説明

基板処理装置

【課題】
基板処理装置内に搬入された基板を外気に曝すことなく気密室内で搬送、移載する様にしたものであり、更に気密室でのパーティクル、有機物による汚染を防止する。
【解決手段】
基板39を基板保持具35に保持し、該基板保持具を受け台71に載置して前記基板を処理する処理室と、該処理室に隣接する減圧可能なロードロック室24とを備え、該ロードロック室内には前記基板保持具を載置可能な置き台36と、前記受け台と前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第1の支持体86と、前記受け台と該受け台から退避する位置及び該退避する位置から前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第2の支持体87とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェーハ等の基板にCVD処理等を行いIC等の半導体装置を製造する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置としては、所要枚数を一度に処理するバッチ式の基板処理装置或は一枚或は複数枚を個別に処理する枚葉式の基板処理装置とがある。例えば、バッチ式の基板処理装置として、縦型反応炉を具備した縦型基板処理装置があり、該縦型基板処理装置に関するものとして特許文献1に示すものがある。
【0003】
特許文献1に示される基板処理装置について、図11、図12に於いて略述する。
【0004】
反応室を有する処理炉1の下側にロードロック室2が気密に連設され、該ロードロック室2と前記処理炉1間にはゲートバルブ3が設けられ、前記ロードロック室2の側面にもゲートバルブ4が設けられている。前記ロードロック室2にはボートエレベータ(図示せず)が収納され、該ボートエレベータによりボート5が昇降され、前記ロードロック室2から前記処理炉1にボート5が装入、引出し(ローディング、アンローディング)される様になっている。
【0005】
前記ロードロック室2に隣接してボート交換装置6が設けられている。
【0006】
該ボート交換装置6はボート5を載置可能な2組の移載用テーブル7,8を有し、該移載用テーブル7,8はベーステーブル9に図11中左右方向(X方向)にスライド可能に設けられている。該ベーステーブル9は、図11の紙面に対して垂直方向(Y方向)にスライド可能に設けられている。
【0007】
前記移載用テーブル7,8は、前記ゲートバルブ4を通して載置したボート5を前記ロードロック室2内に挿入可能であり、前記ボートエレベータとの協働で該ボートエレベータと前記移載用テーブル7,8間でのボート5の移載が可能となっている。
【0008】
前記ボート交換装置6と対向してカセット棚11が設けられ、該カセット棚11と前記ボート交換装置6との間にウェーハ移載装置12が設けられている。該ウェーハ移載装置12は、進退且つ回転可能な移載機13及び移載機エレベータ14を具備し、該移載機エレベータ14と前記移載機13との協働で前記カセット棚11のカセット15と前記移載用テーブル7,8上のボート5との間でウェーハの移載を行う様になっている。
【0009】
前記処理炉1及び前記ロードロック室2にはそれぞれ排気ポンプ16,17が接続され、内部が真空引きされる様になっている。
【0010】
上記した基板処理装置に於ける基板処理について説明する。
【0011】
図示しない外部搬送装置、或は作業者がカセット15を搬送して前記カセット棚11に収納させる。前記ウェーハ移載装置12は前記カセット15内のウェーハを前記ボート交換装置6上のボート5に移載する。該ボート5に1バッチ分の未処理ウェーハが移載されると、前記ゲートバルブ4が開けられ、前記ボート交換装置6により前記ボート5が図示しないボートエレベータに移載される。前記ゲートバルブ3、前記ゲートバルブ4が閉じられた状態で、前記排気ポンプ17により前記ロードロック室2内が減圧され、前記処理炉1と同圧化される。
【0012】
前記ゲートバルブ3が開かれ、前記ボートエレベータにより前記処理炉1に前記ボート5がローディングされ、前記処理炉1内部が加熱されつつ、該処理炉1内部に反応ガスが導入され、前記排気ポンプ16によって排気され、前記ボート5に保持されたウェーハに薄膜の生成、不純物の拡散、エッチング等所要の処理がなされる。
【0013】
処理が完了すると、ボートエレベータにより前記ボート5が降下され、前記処理炉1からアンローディングされ、前記ゲートバルブ3が閉じられ、前記ロードロック室2がガスパージされる。
【0014】
前記処理炉1での基板処理中に前記ウェーハ移載装置12により前記ボート交換装置6のもう1つのボート5に未処理ウェーハが移載され、待機している。
【0015】
前記ロードロック室2が外部と同圧化された後、前記ゲートバルブ4が開かれる。処理済のウェーハを保持したボート5が前記ボート交換装置6により前記ゲートバルブ4を通して取出されると、未処理ウェーハを保持したボート5が前記ボートエレベータに移載され、前記ゲートバルブ4が閉じられ、ウェーハの処理が繰返される。
【0016】
前記ボート交換装置6で取出されたボート5は、処理済ウェーハが所要温度迄冷却されると、前記ボート5から前記カセット棚11のカセット15に前記ウェーハ移載装置12によって処理済ウェーハが移載され、該処理済ウェーハを収納した前記カセット15は外部に搬出される。
【0017】
近年、半導体装置が益々細密化するにつれ、微細なパーティクル、或は自然酸化膜の生成が、前記半導体装置の品質に影響を及す様になり、カセット15を密閉式の基板収納容器とし、又基板処理装置内でのウェーハの搬送空間を気密とし、或は不活性ガス雰囲気とし、基板処理装置内でウェーハがパーティクルに汚染されること、ウェーハに自然酸化膜が生成することを防止する様になっている。
【0018】
然し乍ら、上記した従来の基板処理装置の様にボートを交換する構成を有するものでは、前記ボート交換装置6を前記ロードロック室2に収納した場合、前記移載用テーブル7,8のガイドが露出しており、又モータへの配線ケーブル等も露出している。この為、ガイドに塗布されているグリース、或は配線ケーブルに含まれている有機物がウェーハを汚染する虞れがある。又、摺動部から発生するパーティクルによる汚染も考えられる。又、前記ボート交換装置6のボート5へのウェーハの移載中、或は前記ボート交換装置6によるボート5の交換中、或は該ボート5に保持されたウェーハが前記ボート交換装置6で待機している状態等で自然酸化膜が生成される虞れもある。
【0019】
又、ボート5がアンローディングされ、前記ロードロック室2内で所定の温度に冷却される迄は該ロードロック室2内を真空に維持するが、冷却時間は待ち時間となり、スループット向上を妨げる原因となる。
【0020】
【特許文献1】特開2000−21798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は斯かる実情に鑑み、基板処理装置内に搬入された基板を外気に曝すことなく気密室内で搬送、移載する様にしたものであり、更に気密室でのパーティクル、有機物による汚染を防止するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、基板を基板保持具に保持し、該基板保持具を受け台に載置して前記基板を処理する処理室と、該処理室に隣接する減圧可能なロードロック室とを備え、該ロードロック室内には前記基板保持具を載置可能な置き台と、前記受け台と前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第1の支持体と、前記受け台と該受け台から退避する位置及び該退避する位置から前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第2の支持体とを有する基板処理装置に係るものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、基板を基板保持具に保持し、該基板保持具を受け台に載置して前記基板を処理する処理室と、該処理室に隣接する減圧可能なロードロック室とを備え、該ロードロック室内には前記基板保持具を載置可能な置き台と、前記受け台と前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第1の支持体と、前記受け台と該受け台から退避する位置及び該退避する位置から前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第2の支持体とを有するので、基板処理装置内に搬入された基板を外気に曝すことなくロードロック室内で搬送、移載が可能であり、基板処理装置内で基板がパーティクルに汚染されること、基板に自然酸化膜が生成されることが防止できる。更に、ロードロック室内で予備の基板保持具を収納できるので、基板保持具への基板の移載を基板処理中に行え、スループットの向上が図れる等の優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
【0025】
図1、図2に於いて、密閉な空間を形成する筐体20の前面には授受ステージ22が設けられ、該授受ステージ22は密閉構造の基板収納容器であるポッド(以下カセット21)を授受可能となっている。前記授受ステージ22に隣接する前記筐体20の内部にはカセット搬送空間23が形成され、前記筐体20に設けられたクリーンユニット(図示せず)により前記カセット搬送空間23には清浄空気の流れが形成されている。
【0026】
前記筐体20の後下部には気密室であるロードロック室24が連設され、該ロードロック室24内は大気ゲート弁25を介して前記カセット搬送空間23に連通している。
【0027】
該カセット搬送空間23には、前記授受ステージ22に対向してカセット搬送機26が設けられ、該カセット搬送機26を介して前記授受ステージ22に対向する位置にカセット受け台27が設けられ、該カセット受け台27には前記大気ゲート弁25に連設されたカセット開閉手段であるポッドオープナ29が設けられている。又、前記カセット受け台27の上方に位置するカセット棚28が前記ロードロック室24の上面に設けられている。
【0028】
前記カセット棚28の後側に炉収納部31が設けられ、該炉収納部31には処理炉32が収納され、該処理炉32は炉口ゲートバルブ33を介して前記ロードロック室24と連通している。該ロードロック室24には図11で示したと同様排気ポンプ(図示せず)が設けられ、又窒素ガス等の不活性ガスを供給するガス供給ライン(図示せず)が連通されている。
【0029】
前記ロードロック室24の内部には、前記処理炉32の下方に基板保持具昇降手段であるボートエレベータ34が設けられ、該ボートエレベータ34は基板保持具であるボート35を交換可能に載置し、該ボート35を昇降して前記処理炉32にローディング/アンローディング可能となっている。前記ボート35はウェーハ39を水平姿勢で多段に保持するものであり、該ウェーハ39は前記ボート35に保持された状態で前記炉収納部31内にローディングされ、所要の処理がなされる。
【0030】
前記ボートエレベータ34の側方に基板保持具交換手段であるボートチェンジャ30、保持具置き台36が設けられ、前記ボートエレベータ34と前記大気ゲート弁25との間には基板移載手段である基板移載機37が設けられている。
【0031】
尚、前記筐体20にはアンローディングされた状態のボート35に対向する位置に気密構造のローディングロックドア40が設けられ、該ローディングロックドア40を開いて保守作業が可能となっている。
【0032】
前記授受ステージ22に対してはAGV、或はOHT等の外部搬送装置(図示せず)により前記カセット21が搬入出される。前記カセット搬送機26は横行可能、昇降可能、進退可能なカセット搬送アーム38を具備し、該カセット搬送アーム38の横行、昇降、進退の協働により前記授受ステージ22から前記カセット受け台27又は前記カセット棚28間で、或は前記カセット受け台27と前記カセット棚28間で前記カセット21の搬送を行う様になっている。
【0033】
前記カセット棚28は回転可能な複数段の棚41(図示では2段)を有し、各段の棚にそれぞれ複数個の前記カセット21を載置可能となっている。
【0034】
前記基板移載機37について図3、図4に於いて説明する。
【0035】
前記ロードロック室24の底部より筒状の駆動部支持体42が気密に取付けられ、該駆動部支持体42に前記基板移載機37の駆動機構部43が取付けられている。前記駆動部支持体42の下面に筒状支持部材44が取付けられ、該筒状支持部材44の下端に上ベース45が取付けられ、該上ベース45に支柱46,46を介して下ベース47が取付けられ、前記上ベース45と前記下ベース47間にスクリューシャフト48,48が回転自在に設けられ、該スクリューシャフト48,48はギアボックス49,49を介してタイミングベルト51により連結され、モータ50により同期回転される様になっている。前記支柱46に昇降ベース52が昇降自在に設けられ、該昇降ベース52は図示しないナットブロックを介して前記スクリューシャフト48,48に螺合している。前記昇降ベース52には2重シャフト53が立設され、該2重シャフト53の上端には磁気シール部54を介してフランジ55が回転自在に気密に設けられ、該フランジ55と前記上ベース45間にはベローズシール部材56が気密に取付けられ、前記フランジ55は前記駆動部支持体42の上部を貫通して昇降可能となっている。
【0036】
前記2重シャフト53の上端にはウェーハ移載アーム57が設けられ、前記2重シャフト53の外軸、内軸(図示しない)を個々に回転することで、前記ウェーハ移載アーム57全体が回転すると共に該ウェーハ移載アーム57が伸縮する様になっている。
【0037】
而して、前記支柱46、前記スクリューシャフト48等の摺動部、回転部は前記ベローズシール部材56によって前記ロードロック室24内とは離隔されており、前記駆動機構部43による前記ロードロック室24内部の汚染を防止している。又、該ロードロック室24は前記駆動機構部43を外部に設けたので、前記ロードロック室24の容積を小さくでき、減圧、復圧等の工程を短時間で行える。
【0038】
次に、図5、図6により前記ボートエレベータ34について説明する。
【0039】
前記ロードロック室24の上面にエレベータ昇降機構部59が設けられ、該エレベータ昇降機構部59はガイドシャフト61に昇降自在に設けられた昇降ブロック62を具備し、該昇降ブロック62にはナットブロック(図示せず)を介してスクリューロッド64が螺合し、該スクリューロッド64は昇降モータ63により減速機60を介して回転され、前記スクリューロッド64が前記昇降モータ63により回転されることで前記昇降ブロック62が昇降可能となっている。
【0040】
該昇降ブロック62には前記ロードロック室24の天井部を貫通して該ロードロック室24内に延出する昇降軸65が垂設され、該昇降軸65の前記ロードロック室24貫通箇所にはベローズ66が設けられ、前記昇降軸65の貫通部は気密構造となっている。前記ベローズ66は前記昇降ブロック62の昇降量に対応できる充分な伸縮量を有し、前記ベローズ66の内径は前記昇降軸65の外形に比べ充分に大きく前記ベローズ66の伸縮で前記昇降軸65に接触することがない様になっている。
【0041】
該昇降軸65の下端にエレベータアーム67が設けられており、該エレベータアーム67にはローラ68が回転自在に設けられている。前記ロードロック室24の内壁面で前記昇降軸65に対峙する部分にはガイドレール69が取付けられ、該ガイドレール69には前記ローラ68が転動する様になっている。
【0042】
前記エレベータアーム67に前記処理炉32の炉口部を気密に閉鎖可能な炉口蓋71が設けられている。該炉口蓋71はボート受け台として機能し、該炉口蓋71に前記ボート35が着脱可能に載置される。
【0043】
而して、前記昇降モータ63の駆動により、前記昇降軸65を介して前記エレベータアーム67が昇降し、該エレベータアーム67の昇降により前記ボート35が前記処理炉32にローディング/アンローディングされる様になっている。又、前記エレベータアーム67が前記ローラ68を介して前記ガイドレール69にガイドされているので前記昇降軸65の撓みが抑止され、前記ボート35の昇降動作に伴う前記昇降軸65の撓みによる前記ボート35の水平変位が防止される。
【0044】
尚、前記エレベータアーム67は気密な中空構造となっており、該エレベータアーム67内にボート回転手段(図示せず)が設けられ、該ボート回転手段は前記炉口蓋71を貫通するボート回転軸(図示せず)を有しており、該ボート回転軸を介して前記ボート35を回転可能となっている。
【0045】
前記ボート回転手段に対する給電用のケーブル、駆動制御用のケーブル(図示せず)が前記昇降軸65を通して配線されている。又、前記炉口蓋71、前記ボート回転手段のシールを冷却する為の冷却流路(図示せず)が形成されており、該冷却流路に冷却水を循環する為の冷却水配管(図示せず)も前記昇降軸65内を通して配管されている。尚、前記冷却水配管はウェーハに対して金属汚染等汚染を起こさない金属等の材質が採用されている。
【0046】
図7、図8により前記ボートチェンジャ30について説明する。
【0047】
該ボートチェンジャ30の駆動機構部72は前記ロードロック室24の外部に設けられ、前記駆動機構部72は前記ロードロック室24の底部を貫通して設けられ、貫通部は磁気シールで気密となっている。
【0048】
磁気シールで気密構造となっている軸受部73が前記ロードロック室24の底部を貫通して気密に設けられ、前記軸受部73に2重軸74が磁気シールされ回転自在に設けられている。
【0049】
該2重軸74の外軸75の上端部は前記ロードロック室24内部に突出し下端部は前記ロードロック室24の外部に突出している。又、内軸76の上端部は前記外軸75の上端より突出し、下端部は該外軸75の下端より突出している。
【0050】
該外軸75の下端部にはプーリ、例えばタイミングギア77が嵌着され、該タイミングギア77は動力伝達部材、例えばタイミングベルト78を介して第1モータ79の出力軸に設けられたタイミングギア81と連結されている。又、前記内軸76の下端部にはプーリ、例えばタイミングギア82が嵌着され、該タイミングギア82は動力伝達部材、例えばタイミングベルト83を介して第2モータ84の出力軸に設けられたタイミングギア85と連結されている。前記第1モータ79、前記第2モータ84はそれぞれ独立して駆動され、前記外軸75、前記内軸76は個々に回転される様になっている。
【0051】
前記外軸75の上端にはボート支持体である第1ボート交換アーム86が固着され、前記内軸76の上端にはボート支持体である第2ボート交換アーム87が固着されている。前記第1ボート交換アーム86、前記第2ボート交換アーム87の先端部はそれぞれ半円弧形状のボート載置部86a,87aを有しており、該ボート載置部86a,87aの内縁部は凹段差となっている。前記ボート35は前記凹段差に位置決めされて載置され、それぞれ前記第1ボート交換アーム86、前記第2ボート交換アーム87に支持される様になっている。又、前記外軸75、前記内軸76の回転で、前記第1ボート交換アーム86と前記第2ボート交換アーム87は、干渉することなく回転する様になっている。
【0052】
図9により、前記保持具置き台36について説明する。
【0053】
該保持具置き台36の駆動機構部88は、前記ロードロック室24の下側に該ロードロック室24の内部とは離隔して設けられている。
【0054】
該ロードロック室24の下面に架体89が設けられ、該架体89には複数のスクリューシャフト91,91が回転自在に設けられ、該スクリューシャフト91,91は前記駆動機構部43と同様な構造となっており、ギアボックス92,92を介してタイミングベルト(図示せず)により連結され、前記ギアボックス92,92はモータ94により同期回転される様になっている。
【0055】
前記スクリューシャフト91,91には昇降ベース95がナットブロック(図示せず)を介して螺合しており、前記スクリューシャフト91,91の回転で昇降する様になっている。
【0056】
前記昇降ベース95には支柱96が立設され、該支柱96は前記ロードロック室24の底部を遊貫して上端部が前記ロードロック室24内に突出し、前記支柱96の上端にボート受載フランジ98が固着されている。該ボート受載フランジ98は前記ボート載置部86a,87aの内径よりも小さい外径を有し、該ボート載置部86a,87aの中心部を通って昇降可能となっている。
【0057】
前記昇降ベース95と前記ロードロック室24下面間にはベローズ97が設けられ、該ベローズ97は前記支柱96と同心であると共に非接触となっている。前記ベローズ97は、前記ボート受載フランジ98の上面が前記ボート載置部86aの下面より下方迄降下し、又前記ボート受載フランジ98の下面が前記第2ボート交換アーム87の上面より上方迄上昇するだけの伸縮量を有している。
【0058】
又、前記保持具置き台36に隣接して管状の不活性ガス供給ノズル99(図2参照)が立設されており、該不活性ガス供給ノズル99は図示しない窒素ガス等の不活性ガス供給源に接続されている。前記不活性ガス供給ノズル99の上端は、前記ボート35が前記保持具置き台36に載置された状態で少なくとも前記ボート35上端迄の高さを有し、該ボート35に対向する面に所要間隔で穿設されたガス吐出孔(図示せず)を有する。
【0059】
図10により前記処理炉32について説明する。
【0060】
前記ロードロック室24の上面に炉口フランジ101が設けられ、該炉口フランジ101の上端に有天筒状の外管102が立設され、該外管102と同心に処理室を画成する内管103が配設され、該内管103は上端が開放され、下端を前記炉口フランジ101に支持されている。
【0061】
前記炉口蓋71に処理ガス導入ノズル104が連通され、該処理ガス導入ノズル104はガス供給ライン105を介して処理ガス供給源(図示せず)、或は窒素ガス等不活性ガス供給源(図示せず)に接続されている。又、前記炉口フランジ101の前記内管103の下端より上方に排気管106が連通され、該排気管106は排気装置(図示せず)に接続されている。
【0062】
前記外管102と同心に筒状のヒータユニット107が配設され、該ヒータユニット107はヒータベース108に立設されている。
【0063】
前記ボートエレベータ34の前記エレベータアーム67には前記炉口蓋71が設けられ、該炉口蓋71は前記炉口フランジ101の下端開口部(炉口部)を気密に閉塞する。前記炉口蓋71の下面にはボート回転装置109が設けられ、該ボート回転装置109の回転軸111が前記炉口蓋71を気密に貫通している。前記回転軸111の上端に設けられたボート受け台112に前記ボート35が載置される。
【0064】
前記処理炉32で処理される前記ウェーハ39の処理状態は主制御部113によって制御される。該主制御部113は、炉内の温度を制御する温度制御部114、処理ガスの流量を制御するガス流量制御部115、前記外管102内の圧力を制御する圧力制御部116、前記ボート回転装置109を制御する駆動制御部117を備えている。
【0065】
前記内管103と前記外管102との間には温度検出器118が設けられ、該温度検出器118は前記外管102内の温度を検出し、前記温度制御部114には温度検出信号が入力される。前記ガス供給ライン105にガス流量制御器119が設けられ、前記ガス流量制御部115により所要のガス流量に制御される。前記排気管106には圧力検出器121が設けられ、前記排気管106は排気ライン122を介して図示しない排気装置に接続され、前記排気ライン122には圧力制御弁123が設けられている。前記圧力検出器121により検出された排気圧力の圧力検出信号は前記圧力制御部116に入力され、該圧力制御部116は前記圧力制御弁123を制御して前記外管102内の圧力の制御を行う。
【0066】
以下、作用について説明する。
【0067】
前記カセット21に所定数、例えば25枚の未処理ウェーハが装填され、前記授受ステージ22に搬送される。
【0068】
前記カセット搬送機26により前記カセット棚28にカセット21が搬送され、前記カセット棚28に所要数のカセット21が収納される。前記カセット搬送機26は前記カセット棚28から、或は前記授受ステージ22から直接前記カセット受け台27にカセット21を搬送する。
【0069】
前記ボート35がアンローディングされた状態で、前記ロードロック室24内が不活性ガスによりガスパージされ大気圧と同圧化される。
【0070】
前記ポッドオープナ29により前記カセット21の蓋が開けられる。
【0071】
前記ボートエレベータ34には空のボート35が載置されており、前記基板移載機37により前記カセット受け台27上の前記カセット21内のウェーハ39が前記ボートエレベータ34の前記ボート35(以下第1ボート35a)に移載される。予定した移載枚数が25枚を超える場合は、空のカセット21とウェーハ39が装填されたカセット21が順次交換され、移載が繰返される。尚、前記保持具置き台36には空のボート35(以下第2ボート35b)が載置されている。
【0072】
予定した枚数のウェーハ39が前記第1ボート35aに移載されると、前記ボートエレベータ34により前記第1ボート35aが前記処理炉32にローディングされ、前記ウェーハ39に所要の処理がなされる。
【0073】
ウェーハ39に処理がなされている間に、前記保持具置き台36に載置された前記第2ボート35bに前記基板移載機37により未処理のウェーハ39が移載される。前記第2ボート35bに所要枚数のウェーハ39が移載されると、前記大気ゲート弁25が閉じられ、前記ロードロック室24内が排気され真空状態にされる。
【0074】
前記処理炉32で処理が完了すると前記外管102内が真空排気され、前記ロードロック室24内と同圧化され、前記ボートエレベータ34により前記第1ボート35aがアンローディングされる。アンローディング時には前記ロードロック室24は真空状態であるので、処理直後の高温となった処理済ウェーハが酸化され、或はパーティクルに汚染されることが防止される。
【0075】
前記ボートチェンジャ30の前記第2ボート交換アーム87がアンローディングされた前記第1ボート35aまで回転して、該第1ボート35aを載置支持する。前記第2ボート交換アーム87が逆方向に回転して、前記第1ボート35aを待機位置迄移動する。
【0076】
前記保持具置き台36で前記モータ94が駆動され、前記ボート受載フランジ98が降下され、未処理ウェーハが装填された前記第2ボート35bが前記第1ボート交換アーム86に載置される。
【0077】
該第1ボート交換アーム86が降下状態の前記炉口蓋71上迄前記第2ボート35bを移動させる。前記炉口蓋71が若干上昇され、該炉口蓋71が前記第2ボート35bを載置する。前記第1ボート交換アーム86が逆方向に回転して、退避する。前記ボートエレベータ34により前記第2ボート35bが前記処理炉32内にローディングされ、ウェーハ39の処理が行われる。
【0078】
前記第2ボート交換アーム87が前記保持具置き台36迄回転し、前記ボート受載フランジ98が上昇され、前記第1ボート35aが前記ボート受載フランジ98に載置される。前記第2ボート交換アーム87は待機位置迄後退する。
【0079】
前記不活性ガス供給ノズル99により窒素ガス等の不活性ガスを供給して、前記ロードロック室24内を大気圧迄ガスパージすると共に供給する不活性ガスにより前記保持具置き台36に載置された前記第1ボート35aの処理済ウェーハ39の冷却を行う。
【0080】
処理済のウェーハ39が所定温度迄冷却されると、前記大気ゲート弁25が開放されると共に前記ポッドオープナ29により前記カセット21の蓋が開かれる。前記基板移載機37により前記第1ボート35aから空のカセット21に処理済のウェーハ39が移載される。処理済のウェーハ39が装填されたカセット21は前記カセット搬送機26により前記授受ステージ22に搬送され、又前記カセット搬送機26により前記カセット受け台27に空のカセット21が搬送される。
【0081】
上記ウェーハ39の移載が繰返され、処理済のウェーハ39の払出しが行われる。前記保持具置き台36の前記第1ボート35aは空となり、該第1ボート35aには前記処理炉32でウェーハ39の処理が行われている間に未処理ウェーハ39が移載される。
【0082】
而して、ボート35へのウェーハ39の移載、払出し、前記処理炉32へのボート35のローディング、アンローディングが繰返され、ウェーハ39の処理が繰返される。
【0083】
ボート35へのウェーハ39の移載、払出し、前記処理炉32へのボート35のローディング、アンローディングに於いて、前記基板移載機37によるウェーハ移載動作、前記ボートエレベータ34によるボート35のローディング、アンローディング動作、前記ボートチェンジャ30によるボート交換動作、前記保持具置き台36によるボート35の昇降動作が行われるが、上述した様に前記基板移載機37の駆動機構部43は前記磁気シール部54、前記ベローズシール部材56で前記ロードロック室24内と離隔され、前記ボートエレベータ34のエレベータ昇降機構部59は前記ベローズ66により前記ロードロック室24内と離隔され、前記ボートチェンジャ30の駆動機構部72は前記軸受部73の磁気シールにより前記ロードロック室24内と離隔され、前記保持具置き台36の駆動機構部88は前記ベローズ97により前記ロードロック室24内と隔離されている。従って、摺動部に塗布される有機物のグリースによる有機物汚染が防止され、又動作時に発生するグリースの飛沫によるウェーハ39の汚染が防止される。その他、可動部が動作時に発生するパーティクルによる汚染が防止される。
【0084】
次に、前記処理炉32でのウェーハ39の処理について説明する。
【0085】
前記ヒータユニット107により加熱しながら、前記外管102内の温度を所定の処理温度にする。該外管102内の温度は前記温度検出器118により、前記ヒータユニット107の加熱状態は処理温度に維持される様前記温度制御部114により制御される。
【0086】
前記ガス供給ライン105を介して不活性ガスが、前記ガス流量制御器119により供給量を制御されて前記外管102に供給され、該外管102が前記ロードロック室24内と同圧化される。前記外管102内が前記ロードロック室24内と同圧化されると、前記炉口ゲートバルブ33が開放され、前記ボートエレベータ34により前記第1ボート35aが前記処理炉32内にローディングされる。
【0087】
前記排気ライン122より前記外管102内を排気し、内部の圧力は前記圧力検出器121により検出され、処理圧力迄減圧され前記圧力制御部116により処理圧力が維持される。
【0088】
前記ボート回転装置109により前記回転軸111を介して前記第1ボート35aが回転され、同時に前記ガス供給ライン105から前記処理ガス導入ノズル104を介して処理ガスが導入される。処理ガスは、前記外管102内を上昇し、前記ウェーハ39に対して均一に供給される。
【0089】
減圧CVD処理中の前記外管102内は、前記排気ライン122を介して排気され、前記外管102内の圧力は前記圧力検出器121からの検出結果に基づき前記圧力制御部116が前記圧力制御弁123を制御することで、所定処理圧に維持される。
【0090】
前記ウェーハ39の処理中、前記ロードロック室24内が真空排気される。前記ウェーハ39の処理が完了すると、前記外管102内が真空排気され、該外管102内と前記ロードロック室24内が同圧化される。前記ボートエレベータ34により、前記第1ボート35aがアンローディングされる。
【0091】
以下、ボート35の交換、ウェーハ39の払出し等は上述したとおりである。
【0092】
尚、ボートのローディング、アンローディング、ロードロック室24の真空引、ガスパージ、ウェーハの移載動作の手順については種々の態様が考えられる。
【0093】
例えば、前記処理炉32でのウェーハ処理完了後、前記外管102内を前記ロードロック室24内と同圧化し、前記第1ボート35aをアンローディングする。アンローディングされた該第1ボート35aは一旦前記第2ボート交換アーム87により退避される。退避と同期して前記ロードロック室24の大気圧復帰のガスパージが行われ、前記第1ボート35aは退避した位置でガスパージする窒素ガス等の不活性ガスによるウェーハ39の冷却が並行して実施される。
【0094】
アンロードされた前記第1ボート35aが退避するに続いて、前記保持具置き台36に載置された空の第2ボート35bが前記第1ボート交換アーム86により降下状態の前記炉口蓋71に移載される。
【0095】
前記ロードロック室24の大気圧復帰が完了すると、前記大気ゲート弁25が開放される。前記カセット受け台27には未処理ウェーハ39が装填されたカセット21が搬送されており、前記基板移載機37により前記カセット21から前記第2ボート35bへウェーハ39が移載される。
【0096】
前記第2ボート35bに所定枚数のウェーハ39が移載し終ると、前記大気ゲート弁25を閉じ、前記第2ボート35bをローディングする。
【0097】
前記第2ボート交換アーム87を回転し、退避していた前記第1ボート35aを前記保持具置き台36に移載する。移載後前記第2ボート交換アーム87は待機位置に戻される。
【0098】
前記カセット受け台27には空のカセット21が搬送され、前記大気ゲート弁25が開かれ、前記第1ボート35aから処理済ウェーハ39が前記基板移載機37により前記カセット21に移載される。
【0099】
処理済ウェーハ39が装填されたカセット21は前記カセット搬送機26により前記授受ステージ22に搬送され、更に外部搬送装置(図示せず)により搬出される。
【0100】
更に、前記ロードロック室24を大気圧に復帰させるタイミングとしては種々考えられ、例えば、前記外管102内と前記ロードロック室24内とを同圧化する際に、同時に大気圧復帰させることで同圧化してもよい。又、アンローディング時には、炉口ゲートバルブ33は閉じる様にしても良い。
【0101】
(付記)
尚、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0102】
(付記1)基板を基板保持具に保持し、該基板保持具を受け台に載置して処理する処理室と、該処理室に隣接する減圧可能なロードロック室と、該ロードロック室とゲートバルブを介して配設される基板収容器とを備え、前記ロードロック室内には、前記基板保持具を載置可能な置き台と、前記受け台と前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第1の支持体と、前記受け台と該受け台から退避する位置との間で前記基板保持具を移動可能な第2の支持体と、基板を前記基板保持具と前記基板収容器との間で移載可能な基板移載装置とを有することを特徴とする基板処理装置。
【0103】
(付記2)前記第1の支持体及び第2の支持体は、一端側に、同軸状に配設される中空の第1の駆動軸と、第2の駆動軸とで連結され、前記第1の駆動軸に第1の駆動源、前記第2の駆動軸に第2の駆動源が連結され、各々前記第1の駆動軸又は第2の駆動軸を中心とし水平方向に回動可能である付記1の基板処理装置。
【0104】
(付記3)前記置き台の近傍に前記処理後の基板を冷却する冷却手段を設けた付記1の基板処理装置。
【0105】
(付記4)基板を基板保持具に保持し、該基板保持具を受け台に載置して処理する処理室と、該処理室に隣接する減圧可能なロードロック室と、前記受け台を前記処理室と前記ロードロック室との間で昇降させる昇降手段と、前記ロードロック室を排気する排気口とを備え、前記ロードロック室内には、前記基板保持具を載置可能な置き台と、前記受け台と前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第1の支持体と、前記受け台と該受け台から退避する位置との間で前記基板保持具を移動可能な第2の支持体とを有する基板処理装置を用いる半導体の製造方法に於いて、前記排気口から前記ロードロック室内を排気しつつ前記処理室内と略同圧力にする工程と、前記昇降手段により前記基板が保持された前記基板保持具を前記ロードロック室から前記処理室へ搬入する工程と、前記基板を前記処理室で処理する工程と、前記処理後の基板を保持する基板保持具を前記第2の支持体が前記退避する位置迄移動させる工程と、次回の処理に使用する他の基板保持具を前記第1の支持体により前記置き台と前記受け台との間で移動させる工程とを有する半導体の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略側面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す概略平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に於ける基板移載機の側断面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】本発明の実施の形態に於けるボートエレベータの概略側面図である。
【図6】該ボートエレベータのエレベータ昇降機構部の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に於けるボートチェンジャの側面図である。
【図8】該ボートチェンジャの平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に於ける保持具置き台の側面図である。
【図10】本発明の実施の形態に於ける処理炉の側断面図である。
【図11】従来の基板処理装置の概略側面図である。
【図12】従来の基板処理装置に於けるボート交換装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0107】
20 筐体
21 カセット
25 大気ゲート弁
26 カセット搬送機
27 カセット受け台
28 カセット棚
29 ポッドオープナ
30 ボートチェンジャ
32 処理炉
34 ボートエレベータ
35 ボート
36 保持具置き台
37 基板移載機
39 ウェーハ
43 駆動機構部
54 磁気シール部
56 ベローズシール部材
59 エレベータ昇降機構部
66 ベローズ
71 炉口蓋
73 軸受部
86 第1ボート交換アーム
87 第2ボート交換アーム
97 ベローズ
98 ボート受載フランジ
102 外管
113 主制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を基板保持具に保持し、該基板保持具を受け台に載置して前記基板を処理する処理室と、該処理室に隣接する減圧可能なロードロック室とを備え、該ロードロック室内には前記基板保持具を載置可能な置き台と、前記受け台と前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第1の支持体と、前記受け台と該受け台から退避する位置及び該退避する位置から前記置き台との間で前記基板保持具を移動可能な第2の支持体とを有することを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−59891(P2006−59891A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237955(P2004−237955)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】