説明

基板処理装置および電源管理方法

【課題】電力消費量を低減することができる基板処理装置および電源管理方法を提供すること。
【解決手段】基板処理装置1は、基板の処理のための工程を実行する複数のユニットIR,SH、CR、MPC、CCと、複数のユニットにそれぞれ対応しており、対応するユニットに電力を供給するオン状態と、対応するユニットへの電力供給を停止するオフ状態との間で切り替わる複数のオン・オフ切替装置22と、基板処理装置1に投入される基板の処理内容および終了期限を含む生産情報を取得し、処理内容に応じて複数のユニットによって行われる全ての工程が終了期限以前に完了するように、複数のユニットの稼働計画を表すタイムチャートを生産情報に基づいて作成し、タイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させると共に、タイムチャートに基づいて複数のオン・オフ切替装置22を制御するメインコントローラ6とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する基板処理装置、および基板処理装置における電力供給を管理する電源管理方法に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を処理する基板処理装置が用いられる。基板処理装置は、基板を搬送する搬送ユニットや、基板を処理する処理ユニットを含む複数のユニットを備えている。各ユニットは、電源に接続されており、電源から供給される電力によって駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−289062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の基板処理装置では、基板の搬送や基板の処理などの基板の処理のための工程をユニットが行っていない間でも、各ユニットに電力(待機電力)が供給されており、電力が無駄に消費されている。
そこで、この発明の目的は、電力消費量を低減することができる基板処理装置および電源管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を処理する基板処理装置であって、基板の処理のための工程を実行する複数のユニット(IR、SH、CR、MPC、CC)と、前記複数のユニットにそれぞれ対応しており、対応する前記ユニットに電力を供給するオン状態と、対応する前記ユニットへの電力供給を停止するオフ状態との間で切り替わる複数のオン・オフ切替装置(22)と、前記基板処理装置に投入される基板の処理内容および終了期限を含む生産情報を取得し、前記処理内容に応じて前記複数のユニットによって行われる全ての工程が前記終了期限以前に完了するように、前記複数のユニットの稼働計画を表すタイムチャートを前記生産情報に基づいて作成し、前記タイムチャートに基づいて前記複数のユニットを稼働させると共に、前記タイムチャートに基づいて前記複数のオン・オフ切替装置を制御する制御装置(6)と、を含む、基板処理装置(1)である。なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【0006】
この構成によれば、制御装置は、基板処理装置に投入される基板の処理内容および終了期限を含む生産情報を取得する。そして、制御装置は、処理内容に応じて複数のユニットによって行われる全ての工程が終了期限以前に完了するように、複数のユニットの稼働計画を表すタイムチャートを生産情報に基づいて作成する。制御装置は、このタイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させると共に、タイムチャートに基づいて複数のオン・オフ切替装置を制御する。制御装置は、たとえば、タイムチャートに基づいて、待機中(非稼働状態)のユニットを特定したり、長時間にわたって待機状態となるユニットを特定したりすることができるので、これらのユニットへの電力供給を計画的に停止させることができる。これにより、電力消費量が低減される。また、生産情報を利用することにより、複数のユニットを最適に稼働させるようにタイムチャートを作成することができるので、タイムチャートの最適化によっても、電力消費量の低減を図ることができる。このように生産情報を利用したタイムチャートの作成と、そのタイムチャートに基づいて行われる各ユニットへの電源供給制御とによって、基板処理装置の電力消費量を効果的に低減することができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記制御装置は、前記基板処理装置への基板の投入時間から前記終了期限までの期間である実行可能期間のうち、前記複数のユニットのいずれもが前記タイムチャートに基づいて稼働されない非稼働期間において、前記複数のユニットの少なくとも1つへの電力供給が停止されるように前記複数のオン・オフ切替装置を制御する、請求項1記載の基板処理装置である。
【0008】
この構成によれば、制御装置は、基板処理装置への基板の投入時間から終了期限までの期間である実行可能期間のうち、複数のユニットのいずれもがタイムチャートに基づいて稼働されない非稼働期間において、複数のユニットの少なくとも1つへの電力供給を停止させる。すなわち、非稼働期間は、各ユニットへの電力供給が必要でないので、制御装置は、この期間の全部または一部の間、複数のユニットの少なくとも1つへの電力供給を停止させる。これにより、電力消費量が低減される。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記制御装置は、前記複数のユニットの少なくとも1つが前記タイムチャートに基づいて稼働される稼働期間において、少なくとも1つの非稼働状態の前記ユニットに対する電力供給が停止されるように前記複数のオン・オフ切替装置を制御する、請求項1または2記載の基板処理装置である。
この構成によれば、制御装置は、複数のユニットの少なくとも1つがタイムチャートに基づいて稼働される稼働期間において、少なくとも1つの非稼働状態のユニットに対する電力供給を停止させる。すなわち、稼働期間中であっても非稼働状態のユニットへの電力供給は必要でないので、制御装置は、非稼働状態のユニットへの電力供給を停止させる。これにより、電力消費量が低減される。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記複数のユニットは、基板を処理する複数の処理ユニットを含み、前記制御装置は、稼働される前記処理ユニットの数が最も少なくなる前記タイムチャートを作成する、請求項3記載の基板処理装置である。
この構成によれば、制御装置は、稼働される処理ユニットの数が最も少なくなるようにタイムチャートを作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させる。言い換えると、制御装置は、非稼働状態の処理ユニットの数が最も多くなるようにタイムチャートを作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させる。したがって、制御装置は、複数のオン・オフ切替装置を制御することにより、稼働期間中であっても非稼働状態の処理ユニットや非稼働状態が長時間継続するユニットへの電力供給を停止させることができる。このタイムチャートでは、非稼働状態の処理ユニットの数が最も多いので、電力消費量を一層低減することができる。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記複数のユニットは、基板を処理する処理ユニットと、前記処理ユニットに薬液を供給する複数の薬液供給ユニットと、を含み、前記制御装置は、稼働される前記薬液供給ユニットの数が最も少なくなる前記タイムチャートを作成する、請求項3または4記載の基板処理装置である。
この構成によれば、制御装置は、稼働される薬液供給ユニットの数が最も少なくなるようにタイムチャートを作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させる。言い換えると、制御装置は、非稼働状態の薬液供給ユニットの数が最も多くなるようにタイムチャートを作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させる。したがって、制御装置は、複数のオン・オフ切替装置を制御することにより、稼働期間中であっても非稼働状態の薬液供給ユニットへの電力供給を停止させることができる。このタイムチャートでは、非稼働状態の薬液供給ユニットの数が最も多いので、電力消費量を一層低減することができる。さらに、稼働される薬液供給ユニットの数が少ないので、それに応じて、基板処理装置内で準備(調合や温度調整など)される薬液量が少なくなる。これにより、薬液消費量を削減できる。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記複数のユニットは、基板を処理する処理ユニットと、前記処理ユニットに薬液を供給する薬液供給ユニットと、を含み、前記制御装置は、前記薬液供給ユニットの稼働開始時間が前記基板処理装置への基板の投入時間より遅くなる前記タイムチャートを作成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、制御装置は、薬液供給ユニットの稼働開始時間が基板処理装置への基板の投入時間より遅くなるようにタイムチャートを作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させる。したがって、複数のユニットによって行われる全ての工程が終了する終了時間から終了期限までの期間を短縮することができる。終了時間から終了期限までの期間は、薬液が基板に供給されないから、この期間を短縮することにより、薬液の寿命が無駄に消費される期間を短縮することができる。換言すれば、薬液の使用開始を遅らせることによって、薬液の寿命が尽きる時間がより遅くなるので、実質的に薬液の寿命が長くなったのと同等の効果が得られる。これにより、薬液をより多くの基板処理に使えるようになるから、薬液の消費量を削減できる。
【0013】
請求項7記載の発明は、前記制御装置は、複数の前記生産情報を取得し、前記複数の生産情報に対応する複数枚の基板が連続的に処理されるタイムチャートを作成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、制御装置は、複数の生産情報を取得し、複数の生産情報に対応する複数枚の基板が連続的に処理されるようにタイムチャートを作成する。すなわち、制御装置は、複数の生産情報を統合し、この統合された生産情報に基づいてタイムチャートを作成する。そして、制御装置は、このタイムチャートに基づいて複数のユニットを稼働させる。これにより、複数の生産情報に対応する複数枚の基板が連続的に処理される。したがって、複数枚の基板が断続的に処理される場合に比べて、稼働期間を短縮することができる。言い換えると、非稼働期間を増加させることができる。したがって、電力消費量を一層低減することができる。
【0014】
請求項8記載の発明は、前記複数のユニットは、基板を処理する複数の処理ユニットを含み、前記制御装置は、各処理ユニットによる基板処理回数を数えるカウンター(26)を含み、各処理ユニットの基板処理回数が平均化するタイムチャートを作成する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、各処理ユニットによる基板処理回数が、制御装置のカウンターによって数えられる。制御装置は、各処理ユニットの基板処理回数が平均化するようにタイムチャートを作成する。したがって、基板処理回数に応じて交換されるメンテナンス部品が各処理ユニットに設けられている場合には、各メンテナンス部品の使用回数を平均化することができる。そのため、複数のメンテナンス部品の交換の時期が、一致またはほぼ一致するので、複数のメンテナンス部品を同時に交換することができる。したがって、メンテナンス部品を交換するために基板処理装置を停止させる回数を減少させることができるから、基板処理装置の生産性を向上できる。さらに、一部のメンテナンス部品の交換が必要になったときに、他のメンテナンス部品も併せて交換したとしても、各メンテナンス部品が平均的に使用されているので、各メンテナンス部品を効率的に使用することができる。
【0015】
請求項9記載の発明は、前記基板処理装置の異常を検出すると共に、電力が常時供給されるセンサ(13、19)をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板処理装置の異常を検出するセンサが基板処理装置に設けられている。このセンサには、電力が常時供給される。したがって、基板処理装置の異常を確実に検出することができる。つまり、異常検出動作を犠牲にすることなく、基板処理装置の消費電力量を低減できる。
【0016】
請求項10記載の発明は、基板処理装置(1)における電力供給を管理する電源管理方法であって、前記基板処理装置に投入される基板(W)の処理内容および終了期限を含む生産情報を制御装置(6)が取得するステップと、基板の処理のための工程を実行する複数のユニット(IR、SH、CR、MPC、CC)によって前記処理内容に応じて行われる全ての工程が前記終了期限以前に完了するように、前記制御装置が、前記生産情報に基づいて、前記複数のユニットの稼働計画を表すタイムチャートを作成するステップと、前記タイムチャートに基づいて前記制御装置が前記複数のユニットを稼働させるステップと、前記複数のユニットにそれぞれ対応しており、対応する前記ユニットに電力を供給するオン状態と、対応する前記ユニットへの電力供給を停止するオフ状態との間で切り替わる複数のオン・オフ切替装置(22)を前記タイムチャートに基づいて前記制御装置が制御するステップと、を含む、電源管理方法である。この構成によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置が備えられた基板処理工場について説明するための模式図である。
【図2】前記実施形態に係る基板処理装置の概略構成例について説明するための模式図である。
【図3】図2の基板処理装置に備えられた処理ユニットおよび薬液供給ユニットの概略構成例について説明するための模式図である。
【図4】前記基板処理装置の電気的構成について説明するための模式図である。
【図5】前記基板処理装置において8つの処理ユニットを稼働させて基板を処理するときのタイムチャートの一例を示すグラフである。
【図6】前記基板処理装置において4つの処理ユニットを稼働させて基板を処理するときのタイムチャートの一例を示すグラフである。
【図7】第1〜第4タイムチャートについて説明するためのグラフである。
【図8】第5〜第7タイムチャートについて説明するためのグラフである。
【図9】前記基板処理装置が複数のロットを処理するときの処理例について説明するためのグラフである。
【図10】前記基板処理装置が複数のロットを処理するときの処理例について説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1が備えられた基板処理工場について説明するための模式図である。
基板処理工場には、複数の基板処理装置1が備えられている。基板処理装置1は、洗浄装置、熱処理装置、成膜装置、エッチング装置、レジスト塗布装置、露光装置、および現像装置のいずれであってもよく、基板に対するその他の処理を行う装置であってもよい。また、基板処理装置1は、複数枚の基板Wを一括して処理するバッチ式の装置であってもよいし、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置であってもよい。1つのロットを構成する1枚または複数枚の基板Wは、たとえば最大で25枚の基板Wを収容可能な共通のキャリアCに収容されている。キャリアCは、複数の基板処理装置1に順次搬送される。基板処理装置1は、ネットワーク2を介してホストコンピュータ3に接続されている。ホストコンピュータ3は、ロットごとに設定された基板Wの処理内容に基づいて各基板処理装置1に指令を送る。基板処理装置1は、ホストコンピュータ3からの指令に基づいて基板Wを処理する。これにより、一連の処理が複数の基板処理装置1によって基板Wに行われる。
【0019】
図2は、前記基板処理装置1の概略構成例について説明するための模式図である。以下では、基板処理装置1が、処理液によって基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である場合について説明する。
基板処理装置1は、基板Wが搬入されるインデクサブロック4と、インデクサブロック4に搬入された基板Wを処理する処理ブロック5と、基板処理装置1に備えられた機器の動作を制御するメインコントローラ6(制御装置)とを備えている。
【0020】
インデクサブロック4は、キャリア保持部7と、インデクサロボットIRと、IR移動機構8とを備えている。キャリア保持部7は、複数のキャリアCを保持可能である。複数のキャリアCは、水平なキャリア配列方向D1に沿って配列された状態でキャリア保持部7に保持される。IR移動機構8は、キャリア配列方向D1にインデクサロボットIRを移動させる。インデクサロボットIRは、キャリア保持部7に保持されたキャリアCに基板Wを搬入する搬入動作、および基板WをキャリアCから搬出する搬出動作を行う。さらに、インデクサロボットIRは、インデクサブロック4内で基板Wを搬送すると共に、インデクサブロック4と処理ブロック5との間で基板Wを搬送する。インデクサロボットIRは、異なる高さに配置された複数のハンドH1を備えている。図2では、複数のハンドH1が上下に重なり合っている状態が示されている。
【0021】
一方、処理ブロック5は、基板Wを1枚ずつ処理する複数(たとえば、8つ)の処理ユニットMPCと、処理ユニットMPCに薬液を供給する複数(たとえば、2つ)の薬液供給ユニットCCと、処理ブロック5内で基板Wを搬送するセンターロボットCRと、インデクサロボットIRとセンターロボットCRとの間で基板Wを中継するシャトルSHとを備えている。8つの処理ユニットMPCは、2つずつ上下に重ねられた状態で平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置されている。シャトルSHは、センターロボットCRよりもインデクサブロック4側に配置されている。シャトルSHは、複数枚の基板Wを保持可能であり、インデクサロボットIRとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。インデクサロボットIRおよびセンターロボットCRは、シャトルSHに基板Wを搬入し、シャトルSHから基板Wを搬出する。センターロボットCRは、シャトルSHと処理ユニットMPCとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、異なる高さに配置された複数のハンドH2を備えている。図2では、複数のハンドH2が上下に重なり合っている状態が示されている。
【0022】
図3は、処理ユニットMPCおよび薬液供給ユニットCCの概略構成例について説明するための模式図である。以下の説明において、8つの処理ユニットMPCを区別する場合には、1〜8のいずれかの数字を処理ユニットMPCの末尾に付す。同様に、2つの薬液供給ユニットCCを区別する場合には、1〜2のいずれかの数字を薬液供給ユニットCCの末尾に付す。
【0023】
処理ユニットMPCは、基板Wを水平に保持して基板Wの中心を通る鉛直軸線まわりに回転させるスピンチャック9と、スピンチャック9に保持された基板Wに向けて薬液を吐出する薬液ノズル10と、スピンチャック9に保持された基板Wに向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル11と、これらの構成9、10、11を収容するチャンバー12と、処理ユニットMPCの異常を検出する第1センサ13(センサ)とを含む。薬液ノズル10は、薬液供給ユニットCCから延びる薬液配管14に接続されている。薬液ノズル10には、薬液配管14を介して薬液供給ユニットCCからの薬液が供給される。また、リンス液ノズル11は、リンス液配管15に接続されている。リンス液ノズル11には、リンス液配管15を介してリンス液の一例である純水(脱イオン水)が供給される。第1センサ13は、たとえば、チャンバー12内での漏液を検出するセンサであってもよいし、処理ユニットMPCでの漏電を検出するセンサであってもよい。
【0024】
薬液供給ユニットCCは、第1液を貯留する第1タンク16と、第2液を貯留する第2タンク17と、薬液を加熱するヒータ18と、薬液供給ユニットCCの異常を検出する第2センサ19(センサ)とを含む。第2センサ19は、たとえば、薬液供給ユニットCC内での漏液を検出するセンサであってもよいし、薬液供給ユニットCCでの漏電を検出するセンサであってもよい。薬液供給ユニットCCは、第1液と第2液とを混合して薬液を生成するように構成されている。薬液ノズル10には、ヒータ18によって温度調整された薬液が供給される。本実施形態では、たとえば4つの処理ユニットMPCが共通の薬液供給ユニットCCに接続されている。図4に示すように、一方の薬液供給ユニットCC1からは、4つの処理ユニットMPC1〜4に薬液が供給され、他方の薬液供給ユニットCC2からは、4つの処理ユニットMPC5〜8に薬液が供給される。薬液ノズル10に供給される薬液は、たとえば、洗浄液、エッチング液、レジスト液、および現像液のいずれであってもよい。薬液の具体例としては、SC−1(NHOHとHとを含む混合液)、BHF(HFとNHFとを含む混合液)、SPM(HSOとHとを含む混合液)が挙げられる。
【0025】
基板Wが処理されるときには、メインコントローラ6がスピンチャック9によって基板Wを回転させる。その後、メインコントローラ6は、回転状態の基板Wに向けて薬液ノズル10から薬液を吐出させる。これにより、薬液が基板Wに供給される(薬液処理)。そして、メインコントローラ6は、基板Wへの薬液の供給を停止させた後、回転状態の基板Wに向けてリンス液ノズル11からリンス液の一例である純水を吐出させる。これにより、純水が基板Wに供給され、基板Wに付着している薬液が洗い流される(リンス処理)。そして、メインコントローラ6は、基板Wへの純水の供給を停止させた後、スピンチャック9によって基板Wを高回転速度で回転させる。これにより、基板Wに付着している純水が遠心力によって基板Wの周囲に振り切られる。そのため、基板Wから純水が除去され、基板Wが乾燥する(乾燥処理)。このようにして、各処理ユニットMPCで基板Wが処理される。
【0026】
図4は、前記基板処理装置1の電気的構成について説明するための模式図である。
基板処理装置1は、基板処理工場の電力供給源から供給された電力を複数の機器に分配する主電源20と、主電源20から供給された電力を複数の機器に分配する低電圧電源21と、主電源20からの電力を対応する機器に供給するオン状態と、対応する機器への電力供給を停止するオフ状態との間で切り替わる複数のオン・オフ切替装置22とをさらに含む。主電源20は、基板処理工場の電力供給源から供給された電力の電圧を低下させ、この電圧が低下した電力を低電圧電源21やオン・オフ切替装置22等に分配する。同様に、低電圧電源21は、主電源20から供給された電力の電圧を低下させ、この電圧が低下した電力を第1センサ13や第2センサ19等に分配する。
【0027】
インデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRは、基板搬送工程を行う搬送ユニットである。オン・オフ切替装置22は、搬送ユニットごとに設けられている。さらに、オン・オフ切替装置22は、基板処理工程を行う処理ユニットMPCごとに設けられている。同様に、オン・オフ切替装置22は、薬液供給工程を行う薬液供給ユニットCCごとに設けられている。すなわち、基板搬送工程、基板処理工程、および薬液供給工程は、基板Wの処理のための工程であり、オン・オフ切替装置22は、基板Wの処理のための工程を実行するユニットIR、SH、CR、MPC、CCごとに設けられている。以下では、基板Wの処理のための工程を実行するユニットを、単に「ユニットU」という。
【0028】
オン・オフ切替装置22は、メインコントローラ6によって制御されることにより、オン状態とオフ状態との間で切り替わる。各ユニットUには、対応するオン・オフ切替装置22がオン状態のときに電力が供給される。その一方で、メインコントローラ6や各センサ13、19には、常時電力が供給されている。メインコントローラ6は、ネットワーク2を介してホストコンピュータ3(図1参照)に接続されている。メインコントローラ6は、ホストコンピュータ3と通信を行う。キャリアCが基板処理装置1に搬送されるときには、ホストコンピュータ3からメインコントローラ6に生産情報が送信される。生産情報には、基板処理装置1に投入される基板Wの処理内容と、基板Wの処理のための全ての工程の終了期限とが含まれている。メインコントローラ6は、この生産情報に基づいて基板処理装置1に投入された基板Wを処理する。
【0029】
具体的には、メインコントローラ6は、中央演算装置23と、記憶装置24と、中央演算装置23が記憶装置24に記憶されているプログラムを実行することにより機能するスケジューラ25とを含む。スケジューラ25は、各処理ユニットMPCによる基板処理回数を数えるカウンター26を含む。スケジューラ25は、生産情報に含まれる基板Wの処理内容に応じて複数のユニットUによって行われる全ての工程が終了期限以前に完了するように、複数のユニットUの稼働計画を表すタイムチャートを生産情報に基づいて作成する。そして、メインコントローラ6は、タイムチャートに基づいて複数のオン・オフ切替装置22を制御することにより、複数のユニットUに電力を供給し、複数のユニットUを稼働させる。これにより、基板処理装置1に投入された基板Wが生産情報に基づいて処理される。
【0030】
図5は、8つの処理ユニットMPCを稼働させて基板Wを処理するときのタイムチャートの一例を示すグラフである。図6は、4つの処理ユニットMPCを稼働させて基板Wを処理するときのタイムチャートの一例を示すグラフである。
図5および図6において横軸方向に延びるバーは、対応するユニットが稼働していることを表している。さらに、図5および図6に示された矢印は、基板Wの移動を表している。たとえば、「1−1」と記されたバーから「1−2」と記されたバーに延びる矢印は、インデクサロボットIRからシャトルSHへの基板Wの移動を表している。
【0031】
また、図5および図6においてインデクサロボットIR、シャトルSH、センターロボットCR、および処理ユニットMPC1〜8に対応する位置(縦軸方向への位置)に示された数字(たとえば、「2−1」)は、何枚目の基板Wに対する何番目の工程であるかを表している。すなわち、「2−1」における「2」は、何枚目の基板Wであるかを表しており、「1」は、何番目の工程であるかを表している。したがって、「2−1」は、2枚目の基板Wに対して行われる1番目の工程(第1工程)であることを表している。
【0032】
また、図5および図6において薬液供給ユニットCC1〜2に対応する位置に示された数字は、薬液供給ユニットCCがどの処理ユニットMPCに薬液を供給しているかを表している。たとえば、薬液供給ユニットCC1に対応する位置に示された「1」は、薬液供給ユニットCC1から処理ユニットMPC1に薬液が供給されていることを表している。
第1工程(「○−1」の工程。「○」はどの数字でも良い。)は、インデクサロボットIRがキャリアCへの移動を開始してから、キャリアCから搬出した基板WをシャトルSHに搬入するまでの工程を含む。
【0033】
第2工程(「○−2」の工程)は、シャトルSHがインデクサロボットIRへの移動を開始してから、インデクサロボットIRによって搬入された基板WがセンターロボットCRによって搬出されるまでの工程を含む。
第3工程(「○−3」の工程)は、センターロボットCRがシャトルSHから基板Wを搬出する準備を開始してから、シャトルSHから搬出した基板Wを処理ユニットMPCに搬入するまでの工程を含む。
【0034】
第4工程(「○−4」の工程)は、センターロボットCRが処理ユニットMPCに基板Wを搬入してから、処理ユニットMPCで処理された基板WがセンターロボットCRによって搬出されるまでの工程を含む。
最初に、8つの処理ユニットMPC1〜8を稼働させて25枚の基板Wを処理するときのタイムチャートの一例について説明する。
【0035】
図5に示すように、メインコントローラ6は、インデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRによって1枚目の基板WをキャリアCから処理ユニットMPC1に搬送させる(1−1、1−2、1−3)。インデクサロボットIRによる1枚目の基板Wの搬送が終了すると、メインコントローラ6は、インデクサロボットIRによる2枚目の基板Wの搬送を開始させる(2−1)。そして、メインコントローラ6は、シャトルSHおよびセンターロボットCRによって2枚目の基板WをシャトルSHから処理ユニットMPC2に搬送させる(2−2、2−3)。メインコントローラ6は、このような動作をインデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRに繰り返し実行させることにより、1枚目から8枚目までの基板Wをそれぞれ処理ユニットMPC1〜8に搬入させる。そして、8枚の基板Wが処理ユニットMPC1〜8に搬入された後は、メインコントローラ6は、インデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRを待機させる。
【0036】
処理ユニットMPC1〜8では、薬液処理、リンス処理、および乾燥処理が順次行われる(1−4、2−4、3−4、4−4、5−4、6−4、7−4、8−4)。処理ユニットMPC1〜4で薬液処理が行われる間、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCC1を稼働させて、薬液供給ユニットCC1から処理ユニットMPC1〜4に薬液を供給させる。そして、処理ユニットMPC1〜4での薬液処理が終了すると、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCC1を待機させる。同様に、処理ユニットMPC5〜8で薬液処理が行われる間、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCC2を稼働させて、薬液供給ユニットCC2から処理ユニットMPC5〜8に薬液を供給させる。そして、処理ユニットMPC5〜8での薬液処理が終了すると、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCC2を待機させる。
【0037】
処理ユニットMPC1〜8での基板Wの処理が終了すると、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1〜8で処理された8枚の基板Wを処理ユニットMPC1〜8からキャリアCに順次搬送させる。具体的には、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1での1枚目の基板Wの処理が終了するタイミングに合わせて、9枚目の基板WをキャリアCからセンターロボットCRに搬送させる(9−1、9−2)。そして、メインコントローラ6は、センターロボットCRの基板Wを保持していないハンドH2によって処理ユニットMPC1から1枚目の基板Wを搬出させる(1−5)。その後、メインコントローラ6は、センターロボットCRの9枚目の基板Wを保持しているハンドH2を処理ユニットMPC1内に進入させて、処理ユニットMPC1に9枚目の基板Wを搬入させる(9−3)。これにより、1枚目の基板Wに引き続いて9枚目の基板Wが処理ユニットMPC1で処理される(9−4)。このように、図5に示すタイムチャートにおいて9枚目以降の基板Wに対して行われる第3工程には、センターロボットCRが処理ユニットMPCから基板Wを搬出する工程(第5工程。「○−5」の工程)が含まれている。
【0038】
また、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC2での2枚目の基板Wの処理が終了するタイミングに合わせて、10枚目の基板WをキャリアCからシャトルSHに搬送させる(10−1)。10枚目の基板WがシャトルSHに搬入されたとき、センターロボットCRは、1枚目の基板Wを保持している。メインコントローラ6は、センターロボットCRによって1枚目の基板WをシャトルSHに搬入させる(1−6)。その後、メインコントローラ6は、センターロボットCRによって10枚目の基板WをシャトルSHから搬出させる(10−2)。そして、メインコントローラ6は、センターロボットCRによって10枚目の基板Wを処理ユニットMPC2に搬入させる(10−3)。このように、図5に示すタイムチャートにおいて10枚目以降の基板Wに対して行われる第2工程には、センターロボットCRがシャトルSHに基板Wを搬入する工程(第6工程。「○−6」の工程)が含まれている。
【0039】
また、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC3での3枚目の基板Wの処理が終了するタイミングに合わせて、11枚目の基板WをインデクサロボットIRによってキャリアCから搬出させる。インデクサロボットIRが11枚目の基板WをキャリアCから搬出したとき、シャトルSHは、1枚目の基板Wを保持している。メインコントローラ6は、インデクサロボットIRの基板Wを保持していないハンドH1によって1枚目の基板WをシャトルSHから搬出させる(1−7)。その後、メインコントローラ6は、インデクサロボットIRの基板Wを保持しているハンドH1によってシャトルSHに11枚目の基板Wを搬入させる(11−1)。そして、メインコントローラ6は、シャトルSHおよびセンターロボットCRによってシャトルSHから処理ユニットMPC3に11枚目の基板Wを搬入させる(11−2、11−3)。また、メインコントローラ6は、インデクサロボットIRによって保持されている1枚目の基板WをインデクサロボットIRによってキャリアCに搬入させる。このように、図5に示すタイムチャートにおいて11枚目以降の基板Wに対して行われる第1工程には、インデクサロボットIRがシャトルSHから基板Wを搬出する工程(第7工程。「○−7」の工程)が含まれている。
【0040】
メインコントローラ6は、このような動作を各ユニットUに繰り返し実行させる。すなわち、9枚目以降の基板Wについては、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1〜8への基板Wの搬送と並行して、キャリアCへの基板Wの搬送をインデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRに実行させる。そして、処理ユニットMPC1〜8で処理された最後の8枚の基板W(18枚目から25枚目までの基板W)については、メインコントローラ6は、キャリアCへの基板Wの搬送だけをインデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRに実行させる。このように、図5に示すタイムチャートでは、処理ユニットMPC1での基板Wの処理から処理ユニットMPC8での基板Wの処理までの1つサイクルが繰り返されることにより、25枚の基板Wが処理される。
【0041】
次に、4つの処理ユニットMPC1〜4を稼働させて25枚の基板Wを処理するときのタイムチャートの一例について説明する。すなわち、4つの処理ユニットMPC5〜8を稼働させずに、4つの処理ユニットMPC1〜4だけで25枚の基板Wを処理するときのタイムチャートの一例について説明する。
図6に示すように、メインコントローラ6は、インデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRによって1枚目の基板WをキャリアCから処理ユニットMPC1に搬送させる(1−1、1−2、1−3)。インデクサロボットIRによる1枚目の基板Wの搬送が終了すると、メインコントローラ6は、インデクサロボットIRによる2枚目の基板Wの搬送を開始させる(2−1)。そして、メインコントローラ6は、シャトルSHおよびセンターロボットCRによって2枚目の基板WをシャトルSHから処理ユニットMPC2に搬送させる(2−2、2−3)。メインコントローラ6は、このような動作をインデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRに繰り返し実行させることにより、1枚目から4枚目までの基板Wをそれぞれ処理ユニットMPC1〜4に搬入させる。そして、処理ユニットMPC1〜4に4枚の基板Wが搬入された後は、メインコントローラ6は、インデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRを待機させる。
【0042】
処理ユニットMPC1〜4では、薬液処理、リンス処理、および乾燥処理が順次行われる(1−4、2−4、3−4、4−4)。処理ユニットMPC1〜4で薬液処理が行われる間、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCC1を稼働させて、薬液供給ユニットCC1から処理ユニットMPC1〜4に薬液を供給させる。そして、処理ユニットMPC1〜4での薬液処理が終了すると、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCC1を待機させる。一方、処理ユニットMPC5〜8は非稼働状態であるので、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCC2を待機させている。すなわち、薬液供給ユニットCC2は、非稼働状態である。
【0043】
処理ユニットMPC1〜4での基板Wの処理が終了すると、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1〜4で処理された4枚の基板Wを処理ユニットMPC1〜4からキャリアCに順次搬送させる。具体的には、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1での1枚目の基板Wの処理が終了するタイミングに合わせて、5枚目の基板WをキャリアCからセンターロボットCRに搬送させる(5−1、5−2)。そして、メインコントローラ6は、センターロボットCRの基板Wを保持していないハンドH2によって処理ユニットMPC1から1枚目の基板Wを搬出させる(1−5)。その後、メインコントローラ6は、センターロボットCRの5枚目の基板Wを保持しているハンドH2を処理ユニットMPC1内に進入させて、処理ユニットMPC1に5枚目の基板Wを搬入させる(5−3)。これにより、1枚目の基板Wに引き続いて5枚目の基板Wが処理ユニットMPC1で処理される(5−4)。このように、図6に示すタイムチャートにおいて5枚目以降の基板Wに対して行われる第3工程には、センターロボットCRが処理ユニットMPCから基板Wを搬出する工程(第5工程。「○−5」の工程)が含まれている。
【0044】
また、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC2での2枚目の基板Wの処理が終了するタイミングに合わせて、6枚目の基板WをキャリアCからシャトルSHに搬送させる(6−1)。6枚目の基板WがシャトルSHに搬入されたとき、センターロボットCRは、1枚目の基板Wを保持している。メインコントローラ6は、センターロボットCRによって1枚目の基板WをシャトルSHに搬入させる(1−6)。その後、メインコントローラ6は、センターロボットCRによって6枚目の基板WをシャトルSHから搬出させる(6−2)。そして、メインコントローラ6は、センターロボットCRによって6枚目の基板Wを処理ユニットMPC2に搬入させる(6−3)。このように、図6に示すタイムチャートにおいて6枚目以降の基板Wに対して行われる第2工程には、センターロボットCRがシャトルSHに基板Wを搬入する工程(第6工程。「○−6」の工程)が含まれている。
【0045】
また、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC3での3枚目の基板Wの処理が終了するタイミングに合わせて、7枚目の基板WをインデクサロボットIRによってキャリアCから搬出させる。インデクサロボットIRが7枚目の基板WをキャリアCから搬出したとき、シャトルSHは、1枚目の基板Wを保持している。メインコントローラ6は、インデクサロボットIRの基板Wを保持していないハンドH1によって1枚目の基板WをシャトルSHから搬出させる(1−7)。その後、メインコントローラ6は、インデクサロボットIRの基板Wを保持しているハンドH1によってシャトルSHに7枚目の基板Wを搬入させる(7−1)。そして、メインコントローラ6は、シャトルSHおよびセンターロボットCRによってシャトルSHから処理ユニットMPC3に7枚目の基板Wを搬入させる(7−2、7−3)。また、メインコントローラ6は、インデクサロボットIRによって保持されている1枚目の基板WをインデクサロボットIRによってキャリアCに搬入させる。このように、図6に示すタイムチャートにおいて7枚目以降の基板Wに対して行われる第1工程には、インデクサロボットIRがシャトルSHから基板Wを搬出する工程(第7工程。「○−7」の工程)が含まれている。
【0046】
メインコントローラ6は、このような動作を各ユニットUに繰り返し実行させる。すなわち、5枚目以降の基板Wについては、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1〜4への基板Wの搬送と並行して、キャリアCへの基板Wの搬送をインデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRに実行させる。そして、処理ユニットMPC1〜4で処理された最後の4枚の基板W(22枚目から25枚目までの基板W)については、メインコントローラ6は、キャリアCへの基板Wの搬送だけをインデクサロボットIR、シャトルSH、およびセンターロボットCRに実行させる。このように、第2タイムチャートでは、処理ユニットMPC1での基板Wの処理から処理ユニットMPC4での基板Wの処理までの1つサイクルが繰り返されることにより、25枚の基板Wが処理される。
【0047】
図7は、第1〜第4タイムチャートについて説明するためのグラフである。第1〜第3タイムチャートは、本発明の実施例であり、第4タイムチャートは、本発明の比較例である。
第1〜第4タイムチャートは、いずれも25枚の基板Wを処理するときのタイムチャートである。第1〜第4タイムチャートの相違点は、稼働される処理ユニットMPCの数と、稼働される薬液供給ユニットCCの数である。
【0048】
すなわち、第1タイムチャートでは、8つの処理ユニットMPCによって基板Wが処理され、第2タイムチャートでは、4つの処理ユニットMPCによって基板Wが処理される。また、第3タイムチャートでは、3つの処理ユニットMPCによって基板Wが処理され、第4タイムチャートでは、2つの処理ユニットMPCによって基板Wが処理される。さらに、第1タイムチャートでは、2つの薬液供給ユニットCCが稼働され、第2〜第4タイムチャートでは、1つの薬液供給ユニットCCが稼働される。
【0049】
第1タイムチャートにおける各ユニットUの動作は、図5を参照して説明した通りであり、第2タイムチャートにおける各ユニットUの動作は、図6を参照して説明した通りである。また、第3および第4タイムチャートにおける各ユニットUの動作は、第2タイムチャートにおける各ユニットUの動作と同様である。すなわち、第3タイムチャートでは、処理ユニットMPC1での基板Wの処理から処理ユニットMPC3での基板Wの処理までの1つサイクルが繰り返される。また、第4タイムチャートでは、処理ユニットMPC1での基板Wの処理から処理ユニットMPC2での基板Wの処理までの1つサイクルが繰り返される。
【0050】
図7に示すように、第1〜第4タイムチャートでは、基板処理装置1への基板Wの投入時間Tinから複数のユニットUの動作が開始される。すなわち、第1〜第4タイムチャートでは、少なくとも1つのユニットUの動作が開始される開始時間Ts1〜4と投入時間Tinとが一致している。また、複数のユニットUによって行われる全ての工程が終了する終了時間Te1〜4は、第1タイムチャート、第2タイムチャート、第3タイムチャート、第4タイムチャートの順番で早い。さらに、第1〜第3タイムチャートの終了時間Te1〜3は、終了期限LTよりも早く、第4タイムチャートの終了時間Te4は、終了期限LTよりも遅い。したがって、第1〜第3タイムチャートでは、複数のユニットUによって行われる全ての工程が終了期限LT以前に完了する。
【0051】
また、第1〜第3タイムチャートでは、複数のユニットUの少なくとも1つが稼働される稼働期間が、投入時間Tinから終了期限LTまでの期間である実行可能期間よりも短いから、実行可能期間において複数のユニットUのいずれもが稼働されてない非稼働期間がある。メインコントローラ6は、複数のオン・オフ切替装置22を制御することにより、この非稼働期間の全部または一部の間、複数のユニットUの少なくとも1つへの電力供給を停止させる。
【0052】
さらに、メインコントローラ6は、複数のオン・オフ切替装置22を制御することにより、稼働期間中において稼働されていない非稼働状態のユニットUへの電力供給を停止させる。すなわち、図5に示すように、メインコントローラ6は、8枚目の基板Wに対する第1工程(8−1)を終了させてから、9枚目の基板Wに対する第1工程(9−1)を開始させるまでインデクサロボットIRを稼働せずに待機させる。シャトルSH、センターロボットCR,処理ユニットMPC1〜8、薬液供給ユニットCC1〜2についても、第1タイムチャートが実行されている期間(稼働期間)中に待機している期間がある。待機しているユニットUは、非稼働状態である。メインコントローラ6は、非稼働状態が一定時間以上続く場合には、第1タイムチャートを実行している期間中であっても、非稼働状態のユニットUに対応するオン・オフ切替装置22を制御することにより、少なくとも1つの非稼働状態のユニットUのへの電力供給を停止させる。
【0053】
また、図6に示すように、第2タイムチャートでは、処理ユニットMPC5〜8および薬液供給ユニットCC2が稼働されない。すなわち、処理ユニットMPC5〜8および薬液供給ユニットCC2は、第2タイムチャートが実行されている期間(稼働期間)中、非稼働状態である。したがって、メインコントローラ6は、第2タイムチャートを実行している期間中であっても、この期間の全部または一部の間、処理ユニットMPC5〜8および薬液供給ユニットCC2への電力供給を停止させる。これにより、たとえば薬液供給ユニットCC2のヒータ18による電力消費量が低減されるので、基板処理装置1全体の電力消費量が低減される。
【0054】
同様に、第3タイムチャートでは、処理ユニットMPC4〜8および薬液供給ユニットCC2が稼働されず、処理ユニットMPC4〜8および薬液供給ユニットCC2は、第3タイムチャートが実行されている間中、非稼働状態である。したがって、メインコントローラ6は、第3タイムチャートを実行している期間中であっても、この期間の全部または一部の間、処理ユニットMPC4〜8および薬液供給ユニットCC2への電力供給を停止させる。これにより、基板処理装置1全体の電力消費量が低減される。
【0055】
図8は、第5〜第7タイムチャートについて説明するためのグラフである。
第5〜第7タイムチャートは、それぞれ、第1〜第3タイムチャートと同様のタイムチャートである。すなわち、図7と図8とを比較すると分かるように、第1タイムチャートと第5タイムチャートは、開始時間Ts1、Ts5が異なるだけで、稼働するユニットUおよび各ユニットUの動作は同じである。同様に、第2タイムチャートと第6タイムチャートは、開始時間Ts2、Ts6が異なるだけで、稼働するユニットUおよび各ユニットUの動作は同じである。同様に、第3タイムチャートと第7タイムチャートは、開始時間Ts3、Ts7が異なるだけで、稼働するユニットUおよび各ユニットUの動作は同じである。
【0056】
第5〜第7タイムチャートでは、第1〜第3タイムチャートと同様に、非稼働期間の全部または一部の間、少なくとも1つのユニットUへの電力供給が停止される。また、第5〜第7タイムチャートでは、第1〜第3タイムチャートと同様に、稼働期間中において稼働されていない非稼働状態のユニットUへの電力供給が停止される。
図8に示すように、第5〜第7タイムチャートでは、終了時間Te5〜7と終了期限LTとが一致するように複数のユニットUの動作が開始される。すなわち、第5〜第7タイムチャートでは、開始時間Ts5〜7が基板処理装置1への基板Wの投入時間Tinよりも遅い。前述のように、薬液供給ユニットCCは、たとえば、第1液と第2液とを混合させて薬液を生成する。第1液と第2液との混合により生成された薬液は、混合されてから始まる一定の寿命(ライフタイム)を有している場合がある。薬液供給ユニットCCが新たに薬液を生成する場合、第1〜3タイムチャートでは、基板処理装置1への基板Wの投入までに、または実行可能期間の早い段階で第1液と第2液との混合を開始する必要がある。さらに、図7に示すように、第1〜3タイムチャートでは、終了時間Te1〜3から終了期限LTまでの間は薬液が使用されず、薬液の寿命が無駄に消費される。
【0057】
一方、図8に示すように、第5〜7タイムチャートでは、終了時間Te5〜7と終了期限LTとが一致しているから、終了時間Te5〜7から終了期限LTまでの間、薬液の寿命が無駄に消費されない。さらに、第5〜7タイムチャートでは、第1液と第2液との混合を開始する時間を第1〜3タイムチャートよりも遅らせられるから、投入時間Tinから開始時間Ts5〜7までの間、薬液の寿命が無駄に消費されることを防止できる。これにより、薬液を効率的に使用できる。
【0058】
図9は、基板処理装置1が複数のロットを処理するときの処理例について説明するためのグラフである。
複数のキャリアCが基板処理装置1に順次搬送されるとき、複数のキャリアCにそれぞれ対応する複数の生産情報がホストコンピュータ3からメインコントローラ6に順次送信される。メインコントローラ6は、複数の生産情報を取得し、複数の生産情報にそれぞれ対応する複数のタイムチャートを作成する。そして、メインコントローラ6は、複数のタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。これにより、複数のロットが順次処理される。具体的には、1枚の基板Wが収容されたキャリアCと、2枚の基板Wが収容されたキャリアCと、25枚の基板Wが収容されたキャリアCとが順次基板処理装置1に搬送された場合には、図9の実施例1に示すように、最初のロットの1枚の基板Wが処理される。その後、次のロットの2枚の基板Wが連続的に処理される。そして、最後のロットの25枚の基板Wが連続的に処理される。
【0059】
一方、複数の生産情報がホストコンピュータ3から送信された場合、メインコントローラ6は、複数の生産情報を取得し、これらの生産情報を1つに統合する。そして、メインコントローラ6は、統合された生産情報に基づいてタイムチャートを作成する。具体的には、1枚の基板Wが収容されたキャリアCと、2枚の基板Wが収容されたキャリアCと、25枚の基板Wが収容されたキャリアCとが順次基板処理装置1に搬送された場合には、図9の実施例2に示すように、メインコントローラ6は、28枚の基板Wが連続的に処理されるタイムチャート(第8タイムチャート)を作成する。そして、メインコントローラ6は、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。これにより、28枚の基板Wが連続的に処理される。
【0060】
図10は、基板処理装置1が複数のロットを処理するときの処理例について説明するためのグラフである。
前述のように、メインコントローラ6は、各処理ユニットMPCによる基板処理回数を数えるカウンター26を含む。メインコントローラ6は、各処理ユニットMPCの基板処理回数が平均化するタイムチャートを作成する。すなわち、たとえば4枚の基板Wが収容されたキャリアCが基板処理装置1に順次搬送される場合、メインコントローラ6は、最初のロットでは、処理ユニットMPC1〜4によって4枚の基板Wを処理するタイムチャート(第9タイムチャート)を作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。そして、メインコントローラ6は、次のロットでは、処理ユニットMPC5〜8によって4枚の基板Wを処理するタイムチャート(第10タイムチャート)を作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。さらに次のロットでは、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1〜4によって4枚の基板Wを処理するタイムチャート(第9タイムチャート)を作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。このように、メインコントローラ6は、処理ユニットMPC1〜4での基板Wの処理と、処理ユニットMPC5〜8での基板Wの処理とが交互に行われるように複数のユニットUを稼働させる。これにより、各処理ユニットMPCの基板処理回数が平均化される。
【0061】
以上のように本実施形態では、メインコントローラ6は、基板処理装置1に投入される基板Wの処理内容および終了期限LTを含む生産情報を取得する。そして、メインコントローラ6は、処理内容に応じて複数のユニットUによって行われる全ての工程が終了期限LT以前に完了するように、複数のユニットUの稼働計画を表すタイムチャートを生産情報に基づいて作成する。メインコントローラ6は、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させると共に、タイムチャートに基づいて複数のオン・オフ切替装置22を制御する。メインコントローラ6は、たとえば、タイムチャートに基づいて、待機中(非稼働状態)のユニットUを特定したり、長時間にわたって待機状態となるユニットUを特定したりすることができるので、これらのユニットUへの電力供給を計画的に停止させることができる。これにより、電力消費量が低減される。また、生産情報を利用することにより、複数のユニットUを最適に稼働させるようにタイムチャートを作成することができるので、タイムチャートの最適化によっても、電力消費量の低減を図ることができる。このように生産情報を利用したタイムチャートの作成と、そのタイムチャートに基づいて行われる各ユニットUへの電源供給制御とによって、基板処理装置1の電力消費量を効果的に低減することができる。
【0062】
また本実施形態では、メインコントローラ6は、基板処理装置1への基板Wの投入時間Tinから終了期限LTまでの期間である実行可能期間のうち、複数のユニットUのいずれもがタイムチャートに基づいて稼働されない非稼働期間において、複数のユニットUの少なくとも1つへの電力供給を停止させる。すなわち、非稼働期間は、ユニットUへの電力供給が必要でないので、メインコントローラ6は、この期間の全部または一部の間、複数のユニットUの少なくとも1つへの電力供給を停止させる。これにより、電力消費量が低減される。
【0063】
また本実施形態では、メインコントローラ6は、複数のユニットUの少なくとも1つがタイムチャートに基づいて稼働される稼働期間において、少なくとも1つの非稼働状態のユニットUに対する電力供給を停止させる。すなわち、稼働期間中であっても非稼働状態のユニットUへの電力供給は必要でないので、メインコントローラ6は、非稼働状態のユニットUへの電力供給を停止させる。これにより、電力消費量が低減される。
【0064】
また本実施形態では、メインコントローラ6は、稼働される処理ユニットMPCの数が最も少なくなるタイムチャート(第3および第7タイムチャート)を作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。言い換えると、メインコントローラ6は、非稼働状態の処理ユニットMPCの数が最も多くなるタイムチャートを作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。したがって、メインコントローラ6は、複数のオン・オフ切替装置22を制御することにより、稼働期間中であっても非稼働状態の処理ユニットMPCや非稼働状態が長時間継続するユニットUへの電力供給を停止させることができる。このタイムチャートでは、非稼働状態の処理ユニットMPCの数が最も多いので、電力消費量を一層低減することができる。
【0065】
また本実施形態では、メインコントローラ6は、稼働される薬液供給ユニットCCの数が最も少なくなるタイムチャート(第2、第3、第6、および第7タイムチャート)を作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。言い換えると、メインコントローラ6は、非稼働状態の薬液供給ユニットCCの数が最も多くなるタイムチャートを作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。したがって、メインコントローラ6は、複数のオン・オフ切替装置22を制御することにより、稼働期間中であっても非稼働状態の薬液供給ユニットCCへの電力供給を停止させることができる。このタイムチャートでは、非稼働状態の薬液供給ユニットCCの数が最も多いので、電力消費量を一層低減することができる。さらに、稼働される薬液供給ユニットCCの数が少ないので、それに応じて、基板処理装置1内で準備(調合や温度調整など)される薬液量が少なくなる。これにより、薬液消費量を削減できる。
【0066】
また本実施形態では、メインコントローラ6は、薬液供給ユニットCCの稼働開始時間が基板処理装置1への基板Wの投入時間Tinより遅くなるタイムチャート(第5〜第7タイムチャート)を作成し、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。したがって、複数のユニットUによって行われる全ての工程が終了する終了時間Te5〜7から終了期限LTまでの期間を短縮することができる。特に、本実施形態では、終了時間Te5〜7と終了期限LTとが一致しているから、終了時間Te5〜7から終了期限LTまでの期間を無くすことができる。複数のユニットUによって行われる全ての工程が終了してから終了期限LTまでの期間は、薬液が基板Wに供給されないから、この期間を短縮することにより、薬液の寿命が無駄に消費される期間を短縮することができる。これにより、薬液を効率的に使用することができる。換言すれば、薬液の使用開始を遅らせることによって、薬液の寿命が尽きる時間がより遅くなるので、実質的に薬液の寿命が長くなったのと同等の効果が得られる。これにより、薬液をより多くの基板処理に使えるようになるから、薬液の消費量を削減できる。
【0067】
また本実施形態では、メインコントローラ6は、複数の生産情報を取得し、複数の生産情報に対応する複数枚の基板Wが連続的に処理されるタイムチャート(第8タイムチャート)を作成する。すなわち、メインコントローラ6は、複数の生産情報を統合し、この統合された生産情報に基づいてタイムチャートを作成する。そして、メインコントローラ6は、このタイムチャートに基づいて複数のユニットUを稼働させる。複数の生産情報に対応する複数枚の基板Wが連続的に処理されるので、複数枚の基板Wが断続的に処理される場合に比べて、稼働期間を短縮することができる。言い換えると、非稼働期間を増加させることができる。したがって、電力消費量を一層低減することができる。
【0068】
また本実施形態では、各処理ユニットMPCによる基板処理回数が、メインコントローラ6のカウンター26によって数えられる。メインコントローラ6は、各処理ユニットMPCの基板処理回数が平均化するタイムチャート(第9および第10タイムチャート)を作成する。したがって、基板処理回数に応じて交換されるメンテナンス部品が各処理ユニットMPCに設けられている場合には、各メンテナンス部品の使用回数を平均化することができる。そのため、複数のメンテナンス部品の交換の時期が、一致またはほぼ一致するので、複数のメンテナンス部品を同時に交換することができる。したがって、メンテナンス部品を交換するために基板処理装置1を停止させる回数を減少させることができるから、基板処理装置1の生産性を向上できる。さらに、一部のメンテナンス部品の交換が必要になったときに、他のメンテナンス部品も併せて交換したとしても、各メンテナンス部品が平均的に使用されているので、各メンテナンス部品を効率的に使用することができる。
【0069】
また本実施形態では、基板処理装置1の異常を検出するセンサ13、19が基板処理装置1に設けられている。このセンサ13、19には、電力が常時供給される。したがって、基板処理装置1の異常を確実に検出することができる。つまり、異常検出動作を犠牲にすることなく、基板処理装置1の消費電力量を低減できる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0070】
たとえば、前述の実施形態では、第5〜第7タイムチャートの終了時間Te5〜7と終了期限LTとが一致している場合について説明した(図8参照)。しかし、第5〜第7タイムチャートの終了時間Te5〜7は、終了期限LTより早くてもよい。
また、前述の実施形態では、4つの処理ユニットMPCが共通の薬液供給ユニットCCに接続されている場合について説明した。しかし、処理ユニットMPCごとに薬液供給ユニットCCが設けられていてもよい。
【0071】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 基板処理装置
6 メインコントローラ(制御装置)
13 第1センサ(センサ)
19 第2センサ(センサ)
22 オン・オフ切替装置
26 カウンター
CC 薬液供給ユニット(ユニット)
CR センターロボット(ユニット)
IR インデクサロボット(ユニット)
MPC 処理ユニット(ユニット)
SH シャトル(ユニット)
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置であって、
基板の処理のための工程を実行する複数のユニットと、
前記複数のユニットにそれぞれ対応しており、対応する前記ユニットに電力を供給するオン状態と、対応する前記ユニットへの電力供給を停止するオフ状態との間で切り替わる複数のオン・オフ切替装置と、
前記基板処理装置に投入される基板の処理内容および終了期限を含む生産情報を取得し、前記処理内容に応じて前記複数のユニットによって行われる全ての工程が前記終了期限以前に完了するように、前記複数のユニットの稼働計画を表すタイムチャートを前記生産情報に基づいて作成し、前記タイムチャートに基づいて前記複数のユニットを稼働させると共に、前記タイムチャートに基づいて前記複数のオン・オフ切替装置を制御する制御装置と、を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記基板処理装置への基板の投入時間から前記終了期限までの期間である実行可能期間のうち、前記複数のユニットのいずれもが前記タイムチャートに基づいて稼働されない非稼働期間において、前記複数のユニットの少なくとも1つへの電力供給が停止されるように前記複数のオン・オフ切替装置を制御する、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記複数のユニットの少なくとも1つが前記タイムチャートに基づいて稼働される稼働期間において、少なくとも1つの非稼働状態の前記ユニットに対する電力供給が停止されるように前記複数のオン・オフ切替装置を制御する、請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記複数のユニットは、基板を処理する複数の処理ユニットを含み、
前記制御装置は、稼働される前記処理ユニットの数が最も少なくなる前記タイムチャートを作成する、請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記複数のユニットは、基板を処理する処理ユニットと、前記処理ユニットに薬液を供給する複数の薬液供給ユニットと、を含み、
前記制御装置は、稼働される前記薬液供給ユニットの数が最も少なくなる前記タイムチャートを作成する、請求項3または4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記複数のユニットは、基板を処理する処理ユニットと、前記処理ユニットに薬液を供給する薬液供給ユニットと、を含み、
前記制御装置は、前記薬液供給ユニットの稼働開始時間が前記基板処理装置への基板の投入時間より遅くなる前記タイムチャートを作成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記制御装置は、複数の前記生産情報を取得し、前記複数の生産情報に対応する複数枚の基板が連続的に処理されるタイムチャートを作成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記複数のユニットは、基板を処理する複数の処理ユニットを含み、
前記制御装置は、各処理ユニットによる基板処理回数を数えるカウンターを含み、各処理ユニットの基板処理回数が平均化するタイムチャートを作成する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記基板処理装置の異常を検出すると共に、電力が常時供給されるセンサをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板処理装置における電力供給を管理する電源管理方法であって、
前記基板処理装置に投入される基板の処理内容および終了期限を含む生産情報を制御装置が取得するステップと、
基板の処理のための工程を実行する複数のユニットによって前記処理内容に応じて行われる全ての工程が前記終了期限以前に完了するように、前記制御装置が、前記生産情報に基づいて、前記複数のユニットの稼働計画を表すタイムチャートを作成するステップと、
前記タイムチャートに基づいて前記制御装置が前記複数のユニットを稼働させるステップと、
前記複数のユニットにそれぞれ対応しており、対応する前記ユニットに電力を供給するオン状態と、対応する前記ユニットへの電力供給を停止するオフ状態との間で切り替わる複数のオン・オフ切替装置を前記タイムチャートに基づいて前記制御装置が制御するステップと、を含む、電源管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−195446(P2012−195446A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58263(P2011−58263)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】