説明

垂直ダイ・チップオンボード

垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージのための方法と装置が提供されている。そのような垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージは、第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、底縁部近くに配置されている入/出力(I/O)パッド、及び少なくとも1つの感受方向を備えた垂直方向センサー回路構成要素を備えている。そのような垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージは、更に、上面、印刷回路板(PCB)取り付け面、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部、2つ又はそれ以上の他の縁部、及び1つ又は複数の感受方向を備えた1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素を備えており、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部は、垂直方向センサー回路構成要素をZ軸に沿って支持し、垂直方向センサー回路構成要素に導電的又は非導電的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、センサーを製造する方法と、そのような方法で作られたセンサーに関する。より具体的には、本発明は、薄型多軸センサー、例えば磁気センサーや傾斜センサー、の設計及び製造に関する。
【背景技術】
【0002】
地球の磁界強度は、約0.5から0.6ガウスであり、地表に平行で常に磁北を指す成分を有している。この磁界は、双極子モデルを使って近似することができ、磁界は常に北を指しているが、地表に対する磁界の角度は、赤道での水平方向から、北半球では下水平方向(即ち、地面に向かって「下向き」)まで、南半球では上水平方向(即ち、空中に向かって「上向き」)まで変化する。全ての場合において、地球の磁界の水平方向は、磁北を指し、コンパスの方向を判定するのに用いられる。
【0003】
磁気センサーは、2000年以上に亘って使用されており、主に、地球の磁界を感知して方向を見定め又は航行するために用いられている。今日、磁気センサーは、未だに航行の主たる手段であり、他にも多くの用途が展開されている。その結果、磁気センサーは、医療、研究、及び電子器具、例えば、気象ブイ、仮想現実システム、及び様々な他のシステムに使われている。
【0004】
近年の消費者用及び商業用の電子装置の設計は、一般的に、数多くの異なる機能の単一のデバイスへの統合と、デバイスを益々小型化する進化とを伴っている。デバイスを小型にし、或いはデバイスに数多くの機能を組み込むには、内部構成要素をできるだけ小さくする必要がある。進路発見及び航行技術をそのような小型のデバイスに組み込むには、磁気センサー及び/又は傾斜センサーのような2次元及び3次元のセンサーのZ軸方向の高さ(即ち、印刷回路板(PCB)の面からの高さ)を最小にしなければならない。垂直方向センサーをZ軸に沿って取り付けるのは、半導体アッセンブリ業界、特に空間が限られている製品にとっては挑戦である。現在の方法では、垂直方向(Z軸)センサーを、空間が限られており、コストに敏感で、大量生産の、標準的なPCBの工程で作られる製品には搭載できていない。
【0005】
従って、センサーを、印刷回路板の面に取り付けられている他のセンサーに対して直交方向に取り付けて、Z軸方向の力又は磁界を測定することが必要とされている。具体的には、例えば携帯電話や他の消費者用及び商業用の製品で、直交するセンサーを省スペース方式で取り付けることが必要とされている。これらは、コストに敏感で、大量生産され、一般的なPCBアッセンブリ工程に容易に適合できる製品の需要に応えるものとなる。
【非特許文献1】Van Zant「マイクロチップ製作、第4版」マグローヒル社(2000年)、第18章557頁−593頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の或る態様では、垂直方向センサー回路構成要素と水平方向センサー回路構成要素を備えたセンサーパッケージが提供されている。垂直方向センサー回路構成要素は、第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、入/出力(I/O)パッド、及び感受方向を備えており、I/Oパッドは、垂直方向センサー回路構成要素の第2面上に配置されており、感受方向は、前記底縁部近くに配置されているI/Oパッドに垂直となる。或る実施形態では、I/Oパッドは、一列に配置されている。水平方向センサー回路構成要素は、上面、印刷回路板(PCB)取り付け面、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部、少なくとも2つ又はそれ以上の他の縁部、及び、垂直方向センサー回路構成要素の感受方向に直交する1つ又は複数の感受方向を備えている。本発明のこの態様では、水平方向センサー回路構成要素の、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部は、垂直方向センサー回路構成要素をZ軸に沿って接続的に支えている。
【0007】
本発明の或る実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素の底縁部と上縁部の間の距離は、約1.1mmである。他の実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素の底縁部と上縁部の間の距離は、約1.1mm未満である。
【0008】
垂直方向センサー回路構成要素上のI/Oパッドは、ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、及び可撓性相互接続ボンディング、例えばテープボンディング(TAB)、技法から成るグループから選択された方法と適合性のあるのが望ましい。他の実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素は、水平方向センサー回路構成要素に導電接続するため、第1面にI/Oパッドを備えており、前記I/Oパッドは、ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、及び可撓性相互接続ボンディング、例えばテープボンディング(TAB)、技法から成るグループから選択された方法と適合性のあるのが望ましい。このように、垂直方向センサー回路構成要素は、或る実施形態では、水平方向センサー回路構成要素に導電的に接続されていてもよい。
【0009】
更に別の実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素と水平方向センサー回路構成要素は半導体センサーであり、別の実施形態では、センサーの回路構成要素は磁気センサーである。更に別の実施形態では、1つ又は複数の垂直方向センサー回路構成要素と1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素は、傾斜センサーである。更に別の実施形態では、1つ又は複数の垂直方向センサー構成要素は、磁気又は傾斜センサーのような或る種類のセンサーであり、1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素は、垂直方向の支持縁部を提供できる半導体チップのような異なる種類のセンサーであってもよい。更に別の実施形態では、1つ又は複数の垂直方向センサー構成要素は、磁気又は傾斜センサーなど、どの様な種類のセンサーでもよく、1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素は、垂直方向センサー回路構成要素を支持できる垂直方向センサー回路構成要素境界縁部を備えていれば、実際のセンサーか否かに関わらず、どの様な半導体チップでもよい。
【0010】
本発明の第2の態様では、垂直方向センサー回路構成要素を取り付けるための方法が提供されている。垂直方向センサー回路構成要素は、第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、PCBに対する第2面上に配置されているI/Oパッドと、を備えている。本方法は、垂直方向センサー回路構成要素の底縁部をPCBに接続する段階と、垂直方向センサー回路構成要素の第1面を、上面、PCB取り付け面、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部、及びPCBに接続されている少なくとも2つの他の縁部を有する1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素の垂直方向センサー回路構成要素境界縁部に接続する段階と、を備えている。垂直方向センサー回路構成要素は、水平方向センサー回路構成要素の垂直方向センサー回路構成要素境界縁部が、垂直方向センサー回路構成要素をZ軸に沿って支持するように取り付けてもよい。
【0011】
或る実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素は、ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、及び可撓性相互接続ボンディング、例えばテープボンディング(TAB)、技法から成るグループから選択された方法によって、PCBに導電的に接続されている。本方法の別の実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素は、導電性エポキシ、はんだバンピング、又はスタッドバンピング技法によって、PCBに導電的に接続されている。本発明の幾つかの実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素と1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素は、各縁部が面に実質的に垂直になるように賽の目に切断される。
【0012】
本発明の第3の態様では、少なくとも2つの直交軸に沿って磁界の強度を測定するための多軸磁力計を作るための方法が提供されている。本方法は、上面、PCB取り付け面、垂直方向磁気センサー回路構成要素境界縁部、及び1つ又は複数の縁部を備えた1つ又は複数の磁界感知回路構成要素を、それらのPCB取り付け面でPCBに取り付ける段階と、第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、入/出力(I/O)パッド、及び感受方向を備えている垂直方向磁気センサー回路構成要素をPCBに取り付ける段階とから成り、前記I/Oパッドは垂直方向センサー回路構成要素の第2面上に配置され、前記感受方向は底縁部に近接して配置されているI/Oパッドに直交している。この方法では、垂直方向磁気センサー回路構成要素は、磁界感知回路構成要素に取り付けられ、それによって支持されている。
【0013】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の磁界感知回路構成要素は、水平方向センサー回路構成要素であり、他の実施形態では、1つ又は複数の水平方向1次元センサー回路構成要素である。垂直方向磁気感知回路構成要素は、磁界感知回路構成要素に導電的又は非導電的に接続することができ、導電性接続は、例えば導電性エポキシ又は接着剤で形成することができ、一方、非導電性接続は、非導電性エポキシのような接着剤で形成することができる。
【0014】
本発明の第4の態様では、少なくとも2つの直交軸に沿って磁界の強度を測定するための多軸磁力計が提供されている。多軸磁力計は、上に述べた本発明の第3の態様の方法に従って作られている。幾つかの実施形態では、多軸磁力計は、傾斜センサーを更に備えている。傾斜センサーのあるなしに関わらず、3つの直交軸に沿って磁界強度を測定するための多軸磁力計は、PCBからの高さが約1.1mmの垂直方向磁気センサー回路構成要素を備えていてもよい。同様に、代替実施形態では、傾斜センサーのあるなしに関わらず、垂直方向磁気センサー回路構成要素は、PCBからの高さが約1.1mm未満である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の代表的な実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
【0016】
本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明するが、図面は代表的な実施形態を示しているに過ぎない。図1は、全体を参照番号100で示す本発明の3軸センサーの構造を示している。3軸センサーは、センサー回路構成要素(即ちセンサー)が取り付けられている印刷回路板(PCB)101を含んでいる。例えば、集積回路パッケージに組み込まれるか、又は剥き出しのダイとして用いられる磁気抵抗性又はホール効果材料である水平方向センサー回路構成要素102は、ワイヤボンディング、フリップチップ、及び可撓性相互接続ボンディングのような標準的なチップオンボード技法を使って、PCB101に取り付けられている。例えば、Van Zantの「マイクロチップ製作、第4版」マグローヒル社(2000年)、第18章557頁から593頁を参照頂きたく、同文献の開示を参考文献として援用する。一般的に、102、103、204で示しているセンサーは、「センサー回路構成要素」と呼ばれ、必要に応じて更に具体的な記述子が加えられ、例えば、磁界センサー回路構成要素は、磁界を感知するセンサー回路構成要素である。ここに記載している他のセンサー構成要素も、同じ標準的なチップオンボード技法を使ってPCB101に取り付けることができる。水平方向センサー回路構成要素102は、その厚さに沿って略垂直方向縁部を有するように、賽の目に切断されるのが望ましい。水平方向センサー回路構成要素102の厚さに沿う縁部は、水平方向センサー回路構成要素102に直交方向に取り付けられている垂直方向センサー回路構成要素103を支持する働きをする。このことを念頭に、ここで用いる場合、「センサー」及び「水平方向センサー回路構成要素」は、更に、例えば、それ自体は「感知」能力を持たないが、その厚さに沿って、PCBに垂直方向に取り付けられている磁気センサーのようなセンサーを物理的に支持することのできる垂直方向縁部(「垂直方向センサー回路構成要素境界縁部」)を備えている半導体チップを備えている。代表的な実施形態は、PCBに垂直方向に取り付けられている2軸磁気センサーを備えた2つの軸の磁気センサーであり、垂直方向に取り付けられている磁気センサーは、PCB上に、何らかの総称的(感知又は非感知的)半導体チップに相対して取り付けられている。半導体の1つ又は複数のチップは、垂直方向センサーの垂直方向軸の支持部として働く垂直方向センサー回路構成要素境界縁部を備えていさえすればよい。
【0017】
図1の代表的な実施形態では、水平方向センサー回路構成要素102は、X及びY軸、即ちPCB101の面を定義する軸に沿う磁力のような力を感知する。この例では、垂直方向センサー回路構成要素103は、残りの直交軸、即ちZ軸に沿って力を感知する。従って、この代表的な図では、水平方向センサー回路構成要素102は、2次元のセンサーである。取り付けられているあらゆるセンサー回路構成要素から独立しているか、又は取り付けられている何れかの回路構成要素と協力して働く、追加の回路をPCB101に取り付けることも考えられる。第1及び第2センサー回路構成要素は、垂直方向であれ水平方向であれ、図3から図7に示しているように、導電的又は非導電的に互いに接続されていてもよく、更に、図1から図4では、水平方向センサー回路構成要素を同じ高さに描いているが、そのように制限されているわけではない。一般的に、垂直方向センサー回路構成要素は、Z軸沿いには水平方向センサー回路構成要素より高いが、両方の構成要素が同じ高さであってもよいし、水平方向センサー回路構成要素が高くてもよい。しかしながら、センサーパッケージの高さは、約1.1mm以下であるのが望ましい。
【0018】
図1に示している本発明の代表的な実施形態によれば、水平方向センサー回路構成要素102と垂直方向センサー回路構成要素103個々の角度方向は、3次元又は3軸、即ちX、Y、Z軸に沿う外部磁界の3つの直交する成分を正確に感知し、測定できるように配置されている。この代表的な実施形態では、そのような位置決めは、垂直方向センサー回路構成要素103が水平方向センサー回路構成要素102に直角又は垂直に確実に取り付けられることを伴っている。本発明のこの態様の好適な実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素103、従って垂直方向及び水平方向センサー回路構成要素の組み合わせセンサーパッケージは、薄型で、高さが約1.1mm以下である。更に、水平方向及び垂直方向センサー回路構成要素は、一般的に、電気的接続部、例えば、各種の適した接続技術の中でもはんだバンピング又はスタッドバンピング用の入力/出力(I/O)パッドを、PCBに取り付ける面や、或る実施形態では他のセンサー回路構成要素に取り付ける面に備えている。別のチップオンボード技法は、PCBとセンサー回路構成要素の間に、電気的接続を確立するのに用いることができる。
【0019】
図2は、本発明の方法に従って作られた3軸センサーパッケージの2つの代替構造を示しており、全体を参照番号200で示している。図2の代表的な実施形態では、センサーパッケージは、少なくとも3つの主要構成要素、即ち、第1及び第2の水平方向1次元センサー回路構成要素204と、垂直方向センサー回路構成要素103を備えている。ここで用いる「水平方向1次元センサー回路構成要素」とは、単一の軸に沿って力を感知するセンサーのことである。図2では、第1及び第2の水平方向1次元センサー回路構成要素204は、それぞれが、PCBの面上の互いに直交する力を感知するように取り付けられている。図2Aは、2つの水平方向1次元センサー回路構成要素がPCB上の空間に分離して取り付けられているセンサーパッケージを示しており、2つのセンサー回路構成要素の内の一方だけが垂直方向センサー回路構成要素103の支持部として働いている。図2Bは、2つの水平方向1次元センサー回路構成要素204が、接触して、導電的又は非導電的に取り付けられ、両方が垂直方向センサー回路構成要素103の支持部として働いているセンサーパッケージを示している。水平方向1次元センサー回路構成要素は、水平方向センサー回路構成要素204同士が導電的又は非導電的に接触しているが、水平方向1次元センサー回路構成要素の内の一方だけが垂直方向センサー回路構成要素103の支持部として働いている、センサーパッケージに取り付けてもよい。本発明の代替実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素を、垂直方向に、しかしZ軸以外の1つ又は複数の軸に沿って力を感知するように取り付けることができる。つまり、本発明のセンサーパッケージを形成するのに用いられている垂直方向及び水平方向センサー回路構成要素は、何れも、1つ又は複数の軸に沿って力を感知することができる。
【0020】
水平方向1次元センサー回路構成要素204(並びに「第1センサー回路構成要素」102)は、一般的に、電気的接続部、例えば、はんだバンピング又はスタッドバンピング用の入力/出力(I/O)パッドを、少なくともPCB101に取り付ける面に有している。水平方向1次元センサー回路構成要素204(並びに「垂直方向センサー回路構成要素」103)も、例えばセンサー回路構成要素同士の間のような余分のPCB電気的接続をやり易くするために、I/Oパッドのような電気的接続部を、PCBと接する面以外の面に有していてもよい。他のチップオンボード技法を用いて、電気的接続を確立することもできる。
【0021】
図1の3軸センサー100と同様に、1つ又は複数の水平方向1次元センサー回路構成要素(204)の厚さに沿う縁部は、1つ又は複数の水平方向1次元センサー回路構成要素204に直交して取り付けられる垂直方向センサー回路構成要素103用の支持部として働く。水平方向1次元センサー回路構成要素204は、それらが導電的又は非導電的に接続されている垂直方向に取り付けられたセンサー回路構成要素103を支持するため、厚さに沿って略垂直方向の縁部を有するように、賽の目に切断されている。
【0022】
水平方向1次元センサー回路構成要素204は、垂直方向構成要素がPCB101に、概ね、センサーの面ではなく、センサーの厚さ又は縁部に沿って取り付けられている、即ち垂直方向に取り付けられていること以外は、垂直方向センサー回路構成要素103と実質的に同じである。そのような垂直方向センサー回路構成要素は、一般的に、センサーの少なくとも1つの面、一般的にはPCB101に取り付けられる縁部近くに、何らかの電気的接続部(例えば、はんだバンピング又はスタッドバンピング用のI/Oパッド、又はワイヤボンディング用の接着パッド)を有している。I/Oパッドは、一列に配置され、列はセンサーの感受方向に垂直であるのが望ましい。代表的な実施形態について、図7を参照されたい。垂直方向センサー回路構成要素は、1つの軸に沿って力を感知するセンサーを備えており、従って、その様な実施形態では「垂直方向1次元センサー回路構成要素」と呼ばれる。別の実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素は、X、Y、Z軸の何れかに沿う二方向以上の力を感知する。
【0023】
図2に示す本発明の代表的な実施形態A及びBによれば、第1及び第2水平方向1次元センサー回路構成要素204それぞれと、垂直方向センサー回路構成要素103との角度方向は、3次元又は軸、即ちX、Y、Z軸に沿う外部磁界の3つの直交する成分を正確に感知し測定するように調整される。本発明のこの態様の好適な実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素103は、薄型で、即ち高さが約1.1mmに満たない。代替実施形態では、3軸より少ない軸に沿って力を感知する垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージを作ることができる。図2を例に用いると、1つの水平方向1次元センサー回路構成要素204を省き、残りの水平方向センサー回路構成要素204と垂直方向センサー回路構成要素103を、本発明の方法に従って取り付けたまま残すことができる。
【0024】
図3は、垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの前面及び側面概略図であり、垂直方向センサー回路構成要素103、水平方向センサー回路構成要素102、204、及びPCBの間の代表的な取り付け方法を示している。図3は、例えば、図1の3軸センサー100、又は図2の1つ又は複数の水平方向1次元センサー回路構成要素204及び垂直方向センサー回路構成要素103を備えている。センサーパッケージ、例えば磁気センサーは、センサー回路構成要素を取り付けるPCB101を含んでいる。水平方向センサー回路構成要素102又は水平方向1次元センサー回路構成要素204は、ワイヤボンディング、フリップチップ及び可撓性相互接続ボンディングのような標準的なチップオンボード技法を使って、電気的接続105でPCB101に取り付けられている。そのような代表的な電気的接続は、図3(A)では水平方向センサー回路構成要素102、204とPCB101の間のワイヤボンディング又はTABボンディング105で表されており、図3(A)及び(C)では垂直方向センサー回路構成要素103とPCB101の間のはんだ付け接合105で表されており、図3(B)では垂直方向センサー回路構成要素103とPCB101の間の、導電性エポキシ105に包まれているスタッドバンプで表されている。図4−7も、フリップチップ式電気的接続を代表例として示している。電気的接続105は、図に示しているものに限定されない。この代表的な実施形態では、PCB101のX−Y面に取り付けられているか、又はPCB101の面上の磁界を感知するセンサー102、204と、垂直方向センサー回路構成要素103は、それらの間の電気的接続105を特徴としてはおらず、センサー構成要素接着剤104によって接続されており、センサー102、204、垂直方向センサー回路構成要素103、及びPCB101の間には接着剤の層が形成されている。センサー構成要素接着剤104は、非導電性又は導電性の何れでもよい。例えば、センサー構成要素接着剤104は、非導電性エポキシ、導電性エポキシ、又ははんだで形成することができる。センサー構成要素接着剤104は、具体的な縮尺を示唆するためのものではなく、図3に示しているものよりも厚くても薄くてもよい。先に述べた実施形態でのように、PCB101のX−Y面に取り付けられているか、PCB101の面上の磁界を感知するセンサー102、204は、その厚さに沿って略垂直方向の縁部を有するように、賽の目に切断されているのが望ましい。センサー102、204の厚さに沿う縁部は、センサー102、204、及びPCB101に直交して取り付けられる垂直方向センサー回路構成要素103への支持部として働く。
【0025】
図4は、図3の代表的なセンサーパッケージの代替実施形態の側面図である。この代表的な実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素103は、水平方向に、即ちPCB101のX−Y面上に縁部が垂直方向センサー回路構成要素103に対する直接の支持部として働くように取り付けられているセンサー102、204の縁部に、直接相対して取り付けられている。そのような実施形態では、センサー102、204と垂直方向センサー回路構成要素103は、導電性エポキシ、非導電性エポキシ、又は他の接着剤を備えているセンサー構成要素固定部107(導電性、又は望ましくは非導電性)によって接着されているのが望ましい。センサー構成要素固定部107は、例えば、センサー102、204と垂直方向センサー回路構成要素103の間の境界108に沿ってビードを形成する。代表的な電気的接続105は、水平方向センサー回路構成要素102、204の上面とPCBの間のワイヤボンディング又はTABボンディング105のような可撓性相互接続ボンディング、並びに、水平方向センサー回路構成要素102、204のPCB取り付け面とPCB101の間のフリップチップ技法によって示されている。水平方向センサー回路構成要素とPCBの間の電気的相互接続の代替方法は、別々に用いるのが望ましいが、同時に用いてもよい。
【0026】
図5は、本発明による垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの別の代わりの代表的な実施形態の側面図である。図5は、図3に示している実施形態と似ているが、1つだけ大きな相違点がある。図5は、PCB101のX−Y面に取り付けられているセンサー102、204と、垂直方向センサー回路構成要素103が、直接電気的に連通しており、即ち、両者の間の電気的接続106を特徴としている実施形態を示している。そのような実施形態では、センサー102、204の縁部、並びに両者の間の電気的接続106の両方が、垂直方向センサー回路構成要素103の支持部として働く。PCB101のX−Y面に取り付けられているセンサー102、204と垂直方向センサー回路構成要素103の間の電気的接続は、ワイヤボンディング、フリップチップ、及び例えばテープボンディング(TAB)などの可撓性相互接続ボンディングのような、当該技術分野における標準的な技法を使って形成することができる。同様に、図2(B)に示しているような実施形態では、センサー構成要素103、204は、どちらも、隣接している何れの他のセンサー構成要素とも直接電気的に連通していてもよい。水平方向及び垂直方向センサー回路構成要素は互いに電気的に連通していてもよいが、垂直方向センサー回路構成要素は、例えば、図7に示しているI/Oパッドによって容易に形成できる接続部を通して、PCBと電気的に接触しているのが望ましい。図4でのように、代表的な電気的接続105は、水平方向センサー回路構成要素102、204の上面とPCBの間のワイヤボンディング又はTABボンディングのような可撓性相互接続ボンディング、並びに水平方向センサー回路構成要素102、204のPCB取り付け面とPCB101の間のフリップチップ技法によって示されている。この場合も、水平方向センサー回路構成要素とPCBの間の電気的相互接続の方法は、別々に用いるのが望ましいが、同時に用いてもよい。
【0027】
図6は、本発明による垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの別の代わりの代表的な実施形態の側面図である。図6は、図5と似ているが、センサー構成要素固定部107が追加されている。例えば、センサーを整列不良にするか、或いは損傷させるように作用しかねない大きな力がセンサーに掛かるような、頑強なセンサーを必要とする用途では、1つ又は複数の電気的接続部106又はセンサー構成要素接着部104から得られる以上の構造的な完全性を必要とする。そのような事例では、垂直方向センサー回路構成要素103を、センサー102、204の縁部に対して、又は直接に、より適切に支え又は支持するために、センサー構成要素固定部107を利用することができる。センサー構成要素固定部107は、センサー回路構成要素同士の間の境界面の何処にでも配置することができる。例えば、センサー構成要素固定部107は、図6に示すように、ダイの側面に沿って配置することもできる。代わりに、センサー構成要素固定部107は、図4に示すように、水平方向センサー回路構成要素の面と垂直方向センサー回路構成要素の縁部の間の境界面に沿って配置することもできる。そのような実施形態では、センサー構成要素固定部107(導電性、又は望ましくは非導電性)は、例えば、導電性エポキシ、非導電性エポキシ、又は他の接着剤を含んでいる。センサー構成要素固定部107は、センサー102、204と垂直方向センサー回路構成要素103の間の境界面108に沿ってビードを形成する。同様に、センサー構成要素固定部107は、図2(B)に示しているような、全てのセンサー構成要素103、204が、直接電気的又は非電気的に連通している実施形態と共に用いることもできる。図4及び図5でのように、先に概説した電気的相互接続105を形成する方法は、別々に用いるのが望ましいが、同時に用いてもよい。
【0028】
図7は、一列のI/Oパッド702が、この代表的な例では垂直方向センサー回路構成要素の感受方向に直交している(図3(C)に似ている)垂直方向センサー回路構成要素の第2面に配置されている、代表的な垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの概略図である。先に述べたように、垂直方向センサー回路構成要素は、1つ又は複数の軸に沿って力を感知することができるので、Z軸だけに沿って力を感知できる必要はない。この代表的な実施形態では、垂直方向及び水平方向のセンサー回路構成要素は、例えば図1−6の何れかに示しているように接続することができる。一列の電気的接点は、この代表的な例では、垂直方向センサー回路構成要素の感受方向に直交する、垂直方向センサー回路構成要素の第1面に沿って配置されている。更に、ここではX及びY軸の2つの軸に沿った力を感知する水平方向センサー回路構成要素を示しているが、水平方向センサー回路構成要素も、Z軸を含む1つの軸に沿った力を感知することができる。はんだ又はスタッドバンプのような電気的接点は、一列に配置され、垂直方向センサー回路構成要素103とPCB101の間の電気的接続をやり易くするのが望ましい。
【0029】
図8は、垂直方向センサー回路構成要素103をPCB101に取り付ける方法のフローチャートである。垂直方向センサー回路構成要素は、第1及び第2面、底面、上及び2つの側縁部、及び第2面に底縁部近くに配置されているI/Oパッドを備えている。垂直方向センサー回路構成要素103の底縁部は、PCB101に導電的又は非導電的に接続されており、そのことは、ボックス1に示している。前記垂直方向センサー回路構成要素103は、水平方向センサー回路構成要素102、204に近接又は隣接して取り付けられている。ボックス2は、垂直方向センサー回路構成要素103の第1面を、1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素102、204の垂直方向センサー回路構成要素境界縁部に接続する段階を示しており、前記水平方向センサー回路構成要素は、上面、PCB取り付け面、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部、及び少なくとも2つの他の縁部を備えている。ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、及びテープボンディング(TAB)のような可撓性相互接続ボンディング技法のような標準的なチップオンボード技法が用いられる。センサー102、204は、垂直方向センサー回路構成要素103をPCB101に接続する前又は後に取り付けることもできる。垂直方向センサー回路構成要素をPCB101に取り付けるこの方法は、結果として、センサー回路構成要素103が電気的又は非電気的に接続されている1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素102、204の垂直方向センサー回路構成要素境界縁部が、垂直方向センサー回路構成要素103をZ軸に沿って支持することになる。出来上がったセンサーパッケージは、直交整列している感知軸の間の整列の歪みに対して、耐久性及び抵抗性がある。垂直方向センサー回路構成要素103は、1つ又は複数の面にI/Oパッドを備えることができる。PCB101上に垂直方向に取り付けられている1つ又は複数のセンサー回路構成要素103と、望ましくは1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素102、204は、縁部が面に実質的に垂直になるように、賽の目に切断されているのが望ましい。
【0030】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の磁界感知回路構成要素は、水平方向センサー回路構成要素であり、別の実施形態では、1つ又は複数の水平方向1次元センサー回路構成要素である。垂直方向磁界感知回路構成要素は、磁界感知回路構成要素に非導電的に接続し、非導電性接続は、非導電性エポキシのような接着剤を使って形成することができる。
【0031】
図9は、3つの直交軸に沿う磁界の強さを測定するための多軸磁力計を作る方法のフローチャートである。上面、PCB取り付け面、垂直方向磁気センサー回路構成要素境界縁部、及び2つ又はそれ以上の他の縁部を備えた1つ又は複数の磁界感知回路構成要素102、204は、ボックス1に示しているように、それらのPCB取り付け面によってPCB101に取り付けられている。ボックス2は、第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、入/出力(I/O)パッド、及び感受方向を備えた磁気センサー回路構成要素103を、PCB101に取り付ける段階を示しており、I/Oパッドは、センサー回路構成要素103の第2面に配置されており、この代表的な事例では、感受方向は、底縁部に近接して配置されたI/Oパッドに垂直である。図7も参照されたい。先に述べたように、垂直方向センサー回路構成要素の感受方向は、Z軸に沿っている必要はない。更に、垂直方向センサー回路構成要素は、2つ以上の軸に沿って力を感知できてもよい。この方法では、垂直に取り付けられている磁気センサー回路構成要素103は、水平方向に取り付けられている磁界感知回路構成要素102、204に取り付けられており、それによって支持されている。垂直方向に取り付けられている磁気感知回路構成要素103は、1つ又は複数の磁界感知回路構成要素102、204に、接着剤、望ましくは非導電性エポキシで非導電的に接続することができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の磁界感知回路構成要素は、水平方向センサー回路構成要素(即ち、X、Y及び/又はZ軸の内の何れか2軸に沿って力を感知する2次元センサー)であり、別の実施形態では、1つの軸に沿って力を感知する1つ又は複数の水平方向1次元センサー回路構成要素である。垂直方向磁気感知回路構成要素は、磁界感知回路構成要素に非導電的に接続することができ、非導電性接続は、非導電性エポキシのような接着剤で形成することができる。
【0033】
更に、垂直方向に取り付けられた磁気感知回路構成要素103は、その第1面にI/Oパッドを備えていてもよく、1つ又は複数の磁界感知回路構成要素102、204は、例えば、それらの上面にI/Oパッドを備えており、垂直方向磁気感知回路構成要素と1つ又は複数の磁界感知回路構成要素は、I/Oパッドによって導電的に接続することができる。図6も参照されたい。垂直方向磁気感知回路構成要素と1つ又は複数の磁界感知回路構成要素の間の導電性接続は、例えば、ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、及びテープボンディング(TAB)のような可撓性相互接続ボンディング技法によって形成することができる。
【0034】
本発明の上記態様の好適な実施形態では、垂直方向センサー回路構成要素103は、薄型で、即ち、高さが約1.1mm以下である。更に、各図は、代表的な実施形態を示しており、本発明の垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージ法及びセンサーパッケージを磁気センサーに限定するわけではない。各図の磁気センサーに置き換えることのできる別のセンサー型式は、例えば、傾斜センサーか、又は、PCB工程で使用でき、小型で、望ましくは高さが約1.1mm以下の何らかの他のセンサーである。本発明の垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージと、前記垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージを作る方法は、携帯電話のような持ち運び可能で、手で持てるサイズの装置を含む電子装置に組み込むことができる。
【0035】
一般的に述べると、磁界は、大きさと方向の両方を有するベクトル量として特徴付けることができる。磁気センサーは、この量を様々な方法で測定する。或る種の磁力計は、磁界の合計強さを測定するが、方向は測定しない(スカラーセンサー)。他の磁力計は、磁化の成分のその感知軸に沿う強さを測定する(全方向性センサー)。この測定は、方向も含んでいる(二方向センサー)。ベクトル磁気センサーは、2つ又は3つの二方向センサーを有していてもよい。或る種の磁気センサーは、ビルトインされた閾値を有しており、その閾値を上回ったときだけに出力を生成する。本発明で使用できる磁気センサーの型式には、リードスイッチ、可変磁気抵抗センサー、磁束ゲート磁力計、磁気誘導センサー、及びホール装置を含む旧式技法が含まれているが、異方性磁気抵抗(AMR)センサーのような比較的新しい半導体センサーが、PCB工程に適応性があり、小型であるため、好適である。本発明は、先に述べたセンサー、望ましくはAMRセンサーを任意に組み合わせて作られた垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージと関係している。前記センサーパッケージは、製造時に、ここに記載している垂直方向ダイ・チップオンボード法を利用する。
【0036】
地球の磁界は、(磁界の変化の導関数を測定することによって)、例えば、航行のコンパス方位及びヨーレートを判定するのに利用することができる。AMRセンサーは、DC静止磁界、並びに磁界の強さと方向を感知することができるので、地球の磁界内の直線方向及び角度方向の位置と変位を測定する優れた手段を提供する。AMRセンサーは、一般的に、シリコンウェーハ上に蒸着されたニッケル鉄(パーマロイ)の薄膜で作られ、抵抗性の条片としてパターン化されている。AMRの薄膜の特性は、磁界が存在しているところでは、薄膜の抵抗を2−3%変化させる。通常、これら抵抗器4個がホイートストンブリッジ構成に接続され、1つの軸に沿って磁界の強さと方向の両方を測定できるようになっている。典型的なAMRセンサーでは、帯域幅は、1−5MHzの範囲にある。磁気抵抗効果の応答は迅速で、コイル又は振動周波数によって制限されない。AMRセンサーの他の利点は、低コスト、高感度、小型で、信頼性が高く、十分なノイズ免疫性を有しており、シリコンウェーハ上に大量に製作して、商業ベースの集積回路パッケージに取り付けることができることである。これによって、磁気センサーを、他の回路及びシステムの構成要素と共に自動的に組み立てることができるようになる。AMRセンサーは、例えば、ハネウェル社から入手可能である。
【0037】
本発明は、様々な機能の垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージを作るために、本発明の垂直方向ダイ・チップオンボードパッケージ法によって、追加的型式のセンサー(磁気センサー以外)を利用することにも関する。例えば、航行及び輸送機姿勢情報を提供するために、傾斜センサーを磁気センサーと組み合わせて使うことができる。航空機協定は、ヘディング、ピッチ及びロールという3つの角度に関して姿勢パラメータを定義している。3つの角度は、局所的水平面を基準にしている。つまり、この面は地球の重力ベクトルに垂直である。ヘディングは、局所的水平面上の、真北(地球の極軸)から時計回りに測定した角度と定義される。ピッチは、航空機の長手方向軸と局所的水平面の間の角度と定義される(機首が上がっているのが正)。ロールは、局所的水平面と実際の飛行方位の間の長手方向軸回りの角度と定義される(右翼が下がっているのが正)。傾斜センサー出力からヘディング、ピッチ及びロールを求める方法は、当該技術分野では周知である。
【0038】
普通の傾斜測定装置は、加速度計、電解質(流体)ベースの傾斜センサー、及びジンバル付機械構造体を含んでいる。局所的水平面を求める別の方法は、既知の慣性座標方位を常時維持するためにジャイロスコープを使用することである。PCB工程で使用するように適合させることができ小型にすることのできる傾斜センサー、例えば加速度計と電解質センサーは、好適な傾斜センサーである。前記傾斜センサーは、本発明によってPCBに取り付けることができる。
【0039】
2軸電解質及び二軸加速度計のような低コストの傾斜センサーは、ロール及びピッチ角度を直接測定する。ガラス製の「シンブル」に似ている液体充填式電解質傾斜センサーは、センサーが角度を変えたときの流体の運動を監視する電極を使用する。半導体の加速度計傾斜センサーは、電子機械回路によって地球の重力場を測定する。これらのセンサーは、局所的水平面からの角度の偏りを測定する2つの単軸構成要素を有している点で同様である。信号調整回路は、傾斜角度に比例する出力信号を生成するのに用いられる。これらのセンサーの型式は、動くか又は振動する部品を有していないので、ストラップダウン装置と考えられる。ヘディングを何れの方位にでも出力するためにストラップダウンコンパスが必要な場合、最低でも、コンパスシステムは、3軸磁気センサーと2軸傾斜を有していなければならない。ヘディングの計算は、3つ全ての磁気構成要素(X、Y、Z)に依存しているので、コンパスの方位を水平面まで数学的に回転させることができる。従って、Xh及びYh(地球の磁界の水平方向成分)成分を、ヘディング値を求めるために計算することができる。
【0040】
従って、本発明は、センサーを、印刷回路板の面に取り付けられている他のセンサーに対して直交方向に取り付けるための需要を満たしており、前記直交方向に取り付けられるセンサーは、Z軸上の力又は磁界を測定する。具体的に、本発明は、直交方向のセンサーを、例えば、携帯電話及び他の消費者用及び商業用製品に、薄型方式で取り付けるための方法を提供しており、その方法は、コストに敏感で、大量生産され、普通のPCBアッセンブリ工程に容易に適用することができる。
【0041】
理解頂けるように、図示の実施形態は、代表的な例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。請求項は、記載されている順序又は要素に、その効果について述べていない限り、限定されるものではない。従って、特許請求の範囲に述べる範囲及び精神に含まれる全ての実施形態と、その等価物を、本発明として請求する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】X−Y面内の2軸磁気センサーと、Z面の1軸磁気センサーを備えている代表的な実施形態による垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの概略図である。
【図2】本発明に従って取り付けられている、X面の1軸磁気センサーと、Y面の1軸磁気センサーと、Z面の1軸磁気センサーとを備えている代表的な実施形態による、垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの、2つの異なる構成の概略図である。
【図3】垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの正面及び側面概略図であり、垂直方向センサー、水平方向センサー及びPCBの間の取り付けの代表的な方法を示している。
【図4】代表的な実施形態による、垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの側面概略図であり、印刷回路板表面上のセンサーの間の代替非導電性接着を示している。
【図5】代表的な実施形態による、垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの側面概略図であり、印刷回路板表面上のセンサーの間の導電性接着を示している。
【図6】代表的な実施形態による、垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの側面概略図であり、代表的な補助的非導電性接着による、印刷回路板表面上のセンサーの間の導電性接着を示している。
【図7】一列のI/Oパッドが垂直方向センサー回路構成要素の感受方向に直交する垂直方向センサー回路構成要素の第2面上に配置されている代表的な実施形態による垂直方向ダイ・チップオンボードセンサーパッケージの概略図である。この列と感受方向の両方は、この代表的な実施形態に示されているのとは違うように配置することができる。
【図8】代表的な実施形態による、垂直方向センサー回路構成要素を印刷回路板(PCB)上に取り付ける方法のフローチャートである。
【図9】代表的な実施形態による、多軸磁力計を作る方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーパッケージにおいて、
a)第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、前記第2面上に配置されている入/出力(I/O)パッド、及び少なくとも1つの感受方向を備えた垂直方向センサー回路構成要素と、
b)上面、印刷回路板(PCB)取り付け面、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部、少なくとも2つ又はそれ以上の他の縁部、及び前記垂直方向センサー回路構成要素の感受方向に直交する少なくとも1つの感受方向を備えた水平方向センサー回路構成要素と、を備えており、
前記水平方向センサー回路構成要素の前記垂直方向センサー回路構成要素境界縁部は、前記垂直方向センサー回路構成要素をZ軸に沿って接続的に支持している、センサーパッケージ。
【請求項2】
前記垂直方向センサー回路構成要素の前記底縁部と前記上縁部の間の距離は、約1.1mmである、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項3】
前記垂直方向センサー回路構成要素の前記底縁部と前記上縁部の間の距離は、約1.1mm未満である、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項4】
前記垂直方向センサー回路構成要素の前記I/Oパッドは、一列に配置されている、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項5】
前記垂直方向センサー回路構成要素上の前記I/Oパッドは、ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、可撓性相互接続ボンディング、及びテープボンディング(TAB)技法から成るグループから選択された方法と適合性がある、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項6】
前記第1面は、水平方向センサー回路構成要素に導電的に接続するためのI/Oパッドを備えている、請求項1に記載の垂直方向センサー回路構成要素。
【請求項7】
前記I/Oパッドは、ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、可撓性相互接続ボンディング、及びテープボンディング(TAB)技法から成るグループから選択された方法と適合性がある、請求項6に記載の垂直方向センサー回路構成要素。
【請求項8】
前記垂直方向センサー回路構成要素と、前記水平方向センサー回路構成要素は、半導体センサーである、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項9】
前記垂直方向センサー回路構成要素と、前記水平方向センサー回路構成要素は、磁気センサーである、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項10】
前記垂直方向センサー回路構成要素と、前記水平方向センサー回路構成要素は、傾斜センサーである、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項11】
前記垂直方向センサー回路構成要素はセンサーを備えており、前記水平方向センサー回路構成要素は、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部付きの半導体チップを備えている、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項12】
前記垂直方向センサー回路構成要素は、前記水平方向センサー回路構成要素に導電的に接続されている、請求項1に記載のセンサーパッケージ。
【請求項13】
第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、及び前記第2面上に配置されているI/Oパッドを備えている垂直方向センサー回路構成要素をPCBに取り付けるための方法において、
a)前記垂直方向センサー回路構成要素の前記底縁部を前記PCBに接続する段階と、
b)前記垂直方向センサー回路構成要素の前記第1面を、上面、PCB取り付け面、垂直方向センサー回路構成要素境界縁部、及び少なくとも2つの他の縁部を備えており、且つ前記PCBに接続されている1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素の前記垂直方向センサー回路構成要素境界縁部に接続する段階と、から成り、
前記垂直方向センサー回路構成要素が接続されている前記水平方向センサー回路構成要素の前記垂直方向センサー回路構成要素境界縁部は、前記垂直方向センサー回路構成要素をZ軸に沿って支持している、方法。
【請求項14】
前記垂直方向センサー回路構成要素は、ワイヤボンディング、フリップチップ、はんだバンピング、スタッドバンピング、導電性エポキシ、可撓性相互接続ボンディング、及びテープボンディング(TAB)技法から成るグループから選択された方法によって、前記PCBに導電的に接続されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記垂直方向センサー回路構成要素は、導電性エポキシ、はんだバンピング、又はスタッドバンピング技法によって、前記PCBに導電的に接続されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記垂直方向センサー回路構成要素と前記1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素は、前記各縁部が前記各面に実質的に垂直になるように賽の目に切断されている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも2つの直交軸に沿って磁界の強さを測定するための多軸磁力計を作るための方法において、
a)上面、PCB取り付け面、垂直方向磁気センサー回路構成要素境界縁部、及び2つ又はそれ以上の他の縁部を備えている1つ又は複数の磁界感知回路構成要素を、それらの前記PCB取り付け面でPCBに取り付ける段階と、
b)第1面、第2面、底縁部、上縁部、2つの側縁部、前記第2面上に配置されている入力/出力(I/O)パッド、及び感受方向を備えている垂直方向磁気センサー回路構成要素を前記PCBに取り付ける段階と、から成り、
前記垂直方向磁気センサー回路構成要素は、前記磁界感知回路構成要素に取り付けられ、それによって支持されている、方法。
【請求項18】
前記磁界感知回路構成要素は、1つ又は複数の水平方向センサー回路構成要素である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記磁界感知回路構成要素は、1つ又は複数の水平方向1次元センサー回路構成要素である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記垂直方向磁気感知回路構成要素は、前記磁界感知回路構成要素に非導電的に接続されている、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記非導電性接続は接着剤で形成されている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記接着剤は非導電性エポキシである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記垂直方向磁気感知回路構成要素は、前記磁界感知回路構成要素に導電的に接続されている、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記導電性接続は接着剤で形成されている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記接着剤は導電性エポキシである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項17の方法に従って作られた、少なくとも2つの直交軸に沿って磁界の強さを測定するための多軸磁力計。
【請求項27】
傾斜センサーを更に備えている、請求項26の、3つの直交軸に沿って磁界の強さを測定するための多軸磁力計。
【請求項28】
前記垂直方向磁気センサー回路構成要素は、高さがPCBの上方約1.1mmである、請求項26の、3つの直交軸に沿って磁界の強さを測定するための多軸磁力計。
【請求項29】
前記垂直方向磁気センサー回路構成要素は、高さがPCBの上方約1.1mmである、請求項27の、3つの直交軸に沿って磁界の強さを測定するための多軸磁力計。
【請求項30】
前記垂直方向磁気センサー回路構成要素は、高さがPCBの上方約1.1mm未満である、請求項26の、3つの直交軸に沿って磁界の強さを測定するための多軸磁力計。
【請求項31】
前記垂直方向磁気センサー回路構成要素は、高さがPCBの上方約1.1mm未満である、請求項27の、3つの直交軸に沿って磁界の強さを測定するための多軸磁力計。

【図1】
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【図2】
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【図3(I)】
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【図3(II)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−525676(P2007−525676A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500980(P2007−500980)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/005946
【国際公開番号】WO2005/085891
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】