説明

圧電ブロックを有するマイクロ電子機械デバイスおよびこれを作製する方法

【課題】マイクロ電子機械システムを提供すること。
【解決手段】圧電アクチュエータ(104)を有する構造体を備えたマイクロ電子機械システムについて説明する。複数の圧電アイランドは、複数のチャネル(205)を有するボディ(200)に支持される。圧電アイランドは、工程の一部として、圧電材料の厚いレイヤにカット(145)を形成し、それを取り扱い基板に一時的に結合し、カットされた圧電レイヤ(107)をエッチング形成構造を持つ前記ボディ(200)に取り付け、圧電レイヤをカット(140)の深さより薄い厚さに研磨することによって形成することができる。導電材料(158、210)を圧電レイヤ上に形成して電極(106、112)を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、マイクロ電子機械デバイスのための圧電アクチュエータの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電材料に機械的ストレスを加えると、電気又は電気極性を生成する。逆に、圧電材料に電圧を印加すると逆圧電効果が得られる、すなわち圧電材料は電圧を印加されると機械的に変形する。逆圧電効果によって圧電材料中には極めて強い曲げ力が発生する。これら双方の特性、電気発生及び逆圧電効果は、例えば、アクチュエータ及びセンサといったトランスデューサなどの電子機械デバイスに利用されている。アクチュエータとセンサとの組み合わせを含め、複数のトランスデューサを連結して、マイクロ電子機械システム(MEMS)に組み上げることができる。
【0003】
通常、MEMSは、既存の半導体処理技法を使って、半導体基板中に形成される。MEMSには、単一の構造体又は複数の構造体を含めることができる。MEMSは電気的構成要素を持ち、電気信号がMEMS中の各構造体を作動し、あるいは各構造体の作動から電気信号が生成される。
【0004】
MEMSの一つの実行形態は、ボディ内部に形成されたチャンバとボディ外面に形成された圧電アクチュエータを含む。圧電アクチュエータは、セラミックのような圧電材料のレイヤと、電極など、電圧を印加するためのエレメントを有する。圧電アクチュエータの電極によって、圧電材料に電圧を印加するか、あるいは圧電材料が変形されたときに生成される電圧を送信することができる。
【0005】
MEMSの一つの種類に、マイクロ流体排出デバイスがある。アクチュエータに電極を通して駆動可能な圧電材料を組み込み、該圧電材料をデバイスのチャンバに向けて変形させることができる。この変形されたアクチュエータはチャンバに圧力をかけ、チャンバ内の流体が、例えばノズルを通って出てくるようにする。アクチュエータ、チャンバ、及びノズルを含め、構造体の各構成要素によってどの位の流体が排出されるかが決まる。複数の構造体を持つMEMSにおいて、MEMS全体の各構造体に対し均一なサイズの構成要素を形成することによって、排出される流体の量の均一性などMEMSの性能の均一性を向上することができる。MEMS内のすべての構造体の各々を数ミクロン以内に加工しながら均一な構造体を形成するのは難しい作業となろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
あるマイクロ電子機械デバイスについて全般的に説明する。該デバイスは、ボディ及び複数の圧電アイランドを有する。ボディは複数のチャンバを有する。複数の圧電アイランドは、ボディに支持されており、各々の圧電アイランドは第一表面、第一表面の反対側の第二表面、及び第一表面と第二表面とを相互接続している第三平面を有する。圧電アイランドは、圧電材料の粒を実質的に含み、圧電材料の自由な粒を相対的に含まない表面を有する。圧電アイランドの第一表面上には導電材料があり、第二表面にも導電材料がある。複数の圧電アイランドの少なくとも一つは、複数のチャンバ中の対応チャンバに十分に隣接して配置されている。圧電アイランドの少なくとも一つは、第三表面上に導電材料を有し、第三表面上の導電材料は第一表面電極と第二表面電極とを電気的に接続している。
【0007】
別の様態によるマイクロ電子機械デバイスについて全般的に説明する。該デバイスは複数の複数のチャンバを有する。また、該デバイスはトランスデューサ・レイヤを有する。トランスデューサ・レイヤは複数のトランスデューサを備え、各トランスデューサは、複数のチャンバ中の対応するチャンバに十分に隣接して配置されており、各トランスデューサはボディに支持された圧電アイランドを含む。圧電アイランドは、第一表面及び第一表面の反対側の第二表面に規定されており、第一及び第二表面はほぼ平面であり、第一表面と第二表面とはほぼ平行である。トランスデューサ・レイヤとボディとの間にボンディング・レイヤがある。ボンディング・レイヤは、トランスデューサ・レイヤにおいて少なくとも2つのトランスデューサの間に延びる。
【0008】
別の局面において、圧電トランスデューサを有するデバイスを形成する方法が記載される。圧電材料のボディの第一表面を、半導体材料と結合させる。凹所を圧電材料のボディの第二表面に形成し、これらの凹所は壁を有する。これらの凹所を形成した後、この圧電材料のボディの第二表面をデバイスボディに取り付ける。圧電材料のボディをデバイスボディに取り付けた後、上記圧電材料のボディの第一表面から半導体材料を除去する。
【0009】
本発明の潜在的利点として、以下の一つ以上を含めることができよう(ないものもある)。導電レイヤを形成する前に、圧電材料にグランドカット(ground cuts)を施すことにより、折り返し(wrap−around)電極形成が可能になる。これら折り返し電極により、圧電材料の電極が形成されている側の反対側に電極への接続部分を設けることが可能になる。折り返し電極によって電極と電極接続部分とを電気的につなぐことができる。フレキシブル回路を圧電材料の片側面だけに接合することによって、駆動電極及び接地電極の双方にフレキシブル回路を接続することができる。
【0010】
チャンバ体に接合する前に焼成処理した圧電材料を使って圧電アクチュエータを形成することにより、圧電材料を形成するために適用可能な処理ステップの多様性が増える、というのは、アクチュエータを形成するために用いる処理がチャンバ体に与える影響を考慮する必要がないからである。チャンバ体にボンディングする前に、圧電材料をダイシングすることによって、チャンバ体にできるカット疵を削減又は排除し、しかしてチャンバ体のリークを低減することができる。圧電材料のブロックを、圧電アクチュエータ中の最終的な圧電レイヤとしての厚さより深くカットしておき、該圧電材料を最終的な圧電レイヤの必要厚さまで研磨することによって、均一な厚さを持つ圧電アクチュエータの群を形成することができる。圧電材料の当初のブロックを最終的圧電レイヤ厚さより深くカットすれば、ソーブレードの磨耗及び半径の、圧電アクチュエータの均一性に対する影響を少なくすることができる。均一な厚さのアクチュエータ群は、印加された駆動電圧に対し均一な圧電反応を生成することができる。均一な圧電反応により、MEMS内の構造体群の間で一様な動作が行われる。流体排出MEMSにおいては、構造体の各アクチュエータに同様な電力量が印加されたとき、均一な圧電反応によって各々の構造体から均一な量の流体を排出させることができる。さらに、均一な厚さの圧電アクチュエータを保持することによって、一つのMEMS中の構造体から排出される流体の量を、別のMEMSの構造体からの排出量と均一に維持することができる。アクチュエータの形成において、圧電材料をチャンバ体にボンディングする前に該材料をカットすることによって、アクチュエータ間の圧電材料のタブを排除することができ、これにより構造体の間のクロストークを低減することができる。
【0011】
加工の前に、圧電材料を取扱いレイヤにボンディングすることができる。該取扱い材料によって、熱反応による圧電材料の膨張を制御することができる。チタン酸ジルコン酸鉛のような特定の圧電材料は、加熱されたとき、変化する率で膨張する。材料が室温に戻された場合、材料は直ぐには加熱前の寸法に戻れない。チャンバ体と取扱いレイヤが双方ともシリコンで形成されている場合、シリコンは温度の上昇に伴って予測可能な一定の率で膨張し、取扱いレイヤは、熱ボンディング加工による圧電材料の膨張を、該圧電材料がチャンバ体とおおむね同じ率で膨張するように制御することができる。これによって、加熱時に発生する位置ずれの低減が可能となる。さらに、圧電材料を加工する際、取扱いレイヤを機械的取扱い工具で固定することができる。これにより、加工過程での取扱い工具による圧電材料の損傷可能性が低減される。圧電材料を機械的取扱い工具で直接保持した場合には、圧電材料が薄すぎるため圧電材料の固定と加工とを同時に行うことができなかったような加工処理が、取扱いレイヤを使うことによって可能になる。また、取扱いレイヤには、配列するための機構を含めることができ、これにより、圧電材料中のアクチュエータ前駆体をMEMSボディ中のチャンバに対し精度のよい配列が可能となる。取扱いレイヤの幅を圧電レイヤより広くして、配列機構を圧電レイヤの外側の位置に設けることができる。
【0012】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細を添付の図面と以下の記述とによって説明する。この他の本発明の特質、対象及び利点についても、該記述及び図面と特許請求範囲とから明らかとなろう。
【0013】
各種図面中の同一参照記号は、同一の要素を示す。図面中の品目は一定縮尺ではない。一部の品目は、説明目的のため拡大されている。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
マイクロ電子機械デバイスであって:
複数のチャンバを有するボディ;
該ボディによって支持される複数の圧電アイランドであって、該圧電アイランドの各々は、第一表面、該第一表面と対向する第二表面、ならびに該第一表面と該第二表面とを相互に連結させる第三平面表面を有し、該圧電アイランドは、圧電材料の粒を実質的に含み、圧電材料の自由な粒を相対的に含まない表面を有する、複数の圧電アイランド;ならびに
該圧電アイランドの該第一表面上に導電材料および第二表面上に導電材料
を含み;
該複数の圧電アイランドのうちの少なくとも1つは、該複数のチャンバのうちの対応するチャンバに実質的に隣接して位置し;
該圧電アイランドの少なくとも1つは該第三表面上に導電材料を有し、該第三表面上の該導電材料が、第一表面上の導電材料と第二表面上の導電材料とを電気的に接触させる
マイクロ電子機械デバイス。
(項目2)
項目1に記載のデバイスであって、ボンディング・レイヤをさらに含み、該ボンディング・レイヤは、上記第一導電レイヤと上記ボディとの間にあり、少なくとも一部の該ボンディング・レイヤは、該複数の圧電アイランドの少なくとも2つの圧電アイランドの間にある、デバイス。
(項目3)
マイクロ電子機械デバイスであって:
複数のチャンバを有するボディ;
複数のトランスデューサを提供するトランスデューサ・レイヤであって、各トランスデューサは複数のチャンバのうちの対応するチャンバに実質的に隣接して位置し、各トランスデューサは該ボディによって支持される圧電アイランドを含み、該圧電アイランドは第一表面および該第一表面と対向する第二表面によって画定され、該第一表面および第二表面は実質的に平面であり、該第一表面は該第二表面と実質的に平行している、トランスデューサ;そして
該トランスデューサ・レイヤと該ボディとの間にあるボンディング・レイヤであって、該複数のトランスデューサのうちの少なくとも2つのトランスデューサの間にある、ボンディング・レイヤ
を含む、マイクロ電子機械デバイス。
(項目4)
圧電トランスデューサを有するデバイスを形成する方法であって:
圧電材料のボディの第一表面を半導体材料に結合させる工程;
該圧電材料のボディの第二表面に凹所を形成する工程であって、該凹所が壁を有する工程;
該凹所を形成する工程の後に、デバイスボディに該圧電材料のボディの第二表面を取り付ける工程であって、該デバイスボディが該半導体材料から形成される工程;および
該デバイスボディに該圧電材料のボディを取り付ける工程の後に、該圧電材料のボディの該第一表面から該半導体材料を除去する工程
を包含する、方法。
(項目5)
項目4に記載の方法であって、少なくとも上記凹所が露出するまで、上記圧電材料の上記第一表面から材料を除去する工程をさらに含む、方法。
(項目6)
項目5に記載の方法であって、上記結合させる工程が、上記凹所を形成する工程の前に行われる、方法。
(項目7)
項目6に記載の方法であって、上記圧電材料の上記第一表面から材料を除去する工程が、上記半導体材料のボディを薄くする工程を包含する、方法。
(項目8)
項目4に記載の方法であって、上記デバイスボディに圧電材料のボディを取り付ける工程が、熱により硬化させた接着剤で該デバイスボディに該圧電材料のボディを結合させる工程を包含する、方法。
(項目9)
項目8に記載の方法であって、上記デバイスボディに圧電材料のボディを取り付ける工程が、該圧電材料のボディおよび該デバイスボディを加熱する工程を包含する、方法。
(項目10)
項目4に記載の方法であって、上記圧電材料のボディから圧電材料の自由な破片を放すために該圧電材料のボディを洗浄する工程をさらに包含する、方法。
(項目11)
項目10に記載の方法であって、上記圧電材料のボディを洗浄する工程が、フルオロホウ酸溶液中で該ボディを洗浄する工程を包含する、方法。
(項目12)
圧電トランスデューサを有するデバイスを形成する方法であって:
圧電材料のボディを洗浄する工程;
該圧電材料のボディの第一表面に凹所を形成する工程であって、該凹所が壁を有する工程;
該凹所を形成する工程の後に、デバイスボディに該圧電材料のボディの第一表面を取り付ける工程;そして
該デバイスボディに該圧電材料のボディを取り付ける工程の後に、該圧電材料のボディの第二表面の少なくとも一部を除去する工程
を包含する、方法。
(項目13)
項目12に記載の方法であって、上記ボディを洗浄する工程が、フルオロホウ酸溶液中で上記圧電材料のボディを洗浄する工程を包含する、方法。
(項目14)
項目12に記載の方法であって、上記圧電材料のボディを洗浄する工程が、上記デバイスボディに該圧電材料のボディを取り付ける工程の前に行われ、該デバイスボディに該圧電材料のボディを取り付ける工程の後に該圧電材料のボディを洗浄する工程をさらに包含する、方法。
(項目15)
項目14に記載の方法であって、上記ボディを取り付ける工程の後の上記ボディを洗浄する工程が、フルオロホウ酸溶液中で上記圧電材料のボディを洗浄する工程を包含する、方法。
(項目16)
項目12に記載の方法であって、上記圧電材料のボディ上に第一導電レイヤを形成する工程をさらに包含する、方法。
(項目17)
項目16に記載の方法であって、上記第一導電レイヤを形成する工程が、上記デバイスボディに上記圧電材料のボディを取り付ける工程の前に行われる、方法。
(項目18)
項目17に記載の方法であって、上記圧電材料のボディの第二表面の少なくとも一部を除去する工程の後に、第二導電レイヤを形成する工程をさらに包含する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aは、圧電アクチュエータを有するMEMSの部分断面図である。
【図1B】図1Bは、圧電アクチュエータを有する2つの流体排出MEMSを備えたダイスの部分断面図である。
【図1C】図1Cは、圧電アクチュエータを有するMEMSの上面図である。
【図2】図2は、圧電材料を示す。
【図3】図3は圧電材料とシリコンウエハとを示す。
【図4】図4は、シリコンウエハにボンディングされた圧電材料のアセンブリを示す。
【図5】図5は圧電材料を薄くした後のアセンブリを示す。
【図5A】図5Aは、研磨された圧電材料の表面拡大図を示す。
【図5B】図5Bは、研磨された圧電材料の酸洗浄後の一片を示す。
【図6】図6は、材料の底部にグランドカットのあるアセンブリを示す。
【図7】図7は、ダイシングされた圧電材料の一つの実行形態の底面図である。
【図8】図8は、導電レイヤが形成された後の圧電材料のX軸沿いの断面図である。
【図9】図9は、分離カット(separation cuts)が行われた後の圧電材料のY軸沿いの断面図である。
【図10】図10は、分離カット、絶縁カット(isolation cuts)及びグランドカットを行った圧電材料の一つの実行形態の底面図である。
【図11】図11は、グランドカット及び配列用カット(alignmentCuts)を行った圧電材料のX軸沿いの断面図を示す。
【図12】図12は、シリコン・レイヤに配列用スロットを形成した後のアセンブリの断面図を示す。
【図13】図13は、配列穴を有するシリコンウエハの上面図である。
【図14】図14は、チャンバ体の断面図を示す。
【図15】図15は、未完成のアクチュエータ・アセンブリに位置合わせされたチャンバ体を示す。
【図16】図16は、一緒にボンディングされたチャンバ体と圧電材料とを示す。
【図17】図17は、部分的に形成されたアクチュエータを有するチャンバ体を示す。
【図18】図18は、上部導電レイヤ形成後の圧電アイランドを示す。
【図19】図19は、フォトレジスト塗布後の圧電アイランドを示す。
【図20】図20は、パターニング後のフォトレジストを示す。
【図21】図21は、各チャンバが個別のアクチュエータを有する、複数の構造体の端部方向から見た断面図である。
【図22】図22は完成した圧電アクチュエータを有する構造体の側面からの断面図である。
【図23】図23は、フレキシブル回路を取り付けたアクチュエータを有する単一の構造体を示す。
【図24】図24は、アクチュエータの一つの実施形態の平面図である。
【図25】図25は、圧電アクチュエータを持つ構造体を備えたMEMS形成するステップの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
各構造体が圧電アクチュエータを持つ構造体を備えたMEMSを形成する方法を説明する。図1A、1B及び1Cに示すように、MEMSデバイス100は、圧電アクチュエータ104を支持するボディ200を持ち、該ボディ200は複数のトランスデューサ構造体110を有する。ボディ200は、材料のレイヤ中に形成されたチャンバ205を有する。チャンバ205は、圧力トランスデューサのように外気から閉じることもでき、流体を排出する場合のように外気に開放することもできる。ボディ200を単一の材料による単一レイヤにすることができる。これに換えて、ボディ200を、単一材料あるいは複数材料による、共接合された複数のレイヤで構成することができる。
【0016】
圧電アクチュエータ104には、上部電極106と、圧電レイヤ109と、底部電極112とを含めることができる。圧電アクチュエータ104には、チャンバ205の上に形成された膜118を含めることができる。膜118によってチャンバ205を圧電レイヤ109から隔てることができる。一つの実行形態において、底部電極112は、導電折り返し280によって底部電極接続部211に電気的に接続されている。一つの実行形態において底部電極112を他の底部電極112と導通させることができる。導電折り返し280は、以下にさらなる説明をするように、グランドカット140の中に形成される。底部電極112とボディ200との間に、酸化物レイヤのような絶縁体レイヤ(図示せず)を配置することができる。一つの実行形態では、ボディ200が底部電極の役割をする。ボディが底部電極を構成する場合、圧電アクチュエータを形成するため、上部電極106及び圧電レイヤ109だけが必要となる。また、電極の並列配置のような他の電極構成を選択することもできる。圧電レイヤ109とボディ200との間に、接着剤のようなボンディング材料のレイヤを随意に配置することができる。
【0017】
底部電極112の底部電極接続部211、及び上部電極106に回路(図示せず)を電気接続することができる。該回路から電極に電圧を印加することができる。印加された電圧で、圧電レイヤ109を作動し圧電材料を収縮させることができる。圧電材料が収縮すると、その収縮により接合された膜118がチャンバ205の方へ湾曲しチャンバ205に圧力をかける。一つの実行形態では、チャンバ205に圧力をかけることによってチャンバ205にノズル101から流体を排出させることができる。別の実行形態では、チャンバ205はアクチュエータに圧力を加えられるのでなく、環境事象によって加圧(又は減圧)される。チャンバ205中の圧力の変化により圧電レイヤ109が収縮され、これによって生成された電圧を電極112,106から送信し回路に感知させることができる。
【0018】
図1Bに示すように、一つの実行形態においては、2列になった流体排出構造体を有し、これら2列の構造体は、デバイスの中央部に向きそのノズルはほぼ直線状に配列されている。各構造体の長手方向中央は、チャンバ205の長さまで伸びている。一つの列の構造体の中央を他方の列の構造体の中央と整列させることができる。図の構造体の断面図は、第一列の一つの構造体の中央部と第二列の構造体の幻図(第二構造体のチャンバは幻に示されている)とを示す。絶縁カット168をノズル101の上側に形成して、相互に対面している流体排出構造体がお互いに電気的にも物理的にも分離されるようにすることができる。
【0019】
複数の構造体を持つMEMSにおいて、各圧電アクチュエータが一つの構造体の一部となっている複数の圧電アクチュエータを、圧電材料の単一のレイヤから形成することができる。これにより、複数のアクチュエータを一度に並行処理することができる。簡明化のために、以降、殆どの図に関して、単一の構造体に対する圧電アクチュエータの形成方法を説明する。圧電レイヤ109とボディ200とを切削又はエッチングして、各MEMSを他のMEMSから分離することができる。一つの実行形態において、ボディ200に、裏溝(street)103がエッチングされソーカット103が形成される。裏溝103とソーカットに沿ってMEMSをマニュアルでブレークすることができる。図25に示すようにボディ200と圧電レイヤ109とを別々に加工して、後の加工段階で一緒に組み合わせることができる。
【0020】
図2及び25に示すように、圧電アクチュエータの形成は、チタン酸ジルコン酸鉛のような圧電材料の加工開始レイヤ(圧電レイヤ107)を準備することから開始される(ステップ305)。但し、他の圧電材料を使用することもできる。一つの実行形態において、PZTは約7.5g/cm又はそれより上、例えば約8.0g/cmの密度を有する。圧電定数d31は約200以上とすることができる。HIPS処理された圧電材料を、日本のSumitomo Piezoelectic MaterialsからH5C及びH5Dとして入手可能である。H5C材料は約8.05/cmgの見掛け密度及び約210のd31を示す。H5D材料は約8.15/cmgの見掛け密度及び約300のd31を示す。基板は通常約1cm厚さで所望の作業厚さにカットすることができる。プレス法、ドクターブレード法、グリーンシート法、ゾルゲル法、又は析出法を含めた技法によって圧電材料を形成することができる。B.ジャッフェ(Jaffe)の圧電セラミックス(Piezoelectric Ceramics)、Academic Press Limited社、1971年、に圧電材料の製造が論じられており、この全体内容を参照として本明細書に組み込む。ホットプレスを含めた形成方法が258〜9頁に記載されている。また、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)のような単結晶圧電材料も使用でき、ペンシルベニア州、フィラデルフィアのTRS Ceramics社から調達可能である。バルク成型(Bulk)PZT材料は、スパッタ法、スクリーン印刷又はゾルゲル法で形成されたPZT材料よりも高い圧電定数d、誘電率結合係数、剛性及び密度を有することが多い。
【0021】
圧電材料の焼成に関連する諸技法を用いて、ボディに接着する前に圧電材料のこれらの特性を確定しておくことができる。例えば、それ自体だけで(支持材とは別に)成型され焼成される圧電材料は、モールド(加熱の有無にかかわらず)の中に材料を詰め込む際に高い圧力が掛けられる利点がある。さらに、通常、流動剤及びバインダのような添加剤が少なくて済む。焼成工程では、例えば1200〜1300℃といったもっと高い温度を用いて、より良好な焼結性とグレイン成長を得ることができる。ゾルゲル又はスパッタリング技法によって形成された圧電レイヤとは違って、バルク圧電材料中のグレインは約2から4ミクロンの間のグレイン幅とすることができる。焼成雰囲気(例、鉛雰囲気)を使って、セラミックからの(高温による)PbOの流出を削減することができる。PbOの損失又は他の劣化が生じた可能性のある成型部品の外面部を切り落として廃棄することができる。また、処理中にセラミック材を高圧にさらす熱間性水圧プレス(HIP)を使って材料を処理することができる。圧電材料のブロックを焼成中に又は焼成後に、HIP処理を行い、密度を上げ、ボイドを減らし、圧電定数を上昇させることができる。HIP処理については酸素又は酸素/アルゴン雰囲気中で実施することができる。
【0022】
圧電材料の加工開始レイヤについては、250近辺から約300ミクロンの間など、約100から約400ミクロンの間の厚さとすることができる。圧電材料は、底面113及び上面115を持ち、底面113は、最終的にはチャンバ体に最も近接する面となる。
【0023】
図3に示すように、シリコンのような材料の、取扱いレイヤ135は、圧電レイヤ107の上面115上にセットされる。取扱いレイヤ135をボディ200を形成するため用いたものと同一の材料で形成することができる。取扱いレイヤ135は、圧電レイヤ107が加工中に損傷を受けないように、圧電レイヤ107を保持し搬送するレイヤの役割をする。また、取扱いレイヤは、後記でさらに説明するように、後の熱処理ボンディング・ステップにおける圧電材料107の膨張を制御することになる。取扱いレイヤ135については、400から1000ミクロンの厚さとすることができるが、厚さの精度はそれほど重要ではない。一つの実行形態において、取扱いレイヤ135は圧電レイヤ107より幅が広い。
【0024】
図4に示すように、取扱いレイヤ135はレイヤ107に圧電ボンディングされる(図25のステップ313)。このボンディングについては、重合ベンゾシクロブテン(BCB)のような接着剤を圧電レイヤ107又は取扱いレイヤ135のいずれかに塗布し、2つのレイヤを共に加圧することで行うことができる。次いで、そのアセンブリを加熱などによって硬化させることができる。
【0025】
図5を参照すると、次いで、アクチュエータ(図1の品目109)の圧電部分の最終的な所望厚さよりは厚いが、圧電材料の作業開始レイヤ(図25のステップ318)よりは薄い厚さに、圧電レイヤ107を薄くすることができる。一つの実行形態においては、圧電レイヤ107は、約200ミクロン、又は約50ミクロンよりも薄くされる。
【0026】
圧電レイヤ107を薄くするのに、水平研磨のような高精度研磨技法を用いて、円滑で低ボイドの表面形態を持つ高度に均一な薄層を生成することができる。水平研磨では、高精度な平面度許容差内に機械加工された基準表面を持つ回転チャックに加工品をマウントする。加工品の露出面には、同様に高精度の許容差で配列された水平研磨ホイールが接触する。該研磨によって、基板上に、例えば約0.25ミクロ以下の、あるいは、例えば0.1ミクロン以下の平面度及び平行度と、5nmRa以下までの表面仕上げとを得ることができる。また、研磨によって残留ストレスが均一になる。
【0027】
適切な高精度研磨装置として、アリゾナ州、チャンドラーのCieba Technologies社を介して入手可能な、東芝モデルUHG−130Cがある。粗目のホイールで基板を研磨し、その後に細かいホイールで研磨するのがよい。妥当な粗研磨及び精細ホイールは、それぞれ、1500グリット及び2000グリットの合成ダイヤモンド樹脂母材のものである。適切な研磨ホイールをAdoma社又は日本の旭ダイヤモンド工業(株)社から調達することができる。
【0028】
研磨工程の一つの実行形態においては、以下のパラメータが用いられる。加工品取付スピンドルは500rpmで作動され、研磨ホイールのスピンドルは1500rpmで作動される。X軸のフィード速度は、粗ホイールを使った始めの50〜300ミクロン研磨に対しては10ミクロン/分であり、精細ホイールを使った終わりの50〜100ミクロン研磨に対しては1ミクロン/分である。冷却剤は、18メガオーム−cmの脱イオン水である。
【0029】
図5Aに示すように、研磨の後、圧電レイヤは、基本的には、圧電材料のしっかり固着したグレインと遊離したグレインとの双方を持つ平滑な表面、及び圧電材料の粒子と研磨液とでできたペースト119を有する。研磨工程では、圧電材料のグレインの多くは劈開されるが、一部のグレインは遊離する。図5Bに示すように、研磨の後、ホウフッカ水素酸(HBF)の1%溶液中で圧電材料を洗浄し、研磨による表面の損傷物を除去することができる。研磨工程で遊離した圧電材料のグレインを、小さな痕跡溝121を残して殆ど除去し、しっかり固着したグレイン120は保持しておくことができる。また、該洗浄で、ペースト119のような、圧電材料表面に残ることのある一切の余計な物質も除去することができる。コネチカット州、ミドルフィールドのZygo Corp社から購入可能なZygo moderu Newview5000干渉計をMetroviewソフトウエアとともに用いて、表面形態を測定することができる。
【0030】
図6に示すように、圧電レイヤ107の第二表面113にグランドカット140が作られる(図25のステップ324)。圧電レイヤ107を、ソー切削又はダイス切削してグランドカット140を生成する。グランドカット140は、構造体が出来上がったとき、アクチュエータの圧電部分の最終厚さと同じ深さか又はこれより深くなるよう切削する(図1の品目109)。一つの実行形態において、グランドカット140は約40ミクロンの深さであり、出来上がりアクチュエータの圧電材料レイヤは、約15から35ミクロンの厚さである。カットの穴底部でグランドカット140の断面を丸くするとよい。
【0031】
図7を参照すると、圧電レイヤ107の一つの実行形態の底面図が示されている。圧電材料の全体の面を通し複数のカットが示され、複数のアクチュエータが形成されていることが示されている。グランドカット140は圧電レイヤ107の底部幅に沿って十分に伸びており、各圧電アクチュエータはグランドカット140を持つ。製造を単純化するために、グランドカット140を圧電レイヤ107の全体長に延長することができる。例示した実行形態において、圧電レイヤ107の底面は、18個のダイ150を有するボディに配列されており、ダイの位置は幻に示されている。グランドカットのペアを各ダイに通過させることができる、というのは、各ダイ150は2列の構造体を包含しており、この2列の各列を別々の接地電極に接続する必要があるからである。
【0032】
図8に示すように、圧電レイヤ107の底面113に導電レイヤ158が形成される(図25のステップ327)。導電レイヤ158は、最終的に底部電極を形成すると同時に、導電折り返し280となって圧電レイヤ107の底部電極から上部電極への電気接続を可能にする。導電折り返し280部分は、グランドカット140の壁面に配置されている。この塗布方法については、例えばスッパタリングなどの真空蒸着で行うことができる。蒸着する導電体については、銅、金、タングステン、すず、酸化インジウムすず(ITO)、チタン、プラチナ、金属の組み合わせ、又は電極用途に適した他の材料とすることができよう。一つの実行形態において、導電レイヤには、チタン−タングステン、金−すず、及び金を積層したレイヤが含まれる。
【0033】
図9を参照すると、導電レイヤ158及び圧電レイヤ107をも通して、絶縁カットが施されている(図25のステップ333)。該絶縁カットは、一つの圧電アクチュエータの圧電材料を、隣接する圧電アクチュエータの圧電材料から分離しており、これにより隣接するアクチュエータ間のクロストークを低減でき、ケースによってはこれを排除できる。絶縁カットは、圧電レイヤ107の最終厚さより深く切削される。一つの実行形態では、該カットは、カットが施される圧電レイヤ107の全体厚さほどには深くない。一つの実行形態では、絶縁カット165は少なくとも15ミクロンの深さである。グランドカットが140が圧電レイヤ107のX軸沿いに施されている場合、絶縁カット165を圧電レイヤ107のY軸沿いに形成し、グランドカット140が、絶縁カット165と直角になるようにすることができる。絶縁カット165は、グランドカット140と違って、該カットの垂直壁沿いに導電材料が付着しないように、導電レイヤの形成ステップの後に切削される。
【0034】
図10に示すように、グランドカット140と平行に、追加のX軸絶縁カット168を形成することができる。これらのX軸絶縁カット168を、2列の構造体を有するMEMSデバイス中で用い、図1Cの構造体130と131とのような、相互に面して隣り合う圧電アクチュエータを分離することができる。圧電レイヤ107の底面図には、オプションのX軸絶縁カット168に沿ったグランドカット140と、Y軸沿いの絶縁カット165と示している。(個別のダイの対応位置は幻に示されている)。絶縁カット165は、プリントヘッド・ダイ位置152に対応する場所に形成される。
【0035】
図11を参照すると配列用カット171が、圧電レイヤ107の底面113に形成されている(図25のステップ336)。該カット171を、後記で述べるように後の配列ステップで使うことができる。圧電レイヤ全体に配列用カット171を施し、その一部を取扱いレイヤ135中にまで切り込ませることができる。一つの実行形態において、配列用カットは約80ミクロンの深さである。配列用カット171を、X軸の圧電レイヤ171沿いに、すなわちグランドカットと平行にも、あるいはY軸沿いにも形成することができる、配列用カット171は、圧電レイヤ107の縁端部とプリントヘッド・ダイ位置152との間など、圧電レイヤ107の周辺部で、プリントヘッド・ダイ位置152に対応する圧電レイヤ領域の外側に形成される。配列用カット171は、後に個別のアクチュエータを形成することになる圧電レイヤの部分にはオーバーラップさせない。これに換えて、取扱いレイヤ135が圧電レイヤ107より幅が広い場合には圧電レイヤ107外側の領域の取扱いレイヤ上に配列用カットを作ることができる。
【0036】
図12に示すように、圧電レイヤ107中に配列用スロット182が作成される(図25のステップ340)。配列用スロット182は、取扱いレイヤ135の上面へのソーによるプランジ切削によって形成することができる。これは、半円形状のカットとなる。(圧電レイヤ107と取扱いレイヤ135との)アセンブリの破損又は弱体化のリスクを低減するため、配列用スロット182は、配列用カット171と直行に作られ、一対だけの配列用スロット182が作られる。配列用スロット182は、配列用カット182を横断するのに十分なだけの深さが必要である。図13に示されるように、取扱いレイヤ135を上面から見ると、該カットとスロットが交差しているのが見える。このスルーホール185を使って、圧電レイヤ107をボディに整列させることができる。
【0037】
図14を参照すると、圧電レイヤ107に接着するため、チャンバ205を有するボディ200が用意されている。チャンバ205は、圧電レイヤ107がボディ200に接合されたとき、チャンバ205が各絶縁カット165の間にある導電レイヤ158に整合するように間隔取りされている。チャンバ205を、各絶縁カット165の間の圧電レイヤ107の幅より狭くも、同じ位にも、これより広くすることもできる。
【0038】
ボディ200を、複数のレイヤ又は単一のレイヤで形成することができる。ボディを複数のレイヤで形成する場合、レイヤを接合して積層構造を形成することができる。米国仮出願、第60/5 10,459号、名称「薄膜を有するプリントヘッド(Print Head with Thin Membrance)」2003年10月10日出願、に記載されているように、各レイヤが、シリコンなどの同一の材料である場合、レイヤを接合することによって、殆ど継ぎ目が見分けられないモノリシックなボディを形成することができる。この出願の開示は参考として本明細書に組み込まれる。チャンバを、柔軟性の膜でカバーし、これを通して圧電レイヤ107の動きをチャンバに伝送することができる。
【0039】
一つの実行形態において、ボディ200は、インクのような流体の小滴又はストリームを流出するよう構築された流体排出デバイスである。該ボディには、チャンバ205に加え、チャンバ205とインクが格納されている容器とを流体接続するインク配送路を備えることができる。また、チャンバ205には、フィルタ構造(図示せず)を含め、インクと一緒に流れてくる滓がチャンバ205に流入するのを防止することができる。チャンバ205を流出路を通して、ノズルのような流出口につなぐことができる。
【0040】
ボンディング材料のレイヤをスピン塗布するなどして、ボディ200の上にボンディング・レイヤ193を形成することができる。ボンディング・レイヤ193には、BCBのような接着剤を含めることができる。これに換えて、導電レイヤ158の上にボンディング・レイヤ193を形成することもできる。ボンディング・レイヤを、0.1から0.3ミクロンといったように非常に薄くすることができる。
【0041】
図15を参照すると、圧電レイヤ107がボディ200と位置合わせ整列されている(図25のステップ344)。具体的には、分離カット165の位置が、ボディ200中のチャンバ205の間にある壁208に揃うようにして、圧電レイヤ107とボディ200とはY軸沿いに整列される。一つの実行形態において、圧電レイヤ107はX軸沿いに配列される。圧電レイヤ107は、グランドカット140がチャンバ205の上に来ないようにして、X軸沿いに配列される。
【0042】
ボディ200がシリコンで形成されている場合、赤外線カメラを使って、壁208の位置を示すことができる。滑らかなシリコン表面は、赤外光に対しほぼ透過性があり、カメラによって、シリコン・ボディ200中に形成された機構を検知することができる。シリコン・ボディ200周辺部分に、配列のためのマークを設けることができる。スルーホール185を、配列マークに揃えて圧電レイヤ107をボディ200に揃え、これにより絶縁カット165を壁208に整列させることができる。
【0043】
図16に示すように、配列の後、接着剤を塗布された面がどちらの方かによって、導電レイヤ158、又はボディ200どちらかが、ボンディング・レイヤ193に接合される(図25のステップ349)。接着剤としてBCBが使われている場合、ボディ200と圧電レイヤ170は一緒に保持され加熱される。一つの実行形態では、該アセンブリは、BCB重合化のため200℃近辺で約40時間加熱される。ボディ200又は導電レイヤ158の表面をわずかに粗くしておけば、圧電レイヤ107とボディ200との間の滑りを防止することができる。一つの実行形態において、導電レイヤ158又はボディ200には、相当な量のBCBが塗布され、ボディ200と圧電レイヤ107とが接着される際、BCBが分離カット165及び/又は絶縁カット165の少なくとも一部に充填される。一つの実行形態では、ボディ200と圧電レイヤ107は、金属共晶結合によって共に接着される。
【0044】
図17に示すように、取扱いレイヤ135、及び圧電レイヤ107の一部はアセンブリから除去される(図25のステップ352)。取扱いレイヤ135と圧電レイヤ107とを研磨して、取扱いレイヤ135を全部除去し、圧電レイヤを、少なくともグランドカット149の底部に付いた導電材料が除去される程度にまで薄く削る。一つの実行形態では、圧電レイヤ107は、例えば20ミクロンなど、10から35ミクロンの間にまで薄くされる。この薄層化ステップにおいて、圧電レイヤ107はその最終厚さに薄くされ、圧電材料の個別アイランドを形成する。単純化のため、この図及び以降の図ではボンディング・レイヤ193を示さない。
【0045】
図18を参照すると、上部導電レイヤ210が、薄くされた圧電レイヤ107のアイランドの上に形成されている(図25のステップ359)。前述のように、真空蒸着技法を使って上部導電レイヤ210を形成することができる。上部導電レイヤ210は上部電極106を形成するために使われることになる。
【0046】
図19に示すように、例えば、スピンコーティングなどによって、上部電極レイヤの上にフォトレジスト層が溶着される。次いで、露光、現像されて、図20に示すように上部電極の位置の輪郭が形成される。
【0047】
図21に示すように、次いで、上部導電レイヤをエッチングして個々の電極を形成する(図25のステップ364)。上部電極を、該電極がその上に配置されている圧電アイランドと同じ幅にも、これより狭くすることもできる。一つの実行形態では、上部電極は、ポンプ・チャンバより狭い。上部電極とポンプ・チャンバ幅の間の比率は、例えば約0.65から約0.9といったように、約0.5から約1.2の間とすることができる。さらに、圧電アイランドを、それらがその上に配置されているチャンバと同じ幅にもこれより広い幅にも狭い幅にもすることができる。圧電アイランドの幅がポンプ・チャンバの幅より広く、例えば約10〜20ミクロン位広ければ、ポンプ・チャンバの間の壁部でPZTアイランドを支えることができる。圧電アイランドをチャンバより幅広く形成することによって、ボンディング作業で圧力が加わったとき圧電部分が膜を突き破ってしまうリスクを低減しながら、MEMSボディと圧電レイヤ気アセンブリとにより大きな圧力を加えることが可能になる。下部電極が接地電極である場合、各圧電アクチュエータの接地電極を一緒に接続するか、あるいは各構造体の接地を分離しておくことができる。
【0048】
図22に示すように、上部導電レイヤ210のパターニングにおいて、下部導電レイヤ158のための下部電極接続部分211が、圧電レイヤ107の上面に形成される。グランドカット140は、圧電レイヤ107が最終厚さに研磨された後に圧電レイヤ107の該最終深さより深くなるように作られるので、導電折り返し280は、導電材料が圧電レイヤ107の最上部と同じ高さにまで伸長される。上部導電レイヤは、下部電極接続部分211と共に導電折り返し280に電気的に接続され、従って下部導電レイヤすなわち下部電極に電気的に接続されている。(導電折り返し280は、グランドカット140が形成された後、導電レイヤ158を形成するステップ(図25のステップ327)で形成される。電極分離域220上の導電材料がパターニングよって除去され、下部電極は、上部電極106の導電材料から電気的に分離される。
【0049】
一枚のシリコン・基板及び圧電材料の一枚のレイヤのような、共通のレイヤから複数の構造体を有する複数のダイを形成することができる。ボディ200の処理過程において、ボディの底面に裏溝103を形成しダイの間の境界を区画することができる。裏溝103はボディの厚さを越えないリセスである。圧電レイヤ107の上面の裏溝に対応する位置に、追加のソーカット102を設けることができる。ソーカット102は、裏溝103の全体長さまで伸ばす必要はない。裏溝103に沿って、組立品をマニュアルでブレークして、個別のダイを相互分離することができればよい(ステップ367)。グランドカット140と一致する場所に裏溝103を形成し、ダイをブレークすることができる。
【0050】
図23を参照すると、導電接着剤又ははんだのような電導性材料215,225を、アクチュエータの上に配置し(図25のステップ371)、フレキシブル回路とアクチュエータとを接続することができる。フレキシブル回路229は、電極接続部分221を介して接地電極又は底部電極にも接続される。電極に駆動電圧を印加して、電極に圧電レイヤ107を駆動させることができる。
【0051】
図24を参照すると、一つの実行形態において、圧電レイヤ107の、チャンバ205の作動に寄与しない部分への入力電力が最小化されるように、構造体を構築することができる。接続パッド224は、フレキシブル回路229をボンディングするために十分なサイズにしておいて、圧電アイランドの全体の長さがポンプ・チャンバの作動に必要でない場合は、幅細い電源部分230を形成し、圧電アイランドの作動が必要ない部分に対する電力損失を節減することができる。
【0052】
本明細書で説明する方法によって、従来の圧電アクチュエータ形成方法に伴う困難性を克服することができる。事前焼成された圧電材料シートによって圧電レイヤを形成することによって、ボディが損傷なしには持ちこたえられないような技法を使って圧電材料を処理することが可能になる。例えば、ボディとは別個に圧電アクチュエータを形成すれば、よりよい焼結性とグレイン成長を生成する温度で圧電材料を焼成することができる。MEMSの他の構成要素は同様な高い温度に耐えることができない。さらにバルク圧電材料には、スパッタ又はゾルゲル形成圧電材料よりも、高いd係数、誘電率、結合係数、剛性及び密度を持たせることができる。ボディへのゾルゲル塗布のような他の方法で形成される圧電材料においては、圧電前駆体に添加物を加える必要が出てこよう。多くの場合、これら添加物は焼散し、ボディとは別個にバルク圧電材料を形成した場合よりも、低い圧電材料密度を生成する。ボディとは別個にバルク圧電材料を形成することによって、材料に加える添加物をずっと少なく、又はゼロにすることができる。さらに、バルク材料は加圧焼成ができる。より高い温度と圧力によって材料の密度が上がり、材料特性を全般的に向上させ、とりわけ、材料中のボイドの数を低減させる。ボイドは電気ショートを発生させデバイスを故障させやすい。
【0053】
しかしながら、事前焼成した圧電材料のシートを加工して圧電アクチュエータを形成するにはリスクが伴う。例えば、圧電材料をボディにボンディングした後で、圧電レイヤをカットして個々のアクチュエータに分離する場合、チャンバ体をカットしてしまいリークが生ずる可能性がある。逆に、圧電材料を十分深くカットしないで、隣接する構造体との間にタブを残してしまうリスクもある。カットが均一でないと、同一の入力に対して個々の構造体が違ったレベルの圧電反応示したり、構造体の間でクロストークが生じたりする。使用磨耗したソーブレード、又は圧電レイヤに対するソー位置のバラツキにより、カット深さの不均一性が生ずる可能性がある。
【0054】
圧電材料をチャンバ体にボンディングする前に、圧電材料を研磨及びダイシングして圧電アクチュエータを形成することにより、均一な厚さの圧電アクチュエータを生成することができる。一つのアクチュエータ全体の圧電部分を均一な厚さにすることができる。また、アクチュエータ群を通して非常に均一な厚さのアクチュエータにすることができる。ダイの構造体全体を通して実現可能な寸法均一性の例として、各構造体が、約25から200ミクロンの間の幅、又はおよそ150ミクロン幅の圧電アクチュエータを有し、列あたり100から200個の構造体を持つダイにおいて、ダイの圧電アクチュエータ全体を通しての厚さ差異をわずか2ミクロンにすることができる。個別のアイランドをカットしてから圧電材料を研磨することにより、相互平行な上面と底面とを持つアイランドを形成することができる。こういた表面形状は、セラミック材料の印刷工法、又はグリーンシートをデポし、セラミック材料をパターニングし、セラミック材料を焼成する工法では実現できない。グリーンシートの焼成、スクリーン印刷、及びゾルゲル塗布のような工法では、矩形の断面を有する圧電アクチュエータは形成できない。例えば、これらの工法では、平坦な底面及び湾曲した上面、又は矩形の上側角部が除去されたように見える断面を有するアクチュエータが形成されてしまう。バルク成型圧電材料からアイランドを切り出すことによって、アクチュエータの幅及び長さ方向の厚さを非常に均一にすることができる。非常に均一な寸法の圧電アクチュエータ群は、非常に均一な圧電特性を示す。
【0055】
圧電材料をボンディングする前にカットすることによって、折り返し電極構造を形成することが可能になる。折り返し電極構造によって、圧電レイヤの上面に底部電極の接続部分を設けることができる。折り返し電極構造により、集積回路をアクチュエータに簡単に接続することができる。
【0056】
アクチュエータをポンプ・チャンバの幅より狭く形成することによって、アクチュエータの変位を膜の最も柔軟性のある部分に集中させることができる。アクチュエータを幅狭くすることによって、圧電材料の作動に必要な電圧が低くなる。上面電極幅を圧電レイヤよりも狭くして、電圧を圧電レイヤの中央部に集中させることができる。これにより、圧電レイヤ各部での競合圧電気力を低減することができる。上部電極を圧電レイヤより幅狭く形成することにより、入力電圧に対するアクチュエータの反応性が向上する。アクチュエータの反応性が向上すれば、アクチュエータに、より低い駆動電圧を印加して所望のアクチュエータ反応を実現することができる。アクチュエータをポンプ・チャンバより幅広く形成することの利点は、ポンプ・チャンバを取り囲む壁が、アクチュエータを支持できることである。該壁がポンプ・チャンバを支えれば、アクチュエータ膜を破り抜けるリスクが低減される。具体的には、例えばボンディング処理過程でアクチュエータに圧力が加えられた場合に、デバイスを損傷する尤度は低くなる。
【0057】
やや厚い圧電レイヤを取扱いレイヤにボンディングした後、該レイヤを薄層化することによってアクチュエータを形成する加工ステップを簡易化できる。チャンバ体にボンディングする前に、圧電レイヤを適当な作業厚さまで薄くしておかなければ、ボンディングの後、より長い薄層化処理時間が必要となる。また、取扱い材料は圧電レイヤより剛性が高いことが望ましい。より高い剛性を持つ取扱いレイヤは、アセンブリが加熱されたとき、アセンブリを取扱いレイヤの熱膨張に近い率で膨張させることができる。また一方、取扱いレイヤに接着する前に圧電レイヤをその最終厚さまで薄くするやり方で、圧電レイヤを損傷せずに所望の厚さを実現することは可能ではあるまい。取扱いレイヤは、薄層化過程で圧電材料を固定するベースを提供する。圧電材料を薄層化するための装置が、薄層化過程で圧電レイヤを固定するのでなく取扱いレイヤを固定することによって、装置の固定機能が薄層化処理を阻害する可能性が低下する。一つの実行形態において、取扱い部が薄層化装置にクランプされ、研磨ホイールが圧電レイヤを所望の厚さに研磨する。クランプは取扱いレイヤにしか接触する必要がなく、クランプが研磨ホイールを妨げとなる必要性がない。
【0058】
研磨により、露呈されたグレインの一部に圧電材料から遊離することになる。さらに、研磨によってペースト状の物質が形成され、このペースト状物質には圧電材料の小破片が含まれている。ペースト状物質が研磨過程で圧電レイヤに付着することになる。該ペースト状物質と遊離したグレインとが、圧電レイヤと導電レイヤとの間のボンディングにギャップを生成する可能性がある。これらギャップの程度はスポットによって異なり、性能バラツキの原因となる。
【0059】
研磨後、圧電材料の洗浄を行い、圧電材料の遊離グレイン及びペーストを除去して、圧電材料の表面が、主として圧電材料の完全に固着したグレインから成るようにする。洗浄によって表面粗さは増すが、遊離した圧電材料グレインを含む平滑な面を持つ圧電材料よりも、圧電材料の圧電特性の性能及び均一性は向上する。また、研磨後圧電材料を洗浄することによって、導電材料の塗布面が改善される。表面にペースト及び材料の遊離グレインがないことによって、導電材料と圧電材料の接着ブロックとの間にギャップが存在する尤度が低くなる。
【0060】
圧電材料をボディにボンディングする前に、該圧電材料を取扱いレイヤにボンディングすることによって、圧電材料の熱膨張を制御することができる。圧電材料とチャンバ体とが加熱され、2つの構造体の間で結合が形成される際、当該圧電材料(又は他の適切な圧電材料)とボディを形成するため用いられた材料とが、具体的にはボディが圧電材料以外のシリコンのような材料で作られている場合などに、異なる率で膨張する可能性がある。さらに、温度変化による圧電材料の膨張度と収縮度とが違っていることがある。すなわち、加熱され、元の温度に戻して冷却された圧電材料が、直ぐには元のサイズに戻らないことがある。熱膨張の率と収縮の率とは、対象材料がどの位前の時間に分極されたか、該材料が過去どれほど多くの温度サイクルを経てきているかといったいろいろなファクタによって違ってくる。加熱に起因するチャンバ体及び圧電材料のサイズの変化によって、分離カット位置に対するチャンバ壁の配列が変わる可能性がある。
【0061】
取扱いレイヤがボディと同じ材料でできている場合、取扱い材料は圧電材料の膨張率を制御して、圧電材料とボディとの膨張率をほぼ同じにすることができる。具体的には、取扱いレイヤが、圧電材料よりも十分に厚い場合、取扱いレイヤは、圧電材料に対し取扱いレイヤと一緒に膨張し収縮することを強制することができる。一つの実行形態において、圧電材料はPZTであり、取扱いレイヤはPZTレイヤの10倍の厚さを持つシリコンである。シリコンの剛性はPZTの約3倍である。厚さと剛性との違いから、該シリコンは該PZTの30倍のバネグレートを持つと見られる。より大きな見掛けスプリングレートを持つ材料は、他方材料の膨張及び収縮を支配し、これによりPZTをシリコンと同じ率で膨張させる。
【0062】
前記で説明した圧電アクチュエータを、圧電アクチュエータを備えるセンサ、トランスデューサ、又はインクジェット・プリンタヘッドなど、多くのマイクロ機械デバイスを形成するために用いることができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明してきた。さりながら、本発明の精神と範囲から逸脱せずにさまざまな変形を作ることが可能なのは明らかである。例えば、アクチュエータを、相互に平行に、だが圧電レイヤに対しては角度を付けて形成することができる。圧電材料のボディ内に、表面に対し垂直でないがある角度を持ったリセスを形成することによってアクチュエータを作成することができる。これに換えて、リセスの中心軸は表面に垂直とし、だが、即壁はボディ表面に対し90°以外の角度を持つようにすることができる。例えば、側壁を台形のアイランドに形成し、該台形の広い部分を、狭い部分よりポンプ・チャンバから離しておくことができる。PZT以外の圧電材料を使ってアクチュエータを形成することができる。駆動及び接地の双方の接続部をポンプ・チャンバの上部に配置されたアイランドに置くのでなく、駆動電極接続部はポンプ・チャンバの上部のアイランドに置き、接地電極接続部は、ダイの周辺部にある圧電材料のアイランド、例えば接続アイランドに置くことができる。また、圧電アイランドに折り返し電極を持たせる必要はない。底部電極を圧電アイランドを越えて延長し、上部電極と電気的に分離することができる。一つの実行形態において、両電極は圧電材料の一つの表面にだけ形成される。一つの実行形態では、カット又はリセスが露呈される前に研磨を停止する。これにより、アクチュエータの間に圧電材料のブリッジを残しておく。このブリッジを十分小さくし、デバイス間のクロストークを最小化することができよう。この圧電材料を取り付けたボディは、ボディ中に形成されたチャンバを持つ必要がない。ボディ中にチャンバ又は他の機能を形成する場合、圧電材料をボディに取り付けた後にチャンバを形成することができる。こういったような、他の実施形態は以下の特許請求内容の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電トランスデューサ(110)を有するデバイス(100)を形成する方法であって、
圧電材料のボディ(107)の第一表面(115)を取り扱いレイヤ(135)の第一表面に結合するステップ(313)と、
配列用カット(171)を前記圧電材料のボディ(107)の第二表面(113)に形成するステップ(336)であって、前記配列用カット(171)は、前記圧電材料のボディ(107)を完全に通って延びており、かつ、前記取り扱いレイヤ(135)に部分的に延びている、ステップと、
前記配列用カット(171)を形成するステップ(336)の後に、前記圧電材料のボディ(107)の第二表面(113)をデバイスボディ(200)に取り付けるステップ(349)と、
前記圧電材料のボディ(107)を前記デバイスボディ(200)に取り付けるステップ(349)の後に、前記圧電材料のボディ(107)の第一表面(115)から前記取り扱いレイヤ(135)を除去するステップ(352)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記取り扱いレイヤ(135)の第二表面に配列用スロット(182)を形成するステップ(340)であって、前記配列用スロットは、前記配列用カットと交差することにより、前記取り扱いレイヤ(135)内に複数のスルーホール(185)を形成している、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配列用スロットは、前記配列用カットに直交している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記形成するステップ(340)は、前記取り付けるステップ(349)の前に行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記配列用スロット(182)を形成するステップ(340)は、鋸を用いて前記取り扱いレイヤ(135)の第二表面をカットすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイスボディ(200)は、配列マークを含み、
前記方法は、
前記複数のスルーホール(185)を前記配列マークと整列させることにより、前記圧電材料のボディ(107)を前記デバイスボディ(200)と整列させるステップ(344)
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記取り付けるステップ(349)の前に、前記圧電材料のボディ(107)の前記第二表面(113)にグランドカット(140)を形成するステップ(324)であって、前記グランドカット(140)は、前記圧電トランスデューサ(110)内の前記圧電材料のボディ(107)の最終的な厚さ以上の深さを有する、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記圧電材料のボディ(107)の前記第二表面(113)上に前記グランドカット(140)の壁を含む導電レイヤ(158)を形成するステップ(327)
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記取り扱いレイヤ(135)が除去された後に、前記グランドカット(140)の壁上の前記導電レイヤ(158)が露出されるまで、前記圧電材料のボディ(107)の一部を除去するステップ(352)
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記取り付けるステップ(349)の前に、前記圧電材料のボディ(107)の前記第二表面(113)に絶縁カット(165)を形成するステップ(333)であって、前記絶縁カット(165)は、前記圧電トランスデューサ(110)内の前記圧電材料のボディ(107)の最終的な厚さ以上の深さを有する、ステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記絶縁カット(165)は、前記グランドカット(140)に直交している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記絶縁カット(165)を形成するステップ(333)は、前記導電レイヤ(158)を形成するステップ(327)の後である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記圧電材料のボディ(107)を前記デバイスボディ(200)と整列させるステップ(344)であって、その結果、前記絶縁カット(165)が、前記デバイスボディ(200)内のチャンバ(205)の間の壁(208)と整列する、ステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記取り扱いレイヤ(135)が除去された後に、前記圧電トランスデューサ(110)内の前記圧電材料のボディ(107)の最終的な厚さに前記圧電材料のボディ(107)を薄層化するステップであって、前記圧電材料のボディ(107)は、圧電材料のアイランドを含む、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記圧電材料のアイランドの上に導電層(210)を形成するステップ(359)
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記デバイスボディ(200)に前記圧電材料のボディ(107)を取り付けるステップ(349)は、熱硬化接着剤(193)を用いて前記デバイスボディ(200)に前記圧電材料のボディ(107)を結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記圧電材料のボディ(107)を洗浄することにより、該圧電材料のボディ(107)から圧電材料の自由な破片を放すステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。

【図25】
image rotate

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−16818(P2012−16818A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−233425(P2011−233425)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【分割の表示】特願2007−536780(P2007−536780)の分割
【原出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】