説明

呼制御装置

【課題】モバイル電話機及び固定IP電話機の構成を変更することなく、双方が混在したIP電話システムを構成することができる呼制御装置、呼制御方法及び呼制御プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の呼制御装置は、IPアドレスが通信中に変更されない固定IP電話機と、ハンドオーバーによりIPアドレスが変更されるモバイル電話機との間の呼制御信号を制御する呼制御装置であり、入力される呼制御信号の種別を判定して種別情報を出力する呼制御種別判定部と、モバイル電話機が発側または着側のいずれかであるかを判定して判定情報を出力する電話機判定部と、種別情報及び判定情報の組合せに対応して設定されている呼制御シーケンスにより、入力される呼制御信号に対応した呼を確立あるいは切断する呼制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル電話機と固定IP電話機との相互接続を行うIP電話システムにおける呼制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信業者が提供する企業向けIP電話システムにおいては、IP電話端末間の信号が通信事業者網内に設置されるセキュリティ装置及び呼制御装置を介して送受信される。
また、企業向けIP電話システムの対象は、固定IP電話機であったが、無線LAN対応のモバイルIP電話機(以下、モバイル電話機)などが普及したことにより、適用範囲がモバイル電話機にも拡張されている。
ここで、本明細書において、固定IP電話機とは、ハンドオーバーによりIPアドレスが変更されるモバイル電話機に対して、通信中にIPアドレスが変更されずに固定であり、グローバルな接続性を有するIP電話機を指している。
【0003】
すなわち、固定IP電話機同士が通信を行っている場合、通信中にIPアドレスが変更される状態が存在しなかったが、上記モバイル電話機は移動しながら通信を行うことが可能であるため、この移動により通信中にハンドオーバーが発生してIPアドレスが変更され、そのIPアドレスの変更に応じて通話を維持する処理がなされる(例えば、非特許文献1参照)。
以下、その問題となる処理例を3つ簡単に説明する。
【0004】
(1)モバイル電話機から固定IP電話機に対して発信する場合(図18)
図18に示すように、モバイル電話機10は、IPアドレスAにて着信対象として固定IP電話機20に対して発信信号を送信し(ステップP101)、固定IP電話機が着信中(ステップP102)に、この発信中の状態にてIPアドレスがIPアドレスBに変更される(ステップP103)と、接続処理を継続させるため、新たに変更後のIPアドレスBにて再発信を行う(ステップP104)。
【0005】
着側の固定IP電話機20にては、異なるモバイル電話機から、新たな呼の着信が有ったとして、先に着信しているIPアドレスAの呼と話中状態であるとして(ステップP105)、IPアドレスBによる呼を着信拒否する(ステップP106)。
そして、固定IP電話機20がオフフック状態となり(ステップP107)、応答信号を送信する(ステップP108)が、固定IP電話機20は変更前のIPアドレスAに対して応答信号を送信して呼を確立する。このため、モバイル電話機10は応答信号を受信することができず、固定IP電話機20は無音状態となる。
このように発信中(呼が確立していない状態)において、モバイル電話機のIPアドレスが変更されると呼が確立しない。
【0006】
(2)固定IP電話機からモバイル電話機に対して発信する場合(図19)
図19に示すように、固定IP電話機20は、着信対象をモバイル電話機10として発信を行う(ステップP111)。
そして、モバイル電話機10は、上記発信信号に対応し、固定IP電話機20に対して呼出信号を発信する(ステップP112)。この呼出中の際、モバイル電話機10は、IPアドレスAであったが、ハンドオーバーが発生すると、IPアドレスBに変更される(ステップP113)、その後、モバイル電話機10がオフフック状態となり、固定IP電話機20に対して応答信号を送信し(ステップP114)、モバイル電話機10と固定IP電話機20との間に呼が確立する。
このとき、発側の固定IP電話機20は正常に動作しており、モバイル電話機10との通信動作としては問題が生じていない。
【0007】
ここで、固定IP電話機に対応したキャリアサービスとして、通信事業者網の端部にセキュリティ装置60が設けられており、このセキュリティ装置が通信事業者網に不要なパケットを流し込むことを防止、すなわち不要なパケットを遮断するフィルタリング処理を行っている。
すなわち、セキュリティ装置60は、発側(固定IP電話機20)の送信先IPアドレス(IPアドレスA)と、着側(モバイル電話機10)の発信元IPアドレス(IPアドレスB)とが異なる場合、制御信号自体は通過させるが、それ以降の大量の音声パケットを不要なパケットとして遮断して通過させない。
このため、固定IP電話機20とモバイル電話機10とは呼が接続されたにもかかわらず、無音状態となってしまう。
【0008】
(3)同一電話番号でIPアドレスの異なる複数台の固定IP電話機からモバイル電話機に対して発信する場合(図20)
図20に示すように、IPアドレスAの固定IP電話機20と、IPアドレスBの固定IP電話機21とが、同一代表電話番号のグループに属しており、この2台の固定IP電話機が、1台のモバイル電話機10に対して連続して発信する場合を説明する。
固定IP電話機20が発信すると呼出中となり(ステップP121)、モバイル電話機10が着信状態となる(ステップP122)
【0009】
そして、モバイル電話機10がオフフックする前に、固定IP電話機21がこのモバイル電話機10に対して発信して呼出中となる(ステップP123)。
このとき、同一電話番号にてIPアドレスの異なる発信信号が送信されるため、モバイル電話機10はハンドオーバーの対処として、先に発信した固定IP電話機20の発信信号による呼を切断信号の送信無しに破棄し、後に発信された固定IP電話機21からの発信信号による呼に対して着信中となる(ステップP124)。
このため、モバイル電話機10に対し、先にかけた固定IP電話機20が優先されて接続される先がけ優先に対し、上述したように、後からかけた固定IP電話機21が優先される後がけ優先となり接続され、固定IP電話機20に対して切断信号が送信されないため、固定IP電話機20は呼出中のままとなってしまう。
【0010】
上述したように、通信する一方がモバイル電話機であり、他方が固定IP電話機である場合、モバイル電話機のハンドオーバーに対する対処と、発信側が発信信号を送信し、着信側が応答信号を送信する間に、モバイル電話機のアドレスが変更された場合に不具合が生じる。
また、同様に、1つのモバイル電話機に対して複数の固定IP電話から発信した際、モバイル電話機はハンドオーバーに対処する機能として、IPアドレスが変更されると、後にかけた電話機からの発信が優先される処理を有しているため、複数の固定IP電話から発信されると後がけ優先となる不具合が生じる。
【0011】
この改善策として、発信後あるいは着信後にハンドオーバーによって、IPアドレスが変更された際、呼制御装置50を経由せずに直接に端末間にてアドレス変更の情報を送受信する構成がある(例えば、特許文献1参照)。
【非特許文献1】http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/document/foma/index.html、2007年08月24日検索、FOMAWLANデュアル端末に関する技術参考資料1.2版
【特許文献1】特開2006−319453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に示す方法にあっては、通話を行うモバイル電話機及び固定IP電話機とを、呼制御装置を介さずに直接通信できる構成を、両方がその機能を有していないと通話ができないという問題がある。
また、特許文献1はハンドオーバーにおいて、モバイル電話機のIPアドレスの変更に対して対応できるが、代表電話番号が同一で異なるIPアドレスの複数の固定IP電話機から、モバイル電話機に対する発信における問題を解決するものではない。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、モバイル電話機及び固定IP電話機を変更することなく、また通信する一方がモバイル電話機であり、他方が固定IP電話機である場合、モバイル電話機のハンドオーバーに対する対処により、発信側が発信信号を送信し、着信側が応答信号を送信する間に、モバイル電話機のアドレスが変更された場合に不具合を生じさせない呼制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、1つのモバイル電話機に対して、代表の電話番号が同一でIPアドレスが異なる複数の固定IP電話が発信した際、モバイル電話機が他のモバイル電話機からの着信として認識し、ハンドオーバーによりIPアドレスが変更された処理として、後からかけた電話機からの発信を優先する処理となってしまうための不具合を生じさせない呼制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の呼制御装置は、IPアドレスが通信中に変更されない固定IP電話機と、ハンドオーバーによりIPアドレスが変更されるモバイル電話機との間の呼制御信号を制御する呼制御装置であり、入力される呼制御信号の種別を判定して種別情報を出力する呼制御種別判定部と、前記モバイル電話機が発側または着側のいずれかであるかを判定して判定情報を出力する電話機判定部(例えば、実施形態におけるモバイル電話機判定部52)と、前記種別情報及び前記判定情報の組合せに対応して設定されている呼制御シーケンスにより、前記入力される呼制御信号に対応した呼を確立あるいは切断する呼制御部とを有する。
【0016】
本発明の呼制御装置は、発信中の前記モバイル電話機の電話番号と呼を特定する呼情報との対応付けを示す第1の管理テーブルが記憶された第1の記憶部をさらに有し、前記呼制御部が前記種別情報及び前記判定情報により、発側がモバイル電話機であり、呼制御情報の種別が発信信号であることを検出すると、この発信信号に含まれる発信元の電話番号と同一の電話番号の有無を、前記第1の管理テーブルを参照して検出し、同一の電話番号が検出されない場合、新たに前記発信信号に含まれる電話番号と呼情報とを第1の管理テーブルに書き込み、一方、同一の電話番号が検出された場合、検出された呼と直前の呼との双方を切断するか、あるいは前記発信信号に対応する呼を確立し、前記第1の管理テーブルの電話番号に対応する呼情報の呼を切断する呼制御を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明の呼制御装置は、発信中の発信信号に含まれる着側の電話番号と送信先情報との対応付けを示す第2の管理テーブルが記憶された第2の記憶部をさらに有し、前記呼制御部が前記種別情報及び前記判定情報により、着側が前記モバイル電話機であり、呼制御情報が発信信号であることを検出すると、前記固定IP電話機の発信信号における前記着番号及び送信先情報とを前記第2の管理テーブルに書き込み、前記発信信号に対応する前記モバイル電話機から応答信号が入力されると、該応答信号にある着番号と同一の着番号を前記第2の管理テーブルから検索し、その着番号に対応する送信先情報と、応答信号の発信元情報とを比較して、一致していないことを検出した場合、前記発信信号及び応答信号に対応する呼を切断する呼制御を行うことを特徴とする。
【0018】
本発明の呼制御装置は、発信中の発信信号に含まれる着側の電話番号が示された第3の管理テーブルが記憶された第3の記憶部をさらに有し、前記呼制御部が前記種別情報及び前記判定情報により、着側が前記モバイル電話機であり、呼制御情報が発信信号であることを検出すると、前記固定IP電話機の発信信号における着番号が第3の記憶部に有るか否かの検出を行い、前記着番号が検出されない場合、該当する第3の管理テーブルに前記着番号を書き込み、一方、前記着番号が検出された場合、前記発信信号に対応する呼を切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、発信中(発信信号に対する応答信号が来る前の期間)に、ハンドオーバーによりモバイル電話機のIPアドレスが変更された場合や、代表の電話番号が同一でIPアドレスが異なる複数の固定IP電話機が1台のモバイル電話機に対して発信した場合におけるそれぞれの処理の違いを吸収する呼制御装置が設けられており、通信中にIPアドレスが変更される場合に対応したモバイル電話機と、通信中のIPアドレスの変更に対応していない固定IP電話機との相互接続が可能となり、モバイル電話機及び固定IP電話機の混在したIP電話システムを構成することができるという効果が得られる。
【0020】
すなわち、本発明によれば、1台のモバイル電話機と1台の固定IP電話機との通信中において、いずれか一方が発信信号を発信してから、他方が応答信号を送信するまでの間に、モバイル電話機のIPアドレスが変更されても、モバイル電話機が発側か着側かの判定結果である判定情報と、呼制御信号が呼制御信号(発信信号、呼出信号、応答信号及び取消信号)の種別の判定結果の種別情報とに対応して、呼の確立及び呼の切断等の呼制御を行うため、モバイル電話機と固定IP電話機とが、同一電話番号で異なる複数のIPアドレスが入力された際の処理の違いを吸収することができ、同一のIP電話システムにて、モバイル電話機及び固定IP電話機双方を効果的に運用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1の実施形態:1台のモバイル電話機から1台の固定IP電話機への発呼>
以下、本発明の第1の実施形態による呼制御装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの概要を示すブロック図である。
この図において、IP電話システムは、モバイル電話機10と、アクセスポイント11と、LANなどのネットワーク12と、呼制御装置50と、固定IP電話機20とを有している。
モバイル電話機10は、アクセスポイント11を介してネットワーク12へ接続され、呼制御装置50の呼制御により、固定IP電話20と通信可能に接続、あるいは切断が行われる。IPネットワークは、無線回線交換網及びパケット通信網などから構成され、通話やデータ通信を行うモバイル電話機、固定IP電話機など複数接続される。
【0022】
上記呼制御装置50は、ネットワーク12における通信事業者網に設けらており、呼制御種別判定部51と、モバイル電話機判定部52と、呼制御部53と、モバイル電話機記憶部54と、第1の記憶部55とを有している。
呼制御種別判定部51は、モバイル電話機10あるいは固定IP電話機20から入力される呼制御信号が、発信元が発呼する際に発信先に送信する発信信号、発信元が発呼を取り消す際に発信する取消信号、送信先が発呼が着信したことを発信元に通知する呼出信号、送信先がオフフックしたことを発信元に通知する応答信号のうちのいずれの種別であるかを判定し、その種別情報を呼制御部53へ出力する。
【0023】
モバイル電話機判定部52は、電話機の端末種別情報(製品名などの種別識別情報)が予め登録されており、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)プロトコルなどにおいて、モバイル電話機10が登録処理に際して送信するREGISTERに含まれる端末種別情報により、電話機がモバイル電話機10または固定IP電話機20のいずれかであるかを判別し、モバイル電話機10であれば、このモバイル電話機10の電話番号を図2に示す構成のモバイル電話機記憶部54に判定情報として記憶する。
【0024】
また、モバイル電話機判定部52は、呼制御信号が入力されると、この呼制御信号の発信元がモバイル電話機10または固定IP電話機20のいずれかであるかを、同一の電話番号が上記モバイル電話機記憶部54に存在するか否かを検出することにより判定し、モバイル電話機10であることが検出されると、モバイル電話機10の電話番号を発番号(発側、すなわち発信元の電話番号)として、呼を特定する呼情報(呼制御装置が発信信号に対応してた呼毎に付与する呼番号など)と対応させて、図3に示す構成の第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶する。ここで、この第1の管理テーブルには、通信中の呼の発番号と、その呼情報とが記憶されている。
【0025】
呼制御部53は、呼制御種別判定部51の呼制御信号の判定結果である種別情報と、モバイル電話機判定部52がモバイル電話機記憶部54を参照して呼制御信号の発信元の電話機がモバイル電話機であるか否かにて判定した結果の種別(固定IP電話機あるいはモバイル電話機)と、呼情報との組合せから、予め設定されたシーケンス(後に詳述)により、呼の確立及び切断等の呼制御の動作を行う。
【0026】
次に、図1、図4及び図5を参照して、第1の実施形態による呼制御装置50を用いたIP電話システムの動作を説明する。また、図4及び5は、IP電話システムの動作例を示すフローチャートである。
まず、図4に示すように、モバイル電話機10あるいは固定IP電話機20が電源の投入により、自身の呼制御装置50への登録処理としてREGISTERをモバイル電話機判定部52へ送信する。そして、モバイル電話機判定部52は、入力されるREGISTERから登録要求している電話機がモバイル電話機10または固定IP電話機20のいずれかであるかの判定を行う(ステップS100)。
【0027】
判定結果において、モバイル電話機判定部52は、SIP認証において登録処理を要求している電話機がモバイル電話機10であると判定した場合、通常のSIPプロトコルに基づく登録処理を行い、かつ登録された電話番号をモバイル電話機記憶部54に記憶させる(ステップS101)。
一方、モバイル電話機判定部52は、登録処理を要求している電話機が固定IP電話機20であると判定した場合(モバイル電話機以外の場合)、通常のSIPプロトコルに基づく登録処理のみを行う(ステップS102)。
【0028】
登録処理の後、モバイル電話機10は、ユーザが固定IP電話20に電話をかける操作により、発信信号を送信する。
そして、図5において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が発信信号であることを検出すると(ステップS110)、処理をステップS111へ進める。
次に、モバイル電話機判定部52は、受信した発信信号に含まれる発番号が第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶されているか否かの検出を、この発信信号に含まれる発番号と、記憶部55の第1の管理テーブルに記憶された発番号とを比較することにより行い(ステップS111)、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶されていないことが検出された(不一致)場合、処理をステップS112へ進め、一方、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶されていることが検出された(一致)場合、発信中にモバイル電話機10のIPアドレスが変更されたとして、処理をステップS114へ進める。
【0029】
このとき、不一致である場合、モバイル電話機判定部52は、発信信号の発信元の発番号がモバイル電話機10であるか否かの判定を、この発番号と、モバイル電話機記憶部54に記憶されている電話番号とを比較することにより判定し(ステップS112)、上記発番号と一致する電話番号が検出された(一致)場合、発信元がモバイル電話機10であるとして処理をステップS113へ進め、一方、発番号と一致する電話番号が検出されない(不一致)場合、発信元が固定IP電話機20のため、信号受信待ちの状態に移行する。
【0030】
ステップS112おいて一致が検出された場合、モバイル電話機判定部52は、発信元のモバイル電話機10の電話番号を発番号として、このモバイル電話機10の呼情報に対応させて、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶させ(ステップS113)、発信信号に対応する電話番号の固定IP電話機20に対して発信信号を送信し、信号受信待ちの状態に移行する。
【0031】
一方、ステップS111において、一致と判定された場合、呼制御部53は、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから発番号に対応する呼情報を読み出し、すでに発信中の呼を特定して、その呼に対して切断信号を送信するとともに、この呼と対応する発番号と呼情報を第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除する(ステップS114)。
そして、呼制御部53は、受信した発信信号による呼に対応するモバイル電話機10に対して切断信号を送信し(ステップS115)、信号受信待ちの状態に移行する。
また、ステップS115において、呼制御部53は、受信した発信信号に対応する呼も切断するのではなく、この受信した発信信号に対応する呼を継続する構成でも良い。この場合、モバイル電話機判定部52は、発信元のモバイル電話機10の電話番号を発番号として、このモバイル電話機10の呼情報に対応させて、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶させ、信号受信待ちの状態に移行する。
【0032】
また、ステップS110において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が呼出信号であることを検出すると、呼処理を継続し、信号受信状態となる(ステップS116)。
【0033】
また、ステップS110において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が応答信号であることを検出すると、処理をステップS117へ進める。
そして、呼制御部53は、ステップS117において、応答信号が発信されるまで、モバイル電話機のIPアドレスが変更されなかったとして、この呼情報に対応する呼を継続して確立するとともに、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから、上記呼情報と、この呼情報に対応する発番号を削除する(ステップS117)。
【0034】
また、ステップS110において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が取消信号であることを検出すると、処理をステップS118へ進める。
そして、呼制御部53は、取消信号に含まれる電話番号と、この電話番号に対応する呼情報とを、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除するとともに、この呼情報に対応する呼を切断する切断信号を固定IP電話機20に対して送信する(ステップS118)。
【0035】
次に、上述した図5におけるフローチャートの動作例を、図6を用いて行う。図6はモバイル電話機10、固定IP電話機20及び呼制御装置50間の信号の送受信を示すシーケンス図である。
処理P1において、モバイル電話機10から発信元がIPアドレスAの発信信号が呼制御装置50に発信される。ここで、上述したステップS111〜S113の処理が行われて、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに、発番号(モバイル電話機10の電話番号)と、呼情報とが対応付けて記憶され、処理P2として呼制御装置50から固定IP電話機20に対して発信信号が送信される。この処理P1における呼は、モバイル電話機10がIPアドレスAを付与されていた期間においてされたものである。
そして、処理P2の発信信号を受信し、固定IP電話機20は、発信信号が着信したことを通知するため、呼出信号を呼制御装置50に対して送信するとともに、着信を着信者に通知するために着信音を鳴動する。このとき、呼制御装置50は、ステップS116の処理を行う。
【0036】
そして、固定IP電話機20がオフフック状態となる前に、モバイル電話機10が所有者が移動して、ハンドオーバーが発生した際、処理P3においてモバイル電話機10に対して付与されるIPアドレスが、IPアドレスAからIPアドレスBに変更される。
これにより、処理P4において、モバイル電話機10は変更後のIPアドレスBを発信元とした発信信号を、呼制御装置50を介して固定IP電話機20に対して再発信する。
これにより、呼制御装置50において、ステップS114の処理が行われ、IPアドレスが変更され、この変更に伴って同一のモバイル電話機10から再度発信が行われたことが検出され、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから、発信元の電話番号からIPアドレスAの時点における呼が特定され、処理P5において切断信号が固定IP電話機20に対して送信することで、特定された呼(IPアドレスAに対応した呼)が切断される。
【0037】
次に、処理P6において、呼制御装置50は、ステップS115の処理として、モバイル電話機10に対して切断信号を送信し、IPアドレスBに対応した呼を切断する。
あるいは、処理P6’におけるように、呼制御装置50は、モバイル電話機10の発番号と、呼情報(IPアドレスBに対応する)とを対応付けて第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶させるとともに、発信元がIPアドレスBの発信信号を、固定IP電話機20に対して送信する構成としてもよい。
【0038】
上述した本実施形態によれば、モバイル電話機10から固定IP電話機20に対して発呼した際、固定IP電話機20がオフフック状態となる前に、モバイル電話機10のIPアドレスが変更されても、変更される前のIPアドレスAに対応する呼を切断してしまうため、固定IP電話機20から変更される前のIPアドレスAに対して応答信号が送信され、IPアドレスBに変更されたモバイル電話機10に応答信号が通知されず、無音通話となる無効な通話状態となることが無くなる。
【0039】
<第2の実施形態:1台の固定IP電話機から1台のモバイル電話機への発呼>
以下、本発明の第2の実施形態による呼制御装置を図面を参照して説明する。図7は同実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの概要を示すブロック図である。
この図7において、第1の実施形態と同様な構成に対しては同一の符号を付し、以下、異なる構成及び動作のみ説明する。
第2の実施形態による呼制御装置50は、第1の実施形態の第1の記憶部55に変え、第2の管理テーブルが記憶された第2の記憶部56を有している。
【0040】
上記第2の管理テーブルは、図8に示す構成であり、通信中の着番号(着側、すなわち送信先の電話番号)と、送信先情報(送信先のIPアドレス及びポート番号など)とが記憶されている。
モバイル電話機判定部52は、発信信号がモバイル電話機10に対してであった場合、すなわち発信信号の着信先がモバイル電話機10であった場合、発信信号に含まれる上記着番号と、送信先情報とを対応付けて、第2の記憶部56の第2の管理テーブルに記憶する。
【0041】
次に、図7、図4及び図9を参照して、第2の実施形態による呼制御装置50を用いたIP電話システムの動作を説明する。また、図9は、図7に示す第2の実施形態による呼制御装置50を用いたIP電話システムの動作例を示すフローチャートである。
まず、第1の実施形態と同様に、図4に示すように、モバイル電話機10あるいは固定IP電話機20の登録処理を行う。
登録処理の後、固IP定電話機20は、ユーザがモバイル電話機10に電話をかける操作により、発信信号を送信する。
そして、図9において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が発信信号であることを検出すると(ステップS120)、処理をステップS121へ進める。
【0042】
次に、モバイル電話機判定部52は、受信した発信信号に含まれる着番号(着信先の電話番号)がモバイル電話機記憶部54に記憶されている電話番号のいずれかと一致するか否かを検出することにより、着信先がモバイル電話機10であるか、または固定IP電話機であるかの判定を行い(ステップS121)、着番号がモバイル電話機記憶部54に記憶されていた(一致)場合、処理をステップS122へ進め、着番号がモバイル電話機記憶部54に記憶されていない(不一致)場合、、信号受信待ちの状態に移行する。
そして、モバイル電話機判定部52は、上記着番号と、送信先情報とを対応付けて、第2の記憶部56の第2の管理テーブルに記憶させ、処理をステップS200に戻し(ステップS122)、信号受信待ちの状態に移行する。
【0043】
また、ステップS120において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が呼出信号であることを検出すると、処理をステップS123へ進める。
そして、モバイル電話機判定部52は、上記呼出信号に含まれる着番号から、呼出信号の発信元がモバイル電話機10でものであるか否かを、モバイル電話機記憶部54にこの着番号に一致する電話番号が記憶されているか否かにより判定し(ステップS123)、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていた(一致)場合、モバイル電話機であるため、処理をステップS124へ進め、一方、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていない(不一致)場合、モバイル電話機ではないため、信号受信待ちの状態に移行する。
【0044】
そして、呼制御部53は、受信した呼出信号の着番号と同一の着番号を第2の記憶部56の第2の管理テーブルから抽出し、この着番号に対応する送信先情報と、上記呼出信号における発信元情報とが一致するか否かの判定を行い(ステップS124)、一致した場合にモバイル電話機10のIPアドレスが変更していないとして、処理をステップS120へ進め、一方、一致していない(不一致)場合、モバイル電話機10のIPアドレスが変更されたとして、処理をステップS125へ進める。この処理は、発信信号が固定IP電話機20から発信され、モバイル電話機10から呼出信号が送信されるまでに、モバイル電話機のIPアドレスが変更となる場合に対応している。
次に、呼制御部53は、上記モバイル電話機10と、このモバイル電話機10に発信信号を送信した固定IP電話機20とに対し、呼を切断する切断信号を送信するとともに、第2の記憶部56の第2の管理テーブルから、発信信号に含まれる着番号と、送信先情報とを削除する(ステップS125)。
【0045】
また、ステップS120において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が応答信号であることを検出すると、処理をステップS126へ進める。
モバイル電話機判定部52は、上記応答信号に含まれる着番号から、応答信号の発信元がモバイル電話機10であるか否かを、モバイル電話機記憶部54にこの着番号に一致する電話番号が記憶されているか否かにより判定し(ステップS126)、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていた(一致)場合、モバイル電話機であるため、処理をステップS127へ進め、一方、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていない(不一致)場合、モバイル電話機ではないため、処理をステップS129へ進める。
【0046】
そして、呼制御部53は、受信した応答信号の着番号と同一の着番号を第2の記憶部56の第2の管理テーブルから抽出し、この着番号に対応する送信先情報と、上記応答信号における発信元情報とが一致するか否かの判定を行い(ステップS127)、一致した場合にモバイル電話機10のIPアドレスが変更していないとして、処理をステップS128へ進め、一方、一致していない(不一致)場合、同一のモバイル電話機10のIPアドレスが着信中に変更されたとして、処理をステップS130へ進める。この処理は、モバイル電話機10から呼出信号が送信され、モバイル電話機10から応答信号が送信されるまでに、モバイル電話機のIPアドレスが変更となる場合に対応している。
【0047】
次に、呼制御部53は、応答信号までモバイル電話機10のIPアドレスが変更されないとして、このモバイル電話機10に対する呼の処理を継続して呼の確立を行うとともに、第2の記憶部56の第2の管理テーブルから、上記モバイル電話機10の電話番号である着番号と、この着番号に対応する送信先情報とを削除する(ステップS128)。これにより、確立された呼により、セキュリティ装置60にてフィルタリングされずに、モバイル電話機10と固定IP電話機20とのパケット送信が正常に行われる。
【0048】
また、ステップS126において、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていない(不一致)場合、呼制御部53は、応答信号が固定IP電話機であることを検出し、固定IP電話機においてIPアドレスの変更が無いため、この応答信号に対応する呼を継続して呼を確立し(ステップS129)、処理をステップS120へ進める。
また、ステップS127において、上記送信先情報と発信元情報とが一致していないことが検出されると、呼制御部53は、上記モバイル電話機10と、このモバイル電話機10に発信信号を送信した固定IP電話機20とに対し、呼を切断する切断信号を送信するとともに、第2の記憶部56の第2の管理テーブルから、発信信号に含まれる着番号と、送信先情報とを削除する(ステップS130)。
【0049】
また、ステップS120において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が取消信号であることを検出すると、処理をステップS131へ進める。
そして、呼制御部53は、上記モバイル電話機10と、このモバイル電話機10に発信信号を送信した固定IP電話機20とに対し、呼を切断する切断信号を送信するとともに、第2の記憶部56の第2の管理テーブルから、発信信号に含まれる着番号と、送信先情報とを削除する(ステップS131)。
【0050】
次に、上述した図9におけるフローチャートの動作例を、図10を用いて行う。図10はモバイル電話機10、固定IP電話機20及び呼制御装置50間の信号の送受信を示すシーケンス図である。
処理P11において、固定IP電話機20は、送信先情報としてIPアドレスAを含む発信信号を、呼制御装置50介してモバイル電話機10に対して発信する。ここで、上述したステップS122の処理が行われ、第2の記憶部56の第2の管理テーブルに、着番号(モバイル電話機10の電話番号)と、この送信先情報(モバイル電話機10のIPアドレスA)とが対応付けて記憶され、処理P12として呼制御装置50からモバイル電話機10に対して発信信号(送信先情報がIPアドレスA)が送信される。この処理P11における固定IP電話機20からの発呼は、モバイル電話機10がIPアドレスAを付与されていた期間においてされたものである。
そして、処理P13において、モバイル電話機10は、発信信号の着信を通知するため、呼出信号を呼制御装置50に対して送信するとともに、着信を着信者に通知するために着信音を鳴動する。このとき、呼制御装置50は、ステップS123及びS124の処理を行い、一致したとして、処理P14において呼出信号(発信元情報がIPアドレスA)を固定IP電話機20に対して送信する。
【0051】
そして、固定IP電話機20がオフフック状態となる前に、モバイル電話機10の携帯者が移動して、ハンドオーバーが発生した際、処理P15においてモバイル電話機10に対して付与されるIPアドレスが、IPアドレスAからIPアドレスBに変更される。
これにより、処理P16において、モバイル電話機10はオフフック状態となると、変更後のIPアドレスBを発信元とした応答信号を、呼制御装置50を介して固定IP電話機20に対して再発信する。
これにより、呼制御装置50において、ステップS126,S127及びS130の処理が行われ、モバイル電話機10のIPアドレスが変更され、この変更に伴って同一の着信中にモバイル電話機10のIPアドレスが変更されたことが検出される。そして、呼制御装置50は、第2の記憶部56の第2の管理テーブルから、着番号及び送信先情報が削除するとともに、処理P17において切断信号を固定IP電話機20及びモバイル電話機10に対して送信することで、固定IP電話機20の発信信号に対応する呼を切断する。
【0052】
上述した本実施形態によれば、固定IP電話機20からモバイル電話機10に対して発呼した際、モバイル電話機10がオフフック状態となる前に、このモバイル電話機10のIPアドレスが変更された場合、固定IP電話機20の発信信号に対応する呼を切断するため、固定IP電話機20の発信信号の送信先情報と、モバイル電話機10の応答信号の発信元情報とが異なる場合、セキュリティ装置60によるフィルタリングにより、音声パケットの送信が遮断され、固定IP電話機20とモバイル電話機10との通話が無音状態となる無効な通話状態となることが無くなる。
【0053】
<第3の実施形態:複数台の固定IP電話機から1台のモバイル電話機への発呼>
以下、本発明の第3の実施形態による呼制御装置を図面を参照して説明する。図11は同実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの概要を示すブロック図である。
この図11において、第1の実施形態と同様な構成に対しては同一の符号を付し、以下、異なる構成及び動作のみ説明する。
第3の実施形態による呼制御装置50は、第1の実施形態の第1の記憶部55に変え、第3の管理テーブルが記憶された第3の記憶部57を有している。
【0054】
上記第3の管理テーブルは、図12に示す構成であり、通信中の着番号(送信先の電話番号)が記憶されている。
モバイル電話機判定部52は、発信信号がモバイル電話機10に対してであった場合、すなわち発信信号の着信先がモバイル電話機10であった場合、発信信号における上記着番号を、第3の記憶部57の第3の管理テーブルに記憶する。
【0055】
次に、図11、図4及び図13を参照して、第3の実施形態による呼制御装置50を用いたIP電話システムの動作を説明する。また、図13は、図11に示す第3の実施形態による呼制御装置50を用いたIP電話システムの動作例を示すフローチャートである。
まず、第1の実施形態と同様に、図4に示すように、モバイル電話機10あるいは固定IP電話機20、21の登録処理を行う。ここで、固定IP電話機20及び21は、同一代表電話番号のグループに属し、IPアドレスがそれぞれAとBである。
登録処理の後、固定IP電話機20は、ユーザがモバイル電話機10に電話をかける操作により、発信信号を送信する。
そして、図13において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が発信信号であることを検出すると(ステップS140)、処理をステップS141へ進める。
【0056】
次に、モバイル電話機判定部52は、受信した発信信号に含まれる着番号(着信先の電話番号)が第3の記憶部57の第3の管理テーブルに記憶されている着番号のいずれかと一致するか否かを検出することにより、ある固定IP電話機(例えば、固定IP電話機20)からの着信中に、他の固定IP電話機(例えば、固定IP電話機21)から新たな着信が有ったか否かの検出を行い(ステップS141)、受信した発信番号における着番号と同一の着番号が上記第3の管理テーブルに記憶されている(一致)場合、処理をステップS142へ進める。
そして、呼制御部53は、発信番号に対応する呼を切断するため、後から発信信号を発信した他の固定IP電話機に対して切断信号を送信し(ステップS142)、信号受信待ちの状態に移行する。
一方、モバイル電話機判定部52は、同一の着番号が第3の管理テーブルに記憶されていない(不一致)場合、処理をステップS143へ進める。
【0057】
また、ステップS141において、同一の着番号が第3の管理テーブルに記憶されていない(不一致)場合、モバイル電話機判定部52は、上記発信信号に含まれる着番号から、発信信号の着信先がモバイル電話機10であるか否かを、モバイル電話機記憶部54にこの着番号に一致する電話番号が記憶されているか否かにより判定し(ステップS143)、モバイル電話機記憶部54に発番号と同一の電話番号が記載されていた(一致)場合、モバイル電話機であるため、処理をステップS144へ進める。
そして、モバイル電話機判定部52は、上記発信信号に含まれる着番号を、第3の記憶部57の第3の管理テーブルに記憶させ(ステップS144)、信号受信待ちの状態に移行する。
一方、モバイル電話機判定部52は、モバイル電話機記憶部54に発番号と同一の電話番号が記載されていない(不一致)場合、モバイル電話機ではないため、信号受信待ちの状態に移行する。
【0058】
また、ステップS140において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が呼出信号であることを検出すると、処理をステップS145へ進める。
そして、呼制御部53は、呼制御の処理を継続し(ステップS145)、信号受信待ちの状態に移行する。
【0059】
また、ステップS140において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が応答信号であることを検出すると、処理をステップS146へ進める。
呼制御部53は、応答信号(オフフック状態となる)までモバイル電話機10のIPアドレスが変更されないとして、このモバイル電話機10に対する呼の処理を継続して呼の確立を行うとともに、第3の記憶部57の第3の管理テーブルから、上記モバイル電話機10の電話番号である着番号を削除する(ステップS146)。これにより、確立された呼により、モバイル電話機10と固定IP電話機20とのパケット送信が正常に行われる。
【0060】
また、ステップS140において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が取消信号であることを検出すると、処理をステップS147へ進める。
呼制御部53は、固定IP電話機20に対して切断信号を送信し、この固定IP電話機20の発信信号に対応する呼を切断するとともに、第3の記憶部57の第3の管理テーブルから、上記モバイル電話機10の電話番号である着番号を削除する(ステップS147)。
【0061】
次に、上述した図13におけるフローチャートの実際の動作例を、図14を用いて行う。図14はモバイル電話機10、代表電話グループに属する固定IP電話機20、固定IP電話機21及び呼制御装置50間の信号の送受信を示すシーケンス図である。ここで、固定IP電話機20及び21各々はIPアドレスが異なり、固定IP電話機20がIPアドレスAであり、固定IP電話機21がIPアドレスBである。
処理P21において、固定IP電話機20は、送信先の着番号を含む発信信号を、呼制御装置50介してモバイル電話機10に対して発信する。ここで、上述したステップS141、S143及びS144の処理が行われ、第3の記憶部57の第3の管理テーブルに、着番号(モバイル電話機10の電話番号)が記憶され、処理P22として呼制御装置50からモバイル電話機10に対して発信信号が送信される。
【0062】
次に、処理P23において、固定IP電話機21が送信先の着番号を含む発信信号を発信し、呼制御装置50がこの発信信号を受信して上述したステップS141の処理が行われる。
これにより、処理P24において、上述したステップS142の処理が行われ、呼制御装置50は固定IP電話機20に対して、後の時刻に発信信号を発信した固定IP電話機21に対応した呼を切断するため、固定IP電話機21に対して切断信号を送信する。
次に、処理P25において、モバイル電話機10がオフフック状態となり、モバイル電話機10から応答信号が発信されると、ステップS146の処理が行われ、呼制御装置50は、固定IP電話機20とモバイル電話機10との呼を確立する。これにより、固定IP電話機20とモバイル電話機10との間にて通話が開始される。
【0063】
上述した本実施形態によれば、固定IP電話機20からモバイル電話機10に対して発呼した際、モバイル電話機10から応答信号が発信される前に、上記固定IP電話機20と同一の電話番号を有して異なるIPアドレスが付与されている固定IP電話機21から、同一のモバイル電話機10に対して発信信号が発信された際、後から発信した固定IP電話機21の発信信号に対応する呼を切断するため、従来例のように、モバイル電話機10において最初に発信した固定IP電話機20の呼が切断せずに破棄され、後から発信した固定IP電話機21と呼が確立されるため、最初に発信した固定IP電話機20が呼出中のままとなる不都合が無くなり、先がけ優先(先に発呼した電話機が優先)の処理が実現できる。
【0064】
<第4の実施形態:複数台の固定IP電話機と1台のモバイル電話機との相互間の発呼及び着呼>
以下、本発明の第4の実施形態による呼制御装置を図面を参照して説明する。図15は同実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの概要を示すブロック図である。
この図15において、第1の実施形態と同様な構成に対しては同一の符号を付し、以下、異なる構成及び動作のみ説明する。
第4の実施形態による呼制御装置50は、第1の実施形態の第1の記憶部55に加え、第2の実施形態における第2の管理テーブルが記憶された第2の記憶部56と、第3の実施形態における第3の管理テーブルが記憶された第3の記憶部57を有している。
【0065】
本実施形態は、第1、第2及び第3の実施形態における各呼制御装置の複合的な動作となり、図16及び図17を参照して以下にその動作を説明する。図16及び図17は本実施形態による呼制御装置の動作例を示すフローチャートである。
まず、第1の実施形態と同様に、図4に示すように、モバイル電話機10あるいは固定IP電話機20、21の登録処理を行う。
登録処理の後、固IP定電話機20は、ユーザがモバイル電話機10に電話をかける操作により、発信信号を送信する。
そして、図16において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が発信信号であることを検出すると(ステップS200)、処理をステップS201へ進める。
【0066】
次に、モバイル電話機判定部52は、受信した発信信号に含まれる発番号が第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶されているか否かの検出を、この発信信号に含まれる発番号(発信元の電話番号)と、記憶部55の第1の管理テーブルに記憶された発番号とを比較することにより行い(ステップS201)、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶されていないことが検出された(不一致)場合、処理をステップS202へ進め、一方、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶されていることが検出された(一致)場合、発信中にモバイル電話機10のIPアドレスが変更されたとして、処理をステップS204へ進める。
【0067】
このとき、不一致である場合、モバイル電話機判定部52は、受信した発信信号に含まれる着番号(着信先の電話番号)が第3の記憶部57の第3の管理テーブルに記憶されている着番号のいずれかと一致するか否かを検出することにより、ある固定IP電話機(例えば、固定IP電話機20)からの着信中に、他の固定IP電話機(例えば、固定IP電話機21)から新たな発信の有無の検出を行い(ステップS202)、受信した発信番号における着番号と同一の着番号が上記第3の管理テーブルに記憶されている(一致)場合、処理をステップS203へ進め、同一の着番号が第3の管理テーブルに記憶されていない(不一致)場合、処理をステップS206へ進める。
【0068】
そして、受信した発信番号における着番号と同一の着番号が上記第3の管理テーブルに記憶されている場合、呼制御部53は、発信番号に対応する呼を切断するため、後から発信信号を発信した他の固定IP電話機に対して切断信号を送信し(ステップS203)、信号受信待ちの状態に移行する。
【0069】
また、ステップS201にて一致と判定された場合、呼制御部53は、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから発番号に対応する呼情報を読み出し、すでに発信中の呼を特定して、その呼に対して切断信号を送信するとともに、この呼の呼情報と、呼情報に対応する発番号とを第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除し、この発番号と同一の着番号とこの着番号に対応する送信先情報とを第2の記憶部56の第2の管理テーブルから削除し、上記着番号を第3の記憶部57の第3の管理テーブルから削除し(ステップS204)、処理をステップS205へ進める。
そして、呼制御部53は、受信した発信信号による呼に対応するモバイル電話機10に対して切断信号を送信し(ステップS205)、信号受信待ちの状態に移行する。
あるいは、ステップS205において、呼制御部53は、受信した発信信号に対応する呼も切断するのではなく、この受信した発信信号に対応する呼を継続する構成でも良い。この場合、モバイル電話機判定部52は、発信元のモバイル電話機10の電話番号を発番号として、このモバイル電話機10の呼情報に対応させて、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶させ、信号受信待ちの状態に移行する。
【0070】
また、ステップS202にて不一致と判定された場合、モバイル電話機判定部52は、発信信号の発信元の発番号がモバイル電話機10であるか否かの判定を、この発番号と、モバイル電話機記憶部54に記憶されている電話番号とを比較することにより判定し(ステップS206)、上記発番号と一致する電話番号が検出された(一致)場合、発信元がモバイル電話機10であるとして処理をステップS207へ進め、一方、発番号と一致する電話番号が検出されない(不一致)場合、発信元が固定IP電話機20として処理をステップS208へ進める。
【0071】
このとき、ステップS206にて一致と判定された場合、モバイル電話機判定部52は、発信元のモバイル電話機10の電話番号を発番号として、このモバイル電話機10の発信信号に付与される呼情報に対応させて、第1の記憶部55の第1の管理テーブルに記憶させ(ステップS207)、処理をステップS208へ進める。
【0072】
次に、モバイル電話機判定部52は、発信信号に含まれる着番号(着信先の電話番号)がモバイル電話機10であるか否かの判定を、この着番号と、モバイル電話機記憶部54に記憶されている電話番号とを比較することにより判定し(ステップS208)、上記着番号と一致する電話番号が検出された(一致)場合、着信先がモバイル電話機10であるとして処理をステップS209へ進め、一方、着番号と一致する電話番号が検出されない(不一致)場合、着信先が固定IP電話機20として、信号受信待ちの状態に移行する。
【0073】
そして 、ステップS208にて一致の場合、モバイル電話機判定部52は、上記着番号と、送信先情報とを対応付けて、第2の記憶部56の第2の管理テーブルに記憶させ(ステップS209)、処理をステップS210へ進める。
次に、モバイル電話機判定部52は、上記着番号を第3の記憶部57の第3の管理テーブルへ記憶させ(ステップS210)、信号受信待ちの状態に移行する。
【0074】
また、ステップS200において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が呼出信号であることを検出すると、処理をステップS211へ進める。
そして、モバイル電話機判定部52は、上記呼出信号に含まれる着番号から、呼出信号の発信元がモバイル電話機10であるか否かを、モバイル電話機記憶部54にこの着番号に一致する電話番号が記憶されているか否かにより判定し(ステップS211)、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていた(一致)場合、モバイル電話機であるため、処理をステップS212へ進め、一方、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていない(不一致)場合、モバイル電話機ではないため、信号受信待ちの状態に移行する。
【0075】
そして、呼制御部53は、受信した呼出信号の着番号と同一の着番号を第2の記憶部56の第2の管理テーブルから抽出し、この着番号に対応する送信先情報と、上記呼出信号における発信元情報とが一致するか否かの判定を行い(ステップS212)、一致した場合にモバイル電話機10のIPアドレスが変更していないとして、信号受信待ちの状態に移行し、一方、一致していない(不一致)場合、モバイル電話機10のIPアドレスが変更されたとして、処理をステップS213へ進める。この処理は、発信信号が固定IP電話機20から発信され、モバイル電話機10から呼出信号が送信されるまでに、モバイル電話機のIPアドレスが変更となる場合に対応している。
【0076】
次に、呼制御部53は、上記モバイル電話機10と、このモバイル電話機10に発信信号を送信した固定IP電話機20とに対し、呼を切断する切断信号を送信するとともに、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから、この呼の呼情報と、呼情報に対応する発番号とを第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除し、この発番号と同一の着番号とこの着番号に対応する送信先情報とを第2の記憶部56の第2の管理テーブルから削除し、上記着番号を第3の記憶部57の第3の管理テーブルから削除する(ステップS213)。
【0077】
また、ステップS200において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が応答信号であることを検出すると、処理をステップS214へ進める。
モバイル電話機判定部52は、上記応答信号に含まれる着番号から、応答信号の発信元がモバイル電話機10であるか否かを、モバイル電話機記憶部54にこの着番号に一致する電話番号が記憶されているか否かにより判定し(ステップS214)、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていた(一致)場合、モバイル電話機であるため、処理をステップS215へ進め、一方、モバイル電話機記憶部54に発番号と同一の電話番号が記載されていない(不一致)場合、モバイル電話機ではないため、処理をステップS217へ進める。
【0078】
そして、呼制御部53は、受信した応答信号の着番号と同一の着番号を第2の記憶部56の第2の管理テーブルから抽出し、この着番号に対応する送信先情報と、上記応答信号における発信元情報とが一致するか否かの判定を行い(ステップS215)、一致した場合にモバイル電話機10のIPアドレスが変更されていないとして、処理をステップS216へ進め、一方、一致していない(不一致)場合、同一のモバイル電話機10のIPアドレスが着信中に変更されたとして、処理をステップS218へ進める。この処理は、モバイル電話機10から呼出信号が送信され、モバイル電話機10から応答信号が送信されるまでに、モバイル電話機のIPアドレスが変更となる場合に対応している。
【0079】
次に、呼制御部53は、応答信号までモバイル電話機10のIPアドレスが変更されないとして、このモバイル電話機10に対する呼の処理を継続して呼の確立を行うとともに、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから、この呼の呼情報と、呼情報に対応する発番号とを第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除し、この発番号と同一の着番号とこの着番号に対応する送信先情報とを第2の記憶部56の第2の管理テーブルから削除し、上記着番号を第3の記憶部57の第3の管理テーブルから削除する(ステップS216)。これにより、確立された呼により、セキュリティ装置60にてフィルタリングされずに、モバイル電話機10と固定IP電話機20とのパケット送信が正常に行われる。
【0080】
また、ステップS214において、モバイル電話機記憶部54に着番号と同一の電話番号が記載されていない(不一致)場合、呼制御部53は、固定IP電話機であることを検出し、その応答に対応する呼をを継続して呼を確立するとともに、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから、この呼の呼情報と、呼情報に対応する発番号とを第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除する(ステップS217)。
【0081】
また、ステップS215において送信先情報と送信元情報とが一致していないことが検出されると、呼制御部53は、上記モバイル電話機10と、このモバイル電話機10に発信信号を送信した固定IP電話機20とに対し、呼を切断する切断信号を送信するとともに、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから、この呼の呼情報と、呼情報に対応する発番号とを第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除し、この発番号と同一の着番号とこの着番号に対応する送信先情報とを第2の記憶部56の第2の管理テーブルから削除し、上記着番号を第3の記憶部57の第3の管理テーブルから削除する(ステップS218)。
【0082】
また、ステップS200において、呼制御種別判定部51は、入力される呼制御信号が取消信号であることを検出すると、処理をステップS219へ進める。
そして、呼制御部53は、取消信号に含まれる電話番号と、この電話番号に対応する呼情報とを、第1の記憶部55の第1の管理テーブルから削除するとともに、この電話番号と同一の着番号とこの着番号に対応する送信先情報とを第2の記憶部56の第2の管理テーブルから削除し、上記着番号を第3の記憶部57の第3の管理テーブルから削除し、上記呼情報に対応する呼を切断する切断信号を固定IP電話機20に対して送信する(ステップS219)。
上述した第4の実施形態による呼制御装置により、第1、第2及び第3の実施形態における効果を得ることができる。
【0083】
なお、図1、図7、図11及び図15における呼制御装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりIP電話システムにおける呼制御の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0084】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のモバイル電話機記憶部54に記憶されているモバイル電話機の管理テーブルの構成を示す概念図である。
【図3】図1の第1の記憶部55に記憶されている第1の管理テーブルの構成を示す概念図である。
【図4】図1の呼制御装置50における電話機の登録処理の動作例を示すフローチャートである。
【図5】図1の呼制御装置50の呼制御における動作例を示すフローチャートである。
【図6】図1のIP電話システムにおける呼制御装置50、モバイル電話機10及び固定IP電話機20の信号の送受信を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの構成例を示すブロック図である。
【図8】図7の第2の記憶部56に記憶されている第2の管理テーブルの構成を示す概念図である。
【図9】図7の呼制御装置50の呼制御における動作例を示すフローチャートである。
【図10】図7のIP電話システムにおける呼制御装置50、モバイル電話機10及び固定IP電話機20の信号の送受信を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第3の実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの構成例を示すブロック図である。
【図12】図11の第3の記憶部57に記憶されている第3の管理テーブルの構成を示す概念図である。
【図13】図11の呼制御装置50の呼制御における動作例を示すフローチャートである。
【図14】図11のIP電話システムにおける呼制御装置50、モバイル電話機10、固定IP電話機20及び固定IP電話機21の信号の送受信を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第4の実施形態による呼制御装置を用いたIP電話システムの構成例を示すブロック図である。
【図16】図15の呼制御装置50の呼制御における動作例を示すフローチャートである。
【図17】図15の呼制御装置50の呼制御における動作例を示すフローチャートである。
【図18】従来のIP電話システムにおける呼制御装置50、モバイル電話機10及び固定IP電話機20の信号の送受信を示すシーケンス図である。
【図19】従来のIP電話システムにおける呼制御装置50、モバイル電話機10及び固定IP電話機20の信号の送受信を示すシーケンス図である。
【図20】従来のIP電話システムにおける呼制御装置50、モバイル電話機10、固定IP電話機20及び固定IP電話機21の信号の送受信を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0086】
10…モバイル電話機
11…アクセスポイント
20、21…固定IP電話機
12…ネットワーク
50…呼制御装置
51…呼制御種別判定部
52…モバイル電話機判定部
53…呼制御部
54…モバイル電話機記憶部
55…第1の記憶部
56…第2の記憶部
57…第3の記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPアドレスが通信中に変更されない固定IP電話機と、ハンドオーバーによりIPアドレスが変更されるモバイル電話機との間の呼制御信号を制御する呼制御装置であり、
入力される呼制御信号の種別を判定して種別情報を出力する呼制御種別判定部と、
前記モバイル電話機が発側または着側のいずれかであるかを判定して判定情報を出力するモバイル電話機判定部と、
前記種別情報及び前記判定情報の組合せに対応して設定されている呼制御シーケンスにより、前記入力される呼制御信号に対応した呼を確立あるいは切断する呼制御部と
を有する呼制御装置。
【請求項2】
発信中の前記モバイル電話機の電話番号と呼を特定する呼情報との対応付けを示す第1の管理テーブルが記憶された第1の記憶部をさらに有し、
前記呼制御部が前記種別情報及び前記判定情報により、発側がモバイル電話機であり、呼制御情報の種別が発信信号であることを検出すると、この発信信号に含まれる発信元の電話番号と同一の電話番号の有無を、前記第1の管理テーブルを参照して検出し、同一の電話番号が検出されない場合、新たに前記発信信号に含まれる電話番号と呼情報とを第1の管理テーブルに書き込み、一方、同一の電話番号が検出された場合、検出された呼と直前の呼との双方を切断するか、あるいは前記発信信号に対応する呼を確立し、前記第1の管理テーブルの電話番号に対応する呼情報の呼を切断する呼制御を行うことを特徴とする請求項1記載の呼制御装置。
【請求項3】
発信中の発信信号に含まれる着側の電話番号と送信先情報との対応付けを示す第2の管理テーブルが記憶された第2の記憶部をさらに有し、
前記呼制御部が前記種別情報及び前記判定情報により、着側が前記モバイル電話機であり、呼制御情報が発信信号であることを検出すると、前記固定IP電話機の発信信号における前記着番号及び送信先情報とを前記第2の管理テーブルに書き込み、前記発信信号に対応する前記モバイル電話機から応答信号が入力されると、該応答信号にある着番号と同一の着番号を前記第2の管理テーブルから検索し、その着番号に対応する送信先情報と、応答信号の発信元情報とを比較して、一致していないことを検出した場合、前記発信信号及び応答信号に対応する呼を切断する呼制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の呼制御装置。
【請求項4】
発信中の発信信号に含まれる着側の電話番号が示された第3の管理テーブルが記憶された第3の記憶部をさらに有し、
前記呼制御部が前記種別情報及び前記判定情報により、着側が前記モバイル電話機であり、呼制御情報が発信信号であることを検出すると、前記固定IP電話機の発信信号における着番号が第3の記憶部に有るか否かの検出を行い、前記着番号が検出されない場合、該第3の管理テーブルに前記着番号を書き込み、一方、前記着番号が検出された場合、前記発信信号に対応する呼を切断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の呼制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−105740(P2009−105740A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276545(P2007−276545)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】