説明

半導体装置の製造方法

【課題】ウエハの電気特性検査時にプローブ針の先端に付着する異物に起因する検査精度の低下を抑制する。
【解決手段】ウエハの電気特性検査工程で使用するプローブカード15Aは、配線基板30と、配線基板30に取り付けられた金属製のプローブ針固定部31と、プローブ針固定部31に接合された複数のプローブ針33とを有している。プローブ針固定部31には、冷却管24が挿通されており、この冷却管24内を流れる冷却液Cによって、プローブ針固定部31に接合されたプローブ針33が冷却されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、前工程(ウエハプロセス)の最終工程で行う電気特性検査(ウエハプローブテスト)に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置(LSI、IC等)の製造工程は、単結晶シリコン(Si)等からなる半導体ウエハ(以下、単にウエハという)の主面(集積回路形成面)にフォトリソグラフィー技術、成膜(CVD、スパッタリング等)技術、エッチング技術等を組み合わせて集積回路を形成する前工程(ウエハプロセス)と、この前工程が終了したウエハをダイシングして複数の半導体チップに個片化した後、個片化された個々の半導体チップを樹脂等で封止する後工程(パッケージングプロセス)とに大別される。
【0003】
上記した前工程では、通常、その最終工程でウエハプローブテストとも呼ばれる電気特性検査が行われる。この電気特性検査は、ウエハの主面に形成された多数の電極パッド(ボンディングパッド)の表面にプローブ針と呼ばれる金属製の探針を接触させ、集積回路を構成する素子の良否や素子間を接続する配線の導通・非導通等を調べることによって、個々の半導体チップの良・不良を判定する工程である。
【0004】
電気特性検査工程で使用するウエハ検査装置は、プローブカード、テストヘッド、被検査対象であるウエハを載置するウエハステージ等を含む試料測定系や、ウエハを試料測定系に1枚ずつ搬送する搬送系等を有している。このうち、プローブカードは、前述したプローブ針と、プローブ針の支持板を兼ねた配線基板等で構成されている。プローブカードに取り付けられるプローブ針としては、プローブカードに片持ち方式で固定され、プローブカードの下面から斜め下方に延びるカンチレバー方式のプローブ針が代表的なものである。
【0005】
カンチレバー方式のプローブ針を使って電気特性検査を行う際には、ウエハの主面に露出した電極パッドの表面に自然酸化膜が生じていたり、汚染物質が付着していると正しい測定を行うことができない。そこで、プローブ針を電極パッドの表面に接触させる際には、プローブ針を摺動させて電極パッド表面の自然酸化膜を破り、清浄な金属面を露出させるワイピング作業が行われる。
【0006】
近年、ウエハに形成される電極パッド数の増加(多ピン化)、隣接する電極パッド間距離の縮小(狭ピッチ化)、電極パッド面積の縮小等に伴い、上記したカンチレバー方式では、プローブ針の細線化に限界が生じている。
【0007】
そこで、カンチレバー方式の欠点を補うために、薄い絶縁シートに複数の配線を形成し、これらの配線のそれぞれの一端に電極パッドと接触する金属製のバンプを形成した、いわゆる薄膜シート方式のプローブカードが開発され、電気特性検査工程での利用が進められている。また、薄膜シート方式のプローブカードは、電源/GND用の幅広配線をバンプの近傍に形成できるので、高周波デバイスの電気特性検査にも応用可能である。
【0008】
上記したカンチレバー方式のプローブカードや、薄膜シート方式のプローブカードを使用したウエハの電気特性検査は、ウエハを高温に加熱した状態で行う高温テストと、ウエハを低温に冷却した状態で行う低温テストを含んでいる。高温テストは、ウエハを室温よりも高い温度に加熱して行うテストであり、このときのウエハ温度は、一般に70℃〜100℃程度である。また、車載用IC等の場合は、ウエハを140℃〜150℃まで加熱した状態で高温テストを行う場合もある。他方、低温テストは、ウエハを室温よりも低い温度に冷却して行うテストであり、このときのウエハ温度は、一般に−20℃〜−40℃程度である。
【0009】
上記した高温テストを行う際には、高温状態にあるウエハからプローブ針を通じてプローブカードの配線基板に熱が伝わるため、配線基板の熱変形(反り)や、プローブ針先端と電極パッドとの位置ずれ等が問題となる。
【0010】
特許文献1(特開2000−241454号公報)に記載された高温テスト用プローブカードは、配線基板と、この配線基板に取り付けられたプローブ針固定用の補強板およびセラミック板とを備えており、補強板には冷却回路が設けられている。ウエハの高温テスト時には、この冷却回路によって補強板が冷却され、補強板に接するセラミック板の温度が下がる。これにより、プローブ針をセラミック板に固定している樹脂の変形が抑制されるので、ウエハからプローブ針に伝わる熱に起因する配線基板の熱変形やプローブ針先端の位置変動が抑制される。
【0011】
特許文献2(特開平11−026523号公報)に記載されたウエハ検査装置のテストヘッドには、プローブカードの表面に冷却ガス(例えば乾燥空気)を吹きつけるガス供給系が取り付けられている。ウエハの高温テスト時には、ウエハからプローブ針を介して配線基板に伝わる熱がこの冷却ガスによって放散するので、配線基板の熱変形が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−241454号公報
【特許文献2】特開平11−026523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者は、電気特性検査(ウエハプローブテスト)工程で生じた不良の推移を調査する過程で、プローブ針と電極パッドとの接触に起因する歩留まり(検査精度)の低下が特に高温テスト時に発生し易いという現象を見出した。
【0014】
そこで、ウエハを高温にした時と低温にした時におけるプローブ針と電極パッドとの接触回数によるコンタクト抵抗の推移を調査したところ、図16に示すように、高温(ウエハ温度=95℃)時のコンタクト抵抗が低温(ウエハ温度=−30℃)時のコンタクト抵抗に比べて高くなるという結果を得た。
【0015】
また、コンタクト抵抗が増加したプローブ針を観察し、その先端に付着している異物の成分を分析したところ、Al(アルミニウム)とO(酸素)が検出されたため、この異物はAl酸化物であると推定された。これは、電極パッドの材料であるAlがプローブ針の先端に付着し、さらに酸化することによって生じたものと考えられる。そして、このAl酸化物は絶縁物であることから、これがプローブ針の先端に付着することによって、コンタクト抵抗の増大が引き起こされたものと推測される。
【0016】
プローブ針の先端に付着した上記Al酸化物に起因してコンタクト抵抗が増大すると、電気特性検査の精度が低下する。これを防ぐためには、プローブ針のクリーニングを頻繁に行う必要があるため、電気特性検査工程の稼働率が低下してしまう。また、プローブ針のクリーニングを頻繁に行うとその先端が急速に摩耗するため、プローブ針の寿命が低下してしまうという問題も生じる。
【0017】
高温テスト時にプローブ針の先端にAl酸化物が付着し易い原因としては、電極パッドの材料であるAlが低温テスト時に比べて軟化し易く、その状態でプローブ針が電極パッドに接触すると、電極パッドの表面から剥離したAl片がプローブ針の表面の細かい凹凸内に侵入し易くなること等が考えられる。
【0018】
この推測は、図17に示すAlの耐力データ(社団法人日本アルミニウム協会編 アルミニウムハンドブック第6版より抜粋)からも裏付けられる。この耐力データは、Siが添加されたAl合金である「4032−T6」(JIS呼称)のものであるが、温度が100℃を超えるとその耐力が急激に低下することが判る。
【0019】
高温テスト時にプローブ針と電極パッドが接触する領域の面積は、通常20μmφ程度であり、このような狭い領域に数10mA(通常50mA以上)の電流が流れると、電流集中による過熱が生じる。そして、この接触領域の周囲のウエハ温度はすでに95℃前後になっていることから、上記電流集中によって接触領域の温度が100℃を超えることは容易に想像できる。その結果、この接触領域では温度上昇による電極パッド(Al)の軟化が起こり、軟化したAl片がプローブ針の先端に付着した後、酸化されてAl酸化物になるものと推測される。他方、低温テスト時には、接触領域の周囲のウエハ温度が−30℃前後であることから、電流集中により発生する熱は急速に周囲に放熱される。従って、低温テスト時に接触領域の温度が100℃を超えることはないので、プローブ針の先端にはAl酸化物が付着し難くなるものと推測される。
【0020】
本発明の目的は、ウエハの高温テスト時にプローブ針の先端に付着する異物に起因する電気特性検査の精度の低下を抑制する技術を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、ウエハの高温テスト時にプローブ針の先端に付着する異物に起因する電気特性検査工程の稼働率の低下を抑制する技術を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、ウエハの高温テスト時にプローブ針の先端に付着する異物に起因するプローブ針の寿命の低下を抑制する技術を提供することにある。
【0023】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0025】
本願発明の好ましい一態様である半導体装置の製造方法は、
(a)主面が複数のチップ領域に区画された半導体ウエハを用意する工程と、
(b)前記複数のチップ領域のそれぞれに集積回路を形成する工程と、
(c)前記複数のチップ領域のそれぞれの表面に、前記集積回路に電気的に接続された複数の電極パッドを形成する工程と、
(d)前記複数の電極パッドのそれぞれにプローブ針を接触することによって、前記集積回路の電気特性検査を行う工程と、
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハをダイシングして前記複数のチップ領域のそれぞれを個片化することにより、複数の半導体チップを取得する工程とを含み、
前記工程(d)において、前記複数の電極パッドのそれぞれに前記プローブ針を接触する際、前記プローブ針を冷却することによって、前記複数の電極パッドのそれぞれと前記プローブ針との接触点の温度を、前記複数の電極パッドのそれぞれの表面温度よりも低くするものである。
【発明の効果】
【0026】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0027】
高温テスト時にプローブ針の先端に付着する異物に起因する電気特性検査の精度の低下を抑制することができる。
【0028】
高温テスト時にプローブ針の先端に付着する異物に起因する電気特性検査工程の稼働率の低下を抑制することができる。
【0029】
本発明の他の目的は、高温テスト時にプローブ針の先端に付着する異物に起因するプローブ針の寿命の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程を示す全体フロー図である。
【図2】電極パッドの形成が完了したウエハの全体平面図である。
【図3】実施の形態1で使用するウエハ検査装置の主要部の概略構成図である。
【図4】実施の形態1で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの上面側平面図である。
【図5】実施の形態1で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの下面側平面図である。
【図6】実施の形態1で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの断面図である。
【図7】実施の形態2で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの上面側平面図である。
【図8】実施の形態2で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの下面側平面図である。
【図9】実施の形態2で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの断面図である。
【図10】実施の形態3で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの一例を示す断面図である。
【図11】プローブカードのプローブ針固定部に取り付けられたペルチェ素子の構造の一例を示す拡大断面図である。
【図12】実施の形態3で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの別例を示す断面図である。
【図13】実施の形態4で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの一例を示す下面側平面図である。
【図14】実施の形態4で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの一例を示す断面図である。
【図15】実施の形態4で使用するウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの別例を示す断面図である。
【図16】ウエハを高温にした時と低温にした時におけるプローブ針と電極パッドとの接触回数によるコンタクト抵抗の推移を示すグラフである。
【図17】アルミニウムの耐力と温度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。さらに、以下の実施の形態を説明する図面においては、構成を分かり易くするために、断面図であってもハッチングを省略する場合がある。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態である半導体装置の製造工程を示す全体フロー図である。半導体装置を製造するには、まず、単結晶シリコンからなるウエハを用意し、その主面(集積回路形成面)にMOSFET等の半導体素子を形成した後、半導体素子間を接続する配線を形成する。続いて、配線の上部に酸化シリコン膜や窒化シリコン膜からなるパッシベーション膜(表面保護膜)を形成した後、このパッシベーション膜をエッチングして配線の一部を露出させることにより、電極パッド(ボンディングパッド)を形成する。上記した半導体素子、配線および電極パッドは、周知のフォトリソグラフィー技術、CVD技術、スパッタリング技術およびエッチング技術等を組み合わせて形成するので、それらの製造工程の説明は省略する。
【0033】
図2は、電極パッドの形成が完了したウエハの全体平面図である。ウエハ1の主面は、複数のチップ領域1Aに区画されており、各チップ領域1Aには、例えばマイコン、ロジック回路、メモリ回路、入出力回路等の集積回路が形成されている。また、各チップ領域1Aの周辺部には、上記した集積回路の電源端子、GND端子、信号端子等を構成する複数の電極パッド(ボンディングパッド)2が形成されている。これらの電極パッド2は、集積回路の配線材料であるAl合金で構成されている。
【0034】
次に、上記ウエハ1の各チップ領域1Aに形成された集積回路の電気特性検査(ウエハプローブテスト)を行う。この電気特性検査は、ウエハ1の各チップ領域1Aに形成された電極パッド2にウエハ検査装置のプローブ針を接触させ、集積回路を構成する半導体素子の良否や配線の導通・非導通等をチップ領域1A単位で判別する検査である。
【0035】
図1に示すように、この電気特性検査は、後述するプローブカードに取り付けられたプローブ針と電極パッド2との接触状態を確認するためのコンタクトテスト、集積回路のDC特性を調べるためのDCテスト、集積回路の動作を確認するためのファンクションテスト、集積回路の電源電流を調べるための電源電流テスト等のテスト項目を含んでいる。その他、必要に応じてアナログ回路や特殊セル等の動作を確認するためのテストを行うこともある。
【0036】
図3は、ウエハ検査装置の主要部の概略構成図、図4は、ウエハ検査装置に取り付けられたプローブカードの上面側平面図、図5は、プローブカードの下面側平面図、図6は、プローブカードの断面図である。
【0037】
図3に示すウエハ検査装置10は、テスター本体11、テストヘッド12、パフォーマンスボード13、ポゴタワー14、プローブカード15A、プローバ16を有している。
【0038】
テストヘッド12は、図示しない駆動機構によって上下動が可能に設置されており、その内部には、ウエハ1の電極パッド2に電圧を印加する電源や、電極パッド2からの出力を取り込むピンエレクトロニクス等のテスト回路17が内蔵されている。
【0039】
ケーブル18を介してテストヘッド12に接続されたテスター本体11は、内蔵されたプログラムを実行することによって、ウエハ1のテスト条件を設定したり、テスト結果の読み込みや出力等を行ったりする。
【0040】
テストヘッド12の下面に設置されたパフォーマンスボード13は、電気回路が形成された基板であり、ウエハ1のチップ領域1Aに形成された集積回路の種類毎に異なるものが使用される。
【0041】
パフォーマンスボード13の下方に設置されたポゴタワー14は、一端がパフォーマンスボード13の電気回路に接続され、他端がポゴタワー14の下方のプローブカード15Aに接続される複数のポゴピン19を備えている。
【0042】
プローブカード15Aは、箱状のプローバ16の上面に取り付けられたカードホルダ20によって水平に支持されている。プローバ16の内部に設置されたウエハステージ21の上部にはウエハ1が搭載されており、このウエハ1の主面(上面)とプローブカード15Aの下面とが対向するようになっている。
【0043】
ウエハ1は、ウエハステージ21の上面に設置されたウエハチャック22によって水平に支持されている。ウエハチャック22は、図示しない駆動機構によって水平方向(X、Y、θ方向)および上下方向(Z方向)に移動が可能になっており、ウエハ1の検査時には、複数のチップ領域1Aをプローブカード15Aに対して順次アライメントする。
【0044】
ウエハステージ21の内部には、加熱・冷却装置23が内蔵されている。加熱・冷却装置23は、高温テスト時にウエハ1を所定の温度に加熱し、低温テスト時にウエハ1を所定の温度に冷却する。
【0045】
プローブカード15Aは、中央部に開口を有する円盤状の配線基板30と、この配線基板30に取り付けられた金属製のプローブ針固定部31と、このプローブ針固定部31に接合された複数のプローブ針33とを有している。プローブ針固定部31は、ネジ等の固定部材37によって配線基板30の下面に固定されている。また、複数のプローブ針33は、プローブ針固定部31の表面を覆うエポキシ樹脂等の絶縁部材32を介してプローブ針固定部31の下面に支持されている。
【0046】
配線基板30の上面の外周部には、前述したポゴタワー14のポゴピン19と電気的に接続される複数のランド34が形成されている。また、配線基板30の下面の外周部には、図示しないビアホールを介して上記ランド34と電気的に接続された複数のランド35が形成されている。さらに、配線基板30の下面において、ランド35よりも内周側の領域には図示しない配線を介して上記ランド35と電気的に接続された複数のランド36が形成されている。すなわち、配線基板30の上面のランド34と下面のランド36は、ビアホール、ランド35および配線を介して互いに電気的に接続されている。
【0047】
配線基板30の下面に配置されたプローブ針33は、例えばレニウム(Re)−タングステン(W)合金やパラジウム(Pd)等の金属材料で構成されており、それらの一端は、半田等を介してランド36に接合されている。また、プローブ針33の他端(先端部)は、プローブカード15Aの下面中央部に下方を向いて配置されており、ウエハ1の検査時には、チップ領域1Aの周辺部に形成された電極パッド2に接触する。すなわち、ウエハ1の検査時には、ウエハ1の電極パッド2からプローブ針33、ランド36、35、34、ポゴピン19、パフォーマンスボード13等を経てテストヘッド12内のテスト回路17に至る電気的経路が形成される。
【0048】
上記配線基板30の下面に取り付けられたプローブ針固定部31には、冷却管24が挿通されている。この冷却管24は、その両端が図示しない冷媒供給源に接続されており、この冷媒供給源から供給される冷却液Cがその内部を循環する構造になっている。冷却液Cとしては、例えばフッ素系の不活性液体(商品名:フロリナート)等を挙げることができる。
【0049】
前述したように、プローブ針固定部31の下面には複数のプローブ針33が接合されている。そのため、冷却管24内を流れる冷却液Cによってプローブ針固定部31が冷却されると、プローブ針固定部31に接合された複数のプローブ針33も冷却される。すなわち、冷却管24は、プローブ針33を冷却する目的でプローブ針固定部31に取り付けられている。なお、冷却管24の取り付け位置は、プローブ針固定部31に限定されるものではなく、プローブ針33を冷却することができる位置であれば、プローブカード15Aの任意の位置に取り付けることができる。
【0050】
また、プローブ針固定部31の一部には、温度センサ25が取り付けられている。テスター本体11は、この温度センサ25を使ってプローブ針固定部31、ひいてはプローブ針固定部31に接合されたプローブ針33の温度をモニターする。そして、このモニター値に基づいて冷却管24内を流れる冷却液Cの流量、流速等を制御することにより、プローブ針33の温度設定を行う。
【0051】
上記ウエハ検査装置10を用いてウエハ1の高温テストを行う場合は、まず、ウエハステージ21内の加熱・冷却装置23を作動させ、ウエハチャック22に支持されたウエハ1を所定の温度(ここでは95℃)まで昇温させる。
【0052】
続いて、ウエハチャック22がウエハ1を搭載した状態でX、Y、Zおよびθ方向に移動し、ウエハ1の所定のチップ領域1Aをプローブカード15Aに対してアライメントする。そして、アライメント終了後、ウエハチャック22が上昇することにより、上記チップ領域1Aに形成された電極パッド2がプローブ針33の先端と接触し、両者が導通可能状態となる。
【0053】
次に、この状態でテストヘッド12から、パフォーマンスボード13、ポゴピン19、プローブ針33、電極パッド2等を通じてチップ領域1Aの集積回路に電気信号を入力する。そして、この入力信号に基づいた出力信号が集積回路から上記経路を経てテストヘッド12に取り込まれることにより、前述したテスト項目(図1参照)順に集積回路の高温テストが行われる。
【0054】
次に、ウエハチャック22がウエハ1を搭載した状態で移動し、上記チップ領域1Aに隣接する他のチップ領域1Aがプローブカード15Aに対してアライメントされると、このチップ領域1Aに形成された集積回路に対して上記した高温テストが行われる。このようにして、ウエハ1内の全てのチップ領域1Aの高温テストが順次行われ、各チップ領域1Aの良・不良が判定される。
【0055】
上記した高温テストは、ウエハ1を95℃に加熱した状態で行うので、テスト時にはチップ領域1Aに形成された電極パッド2の表面温度もほぼ95℃になっている。そのため、電極パッド2の表面は、高温テスト前の状態に比べて軟化している。従って、この状態で電極パッド2の表面にプローブ針33の先端を接触させて通電すると、両者の接触点では、電流集中による過熱が生じて温度がさらに高くなり、軟化したAl片がプローブ針33の先端に付着し易くなる。このような現象が生じると、プローブ針33の先端に付着したAl片が酸化されて絶縁物となり、高温テストが繰り返されるにつれてプローブ針33と電極パッド2とのコンタクト抵抗が増大する結果、高温テストの精度が次第に低下するようになる。
【0056】
そこで、本実施の形態では、上記した高温テストの開始に先立って、冷却管24内に冷却液Cを供給し、プローブ針固定部31およびこれに接合されたプローブ針33をあらかじめ冷却しておく。
【0057】
このようにした場合は、プローブ針33の先端が高温の電極パッド2の表面に接触した際、電極パッド2の熱が低温のプローブ針33を通じて急速に放熱されるため、電極パッド2とプローブ針33との接触点では、電極パッド2の表面温度が周囲に比べて低くなる。これにより、電極パッド2とプローブ針33との接触点では、電極パッド2を構成するAlの軟化が抑制され、プローブ針33の先端にAl片が付着し難くなる。
【0058】
図17に示したように、Al系材料は、温度が100℃を超えるとその耐力が急激に低下する。すなわち、Al系材料は、温度が100℃を超えると急激に軟化し易くなる。従って、Alの軟化に起因してプローブ針33の先端にAl片が付着する現象を抑制するためには、プローブ針33の先端が電極パッド2の表面に接触した際、両者の接触点における電極パッド2の表面温度が100℃以下に低下するように、プローブ針33を冷却することが望ましい。
【0059】
このように、高温テスト時にプローブ針33を冷却する本実施の形態によれば、プローブ針33の先端にAl片が付着し難くなるので、このAl片が酸化して絶縁物となることに起因するプローブ針33と電極パッド2とのコンタクト抵抗の増大を抑制することができる。これにより、高温テスト精度の低下を抑制することができる。
【0060】
また、プローブ針33の先端にAl片が付着し難くなることにより、プローブ針33のクリーニング頻度を減らすことができるので、電気特性検査工程の稼働率の低下を抑制することができ、かつ、プローブ針33の寿命の低下を抑制することもできる。
【0061】
次に、上記ウエハ検査装置10を用いてウエハ1の低温テストを行う。この場合は、まず、ウエハステージ21内の加熱・冷却装置23を作動させ、ウエハチャック22に支持されたウエハ1を所定の温度(ここでは−30℃)まで冷却する。
【0062】
続いて、ウエハチャック22がウエハ1を搭載した状態で移動し、ウエハ1の所定のチップ領域1Aをプローブカード15Aに対してアライメントした後、ウエハチャック22が上昇することにより、上記チップ領域1Aに形成された電極パッド2がプローブ針33の先端と接触する。そして、この状態で前述したテスト項目(図1参照)に従い、集積回路の低温テストを行う。
【0063】
この低温テスト時には、電極パッド2の表面温度がほぼ−30℃になっているので、プローブ針33との接触領域の温度が100℃を超えることはない。従って、低温テスト時には、冷却液Cを使ってプローブ針33を冷却しなくともよい。
【0064】
次に、上記した電気特性検査以降の工程(後工程)について説明する。まず、ウエハ1をチップ領域1A単位でダイシングし、電気特性検査工程で良品と判定された半導体チップを選別する。次に、良品の半導体チップをアセンブリ工程に搬送してパッケージを組み立てた後、このパッケージに対してバーンイン試験等のファイナルテストを行い、このファイナルテストで良品と判定されたパッケージの外観テストを行うことにより、半導体装置が完成する。
【0065】
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、カンチレバー方式のプローブカード15Aを使って電気特性検査を行う例を説明したが、本実施の形態では、薄膜シート方式のプローブカードを使って電気特性検査を行う場合について説明する。
【0066】
なお、本実施の形態で使用するウエハ検査装置は、プローブカード以外の構成(テスター本体11、テストヘッド12、パフォーマンスボード13、ポゴタワー14、プローバ16等)が前記実施の形態1のウエハ検査装置10とほぼ同じであるため、プローブカード以外の構成については説明を省略する。
【0067】
図7は、薄膜シート方式のプローブカードの上面側平面図、図8は、このプローブカードの下面側平面図、図9は、このプローブカードの断面図である。
【0068】
プローブカード15Bは、配線基板30、薄膜シート40、プランジャ41を有している。薄膜シート40は、例えば厚さが25μm〜60μmのポリイミド樹脂フィルムからなり、その端部は、ネジ等の固定部材42によって配線基板30の下面に固定されている。
【0069】
薄膜シート40の下面には、プローブ針として機能する複数のバンプ43が形成されている。バンプ43は、例えばNi(ニッケル)で構成されており、その形状は四角錐または四角錐台形である。また、バンプ43の高さは、50μm程度である。
【0070】
本実施の形態のプローブカード15Bは、上記のような柔軟性を有する薄膜シート40に形成された複数のバンプ43をウエハ1の電極パッド2に確実に接触させるため、薄膜シート40の上方に配置されたプランジャ41が押圧板44を介して薄膜シート40を下方に押圧する構造になっている。すなわち、プランジャ41に内蔵されたばね45の弾性力によって押圧板44に一定の圧力を加え、押圧板44の下面に接着された薄膜シート40を下方に押し下げる構造になっている。これにより、薄膜シート40には張力が働き、この張力によって薄膜シート40が引き伸ばされるので、バンプ43と電極パッド2との位置を精度よく合わせることができる。
【0071】
薄膜シート40の下面には、バンプ43のそれぞれと電気的に接続され、バンプ43のそれぞれから薄膜シート40の周辺端部まで延在する複数の配線46が形成されている。配線基板30の下面には、この複数の配線46の周辺端部とそれぞれ電気的にされる複数の受け部47が形成されており、この複数の受け部47のそれぞれは、配線基板30に形成された図示しない配線を通じて配線基板30の下面のランド部35、さらには配線基板1の上面のランド部34と電気的に接続されている。
【0072】
ネジ等の固定部材39によって配線基板30の上面に取り付けられたプランジャ41には、冷却管24が挿通されている。前記実施の形態1の冷却管24と同じように、この冷却管24は、その両端が図示しない冷媒供給源に接続されており、この冷媒供給源から供給される冷却液Cがその内部を循環する構造になっている。
【0073】
前述したように、プランジャ41は、押圧板44を介して薄膜シート40を下方に押圧する構造になっている。そのため、冷却管24内を流れる冷却液Cによってプランジャ41およびプランジャ41に接続された押圧板44が冷却されると、薄膜シート40に形成されたバンプ43も冷却される。すなわち、冷却管24は、バンプ43を冷却する目的でプランジャ41に取り付けられている。なお、冷却管24の取り付け位置は、プランジャ41に限定されるものではなく、バンプ43を冷却することができる位置であれば、プローブカード15Bの任意の位置に取り付けることができる。
【0074】
また、押圧板44の一部には、温度センサ25が取り付けられている。ウエハ検査装置のテスター本体は、この温度センサ25を使って押圧板44、ひいては押圧板44の下面に接着された薄膜シート40に形成されたバンプ43の温度をモニターする。そして、このモニター値に基づいて冷却管24内を流れる冷却液Cの流量、流速等を調節することにより、バンプ43の温度設定を行う。
【0075】
本実施の形態では、高温テストの開始に先立って、冷却管24内に冷却液Cを供給し、薄膜シート40に形成されたバンプ43をあらかじめ冷却しておく。
【0076】
このようにした場合は、バンプ43の先端が高温に加熱されたウエハ1の電極パッド2の表面に接触した際、電極パッド2の熱が低温のバンプ43およびバンプ43に接続された配線46を通じて急速に放熱されるため、電極パッド2とバンプ43との接触点では、電極パッド2の表面温度が周囲に比べて低くなる。これにより、電極パッド2とバンプ43との接触点では、電極パッド2を構成するAlの軟化が抑制されるので、バンプ43の先端にAl片が付着し難くなる。
【0077】
前述したように、Al系材料は、温度が100℃を超えると急激に軟化し易くなる。従って、Alの軟化に起因してバンプ43の先端にAl片が付着する現象を抑制するためには、バンプ43の先端が電極パッド2の表面に接触した際、両者の接触点における電極パッド2の表面温度が100℃以下に低下するように、バンプ43を冷却することが望ましい。
【0078】
このように、高温テスト時にバンプ43を冷却する本実施の形態によれば、バンプ43の先端にAl片が付着し難くなるので、このAl片が酸化して絶縁物となることに起因するバンプ43と電極パッド2とのコンタクト抵抗の増大を抑制することができる。これにより、薄膜シート方式のプローブカード15を使用して高温テストを行う場合においても、テスト精度の低下を抑制することができる。
【0079】
また、バンプ43の先端にAl片が付着し難くなることにより、バンプ43のクリーニング頻度を減らすことができるので、電気特性検査工程の稼働率の低下を抑制することができ、かつ、バンプ43の寿命の低下を抑制することもできる。
【0080】
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2では、冷却管24内を流れる冷却液Cを使用してプローブ針33(実施の形態1)あるいはバンプ43(実施の形態2)を冷却したが、本実施の形態では、ぺルチェ素子を使用してプローブ針33あるいはバンプ43を冷却する。
【0081】
図10は、ぺルチェ素子を取り付けたカンチレバー方式のプローブカードの断面図である。前記実施の形態1のプローブカード15Aは、配線基板30の下面に取り付けたプローブ針固定部31に冷却管24を挿通したのに対し、本実施の形態のプローブカード15Aは、プローブ針固定部31の一部にぺルチェ素子50を取り付けたことを特徴とする。すなわち、ペルチェ素子50は、プローブ針33を冷却する目的でプローブ針固定部31に取り付けられている。
【0082】
上記ペルチェ素子50は、例えばネジ等の固定部材38によってプローブ針固定部31の上面に固定されている。また、ペルチェ素子50の上面にはAl等からなるヒートシンク51が接合されている。さらに、プローブ針固定部31の一部には、プローブ針固定部31に接合されたプローブ針33の温度をモニターするための温度センサ25が取り付けられている。
【0083】
図11は、プローブ針固定部31に取り付けられたペルチェ素子50の構造の一例を示す拡大断面図である。
【0084】
ペルチェ素子50は、それぞれが一対のn型半導体52nおよびp型半導体52pからなる複数の素子を金属電極53、54を介して直列に接続した構造になっている。ペルチェ素子50は、このn型半導体52nとp型半導体52pとのpn接合部(金属電極53、54)に電流を流したとき、n→p接合部分で吸熱現象が発生し、p→n接合部分で発熱現象が発生する性質を利用して熱を低温側(吸熱側)から高温側(発熱側)へ輸送する。
【0085】
ペルチェ素子50の吸熱側の金属電極53にはセラミック板55を介してプローブ針固定部31が接合され、発熱側の金属電極54にはセラミック板56を介してヒートシンク51が接合されている。従って、このペルチェ素子50にリード線58を通じて電流を流すと、プローブ針固定部31からヒートシンク51に向かって熱が流れ、プローブ針固定部31が冷却される。
【0086】
プローブ針固定部31をペルチェ素子50で冷却する場合は、冷却液Cを還流させるための冷却管24が不要となるので、プローブ針固定部31を冷却液Cで冷却する場合に比べてプローブカード15Aの構造が簡単になる。
【0087】
図12は、前記実施の形態2で説明した薄膜シート方式のプローブカード15Bにペルチェ素子50を取り付けた例を示している。
【0088】
この例では、プランジャ41の一部にペルチェ素子50を固定し、低温側(吸熱側)である押圧板44を冷却することによって、薄膜シート40に形成されたバンプ43を冷却する。また、プランジャ41の高温側(発熱側)には冷却フィン57を形成し、プランジャ41自体をヒートシンクとして機能させている。
【0089】
(実施の形態4)
図13は、カンチレバー方式のプローブカードの下面側平面図、図14は、このプローブカードの断面図である。
【0090】
本実施の形態のプローブカード15Aは、前記実施の形態1のプローブカード15Aと同じように、プローブ針固定部31に挿通した冷却管24内に冷却液Cを供給することによって、プローブ針33を冷却する。
【0091】
また、本実施の形態のプローブカード15Aは、ネジ等の固定部材38によって配線基板30の下面に金属製の冷却板60を取り付けると共に、この冷却板60に冷却管24を挿通している。すなわち、本実施の形態のプローブカード15Aは、冷却管24の一部をプローブ針固定部31に挿通すると共に、冷却管24の他の一部を冷却板60に挿通し、図示しない冷媒供給源から冷却管24内に冷却液Cを供給する。
【0092】
上記のように構成された本実施の形態のプローブカード15Aによれば、高温テスト時にプローブ針33を冷却できるのみならず、冷却板60と接している配線基板30も冷却することができる。これにより、ウエハ1から配線基板30に伝わる熱に起因する配線基板30の熱変形や、この熱変形に伴うプローブ針33の先端の位置変動を抑制することができるので、高温テストの精度をより向上させることができる。
【0093】
なお、ここでは、1本の冷却管24の一部をプローブ針固定部31に挿通し、この冷却管24の他の一部を冷却板60に挿通したが、プローブ針固定部31に挿通する冷却管と冷却板60に挿通する冷却管とを分離し、それぞれの冷却管に供給する冷却液の種類、流量、流速を最適化することにより、プローブ針33の温度と配線基板30の温度を独立に制御してもよい。
【0094】
図15は、薄膜シート方式のプローブカードの断面図である。このプローブカード15Bは、前記実施の形態2のプローブカード15Bと同じように、プランジャ41に挿通した冷却管24内に冷却液Cを供給することによって、バンプ43を冷却する。
【0095】
また、このプローブカード15Bは、ネジ等の固定部材38によって配線基板30の下面に金属製の冷却板60を取り付けると共に、この冷却板60に冷却管24を挿通している。すなわち、このプローブカード15Bは、冷却管24の一部をプランジャ41に挿通すると共に、冷却管24の他の一部を冷却板60に挿通し、図示しない冷媒供給源から冷却管24内に冷却液Cを供給する。
【0096】
上記のように構成された本実施の形態のプローブカード15Bによれば、高温テスト時にバンプ43を冷却できるのみならず、冷却板60と接している配線基板30も冷却することができる。これにより、ウエハ1から配線基板30に伝わる熱に起因する配線基板30の熱変形や、この熱変形に伴うバンプ43の先端の位置変動を抑制することができるので、高温テストの精度をより向上させることができる。
【0097】
この場合も、プランジャ41に挿通する冷却管と冷却板60に挿通する冷却管とを分離し、それぞれの冷却管に供給する冷却液の種類、流量、流速を最適化することにより、バンプ43の温度と配線基板30の温度を独立に制御することができる。
【0098】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0099】
例えば前記実施の形態では、プローブ針やバンプを冷却する冷媒として、フッ素系の不活性液体からなる冷却液Cを例示したが、これに限定されるものではなく、他の液体または気体からなる冷媒を使用してもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、前工程(ウエハプロセス)の最終工程で行う電気特性検査(ウエハプローブテスト)に適用することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 半導体ウエハ
1A チップ領域
1B 半導体チップ
2 電極パッド(ボンディングパッド)
10 ウエハ検査装置
11 テスター本体
12 テストヘッド
13 パフォーマンスボード
14 ポゴタワー
15A、15B プローブカード
16 プローバ
17 テスト回路
18 ケーブル
19 ポゴピン
20 カードホルダ
21 ウエハステージ
22 ウエハチャック
23 加熱・冷却装置
24 冷却管
25 温度センサ
30 配線基板
31 プローブ針固定部
32 絶縁部材
33 プローブ針
34、35、36 ランド
37、38、39 固定部材
40 薄膜シート
41 プランジャ
42 固定部材
43 バンプ
44 押圧板
45 ばね
46 配線
47 受け部
50 ペルチェ素子
51 ヒートシンク
52n n型半導体
52p p型半導体
53、54 金属電極
55、56 セラミック板
57 冷却フィン
58 リード線
60 冷却板
C 冷却液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)主面が複数のチップ領域に区画された半導体ウエハを用意する工程と、
(b)前記複数のチップ領域のそれぞれに集積回路を形成する工程と、
(c)前記複数のチップ領域のそれぞれの表面に、前記集積回路に電気的に接続された複数の電極パッドを形成する工程と、
(d)前記複数の電極パッドのそれぞれにプローブ針を接触することによって、前記集積回路の電気特性検査を行う工程と、
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハをダイシングして前記複数のチップ領域のそれぞれを個片化することにより、複数の半導体チップを取得する工程と、
を含む半導体装置の製造方法であって、
前記工程(d)において、前記複数の電極パッドのそれぞれに前記プローブ針を接触する際、前記プローブ針を冷却することによって、前記複数の電極パッドのそれぞれと前記プローブ針との接触点の温度を、前記複数の電極パッドのそれぞれの表面温度よりも低くすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記複数の電極パッドのそれぞれに前記プローブ針を接触する際、前記複数の電極パッドのそれぞれと前記プローブ針との接触点の温度が100℃以下となるように、前記プローブ針を冷却することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記プローブ針は、プローブカードの一面に取り付けられたカンチレバー方式のプローブ針であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記プローブ針は、プローブカードに取り付けられた薄膜シートの一面に形成された導電性のバンプであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
冷却媒体を用いて前記プローブ針を冷却することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記プローブ針の近傍に前記冷却媒体が流れる冷却管を配置することによって、前記プローブ針を冷却することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
ペルチェ素子を用いて前記プローブ針を冷却することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記プローブ針を冷却する際、前記プローブ針を支持するプローブカードも冷却することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記プローブ針の近傍および前記プローブカードの近傍に冷却媒体が流れる冷却管をそれぞれ配置することによって、前記プローブ針および前記プローブカードを冷却することを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−7603(P2013−7603A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139289(P2011−139289)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】