説明

半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置

【課題】処理室内壁の表面状態が変動しても、再現性よく基板処理を実施できる半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置を提供する。
【解決手段】処理室10内に設置された半導体基板を加熱する加熱工程において、まず、処理室10内に設置された半導体基板に対して熱を放射する側壁内面1sの放射率が放射率計8により計測される。また、側壁1の温度が熱電対4により測定される。次いで、測定された側壁1の温度に対応してあらかじめ取得されている上記放射率と処理室10内に設置された半導体基板の実温度との対応関係に基づいて、処理室10内に設置された半導体基板の温度が取得される。そして、取得された半導体基板の温度に基づいて、処理室10内に設置された半導体基板が目標温度となる状態に、側壁1の温度がヒータ3により調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置に関し、特に半導体基板を処理するときの加熱温度の制御方式に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置(以下、半導体装置という。)のパターン寸法の微細化に伴い、半導体装置の製造工程で使用される製造装置(以下、半導体製造装置という。)には制御性や再現性の向上が求められている。この要求に対応するため、半導体製造装置は、バッチ式の製造装置から枚葉式の製造装置へと急速に移行している。
【0003】
例えば、SiH4やCF4といった反応性ガスあるいはArなどの不活性ガス等を用いて、半導体基板にCVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、ドライエッチングといった加工処理を行う半導体製造装置では、加工結果の再現性を向上するために、処理中の半導体基板の温度を一定の範囲内に安定化させる必要がある。
【0004】
この種の従来の半導体製造装置は、半導体基板の温度を制御するために、半導体基板の保持台あるいは処理室内に加熱用ヒータや冷却用チラーといった加熱・冷却装置と、半導体基板の温度を測定する熱電対や放射温度計といった温度監視装置とを備えている。この半導体製造装置は、温度監視装置からのデータに基づいて加熱・冷却装置を動作させ、半導体基板の温度が一定の温度範囲内に属するように自動制御している。
【0005】
しかしながら、枚葉式の熱処理装置では、室温状態の半導体基板が処理室に挿入され、処理温度に近くなったところで引き出されるという工程が連続して繰り返される。そのため、処理室内に熱的外乱が発生し、自動制御の目標温度と実際の半導体基板の温度とが異なっていることが指摘されている(例えば、特許文献1等参照。)。
【0006】
図7は、従来の半導体製造装置の一例である枚葉式の熱処理装置の構成を示す概略断面図である。図7に示すように、この熱処理装置は、処理対象の半導体基板101が挿入される石英製の反応管102を備える。反応管102の外側には、反応管102内の所定位置に配置された半導体基板101の放射熱を測定する放射温度計103の計測部(石英プリズム109)が配置されている。放射温度計103は、石英プリズム109およびミラー110を介して入射する熱放射を測定する。反応管102および放射温度計103は、SiC製の均熱管104に囲まれている。均熱管104の周囲にはヒータ105が設置されており、均熱管104の壁面内に熱電対106が配置されている。熱電対106は、均熱管104の比較的温度が均一な壁面の温度を測定する。放射温度計103および熱電対106が測定した温度は、温度制御装置108に入力されており、温度制御装置108は、放射温度計103および熱電対106の温度に基づいてヒータ105の温度を調節する。また、処理対象の半導体基板101は、搬送機構107の保持部111に支持された状態で、反応管102内に挿入される。保持部111は、反応管102内での半導体基板101の傾きを調節する機能を有している。
【0007】
以上の構成を有する半導体製造装置において熱処理が実施される場合、まず、処理対象の半導体基板101が、搬送機構107により反応管102内の所定位置に挿入される。このとき、半導体基板101表面や反応管102の外表面で反射して放射温度計103に入射する放射熱を発する部分(外乱放射の発生源)が、熱電対106の位置となる状態に、半導体基板101の傾きおよび石英プリズム109の角度が調整される。この場合、熱電対106は外乱放射の発生源の温度を測定し、放射温度計103は半導体基板101からは発生する放射熱と外乱放射の放射熱とを測定することになる。反応炉102内に挿入された直後の半導体基板101は、基板温度が未だ上昇していない状態であるため、当該状態で放射温度計103および熱電対106が測定した温度により、半導体基板101の放射率および放射温度計103に入射する熱輻射のうち、外乱放射に起因する熱輻射の量を求めることができる。
【0008】
このようにして求めた半導体基板101の放射率および放射温度計103の測定値に対する補正量を使用して算出した半導体基板101の温度に基づいて、温度制御装置108がヒータ105の温度を制御することで、半導体基板101の温度をより正確に制御することができる。
【特許文献1】特開平2−39525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の従来技術は、ヒータ105の温度が同一であるときに均熱管104の内面から放射される熱量が同一であることを前提としている。したがって、熱を放射する熱放射面の表面状態が変動する状況下では、半導体基板の温度を正確に制御することができない。
【0010】
例えば、500℃程度以下の温度領域で熱処理が実施される半導体製造装置の処理室は、加工の容易性や半導体基板への二次汚染の影響度の低減といった観点から、アルミニウムを材料としていることが多い。アルミニウムは酸化反応が進行しやすい材料であるため、処理室の内壁面等にアルミニウムが露出していると内壁面の表面状態が変化することになる。このため、アルミニウムから構成された半導体製造装置の処理室では、アルミニウムの表面にアルマイト等を形成する表面処理を実施し、内壁面の表面状態が変化することを防止するとともに、反応性ガスに対する耐食性を向上させている。なお、内壁面に形成されるアルマイト等の表面酸化膜の膜厚は、通常、数十μm程度である。
【0011】
しかしながら、処理中の温度が高い状態で、かつ長期間使用していると、処理室の内壁面の表面酸化がさらに進行し、これに伴って内壁面の放射率が変動する。表1は、表面酸化が進行した場合の放射率の変動と半導体基板の実温度との相関の一例である。
【0012】
【表1】

【0013】
表1に示すデータは、ヒータと熱電対とを埋め込んだ、アルミニウム(Al)を母材とする箱体(処理室)の内部に半導体基板を設置し、熱電対により計測される温度が500℃になる状態にヒータを制御したときの熱平衡状態での半導体基板の温度を示している。なお、箱体の内壁面にはあらかじめ表面酸化膜が形成されている。
【0014】
表1において、エイジング時間は、上記箱体を大気中に一定の温度で放置した時間であり、放射率は箱体内壁面の放射率である。表1から理解できるように、エイジングにより内壁面の表面酸化が進行し、当初0.10であった放射率が0.28に増大している。また、熱電対の表示値が一定範囲内であるにも関わらず、箱体内部に設置された半導体基板の実温度も変動している。これは、箱体内壁面の放射率が増大した結果、箱体内壁面から半導体基板へ放射される熱量が変動したためである。すなわち、このように箱体内壁面の放射率が変化する場合、上記従来の手法では、半導体基板の温度を正確に制御することはできなくなる。なお、半導体基板の実温度は、半導体基板に直接接触する状態で配置した熱電対により測定された温度である。
【0015】
一方、処理室内に反応性ガスを導入した状態で半導体基板を処理する半導体製造装置では、処理中に処理室内で副生成物が発生する。この副生成物は、半導体基板の処理枚数の増加に伴って処理室の内壁面や半導体基板の保持台の表面に付着する。このような副生成物の付着によっても、処理室内壁の表面状態は変化する。すなわち、処理室の内壁面の放射率が変動し、内壁面から半導体基板へ放射される熱量が変動する。
【0016】
また、ドライエッチング装置やプラズマCVD装置等、処理室内で化学反応が発生する半導体製造装置の場合には、処理枚数の増加に伴い、処理室内の温度が徐々に上昇する傾向もある。具体的には、化学反応によって発生した熱が処理室の壁面などに蓄積されることにより処理室全体の温度が上昇し、その結果、処理室内の温度が徐々に上昇していく。
【0017】
また、少量多品種の製品を製造する製造ラインでは、半導体製造装置において連続的に処理される半導体基板(同一ロットに属する半導体基板)の枚数が製品種によって異なる。そのため、以上のような処理枚数に依存する温度変動はさらに増長される。
【0018】
このような温度変動を回避する手段として、半導体製造装置での処理開始前にダミー半導体基板を処理することにより、連続的に処理される半導体基板の枚数を一定にし、処理室内の温度を一定化する手法が広く用いられている。しかしながら、多品種少量生産のシステムLSIの製造ラインではこのダミー半導体基板の使用回数が増加するため、生産スループットが低下してしまう。
【0019】
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、処理室の内壁面の状態が変動しても、再現性よく基板処理を行うことができる半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の技術的手段を採用している。まず、本発明は、処置室内に設置された半導体基板を加熱した状況下で処理する加熱工程を含む半導体装置の製造方法を前提としている。そして、本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記加熱工程において、まず、処理室内に設置された半導体基板に対して熱を放射する熱放射面の放射率が測定される。また、上記熱放射面を有する発熱体の温度が測定される。次いで、測定された発熱体の温度に対応してあらかじめ取得された、上記熱放射面の放射率と処理室内に設置された半導体基板の温度との対応関係に基づいて、上記処理室内に設置された半導体基板の温度が取得される。そして、取得された半導体基板の温度に基づいて、処理室内に設置された半導体基板が目標温度となる状態に、上記発熱体の温度が調整される。
【0021】
この半導体装置の製造方法では、処理室内に設置された半導体基板に熱を放射する熱放射面の放射率と半導体基板の温度との対応関係から半導体基板温度を取得するため、熱放射面の表面状態が変動する状況下でも、当該表面状態の変動を反映して半導体基板の温度を調整することができる。この結果、処理時の半導体基板の温度を目標温度に正確に調整することができる。
【0022】
上記半導体装置の製造方法において、上記加熱工程は、目標温度になった半導体基板上に、上記処理室内に導入された反応性ガスに対応する膜を堆積する工程を有してもよい。上記熱放射面は、例えば、上記処理室の内壁または上記処理室内で半導体基板が設置される基板支持部の表面である。
【0023】
また、上記熱放射面の放射率は、例えば、上記処理室内に半導体基板を設置する前に計測することができる。また、上記熱放射面の放射率は、基板処理中に計測されてもよい。さらに、上記半導体装置の製造方法は、半導体基板が処理室内に設置されるまでの間に、熱放射面の放射率が、あらかじめ設定された放射率になる状態に加熱する工程をさらに有してもよい。
【0024】
一方、他の観点では、本発明は、処置室内に設置された半導体基板を加熱した状況下で処理する半導体装置の製造装置を提供することもできる。すなわち、本発明に係る半導体装置の製造装置は、上記処理室内に、処理対象の半導体基板が設定される基板支持部を備える。また、上記処理室内に設置された半導体基板に対して熱を放射する熱放射面の放射率を測定する放射率計と、上記熱放射面を有する発熱体の温度を測定する温度センサとを備える。さらに、測定された発熱体の温度に対応してあらかじめ取得された、上記熱放射面の放射率と処理室内に設置された半導体基板の温度との対応関係に基づいて、処理室内に設置された半導体基板の温度を取得する基板温度取得部を備える。また、取得された半導体基板の温度に基づいて、上記半導体基板が目標温度となる状態に、上記発熱体の温度を調整する温度制御部を備える。
【0025】
この半導体装置の製造装置は、目標温度になった半導体基板上に成膜を行うための反応性ガスを処理室内に導入するガス供給手段をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、半導体基板に対する処理が実施される処理室の内壁等の表面状態が変動した場合であっても、当該表面状態の変動を反映した状態で半導体基板の温度を調整することができる。この結果、半導体基板の基板処理を再現性よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、処理室内で所定温度に加熱された半導体基板上に所定の材質からなる膜を堆積する枚葉式のCVD装置により本発明を具体化している。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態におけるCVD装置の構成を示す概略断面図である。図1に示すように、当該CVD装置20は、アルミニウムを主成分する材質からなる壁面を有する処理室10を備える。処理室10内には、処理対象の半導体基板が設置されるサセプタ(基板支持部)5が設けられており、サセプタ5と対向する処理室10の壁面は、透光性材料からなる天板2により構成されている。
【0029】
処理室10の側壁1には、ヒータ3と、側壁1の温度を計測する熱電対(温度センサ)4とが埋設されている。ヒータ3および熱電対4は温度制御部12に接続されている。温度制御部12は、熱電対4により測定された温度が所定温度となる状態にヒータ3の発熱量を調整する。すなわち、サセプタ5上に設置された半導体基板は、側壁1の内面1s(以下、側壁内面1sという。)を熱放射面とする発熱体(ヒータ3が埋設された側壁1)から放射される熱によって加熱される。なお、図1では、ヒータ3が側壁1の一部に埋設された図になっているが、ヒータ3は側壁1の全周に配置されている。このため、側壁1の全周はほぼ同一温度になっている。なお、ヒータ3は、独立に制御可能な複数のヒータにより構成されてもよい。この場合、各ヒータに対応する位置に熱電対が設置され、各熱電対により計測される温度が同一温度となる状態に各ヒータの発熱量が調整される。
【0030】
また、上記CVD装置20は、処理室10内への半導体基板の搬入出を行う搬送装置15を備える。搬送装置15は、処理室10の壁面に設けられた搬入出口を通じて、処理室10の内外にわたって移動可能に構成され、当該搬入出口を通じて半導体基板を搬入出する。また、図示を省略しているが、CVD装置20は、サセプタ5上に配置された半導体基板に所望材料からなる膜を堆積するための反応性ガスを処理室10内に導入するガス供給手段を備える。また、処理室10内の気体を排出するとともに処理室10内を所定の圧力に維持するガス排出手段を備える。温度制御部12、搬送装置15、ガス供給手段およびガス排出手段は、装置制御部11からの指示に基づいて動作する構成になっている。
【0031】
さらに、CVD装置20は、放射率を計測する放射率計8を備えている。放射率計8は、定温放射源、反射エネルギーの検出器、演算回路等を備えており、定温放射源が所定波長かつ所定強度の赤外線を対象物に放射して対象物により反射された当該波長の赤外線の強度を検出することで、対象物の放射率(=吸収率)を計測する。本実施形態では、放射率計8は、赤外線の放射方向および検出方向が側壁1の所定位置に向けた状態で搬送装置15の先端に支持されている。放射率計8により計測された放射率は、装置制御部11に入力されている。
【0032】
以上の構成を有するCVD装置20は、以下のようにして半導体基板を処理する。基板処理が開始されると、まず、装置制御部11が搬送装置15に半導体基板(図示せず)の搬入を指示する。当該指示に応じて、搬送装置15は、処理室10への処理対象の半導体基板の搬入を開始する。CVD装置20では、従来のCVD装置とは異なり、半導体基板の搬入中に側壁内面1sの放射率を計測する。
【0033】
例えば、搬送装置15は、半導体基板の搬入中に、あらかじめ設定されている所定位置に到達すると停止し、装置制御部11にその旨を通知する。当該通知を受信した装置制御部11は、放射率計8に放射率の取得を指示する。当該指示に応じて、放射率計8は、側壁内面1sの放射率を計測し、計測結果を装置制御部11に通知する。当該通知を受けた装置制御部11は、搬送装置15へ半導体基板の搬入再開を指示する。当該指示を受けた搬送装置15は、サセプタ5上の所定位置に半導体基板を設置する。半導体基板を所定位置に設置した搬送装置15は、処理室10外部への退避を開始する。
【0034】
搬送装置15の退避が完了すると、装置制御部11は、温度制御部12に温度制御の開始を指示する。当該指示を受けた温度制御部12は、熱電対4により計測される温度があらかじめ設定された温度になる状態にヒータ3の発熱量を調整する。また、装置制御部11は、当該指示とともに、放射率計8が計測した側壁内面1sの放射率を温度制御部12へ入力する。
【0035】
温度制御部12は、熱電対4により計測された温度と、放射率計8により計測された放射率とに基づいて、以下のようにして半導体基板の温度を目標温度に維持する。
【0036】
上述したように、アルミニウムを主成分とする材質により構成された処理室10では、エイジングにより内壁の表面状態が徐々に変化する。図2は、エイジング時間と側壁内面1sの放射率との関係を示す図である。なお、図2では、側壁1の温度(熱電対4により計測された温度)が200℃、300℃、400℃および500℃であるそれぞれの場合のエイジング時間と側壁内面1sの放射率との関係を示している。図2から理解できるように、エイジング時間の増大に伴って、側壁内面1sの放射率が増大している。これは、エイジングにより、アルミニウムを主成分とする側壁内面1sに形成される酸化膜の膜厚が増大し、それに伴って、放射率が増大するからである。また、側壁1の温度が高いほど、放射率の増大量が大きくなっている。これは、側壁1の温度が高いほど、側壁内面1sに形成される酸化膜の膜厚が大きくなるからである。このような側壁内面1sの酸化膜厚の変動は、大気雰囲気に限らず、処理室10内に酸化性ガスが存在すれば発生する。
【0037】
また、側壁内面1sから半導体基板へ放射される熱は、側壁内面1sの放射率に応じて変動する。そのため、側壁1の温度が一定である場合でも、半導体基板の温度は、側壁内面1sの放射率に対応して変動することになる。図3は、放射率計8により計測された側壁内面1sの放射率と、サセプタ5上に設置された半導体基板の実温度との関係を示す図である。なお、半導体基板の実温度は、半導体基板に直接配置された熱電対等の接触式の温度センサにより計測している。また、図3では、側壁1の温度が500℃である場合の例を示している。
【0038】
図3から理解できるように、半導体基板の実温度は、放射率の上昇に伴って上昇するが、側壁内面1sの放射率と半導体基板の実温度とは1対1に対応している。したがって、図3に示すような、側壁内面1sの放射率と半導体基板の実温度との関係(以下、検量線という。)をあらかじめ取得し、側壁内面1sの放射率に基づいて半導体基板の実温度を求めることにより、処理中の半導体基板の温度をより正確に目標温度に一致させることが可能になる。
【0039】
なお、熱放射面(側壁内面1s)の放射率Ewと、半導体基板の実温度Twとの間には、初期状態の熱放射面の放射率Eo、初期状態の半導体基板の実温度To、平衡状態の熱放射面の放射率Ts、平衡状態の半導体基板の実温度Tsとすると、以下の式1に示す関係が近似的に成立する。
【0040】
Tw=To+(Ts−To)/(Es−Eo)×(Ew−Eo) ・・・(1)
【0041】
ここで、初期状態とは、エイジング時間が0時間の状態であり、平衡状態とは、十分なエイジングの結果、表面酸化に起因する放射率の変動がそれ以上進行しなくなった状態である。
【0042】
したがって、側壁1の温度ごとに、初期状態の放射率Eo、初期状態の実温度To、平衡状態の放射率Ts、平衡状態の実温度Tsをあらかじめ取得しておくことで、側壁1の設定温度にそれぞれ対応する検量線を比較的容易に取得することができる。
【0043】
本実施形態では、図3に示したような検量線が、基板処理時に設定される側壁1の温度ごとにあらかじめ取得され、温度制御部12が備える基板温度取得部121に格納されている。基板温度取得部121は、当該検量線と、放射率計8により計測された側壁内面1sの放射率とに基づいて、半導体基板の実温度を取得する。そして、温度制御部12は、基板温度取得部121により取得された半導体基板の実温度に基づいて、半導体基板の温度が目標温度となるように、ヒータ3の発熱量を調整する。
【0044】
例えば、側壁1の温度が500℃となるようにヒータ3の発熱量が調整された状況下(図3に示す検量線)では、放射率計8により計測された放射率が0.2であった場合、半導体基板の実温度は475℃である。このとき、半導体基板の目標温度が465℃であるとすると、温度制御部12は側壁1の温度の設定温度を、例えば10℃低下させる。これにより、半導体基板の実温度は465℃に近づくことになる。また、このような半導体基板温度の調整は、側壁1の設定温度を徐々に低下させ、その設定温度に対応する検量線と、放射率計8により取得した放射率とにより、順次取得される半導体基板の実温度が目標温度になるように調整することもできる。
【0045】
以上のようにして、半導体基板の温度が目標温度に到達すると、装置制御部11は、ガス供給手段に反応性ガスの供給開始を指示する。これにより、処理室10内に反応性ガスが所定流量で導入される。また、このとき、ガス排出手段は、装置制御部11からの指示に基づいて、処理室10から排出する気体の流量を調整し、処理室10内をあらかじめ設定されている所定の圧力に維持する。これにより、半導体基板への成膜が開始される。
【0046】
以上説明したように、本構成によれば、処理室内壁の表面状態が変動した状況下であっても、当該表面状態の変動を反映して、半導体基板の温度を目標温度に正確に維持することができる。この結果、基板処理を再現性よく同一の加工精度で実施することができる。
【0047】
なお、上記では、処理室内の状態を厳密に管理するために、半導体基板が目標温度に到達した後に、処理室10内に反応性ガスを導入する構成としたが、処理室10への反応性ガスの導入は、ヒータ3による温度調整を開始した直後に行ってもよい。また、処理室10への反応性ガスの導入は、半導体基板をサセプタ5上に載置した搬送装置15の退避が完了した直後に実施されてもよい。これにより、半導体基板の処理時間を短縮し、生産効率を向上させることができる。
【0048】
また、装置制御部11および温度制御部12は、例えば、プロセッサとRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリとを備えたハードウェア、および当該メモリに格納され、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実現することができる。
【0049】
上記では、側壁1からの熱放射により半導体基板を加熱するCVD装置について説明したが、サセプタ5からの熱放射により半導体基板を加熱するCVD装置も存在する。図4は、この種のCVD装置の構成を示す概略断面図である。図4において、図1に示すCVD装置20と同一の作用効果を奏する部位には同一の参照符号を付し、以下での詳細な説明は省略する。
【0050】
図4に示すように、このCVD装置30は、サセプタ5に、ヒータ6と、サセプタ5の温度を計測する熱電対7とが埋設されている。ヒータ6および熱電対7は、温度制御部12に接続されている。温度制御部12は、熱電対7により測定された温度に基づいてヒータ6の発熱量を調整する。すなわち、サセプタ5上に設置された半導体基板は、側壁内面1sを熱放射面とする発熱体(ヒータ3が埋設された側壁1)およびサセプタ5の表面5s(以下、サセプタ表面5sという。)を熱放射面とする発熱体(ヒータ6が埋設されたサセプタ5)から放射される熱によって加熱される。サセプタ5が、アルミニウムを主成分とする材質からなる場合、上述の理由により、サセプタ表面5sの放射率は徐々に変動することになる。
【0051】
本構成のCVD装置30では、放射率計8は、側壁内面1sの任意の位置およびサセプタ表面5sの任意の位置の放射率が測定できるように、赤外線の放射方向および検出方向を少なくとも側壁内面1sと、サセプタ表面5sとに向けることができる状態で搬送装置15の先端に支持されている。そして、基板処理が開始されると、まず、半導体基板の搬入中に、側壁内面1sの放射率だけでなくサセプタ表面5sの放射率も計測する。放射率計8は、計測した側壁内面1sの放射率およびサセプタ表面5sの放射率を装置制御部11へ入力する。
【0052】
この構成の場合、側壁内面1sよりもサセプタ表面5sの方が半導体基板の近傍に位置している。したがって、半導体基板の実温度は、側壁内面1sから放射される熱に比べてサセプタ表面5sから放射される熱の影響を大きく受ける。このため、基板温度取得部121は、まず、サセプタ5の設定温度および側壁内面1sの設定温度の組ごとにあらかじめ取得されている検量線と、放射率計8により計測されたサセプタ表面5sの放射率とに基づいて、半導体基板の温度を取得する。なお、この検量線は、側壁内面1sの放射率が既知でありかつ一定値である状態で取得されている。
【0053】
次いで、基板温度取得部121は、放射率計8により計測された側壁内面1sの放射率と、使用した検量線を取得したときの側壁内面1sの放射率とを比較する。そして、両放射率が同一と看做せる場合、検量線に基づいて取得された半導体基板の温度を半導体基板の実温度とする。また、両放射率が同一と看做せない場合、検量線に基づいて取得された半導体基板の温度に対して補正をした温度を、半導体基板の実温度とする。両放射率が同一と看做せるか否かの判断は、使用した検量線において側壁表面1sの放射率が変動した場合に、半導体基板温度が変動するか否かにより行うことができる。また、半導体基板温度が変動する場合の変動量が補正量になる。このような変動量は、実験等によりあらかじめ取得することができる。
【0054】
以上のようにして、基板温度取得部121により取得された半導体基板の実温度に基づいて、温度制御部12は、半導体基板の温度が目標温度となるように、ヒータ3およびヒータ6の発熱量を調整する。これにより、図1に示したCVD装置20と同様に、熱放射面の表面状態が変動した状況下であっても、当該表面状態の変動を反映して、半導体基板の温度を目標温度に正確に維持することができる。この結果、基板処理を再現性よく同一の加工精度で実施することができる。
【0055】
また、上述の各CVD装置20、30は、図4に示すように、放射率計8と同様の機能を有する放射率計9を天板2の上方に備えてもよい。放射率計9は、透光性材料からなる天板2を通じて、処理室内部の熱放射面(側壁内面1sやサセプタ表面5s)の放射率を基板処理中に計測する。このような基板処理中に計測された熱放射面の放射率に基づいて熱放射面を有する発熱体(側壁1やサセプタ5)の温度をさらに調整することで、処理中の放射率の変動をも反映して半導体基板温度を目標温度に調整することができる。これにより、基板温度をさらに正確に目標温度に一致させることができ、基板処理の再現性および処理均一性をより高めることができる。この場合、放射率計9により計測された放射率も装置制御部11に入力され、基板温度取得部121が放射率計9により計測された放射率に基づいて処理中の半導体基板温度を取得する。そして、温度制御部12が、取得された基板処理中の半導体基板温度に基づいて、半導体基板温度が目標温度になる状態に発熱体の温度を調整する。
【0056】
なお、図1、図4では、CVD装置の天板2が透光性材料により構成された例を示したが、当該構成は本発明に必須の要素ではない。放射率計9を設置する場合は、放射率計9が熱放射面の放射率を計測可能であればよく、例えば、側壁1と同一の材料からなる天板の一部に透光性材料からなる窓を設けた構成を採用することができる。また、放射率計9を設置しない場合は、側壁1と同一の材料からなる天板により処理室を構成してもよい。
【0057】
ところで、半導体装置の製造工程では、半導体基板はロットごとに処理される。すなわち、同一ロットに属する複数枚の半導体基板は、ウエハカセットやFOUP等の搬送キャリアに搭載された状態で半導体装置の製造ラインに属する各製造装置間を搬送され、同一の搬送キャリアに搭載された複数枚の半導体基板が各製造装置において連続的に処理される。上述のCVD装置において、このようなロット処理が実施される場合、先行するロットの処理が完了したときに後続のロットがCVD装置に到達していないと、後続のロットが到着するまでの間、CVD装置は基板処理を実施せずに待機することになる。このような待機状態にある場合、CVD装置は加熱処理を実施しないため、処理室の温度は低下することになる。放射率は弱い温度依存性を有しているため、処理室の温度が低下すると、上述の手法により基板処理時の半導体基板の温度を目標温度とする際に誤差が生じうる。このような誤差を低減するために、上述のCVD装置は、ロット処理を行うに際し、以下のようにして半導体基板を処理することが好ましい。
【0058】
例えば、図1に例示したCVD装置20では、基板処理終了後、次ロットの処理が一定時間内に開始されない場合、装置制御部11が、処理室10への放射率計8の挿入を搬送装置15に指示する。当該指示を受けて、搬送装置15は、放射率計8を処理室10内に挿入する。このとき、放射率計8は、熱放射面の放射率の計測を開始する。
【0059】
装置制御部11は、放射率計8により計測される放射率を継続的に監視し、放射率があらかじめ設定されている所定値よりも低くなった場合には、温度制御部12に設定温度の変更を指示する。当該指示を受けた温度制御部12は、ヒータ3の発熱量を、放射率計8により計測される放射率が上記所定値以上になるように変更する。これにより、熱放射面の放射率は、上記所定値以上の値に維持される。また、ヒータ3の発熱量は、次ロットの基板処理が開始されるまでに、当該次ロットに属する半導体基板の処理温度に対応する発熱量に自動的に再設定される。本構成によれば、基板処理終了後、次ロットの処理が一定時間内に開始されない場合であっても、上述の放射率を利用した半導体基板温度の制御を誤差なく実施することができる。なお、上記所定値としては、例えば、直前の基板処理の際に計測された熱放射面の放射率から一定量低い値を設定することができる。
【0060】
図5は、このような処理を実現する半導体装置の製造ラインの一部を示す概略構成図である。図5に示すように、製造ラインには、製造ラインへのロットの投入および製造ラインに投入されているロットの進捗状態が生産管理装置22により管理されている。すなわち、生産管理装置22が管理する各ロットの生産情報(各ロットの生産スケジュールを示す情報)に基づいて、半導体装置の製造ラインを構成する各製造装置へロットが計画的に搬送されるとともに、搬送されたロットに応じた基板処理が各製造装置において実施される。また、製造ラインに属する製造装置における処理が完了し、次の処理が他の製造装置で直ちに実施されないロットは、生産管理装置22の指示に基づいて製造ラインに配置されている保管庫(ストッカ)23に一時的に保管される。ストッカ23に保管されているロットは、生産管理装置22の指示に基づいてストッカ23から搬出され、製造ラインに属する各製造装置に搬入される。なお、図5では、製造ラインに属する多数の製造装置のうち図1に示したCVD装置20である製造装置21のみを示している。また、図5では、ストッカ23から製造装置21へのロットの搬入出は、公知のキャリア搬送装置24により行われる構成を示しているが、キャリアの搬送は任意の手段により実現することができる。ストッカ23、キャリア搬送装置24、製造装置21は生産管理装置22と、データを送受信可能に接続されている。
【0061】
当該製造ラインにおいて、キャリア搬送装置24は、ストッカ23に保管されているロットの在庫情報と生産管理装置22からのロット搬送指示とを照合して、指示されたロットをストッカ23から製造装置21へ搬送する。また、キャリア搬送装置24は、例えば、指定されたロットが収容されたキャリアをストッカ23から移載したときに、製造装置21へ搬送開始信号を通知する。搬送開始信号を受信した製造装置21(CVD装置20)は、当該搬送開始信号に基づいて次ロットの到着予定時刻を予測し、先の基板処理が完了してから一定時間内に次ロットが到着しない場合には、上述の熱放射面の熱反射率を所定値以上に維持する制御を開始する。
【0062】
また、熱放射面の放射率が平衡状態に達した場合には、上述の熱放射面の熱反射率を所定値以上に維持する制御に代えて以下の制御を行うことでも、同様の効果を奏することができる。すなわち、製造装置21(CVD装置20)は、基板処理終了後、次ロットの処理が一定時間内に開始されない場合、装置制御部11が、処理室10への放射率計8の挿入を搬送装置15に指示する。当該指示を受けて、搬送装置15は、放射率計8を処理室10内に挿入する。このとき、放射率計8は、熱放射面の放射率の計測を開始する。
【0063】
製造装置21が搬送開始信号を受信すると、装置制御部11は、搬送開始信号に基づいて次ロットの到着予定時刻を予測する。そして、処置室10内に配置されている放射率計8により計測される放射率が、到着予定時刻までにあらかじめ設定されている所定範囲(管理範囲)内の値となるように、ヒータ3の発熱量を増大させ、側壁1の温度を上昇させる。
【0064】
図6は、この昇温時に放射率計8により計測された放射率の変動を示す図である。図6に示すように、側壁1の昇温は搬送開始信号を受信したときに開始され、側壁1の温度上昇に伴って、側壁内面1sの放射率が次第に上昇する。そして、次ロット(キャリア)が到着するまでに管理範囲内の放射率に到達する。本構成によれば、基板処理の間隔が変動する場合であっても、上述の放射率を利用した半導体基板温度の制御を誤差なく実施することができる。なお、上記所定範囲は、例えば、平衡状態の熱放射面の放射率を基準にして設定することができる。また、放射率は、次ロットが到着するまでに管理範囲内にあればよく、加熱開始のタイミングは搬送開始時に限定されるものではない。
【0065】
以上説明したように、本発明によれば、半導体基板に対する処理が実施される処理室の内壁等の表面状態が変動した場合であっても、当該表面状態の変動を反映した状態で半導体基板の温度を調整することができる。この結果、半導体基板の基板処理を再現性よく各半導体基板間で均一に行うことができる。
【0066】
また、本発明を適用した場合、処理室内の熱放射面の状態変動を監視することが可能であるため、例えば、放射率の異常な上昇や異常な低下を検出することもできる。したがって、このような放射率の異常な変動を伴う温度制御機構の不具合についても同時に検出することができる。
【0067】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変形および応用が可能である。例えば、上記では、熱放射面の表面状態が酸化により変動することに着目して説明したが、本発明は熱放射面の放射率の変動を反映した状態で半導体基板の温度を調整するものであり、熱放射面の放射率の変動要因は問わない。したがって、CVD装置において、例えば、処理室内に副生成物が付着することにより熱放射面の放射率が変動する場合であっても、同様の効果を得ることができる。この場合、上記式1の平衡状態の放射率Esは、処理室内の副生成物をクリーニング除去する直前の熱放射面の放射率になる。また、処理間隔の変動によって処理室内壁の表面状態が変動する場合であっても、同様の効果を得ることができる。さらに、放射率を計測する熱放射面の計測位置は複数箇所であってもよい。加えて、上記実施形態では、本発明をCVD装置に適用した事例について説明したが、本発明は、熱放射により半導体基板を加熱するいかなる半導体製造装置に対しても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、熱放射面の表面状態が変動した場合であっても、再現性よく基板処理を実施できるという効果を有し、半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態におけるCVD装置を示す概略断面図。
【図2】エイジング時間と放射率との関係を示す図。
【図3】放射率と半導体基板の実温度との対応関係を示す図。
【図4】本発明の一実施形態におけるCVD装置の変形例を示す概略断面図。
【図5】本発明の一実施形態におけるCVD装置を備える製造ラインの一部を示す概略構成図。
【図6】本発明の一実施形態におけるCVD装置の側壁昇温時の放射率変動を示す図。
【図7】従来の半導体製造装置を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0070】
1 側壁
1s 側壁内面
2 天板
3 ヒータ
4 熱電対
5 サセプタ
5s サセプタ表面
6 ヒータ
7 熱電対
8 放射率計
9 放射率計
10 処理室
11 装置制御部
12 温度制御部
121 基板温度取得部
15 搬送装置
21 半導体製造装置(CVD装置)
22 生産管理装置
23 ストッカ
24 搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置室内に設置された半導体基板を加熱した状況下で処理する加熱工程を含む、半導体装置の製造方法であって、
前記加熱工程が、
前記処理室内に設置された半導体基板に対して熱を放射する熱放射面の放射率を測定する工程と、
前記熱放射面を有する発熱体の温度を測定する工程と、
測定された発熱体の温度に対応してあらかじめ取得された、前記熱放射面の放射率と前記処理室内に設置された半導体基板の温度との対応関係に基づいて、処理室内に設置された半導体基板の温度を取得する工程と、
取得された半導体基板の温度に基づいて、処理室内に設置された半導体基板が目標温度となる状態に、前記発熱体の温度を調整する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記加熱工程が、目標温度になった前記半導体基板上に、前記処理室内に導入された反応性ガスに対応する膜を堆積する工程をさらに有する、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記熱放射面が、前記処理室の内壁または前記処理室内で前記半導体基板が設置される基板支持部の表面である、請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記熱放射面の放射率が、前記処理室内に前記半導体基板を設置する前に計測される、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記熱放射面の放射率が、基板処理中に計測される、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記処理室内に半導体基板が設置されるまでの間に、前記熱放射面の放射率が、あらかじめ設定された放射率になる状態に加熱する工程をさらに有する、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
処置室内に設置された半導体基板を加熱した状況下で処理する半導体装置の製造装置であって、
前記処理室内で、処理対象の半導体基板が設置される基板支持部と、
処理室内に設置された半導体基板に対して熱を放射する熱放射面の放射率を測定する手段と、
前記熱放射面を有する発熱体の温度を測定する手段と、
測定された発熱体の温度に対応してあらかじめ取得された、前記熱放射面の放射率と前記処理室内に設置された半導体基板の温度との対応関係に基づいて、前記処理室内に設置された半導体基板の温度を取得する手段と、
取得された半導体基板の温度に基づいて、処理室内に設置された半導体基板が目標温度となる状態に、前記発熱体の温度を調整する手段と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項8】
目標温度になった前記半導体基板上に成膜を行うための反応性ガスを前記処理室内に導入する手段をさらに備えた請求項7記載の半導体装置の製造装置。
【請求項9】
前記熱放射面が、前記処理室の内壁または前記基板支持部の表面である請求項7記載の半導体装置の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−147170(P2009−147170A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323871(P2007−323871)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】