地図表示装置及び経路表示方法
【目的】経路の広い範囲を表示可能とする「地図表示装置及び経路表示方法」を提供することである。
【構成】操作部3で経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12は、経路データを用いて出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。次に、表示対象領域決定部12は、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、上が北向きの方形領域を主要表示対象領域Jとして決定し、外接円の中心座標を表示中心地点Cとして決定する。地図表示制御部7は、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域Jを含み、上が北向きの地図に経路を重ねた画像を描画し、表示部5に表示させる。この際、地図表示制御部7は表示地図の中心を表示中心地点に一致させる。
【構成】操作部3で経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12は、経路データを用いて出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。次に、表示対象領域決定部12は、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、上が北向きの方形領域を主要表示対象領域Jとして決定し、外接円の中心座標を表示中心地点Cとして決定する。地図表示制御部7は、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域Jを含み、上が北向きの地図に経路を重ねた画像を描画し、表示部5に表示させる。この際、地図表示制御部7は表示地図の中心を表示中心地点に一致させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地図表示装置及び経路表示方法に係り、特に2地点を結ぶ経路を地図に重ねて表示する地図表示装置及び経路表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用ナビゲーション装置、携帯用ナビゲーション装置等の地図表示装置は経路探索機能を有しており、目的地を指定すると、現在地を始点、目的地を終点として始点から終点までを結ぶ最適な経路が探索される。全体経路の表示を指示すると、始点から終点までの経路が例えば北を上向きにした地図上に表示されるので、ユーザは凡その経路を走行開始前などに確認することができる。
車載用ナビゲーション装置における従来の全体経路表示機能の一例を図18を参照して説明する。図18は経路全体の説明図であり、出発地Sから目的地Oまでを結ぶ最適な経路PRが北を上向きにした地図上に表わされている。車載用ナビゲーション装置は全体経路の表示が指示されると、出発地Sと目的地Oを対角頂点とし、緯度線と経度線で囲まれた方形領域を経路表示対象領域Jとして決定し、経路表示対象領域Jを含む北を上向きにした地図に経路と自車位置マーク、目的地マークを重ねて描画し、画面に表示させる。この際、出発地Sと目的地Oの中点位置座標Cが画面に表示される地図の中心(図19の符号G参照)と一致するようにする。画面に表示される経路は図19の符号PMの如くなる。
【0003】
ところで、上記した全体経路表示機能では、海、山、湖などの存在により出発地Sと目的地Oを結ぶ経路が大きく迂回している場合に、出発地Sの近くと目的地Oの近くの一部の経路しか表示されない場合があった。例えば、出発地Sから目的地Oまでを結ぶ最適な経路が図20のPR′の如き場合、画面に表示される経路は図21の符号PM′の如くなり、破線の区間が見えない。
そこで、経路全体を地図上に表示する従来技術が提案されている(特許文献1)。この従来技術では、経路全体が含まれる地図領域を求め、該求めた地図領域を描画領域として地図を表示し、該地図上の道路に経路を重ね合わせて表示する。
【0004】
【特許文献1】特許第2905491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術では、経路全体が含まれる地図領域を求めるのが難しい問題がある。特に、海、山、湖などの存在により2地点(例えば出発地と目的地)を結ぶ経路が大きく迂回している場合などまでを考慮して経路全体が含まれる地図領域を求めるのが難しい。また、上記従来技術では、経路全体を表示するための計算時間が長くなり速やかに全体経路を表示できない問題がある。
したがって、本発明の目的は、簡単に2地点を結ぶ経路の全体を表示可能な地図表示装置および経路表示方法を提供することである。
本発明の別の目的は、海、山、湖などの存在により2地点(例えば出発地と目的地)を結ぶ経路が大きく迂回している場合などでも、全体の経路あるいはほぼ全体の経路を表示できる地図表示装置および経路表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
・地図表示装置
本発明の第1の態様の地図表示装置は、第1地点と第2地点を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画し表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置である。この地図表示装置は、更に、前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を備え、地図表示制御手段は、該主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示する。
【0007】
本発明の第2の態様の地図表示装置は、第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置である。この地図表示装置は、更に、前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を備え、地図表示制御手段は、前記主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示する。
【0008】
本発明の第3の態様の地図表示装置は、第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置である。この地図表示装置は、更に、前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域、または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定し、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定する表示対象領域決定手段を備え、地図表示制御手段は、前記主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示する。
【0009】
前記の各地図表示装置において、中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点とする。あるいは、前記の各地図表示装置において、中間表示地点は、経路上の第1地点と第2地点の間に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点とし、該候補地点は第1地点と第2地点の間の経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点とする。
前記の各地図表示装置において、地図表示制御手段は、表示地図の中心を主要表示対象領域の中心に一致させるか、或いは、表示地図の中心を第1地点、第2地点、中間表示地点を結ぶ三角形の外心に一致させるようにする。
【0010】
・経路表示方法
本発明の第1態様の経路表示方法は、第1地点から第2地点までを結ぶ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法であり、前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定めるステップ、第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定するステップ、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示するステップを有している。
【0011】
本発明の第2態様の経路表示方法は、第1地点から第2地点までを1または複数の経由地を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法であり、前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定めるステップ、第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定するステップ、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示するステップを有している。
【0012】
本発明の第3態様の経路表示方法は、第1地点から第2地点までを1または複数の経由地点を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法であり、前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定めるステップ、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定するステップ、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定するステップ、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示するステップを有している。
前記の各経路表示方法において、中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点とする。
また、前記の各経路表示方法において、中間表示地点は、経路上に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点とし、候補地点は第1地点と第2地点の間の経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点とする。
前記の各経路表示方法において、地図表示制御手段は、表示地図の中心を主要表示対象領域の中心に一致させるか、或いは、表示地図の中心を第1地点、第2地点、中間表示地点を結ぶ三角形の外心に一致させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1地点と第2地点の2点間を結ぶ経路が極端に迂回していなければほとんどの場合全体の経路を地図上に表示することができる。
また、本発明によれば、第1地点と第2地点のほか、第1地点と第2地点の間を結ぶ経路上で第1地点と第2地点から離れた中間表示地点も含めて表示されるので、海、山岳、湖等の存在で第1地点と第2地点の2点間を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。
また本発明によれば、第1地点と第2地点の間に1または複数の経由地点が存在する場合に、第1地点と第2地点のほか、各経由地点も含めて表示されるので、各経由地点の周辺も含めた経路の広い範囲を把握できる。
また本発明によれば、簡単に2地点を結ぶ経路全体の表示が可能であり、しかも、全体経路の表示処理に要する時間を短縮でき、速やかに全体経路を表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
目的地・経由地設定部で目的地が設定されると、経路探索部は地図データを用いて自車位置を出発地とし、出発地から目的地までを最短で結ぶ最適な経路を探索し、経路データを経路記憶部に記憶させる。経路データはノード列で構成される。この後、操作部で経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部は、出発地と目的地の間の経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。具体的には、経路に沿った距離で計って出発地と目的地の間の経路を(n+1)等分するn個の候補地点を定め、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和が最大となる候補地点を中間表示地点とする。次に、表示対象領域決定部は、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、上が北向きの方形領域を主要表示対象領域として決定し、外接円の中心座標を表示中心地点として決定する。地図表示制御部は、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域を含み、上が北向きの地図に経路を重ねた画像を描画して、表示部に表示させる。この際、地図表示制御部は表示地図の中心を表示中心地点に一致させる。画面には、出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点を含み、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心を中心とする広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地と目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。
【実施例1】
【0015】
次に、図1を参照して本発明の第1実施例を説明する。図1は本発明に係る経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は衛星航法と自律航法を組み合わせて車両の現在位置と現在方位を周期的に検出する現在地検出部、2は地図の描画と経路探索に用いる地図データを記憶した地図データ記憶部、3は経路探索、経路全体表示等の指示操作を行なう操作部、4は目的地・経由地の設定を行なう目的地・経由地設定部、5は地図表示を行なう表示部であり、横長の長方形の画面5Aを有している。6はナビゲーション装置本体であり、自車位置周辺の地図を描画して表示部に表示させたり、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路、或いは、出発地から1または複数の経由地を順に経て目的地までを最短距離で結ぶ最適な経路の探索をしたり、経路を重ねた地図を描画して表示部5に表示させたりする。地図表示装置本体6の内、7は地図の表示制御を行なう地図表示制御部であり、地図画像を記憶する画像記憶部8と地図の描画を行なう地図描画部9を有する。地図描画部9は地図データを用いて現在地周辺の地図を画像記憶部8に描画したり、経路探索された経路を重ねた地図を画像記憶部8に描画したりする。画像記憶部8に描画された画像は映像信号に変換されて表示部5に出力されて画面に表示される。10は経路データを記憶する経路記憶部、11は経路探索部であり、操作部3で経路探索が指示されたあと、目的地・経由地設定部4により目的地だけ設定されたときは、現在地を出発地とし、地図データを用いて出発地から目的地までを最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図2(1)参照)。これと異なり、目的地・経由地設定部4により1または複数の経由地と目的地が設定されたときは、現在地を出発地とし、地図データを用いて出発地から各経由地を順に経て目的地までを最短距離で結ぶ最適な経路を探索する(図2(2)参照)。
【0016】
12は表示対象領域決定部であり、操作部3で経路全体表示が指示されると主要表示対象領域を決定する(この実施例では第1地点=出発地、第2地点=目的地とする)。まず、経路記憶部10を参照して第1地点としての出発地と第2地点としての目的地の間の経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。具体的には、図3に示す如く経路に沿った距離で計って出発地Sと目的地Oの間の経路を多数の区間に等距離分割する複数の候補地点B1、B2、・・Bnを定め、S−Bi間の直線距離LSiとO−Bi間の直線距離LOiの和Li(但し、i=1、2、・・n)を計算し、この内、最大のLmを判別し、Bmを中間表示地点Qとする。これにより、出発地と目的地の間の経路上の全てのノードにつき、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和を計算し大小比較しなくても、簡単に出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を求めることができる。
次に、出発地と目的地の間の経路上に経由地がない場合(図4参照)、上が北向きで出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形に外接する最小の方形領域(経度線と緯度線で囲まれた領域J)を主要表示対象領域として決定し、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心Cの座標を表示中心地点として決定する。
若し、出発地と目的地の間の経路上に1または複数の経由地点が存在する場合(図6参照)、出発地、出発地と目的地の間の各経由地点T1,T2、中間表示地点Q、目的地を結ぶ多角形に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域Jを主要表示対象領域として決定する。また、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとして決定する。
【0017】
主要表示対象領域、表示中心地点が決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域を含み、縦方向の上が北向きの地図に経路を重ねた画像を画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる。この際、地図描画部9は画面の中心(図5、図7の符号G参照)が表示中心地点Cに一致するように地図を描画する。
【0018】
図8はナビゲーション装置本体により実行される経路探索処理の流れ図、図9は経路全体表示処理を示す流れ図、図4と図6は主要表示対象領域の決定方法の説明図、図5と図7は経路表示画面の説明図であり、以下、これらの図を参照して上記した実施例の動作を説明する。なお、この実施例では、第1地点=出発地、第2地点=目的地、n=9として説明する。
(A)経由地無しの場合
(i)経路探索(図8、図4参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により目的地Oだけ設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから目的地Oまでを最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS10でYES、S11、S12、図2(1)、図4の符号PR参照)。
【0019】
(ii)経路全体表示(図9、図4、図5参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12は、経路記憶部10に記憶された経路データを参照して、第1地点としての出発地Sと第2地点としての目的地Oの間の経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点Qを定める(図9のステップS20、図4の符号Q参照)。具体的には、例えば、図3に示す如く経路に沿った距離で計って出発地と目的地の間の経路を10等分する9個の候補地点B1、B2、・・B9を定め、S−Bi間の直線距離LSiとO−Bi間の直線距離LOiの和Li(但し、i=1、2、・・9)を計算し、この内、最大のLmを判別し、Bmを中間表示地点Qとする。次に、今回は出発地と目的地の間の経路の途中に経由地点が含まれないので、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形に外接し、縦方向の上が北向きの最小の方形領域を主要表示対象領域Jとして決定し、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外心座標を表示中心地点Cとして決定する(ステップS21でNO、S22、S23、図4参照)。なお、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとしても良い。
【0020】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図5に示す如く、主要表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、目的地マークOMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS24)。この際、地図描画部9は画面5Aの中心Gを表示中心地点Cに一致させる。以上により、画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Qを含む広範囲の経路が表示される。
【0021】
(B)経由地有りの場合
(i)経路探索(図8、図6参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により例えば2つの経由地点、第1経由地点T1、第2経由地点T2と目的地Oが設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから各経由地点T1、T2を経て目的地Oまでを順に最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS10でNO、S13でYES、S14、S12、図2(2)、図6の符号PR参照)。
【0022】
(ii)経路全体表示(図9、図6、図7参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12は、前述と同様にして経路データを参照して第1地点としての出発地からの直線距離と第2地点としての目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点Qを定める(図9のステップS20、図6参照)。次に、今回は出発地Sと目的地Oの間の経路途中に2つの経由地点T1、T2が含まれるので、出発地S、第1経由地点T1、第2経由地点T2、中間表示地点Q、目的地Oを結ぶ多角形(図6の符号Z参照)に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を主要表示対象領域Jとして決定する(ステップS21でYES、S25)。また、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとして決定する(ステップS26、図6参照)。なお、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外心座標を表示中心地点Cとしても良い。
【0023】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図7に示す如く、主要経路表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、経由地点マークTM、目的地マークOMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS24)。この際、地図描画部9は画面5Aの中心Gを表示中心地点Cに一致させる。以上により、画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Q、各経由地点T1、T2を含む広範囲の経路が表示される。
【0024】
この実施例によれば、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が経由地点を含まない場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12によりまず、第1地点としての出発地と第2地点としての目的地の間の経路上で、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点が定められる。続いて、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域が主要表示対象領域として決定される。そして、地図表示制御部7により、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域を含み、縦方向の上が北向きの地図に経路と自車位置マーク、目的地マークを重ねた画像が表示部5に表示される。この際、画面5Aの中心Gは出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心座標とされる。画面5Aには出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点を含む広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地と目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、出発地と目的地の間の経路の広い範囲を把握できる。
【0025】
また、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が途中に1または複数の経由地点を含む場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12によりまず、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点が定められる。続いて、出発地、出発地と目的地の間の各経由地点、中間表示地点、目的地を結ぶ多角形に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域が主要表示対象領域として決定される。よって、画面には出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点、出発地と目的地の間の各経由地点を含む広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地、各経由地点、目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。とくに、各経由地点の周辺の経路も確認できるので利便性が高い。
【0026】
また、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示点を定めるために、経路に沿った距離で計って出発地と目的地の間の経路を(n+1)等分するn個の候補地点を定め、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和が最大となる候補地点を中間表示地点とする。これにより、経路上の全てノードにつき、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和を計算し、大小比較しなくても、簡単に出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を求めることができる。
【実施例2】
【0027】
次に、図10を参照して本発明の第2実施例を説明する。図10は本発明に係る経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図10において、ナビゲーション装置本体6Aの表示対象領域決定部12Aは、操作部3で経路全体表示が指示されると経路表示対象領域を決定する(この実施例でも第1地点=出発地、第2地点=目的地とする)。まず、経路記憶部10を参照して第1地点としての出発地と第2地点としての目的地を結ぶ経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。この中間表示地点の決定方法は第1実施例と同様である(図3参照)。
次に、出発地と目的地を結ぶ経路上に経由地点がない場合(図11参照)、出発地、目的地、中間表示点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域(経度線と緯度線に囲まれた領域)を主要表示対象領域Jとして決定し、外接円の中心座標(=主要表示対象領域の中心座標)を表示中心地点Cとして決定する。若し、図13に示すように出発地と目的地を結ぶ経路上に1または複数の経由地点T1,T2が存在する場合、出発地、目的地、中間表示点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を基準領域J0とする。そして、第1地点と第2地点の間の各経由地点T1,T2が全て基準領域J0内にあるときは該基準領域を主要表示領域Jとして決定する。一方、図15に示すように、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域J0の外側の経由地点T1′,T2′があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域J1を主要表示領域Jとして決定する。また、主要表示対象領域の中心座標を表示中心地点Cとして決定する。
車載用ナビゲーション装置の他の構成部分は図1と全く同一である。
【0028】
図17はナビゲーション装置本体6Aにより実行される経路表示処理を示す流れ図、図11、図13、図15は主要表示対象領域の決定方法の説明図、図12、図14、図16は経路表示画面の説明図であり、以下、これらの図を参照して第2実施例の動作を説明する。なお、この実施例では、第1地点=出発地、第2地点=目的地として説明する。
(A)経由地無しの場合
(i)経路探索(図8、図11参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により目的地だけ設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから目的地Oまでを最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS10でYES、S11、S12、図2(1)、図11の符号PR参照)。
【0029】
(ii)経路全体表示(図17、図11、図12参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12Aは、経路データを参照して第1地点としての出発地Sと第2地点としての目的地Oを結ぶ経路上で、出発地Sからの直線距離と目的地Oからの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示点Qを第1実施例と同様にして定める(図17のステップS30、図11参照)。次に、今回は出発地Sと目的地Oを結ぶ経路途中に経由地点が含まれないので、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を主要表示対象領域Jとして決定し、外接円の中心座標(=Jの中心座標)を表示中心地点Cとして決定する(ステップS31でNO、S32、S33、図11参照)。第2実施例の主要表示対象領域Jは、縦方向の上が北向きで出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形に外接する最小の方形領域(図4の第1実施例の主要表示対象領域J)よりも広い範囲である。
【0030】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図12に示す如く主要表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、目的地マークOMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS34)。この際、地図描画部9は画面5Aの地図の中心Gを表示中心地点Cに一致させる。画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Qを含み、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外心を中心とする広範囲の経路が表示される(符号PM参照)。
【0031】
(B)経由地有りの場合
(i)経路探索(図4、図13参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により例えば2つの経由地、第1経由地T1、第2経由地T2と目的地Oが設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから各経由地T1、T2を経て目的地Oまでを順に最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS13でYES、S14、S12、図2(2)、図13の符号PR参照)。
【0032】
(ii)経路全体表示(図17、図13〜図16参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12Aは、前述と同様にして経路データを参照して出発地Sからの直線距離と目的地Oからの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点Qを定める(図17のステップS30)。次に、今回は経路途中に2つの経由地点T1、T2が含まれるので、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を基準領域J0とする(ステップS31でYES、S35。図13参照)。続いて、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が基準領域J0の中に入っているか判別する(ステップS36)。図13に示すように、全ての経由地点が入っているときは基準領域J0を主要表示領域Jとして決定する(ステップS36でYES、S37)。若し、図15に示すように基準領域J0に入っていない経由地点があるときは、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が中に入るまで基準領域J0の境界を外側に拡張し、拡張した基準領域J1を主要表示領域Jとして決定する(ステップS36でNO、S38、S39)。また、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとして決定する(ステップS33)。ここでは、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が基準領域J0の中に入っており(図13の参照)、J=J0とされたものとする。
【0033】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図14に示す如く、主要表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、目的地マークOM、経由地点マークTMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS34)。この際、地図描画部9は画面5Aの中心Gを表示中心地点Cに一致させる。画面5Aには出発地Sと目的地Oのほか、出発地Sと目的地Oから遠く離れた中間表示地点Q、各経由地点T1、T2を含み、主要表示対象領域Jを中心とする広範囲の経路が表示される。
【0034】
若し、探索経路が図15の如くなっており、出発地Sと目的地Oの間の経由地点の中に、基準領域J0の中に入っていない経由地点があった場合(符号T1′、T2′参照)、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が中に入るまで基準領域J0を拡張した基準領域J1が主要表示領域Jとされるので、図16に示す如く画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Q、各経由地点T1′、T2′を含む広範囲の経路が表示される。
【0035】
この実施例によれば、第1地点としての出発地と第2地点としての目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が経由地を含まない場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12Aによりまず、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点が定められる。続いて、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域が経路表示対象領域として決定される。そして、地図表示制御部7により、地図データと経路データを用いて、経路表示対象領域を含み、縦方向の上が北向きの地図に経路と自車位置マーク、目的地マークを重ねた画像が表示部5に表示される。この際、画面5Aの中心は出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心の位置座標に一致される。よって、画面5Aには出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点を含み、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心を中心とする広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地と目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路のかなり広い範囲を把握できる。
【0036】
また、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が1または複数の経由地点を含む場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12Aは出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を基準領域J0とする。出発地と目的地の間の全ての経由地点が基準領域J0の中に入っているときは、基準領域J0をそのまま主要表示対象領域とするが、基準領域J0の中に入っていない経由地点があるときは、出発地と目的地の間の全ての経由地点が入るまで基準領域J0の境界を外側へ拡張し、拡張後の基準領域J1が主要表示対象領域として決定される。よって、出発地、目的地、中間表示地点、各経由地点の位置関係によらず、画面には出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点、出発地と目的地の間の各経由地点を含む広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地、各経由地点、目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。とくに、各経由地点の周辺の経路も確認できるので利便性が高い。
【0037】
なお、上記した各実施例では、経路を含む地図は上を北向きに表示するようにしたが、上を車両の現在の進行方向に合わせるようにしても良い。また、第1地点を出発地、第2地点を目的地として、出発地と目的地を結ぶ経路全体を表示対象としたが、現在地と目的地を第1、第2の地点としても良く、また、出発地と目的地を結ぶ経路の任意の一部区間の始点を第1地点、終点を第2地点としても良く、更には、出発地と目的地を結ぶ経路の一部区間を表示対象としてもよい。例えば、出発地と目的地を結ぶ経路上の最初の経由地点を第1地点、最後の経由地点を第2地点としても良い。また、出発地と目的地を結ぶ経路の途中の渋滞箇所を迂回するルートを表示対象としたり、出発地と目的地を結ぶ経路のわき道ルートを表示対象としても良い。また、中間表示地点Qを定めるための候補地点数をn=9としたが、nを2以上8以下としたり、10以上としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、経路表示機能を有する車載用ナビゲーション装置、地図検索装置などの各種の地図表示装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る第1実施例の経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の経路記憶部の記憶内容の説明図である。
【図3】中間表示地点の決定方法の説明図である。
【図4】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がない場合)である。
【図5】経路表示画面の説明図(経由地点がない場合)である。
【図6】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がある場合)である。
【図7】経路表示画面の説明図(経由地点がある場合)である。
【図8】第1実施例のナビゲーション装置本体による経路探索処理を示す第1の流れ図である。
【図9】第1実施例のナビゲーション装置本体による経路探索処理を示す第2の流れ図である。
【図10】本発明に係る第2実施例の経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図11】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がない場合)である。
【図12】経路表示画面の説明図(経由地点がない場合)である。
【図13】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がある場合)である。
【図14】経路表示画面の説明図(経由地点がある場合)である。
【図15】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点が基準領域の外にある場合)である。
【図16】経路表示画面の説明図(経由地点が基準領域の外にある場合)である。
【図17】第2実施例のナビゲーション装置本体による経路表示処理を示す流れ図である。
【図18】従来の表示対象領域の決定方法の説明図である。
【図19】従来の経路表示画面の説明図である。
【図20】従来の表示対象領域の決定方法の問題点の説明図である。
【図21】従来の経路表示画面の問題点の説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 現在地検出部
2 地図データ記憶部
3 操作部
4 目的地・経由地設定部
5 表示部
6、6A ナビゲーション装置本体
7 地図表示制御部
10 経路記憶部
12 表示対象領域決定部
【技術分野】
【0001】
本発明は地図表示装置及び経路表示方法に係り、特に2地点を結ぶ経路を地図に重ねて表示する地図表示装置及び経路表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用ナビゲーション装置、携帯用ナビゲーション装置等の地図表示装置は経路探索機能を有しており、目的地を指定すると、現在地を始点、目的地を終点として始点から終点までを結ぶ最適な経路が探索される。全体経路の表示を指示すると、始点から終点までの経路が例えば北を上向きにした地図上に表示されるので、ユーザは凡その経路を走行開始前などに確認することができる。
車載用ナビゲーション装置における従来の全体経路表示機能の一例を図18を参照して説明する。図18は経路全体の説明図であり、出発地Sから目的地Oまでを結ぶ最適な経路PRが北を上向きにした地図上に表わされている。車載用ナビゲーション装置は全体経路の表示が指示されると、出発地Sと目的地Oを対角頂点とし、緯度線と経度線で囲まれた方形領域を経路表示対象領域Jとして決定し、経路表示対象領域Jを含む北を上向きにした地図に経路と自車位置マーク、目的地マークを重ねて描画し、画面に表示させる。この際、出発地Sと目的地Oの中点位置座標Cが画面に表示される地図の中心(図19の符号G参照)と一致するようにする。画面に表示される経路は図19の符号PMの如くなる。
【0003】
ところで、上記した全体経路表示機能では、海、山、湖などの存在により出発地Sと目的地Oを結ぶ経路が大きく迂回している場合に、出発地Sの近くと目的地Oの近くの一部の経路しか表示されない場合があった。例えば、出発地Sから目的地Oまでを結ぶ最適な経路が図20のPR′の如き場合、画面に表示される経路は図21の符号PM′の如くなり、破線の区間が見えない。
そこで、経路全体を地図上に表示する従来技術が提案されている(特許文献1)。この従来技術では、経路全体が含まれる地図領域を求め、該求めた地図領域を描画領域として地図を表示し、該地図上の道路に経路を重ね合わせて表示する。
【0004】
【特許文献1】特許第2905491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術では、経路全体が含まれる地図領域を求めるのが難しい問題がある。特に、海、山、湖などの存在により2地点(例えば出発地と目的地)を結ぶ経路が大きく迂回している場合などまでを考慮して経路全体が含まれる地図領域を求めるのが難しい。また、上記従来技術では、経路全体を表示するための計算時間が長くなり速やかに全体経路を表示できない問題がある。
したがって、本発明の目的は、簡単に2地点を結ぶ経路の全体を表示可能な地図表示装置および経路表示方法を提供することである。
本発明の別の目的は、海、山、湖などの存在により2地点(例えば出発地と目的地)を結ぶ経路が大きく迂回している場合などでも、全体の経路あるいはほぼ全体の経路を表示できる地図表示装置および経路表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
・地図表示装置
本発明の第1の態様の地図表示装置は、第1地点と第2地点を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画し表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置である。この地図表示装置は、更に、前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を備え、地図表示制御手段は、該主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示する。
【0007】
本発明の第2の態様の地図表示装置は、第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置である。この地図表示装置は、更に、前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を備え、地図表示制御手段は、前記主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示する。
【0008】
本発明の第3の態様の地図表示装置は、第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置である。この地図表示装置は、更に、前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域、または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定し、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定する表示対象領域決定手段を備え、地図表示制御手段は、前記主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示する。
【0009】
前記の各地図表示装置において、中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点とする。あるいは、前記の各地図表示装置において、中間表示地点は、経路上の第1地点と第2地点の間に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点とし、該候補地点は第1地点と第2地点の間の経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点とする。
前記の各地図表示装置において、地図表示制御手段は、表示地図の中心を主要表示対象領域の中心に一致させるか、或いは、表示地図の中心を第1地点、第2地点、中間表示地点を結ぶ三角形の外心に一致させるようにする。
【0010】
・経路表示方法
本発明の第1態様の経路表示方法は、第1地点から第2地点までを結ぶ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法であり、前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定めるステップ、第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定するステップ、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示するステップを有している。
【0011】
本発明の第2態様の経路表示方法は、第1地点から第2地点までを1または複数の経由地を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法であり、前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定めるステップ、第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定するステップ、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示するステップを有している。
【0012】
本発明の第3態様の経路表示方法は、第1地点から第2地点までを1または複数の経由地点を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法であり、前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定めるステップ、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定するステップ、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定するステップ、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示するステップを有している。
前記の各経路表示方法において、中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点とする。
また、前記の各経路表示方法において、中間表示地点は、経路上に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点とし、候補地点は第1地点と第2地点の間の経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点とする。
前記の各経路表示方法において、地図表示制御手段は、表示地図の中心を主要表示対象領域の中心に一致させるか、或いは、表示地図の中心を第1地点、第2地点、中間表示地点を結ぶ三角形の外心に一致させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1地点と第2地点の2点間を結ぶ経路が極端に迂回していなければほとんどの場合全体の経路を地図上に表示することができる。
また、本発明によれば、第1地点と第2地点のほか、第1地点と第2地点の間を結ぶ経路上で第1地点と第2地点から離れた中間表示地点も含めて表示されるので、海、山岳、湖等の存在で第1地点と第2地点の2点間を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。
また本発明によれば、第1地点と第2地点の間に1または複数の経由地点が存在する場合に、第1地点と第2地点のほか、各経由地点も含めて表示されるので、各経由地点の周辺も含めた経路の広い範囲を把握できる。
また本発明によれば、簡単に2地点を結ぶ経路全体の表示が可能であり、しかも、全体経路の表示処理に要する時間を短縮でき、速やかに全体経路を表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
目的地・経由地設定部で目的地が設定されると、経路探索部は地図データを用いて自車位置を出発地とし、出発地から目的地までを最短で結ぶ最適な経路を探索し、経路データを経路記憶部に記憶させる。経路データはノード列で構成される。この後、操作部で経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部は、出発地と目的地の間の経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。具体的には、経路に沿った距離で計って出発地と目的地の間の経路を(n+1)等分するn個の候補地点を定め、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和が最大となる候補地点を中間表示地点とする。次に、表示対象領域決定部は、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、上が北向きの方形領域を主要表示対象領域として決定し、外接円の中心座標を表示中心地点として決定する。地図表示制御部は、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域を含み、上が北向きの地図に経路を重ねた画像を描画して、表示部に表示させる。この際、地図表示制御部は表示地図の中心を表示中心地点に一致させる。画面には、出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点を含み、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心を中心とする広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地と目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。
【実施例1】
【0015】
次に、図1を参照して本発明の第1実施例を説明する。図1は本発明に係る経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は衛星航法と自律航法を組み合わせて車両の現在位置と現在方位を周期的に検出する現在地検出部、2は地図の描画と経路探索に用いる地図データを記憶した地図データ記憶部、3は経路探索、経路全体表示等の指示操作を行なう操作部、4は目的地・経由地の設定を行なう目的地・経由地設定部、5は地図表示を行なう表示部であり、横長の長方形の画面5Aを有している。6はナビゲーション装置本体であり、自車位置周辺の地図を描画して表示部に表示させたり、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路、或いは、出発地から1または複数の経由地を順に経て目的地までを最短距離で結ぶ最適な経路の探索をしたり、経路を重ねた地図を描画して表示部5に表示させたりする。地図表示装置本体6の内、7は地図の表示制御を行なう地図表示制御部であり、地図画像を記憶する画像記憶部8と地図の描画を行なう地図描画部9を有する。地図描画部9は地図データを用いて現在地周辺の地図を画像記憶部8に描画したり、経路探索された経路を重ねた地図を画像記憶部8に描画したりする。画像記憶部8に描画された画像は映像信号に変換されて表示部5に出力されて画面に表示される。10は経路データを記憶する経路記憶部、11は経路探索部であり、操作部3で経路探索が指示されたあと、目的地・経由地設定部4により目的地だけ設定されたときは、現在地を出発地とし、地図データを用いて出発地から目的地までを最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図2(1)参照)。これと異なり、目的地・経由地設定部4により1または複数の経由地と目的地が設定されたときは、現在地を出発地とし、地図データを用いて出発地から各経由地を順に経て目的地までを最短距離で結ぶ最適な経路を探索する(図2(2)参照)。
【0016】
12は表示対象領域決定部であり、操作部3で経路全体表示が指示されると主要表示対象領域を決定する(この実施例では第1地点=出発地、第2地点=目的地とする)。まず、経路記憶部10を参照して第1地点としての出発地と第2地点としての目的地の間の経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。具体的には、図3に示す如く経路に沿った距離で計って出発地Sと目的地Oの間の経路を多数の区間に等距離分割する複数の候補地点B1、B2、・・Bnを定め、S−Bi間の直線距離LSiとO−Bi間の直線距離LOiの和Li(但し、i=1、2、・・n)を計算し、この内、最大のLmを判別し、Bmを中間表示地点Qとする。これにより、出発地と目的地の間の経路上の全てのノードにつき、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和を計算し大小比較しなくても、簡単に出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を求めることができる。
次に、出発地と目的地の間の経路上に経由地がない場合(図4参照)、上が北向きで出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形に外接する最小の方形領域(経度線と緯度線で囲まれた領域J)を主要表示対象領域として決定し、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心Cの座標を表示中心地点として決定する。
若し、出発地と目的地の間の経路上に1または複数の経由地点が存在する場合(図6参照)、出発地、出発地と目的地の間の各経由地点T1,T2、中間表示地点Q、目的地を結ぶ多角形に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域Jを主要表示対象領域として決定する。また、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとして決定する。
【0017】
主要表示対象領域、表示中心地点が決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域を含み、縦方向の上が北向きの地図に経路を重ねた画像を画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる。この際、地図描画部9は画面の中心(図5、図7の符号G参照)が表示中心地点Cに一致するように地図を描画する。
【0018】
図8はナビゲーション装置本体により実行される経路探索処理の流れ図、図9は経路全体表示処理を示す流れ図、図4と図6は主要表示対象領域の決定方法の説明図、図5と図7は経路表示画面の説明図であり、以下、これらの図を参照して上記した実施例の動作を説明する。なお、この実施例では、第1地点=出発地、第2地点=目的地、n=9として説明する。
(A)経由地無しの場合
(i)経路探索(図8、図4参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により目的地Oだけ設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから目的地Oまでを最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS10でYES、S11、S12、図2(1)、図4の符号PR参照)。
【0019】
(ii)経路全体表示(図9、図4、図5参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12は、経路記憶部10に記憶された経路データを参照して、第1地点としての出発地Sと第2地点としての目的地Oの間の経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点Qを定める(図9のステップS20、図4の符号Q参照)。具体的には、例えば、図3に示す如く経路に沿った距離で計って出発地と目的地の間の経路を10等分する9個の候補地点B1、B2、・・B9を定め、S−Bi間の直線距離LSiとO−Bi間の直線距離LOiの和Li(但し、i=1、2、・・9)を計算し、この内、最大のLmを判別し、Bmを中間表示地点Qとする。次に、今回は出発地と目的地の間の経路の途中に経由地点が含まれないので、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形に外接し、縦方向の上が北向きの最小の方形領域を主要表示対象領域Jとして決定し、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外心座標を表示中心地点Cとして決定する(ステップS21でNO、S22、S23、図4参照)。なお、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとしても良い。
【0020】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図5に示す如く、主要表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、目的地マークOMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS24)。この際、地図描画部9は画面5Aの中心Gを表示中心地点Cに一致させる。以上により、画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Qを含む広範囲の経路が表示される。
【0021】
(B)経由地有りの場合
(i)経路探索(図8、図6参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により例えば2つの経由地点、第1経由地点T1、第2経由地点T2と目的地Oが設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから各経由地点T1、T2を経て目的地Oまでを順に最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS10でNO、S13でYES、S14、S12、図2(2)、図6の符号PR参照)。
【0022】
(ii)経路全体表示(図9、図6、図7参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12は、前述と同様にして経路データを参照して第1地点としての出発地からの直線距離と第2地点としての目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点Qを定める(図9のステップS20、図6参照)。次に、今回は出発地Sと目的地Oの間の経路途中に2つの経由地点T1、T2が含まれるので、出発地S、第1経由地点T1、第2経由地点T2、中間表示地点Q、目的地Oを結ぶ多角形(図6の符号Z参照)に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を主要表示対象領域Jとして決定する(ステップS21でYES、S25)。また、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとして決定する(ステップS26、図6参照)。なお、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外心座標を表示中心地点Cとしても良い。
【0023】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図7に示す如く、主要経路表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、経由地点マークTM、目的地マークOMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS24)。この際、地図描画部9は画面5Aの中心Gを表示中心地点Cに一致させる。以上により、画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Q、各経由地点T1、T2を含む広範囲の経路が表示される。
【0024】
この実施例によれば、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が経由地点を含まない場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12によりまず、第1地点としての出発地と第2地点としての目的地の間の経路上で、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点が定められる。続いて、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域が主要表示対象領域として決定される。そして、地図表示制御部7により、地図データと経路データを用いて、主要表示対象領域を含み、縦方向の上が北向きの地図に経路と自車位置マーク、目的地マークを重ねた画像が表示部5に表示される。この際、画面5Aの中心Gは出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心座標とされる。画面5Aには出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点を含む広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地と目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、出発地と目的地の間の経路の広い範囲を把握できる。
【0025】
また、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が途中に1または複数の経由地点を含む場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12によりまず、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点が定められる。続いて、出発地、出発地と目的地の間の各経由地点、中間表示地点、目的地を結ぶ多角形に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域が主要表示対象領域として決定される。よって、画面には出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点、出発地と目的地の間の各経由地点を含む広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地、各経由地点、目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。とくに、各経由地点の周辺の経路も確認できるので利便性が高い。
【0026】
また、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示点を定めるために、経路に沿った距離で計って出発地と目的地の間の経路を(n+1)等分するn個の候補地点を定め、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和が最大となる候補地点を中間表示地点とする。これにより、経路上の全てノードにつき、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和を計算し、大小比較しなくても、簡単に出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を求めることができる。
【実施例2】
【0027】
次に、図10を参照して本発明の第2実施例を説明する。図10は本発明に係る経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。
図10において、ナビゲーション装置本体6Aの表示対象領域決定部12Aは、操作部3で経路全体表示が指示されると経路表示対象領域を決定する(この実施例でも第1地点=出発地、第2地点=目的地とする)。まず、経路記憶部10を参照して第1地点としての出発地と第2地点としての目的地を結ぶ経路上で出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点を決定する。この中間表示地点の決定方法は第1実施例と同様である(図3参照)。
次に、出発地と目的地を結ぶ経路上に経由地点がない場合(図11参照)、出発地、目的地、中間表示点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域(経度線と緯度線に囲まれた領域)を主要表示対象領域Jとして決定し、外接円の中心座標(=主要表示対象領域の中心座標)を表示中心地点Cとして決定する。若し、図13に示すように出発地と目的地を結ぶ経路上に1または複数の経由地点T1,T2が存在する場合、出発地、目的地、中間表示点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を基準領域J0とする。そして、第1地点と第2地点の間の各経由地点T1,T2が全て基準領域J0内にあるときは該基準領域を主要表示領域Jとして決定する。一方、図15に示すように、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域J0の外側の経由地点T1′,T2′があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域J1を主要表示領域Jとして決定する。また、主要表示対象領域の中心座標を表示中心地点Cとして決定する。
車載用ナビゲーション装置の他の構成部分は図1と全く同一である。
【0028】
図17はナビゲーション装置本体6Aにより実行される経路表示処理を示す流れ図、図11、図13、図15は主要表示対象領域の決定方法の説明図、図12、図14、図16は経路表示画面の説明図であり、以下、これらの図を参照して第2実施例の動作を説明する。なお、この実施例では、第1地点=出発地、第2地点=目的地として説明する。
(A)経由地無しの場合
(i)経路探索(図8、図11参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により目的地だけ設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから目的地Oまでを最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS10でYES、S11、S12、図2(1)、図11の符号PR参照)。
【0029】
(ii)経路全体表示(図17、図11、図12参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12Aは、経路データを参照して第1地点としての出発地Sと第2地点としての目的地Oを結ぶ経路上で、出発地Sからの直線距離と目的地Oからの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示点Qを第1実施例と同様にして定める(図17のステップS30、図11参照)。次に、今回は出発地Sと目的地Oを結ぶ経路途中に経由地点が含まれないので、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を主要表示対象領域Jとして決定し、外接円の中心座標(=Jの中心座標)を表示中心地点Cとして決定する(ステップS31でNO、S32、S33、図11参照)。第2実施例の主要表示対象領域Jは、縦方向の上が北向きで出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形に外接する最小の方形領域(図4の第1実施例の主要表示対象領域J)よりも広い範囲である。
【0030】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図12に示す如く主要表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、目的地マークOMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS34)。この際、地図描画部9は画面5Aの地図の中心Gを表示中心地点Cに一致させる。画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Qを含み、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外心を中心とする広範囲の経路が表示される(符号PM参照)。
【0031】
(B)経由地有りの場合
(i)経路探索(図4、図13参照)
ユーザにより操作部3を用いて経路探索の指示操作がされ、目的地・経由地設定部4により例えば2つの経由地、第1経由地T1、第2経由地T2と目的地Oが設定されると、経路探索部11は現在地検出部1で検出された現在地を出発地Sとし、地図データを用いて出発地Sから各経由地T1、T2を経て目的地Oまでを順に最短距離で結ぶ最適な経路を探索し、ノード列からなる経路データを経路記憶部10に記憶させる(図8のステップS13でYES、S14、S12、図2(2)、図13の符号PR参照)。
【0032】
(ii)経路全体表示(図17、図13〜図16参照)
経路探索が完了後、ユーザにより操作部3を用いて経路全体表示の指示操作がされると、表示対象領域決定部12Aは、前述と同様にして経路データを参照して出発地Sからの直線距離と目的地Oからの直線距離の和がほぼ最大となる中間表示地点Qを定める(図17のステップS30)。次に、今回は経路途中に2つの経由地点T1、T2が含まれるので、出発地S、目的地O、中間表示地点Qを結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を基準領域J0とする(ステップS31でYES、S35。図13参照)。続いて、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が基準領域J0の中に入っているか判別する(ステップS36)。図13に示すように、全ての経由地点が入っているときは基準領域J0を主要表示領域Jとして決定する(ステップS36でYES、S37)。若し、図15に示すように基準領域J0に入っていない経由地点があるときは、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が中に入るまで基準領域J0の境界を外側に拡張し、拡張した基準領域J1を主要表示領域Jとして決定する(ステップS36でNO、S38、S39)。また、主要表示対象領域Jの中心座標を表示中心地点Cとして決定する(ステップS33)。ここでは、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が基準領域J0の中に入っており(図13の参照)、J=J0とされたものとする。
【0033】
主要表示対象領域J、表示中心地点Cが決定されると、地図表示制御部7の地図描画部9は、地図データと経路データを用いて、図14に示す如く、主要表示対象領域Jを含み、縦方向の上が北向きの地図に経路PMと自車位置マークVM、目的地マークOM、経由地点マークTMを重ねて画像記憶部8に描画し、表示部5に表示させる(ステップS34)。この際、地図描画部9は画面5Aの中心Gを表示中心地点Cに一致させる。画面5Aには出発地Sと目的地Oのほか、出発地Sと目的地Oから遠く離れた中間表示地点Q、各経由地点T1、T2を含み、主要表示対象領域Jを中心とする広範囲の経路が表示される。
【0034】
若し、探索経路が図15の如くなっており、出発地Sと目的地Oの間の経由地点の中に、基準領域J0の中に入っていない経由地点があった場合(符号T1′、T2′参照)、出発地Sと目的地Oの間の全ての経由地点が中に入るまで基準領域J0を拡張した基準領域J1が主要表示領域Jとされるので、図16に示す如く画面5Aには出発地S、目的地O、中間表示地点Q、各経由地点T1′、T2′を含む広範囲の経路が表示される。
【0035】
この実施例によれば、第1地点としての出発地と第2地点としての目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が経由地を含まない場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12Aによりまず、出発地からの直線距離と目的地からの直線距離の和がほぼ最大となる経路上の中間表示地点が定められる。続いて、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域が経路表示対象領域として決定される。そして、地図表示制御部7により、地図データと経路データを用いて、経路表示対象領域を含み、縦方向の上が北向きの地図に経路と自車位置マーク、目的地マークを重ねた画像が表示部5に表示される。この際、画面5Aの中心は出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心の位置座標に一致される。よって、画面5Aには出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点を含み、出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外心を中心とする広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地と目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路のかなり広い範囲を把握できる。
【0036】
また、出発地と目的地を最短距離で結ぶ最適な経路が1または複数の経由地点を含む場合、経路全体表示が指示されると、表示対象領域決定部12Aは出発地、目的地、中間表示地点を結ぶ三角形の外接円に外接し、縦方向の上が北向きの方形領域を基準領域J0とする。出発地と目的地の間の全ての経由地点が基準領域J0の中に入っているときは、基準領域J0をそのまま主要表示対象領域とするが、基準領域J0の中に入っていない経由地点があるときは、出発地と目的地の間の全ての経由地点が入るまで基準領域J0の境界を外側へ拡張し、拡張後の基準領域J1が主要表示対象領域として決定される。よって、出発地、目的地、中間表示地点、各経由地点の位置関係によらず、画面には出発地と目的地のほか、出発地と目的地から遠く離れた中間表示地点、出発地と目的地の間の各経由地点を含む広範囲の経路が表示されるので、海、山岳、湖等の存在で出発地、各経由地点、目的地を結ぶ経路が迂回している場合でも、経路の広い範囲を把握できる。とくに、各経由地点の周辺の経路も確認できるので利便性が高い。
【0037】
なお、上記した各実施例では、経路を含む地図は上を北向きに表示するようにしたが、上を車両の現在の進行方向に合わせるようにしても良い。また、第1地点を出発地、第2地点を目的地として、出発地と目的地を結ぶ経路全体を表示対象としたが、現在地と目的地を第1、第2の地点としても良く、また、出発地と目的地を結ぶ経路の任意の一部区間の始点を第1地点、終点を第2地点としても良く、更には、出発地と目的地を結ぶ経路の一部区間を表示対象としてもよい。例えば、出発地と目的地を結ぶ経路上の最初の経由地点を第1地点、最後の経由地点を第2地点としても良い。また、出発地と目的地を結ぶ経路の途中の渋滞箇所を迂回するルートを表示対象としたり、出発地と目的地を結ぶ経路のわき道ルートを表示対象としても良い。また、中間表示地点Qを定めるための候補地点数をn=9としたが、nを2以上8以下としたり、10以上としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、経路表示機能を有する車載用ナビゲーション装置、地図検索装置などの各種の地図表示装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る第1実施例の経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の経路記憶部の記憶内容の説明図である。
【図3】中間表示地点の決定方法の説明図である。
【図4】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がない場合)である。
【図5】経路表示画面の説明図(経由地点がない場合)である。
【図6】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がある場合)である。
【図7】経路表示画面の説明図(経由地点がある場合)である。
【図8】第1実施例のナビゲーション装置本体による経路探索処理を示す第1の流れ図である。
【図9】第1実施例のナビゲーション装置本体による経路探索処理を示す第2の流れ図である。
【図10】本発明に係る第2実施例の経路表示方法を具現した車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図11】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がない場合)である。
【図12】経路表示画面の説明図(経由地点がない場合)である。
【図13】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点がある場合)である。
【図14】経路表示画面の説明図(経由地点がある場合)である。
【図15】主要表示対象領域の決定方法の説明図(経由地点が基準領域の外にある場合)である。
【図16】経路表示画面の説明図(経由地点が基準領域の外にある場合)である。
【図17】第2実施例のナビゲーション装置本体による経路表示処理を示す流れ図である。
【図18】従来の表示対象領域の決定方法の説明図である。
【図19】従来の経路表示画面の説明図である。
【図20】従来の表示対象領域の決定方法の問題点の説明図である。
【図21】従来の経路表示画面の問題点の説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 現在地検出部
2 地図データ記憶部
3 操作部
4 目的地・経由地設定部
5 表示部
6、6A ナビゲーション装置本体
7 地図表示制御部
10 経路記憶部
12 表示対象領域決定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1地点と第2地点を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置において、
前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を設け、
地図表示制御手段は、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させるようにしたこと、
を特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置において、
前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を設け、
地図表示制御手段は、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させるようにしたこと、
を特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置において、
前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域、または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定し、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定する表示対象領域決定手段を設け、
地図表示制御手段は、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させるようにしたこと、
を特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
前記中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項1乃至3記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記中間表示地点は、経路上の第1地点と第2地点の間に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項1乃至3記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記候補地点は第1地点と第2地点の間の経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点としたこと、
を特徴とする請求項5記載の地図表示装置。
【請求項7】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を経路表示対象領域の中心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項1乃至6記載の地図表示装置。
【請求項8】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を第1地点、第2地点、中間表示地点を結んだ三角形の外心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項1乃至6記載の地図表示装置。
【請求項9】
第1地点から第2地点までを結ぶ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法において、
前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、
第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定し、
主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示する、
ことを特徴とする経路表示方法。
【請求項10】
第1地点から第2地点までを1または複数の経由地点を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法において、
前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、
第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定し、
主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示する、
ことを特徴とする経路表示方法。
【請求項11】
第1地点から第2地点までを1または複数の経由地点を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法において、
前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、
第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域、または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、
前記第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定し、
前記第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定し、
主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示する、
ことを特徴とする経路表示方法。
【請求項12】
前記中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項9乃至11記載の経路表示方法。
【請求項13】
前記中間表示地点は、経路上に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項9乃至11記載の経路表示方法。
【請求項14】
前記候補地点は第1地点から第2地点までの経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点としたこと、
を特徴とする請求項13記載の経路表示方法。
【請求項15】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を主要表示対象領域の中心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項9乃至14記載の経路表示方法。
【請求項16】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形の外心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項9乃至14記載の経路表示方法。
【請求項1】
第1地点と第2地点を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置において、
前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を設け、
地図表示制御手段は、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させるようにしたこと、
を特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置において、
前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定する表示対象領域決定手段を設け、
地図表示制御手段は、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させるようにしたこと、
を特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
第1地点と第2地点を1または複数の経由地点を経由しながら結ぶ経路を含む経路データを記憶した経路データ記憶手段と、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、地図画像を表示する表示手段と、地図データと経路データを用いて地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させる地図表示制御手段とを備えた地図表示装置において、
前記経路上の第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域、または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定し、第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定する表示対象領域決定手段を設け、
地図表示制御手段は、主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示手段に表示させるようにしたこと、
を特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
前記中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項1乃至3記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記中間表示地点は、経路上の第1地点と第2地点の間に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項1乃至3記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記候補地点は第1地点と第2地点の間の経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点としたこと、
を特徴とする請求項5記載の地図表示装置。
【請求項7】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を経路表示対象領域の中心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項1乃至6記載の地図表示装置。
【請求項8】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を第1地点、第2地点、中間表示地点を結んだ三角形の外心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項1乃至6記載の地図表示装置。
【請求項9】
第1地点から第2地点までを結ぶ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法において、
前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、
第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形に外接する方形領域または第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形の外接円に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定し、
主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示する、
ことを特徴とする経路表示方法。
【請求項10】
第1地点から第2地点までを1または複数の経由地点を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法において、
前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、
第1地点、第1地点と第2地点の間の各経由地点、中間表示地点、第2地点を結んだ多角形に外接する方形領域を主要表示対象領域として決定し、
主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示する、
ことを特徴とする経路表示方法。
【請求項11】
第1地点から第2地点までを1または複数の経由地点を経由しながら結んだ経路を地図に重ねた画像を描画して表示させる経路表示方法において、
前記経路上で第1地点と第2地点の間に1つの中間表示地点を定め、
第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形に外接する方形領域、または第1地点、中間表示地点、第2地点を結んだ三角形の外接円に外接する方形領域を基準領域とし、
前記第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内にあるときは基準領域を主要表示領域として決定し、
前記第1地点と第2地点の間の各経由地点の中に基準領域の外側の経由地点があるときは、第1地点と第2地点の間の各経由地点が全て基準領域内に入るまで基準領域の境界を外側に拡張した方形領域を主要表示領域として決定し、
主要表示対象領域を含む地図に経路を重ねた画像を描画して表示する、
ことを特徴とする経路表示方法。
【請求項12】
前記中間表示地点は、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和がほぼ最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項9乃至11記載の経路表示方法。
【請求項13】
前記中間表示地点は、経路上に設定した複数の候補地点の内、第1地点からの距離と第2地点からの距離の和が最大の地点としたこと、
を特徴とする請求項9乃至11記載の経路表示方法。
【請求項14】
前記候補地点は第1地点から第2地点までの経路を、経路に沿って等距離間隔で分割する地点としたこと、
を特徴とする請求項13記載の経路表示方法。
【請求項15】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を主要表示対象領域の中心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項9乃至14記載の経路表示方法。
【請求項16】
地図表示制御手段は、表示地図の中心を第1地点、中間表示地点、第2地点を結ぶ三角形の外心に一致させるようにしたこと、
を特徴とする請求項9乃至14記載の経路表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−286732(P2008−286732A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133963(P2007−133963)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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