説明

合金粉末から製造される磁気枯れのない永久磁石、及びその製造方法

本発明は、少なくとも1つの磁性粉末および熱硬化性結合剤の混合物を提供する段階と、成形体を形成するために混合物を圧縮する段階とを含む圧縮永久磁石の製造方法に関する。耐久性、及び酸化及び腐食に対する特に確実な保護を達成するために、成形体は熱硬化性結合剤の硬化前に含浸槽中で、酸および溶剤の混合物で含浸され、それによって永久磁石の表面全体が反応層によって被覆される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合金粉末および熱硬化性結合剤が圧縮された永久磁石に関するものである。更に、本発明は、このような永久磁石の製造方法にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
合金粉末、特に希土類粉末、及び任意の添加剤からなり、プラスチック材料を使用して結合される永久磁石は、複雑でコストの高い再加工を必要とせず、射出成形又は圧縮技術により予め正確に定められた極めて多様な形状で製造することができる。圧縮永久磁石、特に加熱工具を使用せずに周囲温度で合金粉末および熱硬化性結合剤から鋳型で圧縮され、次いで硬化される圧縮永久磁石は特に良好な磁気特性を有し、その上、極めて短いサイクル時間で極めて経済的に製造することができる。
【0003】
しかし、このような圧縮永久磁石は多孔質であり、その結果、硬化工程中および後の使用中に、特に高温では、例えば空気及び湿気により酸化又は腐食が生じる。その結果、永久磁石の枯れが生じ、それに付随して磁気特性が劣化する。磁石の「枯れ」(ageing)という用語は、本明細書では、特に高温の作動温度で時間経過と共に磁石の磁気特性が低下することを意味する。
【0004】
磁石の枯れは高温の作動温度を避けることによって防止できる。しかし、このような作動温度の制限、例えば100℃への制限は、モータなどの多くの望ましい分野での圧縮永久磁石の適用を妨げるので好ましくない。
【0005】
従来の様々な手法は、酸化及び腐食に対して永久磁石を不十分におよび一時的に保護する結果しかもたらしていない。磁石の完成品に薄膜の被覆を施しても浸透性があり、しかも容易に損傷し易いことが判明している。
【0006】
EP1583111A1(特許文献1)は、圧縮工程の前に個々の粉末粒子に保護被覆を施す圧縮永久磁石の製造方法を開示している。しかし、被覆は圧縮工程の多くの場所で損傷し、新たな非被覆面を生ずるので、酸化及び腐食に対する十分な保護を保証することはできない。JP63304602−A(特許文献2)により公知である合成樹脂による付加的な含浸も信頼性のある永久的な保護を保証することができない。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1583111号明細書
【特許文献2】特開昭63−304602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、永久的な耐酸化性及び耐腐食性を有する永久磁石を簡単な方法で製造できる方法を特定することを課題にしている。
【0008】
更に、本発明は、100℃以上の温度でも早期に枯れることなく使用可能な圧縮永久磁石、特に有効な酸化及び腐食に対する保護を有する圧縮永久磁石を特定することを課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記の課題は独立請求項の構成によって解決される。本発明の有利なその他の変形形態は、従属クレームの構成とされている。
【0010】
本発明による磁石製造方法は以下の段階を含む。すなわち、先ず磁性粉末および熱硬化性結合剤の混合物が準備され、圧縮されて、所望の形状の成形体が製造される。次に、この成形体は、含浸槽内で酸および溶剤の混合物にさらされる。次に熱硬化性結合剤が硬化される。適切な酸には、リン酸、シュウ酸、ホウ酸、及びクロム酸が含まれる。
【0011】
本発明が基礎とする技術的思想によれば、周囲雰囲気との界面、すなわち酸化及び腐食性物質によって侵される表面を形成する磁石の表面全体が、すなわち特に磁石又は磁石を構成する粒子の内部表面が酸化及び腐食に対して有効に保護される必要がある。磁石の当初の形状からのずれを生ずる結果を考慮して、極めて薄く被覆され、したがって容易に損傷し易い保護被覆の代わりに、界面はリン酸塩層などの酸の作用によって形成される保護層によって保護される必要がある。リン酸塩の代わりに、又はそれに加えて、保護層はモリブデン酸塩、タングステン酸塩、チタン酸塩、シュウ酸塩、クロム酸塩又はそれらの組合せを含むことができる。多孔質の成形体を、酸および溶剤の混合物を含む含浸槽中で含浸することによって、このような保護層を界面全体に被覆することができる。この酸および溶剤の混合物は粘性が低いため、接触可能な隙間の空間全体を含む表面、及びこのように酸化性物質及び腐食性物質によって侵される可能性のある磁石の表面全体に到達する。
【0012】
したがって、本発明による方法は、可能ならば圧縮工程の直後に、リン酸の関与による化学反応によって酸素や湿気などの腐食性物質に接触可能な金属表面を被覆することによって攻撃を受けやすい表面全体を保護する。接触可能な隙間空間への物質の浸透は、含浸工程で有利に利用される。
【0013】
成形体は少なくとも15分、例えば30分間含浸槽内に留められることが有利である。それによって表面の不動態化のために十分に厚いリン酸塩層の形成が保証される。含浸槽を調節することによって保持時間を短縮できる。
【0014】
含浸溶液は、2〜6重量%の85%リン酸(好ましくはオルトリン酸HPO)、1〜2重量%の蒸留水、および残部がアルコール又は別の一般的な溶剤からなる組成を有することが有利であり、又は水に溶解又は分散したリン酸だけの成分を有する。この含浸溶液は、毛管現象の作用により、圧縮体の外部から接触可能な隙間空間に浸入する。しかし、この作用は、含浸工程中に成形体を含む含浸槽を真空引きすることによって更に支援される。この真空が隙間空間からの空気の抜け出しを促進し、孔内へ含浸剤が流入することを加速する。隙間空間から空気が除去された後に含浸槽上方の空間にガスを導入することによって正圧を発生させることにより、この流れを更に向上させることができる。
【0015】
本発明の一具体例では、使用される磁性粉末は金属粉末又は合金粉末、特に硬質磁性合金粉末である。好ましい具体例で使用される磁性粉末は、硬質磁性相NdFe14Bを含むNd−Fe−B系合金粉末であり、例えば急冷凝固工程、又は水素化・相分離・脱水素化・再結合(HDDR)工程により製造される。米国特許第6709533号(B2)に詳細に記載されているこの工程では、溶融材料の比較的粗い構造が先ず水素雰囲気下で分解し、次に再結合して元の粒子の結晶配向を保持しつつ微細粒子構造を形成する。
【0016】
代替として、硬質磁性相SmCo17及び/又はSmCoを含むサマリウムおよびコバルトの合金を使用することができる。
【0017】
磁性粉末の平均粒子サイズは50μm≦d≦150μmが有利である。この平均粒子サイズによって、容積比が75%〜80%の有利な充填密度が可能になる。それよりも微細な、又は粗い粉末は磁気特性が悪くなり、より急激に枯れる傾向がある。更に枯れから付加的に保護するため、含浸工程の前であっても、例えばリン酸塩層で磁性粉末の粒子を被覆できる。
【0018】
成形体を製造するためには、混合物が室温で8t/cmの圧力で圧縮されることが有利である。この工程中、混合物を磁界にさらすことができる。
【0019】
成形体は、通常は空気の存在下の炉内で、例えば少なくとも170℃の温度で硬化される。硬化工程は約60分かかる。硬化条件は熱硬化性材料の種類によって決定される。
【0020】
更に別の具体例では、リン酸および溶剤の混合物を使用した含浸工程の後に、成形体がエポキシ樹脂で付加的に含浸される第2の含浸工程が行われる。成形体は、リン酸および溶剤の混合物による含浸と、第2の含浸工程との間、及び/又は熱硬化性結合剤の硬化前に、例えば排気によって乾燥されることが有利である。しかし、酸性の含浸溶液は、既に融解又は分散したプラスチック材料、例えば熱硬化性樹脂を含むことができる。シラン又はチタン酸塩などの無機成分が、同時に又はそれ以後の工程で含浸溶液に添加されれば、本発明による磁石の耐枯れ特性を更に向上させることができる。
【0021】
本発明による方法によれば、特に簡単で効果的に表面を保護層により被覆でき、含浸槽の使用による大きな技術的努力を要しないという効果が得られる。更に、被覆工程は、圧力差を利用して簡単に加速及び/又は強化することができる。この方法によって、外部から接触可能な隙間空間を含む永久磁石を反応層により完全に被覆することが可能になり、それによってこの方法で製造される磁石は酸化及び腐食から確実に保護される。
【0022】
本発明によれば、希土類合金粉末および熱硬化性結合剤から製造される多孔質永久磁石は、周囲雰囲気との界面を意味する表面を有しており、永久磁石のこの表面は反応層、好ましくはリン酸塩層によって被覆される。
【0023】
希土類合金粉末として、硬質磁性相NdFe14Bを含み、例えば急冷凝固工程、又は水素化・相分離・脱水素化・再結合(HDDR)工程により製造されるNd−Fe−B系合金、又は硬質磁性相のSmCo17又はSmCoを含むサマリウムとコバルトとの合金が提供されることができる。
【0024】
本発明による永久磁石は、1.0Tの残留磁束密度、及び1060kA/mの保持力を有することができる。圧縮工程により生じる高い寸法安定性と共に、この永久磁石の大きなエネルギ積は、例えばモータにおける多様な用途を切り開く。このような用途に必要な、高温でも耐久性のある高い負荷能力はリン酸塩層によって保証される。
【実施例】
【0025】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施例をより詳細に説明する。
【0026】
図1で「例1」として特定されている第1態様の方法では、1.6重量%の熱硬化性結合剤、残部がHDDR−Nd−Fe−B系粉末などの希土類磁性粉末、及び(該当する場合は)様々な添加物の混合物が、磁界中で配向され、次に室温で8t/cmの圧力で圧縮されて、10×10×8.5mmの寸法の成形体が製造される。成形体は、75%の磁気充填密度、及び約17%の気孔率を有している。
【0027】
圧縮工程の後、成形体は4重量%の85%リン酸、1.2重量%の蒸留水、及び94.8重量%のイソプロパノールからなる溶液中に浸される。イソプロパノールの代わりに、アセトン、エタノール、ブタノール、又は水などの他の溶剤を使用してもよい。この工程は図1では酸(Saure)含浸の略である「S−含浸」として特定されている。含浸工程中、空気が隙間空間から抜け出し、含浸溶液が浸入することを促進するために、含浸溶液および成形体を収納する容器に150ミリバールの圧力が印加される。30分後に、成形体が取り出され、排気によって乾燥され、次に炉中で空気の存在下で170℃の温度で60分間硬化される。
【0028】
図1で「例2」として特定されている第2の態様の方法では、乾燥工程と硬化工程との間に付加的な含浸工程が追加される。この第2の含浸工程では、成形体は低粘度の2成分液相エポキシ樹脂を含む槽内で含浸される。この工程は図1では、プラスチック(Kunststoff)含浸の略である「K含浸」として特定されている。最初に、約800ミリバールの真空を印加することにより隙間空間からの空気の抜け出しを助け、次に約200ミリバールの正圧により孔内への樹脂の浸入を加速する。硬化は実施例1と同様であるが、温度は190℃である。
【0029】
図1に「例3」と特定されている第3態様では、方法は例2と同様に実施されるが、2つの含浸工程の間の乾燥工程は省略される。
【0030】
図1に「例4」と特定されている第4態様では、成形体には含浸前に少なくとも部分的に第1の硬化工程が施される。それによって、含浸工程及び乾燥工程で処理される際に、成形体の脆弱性が低下するという効果がもたらされる。しかし、成形体は含浸によって保護される前に高温にされ、空気にさらされる可能性があるので、軽微な酸化及び腐食による損傷は容認される必要があろう。含浸工程及び乾燥工程の後、成形体の硬化が完了する。
【0031】
図1は、例示の目的でのみ、方法の可能な変形形態を記載している。例えば、成形体に付加的な被覆を施すべき場合、又は成形体のある特性を必要に応じて調整すべき場合には、これらの組合せ及び更に別の工程が考えられる。例えば、含浸前に硬化工程を実施すべき場合は、保護雰囲気中での作業も考えられる。
【0032】
図2〜図5は、本発明による永久磁石の耐枯れ特性を高める目的での一連の測定結果を示し、図2〜図4はNd−Fe−B系粉末から製造された永久磁石での測定を示し、図5はSm−Co系磁性粉末から製造された永久磁石での測定を示している。
【0033】
図2は、枯れの尺度である、本発明による永久磁石の見掛け上の残留磁束密度J’の時間経過による変化を示している。破線で示されている数値は図1の例1、例2及び例3による方法を用いて製造された永久磁石の枯れを示し、一方、実線で示されている数値は、従来の方法、すなわち本発明による方法を用いて含浸されない永久磁石の枯れを示している。本発明による方法から得られた数値に関するグラフは互いに極めて近似しており、殆ど重なっている。したがって、この図は従来の方法と比較した本発明による方法を用いて得られる改善が、本発明による方法の異なる変形形態を用いて製造された永久磁石で測定された値のばらつきよりも大きいことを明確に示している。
【0034】
本発明の方法による3種類の方法のそれぞれ及び従来の方法について、3つの永久磁石が製造された。いずれの場合も、3つの永久磁石の測定値の平均値によりグラフが作成された。磁石の実際の負荷を表すために、全ての磁石が空気中で約120℃で保管され、異なる時間間隔で見掛け上の残留磁束密度J’が測定された。図3に示された一連の測定は同じパターンを踏襲しているが、全ての磁石が各測定前に磁化された。
【0035】
図2及び図3は、磁石の枯れの尺度である見掛け上の残留磁束密度J’の損失が、本発明による磁石の方が含浸されない磁石の場合よりも著しく低いことを示している。白抜きの三角形は、酸による含浸に加えてプラスチック材料で含浸された磁石で測定された値を表示している。これらの磁石の枯れ損は、酸だけで含浸したコアの枯れ損失よりもやや大きい。
【0036】
図4は、永久的な構造上の損傷による枯れ損失の尺度としての、磁束損失の時間経過による変化を示しており、磁石は各測定前に磁化された。グラフは、その数値が破線で示されている本発明による方法を用いて製造された磁石が1000時間以上後でも1%未満の損失を呈しているのに対して、従来の方法で製造された磁石は約4.7%の平均損失を呈していることを示している。
【0037】
図5は、15%のFe、25.2%のSm、残部がCoからなる合金組成SmCo17を含む粉末から本発明による方法を用いて製造された磁石の例での見掛け上の残留磁束密度J’の枯れ損失を示しており、粉末の平均粒子サイズは110μmである。この磁石は図1の例1の変形形態によって製造された。図5に示した一連の測定の比較例と同様に含浸されない磁石が、同じ粉末から製造された。他の図の場合と同様に、本発明による磁石での測定結果は破線で示され、一方、参照測定の結果は実線で示されている。図5は、Sm−Coの磁石でも含浸により耐枯れ特性を大幅に改善できることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】永久磁石の製造方法の好ましい実施例のフローチャート。
【図2】本発明によるNd−Fe−B系永久磁石の見掛け上の残留磁束密度J’の時間経過による変化のグラフ。
【図3】本発明によるNd−Fe−B系永久磁石の見掛け上の残留磁束密度J’の時間経過による変化の別のグラフ。
【図4】本発明によるNd−Fe−B系永久磁石の磁束の変化の時間経過による変化を示すグラフ。
【図5】本発明によるSm−Co系永久磁石の枯れ損失の時間経過による変化を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石の製造方法において、
少なくとも1つの磁性粉末および熱硬化性結合剤の混合物を提供する段階と、
多孔質の成形体を製造するために圧縮する段階と、
酸含有溶液を含浸浴槽中で前記成形体に含浸させる段階と、
前記熱硬化性結合剤を硬化させる段階とを含む、磁石の製造方法。
【請求項2】
前記酸含有溶液が、リン酸を含有する酸を含むことを特徴とする請求項1に記載された磁石の製造方法。
【請求項3】
前記含浸槽が、2〜6重量%の85%リン酸と、1〜2重量%の蒸留水と、残部がアルコールからなる組成を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された磁石の製造方法。
【請求項4】
前記含浸槽内での前記成形体の保持時間が少なくも15分であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項5】
前記含浸させる段階の間に、前記成形体を含む前記含浸槽に真空及び/又は正圧を印加することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項6】
磁性粉末として金属又は合金粉末を使用することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項7】
磁性粉末として硬質磁性合金粉末を使用することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項8】
磁性粉末として硬質磁性相のNsFe14Bを含む、ネオジウム、鉄及びホウ素の合金粉末を使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項9】
磁性粉末として硬質磁性相のSmCo17又はSmCoを含む、サマリウムおよびコバルトの合金粉末を使用することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項10】
前記磁性粉末の平均粒子サイズが50μm≦d≦150μmであることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項11】
前記磁性粉末の粒子に被覆を施すことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項12】
前記成形体を入れた前記含浸槽に真空を印加した後に、正圧を印加することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載された磁石の製造の方法。
【請求項13】
成形体を製造するために、前記混合物を室温で6t/cm以上の圧力で圧縮することを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項14】
前記圧縮する段階の間に、前記混合物に磁界を印加することを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項15】
前記成形体を少なくとも120℃の温度の空気中で硬化することを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項16】
リン酸および溶剤の混合物への前記成形体の含浸の後に、エポキシ樹脂による第2の含浸段階を行うことを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項17】
前記リン酸および溶剤の混合物への前記成形体の含浸と、前記第2の含浸段階との間に前記成形体を乾燥させることを特徴とする請求項16に記載された磁石の製造方法。
【請求項18】
前記酸含有溶液が、プラスチック材料及び/又は有機成分を含むことを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項19】
前記酸含有溶液が無機成分を含むことを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載された磁石の製造方法。
【請求項20】
希土類合金粉末および熱硬化性結合剤から製造された圧縮された多孔質の永久磁石において、
周囲雰囲気との界面を形成する前記永久磁石の表面に、酸との反応によって形成された保護層が被覆されていることを特徴とする永久磁石。
【請求項21】
前記保護層がリン酸塩を含むことを特徴とする請求項20に記載された永久磁石。
【請求項22】
前記保護層がモリブデン酸塩を含むことを特徴とする請求項20に記載された永久磁石。
【請求項23】
前記保護層がタングステン酸塩を含むことを特徴とする請求項20に記載された永久磁石。
【請求項24】
前記保護層がバナジウム酸塩を含むことを特徴とする請求項20に記載された永久磁石。
【請求項25】
前記保護層がチタン酸塩を含むことを特徴とする請求項20に記載された永久磁石。
【請求項26】
水素化・相分離・脱水素化・再結合(HDDR)工程により製造されたNdFe14Bの組成を含むネオジウム、鉄及びホウ素からなる粉末が、希土類合金粉末として提供されることを特徴とする請求項20から請求項25までのいずれか1項に記載された永久磁石。
【請求項27】
SmCo17又はSmCoの組成を含むサマリウム及びコバルトからなる粉末が希土類合金として提供されることを特徴とする請求項20から請求項25までのいずれか1項に記載された永久磁石。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−535503(P2009−535503A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507229(P2009−507229)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051519
【国際公開番号】WO2007/122590
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(505205708)ファキュウムシュメルゼ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (5)
【Fターム(参考)】