説明

地表面変位監視方法および地表面変位監視システム

【課題】低コストで、信頼性が高く、保守も容易である地表面変位監視システムを実現する。
【解決手段】GPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置とこの親局装置を中心にその周りに配設され親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群とで構成され、それぞれ地表面変位監視領域に配設された複数個の地表面変位面的検出装置A,B,C,・・・および地表面変位面的検出装置の各々の検出情報を収集し監視装置へ各地表面変位面的検出装置での検出情報を提供するデータ収集サーバ6を備え、地表面変位面的検出装置の各々がデータ収集サーバに至る無線ネットワークを自律的に構築する機能を有し、子局群4A1,・・・4B1,・・・を介して得られた地表面変位面的検出情報が、自律的に構築された無線ネットワークを介して監視装置によって監視される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、土砂崩れの危険性のある場所など、地表面変位を監視する必要がある場所に変位検出装置が設置され、変位検出装置が検出した情報により、地表面変位を監視する必要がある場所の地表面変位を遠隔地で監視する地表面変位監視方法および地表面変位監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の例えば土砂崩れ監視システムでは、土砂崩れの危険性のある場所に設置される無線送信器に、自己絶対位置を計測するGPS受信機と、自己絶対位置を予め記憶する記憶手段と、前記GPS受信機の計測値と記憶手段の自己絶対位置を比較する比較手段とを設け、前記比較手段の比較で位置変動が発生した際に、この位置変動を無線送信器から方探局へ無線送信し、かつ方探局を通じて位置変動発生を中央監視局で受信する構成とされている。例えば特開平9−97391号公報(特許文献1)を参照。
【0003】
【特許文献1】特開平9−97391号公報(図8〜10、およびその説明の欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の土砂崩れ監視システムは、例えば前述の特許文献1に記載されているように、土砂崩れの危険性のある場所に設置される自己絶対位置を計測するGPS受信機を備えた無線送信器と方探局とで構成されている。従って、土砂崩れ監視は、GPS受信機を備えた無線送信器の設置点に限定されているため、監視の目が粗くなる。
【0005】
また、特許文献1に記載の従来の土砂崩れ監視システムを利用する場合、前記監視の目を細かくするためには、GPS受信機を備えた無線送信器を数多く設けて設置密度を大にする必要があり、コスト増となる。監視範囲が可成り広い場合には、GPS受信機を備えた無線送信器の設置数と無線送信器が無線送信する位置変動を受信する方探局の設置数が膨大になり、設置コストも膨大な額となる。
【0006】
更に、特許文献1に記載の従来の土砂崩れ監視システムにおいては、GPS受信機を備えた無線送信器は、それ自体が作動するように電源が必要である。
【0007】
それぞれGPS受信機を備えた多数の無線送信器の電源を、電源ケーブルを敷設して確保する電源構成とした場合、土砂崩れ等の極大な地表面変位により電源ケーブルが断線した場合、少なくとも当該断線点より下流側の無線送信器の電源は無くなるので、当該切断点より下流側の無線送信器は地表面変位の検出や検出情報の送信をすることはできない。従って、信頼性の高い地表面変位監視システムを実現することは、特に監視範囲が広大な場合には、難しい。また、土砂崩れ等の極大な地表面変位により電源ケーブルが断線した場合には、電源ケーブルの断線の修復は通常は危険性と困難性を伴う。
【0008】
そこで、GPS受信機を備えた多数の無線送信器の電源を、電源ケーブルを使用せずに蓄電池や乾電池等の独立電源とすれば、前述のような電源ケーブル使用による重要な問題は解消される。しかし、蓄電池や乾電池は、その負荷量により寿命が異なり、GPS受信機を備えた多数の無線送信器を常時動作状態にしておいた場合、GPS受信機を備えた多数の無線送信器の各無線送信器毎に電池交換時期が異なり、また、比較的短期間で電池交換が必要となる等、地表面変位監視システムの保守上、電池交換が煩わしい問題となる。この地表面変位監視システムの保守上の問題は、GPS受信機を備えた多数の無線送信器が比較的僻地に設置される場合に現実的な煩わしい問題となる。
【0009】
従って、地表面変位監視システムでは、低コストで、信頼性が高く、保守も容易であるように構成することが重要な課題である。
【0010】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、低コストで、信頼性が高く、保守も容易である地表面変位監視システムを実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る地表面変位監視方法は、自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置とこの親局装置を中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群とで地表面変位面的検出装置を構成し、地表面変位監視領域に複数個の前記地表面変位面的検出装置を配設し、前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々の検出情報を収集し監視装置へ各地表面変位面的検出装置での検出情報を提供するデータ収集サーバを設け、前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々に他の地表面変位面的検出装置が送信した情報を中継して送信し前記データ収集サーバに至る無線ネットワークを自律的に構築する機能を持たせ、前記子局群を介して得られた地表面変位面的検出情報を前記自律的に構築された無線ネットワークを介して監視するものである。
【0012】
この発明に係る地表面変位監視システムは、自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置とこの親局装置を中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群とで構成され、それぞれ地表面変位監視領域に隣接して配設された複数個の地表面変位面的検出装置、および前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々の検出情報を収集し監視装置へ各地表面変位面的検出装置での検出情報を提供するデータ収集サーバを備え、前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々が、他の地表面変位面的検出装置が送信した情報を中継して送信し前記データ収集サーバに至る無線ネットワークを自律的に構築する機能を有し、前記子局群を介して得られた地表面変位面的検出情報が、前記自律的に構築された無線ネットワークを介して監視装置によって監視されるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置とこの親局装置を中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群とで地表面変位面的検出装置を構成し、地表面変位監視領域に複数個の前記地表面変位面的検出装置を配設し、前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々の検出情報を収集し監視装置へ各地表面変位面的検出装置での検出情報を提供するデータ収集サーバを設け、前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々に他の地表面変位面的検出装置が送信した情報を中継して送信し前記データ収集サーバに至る無線ネットワークを自律的に構築する機能を持たせ、前記子局群を介して得られた地表面変位面的検出情報を前記自立的に構築された無線ネットワークを介して監視する地表面変位監視方法としたので、電源ケーブル使用する必要がない上、地表面の変位を面的に検出でき、しかも、通信負荷を小さくでき、従って、地表面変位監視の信頼性が向上し、保守も容易となる効果がある。
【0014】
また、この発明は、自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置とこの親局装置を中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群とで構成され、それぞれ地表面変位監視領域に隣接して配設された複数個の地表面変位面的検出装置、および前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々の検出情報を収集し監視装置へ各地表面変位面的検出装置での検出情報を提供するデータ収集サーバを備え、前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々が、他の地表面変位面的検出装置が送信した情報を中継して送信し前記データ収集サーバに至る無線ネットワークを自律的に構築する機能を有し、前記子局群を介して得られた地表面変位面的検出情報が、前記自立的に構築された無線ネットワークを介して監視装置によって監視される地表面変位監視システムとしたので、低コストで、信頼性が高く、保守も容易である地表面変位監視システムを実現することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1および図2により説明する。図1は地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図、図2は図1の地表面変位監視システムのシステム構成要素を示す図で、図2(a)は無電源の子局の概略構成の一例を示す図、図2(b)は親局装置から無電源の子局への給電機能を説明するための地表面変位面的検出装置のブロック図、図2(c)は親局装置の概略構成の一例を示す図である。なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【0016】
図1において、地表面変位監視システムは、地表面の変位を監視すべき領域である地表面変位監視領域1に、隣接して配設された複数個の地表面変位面的検出装置A,B,C,・・・と、データ収集サーバ6と、中央監視装置等の監視装置7とで構成されている。
【0017】
前記地表面変位面的検出装置Aと前記地表面変位面的検出装置Bと前記地表面変位面的検出装置Cとは各々の内部構成および機能は基本的には同じである。
【0018】
前記地表面変位面的検出装置Aは、自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置23Aとこの親局装置23Aを中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナ23AAを介して前記親局装置23Aから給電されると共に当該親局装置23Aへ位置情報信号を送信するICタグ群等の無電源の子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・とで構成されている。
【0019】
また、前記親局装置23Aは、自己絶対位置を計測するGPS機能を有するGPS機能部2Aと、データ収集機能および外部との送受信を行う通信機能を有するデータ取得通信機能部3Aと、電源部23ABとで構成されている。前記電源部23ABは、前記GPS機能部2Aと前記データ取得通信機能部3Aとに共通の電源である。
【0020】
また、前記親局装置23Aは、その前記GPS機能部2Aと前記データ取得通信機能部3Aとが物理的にユニット化されて当該GPS機能部2Aと当該データ取得通信機能部3Aとの相対的位置が固定化されており、従って、当該GPS機能部2Aにより当該GPS機能部2Aの絶対位置を検出することにより、当該データ取得通信機能部3Aの絶対位置は、当該GPS機能部2Aと当該データ取得通信機能部3Aとの前記固定化された相対的位置関係から、システム上は特に導出する必要はなく、前記GPS機能部2Aの絶対位置と同一として扱える。なお、前記GPS機能部2Aと前記データ取得通信機能部3Aとをユニット化せずに物理的に可成り離れた配置にする場合には、前記データ取得通信機能部3Aの絶対位置の導出が必要になる場合もあるが、その場合は、前記親局装置23A内、前記データ収集サーバ6内、あるいは前記監視装置7内で演算により導出すればよい。
【0021】
前記地表面変位面的検出装置Bは、前記地表面変位面的検出装置Aと同様に、自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置23Bとこの親局装置23Bを中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置23Bから給電されると共に当該親局装置23Bへ位置情報信号を送信するICタグ群等の無電源の子局群4B1,4B2,4B3,4B4,4B5,・・・とで構成されている。
【0022】
また、前記親局装置23Bは、その内部構成は図示してないが、前記親局装置23Aと同様に、自己絶対位置を計測するGPS機能を有するGPS機能部と、データ収集機能および外部との送受信を行う通信機能を有するデータ取得通信機能部と、前記GPS機能部と前記データ取得通信機能部とに共通の電源部とで構成されている。
【0023】
また、前記親局装置23Bは、前記親局装置23Aと同様に、そのGPS機能部とデータ取得通信機能部とが物理的にユニット化されて当該GPS機能部と当該データ取得通信機能部との相対的位置が固定化されており、従って、当該親局装置23BのGPS機能部により当該GPS機能部の絶対位置を検出することにより、当該親局装置23Bのデータ取得通信機能部の絶対位置は、当該親局装置23BのGPS機能部と当該親局装置23Bのデータ取得通信機能部との前記固定化された相対的位置関係から、システム上は特に導出する必要はなく、前記GPS機能部の絶対位置と同一として扱える。なお、前記GPS機能部と前記データ取得通信機能部とをユニット化せずに物理的に可成り離れた配置にする場合には、前記データ取得通信機能部の絶対位置の導出が必要になる場合もあるが、その場合は、前記親局装置23B内、前記データ収集サーバ6内、あるいは前記監視装置7内で、演算により導出すればよい。
【0024】
前記地表面変位面的検出装置Cは、前記地表面変位面的検出装置A,Bと同様に、自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置23Cとこの親局装置23Cを中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置23Cから給電されると共に当該親局装置23Cへ位置情報信号を送信するICタグ群等の無電源の子局群4C1,4C2,4C3,4C4,4C5,・・・とで構成されている。
【0025】
また、前記親局装置23Cは、その内部構成は図示してないが、前記親局装置23A,23Bと同様に、自己絶対位置を計測するGPS機能を有するGPS機能部と、データ収集機能および外部との送受信を行う通信機能を有するデータ取得通信機能部と、前記GPS機能部と前記データ取得通信機能部とに共通の電源部とで構成されている。
【0026】
また、前記親局装置23Cは、前記親局装置23A,23Bと同様に、そのGPS機能部とデータ取得通信機能部とが物理的にユニット化されて当該GPS機能部と当該データ取得通信機能部との相対的位置が固定化されており、従って、当該親局装置23BのGPS機能部により当該GPS機能部の絶対位置を検出することにより、当該親局装置23Bのデータ取得通信機能部の絶対位置は、当該親局装置23BのGPS機能部と当該親局装置23Bのデータ取得通信機能部との前記固定化された相対的位置関係から、システム上は特に導出する必要はなく、前記GPS機能部の絶対位置と同一として扱える。なお、前記GPS機能部と前記データ取得通信機能部とをユニット化せずに物理的に可成り離れた配置にする場合には、前記データ取得通信機能部の絶対位置の導出が必要になる場合もあるが、その場合は、前記親局装置23C内、前記データ収集サーバ6内、あるいは前記監視装置7内で、演算により導出すればよい。
【0027】
前記親局装置23Aからそのアンテナ23AAを介して給電されると共に当該親局装置23Aへ位置情報信号を送信するICタグ群等の無電源の子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の各々は、図2(a)(b)に子局4A1で代表して示されているように、親局装置23Aのアンテナ23AAからの電磁波を受け自子局の電源としても機能するアンテナ4AAと、対応親局装置23Aからの電波受信を判別し応答返信する通信機能を有するIC部4ABとを備えている。
【0028】
そこで、前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の各子局の対応親局装置23Aへの応答返信時間は、対応親局装置23Aとの相対距離に応じた時間となる。換言すれば、前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の各子局の対応親局装置23Aへの応答返信時間は、対応親局装置23Aとの相対距離が変わらなければ常に一定であるが、対応親局装置23Aとの相対距離が変化すれば当該変化に応じて変化する。つまり、前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の各子局の対応親局装置23Aへの応答返信時間を監視すれば、前記対応親局装置23Aに対する前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の各子局の相対距離を監視できる。
【0029】
地表面の変位は、前記子局の前記親局装置に対する前記相対距離の変化として表れるので、前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の各子局の対応親局装置23Aへの応答返信時間を監視すれば、地表面の変位を監視できる。
【0030】
前記親局装置23Aは、その周囲の前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・から前記相対距離の情報(地表面の変位の情報)を収集して地表面の変位を検出することになるので、地表面変位を面的に検出していることになる。
【0031】
この場合、前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・が全てICタグであれば、当該子局群の各子局は、個別に電池などの独立電源を設けなくても自己の前記アンテナ4AAおよび前記親局装置23Aのアンテナ23AAを介して前記親局装置23Aから給電されて作動する。従って、前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の電池交換作業は不要であり、地滑りなど人が近づけない状況下においても前記親局装置23Aは、その周囲の前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・から前記相対位置の情報(地表面の変位の情報)を収集して地表面の変位を確実に検出することができる。尤も、前記親局装置23Aの電源部23ABは、超寿命の電池、半永久的に使用可能な太陽電池などを採用するのが好ましい。
【0032】
なお、前記対応親局装置23Aに対する前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・の各子局の相対距離は、例えば、次のようにして検出する。例えば、地表面変位監視領域1に、親局装置23Aと、当該親局装置23Aを中心にその周りに子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・を設置し、設置時の親局装置23Aのデータ取得通信機能部3Aが各子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・との間の通信時間(親局装置23Aから電波を発信した時点から各子局の応答返信を親局装置23Aが受信する時間)を計測し、初期値として、データテーブルに各子局単位に保存しておき、設置後には各子局毎の所定時間毎の前記通信時間を計測し、計測毎に前記データテーブル上の初期値と比較するようにすれば、初期値と異なる通信時間となった子局が地表面の変位に伴って移動したこと、つまり地表面の変位が生じたことを検出できる。当該親局装置23Aを中心にその周りに子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・を設置してあるので、地表面の変位を面的に監視できる。なお、親局装置23Aのデータ取得通信機能部3Aが各子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・との間の通信時間(親局装置23Aから電波を発信した時点から各子局の応答返信を親局装置23Aが受信する時間)を計測する場合、子局が発する応答返信の電波自体には位置の情報は入っていないが、子局が発する応答返信の電波を利用して、結果的に、地表面の子局設置点の位置の変化(変位)を検出できることから、子局が発する応答返信の電波をも位置情報信号と言うものとする。
【0033】
前記地表面変位面的検出装置B,C,・・・も、前述の地表面変位面的検出装置Aと同様に機能する。
【0034】
次に、システム全体の動作を説明する。
【0035】
図1に示すように、地表面変位監視領域1に、前記ユニット化されたGPS機能部2A及び通信機能部3Aを有した任意数の親局装置23A,23B,23C,・・・を配設し、更に、各親局装置23A,23B,23C,・・・の各々を中心にその周りに子局群相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・,4B1,4B2,4B3,4B4,4B5,・・・4C1,4C2,4C3,4C4,4C5,・・・を任意数設置することで、地表面変位面的検出装置A,B,C,・・・が、地表面変位監視領域1に、任意数設置される。
【0036】
つまり、自己絶対位置を計測するGPS機能2Aと外部との送受信を行う通信機能3Aとを有し独立電源23ABを備えた親局装置23Aとこの親局装置23Aを中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナ23AA,4AAを介して前記親局装置23Aから給電されると共に当該親局装置23Aへ自己の位置情報信号を送信する子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・とで地表面変位面的検出装置Aを構成し、地表面変位監視領域1に複数個の前記地表面変位面的検出装置A,B,C,・・・を配設し、前記複数個の地表面変位面的検出装置A,B,C,・・・の各々の検出情報を収集し監視装置7へ各地表面変位面的検出装置A,B,C,・・・での検出情報を提供するデータ収集サーバ6を設け、前記複数個の地表面変位面的検出装置A,B,C,・・・の各々に他の地表面変位面的検出装置が送信した情報を中継して送信し前記データ収集サーバ6に至る無線ネットワーク5AB,5BC,5C6,・・・を自律的に構築する機能を持たせ、前記子局群4A1,4A2,4A3,4A4,4A5,・・・を介して得られた地表面変位面的検出情報を前記自律的に構築された無線ネットワーク5AB,5BC,5C6,・・・を介して監視装置7により監視する。
【0037】
なお、前述の無線ネットワーク5AB,5BC,5C6,・・・を自律的に構築する機能は、例えばIEEE802.15.4で仕様を定義されているような無線ネットワークを自律的に構築する機能である。
【0038】
前述のこの発明の実施の形態1では、例えば、土砂崩れ監視領域1にGPS機能部2A,2B,2C,・・・を間隔を隔てて複数個設置し、土砂崩れ監視面の各GPS機能部2A,2B,2C,・・・を設置した各場所の絶対位置を計測する。そして、前記各GPS機能部2A,2B,2C,・・・の周辺に、ICタグからなる複数個の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・を設置し、前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・とICタグからなる複数個の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・とを無線通信で接続する。GPS機能部2A,2B,2C,・・・は、複数の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・毎の無線通信時間を計測する。GPS機能部2A,2B,2C,・・・にはデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が接続され、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・は、前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・が計測する土砂崩れ監視面の絶対位置とGPS機能部2A,2B,2C,・・・の周辺に設置される複数の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・との間の無線通信時間データを取得する。
【0039】
前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・とともに土砂崩れ監視面に複数設置されるデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・間は、例えばIEEE802.15.4で仕様を定義されているような無線ネットワークで接続され、親局装置(データ取得装置)23Aが取得したデータは、他の親局装置(データ取得装置)23B,23C・・・を経由してデータ収集サーバ6で収集される。さらにデータ収集サーバ6は、中央監視装置7とLAN等で接続される。
【0040】
中央監視装置などの前記監視装置7は、前記データ収集サーバ6が収集した前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・が計測する土砂崩れ監視面の絶対位置と、GPS機能部2A,2B,2C,・・・の周辺に設置されるICタグ4等の複数個の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・との間の無線通信時間データから算出されるICタグ4等の複数個の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・との相対位置により面データを生成する。
【0041】
なお、前記実施の形態1では、土砂崩れ監視領域1に設置するGPS機能部2A,2B,2C,・・・と前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・の周辺に複数の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・を無線接続することにより、前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・による絶対位置と前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・と複数の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・との通信時間計測により、前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・を中心にした土砂崩れ監視面の監視が可能である。また、前記GPS機能部2A,2B,2C,・・・にはデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が接続される。
【0042】
土砂崩れ監視面に複数設置される前記データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・間の通信手段は,例えばIEEE802.15.4で仕様を定義されているような自律的に構築する無線ネットワークを用いる。当該無線ネットワークに接続されるデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・は,通信可能距離内に存在する近接の全データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・に問い合わせを行い,近接のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の情報を獲得し,重複しないアドレスを獲得する。
【0043】
データ送信時,送信先のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が自データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の通信可能距離内に存在する場合は,宛先のアドレスを指定して直接データを送信する。一方,送信先のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が自データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の通信距離内に存在しない場合は、通信距離内に存在する第三者のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・を経由して,データを送信する。この場合,最初の送信元データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・は、まず近傍のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・に送信する。受信したデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・は受け取ったデータの宛先が自分と異なるため,自身の持つ近接のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の情報から、該当する宛先が含まれるかどうか検索する。含まれている場合は直接該当するデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・にデータを送信する。含まれていない場合は、受信したデータに含まれる宛先を変えずに、近傍のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・に送信する。前述の処理を繰り返すことで、データは宛先のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・に届けられる。
【0044】
前記の中継処理において,各データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・は宛先のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・に届くまでのホップ数(中継数)を学習する。あるデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が別のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・にデータを送るまでに,複数のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・を中継する場合,多数の経路が存在するが、経路の選択に当たり、最もホップ数の少ない経路を選択する。通信されるデータの一部にはルーティング情報を持つ。最初の送信データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・は自分のアドレス情報をルーティング情報にセットし,データを送信する。中継が発生した場合,中継データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・はルーティング情報に自身のアドレス情報を付加する。このルーティング情報と各データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の持つ近接のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の情報と組み合わせることにより,2回目以降の通信では最適な経路を選ぶことができる。
【0045】
次に,前回確立した最適経路の更新処理について述べる。中継データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が故障などにより機能を喪失した場合、該当する中継データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が送信エラーの検出により,再度近傍のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・に再送を行うことにより,最適経路の確立が図られる。一方,新たなデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が加わった場合,このデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が近接のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・に問い合わせを行うことにより,他のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・は該当するデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の追加を認識し,それぞれ自身の近接のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・情報を更新し,該当データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・からの送信データを受けた時に,最適経路を更新する。
【0046】
一般に,IEEE802.15.4で定義される無線ネットワークにおいて,通信距離は一定の限界を持つ。例えば,土砂崩れ監視領域に多くの木々がある場合等,見通しの悪い箇所については間隔を狭めるなどの配置を行う。これによりデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・はある一定間隔以内に設置することが可能なため,上述の無線ネットワークを用いることにより,データ取得装置3が自律的にネットワーク網を構築することができる。
【0047】
以上のように,この発明によれば,土砂崩れの危険性のある場所の監視が土砂崩れ監視面単位で可能であり、複数の土砂崩れ監視面情報の収集にあたり,ケーブルの敷設作業の必要なくネットワーク化を行い,任意の時刻にデータ収集サーバ設置場所にとどまったまま土砂崩れ監視領域の土砂崩れ監視面情報を取得することができる。
【0048】
なお,上記ではデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が常時,土砂崩れ監視面情報を送信することにしたが,図2に示すように,データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・内部にタイマ23ADを持たせ、データ収集サーバ6から前記土砂崩れ監視面情報取得の時刻を指定させてもよい。また,土砂崩れ監視面情報取得間隔を必要な頻度に設定することにより,通信負荷が下げられる効果がある。
【0049】
実施の形態2.
以下この発明の実施の形態2を、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図3により説明する。図3は、実施の形態1において、土砂崩れ監視領域1に設置されるデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との間隔が空いている場合を示す。図3において、実施の形態1と同一部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。図3において、中継装置91,92,・・・は、無線ネットワーク通信手段部23AFのみから成り、前記データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・から土砂崩れ監視面情報取得機能部23AEおよび情報入力部23ACを省いたものである。
【0050】
次に動作について説明する。
中継装置91,92,・・・は、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との間隔が空いている場所に必要に応じて設置される。中継装置91,92,・・・は自身が土砂崩れ監視面情報を取得すべきGPS機能部2A,2B,2C,・・・あるいはICタグ等の子局4A1,4A2,4A3,・・・,4B1,4B2,4B3,・・・,4C1,4C2,4C3,・・・を持たないため、他のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が送信するデータの中継機能のみを果たす。データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・がデータ収集サーバ6に送信する処理において,中継装置91,92,・・・が選択されたとする。中継装置91,92,・・・は他のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・と同様の動作をし、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・から受信したデータのルーティング情報に自身のアドレス情報を付加した上で、中継装置91,92,・・・近傍のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・あるいは中継装置91,92,・・・にデータを送信する。
【0051】
以上のように,この発明の実施の形態2によれば、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との設置間隔が広い場合でも、無線ネットワーク網を構築し、データ収集サーバ6に土砂崩れ監視面情報を伝達することができる。また、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6の設置間隔が所定距離以内の場合においても、例えばデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・の故障に伴い、通信距離が設置間隔の2倍となり所定の通信可能距離を越えることが考えられる。中継装置91,92,・・・を併設することにより、代替の通信経路を用意することができるので、信頼性の高いネットワークシステムを提供することができる。
【0052】
実施の形態3.
以下この発明の実施の形態3を、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図4により説明する。なお、上記実施の形態2では、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との設置間隔が広い場合でも、無線ネットワーク網を構築するために、中継装置91,92,・・・を用いることを述べたが、図4に示すように長距離無線ネットワーク通信を用いるために、長距離無線ネットワーク通信部を具備するリピータ装置101,102を設けても良い。
【0053】
リピータ装置101,102はあらかじめ通信ペアを定め、所定の通信距離内に設置する。リピータ装置101がデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・からデータを受信した場合、自分の通信ペアとなるもう一方のリピータ装置102にデータを送信する。受信したリピータ装置102は無線ネットワーク5101102,51026から最適経路で、データ収集サーバ6に土砂崩れ監視面情報を伝達する。
【0054】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、特に土砂崩れの危険性のある領域が不確定であり、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との設置間隔が広い場合でも、長距離無線ネットワーク通信部を具備するリピータ装置(中継装置)を利用することで、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との設置間隔の自由度が増し、容易にネットワーク網を構築することができる。また、無線ネットワークの通信距離以内にデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6とが設置されている場合においても、長距離無線ネットワークを併用することにより、代替の通信経路を用意することができ、信頼性の高いネットワークシステムを提供することができる。
【0055】
実施の形態4.
以下この発明の実施の形態4を、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図5により説明する。なお、上記実施の形態2では、データ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との設置間隔が広い場合でも、無線ネットワーク網を構築するために、中継装置91,92,・・・を用いることを述べたが、図5に示すように道路の近傍の土砂崩れ監視領域において道路に敷設されている幹線ネットワーク11を用いるために、変換装置12を設置しても良い。図6は変換装置の構成図であり、無線ネットワーク通信手段部12A、変換部12B、幹線ネットワークインターフェイス部12Cを持つ。
特に、日本の道路の大半においては、幹線ネットワーク11として光ファイバ網が敷設されている。変換装置12はデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・からデータを受信した場合、幹線ネットワーク11を介して直接データ収集サーバ6に土砂崩れ監視面情報を伝達する。
【0056】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、特に道路などの幹線ネットワーク11が整備されている箇所でデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・とデータ収集サーバ6との設置間隔が広い場合でも、幹線ネットワーク11と接続するインターフェイス12Cを具備する変換装置12を利用することで、安価にネットワーク網を構築することができる。また、無線ネットワークの通信距離以内にデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・が設置されている場合においても、幹線ネットワーク11を併用することにより,代替の通信経路を用意することができ、信頼性の高いネットワークシステムを提供することができる。さらに,幹線ネットワーク11と接続されている中央監視装置7にデータ収集サーバ6を配置することができるため、複数箇所の土砂崩れ監視面の一括監視が可能となり、監視コストを削減することができる。
【0057】
実施の形態5.
以下この発明の実施の形態5を、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図7により説明する。なお、上記実施の形態1〜4では、複数のデータ取得通信機能部3A,3B,3C,・・・のデータを収集するデータ収集サーバ6と中央監視装置7とを接続することにより土砂崩れ監視を実現することを述べたが、図7に示すようにデータ収集サーバ6に外部接続用の無線LAN機能とWEB機能を具備することで、土砂崩れ監視領域付近を巡回するパトロールカー14に乗車するパトロール員の携帯端末や携帯電話から電波15を介して土砂崩れ監視面情報を入手することができる。
【0058】
以上のように、この発明の実施の形態5によれば、幹線ネットワーク11の故障時でもデータ収集サーバ6に外部接続用の無線LAN機能とWEB機能を具備することで、土砂崩れ監視領域付近を巡回するパトロールカー14に乗車するパトロール員の携帯端末や携帯電話から土砂崩れ監視面情報を入手することが出来るため、信頼性の高い土砂崩れ監視システムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、図1の地表面変位監視システムのシステム構成要素を示す図で、図2(a)は無電源の子局の概略構成の一例を示す図、図2(b)は親局装置から無電源の子局への給電機能を説明するための地表面変位面的検出装置のブロック図、図2(c)は親局装置の概略構成の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2を示す図で、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態3を示す図で、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態4を示す図で、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態4を示す図で、図5における変換装置の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態5を示す図で、地表面変位監視方法を実施する地表面変位監視システムのシステム構成の事例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 地表面変位監視領域、
2A,2B,2C,・・・ GPS機能部、
3A,3B,3C,・・・ データ取得通信機能部、
23A,23B,23C,・・・ 親局装置、
4A1,4A2,4A3,・・・ 子局、
4B1,4B2,4B3,・・・ 子局、
4C1,4C2,4C3,・・・ 子局、
5AB,5BC,5C6,・・・ 無自律的に構築されるネットワーク、
A,B,C,・・・地表面変位面的検出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置とこの親局装置を中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群とで地表面変位面的検出装置を構成し、
地表面変位監視領域に複数個の前記地表面変位面的検出装置を配設し、
前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々の検出情報を収集し監視装置へ各地表面変位面的検出装置での検出情報を提供するデータ収集サーバを設け、
前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々に他の地表面変位面的検出装置が送信した情報を中継して送信し前記データ収集サーバに至る無線ネットワークを自律的に構築する機能を持たせ、
前記子局群を介して得られた地表面変位面的検出情報を前記自律的に構築された無線ネットワークを介して監視する
地表面変位監視方法。
【請求項2】
自己絶対位置を計測するGPS機能と外部との送受信を行う通信機能とを有し独立電源を備えた親局装置とこの親局装置を中心にその周りに相互に間隔を隔てて配設されアンテナを介して前記親局装置から給電されると共に当該親局装置へ位置情報信号を送信する子局群とで構成され、それぞれ地表面変位監視領域に隣接して配設された複数個の地表面変位面的検出装置、
および前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々の検出情報を収集し監視装置へ各地表面変位面的検出装置での検出情報を提供するデータ収集サーバ、
を備え、
前記複数個の地表面変位面的検出装置の各々が、他の地表面変位面的検出装置が送信した情報を中継して送信し前記データ収集サーバに至る無線ネットワークを自律的に構築する機能を有し、
前記子局群を介して得られた地表面変位面的検出情報が、前記自律的に構築された無線ネットワークを介して監視装置によって監視される
地表面変位監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の地表面変位監視システムにおいて、前記データ収集サーバと前記地表面変位面的検出装置とが、前記無線ネットワークを自律的に構築する機能を有する中継装置を介して接続されることを特徴とする地表面変位監視システム。
【請求項4】
請求項2に記載の地表面変位監視システムにおいて、前記データ収集サーバと前記地表面変位面的検出装置とが、前記長距離無線ネットワーク通信機能を有するリピータ装置を介して接続されることを特徴とする地表面変位監視システム。
【請求項5】
請求項2に記載の地表面変位監視システムにおいて、前記データ収集サーバと前記地表面変位面的検出装置とが、既設の幹線ネットワークとのインターフェイスを有する変換装置および前記既設の幹線ネットワークを介して接続されることを特徴とする地表面変位監視システム。
【請求項6】
請求項2に記載の地表面変位監視システムにおいて、前記監視装置が携帯端末や携帯電話であり、前記データ収集サーバが前記携帯端末や携帯電話との通信機能を有していることを特徴とする地表面変位監視システム。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一に記載の地表面変位監視システムにおいて、前記子局群から前記親局装置へ送信する位置情報信号が、前記親局装置からの電波を受けて前記親局装置へ応答返信する電波であり、当該応答返信の時間の変化により地表面変位を検出することを特徴とする地表面変位監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−52588(P2007−52588A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236595(P2005−236595)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】