説明

回転電機

【課題】回転電機において、レゾルバを用いなくても回転子の回転角度等を検出できるようにすることである。
【解決手段】回転電機10は、予め定めた周方向配置に従って配置される複数の磁極を有するロータ20と、コイル巻線36を収容し、ロータ20に向かって開口部34を有する複数のスロット32を含むステータ30を備える。スロット32の開口部34には開口部用の絶縁体40が配置され、開口部用の絶縁体40には、ステータ30に対しロータ20が回転するときにロータ20の磁極からの磁束の変化に応じて発生する起電力を出力するセンサ導体42,44が設けられる。センサ導体42,44は、ロータ20の軸方向に垂直な断面からみて互いに異なる面方向を有する2つの導体で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に係り、特に磁極を有する回転子と、コイル巻線を収容するスロットを有する固定子を備える回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機の回転動作を正確に制御するためには、固定子に対する回転子の相対的な回転角度が必要である。
【0003】
例えば、特許文献1には、モータの回転角度を検出するレゾルバとして、モータのシャフトの基端側に取り付けられたレゾルバロータと、レゾルバロータを取り囲むように配置されたリング状のレゾルバステータが配置されることが述べられている。そして、レゾルバをモータに取り付ける場合に、ロータに対するステータの位置決めおよび位相調整を行う必要があると指摘している。
【0004】
また、特許文献2には、1ステータ2ロータの複合ロータ型回転電機において2つのロータ位置を検出する方法として、各ロータに隣接するステータピースの間に磁性材料の棒部材を配置する構成が述べられている。ここでは、ロータ回転の際にロータにおける永久磁石の磁界の影響でこの磁性材料の棒部材に発生する渦電流に基づいて各ロータ位置を検出している。
【0005】
なお、本発明に関連する技術として、特許文献3には、回転電機のステータにおいて、スロットの開口部付近にコイルとステータコアとを絶縁するためのウェッジ紙が配置されることが述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−136055号公報
【特許文献2】特開2003−299314号公報
【特許文献3】特開2009−278851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
レゾルバは、レゾルバロータとレゾルバステータにそれぞれコイル巻線が設けられる。これを回転電機に装着するには、回転電機の駆動用のコイル巻線と別にレゾルバ用のコイル巻線が必要となり、コストの増加と、回転電機の大型化につながる。一方で、レゾルバが故障したときに、回転子の回転角度が分からなくなり、回転電機の制御が正確に行えなくなる。
【0008】
本発明の目的は、レゾルバを用いなくても回転子の回転角度等を検出できる回転電機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る回転電機は、予め定めた周方向配置に従って配置される複数の磁極を有する回転子と、コイル巻線を収容し、回転子に向かって開口部を有する複数のスロットを含む固定子と、スロットの開口部に配置される開口部用の絶縁体と、開口部用の絶縁体に支持される導体であって、固定子に対し回転子が回転するときに回転子の磁極からの磁束の変化に応じて発生する起電力を出力するセンサ導体と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る回転電機において、センサ導体は、回転子の軸方向に垂直な断面からみて互いに異なる面方向を有する複数の導体で構成されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る回転電機において、複数の導体の間を絶縁する絶縁体であって、開口部用の絶縁体と別個の導体間の絶縁体を備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る回転電機において、複数の導体は、開口部用の絶縁体と、絶縁性塗装体で支持されることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る回転電機において、固定子に対するロータの位置を検出するレゾルバを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記構成により、回転電機は、固定子のスロットの開口部に配置される開口部用の絶縁体にセンサ導体を設け、そのセンサ導体において、固定子に対し回転子が回転するときに回転子の磁極からの磁束の変化に応じて発生する起電力を出力するようにする。この起電力は、ファラデーの法則によるもので、渦電流を流すもとになるものである。この起電力は、回転子が回転することで周期的に変化するので、その周期的変化から、回転子の回転数、回転角度等を求めることができる。
【0015】
また、センサ導体は、回転子の軸方向に垂直な断面からみて互いに異なる面方向を有する複数の導体で構成されるので、互いに異なる面方向の角度によって、2つの導体に現れる起電力に位相差が生じる。これによって、回転方向を判別できる。
【0016】
また、回転電機において、センサ導体の複数の導体の間を絶縁する絶縁体であって、開口部用の絶縁体と別個の導体間の絶縁体を備える。これによって、複数のセンサ導体の間の絶縁が確実になる。
【0017】
また、回転電機において、複数の導体は、開口部用の絶縁体と、絶縁性塗装体で支持される。これによって、簡単にセンサ導体を開口部用の絶縁体に取り付けることができる。
【0018】
また、回転電機において、固定子に対するロータの位置を検出するレゾルバを備える場合に、レゾルバが仮に故障しても、センサ導体によって回転子の回転角度等を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る実施の形態における回転電機の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態において、開口部用の絶縁体に設けられるセンサ導体を示す図である。
【図3】本発明に係る実施の形態において、センサ導体が出力する起電力と回転速度との関係を示す図である。
【図4】本発明に係る実施の形態において、互いに異なる面方向を有する2つのセンサ導体を用いて、回転子の回転方向が判別できる原理を示す模式図である。
【図5】図4において、回転子が+ω方向に回転したときに、2つのセンサ導体に生じる起電力の位相関係を示す図である。
【図6】図4において、回転子が−ω方向に回転したときに、2つのセンサ導体に生じる起電力の位相関係を示す図である。
【図7】本発明に係る実施の形態において、センサ導体が開口部用の絶縁体に設けられる別の例を示す図である。
【図8】本発明に係る実施の形態において、回転電機の制御にセンサ導体の出力が用いられる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、車両に搭載される回転電機を述べるが、これは説明のための例示であって、車両搭載用でなくても、回転角度を用いて回転制御が行われる用途の回転電機であればよい。ロータは、埋め込み型永久磁石を有するものとするが、永久磁石は電磁鋼板の表面に配置されてもよい。また、永久磁石を用いないリラクタンス型コアであってもよい。
【0021】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0022】
図1は、車両に搭載される回転電機10の断面図と、破線で囲んだ部分の拡大斜視図である。拡大斜視図は、ステータ30のスロット32の様子が分かるように、いくつかの構成要素の図示を省略してある。
【0023】
回転電機10は、ケース12と、回転子であるロータ20と、固定子であるステータ30を含んで構成される。ケース12は、内部に回転電機10のロータ20とステータ30を収容する筐体である。
【0024】
ロータ20は、ケース12に対し回転自在に支持される回転軸22と、回転軸22に取り付け固定されるロータコア21と、ロータコア21に埋め込まれる永久磁石24を含んで構成される。ロータコア21には、所定の形状に成形された電磁鋼板を軸方向に沿って複数枚積層したものが用いられる。ロータコア21の内周部は、回転軸22に取り付けられ固定される。永久磁石24は、ロータコア21の内部に埋め込まれ、ロータの磁極を形成する磁石である。
【0025】
ステータは、ステータコア31とコイル巻線36を含んで構成される。ステータコア31には、所定の形状に成形された電磁鋼板を軸方向に沿って複数枚積層したものが用いられる。ステータコア31の外周部は、ケース12の内壁に取り付けられ固定される。
【0026】
拡大斜視図に示されるように、ステータコア31にはステータの磁極となるティースと呼ばれる突出部と、隣接するティースの間でコイル巻線36が巻回される空間であるスロット32が設けられる。コイルエンド38は、コイル巻線36がステータコア31の軸方向の両端に突き出した部分である。
【0027】
スロット32は、ステータコア31の内周側に沿って、回転電機10の仕様で定まる数で配置される空間であり、ロータ20の外周側に向かって開口部34を有する。スロット32を構成する三方の内壁とコイル巻線36との間には、図示されていない絶縁紙が配置される。絶縁紙としては、適当なプラスチックシート等を用いることができる。
【0028】
開口部34に配置される開口部用の絶縁体40は、スロット32の開口部34の近傍とコイル巻線36との間の絶縁のために設けられる。開口部用の絶縁体40は、スロット32の三方の内壁とコイル巻線36との間の絶縁紙とは別に設けられる。
【0029】
開口部用の絶縁体40は、ロータ20の軸方向に垂直な断面からみて互いに異なる面方向を有する二つの面を有する折り曲げ体である。開口部用の絶縁体としては、適当なプラスチックシートを矩形に成形し、これを折り曲げ、所定の開き角度に開いたものを用いることができる。
【0030】
開口部用の絶縁体40の表面に取り付けられるセンサ導体42,44は、互いに分離された磁性体の金属薄板である。センサ導体42,44は、ロータ20の磁極を形成する永久磁石24からの磁束を受け止め、磁束の変化があるときに、ファラデーの法則に従って起電力を生じさせる導体である。センサ導体42,44は、開口部用の絶縁体40の二つの面にそれぞれ設けられる。したがって、二つのセンサ導体42,44は、ロータ20の軸方向に垂直な断面からみて互いに異なる面方向を有し、互いに分離された金属薄板である。二つのセンサ導体42,44のそれぞれには、起電力に対応する信号を引き出すセンサ信号線46,48が取り付けられる。
【0031】
センサ導体42,44は、ステータ30の複数のスロット32の中の1つのスロット32に配置される開口部用の絶縁体40の表面に設けられる。後述するように、センサ導体42,44によって検出される信号を用いてステータ30に対するロータ20の回転角度を求めるので、センサ導体42,44が設けられるスロット32は、ステータ30における基準位置とできる位置に配置されるものとすることがよい。センサ導体42,44を設けた開口部用の絶縁体40を、複数のスロット32に配置してもよい。こうすることで、複数の位置におけるセンサ導体42,44の検出信号を利用でき、例えば、複数の検出信号の平均値等を用いることができる。
【0032】
図2は、開口部用の絶縁体40の表面に取り付けられるセンサ導体42,44を示す図である。センサ導体42,44は、開口部用の絶縁体40の折り曲げの外側になる面の表面に取り付けられる。折り曲げの外側の面とは、折り曲げの角度が鈍角となる側の面である。
【0033】
センサ導体42,44は、略楕円形の平面形状を有するアルミニウムまたは銅の薄板である。センサ導体42,44は、適当な接着材で開口部用の絶縁体40に固定される。接着材としては、例えば、回転電機10のコイル巻線36の固定に用いられるワニスを用いることができる。センサ信号線46,48は、その一方端が半田付け等で、センサ導体42,44の適当な箇所に電気的に接続される。他方端は、図示されていないセンサ導体信号処理部に接続される(図8参照)。
【0034】
センサ導体42,44が取り付けられた開口部用の絶縁体40は、センサ導体42,44がロータ20のロータ20の外周側に向かい合うように、スロット32の中に配置される。換言すれば、センサ導体42,44が取り付けられた開口部用の絶縁体40は、開口部用の絶縁体40の折り曲げの角部の先端がロータ20の外周側に向かい合うように、スロット32の中に配置される。
【0035】
図2には、センサ導体42について、ロータ20の磁極を形成する永久磁石24からの磁束φAを受け止め、磁束φAの変化があるときに、この磁束φAの変化を打ち消すように渦電流IAが発生する様子が示されている。この渦電流IAを生じさせる起電力VAがセンサ信号線46によって外部に出力される。センサ導体44についても同様に、ロータ20の磁極を形成する永久磁石24からの磁束φAを受け止め、磁束φAの変化があるときに生じる起電力VBがセンサ信号線48によって外部に出力される。
【0036】
この起電力VA,VBの大きさは、ファラデーの法則に従って、ロータ20の角速度ωに比例する。例えば、磁束φAが角速度ωを有する正弦波状に変化するものとすると、φA=Asinωtとして、起電力VA=−(dφA)/dt=−ωAcosωtとなる。したがって、ロータ20の回転角速度ωが大きくなると、起電力VA,VBが大きくなる。換言すれば、起電力VA,VBの大きさから、ロータ20の回転角速度ωを求めることができる。
【0037】
このことを図3に示した。図3の横軸は電気角である。縦軸は起電力VA,VBである。ここでは、電気角一周期分の起電力VA,VBの波形が示されている。回転角速度ωが大きくなるにつれ、起電力VA,VBが大きくなる。
【0038】
永久磁石24からの磁束がセンサ導体42,44の表面に垂直な方向に入射する位置関係にロータ20の回転角度がなったときに、起電力VA,VBは最大になると考えられる。したがって、起電力VA,VBが最大値をとるときが、回転電機10におけるd軸の位置になる。これを利用して、起電力VA,VBの信号波形から、ステータ30に対するロータ20の回転角度を求めることができる。
【0039】
センサ導体42,44が互いに異なる面方向を有することを利用して、ステータ30に対するロータ20の回転方向を判別することができる。図4は、ロータ20の回転方向の判別が行われる原理を示す模式図である。紙面に垂直な方向がロータ20の回転軸22の軸方向である。図4においてaからgの矢印は、ロータ20の永久磁石24からの磁束の方向を模式的に示すものである。ロータ20が回転することで、1つの永久磁石24からの磁束のセンサ導体42,44に対する入射角度が変化する。
【0040】
図4において+ωとして示された回転方向で回転すると、センサ導体42,44に対する磁束は、aからb,c,d,e,f,gの順序で入射する。図4で−ωとして示された回転方向で回転すると、センサ導体42,44に対する磁束は、gからf,e,d,c,b,aの順序で入射する。この入射方向がセンサ導体42,44の表面に垂直のときに起電力VA,VBが最大となり、垂直の方向から傾くに従って起電力VA,VBは減少し、表面に平行となると、それ以上の傾きでは、起電力VA,VBはゼロとなる。
【0041】
図5と図6は、ロータ20が回転したときの起電力VA,VBの変化を模式的に示す図である。横軸は時間で、対応する磁束の入射方向がaからgで示されている。
【0042】
図5は、ロータ20が+ω方向に回転した場合である。この場合には、時間経過と共に、センサ導体42,44に対する磁束の入射方向がaからgの方向に変化する。センサ導体42には、磁束の入射方向がfとなるまでは磁束が当たるので、起電力VAが現れるが、磁束の入射方向がfを過ぎると、磁束が当たらなくなり、起電力VAがゼロとなる。一方センサ導体44には、磁束の入射方向がbとなるまでは磁束が当たらないので、起電力VBがゼロであるが、磁束の入射方向がb以降となると磁束が当たるので、起電力VBが現れる。
【0043】
このように、センサ導体42,44が互いに異なる面方向を有するときには、同じ永久磁石24からの磁束の検出について、時間的な位相差が生じる。図5の場合では、時間経過と共に、起電力VAが現れた後にVBが現れる。
【0044】
図6は、ロータ20が−ω方向に回転した場合である。この場合には、時間経過と共に、センサ導体42,44に対する磁束の入射方向がgからaの方向に変化する。センサ導体42には、磁束の入射方向がfとなるまでは磁束が当たらないので、起電力VAがゼロであるが、磁束の入射方向がfを過ぎると、磁束が当たり、起電力VAが現れる。一方センサ導体44には、磁束の入射方向がbとなるまで磁束が当たり、起電力VBが現れるが、磁束の入射方向がb以降となると磁束が当たらないので、起電力VBがゼロとなる。このように、図6の場合では、時間経過と共に、起電力VBが現れた後にVAが現れる。
【0045】
図5、図6に示されるように、センサ導体42,44が互いに異なる面方向を有するときには、ロータ20の回転方向によって、センサ導体42の起電力VAとセンサ導体44の起電力VBの間の位相遅れの関係が異なってくる。ロータ20が+ω方向に回転するときは、図5に示すように、VAに対しVBが位相的に遅れる。ロータ20が−ω方向に回転するときは、図6に示すように、VBに対しVAが位相的に遅れる。この相違を利用して、ロータ20の回転方向を求めることができる。
【0046】
図2では、2つのセンサ導体42,44が楕円形で、これらが取り付けられる開口部用の絶縁体40の面の面積よりも狭い面積であるものとして説明した。図7は、2つのセンサ導体52,54が矩形で、これらが取り付けられる開口部用の絶縁体40の面の面積と同じ面積とする例である。この場合には、2つのセンサ導体42,44が互いに絶縁されるように、開口部用の絶縁体40の折り曲げ部のところに、相互絶縁体50が設けられる。相互絶縁体50は、開口部用の絶縁体40とは、別個の絶縁体となる。相互絶縁体50としては、例えばプラスチックゴム等を用いることができる。
【0047】
センサ導体42,44から出力される起電力VA,VBを用いて、ロータ20の回転角度等を求めることができるので、その結果を回転電機10の駆動制御に利用することができる。
【0048】
図8は、レゾルバ62を備える回転電機10がセンサ導体42,44も備える場合の回転電機制御システム60を示す図である。この回転電機制御システム60は、レゾルバ62に接続されるレゾルバ信号処理部64を有する。レゾルバ信号処理部64は、レゾルバ62に対し、基準となる励磁信号SRを与え、レゾルバ62から互いに直交する検出信号SC,SSを取得する。この3つの信号に基づいて、周知の技術を用いて、ロータ20の回転角度θRを求めて制御部68に出力することができる。
【0049】
センサ導体42,44からのセンサ信号については、適当なセンサ導体信号処理部66において、信号処理を行うことで、ロータ20の回転角度θSの他、回転角速度ω、回転方向を制御部68に出力することができる。
【0050】
制御部68には、レゾルバ62の動作が異常であるときに、レゾルバ信号処理部64から異常検出信号STが出力される。そこで、異常検出信号STが出力されるまでは、レゾルバ62を用いて得られるロータ20の回転角度θRを利用して回転電機10の駆動制御を行い、異常検出信号STが出力されると、センサ導体42,44を用いて得られるロータ20の回転角度θSを利用して回転電機10の駆動制御を行うものとできる。
【0051】
このように、回転電機10の駆動制御にもっぱらセンサ導体42,44からの情報を利用する他に、レゾルバ62を主として利用し、センサ導体42,44を副として利用することができる。また、これとは逆に、センサ導体42,44を主として利用し、レゾルバ62を副として利用することができる。これらの使い分けで、ロータ20の回転角度等の検出の冗長度を高め、また、ロータ20の回転角度等の検出に要する消費電力を適切なものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る回転電機は、車両搭載用の回転電機として利用できる。
【符号の説明】
【0053】
10 回転電機、12 ケース、20 ロータ、21 ロータコア、22 回転軸、24 永久磁石、30 ステータ、31 ステータコア、32 スロット、34 開口部、36 コイル巻線、38 コイルエンド、40 開口部用の絶縁体、42,44,52,54 センサ導体、46,48 センサ信号線、50 相互絶縁体、60 回転電機制御システム、62 レゾルバ、64 レゾルバ信号処理部、66 センサ導体信号処理部、68 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた周方向配置に従って配置される複数の磁極を有する回転子と、
コイル巻線を収容し、回転子に向かって開口部を有する複数のスロットを含む固定子と、
スロットの開口部に配置される開口部用の絶縁体と、
開口部用の絶縁体に支持される導体であって、固定子に対し回転子が回転するときに回転子の磁極からの磁束の変化に応じて発生する起電力を出力するセンサ導体と、
を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
センサ導体は、
回転子の軸方向に垂直な断面からみて互いに異なる面方向を有する複数の導体で構成されることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項2に記載の回転電機において、
複数の導体の間を絶縁する絶縁体であって、開口部用の絶縁体と別個の導体間の絶縁体を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項2または3に記載の回転電機において、
複数の導体は、開口部用の絶縁体と、絶縁性塗装体で支持されることを特徴とする回転電機。
【請求項5】
請求項1に記載の回転電機において、
固定子に対するロータの位置を検出するレゾルバを備えることを特徴とする回転電機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−96779(P2013−96779A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238369(P2011−238369)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】