説明

圧粉成形体

【課題】
成形金型を破損せずに、高密度に成形可能な圧粉成形体とそれを成形する金型。
【解決手段】
本発明の第1の観点では、筒状構造若しくはドーナツ状構造の内周側に、上側に凸の突起構造が周方向に1個、若しくは複数有している圧粉成形体であって、筒状構造の内周面と上面との連結部の曲率半径をRとするとR>他の連結部の曲率半径であることを特徴とする圧粉成形体構造を提供する。本発明の第2の観点では、筒状構造若しくはドーナツ状構造の外周側に、上側に凸の突起構造が周方向に1個、若しくは複数有している圧粉成形体であって、筒状構造の外周面と上面との連結部の曲率半径をRとするとR>他の連結部の曲率半径であることを特徴とする圧粉成形体構造を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーナツ状又は筒状構造の内周側若しくは外周側に突起構造を有する高密度の成形体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な三次元構造を有する圧粉成形体は、圧粉磁心材を用いたモータコアなどで使用される。例えば、モータコアでは、リング構造の内周部に、周方向に離散的に突起構造を有する三次元成形体を使用する。この成形体の密度が大きいほど、モータ出力の向上,モータトルクの向上に寄与する。特開2007−124884号公報(特許文献1)には、磁性粉の圧縮により固定子鉄心を形成した回転電機について開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−124884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図4は、クローポール型モータの固定子として用いる圧粉成形体の例を示す図である。このような固定子は、金型を用いた圧粉成形装置により作成される。図2には、本実施の形態の圧粉成形体を成形するための圧粉成形装置構造の概略を示す。図5は図4に対応する従来の金型(下パンチ)の構造を示す。図2に示すように、下パンチは、上パンチにより圧縮された成形体(粉体)からの力を受ける。
【0005】
従来の圧粉成形体構造ではとくに、下パンチの3つのコーナー503,504,505が重なり合う3重点付近に過大な応力集中(引張)がおこる。通常、このような状況では、下パンチの3つのコーナー503,504,505が重なり合う3重点付近に亀裂が生じ、金型が破損する可能性がある。この状況は材料の真密度が高いほど寿命が短くなる。図5を用いこの理由を説明する。図5において、下パンチは面506と面507,508,509に圧力を受ける。面506にはプレス機により印加した圧力が、面507,508,509には粉体が押しつぶされることによる側圧が加わる。従来構造では、これによりコーナー部503,504に強い引張応力が発生する。3重点でこの引張応力が最大となり亀裂が生じる。
【0006】
従って、本願発明の課題は、上記のような金型の消耗を低減し、金型への負担の少ない圧粉成形体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、金型への負担の少ない圧粉成形体の構造を検討した。上記課題を解決する本願発明の特徴は、環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部に固定され、軸方向に突出させて設けられた一または複数の爪部とを有する圧粉成形体であって、前記継鉄部の軸方向端面と前記継鉄部の内周面とで形成される第一の境界部、及び、前記継鉄部の軸方向端面と前記爪部の内周側または外周側の面で形成される第二の境界部に曲面が形成されており、前記第一の境界部に設けられた曲面の曲率半径は、前記第二の境界部に設けられた曲面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする圧粉成形体にある。
【0008】
また、本発明は、開口を有する環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部の内周側に設けられ、軸方向に突出した爪部と、を有する圧粉磁心であって、継鉄部の内周面と、継鉄部の軸方向端面との形成する角の曲率半径を、継鉄部の軸方向端面と爪部の外周面との形成する角の曲率半径よりも大きくすることにある。
【0009】
また、本発明は、環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部に固定され、軸方向に突出させて設けられた一または複数の爪部とを有する圧粉磁心であって、前記継鉄部の軸方向端面と前記継鉄部の内周面とで形成される第一の境界部に曲面が形成されており、前記第一の境界部に設けられた曲面の曲率半径は、前記継鉄部の環または筒形状の厚みの50%以上とすることにある。
【発明の効果】
【0010】
上記のような構造の圧粉成形体とすることで、圧粉成形を行う際の金型への応力集中を低減することができる。その結果、高密度(真密度の94%以上)に成形する場合に、成形用の金型を破損させにくくすることができる。また、成形体の高密度化が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、さらに発明の詳細を説明する。
【0012】
プレス機による圧粉成形を活用し、複雑な3次元構造の成形体を成形することが可能である。モータは、固定子(ステーター),回転子(ローター)から構成され、これらを圧粉成形により製造することができる。複雑な3次元成形体としては、リング構造の継鉄部の内周部に、周方向に離散的に突起構造よりなる爪部を設けた3次元成形体があり、圧粉磁心材を使ったモータコアで使われる。
【0013】
モータでは、圧粉成形体の密度が大きいほど、モータ出力や、モータトルクを大きくすることができる。成形体密度はプレス圧力が大きいほど大きい。成形体が圧粉鉄心の場合、真密度の94%未満下で、密度は圧力とともに増加する。しかし、94%以上で、増加傾向が小さくなり、密度が飽和する傾向にある。このため、真密度94%以上とするのは、大きなプレス圧力が必要である。
【0014】
圧粉成形によって筒状の成形体を製造する場合、該成形体の内周形状を形作るコア金型、成形体に上下から押圧力を加える上下パンチ、成形体の外周形状を形作るダイが用いられる。大きなプレス圧力を用いて圧粉成形し、成形体形状を成形する際には、成形体に凹凸を設けると、突起構造の付け根に相当する金型のコーナー部に応力が集中する。このコーナー部に、金型材の破壊強度以上の応力が加わると、コーナー部の引っ張り応力により亀裂が生じ、比較的早期に、金型が破損する場合がある。このため、高いプレス圧力での高密度成形を実現するためには、金型の応力集中を抑制するための成形体構造を設計する必要がある。
【0015】
そこで、圧粉成形に係り、ドーナツ状又は筒状構造の継鉄部の内周側若しくは外周側に突起構造を有する成形体を、成形用金型を破損せずに高密度に成形するための圧粉成形体構造を検討し、成形体のコーナー部の曲率半径を所定値以上に拡大し、応力集中を抑制した。具体的には、筒状構造若しくはドーナツ状構造の内周側に、上側に凸の突起構造が周方向に1個、若しくは複数有している圧粉成形体であって、異なる面間の境界面の曲率半径をRとするとき、内周面と上面における境界面の曲率半径Rが最大であることを特徴とする圧粉成形体構造とした。
【0016】
ただし、突起構造の付け根部分は3方向のコーナーが交差する複雑な形状となっている。各コーナーの曲率半径を同一比率で拡大すると、モータコアの特性低下につながる場合がある。たとえば、リング構造の上面(突起構造の凸方向)と突起構造の外周側側面との連結部の曲率半径を増大すると、コイルの巻ける断面積が減少する。これに伴い、モータの出力トルクが低下する。従って、最も重要となるコーナー部の曲率半径を見出し、他のコーナー部の曲率半径との相対的関係を規定することで、効率的に応力集中を抑制できる圧粉成形体構造を見出した。
【0017】
具体的には、ドーナツ状又は円筒状構造の継鉄部の内周側に、突起構造を周方向に有する圧粉成形体であり、筒状構造の内周面と上面との連結部の曲率半径をRとするとR>他の連結部の曲率半径R′であることを特徴とする。本発明の第2の観点では、ドーナツ状又は円筒状構造の継鉄部の外周側に、突起構造を周方向に有する圧粉成形体であり、筒状構造の内周面と上面との連結部の曲率半径をRとするとR>他の連結部の曲率半径R′であることを特徴とする。このような構造とすることにより、成形用金型のコーナー部への応力集中を効率的に抑制することができる。
【0018】
図2には、圧粉成形体を成形するための圧粉成形装置構造例の概略を示す。図2の左側は圧粉成形体の突起構造部での装置断面を、右側は突起構造がない部分での装置断面を示す。金型は圧粉成形体の最内周部を成形するためのコアロッド201と、コアロッド201の外周部の下パンチ202,最外周のダイ203、さらに上パンチ204から形成される。
【0019】
ダイ203とコアロッド201,下パンチ202,上パンチ204の間に圧粉材205を流し込み、上パンチ204に圧力を加えて成形体を成形する。ここで、上記成形体の連結部103を成形する下パンチの概略図を図3(a)に示す。図3(b)には、下パンチの一部を拡大して示す。下パンチは、筒状構造301の内周側に段差構造302を有する。下パンチにおいて成形体の連結部103に対応する位置が303となる。金型は成形体形状に基づいた形状とし、303は成形体のRに対応した曲率半径となる。また、金型には成形体の密度を材料の真密度の94%以上とする様、圧力を加えている。
【0020】
通常、このような状況では、下パンチの3つのコーナー(303,304,305)が重なり合う3重点付近に応力がかかり、また、材料の真密度が高いほど応力は大きい。
【0021】
突起構造部は、環の内周部に設けるほか、上・下部に設ける、外周部に設けることが可能である。
【実施例1】
【0022】
本発明の第1の実施例を、図1〜図5を用いて説明する。
【0023】
図1(a)は圧粉成形体の構成図を示した斜視図である。図1(b)には、図1(a)における突起構造部を拡大して示す。本実施の形態の圧粉成形体は、筒状構造101の内周側に、上側に凸の突起構造102を周方向に3個有しており、筒状構造101の内周面と筒状構造101の上面との連結部103の曲率半径をRとするとR>他の連結部の曲率半径となっている。
【0024】
本実施の形態では、図1(b)に示すようにコーナー103の曲率半径を増大することのみで応力集中の抑制が可能となる。本実施の形態では、応力集中の主因となるコーナー103の曲率半径を他の曲率半径より大きく設定しているため効率的に応力集中を抑制できる。
【実施例2】
【0025】
本発明の第2の実施例を、図6〜図9を用いて説明する。
【0026】
図6(a)は圧粉成形体の形状を示す斜視図である。図6(b)には、図6(a)における突起構造部分を拡大して示す。
【0027】
本実施の形態の圧粉成形体は、筒状構造601の内周側に、上側に凸の突起構造602を周方向に12個有しており、筒状構造601の内周面と筒状構造601の上面との連結部603の曲率半径をRとするとR>他の連結部の曲率半径となっている。
【0028】
図7には、本実施の形態の圧粉成形体を成形するための圧粉成形装置構造の概略を示す。図7の左側は圧粉成形体の突起構造部での装置断面を、右側は突起構造がない部分での装置断面を示す。金型は圧粉成形体の最内周部を成形するためのコアロッド701と、コアロッド701の外周部の下第二パンチ703,下第一パンチさらに最外周のダイ704,上パンチ705から形成される。ダイ704とコアロッド701,下第一パンチ702,下第二パンチ703,上パンチ705の間に圧粉材706を流し込み、上パンチ1004に圧力を加えて成形体を成形する。ここで、上記成形体の連結部903を成形する下第二パンチの一部を拡大して図8に示す。下第二パンチは、筒状構造801の内周側に突起構造802を有する。下第二パンチにおいて成形体の連結部603に対応する位置が803となる。金型は成形体形状に基づいた形状とし、803は成形体のRに対応した曲率半径となる。
【0029】
ここでは鉄の圧粉磁心を利用し、成形体の密度が7.45g/cm3、あるいは7.55g/cm3,7.65g/cm3以上となる様、圧力を加えている。通常、このような状況では、下パンチの3つのコーナー(803,804,805)が重なり合う3重点付近に亀裂が生じ、金型が破損する可能性がある。この状況は材料の真密度が高いほど寿命が短くなる。しかし、連結部603の曲率半径を増大することで破損を抑制できる。
【0030】
図9(a)には、本実施の形態の圧粉成形体を3Dモータコアとして利用する際の一例を示す。突起構造を向い合わせ、リング状のコイルを挟み込む。このときのモータコア断面を図9(b)に示す。従来、3つのコーナーの曲率半径を同じ比率で増大すると、コイルの巻ける断面積が縮小し、モータ出力トルクが減少した。しかし、本実施の形態では、連結部603の曲率半径のみを増大するため、モータ出力トルクの減少がない。
【実施例3】
【0031】
本発明の第3の実施例について説明する。
【0032】
図10(a)は圧粉成形体の構成図を示した斜視図である。図13(b)には、図13(a)における突起構造部を拡大して示す。本実施の形態の圧粉成形体は、筒状構造1001の外周側に、上側に凸の突起構造1002を周方向に3個有しており、筒状構造1001の外周面と筒状構造1001の上面との連結部の曲率半径をRとするとR>他の連結部の曲率半径となっている。
【0033】
図11には、本実施の形態の圧粉成形体を成形するための圧粉成形装置構造の概略を示す。図11の左側は圧粉成形体の突起構造部での装置断面を、右側は突起構造がない部分での装置断面を示す。金型は圧粉成形体の最内周部を成形するためのコアロッド1101と、コアロッド1101の外周部の下第二パンチ1103,下第一パンチ1102さらに最外周のダイ1104,上パンチ1105から形成される。ダイ1104とコアロッド1101,下第一パンチ1102,下第二パンチ1103,上パンチ1105の間に圧粉材1106を流し込み、上パンチ1105に圧力を加えて成形体を成形する。ここで、上記成形体の連結部1003を成形する下第二パンチの概略図を図12(a)に示す。図12(b)には、下第二パンチの一部を拡大して示す。下第二パンチは、筒状構造1201の内周側に段差構造1202を有する。下第二パンチにおいて成形体の連結部1003に対応する位置が1203となる。金型は成形体形状に基づいた形状とし、1203は成形体のRに対応した曲率半径となる。
【0034】
ここでは鉄の圧粉磁心を利用し、成形体の密度が7.45g/cm3、あるいは7.55g/cm3,7.65g/cm3以上となる様、圧力を加えている。通常、このような状況では、下パンチの3つのコーナー(1203,1204,1205)が重なり合う3重点付近に亀裂が生じ、金型が破損する可能性がある。この状況は材料の真密度が高いほど寿命が短くなる。しかし、連結部1203の曲率半径を増大することで破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)圧粉成形体(内周に突起)構造、(b)拡大図。
【図2】圧粉成形装置構造。
【図3】(a)下パンチ構造、(b)凸部拡大図。
【図4】モータの固定子として用いる圧粉成形体例。
【図5】従来の下パンチ構造。
【図6】(a)圧粉成形体(内周に突起)構造、(b)拡大図。
【図7】圧粉成形装置構造。
【図8】下第二パンチ構造。
【図9】(a)3Dモータ構造、(b)3Dモータコア断面図。
【図10】(a)圧粉成形体(外周に突起)構造、(b)拡大図。
【図11】圧粉成形装置構造。
【図12】(a)下第二パンチ構造、(b)凸部拡大図。
【符号の説明】
【0036】
101,301,601,801,1001,1201 筒状構造
102,602,802,1002 突起構造
103,603,803,1003 連結部
201,701 コアロッド
202 下パンチ
203,704,1104 ダイ
204,705,1105 上パンチ
205,706,1106 圧粉材
302,1202 段差構造
303,1203 連結部対応位置
304,305,503,504,505,604,605,804,805,1204,1205 コーナー
506,507 面
702,1102 下第一パンチ
703,1103 下第二パンチ
901 圧粉成形体
902 コイル
1101 段付きコアロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部の内周側に設けられ、前記継鉄部の軸方向に突出した爪部と、を有する圧粉磁心であって、前記継鉄部の内周面と、前記継鉄部の軸方向端面との形成する角の曲率半径が、
前記継鉄部の軸方向端面と前記爪部の外周側の面との形成する角の曲率半径よりも大きいことを特徴とする圧粉磁心。
【請求項2】
開口を有する環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部の内周側に設けられ、軸方向に突出した爪部と、を有する圧粉磁心であって、前記継鉄部の内周面と、前記継鉄部の軸方向端面との形成する角の曲率半径は前記継鉄部の継鉄部の軸方向の厚さの50〜100%の大きさであることを特徴とする圧粉磁心。
【請求項3】
請求項1または2に記載された圧粉磁心であって、
前記圧粉磁心は圧粉成形体により構成されており、前記成形体の密度は、前記成形体を構成する物質の真密度の94%以上であることを特徴とする圧粉磁心。
【請求項4】
請求項1または2に記載された圧粉磁心であって、
前記爪部は前記継鉄部より内周側に突出する基部と、前記基部の先端に設けられ、軸方向に突出する端部とを有することを特徴とする圧粉磁心。
【請求項5】
環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部に固定され、軸方向に突出させて前記継鉄部の内周側に設けられた一または複数の爪部とを有する圧粉成形体であって、前記継鉄部の軸方向端面と前記継鉄部の内周面とで形成される第一の境界部、及び、前記継鉄部の軸方向端面と前記爪部の内周側または外周側の面で形成される第二の境界部に曲面が形成されており、前記第一の境界部に設けられた曲面の曲率半径は、前記第二の境界部に設けられた曲面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする圧粉成形体。
【請求項6】
環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部に固定され、軸方向に突出させて設けられた一または複数の爪部とを有する圧粉成形体であって、前記継鉄部の軸方向端面と前記継鉄部の内周面とで形成される第一の境界部に曲面が形成されており、前記第一の境界部に設けられた曲面の曲率半径は、前記継鉄部の環または筒形状の厚みの50%以上であることを特徴とする圧粉成形体。
【請求項7】
請求項5または6に記載された圧粉成形体であって、前記爪部は、前記継鉄部の内周面上,外周面上,軸方向端面上のいずれかに形成されていることを特徴とする圧粉成形体。
【請求項8】
請求項5または6に記載された圧粉成形体であって、
前記成形体の密度は、前記成形体を構成する物質の真密度の94%以上であることを特徴とするモータ用の固定子。
【請求項9】
環状または筒状の継鉄部と、前記継鉄部に固定され、軸方向に突出させて設けられた一または複数の爪部とを有する圧粉成形体を製造するための圧粉成形装置であって、
前記成形体の継鉄部の開口を形成するコア金型と、前記成形体に押圧力を加える上下一対のパンチと、前記成形体の外周形状を形成するダイとを有し、前記コア金型は、前記開口部に爪部を形成するための凹部を有し、前記上下一対のパンチの少なくとも一方は前記コア金型に接する内周側パンチと前記ダイに接する外周側パンチより形成されており、前記内周側パンチは、筒状部と、爪部を形成するための突起構造を有し、前記内周側パンチの筒状部の上面と前記突起部との形成する境界面の曲率半径が、前記筒状部の上面と前記筒状部の内周面とで形成する境界面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする圧粉成形装置。
【請求項10】
請求項9に記載された圧粉成形装置であって、
前記コア金型は外周側に複数かつ離散された段差構造を有し、
前記下パンチは、少なくとも二つの下パンチよりなり、前記下パンチの少なくとも一方が前記コア金型に接する内周部に段差構造を有することを特徴とする圧粉成形装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載された圧粉成形装置を用いる圧粉成形体の製造方法であって、
前記コア金型の外周部に上及び下パンチを取り付け、前記パンチの外周部にダイを取り付け、前記ダイ,コア,パンチの間に粉体を配置し、前記上パンチに圧力を加えることを特徴とする圧粉成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−11669(P2010−11669A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169776(P2008−169776)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】