説明

半導体装置の製造方法及び基板処理装置

【課題】薄膜の抵抗率を低く抑えることができる半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、処理室201内に原料ガスを供給して基板200上に吸着させる工程と、処理室201内の原料ガスを除去する工程と、処理室201内にアンモニアガスを供給して基板200上に吸着させる工程と、処理室201内のアンモニアガスを除去する工程と、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すことで基板200上に所定膜厚の薄膜を形成する工程と、を有する。前記アンモニアガスを供給する工程では、前記アンモニアガスが基板200上に吸着して前記アンモニアガスの光に対する吸収波長領域がレッドシフトした状態でランプ400により光を基板200上に照射して前記アンモニアガスに光を吸収させ、前記アンモニアガスを分解させて前記原料ガスと反応させ、前記薄膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法及び基板処理装置に関し、特に少なくとも2種以上の原料ガスを用いて基板を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基板処理技術において、例えば、原料ガスの1つとしてアンモニアガスや水素ガス等の水素含有ガスを用いる場合には、水素含有分子を分解して基板処理の反応に寄与させることがあり、このとき水素含有分子を分解するには熱エネルギーだけではエネルギーが低くて不十分であるため、光エネルギーを利用することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この場合に、光エネルギーを投下するタイミングを考慮せずに、単に光を基板上に照射するだけでは、形成しようとする薄膜の抵抗率を低く抑えられないという不都合がある。例えば、有機金属化合物を原料として金属薄膜を形成した場合、形成した薄膜中に多くのカーボン等が含まれ、その薄膜からは低い抵抗率を得ることができない。
【0004】
したがって、本発明の主な目的は、形成しようとする薄膜の抵抗率を低く抑えることができる半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
処理室内に原料ガスを供給して基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内の原料ガスを除去する工程と、
前記処理室内にアンモニアガスを供給して前記基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内のアンモニアガスを除去する工程と、
を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すことで前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成する工程と、を有し、
前記アンモニアガスを供給する工程では、前記アンモニアガスが前記基板上に吸着して前記アンモニアガスの光に対する吸収波長領域がレッドシフトした状態でランプにより光を前記基板上に照射して前記アンモニアガスに光を吸収させ、前記アンモニアガスを分解させて前記原料ガスと反応させ、前記薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に原料ガスを供給する原料ガス供給系と、
前記処理室内にアンモニアガスを供給するアンモニアガス供給系と、
前記処理室内に配置される基板上に光を照射するランプであって、前記アンモニアガスが前記処理室内に浮遊している状態では光吸収されず、前記アンモニアガスが前記基板に吸着した状態では光吸収されるような波長領域の光を発するランプと、
前記処理室内を排気する排気系と、
少なくとも前記原料ガス供給系、前記アンモニアガス供給系、前記ランプ及び前記排気系を制御して、前記処理室内に原料ガスを供給させて前記基板上に吸着させ、前記処理室内の原料ガスを除去させ、前記処理室内にアンモニアガスを供給させて前記基板上に吸着させ、前記処理室内のアンモニアガスを除去させ、これを1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返させ、前記アンモニアガスを前記基板上に吸着させる際に前記ランプの光を前記基板上に照射させるコントローラと、
を有することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、アンモニアガスを供給する工程であって特にアンモニアガスが基板に吸着してその光吸収波長がレッドシフトした状態のときに、ランプにより光を照射するから、アンモニアガスを分解させることができ、アンモニアガスの供給前に既に基板に吸着している原料ガス中の物質からカーボン等の抵抗率の低下を阻害する物質を引き抜くことができる。そのため、形成しようとする薄膜の抵抗率を低く抑えることができる。
【0008】
本発明の他の態様によれば、ランプはアンモニアガスが基板に吸着した状態のときに光吸収されるような特異な波長領域の光を発するものであり、コントローラがアンモニアガスを基板上に吸着させる際にランプの光を照射するから、アンモニアガスに光が吸収され、アンモニアガスを分解させることができる。そのため、アンモニアガスの供給前に既に基板に吸着している原料ガス中の物質からカーボン等の抵抗率の低下を阻害する物質を引き抜くことができ、形成しようとする薄膜の抵抗率を低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0010】
図1に示す通り、基板処理装置100は、上方が開放した直方体状の処理容器202を有している。処理容器202内には、基板200を支持する支持台206が設けられる。支持台206の上部には基板200を支持する支持板としてのサセプタ217が設けられる。支持台206の内部には加熱機構としてのヒータ207が設けられ、ヒータ207によってサセプタ217上に載置される基板200を加熱するようになっている。ヒータ207は基板200の温度が所定の温度となるように温度制御部としての温度コントローラ253により制御される。サセプタ217上に載置される基板200は、例えば半導体シリコンウエハ、ガラス基板等であり、本実施形態では基板200として半導体シリコンウエハを使用している。
【0011】
処理容器202の外部には、回転機構267が設けられ、回転機構267によって処理容器202内の支持台206を回転させて、サセプタ217上の基板200を回転させることができるようになっている。また、処理容器202の外部には昇降機構266が設けられ、支持台206は昇降機構266により、処理容器202内において昇降可能となっている。
【0012】
処理容器202の上部には、ガスの供給を受けてそのガスをシャワー状に噴出するシャワーヘッド236が設けられている。シャワーヘッド236は処理容器202に対する蓋体のような部材として機能し、基板処理装置100では、少なくとも処理容器202とシャワーヘッド236とで基板200を処理する処理室201が形成されている。
【0013】
シャワーヘッド236は、2つのガス供給口237,238と、ガス供給口237,238から供給されたガスを分散させる2枚の分散板236aと、多数の孔240を有し各孔240からガスを処理室201内へシャワー状に噴出するシャワー板236bとを有している。なお、2枚の分散板236aのそれぞれにも多数の孔が設けられている。シャワーヘッド236の天井部と分散板236aとの間や分散板236a同士の間にはバッファ空間236cが形成されており、分散板236aとシャワー板236bとの間にはバッファ空間236dが形成されている。
【0014】
シャワー板236bの下方であって支持台206の上方には、円筒状を呈した円筒管300が設けられている。円筒管300はシャワーヘッド236の側壁236eを貫通した状態で処理室201内を図1中左右方向に横切るように延在している。円筒管300の内部は中空となっており、内部空間が処理室201の外部(大気)に連通している。円筒管300は光透過性を有する透明又は半透明な部材であり、例えば石英やパイレックス(登録商標)ガラス、アルミナ等で構成されている。
【0015】
円筒管300の内部にはランプ400が設けられている。ランプ400は処理室201の内部において円筒管300により被覆されており、円筒管300がランプ400を処理室201の内部と隔離している。ランプ400は円筒管300の内部に挿通されており、円筒管300に対し出し入れ自在となっている。ランプ400は直線状を呈しかつ円筒管300より長く、円筒管300の両端部からやや突出している。
【0016】
ランプ400は、波長180〜600nmという短波長領域の光を発するようになっており、その光は、水素ガスやアンモニアガス等の水素含有ガスが基板200に吸着せずに浮遊している状態ではその水素含有ガスに殆んど吸収されず、その水素含有ガスが基板200に吸着するとその水素含有ガスに吸収される(後述参照)。
【0017】
ランプ400は、例えば低圧水銀ランプ、キセノンランプ、低圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等で構成されている。ランプ400が上記特性を有していればその種類は問わないが、ランプ400は、好ましくは発光波長が短い(主な発光波長成分が500nm以下)ものであるのがよく、より好ましくは発光波長が短くて(主な発光波長成分が500nm以下)電極間隔も広い(40cm以上)ものであるのがよい。
【0018】
発光波長領域と電極間隔等を考慮すると、低圧ナトリウムランプは発光波長が長波長(約600nm)で単位面積当たりの発光強度がそれほど強くなく、高圧水銀ランプやメタルハライドランプは一般的に電極間隔が狭いため、上記で列記した種類のランプのなかでは、低圧水銀ランプやキセノンランプを使用するのが一般的であり、発光波長領域の観点から低圧水銀ランプ(発光波長成分が185nm,254nm)を使用するのが好ましい。本実施形態ではランプ400として低圧水銀ランプを使用している。
【0019】
図2に示す通り、円筒管300とランプ400はそれぞれ複数設けられており、基板200に対し形成しようとする薄膜の膜厚均一性を良好にするため、ガスの供給方向(図1中上方から下方に向かう方向)と直交する方向の面内において互いに平行な状態で等間隔に配列されている。円筒管300同士の間には隙間が存在しており、その隙間からシャワー板236bの孔240の存在を確認可能となっている。
【0020】
本実施形態では、ガスがシャワー板236bの孔240を通過すると、そのガスは円筒管300同士の間の隙間を通過して処理室201の内部に流入するようになっている。これらすべての円筒管300に対し1本ずつランプ400が挿通されている。ランプ400(の両電極)はインバータ電源410に接続されており、インバータ電源410から電力の供給を受けて点灯するようになっている。
【0021】
図1に示す通り、シャワーヘッド236の外部には、液体原料である原料を供給する原料供給源250aが設けられ、原料供給源250aには液体原料供給管232が接続されている。
【0022】
液体原料供給管232は、原料の液体供給流量を制御する流量制御装置としての液体流量コントローラ(液体マスフローコントローラ)241aを介して、原料を気化する気化器255に接続されている。気化器255の下流側には原料ガス供給管232aが接続されており、原料ガス供給管232aは、バルブ243aを介してシャワーヘッド236のガス供給口237に接続されている。原料としては、例えば、常温で液体の有機金属化合物材料(すなわち有機金属化合物液体原料)が用いられ、本実施形態では原料として有機金属化合物液体原料を使用している。有機金属化合物の具体例としては、テトラキスエチルメチルアミノチタニウム(Ti[N(CCH)],TEMAT),テトラキスジメチルアミノチタニウム(Ti[N(CH,TDMAT),テトラキスジエチルアミノチタニウム(Ti[N(C,TDEAT)等が挙げられる。
【0023】
また、シャワーヘッド236の外部には、非反応性ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源250cが設けられ、不活性ガス供給源250cには不活性ガス供給管232cが接続されている。不活性ガス供給管232cは、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御装置としてのガス流量コントローラ(マスフローコントローラ)241c、バルブ243cを介して原料ガス供給管232aに接続されている。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、窒素(N)ガスなどを用いる。
【0024】
原料ガス供給管232aは、シャワーヘッド236のバッファ空間236cに対し、気化器255にて気化した原料ガスと、不活性ガス供給管232cからの不活性ガスとを供給するようなっている。また、原料ガス供給管232a、不活性ガス供給管232cにそれぞれ設けられたバルブ243a、243cを開閉することにより、それぞれのガスの供給を制御することが可能となっている。
【0025】
また、シャワーヘッド236の外部には、水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給源250bが設けられ、水素含有ガス供給源250bには水素含有ガス供給管232bが接続されている。水素含有ガス供給管232bは、その下流端がシャワーヘッド236のガス供給口238に接続されており、シャワーヘッド236のバッファ空間236cに対し、水素含有ガス(例えば水素(H)ガスあるいはアンモニア(NH)ガス等)を供給するようになっている。水素含有ガス供給管232bには、水素含有ガスの供給流量を制御するガス流量コントローラ241bとバルブ243bが設けられている。バルブ243bを開閉することにより、水素含有ガスの供給を制御することが可能となっている。
【0026】
処理容器202の側壁には排気口230が設けられ、排気口230には排気装置としての真空ポンプ246、除害装置(図示略)に連通する排気管231が接続されている。排気管231には、処理室201内の圧力を制御する圧力制御部としての圧力コントローラ254と、原料を回収するための原料回収トラップ251が設けられる。
【0027】
処理容器202内の支持台206上には、シャワーヘッド236を介して供給されたガスの流れを調整する整流板としてのプレート205が設けられる。プレート205は円環(リング)形状を呈しており、基板200の周囲に設けられる。シャワーヘッド236を介して基板200に供給されたガスは基板200の径方向外方に向かって流れ、プレート205上を通り、プレート205と処理容器202の側壁(内壁)との間を通り、排気口230より排気される。
【0028】
なお、基板200の外周部等、基板200に膜を形成したくない箇所がある場合は、プレート205の内径を基板200の外形より小さくして、基板200の外周部を覆うようにしてもよい。この場合、基板200の搬送を可能とするために、プレート205を処理室201内の基板200の処理位置に固定したり、プレート205を昇降させる機構を設けたりするようにしてもよい。
【0029】
原料ガス供給管232aには、排気管231に設けられた原料回収トラップ251に接続される原料ガスバイパス管(ベント管)252aが設けられている。バイパス管252aにはバルブ243dが設けられる。
【0030】
処理容器202の排気口230と反対側の側壁には、仕切弁としてのゲートバルブ244によって開閉される基板搬入搬出口247が設けられ、基板200を処理室201内に搬入・搬出し得るように構成されている。
【0031】
図3に示す通り、ヒータ207、バルブ243a〜243d、液体流量コントローラ241a、ガス流量コントローラ241b,241c、温度コントローラ253、圧力コントローラ254、気化器255、真空ポンプ246、回転機構267、昇降機構266、インバータ電源410等の基板処理装置100を構成する各部材はメインコントローラ256に接続されており、メインコントローラ256がこれら部材の動作を制御するようになっている。
【0032】
次に、図4を参照しながら、上述した図1のような構成の処理炉を用いて、半導体デバイス(半導体装置)の製造工程の一工程として基板上に薄膜を形成する方法について説明する。
【0033】
基板上に薄膜を形成する1つの方法として、常温で液体である有機金属化合物液体原料を用いて、ALD(Atomic Layer Deposition)法により基板上に金属膜等の薄膜を形成する場合について説明する。
【0034】
なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はメインコントローラ256により制御される。
【0035】
支持台206が基板搬送位置まで下降した状態で、ゲートバルブ244が開かれ、基板搬入搬出口247が開放されると、図示しない基板移載機により基板200が処理室201内に搬入される。基板200が処理室201内に搬入され、図示しない突き上げピン上に載置された後、ゲートバルブ244が閉じられる。支持台206が基板搬送位置からそれよりも上方の基板処理位置まで上昇する。その間に基板200は突き上げピン上からサセプタ217上に載置される(ステップS1)。
【0036】
支持台206が基板処理位置に到達すると、基板200は回転機構267により回転される。また、ヒータ207に供給される電力が制御され基板200は所定の処理温度となるように均一に加熱される。同時に、処理室201内は真空ポンプ246により真空排気され、所定の処理圧力となるように制御される(ステップS2)。
【0037】
なお、基板搬送時や基板昇温時や圧力調整時においては、不活性ガス供給管232cに設けられたバルブ243cは常時開いた状態とされ、不活性ガス供給源250cより処理室201内に不活性ガスが常に流される。これにより、パーティクルや金属汚染物質の基板200への付着を防ぐことができる。
【0038】
基板200の温度、処理室201内の圧力が、それぞれ所定の処理温度、所定の処理圧力に到達して安定すると、処理室201内に原料ガスが供給される。
【0039】
すなわち、原料としての有機金属化合物液体原料が、原料供給源250aから液体原料供給管232に流入し、液体流量コントローラ241aで流量制御されながら気化器255に供給され、気化器255で気化され、有機金属化合物液体原料を気化した原料ガスが生成される。
【0040】
バルブ243dが閉じられると共にバルブ243aが開かれ、生成された原料ガスが、原料ガス供給管232aを通り、シャワーヘッド236を介して基板200上へ供給される。このときも、バルブ243cは開いたままの状態とされ、処理室201内には不活性ガスが常に流される。
【0041】
原料ガスと不活性ガスとは原料ガス供給管232a内で混合されてシャワーヘッド236に導かれ、バッファ空間236c、分散板236a、バッファ空間236d、シャワー板236bを介してサセプタ217上の基板200上へシャワー状に供給される(ステップS3)。これにより、原料ガス(原料分子)を基板200上に吸着させる。基板200に対して供給された原料ガスは、排気管231より排気される。なお、原料ガスは不活性ガスで希釈されることにより撹拌されやすくなる。
【0042】
原料ガスの供給が所定時間行われた後、バルブ243aが閉じられ、原料ガスの基板200への供給が停止される。このときも、バルブ243cは開いたままの状態であり、処理室201内の排気管231による排気も継続した状態なので、処理室201内への不活性ガスの供給は維持され、処理室201へ供給された不活性ガスは排気管231より排気される。これにより、処理室201内が不活性ガスによりパージされ、処理室201内の残留ガスが除去される(ステップS4)。
【0043】
なお、この際、バルブ243dを開き、原料ガスをバイパス管252aより排気して、気化器255からの原料ガスの供給を停止しないようにするのが好ましい。有機金属化合物液体原料を気化して、気化した原料ガスを安定供給するまでには時間がかかるので、気化器255からの原料ガスの供給を停止することなく、処理室201をバイパスするように流しておくと、次の原料ガス供給工程(ステップS3の工程)では、流れを切換えるだけで、直ちに原料ガスを基板200へ供給できる。
【0044】
また、ステップS3の工程において、原料ガスを処理室201に供給している間は不活性ガスを処理室201に供給せずに、ステップS4の工程において、原料ガスの供給を停止してから不活性ガスを処理室201へ供給して処理室201内をパージしてもよい。
【0045】
処理室201内のパージが所定時間行われた後、処理室201内に水素含有ガスが供給される。
【0046】
すなわち、バルブ243bが開かれ、供給された水素含有ガスが、水素含有ガス供給源250bから水素含有ガス供給管232bに流入し、ガス流量コントローラ241bで流量制御されながらシャワーヘッド236に至り、バッファ空間236c、分散板236a、バッファ空間236d、シャワー板236bを介して基板200上へシャワー状に供給される。これにより、水素含有ガス(水素含有分子)を基板200上に吸着させる。基板200に対して供給された水素含有ガスは、排気管231より排気される。なお、このときも、バルブ243cは開いたままの状態とされ、処理室201内には不活性ガスが常に供給される。
【0047】
水素含有ガスの供給と同時に又は水素含有ガスの供給が所定時間行われた後に、インバータ電源410からランプ400に電力が供給され、ランプ400が点灯し、基板200上に光が照射される(ステップS5)。
【0048】
この場合において、基板200上に供給された水素含有ガスの水素含有分子は、原則として、図5中左側に示す通り、処理室201中を浮遊している状態(基板200に吸着していない状態)では、ランプ400の光を受けてもその光を吸収もしないし分解(自己分解)もせず、原料ガスとの反応には寄与しない。
【0049】
詳しくは、水素含有ガスが例えばNHガスである場合は、NHガスはランプ400の波長185nmの光を吸収して分解する。しかし、波長185nmの成分はランプ400の発光波長成分中では非常に少なく、ランプ400の発光波長成分のほとんどは事実上波長254nmの成分であり、NHガスはこの波長254nmの光を吸収もしないし分解もしない。そのため、NHガスは、見かけ上ランプ400の光を吸収もしないしその光を受けても分解もせず、原料ガスとの反応には寄与しない。
【0050】
しかしながら、処理室201中を浮遊している水素含有分子が基板200上に吸着すると、当該水素含有分子は、光の吸収波長領域が長波長側にシフト(レッドシフト)するとともに、原子間の結合エネルギーが弱まり、気相中での結合エネルギーよりも低いエネルギーで分解する。
【0051】
一方、ステップS3で基板200上に供給された原料ガスの原料分子は、図6中左側に示す通り、ステップS5ではすでに基板200上に吸着している。当該原料分子は上記の通り有機金属化合物液体原料の分子であり、本実施形態では原料分子をM−Xと表す。「M」は例えばルテニウム(Ru)やチタン(Ti)等の金属原子であり、「X」は例えばハロゲン元素や炭化水素等の有機配位子である。金属原子Mがルテニウムの場合には、有機配位子Xとしては、例えばエチレンシクロペンタジニエル(−(EtCp))等が例示され、金属原子Mがチタンの場合には、有機配位子Xとしては、例えば塩素(−Cl)やテトラジエチルアミノ(−[N(C)等が例示される。
【0052】
このような状況において、基板200上に吸着した水素含有分子が、図5中右側に示すように、ランプ400の光を吸収して分解すると、水素原子Hを発生し、その水素原子Hが図6中左側に示すように原料分子M−Xを攻撃する。その結果、水素原子Hが、もともと基板200上に吸着していた原料分子M−Xから有機配位子Xを引き抜き(水素原子Hによる有機配位子Xの引き抜き反応が起こり)、その有機配位子Xを図6中右側に示す通りにH−Xという形態で基板200から脱離させ、金属原子Mが基板200上に残る。そしてこのような現象が繰り返し起こり、金属原子Mが積み重なって金属膜が基板200上に形成される。
【0053】
ランプ400の点灯が所定時間行われた後、インバータ電源410からランプ400への電力の供給が停止されてランプ400が消灯すると共にバルブ243bが閉じられ、水素含有ガスの基板200への供給が停止される。このときも、バルブ243cは開いたままの状態であり、処理室201内の排気管231による排気も継続した状態なので、処理室201内への不活性ガスの供給は維持され、処理室201へ供給された不活性ガスは排気管231より排気される。これにより、処理室201内が不活性ガスによりパージされ、処理室201内の残留ガスが除去される(ステップS6)。
【0054】
なお、ステップS5の工程において、水素含有ガスを処理室201に供給している間は不活性ガスを処理室201に供給せずに、ステップS6の工程において、水素含有ガスの供給を停止してから不活性ガスを処理室201へ供給して処理室201内をパージしてもよい。
【0055】
以上のステップS3〜ステップS6の工程を1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すことで(ステップS7)、基板200上に所定膜厚の薄膜を形成することができる(薄膜形成工程)。
【0056】
基板200への薄膜形成工程終了後は、回転機構267による基板200の回転を停止し、基板200を所定の温度まで降温させ、処理室201内を大気圧まで回復させる(ステップS8)。その後、処理済の基板200はステップS1の工程と逆の手順で処理室201外へ搬出される(ステップS9)。
【0057】
上記のように、薄膜形成工程をALD法により行う場合、処理温度を原料ガスが自己分解しない程度の温度帯となるように制御する。この場合、ステップS3の工程においては、原料ガスは熱分解することなく基板200上に吸着する。この間、基板200は回転しながら所定温度に保たれているので、基板面内にわたり均一に原料を吸着させることができる。ステップS5の工程においては、基板200上に吸着した原料分子と分解した水素含有分子とが反応することにより基板200上に0.3〜1原子層程度の薄膜が形成される。この間も、基板200は回転しながら所定温度に保たれているので、基板面内にわたり均一な膜を形成できる。
【0058】
また、本実施形態の処理炉にて、ALD法により、基板200を処理する際の処理条件としては、例えばTiN膜を成膜する場合、処理温度300〜550℃、処理圧力10〜1000Pa、原料TiCl:供給流量0.01〜1.0g/min、水素含有ガスNH:供給流量100〜10000sccm、ランプ400の波長185nm,254nm、ランプ400の点灯時間5〜60secが例示される。
【0059】
以上の本実施形態によれば、ステップS3の工程では、ランプ400を点灯すると原料ガスが波長185nm,254nmといった短波長の光を吸収してガス状で分解してしまうため、ランプ400を点灯させず(消灯させ)、他方、ステップS5の工程であって特に水素含有ガスがウエハ200に吸着して光に対する吸収波長領域がレッドシフトする一定の期間でのみ、ランプ400を点灯させている。その結果、水素含有ガスのみを対象として特異的に分解させH原子を確実に発生させることができ、既にウエハ200に吸着している原料ガスの分子からカーボンや炭化水素等の抵抗率の低下を阻害する物質を引き抜くことができる。以上から、形成しようとする薄膜の抵抗率を低く抑えることができる。
【0060】
なお、ランプ400と処理室201に配置されるウエハ200との間に遮光材としてシャッタを設けてそのシャッタの開閉をメインコントローラ256で制御する構成とし、ステップS3〜ステップS6の工程においては、ランプ400を点灯し続けてステップS5の工程でのみシャッタを開く(ステップS3,S4,S6の工程ではシャッタを閉じておく)ような構成にしてもよい。
【0061】
また本実施形態では、処理室201の内部においてランプ400が円筒管300により被覆されているから、ランプ400が原料ガスや水素含有ガスと直接的に接触することは無く、ランプ400がそれらのガスに起因して汚染されるのを抑制することができる。また、円筒管300の内部空間が処理室201の外部(大気)に連通しており、ランプ400が円筒管300に対し出し入れ自在となっているから、処理室201の内部を真空圧に維持したままランプ400の交換作業をおこなうこともできる。以上から、ランプ400のメンテナンスの回数を抑制しつつランプ400の交換作業を容易におこなうことができる。
【0062】
加えて、ランプ400が円筒管300に対し出し入れ自在であることから、メンテナンス時においてランプ400を移動させる際に処理室201内でのパーティクルの発生を防ぐことができるし、ランプ400のメンテナンスや交換作業の際にランプ400やランプ400周辺の部品の変形・破損を回避することもできる。
【0063】
更に、本実施形態では、複数の円筒管300(及びランプ400)が互いに間隔を開けた状態でガス供給口237,238と支持台(サセプタ217)との間に配置されているから、ガス供給口237,238から供給された原料ガスや水素含有ガスは円筒管300同士の間の隙間を通過しながらサセプタ217に支持された基板200に至り、原料ガスや水素含有ガスの流通経路が確保される。
【0064】
そのため、ランプ400とその円筒管300とを処理室201の上方(基板200の上方)に配置して処理室201の左右両サイドから基板処理用のガスを供給する場合と比較して、本実施形態では、上記の通りに、基板処理用のガスが基板200の全体に行き渡るように基板200の上方からシャワー状にガスを供給することができ、基板200上に形成する膜の膜厚を均一にするのに有利である。
【0065】
なお、円筒管300の存在により原料ガスや水素含有ガスが円滑に流通しないような場合であっても、円筒管300及びランプ400の管径を小さくしたり、円筒管300及びランプ400の数を変更したりすることで、原料ガスや水素含有ガスの円滑な流通を実現することができる。
【0066】
更に、本実施形態では、薄膜形成工程において、ステップS5の工程で水素含有ガスを基板200に吸着させてその光の吸収波長領域をレッドシフトさせ、ランプ400の点灯によりその水素含有ガスに特定波長の光を照射するようにしていることから、水素含有ガスに当該光が吸収され易く、プラズマを使用しなくとも水素含有ガスを確実に分解することができる。
【0067】
そのため、プラズマの使用に係る余計な部材を処理室201の内部に設ける必要がなく、ランプ400の配置位置の自由度が減少するのを防止しつつ、ランプ400の光エネルギーを水素含有ガスの分解のために十分に確保することができる。また、プラズマの使用に係る部材による配置位置の制約もないから、ランプ400の光を基板200の全面にわたって均一に照射することができ、基板200に吸着した水素含有分子を基板200の全面にわたって均一に分解することができる。
【0068】
更に、この場合、プラズマを使用しないことにより、プラズマを基板200の表面に晒すことによる基板200のダメージの発生や処理室201の内部でのプラズマ発生に起因する金属汚染の発生、パーティクルの発生等が引き起こされるのを未然に回避することもできる。
【実施例】
【0069】
次に、本発明の実施例とその比較例とを比較しながら、薄膜形成時の温度と成膜速度,抵抗率との関係について説明する。
【0070】
ここでは、本発明の実施例とその比較例とで、有機金属化合物液体原料としてTDMATを、水素含有ガスとしてNHガスを用い、薄膜としてTiN膜をウエハ上に形成した。
【0071】
特に、実施例では、図7に示すシーケンスに従いTiN膜を形成した。図7のシーケンスは、TDMATガスの供給,Nガスによるパージ(A)と、NHガスの供給,ランプの光照射,Nガスによるパージ(B)とを、交互に繰り返すALD法に従うものである。
【0072】
図7のシーケンスでは処理条件を下記の通りとした。
処理温度300〜550℃、
処理圧力10〜100Pa、
TDMATの供給流量0.01〜0.2g/min、
NHの供給流量100〜2000sccm、
ランプの波長185nm,254nm、
ランプの点灯時間5〜60sec
【0073】
他方、比較例では、図8に示すシーケンスに従いTiN膜を形成した。図8のシーケンスは、TDMATガスの供給とNHガスの供給とを同時に行うCVD(Chemical Vapour Deposition)法に従うものである。なお、比較例ではランプによる光照射は行っていない。
【0074】
図8のシーケンスでは処理条件を下記の通りとした。
処理温度300〜550℃、
処理圧力10〜100Pa、
TDMATの供給流量0.01〜0.2g/min、
NHの供給流量100〜2000sccm
【0075】
図7のシーケンスによる結果を図9に、図8のシーケンスによる結果を図10に示した(図9にはNHガスの供給時においてランプを点灯させた場合に加えてランプを点灯させない場合も示した。)。図9,図10中、丸(○,●)による線が成膜速度(nm/サイクル)を表し、四角(□,■)による線が抵抗率(mΩcm)を表す。
【0076】
実施例では、図9に示す通り、温度を上昇させても成膜速度はわずかしか上昇しない(成膜速度には温度依存性が殆んどない)が、抵抗率は下降している。特に実施例では、ランプを点灯させた場合は点灯させない場合に比べて、抵抗率が著しく低下している。これに対し、比較例では、図10に示す通り、温度の上昇に伴い成膜速度が比較的急峻に上昇し、抵抗率は一定の値まで下降してその後やや上昇している。以上の結果から、実施例は比較例に比べて温度の上昇に伴う成膜速度の上昇は僅かであり、抵抗率が飛躍的に低下することがわかる。
【0077】
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
処理室内に原料ガスを供給して基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内の原料ガスを除去する工程と、
前記処理室内にアンモニアガスを供給して前記基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内のアンモニアガスを除去する工程と、
を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すことで前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成する工程と、を有し、
前記アンモニアガスを供給する工程では、前記アンモニアガスが前記基板上に吸着して前記アンモニアガスの光に対する吸収波長領域がレッドシフトした状態でランプにより光を前記基板上に照射して前記アンモニアガスに光を吸収させ、前記アンモニアガスを分解させて前記原料ガスと反応させ、前記薄膜を形成する半導体装置の製造方法が提供される。
【0078】
好ましくは、前記原料ガスがテトラキスジメチルアミノチタニウムを気化したガスであり、前記薄膜が窒化チタンである。
【0079】
また、好ましくは、前記ランプが低圧水銀ランプである。
【0080】
また、好ましくは、前記アンモニアガスを供給する工程では、前記処理室内に浮遊している前記アンモニアガスには光を吸収させないようにする。
【0081】
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に原料ガスを供給する原料ガス供給系と、
前記処理室内にアンモニアガスを供給するアンモニアガス供給系と、
前記処理室内に配置される基板上に光を照射するランプであって、前記アンモニアガスが前記処理室内に浮遊している状態では光吸収されず、前記アンモニアガスが前記基板に吸着した状態では光吸収されるような波長領域の光を発するランプと、
前記処理室内を排気する排気系と、
少なくとも前記原料ガス供給系、前記アンモニアガス供給系、前記ランプ及び前記排気系を制御して、前記処理室内に原料ガスを供給させて基板上に吸着させ、前記処理室内の原料ガスを除去させ、前記処理室内にアンモニアガスを供給させて前記基板上に吸着させ、前記処理室内のアンモニアガスを除去させ、これを1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返させ、前記アンモニアガスを前記基板上に吸着させる際に前記ランプの光を前記基板上に照射させるコントローラと、
を有する基板処理装置が提供される。
【0082】
本発明の更に他の態様によれば、
処理室内にテトラキスジメチルアミノチタニウムを気化した原料ガスを供給して基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内の原料ガスを除去する工程と、
前記処理室内にアンモニアガスを供給して前記基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内のアンモニアガスを除去する工程と、
を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すことで前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成する工程と、を有し、
前記アンモニアガスを供給する工程では、ランプにより光を前記基板上に照射する半導体装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る基板処理装置の概略図であって、特に枚葉式基板処理装置の処理炉の一例を示す概略図である。
【図2】図1のA−A線を図1中の下方から見た図面である。
【図3】本発明の好ましい実施形態に係る基板処理装置の概略的な制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態に係る基板上に薄膜を形成する方法の概略を経時的に示すフローチャートである。
【図5】本発明の好ましい実施形態における水素含有ガス(水素含有分子)と光との関連性を説明する概略図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態における水素原子と原料ガス(原料分子)との反応を説明する概略図である。
【図7】本発明の実施例における薄膜形成シーケンスの概略を示す図面である。
【図8】本発明の比較例における薄膜形成シーケンスの概略を示す図面である。
【図9】本発明の実施例における薄膜の温度と成膜速度,抵抗率との関係を概略的に示す図面である。
【図10】本発明の比較例における薄膜の温度と成膜速度,抵抗率との関係を概略的に示す図面である。
【符号の説明】
【0084】
100 基板処理装置
200 基板
201 処理室
232 液体原料供給管
232a 原料ガス供給管
232b 水素含有ガス供給管
250a 原料供給源
250b 水素含有ガス供給源
400 ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室内に原料ガスを供給して基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内の原料ガスを除去する工程と、
前記処理室内にアンモニアガスを供給して前記基板上に吸着させる工程と、
前記処理室内のアンモニアガスを除去する工程と、
を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すことで前記基板上に所定膜厚の薄膜を形成する工程と、を有し、
前記アンモニアガスを供給する工程では、前記アンモニアガスが前記基板上に吸着して前記アンモニアガスの光に対する吸収波長領域がレッドシフトした状態でランプにより光を前記基板上に照射して前記アンモニアガスに光を吸収させ、前記アンモニアガスを分解させて前記原料ガスと反応させ、前記薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に原料ガスを供給する原料ガス供給系と、
前記処理室内にアンモニアガスを供給するアンモニアガス供給系と、
前記処理室内に配置される基板上に光を照射するランプであって、前記アンモニアガスが前記処理室内に浮遊している状態では光吸収されず、前記アンモニアガスが前記基板に吸着した状態では光吸収されるような波長領域の光を発するランプと、
前記処理室内を排気する排気系と、
少なくとも前記原料ガス供給系、前記アンモニアガス供給系、前記ランプ及び前記排気系を制御して、前記処理室内に原料ガスを供給させて前記基板上に吸着させ、前記処理室内の原料ガスを除去させ、前記処理室内にアンモニアガスを供給させて前記基板上に吸着させ、前記処理室内のアンモニアガスを除去させ、これを1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返させ、前記アンモニアガスを前記基板上に吸着させる際に前記ランプの光を前記基板上に照射させるコントローラと、
を有することを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−59492(P2010−59492A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226932(P2008−226932)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】