説明

半導体集積回路装置

【課題】製造ばらつきによる出力電圧の精度劣化の補正のため、従来技術ではテストコストの増大や回路規模の増大化を招く問題が発生していた。
【解決手段】n(2以上の正の整数)桁のデジタル信号を電圧信号に変換するDAコンバータを有する半導体集積回路装置であって、それぞれが前記デジタル信号の各ビット桁に対応し、前記デジタル信号に応じて前記電圧信号を生成するn個の電圧生成素子を有し、前記n個の電圧生成素子のうちビット桁が最下位からk(k≦n)番目に対応する電圧生成素子の生成する電圧は、ビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個の電圧生成素子の生成する電圧に第1の所定の値を足した電圧よりも低くなることを特徴とする半導体集積回路装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器に使用される半導体LSIでは、製造プロセスの微細化、電源電圧の低電圧化が進むにつれ製造ばらつきの問題が顕在化している。例えば、その問題としてパス遅延のばらつき等がある。このパス遅延のばらつきは、電源電圧の制御で問題の発生を抑えることが可能である。但し、パス遅延のばらつきを可能な限り抑えようとすると、電源電圧の制御をできるだけ高精度、すなわちできるだけ細かいステップ幅で、制御する必要がある。
【0003】
また、上述した電源電圧の制御に使用可能な半導体集積回路装置(DAコンバータ)が特許文献1に開示されている。この特許文献1の技術は、デジタル信号のビット桁に対応して重み付けした複数の電流源を、それぞれスイッチで個別に制御し、抵抗Rに流し込む総電流Iを調整している。この総電流Iの調整により、アナログの出力電圧IRを制御している。
【0004】
但し、大きな電流を流す電流源、つまり上位ビットに対応する電流源の電流値が製造プロセスによりばらついた場合、上位ビットへの切り替わり時に出力電圧IRが大きく変化してしまう可能性がある。このため、上位ビットへの切り替わり時の出力電圧の電圧ステップ幅が大きくなり、半導体集積回路装置が出力可能な電圧範囲内であるにもかかわらず、出力不可能な電圧範囲が存在してしまう。
【0005】
これを防ぐために、特許文献1では、補正用の電流源(補正ビットに対応)を用意して対応している。具体的には、あらかじめ必要な補正量をテスト時に計測し、計測結果をメモリに保存しておく。そして、電流源の制御時に、上位ビットの切り替えに応じて、補正ビットを切り替え、半導体集積回路装置の出力電圧を高精度に制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−289450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献1では、出力電圧を高精度に制御可能であるが、必要な補正量をあらかじめ計測する必要があり、テスト工程の増加を招き、結果としてテストコストが増大する問題が発生する。更に、補正用のビットが追加されるため、電流補正用の電流源や計測結果を保持するメモリ等の回路が必要となり、回路規模の増大化を招く問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、n(2以上の正の整数)桁のデジタル信号を電圧信号に変換するDAコンバータを有する半導体集積回路装置であって、それぞれが前記デジタル信号の各ビット桁に対応し、前記デジタル信号に応じて前記電圧信号を生成するn個の電圧生成素子を有し、前記n個の電圧生成素子のうちビット桁が最下位からk(k≦n)番目に対応する電圧生成素子の生成する電圧は、ビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個の電圧生成素子の生成する電圧に第1の所定の値を足した電圧よりも低くなることを特徴とする半導体集積回路装置である。
【0009】
本発明にかかる半導体集積回路装置は、デジタル信号の各ビット桁に対応する電圧生成素子の生成する電圧が、当該半導体集積回路装置の製造プロセスによりばらついた場合であっても、デジタル信号に応じて半導体集積回路装置から出力される電圧信号に出力不可能な電圧範囲が発生することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる半導体集積回路装置は、出力電圧を精度よく制御しつつ、テスト工程の増加、及び、回路規模の増加を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1にかかる半導体集積回路装置が備えるDAコンバータ部の構成である。
【図2】実施の形態1にかかる半導体集積回路装置が備えるDAコンバータ部のより詳細な構成である。
【図3】製造ばらつきにより従来のDAコンバータ部に発生する問題を説明するグラフである。
【図4】実施の形態1にかかる半導体集積回路装置が備えるDAコンバータ部の出力電圧のグラフである。
【図5】実施の形態1にかかる半導体集積回路装置が備えるDAコンバータ部の出力電圧のグラフである。
【図6】実施の形態2にかかる半導体集積回路装置が備えるDAコンバータ部の構成である。
【図7】実施の形態3にかかる半導体集積回路装置の構成である。
【図8】実施の形態3にかかる半導体集積回路装置が備える電源電圧供給回路の構成である。
【図9】実施の形態4にかかる半導体集積回路装置の構成である。
【図10】実施の形態4にかかる半導体集積回路装置が備える制御回路の構成である。
【図11】実施の形態4にかかる半導体集積回路装置が備えるリファレンス電圧生成回路の構成である。
【図12】実施の形態4にかかるリファレンス電圧生成回路の出力電圧のグラフである。
【図13】実施の形態4にかかる制御回路が出力するデジタル信号の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<発明の実施の形態1>
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態1について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態1は、本発明を半導体集積回路装置のDAコンバータ部に適用したものである。なお、このDAコンバータ部は、後述する半導体集積回路装置のリファレンス電圧生成回路として用いられる。
【0014】
図1に本実施の形態にかかる半導体集積回路装置のDAコンバータ部100の構成の一例を示す。図1に示すように、DAコンバータ部100は、n個(nは2以上の整数)の電流源IDC1〜IDCnと、n個のスイッチ回路SW1〜SWnと、抵抗Rとを有する。
【0015】
スイッチ回路SW1〜SWnは、それぞれ電流源IDCn〜IDCnとノードN1との間に接続される。スイッチ回路SWn、・・・、SW2、SW1は、それぞれデジタル入力信号VIN1(Vn、・・・、V2、V1)に応じてオン状態、オフ状態が制御される。より詳細には、スイッチ回路SW1はデジタル入力信号V1が「1」の場合オン状態、「0」の場合オフ状態となる。スイッチ回路SW2も同様にデジタル入力信号V2が「1」の場合オン状態、「0」の場合オフ状態となる。以下スイッチ回路SWnまで同様に、デジタル入力信号Vnが「1」の場合オン状態、「0」の場合オフ状態となる。
【0016】
なお、デジタル入力信号VIN1(Vn、・・・、V2、V1)は、nビットのデジタル信号であり、最上位ビット(MSB)がVn、最下位ビット(LSB)がV1となる。
【0017】
電流源IDC1〜IDCnは、それぞれ電圧供給端子VHIGHとスイッチ回路SW1〜SWnに接続される。電流源IDC1〜IDCnは、それぞれスイッチ回路SW1〜SWnの方向に電流I1〜Inを出力する。電流源IDC1〜IDCnが出力する電流I1〜Inは、それぞれデジタル入力信号V1〜Vnのビット桁に応じた重み付けがされている。例えば、デジタル入力信号の最下位ビットのV1には電流源IDC1が対応し、最上位ビットのVnには電流源IDCnが対応する。この電流源IDC1〜IDCnが出力する電流I1〜Inの重み付けに関しては、後述する。
【0018】
なお、電圧供給端子VHIGHが供給する電圧VHIGHは、DAコンバータ部100の外部から供給される。電圧VHIGHは、電源電圧VDDより高い電圧である。
【0019】
抵抗Rは、ノードN1と接地端子GNDとの間に接続される。
【0020】
電流源IDC1〜IDCnは、それぞれスイッチ回路SW1〜SWnと直列接続されている。電流源IDC1〜IDCnとスイッチ回路SW1〜SWnからなる直列回路を、それぞれ101〜10nとし、電流生成素子101〜10nと称す。電流生成素子101〜10nは、電圧供給端子VHIGHとノードN1との間に並列接続されている。
【0021】
デジタル入力信号VIN1に応じてオン状態となった電流生成素子101〜10nは、ノードN1に電流を供給する。このノードN1に供給される総電流をItotalとする。よって、ノードN1には、Itotal×Rで決まるVREFが発生し、DAコンバータ部100からの出力電圧VREFとなる。
【0022】
ここで、電流源IDC1〜IDCnのそれぞれが出力する電流値I1〜Inを説明する。電流源IDC1〜IDCnのうち任意の電流源をIDCi(i≦n−1)とすると、電流源IDCiが出力する電流値は、以下の式(1)〜(4)のように設定される。
【数1】

【0023】
上記式(1)〜(4)中のVstepは、所定の出力電圧ステップ幅、Aは各電流源の電流値の最大ばらつき、α1はそのAによって決定される定数、Iiは各電流源の設計出力電流値、IRiは各電流源から実際に出力される出力電流値である。
【0024】
上記Aの値は、製造プロセスにより当該半導体集積回路装置が製造される面内ばらつきによって決定される。そして、そのAによって決定されるα1、つまり式(3)は、面内ばらつきにより生じる電流源の設計出力電流値からのばらつき(正負側)を考慮したものとなっている。換言すると、式(4)に示すように、電流源IDCiが実際に出力する電流値(IRi)は、最小で設計値Iの1−A倍、最大で1+A倍となる。
【0025】
図2に、図1に示したDAコンバータ部100の更に詳細な構成を示す。図2に示すように、DAコンバータ部100は、DAコンバータ部100は、電流源IDC1〜IDCnと、スイッチ回路SW1〜SWnと、抵抗Rと、PMOSトランジスタMP10と、電流源IDCrefとを有している。
【0026】
電流源IDC1は式(2)を満たすような電流I1を出力するPMOSトランジスタを有する。電流源IDC2は、式(1)を満たすような電流I2を出力するPMOSトランジスタを有する。電流源IDC3は、式(1)を満たすような電流I3を出力するPMOSトランジスタを有する。以後、同様に、電流源IDCnは、式(1)を満たすような電流Inを出力するPMOSトランジスタを有する。ここで、電流源IDC1〜IDCnは、それぞれPMOSトランジスタを有しているが、単体のPMOSトランジスタでなく、図2に示すように、複数の単位電流源を並列接続して、1つの電流源としてもよい。例えば、電流源IDC1は単位電流源となるPMOSトランジスタ(以後、単に単位電流源と称す)を1個、電流源IDC2は単位電流源を2個、電流源IDC7は単位電流源を47個、電流源IDC7は単位電流源を89個等有する。なお、上記式(1)〜(4)を満たすように設計されるため、電流源IDC1〜IDCnがそれぞれ有する単位電流源の数は、単にnの数に従った等比級数的な増加をしないことに注意する。
【0027】
また、PMOSトランジスタMP10は、電圧供給端子VHIGHとノードN2との間に接続される。また、PMOSトランジスタMP10のゲートがノードN2と接続される。電流源IDCrefは、ノードN2と接地端子GNDとの間に接続される。
【0028】
上述した電流源IDC1〜IDCnを構成する全てのPMOSトランジスタのゲートが、ノードN2に接続される。つまり、電流源IDC1〜IDCnを構成する全てのPMOSトランジスタとPMOSトランジスタMP10とは、PMOSトランジスタMP10を入力トランジスタとするカレントミラー回路を構成する。
【0029】
スイッチ回路SW1〜SWnは、それぞれNMOSトランジスタMN1〜MNnを有する。NMOSトランジスタMN1〜MNnのそれぞれのゲートには、デジタル入力信号VIN1、つまりV1〜Vnが入力される。
【0030】
次に、本実施の形態1にかかる半導体集積回路装置の動作及び効果について説明する。
【0031】
まず、面内ばらつきを考慮しない、つまり、上記式(1)、式(2)のようなα1を付加せず、各電流源の電流値が設計値通りの場合を想定する。この場合、電流源IDCiの出力電流は設計値通り、I=IRiとなる。例えば、IR1=Vstep(i=1)かつIi+1=2×Iとすることで、出力電圧VREFを所望の電圧ステップVstepとすることができる。
【0032】
例えば、デジタル入力信号が8ビット(n=8)として、VIN1=(01111111)の場合、スイッチ回路SW1〜SW7までがオン状態となっており、電流源IDC1〜IDC7の総出力電流が抵抗Rに流れ、その電流に応じた出力電圧VREF=128Vstepが出力される。次に、デジタル入力信号が「1」増加し、VIN1=(10000000)にビット桁が上がるときは、スイッチ回路SW1〜SW7がオフ状態となり、スイッチ回路SW8がオン状態に切り替わる。このとき、面内ばらつきがない場合では、出力電圧VREF=129Vstepが出力される。
【0033】
なお、1Vstepは、アナログ電圧である出力電圧VREFの最大許容電圧ステップである。この電圧ステップVstepを実現する方法の一例として、電流源IDC1の出力電流I1に応じた抵抗Rの電圧降下が1Vstepとなるよう、電流源IDC1を構成するPMOSトランジスタのW/L比を調整する。なお、Lはゲート長、Wはゲート幅である。
【0034】
このデジタル入力信号VIN1に対する出力電圧VREFのグラフ(I1で規格化済み)を図3に示す。図3に示すように、ばらつきが無い場合、デジタル入力信号VIN1が増加していくのに比例して、出力電圧VREFも増加する。
【0035】
しかしながら、各電流源の出力電流に5%のばらつきがあり、例えば、i<8ではIRi=0.95I、i=8ではIRi=1.05Iとなる場合では、VIN1=(01111111)からVIN1=(10000000)に切り替わるときの電圧ステップは、14Vstepとなってしまう。図3に、このばらつきがある場合のグラフも示す。図3に示すように、デジタル入力信号のビット桁の切り替わり時において、上述したばらつきの影響により、所望電圧ステップ(=1×Vstep)の14倍ものステップ幅でアナログ出力電圧VREFが変化する。このように、製造ばらつきにより、DAコンバータ部が出力不可能な電圧範囲Xが存在してしまうことになり、このDAコンバータ部の出力電圧VREFを利用する後段回路の処理に問題が発生する可能性がある。
【0036】
ここで、本実施の形態1のDAコンバータ部100では、上述した式(1)〜(4)を満たすように、各電流源が電流を出力するよう設計される。図4に、デジタル入力信号が8ビット、つまり、n=8の場合のデジタル入力信号VIN1に対する出力電圧VREFのグラフを示す。また、図3と同じデジタル入力信号VIN1の範囲でグラフを図5に示す。
【0037】
本実施の形態1のDAコンバータ部100では、式(1)〜(4)を満たすように、各電流源が電流を出力するよう設計されており、図5に示すように、デジタル入力信号VIN1が任意の値(ここでは、VIN1=(01111111))から1つ増加する時(VIN1=(10000000))に、出力電圧VREFと電圧ステップ幅が、Vstep以下に抑制される。つまり、ビット桁が切り替えられるときのデジタル入力信号VIN1の下位ビットの電流源の出力電流値の総和よりも、上位ビットに対応する電流源の出力電流が小さいため、ビット桁が切り替わった際に一旦デジタル入力信号の増減に対して逆方向に出力電圧が変化することにより実現される。このため、図3からもわかるように、ビット桁が切り替えられる際、下位ビットの変化方向に対してのみ出力電圧VREFが重なるため、任意の電圧範囲において、出力電圧のステップ幅は上位ビットに対応する電流源のばらつきの影響によらず、下位ビットの精度のみで決定される。このため、図3で説明したように、デジタル入力信号のビット桁の切り替わり時に発生していた製造ばらつきによるDAコンバータ部が出力不可能な電圧範囲が生じることがない。
【0038】
ここで、従来技術である特許文献1では、上位ビットに対応する電流源の電流値が製造プロセスによりばらついた場合、上位ビットへの切り替わり時に出力電圧IRが大きく変化し、出力電圧の電圧ステップ幅が大きくなり、その結果、出力不可能な電圧範囲が存在してしまう問題を防ぐため、補正用の電流源(補正ビットに対応)を用意して対応していた。しかし、この技術では、出力電圧を高精度に制御可能であるが、必要な補正量をあらかじめ計測する必要があり、テスト工程の増加を招き、結果としてテストコストが増大する問題が発生していた。更に、補正用のビットが追加されるため、電流補正用の電流源や計測結果を保持するメモリ等の回路が必要となり、回路規模の増大化を招く問題が発生していた。
【0039】
ここで、本実施の形態1のDAコンバータ部100では、出力不可能な電圧範囲の発生を防ぐことが可能であり、かつ、特許文献1のように、補正用のビットが追加する必要も無く、電流補正用の電流源や計測結果を保持するメモリ等の回路を追加しなくてもよいため、回路規模が増加する問題が発生しない。また、必要な補正量をあらかじめ計測する必要もなく、テスト工程が増加することがないため、テストコストの増大化の問題が発生しないメリットを有する。
【0040】
また、従来技術として公開特許公報特開2000−315951に抵抗値にばらつきを考慮した重み付けをしたR−2R型のDAコンバータが開示されている。しかし、この従来技術では、基準電圧を抵抗分圧して出力電圧として取り出すため、多数の抵抗素子を必要とし、回路面積の増加を招く問題がある。しかし、本実施の形態1のDAコンバータでは、MOSトランジスタを用いており、抵抗を多用する上記従来技術に対して小面積で作成することができ、回路規模の増大化を防ぐことができるメリットがある。
【0041】
発明の実施の形態2
【0042】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態2は、実施の形態1と同様、本発明を半導体集積回路装置のDAコンバータ部に適用したものである。なお、このDAコンバータ部も、後述する半導体集積回路装置のリファレンス電圧生成回路として用いられる。
【0043】
図6に本実施の形態2にかかるDAコンバータ部200の構成の一例を示す。図6に示すように、実施の形態2のDAコンバータ部200は、n個(nは2以上の整数)の抵抗R1〜Rnと、n個のスイッチ回路SW1〜SWnと、電流源IDCrefとを有する。
【0044】
スイッチ回路SW1〜SWnは、それぞれ抵抗R1〜Rnに対して並列接続されている。スイッチ回路SWn、・・・、SW2、SW1は、それぞれデジタル入力信号VIN1(Vn、・・・、V2、V1)に応じてオン状態、オフ状態が制御される。より詳細には、スイッチ回路SW1はデジタル入力信号V1が「1」の場合オフ状態、「0」の場合オン状態となる。スイッチ回路SW2も同様にデジタル入力信号V2が「1」の場合オフ状態、「0」の場合オン状態となる。以下スイッチ回路SWnまで同様に、デジタル入力信号Vnが「1」の場合オフ状態、「0」の場合オン状態となる。
【0045】
なお、実施の形態1と同様、デジタル入力信号VIN1(Vn、・・・、V2、V1)は、nビットのデジタル信号であり、最上位ビット(MSB)がVn、最下位ビット(LSB)がV1となる。
【0046】
抵抗R1〜Rnは、ノードN1から接地端子GNDとの間に順に直列接続される。抵抗R1が接地端子GNDと接続され、抵抗RnがノードN1に接続される。上述したように、抵抗R1〜Rnに対してそれぞれスイッチ回路SW1〜SWnが並列接続されている。抵抗R1〜Rnは、それぞれデジタル入力信号V1〜Vnのビット桁に応じた重み付けがされている。この抵抗R1〜Rnの重み付けに関しては、後述する。なお、抵抗R1〜Rnとスイッチ回路SW1〜SWnからなる並列回路を、それぞれ101〜10nとし、電圧生成素子101〜10nと称す。
【0047】
電流源IDCrefは、電圧供給端子VHIGHとノードN1との間に接続される。電流源IDCrefは、ノードN1側に出力電流Irefを出力する。この電流Irefは、オフ状態となったスイッチ回路に対応する抵抗を流れる。なお、オン状態となったスイッチ回路は、それに対応する抵抗の両端をショートするため、オン状態となったスイッチ回路に対応する抵抗には電流Irefは流れない。
【0048】
このため、ノードN1に発生する電圧は、オフ状態となったスイッチ回路に対応する抵抗の合成抵抗による電圧降下により決定される。そして、ノードN1に発生する電圧が、DAコンバータ部200の出力電圧VREFとなる。
【0049】
ここで、抵抗R1〜Rnの抵抗値の関係を説明する。抵抗R1〜Rnのうち任意の抵抗Ri(i≦n−1)とすると、抵抗Riの抵抗値は、以下の式(5)〜(8)のように設定される。
【数2】

【0050】
上記式(5)〜(8)中のVstepは、所定の出力電圧ステップ幅、Aは各抵抗の最大ばらつき、α2はそのAによって決定される定数、Riは各抵抗の設計抵抗値、RRiは各抵抗の実際の抵抗値である。
【0051】
上記Aの値は、製造プロセスにより当該半導体集積回路装置が製造される面内ばらつきによって決定される。そして、そのAによって決定されるα2、つまり式(7)は、面内ばらつきにより生じる抵抗の設計抵抗値からのばらつき(正負側)を考慮したものとなっている。換言すると、式(8)に示すように、抵抗Riの実際の抵抗値(RRi)は、最小で設計値Rの(1−A)倍、最大で(1+A)倍となる。
【0052】
ここで、抵抗Ri(i=1〜n)の具体的な構成としては、例えば、所定の抵抗値を有する単位抵抗が、上記(5)のような抵抗値を満たすよう直列接続されるような構成としてもよい。
【0053】
次に、本実施の形態2にかかる半導体集積回路装置の動作及び効果について説明する。
【0054】
まず、面内ばらつきを考慮しない、つまり、上記式(5)、式(6)のようなα2を付加せず、各電流源の電流値が設計値通りの場合を想定する。この場合、抵抗Rの抵抗値はR=RRiとなる。例えば、RR1=Vstep/Iref(i=1)かつRi+1=2Rとすることで、出力電圧VREFを所望の電圧ステップVstepとすることができる。
【0055】
例えば、デジタル入力信号が8ビット(n=8)として、VIN1=(01111111)の場合、スイッチ回路SW1〜SW7までがオフ状態となっており、抵抗R1〜R7に電流Irefが流れ、それら抵抗の電圧降下に応じた出力電圧VREF=128Vstepが出力される。次に、デジタル入力信号が「1」増加し、VIN1=(10000000)にビット桁が上がるときは、スイッチ回路SW1〜SW7がオン状態となり、スイッチ回路SW8がオフ状態に切り替わる。このときでも、面内ばらつきがない場合では、出力電圧VREF=129Vstepが出力される。
【0056】
なお、1Vstepは、アナログ電圧である出力電圧VREFの最大許容電圧ステップである。この電圧ステップVstepを実現する方法の一例として、電流源IDCrefの出力電流Irefに対して電圧降下が1Vstepとなるよう、抵抗R1の抵抗値を設定する。
【0057】
このデジタル入力信号VIN1に対する出力電圧VREFのグラフは、図3と同様となるため省略する。本実施の形態2でも、ばらつきが無い場合には、デジタル入力信号VIN1が増加していくのに比例して、出力電圧VREFも増加する。
【0058】
しかし、実施の形態1で説明したのと同様、各抵抗に5%のばらつきがあり、例えば、i<8ではIRi=0.95R、i=8ではRRi=1.05Rとなる場合では、VIN1=(01111111)からVIN1=(10000000)に切り替わるときの電圧ステップは、14Vstepとなってしまう。このばらつきについても図3と同様となるため省略する。よって、デジタル入力信号のビット桁の切り替わり時において、上述したばらつきの影響により、所望電圧ステップ(=1×Vstep)の14倍ものステップ幅でアナログ出力電圧VREFが変化する。このように、製造ばらつきにより、DAコンバータ部が出力不可能な電圧範囲Xが存在してしまうことになり、このDAコンバータ部の出力電圧VREFを利用する後段回路の処理に問題が発生する可能性がある。
【0059】
ここで、本実施の形態2のDAコンバータ部200では、上述した式(5)〜(8)を満たすように、各抵抗が設計される。この場合のデジタル入力信号VIN1に対する出力電圧VREFのグラフは、図4、図5と同様となるため省略する。
【0060】
本実施の形態2のDAコンバータ部200では、式(5)〜(8)を満たすように、各抵抗の抵抗値が設計されており、デジタル入力信号VIN1が任意の値から1つ増加する時に、出力電圧VREFと電圧ステップ幅が、Vstep以下に抑制される。このため、実施の形態1と同様、デジタル入力信号のビット桁の切り替わり時に発生していた製造ばらつきによるDAコンバータ部が出力不可能な電圧範囲が生じることがない。
【0061】
以上、図6のような構成のDAコンバータ部であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能である。
【0062】
また、従来技術である公開特許公報特開2000−315951で開示されているDAコンバータは、R−2R型のDAコンバータとなり、ビット桁の重み付けに対応した直列接続された抵抗の他に、並列接続した抵抗も必要となる。ここで、本実施の形態2のDAコンバータ200は、ビット桁の重み付けに対応した直列接続された抵抗でよく、上記従来技術に対して小面積で作成することができ、回路規模の増大化を防ぐことができるメリットがある。
【0063】
発明の実施の形態3
【0064】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態3について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態3は、本発明を、半導体集積回路装置に適用したものである。図7に本実施の形態3にかかる半導体集積回路装置300の構成の一例を示す。
【0065】
図7に示すように、半導体集積回路装置300は、モニタ回路301と、制御回路302と、リファレンス電圧生成回路303と、電圧供給回路304と、VDD供給配線305とを有する。また、モニタ回路301と、制御回路302と、リファレンス電圧生成回路303とで、チップIC310を構成する。また、半導体集積回路装置300は、VHIGH電圧入力端子306を有する。
【0066】
リファレンス電圧生成回路303は、制御回路302が出力するnビットのデジタル信号VIN1に応じて、アナログ電圧である電圧VREFを出力する。リファレンス電圧生成回路303の構成は、実施の形態1、2で説明したDAコンバータ部100もしくは200と同様の構成となる。よって、DAコンバータ部100もしくは200の動作等の説明は実施の形態1、2で既に行っているため、本実施の形態3では省略する。
【0067】
電圧供給回路304は、リファレンス電圧生成回路303の出力電圧VREFを入力し、その電圧VREFに応じて電源電圧VDDを生成する。電圧供給回路304が生成した電源電圧VDDは、VDD供給配線305に供給される。このVDD供給配線305に供給されに供給された電源電圧VDDは、IC310の電源電圧として利用される。
【0068】
図8に電圧供給回路304の構成の一例を示す。図8に示すように、電圧供給回路304は、差動増幅器AMP301と、NMOSトランジスタMN301とを有する。
【0069】
差動増幅器AMP301は、反転入力端子がノードN301に接続され、非反転入力端子にリファレンス電圧生成回路303の出力電圧VREFが入力される。差動増幅器AMP301の出力端子は、NMOSトランジスタMN301のゲートに接続される。
【0070】
NMOSトランジスタMN301は、ソースが電圧供給端子VHIGHに接続され、ドレインがノードN301に接続される。ノードN301は、電圧供給回路304の出力ノードであり、ここから電源電圧VDDが、VDD供給配線305に供給される。
【0071】
図8に示した電圧供給回路304の構成からも分かるように、ノードN301の電圧(電源電圧VDD)が差動増幅器AMP301の反転入力端子にフィードバックされている。このため、差動増幅器AMP301は、ノードN301の電圧(電源電圧VDD)がリファレンス電圧生成回路303の出力電圧VREFと等しくなるように制御する。結果として、VDD=VREFとなる。よって、リファレンス電圧生成回路303が出力する電圧VREFが変化した場合、それに追従して電圧供給回路304がVDD供給配線305に供給する電源電圧VDDも変化する。
【0072】
モニタ回路301は、チップIC310の動作性能が要求性能Freqを満たしているかを判定し、その判定結果に応じて制御回路302にUP/DOWN制御信号を出力する。モニタ回路301の具体的な構成として、例えば、モニタ回路301がチップIC310の電源電圧VDDに応じて発振する発振器を備えるようにしてもよい。この発振器は、例えば、それぞれが電源電圧VDDを電源として動作し、直列接続された奇数個のインバータチェーン等が考えられる。なお、上記発振器は、電源電圧VDDを電源電圧として動作する限りは、モニタ回路301の外部に配置されてもかまわない。
【0073】
そして、例えばモニタ回路301は、その発振器の発振周波数と要求性能Freqとなる周波数とを比較し、比較結果に応じたUP/DOWN制御信号を出力する。例えば、電源電圧VDDが低下して上記発振器が発振する発振周波数が低下し、要求性能Freq(本例では周波数の値)より低くなった場合、UP制御信号を出力する。逆に、電源電圧VDDが上昇して上記発振器が発振する発振周波数が上昇し、要求性能Freqより高くなった場合、DOWN制御信号を出力する。要求性能Freqは、例えば、所定の周波数を出力するPLL回路により生成してもよい。
【0074】
制御回路302は、モニタ回路301からのUP/DOWN制御信号を入力し、そのUP/DOWN制御信号に応じてnビットのデジタル信号VIN1をリファレンス電圧生成回路303に出力する。なお、nビットのデジタル信号VIN1を出力するタイミングは、トリガー信号Triggerによって制御される。つまり、トリガー信号Triggerが入力されることで、nビットのデジタル信号VIN1の値の更新が行われる。
【0075】
VHIGH入力端子306は、電圧VHIGHを半導体集積回路装置300の外部から入力する。この電圧VHIGHは、電圧供給回路304やチップIC310内のリファレンス電圧生成回路303に供給される。なお、電源電圧VDDに影響されずに電圧VHIGHを供給可能であるならば、電圧VHIGHを生成する電源回路を半導体集積回路装置300内に有していてもよい。
【0076】
上記半導体集積回路装置300の動作を説明する。なお、ここではモニタ回路301がチップIC310の電源電圧VDDに応じて発振する発振器を備え、要求性能Freqが所定の周波数の値として与えられるものとする。
【0077】
まず、上述のようにモニタ回路301は、チップIC310に供給される電源電圧VDDに応じて変化する発振器の発振周波数をモニターしている。電源電圧VDDが低下した場合、モニタ回路301は、発振器の発振周波数と要求性能Freqとなる周波数とを比較し、要求性能Freqより低くなったことを判定する。この判定結果として、モニタ回路301はUP制御信号を出力する。
【0078】
次に、制御回路302は、モニタ回路301からのUP制御信号を受け、トリガー信号Triggerの入力タイミングで、nビットのデジタル信号VIN1の値を現在の値から1つ増加させ、リファレンス電圧生成回路303に出力する。
【0079】
次に、リファレンス電圧生成回路303が実施の形態1もしくは2で説明した動作により、出力電圧であるVREFの値を変化させる。具体的には、全般的に出力電圧VREFを上昇させる方向に変化する。但し、例えば実施の形態1で説明したように、リファレンス電圧生成回路303であるDAコンバータ部100は、ビット桁が切り替わるときのデジタル入力信号VIN1の下位ビットの電流源の出力電流値の総和よりも、上位ビットに対応する電流源の出力電流が小さくなる。このため、nビットのデジタル信号VIN1のビット桁が切り替わった場合は、一旦電圧VREFが低下することには注意する。
【0080】
次に、リファレンス電圧生成回路303が出力する電圧VREFが上昇することから電圧供給回路304が生成する電源電圧VDDも電圧VREFと一致するように追従して上昇する。そして、その上昇した電源電圧VDDがVDD供給配線305を経由して再びチップIC310に供給され、モニタ回路301が備える発振器の発振周波数が上昇する。
【0081】
そして、上記のようなフィードバック制御を繰り返すことで、最終的に要求性能Freqを満たすようになるまで電源電圧VDDが制御される。
【0082】
なお、電源電圧VDDが上昇した場合は、逆の動作となるため、説明は省略する。
【0083】
ここで、上述したように、nビットのデジタル信号VIN1のビット桁が切り替わるとき、デジタル入力信号VIN1の下位ビットに対応する電流源の出力電流値の総和よりも、上位ビットに対応する電流源の出力電流が小さくなる。このため、制御回路302がnビットのデジタル信号VIN1の値を増加させたにもかかわらず、上記フィードバック制御で電源電圧VDDが上昇しない場合がある。しかし、その後のフィードバック制御にて、nビットのデジタル信号VIN1の値が増加していくため、いずれはビット桁が切り替わる前よりも電源電圧VDDが上昇することになり、この点に関し、特に問題が発生することがない。
【0084】
また、実施の形態1または2で説明したような効果により、DAコンバータ部100もしくは200を備えるリファレンス電圧生成回路303は、製造ばらつきの影響により出力電圧VREFの出力不可能な電圧範囲の発生を防いでいる。このため、本実施の形態3の半導体集積回路装置300は、電圧範囲のもれがないようにリファレンス電圧生成回路303が出力する電圧VREF、即ち電源電圧VDDを細かい電圧ステップ幅で制御することが可能となる。よって、チップIC310の動作要求性能Freqを満たす最小限の電源電圧VDD(以降、VDDminと称す)と、実際に制御される電圧との誤差を小さくすることができ、半導体集積回路装置300の消費電力を低減することができる。
【0085】
発明の実施の形態4
【0086】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態4について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態4は、本発明を、半導体集積回路装置に適用したものである。図9に本実施の形態4にかかる半導体集積回路装置400の構成の一例を示す。
【0087】
図9に示すように、半導体集積回路装置400は、モニタ回路301と、制御回路402と、リファレンス電圧生成回路403と、電圧供給回路304と、VDD供給配線305とを有する。また、モニタ回路301と、制御回路402と、リファレンス電圧生成回路403とで、チップIC410を構成する。また、半導体集積回路装置400は、VHIGH電圧入力端子306を有する。
【0088】
なお、図9に示された符号のうち、図7と同じ符号を付した構成は、図7と同じか又は類似の構成を示している。実施の形態3と異なるのは、制御回路402と、リファレンス電圧生成回路403であり、本実施の形態4ではその相違点を中心に説明する。その他の同様の部分の説明は本実施の形態4では省略する。
【0089】
制御回路402は、モニタ回路301からのUP/DOWN制御信号を入力し、そのUP/DOWN制御信号に応じてnビットのデジタル信号VIN1とm(m<n)ビットのデジタル信号VIN2をリファレンス電圧生成回路303に出力する。なお、nビットのデジタル信号VIN1及びmビットのデジタル信号VIN2を出力するタイミングは、トリガー信号Triggerによって制御される。つまり、トリガー信号Triggerが入力されることで、デジタル信号VIN1、VIN2の値の更新が行われる。
【0090】
図10に制御回路402の構成の一例を示す。図10に示すように、制御回路402は、AND回路AND401〜AND406と、加算/減算器411〜413と、フリップフロップ421〜423と、反転回路431〜434とを有する。
【0091】
AND回路AND401は、モニタ回路301からのUP制御信号と、フリップフロップ422が出力するmビットのデジタル信号V1〜Vmと、フリップフロップ423が出力するmビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mとを入力し、AND演算を行い、演算結果を加算/減算器411へ出力する。
【0092】
反転回路431は、フリップフロップ422が出力するmビットのデジタル信号V1〜Vmの値を反転して出力する。なお、以後、この反転信号を/V1〜/Vmと称す。
【0093】
反転回路432は、フリップフロップ423が出力するmビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mの値を反転して出力する。なお、以後、この反転信号を/Vn+1〜/Vn+mと称す。
【0094】
AND回路AND402は、モニタ回路301からのDOWN制御信号と、反転回路431からのmビットのデジタル信号/V1〜/Vmと、反転回路432からのmビットのデジタル信号/Vn+1〜/Vn+mとを入力し、AND演算を行い、演算結果を加算/減算器411へ出力する。
【0095】
AND回路AND403は、モニタ回路301からのUP制御信号と、フリップフロップ422が出力するmビットのデジタル信号V1〜Vmとを入力し、AND演算を行い、演算結果を加算/減算器412へ出力する。
【0096】
AND回路AND404は、モニタ回路301からのDOWN制御信号と、反転回路431からのmビットのデジタル信号/V1〜/Vmとを入力し、AND演算を行い、演算結果を加算/減算器412へ出力する。
【0097】
AND回路AND405は、モニタ回路301からのUP制御信号と、フリップフロップ422が出力するmビットのデジタル信号V1〜Vmとを入力し、AND演算を行い、演算結果を加算/減算器413へ出力する。
【0098】
AND回路AND406は、モニタ回路301からのDOWN制御信号と、反転回路431からのmビットのデジタル信号/V1〜/Vmとを入力し、AND演算を行い、演算結果を加算/減算器413へ出力する。
【0099】
加算/減算器411は、AND回路AND401及びAND402からの演算結果と、フリップフロップ421が出力する(n−m)ビットのデジタル信号Vm+1〜Vnを入力する。そして、AND回路AND401からの演算結果が「1」である場合、(n−m)ビットのデジタル信号Vm+1〜Vnを「1」増加させ、AND回路AND402からの演算結果が「1」である場合、(n−m)ビットのデジタル信号Vm+1〜Vnを「1」減少させ、フリップフロップ421に出力する。また、AND回路AND401及びAND402からの演算結果が共に「0」である場合は、(n−m)ビットのデジタル信号Vm+1〜Vnをそのままの値でフリップフロップ421に出力する。
【0100】
加算/減算器412は、AND回路AND403及びAND404からの演算結果と、フリップフロップ422が出力するmビットのデジタル信号V1〜Vmを入力する。そして、AND回路AND403からの演算結果が「1」である場合、mビットのデジタル信号V1〜Vmを「1」増加させ、AND回路AND404からの演算結果が「1」である場合、mビットのデジタル信号V1〜Vmを「1」減少させ、フリップフロップ422に出力する。また、AND回路AND403及びAND404からの演算結果が共に「0」である場合は、mビットのデジタル信号V1〜Vmをそのままの値でフリップフロップ422に出力する。
【0101】
加算/減算器413は、AND回路AND405及びAND406からの演算結果と、フリップフロップ423が出力するmビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mを入力する。そして、AND回路AND405からの演算結果が「1」である場合、mビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mを「1」増加させ、AND回路AND406からの演算結果が「1」である場合、mビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mを「1」減少させ、フリップフロップ423に出力する。また、AND回路AND405及びAND406からの演算結果が共に「0」である場合は、mビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mをそのままの値でフリップフロップ423に出力する。
【0102】
フリップフロップ421は、トリガー信号Triggerの入力し応じて、加算/減算器411から入力した(n−m)ビットのデジタル信号Vm+1〜Vnをラッチし、出力する。このラッチされたデジタル信号Vm+1〜Vnは、次のトリガー信号Triggerの入力まで保持される。
【0103】
フリップフロップ422は、トリガー信号Triggerの入力し応じて、加算/減算器412から入力したmビットのデジタル信号V1〜Vmをラッチし、出力する。このラッチされたデジタル信号V1〜Vmは、次のトリガー信号Triggerの入力まで保持される。
【0104】
フリップフロップ423は、トリガー信号Triggerの入力し応じて、加算/減算器413から入力したmビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mをラッチし、出力する。このラッチされたデジタル信号Vn+1〜Vn+mは、次のトリガー信号Triggerの入力まで保持される。
【0105】
フリップフロップ422と421からそれぞれ出力される、mビットのデジタル信号V1〜Vmと(n−m)ビットのデジタル信号Vm+1〜Vnは、連結されnビットのデジタル信号V1〜Vnとなり、デジタル信号VIN1としてリファレンス電圧生成回路403に出力される。なお、実施の形態1と同様、デジタル入力信号VIN1(Vn、・・・、V2、V1)は、最上位ビット(MSB)がVn、最下位ビット(LSB)がV1となる。
【0106】
フリップフロップ423から出力される、mビットのデジタル信号Vn+1〜Vn+mは、デジタル信号VIN2としてリファレンス電圧生成回路403に出力される。なお、デジタル入力信号VIN2(Vn+m、・・・、Vn+2、Vn+1)は、最上位ビット(MSB)がVn+m、最下位ビット(LSB)がVn+1となる。
【0107】
リファレンス電圧生成回路403は、制御回路402が出力するnビットのデジタル信号VIN1、mビットのデジタル信号VIN2に応じて、アナログ電圧である電圧VREFを出力する。図11にリファレンス電圧生成回路403の構成の一例を示す。図11に示すように、DAコンバータ部441とDAコンバータ部442とを有する。
【0108】
DAコンバータ部441は、制御回路402が出力するnビットのデジタル信号VIN1を入力し、ノードN1にデジタル信号VIN1に応じた電流を供給する。DAコンバータ部441は、基本的に実施の形態1と同様、n個(nは2以上の整数)の電流源IDC1〜IDCnと、n個のスイッチ回路SW1〜SWnと、抵抗Rとを有する。このように、DAコンバータ部441は、基本的に実施の形態1のDAコンバータ部100の構成と同様であるため、動作等の説明は省略し、相違する部分だけ説明する。
【0109】
実施の形態1のDAコンバータ部100との相違点として、DAコンバータ部441が有する各電流源IDCi(i=1〜n)の電流値Iiは、以下の式(9)(10)を満たすように設定される。
【数3】

【0110】
DAコンバータ部442は、制御回路402が出力するmビットのデジタル信号VIN2を入力し、ノードN1にデジタル信号VIN2に応じた電流を供給する。DAコンバータ部442は、m個の電流源IDCn+1〜IDCn+mと、m個のスイッチ回路SWn+1〜SWn+mとを有する。
【0111】
スイッチ回路SWn+1〜SWn+mは、それぞれ電流源IDCn+1〜IDCn+mとノードN1との間に接続される。スイッチ回路SWn+1〜SWn+mは、それぞれデジタル入力信号VIN2(Vn+m、・・・、Vn+2、Vn+1)に応じてオン状態、オフ状態が制御される。より詳細には、スイッチ回路SWn+1はデジタル入力信号Vn+1が「1」の場合オン状態、「0」の場合オフ状態となる。スイッチ回路SWn+2も同様にデジタル入力信号Vn+2が「1」の場合オン状態、「0」の場合オフ状態となる。以下スイッチ回路SWn+mまで同様であり、デジタル入力信号Vn+mが「1」の場合オン状態、「0」の場合オフ状態となる。
【0112】
電流源IDCn+1〜IDCn+mは、それぞれ電圧供給端子VHIGHとスイッチ回路SWn+1〜SWn+mに接続される。電流源IDCn+1〜IDCn+mは、それぞれスイッチ回路SWn+1〜SWn+mの方向に電流In+1〜In+mを出力する。電流源IDCn+1〜IDCn+mが出力する電流In+1〜In+mは、それぞれデジタル入力信号Vn+1〜Vn+mのビット桁に応じた重み付けがされている。例えば、デジタル入力信号VIN2の最下位ビットのVn+1には電流源IDCn+1が対応し、最上位ビットのVn+mには電流源IDCn+mが対応する。DAコンバータ部442が有する各電流源IDCi(i=n+1〜n+m)の電流値Iiは、以下の式(11)(12)を満たすように設定される。
【数4】

【0113】
電流源IDCn+1〜IDCn+mは、それぞれスイッチ回路SWn+1〜SWn+mと直列接続されている。電流源IDCn+1〜IDCn+mとスイッチ回路SWn+1〜SWn+mからなる直列回路を、それぞれ10n+1〜10n+mとし、電流生成素子10n+1〜10n+mと称す。電流生成素子10n+1〜10n+mは、電圧供給端子VHIGHとノードN1との間に並列接続されている。
【0114】
デジタル入力信号VIN1に応じてオン状態となった電流生成素子10n+1〜10n+mは、ノードN1に電流を供給する。このノードN1に供給される電流源IDC1〜IDCn+mからの総電流をItotalとする。よって、ノードN1には、Itotal×Rで決まるVREFが発生し、リファレンス電圧生成回路403からの出力電圧VREFとなる。
【0115】
上記半導体集積回路装置400の動作を図12、図13を用いて説明する。なお、実施の形態3と同様、モニタ回路301がチップIC410の電源電圧VDDに応じて発振する発振器を備え、要求性能Freqが所定の周波数の値として与えられるものとする。
【0116】
図12に、デジタル入力信号VIN1が6ビット(n=6)、デジタル信号VIN2が4ビット(m=4)の場合のデジタル信号VIN1、VIN2(V1〜Vn+m)に対する、リファレンス電圧生成回路403の出力電圧VREFのグラフを示す。また、図13に、図12のデジタル信号VIN1、VIN2がA〜Cの値をとる場合の、具体的なデジタル信号VIN1、VIN2の数値の変化を示す。
【0117】
図12に示すように、基本的な動作としては実施の形態3と同様、モニタ回路301が電源電圧VDDの増減に応じて、UP/DOWN制御信号を出力し、そのUP/DOWN制御信号に従って、nビットのデジタル信号VIN1の値が「1」増減する。
【0118】
例えば、モニタ回路301がUP制御信号を出力する場合、図13に示すようにAからBまで、nビットのデジタル信号VIN1が「1」づつ増加する。よって、図12に示すように出力電圧VREFも増加を続ける。
【0119】
そして、Bの時点で、デジタル信号VIN1の下位mビットV1〜Vm(本例ではm=4)が全て1となる(スイッチ回路SW1〜SWmがオン状態)。ここで、本実施の形態4の制御回路402より、デジタル信号VIN1の下位からm+1ビット目のビット桁が0から1とならず、今度はBの時点で全てのビット桁が0であったデジタル信号VIN2(Vn+1〜Vn+m)が、「1」づつ増加を開始し、全てのビット桁が1となるCの時点までその値が増加する。このBからCの間、デジタル信号VIN1の値は固定される。よって、図12に示すように出力電圧VREFも増加を続ける。
【0120】
そして、Cの時点で、デジタル信号VIN2の全てのビット桁が1となる(スイッチ回路SWn+1〜SWn+mがオン状態)。更に、その後もモニタ回路301がUP制御信号を出力し続ける場合、デジタル信号VIN2の全てのビット桁を0とする(スイッチ回路SWn+1〜SWn+mがオフ状態)。このため、図12に示すように出力電圧VREFが低下する。一方、値を固定されていたデジタル信号VIN1が、再び「1」づつ増加を開始し、下位mビットV1〜Vmが全て1となるまで増加する。よって、図12に示すように出力電圧VREFも増加を続ける。以降、UP制御信号がリファレンス電圧生成回路403に入力される場合、同様の動作が行われる。
【0121】
なお、このように、デジタル信号VIN2に応じて、リファレンス電圧生成回路403がリファレンス電圧VREFのBからCへ増加させる増加分は、製造プロセスにより当該半導体集積回路装置が製造される場合の面内ばらつき応じた値とする。つまり、その面内ばらつきに応じて、デジタル信号VIN2及びDAコンバータ部442のビット数mの値が決定される。
【0122】
モニタ回路301がDOWN制御信号を出力する場合は、逆の動作となる。例えば、デジタル信号VIN1の下位mビットV1〜Vmが全て0の状態(スイッチ回路SW1〜SWmがオフ状態)で、DOWN制御信号がリファレンス電圧生成回路403に入力される場合、デジタル信号VIN1の値を「1」づつ減らして、デジタル信号VIN2の全てのビット桁を1とする。そして、デジタル信号VIN1の値を固定し、デジタル信号VIN2の値を減少させる。そして、デジタル信号VIN2の全てのビット桁が0となったら、再び、デジタル信号VIN1の値を「1」づつ減らす。以降、DOWN制御信号がリファレンス電圧生成回路403に入力される場合、同様の動作が行われる。
【0123】
このような実施の形態4の半導体集積回路装置400の構成により、製造ばらつきの影響により出力電流ばらつきの大きくなるデジタル信号VIN1の上位のビット桁の切り替え時の誤差をΣIiR(i=n+1〜n+m)だけ緩和することが可能となる。このため、リファレンス電圧生成回路403が出力する電圧VREFの電圧ステップ幅を小さく抑えることができる。よって、実施の形態1と同様、半導体集積回路装置400の電圧供給回路304の出力不可能な電圧範囲の発生を防ぐことが可能であり、かつ、特許文献1のように、補正用のビットが追加する必要も無く、電流補正用の電流源や計測結果を保持するメモリ等の回路を追加しなくてもよいため、回路規模が増加する問題が発生しない。また、必要な補正量をあらかじめ計測する必要もなく、テスト工程が増加することがないため、テストコストの増大化の問題が発生しないメリットを有する。
【0124】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものでなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態4では、リファレンス電圧生成回路403を実施の形態1のDAコンバータ部の構成に類似した、ビット桁の重み付けを電流源の出力電流で対応させている。しかし、実施の形態2のように、ビット桁の重み付けを直列接続された抵抗の抵抗値で行ってもよい。但し、この場合、デジタル信号VIN2に対応するDAコンバータ部が新たに必要となる。
【0125】
また、実施の形態3、4では、電圧供給回路304の供給電圧VDDをチップIC310もしくは410の電源電圧としてモニタ回路301がモニターしているが、電圧供給回路304の供給電圧をチップIC310もしくは410の基板電圧とし、その基板電圧をモニタ回路301がモニターするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0126】
100、200、441、442 DAコンバータ部
300、400 半導体集積回路装置
IDC1〜IDCn、IDCref、IDCn+1〜IDCn+m 電流源
SW1〜SWn、SWn+1〜SWn+m スイッチ回路
R、R1〜Rn 抵抗
MP10 PMOSトランジスタ
301 モニタ回路
302、402 制御回路
303、403 リファレンス電圧生成回路
304 電圧供給回路
305 VDD供給配線
310 チップIC
AND401〜AND406 AND回路
411〜413 加算/減算器
421〜423 フリップフロップ
431〜434 反転回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
n(2以上の正の整数)桁のデジタル信号を電圧信号に変換するDAコンバータを有する半導体集積回路装置であって、
それぞれが前記デジタル信号の各ビット桁に対応し、前記デジタル信号に応じて前記電圧信号を生成するn個の電圧生成素子を有し、
前記n個の電圧生成素子のうちビット桁が最下位からk(k≦n)番目に対応する電圧生成素子の生成する電圧は、ビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個の電圧生成素子の生成する電圧に第1の所定の値を足した電圧よりも低くなることを特徴とする
半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記DAコンバータは、前記n個の電圧生成素子と、前記n個の電圧生成素子に接続される抵抗と、を有し、
前記n個の電圧生成素子は、
それぞれが前記デジタル信号の各ビット桁に対応した電流を出力し、並列接続されたn個の電流源と、
それぞれが前記電流源に直列接続され、前記デジタル信号に応じてオン状態となるn個のスイッチ回路と、を備え、
前記n個の電流源は、ビット桁が小さい方からk(k≦n)番目に対応する電流源の出力電流が、ビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個の電流源の総出力電流に前記第1の所定の値を足した電流よりも小さく、
前記抵抗は、オン状態となった前記スイッチ回路と接続される前記電流源からの電流が流れることを特徴とする
請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記DAコンバータが、リファレンス電圧生成回路であり、
前記n個の電圧生成素子と前記抵抗が接続されるノードの電圧が、前記リファレンス電圧生成回路が出力するリファレンス電圧となることを特徴とする
請求項2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
当該半導体集積回路装置は、モニタ回路と、制御回路と、前記リファレンス電圧生成回路と、電圧供給回路とを有し、
前記モニタ回路は、前記電源供給回路からの供給電圧に応じて制御信号を出力し、
前記制御回路は、前記制御信号に応じてnビットの前記デジタル信号を出力し、
前記リファレンス電圧生成回路は、前記デジタル信号に応じて、前記リファレンス電圧を出力し、
前記電圧供給回路は、前記リファレンス電圧に応じた前記供給電圧を供給することを特徴とする
請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記リファレンス電圧生成回路は、前記デジタル信号に応じて、
ビット桁が小さい方からk番目に対応するスイッチ回路をオン状態にするには、同時にビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個のスイッチ回路が全てオフ状態となり、
ビット桁が小さい方からk番目に対応するスイッチ回路をオフ状態にするには、同時にビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個のスイッチ回路が全てオン状態となることを
特徴とする
請求項4に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記モニタ回路は、前記供給電圧に応じた前記モニタ回路を含むチップの所定の性能の値と、前記チップ外部から与えられる第2の所定の値と比較し、その比較結果に応じて前記制御信号を変化させることを特徴とする
請求項4に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記第1の所定の値は、ビット桁が最小位の場合の電流値であり、かつ
ビット桁が小さい方からk番目に対応する電流源の出力電流に対して、ビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個の電流源の総出力電流に前記第1の所定の値を足した電流よりも小さくなるときの値は、当該半導体集積回路装置が形成される製造プロセスにより生じる面内ばらつきに応じて決定されることを特徴とする
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記DAコンバータは、前記n個の電圧生成素子と、前記n個の電圧生成素子に電流を供給する電流源と、を有し、
前記n個の電圧生成素子は、
それぞれが前記デジタル信号の各ビット桁に対応した抵抗値を有し、直列接続されたn個の抵抗と、
それぞれが前記抵抗に並列接続され、前記デジタル信号に応じてオフ状態となるn個のスイッチ回路と、を備え、
前記n個の抵抗は、ビット桁が小さい方からk(k≦n)番目に対応する抵抗の抵抗値が、ビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個の抵抗の合成抵抗値に前記第1の所定の値を足した抵抗値よりも小さくなることを特徴とする
請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記DAコンバータが、リファレンス電圧生成回路であり、
前記電流源が、前記n個の電圧生成素子に電流を供給する供給ノードの電圧が、前記リファレンス電圧生成回路が出力するリファレンス電圧となることを特徴とする
請求項8に記載の半導体集積回路装置。
【請求項10】
当該半導体集積回路装置は、モニタ回路と、制御回路と、前記リファレンス電圧生成回路と、電圧供給回路とを有し、
前記モニタ回路は、前記電源供給回路からの供給電圧に応じて制御信号を出力し、
前記制御回路は、前記制御信号に応じてnビットの前記デジタル信号を出力し、
前記リファレンス電圧生成回路は、前記デジタル信号に応じて、前記リファレンス電圧を出力し、
前記電圧供給回路は、前記リファレンス電圧に応じた前記供給電圧を供給することを特徴とする
請求項9に記載の半導体集積回路装置。
【請求項11】
前記リファレンス電圧生成回路は、前記デジタル信号に応じて、
ビット桁が小さい方からk番目に対応するスイッチ回路をオフ状態にするには、同時にビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個のスイッチ回路が全てオン状態となり、
ビット桁が小さい方からk番目に対応するスイッチ回路をオン状態にするには、同時にビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個のスイッチ回路が全てオフ状態となることを
特徴とする
請求項10に記載の半導体集積回路装置。
【請求項12】
前記モニタ回路は、前記供給電圧に応じた前記モニタ回路を含むチップの所定の性能の値と、前記チップ外部から与えられる第2の所定の値と比較し、その比較結果に応じて前記制御信号を変化させることを特徴とする
請求項10に記載の半導体集積回路装置。
【請求項13】
前記第1の所定の値は、ビット桁が最小位の場合の抵抗値であり、かつ
ビット桁が小さい方からk番目に対応する抵抗の抵抗値に対して、ビット桁が最下位からk−1番目に対応するk−1個の抵抗の合成抵抗に前記第1の所定の値を足した抵抗値よりも小さくなるときの値は、当該半導体集積回路装置が形成される製造プロセスにより生じる面内ばらつきに応じて決定されることを特徴とする
請求項1、請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項14】
n桁(nは2以上の正の整数)の第1のデジタル信号、m桁(mはnより小さい正の整数)の第2のデジタル信号を電圧信号に変換するDAコンバータを有する半導体集積回路装置であって、
それぞれが前記n桁のデジタル信号の各ビット桁に対応し、前記n桁のデジタル信号に応じて前記電圧信号を生成するn個の第1の電圧生成素子群と、
それぞれが前記m桁のデジタル信号の各ビット桁に対応し、前記m桁のデジタル信号に応じて前記電圧信号を生成するm個の第2の電圧生成素子群と、を有し、
前記第2の電圧生成素子群は、前記第1のデジタル信号に応じて前記第1の電圧生成群のうちビット桁が最下位からk(k≦n−m)番目までが全て有効状態となった場合、同時に前記第2のデジタル信号に応じて全て無効状態から順に有効状態となり、
もしくは、前記第1の電圧生成素子群は、前記第2のデジタル信号に応じて前記第2の電圧生成素子群の全て有効状態となった場合、同時にk+1番目の電圧生成素子を無効状態とし、ビット桁が最下位からk番目までの全てを有効状態となることを特徴とする
半導体集積回路装置。
【請求項15】
当該半導体集積回路装置は、抵抗を更に有し、
前記第1の電圧生成素子群は、
それぞれが前記第1のデジタル信号の各ビット桁に対応した電流を出力し、並列接続されたn個の電流源と、
それぞれが前記第1の電圧生成素子群内の前記電流源に直列接続され、前記第1のデジタル信号に応じてオン状態となるn個のスイッチ回路と、を備え、
前記第2の電圧生成素子群は、
それぞれが前記第2のデジタル信号の各ビット桁に対応した電流を出力し、並列接続されたm個の電流源と、
それぞれが前記第2の電圧生成素子群内の前記電流源に直列接続され、前記第2のデジタル信号に応じてオン状態となるm個のスイッチ回路と、を備え、
前記第1の電圧生成素子群の前記n個の電流源は、ビット桁が小さい方からs(s≦n)番目に対応する電流源の出力電流が、ビット桁が最下位からs−1番目に対応するs−1個の電流源の総出力電流の実質的に倍となり、
前記第2の電圧生成素子群の前記m個の電流源は、ビット桁が小さい方からt(t≦m)番目に対応する電流源の出力電流が、ビット桁が最下位からt−1番目に対応するt−1個の電流源の総出力電流の実質的に倍となり、
前記抵抗は、前記第1及び第2の電圧生成素子群のオン状態となった前記スイッチ回路と接続される前記電流源からの電流が流れることを特徴とする
請求項14に記載の半導体集積回路装置。
【請求項16】
前記mの値は、当該半導体集積回路装置が形成される製造プロセスにより生じる面内ばらつきに応じて決定されることを特徴とする
請求項15に記載の半導体集積回路装置。
【請求項17】
当該半導体集積回路装置は、直列接続された前記第1、第2の電圧生成素子群に電流を供給する電流源と、を更に有し、
前記第1の電圧生成素子群は、
それぞれが前記第1のデジタル信号の各ビット桁に対応した抵抗値を有し、直列接続されたn個の抵抗と、
それぞれが前記第1の電圧生成素子群の抵抗に並列接続され、前記第1のデジタル信号に応じてオフ状態となるn個のスイッチ回路と、を備え、
前記第2の電圧生成素子群は、
それぞれが前記第2のデジタル信号の各ビット桁に対応した抵抗値を有し、直列接続されたm個の抵抗と、
それぞれが前記第2の電圧生成素子群の抵抗に並列接続され、前記第2のデジタル信号に応じてオフ状態となるm個のスイッチ回路と、を備え、
前記第1の電圧生成素子群の前記n個の抵抗は、ビット桁が小さい方からs(s≦n)番目に対応する抵抗の抵抗値が、ビット桁が最下位からs−1番目に対応するs−1個の抵抗の合成抵抗値の実質的に倍となり、
前記第2の電圧生成素子群の前記m個の抵抗は、ビット桁が小さい方からt(t≦m)番目に対応する抵抗の抵抗値が、ビット桁が最下位からt−1番目に対応するt−1個の抵抗の合成抵抗値の実質的に倍となることを特徴とする
請求項14に記載の半導体集積回路装置。
【請求項18】
前記mの値は、当該半導体集積回路装置が形成される製造プロセスにより生じる面内ばらつきに応じて決定されることを特徴とする
請求項17に記載の半導体集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−60618(P2012−60618A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204878(P2010−204878)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】