説明

半導体装置

【課題】封止層中のボイドの形成を防止できる半導体装置を提供する。
【解決手段】この半導体装置1は、配線基板2と、この配線基板2の表面2aに機能面3aを対向させて接続された半導体チップ3とを含んでいる。配線基板2の表面2aには、矩形状の接続パッドが形成されており、配線基板2と半導体チップ3とは、接続パッドに接続された接続部材5によって、所定間隔を保つように接合され、かつ互いに電気的に接続されている。配線基板2の表面2aには、ソルダレジスト膜6が形成されている。ソルダレジスト膜6には、表面2aを垂直に見下ろす平面視において、半導体チップ3よりも大きなサイズ、すなわち、その内部に半導体チップ3が完全に含まれるように形成された開口6aが設けられている。配線基板2の表面2aに設けられ接続部材5に接続された配線により形成された段差を除き、開口6a内には段差が形成されていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フリップチップ接続された半導体チップを有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の小型化および高密度実装のために、半導体チップの機能素子が形成された機能面を固体装置に対向させて、半導体チップを固体装置に接続するフリップチップ接続構造が注目されている。
図4は、フリップチップ接続構造の半導体装置の図解的な断面図である。この半導体装置51は、配線基板52と、この配線基板52の表面52aに機能面53aを対向させて接続された半導体チップ53とを含んでいる。
【0003】
配線基板52の表面52aには、矩形状の接続パッド58が形成されており、配線基板52と半導体チップ53とは、その接続パッド58に接続された接続部材55によって、所定間隔を保つように接合され、かつ互いに電気的に接続されている。また、配線基板52の表面52aには、その表面52aと半導体チップ53の機能面53aとの間隔より小さい厚みを有するソルダレジスト膜56が形成されている。
【0004】
ソルダレジスト膜56には、接続パッド58を露出させるための矩形状の開口56aが形成されている。この開口56aは、図5に示すように、平面視で接続パッド58よりも大きく形成されており、この開口56a内において、接続パッド58に接続部材55が接続されている。
また、ソルダレジスト膜56の表面と半導体チップ53の機能面53aとの間には、微小な隙間が形成されており、この隙間は、アンダーフィル層57によって封止されている。このアンダーフィル層57は、配線基板52と半導体チップ53との接合後に、それらの間に液状のアンダーフィル材を注入することによって形成される。
【0005】
具体的には、配線基板52と半導体チップ53との接合後、図6Aに示すように、半導体チップ53の外周部の近傍に、ディスペンサ60が配置されて、このディスペンサ60からソルダレジスト膜56の表面と半導体チップ53の機能面53aとの間に液状のアンダーフィル材が流し込まれる。アンダーフィル材は、毛細管現象によって、図6Bに示すように、ソルダレジスト膜56の表面と半導体チップ53の機能面53aとの間に進入して広がっていく。そして、ソルダレジスト膜56の表面と半導体チップ53の機能面53aとの間の全域がアンダーフィル材で埋められると、ディスペンサ60からのアンダーフィル材の吐出が停止され、その後、アンダーフィル材が硬化されることによって、アンダーフィル層57が得られる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Chee Choong Kooi、他6名、"Capillary Underfill and Mold Encapsulation Materials for Exposed Die Flip Chip Molded Matrix Array Package with Thin Substrate"、2003 Electronics Packaging Technology Conference、p.324-330
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、開口56a内と開口56a外との間に段差が生じ、また、開口56aの上方が半導体チップ53で制限されているため、アンダーフィル材が開口56a内に流れ込むときに、その開口56aの周縁部(段差部分)に存在している空気が上手く抜けずに、アンダーフィル材に取り込まれて、アンダーフィル層57に、いわゆるボイド61を生じることがあった。たとえば、アンダーフィル層57にボイドが生じていると、リフロー工程で、アンダーフィル層57にクラックが発生し、半導体装置の信頼性の低下を招く。
【0008】
そこで、この発明の目的は、封止層中のボイドの形成を防止できる構成の半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、表面(2a,22a)と、この表面とは反対側の外部接続面(2b,22b)とを有する固体装置(2,22)と、活性面(3a)を有する半導体チップ(3)と、上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面との間に設けられ、上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面と間に渡って延び、均一な幅を有する接続部材(5,16)と、上記固体装置の上記表面に設けられ、平面視において、上記半導体チップよりも大きなサイズに形成された開口(6a)を有する絶縁膜(6)と、上記開口、および上記固体装置と上記半導体チップとの間を完全に封止する封止層(7)とを含むことを特徴とする半導体装置(1,21)である。
【0010】
請求項2記載の発明は、表面(2a,22a)と、この表面とは反対側の外部接続面(2b,22b)とを有する固体装置(2)と、活性面(3a)を有する半導体チップ(3)と、上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面との間に設けられ、均一な幅を有する接続部材(5,16)と、上記固体装置の上記表面に設けられ、平面視において、上記半導体チップよりも大きなサイズに形成された開口(6a)を有する絶縁膜(6)と、上記開口、および上記固体装置と上記半導体チップとの間を完全に封止する封止層(7)とを含み、上記固体装置の上記表面に設けられ上記接続部材に接続された配線により形成された段差を除き、上記絶縁膜の上記開口内には段差が形成されていないことを特徴とする半導体装置(1,21)である。
【0011】
請求項3記載の発明は、表面(2a,22a)と、この表面とは反対側の外部接続面(2b,22b)とを有する固体装置(2)と、活性面(3a)を有する半導体チップ(3)と、上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面との間に設けられ、均一な幅を有する接続部材(5,16)と、上記固体装置の上記表面に設けられ、平面視において、上記半導体チップよりも大きなサイズに形成された開口(6a)を有する絶縁膜(6)と、上記開口、および上記固体装置と上記半導体チップとの間を完全に封止する封止層(7)とを含み、上記絶縁膜の上記開口内には段差が形成されていないことを特徴とする半導体装置(21)である。
【0012】
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、絶縁膜の開口は、固体装置の半導体チップとの対向面を垂直に見下ろす平面視において、半導体チップよりも大きなサイズに形成されている。たとえば、請求項17に記載のように、絶縁膜の開口は、固体装置の対向面を垂直に見下ろす平面視において、その中に半導体チップが完全に含まれるように形成されているものとすることができる。これにより、固体装置と半導体チップとの隙間に、絶縁膜の開口による段差が生じることを防止できるとともに、その開口周縁部の上方のスペースが半導体チップによって制限されることを防止できる。
【0013】
そのため、この半導体装置の製造工程において、絶縁膜の形成および固体装置と半導体チップとの接合の後、封止層を形成するために、液状の封止樹脂材を固体装置と半導体チップとの隙間に充填する際、液状の封止樹脂材に空気が取り込まれることによるボイドの形成を防止することができる。その結果、この半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0014】
固体装置の半導体チップとの対向面を垂直に見下ろす平面視において、半導体チップの外周と絶縁膜の開口縁部との間隔は、請求項18に記載のように、0.1mm以上であることが好ましい。
固体装置は、絶縁基板に配線が形成されてなる配線基板であってもよく、半導体基板であってもよい。
【0015】
絶縁膜は、請求項15に記載のように、ソルダレジストであってもよい。この場合、ソルダレジストで覆われた領域における電気的短絡(ショート)を防止することができる。
上記封止層は、上記開口内を埋めつくすように設けられていてもよい。これにより、固体装置において、絶縁膜の開口からの露出部を封止層により保護することができる。
請求項4記載のように、上記固体装置の端面には、配線により上記接続部材と電気的に接続された端面電極が形成されていてもよい。この場合、請求項5記載のように、上記端面電極は、上記固体装置の上記表面から上記端面を経て上記外部接続面に至るように形成されていてもよく、請求項6記載のように、当該半導体装置は、上記端面電極において、他の配線基板との電気的接続を達成できるものであってもよい。
【0016】
請求項7記載のように、上記固体装置において上記半導体チップとは反対側の面である外部接続面に、金属ボールが設けられており、上記金属ボールは、上記固体装置の内部で再配線されて、上記固体装置の上記表面側の上記接続部材に電気的に接続されていてもよい。請求項8記載のように、上記外部接続面に、金属ボールが設けられており、上記金属ボールは、上記固体装置の内部で再配線されて、上記固体装置の上記表面側の上記接続部材に電気的に接続されていてもよい。
【0017】
請求項9記載のように、上記固体装置の上記表面において、上記絶縁膜の上記開口内には、上記固体装置の上記表面に形成された接続パッドを除いて、配線が形成されていなくてもよい。
請求項10記載のように、当該半導体装置は、上記金属ボールを介して、他の配線基板との電気的接続を達成できるものであってもよい。
【0018】
請求項11記載のように、上記固体装置の上記表面には、接続パッドが設けられていてもよく、この場合、請求項12記載のように、上記接続部材は、上記接続パッドを含んでもよく、この場合、請求項13記載のように、上記固体装置と上記半導体チップとは、上記接続パッドを含む上記接続部材により、所定間隔を保つように接合されていてもよい。
請求項14記載のように、上記固体装置と上記半導体チップとは、電気的に接続されていてもよい。
【0019】
請求項19記載のように、上記封止層によって、上記活性面、上記接続部材、および上記絶縁膜の上記開口からの上記固体装置の上記表面の露出部が保護されていてもよい。
請求項20記載のように、上記固体装置に、2つ以上の上記半導体チップが、フリップチップ接続されていてもよく、この場合、請求項21記載のように、上記絶縁膜には、2つ以上の上記開口が形成されており、平面視において、各開口には、上記半導体チップが完全に含まれていてもよい。
【0020】
請求項16記載のように、上記絶縁膜は、上記固体装置の上記表面と、上記半導体チップとの間隔よりも小さい厚みを有してもよい。
請求項22記載のように、上記半導体チップは、1つの面のみに上記活性面を有してもよい。請求項23記載のように、上記活性面は、上記半導体チップの1つの面の全面には形成されていなくてもよい。
【0021】
請求項24記載のように、上記封止層は、上記絶縁膜上を覆っていなくてもよい。請求項25記載のように、上記封止層は、上記半導体チップの側面の一部を覆っていてもよい。請求項26記載のように、上記封止層は、上記半導体チップにおいて上記活性面と反対側の上面には達していなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の図解的な断面図である。
【図2A】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための図解的な断面図である。
【図2B】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための図解的な断面図である。
【図2C】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための図解的な断面図である。
【図2D】図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための図解的な断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の図解的な断面図である。
【図4】フリップチップ接続された半導体チップを有する従来の半導体装置の構造を示す図解的な断面図である。
【図5】図4に示す配線基板の接続面を垂直に見下ろす図解的な平面図である。
【図6A】図4に示す半導体装置の製造方法を説明するための図解的な断面図である。
【図6B】図4に示す半導体装置の製造方法を説明するための図解的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、この発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の図解的な断面図である。
この半導体装置1は、配線基板2と、この配線基板2の表面2aに機能面(活性面)3aを対向させて接続された半導体チップ3とを含んでいる。配線基板2の表面2aには、矩形状の接続パッド(図2Cおよび図2D参照)が形成されており、配線基板2と半導体チップ3とは、その接続パッドに接続された接続部材5によって、所定間隔を保つように接合され、かつ互いに電気的に接続されている。
【0024】
配線基板2の表面2aには、その表面2aと半導体チップ3との間隔より小さい厚みを有するソルダレジスト膜6が形成されている。このソルダレジスト膜6により、配線基板2の表面に形成されている配線間での電気的短絡が防止されている。ソルダレジスト膜6には、表面2aを垂直に見下ろす平面視において、半導体チップ3よりも大きなサイズを有する開口6aが形成されている。言い換えれば、ソルダレジスト膜6には、表面2aを垂直に見下ろす平面視において、その内部に半導体チップ3が完全に含まれるようなサイズの開口6aが形成されている。これにより、配線基板2と半導体チップ3との隙間G(配線基板2と半導体チップ3との間であって、表面2aを垂直に見下ろす平面視において、半導体チップ3と重なる領域)には、ソルダレジスト膜6が存在していない。
【0025】
表面2aを垂直に見下ろす平面視において、半導体チップ3の外周とソルダレジスト膜6の開口6aの縁部との間隔Dは、0.1mm以上にされている。
配線基板2と半導体チップ3との隙間Gおよびその周辺には、アンダーフィル層7が設けられている。アンダーフィル層7は、ソルダレジスト膜6の開口6aを埋めつくすように形成されており、アンダーフィル層7によって、隙間Gが封止されるとともに、機能面3a、接続部材5、および開口6aからの表面2aの露出部が保護されている。
【0026】
配線基板2の端部には、図示しない配線により接続部材5と電気的に接続された端面電極8が形成されている。端面電極8は、配線基板2の表面2aから端面を経て、表面2aの反対側の外部接続面2bに至るように形成されている。この半導体装置1は、端面電極8において、他の配線基板(実装基板)との電気的接続を達成することができる。
図2Aないし図2Dは、図1に示す半導体装置1の製造方法を説明するための図解的な断面図である。半導体装置1は、配線基板2の表面2aに対して、半導体チップ3を、その機能面3aを対向させて接合した後、ソルダレジスト膜6の開口6a内にアンダーフィル材7Pを注入し、そのアンダーフィル材7Pを硬化させてアンダーフィル層7を形成することによって得られる。
【0027】
具体的には、先ず、複数の配線基板2が作り込まれた基板15が用意される。
次に、この基板15の表面15a(配線基板2の表面2aに対応する面)の全面に液状で感光性を有するソルダレジスト膜6が塗布(たとえば、スピンコートによる)または印刷された後、露光および現像により、半導体チップ3よりも大きなサイズを有する開口6aが形成される。
【0028】
次に、機能素子4の電極に接続された突起電極(バンプ)18を有する半導体チップ3が用意される。突起電極18は、はんだ材料を含む。
続いて、基板15が、表面15aを上に向けられ、ほぼ水平な姿勢で保持される。そして、内部にヒータを備えて加熱することが可能なボンディングツール19により、半導体チップ3が、その機能面3aと反対側の面を吸着されて保持される。半導体チップ3は、機能面3aが下方に向けられて基板15の表面15aに対向される。この状態が、図2Aに示されている。
【0029】
続いて、半導体チップ3の突起電極18が基板15の接続パッド16に当接するように位置合わせされた後、ボンディングツール19が下降されて、半導体チップ3が基板15に接合される。この際、ボンディングツール19により、半導体チップ3が加熱され、その熱により突起電極18のはんだ材料が溶融されて、突起電極18と接続パッド16とが接合される。これにより、基板15と半導体チップ3とを機械的に接合する接続部材5が形成される。接続部材5により、基板15の表面15aに形成された配線と、半導体チップ3の機能素子4とが電気的に接続される。
【0030】
続いて、ソルダレジスト膜6の開口6aの周縁部上方に、ディスペンサ10が配置されて、そのディスペンサ10から開口6a内にアンダーフィル材7Pが注入される(図2B参照)。
アンダーフィル材7Pは、毛細管現象により、基板15と半導体チップ3との隙間Gに進入していき、この隙間G内を表面2aに沿って広がっていく(図2C参照。アンダーフィル材7Pが広がる方向を、図2Cに矢印Aで示す。)。そして、ディスペンサ10から適当な量のアンダーフィル材7Pが吐出され、隙間Gおよびソルダレジスト膜6の開口6aの内部がアンダーフィル材7Pで埋められると、アンダーフィル材7Pの吐出は停止される。その後、アンダーフィル材7Pを硬化させるための処理が行われて、開口6a内にアンダーフィル層7が形成される。
【0031】
その後、基板15が配線基板2の個片に切断され(切断位置を、図2Aに符号Cで示す。)、配線基板2の端部に端面電極8が形成されて、図1に示す半導体装置1が得られる。
以上のように、ソルダレジスト膜6の開口6aは、表面15aを垂直に見下ろす平面視において、その中に半導体チップ3が完全に含まれるように形成される。これにより、基板15と半導体チップ3との隙間Gに、ソルダレジスト膜6の開口6aによる段差が生じることを防止できるとともに、その開口6a周縁部の上方のスペースが半導体チップ3によって制限されることを防止できる。
【0032】
このため、液状のアンダーフィル材7Pを基板15と半導体チップ3との隙間Gに充填する際、アンダーフィル材7Pに空気が取り込まれることによるボイドの形成を防止することができる。その結果、得られたこの半導体装置1の信頼性を向上させることができる。
アンダーフィル層7にボイドが含まれていないことにより、この半導体装置1を、たとえば、リフローにより他の配線基板に接合してもボイドに起因するクラックは生じない。
【0033】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の図解的な断面図である。図3において、図1に示す各部に対応する部分には、図1と同じ参照符号を付している。
この半導体装置21は、配線基板22と、この配線基板22の表面22aに機能面3aを対向させて接続された半導体チップ3とを含んでいる。
配線基板22の表面22aには、ソルダレジスト膜6が形成されている。ソルダレジスト膜6には、表面22aを垂直に見下ろす平面視において、半導体チップ3よりも大きなサイズの、すなわち、その内部に半導体チップ3が完全に含まれるように形成された開口6aが設けられている。
【0034】
配線基板22において、表面22aと反対側の外部接続面22bには、金属ボール23が設けられている。金属ボール23は、配線基板22の内部および/または表面で再配線されて、表面22a側の接続部材5に電気的に接続されている。この半導体装置21は、金属ボール23を介して、他の配線基板(実装基板)に接合できる。
この半導体装置21を製造する場合は、基板15の代わりに、複数の配線基板22に相当する領域が密に形成された基板を用いて、上記と同様の製造方法(図2Aないし図2D参照)を実施すればよい。金属ボール23は、基板を配線基板22の個片に切り出す前に、この基板に接合されてもよく、配線基板22の個片が切り出された後に、この配線基板22に接合されてもよい。
【0035】
本発明の実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は、別の形態でも実施できる。たとえば、配線基板2,22には、2つ以上の半導体チップ3がフリップチップ接続されていてもよい。この場合、ソルダレジスト膜6には、表面2a,22aを垂直に見下ろす平面視において、各半導体チップ3を完全に含む1つまたは2つ以上の開口6aが形成されているものとすることができる。
【0036】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1,21 半導体装置
2,22 配線基板
2a,22a 表面
3 半導体チップ
3a 機能面
4 機能素子
6 ソルダレジスト膜
6a ソルダレジスト膜の開口
7 封止樹脂
G 配線基板と半導体チップとの隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と、この表面とは反対側の外部接続面とを有する固体装置と、
活性面を有する半導体チップと、
上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面との間に設けられ、上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面と間に渡って延び、均一な幅を有する接続部材と、
上記固体装置の上記表面に設けられ、平面視において、上記半導体チップよりも大きなサイズに形成された開口を有する絶縁膜と、
上記開口、および上記固体装置と上記半導体チップとの間を完全に封止する封止層とを含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
表面と、この表面とは反対側の外部接続面とを有する固体装置と、
活性面を有する半導体チップと、
上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面との間に設けられ、均一な幅を有する接続部材と、
上記固体装置の上記表面に設けられ、平面視において、上記半導体チップよりも大きなサイズに形成された開口を有する絶縁膜と、
上記開口、および上記固体装置と上記半導体チップとの間を完全に封止する封止層とを含み、
上記固体装置の上記表面に設けられ上記接続部材に接続された配線により形成された段差を除き、上記絶縁膜の上記開口内には段差が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
表面と、この表面とは反対側の外部接続面とを有する固体装置と、
活性面を有する半導体チップと、
上記固体装置の上記表面と上記半導体チップの上記活性面との間に設けられ、均一な幅を有する接続部材と、
上記固体装置の上記表面に設けられ、平面視において、上記半導体チップよりも大きなサイズに形成された開口を有する絶縁膜と、
上記開口、および上記固体装置と上記半導体チップとの間を完全に封止する封止層とを含み、
上記絶縁膜の上記開口内には段差が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
上記固体装置の端面には、配線により上記接続部材と電気的に接続された端面電極が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
上記端面電極は、上記固体装置の上記表面から上記端面を経て上記外部接続面に至るように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
当該半導体装置は、上記端面電極において、他の配線基板との電気的接続を達成できることを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置。
【請求項7】
上記外部接続面に、金属ボールが設けられており、
上記金属ボールは、上記固体装置の表面で再配線されて、上記固体装置の上記表面側の上記接続部材に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項8】
上記外部接続面に、金属ボールが設けられており、
上記金属ボールは、上記固体装置の内部で再配線されて、上記固体装置の上記表面側の上記接続部材に電気的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項9】
上記固体装置の上記表面において、上記絶縁膜の上記開口内には、上記固体装置の上記表面に形成された接続パッドを除いて、配線が形成されていないことを特徴とする請求項1,3または8に記載の半導体装置。
【請求項10】
当該半導体装置は、上記金属ボールを介して、他の配線基板との電気的接続を達成できることを特徴とする請求項7または8に記載の半導体装置。
【請求項11】
上記固体装置の上記表面には、接続パッドが設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
上記接続部材は、上記接続パッドを含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
上記固体装置と上記半導体チップとは、上記接続パッドを含む上記接続部材により、所定間隔を保つように接合されていることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
上記固体装置と上記半導体チップとは、電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
上記絶縁膜は、ソルダレジストであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
上記絶縁膜は、上記固体装置の上記表面と、上記半導体チップとの間隔よりも小さい厚みを有することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項17】
平面視において、上記半導体チップが、上記絶縁膜の上記開口内に、完全に含まれることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項18】
平面視において、上記半導体チップの外周と、上記絶縁膜の上記開口の縁部との間隔が、0.1mm以上であることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項19】
上記封止層によって、上記活性面、上記接続部材、および上記絶縁膜の上記開口からの上記固体装置の上記表面の露出部が保護されていることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項20】
上記固体装置に、2つ以上の上記半導体チップが、フリップチップ接続されていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項21】
上記絶縁膜には、2つ以上の上記開口が形成されており、
平面視において、各開口には、上記半導体チップが完全に含まれていることを特徴とする請求項20に記載の半導体装置。
【請求項22】
上記半導体チップは、1つの面のみに上記活性面を有することを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項23】
上記活性面は、上記半導体チップの1つの面の全面には形成されていないことを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項24】
上記封止層は、上記絶縁膜上を覆っていないことを特徴とする請求項1ないし23のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項25】
上記封止層は、上記半導体チップの側面の一部を覆っていることを特徴とする請求項1ないし24のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項26】
上記封止層は、上記半導体チップにおいて上記活性面と反対側の上面には達していないことを特徴とする請求項1ないし25のいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate


【公開番号】特開2010−278480(P2010−278480A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205952(P2010−205952)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【分割の表示】特願2004−282017(P2004−282017)の分割
【原出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】