒューズ101cと区別して示す。電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、および電気ヒューズ101cは、電気ヒューズ101と同様の構成を有する。なお、ここでは3つの電気ヒューズしか示していないが、半導体装置100は、さらに多数の電気ヒューズを含む構成とすることができる。図示していないが、第1の導電体102aにおいて、第1の端子104aに接続された部分が図2の第1部分105a、第2の端子106aに接続された部分が図2の第2部分105bに対応する。第1の導電体102bおよび第1の導電体102cも同様である。
【0061】
電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、および電気ヒューズ101cの第1の端子104a、第1の端子104b、および第1の端子104cは、第1の共通配線140で共通に接続されている。
【0062】
また、半導体装置100は、電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、および電気ヒューズ101cにそれぞれ対応して設けられた複数の判定回路、判定回路130a、判定回路130b、および判定回路130c(判定部、電位付与部)をさらに含む。判定回路130aは、第1の端子104aを接地した状態で第2の端子106aに所定の電位を与えて第2の端子106aにおける電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に電気ヒューズ101aに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が基準電位より低い場合に電気ヒューズ101aに切断処理が施されていないと判定する。また、本実施の形態において、判定回路130aは、第3の端子110aにも所定の電位を与える。この点で、第1の実施の形態と異なる。判定回路130bおよび判定回路130cも同様の構成を有し、それぞれ、電気ヒューズ101bおよび電気ヒューズ101cに切断処理が行われたか否かを判定する。
【0063】
このように構成された半導体装置100において、各電気ヒューズに切断処理が行われたか否かを判定する手順を説明する。
まず、切断処理が施されている電気ヒューズ101bの判定手順を説明する。判定時、第1の共通配線140は接地しておく。電気ヒューズ101bにおいて、判定回路130bにより第2の端子106bおよび第3の端子110bにそれぞれ所定の電位を付与する。ここで、切断部112bが充分に切断されておらず低抵抗の場合、第2の端子106bの電位が低くなり、電気ヒューズ101bに切断処理が施されているにもかかわらず、切断処理が施されていないという誤判定が生じる可能性があった。
【0064】
しかし、本実施の形態における構成によれば、第3の端子110bにも所定の電位が与えられる。ここで、第3の端子110bと第2の端子106bとが電気的に接続されているため、第3の端子110bに付与された電位も第2の端子106bに保持されることになり、第2の端子106bに保持される電位をかさ上げすることができる。これにより、電気ヒューズの切断処理が施されている場合の誤判定を低減することができる。
【0065】
次に、切断処理が施されていない電気ヒューズ101aの判定手順を説明する。この場合も、電気ヒューズ101bと同様の手順で行う。電気ヒューズ101aに切断処理が施されていない場合、第2の導電体108aと第1の導電体102aとは電気的に接続されない。そのため、判定回路130aにより、第3の端子110aに所定の電位を与えても、第2の端子106aには何の影響も与えない。以上から、本実施の形態における構成によれば、電気ヒューズに切断処理が施されている場合には、第3の端子110に付与された電位のかさ上げを利用して判定精度を高めることができるとともに、電気ヒューズに切断処理が施されていない場合には、従来通りの判定が行えるため、全体として判定精度を高めることができる。
【0066】
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の実施の形態における半導体装置100の構成を示す模式図である。ここでは、切断処理後状態を示す。
本実施の形態において、アンチヒューズの接続状態を検出するのと同様にして電気ヒューズ101に切断処理が施されたか否かを判定する点で、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる。すなわち、本実施の形態においては、第3の端子110と第2の端子106とが電気的に接続されていれば、電気ヒューズ101に切断処理が施されたと判定され、第3の端子110と第2の端子106とが電気的に接続されていなければ、電気ヒューズ101に切断処理が施されていないと判定される。
【0067】
本実施の形態において、半導体装置100は、半導体基板(不図示)上に複数の電気ヒューズ101が形成された構成を有する。ここで、説明のために、複数の電気ヒューズ101を電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、電気ヒューズ101cと区別して示す。電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、および電気ヒューズ101cは、電気ヒューズ101と同様の構成を有する。なお、ここでは3つの電気ヒューズしか示していないが、半導体装置100は、さらに多数の電気ヒューズを含む構成とすることができる。図示していないが、第1の導電体102aにおいて、第1の端子104aに接続された部分が図2の第1部分105a、第2の端子106aに接続された部分が図2の第2部分105bに対応する。第1の導電体102bおよび第1の導電体102cも同様である。
【0068】
電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、および電気ヒューズ101cの第1の端子104a、第1の端子104b、および第1の端子104cは、第1の共通配線140で共通に接続されている。
【0069】
また、半導体装置100は、電気ヒューズ101a、電気ヒューズ101b、および電気ヒューズ101cにそれぞれ対応して設けられた複数の判定回路、判定回路132a、判定回路132b、および判定回路132cをさらに含む。判定回路132aは、第2の端子106aを接地した状態で、第2の導電体108aに所定の電位を与えて第2の導電体108aにおける電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に電気ヒューズ101aに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が基準電位より高い場合に電気ヒューズ101aに切断処理が施されていないと判定する。第1の端子104aは、第1の共通配線140を接地することにより接地される。判定回路132bおよび判定回路132cも同様の構成を有し、それぞれ、電気ヒューズ101bおよび電気ヒューズ101cに切断処理が行われたか否かを判定する。
【0070】
このようにして電気ヒューズ101に切断処理が施されたか否かを判定する際に、電気ヒューズ101に切断処理が行われた場合に第1の導電体102が切断されていないと、第3の端子110が第1の端子104と電気的に接続され、図13に示したように、意図していない電流経路が生じ、正確な判定が行えなくなってしまう。本実施の形態において、電気ヒューズ101に切断処理が行われると、第1の導電体102が確実に切断されるように構成されている。そのため、図13に示したような意図していない電流経路が生じるのを防ぐことができ、判定精度を高めることができる。
【0071】
(第4の実施の形態)
図7は、本実施の形態における半導体装置100の構成を示す模式図である。ここでは、切断処理後状態を示す。
【0072】
本実施の形態においても、アンチヒューズの接続状態を検出するのと同様にして電気ヒューズ101に切断処理が施されたか否かを判定する点で、第3の実施の形態と同じである。ただし、本実施の形態において、一つの判定回路132が複数の電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bに共通して設けられる点で第3の実施の形態と異なる。本実施の形態において、判定回路132は、電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bを含む電気ヒューズ群を対象として、切断処理が行われたか否かを判定する。判定回路132は、電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bの少なくとも一方に切断処理が施されたことが検出されれば、この電気ヒューズ群に切断処理が施されたと判定する。このようにすれば、一方の電気ヒューズで切断処理が不充分で流出部114により第2の端子106と第3の端子110とが接続されていなかったり、一旦接続されたにもかかわらず、切断されてしまったような場合でも、他方の電気ヒューズで正しい検出ができれば、切断処理が施されたと判定されるので、判定精度を飛躍的に高めることができる。
【0073】
本実施の形態において、半導体装置100は、半導体基板(不図示)上に複数の電気ヒューズ101が形成された構成を有する。ここで、説明のために、複数の電気ヒューズ101を電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bと区別して示す。電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bは、電気ヒューズ101と同様の構成を有する。図示していないが、第1の導電体102aにおいて、第1の端子104aに接続された部分が図2の第1部分105a、第2の端子106aに接続された部分が図2の第2部分105bに対応する。第1の導電体102bも同様である。
【0074】
第1の端子104aおよび第1の端子104bは、第1の共通配線140で共通に接続されている。第3の端子110aおよび第3の端子110bは、接続配線160で共通に接続されている。また、第2の端子106aおよび第2の端子106bは、接続配線162で共通に接続されている。
【0075】
半導体装置100は、第2の端子106aおよび第2の端子106bを接地した状態で、接続配線160を介して第3の端子110aおよび第3の端子110bに所定の電位を与えて接続配線160における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に当該電気ヒューズ群に切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズ群に切断処理が施されていないと判定する。
【0076】
このような構成によれば、電気ヒューズ群に含まれる電気ヒューズ101aおよび電気ヒューズ101bに切断処理を施す際には、第1の共通配線140に電圧を印加するとともに、接続配線162が接地されるようにトランジスタ等(不図示)で選択することにより、第1の端子104aと第2の端子106aとの間、および第1の端子104bと第2の端子106bとの間に同時に電圧を印加することができる。これにより、第1の導電体102aおよび第1の導電体102bにそれぞれ切断部112aおよび流出部114aならびに切断部112bおよび流出部114bを形成することができる。
【0077】
つづいて、電気ヒューズ群に切断処理が施されたか否かの判定時には、判定回路132により、接続配線160に所定の電位を与えることにより、接続配線160を介して第3の端子110aおよび第3の端子110bに同時に所定の電位が付与される。これと同時に、接続配線162を接地する。これにより、第1の導電体102aおよび第1の導電体102bのいずれか一方に切断部112および流出部114が形成されていれば、接続配線160から接続配線162に電流が流れ、接続配線160が接地電位となる。判定回路132は、接続配線160が接地電位となった場合、この電気ヒューズ群に切断処理が行われたと判定することができる。これにより、判定精度を高めることができる。
【0078】
本実施の形態における半導体装置100によれば、並列配置した複数の電気ヒューズをアンチヒューズと同様の方法で判定するとともに、判定のために電位を付与する部分(第3の端子)を共通接続しているため、共通接続部分の電位に基づき、電気ヒューズへの切断の有無を判定することができる。そのため、複数の電気ヒューズにより構成される電気ヒューズ群の判定を1つの判定回路で行うことができ、面積を省略することができる。なお、複数のヒューズを直列に接続し判定回路を1つとすることでも 面積を低減して判定精度を高めることができるが、ヒューズが電気ヒューズで構成される場合は、直列に接続された電気ヒューズを個別に切断するために、電流経路を限定するための特別なトランジスタ面積が発生する。それに対して、本実施の形態の構成では 複数の電気ヒューズが並列配置された状態で電気ヒューズへの切断処理を行うことができるため、電気ヒューズの切断処理時には、それぞれの電気ヒューズに個別に 電圧を印加することができ、特別なトランジスタ等を設けることなく、これらを個別に切断することができる。
【0079】
なお、本実施の形態において、2つの電気ヒューズしか示していないが、半導体装置100は、さらに多数の電気ヒューズを含む構成とすることができる。このような多数の電気ヒューズの第1の端子104を第1の共通配線140に共通に接続し、第2の端子106を接続配線162に共通に接続し、さらに第3の端子110を接続配線160に共通に接続することにより、さらに判定精度を高めることができる。
【0080】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0081】
以上の実施の形態において、第1の導電体102が細幅配線103aを有する構成として細幅配線103aに切断予定領域113aが設けられた構成を説明した。他の例において、第1の導電体102が配線とビアとにより構成され、ビア部分に切断予定領域113aが形成される構成とすることもできる。以下、図8および図9を参照してこの例を説明する。
【0082】
図8は、電気ヒューズ101の構成を示す上面図である。図8(a)は切断処理前状態、図8(b)は切断処理後状態を示す。
【0083】
半導体装置100は、半導体基板(不図示)と、その上に形成された電気ヒューズ101を有する。この例において、第1の端子104と第2の端子106とは異なる層に形成される。第1の導電体102は、第2の端子106と同層に形成された第1の配線103cと、第1の端子104と同層に形成された第2の配線103eと、第1の配線103cと第2の配線103eとを接続するビア103dとを有する。
【0084】
第1の配線103cは、第2の端子106と接続される部分に、配線の折り返し構造103bを有する。折り返し構造103bは、第2の端子106に接続された第1直線部、第1直線部に略平行に配置された第2直線部、第2直線部に略平行に配置された第3直線部、第3直線部に略平行に配置された第4直線部、第1直線部と第2直線部とを接続する第1接続部、第2直線部と第3直線部とを接続する第2接続部、第3直線部と第4直線部とを接続する第3接続部、および第4直線部とビア103dとを接続する第4接続部とを有する。
【0085】
このような構成の第1の導電体102において、第1の端子104と第2の端子106との間に電流を流すと、第1の導電体102を構成する材料が加熱される。このとき、配線幅が広く、配線が折り返された部分では導電体材料が加熱されやすくなる。そのため、折り返し構造103b部分で導電体材料が熱膨張しやすくなり、クラックが生じやすくなる。つまり、折り返し構造103b部分が電気ヒューズ101への切断処理を行った場合に流出部114が形成される流出予定領域115aとなる。一方、流出予定領域115aから導電体材料が流出すると、ビア103dで導電体材料の供給が追いつかず、切断されやすくなる。そのため、ビア103d部分が電気ヒューズ101への切断処理を行った場合に切断部112が形成される切断予定領域となる。
【0086】
また、第1の導電体102の折り返し構造103b近傍には、第2の導電体108が配置される。第2の導電体108は、第1の配線103cと同層に形成された配線109aと、他の層に形成された配線109cと、配線109aを配線109cに接続するビア109bとを含む。配線109cと第3の端子110とは同層に形成される。第1の端子104と第3の端子110とは同層に設けられてもよいが、異なる層に設けられてもよい。配線109aは、切断処理前状態において、第1の導電体102と電気的に分離されるとともに、切断処理後状態において、第1の導電体102の流出部114と接する位置に配置される。
【0087】
また、半導体装置100は、電気ヒューズ101の上方、下方および側方を、カバー部材404により覆った構成を有する。カバー部材404の構成は、図3で示された半導体装置100の構成と同様である。
【0088】
図9は、図8のA−A’断面図である。図9(a)は切断処理前状態、図9(b)は切断処理後状態を示す。ここで、第2の配線103eが下層配線、第1の配線103cが上層配線の例を示すがこれらは逆であってもよい。
【0089】
図9(a)に示すように、半導体装置100は、半導体基板(不図示)と、半導体基板上に、以下の順で形成された第1のエッチング阻止膜302、第1の層間絶縁膜304、第1の保護膜306、第2のエッチング阻止膜308、第2の層間絶縁膜310、第3のエッチング阻止膜312、第3の層間絶縁膜314、第2の保護膜316および第4のエッチング阻止膜318を含む。
【0090】
切断処理前状態において、電気ヒューズ101の第1の導電体102において、ビア103dは、第2の配線103eおよび第1の配線103cに電気的に接続されている。第2の配線103eは、第1のエッチング阻止膜302、第1の層間絶縁膜304および第1の保護膜306に形成される。また、ビア103dは、第2のエッチング阻止膜308、第2の層間絶縁膜310および第3のエッチング阻止膜312に形成される。また、第1の配線103cは、第3のエッチング阻止膜312、第3の層間絶縁膜314および第2の保護膜316に形成される。
【0091】
第2の配線103e、ビア103d、および第1の配線103cは、銅を主成分として含む銅含有金属膜により構成することができる。銅含有金属膜は、銀を含むことができる。さらに、銅含有金属膜は、Al、Au、Pt、Cr、Mo、W、Mg、Be、Zn、Pd、Cd、Hg、Si、Zr、Ti、または、Snから選択される一又は二以上の異種元素を含む構成とすることもできる。銅含有金属膜は、たとえばめっき法により形成することができる。また、銅含有金属膜の表面は、たとえばシリサイド膜が形成された構成とすることもできる。
【0092】
さらに、第1の配線103c、ビア103d、および第2の配線103eの側面および底面には、それぞれ、これらに接してこれらを覆うように設けられたバリアメタル膜320が形成されている。バリアメタル膜は、高融点金属を含む構成とすることができる。バリアメタル膜320は、たとえば、Ta、TaN、Ti、TiN、W、WN等により構成することができる。
【0093】
つまり、切断処理前状態において、第2の配線103eとビア103dとの間には、バリアメタル膜320がこれらに接して設けられる。また、ビア103dと第1の配線103cとの間にも、バリアメタル膜320がこれらに接して設けられる。
【0094】
第1の層間絶縁膜304および第3の層間絶縁膜314は、SiOC等の低誘電率膜により構成することができる。低誘電率膜としては、SiOCの他に、HSQ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)、MSQ(メチルシルセスキオキサン)、またはMHSQ(メチル化ハイドロジェンシルセスキオキサン)等のポリハイドロジェンシロキサン、ポリアリールエーテル(PAE)、ジビニルシロキサンービスーベンゾシクロブテン(BCB)、またはSilk(登録商標)等の芳香族含有有機材料、SOG、FOX(flowable oxide)、サイトップ、またはBCB(Bensocyclobutene)等を用いることもできる。また、低誘電率膜としては、これらのポーラス膜を用いることもできる。第1の層間絶縁膜304および第3の層間絶縁膜314は、同じ材料により構成しても、異なる材料により構成してもいずれでもよい。
【0095】
また、第2の層間絶縁膜310は、第1の層間絶縁膜304や第3の層間絶縁膜314について上述したのと同様の材料により構成することができる。ただし、第2の層間絶縁膜310は、第1の層間絶縁膜304や第3の層間絶縁膜314との関係において、第1の層間絶縁膜304や第3の層間絶縁膜314よりもかたい材料により構成することが好ましい。たとえば、第2の層間絶縁膜310は、第1の層間絶縁膜304や第3の層間絶縁膜314よりもヤング率の高い材料により構成することができる。このような構成とすることにより、配線部分に流出部114を形成しやすくすることができるとともに、ビア103dに切断部112を形成しやすくすることができる。
【0096】
一例として、ビア103dが形成される第2の層間絶縁膜310をSiOC(Black Diamond)により構成し、第1の配線103cが形成される第3の層間絶縁膜314をSiOC(Aurora)により構成することができる。ここで、Black DiamondおよびAuroraはいずれもSiOCのポーラス膜であるが、Auroraの方がBlack Diamondよりも誘電率が低く、膜密度が低く、柔らかい膜である。
【0097】
なお、このような構成に限られず、第2の層間絶縁膜310は、第1の層間絶縁膜304や第3の層間絶縁膜314と同じ材料により構成してもよい。この場合も、第1の配線103cは電流印加により自己発熱し膨張量が 大きいことに対して、ビア103dは導体体積が小さく熱伝導による 膨張量が小さいため、第1の配線103cに流出部114を、ビア103dに切断部112を選択的に形成することができる。
【0098】
第2のエッチング阻止膜308および第4のエッチング阻止膜318は、ビアホールや配線溝を形成する際のエッチング阻止膜として機能するとともに、第2の配線103eや第1の配線103cを構成する銅の拡散を防止する機能を有する。第2のエッチング阻止膜308および第4のエッチング阻止膜318は、第1の層間絶縁膜304や第3の層間絶縁膜314よりもかたい材料により構成することができる。第2のエッチング阻止膜308および第4のエッチング阻止膜318は、第1の層間絶縁膜304や第3の層間絶縁膜314よりもヤング率の高い材料により構成することができる。第2のエッチング阻止膜308および第4のエッチング阻止膜318は、たとえば、SiCN、SiN、SiC、SiOFまたはSiON等により構成することができる。
【0099】
第1の保護膜306および第2の保護膜316は、第2の配線103eおよび第1の配線103cをそれぞれCMPにより研磨する際に、第1の層間絶縁膜304および第3の層間絶縁膜314を保護する機能を有する。第1の保護膜306および第2の保護膜316は、たとえば、SiO膜により構成することができる。
【0100】
第1のエッチング阻止膜302および第3のエッチング阻止膜312は、第2のエッチング阻止膜308および第4のエッチング阻止膜318と同様の材料により構成することができる。また、ここでは図示していないが、第1のエッチング阻止膜302および第3のエッチング阻止膜312は、第2のエッチング阻止膜308および第4のエッチング阻止膜318と同様の材料により構成された第1の絶縁膜と、その上に形成され第1の保護膜306および第2の保護膜316と同様の材料に構成された第2の絶縁膜との積層膜とすることもできる。
【0101】
なお、以上の構成の第2の配線103e、ビア103d、および第1の配線103c等は、通常の多層配線構造と同工程で形成することができる。これにより、特別な工程を追加することなく、電気ヒューズ101を形成することができる。
【0102】
以上により、たとえば第1の配線103cの周囲がバリアメタル膜320および第4のエッチング阻止膜318等の被覆膜で覆われ、さらにその周囲に被覆膜よりも柔らかい材料である第3の層間絶縁膜314が形成された構成とすることができる。
【0103】
このような構成の第1の導電体102において、第1の端子104と第2の端子106との間に所定の電圧を印加して第1の導電体102に過剰なパワーが印加されると、第1の配線103cを構成する材料が膨張して、柔らかい膜である第3の層間絶縁膜314の方向に膨張する。導電体材料の膨張に伴い、バリアメタル膜320等にクラックが生じ、第1の配線103cを構成する材料がクラックから第3の層間絶縁膜314中に流出する。つまり、第1の配線103cを構成する材料が、配線溝外部に流出する。このような流出は、第1の配線103cの折り返し構造103bで生じる。これにより、図8(b)に示すように、流出部114が形成される。このとき、流出部114が第2の導電体108に接続することにより、第2の端子106と第3の端子110とが電気的に接続される。
【0104】
さらに、導電体材料が流出部114の方向に急激に移動するため、導電体材料の移動が追いつかなかった箇所で導電体材料が切断される。本実施の形態において、ビア103d部分で導電体材料が切断され、切断部112が形成される。このようなメカニズムにより、流出部114と切断部112とを離れた箇所に形成することができる。
【0105】
また、本実施の形態において、ビア103dと第2の配線103eとの間にバリアメタル膜320が設けられているため、バリアメタル膜320が第2の配線103eから剥離しやすく、バリアメタル膜320と第2の配線103eとの間に流出部114が形成されやすくなる。
【0106】
さらに、切断処理後状態において、ビア103dを構成する材料がバリアメタル膜320とともに移動してバリアメタル膜320と第2の配線103eとの間に流出部114が形成される。そのため、この後の工程で熱処理等が行われても、バリアメタル膜320が銅含有金属膜により構成された導電体材料が再び移動して第2の配線103eとの間で再接続が生じるのを防ぐことができる。これにより、半導体装置100の耐熱性を向上することができる。流出部114と切断部112との間にバリアメタル膜320が二重で形成されるため、導電体材料の移動をより阻止することができる。
【0107】
なお、以上では、シングルダマシン構造の配線構造を示したが、デュアルダマシン構造としてもよい。
【0108】
さらに、以上の実施の形態において、第2の導電体108をカバー部材404とは別個に設ける構成を示したが、第2の導電体108として、カバー部材404を用いることもできる。この場合、カバー部材404は、第1の導電体102に電流を流して流出部114が形成される際に、流出部114と接触する位置に配置される。また、カバー部材404は、第3の端子110をカバー部材404と電気的に接続しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態における半導体装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した電気ヒューズを具体的に示す図である。
【図3】第1の導電体の具体的な構成の一例を示す上面模式図である。
【図4】本実施の形態における半導体装置の構成を示す模式図である。
【図5】本実施の形態における半導体装置の構成を示す模式図である。
【図6】本実施の形態における半導体装置の構成を示す模式図である。
【図7】本実施の形態における半導体装置の構成を示す模式図である。
【図8】第1の導電体の具体的な構成の一例を示す上面図である。
【図9】第1の導電体の具体的な構成の一例を示す断面図である。
【図10】従来のトリミングパターンの概略平面図である。
【図11】従来の電気ヒューズおよび判定回路の構成を示す図である。
【図12】従来の電気ヒューズおよび判定回路の構成を示す図である。
【図13】従来の電気ヒューズおよび判定回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0110】
10 細線部
11 パッドA
12 パッドB
13 接続部A
14 接続部B
15 引き出し部
16 引き出し部
20 溶融メタル
100 半導体装置
101、101a、101b、101c 電気ヒューズ
102、102a、102b、102c 第1の導電体
103a 細幅配線
103b 折り返し構造
103c 第1の配線
103d ビア
103e 第2の配線
104、104a、104b、104c 第1の端子
105a 第1部分
105b 第2部分
106、106a、106b、106c 第2の端子
108、108a、108b、108c 第2の導電体
109a 配線
109b ビア
109c 配線
110、110a、110b、110c 第3の端子
112、112a、112b 切断部
113a 切断予定領域
114、114a、114b 流出部
115a 流出予定領域
120 ヒューズリンク
130a、130b、130c 判定回路
132、132a、132b、132c 判定回路
140 第1の共通配線
150 第2の共通配線
160 接続配線
162 接続配線
302 エッチング阻止膜
304 層間絶縁膜
306 保護膜
308 エッチング阻止膜
310 層間絶縁膜
312 エッチング阻止膜
314 層間絶縁膜
316 保護膜
318 エッチング阻止膜
320 バリアメタル膜
400 電極
402 ビア
404 カバー部材
1001a 電気ヒューズ
1001b 電気ヒューズ
1001c 電気ヒューズ
1002a 導電体
1002b 導電体
1002c 導電体
1004a 端子
1004b 端子
1004c 端子
1006a 端子
1006b 端子
1006c 端子
1010a 判定回路
1010b 判定回路
1010c 判定回路
1020 共通配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズと、
を含み、
前記電気ヒューズの切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1の導電体の前記第1部分を接地した状態で前記第2部分に所定の第1電位を与えて前記第2部分における電位の高低を検出し、前記第2部分における電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する判定部と、
前記第2の導電体に所定の第2電位を与える電位付与部と、
をさらに含む半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で前記第2の導電体に所定の第3電位を与えて前記第2の導電体における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する判定部と、
をさらに含む半導体装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の半導体装置において、
複数の前記電気ヒューズと、
各前記電気ヒューズに対応して設けられた複数の前記判定部と、
前記複数の電気ヒューズの前記第1の導電体の前記第1部分を共通に接続する第1の共通配線と、
をさらに含む半導体装置。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置において、
複数の前記電気ヒューズと、
前記複数の電気ヒューズにそれぞれ対応して設けられ、前記第1の導電体の前記第1部分を接地した状態で前記第2部分に所定の第1電位を与えて前記第2部分における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する複数の判定部と、
前記複数の電気ヒューズの前記第2の導電体を共通に接続する第2の共通配線と、
をさらに含む半導体装置。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置において、
複数の前記電気ヒューズを含む電気ヒューズ群と、
前記複数の電気ヒューズの前記第2の導電体を共通に接続する第2の共通配線と、
前記複数の電気ヒューズに共通に設けられ、各前記電気ヒューズの前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で、前記第2の共通配線を介して各前記第2の導電体に所定の第4電位を与えて前記第2の共通配線における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が施されていないと判定する判定部と、
をさらに含む半導体装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の半導体装置において、
前記複数の電気ヒューズの前記第1の導電体の前記第1部分を共通に接続する第1の共通配線をさらに含む半導体装置。
【請求項8】
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズの切断方法であって、
前記第1の導電体に所定の電流を流し、当該第1の導電体を構成する材料を外方に流出させて前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を形成し、当該第1の導電体を前記第2の導電体と電気的に分離された第1部分と前記流出部を含む第2部分とに切断する工程を含む電気ヒューズの切断方法。
【請求項9】
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、
前記第2の導電体に所定の電位を与えた状態で、前記第1の導電体の前記第1部分を接地するとともに、前記第2部分に所定の電位を与えて当該第2部分における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法。
【請求項10】
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、
前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で前記第2の導電体に所定の電位を与えて前記第2の導電体における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法。
【請求項11】
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、
複数の前記電気ヒューズの前記2の導電体を共通に電気的に接続するとともに、前記第1の導電体の前記第1部分を接地した状態で前記第2部分に所定の第1電位を与えて前記第2部分における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より高い場合に当該電気ヒューズに切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より低い場合に当該電気ヒューズに切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法。
【請求項12】
半導体基板上に形成され、第1の導電体および前記第1の導電体と電気的に分離された第2の導電体を含む電気ヒューズであって、切断処理後状態において、前記第1の導電体は、前記第2の導電体と電気的に分離される第1部分と、当該第1の導電体を構成する材料が外方に流出して前記第2の導電体と電気的に接続される流出部を含む第2部分とに切断される電気ヒューズの判定方法であって、
複数の前記電気ヒューズを一つの電気ヒューズ群として選択してこれらの前記第2の導電体を共通に電気的に接続するとともに、各前記電気ヒューズの前記第1の導電体の前記第2部分を接地した状態で、共通に電気的に接続された前記第2の導電体に所定の電位を与えて前記第2の導電体における電位の高低を検出し、当該電位が基準電位より低い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が行われたと判定するとともに当該電位が前記基準電位より高い場合に前記電気ヒューズ群に切断処理が施されていないと判定する電気ヒューズの判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−329196(P2007−329196A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157592(P2006−157592)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】