説明

基板処理方法

【課題】フォトレジストをアッシングする際に、金属膜が酸化されるのを防止する。
【解決手段】窒化チタン膜62の下部電極62A以外の部分のエッチングに使用されたフォトレジスト63をMMT装置を使用して除去するアッシングステップにおいて、ウエハ1がサセプタ21の上に移載された後に、ウエハ1を室温〜90℃の範囲内の所定の温度に加熱し、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを流量比が2以上になるように制御して供給し、高周波電力を筒状電極15に高周波電源17から整合器18を介して印加する。筒状磁石19、19でマグネトロン放電が発生し、ウエハ1の上方空間に電荷をトラップしてプラズマ生成領域16に高密度プラズマが生成される。酸素の酸化作用によるフォトレジストのアッシングと、水素の還元作用による窒化チタン膜の酸化防止が同時に作用するので、窒化チタン膜の酸化を防止しつつ、フォトレジストを除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法に関し、例えば、半導体素子を含む半導体集積回路装置の一例であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)の製造方法におけるスタック型キャパシタの形成工程に利用して有効な基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAMの高集積化に伴って、セル面積に対して所期のキャパシタ面積を確保するために、アスペクト比の高いステップ構造またはトレンチ構造を使用したスタック型キャパシタが開発されている。
DRAMの製造方法におけるスタック型キャパシタを形成する工程においては、下部電極となる窒化チタン(TiN)膜が表面に被着された溝内にフォトレジストを埋め込み、このフォトレジストをマスクにして窒化チタン膜をエッチングした後に、このフォトレジストを酸素プラズマによってアッシングすることが実施される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記したDRAMの製造方法におけるスタック型キャパシタ形成工程においては、フォトレジストを酸素プラズマによってアッシングする際に、下部電極となる窒化チタン膜の表面が酸化されてしまうために、下部電極の抵抗値が著しく高くなり、DRAMの高速作動や消費電力を悪化させる原因となるという問題点がある。
【0004】
本発明の目的は、フォトレジストをアッシングする際に、下部電極になる金属膜が酸化されるのを防止することができる基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)基板の表面に金属膜を被着するステップと、
前記金属膜をフォトレジストによって被覆するステップと、
前記フォトレジストをマスクにして前記金属膜の一部を除去するステップと、
前記フォトレジストを水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを使用したプラズマ処理によって除去するステップと、
を備えている基板処理方法。
(2)前記水素ガスと前記酸素ガスの比(水素ガス/酸素ガス)が、2以上に設定されることを特徴とする前記(1)の基板処理方法。
(3)前記フォトレジストを除去するステップにおいて、前記基板が25℃〜90℃に加熱されることを特徴とする基板処理方法。
【発明の効果】
【0006】
前記(1)によれば、フォトレジストを除去するステップにおいて、酸素ガスと水素ガスとを混合したプラズマ処理が実施されるために、酸素の酸化作用によるフォトレジストのアッシングと、水素の還元作用による金属膜の酸化防止が同時に作用するため、金属膜の表面が酸化するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0008】
図1は本発明の一実施の形態であるDRAM製造方法のスタック型キャパシタ形成工程におけるアッシングステップに使用されるMMT装置を示している。
まず、MMT装置を図1について説明する。
MMT装置は、電界と磁界とによって高密度プラズマを生成することができる変形マグネトロン型プラズマ源(Modified Magnetron Typed Plasma Source)を用いてウエハ等の基板をプラズマ処理するプラズマ処理装置である。
このMMT装置においては、気密性を確保した処理室に基板を設置し、シャワープレートを介して反応ガスを処理室に導入し、処理室をある一定の圧力に保ち、放電用電極に高周波電力を供給して電界を形成するとともに磁界をかけてマグネトロン放電を起こす。
そして、放電用電極から放出された電子がドリフトしながらサイクロイド運動を続けて周回することにより、長寿命となって電離生成率を高めるので、高密度プラズマを生成することができる。
このように、MMT装置においては、反応ガスを励起分解させて基板表面を酸化または窒化等の拡散処理を施したり、基板表面に薄膜を形成したり、基板表面をエッチングしたりする等、基板へ各種のプラズマ処理を施すことができる。
【0009】
図1に示されたMMT装置10は処理容器11を備えている。処理容器11は下側容器12と上側容器13とによって形成されており、処理室14を形成している。
下側容器12はアルミニウムが使用されて碗形状に形成されており、上側容器13は酸化アルミニウムまたは石英等の非金属材料が使用されてドーム形状に形成されている。上側容器13は下側容器12の上に被せられている。
【0010】
処理容器11の上側容器13の外周には、反応ガスを励起させる放電手段としての筒状電極15が設置されており、筒状電極15は処理室14内のプラズマ生成領域16を囲んでいる。筒状電極15は筒状、例えば円筒状に形成されている。
筒状電極15には高周波電力を印加する高周波電源17が、インピーダンスの整合を行う整合器18を介して接続されている。
【0011】
筒状電極15の外側表面には磁界形成手段としての筒状磁石19が上下で一対、筒状電極15の上端部および下端部の近傍にそれぞれ設置されている。筒状磁石19は筒状、例えば円筒状の永久磁石によって構成されている。
上下の筒状磁石19、19は、処理室14の半径方向に沿った両端(内周端と外周端)に磁極を持ち、上下の筒状磁石19、19の磁極の向きが逆向きに設定されている。したがって、内周部の磁極同士が異極となっており、これにより、筒状電極15の内周面に沿って円筒軸方向に磁力線を形成するようになっている。
【0012】
筒状電極15および筒状磁石19の周囲には、筒状電極15および筒状磁石19によって形成された電界や磁界を遮蔽する遮蔽板20が設けられている。
遮蔽板20は筒状電極15および筒状磁石19によって形成された電界や磁界が外部環境や他の基板処理装置等に悪影響を及ぼさないようになっている。
【0013】
処理室14の底側中央には、基板であるウエハ1を保持するための基板保持具(基板保持手段)としてのサセプタ21が配置されている。サセプタ21の内部には加熱機構(加熱手段)としてのヒータ(図示せず)が一体的に埋め込まれており、ウエハ1を保持するとともに、加熱することができるように構成されている。すなわち、サセプタ21はヒータ一体型の基板保持具として構成されている。ヒータは電力が印加されることにより、ウエハ1を700℃程度にまで加熱することができるように構成されている。
サセプタ21は例えば窒化アルミニウムやセラミックスまたは石英等の非金属材料によって形成されている。このような非金属材料によってサセプタ21を形成することにより、処理の際に膜中に取り込まれる金属汚染を低減することができる。
【0014】
さらに、サセプタ21の内部には、インピーダンスを変化させるためのインピーダンス用電極(図示せず)が装備されており、インピーダンス用電極がインピーダンス可変機構22を介して接地されている。
インピーダンス可変機構22はコイルや可変コンデンサから構成されており、コイルのパターン数や可変コンデンサの容量値を制御することによって、インピーダンス用電極およびサセプタ21を介してウエハ1の電位を制御することができるようになっている。
【0015】
サセプタ21は下側容器12と絶縁されており、サセプタ21を昇降させるサセプタ昇降機構(昇降手段)23が設けられている。
サセプタ21には貫通孔21aが設けられており、下側容器12の底面上にはウエハ1を突き上げるためのウエハ突き上げピン24が少なくとも3箇所に設けられている。
そして、貫通孔21aおよびウエハ突き上げピン24は、サセプタ昇降機構23によってサセプタ21が下降させられた時には、ウエハ突き上げピン24がサセプタ21と非接触な状態で貫通孔21aを突き抜けるような位置関係となるように配置されている。
【0016】
下側容器12の側壁には仕切弁となるゲートバルブ25が設けられている。
ゲートバルブ25が開いている時には、図示しない搬送機構(搬送手段)により処理室14に対してウエハ1を搬入または搬出することができ、また、ゲートバルブ25が閉まっている時には、処理室14を気密に閉じることができる。
【0017】
処理室14の上部にはシャワーヘッド26が設けられている。シャワーヘッド26はキャップ状の蓋体27とガス導入口28とバッファ室29と開口30と遮蔽プレート31とガス吹出口32とを備えている。バッファ室29はガス導入口28より導入されたガスを分散するための分散空間を構成している。
【0018】
ガス導入口28にはガスを供給するガス供給管33の下流側端が接続されており、ガス供給管33の上流側端は開閉弁であるバルブ34および流量制御器であるマスフローコントローラ35を介して、水素ガスを供給する水素ガス供給装置(図示せず)および酸素ガスを供給する酸素ガス供給装置(図示せず)に接続されている。
【0019】
下側容器12の側壁にはガスを排気するガス排気口36が設けられており、ガス排気口36にはガスを排気するガス排気管37が接続されている。ガス排気管37は圧力調整器であるAPC38、開閉弁であるバルブ39を介して排気装置である真空ポンプ40に接続されている。
ガス排気口36は、シャワーヘッド26から処理室14にシャワー状に供給されたガスがウエハ1に接触後にサセプタ21の周囲から処理室14の底方向へ流れるように、設定されている。
【0020】
MMT装置10は制御部(制御手段)としてのコントローラ41を備えている。
コントローラ41はAPC38、バルブ39、真空ポンプ40を信号線Aを通じて制御するように構成されている。
コントローラ41はサセプタ昇降機構23を信号線Bを通じて制御するように構成されている。
コントローラ41はゲートバルブ25を信号線Cを通じて制御するように構成されている。
コントローラ41は整合器18、高周波電源17を信号線Dを通じて制御するように構成されている。
コントローラ41は、バルブ34、マスフローコントローラ35を信号線Eを通じて制御するように構成されている。
さらに、コントローラ41はサセプタに埋め込まれたヒータやインピーダンス可変機構22を、図示しない信号線を通じて制御するように構成されている。
【0021】
以下、本発明の一実施の形態であるDRAMの製造方法におけるスタック型キャパシタ形成工程を図2に即して、前記構成に係るMMT装置を使用するフォトレジストのアッシングステップを主にして説明する。
【0022】
スタック型キャパシタがトレンチ構造の場合には、基板であるシリコンウエハ(以下、ウエハという。)への溝(トレンチ)のエッチング後に、シリコン表面の結晶欠陥修復のために、シリコン表面が熱酸化されて酸化膜が形成される。
その後、溝の底部にエッチングとイオン注入が実施されて拡散層が設けられる。
【0023】
スタック型キャパシタがステップ構造の場合には、TEOS(テトラ エトキシ シラン、Si(OC2 5 4 )が使用されて酸化膜が形成された後に、エッチングによりステップ開口およびコンタクトホール開口等が加工される。
その後、 コンタクトホールに窒化チタンを埋め込んで、後に形成する下部電極とのコンタクトプラグを形成する。
【0024】
例えば、図2(a)に示されているように、トレンチ構造が形成されたウエハには、下部電極となる窒化チタン膜62が溝61内の表面を含めて全面にわたって成膜される。
【0025】
次に、ウエハにはフォトレジスト63が塗布され、溝61の内部がフォトレジスト63によって埋められる。
続いて、図2(b)に示されているように、フォトレジスト63がRIE法にて溝61の内部の所定の深さまでエッチングされる。
【0026】
次に、このフォトレジスト63をマスクにして、窒化チタン膜62の下部電極62A以外の部分がエッチングによって、図2(c)に示されているように除去される。
これは、この後のステップにおいて形成される上部電極を形成した際に、開口部でのハングオーバを防止するためである。
【0027】
以上のようにして窒化チタン膜62の下部電極62A以外の部分のエッチングに使用されたフォトレジスト63はMMT装置を使用したフォトレジストのアッシングステップによって、図2(d)に示されているように除去される。
【0028】
次に、MMT装置10によるフォトレジストのアッシングステップを説明する。
【0029】
フォトレジストのアッシングステップの対象となるウエハ1は、窒化チタン膜のエッチングステップを実施したエッチング装置からMMT装置10に工程内搬送装置(図示せず)によって搬送されて来る。
そして、ウエハ1は処理室14の外部からウエハを搬送する図中省略の搬送機構によって処理室14に搬入され、サセプタ21の上に移載される。
【0030】
この搬送作動の詳細は、次の通りである。
サセプタ21がウエハ搬送位置まで下降すると、ウエハ突き上げピン24の先端がサセプタ21の貫通孔21aを通過する。これにより、サセプタ21の表面よりも所定の高さ分だけ、ウエハ突き上げピン24が突き出された状態となる。
次に、下側容器12に設けられたゲートバルブ25が開かれ、図中省略の搬送機構によってウエハ1をウエハ突き上げピン24の先端に移載する。
搬送機構が処理室14の外へ退避すると、ゲートバルブ25が閉じられる。
サセプタ21がサセプタ昇降機構23によって上昇されると、サセプタ21の上面にウエハ1が移載される。
その後に、サセプタ21はサセプタ昇降機構23によって、ウエハ1を処理する位置まで上昇される。
【0031】
サセプタ21に埋め込まれたヒータは予め加熱されており、サセプタ21に移載されたウエハ1を25℃〜90℃の範囲内、望ましくは25℃から50℃の範囲内の所定の温度に加熱する。
処理室14内の圧力は0.1〜100Paの範囲内の所定の圧力に、真空ポンプ40およびAPC38によって維持される。
【0032】
ウエハ1の温度が予め設定された所定の処理温度(例えば、50℃)に達し安定すると、水素ガスと酸素ガスとの混合ガスが処理ガスGとして、ガス導入口28から遮蔽プレート31のガス吹出口32を介して処理室14に配置されたウエハ1の上面(処理面)に向けて導入される。
このとき、水素ガスと酸素ガスとの流量比(水素ガス/酸素ガス)が、2以上になるように制御される。
水素ガスと酸素ガスとの流量比を2以上として水素リッチになるように設定した理由は、流量比がこれよりも下がると(酸素ガスの割合が大きくなると)、窒化チタンとフォトレジストとの間で選択酸化することができなくなるからである。
なお、水素ガスの割合が増大すれば、それだけ還元性が高くなるために、窒化チタンの表面への酸化を一層抑制することができるので、好ましい。
しかし、逆に、水素ガスの割合が増大すれば、フォトレジストの酸化レートが低下するために、好ましくない。したがって、酸化レートの低下を許容することができる範囲内であれば、水素ガスと酸素ガスとの流量比は2超とするのが、好ましい。
【0033】
他方、高周波電力が筒状電極15に高周波電源17から整合器18を介して印加される。印加する電力は100〜500Wの範囲内の所定の出力値を投入する。このとき、インピーダンス可変機構22は予め所望のインピーダンス値となるように制御しておく。
筒状磁石19、19の磁界の影響を受けてマグネトロン放電が発生し、ウエハ1の上方空間に電荷をトラップしてプラズマ生成領域16に高密度プラズマが生成される。
【0034】
処理室14内へ処理ガスGとして導入された水素ガスおよび酸素ガスはプラズマ生成領域16において乖離し、HおよびOH等を生成する。
OHはフォトレジストおよび窒化チタンに作用してそれぞれを酸化する。
Hは窒化チタンに対して還元性を持つために、酸化された窒化チタン面を効果的に還元する。Hはフォトレジストに対しては還元する力が弱いために、フォトレジストは殆ど還元されない。
その結果として、フォトレジストは酸化されるが、窒化チタンは酸化されない。つまり、フォトレジストが選択的に酸化される。
【0035】
ところで、フォトレジストをアッシングする際に、ウエハ1を90℃超に加熱した場合には、フォトレジストが変質、例えば、硬化する現象が起こる。
フォトレジストが硬化すると、所謂ポッピング現象(フォトレジストの表面が硬化し、熱によってフォトレジストが破裂してしまう現象)が起こり、フォトレジスト成分がウエハや処理室等の表面に付着したりするために、パーティクルの発生の要因になる。
したがって、ウエハ1の温度は25℃から90℃までとすることが好ましく、特に、室温から50℃までとすることが望ましい。
【0036】
また、インピーダンス可変機構22によってインピーダンス値を制御することにより、サセプタ21上のウエハ1へ突入するイオンエネルギーを制御することができるので、アッシング効率を最適化することができる。
【0037】
予め設定された処理時間が経過すると、バルブ34が閉じられてガス吹出口32からの水素ガスおよび酸素ガスの供給が停止されるとともに、筒状電極15への高周波電力の印加が停止される。
【0038】
次いで、処理室14内の圧力が搬送機構の設置室である真空搬送室(図示せず)と同圧化された後に、処理済みのウエハ1は前述したウエハ搬入時と逆の手順で処理室14外へ搬送される。
【0039】
以上のようにしてフォトレジストを除去されたウエハに対しては、その後、キャパシタ形成ステップおよび上部電極形成ステップが順に実施されることにより、図2(e)に示されているように、キャパシタ64および上部電極65が形成される。
【0040】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0041】
1) 窒化チタン膜上のフォトレジストを除去する際に、水素ガスと酸素ガスとを混合した混合ガスによってプラズマ処理を実施することにより、酸素の酸化作用によるフォトレジストのアッシングと、水素の還元作用による窒化チタン膜の酸化防止を同時に作用させることができるので、窒化チタン膜の表面が酸化するのを防止することができる。
【0042】
2) 窒化チタン膜の表面が酸化するのを防止することにより、下部電極の抵抗値が著しく高くなるのを防止することができるので、DRAMの高速作動や消費電力を悪化するのを防止することができる。
【0043】
3) 水素ガスと酸素ガスとの流量比を2以上に設定することにより、フォトレジストが窒化チタンよりも酸化し易くなるために、フォトレジストだけを確実に酸化して除去することができる。
【0044】
4) MMT装置は水素ガスと酸素ガスとの流量比を上げても(水素ガスの割合を増やしても)、酸化レートが低下しないという優れた特性を有するので、窒化チタンのエッチングに使用したフォトレジストをアッシングするに際して、水素ガスと酸素ガスとの流量比が2以上になるように制御することにより、フォトレジストだけを確実に酸化して除去することができる。
【0045】
5) フォトレジストをアッシングする際に、ウエハを室温から90℃までの所定の温度に設定することにより、フォトレジストのポッピング現象の発生を防止することができるので、フォトレジスト成分がウエハや処理室等の表面に付着したりすることによるパーティクルの発生を防止することができる。
【0046】
6) インピーダンス可変機構によってインピーダンス値を制御することにより、サセプタ上のウエハへ突入するイオンエネルギーを制御することができるので、アッシング効率を最適化することができる。
【0047】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0048】
例えば、MMT装置を使用して本発明を実施するように構成するに限らず、他のプラズマ処理装置を使用して本発明を実施するように構成してもよい。
【0049】
金属膜は窒化チタンに限らず、タングステン等の金属膜であってもよい。
【0050】
DRAMの製造方法におけるスタック型キャパシタ形成工程に適用するに限らず、本発明は、DRAMの製造方法における通常のキャパシタ形成工程に適用してもよいし、フラッシュメモリーの製造方法におけるキャパシタ形成工程等に適用してもよい。
すなわち、本発明は、金属膜を被覆したフォトレジストを除去する基板処理方法全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態であるDRAMの製造方法におけるスタック型キャパシタ形成工程に使用されるMMT装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるDRAMの製造方法におけるスタック型キャパシタ形成工程を示す主要部の各断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1…ウエハ、10…MMT装置(基板処理装置)、11…処理容器、12…下側容器、13…上側容器、14…処理室、15…筒状電極、16…プラズマ生成領域、17…高周波電源、18…整合器、19…筒状磁石、20…遮蔽板、21…サセプタ、21a…貫通孔、22…インピーダンス可変機構、23…サセプタ昇降機構、24…ウエハ突き上げピン、25…ゲートバルブ、26…シャワーヘッド、27…キャップ状の蓋体、28…ガス導入口、29…バッファ室、30…開口、31…遮蔽プレート、32…ガス吹出口、33…ガス供給管、34…バルブ、35…マスフローコントローラ、36…ガス排気口、37…ガス排気管、38…APC、39…バルブ、40…真空ポンプ、41…コントローラ、61…溝、62…窒化チタン膜、62A…下部電極、63…フォトレジスト、64…キャパシタ、65…上部電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に金属膜を被着するステップと、
前記金属膜をフォトレジストによって被覆するステップと、
前記フォトレジストをマスクにして前記金属膜の一部を除去するステップと、
前記フォトレジストを水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを使用したプラズマ処理によって除去するステップと、
を備えている基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−91667(P2008−91667A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−271593(P2006−271593)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】