説明

印刷装置

【課題】本発明は医師の処方箋に基づいて調整される薬剤の情報、及び薬剤を入れる薬袋の印刷が可能な薬袋薬情印刷モードを有する印刷装置に関し、特に薬袋薬情印刷モードにおいても、ユーザが煩雑なモード変更を行う必要がない印刷装置を提供するものである。
【解決手段】封筒印刷モード、又は薬袋薬情印刷モード、又は普通紙印刷モードの何れかの印刷処理モードによって印刷データの印刷処理を行う印刷装置であり、上記薬袋薬情モードに従って印刷処理を行っている場合、薬袋印刷情報がN頁以上連続して入力した場合、印刷処理モードを封筒印刷モードに自動的に変換して印刷処理を行い、薬情印刷情報がM頁以上連続して入力した場合、印刷処理モードを前記普通紙印刷モードに自動的に変換して印刷処理を行う印刷装置を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬剤師によって調整される薬剤の情報、及び薬剤を収納する薬袋の印刷が可能な薬袋薬情印刷モードを有する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、病院や診療所等において、薬の種類、効き目、副作用、飲み方、飲み合わせなど、薬剤の情報について患者に理解されるよう説明することが重視されている。また、近年薬剤師法が改正され、処方せんで調剤した薬剤についての情報を患者や看護にあたる人に提供しなければならないことが義務づけられ、薬袋に薬の種類、効き目、副作用等の薬情報を記載した印刷物を添付することが必要になった。
【0003】
そこで、上記薬袋と薬情報を印刷する薬袋薬情印刷モードの機能を設けた印刷装置が提案されている。このような印刷装置では、例えば薬袋薬情印刷モード、封筒印刷モード、及び通常印刷モードの各機能を設け、定着を良好に行うため、それぞれ印刷速度(プロセス速度)を異ならせている。
【0004】
例えば、薬袋薬情印刷モードは、封筒と普通紙を混在させて印刷できるモードであり、定着温度の設定は普通紙と同じ温度であるが、普通紙と同じ速度で印刷を行うと定着不良になるため、印刷速度を下げて印刷している。
【0005】
特許文献1は薬局の作業効率を向上させる薬袋シートの印刷システムの発明であり、薬剤に関する情報をデータベースに格納し、このデータベースに薬局内のデータデースを接続し、薬剤を処方する際、薬剤コードに基づいてデータベースを検索し、薬袋に印刷すべきデータ、及び処方箋に印刷すべきデータを読み出し、それぞれの印刷処理を行っている。
【特許文献1】特開2001−318988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記薬袋薬情印刷モードにおける印刷処理は、例えば薬袋及び薬情の連続印刷枚数には限度があり、例えば薬袋最大3枚、薬情最大3枚の印刷が可能である場合、この枚数を越える種類の薬剤が処方された場合、薬袋1枚に薬情5枚等の印刷の組み合わせが発生し、また逆に3枚を越える薬袋の印刷を行う必要が生じる場合もある。したがって、このような場合、ユーザはその都度、モード変更を行う必要があった。
【0007】
そこで、本発明は薬袋薬情印刷モードにおいても、ユーザが煩雑なモード変更を行う必要がなく、自動的に最適な印刷動作モードへの変更が可能な印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は第1の発明によれば、封筒印刷モード、薬袋薬情印刷モード、普通紙印刷モードの何れかの印刷処理モードによって印刷データの印刷処理を行う印刷装置において、前記薬袋薬情モードに従って印刷処理を行っている際、薬袋印刷情報がN頁以上連続して入力した場合、印刷処理モードを封筒印刷モードに自動的に変換して印刷処理を行う印刷装置を提供することによって達成できる。
【0009】
また、第2の発明によれば、薬情印刷情報がM頁以上連続して入力した場合、印刷処理モードを前記普通紙印刷モードに自動的に変換して印刷処理を行う印刷装置を提供することによって達成できる。
【0010】
また、上記課題は第3の発明によれば、前記封筒印刷モードは、前記薬袋薬情印刷モードに比べて、定着処理温度が高く、且つプロセス速度が遅く設定されている印刷装置を提供することによって達成できる。
【0011】
また、上記課題は第4の発明によれば、前記普通紙印刷モードは、前記薬袋薬情印刷モードと比べて、定着処理温度の設定が等しく、且つプロセス速度が速く設定されている印刷装置を提供することによって達成できる。
【0012】
また、上記課題は第5の発明によれば、印刷速度が低速モード、及び高速モードの2段階切換を有し、薬袋薬情印刷処理が可能な印刷装置において、薬袋印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、現在のモードより低速モードに印刷動作モードを自動切換えする印刷装置を提供することによって達成できる。
【0013】
また、上記課題は第6の発明によれば、前記薬袋印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、定着温度を高温に自動切換えする印刷装置を提供することによって達成できる。
【0014】
また、上記課題は第7の発明によれば、印刷速度が低速モード、及び高速モードの2段階切換を有し、薬袋薬情印刷処理が可能な印刷装置において、薬情印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、現在のモードより高速モードに印刷動作モードを自動切換えする印刷装置を提供することによって達成できる。
【0015】
さらに、上記課題は第8の発明によれば、前記薬情印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、定着温度を低温に自動切換えする印刷装置を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、薬袋薬情印刷モードによる印刷処理の際、薬袋最大N枚、薬情最大M枚を越える印刷においても、ユーザによる印刷モード変更処理を必要とせず、自動的に印刷処理モードの変換が可能な印刷装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図2は、本実施形態1における印刷装置(以下、プリンタ装置で示す)の内部構成を説明する断面図である。
【0018】
同図に示すプリンタ装置1は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラーのプリンタ装置であり、4つの画像形成部2、中間転写ベルトユニット3、給紙部4、及び両面印刷用搬送ユニット5で構成されている。
【0019】
上記画像形成部2は、同図の右から左へ4個の画像形成ユニット6(6M、6C、6Y、6K)を多段式に並設した構成から成る。上記4個の画像形成ユニット6のうち上流側(図の右側)の3個の画像形成ユニット6M、6C、及び6Yは、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるカラー画像を形成し、画像形成ユニット6Kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
【0020】
上記の各画像形成ユニット6は、トナー容器に収納されたトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下ブラック(K)用の画像形成ユニット6Kを例にしてその構成を説明する。
【0021】
画像形成ユニット6は、最下部に感光体ドラム7を備えている。この感光体ドラム7は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成され、周面近傍を取り巻いて、クリーナ8、帯電ローラ9、光ヘッド11、及び現像器12の現像ローラ13が配置されている。
【0022】
現像器12は、上部のトナー容器に同図にはM、C、Y、Kで示すようにマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のいずれかのトナーを収容し、中間部には下部へのトナー補給機構を備え、下部には側面開口部に上述した現像ローラ13を備え、内部にトナー撹拌部材、現像ローラ13にトナーを供給するトナー供給ローラ、現像ローラ13上のトナー層を一定の層厚に規制するドクターブレード等を備えている。
【0023】
中間転写ベルトユニット3は、本体装置のほぼ中央で図の左右のほぼ端から端まで扁平なループ状になって延在する無端状の転写ベルト14、この転写ベルト14を掛け渡されて転写ベルト14を図の反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ15、及び従動ローラ16を備えている。
【0024】
尚、上記転写ベルト14には、トナー像が直接ベルト面に転写(一次転写)され、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への転写位置まで搬送するので、ここではユニット全体を中間転写ベルトユニットとして示している。
【0025】
この中間転写ベルトユニット3は、上記扁平なループ状の転写ベルト14のループ内にベルト位置制御機構17を備えている。ベルト位置制御機構17は、転写ベルト14を介して感光体ドラム7の下部周面に押圧する導電性発泡スポンジから成る一次転写ローラ18を備えている。
【0026】
ベルト位置制御機構17は、マゼンタ(M)、シアン(C)及びイエロー(Y)の3個の画像形成ユニット6M、6C、及び6Yに対応する3個の一次転写ローラ18を鉤型の支持軸を中心に同一周期で回転移動させ、ブラック(K)の画像形成ユニット6Kに対応する1個の一次転写ローラ18を上記3個の一次転写ローラ18の周期と異なる回転移動周期で回転移動させて転写ベルト14を感光体ドラム7から離接させ、フルカラーモード(4個全部の一次転写ローラ18が転写ベルト14に当接)、モノクロモード(画像形成ユニット6Kに対応する一次転写ローラ18のみが転写ベルト14に当接)、及び全非転写モード(4個全部の一次転写ローラ18が転写ベルト14から離れる)に切換える。
【0027】
また、本例のプリンタ装置1は封筒印刷モード、薬袋薬情印刷モード、普通紙印刷モードの3つの印刷処理モードを有し、それぞれプロセス速度(印刷速度)と定着温度が以下のように制御される。


封筒印刷モード 薬袋薬情印刷モード 普通紙印刷モード
印刷速度 15ppm 20ppm 25ppm
定着温度 175度 165度 165度
例えば、厚紙である封筒印刷を行う場合、トナーの定着には十分な加熱が必要であり、後述するベルト式熱定着装置27によって定着温度が175度に設定される。また、封筒印刷の場合、用紙の搬送速度を遅くした方が十分にトナーの定着処理を行うことができ、印刷速度(プロセス速度)は15ppmに設定される。一方、普通紙印刷の場合、用紙の搬送速度を高速にしてもトナーの定着処理に影響がなく、印刷速度(プロセス速度)は25ppmに設定される。また、定着温度もそれほど高くする必要はなく、例えば上記のように165度に設定されている。
【0028】
また、薬袋薬情印刷モードにおいては、厚紙である薬袋の印刷と、普通紙である薬情の印刷を行うため、印刷速度は封筒印刷モードと普通紙印刷モードの中間の20ppmに設定され、定着温度は165度に設定されている。従って、本例では最適な印刷効率を得るため、印刷速度と定着温度との関係を上記のように詳細に設定している。このことは、紙種が変更されても、条件が変更されなければ装置を停止する必要がなく、従って装置の一時停止時間の必要がなく、その分効率よく印刷処理を行うことができる。
【0029】
上記中間転写ベルトユニット3には、上面部のベルト移動方向最上流側の画像形成ユニット6Mの更に上流側に、ベルトクリーナユニットが配置され、下面部のほぼ全面に沿い付けるように平らで薄型の廃トナー回収容器19が着脱自在に配置されている。
【0030】
給紙部4は、上下3段に配置された3個の給紙カセット21a〜21cを備え、3個の給紙カセット21a〜21cの給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ22、給送ローラ23、捌きローラ24、待機搬送ローラ対25が配置されている。待機搬送ローラ対25の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト14を介して従動ローラ16に圧接する二次転写ローラ26が配設されて、用紙への二次転写部を形成している。
【0031】
また、上記3個の給紙カセット21a〜21cには、それぞれ異なる記録媒体が収納され、例えば給紙カセット21aには普通紙が収納され、また21bには封筒が収納され、21cには薬袋の記録媒体が収納されている。そして、後述する制御に従って、指定された給紙カセット21a〜21cから対応する記録媒体が搬出される。
【0032】
上記二次転写部の下流(図では上方)側にはベルト式熱定着装置27が配置されて、ベルト式熱定着装置27の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式熱定着装置27から搬出する搬出ローラ対28、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレイ29に排紙する排紙ローラ対31が配設されている。
【0033】
両面印刷用搬送ユニット5は、上記搬出ローラ対28と排紙ローラ対31との中間部の搬送路から図の右横方向に分岐した開始返送路32a、それから下方に曲がる中間返送路32b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路32c、及びこれらの返送路の途中に配置された4組の返送ローラ対33a、33b、33c、33dを備えている。尚、上記終端返送路32cの出口は、給紙部4の下方の給紙カセット21に対応する待機搬送ローラ対25への搬送路に連絡している。
【0034】
また、本例において中間転写ベルトユニット3の上面部には、クリーニング部35、取り込みローラ36が配置されている。クリーニング部35は、転写ベルト14の上面に当接して廃トナーを擦り取って除去し、取り込みローラ36はクリーニング部35が除去した廃トナーを引き継いで、図示を省略したベルトクリーナユニットの一時貯留部に溜め込み、その溜め込まれた廃トナーを搬送スクリューにより落下筒内を上部まで搬送し、落下筒を介して廃トナー回収容器19に送り込んでいる。
【0035】
また、上記のクリーニング部35を適度の圧力で転写ベルト14に圧接させるために、中間転写ベルトユニット3側には、下方から転写ベルト14をクリーニング部35に向けて押圧する押圧ローラ37が設けられている。
【0036】
図1は、上記断面構成のプリンタ装置1の印刷処理を説明するシステム構成図である。同図において、ホストインターフェイス(以下、ホストI/Fで示す)40は不図示のホスト機器から供給された印刷データを受信し、受信/描画部41に送る。受信/描画部41は、受信した印刷データを格納し、所定頁分の印刷データが格納されると、JOB制御/画像データ部49に前述の記録媒体のサイズや、紙種情報等を記録する。
【0037】
受信/描画部41には、頁カウンタ42、紙種連続カウンタ46、紙種変換テーブル47、及び紙種先頭頁43、今頁紙種44、次頁紙種45の各情報を記録する記憶エリアが接続され、印刷動作モード48の設定を行い、JOB制御/画像データ部49を介して印刷制御部50に画像データを送信する。印刷制御部50は、供給された画像データをエンジン部51に送信し、設定された印刷動作モードによる印刷処理をエンジン部51に行わせる。尚、上記説明において、紙種先頭43は紙種先頭記憶エリア43で示し、今頁紙種44は今頁紙種記憶エリア44で示し、次頁紙種45は次頁紙種記憶エリア45で示す。
【0038】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
【0039】
先ず、上記のように不図示のホスト機器から印刷データが送信され、受信/描画部41に順次格納される。この印刷データは、ホスト機器のアプリケーションによって指示された印刷指定情報を含み、例えば通常の普通紙連続印刷、厚紙だけの連続印刷、薬袋薬情印刷等の指定が行われている。
【0040】
受信/描画部41は、受信/描画部41に格納された印刷データに含まれる上記印刷指定情報に基づいて、JOB制御/画像データ部49に用紙サイズ、紙種、画像データの設定を行う。
【0041】
例えば、図3(a)は、8頁分の印刷データの情報がJOB制御/画像データ部49に記録された場合を示し、1頁目には用紙サイズが「A5」、紙種が「薬袋」、印刷動作モードが「薬袋薬情印刷モード」であることを示す情報が記録されている。また、2頁目にも、用紙サイズが同じ「A5」、紙種も同じ「薬袋」、印刷動作モードが「薬袋薬情印刷モード」であることを示す情報が記録されている。尚、3頁目以降についても、同図に示すように用紙サイズ、紙種、印刷動作モードの各情報が記録されている。
【0042】
上記のように、JOB制御/画像データ部49に必要な情報が記録された後、受信/描画部41は、送信された印刷データに対して、図4に示すフローチャートに従った処理を行う。
【0043】
先ず、受信/描画部41は頁カウンタ42、及び紙種先頭記憶エリア43に“1”をセットする(ステップ(以下、Sで示す)1)。次に、頁カウンタ42に示す用紙サイズから紙種変換テーブル47の連続印刷紙種情報を得る(S2)。ここで、頁カウンタ42は上記処理によって“1”がセットされており、この場合図3(a)に示す1頁目の用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」が対象となる。
【0044】
図5は変換テーブルの例である。記録媒体のサイズと紙種に基づいて印刷動作モードの設定が行われている。したがって、上記の場合(用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」)、連続印刷動作モードとして「封筒」が設定される。
【0045】
次に、連続印刷動作モードを今頁紙種記憶エリア44にコピーする(S3)。したがって、この場合今頁紙種44に「封筒」の情報が記録される。次に、紙種連続カウンタ46に“1”を設定し(S4)、前述の図3(a)に示す頁カウンタ42の次の頁(+1の頁)に示す用紙サイズの情報から連続印刷動作モードを得る(S5)。
【0046】
この場合、図3(a)に示すテーブルの2頁目にも、用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」の情報が記録されており、従って図5に示す連続印刷動作モードとして、前と同じ「封筒」の情報を得る。したがって、この場合連続印刷動作モード「封筒」の情報を次頁紙種記憶エリア45にコピーする(S6)。
【0047】
次に、今頁紙種記憶エリア44と次頁紙種記憶エリア45に記録された情報を比較し(S7)、同じであれば紙種連続カウンタ46を+1する(S8)。一方、両情報が異なる場合、紙種連続カウンタ46が“4”以上であるか判断する(S9)。
【0048】
上記例の場合、両情報は同じであり(S7がYES)、紙種連続カウンタ46を+1する(S8)。この場合、上記例では紙種連続カウンタ46は“2”となる。
【0049】
次に、全ての頁(8頁分)の処理が終了したか判断し(S10)、最初のこの判断はNO(ノー)であり、処理を継続すべく、今頁紙種記憶エリア44の情報(この場合、「封筒」)の情報を次頁紙種記憶エリア45にコピーし(S11)、頁カウンタ42を+1する(S12)。
【0050】
以下、上記処理を繰り返し、頁カウンタ42の次の頁(+1の頁)に示す用紙サイズの情報から連続印刷紙種を設定する(S5)。
【0051】
この場合、図3(a)に示すテーブルの3頁目も、同じ用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」の情報が記録されており、従って連続印刷動作モードは前と同じ「封筒」になる。したがって、今頁紙種記憶エリア44と次頁紙種記憶エリア45に記録された情報の比較処理において(S7)、両情報は同じであり、紙種連続カウンタ46を+1する(S8)。この場合、上記例では紙種連続カウンタ46は“3”となる。
【0052】
さらに、上記処理を繰り返し、上記図3(a)に示す例では、用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」の情報が4頁分連続しており(S8、S9がYES)、この場合紙種先頭頁から頁カウンタ42に設定された頁まで、今頁紙種記憶エリア44の「封筒」の情報をコピーする。したがって、上記処理により、図3(a)に示す1頁目〜4頁目まで封筒印刷モードとなり、薬袋薬情印刷モードが封筒印刷モードに変更される。
【0053】
その後、紙種連続カウンタ46を+1し(S14)、同様の処理を繰り返し、全ての頁(8頁分)の処理が完了すると、処理を終了する。図4(b)は1頁目〜8頁目までの変更後の印刷動作モードを示す。
【0054】
また、図6は他の例を示す図であり、この場合薬情が3枚以上連続して印刷する印刷指定データが入力しており、プリンタ装置1側で自動的に印刷動作モードを、印刷速度の速いモードである普通紙モードに変更している。具体的には、8頁分の印刷データの中で、第2頁目〜第5頁目に薬情データが連続しており、この場合自動的に印刷動作モードを変換し、高速な普通紙印刷モードに変更する。
【0055】
本発明は、このように、薬袋と薬情を混在して印刷できる印刷装置において、薬袋が4枚(N枚)以上連続して印刷するような印刷指定データが入力した場合、プリンタ装置1側で自動的に、印刷動作モードを、定着能力の高いモードに自動変換する処理を行うものである。
【0056】
また、薬情印刷が4枚(M枚)以上連続すると、薬袋薬情印刷モードの印刷速度が20ppmであるので、より高速な普通紙印刷モードに変換することによって印刷速度が増し、印刷効率を向上させることができる。
【0057】
また、本発明は、薬袋と薬情を混在して印刷できる印刷装置において、薬情が4枚以上連続して印刷するような印刷指定データが入力した場合、又は薬袋が4枚以上連続して印刷するような印刷指定データが入力した場合、印刷動作モードを変更する場合について説明したが、薬情が5枚以上、又は薬袋が5枚以上連続して印刷するような場合に印刷動作モードを変更する構成としてもよく、更に他の枚数の場合に印刷動作モードを変更する構成としてもよい。尚、自動切換制御が行われる薬袋の連続枚数(N)及び薬情の連続枚数(M)は、印刷装置のプロセススピードと定着器の定着能力に応じて適宜設定される。
【0058】
また、上記例では低速の封筒印刷モード、高速の普通紙印刷モード、及びその中間の薬袋薬情印刷モードについて説明したが、印刷速度が低速モード、及び高速モードの2段階切換を有する印刷装置の場合においても適用でき、例えば厚紙(薬袋)印刷頁データが所定数以上連続することを認識すると、現在のモードより低速モードに自動切換えする構成としてもよい。この場合、定着温度を高温制御に切り替えてもよい。このように構成することにより、低速モード、高速モードの印刷装置においても、印刷品質を確保した薬袋薬情印刷を行うことができる。
【0059】
また、低速モード、及び高速モードの2段階切換を有する印刷装置の場合において、例えば普通紙(薄い紙)の印刷頁データが所定数以上連続することを認識すると、現在のモードより高速モードに自動切換えする構成としてもよい。この場合、定着温度を低温制御に切り替えてもよい。このように構成することにより、低速モード、高速モードの印刷装置においても、印刷効率のよい薬袋薬情印刷を行うことができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態2は、前述の実施形態1で説明したプリンタ装置1側での印刷動作モードの変更ではなく、上位のホスト機器側のプリンタドライバにより印刷動作モードの変更を行う構成である。以下、具体的に説明する。
【0060】
図7はホスト機器側のプリンタドライバの構成図である。同図において、印刷データ(文書データ)は、アプリケーション54によって作成され、プリンタドライバ55に供給される。プリンタドライバ55は、頁カウンタ56、紙種先頭記憶エリア57、今頁紙種記憶エリア58、次頁紙種記憶エリア59、紙種連続カウンタ60、紙種変換テーブル61、及びJOB制御データ記憶エリア62を使用し、印刷動作モードの設定を行ない、プリンタデータをプリンタスプーラ63に送る。
【0061】
図8は上記構成において、本例の処理を説明するフローチャートである。尚、本例の処理は、ホスト機器側のプリンタドライバ55が行う点を除けば前述の処理と基本的に同じである。すなわち、先ずプリンタドライバ55は、頁カウンタ56、及び紙種先頭記憶エリア57に“1”をセットし(ステップ(以下、STで示す)1)、頁カウンタ56に示す用紙サイズから紙種変換テーブル61の連続印刷動作モードを得る(ST2)。
【0062】
ここで、頁カウンタ56には上記のように“1”がセットされており、例えば前述の図4(a)に示すテーブルの例では、用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」が対象となり、紙種変換テーブル61に従って、印刷動作モードの変換処理が行われ、例えば連続印刷動作モードとして「封筒」を得る。
【0063】
次に、連続印刷動作モード(「封筒」)の情報を今頁紙種記憶エリア58にコピーし(ST3)、紙種連続カウンタ60に“1”を設定し(ST4)、頁カウンタ56に記録する頁の次の頁(+1の頁)に、用紙サイズの情報から連続印刷動作モードを得る(ST5)。
【0064】
この場合、例えば前述の図3(a)に示すテーブルの2頁目にも、用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」が記録されており、従ってこの場合連続印刷動作モードは前と同じ「封筒」になり、連続印刷紙種「封筒」の情報を次頁紙種記憶エリア59にコピーする(ST6)。
【0065】
次に、今頁紙種記憶エリア58と次頁紙種記憶エリア59に記録された情報を比較し(S7)、同じであれば紙種連続カウンタ60を+1する(ST8)。一方、両情報が異なる場合、紙種連続カウンタ60が“4”以上であるか判断する(ST9)。上記例の場合、両情報は同じであり、紙種連続カウンタ60を+1し(ST8)、紙種連続カウンタ60を“2”とする。
【0066】
その後、全ての頁(8頁分)の処理が終了したか判断し(ST10)、以下上記処理を繰り返し、例えば前述のように用紙サイズ「A5」、紙種「薬袋」の印刷が4頁分連続する場合(ST8、ST9)、紙種先頭頁から頁カウンタ56に設定された頁まで、「封筒」の情報をコピーする。したがって、本例においても、1頁目〜4頁目までの印刷動作モードは薬袋薬情印刷モードから封筒印刷モードに変更される。
【0067】
その後、全ての頁(8頁分)の処理が完了すると、処理を終了する。このようにして設定された印刷データは、プリンタスプーラ63に送られ、以後プリンタ1に転送される。
【0068】
したがって、本実施形態によっても、薬袋と薬情を混在して印刷できる印刷装置において、薬袋が4枚以上連続して印刷するような印刷指定データが入力した場合、プリンタ側で自動的に、印刷処理モードを、定着能力の高いモードに自動変換する処理を行うことを特徴とする印刷装置を提供するものである。
【0069】
尚、薬情印刷が4枚以上連続する場合についても同様であり、この場合前述と同様、より高速な普通紙印刷モードに変換する。このように構成することによって、印刷速度が増し、印刷効率を向上させることができる。
【0070】
本例は、ホスト機器側で上記印刷動作モードの変換処理を行う構成であり、このようにして設定された印刷動作モードに従って印刷処理を行うことによって、ホスト機器側からも印刷効率がよく、かつ定着信頼性の優れた薬袋薬情印刷を行うことができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態は、LAN等のネットワークに接続されたプリンタ装置において、用紙無し等が発生した場合でも、薬袋薬情印刷を継続して行うことができる印刷システムに関する。以下、具体的に説明する。
【0071】
図9は本例の印刷システムの構成図である。同図において、LAN等のネットワークには、サーバ若しくはパーソナルコンピュータ(PC)で構成されるホスト機器70、71が接続され、また3種類のプリンタ72〜74が接続されている。例えば、プリンタ72はモノクロレーザプリンタであり、プリンタ73はカラーレーザプリンタであり、プリンタ74はインクジェットプリンタである。
【0072】
図10はプリンタ72〜74の内部の構成を示す。ホスト機器70(又は71)から供給された印刷データは、プリンタ72(又は73、又は74)内のデータ受信部75に入力し、所定頁分の印刷データが入力すると、コマンド解析部76に供給される。コマンド解析部76では、印刷データに含まれる制御コマンドを解析し、解析結果に基づいてコマンド実行部77により対応する処理を行う。
【0073】
画像データ生成部78には、コマンド実行の結果得られた画像データが生成され、生成された画像データは画像データ転送部79を介して、エンジン部69に転送され、エンジン部69において画像データに従った印刷処理が行われ、プリンタ72〜74から印刷結果が出力される。
【0074】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
【0075】
図11〜図16は、本例の処理を説明するものであり、プリンタ装置1の処理を説明するフローチャートである。先ず、ホスト機器70又は71から情報取得要求があるか判断する(ステップ(以下、STPで示す)1)。ここで、ホスト機器70又は71からの情報取得の要求があれば(STP1がYES)、後述する用紙及び消耗品情報応答処理(STP2)に移行する。一方、ホスト機器70又は71からの情報取得要求でなければ(STP1がNO)、印刷データの取得要求であるか判断する(STP3)。
【0076】
ここで、印刷データの取得要求であれば(STP3がYES)、先ず薬袋印刷であるか判断する(STP4)。ここで、薬袋印刷でなければ(STP4がNO)、次に薬情印刷の指示であるか判断し(STP5)、薬情印刷の指示でなければ(STP5がNO)、通常印刷処理に移行する。
【0077】
上記処理によって、何れかの印刷動作モードが決定され、画像データの生成処理が行われる(図12に示すSTP6)。この処理は、前述の図10において説明した処理であり、その後全印刷データの処理が完了したか判断し(STP7)、この間用紙無し、トナー無しが発生している場合、エラー状態をホスト機器70又は71に通知する(STP8がYES、STP11)。一方、プリンタ装置1に用紙無し、トナー無しが発生していない場合、画像データをエンジン69に転送し、印刷処理を行う(STP9、STP10)。
【0078】
上記プリンタ装置の印刷処理に対して、薬袋薬情印刷を行う際、予め印刷情報の設定処理を行う(図13のステップ(以下、Wで示す)1)。例えば、紙種、用紙サイズ、枚数、印刷モードの設定が行われる。例えば、紙種として薬袋、用紙サイズとしてA5、枚数として50枚、印刷モードとしてカラー・モノクロの設定が行われる(W2)。
【0079】
次に、上記印刷設定情報に基づいて、印刷処理が可能なプリンタ装置の情報を取得する(W3)。ここで、本例のようにネットワークに複数台のプリンタが接続されている場合(W4がYES)、最適プリンタの検索処理を行う。尚、複数台のプリンタ装置が接続されていない場合(W4がNO)、前述の現状印刷可能プリンタの状態取得処理を行い(W5)、条件を満たすプリンタ装置であれば前述の印刷処理に移行する(W6がYES)。この処理は印刷条件に合致するプリンタ装置がないことをユーザに通知し(図15のW6−1)、代替印刷の実行が可能であるか判断し(W6−2)、代替印刷の実行が可能でれば(W6−2がYES)、現在のプリンタ装置の状態より設定を変更する(W6−3)。その後、変更内容をユーザに通知し、印刷処理を開始する(W6−4、W6−5がYES)。
【0080】
一方、ネットワークに複数台のプリンタ装置が接続されている場合(図13のW4がYES)、プリンタ装置72〜74の状態取得を行う(図14のW7)。ホスト機器は、上記処理に従ってプリンタ装置から供給された状態情報を保存し(W8)、最適なプリンタ装置を検索する(W9)。ここで、条件に合うプリンタ装置を、前述のプリンタ装置72〜74から検索する(W10、W11)。
【0081】
図17は、ホスト機器70、71が取得するプリンタ装置の例であり、例えば写真入りの薬情データを印刷する場合、印字品質の優れたインクジェット方式のプリンタ装置74を選択する。一方、薬袋のテキストデータを印刷する場合、高速なモノクロレーザのプリンタ装置72を選択する。さらに、薬袋薬情データが混在する場合、カラーレーザのプリンタ装置73を選択する。尚、本例の場合、薬袋薬情印刷モードであり、プリンタ装置73を選択する(W12)。
【0082】
上記処理に従って印刷処理を実行し、前述のようにホスト機器70又は71から出力された印刷データは、選択した最適なプリンタに供給され、当該プリンタによって印刷処理が行われる。また、上記処理の際、用紙や消耗品情報に応答し(STP2)、例えば用紙無しの場合(図16のSTP20)、現在印刷処理が可能な用紙、例えば「A4」の情報をホスト機器に通知する。
【0083】
ここで、印刷継続の指示があれば(STP21がYES)、以後の印刷処理はA4サイズの用紙を使用して行う(STP22)。この場合、プリンタは内部で拡大処理を行い、印刷出力を行う。一方、ホスト機器から印刷継続の指示がない場合(STP21がNO)、処理をキャンセルし、全印刷データを破棄する(STP23)。
【0084】
尚、図18は薬袋印刷及び薬情印刷の印刷様式を示す。同図に示すように、薬袋には患者名、用法、調剤年月日等の情報が記載され、薬情には薬剤名、名称、成分等が記載される。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。本実施形態は、患者の要望や、患者の状況、処方される薬剤の種類に応じて、最適な印刷フォーマットを自動的に選択し、当該フォーマットで薬剤の情報を印刷する印刷装置に関するものである。以下、具体的に説明する。
【0085】
図19は本例の印刷システムの構成図である。同図において、受付用のパーソナルコンピュータ(以下、単に受付用PCで示す)、調剤用のパーソナルコンピュータ(以下、単に調剤用PCで示す)、患者データベース80、薬剤データベース81、調剤情報出力プリンタ82、及び薬袋・薬情出力プリンタ83がLAN等のネットワークに接続されている。
【0086】
受付用PCは、例えば薬局の受付において、患者毎に処方箋の入力を行う端末装置である。また、調剤用PCは上記処方箋の情報を印刷出力するプリンタ装置であり、薬剤師はこの印刷出力に基づいて調剤を行う。
【0087】
薬剤データベース81は薬剤の情報を記録するデータベースであり、このデータベースに記録された情報に基づいて、薬剤師が入力した調剤情報から対応する薬剤の情報を取得する。また、患者データベース80は、患者の氏名、年齢、処方履歴等を記録するデータベースであり、後述するアンケートに基づく印刷指示の情報も記録される。また、薬袋・薬情出力プリンタ83は、薬袋及び薬情の印刷出力を行う。
【0088】
次に、本例のプリンタ装置において、以下に本例の処理動作を図20に示すフローチャートに従って説明する。
【0089】
先ず、患者の氏名、年齢、処方履歴等の患者データの入力を行う(ステップ(以下、Uで示す)1)。次に、アンケート結果の入力を行う(U2)。このアンケート結果の入力は、患者に対してアンケートを行った結果であり、例えば「薬情の印刷文字を大きくしてほしい」や、「薬情はできるだけ1枚に印刷してほしい」等の要望を予め患者に記載させたものである。
【0090】
このようにして入力された患者データは、前述の患者データベース80に登録される(U3)。図21は患者データベース80に記録される患者データの一例であり、患者コード、患者氏名、生年月日、処方履歴、及び薬情・印刷情報で構成されている。ここで、薬情・印刷情報が、前述のアンケートによって取得した情報の反映である。例えば、可読性重視フラグが設定される場合は、アンケートに「薬情の印刷文字を大きくしてほしい」の記載がある場合である。また、情報量重視フラグが設定される場合は、アンケートに「薬情はできるだけ1枚に印刷してほしい」の記載がある場合である。
【0091】
以上のようにして患者データベース80に患者データが記録された後、処方箋データの入力を行う。この入力処理は図22に示すフローチャートに従って処理され、前述のように受付用PCから処方箋データが入力され、調剤情報出力プリンタ82から処方箋データがプリントアウトされた後、薬剤師が調剤用PCを使用して入力処理を行う(U4)。
【0092】
この入力処理により、対応する患者の患者データは患者データベース80から読み出され(U5)、患者データを受信する(U6)。また、調剤データは薬剤データベース81に送信され、対応する薬袋薬情のデータを受信する(U8)。尚、図22に示す調剤処理は、前述の受付用PCが行う処理であり、前述の調剤用PCを操作して行われる。
【0093】
上記処理によって患者データ及び薬剤の印刷情報が設定されると、薬袋・薬情出力プリンタ83にデータが送信され、薬袋印刷及び薬情報の印刷処理が行われる(U9)。
【0094】
図23は、上記薬袋薬情の印刷処理を具体的に説明するフローチャートである。
【0095】
先ず、情報量重視フラグが設定されている(オンであるか)判断する(U9−1)。この判断は、前述の患者データベース80に記録されたデータに基づいて行われ、図21に示す可読性重視フラグがセットされているか否かによって判断する。すなわち、可読性重視フラグが設定されている場合、当該患者がアンケートに「薬情はできるだけ1枚に印刷してほしい」の記載を行った場合である。
【0096】
ここで、例えば上記フラグの設定が行われている場合(U9−1がYES)、次に患者が65歳以上であるか判断する(U9−2)。ここで、患者が65歳以上でなければ(U9−2がNO)、次に情報量重視フラグの設定の判断を行う(U9−4)。この判断も、前述の患者データベース80に記録されたデータに基づいて行われ、図21に示す情報量重視フラグがセットされているか否かによって判断する。すなわち、情報量重視フラグが設定されている場合には、当該患者がアンケートに「薬情の印刷文字を大きくしてほしい」の記載が行われていた場合である。
【0097】
ここで、上記情報量重視フラグの設定が行われていない場合(U9−3)、65歳以上の年齢ではなく、また印刷文字を大きくしてほしいとする要求もなく、従って情報量重視のフォーマットに従って印刷処理を行う(U9−4)。例えば、図24(a)に示すフォーマットは情報量重視の薬袋薬情印刷の印刷結果である。このように印刷することによって、1枚の薬情に、例えば19種類の薬剤の情報を含めることができる。
【0098】
一方、上記情報量重視フラグの設定が行われている場合(U9−3がYES)、又は患者が65歳以上である場合、患者が印刷文字を大きくしてほしいとの要望、又は65歳以上という年齢を考慮し、薬種を4件以上記載するかの判断を行い(U9−5)、薬種を4件以上記載する場合には(U9−5がNO)、可読性重視のフォーマットに従って印刷処理を行う。また、薬種を4件以上記載しない場合には(U9−5がYES)、基本フォーマットに従って印刷処理を行う。
【0099】
図24(b)は可読性重視の印刷出力の例を示す図であり、このような可読性重視の印刷出力を行うことによって、患者が老人である場合などにおいて、極めて親切な印刷結果を提供することができる。
【0100】
また、図24(c)は基本フォーマットの印刷出力の例を示す図であり、例えば薬種を9件記載することができ、一般的な薬情印刷を行うことができる。尚、各薬剤の記載欄には、名称、薬剤の外観写真、用法・用量、服薬指導文が記載されている。また、この構成は、他のフォーマット(可読性重視の印刷フォーマット、及び情報量重視の印刷フォーマット)においても同様の記載内容である。
【0101】
以上のように、本例によれば患者の要望や、患者の年齢を考慮し、薬袋薬情の印刷フォーマットを最適な印刷フォーマットに変換して印刷出力することができ、極めて患者にとって便利な薬袋薬情の印刷出力を得ることができる。
【0102】
尚、上記実施形態では印刷フォーマットを基本、可読性重視、及び情報量重視の3種類としたが、例えば用紙サイズを変えることによって更に可読性や情報量を高めたフォーマットを追加して使用する構成としてもよい。
【0103】
また、年齢やアンケートによる要望のみではなく、治療内容や処方される薬剤の内容によってフォーマットを設定するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施形態1のプリンタの印刷処理を説明するシステム構成図である。
【図2】印刷装置の内部構成を説明する断面図である。
【図3】実施形態1の処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】(a)は、印刷動作モード変更前のJOB制御/画像データの構成を示し、(b)は、変更後のJOB制御/画像データの構成を示す。
【図5】変換テーブルの例を示す図である。
【図6】(a)は、他の印刷動作モード変更前のJOB制御/画像データの構成を示し、(b)は当該他の変更後のJOB制御/画像データの構成を示す。
【図7】実施形態2のプリンタの印刷処理を説明するシステム構成図である。
【図8】実施形態2の処理動作を説明するフローチャートである。
【図9】実施形態3の印刷システムの構成を示す図である。
【図10】実施形態3の印刷処理の流れを示す図である。
【図11】実施形態3の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図12】実施形態3の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図13】実施形態3の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図14】実施形態3の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図15】実施形態3の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図16】実施形態3の印刷処理を説明するフローチャートである。
【図17】最適なプリンタを選択する処理を説明する模式図である。
【図18】薬袋印刷、及び薬情印刷の例を示す図である。
【図19】実施形態4の印刷システムの構成図である。
【図20】患者データベースに記録される患者データの一例を示す図である。
【図21】患者データベースに記録される患者データの一例を示す図である。
【図22】調剤処理を示し、調剤用PCを操作して行う処理を説明する図である。
【図23】薬袋薬情の印刷処理を具体的に説明するフローチャートである。
【図24】(a)は、情報量重視の薬袋薬情印刷の印刷結果を示す図であり、(b)は、可読性重視の印刷出力の例を示す図であり、(c)は、基本フォーマットの印刷出力の例を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1・・・プリンタ
2・・・画像形成部
3・・・中間転写ベルトユニット
4・・・給紙部
5・・・両面印刷用搬送ユニット
6、6M、6C、6Y、6K・・画像形成ユニット
7・・・感光体ドラム
8・・・クリーナ
9・・・帯電ローラ
10・・光ヘッド
11・・帯電器
12・・現像器
13・・現像ローラ
14・・転写ベルト
15・・駆動ローラ
16・・従動ローラ
17・・ベルト位置制御機構
18・・一次転写ローラ
19・・廃トナー回収容器
21・・給紙カセット
22・・用紙取出ローラ
23・・給送ローラ
24・・捌きローラ
25・・待機搬送ローラ対
26・・二次転写ローラ
27・・ベルト式熱定着装置
28・・搬出ローラ対
29・・排紙トレイ
31・・排紙ローラ対
32a・・開始返送路
32b・・中間返送路
32c・・終端返送路
33a、33b、33c、33d・・返送路
35・・クリーニング部
36・・取り込みローラ
37・・押圧ローラ
40・・ホストI/F
41・・受信/描画部
42・・頁カウンタ
43・・紙種先頭
44・・今頁紙種
45・・次頁紙種
46・・紙種連続カウンタ
47・・紙種変換テーブル
48・・印刷動作モード
49・・制御/画像データ部
50・・印刷制御部
51・・エンジン部
53・・印刷データ
54・・アプリケーション
55・・プリンタドライバ
56・・頁カウンタ
57・・紙種先頭
58・・今頁紙種
59・・次頁紙種
60・・紙種連続カウンタ
61・・紙種変換テーブル
62・・JOB制御データ
63・・プリンタスプーラ
69・・エンジン部
70、71・・ホスト機器
72〜74・・プリンタ
76・・コマンド解析部
79・・コマンド実行部
80・・患者データベース
81・・薬剤データベース
82・・調剤情報出力プリンタ
83・・薬袋・薬情出力プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒印刷モード、薬袋薬情印刷モード、普通紙印刷モードの何れかの印刷処理モードによって印刷データの印刷処理を行う印刷装置において、
前記薬袋薬情モードに従って印刷処理を行っている際、薬袋印刷情報がN頁以上連続して入力した場合、印刷処理モードを封筒印刷モードに自動的に変換して印刷処理を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
薬情印刷情報がM頁以上連続して入力した場合、印刷処理モードを前記普通紙印刷モードに自動的に変換して印刷処理を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記封筒印刷モードは、前記薬袋薬情印刷モードに比べて、定着処理温度が高く、且つプロセス速度が遅く設定されていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記普通紙印刷モードは、前記薬袋薬情印刷モードと比べて、定着処理温度の設定が等しく、且つプロセス速度が速く設定されていることを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷速度が低速モード、及び高速モードの2段階切換を有し、薬袋薬情印刷処理が可能な印刷装置において、
薬袋印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、現在のモードより低速モードに印刷動作モードを自動切換えすることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
前記薬袋印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、定着温度を高温に自動切換えすることを特徴とする請求項5記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷速度が低速モード、及び高速モードの2段階切換を有し、薬袋薬情印刷処理が可能な印刷装置において、
薬情印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、現在のモードより高速モードに印刷動作モードを自動切換えすることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
前記薬情印刷頁が所定数以上連続することを認識すると、定着温度を低温に自動切換えすることを特徴とする請求項7記載の印刷装置。

【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図19】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−225057(P2008−225057A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63258(P2007−63258)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】