説明

圧電振動子、電子デバイス及び電子機器

【課題】接合時の温度を軽減するとともに、気密性を確保し、圧電振動片と上下基板との電気的な接続が確実にとれる構造を実現することにより、周波数特性に優れた圧電振動子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水晶振動子10は、両主面に励振電極14a,14bが設けられた水晶振動片12と枠体13とを一体に形成した中間水晶板11と、上側及び下側基板2,3とが互いに直接接合されている。各励振電極14a,14bは、引き出し電極15a,15b及び枠体スルーホール50a,50bを介して反対側の主面の枠体13に設けた接続部18a,18bにそれぞれ接続されている。上側及び下側基板2,3のそれぞれに、外部接続端子8a,8bと電気的に接続されて設けられた基板スルーホール60a,60bに半田90が埋設されることにより、各励振電極14a,14bと外部接続端子8a,8bとが導通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片をパッケージ内に気密に収容した圧電振動子及びその製造方法に
関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種情報・通信機器やOA機器、また、民生機器等の電子機器には、水晶振
動子などの圧電振動子が使用されている。特に最近は、これら電子機器等の高機能化と共
に小型化、薄型化の進展が著しく、これに伴って、圧電振動子への小型化、薄型化の要求
も高まり、回路基板への実装に適した表面実装型のものが多用されている。一般に表面実
装型の圧電振動子は、セラミックなどの絶縁材料によるパッケージに圧電振動片を封止す
る構造が広く採用されている。従来のパッケージ構造では、低融点ガラスの溶融やシーム
溶接などでパッケージベースとリッドとを接合するため、その接合における高温や発生す
るアウタガス等の影響で、圧電振動片の周波数特性を低下させたり劣化させる虞がある。
【0003】
このような問題を解決する圧電振動子として、水晶振動片と枠体とを一体に形成した水
晶片(中間圧電板)と、水晶などからなる一対の蓋体とを光学的接合(表面活性化接合)
を用いて接合した水晶振動子が提案されている(例えば特許文献1)。光学的接合は、例
えばSi(珪素)を主成分とした二枚のガラスの接合対応面を鏡面研磨してから当接し、
加圧することによって当接面のSi結合(原子間的結合)によって接合するものであり、
ほとんど加熱しなくても接合することが可能である。特許文献1に記載の水晶振動子は、
水晶振動片の両主面に励振電極を有し、各励振電極がそれぞれ反対方向の枠体の外周部に
引き出されて引き出し電極が形成されている。一方、一対の蓋体には、前記励振電極と各
蓋体が触れないように設けられた凹部と、該凹部に連通し且つ水晶板の外周部の引き出し
電極と対応する位置に設けられた貫通孔(スルーホール)とをそれぞれ有している。これ
ら一対の蓋体及び水晶片の各接合面は鏡面状態に研磨した後、それぞれを当接させて加圧
することにより接合する。そして、前記スルーホールに半田等の導電性接合材を埋設して
水晶片の各引き出し電極に接続すると同時に貫通孔(スルーホール)を封鎖することによ
り、水晶振動片が一対の蓋体により気密に封止された水晶振動子を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−269775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の水晶振動子(圧電振動子)の構造では、蓋体の貫通
孔(スルーホール)と水晶板の引き出し電極との間に、蓋体の凹部による隙間が形成され
る。このため、スルーホールに半田等の導電性接合材を埋設する際に、半田が引き出し電
極まで十分に埋設されずに導通不良を引き起こす虞があった。また、溶融半田が濡れ広が
って引き出し電極から励振電極まで至ると、水晶振動片の振動特性が劣化してしまう問題
があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであって、その目的は、圧電振動片
と枠体とを一体に形成した中間圧電板に上下基板を接合して小型化及び薄型化を可能にし
た圧電振動子において、接合時の温度を軽減することにより反りを抑え、あるいは周波数
特性の劣化を抑えるとともに、気密性を確保し、且つ圧電振動片と上下基板との電気的な
接続が確実にとれる構造を実現する圧電振動子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、両主面に励振電極が設けられた圧電振動片と
枠体とを一体に形成した中間圧電板と、中間圧電板の上面及び下面にそれぞれ接合される
上側及び下側基板とを有し、中間圧電板と上側及び下側基板とにより画定されるキャビテ
ィ内に圧電振動片が保持され、上側及び下側基板と中間圧電板との各接合面がそれぞれ鏡
面研磨加工され、互いに直接接合により気密に接合され、各励振電極は、枠体に設けられ
る上側及び下側基板との接続部に引き出し電極を介してそれぞれ接続され、上側及び下側
基板それぞれの接続部と対応する位置に、上側及び下側基板の少なくともいずれか一方に
設けられた外部接続端子と電気的に接続された基板スルーホールが設けられ、各基板スル
ーホールのそれぞれに導電接合材を埋設することにより各励振電極と外部接続端子とが導
通される構造の圧電振動子であって、枠体の各接続部が、枠体を貫通して形成された枠体
スルーホールによって反対側に形成された励振電極と導通することを主旨とする。
【0007】
この構成によれば、中間圧電板の圧電振動子の両主面に設けられた励振電極のそれぞれ
を、上側及び下側基板の少なくともいずれか一方に設けられた外部接続電極に接続するた
めの接続部が、中間圧電板の上側及び下側基板との各接合面に設けられる。この各接続部
と対応させて形成された上側及び下側基板それぞれの基板スルーホールは、圧電振動子内
部において、上側及び下側基板の各凹部と連通しない別の空間として設けられる。また、
上側及び下側基板の各基板スルーホールは、中間圧電板との接合面において各接続部を囲
んだ状態となる。これにより、各基板スルーホールに導電接合材を埋設することにより、
各接続部のそれぞれとの良好な電気的接続をはかることができ、また、導電接合材が、各
励振電極等の本来望まない部位に濡れ広がることがない。従って、気密性を確保し、励振
電極との確実な電気的接続を可能とする圧電振動子を提供することができる。
【0008】
本発明では、両主面に励振電極が設けられた圧電振動片と枠体とが一体に形成された中
間圧電板と、中間圧電板の上面及び下面にそれぞれ接合される上側及び下側基板とを有し
、中間圧電板と上側及び下側基板とにより画定されるキャビティ内に圧電振動片が保持さ
れ、上側及び下側基板と中間圧電板との各接合面がそれぞれ鏡面研磨加工され、互いに直
接接合により気密に接合され、各励振電極は、枠体に設けられる上側及び下側基板のいず
れかとの接続部に引き出し電極を介してそれぞれ接続され、上側及び下側基板の少なくと
も一方の接続部と対応する位置に、上側及び下側基板の少なくとも一方に設けられた外部
接続端子と電気的に接続された基板スルーホールが設けられ、基板スルーホールに導電接
合材を埋設することにより各励振電極と外部接続端子とが導通される構造の圧電振動子で
あって、枠体の一方の接続部が、枠体を貫通して形成された枠体スルーホールによって反
対側に形成された一方の励振電極と導通し、他方の接続部は、枠体を貫通して形成された
偶数個の枠体スルーホールを往復することにより他方の励振電極側と導通する構成とする
ことが望ましい。
【0009】
この構成によれば、中間圧電板の圧電振動子の両主面に設けられた励振電極のそれぞれ
が、枠体スルーホールを介して各励振電極の形成面とは反対側の主面に電気的に引き出さ
れ、そのうち一方はそのまま枠体上に形成された接続部に接続され、他方は枠体に設けら
れた偶数個のスルーホールを介して枠体上に形成された接続部に接続される。つまり、一
方の接続部は、対応する励振電極の形成面とは反対側の主面に設けられ、他方の接続部は
、対応する励振電極の形成面側の枠体上に設けられる。これにより、外部接続電極とを接
続するための基板スルーホールは、上側及び下側基板のいずれか一方に設ければよく、中
間圧電板、上側及び下側基板を多数個取りにて形成したウェハ状態で一括製造が容易に可
能となるので、圧電振動子の製造効率を向上させることができる。また、基板スルーホー
ルは、圧電振動子内部において、上側及び下側基板の各凹部と連通しない別の空間として
設けられる。また、上側及び下側基板の各基板スルーホールは、中間圧電板との接合面に
おいて各接続部を囲んだ状態となる。これにより、各基板スルーホールに導電接合材を埋
設することにより、各接続部のそれぞれとの良好な電気的接続をはかることができる。ま
た、導電接合材が、各励振電極等の本来望まない部位に濡れ広がることがないので、導電
接合材による振動特性の劣化を防止することができる。従って、所望の振動特性を有し、
信頼性の高い圧電振動子を提供することが可能となる。
【0010】
本発明では、中間圧電板と、上側及び下側基板が水晶からなることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、圧電振動子の材料として広く用いられる水晶からなる中間圧電板と
、上側及び下側基板とが同一材料であることから熱膨張率の差異による残存応力の問題が
なく、相互の原子間結合がされやすい。これにより、常温、または比較的低い接合温度に
て良好な接合状態を得ることができる。従って、接合時の寸法変化や反りが軽減でき、各
基板の接合位置のずれが抑えられるとともに、高い接合強度を確保することができる。
【0012】
本発明では、上側及び下側基板がガラス材料またはシリコンからなる構成としてもよい

【0013】
水晶とは異種材料のガラス材料またはシリコンとの組み合わせでも、それぞれの主成分
であるシリコン(Si)の原子間結合により直接接合することが可能であり、常温付近で
の接合ができるので、熱膨張率の差異による反りなどを抑えて良好な接合状態を確保可能
である。また、ガラス材料またはシリコンは比較的安価であることから低コスト化を図る
ことができる。
【0014】
本発明の圧電振動子の製造方法は、枠体と一体された圧電振動片の上面及び下面のそれ
ぞれに励振電極を形成し、枠体の上面及び下面の接合されない部分に各励振電極に接続す
る引き出し電極をそれぞれ形成し、各引き出し電極から前記枠体を貫通する枠体スルーホ
ールをそれぞれ形成し、この枠体スルーホールを介して引き出し電極に接続する接続部を
それぞれ形成して中間圧電板を形成する工程と、中間圧電板の上面側に設けられた接合部
と対応する基板スルーホールを形成して、中間圧電板の上面に接合される上側基板を形成
する工程と、中間圧電板の下面側に設けられた接合部と対応する基板スルーホールを形成
して、中間圧電板の下面側に接合する下側基板を形成する工程と、中間圧電板と上側及び
下側基板との各接合面を鏡面研磨加工する工程と、鏡面研磨加工した上側及び下側基板と
中間圧電板との各接合面をプラズマ処理により活性化する工程と、中間圧電板と上側及び
下側基板とを、それらにより画定されるキャビティ内に圧電振動片が保持されるように重
ね合わせ、それらを加圧して直接接合により気密に接合する工程と、上側及び下側基板の
各基板スルーホールに導電接合材を埋設する工程と、を有することを主旨とする。
【0015】
この構成によれば、上側及び下側基板と中間圧電板とを直接接合して、小型化及び薄型
化が可能で気密性を確保し、励振電極との確実な電気的接続を可能とする圧電振動子を比
較的容易に且つ低コストで製造することができる。
【0016】
本発明の製造方法では、複数の中間圧電板を有する中間圧電ウェハを形成する工程と、
複数の上側基板を中間圧電ウェハの中間圧電板に対応させて配設した上側ウェハを形成す
る工程と、複数の下側基板を中間圧電ウェハの中間圧電板に対応させて配設した下側ウェ
ハを形成する工程と、中間圧電ウェハと上側及び下側ウェハとの各接合面を鏡面研磨加工
する工程と、鏡面研磨加工した上側及び下側ウェハと中間圧電ウェハとの各接合面をプラ
ズマ処理により活性化する工程と、中間圧電ウェハの上下面に上側及び下側ウェハとを重
ね合わせ、それらを加圧して直接接合により一体に接合してウェハ積層体とする工程と、
上側及び下側ウェハの各スルーホールに導電接合材を埋設する工程と、ウェハ積層体を切
断して圧電振動子を個片化する工程とを有することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、多数の圧電振動子を同時に製造することができるので、生産性の向
上及び低コスト化を図ることができる。
【0018】
本発明では、上側及び下側基板を形成するそれぞれの工程に、上側及び下側基板のそれ
ぞれに設けたスルーホールに導電接合材を埋設する工程を含んでもよい。
【0019】
この構成によれば、導電接合材に、例えば半田等の加熱を必要とする材料を用いた場合
に、中間圧電基板、上側及び下側基板を接合した後で、半田リフローによる温度ストレス
をかけることなく、接合性を劣化させるなどの不具合を回避することができる。また、上
側及び下側基板と、中間圧電板が異種材料である場合に、熱膨張率の差によりリフローの
加熱で各基板が反ったり、接合部に応力が掛かって接合強度を変化させるなどの不具合を
抑えることができる。
【0020】
本発明では、プラズマ処理が、CF4、Ar、またはN2ガスを用いて、酸素不介在の雰
囲気内で行われることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、不活性な雰囲気中でプラズマ処理されることにより、プラズマ処理
による表面活性化がより良好に行われ、また、表面活性化された各基板の表面が酸化され
るのを抑えることができるので、各基板を直接接合したときに良好な接合性を確保できる

【0022】
本発明では、プラズマ処理が、O2ガス、CF4とO2との混合ガス、またはN2とO2
の混合ガスを用いて、酸素介在の雰囲気内で行われてもよい。
【0023】
この構成によれば、酸素介在の雰囲気中であっても、各基板同士の直接接合に必要十分
な表面活性化は可能であり、酸素不介在雰囲気でプラズマ処理する場合に使用するガスよ
りも安価なガスが使用できるので、製造工程の低コスト化が可能になる。
【0024】
本発明では、中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、常温で加圧して気
密に接合することが望ましい。
【0025】
この構成によれば、プラズマ処理により表面活性化された各基板は常温でも直接接合が
可能であり、中間圧電板と上側及び下側基板が異種材料である場合にも、熱膨張率の差異
による各基板の反りや寸法変化が抑えられるので、良好な接合状態を得ることができる。
また、中間圧電板と上側及び下側基板とは、同種材料または異種材料であるかに拘わらず
、3枚同時であっても、1枚ずつであっても良好な状態に接合することができる。3枚同
時に接合する場合は、接合工程の工数を低減することができ、また、1枚ずつ接合する場
合には、アライメントが容易でその精度を向上させることができる。
【0026】
本発明では、中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、加熱した状態で加
圧して気密に接合してもよい。
【0027】
この構成によれば、接合強度の向上を図ることができる。
【0028】
本発明では、中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、N2雰囲気で加圧
して気密に接合することも可能である。
【0029】
この構成によれば、N2による不活性雰囲気中で接合することにより、例えば加熱した
状態で加圧する場合であっても、中間圧電板、上側及び下側基板の各接合面表面の酸化が
抑制されるので、より良好な接合状態を得ることができる。
【0030】
本発明では、中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、減圧雰囲気で加圧
して気密に接合することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、中間圧電板、上側及び下側基板が重ね合わされて画定するキャビテ
ィ内が減圧されることにより、接合強度の向上を図ることができる。
【0032】
本発明では、中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせて仮接合した後、そ
れにより一体化された積層体の上下面を加圧して気密に接合することが好ましい。
【0033】
この構成によれば、プラズマ処理により表面活性化した各基板表面は、貼り合わせただ
けで容易に接着することができるので、容易に且つ正確に位置合わせすることができ、組
み立て精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施形態の水晶振動子の構造を示し、(a)は、水晶振動子の上面図。(b)は、同図(a)のA−A線断面図。(c)は、底面図。
【図2】(a)は、本発明に係る水晶振動子を構成する中間圧電板の上面図。(b)は、同じく下面図。
【図3】本発明に係る水晶振動子を構成する上側基板の下面図。
【図4】本発明に係る水晶振動子を構成する下側基板の上面図。
【図5】本発明に係る水晶振動子の製造方法において、接合させる3枚の水晶ウェハの概略を説明する斜視図。
【図6】(a)は、本発明に係る水晶振動子の製造方法において、接合方法として用いる表面活性化接合の要領を概念的に示す説明図。(b)は、水晶ウェハの積層体を示す概略斜視図。
【図7】第3の実施形態の水晶振動子の構造を説明する斜視図。
【図8】(a)は、第3の実施形態の中間圧電板の上面図。(b)は、同じく下面図。(c)は、同図(a)(b)のB−B’線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る圧電振動子の実施形態について図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
【0036】
図1〜4は、本発明の圧電振動子を水晶振動子に具現化した実施形態の構造を示す構造
図であって、図1(a)は水晶振動子の上面図、同図(b)は同図(a)のA−A線断面
図、同図(c)は底面図である。また、図2は、水晶振動子を構成する中間圧電板の構造
図であって、同図(a)は上面図、同図(b)は下面図である。さらに、図3,4は、水
晶振動子を構成する上側及び下側基板の構造図であり、図3は上側基板の下面図、図4は
下側基板の上面図である。
【0037】
図1(b)に示すように、水晶振動子10は、中間水晶板11の上面及び下面に、それ
ぞれ上側基板2と下側基板3を一体に積層した構造を有している。本実施形態の上側及び
下側基板2,3は、中間水晶板と同じ水晶で形成されている。中間水晶板11と上側及び
下側基板2,3とは、後述する表面活性化接合により、互いに気密に直接接合されている

【0038】
図1(b)及び図2(a),(b)に示すように、中間水晶板11は、ATカット水晶
板である矩形薄板の略中央部の両主面に形成された凹部19a,19bに設けられた水晶
振動片12と、それを囲む枠体13とが一体に形成されている。水晶振動片12の上面側
には励振電極14aが形成され、その一方の基端部から枠体13の上面に向けて引き出し
電極15bが形成されている。同様に、水晶振動片12の下面側には励振電極14bが形
成され、上面側の励振電極14aに形成された引き出し電極15bとは反対側の基端部か
ら枠体13の下面に向けて引き出し電極15aが形成されている。枠体13の下面に形成
された引き出し電極15aの外側末端部分には、中間水晶板11の上下を貫通する貫通孔
16と、該貫通孔16の内壁の表面に形成された導電膜16Pからなる枠体スルーホール
50aが設けられている。導電膜16Pは、枠体13の上面に、引き出し電極15aと枠
体スルーホール50aとを介して励振電極14bと電気的に接続された接続部18aを形
成している。同様に、枠体13の上面に形成された引き出し電極15bの外側末端部分に
は、貫通孔17と導電膜17Pからなる枠体スルーホール50bが設けられ、枠体13の
下面に、導電膜17Pからなる接続部18bが形成され、励振電極14aと電気的に接続
されている。本実施形態において、励振電極14a,14b、引き出し電極15a,15
b、及び接続部18a,18bを含む導電膜16P,17PのそれぞれはCr/Au(ク
ロム/金)で形成されているが、これに限らない。従来から知られているCr/Ag(ク
ロム/銀)、Ti/Au(チタン/金)、Ni/Au(ニッケル/金)、及びアルミニウ
ムなどの様々な導電材料を使用することができる。
【0039】
図1(a)〜(c)、図3及び図4に示すように、上側基板2、下側基板3には、中間
水晶板11との対向面に凹部29、凹部39がそれぞれ形成されている。上側基板2の凹
部29は、中間水晶板11の水晶振動片12、引き出し電極15b及び枠体スルーホール
50bと対応した位置に形成されている。同様に、下側基板3の凹部39は、中間水晶板
11の水晶振動片12、引き出し電極15a及び枠体スルーホール50aと対応した位置
に形成されている。これら凹部29,39によって水晶振動片12との間にキャビティが
形成され、水晶振動片12で励振される振動を妨げない枠体13により水晶振動片12が
支持される構造となっている。
【0040】
また、上側基板2の、中間水晶板11との対向面の接続部18aと対応する位置には、
貫通孔5と、該貫通孔5の内壁の表面に形成された導電膜5Pからなる基板スルーホール
60aが設けられている。基板スルーホール60aの上面側の上側基板2からは、上側基
板2、中間水晶板11、下側基板3の側面を経て下側基板3の底面に向かって引回し電極
7が形成されている。この引回し電極7は、下側基板3の底面に設けられた外部接続端子
8aと接続されている。
一方、下側基板3の、中間水晶板11との対向面の接続部18bと対応する位置には、
貫通孔6と、該貫通孔6の内壁の表面に形成された導電膜6Pからなる基板スルーホール
60bが設けられている。基板スルーホール60bは、下側基板3の底面に端部に設けら
れた外部接続端子8bと電気的に接続されている。
【0041】
上側基板2の基板スルーホール60aには、中間水晶板11上面の接続部18aに接触
させ且つ基板スルーホール60aを封鎖させるように導電接合材としての半田90が埋設
されている。同様に、下側基板3の基板スルーホール60bには、中間水晶板11下面の
接続部18bに接触させ且つ基板スルーホール60bを封鎖させるように半田90が埋設
されている。以上述べた構成により、水晶振動子10の外部接続電極8aは励振電極14
bと電気的に接続され、外部接続端子8bは励振電極14aに接続される。また、上側及
び下側基板2,3の各凹部29,39が形成する空間内に保持された水晶振動片12が気
密に封止されている。
なお、本実施形態では基板スルーホール60a,60bに半田を埋設したが、これに限
らず、例えばAu−Sn等の低融点金属材料をレーザ照射により溶融させたり、導電性接
着材を埋設して硬化させる等の、導電性を有した他の材料による埋設方法を用いることが
できる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、本実施形態の水晶振動子10を製造する工程を図面を参照しながら説明する。図
5は、水晶振動子10の製造工程において、接合させる3枚の水晶ウェハの概略を示す斜
視図、図6(a)は、本実施形態で接合方法として用いる表面活性化接合の要領を概念的
に示す説明図、同図(b)は、水晶ウェハの積層体を示す概略斜視図である。
【0043】
本実施形態では、図1〜4で説明した中間水晶板11、上側及び下側基板2,3のそれ
ぞれを、縦及び横方向に等間隔で複数配置させた大型のウェハを準備し、複数の水晶振動
子10を一括して製造する方法を説明する。図5では、ひとつのウェハに中間水晶板11
、上側及び下側基板2,3をそれぞれ6個を配置させた形態を示しており、中間水晶板1
1用の中間水晶ウェハ111、上側基板2用の上側水晶ウェハ102、下側基板3用の下
側水晶ウェハ103を図示している。
本実施形態では、最初に、中間水晶板11を縦及び横方向に等間隔で複数配置させた中
間水晶ウェハ111を作成する段階について説明する。
まず、ATカットされた中間水晶ウェハ111用の水晶ウェハ211の両主面を鏡面研
磨加工する。この鏡面研磨加工は、後述する表面活性化接合を良好に行うために、各接合
面の表面粗さが数nm〜数10nm程度になるように行うのが好ましい。
続いて、水晶ウェハ211に、水晶振動片12となる凹部19a及び図示しない19b
と、貫通孔16,17とを、フォトリソグラフィ技術を利用してフッ酸等によりエッチン
グすることによって形成する。なお、貫通孔16,17の形成については、サンドブラス
ト法にて行うことも可能である。次に、例えばスパッタ法とフォトリソグラフィ技術を併
用して、Cr/Au(クロム/金)などの導電体材料を所望の形状及び厚みに形成するこ
とにより、励振電極14a,14b、引き出し電極15a,15b、貫通孔16,17の
内壁の導電膜16P,17P及び接続部18a,18bを形成する。
そして、上記加工終了後の中間水晶ウェハ111は、純水洗浄等により接合にかかる部
分の汚染物を取り除き、表面活性化接合に最適な表面状態に保つ。
【0044】
これと併行して、上側基板2を等間隔で複数配置させた上側水晶ウェハ102を作成す
る。まず、上記と同様に上側水晶ウェハ102用の水晶ウェハ202を鏡面研磨加工する
。続いて、水晶ウェハ202の中間水晶ウェハ111との対向面側の該中間水晶ウェハ1
11の各励振電極14a、引き出し電極15b、及び枠体スルーホール50bと対応させ
た位置に、複数の凹部29を形成する。各凹部29は、例えば水晶ウェハ202表面をフ
ッ酸等によってエッチングするか、サンドブラスト加工することにより形成することがで
きる。また、水晶ウェハ202の中間水晶ウェハ111の各スルーホール50aと対応さ
せた位置に、複数の貫通孔5をフォトリソグラフィ技術を用いてフッ酸などによりエッチ
ングすることによって形成する。なお、この貫通孔5もサンドブラスト法にて形成するこ
とが可能である。次に、各貫通孔5に、Cr/Au(クロム/金)などの導電体材料を所
望の厚みにスパッタするなどして導電膜5Pを形成し、基板スルーホール60aを形成す
る。そして、上記加工終了後の上側水晶ウェハ102は、純水洗浄等により接合にかかる
部分の汚染物を取り除き、表面活性化接合に最適な表面状態に保つ。
【0045】
同様にして、水晶ウェハ203に下側基板3を縦及び横方向に等間隔で複数配置させた
下側水晶ウェハ103を作成する。まず、上記と同様に下側水晶ウェハ103用の水晶ウ
ェハ203を鏡面研磨加工する。次に、下側水晶ウェハ103の中間水晶ウェハ111と
の対向面に、複数の凹部39と貫通孔6を、中間水晶ウェハ111の各水晶振動片12と
励振電極14b及び引き出し電極15aに対応させて形成する。続いて、各貫通孔6に、
Cr/Au(クロム/金)などの導電体材料を所望の厚みにスパッタするなどして導電膜
6Pを形成し、基板スルーホール60bを形成する。なお、本貫通孔6もサンドブラスト
法にて形成することが可能である。同時に、下側水晶ウェハ103の中間水晶ウェハ11
1との対向面とは反対側の面に、複数対の外部接続電極8a,8bを形成する。そして、
上記加工終了後の下側水晶ウェハ103は、純水洗浄等により接合にかかる部分の汚染物
を取り除き、表面活性化接合に最適な表面状態に保つ。
【0046】
次に、上記したように準備した上側及び下側水晶ウェハ102,103及び中間水晶ウ
ェハ111の各接合面をプラズマ処理により表面活性化する。プラズマ処理は、例えば公
知のSWP型RIEプラズマ方式のプラズマ処理装置を用いて行う。まず、プラズマ処理
装置の高真空雰囲気の処理チャンバ内のステージに、処理しようとする前記中間水晶ウェ
ハ111、上側、及び下側水晶ウェハ102,103を載置する。この処理チャンバ内に
は、例えばCF4ガスなどの反応性ガスを供給する。次に、処理チャンバ内にマイクロ波
を放射させ、処理チャンバに設けられた導波管内で定在波を形成すると、このマイクロ波
が、その下側に配置された誘電体である上側及び下側水晶ウェハ102,103及び中間
水晶ウェハ111に伝搬し、その表面に沿って伝搬する表面波を発生させる。この表面波
により、前記誘導体の全面に亘って均一且つ高密度なプラズマが生成され、それにより処
理チャンバ内に導入された反応ガスを励起して、フッ素のイオン、励起種などの活性種を
生成する。反応ガスを連続的に供給しながら、前記ステージに高周波電源から所定の電圧
を印加すると、処理チャンバ内に生成された前記反応ガスの活性種は、その上部から下向
きに前記ステージに向けて流れ、各ウェハをプラズマ処理する。なお、反応性ガスとして
は、CF4ガスの他に、Ar単体のガス、N2単体のガス、CF4とO2の混合ガス、O2
2の混合ガス、O2単体のガスを用いて同様に前記各ウェハの表面を活性化することがで
きる。
このプラズマ処理により、前記各ウェハの表面は、前記反応ガス活性種に曝露されて一
様に活性化される。即ち、中間水晶ウェハ111、上側及び下側水晶ウェハ102,10
3の各接合面の表面から有機物、汚染物などが除去されるとともに、該接合面を形成する
物質の結合手を持った原子が露出するように改質され、表面が活性化される。このように
プラズマ処理されたウェハ表面の活性状態は、少なくとも一時間程度維持されるので、そ
の後の仮接合及び本接合の工程を十分に実行することができる。
【0047】
プラズマ処理後、図6(a)に示すように、中間水晶ウェハ111の上下面に、上側及
び下側水晶ウェハ102,103を互いに重ね合わせる。まず、中間水晶ウェハ111、
上側及び下側水晶ウェハ102,103は、それらを位置合わせして各接合面を重ね合わ
せて仮接合してウェハ積層体100とする。次に、これらウェハ積層体100を常温で上
下から加圧することにより本接合する。なお、本実施形態では三枚の水晶ウェハを同時に
接合したが、1枚ずつ接合することもできる。例えば、中間水晶ウェハ111の上面に上
側水晶ウェハ102を接合した後、その下面に下側水晶ウェハ103を接合する。
中間水晶ウェハ111、上側及び下側水晶ウェハ102,103は、結合手をもった原
子がプラズマ処理した各接合面に露出しているので、上述した仮接合工程において、互い
に位置合わせして貼り合わせるだけで接着することができる。仮接合したウェハ積層体1
00は、その上下面に最大20kg程度の押圧力を一様に加えて、一体に強固に接合面間
を気密に接合する。なお、本実施形態では、この本接合工程は常温で行うが、200℃前
後の比較的低温に加熱した状態で行うことにより、更に良好に接合することができる。ま
た、中間水晶ウェハ111、上側及び下側水晶ウェハ102,103の仮接合及び本接合
は、大気圧雰囲気内でも真空内でも同様に行うことができる。
【0048】
次に、ウェハ積層体100の上側水晶ウェハ102の各基板スルーホール60aと、下
側水晶ウェハ103の各基板スルーホール60bに、ディスペンサ、スクリーン印刷等に
よって半田ペーストを所定量充填する。次に、ウェハ積層体100を、半田リフロー温度
に設定されたリフロー炉に所定時間投入して半田をリフローさせて、各基板スルーホール
60a,60bに半田90を埋設する。これにより、中間水晶ウェハ111の各接続部1
8aと上側水晶ウェハ102の各基板スルーホール60a、中間水晶ウェハ111の接続
部18bと下側水晶ウェハ103の各基板スルーホール60bのそれぞれ隣接する導電膜
同士が半田によって電気的に接続されるとともに、各基板スルーホール60a,60bが
封鎖される。
【0049】
このように接合したウェハ積層体100を、図6(b)に示すように、縦横に直行する
水晶振動子の外郭線150に沿ってダイシングなどにより切断分割して個片化する。個片
化した各水晶振動子(10)には、スパッタなどにより、一端が上側基板(2)基板スル
ーホール60aの上面側と接続され、他端が下側基板3の底面に設けられた外部接続端子
8aと接続される引き回し電極(7)を形成する。
【0050】
最後に、個片化した各水晶振動子(10)の周波数特性やその他の電気的特性が所定の
範囲内にあるか否かを確認する電気的特性検査若しくは所望の試験を行う。周波数特性が
所定の範囲から外れた場合は、レーザ光などにより周波数調整することが可能である。上
側及び下側基板2,3が鏡面研磨加工され透明なので、外部からレーザ光などを容易に照
射でき、それにより周波数調整をすることができる。
また、本実施形態では、水晶振動子10を個片化する前に、ウェハ積層体100の状態
で周波数の測定や調整を行うこと、若しくは所望の試験を実行することも可能である。
【0051】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
【0052】
(1)上記第1の実施形態では、まず、中間水晶板11の両主面に形成した凹部19a
,19bのそれぞれに励振電極14a,14bを形成して水晶振動片12を構成した。各
励振電極14a,14bは、引き出し電極15a,15b及び枠体スルーホール50a,
50bにより反対側の面に設けた導通部18a,18bにそれぞれ引き出した。この中間
水晶板11の上面及び下面に、中間水晶板11との接合面の導通部18a,18bと対応
する位置に基板スルーホール60a,60bをそれぞれ設けた上側及び下側基板2,3を
、直接接合により一体に積層した。また、上側及び下側基板2,3のそれぞれ中間水晶板
11との接合面には凹部29,39を設け、水晶振動片12との間にそれぞれ空間を設け
るとともに、各引き出し電極15a,15bと接触しないようにした。そして、上側及び
下側基板2,3それぞれの基板スルーホール60a,60bに半田90を埋設して、中間
水晶板11の各導通部18a,18bと電気的に接続するとともに、基板スルーホール6
0a,60bをそれぞれ封鎖した。そして、基板スルーホール60aの上側基板2の上面
側からは、下側基板3の底面に形成された外部接続端子8aに接続される引き回し電極7
を形成した。一方、下側基板3の基板スルーホール60bは、下側基板3の底面に形成さ
れた外部接続電極8bと、導電膜6Pにより導通している。以上の構成により、水晶振動
片12の各励振電極14a,14bと、下側基板3の底面の外部接続電極8a,8bとが
それぞれ電気的に接続され、上側及び下側基板2,3の各凹部29,39が形成するキャ
ビティ内に保持された水晶振動片12を気密に封止する水晶振動子10を得た。
【0053】
この構成によれば、水晶振動子10において、上側及び下側基板2,3の各基板スルー
ホール60a,60bと、中間水晶板11の凹部19a,19b(水晶振動片12)、及
び上側及び下側基板2,3の各凹部29,39とが、連通しない別の空間として設けられ
る。また、上側及び下側基板2,3の各基板スルーホール60a,60bは、中間水晶板
11との接合面において各接続部18a,18bを取り囲み、基板スルーホール60a,
60bの周囲の接合面は密閉された状態となる。これにより、基板スルーホール60a,
60bに半田90を埋設することにより、導通部18a,18bそれぞれとの良好な電気
的接続をはかることができるので、気密性を確保し、励振電極14a,14bとの確実な
電気的接続が可能となる。また、半田90を埋設するときに、溶融した半田90が、各励
振電極14a,14b等の本来望まない部位に濡れ広がることにより、水晶振動片12の
振動特性を変化させるのを防ぐことができる。従って、周波数特性に優れ、高信頼性を有
する水晶振動子10を得ることが可能となる。
【0054】
(2)上記第2の実施形態では、水晶振動子10の製造において、中間水晶ウェハ11
1と、上側及び下側水晶ウェハ102,103を一体に貼り合せる方法として、プラズマ
処理により各接合面の表面を活性化させることによる直接接合(表面活性化接合)を用い
た。また、各ウェハの材料として、同じ水晶を用いた。
【0055】
この方法によれば、中間水晶ウェハ111と、上側及び下側水晶ウェハ102,103
を、常温、または比較的低い接合温度にて接合することができるので、各ウェハの寸法変
化や反りが軽減でき、各ウェハの接合位置のずれや、接合強度の低下を抑制することが可
能となる。また、接合温度が高いと起こりやすい水晶振動片の振動特性の変化を抑えるこ
とが可能となる。さらに、各ウェハの材料を同じ水晶で構成することにより、より低い温
度で安定した接合性を確保できるという顕著な効果を奏する。
【0056】
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態では、中間水晶板11の両主面に形成された励振電極14a,14
bのそれぞれが、枠体スルーホール50a,50bを介して反対側の枠体13上に形成さ
れた接続部18a,18bと電気的に接続される構成とした。これに対して、この第3の
実施形態では、枠体の一方の接続部が、枠体スルーホールによって反対側に形成された一
方の励振電極と導通し、他方の接続部が、偶数個の枠体スルーホールを往復することによ
り他方の励振電極側と導通する構成としている。
【0057】
図7は、第3の実施形態の水晶振動子の概略構成を説明する斜視図である。また、図8
は、その水晶振動子を構成する中間水晶板の構成を説明する説明図であり、同図(a)は
上面図、同図(b)は下面図、同図(c)は図8(a),(b)中のB−B´線断面図で
ある。なお、第3の実施形態における水晶振動子310、及び中間水晶板311の基本的
な構成のうち、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0058】
図7に図示するように、水晶振動子310は、中間水晶板311の上面及び下面に、そ
れぞれ上側基板302と下側基板303を、表面活性化接合により一体に積層した構造を
有している。
【0059】
図8(a)〜(c)に示すように、中間水晶板311の両主面に形成された凹部319
a,319bには励振電極314a,314bがそれぞれ形成され、水晶振動片312を
構成している。水晶振動片312の上面側に形成された励振電極314aの一方の基端部
からは、枠体313の上面に向けて引き出し電極315bが形成されている。同様に、水
晶振動片312の下面側には励振電極314bが形成され、上面側に形成された引き出し
電極315bとは反対側の基端部から枠体313の下面に向けて引き出し電極315aが
形成されている。枠体313の上面に形成された引き出し電極315bの外側末端部分か
らは、枠体313の下面に形成された接続部318bに向けて貫通する貫通孔317の内
壁表面に導電膜317Pが形成された枠体スルーホール350bが設けられている。これ
により、接続部318bは、励振電極314aと電気的に接続されている。同様に、枠体
313の下面に形成された引き出し電極315aの外側末端部分からは、枠体313の上
面に貫通する貫通孔316と導電膜316Pからなる枠体スルーホール350aが設けら
れている。さらに、枠体スルーホール350aから水晶振動片312に沿って所定の距離
をおいた位置には、枠体313を上下に貫通する貫通孔381と導電膜381Pからなる
枠体スルーホール380が設けられている。枠体スルーホール380の枠体313下面側
には、導電膜381Pと同一材料にて同時に形成される接続部318aが設けられている
。これらの枠体スルーホール350aと枠体スルーホール380は、枠体313の上面側
で接続電極370により電気的に接続されていて、接続部318aと励振電極314bは
電気的に接続されている。
【0060】
図7に示すように、上側基板302の中間水晶板311との対向面には、水晶振動片3
12、引き出し電極315b、枠体スルーホール350b、枠体スルーホール350a,
380及びこられを接続する接続電極370と対応した位置に凹部329が形成されてい
る。同様に、下側基板303の中間水晶板311との対向面には、水晶振動片312と引
き出し電極315aに対応した位置に凹部339が形成されている。これら凹部329,
339によって水晶振動片312との間にキャビティが形成され、水晶振動片312が枠
体313により支持される構造となっている。
【0061】
下側基板303の、中間水晶板311との対向面の接続部318a,318bと対応す
る位置には、内壁の表面に導電膜が形成された基板スルーホール360a,360bがそ
れぞれ設けられている。各基板スルーホール360a,360bは、下側基板303の底
面の両端部に設けられた図示しない二つの外部接続端子にそれぞれ電気的に接続されてい
る。これら基板スルーホール360a,360bには、中間水晶板311下面の接続部3
18a,318bに接触させ且つ基板スルーホール360a,360bを封鎖させるよう
に図示しない半田がそれぞれ埋設されている。以上述べた構成により、水晶振動子310
の二つの外部接続電極は励振電極314a,314bとそれぞれ電気的に接続されている

【0062】
この構成によれば、中間水晶板311の下側の主面に形成された励振電極314bを、
引き出し電極315aと枠体スルーホール350aを経由させて枠体313の上面側に引
き出してから、接続電極370及び枠体スルーホール380を経由させて枠体313の下
面側に設けられた接続部318aに接続されている。これにより、中間水晶板311の両
主面に形成された励振電極314a,314bが、両方共に枠体313の下側基板303
との対向面側に設けられた接続部318a,318bに電気的に引き出される。また、下
側基板303の、中間振動板311の接続部350a,350bのそれぞれと対応した位
置に、下側基板303の底面に形成された二つの外部接続電極それぞれに接続された基板
スルーホール360a,360bを設けた。中間水晶板311の上下面に上側及び下側基
板302,303が接合された水晶振動子310においては、下側基板303の基板スル
ーホール360a,360bと、中間水晶板311の凹部319b(水晶振動片312)
及び下側基板303の凹部339とが、連通しない別の空間として設けられる。また、下
側基板303の基板スルーホール360a,360bは、中間水晶板311との接合面に
おいて接続部318a,318bを取り囲み、基板スルーホール360a,360bの周
囲の接合面は密閉された状態となる。この基板スルーホール360a,360bに半田を
埋設することにより、接続部318a,318bとの良好な電気的接続をはかることがで
きるので、気密性を確保し、下側基板303の底面両端部に設けられた二つの外部接続電
極と、それぞれに対応する励振電極314a,314bとの確実な電気的接続が可能とな
る。また、半田90を埋設するときに、溶融した半田が、各励振電極314a,314b
等の本来望まない部位に濡れ広がることにより、水晶振動片312の振動特性を変化させ
るのを防ぐことができる。さらに、上記第1及び第2の実施形態で説明した水晶振動子1
0のように、上側基板2にスルーホール60aを設けて、さらに引き回し電極7を形成す
る必要がなくなる。また、中間水晶板311、上側及び下側基板302,303それぞれ
の製造と、これらを接合することによる水晶振動子310の製造を、ウェハ状態にて一括
して行うことが可能となる。従って、周波数特性に優れ、高信頼性を有する水晶振動子1
0が得られるとともに、その製造効率を向上させることができる。
【0063】
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、以下の変形例を実施することも
できる。
【0064】
(変形例1)上記実施形態では、上側及び下側水晶ウェハ102,103を中間水晶板
111と同じ水晶で形成したが、これに限定されない。本発明のプラズマ処理により水晶
と直接接合が可能な水晶以外の材料を、上側及び下側水晶ウェハの少なくとも一方に用い
ることができる。このような異種材料としては、シリコンを主成分としたソーダガラスな
どのガラス材料、あるいはシリコン等を用いることが、水晶との接合性に加えて、比較的
水晶に近い熱膨張係数を有することから好ましい。このような異種材料の上側及び下側ウ
ェハ(基板)を用いる場合、本発明では常温で接合することができるので、熱膨張率の差
異による反りを抑えることが可能である。また、3枚のウェハを同時に接合する方法をと
れば、接合時に加熱しても熱膨張率の差異による反りを抑制することができる。
【0065】
この構成によれば、上側及び下側基板を形成するためのウェハ材料の選択肢が広がると
ともに、比較的安価にて入手できる材料なので、圧電振動子を低コストで製造することが
できる。
【0066】
(変形例2)上記第1及び第2の実施形態では、中間水晶ウェハ111と、上側及び下
側水晶ウェハ102,103を互いに直接接合させてから、基板スルーホール60a,6
0bに半田90を埋設する構成としたが、これに限らない。予め各基板スルーホール60
a,60bに半田90を埋設した上側及び下側水晶ウェハ102,103を準備して、そ
れらを中間水晶ウェハ111と互いに接合する構成としてもよい。
例えば、先ず、図5に示す上側及び下側水晶ウェハ102,103のそれぞれに、上記
実施形態と同様にして各凹部、各貫通孔、及び導電膜パターンを形成したのち、基板スル
ーホール60a,60bのそれぞれに半田90を埋設する。半田90を埋設する方法は、
同様に、ディスペンサ等により基板スルーホール60a,60bに埋設した半田ペースト
をリフローする方法を利用できる。このとき、上側及び下側水晶ウェハ102,103の
それぞれは、中間水晶ウェハ111との対向面を下側にして処理する等して、半田90が
、少なくとも基板スルーホール60a,60bそれぞれの中間水晶ウェハ111との対向
面と同一面まで形成されるようにする。次に、上記実施形態と同様にして、上側及び下側
水晶ウェハ102,103それぞれの中間水晶ウェハ111との対向面(接合面)に鏡面
研磨加工を行い、各基板スルーホール60a,60bに埋設された半田90を含めた接合
面を平坦且つ平滑にする。次に、上側及び下側水晶ウェハ102,103及び中間水晶ウ
ェハ111の各接合面をプラズマ処理により表面活性化する。そして、上記実施形態と同
様の方法にて、中間水晶ウェハ111の上下面に、上側及び下側水晶ウェハ102,10
3を互いに重ね合わせ、上下から加圧することにより本接合し、ダイシングにより個片化
して水晶振動子10を得る。
【0067】
この構成によれば、中間水晶ウェハ111、上側及び下側水晶ウェハ102,103を
接合した後で、半田リフローによる温度ストレスをかけることなく、接合性を劣化させる
などの不具合を回避することができる。また、上記変形例1に示した、上側及び下側ウェ
ハ102,103の材料に中間水晶ウェハ111の材料である水晶と異なる材料用いた場
合には、熱膨張率の差によりリフローの加熱で各ウェハが反ったり、接合部に応力が掛か
るなどの不具合を抑えることができるという顕著な効果を奏する。
【0068】
(変形例3)上記第2の実施形態では、中間水晶ウェハ111、上側及び下側水晶ウェ
ハ102,103を接合してウェハ積層体100とし、ダイシングして個片化してから引
き回し電極7を形成したが、これに限らない。ウェハ積層体100の状態で引き回し電極
7を形成することもできる。
例えば、先ず、図5における中間水晶ウェハ111、上側及び下側水晶ウェハ102,
103のそれぞれの、上側水晶ウェハ102の貫通孔50近傍で且つ外郭線150を跨る
同一の位置に、予めキャスタレーション(円形貫通孔)を設けておく。キャスタレーショ
ンは、フォトリソグラフィ技術を用いてフッ酸等で水晶をエッチングすることにより形成
することが可能である。次に、上記実施形態と同様の方法で中間水晶ウェハ111、上側
及び下側水晶ウェハ102,103を直接接合して図6(b)に図示するウェハ積層体1
00とする。すると、キャスタレーションはウェハ積層体100の上下を貫通する。次に
、スパッタなどにより、ウェハ積層体100を貫通する各キャスタレーションの内壁を被
覆し、且つ、上側水晶ウェハ102の各基板スルーホール60aとキャスタレーションと
をつなぎ、さらに、下側水晶ウェハ103の底面に形成された外部接続電極8aとキャス
タレーションとをつなぐように、Cr/Au(クロム/金)などの導電膜パターンを形成
する。以上の方法により、ウェハ積層体100をダイシングする前に、上側水晶ウェハ1
02側に電気的に引出した各励振電極14aと、下側水晶ウェハ103の底面に形成され
た各外部接続電極8aとを電気的に接続することができる。
この他に、各ウェハに予めキャスタレーションを設けずに、各ウェハを接合してから、
ウェハ積層体100を貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔の内壁に同様に導電膜を形成
することによって、上側水晶ウェハ102の上面と、下側水晶ウェハ103の底面に形成
された各外部接続電極8aとを電気的に接続することも可能である。
【0069】
この構成によれば、水晶振動子10の上側基板2側に引出した励振電極14aと、下側
基板3の底面に形成された外部接続電極8aとの電気的な接続をする引き回し電極の形成
が、ウェハ状態にて一括して行うことができるので、製造効率を向上させることが可能と
なる。
【0070】
(変形例4)上記第1及び第2実施形態では、中間水晶板11の水晶振動片12を枠体
13よりも薄く形成したが、これに限らず、水晶振動片12と枠体13とを同じ厚みで形
成してもよい。この構成によれば、中間水晶ウェハ111に水晶振動片12を形成するた
めの凹部を形成する工程を省略することができる。
【0071】
(変形例5)上記第1の実施形態では、中間水晶ウェハ111、上側及び下側ウェハ1
02,103を接合する際の表面活性化のためのプラズマ処理を、SWP型RIE方式に
て実行したが、これに限らず、大気圧プラズマ法などの他のプラズマ法により行うことも
可能である。
【0072】
(変形例6)上記第1の実施形態では、中間水晶ウェハ111、上側及び下側ウェハ1
02,103を接合する際の表面活性化のためのプラズマ処理を、SWP型RIE方式に
て実行したが、これに限らず、大気圧プラズマ法などの他のプラズマ法により行うことも
可能である。
【符号の説明】
【0073】
2,302…上側基板、3,303…下側基板、8a,8b…外部接続電極、10,3
10…圧電振動子としての水晶振動子、11,311…中間水晶板、12,312…圧電
振動片としての水晶振動片、13,313…枠体、14a,14b,314a,314b
…励振電極、15a,15b,315a,315b…引き出し電極、18a,18b,3
18a,318b…接合部、29,39,329,339…上側及び下側基板の各凹部、
50a,50b,350a,350b,380…中間圧電板の枠体基板スルーホール、6
0a…上側基板の基板スルーホール、60b,360a,360b…下側基板の基板スル
ーホール、90…導電接合材としての半田、100…ウェハ積層体、102…上側圧電ウ
ェハとしての上側水晶ウェハ、103…下側圧電ウェハとしての下側水晶ウェハ、111
…中間圧電ウェハとしての中間水晶ウェハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両主面に励振電極が設けられた圧電振動片と枠体が一体に形成された中間圧電板と、前
記中間圧電板の上面及び下面にそれぞれ接合される上側及び下側基板とを有し、
前記中間圧電板と前記上側及び下側基板とにより画定されるキャビティ内に前記圧電振
動片が保持され、
前記上側及び下側基板と前記中間圧電板との各接合面がそれぞれ鏡面研磨加工され、互
いに直接接合により気密に接合され、
前記各励振電極は、前記枠体に設けられる前記上側及び下側基板との接続部に引き出し
電極を介してそれぞれ接続され、
前記上側及び下側基板それぞれの前記接続部と対応する位置に、前記上側及び下側基板
の少なくともいずれか一方に設けられた外部接続端子と電気的に接続された基板スルーホ
ールが設けられ、各基板スルーホールのそれぞれに導電接合材を埋設することにより前記
各励振電極と前記外部接続端子とが導通される構造の圧電振動子であって、
前記枠体の各接続部が、前記枠体を貫通して形成された枠体スルーホールによって反対
側に形成された前記励振電極と導通することを特徴とする圧電振動子。
【請求項2】
両主面に励振電極が設けられた圧電振動片と枠体とが一体に形成された中間圧電板と、
前記中間圧電板の上面及び下面にそれぞれ接合される上側及び下側基板とを有し、
前記中間圧電板と前記上側及び下側基板とにより画定されるキャビティ内に前記圧電振
動片が保持され、
前記上側及び下側基板と前記中間圧電板との各接合面がそれぞれ鏡面研磨加工され、互
いに直接接合により気密に接合され、
前記各励振電極は、前記枠体に設けられる前記上側及び下側基板のいずれかとの接続部
に引き出し電極を介してそれぞれ接続され、
前記上側及び下側基板の少なくとも一方の前記接続部と対応する位置に、前記上側及び
下側基板の少なくとも一方に設けられた外部接続端子と電気的に接続された基板スルーホ
ールが設けられ、
前記基板スルーホールに導電接合材を埋設することにより前記各励振電極と前記外部接
続端子とが導通される構造の圧電振動子であって、
前記枠体の一方の前記接続部が、前記枠体を貫通して形成された枠体スルーホールによ
って反対側に形成された一方の前記励振電極と導通し、他方の前記接続部は、前記枠体を
貫通して形成された偶数個の枠体スルーホールを往復することにより他方の前記励振電極
側と導通することを特徴とする圧電振動子。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧電振動子において、
前記中間圧電板と、上側及び下側基板が水晶からなることを特徴とする圧電振動子。
【請求項4】
請求項1または2に記載の圧電振動子において、
前記上側及び下側基板がガラス材料またはシリコンからなることを特徴とする圧電振動
子。
【請求項5】
枠体と一体に形成された圧電振動片の上面及び下面のそれぞれに励振電極を形成し、前
記枠体に各励振電極に接続する引き出し電極をそれぞれ形成し、各引き出し電極から前記
枠体を貫通する枠体スルーホールをそれぞれ形成し、この枠体スルーホールを介して前記
引き出し電極に接続する接続部をそれぞれ形成して中間圧電板を形成する工程と、
前記中間圧電板の上面側に設けられた前記接合部と対応する基板スルーホールを形成し
て、前記中間圧電板の上面に接合される上側基板を形成する工程と、
前記中間圧電板の下面側に設けられた前記接合部と対応する基板スルーホールを形成し
て、前記中間圧電板の下面側に接合する下側基板を形成する工程と、
前記中間圧電板と前記上側及び下側基板との各接合面を鏡面研磨加工する工程と、
鏡面研磨加工した前記上側及び下側基板と前記中間圧電板との各接合面をプラズマ処理
により活性化する工程と、
前記中間圧電板と前記上側及び下側基板とを、それらにより画定されるキャビティ内に
前記圧電振動片が保持されるように重ね合わせ、それらを加圧して直接接合により気密に
接合する工程と、
前記上側及び下側基板の各基板スルーホールに導電接合材を埋設する工程と、を有する
ことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の圧電振動子の製造方法において、
複数の前記中間圧電板を有する中間圧電ウェハを形成する工程と、
複数の前記上側基板を前記中間圧電ウェハの中間圧電板に対応させて配設した上側ウェ
ハを形成する工程と、
複数の前記下側基板を前記中間圧電ウェハの中間圧電板に対応させて配設した下側ウェ
ハを形成する工程と、
前記中間圧電ウェハと前記上側及び下側ウェハとの各接合面を鏡面研磨加工する工程と

鏡面研磨加工した前記上側及び下側ウェハと前記中間圧電ウェハとの各接合面をプラズ
マ処理により活性化する工程と、
前記中間圧電ウェハの上下面に前記上側及び下側ウェハとを重ね合わせ、それらを加圧
して直接接合により一体に接合してウェハ積層体とする工程と、
前記上側及び下側ウェハの各スルーホールに導電接合材を埋設する工程と、
前記ウェハ積層体を切断して圧電振動子を個片化する工程と、を有することを特徴とす
る圧電振動子の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記上側及び下側基板を形成するそれぞれの工程に、前記上側及び下側基板のそれぞれ
に設けたスルーホールに前記導電接合材を埋設する工程を含むことを特徴とする圧電振動
子の製造方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記プラズマ処理が、CF4、Ar、またはN2ガスを用いて、酸素不介在の雰囲気内で
行われることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記プラズマ処理が、O2ガス、CF4とO2との混合ガス、またはN2とO2との混合ガ
スを用いて、酸素介在の雰囲気内で行われることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項10】
請求項5〜9のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、常温で加圧して気密に接合
することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項11】
請求項5〜9のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、加熱した状態で加圧して気
密に接合することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項12】
請求項5〜11のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、N2雰囲気で加圧して気密
に接合することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項13】
請求項5〜11のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせ、減圧雰囲気で加圧して気密
に接合することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項14】
請求項5〜13のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記中間圧電板の上下面に上側及び下側基板を重ね合わせて仮接合した後、それにより
一体化された積層体の上下面を加圧して気密に接合することを特徴とする圧電振動子の製
造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−151857(P2011−151857A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95918(P2011−95918)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【分割の表示】特願2006−60561(P2006−60561)の分割
【原出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】