説明

可視光透過半導体素子およびその製造方法

【課題】 可視光透過半導体膜の形成の際に、堆積中の膜に光放出装置からの光を照射しながら半導体膜を形成することにより、各種の可視光透過半導体膜を耐熱性の低い透明基板上に形成することを可能にした可視光透過半導体素子を提供することにある。
【解決手段】 透明基板8と、透明基板8への半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置9bからの光を照射しながら形成される半導体膜とからなることを特徴とする可視光透過半導体素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明基板に半導体膜を形成した可視光透過半導体素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明半導体膜は、例えば透明電極、帯電防止膜、熱線反射膜、面発熱体等として利用されてきた。特に錫をドーピングした酸化インジウム(ITO)に代表される酸化物半導体膜は、各種電子部品の材料として重要である。しかし、ITOに含まれるインジウムは地殻含有量が少なく、枯渇する可能性がある。そのため、近年では、ZnO等の透明半導体膜が注目されるようになった。
【0003】
また、銅デラフォサイトは透明かつp型半導体特性が得られることから、n型の透明半導体とp型の透明半導体を組み合わせて、pn接合を形成して、透明なダイオードや透明な電子回路の作成が期待できる。またp-i-n構造(iは絶縁性層)を作成して、可視光透過紫外光変換型太陽電池や、可視光透過トンネルダイオードを作成することができる。
【0004】
これらの酸化物半導体からなる薄膜は、一般的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法、レーザ蒸着法等のPVD法(物理的気相蒸着法)やCVD法(化学的気相蒸着法)、またはスプレー法等の蒸着法によって、基板上に形成される。
【0005】
しかしながら、これらの方法においては、蒸着に際し、基板を、通常400℃以上に加熱する必要があるため、基板材料としては、400℃以上の温度でも安定なものを用いなければならず、例えば、変形温度が400℃よりも低いプラスチック基板は用いることができないという欠点があった。
【0006】
特開2000-31463号公報には、透明電極材料としてITOを基板上にアモルファス状に堆積し、これに前記材料の吸収端波長よりも短い波長を有し、かつ30〜100mJ/cm2・pulseのエネルギー密度を有するパルスレーザ光を照射して結晶化させて、透明電極を形成する方法が開示されている。
【0007】
また、特開2000-285752号公報には、有機物基板、例えば、PMMA上に、該有機物基板の光変性を防止する光変性防止層として酸化物層を形成する工程と、前記光変性防止層上に、透明電極材料層としてITOを形成する工程と、前記透明電極材料層にその基礎吸収端波長よりも短い波長の光を照射して透明電極材料を結晶化させる工程とを有することを特徴とする透明電極の形成方法が開示されている。
【0008】
これらの方法では、膜堆積中に基板を加熱する必要がないため、耐熱性の低い基板でも良質な透明電極を形成することができるが、成膜後にレーザを照射する工程を設けなければならず、基板を加熱して成膜するのに比べて、スループットが低下するおそれがある。また、形成後の膜にレーザを照射して結晶化するため、膜内部に侵入する程度の比較的大きな光エネルギーが必要となる等の製造プロセス上の欠点を有する。
【0009】
また、特開平11-229120号公報には、非加熱状態のガラス基板上に、紫外レーザを照射しながらITOを蒸着させて透明導電性薄膜を形成させる透明導電性薄膜の形成方法が開示されている。非加熱状態の基板に紫外光レーザを照射しながら、酸化物半導体を蒸着させることにより、効率よく透明導電性に優れた酸化物半導体膜を基板上に形成することができる。したがって、従来の蒸着法では使用できなかったプラスチック基板等の耐熱性において劣る基板も、電気抵抗率が3×10-4Ω・cm以下で、かつ可視光透過率が90%以上の優れた透明導電性を有する酸化物半導体膜を形成することができる。
【0010】
しかし、以上の方法は、いずれも透明酸化物伝導体を導電膜や電極として使用するための改善された製造法を開示したものであり、半導体としての機能を利用した半導体素子の製造には言及されていない。
【0011】
特開2004-311845号公報には、透明基板上にp型半導体およびn型半導体のpn接合層とからなる青〜紫外光発電機能を備える可視光透過構造体が記載されている。この青〜紫外光発電機能を備える可視光透過構造体には、p型半導体にCuAlO2、n型半導体のpn接合層にZnO薄膜が使われているが、この構造体の製造には、基板を400℃以上に加熱して成膜することによってpn接合を形成する必要があり、前述のように変形温度が400℃よりも低いプラスチック基板を使用することができないという欠点があった。
すなわち、光照射を行いながら可視光透過半導体素子を形成する試みはこれまで報告されていない。
【0012】
【特許文献1】特開2000-31463号公報
【特許文献2】特開2000-285752号公報
【特許文献3】特開平11-229120号公報
【特許文献4】特開2004-311845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
半導体材料の形成には通常数百℃以上に加熱する必要があるために、プラスチック等の耐熱性の劣る材料を半導体材料成膜の基板として使用することができなかった。プラスチックのような基板は、コストの面からサファイア、石英、ガラス等の酸化物基板に比べ安価であり、さらに軽量であることから、半導体機能等を持った薄膜をプラスチックに形成することは産業上有用である。このように、これまで変形、軟化等の問題のために使用することができなかったプラスチックのような基板に対しても適用可能な可視光透過半導体素子の新規な形成方法が求められている。
【0014】
本発明の目的は、可視光透過半導体膜の形成の際に、堆積中の膜に光放出装置からの光を照射しながら半導体膜を形成することにより、各種の可視光透過半導体膜を耐熱性の低い透明基板上に形成することを可能にした可視光透過半導体素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明は、透明基板と、該透明基板への半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜とからなることを特徴とする可視光透過半導体素子である。
請求項2に記載の発明は、透明基板と、該透明基板へのn型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜と、該半導体膜へのp型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜とからなることを特徴とする可視光透過半導体素子である。
請求項3に記載の発明は、透明基板と、該透明基板へのp型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜と、該半導体膜へのn型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜とからなることを特徴とする可視光透過半導体素子である。
請求項4に記載の発明は、前記光放出装置から照射される光の波長は、前記半導体膜の基礎吸収端より短い波長であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項5に記載の発明は、前記半導体膜は、バンドギャップ2.5eV以上の半導体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項6に記載の発明は、前記半導体膜は、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4、GaN、銅アルミ酸化物、銅ガリウム酸化物、銅インジウム酸化物、銅クロム酸化物、銅スカンジウム酸化物、銅イットリウム酸化物、銀インジウム酸化物、ストロンチウム銅酸化物、および窒化ガリウムから選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項7に記載の発明は、前記半導体膜は、Mg、Ca、Sr、Sb、B、Al、Ga、In、N、Ni、SnまたはCrの1つまたは複数の材料が添加されていることを特徴とする請求項6に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項8に記載の発明は、前記透明基板と前記透明基板上に形成される前記半導体膜との間に、可視光透過電極層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項9に記載の発明は、前記可視光透過電極層は、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4、GaN、銅アルミ酸化物、銅ガリウム酸化物、銅インジウム酸化物、銅クロム酸化物、銅スカンジウム酸化物、銅イットリウム酸化物、銀インジウム酸化物、およびストロンチウム銅酸化物から選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項8に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項10に記載の発明は、前記可視光透過電極層は、Mg、Ca、Sr、Sb、B、Al、Ga、In、N、Ni、SnまたはCrの1つまたは複数の材料が添加されていることを特徴とする請求項9に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項11に記載の発明は、前記p型半導体膜とn型半導体膜との間に、可視光透過真性半導体層または可視光透過絶縁性層が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項12に記載の発明は、前記可視光透過真性半導体は、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4およびGaNから選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項11に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項13に記載の発明は、前記可視光透過絶縁性層は、SiO2、SnO2、B2O3、P2O5、ZnO、Y2O3、ZrO2、HfO2、CeO、MgO、Bi2O3およびTiO2から選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の可視光透過半導体素子である。
請求項14に記載の発明は、前記光放出装置から光が照射される際に、前記透明基板の温度が制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子の製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、n型半導体膜、p型半導体膜、真性半導体膜、絶縁体膜、透明電極等からなる積層構造を光照射を利用して加熱することなしに作製することができるので、耐熱性の低い透明基板にも応用することができる。また、本発明によれば、高い耐熱性を有する石英ガラスやホウケイ酸ガラス等の比較的高価な基板材料を用いることなく、これらのガラスよりも耐熱性の劣る安価な鉛ガラスやソーダ石灰ガラス、さらには極めて耐熱性の劣るプラスチック等の材料も、半導体素子形成のための透明基板として用いることが可能となる。さらに、本発明によれば、ガラス等の基板に比べ安価かつ軽量であるプラスチックのような透明基板を用いることができるので、産業上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明者らは、蒸着法による透明導電性薄膜の形成方法について研究を重ねた結果、透明基板上に酸化物半導体を蒸着法により成長させる際に、形成する半導体膜の吸収端より短い波長の光を堆積しつつある膜に照射すると、薄膜成長過程において最表面層への光励起として作用し、可視光透過半導体膜の性質を制御できることを見出した。
【0018】
一般に、可視光透過p型半導体の代表である銅デラフォサイト薄膜は、室温で成膜すると、アモルファス状態で電気抵抗が大きく、p型半導体特性を発現しないが、堆積中の基板加熱や成膜後のアニールによって結晶化が促進され、導電率性と可視光透過率が改善されることが知られている。一方、n型透明酸化物半導体として代表的なZnOに関しては、室温で成膜したZnOは多結晶であり電気導電率にすぐれているが、多く酸素欠陥などが含まれているため、電気導電率は高いもののp型半導体膜と組み合わせて良いpn接合を形成することは困難である。ZnOでは成膜中の基板加熱や成膜後の焼成やアニールによって結晶化を促進させることにより、半導体としての界面特性が向上し半導体pn接合形成に有利となる。したがって、良質なpn接合を形成するためには、熱エネルギー、光エネルギー、プラズマエネルギー等を膜に注入し結晶化を促進させることが有効である。本発明者らは、室温成膜したZnOが高い電気導電率を有することに着目して、ZnOをn型半導体膜だけでなく、ZnO薄膜を電極として利用できることを見いだし、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0019】
すなわち、本発明は、堆積中の半導体薄膜への光照射を利用して高性能半導体膜ひいては半導体素子を各種透明基板に形成された可視光透過半導体素子を提供することにある。本発明によれば、堆積中の膜に光を照射することによって、基板を加熱することなく、光照射によって基板に堆積した薄膜として、例えば、電極としての高い導電率を持つ薄膜、半導体特性を有する薄膜、さらには抵抗率の比較的高い真性半導体膜や絶縁性膜までの様々な特性の膜を同じ材料から形成することができる。このようにして作られる各々の機能膜を多層構造化することにより可視光透過半導体素子を作製することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明においては、照射する光の波長を堆積中の半導体膜の吸収端波長より短い波長にすることにより、光エネルギーを堆積中の膜に効率的に注入し、優れた特性の半導体膜を形成することができる。ここで、吸収端波長とは、半導体材料の価電子帯の頂上に位置する電子を伝導帯の底に励起するに足るエネルギーを持つ光の波長を言う。吸収端波長よりも短い波長の光は、半導体材料のバンドギャップよりも大きなエネルギーを有するので、価電子帯に位置する電子を伝導帯に励起して吸収される。伝導帯に励起された電子はやがて価電子帯に落ちていくが、この時に放出されたエネルギーにより、半導体材料の結晶化が進行する。反対に吸収端波長よりも長い波長の光は、価電子帯に位置する電子を伝導帯に励起することができないので、吸収されない。このため吸収端波長よりも長い波長の光は、半導体材料を透過してしまい、半導体材料の結晶化に寄与することはできない。
【0021】
青色までの光を透過する半導体材料の吸収端波長は400nm付近にあるので、吸収端波長よりも短い光は、一般に紫外線である。また、吸収端波長が500nm付近にある半導体材料を対象とする場合には、波長450nmの可視光を照射することも有効である。本発明には、吸収端波長を持つ光を照射する場合も含まれる。また、アモルファスの吸収端波長が結晶の吸収端波長と異なる場合にあっては、両相の吸収端波長よりも短い波長の光を照射して結晶化を十分に進行させる場合を含む。吸収端波長は膜の光透過スペクトル等から決定できる。吸収端波長よりも短い波長の光は、連続光として照射してもよく、パルス光として照射しても良い。
【0022】
吸収端波長よりも短い光の発生源としては、例えば、レーザ光やシンクロトロン放射光を用いる。水銀灯等も紫外光を放射するが、結晶化を現実的な速度で進めるためには、レーザ光やシンクロトロン放射光等の強い光源が好ましい。紫外光を発するレーザには、エキシマレーザやNd-YAGレーザの4倍高調波等がある。吸収端波長よりも短い波長の光は、十分な強度を有さなくてはならない。このため光源としてはパルスレーザやシンクロトロンが好適である。パルスレーザを用いる場合には、照射エネルギー密度は、30〜100mJ/cm2・pulseであることが適当である。30mJ/cm2・pulse未満ではアモルファスITOの場合には結晶化が進行しない。100mJ/cm2・pulse以上ではエネルギーが強すぎて膜が蒸発してしまうことが多い。現状では、ArF、KrF、XeCl等のエキシマレーザやYAGレーザによりこの範囲のエネルギー密度を持つ光が得られている。
【0023】
本発明の可視光透過半導体素子には、バンドギャップが2.5eV以上の半導体が用いられる。バンドギャップエネルギー2.5eVは光波長500nmに相当するので、バンドギャップエネルギー2.5eVを有する半導体は可視光を透過することができる。具体的な半導体材料としては、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4、GaN、銅アルミ酸化物、銅ガリウム酸化物、銅インジウム酸化物、銅クロム酸化物、銅スカンジウム酸化物、銅イットリウム酸化物、銀インジウム酸化物またはストロンチウム銅酸化物が適当である。これら半導体材料に添加物としてMg、Ca、Sr、Sb、B、Al、Ga、In、N、Ni、SnまたはCrを含んだ材料は電気伝導や光学透過率を調整できるので利用価値が高い。
【0024】
また、本発明の可視光透過半導体素子は、透明基板と透明基板上に形成される半導体膜との間に可視光透過電極層を設けることにより、可視光透過半導体素子から容易に電極を取り出すことができ、かつ形成された電子素子に印加される電界を均一化することができる。可視光透過電極層は、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4、GaN、銅アルミニウム酸化物、銅ガリウム酸化物、銅インジウム酸化物、銅クロム酸化物、銅スカンジウム酸化物、銅イットリウム酸化物、 銀インジウム酸化物、ストロンチウム銅酸化物または窒化ガリウムを主成分とし、Mg、Ca、Sr、Sb、B、Al、Ga、In、N、Ni、SnまたはCrを添加物として含んだ材料から形成される。
【0025】
また、本発明では、可視光透過電極層を形成する半導体の組成を含む材料とn型半導体膜を形成する半導体の組成を含む材料を同一材料で行ってもよい。同じ材料を使用することにより、製造工程を減らし、必要とする材料も減らせるので、コスト削減、およびスループットの向上に寄与することができる。これは、例えば、ZnOを材料とした際、真空容器内のガス雰囲気を制御しつつ、室温で電極層としてのZnO薄膜を形成し、その後に蒸着と共に照射を行いn型半導体としてのZnO薄膜を形成することによって実現する。また、従来の製造方法では、下部電極は所望でない加熱をアニール工程で避けることができず、n型半導体膜を形成する酸化亜鉛ターゲットでは、抵抗率がアニール工程で著しく上昇してしまい、下部電極層として望ましくない。したがって、従来の製造方法では下部電極層では、熱を加えても電気伝導率の低下を抑えられる透明導電膜、例えば錫をドーピングした酸化インジウム、またはアルミニウムやガリウムをドーピングした酸化亜鉛を使用する必要があった。
【0026】
さらに、本発明の可視光透過半導体素子の製造方法においては、光放出装置から光を照射する際に、透明基板の温度を制御する。すなわち、光を照射するとき、透明基板を適当な温度に制御する。光の照射によって発熱が起こり、透明基板が変質してしまう程度に温度が上昇する場合には、例えば、基板ホルダに冷却水を流す等の方法により、透明基板の温度上昇を制御する。また反対に、結晶化の進行を助けるために、透明基板の変質が起こらない温度域の範囲で、透明基板を加熱しても良い。
【0027】
本発明に用いられる透明基板は、透明であれば特に制限はなく、従来、蒸着法による酸化物半導体膜の形成に慣用的に使用されている基板、例えばパイレックス(登録商標)ガラスや石英ガラス等のガラス基板、またはサファイア、ランタンアルミネート、チタン酸ストロンチウム等の酸化物基板はもちろん、これまでの蒸着法では基板温度を高くしなければならないために使用することができなかったプラスチック基板のような耐熱性に劣る基板も用いることができる。
透明基板は、試料ホルダに固定され、試料ホルダは、モータ駆動により回転できるように構成されている。これにより、作製する薄膜の均一性が図られる。
【0028】
また、本発明に用いられる酸化物半導体は、これまで蒸着法により透明基板上に透明半導体膜を形成する際に用いられていたものの中から任意に選ぶことができ、特に制限はない。
【0029】
このようなn型酸化物半導体としては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ガリウム、またはこれらの複合酸化物系や、インジウム酸マグネシウム系等が挙げられる。これらの、半導体膜で所望の特性、例えば、高い導電率あるいは低効率等を得るために、その他の元素をドーピングしてもよい、例えば、酸化亜鉛にアルミニウムやガリウムをドーピングすることによって、導電率を高めることができる。
【0030】
p型酸化物半導体としては、例えば、銅アルミニウム酸化物、銅ガリウム酸化物、銅インジウム酸化物、銅クロム酸化物、銅スカンジウム酸化物、銅イットリウム酸化物、銀インジウム酸化物、ストロンチウム銅酸化物等が挙げられる。これらの、半導体膜で所望の特性、例えば、高い導電率あるいは抵抗率等を得るために、その他の元素をドーピングしてもよい、例えば、銅クロム酸化物にマグネシウムをドーピングすることによって、導電率を高めることができる。
【0031】
次に、本発明の可視光透過半導体素子を作製するために用いる蒸着法の種類についても特に制限はなく、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、高周波イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法、化学的気相蒸着法(CVD法)等、従来透明導電性薄膜の形成に用いられていた方法のいずれを用いてもよい。
【0032】
本発明で用いる蒸着法として、パルスレーザ蒸着法を例に説明する。パルスレーザ蒸着法は薄膜の所望の組成を含むターゲットをパルスレーザで照射して蒸発させて蒸着を行う薄膜の製造方法である。パルスレーザ装置からパルスレーザが出力され、光学系と光導入窓を介して真空容器内のターゲットを照射して、ターゲットを蒸発させることによって、透明基板に薄膜を蒸着する。真空容器内には複数のターゲットが設けられており、モータ駆動により照射するターゲットは真空を破ることなく交換することができる。さらに、ターゲットはモータ駆動により回転することができ、レーザがターゲットの固定した場所を照射するのではなく、ターゲット上を走査することにより、ターゲットにクレーターができることを防ぐ。
【0033】
本発明においては、透明基板に光を照射しながら、蒸着処理すること、すなわち成長中の半導体膜に光を照射しながら、半導体膜を蒸着させることが必要である。この際照射する光としては、例えば、ArF、KrF、XeF、XeCl等のエキシマレーザ光やYAGレーザ光の高調波、シンクロトロン放射光等を用いることができる。レーザ光の波長は形成される薄膜の吸収端波長より短く、薄膜を構成する物質を励起できる波長であればよく、例えば350nm以下の波長が望ましい。
【0034】
本発明の薄膜照射に用いる光としては、Nd-YAGの4倍高調波レーザを使用した。レーザ装置から出力されたレーザは、光学系と導入窓を介して真空容器内の透明基板を照射するように構成されている。レーザの平均エネルギー密度は、対象材料である酸化物半導体の結晶化温度等の諸物性に左右される。例えば、酸化物半導体として、銅デラフォサイト酸化物系を使用し、その半導体特性および可視光透過率を最適化するには、30mJ/cm2以上のレーザ照射により、500°Cでアニールしたのと同等の効果が得られる。この紫外光レーザは、通常、レーザ発振器の出力や、出力された光をアッテネーターやレンズ等の光学系で調整して使用される。
【0035】
本発明の可視光透過半導体素子の作製においては、従来方法のように蒸着処理に際し、透明基板を加熱する必要はなく、周囲温度、例えば、室温において行うことができる。また、透明基板が変形しない程度まで、加熱して光照射と加熱の相乗効果を狙うこともできる。さらに、透明基板が光照射から受ける影響を抑えるために透明基板を冷却などして、恒温状態にしてもよい。
【0036】
上述のごとく、本発明の可視光透過半導体素子の作製においては、透明基板を加熱しないこと、および光を照射することのみが従来と異なっているだけであり、それ以外の蒸着条件はすべて従来と同じであり、特に変更する必要はない。このように、従来においては、基板温度を400℃以上に加熱しなければ得ることができなかった、pn接合やp-i-n接合等の可視光透過半導体素子を室温において形成させることができる。
【0037】
図1は、本発明の可視光透過半導体素子を作製するために用いた蒸着装置の1例を示す図である。同図に示すように、真空容器1には、酸素を導入するための酸素ガス導入管(ステンレス鋼管)3と、酸素の流量を制御するマスフローコントローラ13や、真空容器1内部を真空に保持するための真空ポンプ11に連結した排気バルブ2が接続されている。また、真空容器1内には材料としてのAlドープZnOターゲット5a、ZnOターゲット5b、CuCrO2ターゲット5cが設置されている。また、第1レーザ発振装置9aからターゲット5に照射する紫外光レーザビーム6aのレーザ出力を調整するための光学系7aおよび真空容器1内に紫外光レーザビーム6aを導入するための光導入窓4aが設けられている。さらに、第2レーザ発振装置9bから基板8に照射する紫外光レーザビーム6bのレーザ出力を調整するための光学系7bおよび真空容器1内に紫外光レーザビーム6bを導入するための光導入窓4bが設けられている。ターゲット5a〜5cはレーザビーム6aによってアブレーションされ、透明基板8に蒸着する。
【0038】
以下に、この蒸着装置の動作の概要について説明する。まず、真空容器1内に透明基板8を装着した後、排気バルブ2を開放し、真空ポンプ11によって容器内の真空度を10-5〜10-7Pa程度になるまで排気後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧が102〜10-2Pa程度になるように酸素ガスを導入する。次いで、第2レーザ発振装置9bからの紫外光レーザビーム6bを光学系7bおよび光導入窓4bを通して、試料ホルダ10に支持された透明基板8に照射させながら、第1レーザ発振装置9aからの紫外光レーザビーム6aを光学系7aおよび光導入窓4aを通して、ターゲット5に照射してターゲット5を蒸発させ、酸化物半導体を透明基板8上に蒸着させる。この際、透明基板8は加熱しなくてもよいが、所望により、透明基板8に影響を与えない程度に加熱してもよい。透明基板8としてプラスチック基板を用いた場合には、基板温度は100℃以下が好ましい。蒸着時間は特に制限はなく、形成される透明半導体薄膜の所望膜厚に応じて、適宜選定すればよい。このようにして、半導体特性を有し、かつ透明な可視光透過半導体素子が形成される。この酸化物半導体膜の厚さは、用途に応じて異なるが、通常0.01〜10μm程度である。
【0039】
実施例1
実施例1では、n型透明酸化物半導体薄膜の形成について説明する。今までの経験によれば、室温で成膜したZnOは多結晶であり、電気導電率に優れているが、多くの酸素欠陥等が含まれているため、電気導電率は高いもののp型半導体膜と組み合わせても良いpn接合を形成することが困難であり、オーミック接合になってしまう。しかし、ZnOの成膜中に基板加熱を行ったり、成膜後に焼成やアニールを行うことによって結晶化が促進され、真性半導体としての界面特性が向上し半導体pn接合の形成が可能である。したがって、良質なpn接合を形成するために、熱エネルギー、光エネルギー、プラズマエネルギー等を膜に注入することにより結晶化が促進される。例えば、ZnO薄膜は、成膜中の基板加熱温度の上昇につれて抵抗を上昇させることができる。
【0040】
次に、図1に示す蒸着装置を用いて、石英ガラス基板8上に酸化亜鉛(ZnO)薄膜を形成する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、真空容器1内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして酸素ガスを導入した。第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通して酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに照射して、石英ガラス基板8上に酸化亜鉛(ZnO)膜を蒸着し、この蒸着と同時に、堆積中の石英ガラス基板8に、第2Nd-YAGレーザ発振装置9bより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7bおよび光導入窓4bを通して照射した。
【0041】
なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、基板照射レーザのエネルギー密度はおよそ0.3-0.6W/cm2、酸化亜鉛(ZnO)薄膜の膜厚は約150nmとした。得られた酸化亜鉛(ZnO)薄膜の抵抗を四端針法により測定した結果を図2に示す。同図に示すように、基板照射レーザのエネルギー密度が小さいときは、変化は小さいが、大きくなるにつれて酸化亜鉛(ZnO)膜の抵抗が大きくなることがわかる。
【0042】
比較例1
次に、図1に示す蒸着装置を用いて、基板照射レーザによる光照射を行わないで、石英ガラス基板8上に酸化亜鉛(ZnO)薄膜を形成する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、容器内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして酸素ガスを導入した。第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通して酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに照射して、透明基板8上に酸化亜鉛(ZnO)薄膜を蒸着した。
【0043】
なお、石英ガラス基板8の温度は室温で、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、酸化亜鉛(ZnO)薄膜の膜厚は約150nmとした。堆積中に基板照射レーザによる光照射を行わない以外は実施例1と同じにした。得られた酸化亜鉛(ZnO)薄膜の抵抗を四端針法により、測定した測定結果を図2に示す。
【0044】
比較例2
次に、図1に示す蒸着装置を用いて、基板照射レーザによる光照射を行わず、成膜後にポストサーマルアニールを行って、石英ガラス基板上に酸化亜鉛(ZnO)薄膜を形成する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、容器内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、石英ガラス基板8を500°Cまで加熱した後に、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして酸素ガスを導入した。第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通して酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに照射して、石英ガラス基板8上に室温でノンドープの酸化亜鉛膜を蒸着した。その後、石英ガラス基板8を500°Cまで加熱して10分間ポストサーマルアニールを行った。
【0045】
なお、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、酸化亜鉛(ZnO)薄膜の膜厚は約150nmとした。成膜後にポストサーマルアニールを行った以外は比較例2と同じにした。得られた酸化亜鉛(ZnO)薄膜の抵抗を四端針法により、測定した結果を図2に示す。
【0046】
図2に示すように、酸化亜鉛(ZnO)薄膜は室温で蒸着すると、酸素欠損が多く抵抗が低いが、実施例1のように光を照射して形成すると、抵抗を著しく上昇させることができ、基板を加熱することなく、真性半導体的な酸化亜鉛(ZnO)膜を得ることができる。また、図2に示すように、レーザ照射エネルギーを制御することにより、酸化亜鉛(ZnO)薄膜の特性を透明基板を加熱せずに幅広く制御することができる。例えば、0.6W/cm2のレーザ照射では、透明基板を500°Cに加熱して作成された比較例2の酸化亜鉛(ZnO)膜と同等の特性を加熱することなく得ることができる。
【0047】
実施例2
実施例1では、n型透明酸化物半導体薄膜の形成について説明したが、実施例2では、p型透明半導体薄膜の形成について説明する。一般に可視光透過p型半導体の代表である銅デラフォサイト薄膜、例えば、銅クロム酸化物(CuCrO2)は、室温で成膜すると、アモルファス状態で電気抵抗が大きく、p型半導体特性を発現しないが、成膜中の基板加熱や成膜後のアニールによって結晶化が促進され、導電率や可視光透過率が改善することが知られている。そのため銅デラフォサイト薄膜は成膜中の基板加熱温度の上昇につれて抵抗が下がる傾向にある。
【0048】
次に、図1に示す蒸着装置を用いて、石英ガラス基板8上にCuCrO2薄膜を形成する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、真空容器1内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧を0.266Paになるようにして酸素ガスを導入した。第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7および光導入窓4aを通してマグネシウムドープした銅クロム酸化物(CuCrO2)に照射して、石英ガラス基板8上にCuCrO2膜を蒸着し、この蒸着と同時に、堆積中の石英ガラス基板8に、第2Nd-YAGレーザ発振装置9bより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7bおよび光導入窓4bを通して照射した。
【0049】
なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、石英ガラス基板8上に堆積中のCuCrO2薄膜に照射されるパルスレーザ光のエネルギー密度はおよそ0.3-0.6W/cm2、CuCrO2薄膜の膜厚は約150nmとした。得られたCuCrO2薄膜の抵抗を四端針法により測定した結果を図3に示す。同図に示すように、上記パルスレーザ光のエネルギー密度が小さいときは、変化は小さいが、大きくなるにつれてCuCrO2膜の抵抗が小さくなることがわかる。
【0050】
比較例3
図1に示す蒸着装置を用いて、基板照射レーザによる光照射を行わないで、石英ガラス基板8上にCuCrO2膜を形成する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、容器内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして酸素ガスを導入した。第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通してマグネシウムドープした銅クロム酸化物(CuCrO2)ターゲット5cに照射して、石英ガラス基板8上にCuCrO2薄膜を蒸着した。
【0051】
なお、石英ガラス基板8の温度は室温で、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、CuCrO2薄膜の膜厚は約150nmとした。堆積中に基板照射レーザによる光照射を行わない以外は実施例2と同じにした。得られた酸化亜鉛薄膜の抵抗を四端針法により測定した結果を図3に示す。
【0052】
比較例4
図1に示す蒸着装置を用いて、堆積中に石英ガラス基板8の加熱を行って、石英ガラス基板8上にCuCrO2膜を形成する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、容器内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気したのち、基板を500°Cまで加熱した後に、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして酸素ガスを導入した。第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび石英窓4aを通してマグネシウムドープした銅クロム酸化物(CuCrO2)ターゲット5cに照射して、石英ガラス基板8上にCuCrO2薄膜を蒸着した。
【0053】
なお、石英ガラス基板8の温度は室温で、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、CuCrO2薄膜の膜厚は約150nmとした。堆積中に石英ガラス基板8の加熱を行った以外は比較例2と同じにした。得られたCuCrO2薄膜の抵抗を四端針法により測定した結果を図3に示す。
【0054】
図3に示すように、CuCrO2薄膜は室温で蒸着すると、結晶性が低く抵抗が非常に大きく、半導体膜としては不適であったが、実施例2のように光を照射して形成すると、抵抗が著しく低下することがわかる。また、図3に示すように、レーザ照射エネルギーを制御することによりCuCrO2薄膜の特性を幅広く制御することができ、例えば、0.6W/cm2のレーザ照射では、透明基板を500°Cに加熱して作成された比較例4のCuCrO2薄膜と同等の特性を加熱することなく得ることができる。
【0055】
実施例3
実施例3では、実施例1および実施例2の結果を踏まえて、n型半導体膜とp型半導体膜を積層してpn接合を形成して、可視光透過半導体素子を作成する場合について説明する。
以下に、図1に示す蒸着装置を用いて、石英ガラス基板8上にCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)を形成する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、真空容器1内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧が0.133Paになるように、酸素ガスを導入した。次いで、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通してアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)ターゲット5aに照射して、石英ガラス基板8上にアルミニウムドープ酸化亜鉛薄膜を200nm程度形成して、透明電極層とした。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。
【0056】
次に、ターゲットをノンドープの酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに変更し、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通して酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに照射して、石英ガラス基板8上のアルミニウムドープ酸化亜鉛薄膜上にノンドープの酸化亜鉛膜を蒸着し、この蒸着と同時に、堆積中の石英ガラス基板8に、第2Nd-YAGレーザ発振装置9bより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7bおよび光導入窓4bを通して照射した。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2、基板照射レーザのエネルギー密度は0.6W/cm2、ZnO薄膜の膜厚は約150nmとした。
【0057】
次に、ターゲットをマグネシウムドープした銅クロム酸化物(CuCrO2)ターゲット5cに変更し、酸素雰囲気圧を0.266Paになるようにして、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通してCuCrO2ターゲット5cに照射して、石英ガラス基板8上の酸化亜鉛薄膜上に銅クロム酸化物を蒸着し、この蒸着と同時に、堆積中の石英ガラス基板8に、第2Nd-YAGレーザ発振装置9bより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7bおよび光導入窓4bを通し照射した。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、基板照射レーザのエネルギー密度はおよそ0.6W/cm2、銅クロム酸化物の膜厚は約150nmとした。
【0058】
図4は実施例3において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassの構成を示す図である。また、図5は実施例3において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassにおけるI-V特性を示す図であり、CuCrO2膜(p型半導体)を正極とし、ZnO膜(n型半導体)を負極として、2探針法を用いて半導pn接合を調べたところ、同図に示すような整流作用が確認できた。また、図6は光透過スペクトルを示す図であり、同図に示すように、実施例3において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassは、可視光領域で50%以上の透過率を維持しており、可視光領域で透明であることがわかる。
【0059】
実施例4
実施例3では、下部電極にZnO薄膜を用いているために、下部電極用、n型半導体用、およびp型半導体用の3つのターゲットを用意する必要があったが、実施例4では、実施例1においてZnO薄膜の特性を光照射によって制御できることから、1つのターゲットを用いて、下部電極に光照射せずに形成したZnO薄膜およびn型半導体層に光照射したZnO薄膜を形成した可視光透過半導体素子について説明する。
【0060】
以下に、図1に示す蒸着装置を用いて、石英ガラス基板8上にCuCrO2/ZnO/ZnOを成膜する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、容器内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧が0.133Paになるように、酸素ガスを導入した。次いで、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通してノンドープの酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに照射して、石英ガラス基板8上に酸化亜鉛薄膜を200nm程度形成して、透明下部電極層とした。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。
【0061】
次に、同じノンドープの酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bを用いて、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通して酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに照射して、石英ガラス基板8上のアルミニウムドープ酸化亜鉛薄膜上にノンドープの酸化亜鉛膜を蒸着し、この蒸着と同時に、堆積中の石英ガラス基板8に、第2Nd-YAGレーザ発振装置9bより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7bおよび光導入窓4bを通して照射した。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、基板照射レーザのエネルギー密度は0.6W/cm2、酸化亜鉛薄膜の膜厚は約150nmとした。
【0062】
さらに、ターゲットをマグネシウムドープした銅クロム酸化物(CuCrO2)ターゲット5cに変更し、酸素雰囲気圧を0.266Paになるようにして、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび光導入窓4aを通してCuCrO2ターゲット5cに照射して、石英ガラス基板8上の酸化亜鉛薄膜上に銅クロム酸化物を蒸着し、この蒸着と同時に、堆積中の石英ガラス基板8に、第2Nd-YAGレーザ発振装置9bより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7bおよび光導入窓4bを通し照射した。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、基板照射レーザのエネルギー密度はおよそ0.6W/cm2、酸化亜鉛薄膜の膜厚は約150nmとした。
【0063】
図7は実施例4において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO/glassのI-V特性を示す図であり、同図に示すように、CuCrO2膜(p型半導体)を正極とし、ZnO膜(n型半導体)を負極として、2探針法を用いて半導pn接合を調べたところ整流作用が確認できた。さらに、実施例4の成膜法によれば、下部電極層とn型半導体膜に同一の酸化亜鉛ターゲット5bを使用することができるので、ターゲット数を減らし、コスト削減を図ることができる。
【0064】
比較例5
図1に示す蒸着装置を用いて、基板照射レーザによる光照射を行わず、石英ガラス基板8上にCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)を成膜する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、容器内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管3から、酸素雰囲気圧が0.133Paになるように、酸素ガスを導入した。次いで、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび石英窓4aを通してアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)ターゲット5aに照射して、石英ガラス基板8上にアルミニウムドープ酸化亜鉛薄膜を200nm程度形成して、透明下部電極層とした。なお、石英ガラス基板の温度は室温とした。
【0065】
次に、ターゲットをノンドープの酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに変更し、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして、石英ガラス基板8にはレーザ照射を行わず、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび石英窓4aを通してアルミニウムドープ酸化亜鉛ターゲットに照射して、石英ガラス基板8上のアルミニウムドープ酸化亜鉛薄膜上にノンドープの酸化亜鉛膜を蒸着した。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、酸化亜鉛薄膜の膜厚は約150nmとした。
【0066】
次に、ターゲットをマグネシウムドープした銅クロム酸化物(CuCrO2)ターゲット5cに変更し、酸素雰囲気圧を0.266Paになるようにして、石英ガラス基板8にはレーザ照射を行わず、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび石英窓4aを通してCuCrO2ターゲット5cに照射して、石英ガラス基板8上の酸化亜鉛薄膜上に銅クロム酸化物を蒸着した。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2、銅クロム酸化物薄膜の膜厚は約150nmとした。
【0067】
図6の光透過スペクトルに示すように、比較例5において成膜されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassは可視光領域が50%以上であることが確認できた。しかし、図8のI-V特性に示すように、比較例5において成膜されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassは整流作用を確認することはできなかった。
【0068】
比較例6
図1に示す装置を用いて、基板照射レーザによる光照射を行わず、成膜後にポストサーマルアニールを行って、石英ガラス基板8上にCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)を成膜する方法について説明する。まず、真空容器1内に、石英ガラス基板8を所定位置に設置して、排気バルブ2を開放し、容器内の真空度が5×10-6Pa程度になるまで真空ポンプ11で排気した後、酸素ガス導入管(ステンレス鋼管)3から、酸素雰囲気圧が0.133Paになるように、酸素ガスを導入した。次いで、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび石英窓4aを通してアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)ターゲット5aに照射して、石英ガラス基板8上にアルミニウムドープ酸化亜鉛薄膜を200nm程度形成して、透明下部電極層とした。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。
【0069】
次に、ターゲットをノンドープの酸化亜鉛(ZnO)ターゲット5bに変更し、酸素雰囲気圧を1.33Paになるようにして、石英ガラス基板8にはレーザ照射を行わず、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7aおよび石英窓4aを通してアルミニウムドープ酸化亜鉛ターゲットに照射して、石英ガラス基板8上のアルミニウムドープ酸化亜鉛薄膜上にノンドープの酸化亜鉛膜を蒸着した。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、酸化亜鉛薄膜の膜厚は約150nmとした。
【0070】
さらに、ターゲットをマグネシウムドープした銅クロム酸化物(CuCrO2)5cに変更し、酸素雰囲気圧を0.266Paになるようにして、石英ガラス基板8には照射レーザを行わず、第1Nd-YAGレーザ発振装置9aより放出した4倍高調波(266nm)のパルスレーザ光を光学系7a
および石英窓4aを通してCuCrO2ターゲット5cに照射して、石英ガラス基板8上の酸化亜鉛薄膜上に銅クロム酸化物を蒸着した。なお、石英ガラス基板8の温度は室温とした。また、アブレーションレーザのエネルギー密度はおよそ25W/cm2で、銅クロム酸化物薄膜の膜厚は約150nmとした。そして、石英ガラス基板8上に成膜されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)を、真空容器1内でガス雰囲気が0.266Paになるようにして、500°Cで10分間アニールした。
【0071】
図9は比較例6において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassにおけるI-V特性を示す図であり、CuCrO2膜(p型半導体)を正極とし、ZnO膜(n型半導体)を負極として、2探針法を用いて半導pn接合を調べたところ、同図に示すような整流作用を確認することができた。また、図6の光透過スペクトルに示すように、可視光透過率が50%以上あることが確認できた。
【0072】
上記の実施例および比較例との対比から明らかなように、石英ガラス基板8を加熱することなく、可視光透過半導体素子を作成することができる。なお、上記実施例ではレーザアブレーションを用いて半導体膜を堆積する場合について説明したが、これに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明の可視光透過半導体素子を作製するために用いた蒸着装置の1例を示す図である。
【図2】実施例1、比較例1および比較例2において得られた酸化亜鉛薄膜の抵抗を四端針法により測定した結果を示す図である。
【図3】実施例2、比較例3および比較例4において得られた酸化亜鉛薄膜の抵抗を四端針法により測定した結果を示す図である。
【図4】実施例3において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassの構成を示す図である。
【図5】実施例3において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassのI-V特性を示す図である。
【図6】実施例3、比較例5および比較例6の光透過スペクトルを示す図である。
【図7】実施例4において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO/glassのI-V特性を示す図である。
【図8】比較例5において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassのI-V特性に示す図である。
【図9】比較例6において作製されたCuCrO2/ZnO/ZnO(Al1wt%)/glassのI-V特性を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 真空容器
2 排気バルブ
3 ガス導入管
4a、4b 光導入窓
5a ZnOターゲット
5b AlドープZnOターゲット
5c CuCrO2ターゲット
6a、6b 紫外光レーザビーム
7a、7b 光学系
8 透明基板
9a 第1Nd-YAGレーザ発振装置
9b 第2Nd-YAGレーザ発振装置
10 試料ホルダ
11 真空ポンプ
12 酸素ガス供給源
13 マスフローコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、該透明基板への半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜とからなることを特徴とする可視光透過半導体素子。
【請求項2】
透明基板と、該透明基板へのn型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜と、該半導体膜へのp型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜とからなることを特徴とする可視光透過半導体素子。
【請求項3】
透明基板と、該透明基板へのp型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜と、該半導体膜へのn型半導体の組成を含む材料の堆積中に光放出装置からの光を照射しながら形成される半導体膜とからなることを特徴とする可視光透過半導体素子。
【請求項4】
前記光放出装置から照射される光の波長は、前記半導体膜の吸収端より短い波長であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項5】
前記半導体膜は、バンドギャップ2.5eV以上の半導体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項6】
前記半導体膜は、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4、GaN、銅アルミ酸化物、銅ガリウム酸化物、銅インジウム酸化物、銅クロム酸化物、銅スカンジウム酸化物、銅イットリウム酸化物、銀インジウム酸化物、ストロンチウム銅酸化物、および窒化ガリウムから選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項7】
前記半導体膜は、Mg、Ca、Sr、Sb、B、Al、Ga、In、N、Ni、SnまたはCrの1つまたは複数の材料が添加されていることを特徴とする請求項6に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項8】
前記透明基板と前記透明基板上に形成される前記半導体膜との間に、可視光透過電極層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項9】
前記可視光透過電極層は、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4、GaN、銅アルミ酸化物、銅ガリウム酸化物、銅インジウム酸化物、銅クロム酸化物、銅スカンジウム酸化物、銅イットリウム酸化物、銀インジウム酸化物、およびストロンチウム銅酸化物から選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項8に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項10】
前記可視光透過電極層は、Mg、Ca、Sr、Sb、B、Al、Ga、In、N、Ni、SnまたはCrの1つまたは複数の材料が添加されていることを特徴とする請求項9に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項11】
前記p型半導体膜とn型半導体膜との間に、可視光透過真性半導体層または可視光透過絶縁性層が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項12】
前記可視光透過真性半導体は、ZnO、SnO2、In2O3、CdIn2O4、MgIn2O4、ZnGa2O4、InGaZnO4およびGaNから選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項11に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項13】
前記可視光透過絶縁性層は、SiO2、SnO2、B2O3、P2O5、ZnO、Y2O3、ZrO2、HfO2、CeO、MgO、Bi2O3およびTiO2から選ばれる材料を主成分とすることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の可視光透過半導体素子。
【請求項14】
前記光放出装置から光が照射される際に、前記透明基板の温度が制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1つの請求項に記載の可視光透過半導体素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−258468(P2007−258468A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81331(P2006−81331)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度経済産業省「電源利用技術開発等委託費 分散型エネルギーシステムの平準化基盤技術研究開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】