説明

半導体装置の製造方法

【課題】成膜性及びエッチング耐性に優れる膜を形成し、微細加工技術に適する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ウエハ18上にSiN膜2を形成する工程と、前記SiN膜2上にハードマスク膜を形成する工程と、前記ハードマスク膜をエッチングマスクとして前記SiN膜2をエッチングする工程と、を有し、前記ハードマスク膜は、窒化アルミニウム膜(AlN膜7)または窒化アルミニウムシリコン膜のうち少なくともいずれかを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリデバイス、ロジックデバイス等の半導体デバイスにおいて、高集積化が求められており、パターンの微細化が必須となっている。
小面積に多数のパターンを集積するためには、個別デバイスのサイズを小さくする必要がある。このためには、形成しようとするパターンの幅と間隔との和であるピッチを、縮小しなければならない。
【0003】
そこで、基板上に微細なパターンを形成し、これをハードマスク膜としてエッチングを行うことでこのパターンの下層を加工するという技術が、広く採用されている。一方で、デバイスのさらなる微細化及び製造工程の簡略化の要求から、加工性が高く、成膜特性に優れる膜の開発が進められている。
【0004】
45nm世代のパターン形成では、ArFエキシマレーザーが主流となっている。しかし、露光波長の短波長化は、多重干渉の小周期化及び、基板反射率の増大を伴う。このため、レジストの線幅に大きな影響を与える。
ここで、レジストの線幅変動を抑制する方法の一つに、反射防止技術がある。無機膜を反射防止膜として用いる場合は、条件を最適化する方法として、膜厚で調整する方法と、膜の特性(屈折率や吸収係数等)で調整する方法とがある。
【0005】
一方、レジストを薄膜化することで、微細なパターンを形成することが可能となる。しかし、これに伴いレジストのエッチング耐性が劣化する。このため、深い溝・孔や、厚い膜等を加工する際、エッチング工程途中で、レジストが消失する問題が生じる。そこで、レジストの下部に位置する反射防止膜等に、エッチング耐性の高い膜を用いる手法がとられる。
【0006】
特許文献1には、エッチング選択比ならびに剥離性が高いとするエッチングマスクとしての窒化シリコン膜の製造方法及び窒化シリコン膜を用いたパターン形成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−80359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術において、低温で形成されたハードマスク膜は、不純物の取込や欠陥の増加等により、エッチング耐性が劣化する問題があった。このため、耐性を向上させるために、ハードマスク膜を積層させ膜厚を厚くする必要があり、生産性向上が阻害される。
【0009】
また、ハードマスク膜の成膜において、膜厚の均一性及びカバレッジ特性が十分でないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、微細化加工技術に適する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上に薄膜を形成する工程と、前記薄膜上にハードマスク膜を形成する工程と、前記ハードマスク膜をエッチングマスクとして前記薄膜をエッチングする工程と、を有し、前記ハードマスク膜は、窒化アルミニウム膜または窒化アルミニウムシリコン膜のうち少なくともいずれかを含む。
【0012】
好適には、前記ハードマスク膜はアルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜を含み、アルミニウムリッチな窒化アルミニウムは、基板に対してアルミニウム含有ガスを供給して、前記薄膜上に厚さが数原子層以下のアルミニウム膜を形成する工程と、基板に対して窒素含有ガスを供給して、前記アルミニウム膜の窒素含有ガスによる窒化反応が不飽和となる条件下で、前記アルミニウム膜を熱窒化する工程とを、交互に繰り返す。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、成膜性及びエッチング耐性に優れるハードマスク膜を形成し微細化加工技術に適する半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態におけるパターン形成例を説明する説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に用いられる処理炉の概略を示す構成図である。
【図3】図2に示す処理炉のA−A断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における窒化アルミニウム膜形成フローを示す概略図である。
【図5】本発明の一実施形態により形成された窒化アルミニウム膜のHR−RBS測定結果を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態により形成された窒化アルミニウム膜の面内膜厚均一性、屈折率の測定結果を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態により形成された窒化アルミニウム膜のAFM測定結果を示す図である。
【図8】ステップカバレッジについて説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態として、ポリシリコン(Poly−Si)へのパターン形成例について説明する。図1(a)は、従来のパターン形成例を示し、図1(b)は、本実施形態のパターン形成例を示す。
【0016】
まず、比較のため、従来技術でのパターン形成例について説明する。
図1(a)に示すように、ウエハ18上に形成されたPoly−Si膜1上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、窒化シリコン(SiN)膜2を膜厚200〜400nm程度形成する。次いで、プラズマCVD法により、反射防止膜兼ハードマスク膜となるACL(Amorphous Carbon Layer)膜3を膜厚200nm程度形成する。その上に、同様に反射防止膜兼ハードマスク膜となるSiN系絶縁膜(例えばSiN、SiON、SiCN)4を膜厚40nm程度形成する。そして、有機系の反射防止膜5(BARC:Bottom Anti−Reflection Coating)を膜厚80nm程度形成し、その上に、レジスト膜6を膜厚50〜150nm程度形成する。
【0017】
このようにしてパターン形成層を形成した後、レジスト膜6を露光し、現像する。図1(a)の上の図は、露光されたレジスト膜6を現像した後の状態を示している。その後、上層よりドライエッチングを行い、それぞれの上層の膜をハードマスク膜として下層の加工を進めるが、膜の構成及び膜厚は、それぞれ上層・下層となる膜のドライエッチレート・選択性で決まる。このため、高い選択性が得られる膜種を用いることで、膜数及び膜厚を低減することができる。図4(a)の下の図は、ドライエッチング後の状態を示している。
【0018】
次に、本実施形態のパターン形成例について説明する。
従来技術では、Poly−Si膜1上にACL膜3及びSiN系絶縁膜4を形成するのに対し、本実施形態では、これらに替えて窒化アルミニウム(AlN)膜7を膜厚30nm程度形成する。すなわち、図1(b)に示すように、ウエハ18上に形成されたPoly−Si膜1上にCVD法によりSiN膜2を膜厚を膜厚200〜400nm程度形成する。その上に、反射防止膜兼ハードマスクとなるAlN膜7を膜厚30nm程度形成する。そして、有機系の反射防止膜5を膜厚80nm程度形成し、その上に、レジスト膜6を膜厚50〜150nm程度形成する。AlN膜7の膜厚は、ハードマスクとしての機能及び加工性から、5〜100nmとすることが好ましい。ただし、10nm以下ではドライエッチングのマスク材としての機能が低下し、50nm以上では加工することが難しくなるため、膜厚10〜50nmとすることが、より好ましい。
【0019】
なお、パターンを形成する膜の構成及び膜厚は、目的に応じて適宜変更することができる。AlN膜7の替わりに、屈折率及び吸収係数を制御できるアルミニウムリッチなAlN膜(化学量論的に窒素(N)に対し、アルミニウム(Al)が過剰な窒化アルミニウム(AlN)膜)や、窒化アルミニウムシリコン(AlSiN)膜等を用いても同様の効果を得られる。
このようにして、パターン層を形成した後、レジスト膜6を露光し現像する。図1(b)の上の図は、露光されたレジスト膜6を現像した後の状態を示している。その後、上層よりドライエッチングを行い、それぞれの上層の膜をハードマスク膜として下層の加工を進める。図1(b)の下の図は、ドライエッチング後の状態を示している。
【0020】
本発明によれば、多種のハードマスク膜を積層させることなく、また、ハードマスク膜の膜厚を厚くすることなく、エッチング耐性に優れたハードマスク膜を形成することができる。また、AlN膜の高いドライエッチング選択性により、成膜工程とエッチング工程とを、それぞれ1工程ずつ減らすことができる。
【0021】
次に、本実施形態において反射防止膜兼ハードマスク膜として用いるAlN膜のうち、アルミニウムリッチなAlN膜を形成する基板処理装置と、この基板処理装置を用いて、基板上にアルミニウムリッチなAlN膜を形成する例について説明する。
【0022】
<基板処理装置の構成>
図2は、本発明の一実施形態にて好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉10部分を縦断面図で示している。また、図3は、図2に示す処理炉のA−A断面図である。なお、本発明は、本実施形態にかかる基板処理装置に限らず、枚葉式、Hot Wall型、Cold Wall型の処理炉を有する基板処理装置にも好適に適用できる。
【0023】
図2に示されているように、処理炉10は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ12を有する。ヒータ12は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(非図示)に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0024】
ヒータ12の内側には、ヒータ12と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ14が配設されている。プロセスチューブ14は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。プロセスチューブ14の筒中空部には処理室16が形成されており、基板としてのウエハ18を後述するボート20によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
【0025】
プロセスチューブ14の下方には、プロセスチューブ14と同心円状にマニホールド22が配設されている。マニホールド22は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド22は、プロセスチューブ14に係合しており、プロセスチューブ14を支持するように設けられている。なお、マニホールド22とプロセスチューブ14との間にはシール部材としてのOリング24aが設けられている。マニホールド22がヒータベースに支持されることにより、プロセスチューブ14は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ14とマニホールド22とにより反応容器が形成される。
【0026】
マニホールド22には、第1ガス導入部としての第1ノズル26aと、第2ガス導入部としての第2ノズル26bとが、マニホールド22の側壁を貫通するように設けられており、第1ノズル26a、第2ノズル26bには、それぞれ第1ガス供給管28a、第2ガス供給管28bが接続されている。このように、処理室16内へは複数種類、ここでは2種類の処理ガスを供給するガス供給路として、2本のガス供給管が設けられている。
【0027】
第1ガス供給管28aには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)である第1マスフローコントローラ30a、及び開閉弁である第1バルブ32aが設けられている。また、第1ガス供給管28aの第1バルブ32aよりも下流側には、不活性ガスを供給する第1不活性ガス供給管34aが接続されている。
【0028】
この第1不活性ガス供給管34aには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)である第3マスフローコントローラ30c、及び開閉弁である第3バルブ32cが設けられている。
【0029】
第1ガス供給管28aの先端部には、上述の第1ノズル26aが接続されている。第1ノズル26aは、処理室16を構成しているプロセスチューブ14の内壁とウエハ18との間における円弧状の空間に、プロセスチューブ14の内壁の下部より上部に沿って、また、ウエハ18の積載方向に沿って設けられている。
【0030】
第1ノズル26aの側面には、ガスを供給する供給孔である第1ガス供給孔36aが設けられている。この第1ガス供給孔36aは、下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第1ガス供給管28a、第1マスフローコントローラ30a、第1バルブ32a、第1ノズル26aにより第1ガス供給系が構成され、主に、第1不活性ガス供給管34a、第3マスフローコントローラ30c、第3バルブ32cにより、第1不活性ガス供給系が構成される。
【0031】
第2ガス供給管28bには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)である第2マスフローコントローラ30b、及び開閉弁である第2バルブ32bが設けられている。また、第2ガス供給管28bの第2バルブ32bよりも下流側には、不活性ガスを供給する第2不活性ガス供給管34bが接続されている。
【0032】
この第2不活性ガス供給管34bには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御手段)である第4マスフローコントローラ30d、及び開閉弁である第4バルブ32dが設けられている。
【0033】
第2ガス供給管28bの先端部には、上述の第2ノズル26bが接続されている。第2ノズル26bは、処理室16を構成しているプロセスチューブ14の内壁とウエハ18との間における円弧状の空間に、プロセスチューブ14の内壁の下部より上部に沿って、また、ウエハ18の積載方向に沿って設けられている。
【0034】
第2ノズル26bの側面にはガスを供給する供給孔である第2ガス供給孔36bが設けられている。この第2ガス供給孔36bは、下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第2ガス供給管28b、第2マスフローコントローラ30b、第2バルブ32b、第2ノズル26bにより第2ガス供給系が構成され、主に、第2不活性ガス供給管34b、第4マスフローコントローラ30d、第4バルブ32dにより第2不活性ガス供給系が構成される。
【0035】
例えば、第1ガス供給管28aからは、TMAガスが、第1マスフローコントローラ30a、第1バルブ32a、第1ノズル26aを介して処理室16内に供給される。このとき同時に、第1不活性ガス供給管34aからは、不活性ガスが、第3マスフローコントローラ30c、第3バルブ32cを介して第1ガス供給管28a内に供給されるようにしてもよい。
【0036】
また、第2ガス供給管28bからは、アンモニア(NH)ガスが、第2マスフローコントローラ30b、第2バルブ32b、第2ノズル26bを介して処理室16内に供給される。このとき同時に、第2不活性ガス供給管34bからは、不活性ガスが、第4マスフローコントローラ30d、第4バルブ32dを介して第2ガス供給管28b内に供給されるようにしてもよい。
【0037】
マニホールド22には、処理室16内の雰囲気を排気するガス排気管40が設けられている。ガス排気管40のマニホールド22との接続側と反対側である下流側には、圧力検出器としての圧力センサ42及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ44を介して、真空排気装置としての真空ポンプ46が接続されている。
【0038】
なお、APCバルブ44は、弁を開閉して処理室16内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能なように構成されている開閉弁である。真空ポンプ46を作動させつつ、圧力センサ42により検出された圧力に基づいてAPCバルブ44の弁の開度を調節することにより、処理室16内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。
【0039】
マニホールド22の下方には、マニホールド22の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ48が設けられている。シールキャップ48は、マニホールド22の下端に垂直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ48は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ48の上面には、マニホールド22の下端と当接するシール部材としてOリング24bが設けられる。
【0040】
シールキャップ48の処理室16と反対側には、後述する基板保持具としてのボート20を回転させる回転機構50が設置されている。回転機構50の回転軸52は、シールキャップ48を貫通してボート20に接続されている。回転機構50は、ボート20を回転させることでウエハ18を回転させるように構成されている。
【0041】
シールキャップ48は、プロセスチューブ14の外部に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ54によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ54は、シールキャップ48を昇降させることで、ボート20を処理室16内に対して搬入・搬出することが可能なように構成されている。
【0042】
基板保持具としてのボート20は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、複数枚のウエハ18を水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なお、ボート20の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる断熱部材56が設けられており、ヒータ12からの熱がシールキャップ48側に伝わりにくくなるように構成されている。なお、断熱部材56は、石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる複数枚の断熱板と、これら断熱板を水平姿勢で多段に支持する断熱板ホルダとにより構成してもよい。
【0043】
プロセスチューブ14内には、温度検出器としての温度センサ58が設置されており、温度センサ58により検出された温度情報に基づきヒータ12への通電具合を調整することにより、処理室16内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ58は、第1ノズル26a及び第2ノズル26bと同様に、プロセスチューブ14の内壁に沿って設けられている。
【0044】
制御部(制御手段)であるコントローラ60は、第1〜第4のマスフローコントローラ30a、30b、30c、30d、第1〜第4のバルブ32a、32b、32c、32d、圧力センサ42、APCバルブ44、ヒータ12、温度センサ58、真空ポンプ46、回転機構50、ボートエレベータ54等に接続されている。コントローラ60により、第1〜第4のマスフローコントローラ30a、30b、30c、30dの流量調整、第1〜第4のバルブ32a、32b、32c、32dの開閉動作、APCバルブ44の開閉及び圧力センサ42に基づく圧力調整動作、温度センサ58に基づくヒータ12の温度調整、真空ポンプ46の起動・停止、回転機構50の回転速度調節、ボートエレベータ54の昇降動作等の制御が行われる。
【0045】
<窒化アルミニウム膜の成膜方法>
次に、上述の基板処理装置の処理炉10を用いて、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、アルミニウム原料にトリメチルアルミニウム(TMA:Tri Methyl Aluminum、Al(CH)を用い、窒素原料にアンモニア(NH)を用いて、化学量論的に窒素(N)に対しアルミニウム(Al)が過剰な窒化アルミニウム(AlN)膜、すなわちアルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜を成膜する方法の例について説明する。
なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ60により制御される。
【0046】
アルミニウム原料としては、TMAに限らず、トリエチルアルミニウム(Al(C)、塩化アルミニウム(AlCl)、トリス−1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシアルミニウム(Al(MMP))、又はアミノアルミニウム等を用いることができる。また、窒素原料としては、アンモニアに限らず、ヒドラジンやアミン等を用いることができる。
【0047】
本実施形態では、ALD(Atomic Layer Deposition)法による成膜に類似する方法であって、ALD法とは異なる方法により成膜を行う。ALD法とは、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる少なくとも2種類の原料となる反応性ガスを1種類ずつ交互に基板上に供給し、1原子単位で基板上に吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う方法である。このとき、膜厚の制御は、反応性ガスを供給するサイクル数で行う(例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、20サイクル行う)。
【0048】
本実施形態にかかる成膜方法では、CVD(Chemical Vapor Deposition)反応が生じる条件下で、ウエハ18に対してTMAを供給する工程と、ノンプラズマの雰囲気下で、かつ所定の条件下でウエハ18に対してアンモニアを供給する工程と、を交互に繰り返すことにより、アルミニウムリッチな窒化アルミニウム(AlN)膜を形成する。
【0049】
本実施形態では、ウエハ18に対してTMAを供給する工程(ステップ100)と、ウエハ18上(処理室16内)からTMAを除去する工程(ステップ200)と、ウエハ18に対してアンモニアを供給する工程(ステップ300)と、ウエハ18上(処理室16内)からアンモニアを除去する工程(ステップ400)と、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すことにより、アルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜(AlN)を形成する。
【0050】
ウエハ18に対してTMAを供給する工程(ステップ100)では、ウエハ18上に数原子層以下(1原子層未満から数原子層)のアルミニウム膜を形成する。このとき、Alの供給量は過剰となる。なお、1原子層未満の層とは、不連続に形成される原子層のことを意味している。
【0051】
また、ウエハ18に対してアンモニアを供給する工程(ステップ300)では、ウエハ18上に形成した数原子層以下のアルミニウム膜を熱で窒化する。このときアルミニウム膜の窒化は、アルミニウム膜のアンモニアによる窒化反応が飽和しない条件下で行われる。すなわち、アルミニウム膜は、完全には窒化させず、アルミニウム(Al)の結合手の一部が窒素(N)の結合手と結合しない状態となるようにする。これにより、アルミニウムの窒化量は抑制され、アルミニウムが過剰な状態となる(不飽和窒化)。
【0052】
このとき、好ましくはアルミニウム膜の窒化反応が飽和しない条件となるよう、アンモニアの供給流量、アンモニアの供給時間、および処理室16内の圧力のうち少なくともいずれかを、アルミニウム膜の窒化反応が飽和する条件と異ならせるようにする。すなわち、アルミニウム膜の窒化反応が飽和する条件よりもアンモニアの供給流量を少なくするか、アンモニアの供給時間を短くするか又は、処理室16内の圧力を低くするようにする。
【0053】
例えば、化学量論的な組成を持つ窒化アルミニウム(AlN)膜を形成するのに必要な量よりも少量のアンモニアを供給するようにする。このように、ウエハ18上に数原子層以下のアルミニウム膜をCVD法により形成する工程でアルミニウムの供給量を制御し、形成されたアルミニウム膜をアンモニアで熱窒化する工程でアルミニウムの窒化量を制御する。これを交互に繰り返すことで、Al/N比の制御されたアルミニウムリッチな窒化アルミニウム(AlN)膜を形成する。
【0054】
図4は、本実施形態にかかる窒化アルミニウム(AlN)膜形成フローを示している。以下、図4を参照しつつ、アルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜を成膜する方法について、具体的に説明する。
【0055】
まず、成膜前工程において、ウエハ18を処理室16に搬入し、この処理室16内が所定の条件となるように設定する。
具体的には、まず複数枚のウエハ18がボート20に装填(ウエハチャージ)されると、図2に示されているように、複数枚のウエハ18を保持したボート20は、ボートエレベータ54によって持ち上げられて処理室16内に搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ48はOリング24bを介してマニホールド22の下端をシールした状態となる。
【0056】
次いで、処理室16内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ46によって真空排気される。この際、処理室16内の圧力は圧力センサ42で測定され、この測定された圧力に基づきAPCバルブ44がフィードバック制御される(圧力調整)。
【0057】
また、処理室16内が所望の温度となるようにヒータ12によって加熱される。この際、処理室16内が所望の温度分布となるように、温度センサ58が検出した温度情報に基づきヒータ12への通電具合がフィードバック制御される(温度調整)。続いて、回転機構50によりボート20が回転されることでウエハ18が回転される。その後、後述する4つのステップ(S100〜S400)を順次実行する。
【0058】
(ステップ100)
ステップ100(S100)において、アルミニウム膜を形成する。
第1ガス供給管28aの第1バルブ32a、第1不活性ガス供給管34aの第3バルブ32cを開き、第1ガス供給管28aにTMA、第1不活性ガス供給管34aに、例えば窒素(N)等の不活性ガスを流す。不活性ガスは、第1不活性ガス供給管34aから流れ、第3マスフローコントローラ30cにより流量調整される。TMAは、第1ガス供給管28aから流れ、第1マスフローコントローラ30aにより流量調整され、流量調整された不活性ガスと混合される。そして、第1ノズル26aの第1ガス供給孔36aから処理室16内に供給されつつ、ガス排気管40から排気される。
【0059】
このとき、APCバルブ44を適正に調整して、処理室16内の圧力を13.3〜1333Paの範囲であって、例えば133Paに維持する。第1マスフローコントローラ30aで制御するTMAの供給量は0.05〜10slmの範囲であって、例えば0.05slmとする。TMAにウエハ18を晒す時間は例えば1〜180秒間の範囲内の時間とする。
【0060】
また、ヒータ12の温度は、TMAが熱分解してCVD反応が生じる条件、すなわちウエハ18の温度が300〜600℃の範囲であって、例えば350℃になるように設定する。上述の条件にてTMAを処理室16内に供給することで、ウエハ18上に数原子層以下、すなわち1原子層未満から数原子層のアルミニウム膜が形成される。例えば、半原子層(ハーフレイヤー)のアルミニウム膜を形成してもよいし、単原子層(モノレイヤー)のアルミニウム膜を形成してもよい。これにより、アルミニウム(Al)は過剰に供給されることになる。
【0061】
(ステップ200)
ステップ200(S200)において、成膜後にウエハ18上(処理室16内)に残留するTMAを排除する。
数原子層以下のアルミニウム膜を成膜した後、第1ガス供給管28aの第1バルブ32aを閉じ、TMAの供給を停止する。このとき、ガス排気管40のAPCバルブ44は開いたままにして、真空ポンプ46により処理室16内を10Pa以下となるまで排気し、残留したTMAを処理室16内から排除する。このとき、例えば窒素(N)等の不活性ガスを処理室16内へ供給すると、残留したTMAを排除する効果が更に高まる(残留ガス除去)。
【0062】
(ステップ300)
ステップ300(S300)において、アルミニウム膜を熱窒化する。
第2ガス供給管28bの第2バルブ32b、第2不活性ガス供給管34bの第4バルブ32dを開き、第2ガス供給管28bにアンモニア、第2不活性ガス供給管34bに、例えば窒素(N)等の不活性ガスを流す。不活性ガスは、第2不活性ガス供給管34bから流れ、第4マスフローコントローラ30dにより流量調整される。アンモニアは第2ガス供給管28bから流れ、第2マスフローコントローラ30bにより流量調整され、流量調整された不活性ガスと混合される。そして、第2ノズル26bの第2ガス供給孔36bから処理室16内に供給されつつガス排気管40から排気される。なお、上述のように、アンモニアはプラズマによって活性化されることなく処理室16内に供給する。
【0063】
ステップ300では、処理室16内の条件が、アルミニウム膜のアンモニアによる窒化反応が飽和しない条件となるようにする。すなわちアンモニアの供給量は、アルミニウム膜の窒化により化学量論的な組成を持つ窒化アルミニウム(AlN)層を形成するのに必要な量よりも少量とする。
【0064】
このとき、APCバルブ44を適正に調整して、処理室16内の圧力を13.3〜1333Paの範囲であって、例えば865Paに維持する。第2マスフローコントローラ30bで制御するアンモニアの供給流量は、0.1〜10slmの範囲であって、例えば1slmとする。なお、アンモニアにウエハ18を晒す時間は、1〜180秒間の範囲内の時間とする。このとき、ウエハ18の温度が、ステップ100のTMAの供給時と同じく300〜600℃の範囲であって、例えば350℃となるようにヒータ12の温度を設定する。
【0065】
このように、アンモニアをノンプラズマの雰囲気下で処理室16内に供給することで、ウエハ18上に形成された数原子層以下のアルミニウム膜を熱で窒化する。このときアルミニウム(Al)の窒化量は抑制され、アルミニウム(Al)が過剰な状態となり、アルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜が形成される。
【0066】
例えば、ステップ100(S100)におけるアルミニウム膜の形成条件を、温度350℃、圧力133Pa、TMA供給流量0.05slmとした場合、ステップ300(S300)における熱窒化条件を、温度350℃、圧力865Pa、アンモニア供給流量1slm、アンモニア供給時間24sとすることで、化学量論比(Al/N比=1.0)と同等の組成比となる窒化アルミニウム(AlN)膜を形成することができる。
本実施形態では、例えば、上記条件において、アンモニアの供給時間を短く、例えば6sとすることで、アルミニウム膜の窒化量を抑えることができ、Al/N比が1.0よりも大きな組成比を有する窒化アルミニウム膜を形成することとなる。
【0067】
処理室16内に供給されたTMAやアンモニアが全て窒化アルミニウム膜の形成に寄与すると仮定した場合、アルミニウム含有物であるTMAの供給量と、窒素含有物であるアンモニアの供給量とが1:1の割合になるように処理室16内にTMAとアンモニアとを供給すれば、ウエハ18上には化学量論的な組成を持つ窒化アルミニウム(AlN)膜が形成されることになる。
【0068】
これに対し、本実施形態においては、アルミニウム膜の熱窒化により化学量論的な組成を持つ窒化アルミニウム(AlN)膜を形成するのに本来必要な量よりも少量のアンモニアを供給する。すなわち、アルミニウム膜の窒化反応が飽和しないように、アンモニアの供給量を制限する。これより、化学量論的な組成を持つ窒化アルミニウム膜(AlN)を形成するのに必要な窒素の量が不足して、ウエハ18上にアルミニウムリッチな窒化アルミニウム(AlN)膜が形成される。
【0069】
なお、窒化アルミニウム膜中におけるアルミニウムと窒素との組成比は、実際には、アンモニアの供給量だけではなく、例えば、ステップ300(S300)における処理室16内の圧力に起因する反応性の相違、ウエハ18の温度等に起因する反応性の相違あるいは、アンモニア供給流量、アンモニア供給時間、すなわち反応時間の長さによっても変化する。また、ステップ100(S100)における処理室16内の圧力、ウエハ18の温度、TMAの供給流量、TMAの供給時間にも依存する。
【0070】
つまり、ステップ100(S100)におけるアルミニウムの供給と、ステップ300(S300)における窒素の供給とのバランスを制御することが、窒化アルミニウム膜中におけるアルミニウム(Al)と窒素(N)との組成比(Al/N比)を制御する上で重要となる。
【0071】
本実施形態においては、処理室16内の圧力、ウエハ18の温度、ガス供給流量、ガス供給時間を上述の範囲内における適正な値とすることで、窒化アルミニウム膜中におけるアルミニウムと窒素との組成比を制御するようにしている。
なお、ステップ100(S100)におけるアルミニウムの供給量を基準に考えた(固定とした)場合、ステップ300(S300)における条件のうち、アンモニアの供給流量と、アンモニアの供給時間と、処理室16内の圧力とが、Al/N比の制御に最も寄与することとなる。
【0072】
よって、ステップ300(S300)では、アンモニアの供給流量、アンモニアの供給時間、処理室16内の圧力のうち少なくともいずれかをアルミニウム膜の窒化反応が飽和する条件と異ならせるようにするのが好ましい。具体的には、ステップ300(S300)では、アルミニウム膜の窒化反応が飽和する条件よりも、アンモニアの供給流量を少なくするか、アンモニアの供給時間を短くするか、処理室16内の圧力を低くするのが好ましい。
【0073】
(ステップ400)
ステップ400(S400)において、アルミニウム膜の熱窒化後に残留するアンモニアを排除する。
数原子層以下のアルミニウム膜を熱で窒化した後、第2ガス供給管28bの第2バルブ32bを閉じ、アンモニアの供給を停止する。このとき、ガス排気管40のAPCバルブ44は開いたままにして、真空ポンプ46により処理室16内を10Pa以下となるまで排気し、残留したアンモニアを処理室16内から排除する。このとき、例えば窒素(N)などの不活性ガスを処理室16内へ供給すると、残留したアンモニアを排除する効果が更に高まる(残留ガス除去)。
【0074】
上述したステップ100〜400(S100〜S400)を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことにより、ウエハ18上に所定膜厚のアルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜を成膜することが出来る。
【0075】
その後、成膜後工程として、成膜されたウエハ18を処理室16から取り出す。
具体的には、所定膜厚のアルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜を成膜すると、窒素(N)等の不活性ガスが処理室16内へ供給されつつ排気されることで処理室16内がガスパージされ(パージ)、処理室16内が不活性ガスに置換されるとともに、処理室16内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0076】
その後、ボートエレベータ54によりシールキャップ48が下降されて、マニホールド22の下端が開口されるとともに、処理済のウエハ18がボート20に保持された状態でマニホールド22の下端からプロセスチューブ14の外部に搬出(ボートアンロード)される。その後、処理済みのウエハ18はボート20より取り出される(ウエハディスチャージ)。
【実施例】
【0077】
本実施形態において形成された窒化アルミニウム膜の試験結果について説明する。
【0078】
図5は、本実施形態によって形成された窒化アルミニウム膜の高分解能ラザフォード後方散乱分析法(HR−RBS:High Resolution Rutherford Backscattering Spectrometry)による測定結果を示す。
成膜条件は、ステップ100(S100)におけるアルミニウム膜形成条件を、処理温度350℃、圧力133Pa、TMA供給流量0.05slmとし、ステップ300(S300)における熱窒化条件を、処理温度350℃、圧力865Pa、アンモニア供給流量1slm、アンモニア供給時間6sとした。
【0079】
図5に示すように、原子濃度(at.%)は、アルミニウム(Al)の方が、窒素(N)よりも多くなっていることが分かる。膜厚深度3〜14nmにおける原子濃度は、アルミニウム(Al)が51.8at.%であり、窒素(N)が48.2at.%であった。このため、Al/N比=1.07となり、アルミニウムリッチな窒化アルミニウムが形成されていることが分かる。
【0080】
図6は、処理温度を300〜450℃として形成したときの窒化アルミニウム膜の膜厚面内均一性(Film Thickness WIW)、屈折率(Refractive index)及び、堆積速度(deposition rate)を示す。ここで、面内均一性とは、同一ウエハ(面)内の膜厚又は屈折率について{(最大値−最小値)/(平均値×2)}×100で表わされる数値(±%)である。
その他の成膜条件は、上記と同様とした。なお、ステップ100(S100)及びステップ300(S300)の処理温度は同一とした。
【0081】
図6に示すように、いずれの処理温度においても膜厚面内均一性は±2%以内、屈折率は2程度であり、優れた特性を有することが分かる。なお、処理温度が高くなるほど、堆積速度は増加する。
【0082】
処理温度350℃による成膜では、ボート20上段に位置したウエハ18の膜厚面内均一性は0.40±%、屈折率面内均一性は0.54±%であった。また、ボート20下段に位置したウエハ18の膜厚面内均一性は0.69±%、屈折率面内均一性は0.51±%であった。
さらに、膜厚面間均一性は1.29±%、屈折率面間均一性は0.20±%であった。ここで、面間均一性とは、同一に処理したボート20上における各ウエハの膜厚又は屈折率の平均値を求め、この平均値について{(最大値−最小値)/(平均値×2)}×100で表わされる数値(±%)である。
この結果から、本実施形態により形成された窒化アルミニウム膜は、膜厚及び膜特性の均一性に優れていることが分かる。
【0083】
図7は、Al原料(TMA)供給時間(Al source flow time)を2〜10s(TMA供給流量=0.05slm)として形成したときの窒化アルミニウム膜の原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)による測定結果を示す。なお、膜厚は15nmとした。
これより処理温度350、400℃による成膜では、表面粗さ(Ra)が1.0Å程度となった。また、処理温度450℃による成膜であっても、表面粗さは2.5Å未満であった。
この結果からも、本実施形態により形成された窒化アルミニウム膜は、膜厚均一性に優れていることが分かる。
【0084】
また、アスペクト比(ホール深さ/ホール径)10において、ステップカバレッジは95%以上であった。このように、本実施形態により形成された窒化アルミニウム膜は、ステップカバレッジ性に優れていることが分かる。
なお、ステップカバレッジとは、段差部分の被覆膜厚B(図8参照)を平坦部分の被覆膜厚A(図8参照)で除したもの(B/A)の百分率で表わされる数値である。
【0085】
なお、本実施形態においては、ハードマスク膜として窒化アルミニウム(AlN)膜を形成する場合について示したが、これに限らず、ハードマスク膜としては窒化アルミニウムシリコン(AlSiN)膜を用いることもできる。この場合、AlSiN膜は、アルミニウム原料と窒素原料とシリコン原料を用い、上述の実施形態と同様な方法にて形成することができる。アルミニウム原料と窒素原料は、上述の実施形態における各原料と同様のものを用いることができる。シリコン原料としては、モノシラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、ジクロロシラン(DCS:SiHCl)、ヘキサクロロジシラン(HCD:SiCl)、ビスターシャリーブチルアミノシラン(BTBAS:SiH(NH(C))、ビスジエチルアミノシラン(BDEAS:((CHCHN)SiH)、ビスエチルメチルアミノシラン(BEMAS:((CH(C)N)SiH及びトリスジメチルアミノシラン(3DMAS:((CHN)SiH)等が用いられる。
【符号の説明】
【0086】
1 Poly−Si
2 窒化シリコン膜
7 窒化アルミニウム膜
10 処理炉
16 処理室
18 ウエハ
20 ボート
60 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に薄膜を形成する工程と、
前記薄膜上にハードマスク膜を形成する工程と、
前記ハードマスク膜をエッチングマスクとして前記薄膜をエッチングする工程と、
を有し、
前記ハードマスク膜は、窒化アルミニウム膜または窒化アルミニウムシリコン膜のうち少なくともいずれかを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記ハードマスク膜はアルミニウムリッチな窒化アルミニウム膜を含み、
アルミニウムリッチな窒化アルミニウムは、基板に対してアルミニウム含有ガスを供給して、前記薄膜上に厚さが数原子層以下のアルミニウム膜を形成する工程と、
基板に対して窒素含有ガスを供給して、前記アルミニウム膜の窒素含有ガスによる窒化反応が不飽和となる条件下で、前記アルミニウム膜を熱窒化する工程とを、
交互に繰り返すことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−44493(P2011−44493A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190330(P2009−190330)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】