固体撮像装置、及び固体撮像装置の製造方法
【課題】 埋め込み用の高屈折率の部材の剥がれを低減し、高屈折率の部材に生ずる内部応力によりウエハの変形を低減する。
【解決手段】 光電変換部を有する基板と、基板の上部に配され、光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、クラッドの開口にコアとなる部材を形成する第1の工程及び第2の工程を有し、第2の工程は、第1の工程の後に、高密度プラズマCVD法の基板の表面側の高周波パワーに対する基板の裏面側の高周波パワーの比率が第1の工程に比べて高い条件でコアとなる部材を形成する。
【解決手段】 光電変換部を有する基板と、基板の上部に配され、光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、クラッドの開口にコアとなる部材を形成する第1の工程及び第2の工程を有し、第2の工程は、第1の工程の後に、高密度プラズマCVD法の基板の表面側の高周波パワーに対する基板の裏面側の高周波パワーの比率が第1の工程に比べて高い条件でコアとなる部材を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、及び固体撮像装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光電変換部に入射する光を増やすため、導波路を有する固体撮像装置が提案されている。特許文献1には、導波路を形成するため、絶縁膜の開口に屈折率の高い膜を埋め込む方法について記載されている。具体的には、初期にスパッタ効果の高い条件で膜を形成し、続いてデポジット効果の高い条件で膜を形成する方法である。
【0003】
また、特許文献2では、効率よく光を光電変換部に導くための導波路の側壁の傾斜について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−103458号公報
【特許文献2】特開2005−251804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らは、特許文献1に記載の条件では、高屈折率の部材を形成する際に絶縁膜の開口が閉塞されやすく、高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが困難であることを見出した。
【0006】
また、本発明者らは、埋め込み用の高屈折率の部材と周囲の層間絶縁膜との密着性が低く、剥がれが生じてしまう場合があること、また埋め込み用の高屈折率の部材に生ずる内部応力によりウエハの変形が生じる場合があることを見出した。更に、本発明者らは、特許文献2の構成においても、画素の微細化がなされた場合に、高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが困難であることを見出した。
【0007】
本発明は上記の課題の少なくとも一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の固体撮像装置の製造方法は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程及び第2の工程を有し、前記第2の工程は、前記第1の工程の後に、前記高密度プラズマCVD法の前記基板の表面側の高周波パワーに対する前記基板の裏面側の高周波パワーの比率が前記第1の工程に比べて高い条件で、前記コアとなる部材を形成する。
【0009】
また、本発明の固体撮像装置は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、前記コアは、Si−H結合とN−H結合を有する窒化シリコンからなり、前記窒化シリコンのSi−H結合とN−H結合は、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たす。
【0010】
また、本発明の別の固体撮像装置の製造方法は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口に前記コアを埋め込む工程を有し、前記高密度プラズマCVD法において、前記開口の側面から前記基板の主面に平行な方向への成膜速度に対して、前記開口の底面から前記基板の主面に垂直な方向への成膜速度は1.5倍以上10倍以下である。
【0011】
また、本発明の別の固体撮像内は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、前記コアは、幅L1の底面と、前記底面からの高さHの幅L2の上面と、前記基板の主面から角度αの傾きを有する側面とを有し、L1<L2、H/L2≦2、且つ72.8°<α<90°を満たす。
【0012】
また、本発明の別の固体撮像装置の製造方法は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程と第2の工程を有し、前記第2の工程は、前記第1の工程に比べて成膜効果に対するスパッタ効果の割合が大きな条件で、前記コアとなる部材を形成する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、例えば高屈折率部材の剥がれを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の固体撮像装置の画素セルの回路図。
【図2】実施例1の固体撮像装置の画素セルの平面レイアウトを示す図。
【図3】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図4】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図5】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図6】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図7】実施例2の固体撮像装置の断面模式図とグラフ。
【図8】実施例3の固体撮像装置の断面模式図。
【図9】実施例4を説明するための断面模式図。
【図10】実施例5の固体撮像装置の断面模式図。
【図11】実施例5を説明するためのグラフ。
【図12】実施例5の変形例を説明するための断面模式図。
【図13】高密度プラズマCVD装置を説明するための模式図。
【図14】固体撮像装置及び撮像システムの模式図。
【図15】実施例6を説明するためのグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一つは、光電変換部を有する基板と、基板の上部に配され、光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法に関する。そして、高密度プラズマCVD法によって、クラッドの開口にコアを形成する第1の工程及び第2の工程を有する。第2の工程は、第1の工程の後に、高密度プラズマCVD法の基板の表面側の高周波パワーに対する基板の裏面側の高周波パワーの比率が第1の工程に比べて高い条件でコアとなる部材を形成する。
【0016】
このような構成によって、埋め込み用の高屈折率の部材の密着性が高く、剥がれが生じにくい固体撮像装置を提供可能である。高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが可能となる。また、高屈折率の部材に生ずる内部応力によりウエハの変形が生じることを抑制可能である。
【0017】
ここで、開口とは、絶縁膜を貫通する場合あるいは貫通しない場合(凹部)のいずれの場合も含み、孔とも言える。開口を用いる構成として、実施例では導波路の構成を説明するが、他の構成でも適用可能である。また、以下の実施例では固体撮像装置に適用した例を示すが半導体装置一般に適用してもよい。また、以下の説明において、公知の半導体の製造方法で製造可能な構成の製造方法及び構造の詳細については省略する場合がある。以下、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
本実施例では半導体装置として固体撮像装置を例に挙げ、固体撮像装置の製造方法について説明する。固体撮像装置の製造方法については、図1〜図5及び図14を用いて説明する。まず、図1、図2及び図14を用いて、本実施例の固体撮像装置について説明する。
【0019】
図1は、本実施例の固体撮像装置の画素セルの回路図である。図2は、画素セルの上面図である。図14は本発明の固体撮像装置を含む撮像システムの概念を示すブロック図である。図1において、画素セル100は、4つのフォトダイオード(以下PDとする)101〜104と、4つの転送トランジスタ105〜108と、1つのリセットトランジスタ110と、1つの増幅トランジスタ112とを有する。そして、フローティングディフュージョンノード(以下、FDノード)109を有する。
【0020】
4つのPD101〜104は、入射光をその光量に応じた電荷に光電変換する。4つの転送トランジスタ105〜108は、それぞれ対応する4つのPD101〜104にて発生した電荷をFDノード109に転送する転送手段として機能する。具体的には、第1の転送トランジスタ105が第1のPD101の電荷を転送し、第2の転送トランジスタ106が第2のPD102の電荷を転送する。そして、第3の転送トランジスタ107が第3のPD103の電荷を転送し、第4の転送トランジスタ108が第4のPD104の電荷を転送する。FDノード109は複数の光電変換部似て共有された構成となっている。増幅トランジスタ112は、そのゲートがFDノード109に電気的に接続され、ドレインには電源供給線111から所定の電圧が供給されている。またソースは出力信号線113に電気的に接続されており、FDノード109の電位に基づく信号が出力信号線113に出力される。リセットトランジスタ110は、FDノード109の電位を任意の電位にリセットする。リセットトランジスタ110と転送トランジスタ105〜108のいずれかを同時に導通させることにより、PD101〜104の電位をリセット可能である。電源供給線111は少なくとも2つの電位を供給可能となっており、FDノード109の電位を2つの値に設定することで、出力信号線113への信号の出力を選択的に行うことが出来る。端子114は以下で説明する読み出し回路と接続している。
【0021】
少なくとも1つの光電変換部を含む繰り返し単位を画素とすると、図1においては、画素セル100は4つの画素を含む。画素セル100は、選択トランジスタや容量などを有していてもよい。光電変換部としてフォトダイオードを例に挙げたが、フォトゲートなどでもよい。
【0022】
図14において、固体撮像装置1601は、画素部1611と、垂直走査回路1612と、2つの読み出し回路1613と、2つの水平走査回路1614と、2つの出力アンプ1615を備えている。画素部1611以外の領域を周辺回路部1616と称する。
【0023】
画素部1611には、図1に示した複数の画素セルが2次元状に配列されている。つまり、画素部1611には画素が2次元状に配列されている。読み出し回路1613は、例えば、列アンプ、CDS回路、加算回路等を含み、垂直走査回路1612によって選択された行の画素から垂直信号線を介して読み出された信号の増幅、加算等を行うことができる。列アンプ、CDS回路、加算回路等は、例えば、画素列又は複数の画素列毎に配置される。水平走査回路1614は、読み出し回路1613の信号を選択して読み出すための信号を生成する。出力アンプ1615は、水平走査回路1614によって選択された列の信号を増幅して出力する。以上の構成は、固体撮像装置の一つの構成例に過ぎず、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、図14において、読み出し回路1613と水平走査回路1614と出力アンプ1615とは、2系統の出力経路を構成するため、画素部1611を挟んで上下に1つずつ配置されている。しかし、出力経路は3つ以上設けられていてもよい。
【0024】
次に、図2を用いて、図1に対応した平面レイアウトを説明する。図2において、第1から第4のPDの一部である電荷蓄積領域(N型半導体領域)201〜204が配されている。以下、第1〜第4のPD201〜204とする。そして、第1〜第4のPD201〜204に対応して第1〜第4の転送トランジスタのゲート電極205〜208が配置されている。そして、図1のFDノードに対応する領域として第1のFD領域209、第2のFD領域210が配されている。第1のFD領域209及び第2のFD領域210は別の活性領域に配されている。第1のFD領域209には第1及び第2のPDからの電荷が転送され、第2のFD領域には第3及び第4PDからの電荷が転送される。この第1のFD領域209と第2のFD領域210と増幅トランジスタのゲート電極212とが接続配線213により電気的に接続されている。接続配線213は増幅トランジスタのゲート電極を構成するポリシリコンを延在させることにより構成することができる。第1のFD領域209と接続配線213とをシェアードコンタクト214が接続し、第2のFD領域210と接続配線213とはシェアードコンタクト215とで接続されている。シェアードコンタクトとは、半導体領域同士、半導体領域とゲート電極との間、あるいはゲート電極同士を、配線層を介することなく接続するコンタクトプラグのことである。また、図2においては、第2のFD領域210がリセットトランジスタのソースあるいはドレインと共通の活性領域に配されている。211はリセットトランジスタのゲート電極である。
【0025】
ここで、PDとトランジスタのソース・ドレイン及びチャネルとなる領域とが配された領域は活性領域であり、その他の領域は素子分離領域217となっている。また、活性領域のPDとPDの間や転送トランジスタのゲート電極とゲート電極との間には、半導体領域である信号電荷に対するポテンシャルバリア216が配置されている。ポテンシャルバリア216はPDとPDとの間の電荷の行き来を抑制する、素子分離領域としての機能を有する。ポテンシャルバリアをP型半導体領域で構成すれば、電子に対してのポテンシャルバリアとなり、N型半導体領域で構成すればホールに対してのポテンシャルバリアとなる。
【0026】
このような固体撮像装置の製造方法を、図3〜図5を用いて説明する。図3〜図5は、図2のAB線における断面模式図である。具体的には、図3〜図5は、図2のAB線における画素セルの第2、第3のPDの断面と、画素セルの任意のトランジスタ303と、周辺回路部の任意のトランジスタ304とを示している。上述の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、一般の半導体技術によって形成可能な工程については、その詳細な説明を省略する。
【0027】
まず、図3(a)を用いて、素子が配置された半導体基板を準備する工程を説明する。まず、準備する半導体基板31は、シリコンからなり、主面302を有する。そして、半導体基板301には、2つのPDのN型半導体領域202、203と、画素セルのトランジスタ303と、周辺回路部のトランジスタ304とが設けられている。N型半導体領域202、203に電子が収集される。以下便宜的に電荷蓄積領域202、203とよぶ。図3(a)において、画素部のトランジスタ303はN型のソース・ドレイン領域309とゲート電極308とを有する。電荷蓄積領域202、203の下部にはN型半導体領域314が設けられている。このN型半導体領域314は電荷蓄積領域よりも不純物濃度が低く、電荷蓄積領域と共に光電変換部の一部を構成する。N型半導体領域314の下部には、光電変換部の一部として機能するP型半導体領域315が配置されている。そして、トランジスタ303のソース・ドレイン領域309と第2のFD領域210の下部にはP型半導体領域316が配置されている。周辺回路部のトランジスタ304は、CMOS回路を構成するトランジスタが配置されるが、本実施形態においては、N型のトランジスタのみを示している。周辺回路部のトランジスタ304は、P型の半導体領域313に配されたN型のソース・ドレイン領域311と、ソース・ドレイン領域の間であって半導体基板の主面302上のゲート電極310とを有する。このような素子を有する半導体基板301を準備する。なお、各図面において、ゲート絶縁膜については図示を省略している。
【0028】
そして、図3(a)においては、半導体基板に形成された素子上に絶縁膜を形成する工程を示している。画素部1611には、酸化シリコンからなる絶縁膜(不図示)と、窒化シリコンからなる絶縁膜305と、酸化シリコンからなる絶縁膜306とが主面302側からこの順に積層して配置されている。これらの膜はプラズマ化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、以下CVD)によって形成されうる。
【0029】
そして、トランジスタ304は、そのゲート電極10の側壁にサイドスペーサー312を有し、ソース・ドレイン領域311はLDD構造(不図示)を有する。サイドスペーサー312は、酸化シリコンと、窒化シリコンと、酸化シリコンとの積層膜からなる。これらの膜はプラズマCVD法によって形成されうる。そして、サイドスペーサー312を構成する膜は、画素部1611に形成される絶縁膜(不図示)と、絶縁膜305と、絶縁膜306と同一の膜から形成されうる。
【0030】
そして、図3(a)において、画素部1611と周辺回路部1616に渡って窒化シリコンからなる絶縁膜307を、例えば低圧プラズマCVD法(LP−CVD法)によって堆積する。ここで、絶縁膜307を形成する前に、画素部1611と周辺回路部1616に渡って酸化シリコンからなる膜(不図示)をプラズマCVD法によって堆積しておいてもよい。これは、周辺回路部のトランジスタ304のソース・ドレイン領域311において半導体基板の主面302が露出しないようにするためである。
【0031】
図3(b)において、画素部1611と周辺回路部1616に形成されている絶縁膜307を、公知のリソグラフィ技術及びエッチング技術によって、所望の形状にパターニングし、絶縁膜317と絶縁膜318とを形成する。ここで、絶縁膜317は、電荷蓄積領域202、203の上、すなわち光電変換部の上から転送トランジスタのゲート電極の一部上に延在して設けられる。画素部1611の他の領域においては、図3(a)の絶縁膜307はエッチングによって除去されている。周辺回路部1616において図3(a)の絶縁膜307はエッチングされることなく、絶縁膜318となる。
【0032】
次に、図3(c)において、図3(b)の構成上に、複数の層間絶縁膜319と、コンタクトプラグ320と、第1の配線層321と、ビアプラグを含む第2の配線層322とを形成する。ここで、コンタクトや配線層の配線はそれぞれ複数配されている。複数の層間絶縁膜319は、酸化シリコンからなる絶縁膜と窒化シリコンからなる絶縁膜とが交互に積層されている。酸化シリコンからなる複数の絶縁膜のそれぞれは、プラズマCVD法によって、120nm〜1000nmの膜厚に形成される。窒化シリコンからなる複数の絶縁膜は、プラズマCVD法によって、10nm〜200nmの膜厚にそれぞれが形成される。よって、複数の層間絶縁膜319の大部分は酸化シリコンである。窒化シリコンからなる複数の絶縁膜は、配線層やビアプラグを形成する際のエッチングストップ膜や配線層を構成する金属の拡散防止膜として機能する。なお、複数の層間絶縁膜319は後の導波路のクラッドとなる。
【0033】
コンタクトプラグ320は主にタングステンからなり、第1の配線層321、ビアプラグと一体形成された第2の配線層322は主に銅を主成分とする。第1の配線層321はシングルダマシン法によって形成され、第2の配線層322はデュアルダマシン法によって形成されている。コンタクトプラグ、ビアプラグ及び配線層を構成する導電パターンはそれぞれバリアメタルを有している。なお、第1、第2の配線層はダマシン法ではなく、アルミニウムを用いてパターニングによって形成されていてもよい。
【0034】
ここで、図3(c)において、窒化シリコンからなる複数の絶縁膜のうち、第1及び第2の配線層の上面と接して配置される絶縁膜は、金属、すなわち銅の拡散防止膜として機能する。一方、第1、第2の配線層の下面側に配置される絶縁膜は、第1、第2の配線層をダマシン法で形成する際のエッチングストップ膜として機能する。拡散防止膜として機能する絶縁膜よりもエッチングストップ膜として機能する絶縁膜の膜厚は薄い。ダマシン法では、絶縁膜に配線用の溝あるいは配線及びビアプラグ用の溝を形成する工程があり、この溝を形成する際のエッチングにおいて、溝の形状制御のためエッチングストップ膜があることが好ましい。よって、第1、第2の配線層の下面側にエッチングストップ膜として機能する絶縁膜が配置されている。なお、配置されるエッチングストップ膜は溝を形成する際に除去されるため、エッチングストップ膜の下面は第1、第2の配線層の下面と一致あるいは第1、第2の配線層の下面よりも上部に配置されることになる。なお、図3(c)までの構成が形成済みのウエハを入手して、以下に説明する開口を形成する工程を行ってもよい。
【0035】
次に、図3(c)の複数の層間絶縁膜319に開口323を形成し図4(a)の構成を形成する。複数の層間絶縁膜319の上に、光電変換部に対応した領域に開口を有するフォトレジストパターン(不図示)が形成され、それをマスクとしてエッチングが行われる。エッチングは、例えば異方性のエッチングが行われる。具体的には、プラズマエッチング処理が複数の層間絶縁膜に対して行われ、絶縁膜317が露出するまでエッチングされる。ここで、絶縁膜317は、エッチング時における光電変換部へのプラズマダメージを低減するための膜であり、また、エッチングストップ膜としても機能する。そして、半導体基板の主面302との間の酸化シリコンからなる絶縁膜(不図示)と、絶縁膜305と、絶縁膜306とは、光電変換部に入射すべき光に対する反射防止膜として機能する。
【0036】
次に、図4(a)の開口323に、クラッドとなる複数の層間絶縁膜3191よりも屈折率の高い透明材料を埋め込み、導波路のコアとなる部分を形成する。ここでは、複数の層間絶縁膜3191を構成する主な材料である酸化シリコンよりも屈折率の高い窒化シリコンを開口内に形成する。具体的には、高密度プラズマCVD法(High Density Plasma−CVD法、以下、HDP−CVD法)によって、窒化シリコンを全面に堆積し、開口323に窒化シリコンを埋め込む。HDP−CVD法は、後述する図13に示す高密度プラズマCVD装置によって行われる。例えば、開口323の以外の複数の層間絶縁膜3191の上などの不要な部分に形成された窒化シリコンを、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMP)あるいはプラズマエッチングによって除去する。この工程により、窒化シリコンの表面は平坦化される。これらの工程により開口323に高屈折率部材324を形成する。導波路は、複数の層間絶縁膜3191と高屈折率部材324とによって構成される。ここで、本実施形態においては、CMPを行いシリコン窒化膜の除去及び平坦化を行う。複数の層間絶縁膜3191の上部の窒化シリコンの一部を残すことにより、高屈折率部材324と複数の層間絶縁膜3191の上面に渡って延在する厚さ約100nm〜500nmの絶縁膜325を形成する。シリコン窒化膜を残すことにより、配線層へのプラズマダメージを抑制することが可能となる。そして絶縁膜325の上面には酸窒化シリコンからなる絶縁膜326を形成する。絶縁膜326はプラズマCVD法によって、約50nm〜150nmの膜厚で形成される。
【0037】
図4(b)の工程の後に、絶縁膜325及び絶縁膜326の任意の領域を除去する。本実施形態では、周辺回路領域に対応する領域に配された絶縁膜325、326をすべて除去して開口329を形成する。しかしながら、少なくともビアプラグが配される領域をエッチングによって除去していればよい。除去は、異方性のエッチング、例えばプラズマエッチングによって行われうる。この工程により絶縁膜325及び絶縁膜326は開口329を有する絶縁膜327及び絶縁膜328となる。その後、開口329を埋め、絶縁膜327及び絶縁膜328を覆うように、絶縁膜330を形成する。絶縁膜330は、例えば酸化シリコンからなり、プラズマCVD法によって形成されうる。そして、絶縁膜330と第2の配線層322の上に配置された複数の層間絶縁膜319の一部とを貫通するビアプラグ331を形成する。ビアプラグ331は例えばタングステンからなり、チタンや窒化チタンのバリアメタルを有する。
【0038】
ビアプラグ331の上部に第3の配線層333が形成され、図4(c)の構成が得られる。第3の配線層333は、例えばアルミニウムを主成分とする導電体からなり、パターニングによって形成される。ここで、第3の配線層333は、周辺回路領域の遮光膜としても機能し得る。次に、図4(d)において、絶縁膜334となる絶縁膜と絶縁膜335となる絶縁膜をこの順に形成する。ここで、絶縁膜334となる絶縁膜はプラズマCVD法によって形成される酸窒化シリコンであり、絶縁膜335となる絶縁膜はプラズマCVD法によって形成される窒化シリコンである。そして、絶縁膜335となる絶縁膜上にレンズ形状のフォトレジストを形成し、それをマスクとしてエッチングを行うことで、絶縁膜335となる絶縁膜にレンズを形成する。その後、レンズ上に絶縁膜336となる絶縁膜を形成する。入力もしくは出力パッドに対応する領域において、3層の絶縁膜を除去することで、図5(a)の構成が得られる。ここで、絶縁膜335は層内レンズ337を有するレンズ層であり、絶縁膜334と絶縁膜336とは絶縁膜335の反射防止として機能しうる。
【0039】
図5(a)の工程の後に、樹脂からなる平坦化層338と、複数の色に対応したカラーフィルタを含むカラーフィルタ層339と、マイクロレンズ341を含むマイクロレンズ層340とをこの順に形成し、図5(b)の構成が得られる。
【0040】
以上のように図3〜図5のフローによって、固体撮像装置を形成することが可能である。なお、図3〜図5において、半導体基板301は主面側の一部を示したものである。
【0041】
以上のような固体撮像装置の製造方法において、本実施例では、図4(b)に示した高屈折率の部材324を形成する工程に特徴を有する。以下、本工程について、図6及び図13を用いて、詳細に説明を行う。
【0042】
本実施例においては、高屈折率部材324を2段階の工程によって形成する。図6(a)は図4(b)に対応する固体撮像装置の断面模式図であり、図6(b)は図6(a)の一部を拡大した断面模式図である。図6において図4(b)と共通の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。まず、図6に示すように、図4(b)の高屈折率部材324と絶縁膜325に図6の高屈折率部材324aと絶縁膜325aがそれぞれ対応する、高屈折率部材324aと絶縁膜325aは、それぞれ2つの部材からなる。図6において、第1部材601及び絶縁膜602は、図4(a)の開口323の側壁に沿って形成され、複数の層間絶縁膜3191の上を覆っている。そして、第2部材603及び絶縁膜604は、第1部材601と絶縁膜602の上を覆っている。高屈折率部材324aは第1部材601と第2部材603とを含む。図4(a)の絶縁膜325に対応する絶縁膜325aは、絶縁膜602と絶縁膜604とを含む。以下、図6(b)を用いて高屈折率部材324aの製造方法について詳述する。
【0043】
まず、図13を用いて、高屈折率部材324aを形成する高密度プラズマCVD装置について説明する。高密度プラズマCVDとは、高周波電界や磁界等を用いてガスを高密度にプラズマ化し、膜を堆積させるCVD装置である。図13は、高周波電界を用いた高密度プラズマCVD装置1500の概略図である。高密度プラズマCVD装置1500は、チャンバー1506と、温度調整機構の付いたステージ1503と、上部電極に接続する高周波電源1501と、ステージ(下部電極)に接続する高周波電源1502とを有する。ステージ1503の上には半導体のウエハ1504が配置される。上部の高周波電源1501と下部の高周波電源1502はそれぞれ個別の高周波パワーが設定可能である。成膜時には、所望のガスを供給口1505から導入し、反応させる。高密度プラズマCVD法では、スパッタリング効果と成膜効果を調整しながら行う。上下の高周波電源の高周波パワー、ガス、ウエハ温度等を調整することによってスパッタリング効果と成膜効果との割合が調整される。
【0044】
本実施例の高屈折率部材の形成方法は、第1部材を形成する第1工程と、第2部材を形成する第2工程とを有する。前記第2の工程は、前記第1の工程と比較して、成膜効果に対するスパッタ効果の割合が高い条件で行う。ここで成膜効果とはCVD法により所望の膜種が成長している状態を示し、スパッタ効果とはプラズマもしくは成膜種がした字幕に衝突することでスパッタリングする状態をいう。
【0045】
このような条件で形成される第1部材は、第2部材よりも図4(a)の開口323の側壁、底部、層間絶縁膜3191との密着性が高い。第1部材の剥がれを低減し、高屈折率部材を形成することが可能となる。また、第2部材に生じる応力を小さくできるため、ウエハの変形を抑制することが可能となる。なお、高密度プラズマCVD法において成膜効果が高い条件で成膜される部材は、密度が高く、下地膜との密着性が高い。すなわち第1の工程で下地膜との密着性の高い膜を形成し、第2の工程で開口に対する埋め込みが容易な条件で高屈折部材を形成する。なお、下地膜との密着性の高い膜は応力が大きくなる傾向が強く、このような膜で開口を埋め込もうとすると膜厚が厚くなる。これに伴ってウエハの変形も生じやすくなる。よって、本実施例の製造方法によって、剥がれを低減しつつ、ウエハの変形を抑制することが可能となる。
【0046】
第1工程では、シリコン含有ガスと、窒素と、窒素含有ガスと、不活性ガスとを含む混合ガスが供給され、高周波電源1501から高周波電界が印加される。第2工程では、シリコン含有ガスと、窒素と、窒素含有ガスと、不活性ガスとを含む混合ガスが供給され、高周波電源1501及び高周波電源1502から高周波電界が印加される。
【0047】
ここで、シリコン含有ガスとは、シラン、TEOS、トリメチルシラン、テトラメチルシラン等であり、窒素含有ガスとはアンモニア等であり、不活性ガスとはアルゴン、ヘリウム等である。本実施例においては、第1の工程及び第2の工程における混合ガスは、シランと、窒素と、アンモニアと、アルゴンとを含む。
【0048】
また、高周波電源1501は、800kHzの高周波と、1000〜7000Wの高周波パワーを供給する。高周波電源1502は、13.56MHzの高周波と、0〜5000Wの高周波パワーを供給する。本実施例では、第1の工程の高周波電源1501の高周波パワーは5000Wであり、高周波電源1502の高周波パワーは0Wである。第2の工程の高周波電源1501の高周波パワーは5000Wであり、高周波電源1502の高周波パワーは3000Wである。第1の工程は、半導体のウエハ1504、すなわち半導体基板の表面側の電極にのみ高周波電界が印加されている。つまり、第1の工程は、第2の工程に比べて、半導体基板の裏面側の電極に印加される高周波パワーに対する半導体基板の表面側の電極に印加される高周波パワーの比率が高い。
【0049】
つまり、第2の工程は、第1の工程と比較して、成膜効果に対するスパッタ効果の割合がより高い条件で実施される。これは例えば、第1の工程の場合に比べて、第2の工程の半導体基板の表面側の電極に印加される高周波パワーに対する半導体基板の裏面側の電極に印加される高周波パワーの割合を高めた条件である。つまり、第1の工程における割合よりも第2の工程における割合が高い。また、不活性ガスの割合を高くすることで実現できる。ここで、不活性ガスの割合を過剰に大きくすると、スパッタリング効果が過剰に高まるために、図4(a)の開口323の側面の絶縁膜、つまり下地膜を除去してしまう可能性がある。そこで、例えば第2の工程におけるシランに対するアルゴンの比率を1.0以上6.0以下の範囲としておくことが好ましい。
【0050】
以上のような条件で、図4(a)の開口323の上に、第1部材601を形成する第1工程の後に、第2部材603を形成する第2工程を行い、高屈折率部材324aを形成する。ここで、第1の部材は、10nm以上50nm以下の膜厚で形成されることが望ましい。第1の部材の膜厚が10nm未満の場合には十分な密着性が得られず、50nmよりも厚い場合には、部材の応力によりウエハの変形が生じてしまうためである。
【0051】
以上述べてきたように、本実施例の製造方法によって、下地膜からの剥がれが抑制された高屈折率部材324aを形成することが可能となる。また、高屈折率部材の応力を低減することが可能となり、ウエハの変形を低減することが可能となる。
【0052】
なお、第1の工程と第2の工程の間に、更に、第3の部材を形成する第3の工程を有していてもよい。第3の工程では、成膜効果に対するスパッタ効果の割合、例えば基板の表面側の電極に印加される高周波パワーに対する基板の裏面側の電極に印加される高周波パワーの割合が第1の工程と第2の工程との間の条件で行う。このように、第1の工程と第2の工程との間に中間の条件の工程を行い、連続的に高屈折率部材を形成してもよい。なお、説明において、簡単のため第1の部材、第2の部材等を用いて説明したが、出来上がりの構造として一体の部材になっていてもよい。また、図4(a)の開口323のテーパー角度は本実施例の角度に限定されない。
【実施例2】
【0053】
本実施例においては、実施例1とは高屈折率部材324を1工程で形成する点で相違し、他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。図7(a)は、図6(b)と対応し、図4(b)に対応する固体撮像装置の断面模式図の一部を拡大したものである。図7(a)に示すように、高屈折率部材324bは、1つの部材701からなる。本実施例において、部材701は、図7(b)のスペクトル702に示すような性質を有する材料からなる。このような材料を有することで、図4(a)の開口323を高屈折率材料で埋め込む際に、ボイドの発生を抑制することが可能となる。以下、図7(b)について詳述する。
【0054】
図7(b)はフーリエ変換赤外分光法(以下、FT−IR法)による分析結果を示すグラフである。横軸が波数であり、縦軸が吸光度であり、グラフ中のピーク704はN−H結合、ピーク705はSi−H結合、ピーク706はSi−N結合の存在を示す。ここで、部材701の分析結果はスペクトル702で示されている。スペクトル703は図4(a)の開口323を埋め込む際にボイドが形成されてしまった比較部材の分析結果を示す。プラズマCVD法によって形成される窒化シリコンは、SiとHとNを含む。スペクトル702はN−H結合を示すピーク704を有し、N−H結合が多く含まれていることがわかる。スペクトル703ではN−H結合よりもSi−H結合が多い。ここで、ボイドの発生を抑制することが可能な膜質として、Si−H結合とN−H結合の比が、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たすことが望ましい。
【0055】
なお、部材701は実施例1の第2の工程の条件の高密度プラズマCVD法によって形成される。ここで、N−H結合を増大させるには、一般の高密度プラズマCVD法で知られるN−H結合の多い膜が得られる条件を設定すればよい。例えば、実施例1の第2の工程のような成膜効果に対するスパッタ効果の割合が高い条件である。また、実施例1に記載の混合ガスのうち、窒素の割合を増大させればよい。例えば、シリコン含有ガスの1.2〜2.0倍、窒素含有ガスの2.0〜4.0倍、不活性ガスの2.0〜4.0倍であるN−H結合は上記範囲にあることにより、高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが可能である。また、内部応力を適切な範囲内に制御することが可能でとなり、ウエハの変形を抑制することが可能となる。したがって、図5(b)に示すような、高屈折率部材324の上部に絶縁膜327が配置される構成に好適である。
【0056】
なお、クラッドとなる絶縁膜との密着性を向上させるため、実施例1のように高屈折率部材324を2つの工程によって形成してもよい。
【実施例3】
【0057】
本実施例においては、実施例1と高屈折率部材324を1工程で形成する点で相違し、他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。図8(a)は、図6(b)と対応し、図4(b)に対応する固体撮像装置の断面模式図の一部を拡大したものである。図8(a)に示すように、高屈折率部材324cは、1つの部材803からなる。図8(a)において、高屈折率部材324cが形成される領域である図4(a)の開口323は、底面801、図4(a)の開口323の周りの領域における複数の層間絶縁膜3191の上面を含む面からなる上面802と、側面805とからなる。ここで、底面801に垂直な方向を方向804とし、底面801に水平な方向を806とする。なお、底面801は基板の主面302に対して平行である。
【0058】
ここで、本実施例においては、高密度プラズマCVD法によって部材803となる膜を成膜して開口323を埋め込む際に、部材803となる膜の成膜速度が、以下の関係を満たすような条件で行われる。それは、側面805からの方向806への成膜速度に対して底面801からの方向804への成膜速度が1.5倍以上10倍以下となるような条件である。例えば、実施例1の第2の工程のような条件で行う。このような条件によって、図8(b)の部材807のように凸部809を有することがない。図8(b)はボイドが形成される条件での埋め込みの過程を示した図である。凸部809が存在することによって、開口の上部が埋まり、ボイドが形成されてしまう。しかし、本実施例の製造方法によれば、ボイドの発生が抑制された導波路を形成可能である。
【実施例4】
【0059】
本実施例においては、実施例1と高屈折率部材324と絶縁膜325を3つの工程(部材)で形成する点で相違し、他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。図9(a)は、図6(a)と対応する固体撮像装置の断面模式図であり、図9(b)は図6(b)と対応する固体撮像装置の断面模式図の一部を拡大したものである。図9(a)に示すように、高屈折率部材324d及び絶縁膜325bは、3つの部材からなる。高屈折率部材324dは第1の部材601と第2の部材602と第3の部材901を含み、絶縁膜325dは絶縁膜602、絶縁膜903、絶縁膜902からなる。ここで、絶縁膜903は、図6における絶縁膜604の一部が除去されたものである。
【0060】
図9(a)の製造方法は、実施例1に記載の第1の工程と、第2の工程とを行った後、第2の工程で形成された図6の絶縁膜604の一部を除去するエッチングする工程を行う。ここで、図6の絶縁膜604は絶縁膜903となる。そして、第2の工程と同じ条件で、第3の部材901及び絶縁膜902を形成する第3の工程を行う。このような間にエッチング工程を行うことで、高屈折率部材324d及び絶縁膜325dを形成した後の平坦化が容易となる。また、図6の絶縁膜604の一部を除去することで、応力を低減することが可能となり、クラックや高屈折率部材の剥がれの発生を低減することが可能となる。なお、3つの部材は一体となってしてもよい。
【実施例5】
【0061】
本実施例においては、図4(a)の開口323の形状について、図10を用いて説明する。図10は図5(b)に対応する構成を拡大したものであり、共通の構成については同一の符号を付し説明を省略する。他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。
【0062】
図4(a)の開口323、すなわち導波路の高屈折率部材324eの形状は、底面1001と、上面1003と、それらを結ぶ側面1002とで形成される。ここで、底面1001と上面1003は、受光面を含む主面302と平行である。ここで、底面1001のもっとも広い幅L1と、上面1003のもっとも広い幅L2と、上面1003と底面1001とを結ぶ線分を高さHとし、側面1002と底面1001を含む面との傾き、すなわち角度αとする。高さHは主面302に垂直である。ここで、高屈折率部材324eの形状は、L1<L2であり、H/L2≦2、72.8°<α<90°を満たす。このような関係によって、高屈折率部材324eをボイドなく形成することが可能となる。この関係について、図11を用いて説明する。
【0063】
図11(a)は縦軸にL1、横軸にL2をとった時のボイドの発生の有無を示したグラフであり、図11(b)は縦軸にH、横軸にL2をとった時のボイドの発生の有無を示したグラフである。各値は、任意の値に対する比率をとっている。なお、実施例1の高屈折率部材の構成を有する場合について測定している。このような図11(a)及び図11(b)から境界を見出した。図11(a)の境界線1101はL1=L2を示している。また、図11(b)の境界線1102はH/L2=2を示している。それぞれにおいて、L1<L2、及びH/L2≦2である領域において、ボイドのない高屈折率部材324eを形成することが可能である。
【0064】
また、本実施例の構成を実施例1〜4に適宜組み合わせることは可能である。例えば、実施例4の構成に適用したものを、図12に示す。図12では、図10に示したテーパー角αを有し、図9に示した第1〜第3の部材と絶縁膜とを有する。このような構成によって、よりボイドの発生を低減することが可能となる。
【実施例6】
【0065】
本実施例においては、実施例1と高屈折率部材324の第2部材603(図6(b)参照)を形成する方法(第2の工程)が相違し、本実施例の他の構成及び製造方法については実施例1に準ずる。
【0066】
ここで、図15を用いて窒素の流量と形成される高屈折率の部材の応力の関係を説明する。図15は横軸に高屈折率部材を形成する際のCVD装置のチャンバー内における窒素の流量(sccm)を示しており、縦軸に高屈折率部材の応力を示している。高屈折率部材の応力は、平坦な基板に一様に高屈折率部材を形成し、応力測定装置で測定した際の応力である。ここで、埋め込みが可能なある窒素の流量に設定した場合の基準の高屈折率の部材の応力を1として規格化している。図15から、窒素の流量が少なくなるにつれ、実施例1に記載の第2の工程における高屈折率部材の応力が低減していることが分かる。なお、窒素が減った分はヘリウムの量を増加させている。
【0067】
また、表1は、チャンバー内の圧力(mTorr)に対して、開口へ高屈折率部材が埋め込むことが出来た場合を○とし、埋め込むことが出来なかった場合を×として示したものである。
【0068】
【表1】
【0069】
ここで、表1から、チャンバー内の圧力は3mTorr以上10mTorr以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは、6mTorr以上9mTorr以下である。
【0070】
図15及び表1より、窒素のみでなくヘリウムを添加することで応力の低い膜で埋め込みが可能となる。また、チャンバー内の圧力を3mTorr以上10mTorr以下にすることで、埋め込みが容易となる。更には、窒素を減らしヘリウムを増加させ、チャンバー内の圧力を3mTorr以上10mTorr以下とすることで、より低い応力の窒化シリコン膜での埋め込みが可能となる。
【実施例7】
【0071】
本実施例は、実施例1と高屈折率部材324の第1部材601(図6(b)参照)を形成する方法(第1の工程)が相違し、他の構成及び製造方法については実施例1に準ずる。本実施例は高屈折率部材324を形成する第1の工程で平行平板プラズマCVD法によって窒化シリコン膜を形成し、第1部材を形成する。本実施例の第1の工程では、シリコン含有ガス、窒素、窒素含有ガスを供給し、窒化シリコン膜を形成する。この窒化シリコン膜は実施例1同様に10nm以上の膜厚で形成されることが望ましい。10nm未満の膜厚の場合には十分な密着性が得られず、その後の工程において高屈折率部材の剥れが生じうる。第2の工程は、実施例1同様に埋め込みが可能な高密度プラズマCVD法により形成する。本実施例の方法である平行平板プラズマCVD法で形成された第1の工程の窒化シリコン膜は、実施例1の方法である高密度プラズマCVD法で形成された第1の工程の窒化シリコン膜に比べて膜の応力が低い。よって、高屈折率部材324の内部応力を低減することが可能となる。そのため、高屈折率部材の剥れの発生を低減することが可能となる。
【0072】
<撮像システム>
図14を用いて撮像システムの構成を説明する。図14は固体撮像装置及び撮像システムのブロック図である。撮像システム1600は、固体撮像装置1601と、固体撮像装置1601から出力された電気信号が入力され、当該電気信号を処理する信号処理装置1602とを備える。具体的には、電気信号が固体撮像装置1601のOUT1、2から出力され、信号処理装置1602のINに入力される。信号処理装置1602のOUT3からは、電気信号を処理した結果に応じて、画像信号や駆動信号、制御信号が出力される。電気信号としては、電流信号であってもよいし電圧信号でもよく、また、アナログ信号であってもよいしデジタル信号であってもよい。固体撮像装置1601は、イメージセンサー、焦点検出用のセンサー、光量検出用のセンサーなどに用いることが可能である。そして、信号処理装置1602は入力された電気信号を処理し、画像信号、レンズ駆動のための駆動信号、露光時間を調整するための制御信号にして出力する。このような撮像システムを有することで、好適な画像信号、あるいは制御に利用可能な制御信号が得られる。
【0073】
以上説明してきたように、各実施例によれば、密着性の向上、ウエハの変形の抑制、ボイドの低減の少なくとも一つを解決することが可能となる。また、各実施例は、適宜変更可能であり、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0074】
202 電荷蓄積領域
206 ゲート電極
324a 高屈折率部材
601 第1の部材
603 第2の部材
3191 複数の絶縁膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、及び固体撮像装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光電変換部に入射する光を増やすため、導波路を有する固体撮像装置が提案されている。特許文献1には、導波路を形成するため、絶縁膜の開口に屈折率の高い膜を埋め込む方法について記載されている。具体的には、初期にスパッタ効果の高い条件で膜を形成し、続いてデポジット効果の高い条件で膜を形成する方法である。
【0003】
また、特許文献2では、効率よく光を光電変換部に導くための導波路の側壁の傾斜について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−103458号公報
【特許文献2】特開2005−251804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らは、特許文献1に記載の条件では、高屈折率の部材を形成する際に絶縁膜の開口が閉塞されやすく、高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが困難であることを見出した。
【0006】
また、本発明者らは、埋め込み用の高屈折率の部材と周囲の層間絶縁膜との密着性が低く、剥がれが生じてしまう場合があること、また埋め込み用の高屈折率の部材に生ずる内部応力によりウエハの変形が生じる場合があることを見出した。更に、本発明者らは、特許文献2の構成においても、画素の微細化がなされた場合に、高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが困難であることを見出した。
【0007】
本発明は上記の課題の少なくとも一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の固体撮像装置の製造方法は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程及び第2の工程を有し、前記第2の工程は、前記第1の工程の後に、前記高密度プラズマCVD法の前記基板の表面側の高周波パワーに対する前記基板の裏面側の高周波パワーの比率が前記第1の工程に比べて高い条件で、前記コアとなる部材を形成する。
【0009】
また、本発明の固体撮像装置は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、前記コアは、Si−H結合とN−H結合を有する窒化シリコンからなり、前記窒化シリコンのSi−H結合とN−H結合は、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たす。
【0010】
また、本発明の別の固体撮像装置の製造方法は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口に前記コアを埋め込む工程を有し、前記高密度プラズマCVD法において、前記開口の側面から前記基板の主面に平行な方向への成膜速度に対して、前記開口の底面から前記基板の主面に垂直な方向への成膜速度は1.5倍以上10倍以下である。
【0011】
また、本発明の別の固体撮像内は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、前記コアは、幅L1の底面と、前記底面からの高さHの幅L2の上面と、前記基板の主面から角度αの傾きを有する側面とを有し、L1<L2、H/L2≦2、且つ72.8°<α<90°を満たす。
【0012】
また、本発明の別の固体撮像装置の製造方法は、光電変換部を有する基板と、前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程と第2の工程を有し、前記第2の工程は、前記第1の工程に比べて成膜効果に対するスパッタ効果の割合が大きな条件で、前記コアとなる部材を形成する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、例えば高屈折率部材の剥がれを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の固体撮像装置の画素セルの回路図。
【図2】実施例1の固体撮像装置の画素セルの平面レイアウトを示す図。
【図3】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図4】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図5】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図6】実施例1の固体撮像装置の製造方法を示す図。
【図7】実施例2の固体撮像装置の断面模式図とグラフ。
【図8】実施例3の固体撮像装置の断面模式図。
【図9】実施例4を説明するための断面模式図。
【図10】実施例5の固体撮像装置の断面模式図。
【図11】実施例5を説明するためのグラフ。
【図12】実施例5の変形例を説明するための断面模式図。
【図13】高密度プラズマCVD装置を説明するための模式図。
【図14】固体撮像装置及び撮像システムの模式図。
【図15】実施例6を説明するためのグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一つは、光電変換部を有する基板と、基板の上部に配され、光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法に関する。そして、高密度プラズマCVD法によって、クラッドの開口にコアを形成する第1の工程及び第2の工程を有する。第2の工程は、第1の工程の後に、高密度プラズマCVD法の基板の表面側の高周波パワーに対する基板の裏面側の高周波パワーの比率が第1の工程に比べて高い条件でコアとなる部材を形成する。
【0016】
このような構成によって、埋め込み用の高屈折率の部材の密着性が高く、剥がれが生じにくい固体撮像装置を提供可能である。高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが可能となる。また、高屈折率の部材に生ずる内部応力によりウエハの変形が生じることを抑制可能である。
【0017】
ここで、開口とは、絶縁膜を貫通する場合あるいは貫通しない場合(凹部)のいずれの場合も含み、孔とも言える。開口を用いる構成として、実施例では導波路の構成を説明するが、他の構成でも適用可能である。また、以下の実施例では固体撮像装置に適用した例を示すが半導体装置一般に適用してもよい。また、以下の説明において、公知の半導体の製造方法で製造可能な構成の製造方法及び構造の詳細については省略する場合がある。以下、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
本実施例では半導体装置として固体撮像装置を例に挙げ、固体撮像装置の製造方法について説明する。固体撮像装置の製造方法については、図1〜図5及び図14を用いて説明する。まず、図1、図2及び図14を用いて、本実施例の固体撮像装置について説明する。
【0019】
図1は、本実施例の固体撮像装置の画素セルの回路図である。図2は、画素セルの上面図である。図14は本発明の固体撮像装置を含む撮像システムの概念を示すブロック図である。図1において、画素セル100は、4つのフォトダイオード(以下PDとする)101〜104と、4つの転送トランジスタ105〜108と、1つのリセットトランジスタ110と、1つの増幅トランジスタ112とを有する。そして、フローティングディフュージョンノード(以下、FDノード)109を有する。
【0020】
4つのPD101〜104は、入射光をその光量に応じた電荷に光電変換する。4つの転送トランジスタ105〜108は、それぞれ対応する4つのPD101〜104にて発生した電荷をFDノード109に転送する転送手段として機能する。具体的には、第1の転送トランジスタ105が第1のPD101の電荷を転送し、第2の転送トランジスタ106が第2のPD102の電荷を転送する。そして、第3の転送トランジスタ107が第3のPD103の電荷を転送し、第4の転送トランジスタ108が第4のPD104の電荷を転送する。FDノード109は複数の光電変換部似て共有された構成となっている。増幅トランジスタ112は、そのゲートがFDノード109に電気的に接続され、ドレインには電源供給線111から所定の電圧が供給されている。またソースは出力信号線113に電気的に接続されており、FDノード109の電位に基づく信号が出力信号線113に出力される。リセットトランジスタ110は、FDノード109の電位を任意の電位にリセットする。リセットトランジスタ110と転送トランジスタ105〜108のいずれかを同時に導通させることにより、PD101〜104の電位をリセット可能である。電源供給線111は少なくとも2つの電位を供給可能となっており、FDノード109の電位を2つの値に設定することで、出力信号線113への信号の出力を選択的に行うことが出来る。端子114は以下で説明する読み出し回路と接続している。
【0021】
少なくとも1つの光電変換部を含む繰り返し単位を画素とすると、図1においては、画素セル100は4つの画素を含む。画素セル100は、選択トランジスタや容量などを有していてもよい。光電変換部としてフォトダイオードを例に挙げたが、フォトゲートなどでもよい。
【0022】
図14において、固体撮像装置1601は、画素部1611と、垂直走査回路1612と、2つの読み出し回路1613と、2つの水平走査回路1614と、2つの出力アンプ1615を備えている。画素部1611以外の領域を周辺回路部1616と称する。
【0023】
画素部1611には、図1に示した複数の画素セルが2次元状に配列されている。つまり、画素部1611には画素が2次元状に配列されている。読み出し回路1613は、例えば、列アンプ、CDS回路、加算回路等を含み、垂直走査回路1612によって選択された行の画素から垂直信号線を介して読み出された信号の増幅、加算等を行うことができる。列アンプ、CDS回路、加算回路等は、例えば、画素列又は複数の画素列毎に配置される。水平走査回路1614は、読み出し回路1613の信号を選択して読み出すための信号を生成する。出力アンプ1615は、水平走査回路1614によって選択された列の信号を増幅して出力する。以上の構成は、固体撮像装置の一つの構成例に過ぎず、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、図14において、読み出し回路1613と水平走査回路1614と出力アンプ1615とは、2系統の出力経路を構成するため、画素部1611を挟んで上下に1つずつ配置されている。しかし、出力経路は3つ以上設けられていてもよい。
【0024】
次に、図2を用いて、図1に対応した平面レイアウトを説明する。図2において、第1から第4のPDの一部である電荷蓄積領域(N型半導体領域)201〜204が配されている。以下、第1〜第4のPD201〜204とする。そして、第1〜第4のPD201〜204に対応して第1〜第4の転送トランジスタのゲート電極205〜208が配置されている。そして、図1のFDノードに対応する領域として第1のFD領域209、第2のFD領域210が配されている。第1のFD領域209及び第2のFD領域210は別の活性領域に配されている。第1のFD領域209には第1及び第2のPDからの電荷が転送され、第2のFD領域には第3及び第4PDからの電荷が転送される。この第1のFD領域209と第2のFD領域210と増幅トランジスタのゲート電極212とが接続配線213により電気的に接続されている。接続配線213は増幅トランジスタのゲート電極を構成するポリシリコンを延在させることにより構成することができる。第1のFD領域209と接続配線213とをシェアードコンタクト214が接続し、第2のFD領域210と接続配線213とはシェアードコンタクト215とで接続されている。シェアードコンタクトとは、半導体領域同士、半導体領域とゲート電極との間、あるいはゲート電極同士を、配線層を介することなく接続するコンタクトプラグのことである。また、図2においては、第2のFD領域210がリセットトランジスタのソースあるいはドレインと共通の活性領域に配されている。211はリセットトランジスタのゲート電極である。
【0025】
ここで、PDとトランジスタのソース・ドレイン及びチャネルとなる領域とが配された領域は活性領域であり、その他の領域は素子分離領域217となっている。また、活性領域のPDとPDの間や転送トランジスタのゲート電極とゲート電極との間には、半導体領域である信号電荷に対するポテンシャルバリア216が配置されている。ポテンシャルバリア216はPDとPDとの間の電荷の行き来を抑制する、素子分離領域としての機能を有する。ポテンシャルバリアをP型半導体領域で構成すれば、電子に対してのポテンシャルバリアとなり、N型半導体領域で構成すればホールに対してのポテンシャルバリアとなる。
【0026】
このような固体撮像装置の製造方法を、図3〜図5を用いて説明する。図3〜図5は、図2のAB線における断面模式図である。具体的には、図3〜図5は、図2のAB線における画素セルの第2、第3のPDの断面と、画素セルの任意のトランジスタ303と、周辺回路部の任意のトランジスタ304とを示している。上述の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、一般の半導体技術によって形成可能な工程については、その詳細な説明を省略する。
【0027】
まず、図3(a)を用いて、素子が配置された半導体基板を準備する工程を説明する。まず、準備する半導体基板31は、シリコンからなり、主面302を有する。そして、半導体基板301には、2つのPDのN型半導体領域202、203と、画素セルのトランジスタ303と、周辺回路部のトランジスタ304とが設けられている。N型半導体領域202、203に電子が収集される。以下便宜的に電荷蓄積領域202、203とよぶ。図3(a)において、画素部のトランジスタ303はN型のソース・ドレイン領域309とゲート電極308とを有する。電荷蓄積領域202、203の下部にはN型半導体領域314が設けられている。このN型半導体領域314は電荷蓄積領域よりも不純物濃度が低く、電荷蓄積領域と共に光電変換部の一部を構成する。N型半導体領域314の下部には、光電変換部の一部として機能するP型半導体領域315が配置されている。そして、トランジスタ303のソース・ドレイン領域309と第2のFD領域210の下部にはP型半導体領域316が配置されている。周辺回路部のトランジスタ304は、CMOS回路を構成するトランジスタが配置されるが、本実施形態においては、N型のトランジスタのみを示している。周辺回路部のトランジスタ304は、P型の半導体領域313に配されたN型のソース・ドレイン領域311と、ソース・ドレイン領域の間であって半導体基板の主面302上のゲート電極310とを有する。このような素子を有する半導体基板301を準備する。なお、各図面において、ゲート絶縁膜については図示を省略している。
【0028】
そして、図3(a)においては、半導体基板に形成された素子上に絶縁膜を形成する工程を示している。画素部1611には、酸化シリコンからなる絶縁膜(不図示)と、窒化シリコンからなる絶縁膜305と、酸化シリコンからなる絶縁膜306とが主面302側からこの順に積層して配置されている。これらの膜はプラズマ化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、以下CVD)によって形成されうる。
【0029】
そして、トランジスタ304は、そのゲート電極10の側壁にサイドスペーサー312を有し、ソース・ドレイン領域311はLDD構造(不図示)を有する。サイドスペーサー312は、酸化シリコンと、窒化シリコンと、酸化シリコンとの積層膜からなる。これらの膜はプラズマCVD法によって形成されうる。そして、サイドスペーサー312を構成する膜は、画素部1611に形成される絶縁膜(不図示)と、絶縁膜305と、絶縁膜306と同一の膜から形成されうる。
【0030】
そして、図3(a)において、画素部1611と周辺回路部1616に渡って窒化シリコンからなる絶縁膜307を、例えば低圧プラズマCVD法(LP−CVD法)によって堆積する。ここで、絶縁膜307を形成する前に、画素部1611と周辺回路部1616に渡って酸化シリコンからなる膜(不図示)をプラズマCVD法によって堆積しておいてもよい。これは、周辺回路部のトランジスタ304のソース・ドレイン領域311において半導体基板の主面302が露出しないようにするためである。
【0031】
図3(b)において、画素部1611と周辺回路部1616に形成されている絶縁膜307を、公知のリソグラフィ技術及びエッチング技術によって、所望の形状にパターニングし、絶縁膜317と絶縁膜318とを形成する。ここで、絶縁膜317は、電荷蓄積領域202、203の上、すなわち光電変換部の上から転送トランジスタのゲート電極の一部上に延在して設けられる。画素部1611の他の領域においては、図3(a)の絶縁膜307はエッチングによって除去されている。周辺回路部1616において図3(a)の絶縁膜307はエッチングされることなく、絶縁膜318となる。
【0032】
次に、図3(c)において、図3(b)の構成上に、複数の層間絶縁膜319と、コンタクトプラグ320と、第1の配線層321と、ビアプラグを含む第2の配線層322とを形成する。ここで、コンタクトや配線層の配線はそれぞれ複数配されている。複数の層間絶縁膜319は、酸化シリコンからなる絶縁膜と窒化シリコンからなる絶縁膜とが交互に積層されている。酸化シリコンからなる複数の絶縁膜のそれぞれは、プラズマCVD法によって、120nm〜1000nmの膜厚に形成される。窒化シリコンからなる複数の絶縁膜は、プラズマCVD法によって、10nm〜200nmの膜厚にそれぞれが形成される。よって、複数の層間絶縁膜319の大部分は酸化シリコンである。窒化シリコンからなる複数の絶縁膜は、配線層やビアプラグを形成する際のエッチングストップ膜や配線層を構成する金属の拡散防止膜として機能する。なお、複数の層間絶縁膜319は後の導波路のクラッドとなる。
【0033】
コンタクトプラグ320は主にタングステンからなり、第1の配線層321、ビアプラグと一体形成された第2の配線層322は主に銅を主成分とする。第1の配線層321はシングルダマシン法によって形成され、第2の配線層322はデュアルダマシン法によって形成されている。コンタクトプラグ、ビアプラグ及び配線層を構成する導電パターンはそれぞれバリアメタルを有している。なお、第1、第2の配線層はダマシン法ではなく、アルミニウムを用いてパターニングによって形成されていてもよい。
【0034】
ここで、図3(c)において、窒化シリコンからなる複数の絶縁膜のうち、第1及び第2の配線層の上面と接して配置される絶縁膜は、金属、すなわち銅の拡散防止膜として機能する。一方、第1、第2の配線層の下面側に配置される絶縁膜は、第1、第2の配線層をダマシン法で形成する際のエッチングストップ膜として機能する。拡散防止膜として機能する絶縁膜よりもエッチングストップ膜として機能する絶縁膜の膜厚は薄い。ダマシン法では、絶縁膜に配線用の溝あるいは配線及びビアプラグ用の溝を形成する工程があり、この溝を形成する際のエッチングにおいて、溝の形状制御のためエッチングストップ膜があることが好ましい。よって、第1、第2の配線層の下面側にエッチングストップ膜として機能する絶縁膜が配置されている。なお、配置されるエッチングストップ膜は溝を形成する際に除去されるため、エッチングストップ膜の下面は第1、第2の配線層の下面と一致あるいは第1、第2の配線層の下面よりも上部に配置されることになる。なお、図3(c)までの構成が形成済みのウエハを入手して、以下に説明する開口を形成する工程を行ってもよい。
【0035】
次に、図3(c)の複数の層間絶縁膜319に開口323を形成し図4(a)の構成を形成する。複数の層間絶縁膜319の上に、光電変換部に対応した領域に開口を有するフォトレジストパターン(不図示)が形成され、それをマスクとしてエッチングが行われる。エッチングは、例えば異方性のエッチングが行われる。具体的には、プラズマエッチング処理が複数の層間絶縁膜に対して行われ、絶縁膜317が露出するまでエッチングされる。ここで、絶縁膜317は、エッチング時における光電変換部へのプラズマダメージを低減するための膜であり、また、エッチングストップ膜としても機能する。そして、半導体基板の主面302との間の酸化シリコンからなる絶縁膜(不図示)と、絶縁膜305と、絶縁膜306とは、光電変換部に入射すべき光に対する反射防止膜として機能する。
【0036】
次に、図4(a)の開口323に、クラッドとなる複数の層間絶縁膜3191よりも屈折率の高い透明材料を埋め込み、導波路のコアとなる部分を形成する。ここでは、複数の層間絶縁膜3191を構成する主な材料である酸化シリコンよりも屈折率の高い窒化シリコンを開口内に形成する。具体的には、高密度プラズマCVD法(High Density Plasma−CVD法、以下、HDP−CVD法)によって、窒化シリコンを全面に堆積し、開口323に窒化シリコンを埋め込む。HDP−CVD法は、後述する図13に示す高密度プラズマCVD装置によって行われる。例えば、開口323の以外の複数の層間絶縁膜3191の上などの不要な部分に形成された窒化シリコンを、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMP)あるいはプラズマエッチングによって除去する。この工程により、窒化シリコンの表面は平坦化される。これらの工程により開口323に高屈折率部材324を形成する。導波路は、複数の層間絶縁膜3191と高屈折率部材324とによって構成される。ここで、本実施形態においては、CMPを行いシリコン窒化膜の除去及び平坦化を行う。複数の層間絶縁膜3191の上部の窒化シリコンの一部を残すことにより、高屈折率部材324と複数の層間絶縁膜3191の上面に渡って延在する厚さ約100nm〜500nmの絶縁膜325を形成する。シリコン窒化膜を残すことにより、配線層へのプラズマダメージを抑制することが可能となる。そして絶縁膜325の上面には酸窒化シリコンからなる絶縁膜326を形成する。絶縁膜326はプラズマCVD法によって、約50nm〜150nmの膜厚で形成される。
【0037】
図4(b)の工程の後に、絶縁膜325及び絶縁膜326の任意の領域を除去する。本実施形態では、周辺回路領域に対応する領域に配された絶縁膜325、326をすべて除去して開口329を形成する。しかしながら、少なくともビアプラグが配される領域をエッチングによって除去していればよい。除去は、異方性のエッチング、例えばプラズマエッチングによって行われうる。この工程により絶縁膜325及び絶縁膜326は開口329を有する絶縁膜327及び絶縁膜328となる。その後、開口329を埋め、絶縁膜327及び絶縁膜328を覆うように、絶縁膜330を形成する。絶縁膜330は、例えば酸化シリコンからなり、プラズマCVD法によって形成されうる。そして、絶縁膜330と第2の配線層322の上に配置された複数の層間絶縁膜319の一部とを貫通するビアプラグ331を形成する。ビアプラグ331は例えばタングステンからなり、チタンや窒化チタンのバリアメタルを有する。
【0038】
ビアプラグ331の上部に第3の配線層333が形成され、図4(c)の構成が得られる。第3の配線層333は、例えばアルミニウムを主成分とする導電体からなり、パターニングによって形成される。ここで、第3の配線層333は、周辺回路領域の遮光膜としても機能し得る。次に、図4(d)において、絶縁膜334となる絶縁膜と絶縁膜335となる絶縁膜をこの順に形成する。ここで、絶縁膜334となる絶縁膜はプラズマCVD法によって形成される酸窒化シリコンであり、絶縁膜335となる絶縁膜はプラズマCVD法によって形成される窒化シリコンである。そして、絶縁膜335となる絶縁膜上にレンズ形状のフォトレジストを形成し、それをマスクとしてエッチングを行うことで、絶縁膜335となる絶縁膜にレンズを形成する。その後、レンズ上に絶縁膜336となる絶縁膜を形成する。入力もしくは出力パッドに対応する領域において、3層の絶縁膜を除去することで、図5(a)の構成が得られる。ここで、絶縁膜335は層内レンズ337を有するレンズ層であり、絶縁膜334と絶縁膜336とは絶縁膜335の反射防止として機能しうる。
【0039】
図5(a)の工程の後に、樹脂からなる平坦化層338と、複数の色に対応したカラーフィルタを含むカラーフィルタ層339と、マイクロレンズ341を含むマイクロレンズ層340とをこの順に形成し、図5(b)の構成が得られる。
【0040】
以上のように図3〜図5のフローによって、固体撮像装置を形成することが可能である。なお、図3〜図5において、半導体基板301は主面側の一部を示したものである。
【0041】
以上のような固体撮像装置の製造方法において、本実施例では、図4(b)に示した高屈折率の部材324を形成する工程に特徴を有する。以下、本工程について、図6及び図13を用いて、詳細に説明を行う。
【0042】
本実施例においては、高屈折率部材324を2段階の工程によって形成する。図6(a)は図4(b)に対応する固体撮像装置の断面模式図であり、図6(b)は図6(a)の一部を拡大した断面模式図である。図6において図4(b)と共通の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。まず、図6に示すように、図4(b)の高屈折率部材324と絶縁膜325に図6の高屈折率部材324aと絶縁膜325aがそれぞれ対応する、高屈折率部材324aと絶縁膜325aは、それぞれ2つの部材からなる。図6において、第1部材601及び絶縁膜602は、図4(a)の開口323の側壁に沿って形成され、複数の層間絶縁膜3191の上を覆っている。そして、第2部材603及び絶縁膜604は、第1部材601と絶縁膜602の上を覆っている。高屈折率部材324aは第1部材601と第2部材603とを含む。図4(a)の絶縁膜325に対応する絶縁膜325aは、絶縁膜602と絶縁膜604とを含む。以下、図6(b)を用いて高屈折率部材324aの製造方法について詳述する。
【0043】
まず、図13を用いて、高屈折率部材324aを形成する高密度プラズマCVD装置について説明する。高密度プラズマCVDとは、高周波電界や磁界等を用いてガスを高密度にプラズマ化し、膜を堆積させるCVD装置である。図13は、高周波電界を用いた高密度プラズマCVD装置1500の概略図である。高密度プラズマCVD装置1500は、チャンバー1506と、温度調整機構の付いたステージ1503と、上部電極に接続する高周波電源1501と、ステージ(下部電極)に接続する高周波電源1502とを有する。ステージ1503の上には半導体のウエハ1504が配置される。上部の高周波電源1501と下部の高周波電源1502はそれぞれ個別の高周波パワーが設定可能である。成膜時には、所望のガスを供給口1505から導入し、反応させる。高密度プラズマCVD法では、スパッタリング効果と成膜効果を調整しながら行う。上下の高周波電源の高周波パワー、ガス、ウエハ温度等を調整することによってスパッタリング効果と成膜効果との割合が調整される。
【0044】
本実施例の高屈折率部材の形成方法は、第1部材を形成する第1工程と、第2部材を形成する第2工程とを有する。前記第2の工程は、前記第1の工程と比較して、成膜効果に対するスパッタ効果の割合が高い条件で行う。ここで成膜効果とはCVD法により所望の膜種が成長している状態を示し、スパッタ効果とはプラズマもしくは成膜種がした字幕に衝突することでスパッタリングする状態をいう。
【0045】
このような条件で形成される第1部材は、第2部材よりも図4(a)の開口323の側壁、底部、層間絶縁膜3191との密着性が高い。第1部材の剥がれを低減し、高屈折率部材を形成することが可能となる。また、第2部材に生じる応力を小さくできるため、ウエハの変形を抑制することが可能となる。なお、高密度プラズマCVD法において成膜効果が高い条件で成膜される部材は、密度が高く、下地膜との密着性が高い。すなわち第1の工程で下地膜との密着性の高い膜を形成し、第2の工程で開口に対する埋め込みが容易な条件で高屈折部材を形成する。なお、下地膜との密着性の高い膜は応力が大きくなる傾向が強く、このような膜で開口を埋め込もうとすると膜厚が厚くなる。これに伴ってウエハの変形も生じやすくなる。よって、本実施例の製造方法によって、剥がれを低減しつつ、ウエハの変形を抑制することが可能となる。
【0046】
第1工程では、シリコン含有ガスと、窒素と、窒素含有ガスと、不活性ガスとを含む混合ガスが供給され、高周波電源1501から高周波電界が印加される。第2工程では、シリコン含有ガスと、窒素と、窒素含有ガスと、不活性ガスとを含む混合ガスが供給され、高周波電源1501及び高周波電源1502から高周波電界が印加される。
【0047】
ここで、シリコン含有ガスとは、シラン、TEOS、トリメチルシラン、テトラメチルシラン等であり、窒素含有ガスとはアンモニア等であり、不活性ガスとはアルゴン、ヘリウム等である。本実施例においては、第1の工程及び第2の工程における混合ガスは、シランと、窒素と、アンモニアと、アルゴンとを含む。
【0048】
また、高周波電源1501は、800kHzの高周波と、1000〜7000Wの高周波パワーを供給する。高周波電源1502は、13.56MHzの高周波と、0〜5000Wの高周波パワーを供給する。本実施例では、第1の工程の高周波電源1501の高周波パワーは5000Wであり、高周波電源1502の高周波パワーは0Wである。第2の工程の高周波電源1501の高周波パワーは5000Wであり、高周波電源1502の高周波パワーは3000Wである。第1の工程は、半導体のウエハ1504、すなわち半導体基板の表面側の電極にのみ高周波電界が印加されている。つまり、第1の工程は、第2の工程に比べて、半導体基板の裏面側の電極に印加される高周波パワーに対する半導体基板の表面側の電極に印加される高周波パワーの比率が高い。
【0049】
つまり、第2の工程は、第1の工程と比較して、成膜効果に対するスパッタ効果の割合がより高い条件で実施される。これは例えば、第1の工程の場合に比べて、第2の工程の半導体基板の表面側の電極に印加される高周波パワーに対する半導体基板の裏面側の電極に印加される高周波パワーの割合を高めた条件である。つまり、第1の工程における割合よりも第2の工程における割合が高い。また、不活性ガスの割合を高くすることで実現できる。ここで、不活性ガスの割合を過剰に大きくすると、スパッタリング効果が過剰に高まるために、図4(a)の開口323の側面の絶縁膜、つまり下地膜を除去してしまう可能性がある。そこで、例えば第2の工程におけるシランに対するアルゴンの比率を1.0以上6.0以下の範囲としておくことが好ましい。
【0050】
以上のような条件で、図4(a)の開口323の上に、第1部材601を形成する第1工程の後に、第2部材603を形成する第2工程を行い、高屈折率部材324aを形成する。ここで、第1の部材は、10nm以上50nm以下の膜厚で形成されることが望ましい。第1の部材の膜厚が10nm未満の場合には十分な密着性が得られず、50nmよりも厚い場合には、部材の応力によりウエハの変形が生じてしまうためである。
【0051】
以上述べてきたように、本実施例の製造方法によって、下地膜からの剥がれが抑制された高屈折率部材324aを形成することが可能となる。また、高屈折率部材の応力を低減することが可能となり、ウエハの変形を低減することが可能となる。
【0052】
なお、第1の工程と第2の工程の間に、更に、第3の部材を形成する第3の工程を有していてもよい。第3の工程では、成膜効果に対するスパッタ効果の割合、例えば基板の表面側の電極に印加される高周波パワーに対する基板の裏面側の電極に印加される高周波パワーの割合が第1の工程と第2の工程との間の条件で行う。このように、第1の工程と第2の工程との間に中間の条件の工程を行い、連続的に高屈折率部材を形成してもよい。なお、説明において、簡単のため第1の部材、第2の部材等を用いて説明したが、出来上がりの構造として一体の部材になっていてもよい。また、図4(a)の開口323のテーパー角度は本実施例の角度に限定されない。
【実施例2】
【0053】
本実施例においては、実施例1とは高屈折率部材324を1工程で形成する点で相違し、他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。図7(a)は、図6(b)と対応し、図4(b)に対応する固体撮像装置の断面模式図の一部を拡大したものである。図7(a)に示すように、高屈折率部材324bは、1つの部材701からなる。本実施例において、部材701は、図7(b)のスペクトル702に示すような性質を有する材料からなる。このような材料を有することで、図4(a)の開口323を高屈折率材料で埋め込む際に、ボイドの発生を抑制することが可能となる。以下、図7(b)について詳述する。
【0054】
図7(b)はフーリエ変換赤外分光法(以下、FT−IR法)による分析結果を示すグラフである。横軸が波数であり、縦軸が吸光度であり、グラフ中のピーク704はN−H結合、ピーク705はSi−H結合、ピーク706はSi−N結合の存在を示す。ここで、部材701の分析結果はスペクトル702で示されている。スペクトル703は図4(a)の開口323を埋め込む際にボイドが形成されてしまった比較部材の分析結果を示す。プラズマCVD法によって形成される窒化シリコンは、SiとHとNを含む。スペクトル702はN−H結合を示すピーク704を有し、N−H結合が多く含まれていることがわかる。スペクトル703ではN−H結合よりもSi−H結合が多い。ここで、ボイドの発生を抑制することが可能な膜質として、Si−H結合とN−H結合の比が、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たすことが望ましい。
【0055】
なお、部材701は実施例1の第2の工程の条件の高密度プラズマCVD法によって形成される。ここで、N−H結合を増大させるには、一般の高密度プラズマCVD法で知られるN−H結合の多い膜が得られる条件を設定すればよい。例えば、実施例1の第2の工程のような成膜効果に対するスパッタ効果の割合が高い条件である。また、実施例1に記載の混合ガスのうち、窒素の割合を増大させればよい。例えば、シリコン含有ガスの1.2〜2.0倍、窒素含有ガスの2.0〜4.0倍、不活性ガスの2.0〜4.0倍であるN−H結合は上記範囲にあることにより、高屈折率の部材をボイドなく埋め込むことが可能である。また、内部応力を適切な範囲内に制御することが可能でとなり、ウエハの変形を抑制することが可能となる。したがって、図5(b)に示すような、高屈折率部材324の上部に絶縁膜327が配置される構成に好適である。
【0056】
なお、クラッドとなる絶縁膜との密着性を向上させるため、実施例1のように高屈折率部材324を2つの工程によって形成してもよい。
【実施例3】
【0057】
本実施例においては、実施例1と高屈折率部材324を1工程で形成する点で相違し、他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。図8(a)は、図6(b)と対応し、図4(b)に対応する固体撮像装置の断面模式図の一部を拡大したものである。図8(a)に示すように、高屈折率部材324cは、1つの部材803からなる。図8(a)において、高屈折率部材324cが形成される領域である図4(a)の開口323は、底面801、図4(a)の開口323の周りの領域における複数の層間絶縁膜3191の上面を含む面からなる上面802と、側面805とからなる。ここで、底面801に垂直な方向を方向804とし、底面801に水平な方向を806とする。なお、底面801は基板の主面302に対して平行である。
【0058】
ここで、本実施例においては、高密度プラズマCVD法によって部材803となる膜を成膜して開口323を埋め込む際に、部材803となる膜の成膜速度が、以下の関係を満たすような条件で行われる。それは、側面805からの方向806への成膜速度に対して底面801からの方向804への成膜速度が1.5倍以上10倍以下となるような条件である。例えば、実施例1の第2の工程のような条件で行う。このような条件によって、図8(b)の部材807のように凸部809を有することがない。図8(b)はボイドが形成される条件での埋め込みの過程を示した図である。凸部809が存在することによって、開口の上部が埋まり、ボイドが形成されてしまう。しかし、本実施例の製造方法によれば、ボイドの発生が抑制された導波路を形成可能である。
【実施例4】
【0059】
本実施例においては、実施例1と高屈折率部材324と絶縁膜325を3つの工程(部材)で形成する点で相違し、他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。図9(a)は、図6(a)と対応する固体撮像装置の断面模式図であり、図9(b)は図6(b)と対応する固体撮像装置の断面模式図の一部を拡大したものである。図9(a)に示すように、高屈折率部材324d及び絶縁膜325bは、3つの部材からなる。高屈折率部材324dは第1の部材601と第2の部材602と第3の部材901を含み、絶縁膜325dは絶縁膜602、絶縁膜903、絶縁膜902からなる。ここで、絶縁膜903は、図6における絶縁膜604の一部が除去されたものである。
【0060】
図9(a)の製造方法は、実施例1に記載の第1の工程と、第2の工程とを行った後、第2の工程で形成された図6の絶縁膜604の一部を除去するエッチングする工程を行う。ここで、図6の絶縁膜604は絶縁膜903となる。そして、第2の工程と同じ条件で、第3の部材901及び絶縁膜902を形成する第3の工程を行う。このような間にエッチング工程を行うことで、高屈折率部材324d及び絶縁膜325dを形成した後の平坦化が容易となる。また、図6の絶縁膜604の一部を除去することで、応力を低減することが可能となり、クラックや高屈折率部材の剥がれの発生を低減することが可能となる。なお、3つの部材は一体となってしてもよい。
【実施例5】
【0061】
本実施例においては、図4(a)の開口323の形状について、図10を用いて説明する。図10は図5(b)に対応する構成を拡大したものであり、共通の構成については同一の符号を付し説明を省略する。他の構成及び製造方法については、実施例1に準ずる。
【0062】
図4(a)の開口323、すなわち導波路の高屈折率部材324eの形状は、底面1001と、上面1003と、それらを結ぶ側面1002とで形成される。ここで、底面1001と上面1003は、受光面を含む主面302と平行である。ここで、底面1001のもっとも広い幅L1と、上面1003のもっとも広い幅L2と、上面1003と底面1001とを結ぶ線分を高さHとし、側面1002と底面1001を含む面との傾き、すなわち角度αとする。高さHは主面302に垂直である。ここで、高屈折率部材324eの形状は、L1<L2であり、H/L2≦2、72.8°<α<90°を満たす。このような関係によって、高屈折率部材324eをボイドなく形成することが可能となる。この関係について、図11を用いて説明する。
【0063】
図11(a)は縦軸にL1、横軸にL2をとった時のボイドの発生の有無を示したグラフであり、図11(b)は縦軸にH、横軸にL2をとった時のボイドの発生の有無を示したグラフである。各値は、任意の値に対する比率をとっている。なお、実施例1の高屈折率部材の構成を有する場合について測定している。このような図11(a)及び図11(b)から境界を見出した。図11(a)の境界線1101はL1=L2を示している。また、図11(b)の境界線1102はH/L2=2を示している。それぞれにおいて、L1<L2、及びH/L2≦2である領域において、ボイドのない高屈折率部材324eを形成することが可能である。
【0064】
また、本実施例の構成を実施例1〜4に適宜組み合わせることは可能である。例えば、実施例4の構成に適用したものを、図12に示す。図12では、図10に示したテーパー角αを有し、図9に示した第1〜第3の部材と絶縁膜とを有する。このような構成によって、よりボイドの発生を低減することが可能となる。
【実施例6】
【0065】
本実施例においては、実施例1と高屈折率部材324の第2部材603(図6(b)参照)を形成する方法(第2の工程)が相違し、本実施例の他の構成及び製造方法については実施例1に準ずる。
【0066】
ここで、図15を用いて窒素の流量と形成される高屈折率の部材の応力の関係を説明する。図15は横軸に高屈折率部材を形成する際のCVD装置のチャンバー内における窒素の流量(sccm)を示しており、縦軸に高屈折率部材の応力を示している。高屈折率部材の応力は、平坦な基板に一様に高屈折率部材を形成し、応力測定装置で測定した際の応力である。ここで、埋め込みが可能なある窒素の流量に設定した場合の基準の高屈折率の部材の応力を1として規格化している。図15から、窒素の流量が少なくなるにつれ、実施例1に記載の第2の工程における高屈折率部材の応力が低減していることが分かる。なお、窒素が減った分はヘリウムの量を増加させている。
【0067】
また、表1は、チャンバー内の圧力(mTorr)に対して、開口へ高屈折率部材が埋め込むことが出来た場合を○とし、埋め込むことが出来なかった場合を×として示したものである。
【0068】
【表1】
【0069】
ここで、表1から、チャンバー内の圧力は3mTorr以上10mTorr以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは、6mTorr以上9mTorr以下である。
【0070】
図15及び表1より、窒素のみでなくヘリウムを添加することで応力の低い膜で埋め込みが可能となる。また、チャンバー内の圧力を3mTorr以上10mTorr以下にすることで、埋め込みが容易となる。更には、窒素を減らしヘリウムを増加させ、チャンバー内の圧力を3mTorr以上10mTorr以下とすることで、より低い応力の窒化シリコン膜での埋め込みが可能となる。
【実施例7】
【0071】
本実施例は、実施例1と高屈折率部材324の第1部材601(図6(b)参照)を形成する方法(第1の工程)が相違し、他の構成及び製造方法については実施例1に準ずる。本実施例は高屈折率部材324を形成する第1の工程で平行平板プラズマCVD法によって窒化シリコン膜を形成し、第1部材を形成する。本実施例の第1の工程では、シリコン含有ガス、窒素、窒素含有ガスを供給し、窒化シリコン膜を形成する。この窒化シリコン膜は実施例1同様に10nm以上の膜厚で形成されることが望ましい。10nm未満の膜厚の場合には十分な密着性が得られず、その後の工程において高屈折率部材の剥れが生じうる。第2の工程は、実施例1同様に埋め込みが可能な高密度プラズマCVD法により形成する。本実施例の方法である平行平板プラズマCVD法で形成された第1の工程の窒化シリコン膜は、実施例1の方法である高密度プラズマCVD法で形成された第1の工程の窒化シリコン膜に比べて膜の応力が低い。よって、高屈折率部材324の内部応力を低減することが可能となる。そのため、高屈折率部材の剥れの発生を低減することが可能となる。
【0072】
<撮像システム>
図14を用いて撮像システムの構成を説明する。図14は固体撮像装置及び撮像システムのブロック図である。撮像システム1600は、固体撮像装置1601と、固体撮像装置1601から出力された電気信号が入力され、当該電気信号を処理する信号処理装置1602とを備える。具体的には、電気信号が固体撮像装置1601のOUT1、2から出力され、信号処理装置1602のINに入力される。信号処理装置1602のOUT3からは、電気信号を処理した結果に応じて、画像信号や駆動信号、制御信号が出力される。電気信号としては、電流信号であってもよいし電圧信号でもよく、また、アナログ信号であってもよいしデジタル信号であってもよい。固体撮像装置1601は、イメージセンサー、焦点検出用のセンサー、光量検出用のセンサーなどに用いることが可能である。そして、信号処理装置1602は入力された電気信号を処理し、画像信号、レンズ駆動のための駆動信号、露光時間を調整するための制御信号にして出力する。このような撮像システムを有することで、好適な画像信号、あるいは制御に利用可能な制御信号が得られる。
【0073】
以上説明してきたように、各実施例によれば、密着性の向上、ウエハの変形の抑制、ボイドの低減の少なくとも一つを解決することが可能となる。また、各実施例は、適宜変更可能であり、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0074】
202 電荷蓄積領域
206 ゲート電極
324a 高屈折率部材
601 第1の部材
603 第2の部材
3191 複数の絶縁膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、
高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程及び第2の工程を有し、
前記第2の工程は、前記第1の工程の後に、前記高密度プラズマCVD法の前記基板の表面側の高周波パワーに対する前記基板の裏面側の高周波パワーの比率が前記第1の工程に比べて高い条件で、前記コアとなる部材を形成することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項2】
前記コアとなる部材は窒化シリコンからなり、
前記第1の工程及び前記第2の工程において、シリコン含有ガスと、窒素と、窒素含有ガスと、不活性ガスとを含む混合ガスが供給されることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程で形成される部材の膜厚は10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項4】
前記コアとなる部材を形成する工程は、
前記第1の工程と前記第2の工程との間に、前記基板の表面側の高周波パワーに対する前記高密度プラズマCVD法の前記基板の裏面側の高周波パワーの割合が、前記第1の工程の値と前記第2の工程の値の間である条件で、前記開口内に前記コアとなる部材を形成する第3の工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2の工程の後に、前記第2の部材の一部を除去するエッチング工程を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の工程で形成される部材は、Si−H結合とN−H結合を有する窒化シリコンからなり、
前記窒化シリコンのSi−H結合とN−H結合は、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2の工程において、前記開口の側面から前記基板の主面に平行な方向への成膜速度に対して、前記開口の底面から前記基板の主面に垂直な方向への成膜速度は1.5倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項8】
前記開口は、幅L1の底面と、前記底面からの高さHの幅L2の上面と、前記基板の主面から角度αの傾きを有する側面とを有し、L1<L2、H/L2<2、且つ72.8°<α<90°を満たすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2の工程において、
不活性ガスとして少なくともヘリウムを含み、
前記コアとなる部材を形成する装置のチャンバーにおける圧力が3mTorr以上10mTorr以下であることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の工程を平行平板プラズマCVD法により行い、前記第2の工程を高密度プラズマCVD法による行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、
前記コアは、Si−H結合とN−H結合を有する窒化シリコンからなり、
前記窒化シリコンのSi−H結合とN−H結合は、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たす固体撮像装置。
【請求項12】
前記コアとなる窒化シリコンが前記クラッドの上部にまで延在していることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、
高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口に前記コアを埋め込む工程を有し、
前記高密度プラズマCVD法において、前記開口の側面から前記基板の主面に平行な方向への成膜速度に対して、前記開口の底面から前記基板の主面に垂直な方向への成膜速度は1.5倍以上10倍以下である固体撮像装置の製造方法。
【請求項14】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、
前記コアは、幅L1の底面と、前記底面からの高さHの幅L2の上面と、前記基板の主面から角度αの傾きを有する側面とを有し、L1<L2、H/L2≦2、且つ72.8°<α<90°を満たすことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項15】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、
高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程と第2の工程を有し、
前記第2の工程は、前記第1の工程に比べて成膜効果に対するスパッタ効果の割合が大きな条件で、前記コアとなる部材を形成することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項1】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、
高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程及び第2の工程を有し、
前記第2の工程は、前記第1の工程の後に、前記高密度プラズマCVD法の前記基板の表面側の高周波パワーに対する前記基板の裏面側の高周波パワーの比率が前記第1の工程に比べて高い条件で、前記コアとなる部材を形成することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項2】
前記コアとなる部材は窒化シリコンからなり、
前記第1の工程及び前記第2の工程において、シリコン含有ガスと、窒素と、窒素含有ガスと、不活性ガスとを含む混合ガスが供給されることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程で形成される部材の膜厚は10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項4】
前記コアとなる部材を形成する工程は、
前記第1の工程と前記第2の工程との間に、前記基板の表面側の高周波パワーに対する前記高密度プラズマCVD法の前記基板の裏面側の高周波パワーの割合が、前記第1の工程の値と前記第2の工程の値の間である条件で、前記開口内に前記コアとなる部材を形成する第3の工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2の工程の後に、前記第2の部材の一部を除去するエッチング工程を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の工程で形成される部材は、Si−H結合とN−H結合を有する窒化シリコンからなり、
前記窒化シリコンのSi−H結合とN−H結合は、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2の工程において、前記開口の側面から前記基板の主面に平行な方向への成膜速度に対して、前記開口の底面から前記基板の主面に垂直な方向への成膜速度は1.5倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項8】
前記開口は、幅L1の底面と、前記底面からの高さHの幅L2の上面と、前記基板の主面から角度αの傾きを有する側面とを有し、L1<L2、H/L2<2、且つ72.8°<α<90°を満たすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2の工程において、
不活性ガスとして少なくともヘリウムを含み、
前記コアとなる部材を形成する装置のチャンバーにおける圧力が3mTorr以上10mTorr以下であることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の工程を平行平板プラズマCVD法により行い、前記第2の工程を高密度プラズマCVD法による行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、
前記コアは、Si−H結合とN−H結合を有する窒化シリコンからなり、
前記窒化シリコンのSi−H結合とN−H結合は、1.0≦N−H結合/Si−H結合≦10を満たす固体撮像装置。
【請求項12】
前記コアとなる窒化シリコンが前記クラッドの上部にまで延在していることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、
高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口に前記コアを埋め込む工程を有し、
前記高密度プラズマCVD法において、前記開口の側面から前記基板の主面に平行な方向への成膜速度に対して、前記開口の底面から前記基板の主面に垂直な方向への成膜速度は1.5倍以上10倍以下である固体撮像装置の製造方法。
【請求項14】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置において、
前記コアは、幅L1の底面と、前記底面からの高さHの幅L2の上面と、前記基板の主面から角度αの傾きを有する側面とを有し、L1<L2、H/L2≦2、且つ72.8°<α<90°を満たすことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項15】
光電変換部を有する基板と、
前記基板の上部に配され、前記光電変換部に対応したコアと、クラッドとからなる導波路と、を有する固体撮像装置の製造方法において、
高密度プラズマCVD法によって、前記クラッドの開口内に前記コアとなる部材を形成する第1の工程と第2の工程を有し、
前記第2の工程は、前記第1の工程に比べて成膜効果に対するスパッタ効果の割合が大きな条件で、前記コアとなる部材を形成することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−182431(P2012−182431A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223302(P2011−223302)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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