半導体装置の製造方法
【課題】良好な電気特性を有する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】電極層の上に希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とを形成し、希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とをマイクロ波を用いて加熱することにより、希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた結晶配向を持つように、アモルファスシリコン膜を結晶化させる。
【解決手段】電極層の上に希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とを形成し、希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とをマイクロ波を用いて加熱することにより、希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた結晶配向を持つように、アモルファスシリコン膜を結晶化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代以降の高性能・大規模集積回路においては、多層配線層上、多層配線層間にも、ダイオード、トランジスタ等の半導体デバイスを形成することが要求されている。
【0003】
キャリア移動度といった半導体デバイスの電気的特性や、酸化膜、窒化膜等の絶縁膜の膜質を考慮すると、半導体デバイスは、単結晶シリコン膜を用いて形成することが好ましい。しかしながら、配線層上に平坦な単結晶シリコン膜を得ることが困難であるため、配線層上に半導体デバイスを形成する場合においては、アモルファスシリコンを熱処理して得られる多結晶シリコン膜が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−316143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、良好な電気特性を有する半導体装置の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、半導体装置の製造方法は、電極層の上に希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とを形成し、前記希土類金属シリサイド膜と前記アモルファスシリコン膜とをマイクロ波を用いて加熱することにより、前記希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた結晶配向を持つように、前記アモルファスシリコン膜を結晶化させる、ことを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その1)である。
【図2】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その2)である。
【図3】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その3)である。
【図4】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その4)である。
【図5】第1の実施形態にかかる半導体装置の模式断面図である。
【図6】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その1)である。
【図7】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その2)である。
【図8】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その3)である。
【図9】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その4)である。
【図10】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その5)である。
【図11】第2の実施形態にかかる半導体装置の模式断面図である。
【図12】希土類金属シリサイド膜の格子定数をまとめたものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。ただし、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。なお、全図面にわたり共通する部分には、共通する符号を付す。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す図1から図4を参照して、本実施形態を説明する。以下、PIN型ダイオード(p-intrinsic-n Diode)の形成方法を例に説明するが、本発明は、このような半導体装置の形成方法に限定されるものではなく、NIP型ダイオード(n-intrinsic-p Diode)といった他の種類の半導体装置(半導体デバイス)においても用いることができる。
【0010】
図1(a)のように半導体基板(図1から図4においては図示を省略)上に形成された金属または金属化合物からなる電極層11を準備する。この半導体基板は、必ずしもシリコン基板でなくてもよく、他の基板(例えば、SOI(Silicon on insulator)基板やSiGe基板など)でも良い。また、このような種々の基板上に半導体構造等が形成されたものでも良い。
【0011】
次に、図1(b)のように、成膜装置内において、電極層11の上に、スパッタリング法、又は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、希土類金属膜12を厚さ5nmのものとして形成する。この際、希土類金属膜12中への炭素、酸素等の不純物の混入量を減らすために、スパッタリング法を用いることが好ましい。この希土類金属膜12は、後の工程で形成される希土類金属シリサイド膜の材料となるものである。
【0012】
希土類金属膜12は、この材料から形成されることとなる希土類金属シリサイド膜が、電極層11とPIN型ダイオードの備えるシリコン層とを電気的に接続するための高い導電性を持ち、且つ、希土類金属シリサイド膜の上に形成されたアモルファスシリコン膜を特定の結晶配向を持つように結晶化させる下地膜となることができるような、材料から形成する。ここで、アモルファスシリコン膜が特定の結晶配向を持つように結晶化するとは、アモルファスシリコン膜が下地膜である希土類金属シリサイド膜の結晶構造から影響を受けながら結晶化することにより、希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた特定の結晶配向を持った結晶構造のシリコン結晶膜となることを意味する。
【0013】
好ましくは、アモルファスシリコン膜が結晶面方位(100)又は結晶面方位(111)を持って結晶化するように、希土類金属シリサイド膜は、六方晶(AlB2型)であり、且つ、シリコン結晶の格子定数と近い格子定数を持つものである。詳細には、六方晶である希土類金属シリサイド膜は、a軸の格子定数が3.754から3.877オングストロームであり、且つ、c軸の格子定数が4.05から4.172オングストロームである。このような希土類金属シリサイド膜の材料となる希土類金属膜12は、例えば、エルビウム(Er)、イットリウム(Y)、ホルミウム(Ho)、イッテルビウム(Yb)、ジスプロシウム(Dy)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、ルテチウム(Lu)から形成することができる。これらの希土類金属シリサイド膜の格子定数を、参考として、図12に示す。
【0014】
また、スパッタリング法で用いられる希土類金属のスパッタリングターゲットは、希土類金属膜12中への不純物の混入量を減らすために、純度99.9%以上のものを用いることが好ましい。
【0015】
さらに、後に形成される希土類金属シリサイド膜の酸素含有量が1atm%以下に抑えることが好ましく、そのために、希土類金属のスパッタリングターゲットの酸素含有量は、0.1atm%以下であることが好ましい。この酸素含有量は、SIMS(二次イオン質量分析法)により得られる値である。このように希土類金属シリサイド膜中の酸素含有量を減らす理由としては以下の通りである。すなわち、希土類金属が酸化して得られる希土類金属酸化物は、High−k材料や、エッチング装置の壁面保護のためのパッシベーション膜として用いられていることからもわかるように、強固な絶縁体であり、従って、PIN型ダイオードにおいて、その抵抗値を増加させる原因となるため、希土類金属酸化膜が生成されてしまうことを避けなくてはならないからである。
【0016】
そして、本実施形態においては、図2(a)に示されるように、仕事関数が小さいために酸化されやすいという性質を持つ希土類金属膜12が大気中の酸素に触れることとないように、真空を破らずに、希土類金属膜12の上に、スパッタリング法によりアモルファスシリコン膜(アモルファスシリコン材料膜)13を形成する。このアモルファスシリコン膜13は、この後の工程において形成されるN型アモルファス層の材料となるだけでなく、希土類金属膜12を酸化させないためのキャップ層として、さらに、希土類金属膜12とともに希土類金属シリサイド膜の材料として、用いられる。
【0017】
このアモルファスシリコン膜13の厚さは、この後に行われる工程において希土類金属シリサイド膜の材料として必要なアモルファスシリコン膜の膜厚と、PIN型ダイオードの備えるN型シリコン結晶層として必要な膜厚とをあわせたものであり、例えば、25nmである。
【0018】
図2(b)に示されるように、次に、これまで積層した膜を成膜装置からイオン注入装置へ搬送して、アモルファスシリコン膜13にイオン注入を行う。この搬送の際、これまで積層した膜が大気に触れることがあっても、アモルファスシリコン膜13が酸化防止のためのキャップ層として機能するため、酸化されやすい希土類金属膜12が大気中の酸素により酸化することを避けることができる。そして、ビームライン注入装置、又は、注入深さが数nmと浅い場合にはプラズマドーピング装置を用いて、アモルファスシリコン膜13に、P、As、Sb等のN型不純物を1015cm−2程度のドーズ量で注入する。これにより、PIN型ダイオードの備えるN型のシリコン結晶層となる、N型アモルファスシリコン膜23を形成する。
【0019】
この際、PIN型ダイオードにおけるコンタクト抵抗を低減するために、後の工程において形成される希土類金属シリサイド膜と、N型アモルファスシリコン膜23との界面となる位置において、N型不純物濃度が最大になるようにイオン注入することが好ましい。また、希土類金属シリサイド膜を形成するための熱処理の際に、N型アモルファスシリコン膜23における不純物の分布が変化することを考慮して、イオン注入することが好ましい。
【0020】
図3(a)に示されるように、続いて、アニール装置に搬送し、N2、Ar等の不活性ガス雰囲気中において、300℃〜350℃程度の温度の熱処理(アニール)を行い、希土類金属膜12とN型アモルファスシリコン膜23の一部とを固層反応させることにより希土類金属シリサイド膜32を形成する。この希土類金属シリサイド膜32は、希土類金属シリサイド膜32の上に形成される各アモルファスシリコン膜を結晶化させるための下地膜としてだけではなく、導電性があることから、電極層11とPIN型ダイオードの備える各シリコン層とを電気的に接続するための膜として働く。そして、希土類金属膜12の上に形成されるN型アモルファスシリコン膜23の一部を利用して、希土類金属シリサイド膜32を形成することから、希土類金属シリサイド膜32を形成するためだけに希土類金属膜12の上にシリコン膜を形成するような工程を省くことができる。
【0021】
なお、この希土類金属シリサイド膜32を形成するための熱処理は、先に説明したN型アモルファスシリコン膜23の形成のためのイオン注入の前に行っても良い。また、次の工程である、N型アモルファスシリコン膜23の上にCVD(Chemical Vapor Deposition)によりI型アモルファスシリコン膜24を形成する際に行う基板加熱と同時に、希土類金属シリサイド膜32を形成しても良い。
【0022】
次に、N型アモルファスシリコン膜23の上にさらにアモルファスシリコン膜を形成するために、アニール装置からCVD(Chemical Vapor Deposition)装置に搬送する。先程と同様に、搬送の際これまで積層された膜が大気に触れることがあっても、N型アモルファスシリコン膜23が酸化防止のためのキャップ層として機能するため、仕事関数が小さいため酸化されやすい希土類金属シリサイド膜32が大気中の酸素に晒されることは無く、希土類金属シリサイド膜32へ酸素が混入することを避けることができる。
【0023】
N型アモルファスシリコン膜23上に、PIN型ダイオードの備えるI型シリコン結晶層とP型シリコン結晶層となる、I型(ノンドープ)アモルファスシリコン膜24とP型アモルファスシリコン膜25とを形成する。この際に用いられる形成方法としては、減圧CVD法を用いることも可能であるが、好ましくは、プラズマによる表面クリーニングを積極的に利用できるプラズマCVD法を用いる。
【0024】
詳細には、図3(b)に示されるように、まず、N型アモルファスシリコン膜23の上に、I型アモルファスシリコン膜24を、Ar/Si2H6、又は、Ar/SiH4を用いて、基板温度350℃の条件において、厚さ50nmのものとして形成する。なお、I型アモルファスシリコン膜24の形成の前に、Ar/H2、又は、Ar/NF3等のプラズマにより、N型アモルファスシリコン膜23の表面に形成された自然酸化膜の除去を行うことが好ましい。
【0025】
さらに連続して、図4(a)に示されるように、I型アモルファスシリコン膜24の上に、P型アモルファスシリコン膜25を、Ar/SiH4/H2/BCl3、又は、Ar/Si2H6/H2/BCl3混合ガスを用いて、基板温度350℃の条件において、厚さ25nmのものとして形成する。
【0026】
次に、図4(b)に示されるように、各アモルファスシリコン膜23、24、25を結晶化するための熱処理を行う。詳細には、マイクロ波によりアニールを行う。2.45GHz〜25GHzのマイクロ波を用いて、投入電力10W/cm2〜10kW/cm2、基板温度200℃〜550℃の条件において、30秒〜30分間処理を行う。このようにすることにより、各アモルファスシリコン膜に添加されているN型及びP型の不純物を電気的に活性化するとともに、N型アモルファスシリコン膜23、I型アモルファスシリコン膜24、及び、P型アモルファスシリコン膜25を結晶化させて、N型シリコン結晶層43、I型シリコン結晶層44、及び、P型シリコン結晶層45を形成する。
【0027】
これにより、図5に示されるような、PIN型ダイオード40を得ることができる。詳細には、PIN型ダイオード40は、配線層11の上に形成された希土類金属シリサイド膜32と、希土類金属シリサイド膜32の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたN型シリコン結晶層43と、N型シリコン結晶層43の上に形成されたI型シリコン結晶層44と、I型シリコン結晶層44の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたP型シリコン結晶層45とを備える。
【0028】
本実施形態によれば、膜内部への浸透性が高いマイクロ波を用いて、低温で効率的に結晶化させていることから、P型シリコン結晶層25及びN型シリコン結晶層23に含まれるP型及びN型の不純物がI型シリコン結晶層24に拡散することを避けることができる。従って、I型シリコン結晶層24の膜厚が実効的に減少することが無くなり、PIN型ダイオード40がオフさせた際のPIN型ダイオード40に流れる電流であるオフ電流を小さくすることができる。
【0029】
さらに、希土類金属シリサイド膜32が各アモルファスシリコン膜23、24、25の結晶化を促進させるだけでなく、希土類金属シリサイド膜32はシリコン結晶の格子定数と近い値の格子定数を持つことから、希土類金属シリサイド膜32の上の各アモルファスシリコン膜23、24、25を、希土類金属シリサイド膜32の結晶構造の影響を受けて特定の結晶配向を持つように結晶化させることができる。従って、各アモルファスシリコン膜23、24、25が結晶化したものである各シリコン結晶層43、44、45は、大粒径であるシリコン粒子を備えるものとすることができる。これによって、PIN型ダイオード40の備えるシリコン層は、低抵抗、高移動度となり、PIN型ダイオード40をオンさせた際のPIN型ダイオード40に流れる電流であるオン電流を大きくすることができる。
【0030】
また、マイクロ波を用いて低温で効率的に結晶化させていることから、希土類金属シリサイド膜32中での、シリサイドの凝集を避けることができ、PIN型ダイオード40のコンタクト抵抗の増大を抑えることができる。
【0031】
本実施形態によれば、希土類金属膜12の上に、アモルファスシリコン膜13を形成することから、アモルファスシリコン膜13がキャップ層として機能して、仕事関数が小さいため酸化されやすい希土類金属膜12及び希土類金属シリサイド膜32の酸化を避けることができる。従って、PIN型ダイオード40の抵抗を増加させることを避けることができる。
【0032】
つまり、本実施形態によれば、PIN型ダイオード40をオン/オフさせた際に、それぞれ流れるオン電流/オフ電流の値の比が大きい、電気特性が良好なPIN型ダイオード40を得ることができる。
【0033】
本実施形態は、シリコンの伝導型(P型/N型/I型)によらず、NIP型ダイオードといった他の種類の半導体デバイスに適用することが可能であるが、希土類金属シリサイド膜32の有する、電子に対するショットキーバリアハイト(高さ)が低いという特性に起因して、希土類金属シリサイド膜32は、N型シリコン結晶層43に対して低いコンタクト抵抗を持つことができる。従って、このような特性を得ることができるため、希土類金属シリサイド膜32と直接接する膜としては、N型シリコン結晶層43であることがより好ましい。
【0034】
本実施形態の変形例として、以下のようなものが挙げられる。
【0035】
先に説明した方法においては、アモルファスシリコン膜13を形成した後、そのアモルファスシリコン膜13に対して、N型不純物をイオン注入により注入することにより、所望の濃度のN型不純物を含むN型アモルファスシリコン膜23を形成した。それに対して、この変形例においては、P、 As、Sb等のN型の不純物をあらかじめ導入したシリコンのスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により、N型アモルファスシリコン膜23を形成しても良い。このようにすることにより、工程数を減らすことができる。なお、N型不純物が高濃度に含まれるシリコン膜は、そのフェルミレベルの位置がシリコン伝導帯の底に近いため、電子が引き抜かれ易いという性質を有する。従って、N型不純物が高濃度に含まれるシリコン膜は、酸化されやすい。これを避けるために、N型アモルファスシリコン膜23中においては、不純物濃度1015〜1016cm−3程度と低くすることが好ましい。
【0036】
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す図6から図10を参照して、本実施形態を説明する。以下、N/P/N型バイポーラセレクターの形成方法を例に説明するが、本発明は、このような半導体装置に限定されるものではなく、P/N/P型バイポーラセレクターといった他の種類の半導体装置(半導体デバイス)においても用いることができる。
【0037】
第1の実施形態と同様に、図6(a)のように半導体基板(図6から図10においては図示を省略)上に形成された金属または金属化合物からなる電極層11を準備する。
【0038】
次に、第1の実施形態と同様に、図6(b)のように、電極層11の上に、スパッタリング法、又は、MOCVD法を用いて、希土類金属膜12を厚さ5nm形成する。この希土類金属膜12は、第1の実施形態と同様に、シリコンと反応して希土類金属シリサイド膜を形成した際、シリコン結晶と格子定数が近い希土類金属シリサイド膜となるような材料から形成する。好ましくは、希土類金属シリサイド膜の上に形成されたアモルファスシリコンが結晶面方位(100)又は結晶面方位(111)を持って結晶化するように、希土類金属シリサイド膜は、六方晶(AlB2型)であり、シリコン結晶の格子定数と近い格子定数を持つものである。さらに、六方晶である希土類金属シリサイド膜は、a軸の格子定数が3.75から3.88オングストロームであり、且つ、c軸の格子定数が4.05から4.18オングストロームであるものが、好ましい。このような希土類金属シリサイド膜の材料となる希土類金属膜12は、例えば、エルビウム、イットリウム、ホルミウム、イッテルビウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、ルテチウムから形成することができる。
【0039】
次に、図7(a)に示されるように、第1の実施形態と同様に、仕事関数が小さいために酸化されやすいという性質を持つ希土類金属膜12が大気中の酸素に触れることとないように、真空を破らずに、スパッタリング法によりアモルファスシリコン膜(アモルファスシリコン材料膜)53を形成する。このアモルファスシリコン膜53の厚さは、この後に行われる希土類金属シリサイド膜を形成するための工程において希土類金属シリサイド膜の材料として必要なアモルファスシリコン膜の膜厚と、N/P/N型バイポーラセレクターの備えるN型シリコン結晶層として必要な膜厚とをあわせたものであり、例えば、25nmである。
【0040】
図7(b)に示されるように、第1の実施形態と同様に、成膜装置からイオン注入装置へ搬送して、アモルファスシリコン膜53にイオン注入を行う。この搬送の際、アモルファスシリコン膜53が酸化防止のためのキャップ層として機能するため、希土類金属膜12が大気中の酸素により酸化することを避けることができる。そして、ビームライン注入装置、又は、注入深さが数nmと浅い場合にはプラズマドーピング装置を用いて、アモルファスシリコン膜53に、P、As、Sb等のN型不純物を1015cm−2程度のドーズ量で注入する。これにより、N/P/N型バイポーラセレクターの備えるN型のシリコン結晶層の材料となる、N型アモルファスシリコン膜63を形成する。
【0041】
図8(a)に示されるように、第1の実施形態と同様に、アニール装置に搬送し、N2、Ar等の不活性ガス雰囲気中において、300℃〜350℃程度の温度の熱処理(アニール)を行い、希土類金属膜12とN型アモルファスシリコン膜63の一部とを固層反応させることにより希土類金属シリサイド膜72を形成する。この希土類金属シリサイド膜72は、希土類金属シリサイド膜72の上に形成される各アモルファスシリコン膜を結晶化させるための下地膜としてだけではなく、導電性があることから、電極層11とPIN型ダイオードの備える各シリコン層とを電気的に接続するための膜として働く。そして、希土類金属膜12の上に形成されるN型アモルファスシリコン膜63の一部を利用して、希土類金属シリサイド膜72を形成することから、希土類金属シリサイド膜72を形成するためだけに希土類金属膜12の上にアモルファスシリコン膜を形成する工程を省くことができる。
【0042】
次に、図8(b)に示されるように、N型アモルファスシリコン膜63の上に、I型(ノンドープ)アモルファスシリコン膜55を、Ar/Si2H6、又は、Ar/SiH4を用いた減圧CVD法により、基板温度350℃の条件において、厚さ20nmのものとして形成する。なお、このI型アモルファスシリコン膜55の形成の前に、Ar/H2あるいはAr/NF3等を用いたプラズマによるN型アモルファスシリコン膜63の表面に形成された自然酸化膜の除去を行うことが好ましい。
【0043】
そして、図9(a)に示されるように、I型アモルファスシリコン膜55の上に、N型アモルファスシリコン膜66を、真空を破らずに、PH3/Si2H6/He、又は、PH3/SiH4/He混合ガスを用いた減圧CVD法により、基板温度350℃の条件において、膜厚25nmのものとして形成する。
【0044】
次に、図9(b)に示されるように、I型アモルファスシリコン膜55に、例えばB(ボロン)といったP型不純物をイオン注入することにより、P型アモルファスシリコン膜65を形成する。N/P/N型バイポーラセレクターのオン電流を増加させるためには、ベースとなるP型シリコン結晶層のP型不純物濃度は低いほうが良く、例えば、P型アモルファスシリコン膜65のP型不純物濃度を1e17cm−3程度になるように調整する。
【0045】
次に、図10に示されるように、第1の実施形態と同様に、各アモルファスシリコン膜63、65、66を結晶化するため、マイクロ波によりアニールを行う。2.45GHz〜25GHzのマイクロ波を用いて、投入電力10W/cm2〜10kW/cm2、基板温度200℃〜550℃の条件において、30秒〜30分間処理を行う。このようにすることにより、各アモルファスシリコン膜63、65、66に添加されているN型及びP型の不純物を電気的に活性化するとともに、N型アモルファスシリコン膜63、P型アモルファスシリコン膜65、及び、N型アモルファスシリコン膜66を結晶化させて、N型シリコン結晶層83、P型シリコン結晶層85、及び、N型シリコン結晶層86を形成する。
【0046】
これにより、図11に示されるような、N/P/N型バイポーラセレクター80を得ることができる。詳細には、N/P/N型バイポーラセレクター80は、配線層11の上に形成された希土類金属シリサイド膜72と、希土類金属シリサイド膜72の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたN型シリコン結晶層83と、N型シリコン結晶層83の上に形成され、且つ、P型不純物が添加されたP型シリコン結晶層85と、P型シリコン結晶層85の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたN型シリコン結晶層86とを備える。
【0047】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、マイクロ波を用いて、低温で効率的に結晶化させていることから、各N型シリコン結晶層83、85に含まれるN型の不純物がP型シリコン結晶層85に拡散することを避けることができる。従って、N/P/N型バイポーラセレクター80のオフ電流を小さくすることができる。
【0048】
さらに、希土類金属シリサイド膜72が各アモルファスシリコン膜63、65、66の結晶化を促進させるだけでなく、希土類金属シリサイド膜72はシリコン結晶の格子定数と近い値の格子定数を持つことから、希土類金属シリサイド膜72上の各アモルファスシリコン膜63、65、66を、希土類金属シリサイド膜72の結晶構造の影響を受けて特定の結晶配向を持つように結晶化させることができる。従って、第1の実施形態と同様に、N/P/N型バイポーラセレクター80の備えるシリコン層83、85、86は、大粒径のシリコン結晶を有することから、低抵抗、高移動度となり、N/P/N型バイポーラセレクター80をオンさせた際のN/P/N型バイポーラセレクター80に流れる電流であるオン電流を大きくすることができる。
【0049】
また、I型アモルファスシリコン膜53及びN型アモルファスシリコン膜63がキャップ層として機能することから、仕事関数が小さいため酸化されやすい希土類金属膜12及び希土類金属シリサイド膜72の酸化を避けることができる。従って、N/P/N型バイポーラセレクター80の抵抗を増加させることを避けることができる。
【0050】
つまり、本実施形態によれば、N/P/N型バイポーラセレクター80をオン/オフさせた際に、それぞれ流れるオン電流/オフ電流の値の比が大きい、電気特性が良好なN/P/N型バイポーラセレクター80を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態は、シリコンの伝導型によらず適用することが可能であるが、希土類金属シリサイド膜72の有する電子に対する低いショットキーバリアハイト(高さ)に起因して、N(伝導)型シリコンに対して低いコンタクト抵抗が得られるため、最終的に希土類金属シリサイドと接しているシリコンの伝導型はN型伝導型であることが好ましい。
【0052】
本実施形態の変形例として、以下のようなものが挙げられる。
【0053】
先に説明した方法においては、P型アモルファスシリコン膜65は、I型アモルファスシリコン膜55を形成した後、そのI型アモルファスシリコン膜55に対して、P型不純物をイオン注入により注入することにより形成した。それに対して、この変形例においては、Ar/SiH4/H2/BCl3、又は、Ar/Si2H6/H2/BCl3を用いた減圧CVD法により、基板温度350℃の条件において、厚さ20nmのP型アモルファスシリコン膜65を形成しても良い。このようにすることにより、工程数を減らすことができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、これら以外の各種の形態を採ることができる。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
11 電極層
12 希土類金属膜
13、53 アモルファスシリコン膜(アモルファスシリコン材料膜)
23、63、66 N型アモルファスシリコン膜
24、55 I型アモルファスシリコン膜
25、65 P型アモルファスシリコン膜
32、72 希土類金属シリサイド膜
40 PIN型ダイオード
43、83、86 N型シリコン結晶層
44 I型シリコン結晶層
45、85 P型シリコン結晶層
80 N/P/N型バイポーラセレクター
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代以降の高性能・大規模集積回路においては、多層配線層上、多層配線層間にも、ダイオード、トランジスタ等の半導体デバイスを形成することが要求されている。
【0003】
キャリア移動度といった半導体デバイスの電気的特性や、酸化膜、窒化膜等の絶縁膜の膜質を考慮すると、半導体デバイスは、単結晶シリコン膜を用いて形成することが好ましい。しかしながら、配線層上に平坦な単結晶シリコン膜を得ることが困難であるため、配線層上に半導体デバイスを形成する場合においては、アモルファスシリコンを熱処理して得られる多結晶シリコン膜が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−316143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、良好な電気特性を有する半導体装置の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、半導体装置の製造方法は、電極層の上に希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とを形成し、前記希土類金属シリサイド膜と前記アモルファスシリコン膜とをマイクロ波を用いて加熱することにより、前記希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた結晶配向を持つように、前記アモルファスシリコン膜を結晶化させる、ことを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その1)である。
【図2】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その2)である。
【図3】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その3)である。
【図4】第1の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その4)である。
【図5】第1の実施形態にかかる半導体装置の模式断面図である。
【図6】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その1)である。
【図7】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その2)である。
【図8】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その3)である。
【図9】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その4)である。
【図10】第2の実施形態にかかる半導体装置の製造工程を説明するための図(その5)である。
【図11】第2の実施形態にかかる半導体装置の模式断面図である。
【図12】希土類金属シリサイド膜の格子定数をまとめたものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。ただし、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。なお、全図面にわたり共通する部分には、共通する符号を付す。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す図1から図4を参照して、本実施形態を説明する。以下、PIN型ダイオード(p-intrinsic-n Diode)の形成方法を例に説明するが、本発明は、このような半導体装置の形成方法に限定されるものではなく、NIP型ダイオード(n-intrinsic-p Diode)といった他の種類の半導体装置(半導体デバイス)においても用いることができる。
【0010】
図1(a)のように半導体基板(図1から図4においては図示を省略)上に形成された金属または金属化合物からなる電極層11を準備する。この半導体基板は、必ずしもシリコン基板でなくてもよく、他の基板(例えば、SOI(Silicon on insulator)基板やSiGe基板など)でも良い。また、このような種々の基板上に半導体構造等が形成されたものでも良い。
【0011】
次に、図1(b)のように、成膜装置内において、電極層11の上に、スパッタリング法、又は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、希土類金属膜12を厚さ5nmのものとして形成する。この際、希土類金属膜12中への炭素、酸素等の不純物の混入量を減らすために、スパッタリング法を用いることが好ましい。この希土類金属膜12は、後の工程で形成される希土類金属シリサイド膜の材料となるものである。
【0012】
希土類金属膜12は、この材料から形成されることとなる希土類金属シリサイド膜が、電極層11とPIN型ダイオードの備えるシリコン層とを電気的に接続するための高い導電性を持ち、且つ、希土類金属シリサイド膜の上に形成されたアモルファスシリコン膜を特定の結晶配向を持つように結晶化させる下地膜となることができるような、材料から形成する。ここで、アモルファスシリコン膜が特定の結晶配向を持つように結晶化するとは、アモルファスシリコン膜が下地膜である希土類金属シリサイド膜の結晶構造から影響を受けながら結晶化することにより、希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた特定の結晶配向を持った結晶構造のシリコン結晶膜となることを意味する。
【0013】
好ましくは、アモルファスシリコン膜が結晶面方位(100)又は結晶面方位(111)を持って結晶化するように、希土類金属シリサイド膜は、六方晶(AlB2型)であり、且つ、シリコン結晶の格子定数と近い格子定数を持つものである。詳細には、六方晶である希土類金属シリサイド膜は、a軸の格子定数が3.754から3.877オングストロームであり、且つ、c軸の格子定数が4.05から4.172オングストロームである。このような希土類金属シリサイド膜の材料となる希土類金属膜12は、例えば、エルビウム(Er)、イットリウム(Y)、ホルミウム(Ho)、イッテルビウム(Yb)、ジスプロシウム(Dy)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、ルテチウム(Lu)から形成することができる。これらの希土類金属シリサイド膜の格子定数を、参考として、図12に示す。
【0014】
また、スパッタリング法で用いられる希土類金属のスパッタリングターゲットは、希土類金属膜12中への不純物の混入量を減らすために、純度99.9%以上のものを用いることが好ましい。
【0015】
さらに、後に形成される希土類金属シリサイド膜の酸素含有量が1atm%以下に抑えることが好ましく、そのために、希土類金属のスパッタリングターゲットの酸素含有量は、0.1atm%以下であることが好ましい。この酸素含有量は、SIMS(二次イオン質量分析法)により得られる値である。このように希土類金属シリサイド膜中の酸素含有量を減らす理由としては以下の通りである。すなわち、希土類金属が酸化して得られる希土類金属酸化物は、High−k材料や、エッチング装置の壁面保護のためのパッシベーション膜として用いられていることからもわかるように、強固な絶縁体であり、従って、PIN型ダイオードにおいて、その抵抗値を増加させる原因となるため、希土類金属酸化膜が生成されてしまうことを避けなくてはならないからである。
【0016】
そして、本実施形態においては、図2(a)に示されるように、仕事関数が小さいために酸化されやすいという性質を持つ希土類金属膜12が大気中の酸素に触れることとないように、真空を破らずに、希土類金属膜12の上に、スパッタリング法によりアモルファスシリコン膜(アモルファスシリコン材料膜)13を形成する。このアモルファスシリコン膜13は、この後の工程において形成されるN型アモルファス層の材料となるだけでなく、希土類金属膜12を酸化させないためのキャップ層として、さらに、希土類金属膜12とともに希土類金属シリサイド膜の材料として、用いられる。
【0017】
このアモルファスシリコン膜13の厚さは、この後に行われる工程において希土類金属シリサイド膜の材料として必要なアモルファスシリコン膜の膜厚と、PIN型ダイオードの備えるN型シリコン結晶層として必要な膜厚とをあわせたものであり、例えば、25nmである。
【0018】
図2(b)に示されるように、次に、これまで積層した膜を成膜装置からイオン注入装置へ搬送して、アモルファスシリコン膜13にイオン注入を行う。この搬送の際、これまで積層した膜が大気に触れることがあっても、アモルファスシリコン膜13が酸化防止のためのキャップ層として機能するため、酸化されやすい希土類金属膜12が大気中の酸素により酸化することを避けることができる。そして、ビームライン注入装置、又は、注入深さが数nmと浅い場合にはプラズマドーピング装置を用いて、アモルファスシリコン膜13に、P、As、Sb等のN型不純物を1015cm−2程度のドーズ量で注入する。これにより、PIN型ダイオードの備えるN型のシリコン結晶層となる、N型アモルファスシリコン膜23を形成する。
【0019】
この際、PIN型ダイオードにおけるコンタクト抵抗を低減するために、後の工程において形成される希土類金属シリサイド膜と、N型アモルファスシリコン膜23との界面となる位置において、N型不純物濃度が最大になるようにイオン注入することが好ましい。また、希土類金属シリサイド膜を形成するための熱処理の際に、N型アモルファスシリコン膜23における不純物の分布が変化することを考慮して、イオン注入することが好ましい。
【0020】
図3(a)に示されるように、続いて、アニール装置に搬送し、N2、Ar等の不活性ガス雰囲気中において、300℃〜350℃程度の温度の熱処理(アニール)を行い、希土類金属膜12とN型アモルファスシリコン膜23の一部とを固層反応させることにより希土類金属シリサイド膜32を形成する。この希土類金属シリサイド膜32は、希土類金属シリサイド膜32の上に形成される各アモルファスシリコン膜を結晶化させるための下地膜としてだけではなく、導電性があることから、電極層11とPIN型ダイオードの備える各シリコン層とを電気的に接続するための膜として働く。そして、希土類金属膜12の上に形成されるN型アモルファスシリコン膜23の一部を利用して、希土類金属シリサイド膜32を形成することから、希土類金属シリサイド膜32を形成するためだけに希土類金属膜12の上にシリコン膜を形成するような工程を省くことができる。
【0021】
なお、この希土類金属シリサイド膜32を形成するための熱処理は、先に説明したN型アモルファスシリコン膜23の形成のためのイオン注入の前に行っても良い。また、次の工程である、N型アモルファスシリコン膜23の上にCVD(Chemical Vapor Deposition)によりI型アモルファスシリコン膜24を形成する際に行う基板加熱と同時に、希土類金属シリサイド膜32を形成しても良い。
【0022】
次に、N型アモルファスシリコン膜23の上にさらにアモルファスシリコン膜を形成するために、アニール装置からCVD(Chemical Vapor Deposition)装置に搬送する。先程と同様に、搬送の際これまで積層された膜が大気に触れることがあっても、N型アモルファスシリコン膜23が酸化防止のためのキャップ層として機能するため、仕事関数が小さいため酸化されやすい希土類金属シリサイド膜32が大気中の酸素に晒されることは無く、希土類金属シリサイド膜32へ酸素が混入することを避けることができる。
【0023】
N型アモルファスシリコン膜23上に、PIN型ダイオードの備えるI型シリコン結晶層とP型シリコン結晶層となる、I型(ノンドープ)アモルファスシリコン膜24とP型アモルファスシリコン膜25とを形成する。この際に用いられる形成方法としては、減圧CVD法を用いることも可能であるが、好ましくは、プラズマによる表面クリーニングを積極的に利用できるプラズマCVD法を用いる。
【0024】
詳細には、図3(b)に示されるように、まず、N型アモルファスシリコン膜23の上に、I型アモルファスシリコン膜24を、Ar/Si2H6、又は、Ar/SiH4を用いて、基板温度350℃の条件において、厚さ50nmのものとして形成する。なお、I型アモルファスシリコン膜24の形成の前に、Ar/H2、又は、Ar/NF3等のプラズマにより、N型アモルファスシリコン膜23の表面に形成された自然酸化膜の除去を行うことが好ましい。
【0025】
さらに連続して、図4(a)に示されるように、I型アモルファスシリコン膜24の上に、P型アモルファスシリコン膜25を、Ar/SiH4/H2/BCl3、又は、Ar/Si2H6/H2/BCl3混合ガスを用いて、基板温度350℃の条件において、厚さ25nmのものとして形成する。
【0026】
次に、図4(b)に示されるように、各アモルファスシリコン膜23、24、25を結晶化するための熱処理を行う。詳細には、マイクロ波によりアニールを行う。2.45GHz〜25GHzのマイクロ波を用いて、投入電力10W/cm2〜10kW/cm2、基板温度200℃〜550℃の条件において、30秒〜30分間処理を行う。このようにすることにより、各アモルファスシリコン膜に添加されているN型及びP型の不純物を電気的に活性化するとともに、N型アモルファスシリコン膜23、I型アモルファスシリコン膜24、及び、P型アモルファスシリコン膜25を結晶化させて、N型シリコン結晶層43、I型シリコン結晶層44、及び、P型シリコン結晶層45を形成する。
【0027】
これにより、図5に示されるような、PIN型ダイオード40を得ることができる。詳細には、PIN型ダイオード40は、配線層11の上に形成された希土類金属シリサイド膜32と、希土類金属シリサイド膜32の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたN型シリコン結晶層43と、N型シリコン結晶層43の上に形成されたI型シリコン結晶層44と、I型シリコン結晶層44の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたP型シリコン結晶層45とを備える。
【0028】
本実施形態によれば、膜内部への浸透性が高いマイクロ波を用いて、低温で効率的に結晶化させていることから、P型シリコン結晶層25及びN型シリコン結晶層23に含まれるP型及びN型の不純物がI型シリコン結晶層24に拡散することを避けることができる。従って、I型シリコン結晶層24の膜厚が実効的に減少することが無くなり、PIN型ダイオード40がオフさせた際のPIN型ダイオード40に流れる電流であるオフ電流を小さくすることができる。
【0029】
さらに、希土類金属シリサイド膜32が各アモルファスシリコン膜23、24、25の結晶化を促進させるだけでなく、希土類金属シリサイド膜32はシリコン結晶の格子定数と近い値の格子定数を持つことから、希土類金属シリサイド膜32の上の各アモルファスシリコン膜23、24、25を、希土類金属シリサイド膜32の結晶構造の影響を受けて特定の結晶配向を持つように結晶化させることができる。従って、各アモルファスシリコン膜23、24、25が結晶化したものである各シリコン結晶層43、44、45は、大粒径であるシリコン粒子を備えるものとすることができる。これによって、PIN型ダイオード40の備えるシリコン層は、低抵抗、高移動度となり、PIN型ダイオード40をオンさせた際のPIN型ダイオード40に流れる電流であるオン電流を大きくすることができる。
【0030】
また、マイクロ波を用いて低温で効率的に結晶化させていることから、希土類金属シリサイド膜32中での、シリサイドの凝集を避けることができ、PIN型ダイオード40のコンタクト抵抗の増大を抑えることができる。
【0031】
本実施形態によれば、希土類金属膜12の上に、アモルファスシリコン膜13を形成することから、アモルファスシリコン膜13がキャップ層として機能して、仕事関数が小さいため酸化されやすい希土類金属膜12及び希土類金属シリサイド膜32の酸化を避けることができる。従って、PIN型ダイオード40の抵抗を増加させることを避けることができる。
【0032】
つまり、本実施形態によれば、PIN型ダイオード40をオン/オフさせた際に、それぞれ流れるオン電流/オフ電流の値の比が大きい、電気特性が良好なPIN型ダイオード40を得ることができる。
【0033】
本実施形態は、シリコンの伝導型(P型/N型/I型)によらず、NIP型ダイオードといった他の種類の半導体デバイスに適用することが可能であるが、希土類金属シリサイド膜32の有する、電子に対するショットキーバリアハイト(高さ)が低いという特性に起因して、希土類金属シリサイド膜32は、N型シリコン結晶層43に対して低いコンタクト抵抗を持つことができる。従って、このような特性を得ることができるため、希土類金属シリサイド膜32と直接接する膜としては、N型シリコン結晶層43であることがより好ましい。
【0034】
本実施形態の変形例として、以下のようなものが挙げられる。
【0035】
先に説明した方法においては、アモルファスシリコン膜13を形成した後、そのアモルファスシリコン膜13に対して、N型不純物をイオン注入により注入することにより、所望の濃度のN型不純物を含むN型アモルファスシリコン膜23を形成した。それに対して、この変形例においては、P、 As、Sb等のN型の不純物をあらかじめ導入したシリコンのスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により、N型アモルファスシリコン膜23を形成しても良い。このようにすることにより、工程数を減らすことができる。なお、N型不純物が高濃度に含まれるシリコン膜は、そのフェルミレベルの位置がシリコン伝導帯の底に近いため、電子が引き抜かれ易いという性質を有する。従って、N型不純物が高濃度に含まれるシリコン膜は、酸化されやすい。これを避けるために、N型アモルファスシリコン膜23中においては、不純物濃度1015〜1016cm−3程度と低くすることが好ましい。
【0036】
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す図6から図10を参照して、本実施形態を説明する。以下、N/P/N型バイポーラセレクターの形成方法を例に説明するが、本発明は、このような半導体装置に限定されるものではなく、P/N/P型バイポーラセレクターといった他の種類の半導体装置(半導体デバイス)においても用いることができる。
【0037】
第1の実施形態と同様に、図6(a)のように半導体基板(図6から図10においては図示を省略)上に形成された金属または金属化合物からなる電極層11を準備する。
【0038】
次に、第1の実施形態と同様に、図6(b)のように、電極層11の上に、スパッタリング法、又は、MOCVD法を用いて、希土類金属膜12を厚さ5nm形成する。この希土類金属膜12は、第1の実施形態と同様に、シリコンと反応して希土類金属シリサイド膜を形成した際、シリコン結晶と格子定数が近い希土類金属シリサイド膜となるような材料から形成する。好ましくは、希土類金属シリサイド膜の上に形成されたアモルファスシリコンが結晶面方位(100)又は結晶面方位(111)を持って結晶化するように、希土類金属シリサイド膜は、六方晶(AlB2型)であり、シリコン結晶の格子定数と近い格子定数を持つものである。さらに、六方晶である希土類金属シリサイド膜は、a軸の格子定数が3.75から3.88オングストロームであり、且つ、c軸の格子定数が4.05から4.18オングストロームであるものが、好ましい。このような希土類金属シリサイド膜の材料となる希土類金属膜12は、例えば、エルビウム、イットリウム、ホルミウム、イッテルビウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、ルテチウムから形成することができる。
【0039】
次に、図7(a)に示されるように、第1の実施形態と同様に、仕事関数が小さいために酸化されやすいという性質を持つ希土類金属膜12が大気中の酸素に触れることとないように、真空を破らずに、スパッタリング法によりアモルファスシリコン膜(アモルファスシリコン材料膜)53を形成する。このアモルファスシリコン膜53の厚さは、この後に行われる希土類金属シリサイド膜を形成するための工程において希土類金属シリサイド膜の材料として必要なアモルファスシリコン膜の膜厚と、N/P/N型バイポーラセレクターの備えるN型シリコン結晶層として必要な膜厚とをあわせたものであり、例えば、25nmである。
【0040】
図7(b)に示されるように、第1の実施形態と同様に、成膜装置からイオン注入装置へ搬送して、アモルファスシリコン膜53にイオン注入を行う。この搬送の際、アモルファスシリコン膜53が酸化防止のためのキャップ層として機能するため、希土類金属膜12が大気中の酸素により酸化することを避けることができる。そして、ビームライン注入装置、又は、注入深さが数nmと浅い場合にはプラズマドーピング装置を用いて、アモルファスシリコン膜53に、P、As、Sb等のN型不純物を1015cm−2程度のドーズ量で注入する。これにより、N/P/N型バイポーラセレクターの備えるN型のシリコン結晶層の材料となる、N型アモルファスシリコン膜63を形成する。
【0041】
図8(a)に示されるように、第1の実施形態と同様に、アニール装置に搬送し、N2、Ar等の不活性ガス雰囲気中において、300℃〜350℃程度の温度の熱処理(アニール)を行い、希土類金属膜12とN型アモルファスシリコン膜63の一部とを固層反応させることにより希土類金属シリサイド膜72を形成する。この希土類金属シリサイド膜72は、希土類金属シリサイド膜72の上に形成される各アモルファスシリコン膜を結晶化させるための下地膜としてだけではなく、導電性があることから、電極層11とPIN型ダイオードの備える各シリコン層とを電気的に接続するための膜として働く。そして、希土類金属膜12の上に形成されるN型アモルファスシリコン膜63の一部を利用して、希土類金属シリサイド膜72を形成することから、希土類金属シリサイド膜72を形成するためだけに希土類金属膜12の上にアモルファスシリコン膜を形成する工程を省くことができる。
【0042】
次に、図8(b)に示されるように、N型アモルファスシリコン膜63の上に、I型(ノンドープ)アモルファスシリコン膜55を、Ar/Si2H6、又は、Ar/SiH4を用いた減圧CVD法により、基板温度350℃の条件において、厚さ20nmのものとして形成する。なお、このI型アモルファスシリコン膜55の形成の前に、Ar/H2あるいはAr/NF3等を用いたプラズマによるN型アモルファスシリコン膜63の表面に形成された自然酸化膜の除去を行うことが好ましい。
【0043】
そして、図9(a)に示されるように、I型アモルファスシリコン膜55の上に、N型アモルファスシリコン膜66を、真空を破らずに、PH3/Si2H6/He、又は、PH3/SiH4/He混合ガスを用いた減圧CVD法により、基板温度350℃の条件において、膜厚25nmのものとして形成する。
【0044】
次に、図9(b)に示されるように、I型アモルファスシリコン膜55に、例えばB(ボロン)といったP型不純物をイオン注入することにより、P型アモルファスシリコン膜65を形成する。N/P/N型バイポーラセレクターのオン電流を増加させるためには、ベースとなるP型シリコン結晶層のP型不純物濃度は低いほうが良く、例えば、P型アモルファスシリコン膜65のP型不純物濃度を1e17cm−3程度になるように調整する。
【0045】
次に、図10に示されるように、第1の実施形態と同様に、各アモルファスシリコン膜63、65、66を結晶化するため、マイクロ波によりアニールを行う。2.45GHz〜25GHzのマイクロ波を用いて、投入電力10W/cm2〜10kW/cm2、基板温度200℃〜550℃の条件において、30秒〜30分間処理を行う。このようにすることにより、各アモルファスシリコン膜63、65、66に添加されているN型及びP型の不純物を電気的に活性化するとともに、N型アモルファスシリコン膜63、P型アモルファスシリコン膜65、及び、N型アモルファスシリコン膜66を結晶化させて、N型シリコン結晶層83、P型シリコン結晶層85、及び、N型シリコン結晶層86を形成する。
【0046】
これにより、図11に示されるような、N/P/N型バイポーラセレクター80を得ることができる。詳細には、N/P/N型バイポーラセレクター80は、配線層11の上に形成された希土類金属シリサイド膜72と、希土類金属シリサイド膜72の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたN型シリコン結晶層83と、N型シリコン結晶層83の上に形成され、且つ、P型不純物が添加されたP型シリコン結晶層85と、P型シリコン結晶層85の上に形成され、且つ、N型不純物が添加されたN型シリコン結晶層86とを備える。
【0047】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、マイクロ波を用いて、低温で効率的に結晶化させていることから、各N型シリコン結晶層83、85に含まれるN型の不純物がP型シリコン結晶層85に拡散することを避けることができる。従って、N/P/N型バイポーラセレクター80のオフ電流を小さくすることができる。
【0048】
さらに、希土類金属シリサイド膜72が各アモルファスシリコン膜63、65、66の結晶化を促進させるだけでなく、希土類金属シリサイド膜72はシリコン結晶の格子定数と近い値の格子定数を持つことから、希土類金属シリサイド膜72上の各アモルファスシリコン膜63、65、66を、希土類金属シリサイド膜72の結晶構造の影響を受けて特定の結晶配向を持つように結晶化させることができる。従って、第1の実施形態と同様に、N/P/N型バイポーラセレクター80の備えるシリコン層83、85、86は、大粒径のシリコン結晶を有することから、低抵抗、高移動度となり、N/P/N型バイポーラセレクター80をオンさせた際のN/P/N型バイポーラセレクター80に流れる電流であるオン電流を大きくすることができる。
【0049】
また、I型アモルファスシリコン膜53及びN型アモルファスシリコン膜63がキャップ層として機能することから、仕事関数が小さいため酸化されやすい希土類金属膜12及び希土類金属シリサイド膜72の酸化を避けることができる。従って、N/P/N型バイポーラセレクター80の抵抗を増加させることを避けることができる。
【0050】
つまり、本実施形態によれば、N/P/N型バイポーラセレクター80をオン/オフさせた際に、それぞれ流れるオン電流/オフ電流の値の比が大きい、電気特性が良好なN/P/N型バイポーラセレクター80を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態は、シリコンの伝導型によらず適用することが可能であるが、希土類金属シリサイド膜72の有する電子に対する低いショットキーバリアハイト(高さ)に起因して、N(伝導)型シリコンに対して低いコンタクト抵抗が得られるため、最終的に希土類金属シリサイドと接しているシリコンの伝導型はN型伝導型であることが好ましい。
【0052】
本実施形態の変形例として、以下のようなものが挙げられる。
【0053】
先に説明した方法においては、P型アモルファスシリコン膜65は、I型アモルファスシリコン膜55を形成した後、そのI型アモルファスシリコン膜55に対して、P型不純物をイオン注入により注入することにより形成した。それに対して、この変形例においては、Ar/SiH4/H2/BCl3、又は、Ar/Si2H6/H2/BCl3を用いた減圧CVD法により、基板温度350℃の条件において、厚さ20nmのP型アモルファスシリコン膜65を形成しても良い。このようにすることにより、工程数を減らすことができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、これら以外の各種の形態を採ることができる。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
11 電極層
12 希土類金属膜
13、53 アモルファスシリコン膜(アモルファスシリコン材料膜)
23、63、66 N型アモルファスシリコン膜
24、55 I型アモルファスシリコン膜
25、65 P型アモルファスシリコン膜
32、72 希土類金属シリサイド膜
40 PIN型ダイオード
43、83、86 N型シリコン結晶層
44 I型シリコン結晶層
45、85 P型シリコン結晶層
80 N/P/N型バイポーラセレクター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極層の上に希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とを形成し、
前記希土類金属シリサイド膜と前記アモルファスシリコン膜とをマイクロ波を用いて加熱することにより、前記希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた結晶配向を持つように、前記アモルファスシリコン膜を結晶化させる、
ことを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記電極層の上に、希土類金属膜を形成し、
前記希土類金属膜の上に、アモルファスシリコン材料膜を形成し、
熱処理により、前記希土類金属膜と前記アモルファスシリコン材料膜の一部とを反応させて、前記希土類金属シリサイド膜と前記アモルファスシリコン膜とを形成する、
ことをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記希土類金属シリサイド膜は、Er、Y、Ho、Yb、Dy、Gd、Tb、Tm、Luからなる群から選択された元素を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記希土類金属シリサイド膜の酸素含有量が1atm%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
電極層の上に形成された希土類金属シリサイド膜と、
前記希土類金属シリサイド膜の上に形成された第1の不純物が添加された第1導電型シリコン結晶層と、
前記第1導電型シリコン結晶層の上に形成された第3導電型シリコン結晶層と、
前記第3導電型シリコン結晶層の上に形成された第2の不純物が添加された第2導電型シリコン結晶層と、
を備える半導体装置。
【請求項1】
電極層の上に希土類金属シリサイド膜とアモルファスシリコン膜とを形成し、
前記希土類金属シリサイド膜と前記アモルファスシリコン膜とをマイクロ波を用いて加熱することにより、前記希土類金属シリサイド膜の結晶構造に応じた結晶配向を持つように、前記アモルファスシリコン膜を結晶化させる、
ことを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記電極層の上に、希土類金属膜を形成し、
前記希土類金属膜の上に、アモルファスシリコン材料膜を形成し、
熱処理により、前記希土類金属膜と前記アモルファスシリコン材料膜の一部とを反応させて、前記希土類金属シリサイド膜と前記アモルファスシリコン膜とを形成する、
ことをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記希土類金属シリサイド膜は、Er、Y、Ho、Yb、Dy、Gd、Tb、Tm、Luからなる群から選択された元素を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記希土類金属シリサイド膜の酸素含有量が1atm%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
電極層の上に形成された希土類金属シリサイド膜と、
前記希土類金属シリサイド膜の上に形成された第1の不純物が添加された第1導電型シリコン結晶層と、
前記第1導電型シリコン結晶層の上に形成された第3導電型シリコン結晶層と、
前記第3導電型シリコン結晶層の上に形成された第2の不純物が添加された第2導電型シリコン結晶層と、
を備える半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−69663(P2012−69663A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212198(P2010−212198)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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