説明

印刷処理装置及び印刷処理方法

【課題】 簡単な構成と操作で、ジョブ印刷に伴う印刷状態の検品処理と、再印刷された印刷物に対する差し替えまたは挿入を効率よく行うことである。
【解決手段】 クライアントPC12から受信する印刷ジョブを蓄積した後、印刷処理手段で印刷処理された用紙の画像情報を読み取る(S403)。そして、読み取られる印刷用紙の画像情報と、該印刷用紙に対応する蓄積されたジョブから作成されるビットマップイメージとを比較して印刷状態の良否を判定する(S405。そして、印刷用紙の画像情報の印刷状態が悪いと判定された場合、プリンタユニットによる当該印刷用紙に対するビットマップイメージの再印刷処理が完了するまで、スキャナユニットにより読み取らせるべく次ページに対する印刷用紙の読み取りを待機させる制御を行う(S406〜S415)特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷処理装置及び印刷処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷物の印刷処理状態の良否を判定する技術が知られている。
【0003】
例えば、下記に示す特許文献1では、用紙上に印刷処理された画像をリニアイメージセンサなどの画像読取装置によって読み取って電子データに変換する。そして、印刷処理に用いた原画像の電子データと読み取った電子データを照合して、印刷処理状態の良否の判定を行う。そして、印刷処理状態の悪い用紙を再印刷する。
【特許文献1】特開平10-145530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、複数ページの画像データに基づいて印刷処理がされた複数枚の用紙を画像読取装置により読み取る。そして、複数枚の用紙を読み取った上で、原画像となった画像データとの照合を行う。この方法では、印刷処理状態が悪く再印刷処理された用紙を、画像読取装置が読み取った複数枚の用紙の何れかと差し換える処理を、画像読取装置の操作者が行うこととなる。
【0005】
このため、差し換え(挿入)の作業が面倒であるとともに、人為的ミスが発生する可能性がある。
【0006】
さらに、特許文献1は、複数枚の用紙を全て読み取った後に原画像との照合を行うので、読み取った画像データを蓄積するメモリの容量が小さいと、枚数の多い印刷物には対応できないという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、印刷処理状態が悪いページの再印刷処理をして良好な印刷物を作成するにあたって、印刷処理装置の操作者に再印刷処理された用紙の差し換えを容易に行わせることができる印刷処理装置及び印刷処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の印刷処理装置は、複数ページの画像データを含む印刷ジョブを入力する入力手段と、前記入力手段が入力した印刷ジョブを蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段が蓄積した印刷ジョブに含まれる複数ページの画像データに基づいて、複数枚の用紙に印刷処理をする印刷処理手段と、前記印刷処理手段で印刷処理された複数枚の用紙を1枚ずつ読み取ってページ単位の画像データを取得する画像読取手段と、前記画像読取手段が取得したページ単位の画像データと、該画像データに対応する前記蓄積手段に蓄積された画像データとを比較して、印刷処理状態の良否をページ単位で判定する判定手段と、特定ページの前記印刷処理状態が悪いと前記判定手段が判定した場合、前記印刷処理手段に前記特定ページの画像データに基づく再印刷処理をさせるとともに、前記印刷処理手段による前記再印刷処理が完了するまで、前記画像読取手段による前記特定ページに引き続くページの読み取りを待機させるよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成する本発明の印刷処理方法は、複数ページの画像データを含む印刷ジョブを入力する入力工程と、前記入力工程が入力した印刷ジョブを蓄積部に蓄積する蓄積工程と、前記蓄積部に蓄積された印刷ジョブに含まれる複数ページの画像データに基づいて、複数枚の用紙に印刷処理をする印刷処理工程と、前記印刷処理工程で印刷処理された複数枚の用紙を1枚ずつ読み取ってページ単位の画像データを取得する画像読取工程と、前記画像読取工程が取得したページ単位の画像データと、該画像データに対応する前記蓄積部に蓄積された画像データとを比較して、印刷処理状態の良否をページ単位で判定する判定工程と、特定ページの前記印刷処理状態が悪いと前記判定工程が判定した場合、前記特定ページの画像データに基づく再印刷処理を実行するとともに、前記再印刷処理が完了するまで、前記画像読取工程による前記特定ページに引き続くページの読み取りを待機させるよう制御する制御工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷処理状態が悪いページの再印刷処理をして良好な印刷物を作成するにあたって、印刷処理装置の操作者に再印刷処理された用紙の差し換えを容易に行わせることができる印刷処理装置及び印刷処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態を示す画像処理システム(印刷処理システム)の構成を説明するブロック図である。本例は、クライアントPC12とMFP11とがネットワーク13を介して画像処理(印刷処理)を行う画像処理システム例である。
【0012】
図1に示すクライアントPC12において、CPU21は、内部バス28で接続される各デバイスを直接或いは間接的に制御して、印刷ジョブを生成してMFP11に送信する処理などクライアントPC12の動作を実現するためのプログラムを実行する。ここで、各デバイスとは、後述のROM22やRAM23等が含まれる。
【0013】
ROM22は、BIOS(Basic Input/Output System)等の基本ソフトウエアを格納する。RAM23は、CPU21のワーク領域として利用される。
【0014】
また、RAM23には、アプリケーションプログラムをロードするためにデータが一時的に記憶される。HDD(ハードディスクドライブ)24は、プログラムをファイルとして格納している。
【0015】
入力装置25は、ユーザインタフェースであり、例えばプログラムの中で操作画面がモニタ26に表示された際に、その操作画面に対するユーザの操作を入力するためのものである。モニタ26は、前記操作画面等を表示する。インターフェース(I/F)27は、クライアントPC12と、ネットワーク13とを相互に接続するためのである。
【0016】
続いて、図1に示すMFP11は、ネットワーク13を介して、コンピュータ端末へ印刷サービス、スキャンサービス、ストレージサービス、及び送信サービス等を提供するネットワーク対応型のMFPである。ここで、送信サービスとは、FAX送信、電子メール送信、及びファイル転送等をいう。
【0017】
MFP11は、例えば、通信装置31、CPU32、メモリ33、記憶装置34、画像処理装置35、スキャナユニット36、プリンタユニット37、及びオペレーションパネル38等から構成されている。
【0018】
CPU32は、画像処理装置35における種々の機能を実現するためのプログラムを実行する。
【0019】
具体的には、CPU32は、第1実施形態におけるMFP11の動作を実現するためのプログラムであるMFPエージェント301を記憶装置34から読み出す。そして、CPU32は、読み出したプログラム(MFPエージェント301)を、メモリ33をワーク領域として実行する。また、オペレーションパネル38は、ユーザインタフェースであり、タッチパネルの機能を備えている。40は自動原稿給送装置(ADF)で、原稿台に載置された原稿束より原稿を1枚ずつ分離して、MFP11のスキャナユニット36のプラテン上に原稿を給送する。そして、スキャナユニット36の光学走査ユニットによりプラテン上に載置された原稿の画像を読み取ると、プラテン上に載置された原稿をプラテン上からADF40上の排紙先となる排紙トレイに排出する。
【0020】
ここで、ADF40に載置される原稿束は、プリンタユニット37で印刷処理された出力用紙となる場合がある。つまり、後述するようなプリンタユニット37で印刷された特定ページの印刷処理状態を画像処理により判定する場合には、印刷済みの用紙の給送を制御する。本実施形態では、ADF40は、スキャナユニット36で読み取りされた後の原稿を排紙トレイに排出する原稿給送処理を実行可能に構成されている。
【0021】
また、CPU32は、ADF40の原稿給送処理は、印刷処理された用紙をスキャナユニット36のモードで決定される読み取り位置へ給送する。そして、CPU32は、スキャナユニット36で、印刷済みの用紙の読み取りが終了した後に、読み取りが終了した用紙を排紙先に排紙するように制御している。
【0022】
また、CPU32は、図8に示す処理において、印刷処理済みの用紙の画像と、蓄積された対応するページの画像との比較に基づく良否判定を行う。そして、CPU32は、特定ページの画像データの良否判定結果により、印刷処理済みの特定ページの用紙の画像が悪いページと判定した場合は、悪いと判定したページをプリンタユニット37で再印刷する処理が完了するまで、ADF40上から次の印刷済みの用紙の給送を待機させる。
【0023】
なお、原稿読み取りは、流し込みモードと、通常モードとがあり、流し込みモードでは、スキャナユニット36の光学走査ユニットが所定位置に停止した上で、露光ランプが点灯し、順次搬送される原稿の画像を読み取るモードである。また、通常モードとは、ADFから給送される原稿をプラテン上に載置した状態で、スキャナユニット36の光学走査ユニットが自走して原稿を読み取るモードである。なお、本実施形態では、流し込みモードで、検品処理を行うものとする。
【0024】
図2は、図1に示したMFP11による画像検品処理並びに画像補完処理を説明する模式図である。(A)は検品処理に対応し、(B)は補完処理に対応する。
【0025】
図2は、MFP11を印刷処理装置及び画像検査装置として利用して検品処理及び補完処理をする例を説明する図である。図2の(A)は、MFP11の記憶装置34に蓄積されている複数ページの画像データ(IM1〜IM4の4ページ分の画像データ)を用いて、IM1〜IM4に基づいて印刷処理した用紙である検品対象原稿OR1〜OR4を検品処理する例を示している。ここで、IM1〜IM4は、クライアントPC12からMFP11の通信装置31に送信された印刷ジョブを、CPU32がプリンタユニット37にて印刷可能な形式(例えば、ビットマップ形式)の画像データに変換したものである。
【0026】
また、検品対象原稿OR1〜4は、CPU32がクライアントPC12から受信した印刷ジョブを変換して得た画像データをプリンタユニット37で印刷した印刷物である。そして、この印刷物が、印刷処理状態が判定される検品対象としてADF40の原稿台にセットされる。
【0027】
スキャナユニット36によりページ単位の画像データとして読み取られた検品対象原稿OR1〜4と、例えば記憶装置34に記憶された検品対象の印刷ジョブから生成される画像データIM1〜IM4との画像とを比較して、検品対象原稿OR1〜4に印刷処理状態が悪い(異常がある)かどうかをCPU32が制御プログラムを実行することで判定する。
【0028】
ここで、例えばCPU32が検品対象原稿OR3に対応して記憶された画像データIM3との比較で、印刷処理状態が悪い(異常)であると判定した場合、CPU32はスキャナユニット36による読み取り動作を一時停止して検品対象原稿OR4の読み取りを待機させる。
【0029】
そして、CPU32は、図2の(B)に示すように、MFP11の内部記憶装置に保管してある検品対象の印刷ジョブの中から印刷処理状態が悪いと判定されたページに対応する画像データIM3について、再印刷処理をプリンタユニット37に指示する。これにより、印刷処理状態が悪いページの差し替え(又は不足ページ挿入)などの適切な補完動作を行う。この際、CPU32は、オペレーションパネル38に、図7に示すような検品対象原稿OR3の印刷処理状態が悪いことを通知するメッセージを表示させる。また、CPU32は、検品対象原稿OR3と差し替える用紙を作成するために、画像データIM3による再印刷処理を実行するための指示をユーザに入力させるためのメッセージをオペレーションパネル38に表示させる。
【0030】
ここで、内部記憶装置とは、メモリ33、記憶装置34が含まれる。
【0031】
第1実施形態では、図2の(A)に示すように、印刷処理状態が悪いと判定される検品対象原稿OR3以降の検品対象原稿OR4のスキャナユニット36による読み取り処理を停止させる。つまり、検品対象原稿OR3の印刷処理状態が悪い(異常)ことが判定された時点で、以降の検品対象原稿OR4のスキャナユニット36による読み取り処理を待機させる。
【0032】
この際、CPU32は、検品対象原稿OR3を、後述する廃棄用のトレイに排出させる排紙制御を実行する。その後、CPU32は、図2の(B)に示すように、記憶装置34に記憶された印刷ジョブに含まれる複数ページの画像データの中から印刷処理状態が悪いと判定されたページに対応する画像データIM3を取得して、画像データIM3の再印刷をプリンタユニット37に指示する。
【0033】
つまり、検品完了済みの検品完了印刷物PO1,2の後に、補完印刷された検品完了印刷物CO3を図7に示すメッセージに従ってMFP11の操作者による操作でADF40の排紙台に差し替えが行われる。
【0034】
続いて、CPU32は、検品対象原稿OR4のスキャナユニット36による原稿読み取りを開始させる。なお、検品完了印刷物PO1,2は、検品対象原稿OR1,2と同じものであるが、検品完了印刷物であることを示すため、符号を変えて表記している。
【0035】
〔画像処理装置の構成〕
図3は、図1に示したMFP11の構成を説明する断面図である。
【0036】
図3において、40は自動原稿送り装置(ADF)で、原稿給送台に載置された原稿束から原稿を1枚ずつMFP11の原稿台(プラテンガラス)2001に給送する。2002はスキャナで、原稿照明ランプ2003や走査ミラー2004等で構成される。
【0037】
このスキャナ2002は、モータにより所定方向に往復駆動されて原稿を走査し、走査ミラー2004〜2006を介しレンズ2007を透過して原稿からの反射光をイメージセンサ部2008内のCCDイメージセンサ(CCD)に結像する。
【0038】
イメージセンサ部2008は、原稿からの反射光を電気信号に変換したものに所定の画像処理を施して画像信号を生成する。2009は露光制御部で、レーザ発生部やポリゴンスキャナ等で構成され、イメージセンサ部2008で生成された画像信号に基づいて変調されたレーザ光2019を生成し感光体ドラム2011に照射する。
【0039】
2010は画像形成部で、感光体ドラム2011と、感光体ドラム2011の回りに配置される1次帯電器2012,現像器2013,転写帯電器2016,分離帯電器2017,前露光ランプ2014,クリーナ装置2015等から構成される。
【0040】
画像形成部2010において、感光体ドラム2011は、モータにより駆動され、図中矢印Aに示す方向に回転する。1次帯電器2012は、感光体ドラム2011を所定の電位に帯電する。1次帯電器2012により帯電された感光体ドラム2011上には露光制御部2009で生成されたレーザ光2019が照射され、静電潜像が形成される。現像器2013は、感光体ドラム2011上に形成された静電潜像を現像し、感光体ドラム2011上の静電潜像をトナー像として可視化する。
【0041】
2021は第1カセット,2022は第2カセット,2023は第3カセット,2024は第4カセットで、記録媒体としての転写紙を収納する。
【0042】
第1カセット2021,第2カセット2022,第3カセット2023あるいは第4カセット2024に収納される転写紙は、ビックアップローラ2025,2026,2027,2028により拾い上げられる。その後、給紙ローラ2029,2030,2031,2032によりMFP11に送られ、レジストローラ2033により画像形成部2010に搬送される。
【0043】
転写帯電器2016は、感光体ドラム2011上の可視化されたトナー像を搬送されてきた転写紙に転写する。クリーナ装置2015は、転写紙にトナー像を転写した後の感光体ドラム2011上の残留トナーを清掃する。前露光ランプ2014は、クリーナ装置2015による残留トナー清掃後の感光体ドラム2011上の残留電荷を消去する。
【0044】
分離帯電器2017は、トナー像が転写された後の転写紙を感光体ドラム2011から分離する。2034は搬送ベルトで、分離帯電器2017により分離された転写紙を定着器2035に搬送する。定着器2035は、転写紙を加圧及び加熱することによりトナー像を転写紙に定着する。2036は排出ローラで、定着器2035によりトナー像が定着された転写紙をMFP11の外に排出する。
【0045】
2037は排紙フラッパで、搬送パス2038側と排出パス2043側のいずれかに転写紙の転送経路を切り替える。2040は下搬送パスで、排紙ローラ2036,反転ローラ2045により搬送され、反転パス2039を介して裏返された転写紙を再給紙パス2041に導く。
【0046】
2042は再給紙ローラで、再給紙パス2041に導かれた転写紙を画像形成部2010に再給紙する。2044は排出ローラで、排紙フラッパ2037の近傍に配置され、この排紙フラッパ2037により排出パス2043側に切り替えられた際に搬送される転写紙を機外に排出する。
【0047】
なお、このMFP11において、両面記録(両面複写)を行うときには、排紙フラッパ2037を上方に上げられる。その後、複写済みの転写紙を搬送パス2038,反転パス2039,下搬送パス2040を介して再給紙パス2041に導く。
【0048】
このとき、反転ローラ2045によって転写紙の後端が搬送パス2038から全て抜け出し、かつ反転ローラ2045に転写紙が噛んだ状態の位置まで転写紙を反転パス2039に引き込む。それから反転ローラ2045を逆転させることによって下搬送パス2040に送り出す。
【0049】
また、MFP11から転写紙を反転して排出する時には、排紙フラッパ2037を上方へ上げ、反転ローラ2045によって転写紙の後端が搬送パス2038に残った状態の位置まで反転パス2039に引き込む。そして、反転ローラ2045を逆転させることによって、転写紙を裏返して排出ローラ2044側に送り出す。
【0050】
2090は排紙処理装置(ソータ)で、MFP11から排出された転写紙をそろえて閉じる(ステイプルを行う)ものであり、一枚毎に排出される転写紙を処理トレイ2094で積載して揃える。そして、一部(一束)分の画像形成の排出が終了したら、転写紙束を処理トレイ2094内の不図示のステイプラでステイプルして排紙トレイ2092、又は排紙トレイ2093に束で排出する。
【0051】
排紙トレイ2093,2094は不図示のモータで上下に移動制御され、画像処理動作開始前に処理トレイ2094の位置になるように移動する。
【0052】
2091は用紙トレイで、排出された転写紙の間に挿入する区切り紙を積載する。2095はZ折り機で、排出された転写紙をZ折りにする装置である。また、2096は製本機で、排出された転写紙の一部(一冊)分をまとめてセンタ折りしステイプルを行うことによって製本を行い、製本された紙束は排出トレイ2097に排出される。
【0053】
なお、MFP11には、例えば4000枚の転写紙を収納し得るペーパデッキ2050が装備されている。ペーパデッキ2050のリフタ2051は、ピックアップローラ2052に転写紙が常に当接するように転写紙の量に応じて上昇し、転写紙は給紙ローラ2053によって本体に送られる。また、100枚の転写紙を収容し得るマルチ手差し2054が装備されている。
【0054】
また、現像器2013は、トナーカセットを交換することによりトナー補充を行うものであっても、現像器2013内に直接トナーを補充可能なものであってもよい。さらに、現像器2013は、現像器2013内のトナー残量を検出可能である。
【0055】
また、ここでは、画像出力装置の一例としてモノクロ複写機の構成を説明したが、カラー複写機であってもよい。
【0056】
この場合、現像器2013は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)の4つの現像部により構成されることになる。また、現像器2013は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)各種トナー残量を個別に検出可能である。
【0057】
さらに、MFP11は、第1〜第4カセットおよびペーパデッキ2050に、それぞれ収納される転写紙の残量を検出可能である。また、排紙処理装置(ソータ)2090は、転写紙束を処理トレイ2094内に収納されるステイプル針の残量を検出可能である。さらに、排紙処理装置(ソータ)2090,Z折り機2095,ペーパデッキ2050はオプション装置でMFP11に着脱可能に装着されている。
【0058】
また、印刷ジョブに後述する検品JOB補完モードが指定されている場合、MFP11が受信した印刷ジョブは、記憶装置34にPDLデータとして保管されるため、記憶装置34で使用するメモリ容量は小さく済む。また、CPU32は、記憶装置34に蓄積された印刷ジョブに含まれる画像データとスキャナユニット36により読み取られた画像データとの比較で印刷処理状態が悪いと判定する場合がある。この場合、CPU32は、オペレーションパネル38上に、図7に示すメッセージを表示して、プリンタユニット37により補完印刷される印刷物を既に検品した原稿に正しく挿入されるような表示をする。
【0059】
つまり、第1実施形態で、CPU32は、ADF40により給送された検品対象の印刷物を読み取って得た画像データに基づいた判定が印刷処理状態が悪いことを示す場合、ユーザにその旨を通知する。
【0060】
具体的には、不良判定されている印刷用紙の解除状態と、プリンタユニット37による再印刷状態とに基づいて、オペレーションパネル38に再印刷処理操作を完了させるための異なるメッセージ7501〜7503を通知する。
【0061】
なお、CPU32は、図8に示すように、スキャナユニット36により読み取られる用紙に対応する画像データと、その用紙に対応する画像データであって、記憶装置34に蓄積された画像データとを比較する。これにより、CPU32は、検品対象の印刷物の印刷状態の良否を判定する。
【0062】
そして、CPU32により印刷処理状態が悪いと判定された場合、プリンタユニット37による再印刷処理が完了するまで、スキャナユニット36による次ページの読み取りを待機させる。
【0063】
図4は、図1に示したMFP11上で動作するソフトウェアモジュールの構成を示す図である。
【0064】
図4において、MFP11の基本モジュール302上で、MFPエージェント301が動作しており、MFPエージェントは、本発明におけるMFP11の動作を実現するためのプログラムである。ここで、基本モジュール302とは、いわゆるコントローラと呼ばれるモジュール群を意味する。
【0065】
クライアントPC12にて、図5に示すプリンタドライバのページ設定画面の出力方法を示す項目Iより検品JOB保管が指定される。
【0066】
図5は、図1に示したPC12のHD24にインストールされているプリンタドライバが提供する印刷設定画面の一例を示す図である。本例では、MFP11に対するプリンタドライバを、例えばアプリケーション起動中の印刷要求がなされると、本画面がモニタ26に表示される。
【0067】
図5に示す画面は、ユーザによる入力装置25の操作指示に基づいてタブシートTAB1〜TAB4を選択することで、タブシートTAB1〜TAB4に対応する印刷設定を行えるように構成されている。
【0068】
ここで、タブシートTAB1は、ページ設定用のシートで、出力方法、原稿サイズ、部数、出力用紙サイズ、印刷の向き、ページレイアウト、倍率指定、スタンプ指定等の設定を行うことができる。
【0069】
BT1〜BT3はボタンで、ボタンBT1は設定した内容を確定されるOKボタンとして機能し、ボタンBT2は設定した内容を取り消すキャンセルボタンとして機能する。また、ボタンBT3は、各設定項目等に関する内容を提示するヘルプボタンとして機能する。
【0070】
図6は、図1に示したオペレーションパネル38の一例を示す平面図である。
【0071】
図6において、6301は電源スイッチで、本体への通電を制御する。6302は予熱キーで、予熱モードのON/OFFに使用する。6303はコピーAモードキーで、複数の機能の中からコピーAモードを選択するときに使用する。6304はコピーBモードキーで、複数の機能の中からコピーBモードを選択するときに使用する。コピーA及びコピーBとは、各々同じコピー機能であるが、片方のコピーのスキャナ読み込みが終了している場合は次のコピーの入力ができるため、敢えてユーザに分かりやすくするために二つのコピーに分けている。
【0072】
6305はメールボックスキーで、複数の機能の中からメールボックスモードを選択するときに使用する。メールボックス機能とは、ユーザ個人や部署毎に複写機内のメモリに記憶領域を持ち、そこにPDLやスキャン画像を入れておき、好きなときに出力する機能である。6306は拡張キーで、PDLに対する操作を行うときに使用する。これらのキー6303〜6306は、後述するLCDタッチパネル6316の各々の機能画面を呼び出すときにも使用され、LCDタッチパネル6316の表示により各々のジョブの状況を見ることができる。
【0073】
6307はコピースタートキーで、コピーの開始を指示するときに用いるキーである。6308はストップキーで、コピーを中断したり、中止したりするときに用いるキーである。6309はリセットキーで、スタンバイ中は標準モードに復帰させるキーとして動作する。6310はガイドキーで、各機能を知りたいときに使用するキーである。6311はユーザモードキーで、ユーザがシステムの基本設定を変更するときに使用する。6312は割り込みキーで、コピー中に割り込みしてコピーしたいときに用いる。
【0074】
6313はテンキーで、数値の入力を行うときに使用する。6314はクリアキーで、テンキー6313により入力された数値をクリアするときに用いる。6315はIDキーで、複写機を使用する場合にIDの入力モードに移行するときに使用する。6316は液晶画面とタッチセンサの組合せからなるLCDタッチパネルで、各モード毎に個別の設定画面が表示され、さらに描画されたキーに触れることで、各種の詳細な設定を行うことが可能である。また、各々のジョブの動作状況表示なども行う。6317はネットワークの通信状態を示すタリーランプで、通常緑色で、通信しているときは緑色で点滅し、ネットワークエラーの場合には赤色になる。
【0075】
図7は、図6に示したLCDタッチパネル6316に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【0076】
図7において、7501〜7503は、CPU32が検品対象原稿を読み取って印刷処理状態が悪いと判定された時に表示されるメッセージである。ユーザは、このメッセージ7501〜7503に従い、中断される検品処理に伴ってプリンタユニット37で印刷される差し替え対象ページの印刷物を、ADF中に排紙されている用紙に引き続く用紙として積載する。これにより、再印刷された用紙を差し替える際の差し替えミスを防止できる。
【0077】
なお、7501a〜7503aはOKボタンであり、そのメッセージを肯定する場合に確認として押下されることで、次のメッセージが表示される。そして、OKボタン7503aが押下されると、CPU32は、LCDタッチパネル6316に表示されるメッセージを消去して、標準画面または検品処理に対応した画面を表示する。
【0078】
図8は、第1実施形態を示す印刷処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図4に示すMFP11の基本モジュール302による検品処理例である。なお、S401〜S415は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU32がメモリ33に基本モジュール302を記憶装置34からロードして実行することで実現される。
【0079】
また、本処理は、前処理として検品ジョブをMFP11の記憶装置34へ保管しおく必要がある。
【0080】
ここで、前処理とは、クライアントPC12にて図5に示したプリンタドライバが提供するユーザインタフェースを介して、出力方法、検品ジョブとして保管するか否かを指定して、印刷処理を実行する。これにより、印刷JOB生成を行うと、生成した印刷JOBをネットワーク13を介してMFP11へ送信し、MFP11の記憶装置34に検品ジョブとして保管を行う処理である。
【0081】
一方、クライアントPC12にて図5に示したユーザインタフェースにより、出力方法、検品ジョブとして保管する旨が指定されていない場合は、転送された出力完了後、JOBはMFP11の記憶装置34に保管されることなく破棄される。このように、クライアントPC12から生成される印刷ジョブは、MFP11の通信装置31を介して入力され、外部記憶装置34に蓄積される。ここで、印刷ジョブは、複数のページで構成され、画像処理装置35では、メモリ33に展開される画像に、回転、拡大、縮小、トリミング、nin1等のレイアウト処理等を行う。
【0082】
まず、S401で、MFP11の利用ユーザがオペレーションパネル38を介して、検品モードへの切り替えを行い、S402で、検品対象の印刷物をMFP11のADF40の原稿台へセットする。次に、S403で、CPU32は、スキャナユニット36に原稿の読み取りを開始させ、S404ですべての原稿の読み取りが終了すると判断するまで、以下の動作をMFPエージェント301が繰り返す。
【0083】
S405で、CPU32はMFPエージェント301を実行して、原稿を1枚ずつ読み取り解析を行う。
【0084】
ここで、解析方法の一例として、MFP11の記憶装置34に保管してある検品ジョブに含まれる画像データとスキャナユニット36により読み取られる画像データとをメモリ33上でパターンマッチングにより異常を検知する方法がとられる。
【0085】
続いて、上記の解析結果に基づき、S406で、CPU32は、印刷処理状態が悪いか否かの判定を行い、印刷処理状態が良いと判断した場合は、S403へ戻り、次の原稿の読み取りを行う。
【0086】
一方、S406で、原稿給送に伴い、原稿自体にしわ、汚れが発生したり、印字不良、ページ抜け等の印刷処理状態の異常を検知した場合は、CPU32による良否判定がNGとなる。
【0087】
そこで、S407で、CPU32は、ADF40による原稿の読み取り動作を一時停止させ、S408で、オペレーションパネル38上へ補完印刷実行を指示する図7に示したメッセージ7501を図6に示したLCDタッチパネル6316に表示する。
【0088】
次に、S409で、CPU32は、図6に示したLCDタッチパネル6316に表示されたメッセージ501のOKボタン501aが押下されたか否かの判定を行う。つまり、CPU32は、原稿異常となった原稿に対するユーザからの補完出力が実行指示されているか否かを判定する。
【0089】
ここで、CPU32が図6に示したLCDタッチパネル6316に表示されたメッセージ501のOKボタン501aが押下されたらと判定したら、S410で、CPU32は、図9に詳細を示す補完出力処理を実行する(S4−10)。
【0090】
ここで、図9を用いて、補完出力処理の説明を行う。
【0091】
図9は、本実施形態を示す印刷処理装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図4に示すMFPの基本モジュール302による検品処理例である。なお、S801〜S803は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU32がメモリ33に基本モジュール302を記憶装置34からロードして実行することで実現される。
【0092】
本実施形態に示す補完出力処理では、S801で、CPU32は、記憶装置34に保管してあるJOBより該当ページの検索を実行する。次に、S802で、CPU32は、S803で検索終了後、該当ページ部のみの再印刷をプリンタユニット37に実行させ、本処理を終了する。
【0093】
このようにして、S410に対応する上記の補完出力処理が完了すると、CPU32は、S411で、補完動作指示である図5のメッセージ502をオペレーションパネル38へ表示する。ここで、図5のメッセージ502とは、例えば「ADF40のトレイの原稿と補完出力したら原稿の差し替え又は挿入を行ってから、続行ボタンを押下して下さい」を表示する。これにより、ユーザは、補完出力された印刷物をADF40のトレイ上に既に排紙積載された、適正な位置に挿入することができため、従来のような差し違いや差し違えミスを防止することができる。
【0094】
次に、CPU32は、S412で、図6に示したLCDタッチパネル6316に表示されたメッセージ502の続行ボタン502aが押下されたか否かの判定を行う。つまり、CPU32は、ADF40に積載された検品原稿の読取り中断を解除して、スキャナユニット36によるスキャン再開が指示されているかどうかを判定する。
【0095】
そして、S413で、CPU32が続行ボタン502aが押下されたことを検出したら、ユーザにより適切な補完動作(原稿の差し替え、または、挿入)が完了しているか否かの判定を行う。
【0096】
ここで、CPU32が適切な補完動作が完了していると判断した場合は、S403へ戻り、ADF40から給送される検品原稿の読み取り動作を再開し、次の原稿を読み取る。
【0097】
一方、S413で、CPU32が適切な補完動作が完了していないと判断した場合、すなわち、ADF40に備えるセンサにより、ADF40の排紙トレイ上にある補完出力した原稿が取り除かれていないと判断した場合S414へ進む。そして、S414で、CPU32は、オペレーションパネル38上に配置される図6に示したLCDタッチパネル6316に表示されたメッセージ503を表示する。そして、S415で、CPU32は、LCDタッチパネル6316に表示されたメッセージ503中に表示されるOKボタン503aが押下されたかどうかを判断する。そして、CPU32は、OKボタン503aが押下されたことを検知したら、S411へ戻り、CPU32は、メッセージ502をLCDタッチパネル6316に表示する。
【0098】
つまり、S415で、OKボタン503aが押下されたことを検知したら、再度、補完動作指示のメッセージ502の表示へ戻り、適切な補完動作がなされるまでこの動作を繰り返す。
【0099】
以上、これらの手順により、MFP11のスキャナユニット36及びプリンタユニット37を利用して印刷物の検品と補完処理とを一貫して行うことができる。
【0100】
さらに、CPU32は、検品処理にて不良ページが発見された時点で、スキャナユニット36読み取り動作を停止させ、補完出力する。これにより、印刷物の該当箇所へ確実に差し替え(又は挿入)できる。
【0101】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、MFP11が備えるスキャナユニット36及びプリンタユニット37を利用して印刷物の検品と補完処理とを一貫して行う場合について説明した。特に、検品で異常と判定された場合には、MFP11が備えるオペレーションパネル38に図7に示したメッセージを表示して、ユーザに検品異常となった原稿の破棄と、破棄された原稿の差し替えを実行させる。そして、ジョブから再印刷されたと用紙の挿入あるいは差し替えをユーザに実行させる場合について説明した。
【0102】
これに対して、上記メッセージに代えて、音声ガイダンスをスピーカから音声出力することで、同様の操作をユーザに実行させるように制御してもよい。以下、その実施形態について説明する。
【0103】
図10は、第2実施形態の印刷処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図4に示すMFP11の基本モジュール302による検品処理例である。なお、S601〜S612は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU32がメモリ33に基本モジュール302を記憶装置34からロードして実行することで実現される。
【0104】
図11は、図1に示したMFP11のオペレーションパネル38に備える音声出力部より音声出力される音声ガイダンスの一例を示す図である。なお、音声出力部であるスピーカ等は、オペレーションパネル38の一部として構成してもよいし、独立したチップ部品として、MFP11を操作するユーザが聞き取り易い位置に設ける構成としてもよい。
【0105】
図11において、1101〜1103は音声ガイダンスであって、後述フローチャートの処理において、CPU32の制御により、ROMより音声データが読み出されて、音声変換処理部で処理されることで音声として出力される。なお、仕向け地を考慮して、音声出力される言語は、複数用意されており、セットアップ自に言語を指定することで、適切な言語の音声ガイダンスを行えるように構成されている。
【0106】
ここで、音声ガイダンス1101は、例えば「印刷物の異常を検知しました。スタートボタンを押下して下さい。補完印刷を実行します。」である。また、音声ガイダンス1101は、例えば「ADFトレイの原稿と補完出力した原稿の差し替え又は挿入を行ってからスタートボタンを押して下さい」である。
【0107】
さらに、音声ガイダンス1103は、例えば「適切な補完処理がなされていません。ガイダンスの指示に従って下さい。」である。なお、音声ガイダンス1103については、他の音声ガイダンス1103よりも、音声出力レベルを若干上げて、ユーザに注意を喚起するように音声ガイダンス出力制御を実行してもよい。
【0108】
また、本処理は、前処理として検品ジョブをMFP11の記憶装置34へ保管しおく必要がある。
【0109】
ここで、前処理とは、クライアントPC12にて図5に示したプリンタドライバが提供するユーザインタフェースを介して、出力方法、検品ジョブとして保管する旨を指定して、印刷処理を実行する。これにより、クライアントPC12は、印刷ジョブを生成するとともに、生成した印刷ジョブをネットワーク13を介してMFP11へ送信する。MFP11は、印刷ジョブを受信して記憶装置34に検品ジョブとして保管する。
【0110】
一方、クライアントPC12にて図5に示したユーザインタフェースにより、出力方法、検品ジョブとして保管する旨が指定されていない場合は、転送された出力完了後、JOBはMFP11の記憶装置34に保管されることなく破棄される。
【0111】
まず、S601で、MFP11の利用ユーザがオペレーションパネル38を介して、検品モードへの切り替えを行い、S602で、検品対象の印刷物をMFP11のADF40の原稿台へセットする。次に、S603で、CPU32は、スキャナユニット36に原稿の読み取りを開始させ、S604ですべての原稿の読み取りが終了すると判断するまで、以下の動作をMFPエージェント301が繰り返す。
【0112】
S605で、CPU32はMFPエージェント301を実行して、原稿を1枚ずつ読み取り解析を行う。
【0113】
ここでは、解析方法の一例として、MFP11の記憶装置34に保管してある検品ジョブの画像データとスキャナユニット36により読み取られる画像データとをメモリ33上でパターンマッチングにより異常を検知するものとする。
【0114】
続いて、上記の解析結果に基づき、S606で、CPU32は、良否判定を行い、印刷処理状態に異常がないと判断した場合は、S603へ戻り、次の原稿の読み取りを行う。
【0115】
一方、S606で、原稿給送に伴い、原稿自体にしわ、汚れが発生したり、印字不良、ページ抜け等の異常を検知した場合は、CPU32による良否判定がNGとなる。
【0116】
そこで、S607で、CPU32は、ADF40による原稿の読み取り動作を一時停止させ、S608で、オペレーションパネル38上へ補完印刷実行を指示する音声ガイダンス701の処理を実行する。
【0117】
ここで、音声ガイダンス701の処理について図12に示すフローチャートを用いて、説明を行う。
【0118】
図12は、第2実施形態の印刷処理装置における第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図4に示すMFPの基本モジュール302による検品処理例である。なお、S1201〜S1203は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU32がメモリ33に基本モジュール302を記憶装置34からロードして実行することで実現される。
【0119】
CPU32は、S1201で、音声ガイダンス701の処理として図11に示すの音声ガイダンス1101の補完印刷指示をアナウンスする。次に、S1202で、CPU32は、オペレーションパネル38のスタートボタン6307が押下されたことを検知したら、本処理を終了して、次の補完出力処理へ移る。
【0120】
一方、CPU32がオペレーションパネル38のスタートボタン6307が押下されていないと判定した場合は、S1203へ進み、押下されるまで10秒ごとに、図11に示した音声ガイダンス1101を音声出力部よりアナウンスし、押下されるまで繰り返す。
【0121】
ここで、図9を参照して、本実施形態における補完処理の説明を行う。
【0122】
本実施形態による補完出力処理では、CPU32は、S801で、記憶装置34に保管してある検品ジョブより該当ページの検索を実行する。
【0123】
そして、S802で、CPU32が検索を終了したら、S803で、該当ページ部のみの再印刷を行い、本処理を終了する。
【0124】
このようにして上記の補完出力処理が完了すると、S610で、CPU32は図11に示した音声ガイダンス702の処理を実行する。
【0125】
ここで、音声ガイダンス702の処理について図12に示すフローチャートを用いて、説明を行う。
【0126】
本実施形態における音声ガイダンス702の処理は、S1201で、CPU32は、図11に示す音声ガイダンス702の補完動作指示をアナウンスする。そして、S1202で、CPU32がオペレーションパネル38のスタートボタン6307が押下されていると判定したら、本処理を終了して、図10に示すS611へ処理を移行する。
【0127】
そして、S611で、CPU32は、ユーザにより適切な補完動作(原稿の差し替え、または、挿入)がされたか否かの判定、すなわち、補完原稿が排紙トレイより取り除かれているかの判断を行う。
【0128】
ここで、CPU32がオペレーションパネル38のスタートボタン6307が押下されていないと判断した場合は、S1203へ進む。そして、S1203で、オペレーションパネル38のスタートボタン6307が押下されるまで、10秒ごとに音声ガイダンス702を音声出力部よりアナウンスする。そして、スタートボタン6307が押下されるまで繰り返す。
【0129】
一方、S1202で、CPU32がオペレーションパネル38のスタートボタン6307が押下されたと判定した場合は、図12に示す処理を終了し、S603へ処理を移行する。
【0130】
つまり、CPU32がオペレーションパネル38のスタートボタン6307が押下されたと判定した場合は、S603で、上記のユーザにより適切な補完動作(原稿の差し替え、または、挿入)がされたか否かの判定において、適切な補完動作がされている場合は、読み取り動作を再開し、次の原稿を読み取る。
【0131】
一方、S611で、CPU32が適切な補完動作がされていないと判断した場合、すなわち、排紙トレイ上にある補完出力した原稿が取り除かれていない場合、例えば図11に示した警告アナウンスである音声ガイダンス1103を1度流す。
【0132】
そして、S610へ戻り、再度、図11に示した音声ガイダンス1102の処理と、S611の判定を繰り返すことで、処理をS603まで戻らせる。
【0133】
これにより、ユーザが適切な補完動作を完了しない限り、図10に示すS610〜S612までの処理を繰り返す。
【0134】
以上、これらの手順により、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0135】
〔第3実施形態〕
上記第1、第2実施形態における補完処置方法を提示する手段の実現方法として、オペレーションパネル上での各種のメッセージ表示と音声ガイダンスとを組み合わせても良い。
【0136】
さらには、オペレーションパネル上にてアニメーションによる指示と組み合わせても良い。
【0137】
さらに、前述したすべての実施形態において、検品対象の印刷物が両面原稿である場合の検査は、両面を読み取った時点で画像の良否判定を行う。あるいは、1パス両面読み取り可能なスキャナを搭載したMFPにて本発明の検品補完システムを導入しても良い。
【0138】
また、前述したすべての実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、MFP11のCPU32に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0139】
なお、上記実施形態では、CPU32が、スキャナユニット36で読み取った印刷済みの用紙の画像と、この画像のページに対応する蓄積済みの画像との良否判定を行い、その結果を異なるメッセージで表示する場合について説明した。
【0140】
具体的には、スキャナユニット36で読み取られた画像が印刷処理状態が悪い場合に、図8に示すS408で、図7に示した印刷処理状態が悪い用紙にメッセージ7501を表示した。そして、続く、S410で、印刷処理状態が悪い画像に対応するページの再印刷処理が完了した場合に、その再印刷処理された用紙をADF40から給送可能とするよう操作を要求するメッセージ7502を表示した。
【0141】
また、本実施形態では、上記のメッセージ7502をオペレーションパネル38に表示することで、ユーザにその旨を通知する場合と、音声ガイドでユーザにその旨を通知する場合について説明した。しかしながら、通知処理は、これらに限らず、これらのテキストや音声とは別に、アイコン等を同時に表示することでその旨をわかりやすくユーザに通知する構成であってもよい。
【0142】
〔第4実施形態〕
以下、図13に示すメモリマップを参照して本発明に係る印刷処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0143】
図13は、本発明に係る印刷処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0144】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0145】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0146】
本実施形態における図8、図9、図10、図12に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0147】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0148】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0149】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0150】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0151】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0152】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0153】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0154】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0155】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0156】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0157】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】第1実施形態を示す画像処理システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示したMFPによる画像検品処理並びに画像補完処理を説明する模式図である。
【図3】図1に示したプリンタユニットに接続可能なインサータ付きの排紙ユニットの構成を示す断面図である。
【図4】図1に示したMFP上で動作するソフトウェアモジュールの構成を示す図である。
【図5】図1に示したPCのHDにインストールされているプリンタドライバが提供する印刷設定画面の一例を示す図である。
【図6】図1に示したオペレーションパネルの一例を示す平面図である。
【図7】図6に示したLCDタッチパネルに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【図8】印刷処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】印刷処理装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】印刷処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図1に示したMFPのオペレーションパネルに備える音声出力部より音声出力される音声ガイダンスの一例を示す図である。
【図12】印刷処理装置における第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】画印刷処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0159】
11 MFP
12 クライアントPC
13 ネットワーク
32 CPU
33 メモリ
36 スキャナユニット
37 プリンタユニット
38 オペレーションパネル
40 ADF

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ページの画像データを含む印刷ジョブを入力する入力手段と、
前記入力手段が入力した印刷ジョブを蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段が蓄積した印刷ジョブに含まれる複数ページの画像データに基づいて、複数枚の用紙に印刷処理をする印刷処理手段と、
前記印刷処理手段で印刷処理された複数枚の用紙を1枚ずつ読み取ってページ単位の画像データを取得する画像読取手段と、
前記画像読取手段が取得したページ単位の画像データと、該画像データに対応する前記蓄積手段に蓄積された画像データとを比較して、印刷処理状態の良否をページ単位で判定する判定手段と、
特定ページの前記印刷処理状態が悪いと前記判定手段が判定した場合、前記印刷処理手段に前記特定ページの画像データに基づく再印刷処理をさせるとともに、前記印刷処理手段による前記再印刷処理が完了するまで、前記画像読取手段による前記特定ページに引き続くページの読み取りを待機させるよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする印刷処理装置。
【請求項2】
前記画像読取手段は、前記印刷処理手段で印刷処理された用紙を読み取り位置へ給送するとともに、読み取りが終了した後に排紙先に排紙する原稿給送部を有し、
前記制御手段は、前記印刷処理手段による前記再印刷処理が完了するまで、前記原稿給送部による前記特定ページに引き続くページの前記読み取り位置への給送を待機させることを特徴とする請求項1記載の印刷処理装置。
【請求項3】
前記特定ページの前記印刷処理状態が悪いと前記判定手段が判定した場合、前記判定手段による判定結果を通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の印刷処理装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記再印刷処理により再印刷された用紙を前記画像処理装置の操作者に前記原稿給送部へ載置させるために通知することを特徴とすることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷処理装置。
【請求項5】
複数ページの画像データを含む印刷ジョブを入力する入力工程と、
前記入力工程が入力した印刷ジョブを蓄積部に蓄積する蓄積工程と、
前記蓄積部に蓄積された印刷ジョブに含まれる複数ページの画像データに基づいて、複数枚の用紙に印刷処理をする印刷処理工程と、 前記印刷処理工程で印刷処理された複数枚の用紙を1枚ずつ読み取ってページ単位の画像データを取得する画像読取工程と、
前記画像読取工程が取得したページ単位の画像データと、該画像データに対応する前記蓄積部に蓄積された画像データとを比較して、印刷処理状態の良否をページ単位で判定する判定工程と、
特定ページの前記印刷処理状態が悪いと前記判定工程が判定した場合、前記特定ページの画像データに基づく再印刷処理を実行するとともに、前記再印刷処理が完了するまで、前記画像読取工程による前記特定ページに引き続くページの読み取りを待機させるよう制御する制御工程と、
を有することを特徴とする印刷処理方法。
【請求項6】
前記印刷処理工程で印刷処理された用紙を読み取り位置へ給送するとともに、読み取りが終了した後に排紙先に排紙する動作を原稿給送部に実行させる給送工程を有し、
前記制御工程は、前記再印刷処理が完了するまで、前記給送工程による前記特定ページに引き続くページに対応する用紙の給送を待機させることを特徴とする請求項5記載の印刷処理方法。
【請求項7】
前記特定ページの前記印刷処理状態が悪いと前記判定工程が判定した場合、前記判定工程による判定結果を通知する通知工程を有することを特徴とする請求項5又は6記載の印刷処理方法。
【請求項8】
前記通知工程は、前記印刷処理方法を実行する印刷装置の操作者に、前記再印刷処理により再印刷された用紙を前記原稿給送部へ載置させるために通知することを特徴とするとを特徴とする請求項5又は6記載の印刷処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−160284(P2008−160284A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−344392(P2006−344392)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】