半導体装置の製造方法および半導体装置
【課題】 注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法では、半導体チップ109を配線基板100上に搭載し、配線基板100と半導体チップ109とを、第1のワイヤ群120と、前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い第2のワイヤ群118とを張設して接続し、第1のワイヤ群120から第2のワイヤ群118に向けて封止樹脂307を注入して半導体チップ109、第1のワイヤ群120、第2のワイヤ群118を覆う封止体401を形成する。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法では、半導体チップ109を配線基板100上に搭載し、配線基板100と半導体チップ109とを、第1のワイヤ群120と、前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い第2のワイヤ群118とを張設して接続し、第1のワイヤ群120から第2のワイヤ群118に向けて封止樹脂307を注入して半導体チップ109、第1のワイヤ群120、第2のワイヤ群118を覆う封止体401を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、BGA(Ball Grid Array)型の半導体装置の製造方法としては、複数の製品形成部を有する配線基板を準備し、製品形成部のそれぞれに半導体チップを搭載し、配線基板上の複数の製品形成部を一体的に覆う封止体を形成し、配線基板を個々の製品形成部毎に分割するMAP(Mold Array Process)方式が用いられていた(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−44229号公報
【特許文献2】特開2001−44324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、MAP方式の半導体装置の製造方法では、ゲートから半導体チップの一辺に垂直な方向で封止樹脂を注入するため、半導体チップを構成する辺のうち、樹脂を注入する側の一辺と対向する他辺側(エアベント側)で巻き込みが発生し、樹脂を注入する辺側よりも他辺側が樹脂の流速が早くなる。
【0005】
そのため、他辺側に張設されているワイヤが、注入された樹脂の押圧によりワイヤ流れを生じたり、或いはワイヤ同士が接触してショートしたりする恐れがあった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(a)少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群を配線基板上に搭載し、(b)前記配線基板と、前記半導体チップ群とを、第1のワイヤ群と、前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い第2のワイヤ群とを張設して接続し、(c)前記第1のワイヤ群から前記第2のワイヤ群に向けて封止樹脂を注入して前記第1の半導体チップ、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体を形成する、半導体装置の製造方法である。
【0008】
本発明の第2の態様は、配線基板と、前記配線基板上に搭載され、少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群と、前記配線基板と半導体チップ群とを接続するように張設された第1のワイヤ群と、第2のワイヤ群と、前記半導体チップ群、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体と、を有し、前記第2のワイヤ群は前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い、半導体装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止可能な半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】第1の実施形態の半導体装置の製造に用いる配線基板の概略構成を示す図である。
【図4】図3の4−4断面図である。
【図5】ワイヤボンディングの手順を説明するための平面図である。
【図6】図5の6−6断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る半導体装置の封止に用いる成型装置(トランスファモールド装置)の概略構成を示す断面図である。
【図8】封止の手順を説明するための断面図である。
【図9】封止の手順を説明するための断面図である。
【図10】第1の実施形態の中間構造体を示す平面図である。
【図11】図10の11−11断面図である。
【図12】ボールマウントの手順を説明するための平面図である。
【図13】図12の13−13断面図である。
【図14】基板ダイシングの手順を説明するための平面図である。
【図15】図14の15−15断面図である。
【図16】第2の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図17】図16の17−17断面図である。
【図18】第3の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図19】図18の19−19断面図である。
【図20】第4の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図21】図20の21−21断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
【0012】
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置700の概略構成を説明する。
【0013】
図1および図2に示すように、半導体装置700は、平面形状が多角形(ここでは四角形)の板状の配線基板100と、配線基板100の一方の面に接着剤あるいはDAF(Die Attached Film)等の接着部701を介して搭載された多角形(ここでは四角形)の半導体チップ109とを有している。
【0014】
半導体チップ109は、シリコンやゲルマニウムなどの材料からなる基板の一面に、例えばマイクロプロセッサ等のような論理回路またはSRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のような記憶回路等を備えており、表面(接着面と反対側の面)には、電極パッド112を有している。
【0015】
なお、電極パッド112を除く、半導体チップ109の表面には図示しないパッシベーション膜が形成され、回路形成面を保護している。
【0016】
また、図1では半導体チップ109は1つのチップのみが配線基板100に搭載され、単体で半導体チップ群800を構成しているが、半導体チップ群800は後述するように複数のチップを有する構造でもよい。
【0017】
配線基板100は、半導体チップ109が設けられた面側に設けられた接続パッド103、他の面側に設けられたランド104、および、接続パッド103とランド104を接続する内部配線105を有している。
配線基板100は、例えばガラスエポキシ基材で構成されている。
【0018】
ランド104上には半導体装置700を他の装置と接続するための半田ボール500が外部端子(バンプ電極)として設けられており、接続パッド103と電極パッド112はワイヤ110によって電気的に接続されている。
【0019】
即ち、半導体チップ109は、電極パッド112、ワイヤ110、接続パッド103、内部配線105、ランド104を介して半田ボール500と接続されている。
【0020】
なお、配線基板100の表面には図示しない配線パターンが形成され、接続パッド103、ランド104が設けられた領域以外の領域はソルダーレジスト等の図示しない絶縁膜で覆われている。
【0021】
さらに、半導体装置700は、少なくとも半導体チップ109、接続パッド103、電極パッド112、ワイヤ110を覆うように封止体401が設けられている。
【0022】
封止体401は例えばエポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化樹脂であり、半導体チップ109や、電気的接続部位である接続パッド103、電極パッド112、ワイヤ110を保護している。
【0023】
ここで、ワイヤ110、配線基板100、半導体チップ109の配置形状について説明する。
【0024】
前述のように半導体チップ109は平面形状が四角形であり、図1に示すように辺116a(第1の辺)、116b、116c(第2の辺)、116dを有している。
【0025】
また、配線基板100も平面形状が四角形であり、図1に示すように辺114a(第3の辺)、114b、114c(第4の辺)、114dを有している。
【0026】
電極パッド112は辺116a、116b、116c、116dに沿って設けられており、接続パッド103も辺114a、114b、114c、114dに沿って設けられている。
【0027】
ワイヤ110は辺116a、116b、116c、116dを跨ぐようにして設けられている。
【0028】
ここで、互いに対向する辺116a、116cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群120と第2のワイヤ群118を見ると、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなっている。
【0029】
詳細は後述するが、このように対向する辺を跨ぐワイヤの一方を他方よりも短くし、封止体401を形成する際に、ワイヤ長の長い方から短い方に向けて樹脂を注入することにより、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止できる。
【0030】
一方、半導体チップ109は、辺114a、114b、114c、114dが、配線基板100の辺116a、116b、116c、116dにそれぞれ対応するように設けられているが、辺114cと辺116cの最短距離122の方が、辺114aと辺116aの最短距離124よりも短くなるように配置されている。
【0031】
半導体チップ109をこのような位置に配置することにより、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるように配線できる。
以上が半導体装置700の構造の概略である。
【0032】
次に、半導体装置700の製造方法について、図1〜図15を参照して説明する。
【0033】
最初に、図3および図4に示すような配線基板100を準備する。
図3および図4に示すように、配線基板100は、例えば0.2mm厚のガラスエポキシ配線基板であり、図3に示すようにマトリックス状に配置された複数の製品形成部101を有している。マトリックス状に配置された複数の製品形成部101は、例えば4×4で16個の2つのエリア102a、102bをそれぞれ構成している。複数の製品形成部101は、それぞれ図1、図2に示す半導体装置700の1個分の配線基板100に相当する部分であり、前述した接続パッド103、ランド104、内部配線105(図3および図4では図示せず)等が形成されている。
【0034】
また、製品形成部101がマトリックス状に配置されたエリア102a、102bの周囲には枠部106が配置されている。枠部106には所定の間隔で位置決め孔107が設けられ、搬送・位置決めが可能に構成されている。また、製品形成部101間はダイシングライン108となる。
【0035】
次に、配線基板100上に半導体チップ109を配置する。
【0036】
具体的には、まず、配線基板100を、接続パッド103が上になるように図示しないダイボンディング装置に載置する。
【0037】
配線基板100の載置が完了すると、図示しないダイボンディング装置を用いて接着部701の上に半導体チップ109を載置したのち、加熱等により接着部701を硬化させてダイボンディングを完了する。
【0038】
なお、半導体チップ109を載置する際は、図1に示すように、辺114cと辺116cの最短距離122の方が、辺114aと辺116aの最短距離124よりも短くなるような位置に半導体チップ109を載置する。
【0039】
半導体チップ109の載置が完了すると、配線基板100を図示しないワイヤボンディング装置に載置する。
【0040】
配線基板100の載置が完了すると、図示しないワイヤボンディング装置により、ワイヤ110の一端を電極パッド112(図1参照)に超音波熱圧着により接続し、その後、所定のループ形状を描きながら他端を接続パッド103上に超音波熱圧着により接続する(図5、図6参照)。
【0041】
この際、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるようにワイヤ110を接続する(図1、図2参照)。
【0042】
次に、半導体チップ109を載置した配線基板100を成型装置300に載置する。
【0043】
成型装置300は、図7に示すように、上型301と下型302からなる成形金型を有している。上型301の下型302との対向面にはキャビティ303が形成されており、下型302の上型301との対向面には配線基板100を搭載する凹部304が形成されている。
【0044】
ワイヤボンディングの完了した配線基板100(図5参照)は、図8に示すように、下型302の凹部304(図7参照)にセットされる。
【0045】
この際、第2のワイヤ群118がエアベント312側に、第1のワイヤ群120がゲート305側を向くように配線基板100をセットする。
【0046】
次に、図8に示すように、上型301と下型302で配線基板100を型閉めする。本実施形態では、MAP方式で構成されているため、キャビティ303は複数の製品形成部101を一括で覆う大きさで構成されている。また、本実施形態ではキャビティ303はエリア102a、102bに対応するように2つに分割して配置されている。次に、下型302のポットにタブレット306(レジンタブレット)が供給され、加熱溶融される。
【0047】
次に、図9に示すように、溶融された封止樹脂307をプランジャー308によりゲート305からキャビティ303(図8参照)内に注入する。
【0048】
この際、溶融された封止樹脂307は、第1のワイヤ群120側から第2のワイヤ群118側、即ちワイヤ長の長い方から短い方に向けて樹脂が注入されるため、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止できる。
【0049】
なお、封止樹脂307の注入時には、ゲート305側のワイヤ110は左右に広がるように樹脂が充填されるため、ゲート305側にワイヤ長が長い方のワイヤ群を配置しても、ワイヤショートを生じることなく、ゲート305から封止樹脂307を注入できる。
【0050】
キャビティ303内に封止樹脂307を充填した後、所定の温度、例えば180℃でキュアすると、封止樹脂307が硬化され、封止体401(図2参照)が形成される。
【0051】
その後、成型装置300(成型金型)から、配線基板100を取り出し、所定の温度、例えば240℃でリフローすることで封止体401が完全に硬化される。
【0052】
このようにして、図10及び図11に示すような、配線基板100の製品形成部101の2つのエリア102a、102b(図3参照)に、2つの封止体401a、401bが形成された半導体装置の中間構造体400が形成される。また、中間構造体400の封止体401a、401bに接続されたゲート305とランナー309及びカル310の封止樹脂307は除去される。
【0053】
次に、図12及び図13に示すように、配線基板100のランド104上に、半田ボール500を搭載し、外部端子となるバンプ電極を形成する。
【0054】
具体的には、配線基板100上のランド104の配置に合わせて複数の吸着孔が形成された図示しない吸着機構を用いて、半田ボール500を吸着孔に保持し、保持された半田ボール500を、フラックスを介して配線基板100のランド104に一括搭載する。
【0055】
全ての製品形成部101への半田ボール500の搭載後、配線基板100をリフローすることでバンプ電極(外部端子)が形成される。
【0056】
次に、半田ボール500の搭載された配線基板100を図示しない基板ダイシング装置に載置する。
【0057】
配線基板100の載置が完了すると、図14及び図15に示すように、配線基板100をダイシングライン108(図3参照)で切断し、製品形成部101毎に分離する(製品形成部101は図3参照)。具体的には、配線基板100の封止体401a、401b側をダイシングテープ600に図示しない接着層を介して接着し、ダイシングテープ600によって配線基板100を支持する。その後、配線基板100を図示しないダイシング装置のダイシングブレードにより縦横にダイシングライン108を切断して製品形成部101毎に切断分離する。切断分離後、切断分離された個々の製品形成部101をダイシングテープ600からピックアップすることで、図1および図2に示すような半導体装置700が得られる。
【0058】
このように、第1の実施形態によれば、半導体装置700は半導体チップ109の互いに対向する辺116a、116cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群120と第2のワイヤ群118を有し、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるように構成されており、製造の際は、第1のワイヤ群120側から第2のワイヤ群118側に向けて封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
【0059】
そのため、封止樹脂307の注入時に、エアベント312側での封止樹脂307の巻き込みにより封止樹脂307の流速が早くなっても、ワイヤ流れ及びワイヤショートの発生を防止できる。
【0060】
次に、第2の実施形態について図16および図17を参照して説明する。
【0061】
第2の実施形態は第1の実施形態において、複数の半導体チップを配線基板上に搭載して半導体チップ群800aを構成したものである。
【0062】
なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、主に第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0063】
図16および図17に示すように、半導体装置700aは、配線基板100上に下側半導体チップ109aが搭載されている。
【0064】
配線基板100は辺114aと辺114cに沿ってそれぞれ配置された接続パッド167a、167cを有している。
【0065】
配線基板100はさらに、辺114aと辺114cに沿うようにして、かつ接続パッド167a、167cよりも外周側に配置された接続パッド169a、169cを有している。
【0066】
下側半導体チップ109aは平面形状が四角形であり、辺131a〜131dを有している。
【0067】
一方、下側半導体チップ109aは、辺131a、131cに沿うようにそれぞれ電極パッド173a、173cが設けられており、電極パッド173a、173cはワイヤ110aでそれぞれ接続パッド167a、167cと接続されている。
【0068】
下側半導体チップ109aにはDAF等の接着部701を介して上側半導体チップ109bが積層配置されており、下側半導体チップ109aと上側半導体チップ109bで半導体チップ群800aを構成している。
【0069】
上側半導体チップ109bは、下側半導体チップ100aより小さいチップサイズで構成されており、下側半導体チップ100aの電極パッド173a、173cが露出されるように、下側半導体チップ109a上に上側半導体チップ109bが配置される。
【0070】
上側半導体チップ109bも平面形状が四角形であり、辺133a〜133dは、それぞれ下側半導体チップ100aの辺131a〜131dと対応するように設けられている。
【0071】
また、上側半導体チップ109bは、辺133a(第1の辺)および辺133c(第2の辺)に沿ってそれぞれ電極パッド171a、171cが設けられている。
【0072】
電極パッド171a、171cは、電極パッド171aの配置間隔153よりも、電極パッド171cの配置間隔151の方が広くなるように設けられている。
【0073】
電極パッド171aと接続パッド169aは第1のワイヤ群135で接続されており、電極パッド171cと接続パッド169cは第2のワイヤ群137で接続されている。そのため、第2のワイヤ群137のワイヤ間隔の方が、第1のワイヤ群135のワイヤ間隔よりも広くなっている。
【0074】
このように、電極パッド171aの配置間隔153よりも、電極パッド171cの配置間隔151の方が広くなるように構成することにより、第1のワイヤ群135のワイヤ間隔よりも第2のワイヤ群137のワイヤ間隔が広くなり、よりワイヤショートが生じにくくなる。
【0075】
また、上側半導体チップ109bは、辺133cと配線基板100の辺114cの最短距離122bの方が、辺133aと辺114aの最短距離124bよりも短くなるように配置されている。また、辺133cと下側半導体チップ109aの辺131cの最短距離122aの方が、辺133aと辺131aの最短距離124aよりも短くなるように配置されている。
【0076】
このように構成することにより、第1の実施形態と同様に、第1のワイヤ群135よりも第2のワイヤ群137の方がワイヤ長を短くできる。
【0077】
一方、下側半導体チップ109aのワイヤ110aは、上側半導体チップ109bのワイヤ110bと比べてワイヤ長が短くなっており、上側半導体チップ109bのワイヤ110aと比べてワイヤショートのリスクが小さいため、ワイヤ長は等長となるように構成している。
【0078】
第2の実施形態においては、封止樹脂307の注入の際は、ワイヤショートのリスクが影響の大きい上側半導体チップ109bのワイヤ110bの配置を考慮して、封止樹脂307の注入方向が選定される。
【0079】
具体的には、封止樹脂307の注入の際は、第2のワイヤ群137がエアベント312側を、第1のワイヤ群135がゲート305側をそれぞれ向くように成型装置300にセットされ、第1のワイヤ群135側から第2のワイヤ群137側に向けて封止樹脂307が注入される。
【0080】
このように、複数の半導体チップを搭載したMCP(Multi Chip Package)型の半導体装置700aであっても、第1の実施形態と同様に、半導体装置700aは大型化することなく、封止樹脂307の注入時に、エアベント312側での封止樹脂307の巻き込みにより封止樹脂307の流速が早くなっても、ワイヤ流れ及びワイヤショートの発生を低減できる。
【0081】
また封止樹脂307の注入時に、ゲート305側のワイヤは左右に広がるように封止樹脂307が充填されるため、第1の実施形態と同様に、ゲート305側にワイヤ長が長い方のワイヤ群である第1のワイヤ群135を配置することで、ゲート305側が長いワイヤであってもワイヤショートすることなく、ゲート305から封止樹脂307を注入できる。
【0082】
このように、第2の実施形態によれば、半導体装置700aは上側半導体チップ109bの互いに対向する辺133a、133cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群135と第2のワイヤ群137を有し、第2のワイヤ群137の方が第1のワイヤ群135よりもワイヤ長が短くなるように構成され、製造の際は、第1のワイヤ群135側から第2のワイヤ群137側に向けて封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0083】
また、第2の実施形態によれば、半導体装置700aは配線基板100上に下側半導体チップ109aと上側半導体チップ109bが積層されており、下側半導体チップ109aと上側半導体チップ109bで半導体チップ群800aを構成している。
そのため、第2の実施形態は、MCP型の半導体装置に適用できる。
【0084】
さらに、第2の実施形態によれば、電極パッド171aの配置間隔153よりも、電極パッド171cの配置間隔151の方が広くなるように構成することにより、第1のワイヤ群135の配置間隔よりも第2のワイヤ群137の配置間隔が広くなっている。
そのため、第1の実施形態と比べてよりワイヤショートの発生を低減することができる。
【0085】
次に、第3の実施形態に係る半導体装置700bについて、図18および図19を参照して説明する。
【0086】
第3の実施形態は、第1の実施形態において、第1のワイヤ群120を構成するワイヤ110よりも第2のワイヤ群118を構成するワイヤ110cの線径を大きくしたものである。
【0087】
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0088】
図18および図19に示すように、半導体装置700bは、第1のワイヤ群120を構成するワイヤ110よりも第2のワイヤ群118を構成するワイヤ110cの線径が大きくなっている。即ち、ワイヤ110cとして、ワイヤ110よりも線径が大きいワイヤを用いている。
【0089】
このように構成することで、ワイヤ110とワイヤ110cの線径を同一にする場合と比べて、よりワイヤショートの発生を低減することができる。
【0090】
このように、第3の実施形態によれば、半導体装置700bは半導体チップ109の互いに対向する辺116a、116cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群120と第2のワイヤ群118を有し、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるように構成され、製造の際は、第1のワイヤ群120側から第2のワイヤ群118側に向けて封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0091】
また、第3の実施形態によれば、半導体装置700bは、第1のワイヤ群120を構成するワイヤ110よりも第2のワイヤ群118を構成するワイヤ110cの線径が大きい。
そのため、第1の実施形態と比べて、よりワイヤショートの発生を低減することができる。
【0092】
次に、第4の実施形態に係る半導体装置700cについて、図20および図21を参照して説明する。
【0093】
第4の実施形態は、第2の実施形態において、上側半導体チップ109bの一辺のみにワイヤを設けたものである。
【0094】
なお、第4の実施形態において、第2の実施形態と同一の機能を果たす要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0095】
図20および図21に示すように、半導体装置700cの上側半導体チップ109bは、辺133a〜133dのうち、辺133aのみに沿うように電極パッド171aが設けられており、電極パッド171aからは、ワイヤ139が辺133aのみを跨ぐようにして設けられている。
【0096】
一方、配線基板100は辺114a〜114dに沿って設けられた接続パッド103と、接続パッド103よりも外周側に設けられ、かつ辺114aにのみ沿って設けられた接続パッド181を有している。
【0097】
接続パッド103は、ワイヤ110aを介して下側半導体チップ109aの電極パッド112と接続され、接続パッド181はワイヤ139を介して電極パッド171aと接続される。
【0098】
このように、上側半導体チップ109bのワイヤ139は一辺のみに設けてもよい。
【0099】
なお、この場合、ワイヤ139が第1のワイヤ群に相当し、下側半導体チップ109aに設けられたワイヤ110aのうち、辺131c(辺133cを挟んで辺133aに対向する辺)を跨ぐように設けられたワイヤが第2のワイヤ群に相当する。
【0100】
この場合、半導体装置700cは、ワイヤ139(辺133a)をゲート305側に、辺131cをエアベント312側に向けて成型装置300に配置し、ワイヤ139側から辺131c側に向けて封止樹脂307を注入することにより封止体401が形成される。
【0101】
このように、第4の実施形態によれば、半導体装置700cは上側半導体チップ109bの辺133aを跨ぐように設けられたワイヤ139を有し、製造の際は、ワイヤ139側から封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
そのため、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0102】
また、第4の実施形態によれば、半導体装置700cは、ワイヤ139を一辺のみに設けている。
そのため、第2の実施形態と同等以上の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0104】
例えば本実施形態では、配線基板に1つ、或いは2つの半導体チップを搭載した半導体装置に適用した場合について説明したが、三段以上に半導体チップを積層搭載した半導体装置等、ワイヤ長の異なる製品であればどのような半導体装置に適用しても良い。
【0105】
また本実施形態では、ガラスエポキシ基材からなる配線基板を用いた場合について説明したが、配線基板としてはセラミック基板を用いても良いし、あるいはポリイミド基材等のフレキシブルな配線基板を用いても良い。
【符号の説明】
【0106】
100………配線基板
101………製品形成部
103………接続パッド
104………ランド
106………枠部
107………位置決め孔
109………半導体チップ
110………ワイヤ
112………電極パッド
114a……辺
116a……辺
118………第2のワイヤ群
120………第1のワイヤ群
122………最短距離
124………最短距離
300………成型装置
301………上型
302………下型
303………キャビティ
304………凹部
500………半田ボール
700………半導体装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、BGA(Ball Grid Array)型の半導体装置の製造方法としては、複数の製品形成部を有する配線基板を準備し、製品形成部のそれぞれに半導体チップを搭載し、配線基板上の複数の製品形成部を一体的に覆う封止体を形成し、配線基板を個々の製品形成部毎に分割するMAP(Mold Array Process)方式が用いられていた(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−44229号公報
【特許文献2】特開2001−44324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、MAP方式の半導体装置の製造方法では、ゲートから半導体チップの一辺に垂直な方向で封止樹脂を注入するため、半導体チップを構成する辺のうち、樹脂を注入する側の一辺と対向する他辺側(エアベント側)で巻き込みが発生し、樹脂を注入する辺側よりも他辺側が樹脂の流速が早くなる。
【0005】
そのため、他辺側に張設されているワイヤが、注入された樹脂の押圧によりワイヤ流れを生じたり、或いはワイヤ同士が接触してショートしたりする恐れがあった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(a)少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群を配線基板上に搭載し、(b)前記配線基板と、前記半導体チップ群とを、第1のワイヤ群と、前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い第2のワイヤ群とを張設して接続し、(c)前記第1のワイヤ群から前記第2のワイヤ群に向けて封止樹脂を注入して前記第1の半導体チップ、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体を形成する、半導体装置の製造方法である。
【0008】
本発明の第2の態様は、配線基板と、前記配線基板上に搭載され、少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群と、前記配線基板と半導体チップ群とを接続するように張設された第1のワイヤ群と、第2のワイヤ群と、前記半導体チップ群、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体と、を有し、前記第2のワイヤ群は前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い、半導体装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止可能な半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】第1の実施形態の半導体装置の製造に用いる配線基板の概略構成を示す図である。
【図4】図3の4−4断面図である。
【図5】ワイヤボンディングの手順を説明するための平面図である。
【図6】図5の6−6断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る半導体装置の封止に用いる成型装置(トランスファモールド装置)の概略構成を示す断面図である。
【図8】封止の手順を説明するための断面図である。
【図9】封止の手順を説明するための断面図である。
【図10】第1の実施形態の中間構造体を示す平面図である。
【図11】図10の11−11断面図である。
【図12】ボールマウントの手順を説明するための平面図である。
【図13】図12の13−13断面図である。
【図14】基板ダイシングの手順を説明するための平面図である。
【図15】図14の15−15断面図である。
【図16】第2の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図17】図16の17−17断面図である。
【図18】第3の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図19】図18の19−19断面図である。
【図20】第4の実施形態に係る半導体装置を示す平面図(上面図)であって、封止体は透明に表している。
【図21】図20の21−21断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
【0012】
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置700の概略構成を説明する。
【0013】
図1および図2に示すように、半導体装置700は、平面形状が多角形(ここでは四角形)の板状の配線基板100と、配線基板100の一方の面に接着剤あるいはDAF(Die Attached Film)等の接着部701を介して搭載された多角形(ここでは四角形)の半導体チップ109とを有している。
【0014】
半導体チップ109は、シリコンやゲルマニウムなどの材料からなる基板の一面に、例えばマイクロプロセッサ等のような論理回路またはSRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のような記憶回路等を備えており、表面(接着面と反対側の面)には、電極パッド112を有している。
【0015】
なお、電極パッド112を除く、半導体チップ109の表面には図示しないパッシベーション膜が形成され、回路形成面を保護している。
【0016】
また、図1では半導体チップ109は1つのチップのみが配線基板100に搭載され、単体で半導体チップ群800を構成しているが、半導体チップ群800は後述するように複数のチップを有する構造でもよい。
【0017】
配線基板100は、半導体チップ109が設けられた面側に設けられた接続パッド103、他の面側に設けられたランド104、および、接続パッド103とランド104を接続する内部配線105を有している。
配線基板100は、例えばガラスエポキシ基材で構成されている。
【0018】
ランド104上には半導体装置700を他の装置と接続するための半田ボール500が外部端子(バンプ電極)として設けられており、接続パッド103と電極パッド112はワイヤ110によって電気的に接続されている。
【0019】
即ち、半導体チップ109は、電極パッド112、ワイヤ110、接続パッド103、内部配線105、ランド104を介して半田ボール500と接続されている。
【0020】
なお、配線基板100の表面には図示しない配線パターンが形成され、接続パッド103、ランド104が設けられた領域以外の領域はソルダーレジスト等の図示しない絶縁膜で覆われている。
【0021】
さらに、半導体装置700は、少なくとも半導体チップ109、接続パッド103、電極パッド112、ワイヤ110を覆うように封止体401が設けられている。
【0022】
封止体401は例えばエポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化樹脂であり、半導体チップ109や、電気的接続部位である接続パッド103、電極パッド112、ワイヤ110を保護している。
【0023】
ここで、ワイヤ110、配線基板100、半導体チップ109の配置形状について説明する。
【0024】
前述のように半導体チップ109は平面形状が四角形であり、図1に示すように辺116a(第1の辺)、116b、116c(第2の辺)、116dを有している。
【0025】
また、配線基板100も平面形状が四角形であり、図1に示すように辺114a(第3の辺)、114b、114c(第4の辺)、114dを有している。
【0026】
電極パッド112は辺116a、116b、116c、116dに沿って設けられており、接続パッド103も辺114a、114b、114c、114dに沿って設けられている。
【0027】
ワイヤ110は辺116a、116b、116c、116dを跨ぐようにして設けられている。
【0028】
ここで、互いに対向する辺116a、116cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群120と第2のワイヤ群118を見ると、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなっている。
【0029】
詳細は後述するが、このように対向する辺を跨ぐワイヤの一方を他方よりも短くし、封止体401を形成する際に、ワイヤ長の長い方から短い方に向けて樹脂を注入することにより、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止できる。
【0030】
一方、半導体チップ109は、辺114a、114b、114c、114dが、配線基板100の辺116a、116b、116c、116dにそれぞれ対応するように設けられているが、辺114cと辺116cの最短距離122の方が、辺114aと辺116aの最短距離124よりも短くなるように配置されている。
【0031】
半導体チップ109をこのような位置に配置することにより、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるように配線できる。
以上が半導体装置700の構造の概略である。
【0032】
次に、半導体装置700の製造方法について、図1〜図15を参照して説明する。
【0033】
最初に、図3および図4に示すような配線基板100を準備する。
図3および図4に示すように、配線基板100は、例えば0.2mm厚のガラスエポキシ配線基板であり、図3に示すようにマトリックス状に配置された複数の製品形成部101を有している。マトリックス状に配置された複数の製品形成部101は、例えば4×4で16個の2つのエリア102a、102bをそれぞれ構成している。複数の製品形成部101は、それぞれ図1、図2に示す半導体装置700の1個分の配線基板100に相当する部分であり、前述した接続パッド103、ランド104、内部配線105(図3および図4では図示せず)等が形成されている。
【0034】
また、製品形成部101がマトリックス状に配置されたエリア102a、102bの周囲には枠部106が配置されている。枠部106には所定の間隔で位置決め孔107が設けられ、搬送・位置決めが可能に構成されている。また、製品形成部101間はダイシングライン108となる。
【0035】
次に、配線基板100上に半導体チップ109を配置する。
【0036】
具体的には、まず、配線基板100を、接続パッド103が上になるように図示しないダイボンディング装置に載置する。
【0037】
配線基板100の載置が完了すると、図示しないダイボンディング装置を用いて接着部701の上に半導体チップ109を載置したのち、加熱等により接着部701を硬化させてダイボンディングを完了する。
【0038】
なお、半導体チップ109を載置する際は、図1に示すように、辺114cと辺116cの最短距離122の方が、辺114aと辺116aの最短距離124よりも短くなるような位置に半導体チップ109を載置する。
【0039】
半導体チップ109の載置が完了すると、配線基板100を図示しないワイヤボンディング装置に載置する。
【0040】
配線基板100の載置が完了すると、図示しないワイヤボンディング装置により、ワイヤ110の一端を電極パッド112(図1参照)に超音波熱圧着により接続し、その後、所定のループ形状を描きながら他端を接続パッド103上に超音波熱圧着により接続する(図5、図6参照)。
【0041】
この際、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるようにワイヤ110を接続する(図1、図2参照)。
【0042】
次に、半導体チップ109を載置した配線基板100を成型装置300に載置する。
【0043】
成型装置300は、図7に示すように、上型301と下型302からなる成形金型を有している。上型301の下型302との対向面にはキャビティ303が形成されており、下型302の上型301との対向面には配線基板100を搭載する凹部304が形成されている。
【0044】
ワイヤボンディングの完了した配線基板100(図5参照)は、図8に示すように、下型302の凹部304(図7参照)にセットされる。
【0045】
この際、第2のワイヤ群118がエアベント312側に、第1のワイヤ群120がゲート305側を向くように配線基板100をセットする。
【0046】
次に、図8に示すように、上型301と下型302で配線基板100を型閉めする。本実施形態では、MAP方式で構成されているため、キャビティ303は複数の製品形成部101を一括で覆う大きさで構成されている。また、本実施形態ではキャビティ303はエリア102a、102bに対応するように2つに分割して配置されている。次に、下型302のポットにタブレット306(レジンタブレット)が供給され、加熱溶融される。
【0047】
次に、図9に示すように、溶融された封止樹脂307をプランジャー308によりゲート305からキャビティ303(図8参照)内に注入する。
【0048】
この際、溶融された封止樹脂307は、第1のワイヤ群120側から第2のワイヤ群118側、即ちワイヤ長の長い方から短い方に向けて樹脂が注入されるため、注入された樹脂によるワイヤ流れやワイヤショートを防止できる。
【0049】
なお、封止樹脂307の注入時には、ゲート305側のワイヤ110は左右に広がるように樹脂が充填されるため、ゲート305側にワイヤ長が長い方のワイヤ群を配置しても、ワイヤショートを生じることなく、ゲート305から封止樹脂307を注入できる。
【0050】
キャビティ303内に封止樹脂307を充填した後、所定の温度、例えば180℃でキュアすると、封止樹脂307が硬化され、封止体401(図2参照)が形成される。
【0051】
その後、成型装置300(成型金型)から、配線基板100を取り出し、所定の温度、例えば240℃でリフローすることで封止体401が完全に硬化される。
【0052】
このようにして、図10及び図11に示すような、配線基板100の製品形成部101の2つのエリア102a、102b(図3参照)に、2つの封止体401a、401bが形成された半導体装置の中間構造体400が形成される。また、中間構造体400の封止体401a、401bに接続されたゲート305とランナー309及びカル310の封止樹脂307は除去される。
【0053】
次に、図12及び図13に示すように、配線基板100のランド104上に、半田ボール500を搭載し、外部端子となるバンプ電極を形成する。
【0054】
具体的には、配線基板100上のランド104の配置に合わせて複数の吸着孔が形成された図示しない吸着機構を用いて、半田ボール500を吸着孔に保持し、保持された半田ボール500を、フラックスを介して配線基板100のランド104に一括搭載する。
【0055】
全ての製品形成部101への半田ボール500の搭載後、配線基板100をリフローすることでバンプ電極(外部端子)が形成される。
【0056】
次に、半田ボール500の搭載された配線基板100を図示しない基板ダイシング装置に載置する。
【0057】
配線基板100の載置が完了すると、図14及び図15に示すように、配線基板100をダイシングライン108(図3参照)で切断し、製品形成部101毎に分離する(製品形成部101は図3参照)。具体的には、配線基板100の封止体401a、401b側をダイシングテープ600に図示しない接着層を介して接着し、ダイシングテープ600によって配線基板100を支持する。その後、配線基板100を図示しないダイシング装置のダイシングブレードにより縦横にダイシングライン108を切断して製品形成部101毎に切断分離する。切断分離後、切断分離された個々の製品形成部101をダイシングテープ600からピックアップすることで、図1および図2に示すような半導体装置700が得られる。
【0058】
このように、第1の実施形態によれば、半導体装置700は半導体チップ109の互いに対向する辺116a、116cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群120と第2のワイヤ群118を有し、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるように構成されており、製造の際は、第1のワイヤ群120側から第2のワイヤ群118側に向けて封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
【0059】
そのため、封止樹脂307の注入時に、エアベント312側での封止樹脂307の巻き込みにより封止樹脂307の流速が早くなっても、ワイヤ流れ及びワイヤショートの発生を防止できる。
【0060】
次に、第2の実施形態について図16および図17を参照して説明する。
【0061】
第2の実施形態は第1の実施形態において、複数の半導体チップを配線基板上に搭載して半導体チップ群800aを構成したものである。
【0062】
なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、主に第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0063】
図16および図17に示すように、半導体装置700aは、配線基板100上に下側半導体チップ109aが搭載されている。
【0064】
配線基板100は辺114aと辺114cに沿ってそれぞれ配置された接続パッド167a、167cを有している。
【0065】
配線基板100はさらに、辺114aと辺114cに沿うようにして、かつ接続パッド167a、167cよりも外周側に配置された接続パッド169a、169cを有している。
【0066】
下側半導体チップ109aは平面形状が四角形であり、辺131a〜131dを有している。
【0067】
一方、下側半導体チップ109aは、辺131a、131cに沿うようにそれぞれ電極パッド173a、173cが設けられており、電極パッド173a、173cはワイヤ110aでそれぞれ接続パッド167a、167cと接続されている。
【0068】
下側半導体チップ109aにはDAF等の接着部701を介して上側半導体チップ109bが積層配置されており、下側半導体チップ109aと上側半導体チップ109bで半導体チップ群800aを構成している。
【0069】
上側半導体チップ109bは、下側半導体チップ100aより小さいチップサイズで構成されており、下側半導体チップ100aの電極パッド173a、173cが露出されるように、下側半導体チップ109a上に上側半導体チップ109bが配置される。
【0070】
上側半導体チップ109bも平面形状が四角形であり、辺133a〜133dは、それぞれ下側半導体チップ100aの辺131a〜131dと対応するように設けられている。
【0071】
また、上側半導体チップ109bは、辺133a(第1の辺)および辺133c(第2の辺)に沿ってそれぞれ電極パッド171a、171cが設けられている。
【0072】
電極パッド171a、171cは、電極パッド171aの配置間隔153よりも、電極パッド171cの配置間隔151の方が広くなるように設けられている。
【0073】
電極パッド171aと接続パッド169aは第1のワイヤ群135で接続されており、電極パッド171cと接続パッド169cは第2のワイヤ群137で接続されている。そのため、第2のワイヤ群137のワイヤ間隔の方が、第1のワイヤ群135のワイヤ間隔よりも広くなっている。
【0074】
このように、電極パッド171aの配置間隔153よりも、電極パッド171cの配置間隔151の方が広くなるように構成することにより、第1のワイヤ群135のワイヤ間隔よりも第2のワイヤ群137のワイヤ間隔が広くなり、よりワイヤショートが生じにくくなる。
【0075】
また、上側半導体チップ109bは、辺133cと配線基板100の辺114cの最短距離122bの方が、辺133aと辺114aの最短距離124bよりも短くなるように配置されている。また、辺133cと下側半導体チップ109aの辺131cの最短距離122aの方が、辺133aと辺131aの最短距離124aよりも短くなるように配置されている。
【0076】
このように構成することにより、第1の実施形態と同様に、第1のワイヤ群135よりも第2のワイヤ群137の方がワイヤ長を短くできる。
【0077】
一方、下側半導体チップ109aのワイヤ110aは、上側半導体チップ109bのワイヤ110bと比べてワイヤ長が短くなっており、上側半導体チップ109bのワイヤ110aと比べてワイヤショートのリスクが小さいため、ワイヤ長は等長となるように構成している。
【0078】
第2の実施形態においては、封止樹脂307の注入の際は、ワイヤショートのリスクが影響の大きい上側半導体チップ109bのワイヤ110bの配置を考慮して、封止樹脂307の注入方向が選定される。
【0079】
具体的には、封止樹脂307の注入の際は、第2のワイヤ群137がエアベント312側を、第1のワイヤ群135がゲート305側をそれぞれ向くように成型装置300にセットされ、第1のワイヤ群135側から第2のワイヤ群137側に向けて封止樹脂307が注入される。
【0080】
このように、複数の半導体チップを搭載したMCP(Multi Chip Package)型の半導体装置700aであっても、第1の実施形態と同様に、半導体装置700aは大型化することなく、封止樹脂307の注入時に、エアベント312側での封止樹脂307の巻き込みにより封止樹脂307の流速が早くなっても、ワイヤ流れ及びワイヤショートの発生を低減できる。
【0081】
また封止樹脂307の注入時に、ゲート305側のワイヤは左右に広がるように封止樹脂307が充填されるため、第1の実施形態と同様に、ゲート305側にワイヤ長が長い方のワイヤ群である第1のワイヤ群135を配置することで、ゲート305側が長いワイヤであってもワイヤショートすることなく、ゲート305から封止樹脂307を注入できる。
【0082】
このように、第2の実施形態によれば、半導体装置700aは上側半導体チップ109bの互いに対向する辺133a、133cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群135と第2のワイヤ群137を有し、第2のワイヤ群137の方が第1のワイヤ群135よりもワイヤ長が短くなるように構成され、製造の際は、第1のワイヤ群135側から第2のワイヤ群137側に向けて封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0083】
また、第2の実施形態によれば、半導体装置700aは配線基板100上に下側半導体チップ109aと上側半導体チップ109bが積層されており、下側半導体チップ109aと上側半導体チップ109bで半導体チップ群800aを構成している。
そのため、第2の実施形態は、MCP型の半導体装置に適用できる。
【0084】
さらに、第2の実施形態によれば、電極パッド171aの配置間隔153よりも、電極パッド171cの配置間隔151の方が広くなるように構成することにより、第1のワイヤ群135の配置間隔よりも第2のワイヤ群137の配置間隔が広くなっている。
そのため、第1の実施形態と比べてよりワイヤショートの発生を低減することができる。
【0085】
次に、第3の実施形態に係る半導体装置700bについて、図18および図19を参照して説明する。
【0086】
第3の実施形態は、第1の実施形態において、第1のワイヤ群120を構成するワイヤ110よりも第2のワイヤ群118を構成するワイヤ110cの線径を大きくしたものである。
【0087】
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0088】
図18および図19に示すように、半導体装置700bは、第1のワイヤ群120を構成するワイヤ110よりも第2のワイヤ群118を構成するワイヤ110cの線径が大きくなっている。即ち、ワイヤ110cとして、ワイヤ110よりも線径が大きいワイヤを用いている。
【0089】
このように構成することで、ワイヤ110とワイヤ110cの線径を同一にする場合と比べて、よりワイヤショートの発生を低減することができる。
【0090】
このように、第3の実施形態によれば、半導体装置700bは半導体チップ109の互いに対向する辺116a、116cをそれぞれ跨ぐように設けられた第1のワイヤ群120と第2のワイヤ群118を有し、第2のワイヤ群118の方が第1のワイヤ群120よりもワイヤ長が短くなるように構成され、製造の際は、第1のワイヤ群120側から第2のワイヤ群118側に向けて封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0091】
また、第3の実施形態によれば、半導体装置700bは、第1のワイヤ群120を構成するワイヤ110よりも第2のワイヤ群118を構成するワイヤ110cの線径が大きい。
そのため、第1の実施形態と比べて、よりワイヤショートの発生を低減することができる。
【0092】
次に、第4の実施形態に係る半導体装置700cについて、図20および図21を参照して説明する。
【0093】
第4の実施形態は、第2の実施形態において、上側半導体チップ109bの一辺のみにワイヤを設けたものである。
【0094】
なお、第4の実施形態において、第2の実施形態と同一の機能を果たす要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0095】
図20および図21に示すように、半導体装置700cの上側半導体チップ109bは、辺133a〜133dのうち、辺133aのみに沿うように電極パッド171aが設けられており、電極パッド171aからは、ワイヤ139が辺133aのみを跨ぐようにして設けられている。
【0096】
一方、配線基板100は辺114a〜114dに沿って設けられた接続パッド103と、接続パッド103よりも外周側に設けられ、かつ辺114aにのみ沿って設けられた接続パッド181を有している。
【0097】
接続パッド103は、ワイヤ110aを介して下側半導体チップ109aの電極パッド112と接続され、接続パッド181はワイヤ139を介して電極パッド171aと接続される。
【0098】
このように、上側半導体チップ109bのワイヤ139は一辺のみに設けてもよい。
【0099】
なお、この場合、ワイヤ139が第1のワイヤ群に相当し、下側半導体チップ109aに設けられたワイヤ110aのうち、辺131c(辺133cを挟んで辺133aに対向する辺)を跨ぐように設けられたワイヤが第2のワイヤ群に相当する。
【0100】
この場合、半導体装置700cは、ワイヤ139(辺133a)をゲート305側に、辺131cをエアベント312側に向けて成型装置300に配置し、ワイヤ139側から辺131c側に向けて封止樹脂307を注入することにより封止体401が形成される。
【0101】
このように、第4の実施形態によれば、半導体装置700cは上側半導体チップ109bの辺133aを跨ぐように設けられたワイヤ139を有し、製造の際は、ワイヤ139側から封止樹脂307を注入して封止体401を形成する。
そのため、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0102】
また、第4の実施形態によれば、半導体装置700cは、ワイヤ139を一辺のみに設けている。
そのため、第2の実施形態と同等以上の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0104】
例えば本実施形態では、配線基板に1つ、或いは2つの半導体チップを搭載した半導体装置に適用した場合について説明したが、三段以上に半導体チップを積層搭載した半導体装置等、ワイヤ長の異なる製品であればどのような半導体装置に適用しても良い。
【0105】
また本実施形態では、ガラスエポキシ基材からなる配線基板を用いた場合について説明したが、配線基板としてはセラミック基板を用いても良いし、あるいはポリイミド基材等のフレキシブルな配線基板を用いても良い。
【符号の説明】
【0106】
100………配線基板
101………製品形成部
103………接続パッド
104………ランド
106………枠部
107………位置決め孔
109………半導体チップ
110………ワイヤ
112………電極パッド
114a……辺
116a……辺
118………第2のワイヤ群
120………第1のワイヤ群
122………最短距離
124………最短距離
300………成型装置
301………上型
302………下型
303………キャビティ
304………凹部
500………半田ボール
700………半導体装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群を配線基板上に搭載し、
(b)前記配線基板と、前記半導体チップ群とを、第1のワイヤ群と、前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い第2のワイヤ群とを張設して接続し、
(c)前記第1のワイヤ群から前記第2のワイヤ群に向けて封止樹脂を注入して前記第1の半導体チップ、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記半導体チップは、平面形状が、互いに対向する第1の辺と第2の辺を有する多角形状であり、
前記(b)は、前記第1の辺を跨ぐように前記第1のワイヤ群を張設し、前記第2の辺を跨ぐように前記第2のワイヤ群を張設する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記配線基板は、平面形状が、互いに対向する第3の辺と第4の辺を有する多角形状であり、
前記(a)は前記第1の辺と前記第2の辺が、それぞれ前記第3の辺と第4の辺と対応するように前記半導体チップを前記配線基板上に搭載する、請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記(a)は、前記第1の辺と前記第3の辺の最短距離よりも、前記第2の辺と前記第4の辺の最短距離が短くなるような位置に前記半導体チップを搭載する、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記(b)は、
前記第1のワイヤ群を構成するワイヤの間隔よりも、前記第2のワイヤ群を構成するワイヤの間隔が広くなるように前記第1のワイヤ群および前記第2のワイヤ群を張設する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記(b)は、
前記第2のワイヤ群を構成するワイヤとして、前記第1のワイヤ群を構成するワイヤよりも線径が大きいワイヤを用いて前記第2のワイヤ群を張設する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記(a)は、
複数の前記半導体チップを前記半導体チップ群として前記配線基板上に積層する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記(a)は、
複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップに前記第1のワイヤ群を張設し、他の半導体チップに前記第2のワイヤ群を張設する、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体チップは、平面形状が多角形状であり、
前記(b)は、
複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップの1つの辺のみに前記第1のワイヤ群を張設する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
(d)前記配線基板の、前記半導体チップ群が設けられた面の反対側の面に外部電極を設ける、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
配線基板と、
前記配線基板上に搭載され、少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群と、
前記配線基板と半導体チップ群とを接続するように張設された第1のワイヤ群と、第2のワイヤ群と、
前記半導体チップ群、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体と、
を有し、
前記第2のワイヤ群は前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い、半導体装置。
【請求項12】
前記半導体チップは、平面形状が、互いに対向する第1の辺と第2の辺を有する多角形状であり、
前記第1のワイヤ群は、前記第1の辺を跨ぐように張設されており、前記第2のワイヤ群は、前記第2の辺を跨ぐように張設されている、請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記配線基板は、平面形状が、互いに対向する第3の辺と第4の辺を有する多角形状であり、
前記半導体チップは、前記第1の辺と前記第2の辺が、それぞれ前記第3の辺と第4の辺と対応するように前記配線基板上に搭載されている、請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1の半導体チップは、前記第1の辺と前記第3の辺の最短距離よりも、前記第2の辺と前記第4の辺の最短距離が短くなるような位置に搭載されている、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1のワイヤ群を構成するワイヤの間隔は、前記第2のワイヤ群を構成するワイヤの間隔よりも広い、請求項11〜14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2のワイヤ群を構成するワイヤは、前記第1のワイヤ群を構成するワイヤよりも線径が大きい、請求項11〜15のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記半導体チップ群は、複数の前記半導体チップが積層されてなる、請求項11〜16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1のワイヤ群は、複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップに張設され、
前記第2のワイヤ群は、複数の前記半導体チップのうち、他の半導体チップにを張設されている、請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記半導体チップは、平面形状が多角形状であり、
前記第1のワイヤ群は、複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップの1つの辺のみに張設されている、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記配線基板の、前記半導体チップ群が設けられた面の反対側の面に設けられた外部電極を有する、請求項11〜19のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項1】
(a)少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群を配線基板上に搭載し、
(b)前記配線基板と、前記半導体チップ群とを、第1のワイヤ群と、前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い第2のワイヤ群とを張設して接続し、
(c)前記第1のワイヤ群から前記第2のワイヤ群に向けて封止樹脂を注入して前記第1の半導体チップ、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記半導体チップは、平面形状が、互いに対向する第1の辺と第2の辺を有する多角形状であり、
前記(b)は、前記第1の辺を跨ぐように前記第1のワイヤ群を張設し、前記第2の辺を跨ぐように前記第2のワイヤ群を張設する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記配線基板は、平面形状が、互いに対向する第3の辺と第4の辺を有する多角形状であり、
前記(a)は前記第1の辺と前記第2の辺が、それぞれ前記第3の辺と第4の辺と対応するように前記半導体チップを前記配線基板上に搭載する、請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記(a)は、前記第1の辺と前記第3の辺の最短距離よりも、前記第2の辺と前記第4の辺の最短距離が短くなるような位置に前記半導体チップを搭載する、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記(b)は、
前記第1のワイヤ群を構成するワイヤの間隔よりも、前記第2のワイヤ群を構成するワイヤの間隔が広くなるように前記第1のワイヤ群および前記第2のワイヤ群を張設する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記(b)は、
前記第2のワイヤ群を構成するワイヤとして、前記第1のワイヤ群を構成するワイヤよりも線径が大きいワイヤを用いて前記第2のワイヤ群を張設する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記(a)は、
複数の前記半導体チップを前記半導体チップ群として前記配線基板上に積層する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記(a)は、
複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップに前記第1のワイヤ群を張設し、他の半導体チップに前記第2のワイヤ群を張設する、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体チップは、平面形状が多角形状であり、
前記(b)は、
複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップの1つの辺のみに前記第1のワイヤ群を張設する、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
(d)前記配線基板の、前記半導体チップ群が設けられた面の反対側の面に外部電極を設ける、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
配線基板と、
前記配線基板上に搭載され、少なくとも1つの半導体チップを有する半導体チップ群と、
前記配線基板と半導体チップ群とを接続するように張設された第1のワイヤ群と、第2のワイヤ群と、
前記半導体チップ群、前記第1のワイヤ群、前記第2のワイヤ群を覆う封止体と、
を有し、
前記第2のワイヤ群は前記第1のワイヤ群よりもワイヤ長が短い、半導体装置。
【請求項12】
前記半導体チップは、平面形状が、互いに対向する第1の辺と第2の辺を有する多角形状であり、
前記第1のワイヤ群は、前記第1の辺を跨ぐように張設されており、前記第2のワイヤ群は、前記第2の辺を跨ぐように張設されている、請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記配線基板は、平面形状が、互いに対向する第3の辺と第4の辺を有する多角形状であり、
前記半導体チップは、前記第1の辺と前記第2の辺が、それぞれ前記第3の辺と第4の辺と対応するように前記配線基板上に搭載されている、請求項12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1の半導体チップは、前記第1の辺と前記第3の辺の最短距離よりも、前記第2の辺と前記第4の辺の最短距離が短くなるような位置に搭載されている、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1のワイヤ群を構成するワイヤの間隔は、前記第2のワイヤ群を構成するワイヤの間隔よりも広い、請求項11〜14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2のワイヤ群を構成するワイヤは、前記第1のワイヤ群を構成するワイヤよりも線径が大きい、請求項11〜15のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記半導体チップ群は、複数の前記半導体チップが積層されてなる、請求項11〜16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1のワイヤ群は、複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップに張設され、
前記第2のワイヤ群は、複数の前記半導体チップのうち、他の半導体チップにを張設されている、請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記半導体チップは、平面形状が多角形状であり、
前記第1のワイヤ群は、複数の前記半導体チップのうち、1つの半導体チップの1つの辺のみに張設されている、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記配線基板の、前記半導体チップ群が設けられた面の反対側の面に設けられた外部電極を有する、請求項11〜19のいずれか一項に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−228603(P2011−228603A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99436(P2010−99436)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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