説明

垂直磁気記録媒体の製造方法

【課題】高S/N比かつ高熱擾乱耐性を有する垂直磁気記録媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に、少なくとも磁性層を形成する垂直磁気記録媒体の製造方法であって、前記磁性層である垂直磁気記録層は、磁性結晶粒子と、磁性結晶粒子間に介在する非磁性層からなる結晶粒界とを備え、予め、前記結晶粒界厚と磁化反転核生成磁界Hnとの相関関係を求めておき、前記相関関係に基づいて、所定の磁化反転核生成磁界Hnが得られる結晶粒界厚を選定し、前記選定した結晶粒界厚となるよう製造する、垂直磁気記録媒体の製造方法とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブ(磁気ディスク装置)などに搭載される磁気ディスク用磁気記録媒体にかかり、より詳細には、磁気ディスク用垂直磁気記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に、磁気記録技術を用いたハードディスクドライブの面記録密度は、近年、〜100%/年の割合で増加し続けている。高面記録密度を達成するためには、当然のこととして、情報信号を記録するための媒体、いわゆる磁気記録媒体と、情報信号を記録再生するための磁気ヘッドの両者の性能向上が必要不可欠である。特に、磁気記録媒体において、その性能向上、すなわち高面記録密度で充分なS/N比を確保するためには、情報信号の記録を担う強磁性層の結晶粒子を微細化すると共に、その層厚の低減を図る必要がある。
【0003】
従来、磁気記録媒体の記録方式として、面内記録方式(水平記録方式、長手記録方式とも呼称される)が採用されてきた。しかし、面内記録方式においては、高記録密度化への対応から、磁性結晶粒子の微細化と磁性層膜厚の低減が進展した結果、超常磁性現象による熱擾乱耐性の低下が起こるようになり、結果として、記録された情報信号が時間の経過と共に消失する問題が発生するようになってきた。
これを打開する方法として、幾つかの方法が提案されているが、その一つに垂直磁気記録方式がある。この垂直磁気記録方式は、高面記録密度領域において、良好な熱擾乱耐性を維持しつつ、かつ十分なS/N比を達成できる方法として着目されている。
【0004】
従来の垂直磁気記録方式に用いられている記録媒体について、図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3は、従来の垂直磁気記録媒体の断面形状概略図であり、図2は、いわゆる単層型垂直磁気記録媒体、図3は、いわゆる2層型垂直磁気記録媒体である。図中、21及び31はガラスあるいはAl合金等から成る基板、22はTiあるいはTi合金膜等から成る結晶軸制御層(非磁性下地層)、23及び34はCoCrPt合金膜等から成る垂直磁気記録層、24及び35はC膜等から成る保護層、32はCoNbZr非晶質合金膜等から成る下地軟磁性層、33は下地軟磁性層32と垂直磁気記録層34との磁気的交換結合を遮断するための中間層、25及び36は潤滑層、である。
【0005】
これらの図に示すような垂直磁気記録層は、長手記録媒体の場合と同様、微細結晶粒子の集合である多結晶体である。しかし結晶粒子の平均的磁化容易軸方向は、基板面法線方向に略平行である。情報信号は、垂直磁気記録層の磁化方向の位置変化として記録される。
【0006】
垂直磁気記録媒体の場合、その記録ビット内における平均磁化方向が、基板面に対し垂直の上下方向であるのに対し、長手記録媒体場合には、その平均磁化方向が、基板面内でかつ円周方向に平行であり、記録ヘッドの走行方向、もしくはその反対方向となる。この記録状態における磁化方向の差異が、前述した垂直磁気記録方式の特徴、良好な熱擾乱耐性を維持しつつ充分なS/N比を達成できる所以である。(参考文献:H.N.Bertram and M.Williams, “SNR and Density Limit Estimations : A Comparison of Longitudinal and Perpendicular Recording”, IEEE Trans. Magn., vol.36, pp4-9 (2000))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の垂直磁気記録媒体においては、その磁気特性上の問題点により、前述した垂直磁気記録方式の有するポテンシャルを充分に引き出すことはできなかった。以下、本発明が解決しようとする問題点、すなわち、従来の垂直磁気記録媒体の有する問題点を、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、垂直磁気記録層の記録状態における微視的構造を示す概略図である。図中において、41は垂直磁気記録層、42は垂直磁気記録層を形成する結晶粒子、43は磁化遷移線、44及び45は各記録ビット内における平均的磁化方向を表す矢印、46は各記録ビット内において、平均的磁化方向と異なる方向を向く逆磁区である。
【0008】
一般的に、垂直磁気記録媒体におけるノイズ源は、(1)不規則な磁化遷移線形状と(2)逆磁区の発生、にあることが知られている。すなわち、高S/N媒体を開発する際には、直線性の良好な磁化遷移線と逆磁区発生頻度の極小化を図ることが肝要である。特に、磁化遷移線の直線性を確保するためには、結晶粒子間に働く磁気的交換相互作用の遮断を図ることが必要不可欠である。
以上説明したように、垂直磁気記録方式の優れたポテンシャルを引き出すための、垂直磁気記録層の要点は、逆磁区発生の抑圧と粒間交換相互作用の遮断である。
【0009】
逆磁区の発生傾向及び粒間交換相互作用の大きさについては、MH曲線の形状により評価できる。図5に従来の垂直磁気記録媒体に係るMH曲線を掲げる。
図5中、Hcは保磁力、Msは飽和磁化、Mrは残留磁化、Hnは磁化反転核生成磁界を表す。
Hnは、保磁力HcにおけるMH曲線の接線(磁化量は磁界の1次関数として表現される)において、磁化量が飽和磁化Msとなるときの磁界の値として求められる。
逆磁区の発生傾向はMr/Ms比(以下、角型比と記す)によって評価することができる。この角型比が小さいほど、逆磁区の発生頻度が高い。逆磁区防止の観点からは、角型比は1に近い方が好ましい。
【0010】
粒界交換相互作用の大きさは、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きによって評価することができる。保磁力HcにおけるMH曲線の傾きが大きいほど、粒間交換相互作用が大きい。粒界交換相互作用を抑止するためには、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きの理論的下限である1/(4π)(πは円周率、CGS単位系)に近いほど好ましいとされる。
また、熱擾乱耐性と前記Hnとは一定の関係があることが知られており、Hnが小さいほど、熱擾乱耐性が高くなる傾向にある。従って、熱擾乱耐性を向上させるためには、なるべく小さい値であることが好ましい。
しかしながら、従来の垂直磁気記録媒体において、上述の、(1)逆磁区、(2)粒界交換相互作用、(3)熱擾乱耐性の各々に求められる好ましい特性を同時に両立させることができなかった。
【0011】
本発明の目的は、垂直磁気記録媒体において、(1)逆磁区、(2)粒界交換相互作用、(3)熱擾乱耐性の各々に求められる好ましい特性を同時に両立させて、高S/N比でかつ、熱擾乱耐性に優れた、磁気ディスク用垂直磁気記録媒体及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決し、所望の目的を達成するために、本発明は、次のように構成される。
(1)基板上に、少なくとも磁性層を有する垂直磁気記録媒体において、
前記磁性層を構成する磁性結晶粒子の粒径は5nm〜20nmであって、
前記磁性結晶粒子間に介在する非磁性体からなる結晶粒界厚は0.5nm以上である、垂直磁気記録媒体とした。
(2)基板上に、少なくとも磁性層を有する垂直磁気記録媒体において、
磁化反転核生成磁界はHn<0、角型比は0.75以上、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きは略1/(4π)である、垂直磁気記録媒体とした。
【0013】
(3)(1)の垂直磁気記録媒体において、
磁化反転核生成磁界はHn<0、角型比は0.75以上、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きは略1/(4π)である、垂直磁気記録媒体とした。
【0014】
(4)基板上に、少なくとも磁性層を形成する垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
前記磁性層は、磁性結晶粒子と、磁性結晶粒子間に介在する非磁性体からなる結晶粒界とを備え、
予め、前記結晶粒界厚と磁化反転核生成磁界Hnとの相関関係を求めておき、
前記相関関係に基づいて、所定の磁化反転核生成磁界Hnが得られる結晶粒界厚を選定し、前記選定した結晶粒界厚となるよう製造する、垂直磁気記録媒体の製造方法とした。
【0015】
なお、これら本発明による垂直磁気記録媒体では、前記非磁性体により前記磁性結晶粒子間の磁気的交換相互作用が遮断されているよう構成されており、さらに、前記磁性層の材料は、CoとCr, Ptとを含むこととして構成されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、高いS/N比と良好な熱擾乱耐性とを備える磁気ディスク用垂直磁気記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明者らが前述の目的に鑑み、鋭意研究を行なったところ、垂直磁気記録媒体において、前述の磁化反転核生成磁界Hn、角型比Mr/Ms、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きの各々の特性は、磁性層(垂直磁気記録層)の磁性結晶粒子の粒界に形成される非磁性体の厚さ、即ち結晶粒界厚と密接な関係があることを発見した。この知見に基づき研究を進めたところ、磁性結晶粒子の粒径が5nm〜20nmであって、前記結晶粒界厚が0.5nm以上とした場合、磁化反転核生成磁界Hn、角型比Mr/Ms、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きのそれぞれを同時に、前述した好適な値にできることを発見した。
本発明によれば、Hn<0とすることができ、Mr/Msを0.75以上とすることができ、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きを略1/(4π)(CGS単位系) とすることができるので好適である。
本研究者らの実験に基づくと、本発明による垂直磁気記録媒体は、高いS/N比と優れた熱擾乱耐性性が得られるようになるので、高記録密度化に適した垂直磁気記録媒体を得ることができ好適である。
本発明者らの研究によれば、本発明で得られる作用効果は、次のように考察されている。
【0018】
以下、本発明による成る解決手段を図6を用いて説明する。図6は、垂直磁気記録媒体の膜構造を示す概略側断面図である。図中、61は基板、62は非磁性下地層、63はCo基多結晶合金膜から成る垂直磁気記録層、64は垂直磁気記録層63を構成する磁性結晶粒子、65は結晶粒子間に存在する非磁性結晶粒界である。なお、非磁性下地層62は、垂直磁気記録層63の結晶軸の優先配向性、あるいは結晶粒子63の大きさを制御する、等の機能を有するものであり、必ずしも単一の非磁性層である必要はなく、複数の薄膜が積層された、いわゆる多層構成も採り得る。
このとき、配置される前記非磁性結晶粒界65は、前記磁性結晶粒子64を隔てる多数の非磁性結晶粒界65の間隔(最短距離)の平均値として、非磁性体平均配置間隔を有しており、これを「結晶粒界65の厚さ」と呼んでもよい。
【0019】
本発明の構成に関して発明者らが行なった研究結果に基づき、発明者らはシミュレーションによる数値解析を行った。結果は図7に掲げる。図7の横軸は、非磁性体からなる結晶粒界厚であり、縦軸は磁化反転核生成磁界(Hn)及び保磁力(Hc)である。図7における曲線71は、Hnについての解析結果を示したものであり、曲線72はHcについての解析結果を示したものである。ここで、磁性結晶粒子間の交換相互作用は働かないものとし、また、Ms:300emu/cc、結晶磁気異方性エネルギー:1×10-6erg/cc、磁性結晶粒子の粒径:10nm、磁性結晶粒子の垂直方向高さ30nmと仮定して数値解析シミュレーションを行った。
本発明者らの解析結果から、同図に示したように、磁化反転核生成磁界Hnは、非磁性体からなる結晶粒界の平均厚さとともに、ゼロ未満の小さい値となっていき、また保磁力Hcは増大していく相関関係が算出された。
【0020】
本シミュレーション結果は、定性的には以下のように理解できる。すなわち、前述したように、磁化を有しているのは磁性結晶粒子64のみであり、非磁性結晶粒界65は磁化を有していない。従って、非磁性体からなる結晶粒界厚が零の場合には、垂直磁気記録層63としてみた飽和磁化の値は磁性結晶粒子64の飽和磁化の値Ms、に一致するが、非磁性結晶粒界厚の増加と共に減少することになる。その結果、式(1)に示す関係から、磁化反転核生成磁界Hn、は負側に増大することになる。
なお、図7に示した結果は、単なる一例であり、磁化反転核生成磁界Hnと保磁力Hcの結晶粒界厚依存性は本質的なものであり、特定の結晶粒子64の大きさ、飽和磁化Ms、及び結晶磁気異方性エネルギーにのみに現れる特異な現象ではない。
【0021】
本発明の構成においては、非磁性体からなる結晶粒界厚を所定の範囲とすることで、磁性結晶粒子間の交換相互作用は、殆ど抑制されているか、完全に遮断されているので、MH曲線の傾きは、ほぼ1/(4π)に抑えることができると考えられる。
従来は、垂直磁気記録媒体において、本発明者等が知見した、非磁性体である結晶粒界厚と、磁化反転核生成磁界との相関関係について明らかにされていなかった。
従って、Hn<0、角型比は0.75以上、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きが略1/(4π)の条件を同時に実現する手段は提供されていなかった。
【0022】
その理由を詳述すると、MH曲線の傾きを小さく押さえる場合、前述のように磁性粒子64間の交換相互作用を抑制することが肝要であるが、垂直磁気記録媒体において、前記交換相互作用が無いと仮定した場合、磁化反転核生成磁界Hnは、これをcgs単位系にて表現すれば、近似的に(1)によってあたえられることがしられていた。
【0023】
【数1】

式(1)において、πは円周率である。
【0024】
通常、保磁力Hcは、異方性磁界Hkの1/4〜1/3であるので、Hc=(1/3)×Hkとし、ここで(1)式にHn<0となる条件を代入すると、(2)が得られる。
【0025】
【数2】

【0026】
垂直磁気記録層は六方最密充填構造を有するCo基合金(例えば、CoCr系合金や、CoPt系合金など)が用いられているが、これらCo基合金の場合、Msを減少させると、これに連動して、Hkも減少してしまう。このため、実用上、(2)式条件を満足することができないと考えられていた。
【0027】
本発明においてはHnの特性について、前述した数値解析結果を踏まえ、非磁性体の平均厚さ(結晶粒界厚)の観点に着目して研究開発し、この知見に基づく発明を完成させたものである。
【0028】
本発明において、好適な特性が得られる理由の一つには、前記数値解析の結果からわかるように、Hnの改善(数値は低下)とともに、Hcが向上(数値は増大)する方向に作用しており、Hnを更に改善する方向に作用する点も挙げられる。
【0029】
本発明において非磁性体である結晶粒界の平均厚さとしては、0.5nm〜10nmであると更に好ましく、望ましくは、1.5nm〜5nmであることが望ましい。0.5nm未満では、Hnの改善(低下)効果が不十分であり、また、磁性結晶粒子間の交換相互作用を遮断する効果が不十分でなく、MH曲線の傾きが増大する領域に入るので好ましくない。また、10nmを超えると飽和磁化の減少が顕著となり、記録信号の再生出力が低下傾向となるので好ましくない。この場合、十分なS/Nを得ることが困難になる場合がある。
【0030】
なお、本発明になる垂直磁気記録媒体の磁性結晶粒子の粒径は、特に5〜20nmであることが好ましい。5nm未満では、熱擾乱耐性が劣化するので好ましくなく、20nmを超えると媒体ノイズが増大しS/Nが劣化し易い。S/Nの観点からは15nm以下とすると特に好適である。
また、垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層(磁性層)の膜厚は、10〜50nmであることが好ましく、さらに10〜30nm、より好ましくは、20〜30nmであることが望ましい。10nm未満では、熱擾乱耐性が劣化し、50nmを超えるとS/N比が劣化し易い。
【0031】
なお、本発明の構成によって得られる磁化反転核生成磁界Hnは、前述の理由から0未満の負の値であることが望ましい。特に、60Gbit/inch以上の高記録密度媒体においては、熱揺らぎと媒体ノイズとの関係から、-0.5kOe以下であることが望ましい。本発明において、角型比(Mr/Ms比)は、0.75以上であることが好ましく、さらには0.90以上であることが望ましい。この場合、逆磁区の発生がほぼ抑制されており好適である。
【0032】
本発明において、保磁力HcにおけるMH曲線の傾きは略1/(4π)であることが好ましい。本発明の構成においては、垂直磁気記録層の材料は、高記録密度化が可能という点において、Co系合金、特に、CoCr系合金やCoPt系合金あるいはCoCrPt系合金が好ましい。CoにCrを含有させるのは、磁性結晶粒子間に非磁性体を形成するのを促進し、またPtを含有させるのは、高保磁力化を容易とするので、媒体ノイズの低減と熱揺らぎ耐性の向上にも有利である。この観点から、本発明で提供する60Gbit/inch以上を可能とする垂直磁気記録媒体に対しては、双方が含まれるCoCrPt系は特に有用性に優れている。
【0033】
この系統の合金材料としては、CoCrPtB系合金はS/N比が特に高くなるので好ましい。磁性結晶粒子間に配置される、粒界を形成する非磁性体の材料としては、Crや、Si,Cu,Ag,Au,B,C等が含有されている材料、或いはこれらの酸化物・窒化物が好ましい。何故ならば、これらの物質と前記磁性層の材料となる物質とを同時に成膜すると、前記磁性層の材料からなる磁性粒子の周囲に、前記非磁性体からなる結晶粒界が形成された垂直磁気記録層が形成されるからである。
【0034】
本発明の構成では、高記録密度化の効果をさらに促進するために、基板と垂直磁気記録層との間に、垂直磁気記録層の垂直配向性を高める結晶軸制御層(非磁性下地層)を形成するのが好ましく、また、この場合、前記結晶軸制御層と垂直磁気記録層との間に、結晶軸制御層と垂直磁気記録層との格子結合性を高める中間層とするのも好ましい。結晶軸制御層の材料としては、垂直磁気記録層の垂直配向性を高める効果の大きい、hcp構造をもつTiまたはTi系合金が好ましい。Ti系合金としてはTiCr系合金等が挙げられる。また、前記中間層の材料としてはCoCrTa系合金が好ましい。前記結晶軸制御層の膜厚は特に制限されないが、垂直配向性の観点から、5nm〜20nmであることが好ましい。
【0035】
また、本発明において、垂直磁気記録層とは別に、基板側に軟磁性層を設けても良い。この軟磁性層は、垂直磁気記録媒体において、記録時の磁気回路を適切に制御するものである。この軟磁性層の材料としては、CoNbZr等の非晶質系材料や、FeMn,InMn,NiMi,NiFe等の材料が挙げられる。前記軟磁性層を設けた場合は、軟磁性層と垂直磁気記録層との磁性的交換相互作用を遮断する中間層を設けてもよい。以上の説明から分かるように、本発明は、単層型垂直磁気記録媒体あるいは二重型垂直磁気記録媒体などの限定を受けずに適用することができる。
【0036】
本発明において、基板は特に限定されない。ガラス基板やAl合金系基板、カーボン基板やセラミックス基板・シリコン基板等を使用することができる。ガラス基板としては、化学強化ガラス基板や結晶化ガラス基板が挙げられる。ガラス基板は、平坦性・平滑性・剛性に優れているので、本発明が提供する60Gbit/inch以上のような高記録密度領域において特に好ましい。さらに、ガラス基板は、耐熱性が高いので、高温における成膜・製造であり、高記録密度化に有用性が高い。ガラス基板の硝種としては、アルミノシリケートガラス・ソーダライムガラス・アルミノポロシリケートガラス・ポロシリケートガラス・結晶化ガラス・石英ガラス等が挙げられる。
【0037】
本発明において、成膜方法は特には限定されないが、高記録密度化の容易なスパッタリング法が好ましい。スパッタリング法においては、DCスパッタリング法・RFスパッタリング法の何れであっても良い。また、インライン型・枚葉型等の何れの製造方法であってもよい。前記非磁性体の平均厚さ(結晶粒界厚)は、磁性層成膜用のスパッタリングターゲットに含有させる、垂直磁気記録層用の材料と非磁性体用の材料との配合比によって制御できる。含有方法は、直接スパッタリングターゲットに含有させてもよく、或いはペレット化した非磁性体の材料をスパッタリングターゲット上に載置してもよい。また、成膜速度・成膜温度・成膜時の真空度・バイアス印加等の成膜方法によっても、前記非磁性体の平均厚さを適宜制御できる。
【0038】
前記非磁性体を酸化物あるいは窒化物とする場合は、前記スパッタリングターゲットに含有させるか、あるいは、成膜時に酸素含有ガス(酸素ガス・オゾンガス・水・二酸化炭素ガス・一酸化窒素ガス・二酸化窒素ガスなど)や窒素含有ガス(窒素ガス・一酸化窒素ガス・二酸化窒素ガス・シアンガス・アンモニアガス等)やスパッタリングガス(アルゴンガスなど)に混合させ、混合量を制御することにより制御する。前記非磁性体を酸化物或いは窒化物とすると、良好に粒界が形成されるので有用性が高い。
【0039】
なお、本発明において、必要に応じて、磁性層上に保護層・潤滑層を形成することができる。保護層は、磁性層を磁気ヘッドによる接触から保護し、信頼性を向上させる目的で形成する。潤滑層は、磁気ヘッドと媒体との摺動抵抗を軽減するために設けられ、例えば、PFPE(パーフルオロポリエーテル)系潤滑剤等がある。塗布方法は、ディップ法・スピンコート法・スプレイ法等の公知の方法を使用することができる。
【0040】
以下、実施例を用いて、本発明についてより具体的に詳述するが、以下に示すものは本発明の単なる一実施例に過ぎず、本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。
<実施例1>
本発明の実施例1について、図1を用いて説明する。図1は、本発明により成る垂直磁気記録媒体の構成を示す概略断面図である。図中、11は化学強化されたアルミノシリケートガラスからなる円板状ガラス基板、12はTiからなる非磁性下地層(結晶軸制御層)、13はCr:32at%、Ta:3at%、Co:bal.から成るCoCrTa合金の中間層、14はCr:17at%、Pt:15at%、B:8at%、Co:bal.から成るCoCrPtB合金垂直磁気記録層(磁性層)、15はCから成る保護層である。 Ti層12は、CoCrTa合金層13、及びCoCrPtB合金垂直磁気記録層14のC軸優先配向性を促進することを目的として設けられた結晶制御層であり、その層厚は10nmである。CoCrTa合金層13は非磁性体で、CoCrPtB合金記録層14との格子定数の整合を図り、磁気特性の劣悪な初期成長層(図示せず)の発生を抑圧するために設けられた中間層である。また、その層厚は10nmである。CoCrPtB合金垂直磁気記録層14の層厚は30nm,C(カーボン)保護層の層厚は5nmである。そして、16はPFPEからなる潤滑層(層厚0.9nm)である。以下、該垂直磁気記録媒体の製造方法について説明する。
【0041】
まず、基板11に、RFスパッタリング法により、純Ar雰囲気中でTi層12を形成した。その後、同様にRFスパッタリング法により、純Ar雰囲気中でCoCrTa合金層13、CoCrPtB合金垂直磁気記録層14(磁性層)を順次形成した。最後に、(Ar+H2)混合雰囲気中で、C保護層15を形成した。なお、ここでは成膜方法としてRFスパッタリング法を用いているが、他の方法として例えばCVD法やDCスパッタ法などを用いても勿論よい。この後に、ディップ法でPFPEからなる潤滑層16を0.9 nm形成する
【0042】
次に、上記により得られた垂直磁気記録媒体の結晶構造と優先配向性をX線回折により評価した。その結果、CoCrPtB合金垂直磁気記録層が六方最密充填構造であり、そのc軸が基板面法線方向に概ね配向していることを確認した。その配向度の分散(Δθ50)は約6°であった。次に上記により得られた垂直磁気記録媒体のCoCrPtB合金垂直磁気記録層部を透過型電子顕微鏡により観察した結果、磁性結晶粒子の結晶粒径は10nm、非磁性体からなる結晶粒界厚は1.5nmであった。
また次に、上記により得られた垂直磁気記録媒体の巨視的な磁気特性(MH曲線)を振動試料磁力計(VSM)により測定した。MH曲線から得られるMr/Ms比は0.93、保持力HcにおけるMH曲線の傾きは、略1/(4π)(π:円周率、CGS単位系)、磁化反転核生成磁界Hnは-1kOeであった。
【0043】
<比較例>
それから、本実施例1より成る垂直磁気記録媒体の記録再生特性を、磁化反転核生成磁界Hn、が+2kOe、Mr/Ms比:0.6、保持力HcにおけるMH曲線の傾き:略1/(4π)(π:円周率、CGS単位系)である比較例の垂直磁気記録媒体の記録再生特性と比較した。記録ヘッドはリング型ヘッド(トラック幅:3μm)で、再生にはGMRヘッド(トラック幅:0.5μm)を用いた。
また、ここで云う比較例の垂直磁気記録媒体とは、CoCrPtB合金層14の組成のみが、Cr:17at%、Pt:15at%、B:3at%、Co:bal.と異なっているものであり、その他の膜構成は図1に示したものと同様であり、かつ製造方法も、前述した本発明により成る実施例1の垂直磁気記録媒体と同様である。また、比較例の垂直磁気記録媒体の磁性結晶粒子の結晶粒径は11nm、非磁性体からなる結晶粒界厚は0.3nmであった。
そして、線速度:9.8m/s、線記録密度:500kFCI(記録周波数:96.45MHz)で記録した場合、本発明により成る実施例1の垂直磁気記録媒体のS/Nは14dB、一方比較例の垂直磁気記録媒体のS/Nは12dBであり、2dBのS/N改善が認められた。なお、この場合のSは500kFCIにおける出力で、Nは積分ノイズ(積分帯域:1〜120MHz)である。
【0044】
更に、75℃で50kFCIにおける信号出力の経時変化を、記録後1秒から10000秒の範囲で測定した結果、本発明による成る実施例1の垂直磁気記録媒体の減衰率は0.5%/decadeであったのに対し、比較例の垂直磁気記録媒体は2.5%/decadeであった。本結果より、本発明により成る実施例1の垂直磁気記録媒体の信号減衰率は、比較例の垂直磁気記録媒体の1/5となり、熱擾乱耐性が改善されていることが確認された。
【0045】
<実施例2>
本発明の実施例2として、Cr:17at%、Pt:15at%、B:4at%、Cu:4at%、Co:bal.から成るCoCrPtBCu合金垂直磁気記録層を用い、実施例1に記載した垂直磁気記録媒体と同型の媒体を作成した。媒体作成条件も実施例1に記載されたものと同一である。
本CoCrPtBCu合金垂直磁気記録層を用いた垂直磁気記録媒体の結晶構造と優先配向特性をX線回折により評価した。結晶構造は六方最密充填構造であり、そのc軸が基板面法線方向に概ね配向していることを確認した。その配向度の分散(Δθ50)は6°であった。次に上記により得られた垂直磁気記録媒体のCoCrPtBCu合金膜垂直磁気記録層部を透過型電子顕微鏡により調査した。その結果、平均粒子径は10nmで、非磁性体からなる結晶粒界厚は2nmであった。
【0046】
次に上記により得られた垂直磁気記録媒体の巨視的な磁気特性(MH曲線)を、振動試料磁力計(VSM)により測定した。MH曲線から得られるMr/Ms比は0.95、保持力HcにおけるMH曲線の傾きは 略1/(4π)(π:円周率、CGS単位系)、磁化反転核生成磁界Hnは-1.5kOeであった。
実施例2の垂直磁気記録媒体の記録再生特性について、比較例の垂直磁気記録媒体と比較評価した。評価方法は、実施例1記載の方法と同様である。その結果、本実施例2により成る垂直磁気記録媒体のS/Nは14.5dBで、比較例の垂直磁気記録媒体に比べて、S/N比で2.5dBの改善が認められた。また、放置時間に対する信号減衰率は0.5%/decadeで比較例の垂直磁気記録媒体の1/5であった。
【0047】
<実施例3>
本発明の実施例3として、Cr:17at%、Pt:15at%、B:4at%、Ag:4at%、Co:bal.から成るCoCrPtBAg合金垂直磁気記録層を用い、実施例1に記載した垂直磁気記録媒体と同型の媒体を作成した。媒体作成条件も実施例1に記載されたものと同一である。
本CoCrPtBAg合金垂直磁気記録層を用いた垂直磁気記録媒体に関して、本CoCrPtBAg合金垂直磁気記録層部の結晶構造、c軸優先配向性、磁気特性、結晶粒子径、及び非磁性体からなる結晶粒界厚を、実施例1、実施例2に記載したものと同様の方法で評価した結果、実施例2記載のCoCrPtBCu合金垂直磁気記録層を用いた場合とほぼ同様の結果が得られた。また、電磁変換特性に関しても、実施例2に記載されたCoCrPtBCu合金垂直磁気記録層を用いた場合と同様の結果が得られた。
【0048】
<実施例4>
本発明の実施例4として、(CoCrPt)95(SiO2)5から成るCoCrPt-SiO2混合系垂直磁気記録層を用い、実施例1に記載した垂直磁気記録媒体と同型の媒体を作成した。なお、CoCrPt合金の組成は、Cr:15at%、Pt:13at%、Co:bal.である。以下、該磁気記録媒体の製造方法について説明する。
まず、円板状のアルミノシリケートガラスからなる化学強化ガラス基板11に、RFスパッタリング法により純Ar雰囲気中で実施例1と同様にTiからなる非磁性下地層12を形成した。その後、同様にRFスパッタリング法により純Ar雰囲気中で実施例1と同様にCoCrTa合金からなる中間層13を形成した。次に、CoCrPt-SiO2混合系から成る垂直磁気記録層14(磁性層)を順次形成した。なお、同垂直磁気記録層の組成は、CoCrPt合金ターゲット上に貼り付けるSiO2ペレットの個数により調整した。
【0049】
CoCrPt-SiO2混合系から成る垂直磁気記録層を用いた垂直磁気記録媒体の結晶配向特性を、X線回折によって評価した。結果、垂直磁気記録層の結晶構造は六方最密充填構造であり、そのc軸が基板面法線方向に概ね配向していることを確認した。その配向度の分散(Δθ50)は8°であった。次に、上記により得られた垂直磁気記録媒体のCoCrPt-SiO2混合系から成る垂直磁気記録層部を、透過型電子顕微鏡により観察した。その結果、平均粒子径は12nmで、非磁性体からなる結晶粒界厚は3.5nmであった。
【0050】
次に上記により得られた垂直磁気記録媒体の巨視的な磁気特性(MH曲線)を、振動試料磁力計(VSM)により測定した。MH曲線から得られるMr/Ms比は0.98、保持力HcにおけるMH曲線の傾きは 略1/(4π)(π:円周率、CGS単位系)、磁化反転核生成磁界Hnは約-2kOeであった。
実施例4の垂直磁気記録媒体の記録再生特性について、比較例記載の垂直磁気記録媒体と比較評価した。その結果、本実施例4により成る垂直磁気記録媒体は13.5dBで比較例の垂直磁気記録媒体に比べて、S/N比で1.5dBの改善が認められた。また、信号減衰量は0.6%/decadeで比較例の垂直磁気記録媒体の1/4であった。
【0051】
<実施例5>
本発明の実施例5として、(CoCrPt)95(SiN)5から成るCoCrPt-SiN混合系垂直磁気記録層を用い、実施例1に記載した垂直磁気記録媒体と同型の媒体を作成した。なお、CoCrPt合金の組成は、実施例4と同様のCr:15at%、Pt:13at%、Co:bal.である。
媒体作成方法も実施例4と同様であり、本実施例においては、CoCrPt合金ターゲット上に貼り付けるSiNペレットの個数を調整することにより、CoCrPt-SiN混合系垂直磁気記録層の組成を調整した。実施例1〜4に記載された方法で、CoCrPt-SiN混合系垂直磁気記録層の結晶構造、優先配向性、微細構造を評価した結果、結晶構造は六方最密充填構造であり、そのc軸が基板面法線方向に概ね配向していることを確認した。その配向度の分散(Δθ50)は7°であった。また、結晶粒子径は12nmで、非磁性体からなる結晶粒界厚は3.5nmであった。
【0052】
次に上記により得られた垂直磁気記録媒体の巨視的な磁気特性(MH曲線)を振動試料磁力計(VSM)により測定した。MH曲線から得られるMr/Ms比は0.98、保持力HcにおけるMH曲線の傾きは 略1/(4π)(π:円周率、CGS単位系)、磁化反転核生成磁界Hnは-2kOeであった。
実施例5の垂直磁気記録媒体の記録再生特性について、比較例記載の垂直磁気記録媒体と比較評価した。その結果、本実施例5により成る垂直磁気記録媒体は13dBであった。比較例の垂直磁気記録媒体に比べて、S/N比で1dBの改善が認められた。また、放置時間に対する信号減衰率は0.5%/decadeで比較例の垂直磁気記録媒体の1/5であった。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明より成る垂直磁気記録媒体の構成を示す概略断面図である。
【図2】従来の単層型垂直磁気記録媒体の構成を示す概略断面図である。
【図3】従来の2層型垂直磁気記録媒体の構成を示す概略断面図である。
【図4】垂直磁気垂直磁気記録層の記録状態における微視的構造を示す概略図である。
【図5】従来の垂直磁気記録層のMH曲線である。
【図6】本発明による垂直磁気記録媒体の膜構造を示す概略側断面図である。
【図7】本発明による、非磁性体からなる結晶粒界厚と磁化反転核生成磁界と保磁力との関係について示した図である。
【符号の説明】
【0054】
11 ガラス基板
12 Ti層
13 非磁性CoCrTa合金層
14 CoCrPtB合金膜垂直磁気記録層
15 C保護層
16 潤滑層
21 基板
22 結晶軸制御層
23 垂直磁気記録層
24 保護層
25 潤滑層
31 基板
32 下地軟磁性層
33 中間層
34 垂直磁気記録層
35 保護層
36 潤滑層
41 垂直磁気記録層
42 垂直磁気記録層を形成する結晶粒子
43 磁化遷移線
44 各記録ビットにおける平均的磁化方向を表す矢印
45 各記録ビッにおける平均的磁化方向を表す矢印
46 各記録ビットにおいて、平均的磁化方向と異なる方向を向く逆磁区
61 基板
62 下地層
63 垂直磁気記録層
64 磁性結晶粒子
65 非磁性結晶粒界
71 磁化反転核生成磁界の結晶粒界厚依存性
72 保磁力の結晶粒界厚依存性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、少なくとも磁性層を形成する垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
前記磁性層である垂直磁気記録層は、磁性結晶粒子と、磁性結晶粒子間に介在する非磁性層からなる結晶粒界とを備え、
予め、前記結晶粒界厚と磁化反転核生成磁界Hnとの相関関係を求めておき、
前記相関関係に基づいて、所定の磁化反転核生成磁界Hnが得られる結晶粒界厚を選定し、前記選定した結晶粒界厚となるよう製造する、ことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】
前記垂直磁気記録層の磁性結晶粒子間に介在する非磁性体からなる結晶粒界厚が0.5〜10nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項3】
前記磁性結晶粒子の粒径が5〜20nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項4】
前記磁性層の材料がCoCrPtを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項5】
前記非磁性層の材料が、Cr、Si、Cu、Ag、Au、B、Cのいずれかまたはその複数が含有されている材料、または、これらの酸化物もしくは窒化物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項6】
前記基板と前記垂直磁気記録層との間に、TiCrを含む非磁性下地層を形成することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項7】
前記基板と前記垂直磁気記録層との間に非磁性下地層を形成し、
前記非磁性下地層と前記垂直磁気記録層との間に、CoCrTaを含む中間層を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項8】
前記基板がガラス基板であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−59749(P2008−59749A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280472(P2007−280472)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【分割の表示】特願2002−223937(P2002−223937)の分割
【原出願日】平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】