説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】同層配線間の容量及び、上下層配線間の容量を低減し、配線間領域の実効誘電率を低減できる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板上に形成された第1の絶縁膜101と、第1の絶縁膜101の上部に埋め込まれた複数の第1の配線120と、第1の絶縁膜101上及び複数の第1の配線120上に形成され、開口部を有するライナー絶縁膜104と、ライナー絶縁膜104上に形成された第2の絶縁膜107と、第2の絶縁膜107の上部に埋め込まれた複数の第2の配線110とを備える。第1の絶縁膜101における、第1の配線120の間であって、ライナー絶縁膜104の開口部と重なる部分には、絶縁膜によって塞がれたエアギャップ108が形成されており、第2の絶縁膜107の比誘電率は2.5以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術は、多層配線を有する半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセス技術の目覚ましい進歩によって、配線または素子の超微細化及び高集積化が可能になり、large scale integration(LSI)の高性能化が進められている。配線の高集積化に伴い、配線における信号の遅延がデバイスの動作スピードを律するようになっており、0.25μm世代以降のLSIにおいては、層間絶縁膜の材料として、有機物を含んだSiOCHや有機材料などの比誘電率が低い材料が、これまでに使用されている。
【0003】
また、配線間に生じる容量による信号の遅延は、配線における遅延の大きな部分を占めている。そこで、配線間の絶縁性物質に空気(比誘電率ε=1.0)等が存在する孔状の空間(以下、「エアギャップ」と称する)を意図的に形成することにより、配線間における比誘電率を低下させて配線間容量を低減する技術が提案されている。
【0004】
以下に、特許文献1に記載の従来の半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図9(a)〜(d)及び図10(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0005】
まず、図9(a)に示すように、半導体能動素子が形成された半導体基板(図示せず)上に、第1の絶縁膜10を堆積した後、該第1の絶縁膜10内に凹部を形成する。続いて、第1の絶縁膜10における凹部の底面上及び壁面上に第1のバリアメタル膜11を形成した後、凹部を埋め込むようにして銅からなる第1の配線12を形成する。
【0006】
次に、図9(b)に示すように、第1の絶縁膜10及び第1の配線12の上にライナー絶縁膜13を堆積する。
【0007】
次に、図9(c)に示すように、ライナー絶縁膜13の上にレジストパターン14を形成する。レジストパターン14は、第1の絶縁膜10における第1の配線12間に位置する部分のみを除去できる開口パターンを有している。このレジストパターン14は、第1の配線12間の所望の位置に配線間ギャップを形成するために用いられ、第1の配線12間の領域を露出させるマスクである。図中のr1はレジストパターン14の開口パターンの幅を示している。
【0008】
次に、図9(d)に示すように、レジストパターン14を膨潤させて、レジストパターン14aを形成する。ここでは、第1の配線12間の領域とレジストパターン14aとがオーバーラップする領域の幅r2が、配線間スペースの約1/3となるように、レジストパターン14の寸法をシュリンクさせる。
【0009】
次に、図10(a)に示すように、レジストパターン14aをマスクに用いたドライエッチングにより、ライナー絶縁膜13の一部及び第1の絶縁膜10の一部を除去して、第1の配線12間に配線間ギャップ15を形成する。その後、レジストパターン14aを除去する。
【0010】
次に、図10(b)に示すように、第1の配線12間の配線間ギャップ15及びライナー絶縁膜13の上に、第2の絶縁膜17を堆積することにより、配線間ギャップ15を含むエアギャップ16を形成する。このとき、配線間ギャップ15内の一部に第2の絶縁膜17の構成材料が若干堆積される。この工程では、第2の絶縁膜17として、シリコン酸化膜(SiO2)等を形成する。
【0011】
次に、図10(c)に示すように、エッチングにより、第2の絶縁膜17中に、第1の配線12の表面を露出させる接続孔17aを形成した後に、配線溝17bを形成する。
【0012】
次に、図10(d)に示すように、接続孔17a及び配線溝17bが形成された第2の絶縁膜17の上に、バリアメタル膜、シード膜、及びメッキ膜を順に堆積した後に、chemical mechanical polishing(CMP)を用いて、接続孔17a及び配線溝17bの内部からはみ出している余分なバリアメタル膜、シード膜、及びメッキ膜を除去する。これにより、ビア18及び第2の配線19を形成する。このようにして、第1の配線12及び第2の配線19からなる2層配線が形成され、半導体装置を製造することができる。
【0013】
エアギャップ16の誘電率は第1の絶縁膜10よりも小さいので、エアギャップ16を設けることによって、隣り合う第1の配線12間の容量を低減することができる。したがって、隣り合う第1の配線12間における信号の遅延を緩和することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−120988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前述したエアギャップの形成方法によると、隣り合う第1の配線12間の容量は低減できるものの、第1の配線12と第2の配線19との間に生じる配線層間の容量はエアギャップを設けない場合と変わらない。そのため、この方法では十分に配線間容量を低減することが難しく、配線間領域の実効的な比誘電率は2.0程度までしか下げることができない。また、さらなる微細化が進んで配線層の厚みが低減された場合には配線間容量が増大するおそれがある。なお、「配線間領域の実効的な比誘電率」とは、配線層内における配線間領域と配線層間における配線間領域の比誘電率を平均化したものを指すものとする。
【0016】
前記に鑑み、本発明の目的は、同層配線間の容量及び、上下層配線間容量を低減し、配線間領域の実効誘電率を低減できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一例に係る半導体装置は、基板上に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上部に埋め込まれた複数の第1の配線と、前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1の配線上に形成され、前記複数の第1の配線のうち、互いに隣接する第1の配線間の領域上に開口部を有するライナー絶縁膜と、前記ライナー絶縁膜上に形成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜の上部に埋め込まれた複数の第2の配線とを備えている。さらに、前記第1の絶縁膜における、互いに隣接する前記第1の配線の間であって、平面的に見て少なくとも前記開口部と重なる部分には、上部が絶縁膜によって塞がれたエアギャップが形成されており、前記第2の絶縁膜は、比誘電率が2.5以下の低誘電率膜である。
【0018】
この構成によれば、エアギャップが設けられていることによって第1の配線同士の線間容量が低減される上、第2の絶縁膜が低誘電率膜であるので、第1の配線と第2の配線との間に生じる層間容量も効果的に低減される。そのため、微細化が進んでも配線間に生じる容量を増大を抑えることができる。
【0019】
本発明の一例に係る半導体装置の製造方法は、基板上に形成された第1の絶縁膜の上部に複数の配線溝を形成する工程(a)と、前記複数の配線溝内にそれぞれ埋め込まれた複数の第1の配線を形成する工程(b)と、前記複数の第1の配線のうち互いに隣接する第1の配線間の領域上に形成された開口部を有するライナー絶縁膜を、前記複数の第1の配線上及び前記第1の絶縁膜上に形成する工程(c)と、前記工程(c)の後に、前記開口部を介して、前記第1の絶縁膜における前記第1の配線間に位置する部分の一部を除去し、配線間ギャップを形成する工程(d)と、前記ライナー絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成することにより、前記配線間ギャップの上部が塞がれてなるエアギャップを形成する工程(e)と、前記第2の絶縁膜上に、低誘電体材料からなり、前記第2の絶縁膜よりも水分透過率が高く、比誘電率が2.5以下の第3の絶縁膜を形成する工程(f)と、前記第3の絶縁膜の上部に埋め込まれた第2の配線を形成する工程(g)とを備えている。
【0020】
この方法によれば、エアギャップが形成されていることで第1の配線間に生じる線間容量が低減されるとともに、第3の絶縁膜を低誘電率材料で構成していることで第1の配線と第2の配線との間に生じる層間容量も低減された半導体装置を製造することができる。また、工程(f)で形成される第2の絶縁膜の水分透過率は第3の絶縁膜よりも低くなっているので、配線間ギャップを形成する際に第1の絶縁膜の加工面が親水化されて水分を吸着した場合であっても、後工程における第3の絶縁膜を加工する際のエッチングの停止や、第2の配線の腐食といった不具合の発生を低減することができる。このため、この方法によれば、配線間の容量が低減され、且つ信頼性の高い半導体装置を製造することが可能となる。
【0021】
また、この方法において、前記工程(d)は、前記開口部を介して前記第1の絶縁膜の異方性エッチングを行い、前記第1の絶縁膜における前記第1の配線間に位置する部分に溝を形成する工程(d1)と、前記第1の絶縁膜における前記溝の内面部を変質させて変質層を形成する工程(d2)と、前記開口部を介して前記変質層を除去することで、前記配線間ギャップを形成する工程(d3)とを含んでいれば、ライナー絶縁膜に対してより選択的に第1の絶縁膜を加工することができるため、配線間ギャップを高精度に形成することができる。
【0022】
また、本発明の他の一例に係る半導体装置の製造方法は、基板上に形成された第1の絶縁膜の上部に複数の配線溝を形成する工程(a)と、前記複数の配線溝内にそれぞれ埋め込まれた複数の第1の配線を形成する工程(b)と、前記複数の第1の配線のうち互いに隣接する第1の配線間の領域上に形成された開口部を有するライナー絶縁膜を、前記複数の第1の配線上及び前記第1の絶縁膜上に形成する工程(c)と、前記工程(c)の後に、前記開口部を介して、前記第1の絶縁膜における前記第1の配線間に位置する部分の一部を除去し、配線間ギャップを形成する工程(d)と、前記ライナー絶縁膜上に低誘電体材料からなり、比誘電率が2.5以下の第2の絶縁膜を形成することによって、前記配線間ギャップの上方が塞がれてなるエアギャップを形成する工程(e)と、前記第2の絶縁膜の上部に埋め込まれた複数の第2の配線を形成する工程(f)とを備えている。
【0023】
この方法によれば、エアギャップが形成されていることで第1の配線間に生じる線間容量が低減されるとともに、第3の絶縁膜を低誘電率材料で構成していることで第1の配線と第2の配線との間に生じる層間容量も低減された半導体装置を製造することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一例に係る半導体装置によれば、第1の配線間に生じる線間容量の低減だけでなく、第1の配線と第2の配線との間に生じる層間容量も低減することが可能となる。このため、配線間の領域における実効的な比誘電率を十分に低減することができ、微細化した場合でも信号遅延等の不具合の発生を抑えうる。
【0025】
本発明の一例に係る半導体装置の製造方法によると、エアギャップを形成することで線間容量が低減されるとともに、第2の配線が形成された第3の絶縁膜(上層絶縁膜)が低誘電率材料で形成されるので、配線間の領域における実効的な比誘電率が十分に低減された半導体装置を作製できる。さらに、ライナー絶縁膜と第3の絶縁膜の間に形成された第2の絶縁膜の水分透過率が第3の絶縁膜の水分透過率より低くなっているので、上方への水分の拡散が低減される。そのため、配線間ギャップを形成する際に親水化された第1の絶縁膜に水分が吸着する場合でも、第3の絶縁膜を加工する際のエッチング停止や、第2の配線の腐食といった不具合を発生しにくくすることができる。そのため、信頼性に優れ、特性バラツキの少ない半導体装置を実現することができる。
【0026】
また、本発明の他の一例に係る半導体装置の製造方法によると、エアギャップを形成することで線間容量が低減されるとともに、第2の配線が形成された第2の絶縁膜(上層絶縁膜)が低誘電率材料で形成されるので、配線間の領域における実効的な比誘電率が十分に低減された半導体装置を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)〜(e)は、それぞれ本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、それぞれ本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第1の変形例について、製造方法を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第1の変形例について、製造方法を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第1の変形例について、製造方法を示す断面図である。
【図6】(a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第2の変形例について、製造方法を示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第2の変形例について、製造方法を示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第2の変形例について、製造方法を示す断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書中で低誘電率膜(すなわち、low−k膜)とは、一般的なシリコン酸化膜よりも低い比誘電率を持つ膜を意味し、ELK膜とは、低誘電率膜のうち特に比誘電率が2.0以上2.5以下である膜を意味するものとする。
【0029】
(実施形態)
図1(a)〜(e)及び図2(a)〜(e)は、それぞれ本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0030】
まず、図1(a)に示すように、半導体能動素子が形成された半導体基板(図示せず)上に、絶縁膜101を形成する。ここで、絶縁膜101は、fluorosilicate glass(FSG)や、SiOCH、有機ポリマー材料等、またはポーラスSiOCH等のextreme low-k(ELK)材料等のlow−k材料の他、半導体プロセスに使用されるあらゆる絶縁材料で構成されていてもよい。例えば、絶縁膜101は、比誘電率kが2.0以上且つ2.5以下のポーラスSiOCHを用いて、厚さ100nm程度に形成する。
【0031】
次に、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、絶縁膜101内に、配線溝となる凹部を形成する。続いて、凹部の底面及び壁面を含む絶縁膜101上にバリアメタル膜を堆積した後、当該凹部を埋め込むように、例えば銅(Cu)からなる金属膜を堆積する。次いで、CMP法により、バリアメタル膜及び金属膜のうち、絶縁膜101の凹部からはみ出している各部分を研磨、除去することにより、凹部の内面を覆う第1のバリアメタル膜102と、凹部に埋め込まれた金属膜103とを有する第1の配線120を形成する。なお、第1のバリアメタル膜102は、タンタル(Ta)膜 、窒化タンタル(TaN)膜、またはこれらの積層膜であるのが一般的である。
【0032】
次に、図1(b)に示すように、絶縁膜101及び第1の配線120 の上に、銅の拡散を防止することを目的として、SiN、SiCN、SiCO、SiC等からなるライナー絶縁膜104を形成する。ここで、ライナー絶縁膜104の膜厚が厚くなり過ぎると配線間の誘電率が大きくなってしまうので、銅の拡散を防止しつつ、配線間誘電率の増加を抑えるという観点から、ライナー絶縁膜104の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下とすることが望ましい。例えば、ライナー絶縁膜104をSiCで構成する場合、膜厚を40nm程度にする。
【0033】
次に、図1(c)に示すように、リソグラフィー法を用いて、ライナー絶縁膜104の上に、配線間ギャップを形成することを目的として、レジストパターン105を形成する。レジストパターン105は、絶縁膜101における所望の第1の配線120間に存在する部分を除去するための開口パターンを有している。開口パターンの平面形状は略円形であるが、これに限られない。第1の配線120間の絶縁膜101の上方に形成される溝パターンでも構わない。
【0034】
開口パターンの径もしくは幅r1は、互いに隣接する第1の配線120の間隔より若干大きくても小さくてもよいが、第1の配線120の間隔と等しければより好ましい。また、レジストパターン105の開口パターンは、半導体基板の上方から見て、互いに隣接する第1の配線120間のスペースと少なくとも一部が重複していればよい。図1(c)に示す例では、開口パターンは第1の配線120の配線間スペースとほぼ一致しており、開口径r1は例えば50nm程度とする。
【0035】
次に、図1(d)に示すように、レジストパターン105に対して水溶性微細パターン形成材料を塗布し、加熱により架橋膜を形成する。その後、水溶性微細パターン形成材料の非架橋部分を取り除くための現像処理を行うことにより、レジストパターン105の開口寸法をシュリンクさせる。
【0036】
ここでは、絶縁膜101における所望の第1の配線120間に存在する部分とレジストパターン105とがオーバーラップする領域の配線幅方向の幅r2が、第1の配線120の配線同士の間隔の約1/3となるように、レジストパターン105の開口パターンの寸法をシュリンクさせる。これにより、レジストパターン105aを形成する。
【0037】
このようにすると、第1の配線120 の配線間隔が設計上の最小値であるとした場合に、レジストパターン105aの開口パターンの径もしくは幅を、リソグラフィー法の最小解像度にて形成された第1の配線120の配線間隔以下にすることができる。
【0038】
これにより、レジストパターン105aと第1の配線120とのアライメントがずれた場合であっても、その後の工程において第1の配線120の露出を防止することが可能となる。このため、第1の配線120の形成不良や接続不良などの発生を抑えることができ、半導体装置の歩留まりを向上させ、第1の配線120の信頼性を向上させることができる。なお、本工程では、水溶性微細パターン形成材料の架橋度を調節することで、レジストパターン105aの開口パターンの径もしくは幅を任意に調節することができる。
【0039】
次に、図1(e)に示すように、レジストパターン105aをマスクとして用いる異方性エッチングによってライナー絶縁膜104の露出部分を除去し、絶縁膜101の上面を露出させる。本工程では、絶縁膜101の上面を露出させたところで、エッチングをストップさせる。本エッチング工程では、例えば2周波印加方式の平行平板エッチング装置を用い、エッチングガスとしてCF4及びN2を用いる。CF4の流量は、例えば100〜200sccm(すなわち、100〜200mL/min)とし、N2の流量は、例えば20〜80sccm(すなわち、20〜80mL/min)とする。エッチング雰囲気の圧力は、例えば3〜8Paとし、エッチング装置のRFパワーは、上部電極への印加電力を300〜600W、下部電極への印加電力を50〜200Wとする。基板温度は、例えば0〜20℃に設定する。
【0040】
次に、図2(a)に示すように、ライナー絶縁膜104との間で選択性の高い条件で絶縁膜101の等方性エッチングを行う。このとき、ライナー絶縁膜104はエッチングされず残存し、絶縁膜101における、ライナー絶縁膜104の開口部下であって第1の配線120間に位置する部分が除去され、配線間ギャップ106が形成される。
【0041】
本工程においては、ライナー絶縁膜104の開口部を介した等方性エッチングによって絶縁膜101の一部を除去するので、配線間ギャップ106の底部におけるほれ込み106aの形状はラウンディングする。言い換えれば、ほれ込み106aは、下に凸で且つ丸められた形状をしている。配線間ギャップ106の底面位置は任意でよいが、第1の配線120の底面位置より下にあってもよい。
【0042】
本エッチング工程では、例えばマイクロ波リモートプラズマ方式のエッチング装置を用い、エッチングガスとしてCF4及びO2を用いる。CF4の流量は、例えば300〜400sccm(すなわち、300〜400mL/min)とし、O2の流量は、例えば20〜80sccm(すなわち、20〜80mL/min)とする。エッチング雰囲気の圧力は、例えば15〜25Pa、RFパワーは、例えば300〜600W、基板温度は、例えば10〜30℃に設定する。
【0043】
なお、図2(a)では第1の配線120の間の領域の一部に配線間ギャップ106を形成する例を示しているが、任意の配線間領域に形成すればよい。ただし、第1の配線120のうち後工程でビアに接続される箇所には配線間ギャップ106を形成しない。
【0044】
次に、図2(b)に示すように、絶縁膜101、ライナー絶縁膜104及び配線間ギャップ106の上に、公知の方法により低誘電率膜である絶縁膜107を形成する。これにより、第1の配線120間には、配線間ギャップ106と、ライナー絶縁膜104の開口部と、当該開口部上の空間とを含み、上部が絶縁膜107により塞がれたエアギャップ108が形成される。この際、エアギャップ108の底面上には絶縁膜107の構成材料が若干堆積される。
【0045】
ここで、絶縁膜107としては、比誘電率kが2.0以上且つ2.5以下のポーラスSiOCH膜等のELK膜を用いるとよい。また、絶縁膜107の上面におけるエアギャップ108 の上方に位置する部分には段差107aが形成されている。例えば、絶縁膜107は、比誘電率kが2.0以上2.5以下程度のポーラスSiOCHを用いて、厚さ180nm程度に形成する。なお、本工程における絶縁膜107の形成は、カバレッジ率が低く、且つ埋め込み性能が悪くなる条件で行う方がエアギャップ108を形成するために好ましい。
【0046】
次に、図2(c)に示すように、CMP法により、段差107aが形成された絶縁膜107の上面を平坦化する。
【0047】
次に、図2(d)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、絶縁膜107中に、接続孔107bを形成して第1の配線120を露出させるとともに、配線溝107cを形成する。なお、接続孔107b及び配線溝107cの形成は、例えばデュアルダマシン法を用いて行なう。
【0048】
次に、図2(e)に示すように、接続孔107b及び配線溝107cの内面上、及び絶縁膜107の上面上にバリアメタル膜を堆積した後に、接続孔107b及び配線溝107cを埋め込むように、例えば銅または銅合金からなる金属膜を堆積する。続いて、CMP法により、バリアメタル膜及び金属膜における配線溝107cからはみ出している部分を研磨、除去することにより、第1の配線120に接続されたビア109と、第2の配線110とを形成する。
【0049】
以上の方法により作製される半導体装置は、図2(e)に示すように、トランジスタ等の能動素子が設けられた半導体基板上に形成された絶縁膜101と、絶縁膜101の上部に埋め込まれた複数の第1の配線120と、第1の配線120上及び絶縁膜101上に形成されたライナー絶縁膜104と、ライナー絶縁膜104上に形成された絶縁膜107と、絶縁膜107の上部に埋め込まれた複数の第2の配線110と、ライナー絶縁膜104及び絶縁膜107を貫通し、第1の配線120と第2の配線110とを接続するビア109とを備えている。第1の配線120及び第2の配線110とは、それぞれ銅を主成分とする金属で構成されている。
【0050】
絶縁膜101における、互いに隣接する2本の第1の配線120間であってライナー絶縁膜104の開口部と平面的に見て重なる領域には配線間ギャップ106が形成されている。配線間ギャップ106とライナー絶縁膜104の開口部とは、上部が絶縁膜107によって塞がれたエアギャップ108を構成する。さらに、本実施形態の半導体装置では、絶縁膜107として例えばポーラスSiOCHなどで構成された低誘電率膜が用いられている。エアギャップ108の径は、ライナー絶縁膜104の開口部の径よりも大きくなっている。
【0051】
エアギャップ108の比誘電率は約1.0であり、絶縁膜の誘電率に比べて誘電率が低いので、本実施形態の半導体装置では、下層の第1の配線120間に生じる線間容量が大きく低減されている。その上、上層の第2の配線110が形成された絶縁膜107が低誘電率材料で構成されていることで、第1の配線120と第2の配線110との間に生じる層間容量も大きく低減されている。このため、第2の配線110の構成材料として、例えばポーラスSiOCHを用いた場合、配線間に設けられた絶縁膜の実効的な比誘電率を従来の半導体装置における実効的な比誘電率よりも低い1.7程度まで下げることが可能となる。よって、本実施形態の半導体装置では、微細化が進んでも配線間容量の増大による信号遅延等の不具合を効果的に低減することができる。
【0052】
なお、絶縁膜107として用いる低誘電率膜は、比誘電率が2.5以下である膜であれば好ましく、ポーラスSiOCH膜以外のELK膜であってもよい。
【0053】
−実施形態の第1の変形例−
図3(a)〜(e)、図4(a)〜(c)、及び図5(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第1の変形例について、製造方法を示す断面図である。以下、これらの図を用いて本変形例に係る半導体装置及びその製造方法について説明する。なお、図3(a)〜(e)、及び図4(a)に示す工程は、図1(a)〜(e)、及び図2(a)に示す工程と同じである。
【0054】
まず、図3(a)に示すように、半導体能動素子が形成された半導体基板(図示せず)上に、絶縁膜101を形成する。ここで、絶縁膜101は、low−k材料の他、半導体プロセスに使用されるあらゆる絶縁材料で構成されていてもよい。例えば、絶縁膜101は、比誘電率kが2.0以上且つ2.5以下のポーラスSiOCHを用いて、厚さ100nm程度に形成する。
【0055】
次に、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、絶縁膜101内に、配線溝となる凹部を形成する。続いて、凹部の底面及び壁面を含む絶縁膜101上にバリアメタル膜を堆積した後、当該凹部を埋め込むように、例えば銅からなる金属膜を堆積する。次いで、CMP法により、バリアメタル膜及び金属膜のうち、絶縁膜101の凹部からはみ出している各部分を研磨、除去することにより、凹部の内面を覆う第1のバリアメタル膜102と、凹部に埋め込まれた金属膜103とを有する第1の配線120を形成する。なお、第1のバリアメタル膜102は、Ta膜 、TaN膜、またはこれらの積層膜であるのが一般的である。
【0056】
次に、図3(b)に示すように、絶縁膜101及び第1の配線120 の上に、銅の拡散を防止することを目的として、SiN、SiCN、SiCO、SiC等からなるライナー絶縁膜104を形成する。ライナー絶縁膜104は、絶縁性で且つ絶縁膜101のエッチングの際に絶縁膜101の選択比を高くできる材料で構成されていることが好ましい。また、銅の拡散を防止しつつ、配線間誘電率の増加を抑えるという観点から、ライナー絶縁膜104の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下とすることが望ましい。例えば、ライナー絶縁膜104をSiCで構成する場合、膜厚を40nm程度にする。
【0057】
次に、図3(c)に示すように、リソグラフィー法を用いて、ライナー絶縁膜104の上に、配線間ギャップを形成することを目的として、レジストパターン105を形成する。レジストパターン105は、絶縁膜101における所望の第1の配線120間に存在する部分を除去するための開口パターンを有している。
【0058】
開口パターンの径もしくは幅r1は、互いに隣接する第1の配線120の間隔より若干大きくても小さくてもよいが、第1の配線120の間隔と等しければより好ましい。図3(c)に示す例では、開口パターンは第1の配線120の配線間スペースとほぼ一致しており、開口径(開口幅)r1は例えば50nm程度とする。
【0059】
次に、図3(d)に示すように、レジストパターン105に対して水溶性微細パターン形成材料を塗布し、加熱により架橋膜を形成する。その後、水溶性微細パターン形成材料の非架橋部分を取り除くための現像処理を行うことにより、レジストパターン105の開口寸法をシュリンクさせる。
【0060】
ここでは、絶縁膜101における所望の第1の配線120間に存在する部分とレジストパターン105とがオーバーラップする領域の配線幅方向の幅r2が、第1の配線120の配線同士の間隔の約1/3となるように、レジストパターン105の開口パターンの寸法をシュリンクさせる。これにより、レジストパターン105aを形成する。
【0061】
このようにすると、第1の配線120 の配線間隔が設計上の最小値であるとした場合に、レジストパターン105aの開口パターンの径または幅を、リソグラフィー法の最小解像度にて形成された第1の配線120の配線間隔以下にすることができる。
【0062】
これにより、レジストパターン105aと第1の配線120とのアライメントがずれた場合であっても、その後の工程において第1の配線120の露出を防止することが可能となる。このため、第1の配線120の形成不良や接続不良などの発生を抑えることができ、半導体装置の歩留まりを向上させ、第1の配線120の信頼性を向上させることができる。
【0063】
次に、図3(e)に示すように、レジストパターン105aをマスクとして用いる異方性エッチングによってライナー絶縁膜104の露出部分を除去し、絶縁膜101の上面を露出させる。本工程では、絶縁膜101の上面を露出させたところで、エッチングをストップさせる。本エッチング工程では、例えば2周波印加方式の平行平板エッチング装置を用い、エッチングガスとしてCF4及びN2を用いる。CF4の流量は、例えば100〜200mL/minとし、N2の流量は、例えば20〜80mL/minとする。エッチング雰囲気の圧力は、例えば3〜8Paとし、エッチング装置のRFパワーは、上部電極への印加電力を300〜600W、下部電極への印加電力を50〜200Wとする。基板温度は、例えば0〜20℃に設定する。
【0064】
次に、図4(a)に示すように、ライナー絶縁膜104との間で選択性の高い条件で絶縁膜101の等方性エッチングを行う。このとき、ライナー絶縁膜104 はエッチングされず残存し、絶縁膜101における、ライナー絶縁膜104の開口部下であって第1の配線120間に位置する部分が除去され、配線間ギャップ106が形成される。本工程においては、ライナー絶縁膜104の開口部を介した等方性エッチングによって絶縁膜101の一部を除去するので、配線間ギャップ106の底部におけるほれ込み106aの形状はラウンディングする。
【0065】
本エッチング工程では、例えばマイクロ波リモートプラズマ方式のエッチング装置を用い、エッチングガスとしてCF4及びO2を用いる。CF4の流量は、例えば300〜400mL/minとし、O2の流量は、例えば20〜80mL/minとする。エッチング雰囲気の圧力は、例えば15〜25Pa、RFパワーは、例えば300〜600W、基板温度は、例えば10〜30℃に設定する。
【0066】
次に、図4(b)に示すように、絶縁膜101 、ライナー絶縁膜104及び配線間ギャップ106の上に、公知の方法により絶縁膜211を形成する。これにより、第1の配線120間には、配線間ギャップ106を含み、上部が絶縁膜211によって塞がれたエアギャップ208を形成する。この際、エアギャップ208の底面上には絶縁膜211の構成材料が若干堆積される。絶縁膜211の構成材料としては、例えばSiO2、SiN、SiCN、SiCOまたはSiCを用いるとよい。これらの膜は水分の透過を防止する。
【0067】
ここで、ライナー絶縁膜104上に水分の透過を防止する膜を形成する理由と効果について述べる。下層配線(ここでは第1の配線120)を形成する際や配線間ギャップを形成する際に、下層配線が設けられた絶縁膜の加工面が化学的なダメージを受けて親水化する。例えば、ポーラスSiOCHを絶縁膜材料とする場合、加工面のCH3基が脱離して、絶縁膜の露出面及び露出面近傍が親水化し、親水化した部分が大気中の水分を吸着しやすくなる。下層配線の絶縁膜に吸着された水分は、以降の製造プロセスにおいて放出される。
【0068】
従って、ライナー絶縁膜104上に水分を透過しにくい絶縁膜211を形成することで、吸着された水分が絶縁膜101の上方へと拡散するのを抑えることができる。さらに、絶縁膜211は350℃〜400℃程度で成膜されるため、絶縁膜211を形成することで、絶縁膜101の露出部に吸着した水分を揮発させることもできる。
【0069】
そのため、例えば上層の低誘電率膜に接続孔を形成する等のパターン形成時に、水分の影響を防ぐことによってエッチストップ等の不具合が生じにくくなっている。また、上層配線(本変形例では第2の配線210)の形成後、水分によって第2の配線210のバリアメタル膜が酸化、膨張されたり、金属配線が腐食されたりする不具合が発生するのを抑えることができる。
【0070】
ここで、絶縁膜211は15nm以上で且つ40nm以下とするのが好ましい。ただし、配線間誘電率を低くしつつ、銅の拡散と、水分の透過とを抑制するために、絶縁膜211は単層構造であってもよいし、二層以上の膜の積層構造であってもよい。例えば、絶縁膜211は、SiCOを用いて、厚さ20nm程度に形成する。
【0071】
また、上記SiCOの成膜の際には、例えばプラズマCVD方式の成膜装置を用い、成膜ガスにテトラメチルシラン、CO2、及びHeを用いる。テトラメチルシランの流量は例えば400mL/min、CO2の流量は例えば2800mL/min、Heの流量は例えば3000mL/minとし、成膜雰囲気の圧力は500Paとする。RFパワーについては、上部電極への印加電力を800W、下部電極への印加電力を200Wとし、成膜温度を例えば370℃に設定する。
【0072】
なお、絶縁膜211はライナー絶縁膜104の開口部を塞いでおり、絶縁膜211の上面におけるエアギャップ208の上方に位置する部分には、段差211aが形成される。
【0073】
次に、図4(c)に示すように、絶縁膜211上に低誘電率膜である絶縁膜207を公知の方法により形成する。ここで、絶縁膜207としては、比誘電率kが2.0以上2.5以下程度のポーラスSiOCH膜等のELK膜を用いるとよい。また、絶縁膜207のうち段差211a上に形成された部分の上面には段差207aが形成される。例えば、絶縁膜207は、比誘電率kが2.0以上2.5以下のポーラスSiOCHで構成され、厚さ180nm程度に形成される。
【0074】
次に、図5(a)に示すように、CMP法により、段差207aが形成された絶縁膜207の上面を平坦化する。
【0075】
次に、図5(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、絶縁膜207中に、第1の配線120を露出させる接続孔207bを形成するとともに、配線溝207cを形成する。なお、接続孔207b及び配線溝207cの形成は、例えばデュアルダマシン法を用いて行う。
【0076】
次に、図5(c)に示すように、接続孔207b及び配線溝207cの内面上、及び絶縁膜207の上面上にバリアメタル膜を堆積した後に、接続孔207b及び配線溝207cを埋め込むように、例えば銅または銅合金からなる金属膜を堆積する。続いて、CMP法により、バリアメタル膜及び金属膜における配線溝207cからはみ出している部分を研磨、除去することにより、第1の配線120に接続されたビア209と、第2の配線210とを形成する。
【0077】
以上の方法により作製される半導体装置は、図5(c)に示すように、トランジスタ等の能動素子が設けられた半導体基板上に形成された絶縁膜101と、絶縁膜101の上部に埋め込まれた複数の第1の配線120と、第1の配線120上及び絶縁膜101上に形成されたライナー絶縁膜104と、ライナー絶縁膜104上に形成され、水分を透過しにくい絶縁膜211と、絶縁膜211上に形成された絶縁膜207と、絶縁膜207の上部に埋め込まれた複数の第2の配線210と、ライナー絶縁膜104及び絶縁膜211を貫通し、第1の配線120と第2の配線210とを接続するビア209とを備えている。
【0078】
絶縁膜101における、互いに隣接する2本の第1の配線120間であってライナー絶縁膜104の開口部下の領域には配線間ギャップ106が形成されている。配線間ギャップ106は、上部が絶縁膜211によって塞がれたエアギャップ208を構成する。さらに、本変形例に係る半導体装置では、絶縁膜207として例えばポーラスSiOCH膜などのELK膜が用いられる。
【0079】
以上のように、本変形例に係る半導体装置では、互いに隣接する第1の配線120の間の領域の一部にエアギャップ208が形成されているので、第1の配線120間に生じる線間容量が大きく低減されている。また、上層配線である第2の配線210が形成された層間絶縁膜(ここでは、絶縁膜211と絶縁膜207とを合わせたもの)の少なくとも一部がポーラスSiOCH膜などのELK材料で構成されているので、第1の配線120と第2の配線210との間に生じる層間容量も大きく低減されている。このため、第2の配線210の構成材料として、例えばポーラスSiOCHを用いた場合、配線間に設けられた絶縁膜の実効的な比誘電率を従来の半導体装置におけるよりも低い1.7程度まで下げることが可能となる。
【0080】
さらに、第1の配線120及び絶縁膜101上で且つ第2の配線210が形成された絶縁膜207の下に、絶縁膜207よりも水分の透過率が低い絶縁膜211が形成されているので、吸着された水分が製造工程中に上方へと拡散するのを抑えることができる。そのため、本変形例に係る半導体装置では、図2(e)に示す半導体装置に比べて、水分が上層配線の形成工程や上層配線の品質に与える影響が低減されており、信頼性がより向上するとともに、配線の特性バラツキも小さくなっている。
【0081】
−本発明の実施形態の第2の変形例−
図6(a)〜(e)、図7(a)〜(d)、及び図8(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の第2の変形例について、製造方法を示す断面図である。以下、これらの図を用いて本変形例に係る半導体装置及びその製造方法について説明する。
【0082】
まず、図6(a)に示すように、半導体能動素子が形成された半導体基板(図示せず)上に、低誘電率膜301を形成する。ここで、低誘電率膜301は、FSG、SiOCH、ポーラスSiOCH、または有機ポリマー等で構成されていればよいが、比誘電率kが2.5以下のポーラスSiOCH等のELK材料などのlow−k材料で構成されていれば特に好ましい。例えば、低誘電率膜301は、比誘電率kが2.0以上且つ2.5以下のポーラスSiOCHを用いて、厚さ100nm程度に形成する。
【0083】
次に、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、低誘電率膜301内に、配線溝となる凹部を形成する。続いて、凹部の底面及び壁面を含む低誘電率膜301上にバリアメタル膜を堆積した後、当該凹部を埋め込むように、例えば銅からなる金属膜を堆積する。次いで、CMP法により、バリアメタル膜及び金属膜のうち、低誘電率膜301の凹部からはみ出している各部分を研磨、除去することにより、凹部の内面を覆う第1のバリアメタル膜102と、凹部に埋め込まれた金属膜103とを有する第1の配線120を形成する。なお、第1のバリアメタル膜102は、Ta膜、TaN膜、またはこれらの積層膜であるのが一般的である。
【0084】
次に、図6(b)に示すように、低誘電率膜301及び第1の配線120 の上に、銅の拡散を防止することを目的として、SiN、SiCN、SiCO、SiC等からなるライナー絶縁膜104を形成する。ここで、銅の拡散を防止しつつ、配線間誘電率の増加を抑えるという観点から、ライナー絶縁膜104の膜厚は、20nm以上で且つ60nm以下とすることが望ましい。例えば、ライナー絶縁膜104をSiCで構成する場合、膜厚を20nm程度にする。
【0085】
次に、図6(c)に示すように、リソグラフィー法を用いて、ライナー絶縁膜104の上に、配線間ギャップを形成することを目的として、レジストパターン105を形成する。レジストパターン105は、低誘電率膜301における所望の第1の配線120間に存在する部分を除去するための開口パターンを有している。
【0086】
開口パターンの径または幅r1は、互いに隣接する第1の配線120の間隔より若干大きくても小さくてもよいが、第1の配線120の間隔と等しければより好ましい。図3(c)に示す例では、開口パターンは第1の配線120の配線間スペースとほぼ一致しており、開口径(開口幅)r1は例えば50nm程度とする。
【0087】
次に、図6(d)に示すように、レジストパターン105に対して水溶性微細パターン形成材料を塗布し、加熱により架橋膜を形成する。その後、水溶性微細パターン形成材料の非架橋部分を取り除くための現像処理を行うことにより、レジストパターン105の開口寸法をシュリンクさせる。
【0088】
ここでは、低誘電率膜301における所望の第1の配線120間に存在する部分とレジストパターン105とがオーバーラップする領域の配線幅方向の幅r2が、第1の配線120の配線同士の間隔の約1/3となるように、レジストパターン105の開口パターンの寸法をシュリンクさせる。これにより、レジストパターン105aを形成する。
【0089】
このようにすると、第1の配線120の配線間隔が設計上の最小値であるとした場合に、レジストパターン105aの開口パターンの径または幅を、リソグラフィー法の最小解像度にて形成された第1の配線120の配線間隔以下にすることができる。
【0090】
これにより、レジストパターン105aと第1の配線120とのアライメントがずれた場合であっても、その後の工程において第1の配線120の露出を防止することが可能となる。このため、第1の配線120の形成不良や接続不良などの発生を抑えることができ、半導体装置の歩留まりを向上させ、第1の配線120の信頼性を向上させることができる。
【0091】
次に、図6(e)に示すように、レジストパターン105a及びライナー絶縁膜104をマスクとして用いる異方性エッチングによってライナー絶縁膜104の露出部分を半導体基板の主面に対して垂直方向に除去して、低誘電率膜301を露出させる。さらに、低誘電率膜301の露出部分を、配線103の高さと同等程度の深さまでエッチングし、第1の配線120の底面と同等の深さに達する溝を形成する。
【0092】
本工程での異方性エッチングでは、例えば2周波印加方式の平行平板エッチング装置を用い、エッチングガスとしてはCF4及びN2を用いる。CF4の流量は、例えば100〜200mL/minとし、N2の流量は、例えば20〜80mL/minとする。エッチング雰囲気の圧力は、例えば3〜8Paとし、エッチング装置のRFパワーは、上部電極への印加電力を300〜600W、下部電極への印加電力を50〜200Wとする。基板温度は、例えば0〜20℃に設定する。
【0093】
次に、図7(a)に示すように、O2プラズマ等を用いたアッシングにより低誘電率膜301の露出部分である溝の内面部を変質させ、変質層301aを形成する。ここで、変質層301aではポーラスSiOCHからSiO2へと組成が変化している。
【0094】
このアッシングでは、容量結合方式のアッシング装置を用い、アッシングガスとしてO2を用いる。O2の流量は200〜300mL/minとする。また、エッチング雰囲気の圧力は20〜30Pa、アッシング装置のRFパワーを300〜500Wとし、基板温度を20〜40℃に設定する。
【0095】
次に、図7(b)に示すように、変質層301aをフッ化水素酸(HF)などを用いた薬液処理によって溶解・除去することにより、互いに隣接する第1の配線120の間に配線間ギャップ306を形成する。
【0096】
ポーラスSiOCHで構成された低誘電率膜301、及びSiCで構成されたライナー絶縁膜104は疎水性であるのでHFを含む薬液に可溶ではないが、SiO2に変質した変質層301aはHFを含む薬液に可溶となる。このため、本工程では、低誘電率膜301及びライナー絶縁膜104に対し、変質層301aをより選択的に除去できる。従って、変質層301aの厚さを制御することで、配線間ギャップ306を所望の寸法に高精度に加工することができる。このとき、配線間ギャップ306の底部におけるほれ込み306aの底面形状は平坦となっており、図2(a)、図4(a)に示す例とは異なっている。
【0097】
なお、本工程では、配線間ギャップ306と第1の配線120との間に薄く低誘電率膜301を残しているが、これはHFによって第1の配線120が腐食するおそれがあるので、第1の配線120を露出させないためである。
【0098】
次に、図7(c)に示すように、低誘電率膜301、ライナー絶縁膜104、及び配線間ギャップ306の上に、公知の方法で絶縁膜311を形成する。これにより、隣接する第1の配線120間に位置する配線間ギャップ306の上部が絶縁膜311によって閉じられ、エアギャップ308が形成される。この際、エアギャップ308の底面上には低誘電率膜311の構成材料が若干堆積される。
【0099】
ここで、絶縁膜311の構成材料としては、SiO2、SiCN、SiCOまたはSiCを用いるとよい。これらの膜は水分の透過を防止するので、本変形例に係る方法では、第1の変形例に係る方法と同様に、低誘電率膜301のエアギャップ308内面部に吸着された水分が、以降の製造プロセスに与える影響を低減可能となっている。
【0100】
ここで、絶縁膜311は15nm以上で且つ40nm以下とするのが好ましい。ただし、配線間誘電率を低くしつつ、銅の拡散と、水分の透過とを抑制するために、絶縁膜311は単層構造であってもよいし、二層以上の膜の積層構造であってもよい。例えば、絶縁膜311は、SiCOを用いて、厚さ20nm程度に形成する。
【0101】
また、上記SiCOの成膜の際には、例えばプラズマCVD方式の成膜装置を用い、成膜ガスにテトラメチルシラン、CO2、及びHeを用いる。テトラメチルシランの流量は例えば400mL/min、CO2の流量は例えば2800mL/min、Heの流量は例えば3000mL/minとし、成膜雰囲気の圧力は500Paとする。RFパワーについては、上部電極への印加電力を800W、下部電極への印加電力を200Wとし、成膜温度を例えば370℃に設定する。
【0102】
なお、絶縁膜311はライナー絶縁膜104の開口部を塞いでおり、絶縁膜311の上面におけるエアギャップ208の上方に位置する部分には、段差311aが形成される。
【0103】
次に、図7(d)に示すように、絶縁膜311上に低誘電率膜307を堆積する。ここで、低誘電率膜307としては、比誘電率kが2.0以上2.5以下のポーラスSiOCH膜またはELK膜を用いるとよい。また、低誘電率膜307のうち段差311a上に形成された部分の上面には段差307aが形成される。例えば、低誘電率膜307は、比誘電率kが2.0以上2.5以下のポーラスSiOCHで構成され、厚さ180nm程度に形成される。
【0104】
次に、図8(a)に示すように、CMP法により、段差307aが形成された低誘電率膜307の上面を平坦化する。
【0105】
次に、図8(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、低誘電率膜307中に、第1の配線120を露出させる接続孔307bを形成するとともに、配線溝307cを形成する。なお、接続孔307b及び配線溝307cの形成は、例えばデュアルダマシン法を用いて行う。
【0106】
次に、図8(c)に示すように、接続孔307b及び配線溝307cの内面上、及び低誘電率膜307の上面上にバリアメタル膜を堆積した後に、接続孔307b及び配線溝307cを埋め込むように、例えば銅または銅合金からなる金属膜を堆積する。続いて、CMP法により、バリアメタル膜及び金属膜における配線溝307cからはみ出している部分を研磨、除去することにより、第1の配線120に接続されたビア309と、第2の配線310とを形成する。
【0107】
以上の方法により作製される半導体装置は、図8(c)に示すように、トランジスタ等の能動素子が設けられた半導体基板上に形成された低誘電率膜301と、低誘電率膜301の上部に埋め込まれた複数の第1の配線120と、第1の配線120上及び低誘電率膜301上に形成されたライナー絶縁膜104と、ライナー絶縁膜104上に形成された絶縁膜311と、絶縁膜311上に形成された低誘電率膜307と、低誘電率膜307の上部に埋め込まれた複数の第2の配線310と、ライナー絶縁膜104及び絶縁膜311を貫通し、第1の配線120と第2の配線310とを接続するビア309とを備えている。絶縁膜311は、低誘電率膜307よりも水分透過率が低くなっている。
【0108】
低誘電率膜301における、互いに隣接する第1の配線120間であってライナー絶縁膜104の開口部下の領域には配線間ギャップ306が形成されている。配線間ギャップ306は、上部が絶縁膜311によって塞がれたエアギャップ308を構成する。エアギャップ308の底面が略平坦になっている点が、本変形例に係る半導体装置と図2(e)及び図5(c)に示す半導体装置との相違点である。エアギャップ308の底面位置は任意であってよく、第1の配線120の底面位置より下方であってもよい。なお、第1の配線120の配線幅方向におけるエアギャップ308の径または幅は、ライナー絶縁膜104の開口部の径または幅よりも大きくなっている。
【0109】
以上のように、本変形例に係る半導体装置では、互いに隣接する第1の配線120の間の領域の一部にエアギャップ308が形成されているので、第1の配線120間に生じる線間容量が大きく低減されている。また、上層配線である第2の配線310が形成された層間絶縁膜の少なくとも一部がポーラスSiOCH膜などの低誘電率材料で構成されているので、第1の配線120と第2の配線310との間に生じる層間容量も大きく低減されている。このため、第2の配線310の構成材料として、例えばポーラスSiOCHを用いた場合、配線間に設けられた絶縁膜の実効的な比誘電率を従来の半導体装置におけるよりも低い1.7程度まで下げることが可能となる。
【0110】
さらに、第1の配線120及び低誘電率膜301上で且つ第2の配線310が形成された低誘電率膜307の下に、水分を透過しにくい絶縁膜311が形成されているので、吸着された水分が製造工程中に上方へと拡散するのを抑えることができる。そのため、本変形例に係る半導体装置では、図2(e)に示す半導体装置に比べて、水分が上層配線の形成工程や上層配線の品質に与える影響が低減されており、信頼性がより向上している。
【0111】
なお、以上で説明した実施形態及びその変形例に係る半導体装置及びその製造方法について、各部材のサイズや形状、構成材料、各工程の条件などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0112】
例えば、本発明の実施形態及びその変形例に係る製造方法において、レジストパターン105に対して水溶性微細パターン形成材料の塗布、架橋及び除去を行うことで、レジストパターン105の開口パターンの寸法をシュリンクさせたが、所望の開口寸法をレジストパターン105のみで形成可能であれば、水溶性微細パターン形成材料を用いなくても構わない。
【0113】
また、第2の変形例に係る方法では絶縁膜311を設ける工程(図7(c))を含んでいるが、必要に応じてこの工程を省略することもできる。この場合、底面が略平坦なエアギャップ308が形成され、絶縁膜311が形成されない半導体装置が作製される。
【0114】
また、本発明の実施形態及びその変形例に係る製造方法において、それぞれ絶縁膜101、低誘電率膜301にエアギャップを形成したが、これに加えて第2の配線110、210、または310が形成された低誘電率膜にもエアギャップを形成しても構わない。
【0115】
また、半導体装置が三層以上の配線層を有している場合にも、エアギャップと低誘電率膜からなる層間絶縁膜とを組み合わせた上述の構成は有効である。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、配線間にエアギャップが形成された半導体装置及びその製造方法にとって有用である。
【符号の説明】
【0117】
101、107、207、211、311 絶縁膜
102 第1のバリアメタル膜
103 金属膜
104 ライナー絶縁膜
105、105a レジストパターン
106、306 配線間ギャップ
106a、306a ほれ込み
107a、207a、211a、307a、311a 段差
107b、207b、307b 接続孔
107c、207c、307c 配線溝
108、208、308 エアギャップ
109、209、309 ビア
110、210、310 第2の配線
120 第1の配線
301、307 低誘電率膜
301a 変質層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上部に埋め込まれた複数の第1の配線と、
前記第1の絶縁膜上及び前記複数の第1の配線上に形成され、前記複数の第1の配線のうち、互いに隣接する第1の配線間の領域上に開口部を有するライナー絶縁膜と、
前記ライナー絶縁膜上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜の上部に埋め込まれた複数の第2の配線とを備え、
前記第1の絶縁膜における、互いに隣接する前記第1の配線の間であって、平面的に見て少なくとも前記開口部と重なる部分には、上部が絶縁膜によって塞がれたエアギャップが形成されており、
前記第2の絶縁膜は、比誘電率が2.5以下の低誘電率膜である半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ライナー絶縁膜と前記第2の絶縁膜との間に形成され、前記第2の絶縁膜よりも水分の透過率が低い第3の絶縁膜をさらに備えており、
前記エアギャップの上部を塞ぐ絶縁膜は、前記第3の絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記第3の絶縁膜は、SiO2、SiN、SiCN、SiCOまたはSiCで構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記第2の絶縁膜は、ELK材料で構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第2の絶縁膜は前記ライナー絶縁膜の直上に形成されており、
前記エアギャップの上部を塞ぐ絶縁膜は、前記第2の絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記第1の絶縁膜は、FSG 、SiOCH 、ポーラスSiOCH、または有機ポリマー材料で構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置において、
前記エアギャップの底面は略平坦であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記エアギャップの底面は下に凸で且つ丸められた形状をしていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記複数の第1の配線及び前記複数の第2の配線は、共に銅を主成分とする金属で構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
前記複数の第1の配線の配線幅方向における前記エアギャップの径または幅は、前記開口部の径または幅よりも大きくなっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
基板上に形成された第1の絶縁膜の上部に複数の配線溝を形成する工程(a)と、
前記複数の配線溝内にそれぞれ埋め込まれた複数の第1の配線を形成する工程(b)と、
前記複数の第1の配線のうち互いに隣接する第1の配線間の領域上に形成された開口部を有するライナー絶縁膜を、前記複数の第1の配線上及び前記第1の絶縁膜上に形成する工程(c)と、
前記工程(c)の後に、前記開口部を介して、前記第1の絶縁膜における前記第1の配線間に位置する部分の一部を除去し、配線間ギャップを形成する工程(d)と、
前記ライナー絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成することにより、前記配線間ギャップの上部が塞がれてなるエアギャップを形成する工程(e)と、
前記第2の絶縁膜上に、低誘電体材料からなり、前記第2の絶縁膜よりも水分透過率が高く、比誘電率が2.5以下の第3の絶縁膜を形成する工程(f)と、
前記第3の絶縁膜の上部に埋め込まれた第2の配線を形成する工程(g)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d)は、
前記開口部を介して前記第1の絶縁膜の異方性エッチングを行い、前記第1の絶縁膜における前記第1の配線間に位置する部分に溝を形成する工程(d1)と、
前記第1の絶縁膜における前記溝の内面部を変質させて変質層を形成する工程(d2)と、
前記開口部を介して前記変質層を除去することで、前記配線間ギャップを形成する工程(d3)とを含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d2)では、酸素プラズマを用いたアッシングにより前記変質層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d3)では、HFを含む薬液を用いて前記変質層を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d)では、前記開口部を介して前記第1の絶縁膜の等方性エッチングを行うことにより、前記配線間ギャップを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
基板上に形成された第1の絶縁膜の上部に複数の配線溝を形成する工程(a)と、
前記複数の第1の配線溝内にそれぞれ埋め込まれた複数の第1の配線を形成する工程(b)と、
前記複数の第1の配線のうち互いに隣接する第1の配線間の領域上に形成された開口部を有するライナー絶縁膜を、前記複数の配線上及び前記第1の絶縁膜上に形成する工程(c)と、
前記工程(c)の後に、前記開口部を介して、前記第1の絶縁膜における前記第1の配線間に位置する部分の一部を除去し、配線間ギャップを形成する工程(d)と、
前記ライナー絶縁膜上に低誘電体材料からなり、比誘電率が2.5以下の第2の絶縁膜を形成することによって、前記配線間ギャップの上方が塞がれてなるエアギャップを形成する工程(e)と、
前記第2の絶縁膜の上部に埋め込まれた複数の第2の配線を形成する工程(f)とを備えている半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−134422(P2012−134422A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287354(P2010−287354)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】