説明

受信システム

【課題】複数の放送/通信メディアを受信する受信システムにおいて、回路部品の共通化と施工数の削減を図り、低コストで生産性に優れたものとする。
【解決手段】コンバータ装置110は、アンテナ装置111からの受信電波を一定の割合で周波数変換して一次IF信号を生成し、IF信号ケーブル100で送信する。チューナ・復調/復号装置120は、自システムが選択した受信メディアに応じて切替回路135の出力先を切り替え、受信した一次IF信号を所定のチューナ・復調/復号回路122a〜112cへ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両などの移動体において、複数の放送/通信メディアを受信する受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の放送/通信メディアを受信する受信システムの一例として、車両などの移動体用受信システムがある。この種の受信システムでは、ETC,GPS,電波ビーコン,モバイル放送などの放送メディアや通信メディアを受信又は送受信するため、各メディア毎に別々のアンテナと受信部をもつものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、この種の移動体用受信システムに関連する技術として、一般家庭や集合住宅で使用するBSやCSを受信するための装置が提案されている(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−154278号公報
【特許文献2】特開平7−106997号公報
【非特許文献1】「シャープ技報」,第78号・2000年12月,p.41−44
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のメディアを選択的に受信できるようにした受信システムでは、受信周波数や変復調方式が類似している場合であっても、受信するメディア毎にコンバータ装置における全て又は一部の回路を個別にもつ必要があるため、コスト増になるという課題があった。また、コンバータ装置とチューナ装置との間は個別のケーブルで接続されているため、移動体や受信装置においてはケーブル毎に配線、穴処理、雨対策作業等の施工が必要となり、生産性が低下するという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、回路部品の共通化と施工数の削減を図ることにより、低コストで生産性にも優れた受信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に係わる受信システムは、複数の受信メディアからの電波を受信可能な周波数特性を有する、少なくとも1つのアンテナ装置と、前記アンテナ装置で受信した受信電波を一定の割合で周波数変換して一次中間周波信号を生成するコンバータ装置と、受信メディア毎の復調/復号回路を有し、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を同調制御して、自システムが選択した受信メディアに対応する二次中間周波信号に変換し、当該二次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記復調/復号回路に供給するチューナ・復調/復号装置とを備え、前記コンバータ装置と前記チューナ・復調/復号装置との間を1本の通信媒体で接続したことを要旨とする。
【0007】
請求項2に係わる受信システムは、請求項1の構成において、前記チューナ・復調/復号装置は、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を各々の受信メディアに応じた周波数帯域で選別する複数の選別手段と、前記選別手段を経た一次中間周波信号を各々の受信メディアに応じた利得で増幅する複数の増幅手段と、前記増幅手段を経た一次中間周波信号を復調処理に適した周波数に周波数変換して二次中間周波信号を生成する複数の周波数変換手段と、前記周波数変換手段毎に自システムの選択した受信メディアに対応する所定の復調処理に適した周波数となるように制御する周波数制御手段と、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を、自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記選別手段、前記増幅手段、前記周波数変換手段、前記復調/復号回路の経路に切り替えて出力する切替手段とを備えた装置として構成される。
【0008】
請求項3に係わる受信システムは、請求項1の構成において、前記チューナ・復調/復号装置は、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに応じた周波数帯域で選別する選別手段と、前記選別手段を経た一次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに応じた利得で増幅する増幅手段と、前記増幅手段を経た一次中間周波信号を復調処理に適した周波数に周波数変換して二次中間周波信号を生成する周波数変換手段と、前記周波数変換手段を自システムの選択した受信メディアに対応する所定の復調処理に適した周波数となるように制御する周波数制御手段と、前記周波数変換手段を経た二次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記復調/復号回路に切り替えて出力する切替手段とを備えた装置として構成される。
【0009】
請求項4に係わる受信システムは、請求項1乃至3のいずれか一項の構成において、前記アンテナ装置を前記コンバータ装置と一体化した装置として構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係わる受信システムによれば、複数の受信メディアに対し、コンバータ装置の回路部品を共通化することができるため、低コスト化を図ることができる。また、コンバータ装置とチューナ・復調/復号装置との間を一本のケーブルで接続することにより、移動体や受信装置におけるケーブルの配線、穴処理、雨対策作業等の施工数を削減して生産性を向上させることができる。とくに、アンテナ装置をコンバータ装置と一体化することにより、アンテナ装置とコンバータ装置間を接続するケーブル毎に、移動体や受信装置での配線、穴処理、雨対策作業等を施す必要がなくなるため、更に施工数を削減して生産性を向上させることができる。
【0011】
したがって、本発明によれば、低コストで生産性にも優れた受信システムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係わる受信システムを実施するための最良の形態を実施例1〜実施例3により説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1に係わる受信システムの構成を示すブロック図である。本実施例に係わる受信システム10は、アンテナ装置111を一体化したコンバータ装置110と、チューナ・復調/復号装置120により構成され、両装置間は通信媒体としてのIF信号ケーブル100により接続されている。
【0014】
コンバータ装置110は、アンテナ装置111、BPF(バンドパスフィルタ)112、受信アンプ113、第一ミキサ114、局所発振器115、第一IF増幅器116で構成されている。
【0015】
アンテナ装置111は、複数の受信メディアからの電波を受信することができる広帯域の周波数特性をもつアンテナであり、本実施例では、ETC、GPS、電波ビーコンからの電波を受信可能とする。
【0016】
BPF112は、アンテナ装置111で受信された受信電波を所定の周波数帯域で選別する。受信アンプ113は、BPF112を経た受信電波を所定の利得で増幅する。第一ミキサ114、局所発振器115は、受信アンプ113を経た受信電波の周波数を一定の割合で周波数変換して、一次中間周波信号(以下、一次IF信号という)を生成する。
【0017】
例えば、受信電波Aを12.1GHzとすると、一次IF信号は1.1GHzとなり、受信電波Bを12.2GHzとすると、一次IF信号は1.2GHzとなり、受信電波Cを12.3GHzとすると、一次IF信号は1.3GHzとなるようにダウンコンバートされる。
【0018】
第一IF増幅器116は、第一ミキサ114から出力される一次IF信号を所定の利得で増幅する。
【0019】
チューナ・復調/復号装置120は、切替回路121(切替手段)、ETC用チューナ・復調/復号回路122a、GPS用チューナ・復調/復号回路122b、電波ビーコン用チューナ・復調/復号回路122cにより構成されている。 また、切替回路121には、図示しない制御回路から受信メディア/周波数制御信号が供給される。この受信メディア/周波数制御信号は、自システムが選択した受信メディアと、その受信周波数を選択するための信号である。この受信メディア/周波数制御信号によって、切替回路121の出力は、自システムが選択した受信メディアに対応する所定のチューナ・復調/復号回路へ切り替えられる。
【0020】
上記構成において、例えば、受信メディアとしてETC電波が選択されると、アンテナ装置111で受信されたETC電波は、BPF112、受信アンプ113を経て第一ミキサ114へ入力される。第一ミキサ114では、局所発振器115から供給される発振周波数に応じて、ETC信号の周波数が一定の割合で周波数変換され、一次IF信号として出力される。本実施例では、受信電波に係わらず一定の割合で周波数変換が行われるため、局所発振器115からは同じ発振周波数が第一ミキサ114へ供給される。第一ミキサ114から出力された一次IF信号は、第一IF増幅器116で増幅された後、IF信号ケーブル100を通じてチューナ・復調/復号装置120へ送られる。
【0021】
チューナ・復調/復号装置120に送られた一次IF信号は、切替回路121へ入力される。切替回路121では、受信メディア/周波数制御信号により一次IF信号の出力先が切り替えられ、この例では、ETC用チューナ・復調/復号回路122aへ切り替えられる。ETC用チューナ・復調/復号回路122aでは、一次IF信号の周波数が本回路での復調処理に適した周波数の二次IF信号に変換、増幅された後に復調/復号処理され、デジタルのデータ信号として図示しないETC用のシステムに出力される。
【0022】
同様に、受信メディアとしてGPSや電波ビーコンが選択された場合も、選択された受信メディアに応じた受信メディア/周波数制御信号により、切替回路121の出力先が制御される。これにより、コンバータ装置110から出力された一次IF信号は、自システムが選択した受信メディアに対応する所定のチューナ・復調/復号回路へ出力される。
【0023】
上記実施例1によれば、複数の受信メディアに対し、コンバータ装置110の回路部品を共通化することができるため、低コスト化を図ることができる。また、コンバータ装置110とチューナ・復調/復号装置120との間を1本のIF信号ケーブル100で接続することができるため、移動体や受信装置において、ケーブル毎に配線、穴処理、雨対策作業等を施す必要がなくなり、施工数を削減して生産性を向上させることができる。更に本実施例では、アンテナ装置111をコンバータ装置110と一体化したため、アンテナ装置とコンバータ装置間を接続するケーブル毎に配線、穴処理、雨対策作業等を施す必要がなく、更に施工数を削減して生産性を向上させることができる。
【実施例2】
【0024】
図2は、実施例2に係わる受信システムの構成を示すブロック図である。本実施例に係わる受信システム20は、アンテナ装置211を一体化したコンバータ装置210と、チューナ・復調/復号回路220により構成され、両装置間は通信媒体としてのIF信号ケーブル100により接続されている。
【0025】
コンバータ装置210は、実施例1(図1)のコンバータ装置110と同じく、アンテナ装置211、BPF212、受信アンプ213、第一ミキサ214、局所発振器215、第一IF増幅器216で構成されている(符号のみ異なる)。また、コンバータ装置210における各部の動作は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0026】
チューナ・復調/復号装置220は、切替回路221(切替手段)、BPF222a〜222c(選別手段)、アンプ223a〜223c(増幅手段)、第二ミキサ224a〜224c、第二IF増幅器225a〜225c(以上、周波数変換手段)、局所発振器226、PLL選局回路227(以上、周波数制御手段)、ETC用復調/復号回路228a、GPS用復調/復号回路228b、電波ビーコン用復調/復号回路228cにより構成されている。このうち、BPF222a〜222c、アンプ223a〜223c、第二ミキサ224a〜224c、第二IF増幅器225a〜225cは、一次IF信号を受信メディアに応じた受信周波数で同調制御するためのチューナ装置を構成する。
【0027】
また、切替回路221、PLL選局回路227には、図示しない制御回路から受信メディア/周波数制御信号が供給される。この受信メディア/周波数制御信号は、自システムが選択した受信メディアと、その受信周波数を選択するための信号である。この受信メディア/周波数制御信号によって、切替回路221の出力は、自システムが選択した受信メディアに対応する所定のBPF〜アンプ〜第二ミキサ〜第二IF増幅器〜復調/復号回路の経路へ切り替えられる。同様に、受信メディア/周波数制御信号によって、PLL選局回路227の出力は、局所発振器226で生成される発振周波数が、自システムの選択した受信メディアに対応する所定の復調処理に適した周波数となるように制御される。
【0028】
上記構成において、例えば、受信メディアとしてETC電波が選択されると、アンテナ装置211で受信されたETC電波は、BPF212、受信アンプ213を経て第一ミキサ214へ入力される。第一ミキサ214では、局所発振器215から供給される発振周波数に応じて、ETC信号の周波数が一定の割合で周波数変換され、一次IF信号として出力される。本実施例では、受信電波に係わらず一定の割合で周波数変換が行われるため、局所発振器215からは同じ発振周波数が第一ミキサ214へ供給される。第一ミキサ214から出力された一次IF信号は、第一IF増幅器216で増幅された後、IF信号ケーブル100を通じてチューナ・復調/復号装置220へ送られる。
【0029】
チューナ・復調/復号装置220に送られた一次IF信号は、切替回路221へ入力される。切替回路221では、受信メディア/周波数制御信号により一次IF信号の出力先が切り替えられ、この例では、BPF222a〜アンプ223a〜第二ミキサ224a〜第二IF増幅器225a〜ETC用復調/復号回路228aの経路へ切り替えられる。このうち、第二ミキサ224aでは、局所発振器226から供給される発振周波数に応じて、一次IF信号の周波数がETC用復調/復号回路228aでの復調処理に適した周波数の二次IF信号に変換される。この二次IF信号は第二IF増幅器225aで増幅された後、ETC用復調/復号回路228aにおいて復調/復号処理され、デジタルのデータ信号として図示しないETC用のシステムに出力される。
【0030】
同様に、受信メディアとしてGPSや電波ビーコンが選択された場合も、選択された受信メディアに応じた受信メディア/周波数制御信号により、切替回路221、PLL選局回路227が制御される。これにより、コンバータ装置210から出力された一次IF信号は、自システムが選択した受信メディアに対応する所定のBPF〜アンプ〜第二ミキサ〜第二IF増幅器〜復調/復号回路の経路へ出力される。
【0031】
上記実施例2によれば、複数の受信メディアに対し、コンバータ装置210の回路部品を共通化することができるため、低コスト化を図ることができる。また、コンバータ装置210とチューナ・復調/復号装置220との間を1本のIF信号ケーブル100で接続することができるため、移動体や受信装置において、ケーブル毎に配線、穴処理、雨対策作業等を施す必要がなくなり、施工数を削減して生産性を向上させることができる。更に本実施例では、アンテナ装置211をコンバータ装置210と一体化したため、アンテナ装置とコンバータ装置間を接続するケーブル毎に配線、穴処理、雨対策作業等を施す必要がなく、更に施工数を削減して生産性を向上させることができる。
【実施例3】
【0032】
図3は、実施例3に係わる受信システムの構成を示すブロック図である。本実施例に係わる受信システム30は、アンテナ装置311と一体化されたコンバータ装置310と、チューナ・復調/復号装置320とから構成され、両装置間はIF信号ケーブル100により接続されている。
【0033】
コンバータ装置310は、実施例1(図1)のコンバータ装置110と同じく、アンテナ装置311、BPF312、受信アンプ313、第一ミキサ314、局所発振器315、第一IF増幅器316で構成されている(符号のみ異なる)。また、コンバータ装置310における各部の動作は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0034】
チューナ・復調/復号装置320は、帯域可変フィルタ321(選別手段)、利得可変アンプ322(増幅手段)、第二ミキサ323、第二IF増幅器324(以上、周波数変換手段)、局所発振器325、PLL選局回路326(以上、周波数制御手段)、切替回路327(切替手段)、ETC用復調/復号回路328a、GPS用復調/復号回路328b、電波ビーコン用復調/復号回路328cにより構成されている。このうち、帯域可変フィルタ321、利得可変アンプ322、第二ミキサ323、第二IF増幅器324は、一次IF信号を受信メディアに応じた受信周波数で同調制御するためのチューナ装置を構成する。
【0035】
また、帯域可変フィルタ321、利得可変アンプ322、PLL選局回路326、切替回路327には、図示しない制御回路から受信メディア/周波数制御信号が供給される。この受信メディア/周波数制御信号により、帯域可変フィルタ321の帯域特性が制御され、入力した一次IF信号は、自システムが選択した受信メディアに応じた周波数帯域で選別される。同様に、受信メディア/周波数制御信号により、利得可変アンプ322の利得特性が制御され、帯域可変フィルタ321を経た一次IF信号は、自システムが選択した受信メディアに応じた利得で増幅される。また、受信メディア/周波数制御信号により、PLL選局回路326の出力は、局所発振器325で生成される発振周波数が、自システムの選択した受信メディアに対応する所定の復調処理に適した周波数となるように出力が制御される。更に、受信メディア/周波数制御信号により、切替回路327の出力は、自システムが選択した受信メディアに対応する所定の復調/復号回路(328a〜328c)へ切り替えられる。
【0036】
上記構成において、例えば、受信メディアとしてGPS電波が選択されると、アンテナ装置311で受信されたGPS電波は、BPF312、受信アンプ313を経て第一ミキサ314へ入力される。第一ミキサ314では、局所発振器315から供給される発振周波数に応じて、GPS信号の周波数が一定の割合で周波数変換され、一次IF信号として出力される。第一ミキサ314から出力された一次IF信号は、第一IF増幅器316で増幅された後、IF信号ケーブル100を通じてチューナ・復調/復号装置320へ送られる。
【0037】
チューナ・復調/復号装置320に送られた一次IF信号は、受信メディア/周波数制御信号により特性が制御された帯域可変フィルタ321、利得可変アンプ322を経て第二ミキサ323へ入力される。第二ミキサ323では、局所発振器325から供給される発振周波数に応じて、一次IF信号の周波数が後段のGPS用復調/復号回路328bでの復調処理に適した周波数の二次IF信号に変換される。局所発振器325で生成される発振周波数は、PLL選局回路326に入力される受信メディア/周波数制御信号により制御され、第二ミキサ323からはGPSに対応した周波数の二次IF信号が出力される。この二次IF信号は第二IF増幅器324で増幅された後、切替回路327へ入力する。切替回路327では、受信メディア/周波数制御信号により二次IF信号の出力先が切り替えられ、この例ではGPS用復調/復号回路328bへ出力される。GPS用復調/復号回路328bでは、入力した二次IF信号が復調/復号処理され、デジタルのデータ信号として図示しないGPS用のシステムに出力される。
【0038】
同様に、受信メディアとしてETCや電波ビーコンが選択された場合も、選択された受信メディアに応じた受信メディア/周波数制御信号により、帯域可変フィルタ321、利得可変アンプ322、PLL選局回路326、切替回路327が制御される。これにより、コンバータ装置210から出力された一次IF信号は、自システムが選択した受信メディアに対応する周波数の二次IF信号に変換された後、所定の復調/復号回路へ出力される。
【0039】
上記実施例3によれば、複数の受信メディアに対し、コンバータ装置310の回路部品を共通化することができるため、低コスト化を図ることができる。特に本実施例では、チューナ・復調/復号装置320の回路部品を一部共通化することができるため、実施例2に比べて更に部品数を減らして低コスト化を実現することが可能となる。また、コンバータ装置310とチューナ・復調/復号装置320との間を1本のIF信号ケーブル100で接続することができるため、移動体や受信装置において、ケーブル毎に配線、穴処理、雨対策作業等を施す必要がなくなり、施工数を削減して生産性を向上させることができる。更に本実施例では、アンテナ装置311をコンバータ装置310と一体化したため、アンテナ装置とコンバータ装置間を接続するケーブル毎に配線、穴処理、雨対策作業等を施す必要がなく、更に施工数を削減して生産性を向上させることができる。
【0040】
なお、上記各実施例では、受信メディアとしてGPS、電波ビーコン、ETCを例として挙げたが、受信メディアはこれらに限定されるものではなく、例えばアナログTV、DTV、DAB、或いは携帯電話などであってもよい
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例1に係わる受信システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例2に係わる受信システムの構成を示すブロック図。
【図3】実施例3に係わる受信システムの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0042】
10,20,30 受信システム
100 IF信号ケーブル
111,211,311 アンテナ装置
110,210,310 コンバータ装置
112,211,222a〜222c,312 BPF
113,213,313 受信アンプ
114,214,314 第一ミキサ
115,215,226,315,325 局所発振器
116,216,316 第一IF増幅器
120,220,320 チューナ・復調/復号装置
121,227,327 切替回路
223a〜223c アンプ
224a〜224c,323 第二ミキサ
227,326 PLL選局回路
225a〜225c,324 第二IF増幅器
122a ETCチューナ・用復調/復号回路
122b GPSチューナ・用復調/復号回路
122c 電波ビーコン用チューナ・復調/復号回路
228a,328a ETC用復調/復号回路
228b,328b GPS用復調/復号回路
228c,328c 電波ビーコン用復調/復号回路
321 帯域可変フィルタ
322 利得可変アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受信メディアからの電波を受信可能な周波数特性を有する、少なくとも1つのアンテナ装置と、
前記アンテナ装置で受信した受信電波を一定の割合で周波数変換して一次中間周波信号を生成するコンバータ装置と、
受信メディア毎のチューナ・復調/復号回路と、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を、自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記チューナ・復調/復号回路に切り替えて出力する切替手段とを備え、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波数信号を同調制御して、自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記チューナ・復調/復号回路に供給するチューナ・復調/復号装置と、
を備え、前記コンバータ装置と前記チューナ・復調/復号装置との間を1本の通信媒体で接続したことを特徴とする受信システム。
【請求項2】
複数の受信メディアからの電波を受信可能な周波数特性を有する、少なくとも1つのアンテナ装置と、
前記アンテナ装置で受信した受信電波を一定の割合で周波数変換して一次中間周波信号を生成するコンバータ装置と、
受信メディア毎の復調/復号回路を有し、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を同調制御して、自システムが選択した受信メディアに対応する二次中間周波信号に変換し、当該二次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記復調/復号回路に供給するチューナ・復調/復号装置と、
を備え、前記コンバータ装置と前記チューナ・復調/復号装置との間を1本の通信媒体で接続したことを特徴とする受信システム。
【請求項3】
前記チューナ・復調/復号装置は、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を各々の受信メディアに応じた周波数帯域で選別する複数の選別手段と、前記選別手段を経た一次中間周波信号を各々の受信メディアに応じた利得で増幅する複数の増幅手段と、前記増幅手段を経た一次中間周波信号を復調処理に適した周波数に周波数変換して二次中間周波信号を生成する複数の周波数変換手段と、前記周波数変換手段毎に自システムの選択した受信メディアに対応する所定の復調処理に適した周波数となるように制御する周波数制御手段と、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を、自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記選別手段、前記増幅手段、前記周波数変換手段、前記復調/復号回路の経路に切り替えて出力する切替手段とを備えること、
を特徴とする請求項1に記載の受信システム。
【請求項4】
前記チューナ・復調/復号装置は、前記コンバータ装置から出力された一次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに応じた周波数帯域で選別する選別手段と、前記選別手段を経た一次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに応じた利得で増幅する増幅手段と、前記増幅手段を経た一次中間周波信号を復調処理に適した周波数に周波数変換して二次中間周波信号を生成する周波数変換手段と、前記周波数変換手段を自システムの選択した受信メディアに対応する所定の復調処理に適した周波数となるように制御する周波数制御手段と、前記周波数変換手段を経た二次中間周波信号を自システムが選択した受信メディアに対応する所定の前記復調/復号回路に切り替えて出力する切替手段とを備えること、
を特徴とする請求項1に記載の受信システム。
【請求項5】
前記アンテナ装置を前記コンバータ装置と一体化したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の受信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−50449(P2006−50449A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231465(P2004−231465)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】