説明

圧縮成形機にドロップを強制挿入する方法及び装置並びに成形金型追従式ドロップ供給方法及び装置

【目的】 連続的に圧縮成形を行うに際し、押出し供給される溶融合成樹脂塊状体(ドロップ)を、回転可動する複数の圧縮成形金型へ連続的に精確かつ迅速に挿入する。
【解決手段】 成形品を成形するためのドロップを回転可動する成形雌型に連続供給する方法及び装置であって、押出し開口部から押し出される溶融状態の合成樹脂を、保持機構に付設された切断具で切断して定量のドロップとし、ドロップを保持機構により保持搬送して強制的に成形雌型凹部に挿入供給する。そのとき、回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構を回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、合成樹脂の圧縮成形機において、成形材料であるドロップ(合成樹脂成形材料の溶融塊状物)を成形金型へ連続的に供給する方法及び装置に関し、詳しくは、回転式圧縮成形機により合成樹脂容器成形用のプリフォームなどを連続成形する際に、押出ダイヘッドから押し出された溶融状態のドロップを圧縮成形機の雌型キャビティ(雌型凹部)内に精確かつ迅速に連続供給するためのドロップ供給方法及び装置に係わるものである。
【背景技術】
プラスチック容器は、軽量性や経済性及び成形の容易性や透明性などにより、日常生活や産業界において重用されており、そのなかで特に、日常の飲料水や食品などの容器として汎用されるポリエステル樹脂容器、とりわけ、ポリエチレンテレフタレート(PET)から成形される容器は、最近においては耐熱性や耐圧性及び香味保持性などが格別に改良されて、清涼飲料水や嗜好飲料の容器として最も需要が高くなり、最近では特に、携帯用の小型容器や加熱飲料用として消費者に非常に愛用されている。
このように飲料水や食品用の容器として非常に重要である、ポリエチレンテレフタレートに代表される合成樹脂容器は、通常には、予め形成されたプリフォーム(有底円筒状成形材料;パリソン)に成形金型内にて流体を吹き込み膨張成形するブロー成形法によって効率的に製造されている。
プラスチック容器の予備成形品としてのプリフォームは、従来では主として射出成形法により多数個取りの金型にて成形され、次いでブロー成形されていたが、成形装置の低価格化や製造効率の向上あるいは低温成形への移行などのために、より優れた製造法が望まれていた。
一方、射出成形機などに対して比較的に低価格であり、また、比較的に低温にて成形しうる成形装置として圧縮成形機が古くから知られているが、連続生産できない短所への対応として、その量産性を高めて製造効率を向上させるために、多数個の成形金型を回転円盤に取り付けたロータリー型圧縮成形機(回転式可動型圧縮成形機)が開発され採用されている(例えば、日本特開昭60−245517号公報を参照)。
かかるプリフォームの成形において、さらに製造効率の向上などをなすために、圧縮成形法によるプリフォームの成形を行うに際して、押出法による回転式材料供給と回転式圧縮成形機の利用による製造法が開発され(日本特開2000−25729号公報及び日本特開2000−108127号公報を参照)、押出法による回転式材料供給と回転式圧縮成形機の採用により製造効率が飛躍的に向上して、最近では、プリフォーム製造には押出し圧縮成形による成形法が最も重要視されている。
このプリフォームの成形法を行う成形装置は、経済性や生産効率の面から非常に優れた成形装置であるが、押出ダイヘッドから押し出された溶融状態のドロップを回転移動している圧縮成形装置の雌型キャビティ内へ迅速かつ精確に装入する連続的材料供給(ドロップの挿入)が必要であり、精確でないとドロップの一部がキャビティ外にはみ出して精密なプリフォームを得ることができない。
したがって、ドロップの連続的な供給挿入をより迅速にかつ精確に行うことが、圧縮成形機によるプリフォームの連続生産装置において重要な問題となっているが、この問題の解決を目指す改良技術の開示は未だ殆どなされていず、僅かに、ドロップの落下点に案内開口を有する逆錐台形状の合成樹脂案内手段を設置する改良装置が開示されている(日本特開2000−280248号公報を参照)程度である。
前述したように、合成樹脂容器をブロー成形するためのプリフォームの成形装置において、成形装置の低価格化や製造効率の向上あるいは低温成形への移行などのために、押出法による回転式材料供給と回転式圧縮成形機の利用による製造装置を採用する際には、押出ダイヘッドから押し出された溶融状態のドロップを、回転移動している圧縮成形装置の雌型凹部内へ迅速かつ精確に連続的に供給(ドロップの挿入)することが重要であり、本発明においては、この連続供給をより精確に、かつ迅速にするための技術を開発することを、発明が解決しようとする課題とするものである。
【発明の開示】
先の特許文献に開示された、押出法による回転式材料供給と回転式圧縮成形機の利用によるプリフォームの成形装置では、基本的には、押出ダイヘッドから押し出された溶融状態のドロップを、回転移動している圧縮成形装置の雌型凹部内へ確実に挿入できるのではあるが、ドロップの最大外径と雌型凹部の内径との差が比較的小さい場合に、あるいは、ドロップの保持機構の移動速度を大きくした時などに、ドロップが雌型凹部の所要位置から変位して落下されてしまう傾向があって、前記した特許文献の逆錐台形状の合成樹脂案内手段を設置する改良提案によって、この問題は、一応は解決されている。
本発明者らは、ドロップの最大外径と雌型凹部の内径との差がより小さい場合にも、あるいは、ドロップの保持機構の移動速度をより大きくした時でも、さらには、回転式圧縮成形機の回転速度を高めるなどの成形サイクルをより高くしても、ドロップが雌型凹部の所要位置から変位して落下されてしまうことなく、ドロップの挿入をより精確に、かつ迅速に実行するために、さらなる改良技術を開発することを目指して、ドロップの形成供給やドロップの保持機構あるいはドロップの落下挿入手段や成形サイクルなどの多面から新たな改良手法を求めて、多角的な思考を重ね実験的検討などを続けた結果、ドロップの挿入をより精確に、かつ迅速に実行できる手法を見い出した。
この新規な手法においては、本発明者らは、ドロップの落下挿入手段について検討する際に、ドロップの落下を従来の自然落下によらずに落下に工夫を加える手段を検討して、ドロップを自然落下でなく強制落下させれば、落下の方向が強制的に定まり、ドロップの雌型凹部への挿入をより精確に、かつ迅速に実行できるという新たな認識を得ることができ、具体的には、ドロップの保持機構の保持を解除してドロップを落下させる時に、保持機構を急激に降下させてあるいは等速的に降下させて、加速度ないしは慣性の法則などを利用してドロップを加速的にあるいは等速付与などをして落下させる手法を採用したものであって、本発明の基本的な第一の構成要素となるものであり、この手法では、保持機構の駆動式の昇降具を付設するだけでよいので、付加設備も簡略で安価である。
本発明者らは、さらに、この新規な手法において、多数の保持機構を有する回転式可動型ドロップ供給体の回転軌跡とロータリー圧縮成形機における多数の金型を有する回転式可動型の回転軌跡とが重なる軌跡を有して、その重なる軌跡においてドロップを落下させれば、ドロップをよりいっそう精確に挿入できることをも着想し、さらにまた、本発明者らはドロップの供給をより精確にかつ迅速に簡易に行うためのさらなる改良技術の開発を求めて考察と実験を重ねる過程において、この回転軌跡を重ねて保持機構の移動を成形雌型の移動に追従させる手法の採用がドロップのよりいっそうの精確かつ迅速な挿入に非常に有効であって、今までに発想されたことのない新規な着想による、その手法によりドロップ保持機構が雌型凹部の所要位置から変位することが少なく、それと共に、一致する回転軌跡上において保持機構と雌型の位置が、例えば多少時間的に、ずれても、保持機構の移動を成形雌型の移動に追従させて回転軌跡が一致する時間内において保持機構と雌型の位置が一致する時点で、保持機構のドロップの保持の開放によるドロップの落下を行えば、ドロップの挿入がより完全に精確に実現でき、さらに、その軌跡が重なり時間的な猶予(余裕)が生じるので、この面からもドロップの挿入の精確さが補完的に確保されるのではと熟考して、今までに想像されたことの全く無い新規な創作技術としての知見を得ることができ、本願の発明を創出するに至った。
上記した、保持機構(より詳しくはドロップの保持部分)と金型の回転移動軌跡の一致を実現し、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させて(あるいは、逆に、成形金型の移動を保持機構の移動に追従させてもよい)、保持機構のドロップの保持の開放によるドロップの落下点と雌型の通過位置を一致、あるいは、ほぼ一致させる具体的な手法が、本発明の基本的な第二の構成要素となるものであって、この新しい手法により、ドロップの最大外径と雌型凹部の内径との差がより小さい場合にも、あるいは、ドロップの保持機構の移動速度をより大きくした時でも、ドロップが雌型凹部の所要位置から変位して落下されてしまうことなく、ドロップの挿入を完全に精確に、かつ迅速に簡易な手段により実現することができ、さらには、生産効率を高めるために回転式圧縮成形機の回転速度を高めるなどの成形サイクルをより高くしても、ドロップの挿入を完全ないしはほぼ完全に精確に行うことができる。
そしてより具体的には、保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめるために、保持機構回転半径又は保持機構取り付け部材の伸縮や保持機構の揺動などの補助的な移動手段を設定し、及びその移動制御手段をも設け、さらには回転式可動型の保持機構を、円軌道とは別異の異心円に沿う軌道上をも移動させ、その軌跡を規制ガイドなどで規制するなどの、種々の手法を施して、以下に列記する関連発明をも生み出した。
以上においては、本発明が創作される経緯と、本発明の基本的な構成及び特徴について、本発明を概観的に記述したので、ここで、本発明全体を俯瞰すると、本発明は次の発明単位群から構成されるものであって、[1]〜[4]の発明を基本発明とし、それ以外の発明は、基本発明を具体化ないしは実施態様化するものである。なお、[1]〜[19]の発明群全体をまとめて「本発明」という。
[1]圧縮成形機において成形材料のドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法であって、押出ダイヘッドの先端に形成された押出し開口部から押し出される溶融状態の合成樹脂を、押出ダイヘッドに対向する合成樹脂受入位置にある保持機構と切断具により保持して切断あるいは切断して保持して定量のドロップとなし、保持機構でドロップを保持搬送して、成形雌型上の排出位置にて保持したドロップを、保持を解除しながら強制的に成形雌型凹部に挿入して供給することを特徴とする、ドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法。
[2]圧縮成形機において成形材料のドロップを可動成形金型に連続供給する方法であって、回転式可動型ドロップ供給体上のドロップの保持機構を回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させ、一致又はほぼ一致した回転軌跡上にて保持機構が保持搬送したドロップの保持を解除してドロップを成形雌型の凹部に挿入供給することを特徴とする、ドロップを可動成形金型に連続供給するための成形金型追従式ドロップ供給方法。
[3]圧縮成形機において成形材料のドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する装置であって、合成樹脂成形材料を加熱可塑化により軟化溶融状態にせしめて押し出すための押出手段、押出手段に付設した押出ダイヘッドの先端に形成された押出し開口部、押出し開口部から押し出される溶融状態の合成樹脂を保持するための、押出ダイヘッドに対向する合成樹脂受入位置にある保持機構、合成樹脂を切断して定量のドロップとなすための切断具、ドロップを成形雌型上の排出位置に搬送して、保持したドロップを保持を解除しながら強制的に成形雌型凹部に挿入して供給する手段を備えたことを特徴とする、ドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する装置。
[4]圧縮成形機において成形材料のドロップを可動成形金型に連続供給する装置であって、回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構を回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させ、一致又はほぼ一致した回転軌跡上にて保持機構が保持搬送したドロップの保持を解除してドロップを成形雌型の凹部に挿入供給することを特徴とする、ドロップを可動成形金型に連続供給するための成形金型追従式ドロップ供給装置。
[5]一致又はほぼ一致した回転軌跡上にて保持機構が保持搬送したドロップの保持を解除してドロップを成形雌型の凹部に挿入供給するに際して、成形雌型上の排出位置にて保持したドロップを、保持を解除しながら強制的に成形雌型凹部に挿入して供給することを特徴とする、[2]又は[4]における成形金型追従式ドロップ供給方法又は装置。
[6]複数の保持機構を有する回転式可動型ドロップ供給体を用い、圧縮成形機が成形雌雄型からなる複数の金型を有する回転式可動型を用いるロータリー圧縮成形機であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかにおけるドロップを成形雌型凹部に挿入又は連続供給する方法ないしは装置。
[7]ドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法が、ドロップを保持した保持機構を、加速度を付与してあるいは慣性による等速付与をして降下させる強制落下方法であることを特徴とする、[1],[3],[5],[6]のいずれかにおけるドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法ないしは装置。
[8]ドロップを保持した保持機構を、加速度を付与してあるいは慣性による等速付与をして降下させるために昇降ブロックを備えたことを特徴とする、[7]におけるドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法ないしは装置。
[9]可動成形金型の回転軌跡は円軌道であり、成形金型追従式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、伸縮自在移動又は伸縮自在な回転半径で回転運動を行えることを特徴とする、[2],[4]〜[8]のいずれかにおける成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[10]回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構を回転式可動型ドロップ供給体における法線に対して一定角度で傾斜させながら、回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめることを特徴とする、[2],[4]〜[9]のいずれかにおける成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[11]回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、保持機構が回転すると、回転式可動型ドロップ供給体外に設けられたカムと、保持機構に一体化されたカムフォロアにより、ガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近して、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させることを特徴とする、[2],[4]〜[10]のいずれかにおける成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[12]保持機構は、回転する成形金型に接近する際に、さらに揺動して成形金型の位置を追従することを特徴とする、[11]における成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[13]保持機構は支持体に支持され、支持体は保持機構が装着されているホイールの外側に向かって力を加えられて、付勢されないしは押さえ付けられており、カムフォロアがカムに当接してそれ以上に外側に出ないように設定され、支持体はカムの曲線及び法線に対して一定の角度に設定あるいは角度が最適になるよう可変にしたガイドに従って出入りし、支持体がガイドに沿って移動しながら、必要に応じて保持機構が金型に当接して、回転する成形金型に接近して一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させることを特徴とする、[11]又は[12]における成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[14]回転式可動型の保持機構は、異心円に沿う軌道上を移動される固定部材に支持され、固定部材が、回転する成形金型に接近する一定の範囲において、固定部材の軌道に設けた規制ガイド、又はカムにより移動軌跡を規制されることにより、保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させることを特徴とする、[2],[4]〜[8]のいずれかにおける成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[15]回転可動型の保持機構が、巻掛伝動装置における媒介物に設けた伸縮手段により支持されており、少なくとも可動式成形金型の辿る円軌道と同心の円軌道部分を含めることにより、同心の円軌道範囲において保持機構と成形金型の軌跡が一致又はほぼ一致していることを特徴とする、[14]における成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[16]保持機構は支持体に支持され、支持体は保持機構が装着されているホイールの外側に向かって力を加えられており、カムフォロアがカムに当接してそれ以上に外側に出ないように設定され、支持体はガイドに従って出入りし、支持体がガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近して一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させることを特徴とする、[15]における成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[17]異心円に沿う軌道が水平又は垂直に回転する軌道であることを特徴とする、[14]〜[16]における成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[18]保持機構の移動軌跡が回転する成形金型の回転軌跡に一致する際に、保持機構と成形金型の移動速度を合わせる制御を行うことを特徴とする、[2],[4]〜[17]のいずれかにおける成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
[19]圧縮成形機において成形される成形品がプリフォームであることを特徴とする、[1]〜[18]のいずれかにおける成形金型へのドロップ供給方法ないしは装置。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にしたがって構成された成形システムの好適な実施形態を具体的に例示する、簡略平面図である。
第2図は、本発明における、成形システムの一部分を拡大した簡略平面図である。
第3図は、本発明における、ドロップの保持と切断及び落下をなす構造部分を示す概略正面図である。
第4図は、本発明における、保持機構と成形金型との回転軌跡の一致を幾何学的に示す概略平面図である。
第5図−A〜Fは、本発明における、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行うメカニズムの一例を動的に説明する、6枚組の動画である概略模式図である。
第6図は、本発明における、引張りスプリングによる引張り機構の構造を示す概略平面図である。
第7図は、本発明における、揺動作用を利用する、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行う態様例を示す概略平面図である。
第8図は、本発明における、異心円に沿う軌道と規制ガイドを利用する、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行う態様例を示す概略平面図である。
第9図は、本発明における、異心円に沿う軌道を利用する、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行う態様例を示す概略平面図である。
第10図は、本発明における、保持機構の態様例である開閉式保持機構を示す概略平面図である。
第11図は、本発明における、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行う態様例である、保持機構と金型が同一ホイールに仕込まれている例を示す概略平面図である。
第12図は、本発明における、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行う態様例である、保持機構と金型が同一ホイールに仕込まれている例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の好適な実施形態を、代表的な実施態様例を提示する各図面を参照しながら、具体的に詳細に説明する。
(1)本発明の成形システム
本発明における、ドロップを圧縮成形機の雌型へ精確にかつ迅速に連続的に供給挿入する成形システムの方法及び装置は、例えば、圧縮成形後のブロー成形により容器などを製造するための、プリフォームを成形するために好ましく使用される。
本発明の基本システムは、圧縮成形機において成形材料のドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法ないしは装置であって、押出ダイヘッドの先端に形成された押出し開口部から押し出される溶融状態の合成樹脂を、押出ダイヘッドに対向する合成樹脂受入位置にある保持機構と切断具により、保持して切断あるいは切断して保持して定量のドロップとなし、保持機構でドロップを保持搬送して、成形雌型上の排出位置にて保持したドロップを、保持を解除しながら強制的に成形雌型凹部に挿入して供給することを特徴とする、ドロップを成形雌型凹部に強制して挿入するシステムである。
ここで保持とは保持機構による挟持だけでなく、ドロップと保持機構の保持部分の摩擦による落下防止能を含み、この落下防止能は、保持機構を備えたロータリーが高速で回転する時に生じる遠心力によりさらに効果的に働く。
また、強制とはドロップに強制的に初速度を与えるための手法や、保持機構の保持部分の摩擦に対抗してドロップを落としやすくするために、保持機構を振動させてドロップを滑りやすくしたり、保持機構が行う等速円運動の軌道を円から外すことにより遠心力を解除してドロップを落としやすくする手法も含む。
ドロップに強制的に初速度を与えるための手法としては、保持機構の加速降下によりドロップに加速度を付与したり、保持機構の等速降下による慣性利用等速付与が例示できる。
第1図は、本発明における発明全体の構成と作用、すなわち本発明にしたがって構成されたプリフォームの成形システム(合成樹脂容器のブロー成形のための予備成形システムとして応用される)の好適な実施形態を具体的に例示する簡略平面図であり、本発明において、圧縮成形機における複数(好ましくは多数)の金型へドロップを供給し挿入する全体のシステムについて、各構成要素(構成装置)が図示されている。
当図における成形システムは、生産効率の高い好適な回転式システムが採用され、押出機10と回転式可動型ドロップ供給体11及びロータリー圧縮成形機(回転式可動型)12を主体とする。押出機10は、押出ダイヘッド13と押出し開口部14を備え、回転式可動型ドロップ供給体11はその周縁に等間隔をおいて多数のドロップの保持機構15を備え、ロータリー圧縮成形機はその周縁に等間隔をおいて多数の成形金型16を配設している。排出機17は成形されたプリフォームの排出を行い、成形を完了せしめる。
第2図は、上記の第1図における成形システムの一部分を拡大した簡略平面図であり、回転式可動型ドロップ供給体20とロータリー圧縮成形機(回転式可動型)21の構成が拡大して図示され、それらの回転軌跡の重なりを示しており、多数の保持機構22を有する回転式可動型ドロップ供給体20の回転軌跡と、ロータリー圧縮成形機21における多数の金型28を有する回転式可動金型の回転軌跡とが重なる軌跡を有して、その重なる軌跡においてドロップを落下させる状況が図示されている。
回転式ドロップ供給体20には、その周縁における周方向に等間隔をおいて、多数個の保持機構22が配設され、それらは固定具(ホルダー)24と押圧具(プッシャー)25からなり、各保持機構22には、溶融樹脂を定量に切断する切断具(カッター)23が付設されている。
溶融樹脂の受け入れ位置26において、押出し開口部からの溶融樹脂が切断具23により定量に切断され、その塊状の溶融樹脂(ドロップ)を、保持機構22が受け入れ、固定具(ホルダー)24と押圧具(プッシャー)25にてドロップを挟んで保持し、ドロップを保持した保持機構22は回転移送される。
回転式可動型ドロップ供給体20の回転軌跡と回転式可動金型21の回転軌跡とが重なる軌跡上に、ドロップを落下させるドロップ落下位置27が設定され、その位置において、押圧具25が後退してドロップの保持を解除して、好ましくは強制的に、ドロップを落下させて成形金型28内における雌型凹部(キャビティ)にドロップが挿入される。
保持機構は、適宜に伸縮や回転を行いながら移動して、より精確に成形金型に追従するように設計することなどの、金型位置への追従一致も図られる。
(2)ドロップの形成とその保持機構及びドロップの雌型への供給
第1図において、押出機10により加熱溶融された合成樹脂成形材料は、押出機10の本体から吐出され、溶融状態の合成樹脂がギヤポンプを介して押出ダイヘッド13の樹脂流路に送給され、押出し開口部14から押し出される。押出し開口部14から押し出された、ポリエチレンテレフタレートに代表される溶融状態の熱可塑性合成樹脂は、保持機構に付設された切断具によって切断され、押出し開口14から切り離されて溶融塊のドロップとなり、押出ダイヘッドに対向する合成樹脂受入位置において、そのドロップは回転式可動型ドロップ供給体11に設けられた多数個の保持機構15の固定具と押圧具によって挟まれて保持機構により保持される。
ドロップは、保持されたまま雌型凹部上に搬送移動され、そこで保持が解除され落下されて、好ましくは、落下加速度付与などにより強制的に落下されて、ロータリー圧縮成形機12に設けられた多数個の成形金型16における雌型凹部に連続的に精確に供給挿入される。
保持機構は、第2図に基づいて前述したとおりに、固定具(ホルダー)とそれに対向して設置される、可動性の押圧具(プッシャー)から形成され、押圧具の前進移動により溶融樹脂を固定具に押し付けて溶融樹脂を保持し、排出位置に向けて搬送され、成形雌型上の排出位置にて保持したドロップを、押圧具の後退移動により保持を解除しながら、落下させて、好ましくは強制落下させて、成形雌型凹部に挿入して供給するものである。
ドロップの保持機構は、押出ダイヘッドに対向する合成樹脂受入位置から成形雌型に対向するドロップ排出位置に向けて移動され、成形雌型は、保持機構の移動に同調せしめて、その排出位置に搬送される。
第3図は、ドロップの保持機構について、ドロップの保持と切断および強制落下を行う構造部分と作用における、好適な実施形態を具体的に例示する概略正面図である。
押出機のダイヘッド30の押出し開口部31に対向して、固定具33と押圧具34からなる保持機構32が位置し、保持機構32には切断具35が付設され、保持機構32は昇降ブロック36に固着されている。押圧具34の前進後退は前後進カム38の駆動によってなされる。39はリニアガイドであり、昇降ブロック36は上下動カム381に沿って動くカムフォロアー382に従い上下に動く。
押出機のダイヘッド30の押出し開口部31から押出された溶融樹脂は、保持機構32上部に水平に設置された切断具35により定量に切断されてドロップ37となり、切断の前後か同時に、保持機構32の固定具33と押圧具34により挟まれて保持され、ドロップは成形雌型まで搬送され、ドロップ落下位置上での前後進カム38の後退による押圧具34の後退移動によって、ドロップ37はその保持が解除されながら強制的に落下され、成形雌型凹部に供給されるものである。
強制的な落下のためには、ドロップの保持機構の保持を解除してドロップを落下させる時に、保持機構を急激に降下させてあるいは等速的に降下させて、加速度ないしは慣性の法則などを利用してドロップを加速的にあるいは等速付与などをして落下させる手法を採用し得る。
また、保持具機構については第10図に示すように両側からフィンガーによってドロップを包み込む形態であってもよい。
なお、この際、フィンガーの内径をドロップの外径と同じか又は大きくとると、ドロップを挟持により押しつぶすことがないので好ましい。このときドロップは、フィンガーを備えたロータリーの回転より生じる遠心力によってフィンガーと接触し、フィンガーとの接触摩擦により落下を防止され保持されている。なお、フィンガーとドロップの局部的な接触によるドロップへの傷や歪みの影響を考慮して、フィンガーの形状をドロップの形状に合わせて接触面積を広く取るようにすることが好ましく、例えばドロップが円柱状であれば、フィンガーもドロップと同じか又は僅かに大きい円柱状にするとよい。
また、この遠心力による保持を解除するためには、フィンガーに振動を与え、ドロップとフィンガーの間に働く静止摩擦力を動的摩擦力に換えて滑りやすくすることにより落としやすくするか、後述の金型追従式ドロップ供給システムの導入により、金型追従時に遠心力を換え、ドロップが落ちるよう遠心力を下げる設計にすればよい。さらに、保持機構を強制的に降下させ、強制的に保持を解除してもよい。
なお、後述されるように、回転式可動型ドロップ供給体に設けられた保持機構32には、好ましい態様として、第5図−Aに例示されるように、カムフォロア(カム従動子)54が付設され、回転式可動型ドロップ供給体に設けられたカム55に沿って回転して、そのカムの内周面に応じて保持機構52がガイド53に案内されて変位し、一定の接近範囲において保持機構と成形金型51の回転軌跡56を一致せしめる。
ドロップの落下挿入手段については、自然落下でなく強制落下させれば、落下の方向が強制的に定まり、ドロップの雌型凹部への挿入をより精確に、かつ迅速に実行できる。この手段が、本発明の第一の基本的な特徴をなす構成要素となるものである。
強制落下の具体的な手段としては、ロッドなどでドロップを突き落とす手法が考えられるが、その場合には付加機構が複雑で高価ともなるので、ドロップの保持機構の保持を解除してドロップを落下させる時に、保持機構を急激に降下あるいは等速に降下させて、加速度ないしは慣性の法則などを利用してドロップを加速的にあるいは等速付与などをして落下させる手法が好適である。この手法では、保持機構の駆動式の昇降具を付設するだけでよいので、付加設備も簡略で安価である。
この新しい付加手法により、ドロップの最大外径と雌型凹部の内径との差がより小さい場合にも、あるいは、ドロップの保持機構の移動速度をより大きくした時でも、ドロップが雌型凹部の所要位置から変位して落下されてしまうことなく、ドロップの挿入をより精確に、かつ迅速に実行することができ、さらには、押出ダイヘッドから押し出された溶融状態の合成樹脂成形材料の塊状物(ドロップ)が、その粘性により保持機構に付着して落下し難くなることも阻止でき、円滑に落下するのでドロップの一部が粘着物として保持具に付着して累積されることも無く、あるいは、回転式圧縮成形機の回転速度を高めるなどの成形サイクルをより高くして生産効率も高めることができる。
従来の自然落下法では、ドロップにおける溶融樹脂自体の粘性により、あるいは溶融樹脂に含まれる粘性成分やオリゴマーが保持機構の接触部分に付着蓄積して、ドロップの滑りが悪化し落下不良になるために、定期的に成形機を停止して保持機構などの部品を清掃する必要があったが、本発明においては、成形機の停止を伴う部品の清掃の必要性の頻度をも大幅に低減することができる。
さらに、本発明ではドロップを強制落下させる際に、保持機構の押圧具を後退させてドロップの保持を解除するので、下方に落下するドロップを保持機構の固定具と押圧具から引き剥がす作用ももたらされ、落下がより円滑となる。
(3)成形金型および圧縮成形
ドロップ供給部と圧縮成形機は、生産効率を高めるために、複数(好ましくは多数)の保持機構を有する回転式可動型ドロップ供給体、及びロータリー圧縮成形機における複数(好ましくは多数)の金型を有する回転式可動型が採用される。
成形金型は、凹部(キャビティ)を有する雌型とコアを有する雄型からなり、ドロップを雌型凹部内に供給し挿入した後に、雄型の降下または雌型の上昇によりドロップを加圧圧締して、適宜な成形温度と圧力下に所要の成形品、例えばプリフォーム(パリソン)に成形される。
成形サイクルにおいては、回転する他の保持機構で順次にドロップの保持と切断と落下が行われ、回転する可動型における他の金型で順次にドロップを受け入れ、雌型が上昇(または雄型の下降)され雄型のコア部と協同して連続的に加圧圧締成形を行い、成形された成形品の排出が排出機により行われ、プリフォームなどの成形が完了する。
(4)金型追従式ドロップ供給システム
本発明における金型追従式ドロップ供給システムは、圧縮成形機における成形材料のドロップを可動成形金型に連続供給する方法及び装置において、回転式可動型ドロップ供給体上のドロップの保持機構を回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させ、一致又はほぼ一致した回転軌跡上にて保持機構が保持搬送したドロップの保持を解除してドロップを成形雌型の凹部に挿入供給することを特徴とする、ドロップを可動成形金型に連続供給するための成形金型追従式ドロップ供給システムである。
すなわち、回転式可動型ドロップ供給体上の多数の保持機構(ドロップ保持部分)と、ロータリー圧縮成形機における回転式可動型上の多数の成形金型(雌型)の回転移動軌跡の一致を実現して、保持機構の回転軌跡と金型の回転軌跡とが重なる軌跡を有して、その重なる軌跡上において保持機構の移動を成形金型の移動に追従させて(あるいは、逆に、成形金型の移動を保持機構の移動に追従させて)、保持機構のドロップの保持の開放によるドロップの落下点と金型の通過位置を一致、あるいは、ほぼ一致させる具体的な手法が、本発明における第二の特徴的な基本的構成要素となるものである。
この手法においては、保持機構と金型の一致する回転軌跡上において保持機構と金型の位置が、例えば多少時間的に、ずれても、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させて回転軌跡が一致する時間内において保持機構と金型の位置が一致する時点で、保持機構のドロップの保持の開放によるドロップの落下を行えば、ドロップの挿入が完全にあるいはほぼ完全に精確に実現でき、さらに、その重なる軌跡においてドロップを雌型凹部に落下挿入させる場合に、保持機構と雌型の位置が重なる時間内に落下挿入すればよく、時間的な猶予(余裕)が生じるので、この面からもドロップの挿入の精確さが補完的に確保される。また、保持機構の移動速度と成形金型の移動速度を調整して、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させる(あるいは、逆に、成形金型の移動を保持機構の移動に追従させる)こともできる。
この新しい手法により、強制落下法との併用においてはより効果的に、ドロップの最大外径と雌型凹部の内径との差が通常よりかなり小さい場合にも、あるいは、ドロップの保持機構の移動速度を通常よりかなり大きくした時でも、ドロップが雌型凹部の所要位置から変位して落下されてしまうことなく、ドロップの挿入を完全あるいはほぼ完全に、かつ迅速に簡易な手段により実現することができ、さらには、生産効率を高めるために回転式圧縮成形機の回転速度を高めるなどの成形サイクルをより高くしても、ドロップの挿入を完全あるいはほぼ完全に精確に行うことができる。
回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構(ドロップ保持部分)と、ロータリー圧縮成形機における回転式可動型上の成形金型(雌型)の回転軌跡を一致させる具体的な手段としては、代表例として、保持機構を回転式可動型ドロップ供給体における法線に対して一定角度で傾斜させながら、回転する成形金型に接近させ、一定の接近範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致せしめればよく、この法線に対する一定角度は、装置の設計及び実験による検討の結果、0〜20°に設定すると回転軌跡が最も長い区間、ほぼ一致させることができることが判明した。
ここで、ほぼ一致とは、ドロップを保持機構で保持したときの円筒状ドロップの中心軸の位置と有底筒状金型の筒の中心軸のずれが好ましくは2mm以内のことを指す。
この回転軌跡の一致の状況が、幾何学的に第4図の概略平面図に示されており、図示された一定の範囲において、模式的に示され順次に移動している、保持機構と成形金型の回転移動軌跡がほぼ一致している。
この保持機構の移動を一致した回転軌跡上にて、移動速度の調整などにより、成形金型の移動に追従させ、(あるいは、逆に、成形金型の移動を保持機構の移動に追従させ)保持機構(ドロップ保持部分)と成形金型(雌型)の位置が一致した時点で(図中の追従区間において)、保持機構が保持搬送したドロップを、保持を解除して成形金型の凹部に挿入供給する作用をなす。
なお、第4図に関連して、保持機構の回転運動中心軸が可動成形金型の辿る円軌道の中心軸と同一軸線上に配置される態様となる、保持機構の金型への追従方式、あるいはさらに、保持機構の回転運動中心軸が可動成形金型の辿る円軌道内の任意の位置に配置される態様となる、保持機構の金型への追従方式も採用し得る。
(5)成形金型の移動への保持機構の移動の追従
保持機構のドロップの保持を開放してドロップを雌型に供給挿入するために、成形金型の回転移動へ保持機構の回転移動を追従させて、金型と保持機構の位置を一致させるには、保持機構の回転軌跡と金型の回転軌跡とが重なる軌跡を有して、その重なる軌跡上における保持機構の移動を成形金型の移動に追従させて、保持機構と金型との位置が一致した時点を選ぶ態様(手段)、あるいは、保持機構の回転軌跡と金型の回転軌跡とが重なる軌跡上における、保持機構と金型の移動速度を一致させる態様、さらには、重なる軌跡上における保持機構の移動速度を調整して、保持機構と金型との位置を一致させる態様などが採用されうる。(なお、逆に、成形金型の移動を保持機構の移動に追従させる場合も同様である。)
(6)保持機構と成形金型の回転軌跡のほぼ一致を行うメカニズム
保持機構の回転軌跡と金型の回転軌跡とを重なる軌跡とするために、保持機構を回転式可動型ドロップ供給体における法線に対して一定角度で傾斜させながら、回転する金型に接近させ、一定の接近範囲において保持機構と金型の回転軌跡を一致せしめるための代表的なメカニズム(作用機構)としては、基本的に、回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構において、保持機構が回転して回転式可動型ドロップ供給体外に設置固定されたカムと保持機構に一体化されたカムフォロアにより、ガイドに沿って移動させられ、回転する成形金型に接近して、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させるものである。
その主要例としては、保持機構に付設されたカムフォロア(カム従動子)が、カム(好ましくは全周カム)に沿って回転して、そのカムの内面の周面に応じて保持機構がガイド(周期的な変位運動を伝動する案内具であって、保持機構と摺動可能に一体化されており、回転式可動型ドロップ供給体における法線に対して一定角で傾斜されて設置されている。)に案内されて変位し、その変位により保持機構を回転式可動型ドロップ供給体における法線に対して一定角度で傾斜させながら、回転する成形金型に接近させ、一定の接近範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致せしめて保持機構の移動を成形金型の移動にほぼ完全に追従させる作用によって行われる。
上記した、保持機構と成形金型の回転軌跡のほぼ一致を行う、主要例としてのメカニズムの理解のための変位図が、第5図において、A〜Fの6枚組の一連の動画として図示されている。
第5図−Aにおいては、50は保持機構52の支持体、51は成形金型、53は保持機構52の支持体50に一体化されたガイド(リニアスライド)であり、保持機構52の支持体50を法線に対して一定角度で移動させ、54は、支持体50に付設されたカムフォロアであり、支持体50をカム55の内面の曲線に従ってガイド53に沿って移動させ、55は、保持機構52で保持されたドロップを金型51に追従させるための、回転式可動型ドロップ供給体に設置された全周カムであり、56は、一定の範囲で一致している、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致範囲を示している。カム55の内面の曲線は保持機構で保持されたドロップが金型51に追従するように設計されている。
なお、好ましくは、支持体50は図示されていない引張りスプリングにより複数の保持機構52が装着されているホイールの外側に向かって引っ張られており、カムフォロア54がカム55の内周面に当接してそれ以上に外側に出ないように設定されている。支持体50はカム55の曲線及び法線に対して一定の角度にセットされたガイド53に従って出入りする。引張りスプリングによる引張り機構の構造は第6図に例示されている。また、第6図などにおいては、必要に応じて保持機構が金型に当接して、それらの位置の一致を確実に成す態様も取り得る。
保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行うメカニズムを第5図−A〜Fにおいて動的に説明すると、第5図−Aにおいて、保持機構52は円形で示したドロップ保持部分を有しており、ドロップ保持部分にドロップを保持しながら、保持機構52の支持体50に一体化されたガイド53と支持体50に付設されたカムフォロア54が、カムに沿って回転して、そのカムの内周面に応じて支持体50が変位し、保持機構52が図中の左側から時計回りに回転移動している。そして、保持機構52は回転式可動型ドロップ供給体における法線に対して一定角度で傾斜しながら、回転移動して来る金型51に接近している。
成形金型51も図中の左側から反時計回りに回転移動して保持機構52に接近しつつある。保持機構52と成形金型51の回転軌跡は、各々白線にて示されている。
第5図−Bでは、保持機構52のドロップ保持部分と成形金型51がかなり接近し、第5図−Cに到っては、保持機構52のドロップ保持部分と成形金型51の位置が重なって一致し、それと同時に、支持体50に付設されたカムフォロア54が大きく変位されて、支持体50が回転式可動型ドロップ供給体の円中心方向に変位され、それによって保持機構52も同方向に変位してその回転軌跡を、第5図−Dに図示されるように成形金型51の回転軌跡と一致させられる。
第5図−Dから第5図−Eに到るまで、保持機構(ドロップ保持部分)52の回転軌跡は成形金型51の回転軌跡と一致させられる。この回転軌跡の一致する区間内において、保持機構(ドロップ保持部分)52と成形金型51の位置がほぼ一致し、その時点において保持機構52のドロップの保持の開放によるドロップの落下を行って、成形金型51の雌型凹部へのドロップの挿入が精確に実現できる。
この手法においては、保持機構52と金型51の一致する回転軌跡上において保持機構52と金型51の位置がずれても、保持機構52の移動を金型51の移動に追従させて回転軌跡が一致する時間内において保持機構52と金型51の位置がほぼ一致する時点で、保持機構52のドロップの保持の開放によるドロップの落下を行えば、ドロップの挿入がほぼ完全に実現でき、その重なる軌跡においてドロップを雌型凹部に落下挿入させる場合に、その重なる軌跡の時間内に挿入すればよく、時間的な猶予(余裕)が生じるので、この面からもドロップの挿入の精確さが補完的に確保されることも理解される。なお、ドロップの挟持を解除せしめた時点から、ドロップが実際に落下を開始して雌型凹部内に進入するまでには若干の時間を要するので、この点からも、この軌跡の重なりによる時間的猶予は重要であるといえる。
第5図−Fに到ると、支持体に付設されたカムフォロア54が変位しなくなり、ガイド53が回転式可動型ドロップ供給体の円中心方向に変位されなくなって、それによって保持機構52も同方向に変位するのを終わり、その回転軌跡は図示されるように成形金型51の回転軌跡と離反して行く。
(7)保持機構と成形金型の回転軌跡の一致又はほぼ一致を行う他の態様
7−1.揺動作用の利用
前述した、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行うメカニズムの主要例にさらに揺動作用の利用を付加させる応用態様例であり、保持機構に揺動の動きを付加させて保持機構と成形金型の位置の一致をさらに精確に行う方法及び装置である。
第7図にその具体例が示され、先の主要例と同様に、回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、ガイドに沿って移動可能であり、保持機構が回転すると回転式可動型ドロップ供給体に設置固定されたカムと保持機構に一体化されたカムフォロアにより、ガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近する。
さらにその際に、保持機構はガイドとともに揺動が行われて成形金型の位置を追従し、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を、揺動の付加作用により、完全に一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に完全に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に完全に追従させることを特徴とする、成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置である。
第7図において例示されるように、ベルト駆動又はギア駆動などの伝達駆動系(図示せず)にて回転式可動型ドロップ供給体のホイールが回転するとき、揺動ローラーもカムなどによる軌道規制によって定められた軌道上を回転駆動されるが、その揺動ローラーの動きにより揺動支点軸を基準点にして保持機構が揺動され、さらに保持機構を支持する支持体に付設したガイド(リニアスライド)などによる保持機構の伸縮作用と相俟って、成形金型の位置にいっそう精確に一致させられる。
保持機構の揺動は、揺動距離の移動として行われる。予め設定された揺動距離とは、ドロップ供給装置の設計に基づいて、さらには実験的装置運転による調整を加えて設定される距離である。
なお、先の主要例と同様に、好ましくは、保持機構は支持体に支持され、保持機構又は支持体はスプリングにより保持機構が装着されている回転式可動型ドロップ供給体ホイールの外側に向かって付勢させる。そして、保持機構又は支持体に設けた伸縮規制かつ芯合わせ用ガイドが、回転式可動型に付設した伸縮規制かつ芯合わせ用ストッパーに当接して少なくとも追従範囲内では成形金型の軌道を越えて外側に出ないように、また、保持機構と金型の位置が正確に一致するように設定される。そして、追従範囲外では保持機構又は支持体は元の回転軌道に戻る。
以上により、保持機構は揺動を行いながら、伸縮作用をすることによって、金型と保持機構の位置が一致する。
なお、上記において説明した保持機構の付勢方法、伸縮規制、揺動は一例であり、これらに限らない。例えば、スプリングの代わりにエアシリンダーによって付勢してもよい。
また、保持機構にカムフォロアーを設け、保持機構伸縮用カムの軌跡により伸縮させてもよい。さらにサーボモーターなどの電動駆動系を用いて保持機構の伸縮や揺動を行ってもよい。
また、追従区間外での保持機構の位置は押出機の吐出ダイヘッドとの位置さえ合わせてあれば、その他の位置は特に問わない。
さらに第7図において説明すると、回転するハブ(ホイール)には1個又は複数の揺動軸を装備している。各揺動軸はL字形(または逆L字形)の揺動アームを装備している。L字型の長い方と短い方の交差する部分が揺動中心(揺動軸)であり、L字形の短い方の端にはカムフォロアが装備され、ハブが回転するとカムフォロアは固定されたカムに従い、揺動軸を中心にして揺動する。L字形の長い方はガイド(リニアスライド)を装備していて、ガイドの先端に保持機構が付いている。保持機構はガイドに沿って摺動するが、スプリングなどによってハブの回転外側へ押されている。
7−2.異心円に沿う軌道の利用(その1)
前述した、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行うメカニズムの主要例とは対照的に、回転式可動型ドロップ供給体の回転装具として、円心軌道に代えて異心円に沿う軌道を利用するものであり、回転式可動型の保持機構が、異心円に沿う軌道上を移動される固定部材に支持され、固定部材が、回転する成形金型に接近する一定の範囲において、規制ガイドにより回転移動軌跡を規制されることにより、保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させるシステムである。
第8図に、いわゆる異心円の形状と共に、その具体例が例示され、異心円に沿う軌道を利用する金型追従の応用態様例であり、水平に回転する異心円に沿う軌道を使用して、規制ガイドの作用によって、保持機構と成形金型の位置の一致を精確に行う装置である。異心円に沿う軌道とは、図8に例示されるように、横長長円(楕円形ではない)形状であって、中心位置の異なる二つの円を両端に有する形状の軌道である。なお、異心円に沿う軌道が、垂直に回転する異心円に沿う軌道であってもよい。
回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、異心円に沿う軌道上を水平回転して移動される固定部材に支持され、固定部材が回転する成形金型に接近する一定の範囲において、規制ガイドにより回転移動軌跡を成形金型の回転軌跡に一致するように規制されることにより、好ましくは成形金型の回転軌跡の円弧形状と一致するように軌道が変形され、保持機構と成形金型の回転軌跡を完全に一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に完全に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に完全に追従させる、成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置である。
具体的には、回転可動型の保持機構が、ベルト伝動装置あるいはチェーン伝動装置などの巻掛伝動装置におけるベルトやチェーンなどの媒介物に設けた伸縮手段により支持されており、媒介物が辿る軌道に、少なくとも可動式成形金型の辿る円軌道と同心の円軌道部分が含まれることにより、同心の円軌道範囲において保持機構と成形金型の軌跡が一致又はほぼ一致しているシステムとして採用される。
媒介物の辿る可動式成形金型と同心の円軌道を、巻掛伝動装置のベルト車やスプロケットなどの間に配置された円弧形の規制ガイドにより定めることもできる。
7−3.異心円に沿う軌道の利用(その2及びその3)
前述した、保持機構と成形金型の回転軌跡の一致を行うメカニズムの主要例において、回転式可動型ドロップ供給体の回転装具として、異心円に沿う軌道を利用する他の態様であり、回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構が、異心円に沿う軌道上を回転して移動されるガイドに沿って移動可能であり、保持機構が回転すると回転式可動型ドロップ供給体外に設置固定されたカムと保持機構に一体化されたカムフォロアにより、保持機構はガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近して、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させるシステムである。
第9図に、異心円に沿う軌道の利用(その2)の具体例が例示され、異心円に沿う軌道を利用する他の応用態様例であり、水平に回転する異心円に沿う軌道を使用して、保持機構と成形金型の位置の一致を精確に行う装置であるが、異心円に沿う軌道の利用(その1)とは異なり、規制ガイドを使用せず、先の主要例と同様に、カムとカムフォロア及びガイドの作用により、保持機構と成形金型の位置の一致を精確に行う装置である。
回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、図示されるように異心円に沿う軌道上を水平回転して移動されるガイドに沿って移動可能であり(なお、異心円使用の態様では、一定の角度での傾斜は特に必要とはしない)、保持機構が回転すると回転式可動型ドロップ供給体に設置固定されたカムと保持機構に一体化されたカムフォロアにより、保持機構はガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近して、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡をほぼ完全に一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させる、成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置である。
なお、先の主要例と同様に、保持機構は支持体に支持され、好ましくは、支持体は引張りスプリングにより保持機構が装着されているホイールの外側に向かって引っ張られており、カムフォロアがカムの内周面に当接してそれ以上に外側に出ないように設定され、支持体はカムの曲線にセットされたガイドに従って出入りし、支持体がガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近して一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡をほぼ完全に一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させている。
可動成形金型の回転軌跡が円軌道であり、成形金型追従式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、伸縮自在な回転半径で回転運動又は揺動を含む回転運動を行える態様もとりえる。
異心円に沿う軌道の利用(その3)は、異心円に沿う軌道を利用する他の応用態様例であり、垂直に回転する異心円に沿う軌道を使用し、この点においてのみ、異心円に沿う軌道の利用(その1,2)と異なる、成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置である。
7−4.ドロップ供給体の回転軸線と成形金型の回転軸線を同一直線上に配置する方法(その1及びその2)
保持機構の回転軌跡と金型の回転軌跡とを重なる軌跡とするために、第11図及び第12図に示すようにドロップ供給体の回転軸線と成形金型の回転軸線を同一直線上に配置する方法がある。この配置と(6)で前述したカムとガイドを用いることにより保持機構の回転軌跡と金型の回転軌跡とを一致させることができる。
【産業上の利用可能性】
本発明のドロップ供給方法及び装置は、押出法による回転式材料供給と回転式圧縮成形機を組み合わせて利用した成形装置を使用する際に、ドロップの供給挿入を精確にかつ迅速に行うことができ、成形品を規格外のロスを伴わずに生産でき、さらに生産効率を高めるために回転式圧縮成形機の回転速度を高めるなどの成形サイクルをより高くすることもできるので、合成樹脂容器成形用のプリフォームなどの生産に有用である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】




【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮成形機において成形材料のドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法であって、押出ダイヘッドの先端に形成された押出し開口部から押し出される溶融状態の合成樹脂を、押出ダイヘッドに対向する合成樹脂受入位置にある保持機構と切断具により保持して切断あるいは切断して保持して定量のドロップとなし、保持機構でドロップを保持搬送して、成形雌型上の排出位置にて保持したドロップを、保持を解除しながら強制的に成形雌型凹部に挿入して供給することを特徴とする、ドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法。
【請求項2】
圧縮成形機において成形材料のドロップを可動成形金型に連続供給する方法であって、回転式可動型ドロップ供給体上のドロップの保持機構を回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させ、一致又はほぼ一致した回転軌跡上にて保持機構が保持搬送したドロップの保持を解除してドロップを成形雌型の凹部に挿入供給することを特徴とする、ドロップを可動成形金型に連続供給するための成形金型追従式ドロップ供給方法。
【請求項3】
圧縮成形機において成形材料のドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する装置であって、合成樹脂成形材料を加熱可塑化により軟化溶融状態にせしめて押し出すための押出手段、押出手段に付設した押出ダイヘッドの先端に形成された押出し開口部、押出し開口部から押し出される溶融状態の合成樹脂を保持するための、押出ダイヘッドに対向する合成樹脂受入位置にある保持機構、合成樹脂を切断して定量のドロップとなすための切断具、ドロップを成形雌型上の排出位置に搬送して、保持したドロップを保持を解除しながら強制的に成形雌型凹部に挿入して供給する手段を備えたことを特徴とする、ドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する装置。
【請求項4】
圧縮成形機において成形材料のドロップを可動成形金型に連続供給する装置であって、回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構を回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させ、一致又はほぼ一致した回転軌跡上にて保持機構が保持搬送したドロップの保持を解除してドロップを成形雌型の凹部に挿入供給することを特徴とする、ドロップを可動成形金型に連続供給するための成形金型追従式ドロップ供給装置。
【請求項5】
一致又はほぼ一致した回転軌跡上にて保持機構が保持搬送したドロップの保持を解除してドロップを成形雌型の凹部に挿入供給するに際して、成形雌型上の排出位置にて保持したドロップを、保持を解除しながら強制的に成形雌型凹部に挿入して供給することを特徴とする、2又は4に記載された成形金型追従式ドロップ供給方法又は装置。
【請求項6】
複数の保持機構を有する回転式可動型ドロップ供給体を用い、圧縮成形機が成形雌雄型からなる複数の金型を有する回転式可動型を用いるロータリー圧縮成形機であることを特徴とする、1〜5のいずれかに記載されたドロップを成形雌型凹部に挿入又は連続供給する方法ないしは装置。
【請求項7】
ドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法が、ドロップを保持した保持機構を、加速度を付与してあるいは慣性による等速付与をして降下させる強制落下方法であることを特徴とする、1,3,5,6のいずれかに記載されたドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法ないしは装置。
【請求項8】
ドロップを保持した保持機構を、加速度を付与してあるいは慣性による等速付与をして降下させるために昇降ブロックを備えたことを特徴とする、7に記載されたドロップを成形雌型凹部に強制して挿入する方法ないしは装置。
【請求項9】
可動成形金型の回転軌跡は円軌道であり、成形金型追従式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、伸縮自在移動又は伸縮自在な回転半径で回転運動を行えることを特徴とする、2,4〜8のいずれかに記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項10】
回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構を回転式可動型ドロップ供給体における法線に対して一定角度で傾斜させながら、回転する成形金型に接近させ、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめることを特徴とする、2,4〜9のいずれかに記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項11】
回転式可動型ドロップ供給体上の保持機構は、保持機構が回転すると、回転式可動型ドロップ供給体外に設けられたカムと、保持機構に一体化されたカムフォロアにより、ガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近して、一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させることを特徴とする、2,4〜10のいずれかに記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項12】
保持機構は、回転する成形金型に接近する際に、さらに揺動して成形金型の位置を追従することを特徴とする、11に記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項13】
保持機構は支持体に支持され、支持体は保持機構が装着されているホイールの外側に向かって力を加えられて、付勢されないしは押さえ付けられており、カムフォロアがカムに当接してそれ以上に外側に出ないように設定され、支持体はカムの曲線及び法線に対して一定の角度に設定あるいは角度が最適になるよう可変にしたガイドに従って出入りし、支持体がガイドに沿って移動しながら、必要に応じて保持機構が金型に当接して、回転する成形金型に接近して一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させることを特徴とする、11又は12に記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項14】
回転式可動型の保持機構は、異心円に沿う軌道上を移動される固定部材に支持され、固定部材が、回転する成形金型に接近する一定の範囲において、固定部材の軌道に設けた規制ガイド、又はカムにより移動軌跡を規制されることにより、保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させ、あるいは成形金型の移動を保持機構の移動に追従させることを特徴とする、2,4〜8のいずれかに記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項15】
回転可動型の保持機構が、巻掛伝動装置における媒介物に設けた伸縮手段により支持されており、少なくとも可動式成形金型の辿る円軌道と同心の円軌道部分を含めることにより、同心の円軌道範囲において保持機構と成形金型の軌跡が一致又はほぼ一致していることを特徴とする、14に記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項16】
保持機構は支持体に支持され、支持体は保持機構が装着されているホイールの外側に向かって力を加えられており、カムフォロアがカムに当接してそれ以上に外側に出ないように設定され、支持体はガイドに従って出入りし、支持体がガイドに沿って移動しながら、回転する成形金型に接近して一定の範囲において保持機構と成形金型の回転軌跡を一致又はほぼ一致せしめて、保持機構の移動を成形金型の移動に追従させることを特徴とする、15に記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項17】
異心円に沿う軌道が水平又は垂直に回転する軌道であることを特徴とする、14〜16に記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項18】
保持機構の移動軌跡が回転する成形金型の回転軌跡に一致する際に、保持機構と成形金型の移動速度を合わせる制御を行うことを特徴とする、2,4〜17のいずれかに記載された成形金型追従式ドロップ供給方法ないしは装置。
【請求項19】
圧縮成形機において成形される成形品がプリフォームであることを特徴とする、1〜18のいずれかに記載された成形金型へのドロップ供給方法ないしは装置。

【国際公開番号】WO2005/007378
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【発行日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511873(P2005−511873)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010263
【国際出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】