説明

圧電デバイスの製造方法、圧電デバイス、及び電子機器

【課題】パッケージ内から枕部を排除し、電子部品を実装するための電極パッド形成面積を確保しつつ、圧電振動片を片持ち支持することを可能とした圧電デバイスを提供する。
【解決手段】上記課題を解決するための圧電デバイス(例えば圧電発振器)は、パッケージ12内に、片持ち支持される圧電振動片14と、当該圧電振動片14の下層に搭載されるIC16とを有する圧電発振器10において、前記圧電振動片14を支持する支持部20とパッケージ12の側壁との間に凹陥部21を設け、前記凹陥部21の上部に前記圧電振動片14の実装電極を配置し、前記凹陥部21に充填した収縮性を有する導電性接着剤26と、前記実装電極を覆う収縮性を有する導電性接着剤26とによって前記圧電振動片14を実装し、前記導電性接着剤26が硬化することによって生ずる収縮によって前記圧電振動片14の支持力を得る構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイスの製造方法、並びに圧電デバイス、及び前記圧電デバイスを搭載した電子機器に係り、特に、圧電振動片を片持ち支持する圧電デバイスの製造方法、並びに圧電デバイス、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電デバイス(例えば圧電発振器)は図7に示すような構成をしていた。なお、図7において、図7(A)は平面図を、図7(B)は同図(A)におけるA−A断面をそれぞれ示す概略図である。図7に示す圧電発振器1は、多層に積層された基板2a〜2dによって構成されたパッケージ2において、下層に設けた基板2dに半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)4を搭載し、当該IC4の上層に設けた基板に圧電振動片3を載置するという構成である。このような構成の圧電発振器1では、圧電振動片3を片側端部(実装電極を有する側の端部)で固定し、他方の端部は遊端として枕部と呼ばれる支持台5によって支える構成としていた。そして、前記IC4は搭載した基板2dの上層に配設された電極パッド7にワイヤ8によって実装され、前記電極パッド7の一部は前記圧電振動片3を固定する導電性接着剤6とスルーホール9を介して導通がとられる(例えば特許文献1)。
【特許文献1】実開平5−65110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、近年圧電デバイスには、小型化、薄型化に対する要望が強まってきている。パッケージには、ICを実装するための電極パッドが複数設けられるが、パッケージを小型化する場合には、この電極パッドの総面積を減らさなくてはならなくなる。しかし、実装の確実性や電気容量の確保等の要因により、電極パッドの総面積を減らすには限界があり、実質上電極パッドの面積を減らすことは困難とされている。
【0004】
ここで、パッケージを小型化した場合においても電極パッドの面積を確保するためには、圧電振動片の遊端を支持する枕部を除去すれば良いと考えられる。しかし、枕部を除去した場合には、圧電振動片を実装する際に、傾いた状態で載置された圧電振動片を固定することとなるため、実装が困難となることが考えられる。また、枕部が無くなることにより、圧電振動片の遊端が下がり、パッケージ、あるいはパッケージ内部の実装部品と接触する虞が生じる。
【0005】
本発明では、枕部を無くした場合であっても片持ち支持状態での実装が容易であり、かつ実装時に強い支持力を得ることができ、パッケージの小型化を実現することができる圧電発振器の製造方法、及び圧電発振器を提供することを目的とする。さらに本発明は、このような課題を解決することができる圧電発振器を搭載した電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためには、枕部が無い場合であっても実装時に圧電振動片が傾くことが無いもの、あるいは傾いた状態で実装した圧電振動片を実装後に片持ち状態に補正することができるものであれば良いと考えられる。本発明では、後者の手段により上記目標を達成する。
【0007】
まず、本発明に係る圧電デバイスの製造方法は、パッケージ内に、片持ち支持される圧電振動片と、パッケージ実装部品とを有する圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電振動片を支持部と当該支持部よりも下方に位置するパッケージ内面あるいは前記パッケージ実装部品とを支持点とし、当該圧電振動片の実装電極が前記支持部よりもパッケージの側壁側に位置する状態となるようにして載置し、パッケージの側壁と前記支持部との間に充填された導電性接着剤の硬化時に生じる収縮によって圧電振動片の実装電極を下方へ引き付けて、圧電振動片の遊端を前記支持点から離間させて片持ち支持する工程を有することを特徴とする。
【0008】
このような工程を有することにより、傾き状態で載置された圧電振動片を、導電性接着剤が硬化して固定される際の実装の段階で自動的に片持ち状態とすることができる。また、圧電振動片は引き付け力によって支持されているため、枕部が無い状態であっても、遊端側が下がってしまうことが無く、パッケージの内面や、パッケージに実装された実装部品に圧電振動片の遊端が接触してしまう虞が無い。また、枕部を無くした場合であっても圧電振動片を安定的に片持ち支持することができるため、実装部品を実装するための電極パッドを形成するための面積を確保したままでパッケージサイズを小型化することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る圧電デバイスの製造方法は、パッケージ内に、片持ち支持される圧電振動片と、パッケージ実装部品とを有する圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電振動片を支持部と当該支持部よりも下方に位置する前記パッケージ実装部品のボンディングワイヤとを支持点として載置し、パッケージの側壁と前記支持部との間に充填された導電性接着剤の硬化時に生じる収縮によって圧電振動片の実装電極を引き付けて、圧電振動片の遊端を前記支持点から離間させて片持ち支持する工程を有するものであっても良い。
【0010】
このような工程を有するものであっても、傾き状態で載置された圧電振動片を、導電性接着剤が硬化して固定される際の実装の段階で自動的に片持ち状態とすることができる。また、圧電振動片は引き付け力によって支持されているため、枕部が無い状態であっても、遊端側が下がってしまうことが無く、パッケージの内面や、パッケージに実装された電子部品に圧電振動片の遊端が接触してしまう虞が無い。また、枕部を無くした場合であっても圧電振動片を安定的に片持ち支持することができるため、IC等のパッケージ実装部品の実装用に用いられる電極パッドを形成するための面積を確保したままでパッケージサイズを小型化することが可能となる。さらに、パッケージ実装部品の実装に用いるワイヤを利用して圧電振動片を一時的に支持するようにしているため、他の部分を支持点として圧電振動片を載置するよりも圧電振動片の傾きが少ない。このため、導電性接着剤の収縮率が小さい場合であっても圧電振動片を片持ち支持することが可能となる。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明に係る圧電デバイスは、パッケージ内に、片持ち支持される圧電振動片と、パッケージ実装部品とを有する圧電デバイスにおいて、前記圧電振動片を支持する支持部と前記パッケージの側壁との間に凹陥部を設け、前記凹陥部の上部に前記圧電振動片の実装電極を配置し、前記凹陥部に充填した収縮性を有する導電性接着剤と、前記実装電極を覆う収縮性を有する導電性接着剤とによって前記圧電振動片を実装し、前記導電性接着剤が硬化することによって生ずる収縮によって前記圧電振動片の支持力を得る構成としたことを特徴とする。
【0012】
このような構成の圧電デバイスであれば、傾き状態で載置された圧電振動片を、導電性接着剤が硬化して固定される際の実装の段階で自動的に片持ち状態とすることができる。また、圧電振動片の固定端、すなわち実装電極を、支持部の後方に配置し、これを導電性接着剤で固定する構成としているため、従来の固定技術に比べて強い支持力を得ることができ、枕部が無い状態であっても片持ち支持の状態を維持することが可能となる。また、パッケージ内から枕部を除去したため、パッケージの小型化をした場合であっても、パッケージ実装部品の実装に用いられる電極パッドの面積を十分に確保することが可能となる。このため、圧電デバイスの小型化を実現することが可能となる。
【0013】
また、前記導電性接着剤は、凹陥部に充填するものと実装電極を覆うものとで、異なる収縮率を有するものとしても良い。こうした場合であっても、上記構成の圧圧電デバイスと同様の効果を得ることができる。
【0014】
また、上記のように、凹陥部に充填する導電性接着剤と実装電極を覆う導電性接着剤とで異なる収縮率をもつものを用いる場合、前記導電性接着剤の収縮率は、実装電極を覆うものよりも凹陥部に充填するものの方が高いものとなるように設定することが望ましい。このような構成とすることにより、強い引き付け力を発生させることが可能となり、圧電振動片の片持ち支持をより安定させることが可能となる。
【0015】
また、上記構成の圧電デバイスでは、前記支持部は、パッケージの側壁側に位置する端部に傾斜面を有するようにすると良い。このような構成とすることにより、圧電振動片の下面側に充填される導電性接着剤の容積が増えることとなる。このため、導電性接着剤全体としての収縮割合が大きくなり、圧電振動片の片持ち支持が安定する。
【0016】
また、上記目的を達成するための電子機器は、上記した圧電デバイスを搭載したことを特徴とする。このような構成の電子機器であれば、圧電デバイスのパッケージを小型化することができるため、高集積化を実現することができ、電子機器自体の小型化も促進することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の圧電デバイスの製造方法、圧電デバイス、及び電子機器に係る実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施の形態は本発明に係る一部の実施形態であり、本発明は以下に示す実施の形態のみに拘束されるものでは無い。
まず、本発明の圧電デバイス(例えば圧電発振器)に係る第1の実施形態について図1を参照して説明する。なお、図1(A)は平面図を、図1(B)は同図(A)におけるA−A断面をそれぞれ示す概略図である。
【0018】
本実施形態の圧電発振器10は、パッケージ12と、当該パッケージ12の内部に実装される実装部品(半導体集積回路(IC:Integrated Circuit))16、圧電振動片14、及び前記パッケージ12の上部開口部を封止するリッド18とを基本構成としている。
【0019】
前記パッケージ12は、セラミック等から構成される複数の基板(図では12a〜12d)を積層して形成されたものを基本とする。このような構成のパッケージ12において、基板12dの底面には、外部電極(不図示)が設けられ、基板12c上に形成された電極パッド22と電気的に接続される構成とされている。また、基板12bの一部は、前記圧電振動片14の支持部20を構成し、支持部20の後端とパッケージ12の側壁を成す部分との間には、貫通溝が構成され、パッケージ12全体としてみた場合には凹陥部21が形成されていることとなる。前記基板12c上に形成された電極パッド22の一部は、前記支持部20の下を通って前記凹陥部21に接続部を覗かせる。
【0020】
前記IC16は、基板12dの上面へ接着剤28によって搭載される。IC16の実装は、IC16上に設けられた端子(不図示)から前記基板12c上に設けられた電極パッド22へのワイヤボンディングによって成される。なお、ワイヤボンディングを行うためのワイヤ24に関しては、電気的抵抗が低く信頼性の高い金(Au)であることが望ましい。
【0021】
前記圧電振動片14は、板面に励振電極(不図示)が形成され、一方の端部(固定端)に実装電極(不図示)が形成されたものである。圧電振動片14は、図示しない実装電極が形成された固定端側を前記支持部20上へ載置される。このとき、圧電振動片14の固定端が、支持部20の後端よりも後方、すなわちパッケージ12の側壁側へ突出するように載置する。この状態で導電性接着材26を用いて前記電極パッド22と、前記図示しない実装電極とを電気的に接続する。このため、導電性接着材26は、前記凹陥部21に充填されるものと、圧電振動片14を覆うものとから成ることとなる。導電性接着剤26は通常、樹脂に導電性材料を含有させたものであるため、硬化に伴ってその体積が収縮する。本実施形態の場合、支持部20から突出させた圧電振動片14の後端部の下方に充填する導電性接着剤26の容量が多いため、導電性接着剤26全体の収縮も大きく、圧電振動片14を片持ちで支持する力を大きなものとすることができる。このため、圧電振動片14を枕部無しで片持ち支持する場合であっても、安定して保持することが可能となる。また、パッケージ12の一部である支持部20を支点として導電性接着剤26により圧電振動片14の端部を引き付ける構成としているため、圧電振動片の遊端側を確実に引き上げることができる。また、パッケージ12内に圧電振動片14の遊端を支持するための枕部が不要となったことにより、小型化されたパッケージ12であってもIC16等のパッケージ実装部品を実装するための電極パッド22の面積を十分に確保することが可能となる。よって、結果として圧電発振器10自体を小型化することが可能となる。
【0022】
次に、図2を参照して、本発明の圧電発振器10において、圧電振動片14を片持支持する際の工程を説明する。
まず、圧電振動片14を支持部20と、IC16を実装するためのワイヤボンディング用ワイヤ24とを支持点として支持する(S100)。この状態において、支持部20の後方に形成された凹陥部21に導電性接着剤26を充填すると共に、導電性接着剤26により圧電振動片14の実装電極を覆う(S110)。凹陥部21に充填した導電性接着剤26が硬化する際に生じる収縮力によって、圧電振動片14の固定端は下方へ引き付けられ、圧電振動片14の遊端は上方へ持ち上げられて前記ワイヤ24から離間される(S120)。このような工程を経て圧電振動片14を片持ち支持状態とした後、パッケージ12の上部開口部をリッド18で封止して圧電発振器10を構成する(S130)。
【0023】
上記のような工程を経て上記のような構成の圧電発振器10を構成することにより、枕部が無い状態であっても、圧電振動片14を片持ち支持状態で固定することが容易となる。また、片持ち状態で指示する力が強くなるため、支持状態が安定する。そして、パッケージ12内から枕部を排除したことにより、パッケージ12を小型化した場合であっても、電極パッド22を形成するための面積を十分に確保することが可能となった。
【0024】
上記説明では、導電性接着剤26の充填は1工程として記載したが、具体的には図3に示すような工程とすることが望ましい。すなわち、圧電振動片14を載置する前に凹陥部21(図2参照)へ第1の導電性接着剤26aを充填する(S200)。第1の導電性接着剤26充填後、圧電振動片14を支持部20と、ワイヤボンディング用のワイヤ24とを支持点とした状態で載置する(S210)。その後、第2の導電性接着剤26bによって圧電振動片14の実装電極部分を覆う(S220)。
【0025】
このような工程により導電性接着剤26(26a,26b)の塗布を行うことにより、圧電振動片14の突出部分の下面にも導電性接着剤を十分に充填することが可能となり、接着強度が増すことができると共に導電性接着剤の収縮時に生じる引き付け力も強いものとすることができる。なお、上記のように2段階で導電性接着剤26の充填を行う場合には、第1の導電性接着剤26aと、第2の導電性接着剤26bとは、硬化時の収縮率が異なるものとしても良い。この場合、第1の導電性接着剤26aの収縮率が第2の導電性接着剤26bの収縮率よりも高くなるようにすることが望ましい。第1の導電性接着剤26aの収縮により圧電振動片14が片持ち支持状態となるからである。
【0026】
次に、図4を参照して、本発明の圧電発振器に係る第2の実施形態について説明する。なお、図4において図4(A)は平面図を、図4(B)は同図(A)におけるA−A断面を示す図である。
本実施形態の圧電発振器の基本的構成は、第1の実施形態の圧電発振器10と同様である。よって、機能を同一とする部分は、図面に対し、同一の符号に100を足した値を附してその詳細な説明を省略することとする。
【0027】
本実施形態の圧電発振器110と第1の実施形態に示した圧電発振器10との相違点は、支持部120の後方に形成した凹陥部121に隔壁120aを設けたことにある。隔壁120aは、基板112bが構成する側壁と連結される構成であると良い。
【0028】
このような構成とすることにより、凹陥部121に充填した導電性接着剤126同士が接触してしまい、短絡が生じるという事態を回避することが可能となる。また、このような構成であれば、凹陥部121に対して十分に導電性接着剤126を充填することができるため、電気的接続が安定する(図4においては、説明を解り易くするために、凹陥部121に隙間ができるように充填した様子を示している)。さらに、柱状に充填された導電性接着剤126が収縮することとなるため、導電性接着剤126の収縮のバランスが安定する。このため、引き付け時に圧電振動片114に余分な応力が生じることが無い。その他の構成、及び作用効果は、第1の実施形態に示した圧電発振器10と同様である。
【0029】
次に、本発明の圧電発振器に係る第3の実施形態について図5を参照して説明する。本実施形態の基本的構成も、第1の実施形態及び第2の実施形態に示した圧電発振器10,110と同様である。したがって、機能を同一とする箇所については、第1の実施形態と同一の符号に200を足した符号を図面に附してその詳細な説明を省略する。
【0030】
本実施形態の圧電発振器210は、支持部220の後端に切欠きを設けて傾斜面220bを形成したことにある。このような構成とすることにより、圧電振動片214の下面側へ充填される導電性接着剤226の量を増やすことが可能となる。このため、導電性接着剤226の収縮割合が大きくなり、圧電振動片214の支持力を強くすることが可能となる。その他の構成、及び作用効果は、第1の実施形態、又は第2の実施形態に示した圧電発振器10,110と同様である。
【0031】
次に、上記実施形態に示した圧電発振器10,110,210を実装した電子機器について、図6に示す携帯電話装置を一例に挙げて説明する。
携帯電話装置300では、送信者からの音声信号は、マイクロフォン302によって電気信号に変換され、デモジュレータ・コーデック等を備える信号切替部306で変調等され、送信部308にて周波数変換等され、アンテナ312を介して基地局(不図示)に送信される。
【0032】
これに対し、基地局から送信された信号は、アンテナ312を介して受信し、受信部314にて周波数変換され、信号切替部306にて音声信号に変換されて、スピーカ304から出力される。
【0033】
このような信号制御が成される携帯電話装置300の動作は、CPU(Central Processing Unit)316によって全体が制御されている。CPU316は、液晶画面やキーボード等の入出力部318や、制御プログラムや電話帳等を記録するメモリ320をはじめ、信号の送受信を制御する切替スイッチ310の動作も制御している。
上記のような基本構成を有する携帯電話装置において、上述した圧電発振器10,110,210は特に、CPU316に接続され、CPU316の基本クロック等の役割を果たす。
【0034】
上記実施形態において支持部20は基板12bの一部として説明したが、異なる構成材料から成るものであっても良い。また、パッケージ12は複数の基板12a〜12dを積層したものとして説明したが、これは1つの実施形態であり、可能であれば、一体形成されたものであっても良いし、基板の積層数を変えても良い。また、実施形態に示した圧電発振器では、パッケージ内に実装する電子部品としてICのみを示したが、他の電子部品を実装した場合であっても、本発明の実施形態を逸脱するものでは無い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の圧電発振器に係る第1の実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の圧電発振器を製造する際の特徴部分を示す工程の図である。
【図3】図2における導電性接着剤の充填工程を詳細に示した図である。
【図4】本発明の圧電発振器に係る第2の実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明の圧電発振器に係る第3の実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の圧電発振器を実装した電子機器の例を示す概略図である。
【図7】従来の圧電発振器の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10………圧電発振器、12………パッケージ、14………圧電振動片、16………半導体集積回路(集積回路:IC)、18………リッド、20………支持部、22………電極パッド、24………ワイヤ、26………導電性接着剤、28………接着剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ内に、片持ち支持される圧電振動片と、パッケージ実装部品とを有する圧電デバイスの製造方法であって、
前記圧電振動片を、支持部と当該支持部よりも下方に位置するパッケージ内面あるいは前記パッケージ実装部品とを支持点として、当該圧電振動片の実装電極が前記支持部よりもパッケージの側壁側に位置する状態となるようにして載置し、
パッケージの側壁と前記支持部との間に充填された導電性接着剤の硬化時に生じる収縮によって圧電振動片の実装電極を下方へ引き付けて、圧電振動片の遊端を前記支持点から離間させて片持ち支持する工程を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項2】
パッケージ内に、片持ち支持される圧電振動片と、パッケージ実装部品とを有する圧電デバイスの製造方法であって、
前記圧電振動片を支持部と当該支持部よりも下方に位置する前記パッケージ実装部品のボンディングワイヤとを支持点として載置し、
パッケージの側壁と前記支持部との間に充填された導電性接着剤の硬化時に生じる収縮によって圧電振動片の実装電極を引き付けて、圧電振動片の遊端を前記支持点から離間させて片持ち支持する工程を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項3】
パッケージ内に、片持ち支持される圧電振動片と、パッケージ実装部品とを有する圧電デバイスにおいて、
前記圧電振動片を支持する支持部と前記パッケージの側壁との間に凹陥部を設け、
前記凹陥部の上部に前記圧電振動片の実装電極を配置し、
前記凹陥部に充填した収縮性を有する導電性接着剤と、前記実装電極を覆う収縮性を有する導電性接着剤とによって前記圧電振動片を実装し、前記導電性接着剤が硬化することによって生ずる収縮によって前記圧電振動片の支持力を得る構成としたことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項4】
前記導電性接着剤は、凹陥部に充填するものと実装電極を覆うものとで、異なる収縮率を有することを特徴とする請求項3に記載の圧電デバイス。
【請求項5】
前記導電性接着剤の収縮率は、実装電極を覆うものよりも凹陥部に充填するものの方が高いことを特徴とする請求項4に記載の圧電デバイス。
【請求項6】
前記支持部は、パッケージの側壁側に位置する端部に傾斜面を有することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項7】
請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の圧電デバイスを搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−333047(P2006−333047A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153561(P2005−153561)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】