説明

地上デジタル放送システム及び、その運用管理方法と管理装置

【課題】SFN放送波中継において、SFNエリアにおける受信不良を自動で感知し、その受信不良を自動で解消することが可能な地上デジタル放送システム及び、その運用管理方法と管理装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る送信管理システムでは、親局10とSFN関係にある中継局20に設置されたフィールド測定器21と、監視所30に設置されたフィールド測定器31との測定結果を、演奏所40で一括管理する。演奏所40は、それらの測定結果に基づいて、監視所30で受信される放送波がSFNの条件を満たすか否か及び、中継局20に異常があるか否かを判定する。その判定結果に基づいて、中継局20の出力を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタル放送において、SFN方式で送信される放送波を受信可能なSFNエリアにおける受信状況を管理する地上デジタル放送システム及び、その運用管理方法と管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送において構築されるSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)では、放送波の中継用に新たな周波数を必要とせず、不足しがちな周波数資源を有効に活用することができる。
【0003】
しかしながら、SFNの関係にある中継局の放送波出力が、中継回線のフェージングや機器の故障等によるBER(Bit Error Rate:ビット誤り率)の劣化によりSFNの条件を満たさなくなると、SFNエリアに存在する受信器は、その復調部入力で所要のC/Nを満足しなくなるため、放送波を受信することができなくなる。また、BERの劣化を補償するために、中継局に補償装置を導入する、中継回線のルートを切り替える等の処理を施すことがあるが、その結果、放送波の遅延時間にずれが生じてSFNの条件が満たされなくなることもある。
【0004】
なお、局監視装置により中継局を監視し、管理制御センターでその監視結果に基づいて中継局の稼働状況をリアルタイムで把握する局監視システムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。ただし、この局監視システムでは、SFNについては考慮されていない。また、中継局の稼働状況が思わしくない場合でも、管理制御センターが自動で中継局の放送波出力を制御することはない。
【特許文献1】特開2006−246082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べたように、従来では、中継回線のフェージングや機器の故障によるBERの劣化及び、補償装置の導入や中継回線のルートの切り替えによる放送波の遅延時間のずれ等により、SFNの条件が満たされなくなることにより、SFNエリアにおいて放送波が受信できない場合があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、SFN放送波中継において、SFNエリアにおける受信不良を自動で感知し、その受信不良を自動で解消することが可能な地上デジタル放送システム及び、その運用管理方法と管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る地上デジタル放送システムは、地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して測定情報を取得する品質測定装置と、前記品質測定装置で得られる測定情報に基づいて前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したか否かを判定する判定部と、前記判定部により受信不良が発生したと判定された場合、前記受信端末装置で受信した放送波を送信している中継局装置を特定してその出力を制御する制御部とを有する管理装置とを具備する。
【0008】
また、本発明に係る地上デジタル放送システムの運用管理方法は、地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して測定情報を取得する品質測定装置とを具備する地上デジタル放送システムに用いられる地上デジタル放送システムの運用管理方法において、前記測定情報を収集し、前記収集された測定情報に基づいて前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したか否かを判定し、前記判定の結果、受信不良が発生したと判定された場合、前記受信端末装置に放送波を送信している中継局装置を特定してその出力を制御する。
【0009】
上記構成による地上デジタル放送システムとその運用管理方法では、受信端末装置が設置されているところに設置された品質測定装置により、地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定し、その測定情報に基づいて受信端末装置において受信不良が発生したか否かを判定する。そして、受信不良が発生した場合、中継局装置の出力を制御し、受信端末装置における受信不良を解消するようにしている。これにより、SFNエリア内の受信端末装置における受信不良を自動で検知し、その不良を自動で解消することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、受信端末装置における受信不良を自動で感知し、その受信不良を自動で解消することにより、SFNエリアにおける受信状況を自動で管理することのできる地上デジタル放送システムとその運用管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信管理システムの概略構成図を示すブロック図である。図1に示す送信管理システムにおいて、親局(送信所)10は、中継局20及び監視所30にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の放送波を送信する。中継局20は、親局10とSFNの関係にあり、親局10から送信された放送波と同じ周波数で送信する。監視所30は、親局10が形成するSFNエリア及び、中継局20が形成するSFNエリアの両方に所属しており、親局10からの放送波と、中継局20からの放送波とを受信する。ここで受信される放送波にはガードインターバルが付加されているため、中継局20が正常に稼動している場合には、親局10から送信された信号と中継局20で中継された信号とは干渉し合うことはなく、監視所30は、SFNの条件を満たした放送波を受信することができる。
【0013】
ここで、中継局20及び監視所30には、フィールド信号の品質を測定するフィールド測定器21,31がそれぞれ設置される。フィールド測定器21は、中継局20におけるフィールド信号の品質を定期的に測定する。また、フィールド測定器31は、監視所30におけるフィールド信号の品質を定期的に測定する。なお、フィールド測定器21,31で測定するフィールド信号としては、C/N値、MER値、BER、遅延プロファイル、入力レベル等があげられる。
【0014】
演奏所(又は委託監視法人社屋)40は、マスター設備(MUX)41及び送信設備(STL)42と共にTMS(Transmitting Management System:送信管理システム)センター機器43を具備している。
【0015】
上記TMSセンター機器43は、具体的には図2に示すように構成される。図2において、制御部431は、通信インターフェース(通信I/F)432を通じてフィールド測定器21,31とアクセスし、フィールド測定器21,31で定期的に測定される測定情報を収集し、測定情報データベース433に登録して一括管理する。そして、判定部434で、フィールド測定器21,31の測定情報に基づいて、監視所30で受信不良が発生したか否か及び、中継局20に異常があるか否かを判定する。ここで、監視所30での受信不良の発生は、監視所30で受信された放送波がSFNの条件を満たさなくなることをいう。また、中継局20での異常の発生は、中継局20におけるフィールド信号の品質が許容範囲を超えることをいう。
【0016】
制御部431は、監視所30における放送波がSFNの条件を満たさないと判定され、かつ、中継局20に異常があると判定された場合、中継局20の異常が監視所30における受信不良を引き起こしているとして、中継局20の出力を停止させる。また、監視所30における放送波がSFNの条件を満たさないと判定され、かつ、中継局20に異常がないと判定された場合、中継局20が親局10の放送波に対する妨害波を送出しているとして、中継局20の出力を制御する。このときの出力の制御は、中継局20の出力の停止、出力レベルの抑制、出力の方向を制限する、出力位相の調整のいずれか1つ、又は、いずれかを組み合わせたものである。
【0017】
制御部431は、中継局20の出力を制御した後に、監視所30の測定情報を再度収集することにより、監視所30で受信不良が解消したことを確認する。さらに、制御部431は、監視所30における受信不良が解消されるまで上記処理を繰り返す。
【0018】
次に、上記構成における送信管理システムの制御部431の処理動作を説明する。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態に係る制御部431の処理動作を示すフローチャートである。まず、制御部431は、各フィールド測定器21,31から測定情報を収集し(ステップS1)、SFNエリアの監視所30におけるフィールド信号の品質を監視する(ステップS2)。測定情報データベースに記録された監視所30の測定情報に基づき、判定部434により、監視所30で受信される放送波がSFNの条件を満たすか否かを判定する(ステップS3)。SFNの条件を満たさないと判定した場合(ステップS3のNo)、測定情報データベース433に記録された中継局20についての測定情報に基づき、判定部434により、中継局20で異常が発生したか否かを判定する(ステップS4)。監視所30の放送波がSFNの条件を満たす場合(ステップS3のYes)、処理をステップS1へ進め、フィールド測定器21,31の測定情報を収集する。
【0020】
制御部431は、ステップS4において、中継局20で異常が発生したと判定した場合(ステップS4のYes)、中継局20を停止させる(ステップS5)。そして、監視所30の測定情報を再度確認し(ステップS6)、処理をステップS3へ進める。
【0021】
制御部431は、ステップS4において、中継局20で異常が発生していないと判定した場合(ステップS4のNo)、放送波を中継している中継局20のうち、親局10からの放送波に対する妨害波を送出している中継局20を探索する(ステップS7)。続いて、妨害波を送出している中継局20があるか否かを判断し(ステップS8)、該当する中継局20が発見された場合(ステップS8のYes)、その中継局20の放送波の出力を制御し(ステップS9)、監視所30の測定情報を再度確認する(ステップS10)。該当する中継局20が発見されなかった場合(ステップS8のNo)、システムの利用者に監視所30で発生した受信不良を解決できなかった旨を通知するアラームを鳴らす(ステップS11)。
【0022】
制御部431は、ステップS10において監視所30の測定情報を確認すると、判定部434により、監視所30の放送波がSFNの条件を満たすか否かを判定する(ステップS12)。SFNの条件を満たしていない場合(ステップS12のNo)、親局10からの放送波に対する妨害波を送信していると考えられる中継局20が他に存在するか否かを判断する(ステップS13)。妨害波を送信する中継局20が存在する場合(ステップS13のYes)、処理をステップS9に進める。また、妨害波を送信する中継局20が存在しない場合(ステップS13のNo)、処理をステップS11へ進める。
【0023】
ステップS12において、SFNエリアにおける監視所30の放送波がSFNの条件を満たしている場合(ステップS12のNo)、処理をステップS1に進め、フィールド測定器21,31の測定結果を収集する。
【0024】
以上のように、上記一実施形態における演奏所40は、親局10とSFNの関係にある中継局20に設置されたフィールド測定器21と、監視所30に設置されたフィールド測定器31の測定結果を一括管理し、それらの測定結果に基づいて、監視所30で受信される放送波がSFNの条件を満たすか否か及び、中継局20に異常があるか否かを判定する。そして、監視所30における放送波がSFNの条件を満たさないと判定され、かつ、中継局20に異常があると判定された場合、中継局20の出力を停止させる。また、監視所30における放送波がSFNの条件を満たさないと判定され、かつ、中継局20に異常がないと判定された場合、中継局20の出力を制御する。これにより、中継局20からの妨害波が弱められ、監視所30は、SFNの条件を満たす放送波を受信することが可能となる。
【0025】
したがって、送信管理システムは、監視所30における放送波の受信不良を自動で感知し、その不良を、中継局20を制御することにより解消することが可能である。このように、監視所30における放送波の受信不良を自動で解消することを可能としたことにより、SFN方式におけるSFNエリアを自動で確保することが可能となる。
【0026】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、演奏所40は、フィールド測定器31が定期的に測定する測定情報のみを収集する例について説明したが、フィールド測定器31の測定情報に加え、監視所30で得られる受信画像も収集する場合においても実施可能である。
【0027】
また、上記実施形態では、演奏所40がフィールド測定器21,31の測定情報を収集する例について説明したが、フィールド測定器21は、中継局20におけるフィールド信号の品質の測定結果に異常があるかを判定し、その判定結果を測定情報として演奏所40に送信する機能をさらに有し、また、フィールド測定器31も同様に、監視所30におけるフィールド信号の品質の測定結果に異常があるかを判定し、その判定結果を測定情報として演奏所40に送信する機能をさらに有する場合においても実施可能である。このとき、演奏所40の制御部431は、フィールド測定器21から測定情報としての判定結果が通知されると、判定部434で、中継局20に異常が発生したと判定する。また、制御部431は、フィールド測定器31から測定情報として判定結果が通知されると、判定部434で、監視所30で受信不良が発生したと判定する。
【0028】
さらに、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、親局と中継局との関係で述べたが、中継局同士がSFNの関係にある場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る送信管理システムの一実施形態の構成を示す概略図。
【図2】上記一実施形態の演奏所の機能構成を示すブロック図。
【図3】上記一実施形態の制御部の処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0030】
10…親局、20…中継局、21,31…フィールド測定器、30…監視所、40…演奏所、41…マスター設備、42…送信設備、43…TMSセンター機器、431…制御部、432…通信I/F、433…測定情報データベース、434…判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、
前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、
前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、
前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して測定情報を取得する品質測定装置と、
前記品質測定装置で得られる測定情報に基づいて前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したか否かを判定する判定部と、前記判定部により受信不良が発生したと判定された場合、前記受信端末装置で受信した放送波を送信している中継局装置を特定してその出力を制御する制御部とを有する管理装置と
を具備することを特徴とする地上デジタル放送システム。
【請求項2】
前記品質測定装置は、前記品質の測定を定期的に行ってその測定結果を前記測定情報として前記管理装置に通知し、
前記管理装置の判定部は、前記品質測定装置からの測定情報が許容範囲を超えるとき前記受信不良が発生したと判定することを特徴とする請求項1に記載の地上デジタル放送システム。
【請求項3】
前記品質測定装置は、前記品質の測定結果に異常があるか判定してその判定結果を前記測定情報として前記管理装置に通知し、
前記管理装置の判定部は、前記品質測定装置からの測定情報として異常の判定結果が通知されるとき前記受信不良が発生したと判定することを特徴とする請求項1に記載の地上デジタル放送システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記中継局装置の出力の停止、出力レベルの抑制、出力の方向を制限する、出力位相の調整のいずれか1つ、又は、いずれかを組み合わせた制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の地上デジタル放送システム。
【請求項5】
地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、
前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、
前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、
前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して第1の測定情報を取得する第1の品質測定装置と、
前記中継局装置が放送する地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して第2の測定情報を取得する第2の品質測定装置と、
前記第1及び第2の品質測定装置で得られる第1及び第2の測定情報を収集する測定情報収集部と、前記測定情報収集部で収集された第1の測定情報に基づいて前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したか否かを判定し、前記受信不良が発生したと判定された場合に前記第2の測定情報に基づいて前記中継局装置に異常が発生したか否かを判定する判定部と、前記判定部において、前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したと判定され、かつ、前記中継局装置に異常が発生したと判定された場合は、前記異常発生と判定された中継局装置に出力を停止させ、前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したと判定され、かつ、前記中継局装置に異常が発生していないと判定された場合は、前記中継局装置の出力を制御する制御部とを有する管理装置と
を具備することを特徴とする地上デジタル放送システム。
【請求項6】
前記第1及び第2の品質測定装置は、前記品質の測定を定期的に行ってその測定結果をそれぞれ前記第1及び第2の測定情報として前記管理装置に通知し、
前記管理装置の判定部は、前記第1の品質測定装置からの第1の測定情報が許容範囲を超えるとき前記受信不良が発生したと判定し、前記第2の品質測定装置からの第2の測定情報が許容範囲を超えるとき前記中継局装置に異常が発生したと判定することを特徴とする請求項5に記載の地上デジタル放送システム。
【請求項7】
前記第1の品質測定装置は、前記品質の測定結果に異常があるか判定してその判定結果を前記第1の測定情報として前記管理装置に通知し、
前記第2の品質測定装置は、前記品質の測定結果に異常があるか判定してその判定結果を前記第2の測定情報として前記管理装置に通知し、
前記管理装置の判定部は、前記品質測定装置からの測定情報として異常の判定結果が通知されるとき前記受信不良が発生したと判定し、前記第2の品質測定装置からの第2の測定情報として異常の判定結果が通知されるとき前記中継局装置に異常が発生したと判定することを特徴とする請求項5に記載の地上デジタル放送システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記中継局装置の出力の停止、出力レベルの抑制、出力の方向を制限する、出力位相の調整のいずれか1つ、又は、いずれかを組み合わせた制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の地上デジタル放送システム。
【請求項9】
地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して測定情報を取得する品質測定装置とを具備する地上デジタル放送システムに用いられる管理装置であって、
前記品質測定装置で得られる測定情報に基づいて前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したか否かを判定する判定部と、
前記判定部により受信不良が発生したと判定された場合、前記受信端末装置に放送波を送信している中継局装置を特定してその出力を制御する制御部と
を具備することを特徴とする管理装置。
【請求項10】
地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して第1の測定情報を取得する第1の品質測定装置と、前記中継局装置が放送する地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して第2の測定情報を取得する第2の品質測定装置とを具備する地上デジタル放送システムに用いられる管理装置であって、
前記第1及び第2の品質測定装置で得られる第1及び第2の測定情報を収集する測定情報収集部と、
前記測定情報収集部で収集された第1の測定情報に基づいて前記受信端末装置に受信不良が発生したか否かを判定し、前記受信端末装置に受信不良が発生したと判定された場合に前記第2の測定情報に基づいて前記中継局装置に異常が発生したか否かを判定する判定部と、
前記判定部において、前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したと判定され、かつ、前記中継局装置に異常が発生したと判定された場合は、前記異常発生と判定された中継局装置に出力を停止させ、前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したと判定され、かつ、前記中継局装置に異常が発生していないと判定された場合は、前記中継局装置の出力を制御する制御部と
を具備することを特徴とする管理装置。
【請求項11】
地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して測定情報を取得する品質測定装置とを具備する地上デジタル放送システムに用いられる地上デジタル放送システムの運用管理方法において、
前記測定情報を収集し、
前記収集された測定情報に基づいて前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したか否かを判定し、
前記判定の結果、受信不良が発生したと判定された場合、前記受信端末装置に放送波を送信している中継局装置を特定してその出力を制御することを特徴とする地上デジタル放送システムの運用管理方法。
【請求項12】
前記品質測定装置は、前記品質の測定を定期的に行ってその測定結果を前記測定情報として通知し、
前記受信不良が発生したか否かの判定は、前記品質測定装置からの測定情報が許容範囲を超えるとき前記受信不良が発生したと判定することを特徴とする請求項11に記載の地上デジタル放送システムの運用管理方法。
【請求項13】
前記品質測定装置が、前記品質の測定結果に異常があるか判定してその判定結果を前記測定情報として通知してきた場合、前記受信不良が発生したと判定することを特徴とする請求項11に記載の地上デジタル放送システムの運用管理方法。
【請求項14】
前記中継局装置の出力の制御は、前記中継局装置の出力の停止、出力レベルの抑制、出力の方向の制限、出力位相の調整のいずれか1つ、又は、いずれかを組み合わせた制御を行うことを特徴とする請求項11に記載の地上デジタル放送システムの運用管理方法。
【請求項15】
地上デジタル放送の放送波を送信する親局装置と、前記親局装置から送信される放送波と同じ放送波をSFN(Single Frequency Network:単一周波数網)の関係で送信する中継局装置と、前記親局装置及び前記中継局装置が送信する放送波を受信することが可能なSFNエリアに位置し、当該放送波を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置で受信される前記地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して第1の測定情報を取得する第1の品質測定装置と、前記中継局装置が放送する地上デジタル放送のフィールド信号の品質を測定して第2の測定情報を取得する第2の品質測定装置とを具備する地上デジタル放送システムに用いられる地上デジタル放送システムの運用管理方法において、
前記第1及び第2の測定情報を収集し、
前記収集された第1の測定情報に基づいて前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したか否かを判定し、
前記受信不良が発生したと判定された場合に前記第2の測定情報に基づいて前記中継局装置に異常が発生したか否かを判定し、
前記判定の結果、前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したと判定され、かつ、前記中継局装置に異常が発生したと判定された場合は、前記異常発生と判定された中継局装置に出力を停止させ、前記受信端末装置で受信した放送波に受信不良が発生したと判定され、かつ、前記中継局装置に異常が発生していないと判定された場合は、前記中継局装置の出力を制御することを特徴とする地上デジタル放送システムの運用管理方法。
【請求項16】
前記第1及び第2の品質測定装置は、前記品質の測定を定期的に行ってその測定結果をそれぞれ前記第1及び第2の測定情報として前記管理装置に通知し、
前記受信不良が発生したか否かの判定は、前記第1の品質測定装置からの第1の測定情報が許容範囲を超えるとき前記受信不良が発生したと判定し、
前記中継局装置の異常が発生したか否かの判定は、前記第2の品質測定装置からの第2の測定情報が許容範囲を超えるとき前記中継局装置に異常が発生したと判定することを特徴とする請求項15に記載の地上デジタル放送システムの運用管理方法。
【請求項17】
前記第1の品質測定装置が、当該第1の品質測定装置で測定される測定結果に異常があるか判定してその判定結果を前記第1の測定情報として通知してきた場合、前記受信不良が発生したと判定し、
前記第2の品質測定装置が、当該第2の品質測定装置で測定される測定結果に異常があるか判定してその判定結果を前記第2の測定情報として通知してきた場合、前記中継局装置に異常が発生したと判定することを特徴とする請求項15に記載の地上デジタル放送システムの運用管理方法。
【請求項18】
前記中継局装置の出力の制御は、前記中継局装置の出力の停止、出力レベルの抑制、出力の方向を制限、出力位相の調整のいずれか1つ、又は、いずれかを組み合わせた制御を行うことを特徴とする請求項15に記載の地上デジタル放送システムの運用管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−311864(P2008−311864A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156582(P2007−156582)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】